38: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 09:26:41.44 ID:iX/HvtXE0
「そういえば……」
紗枝ちゃんはふと思いついたように話題を変えた。
この町に有名な和菓子のお店があるらしいとか、時間が空いたら屋敷の中を散策してみようだとか、そんな他愛のない話をして、上機嫌にはしゃいでみせた。
私もまた何事も無かったように紗枝ちゃんの話題に乗っかった。
おそらく紗枝ちゃんは私の緊張を気遣って、それで気分を紛らわそうとしてくれたのだろうと思う。
だからこそ私は、この緊張の本当の原因について彼女本人に打ち明けることがついぞできなかった。
そればかりか私自身でさえ、彼女に対して初めて抱いたわずかな違和感をなかったことにしようとした。
その判断が後にどんな結末を招くかも知らずに。……
192Res/249.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20