174: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 17:14:53.03 ID:iX/HvtXE0
しばらく経つと、彼女の顔色も少し良くなった。
私は体温計を彼女の腋に差しながら、このあと近くのコンビニまで買出しに行って来ようかしらなどと考えていた。
「ゆかり……」
「うん?」
「ほんまに、堪忍どすえ……」
「そんなの、気にしてないから。本当に……紗枝ちゃんと会えて、私、嬉しいよ」
「うち、どうかしとった……もう、帰る……」
「帰るって、どこに?」
「…………」
彼女はばつが悪そうに目を逸らした。
どのみち私は彼女をこのまま帰すつもりはなかった。
とにかく事情を話してもらわなければ、そう思って、私は改まって彼女に尋ねた。
「……ねえ、教えて。何があったの? どうして私の部屋が分かったの? 今までずっとどこにいたの?」
彼女は何も答えず、黙って天井を見つめていた。
私は彼女のそんな態度を責めはしなかった。
話したくないのなら、今はそれでもいい。
彼女の口から直接聞かずとも、遅かれ早かれ分かることだろうと思った。
ただ、彼女が私に対して未だ心を閉ざしているように思われて、それが私には気がかりだった。
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