44: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 09:33:00.16 ID:iX/HvtXE0
絶句する私の震える首筋を、紗枝ちゃんの指がいやらしくなぞる。
彼女は悪魔のように冷たい微笑を浮かべ、そして私の唇に触れるか触れないかの距離で、接吻するように囁いた。
「おいたはあきまへんえ」
逃げなければ、と思った。
しかし私の身体はすでに私のものではなくなっていた。
そして今は私の精神すら、ほとんど彼女のものになりつつあった。
私は、目を逸らさなければと念じながら、一方それとは真逆の意志に支配されていた。
不意に、紗枝ちゃんが身を引いた。
すると暗闇に明かりが灯ったように、周囲の景色が鮮明になった。
それがあまりに唐突で、しかも激しかったので、私は立ちくらみを起こしたようにバランスを崩し、よろけてしまった。
紗枝ちゃんが事も無げに私を支えて言った。
「さ、ゆかりちゃん。次の撮影も頑張りましょう」
にこりと微笑みかけるその表情にはいつもの彼女の愛らしさが蘇っていた。
「あ……」
私はまともに返事をすることもできず、ふらつく足をなんとか支えにして壁にもたれかかった。
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