28: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 09:15:19.43 ID:iX/HvtXE0
私たちは夜遅くまでおしゃべりしたあと名残惜しく「おやすみ」を言い合って別れた。
突然、私はひとりになった。
いつもと変わりないはずの自分の部屋が、今はなぜかよそよそしく感じられた。
テーブルの上には広がったままの雑誌が、その横には空になったお菓子の袋が丁寧に折り畳まれて並んでいた。
私はふいに寒気を感じて冷房を切った。
すると自分の部屋のあまりの静かさに息が詰まりそうになった。
驚きながら私は、自分が今までずっとこんなに寂しい空間で暮らしていたのかと思って恐ろしくなった。
二年前、ここへ初めて越してきた時の心細さを思い出す。
あの夜、私は故郷のお母さまの声とお顔を思い浮かべてはこみ上げる涙を堪えて布団にくるまっていた。
それが今は……。
忘れていた疲労がゆるやかに身体中に広がっていくのを感じた。
痺れるような未知の情念と裏腹に、私は部屋の明かりを消して眠気に誘われるままベッドに倒れ込んだ。
自然と閉じられていく瞼の裏に、紗枝ちゃんの楽しそうな笑顔が映る。
東京へ来て初めて、私に親友と呼べる人ができたと思った。
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