40: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 09:28:22.35 ID:iX/HvtXE0
五つめのカットのあと、休憩が入った。
私はすでに申し訳なさと恥ずかしさと情けなさとですっかり気落ちしていた。
紗枝ちゃんはそうした私の不調をいち早く察してくれたらしかった。
休憩の声がかかるとすぐ私の元へやってきて、お水の入ったコップを差し出してくれた。
「大丈夫?」
彼女の心配そうな表情を横目に、私は反射的に「はい」と答えて、それから自分でも取り繕えないくらいの声色で、
「大丈夫ですよ」
と言った。
すると彼女は、悲しげな……いや、悲しいというよりむしろ憐れむような目をはっきりと私に向けた。
それこそ睨みつけるくらいの、私の態度を責めているような険しい目つきだった。
彼女のそんな表情を見るのはもしかすると、この時が初めてだったかもしれない……そして私といえば、その厳しい眼差しに戸惑いも萎縮することもなく、かと言って悪びれもせず、ただ生真面目に向き合うばかりだったので、やがて彼女の方から耐えきれなくなったように、ぐっと俯いてしまった。
が、それも一瞬の出来事で、次に彼女が顔を上げた時、そこにはいつもの憂うような微笑が浮かんでいた。
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