152: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 16:52:12.50 ID:iX/HvtXE0
私はよっぽどお母さまに相談しようか迷った。
私のかつての恋人について、二人の間に深い傷痕を残して別れてしまったこと、また私自身、彼女との関係をまだ引きずっていることを、洗いざらい告白したい衝動に駆られていた。
しかもその時、まるで見計らったかのようにお母さまが、
「ゆかりは今、好きな人はいるの?」
とおっしゃりだしたので、それこそ紗枝ちゃんの名前が喉元まで出かかったくらいだった。
けれど結局、お母さまには話さなかった。
「今は、いないよ」そう答えて、素知らぬ顔でやりすごした。
代わりに、私はこんな質問をした。
「ねえ、お母さん……お母さんは、本当は私がアイドルになるの、嫌だったんじゃないの?」
するとお母さまはぽかんとして、「どうして?」とお尋ねになった。
「だって……」
と言いかけて、口ごもった。
自分でも、なぜそんなことを言い出したのか、分からなかった。
するとお母さまは、何か考え事をするように遠くをぼんやり見つめて、やがて重々しく口を開かれた。
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