126: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:36:11.85 ID:iX/HvtXE0
再び、私たちの間に沈黙が流れた。
私は依然、苦しみの中にいた。
紗枝ちゃんもまた同じ苦しみの中に悶えていたのだろうか?
私には分からない。
しかし彼女が次に口を開いた時、そこには明らかな苛立ちと、それから悲しみの色が現れていた。
「……誰の、おかげやと思て……」
彼女は、言ったことを後悔するように、ふと口をつぐんで私から目を逸らした。
そして再び、今度は決意したように振り向いて、私を睨みつけながら言った。
「ゆかりが、これまであいどる続けてこられたんは誰のおかげや思てるん? うちが全部、面倒見てあげたからやないの! うちが口利きせえへんかったらあんな無能プロデューサーにどらまの企画なんて声かかるわけない、うちが、うちがゆかりのためになんぼ身を粉にして尽くしてきたか、それも知らんと好き勝手ばかり言って!」
紗枝ちゃんの言っていることの意味が、咄嗟に理解できなかった。
頭の中に嫌な考えが浮かんできて、私は、そんなはずはない、と心に唱えて打ち消した。
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