181: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 17:20:43.48 ID:iX/HvtXE0
やがて彼女はぐったりと私に抱かれたまま動かなくなった。
もうどこを触っても刺激しても、ほんのり筋肉を痙攣させるだけで反応らしい反応が見られなくなった。
私はそこでようやく彼女の体調が悪かったことに気付き、一度バスタブから上がってバスチェアに座らせ、茹だった身体を冷やしてあげた。
「大丈夫?」
呼びかけても返事はなかった。
彼女はひどく疲弊していた。
呼吸は荒く、半分に開かれた瞼の下には焦点の合わない目がふらふらと宙を泳いでいる。
しかし少なくとも意識はあるようだった。
私は、今こそ彼女に最後の罰を与えようと、耳元に顔を近づけて、言った。
「あのね、紗枝ちゃん。私、本当は今日、プロデューサーさんと出かける予定だったの……でも安心して? さっきキャンセルの電話を入れておいたから。プロデューサーさん、残念がっていたけど、でも仕方ないよね。紗枝ちゃんの具合がこんなに悪いんだもの、放っておけないよ。だから今日はずっと二人きり、ね?」
「あ、ぅ……」
彼女は何やら意味不明な言葉を漏らしてゆっくりと首を振った。私は構わず続けた。
「……一年前、紗枝ちゃん言ってたよね。私のプロデューサーさんのこと、無能だ、って……でも、それは違うよ。あの人は無能なんかじゃない。ただ真面目で、正直すぎただけなの。あの人は、紗枝ちゃんがやったようなことは絶対に私たちにさせようとしなかった。私たちを守ろうとしてくれてたんだよ。そのせいで他の同僚の人たちに出し抜かれたり、結果が出せなかったりしても、あの人は諦めずに、ずっと私たちを支えてくれてた……だから私、あの人となら付き合ってもいいって、そう思ったんだ」
「……え……?」
一瞬、表情の固まった彼女ににっこりと微笑みながら、私は言った。
「私、先週からプロデューサーさんとお付き合いしてるの。それでね……この前、初めて男の人に抱かれたんだ……」
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