宮本フレデリカは如何にしてこの世を去ったのか
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50: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 18:01:55.27 ID:p0TmPlc30
驚きのあまり硬直するフレデリカを気にせず、舌を入れた。
うねる舌が口腔を通り、彼女の舌と絡め合う。
その時フレデリカはとある異変に気付き、志希の身体を押しのけようとした。
だが志希は彼女を強く抱きしめ、離さない。
彼女が入れた舌は唾液ではないものを運んでいた。

小さく、固い。まるで・・・
『カプセル』のようなものを。
口の奥に無理矢理押し込み、飲み込ませた。
志希は手を弛め、口を離す。

フレデリカは放心状態で口から伸びる唾液の糸を眺めると、辿るように志希の顔を見る。

「シキちゃん」

そう呟くように語り掛けると、彼女は顔を震わせた。
ぽろぽろと、大きな瞳から涙が零れ落ちた。
彼女が初めて人に見せた涙だった。

「いなく、ならないで…」

「うん」

そう返すと、志希は笑って両手を広げた。
フレデリカは下唇を噛み、同じように両手を広げた。
今度はフレデリカが志希を抱きしめた。
離さないように、離れないように、強く、強く。
お互いの体温を確かめるように、二人は抱き合った。

次第にフレデリカの指から力が抜けていく。

「シキ、ちゃん…」

震える声で、名前を呼ぶ。

「フレちゃん」

優しい声で、呼び返す。

やがてフレデリカの体から完全に力が抜けると、志希は労うように彼女の背中を叩いた。
自らの体に滑らせるように、静かにベッドに横たわらせると
志希は彼女の顔を愛しそうに見つめた。

「いなくならないよ」

部屋の扉の前で足音が、コツコツと響いた。

「一ノ瀬志希は生き続ける」


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