水本ゆかり「人形の檻」【ゆかさえ】
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166: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 17:06:59.41 ID:iX/HvtXE0

私たちは緩やかな敗北を喫していた。

十二月になり、次のライブの目途がまったく立っていないことが分かると、私もとうとう認めざるをえなくなった。

私たちに足りなかったのは実力だろうか、それとも運?
あるいはその両方かもしれない……

私は悔しさに歯噛みした。

諦めるつもりはなかった。

しかし私は同時に悟ってもいた。

こうなってしまえば、おそらく私一人ではどうすることもできないのだろうと。

私たちには協力者が必要だった。

助言でもいい、とにかく支援してくれる誰かの力が欲しかった。


そして、私がその答えに辿り着くまでにそれほど時間はかからなかった。

私は紗枝ちゃんの言葉を思い出していた。
かつて彼女がこの業界で生き残るために何をしたのだったか?

考えただけで息が詰まる思いがした。

あの時の彼女の悲痛な告白が、今度は私自身の姿と重なって一層、生々しく蘇る。
私は、そんな自らの想像に吐き気を催しながら、ついに目の前に現れたこれらの可能性への恐怖に、思わず肩を震わせた。

私は悩んだ。

そうして時間が経てば経つほど、残された選択肢も少なくなっていった。

私は決断しなければならなかった……。



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