25: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 09:12:49.34 ID:iX/HvtXE0
その後、私と紗枝ちゃんは近郊のショッピングモールへ立ち寄り、あれこれ意見を言い合いながら素敵なお洋服やアクセサリーなどを見てまわった。
「これなんて変装にぴったりや思わん?」
たまたま通りがかった雑貨店で、紗枝ちゃんがハート形のサングラスをかけて私の方を振り向いた。
思わず吹きだしそうになるのをなんとか耐えて「お似合いですよ」と答えた。
「言うたな〜」
彼女は嬉しそうに言って、そのサングラスを今度は私にかけさせた。
すると彼女が声を上げて笑い出すので、どんなだろうと鏡を覗いてみるとそこにはおかしな眼鏡をかけて生真面目に佇んでいる自分がいた。
とうとう私も堪えきれずに笑ってしまった。
「この眼鏡じゃ、ちょっと変装には向かないかもしれませんね」
「でもゆかりはん、普通の眼鏡は似合いそうやなぁ。ただでさえ賢そうな目元してはるし」
「そうでしょうか?」
紗枝ちゃんが何やら熱心に私の顔を見てうなずいている。
私は照れくさくなって、近くに置いてあるシュシュになんとなく手を伸ばしてみる。
それからふと思いついて、シュシュを二つ、目に当ててふざけてみせる。
すると紗枝ちゃんはお腹をかかえて笑い出し、つられて私も声を出して笑う。
そうして二人でしばらく笑い合って、なんだかとても嬉しくなった。
こんなに笑ったのはいつぶりだろう。
「お茶目どすなぁ、意外やったわ」
ひとしきり騒いだ後、賑やかなショッピングモールを歩きながら紗枝ちゃんが言った。
「ふふっ、そう言う紗枝ちゃんも案外お茶目ですよね。もっとこう……おしとやかな人だと思ってました」
「おしとやかねぇ……やっぱりうちってそんな風に見られとるんやろか?」
「嫌なんですか?」
「嫌っちゅうわけやないけど……」
彼女は何かに気を取られるようにそっぽを向いて、それきり黙ってしまった。
そして私が声をかけようと口を開きかけたところで、
「なぁなぁ、おやつにしぃひん? ほらあそこ、おいしそうなくれーぷ屋さん」
と急にはしゃいで私の手を取り、人ごみの奥へ進んでいくのだった。
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