26: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:35:41.30 ID:p0TmPlc30
「くしゅん」
ロッカーを開けながら、フレデリカは小さくくしゃみをした。
「風邪引いちゃったかな」
ロッカーの中の猫を撫でていた志希は、
鼻を擦るフレデリカを見て鞄から小さな袋を取り出した。
「これ飲んで。あたし特製の風邪薬」
「え、すごーい!」
袋からカプセルを出すと、フレデリカは驚き笑った。
「シキちゃんが作ったんだったらどんな風邪も一発で!」
「・・・ねえ、知ってる?」
志希は静かに語りかける。
「風邪、水虫、癌」
「どれか一つでも特効薬を作れたらノーベル賞は確実なんだってさ、漫画に書いてた」
「へえー。意外」
そう軽く返すとフレデリカはカプセルを水で流し込む。
「本当にね」
志希は溜息をつくように、小さく呟いた。
「意外にちょろいよねえ」
雨音は彼女の小さな声を掻き消した。
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