107: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:18:09.59 ID:iX/HvtXE0
ノラ『私……私あなたのことが分からないわ、ハル……どうして私にばかりそんな態度を取るの? 他の子には一度だってからかったりなんかしたことないじゃない』
ハル『あなたのことが好きだからよ』
ノラ『嘘よ。違うわ、そんなの……』
ハル『どうしてそう思うの?』
ノラ『……恨んでいるんだわ。私のこと……きっとそうよ』
(その言葉を聞いた途端、ハルは声をあげて笑って)
ハル『まだあの時のこと、気にしてるの? あんなの、なんてことないわよ』
ノラ『命に関わる状態だったって先生おっしゃってたわ! 私……意地悪されるのはまだ我慢できるの。でも優しくされるのは耐えられない。私、あなたを殺しかけたのよ』
ハル『だから言ってるじゃない、私はそんなの気にしてないわ。本当よ……。それに私、自分なんかいつ死んだっていいと思っているもの。誰に殺されようがおんなじだわ……』
ノラ『そんなこと!(目に涙を浮かべる)』
ハル『……ノラは優しいのね』
ノラ『違う、私は優しくなんかない。だって、今もこうやってあなたを連れ出して――
突然、頭の奥で何かが弾けた。
と思うと、次の瞬間、得体の知れない不吉な予感が、私が次の台詞を発するよりも早く私の意識を覆いつくした。
私は目を見開いてその場に固まった。
木枯らしが吹き、落ち葉がベランダの上でかさかさと音を立てていた。
二人の長い髪の毛が乾いた空気に絡まるようになびいて、それは私に、眠りから覚めた怪物の黒く禍々しい双翼を思い起こさせた。
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