【オリジナル】イノセンス
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29: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:22:41.57 ID:EqlApZsio
ヘルト連合王国を大変革をもたらしたものが魔法機械だ。
魔法使いが体内のマナを源として魔法を発動するというのは先に説明したが、マナはこの世界のあらゆる物質に普遍的に含まれている。
人の体内にあるマナを魔法として使えるのであれば、マナを含有する物質に魔法の属性(地・水・風・火・光)を与えることができるという考えから生まれた魔法を「付呪(エンチャント)といい、これを行える魔法使いを「付呪師」呼んだ。

付呪された品々はこの世界では古くから魔導器と呼ばれ、魔法使いたちに愛用されており、歴史は長い。
ただし、付呪された呪物が効力を発揮するには使い手に魔力が必要なため、必然的に魔法使いだけが扱えるものとされてきた。

これを魔法使いを介さず、属性をもった呪物、主に付呪された魔法石から神秘の力を人工的な機構を用いて取り出すことに成功したのはヘルト連合王国にあるヘルト魔法大学院魔法工学科のドワーフの研究者達だった。
これに改良を重ねて作り出した魔法機械の中でも空間を冷却する魔法機械はこの国の食糧事情を激変させた。

比較的長期の保存が可能な穀物類だけでなく、野菜や肉・魚といった生鮮食品までも塩漬け、燻製、乾燥をさせずに年単位の低温保存を可能にしたからだ。
大量の食料を備蓄できるということは、それだけ多くの人間を食わせることができ、一、二年程度の不作があっても飢饉を恐れる必要がなくなったことで急激な国力の向上につながった。
食品の価格は下がり、飲食店は常に豊富なレパートリーを提供でき、庶民は多種多様な食事におおよそ年中ありつくことができるようになったことで、一気に花開いた食文化はこの国への来訪者の増加による外貨獲得と多くの投資家の移住によって強力な経済基盤を作り上げたのである。
この魔法機械は同盟国に輸出されているが、核となる魔法機械の構造は秘匿とされており、消耗品である魔法石もヘルト連合王国で製造されているため、それらも国の重要な収入源となっている。
この技術を持っている上級職人達は特別な優遇とムート区での居住が許されており、人材流出防止にも余念がない。

「何よりも暑い夏に冷えたエールを飲むことができるってぇことは最高だな!」と国民たちは口を揃えて言うのだった。


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