49: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 18:01:12.01 ID:p0TmPlc30
雨の降る音が静かな部屋に響く。
志希は目を瞑り少し考える。
「ん〜」
両手を前で組み、人差し指を動かす。
やがて目を開くとフレデリカを見つめ、子供をあやすように優しく語りかけた。
「フレちゃんはそれでいいの?」
フレデリカは驚いたように目を開くと、やはり笑って口を開く。
「アタシは・・・」
そこから先の言葉が出てこない。
唇を微かに動かすが、声となって出てくることはなかった。
「さっきの夢の話だけどさ」
志希はフレデリカの頭に手を置き話しかける。
「友達の子はフレちゃんのせいで死んだのかな?」
「え?」
「ウソのお返しのウソのお返しのウソのお返し」
志希はいたずらっぽく笑う。
「その友達は死ぬことを知ってて物陰から出たんだよ」
「どういう・・・」
頭に置いた手を首に回す。
フレデリカの頭を引き、抱き寄せる。
もう一つの手で彼女の顔を上に向かせ、
そして───
「ーっ!?」
志希はフレデリカに口づけをした。
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