109: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:19:48.56 ID:iX/HvtXE0
私は呆気にとられた。
直後、これまで感じたことのないような激しい後悔に胸を貫かれ、咄嗟に彼女の方を振り返った。
彼女も最初は何が起きたか分からないようなぼんやりした表情で私を見つめ返していた。
が、やがてその瞳に戸惑いの色が、次に怒りと悲しみの色が燃え滾りだしたのを私は見た。
かつてないほど大きな波紋が彼女の泉の上に広がった。
そして、ついにその縁から一粒の雫が溢れだした時、それでも二人の間を結んでいたのは張り詰めた沈黙だけだった。
私は何かを言おうとして口をぱくぱくさせていた。
が、何を言えばいいかも分からず、喉の奥で虚しく声を萎ませてばかりいた。
彼女もまた何かを言おうとしていたらしかった。
小さな唇を震わせ、私を睨みつけながら、声にならない声を絞り出していた。
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