31: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:25:47.26 ID:EqlApZsio
「カーリア、新しい本を買ってあげよう。
おじいちゃんと一緒に見て回ろうかの?」
「姫も一緒にいくの!」
「カーリア、シルフ様は姫様から離れられないの。
仲良しになれたのはいいけど、ママ達の言うことも聞かなきゃだめよ?」
「…はぁい」
「さて、僕も久々に見て回ろうかなぁ。
民間の本も馬鹿にできないしね」
それじゃ後で、と、シルフの肩を叩いたエドゼルはカーリアをソフィアから引き離して奥に向かった。
名残惜しそうに手を伸ばすカーリアに、ソフィアは笑顔で手を振った。
「姫様も本を見て回りましょうか?」
「うん!」
店の中で何度も鉢合わせするのは気がひけるので、奥に行った彼らと別の方向から店内を見て回ることにした。
お世辞にも整理整頓が行き届いているは言えない陳列棚だが、大まかにジャンル分けはされているようだった。
歴史、音楽、工芸と流し見しながら、二人は二階へ続く階段を上がる。
二階に上がってすぐにソフィアはある一角に興味を惹かれたのか、シルフの手を取って足早に向かう。
そこには勇者に関する本をまとめたコーナーがあった。
勇者の英雄譚であったり、武器に関するものであったり、中には彼らの旅の間の食事をまとめたものまで、勇者という一ジャンルだけでもこれだけの本が書けるのかと感心してしまう。
ソフィアが手にとった本、印刷に手間の掛かるフルカラーの絵本である。
なるほど、これは子供の興味を惹くのも納得がいく、装丁にも丁寧な刺繍が施されている。
絵本と言っても片面が絵、もう片面は活字となっていて、幼児向けとは言い難かったが、まだ文字を十分に理解できないソフィアはペラペラとページを捲る。
あるページでは笑顔になったり、あるページでは眉間にシワを寄せたり、あるページでは悲しそうな顔をしたり、目まぐるしく変わる彼女の表情にシルフは思わず吹き出してしまいそうになった。
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