151: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 16:51:39.78 ID:iX/HvtXE0
この日は、とりあえず寮の私の部屋へ招いて、夕飯時まで二人でゆっくり過ごすつもりでいた。
お母さまは私の部屋に到着するとさすがにお疲れになったのか、荷物を置くと床にぺたりとお座りになって、小さな溜め息をつかれた。
が、すぐ気を取り直したように私の部屋を見渡して、本棚の本やCD、そしてそこいらに無造作に置かれた小物を興味深げに観察していらした。
「賑やかなお部屋ね」そうおっしゃって、ベッドの枕元にある子犬のぬいぐるみに目を向けられた。
私は、そのぬいぐるみの経緯を説明しようとして、ふいに言葉に詰まった。
それは、昔、紗枝ちゃんにゲームセンターに連れて行かれた時に、彼女がクレーンで取って私にくれた初めての贈り物だったのである。
そうして改めて自分の部屋を見渡すと、ぬいぐるみだけでなく、小物や洋服、ポスターやCDなど、何かしら紗枝ちゃんの影響で買い揃えたものばかり目に付いて、妙な胸騒ぎがした。
もう、とっくに彼女の庇護から抜け出したものとばかり思っていたのが、未だ無意識では彼女の支配化にあって、それと知らずに暮らしている……
ふと、そんなことを考えて、寒気がした。
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