水本ゆかり「人形の檻」【ゆかさえ】
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56: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:10:03.58 ID:iX/HvtXE0

頭のてっぺんから鈍い衝撃が内臓を貫き、息ができなくなった。
私は瞬きもせず、彼女の黒い瞳を見つめ返しながら、燃えるような熱が身体の内側に沸き立つのを感じた。
彼女の柔らかさが、そこに触れている唇の感覚を通して私の全てを包み込んだ。
四肢は麻痺したように動かず、そのために私はこの熱く濡れた唇の純粋に甘い快楽だけを徐々に、そしてはっきりと味わった。

禁断の果実の味は想像以上だった!

夢の中でさえ、これほどの幸福はかつて味わったことがないほどだった。
私は呼吸するのも忘れて彼女のとろけるような蜜の快感に溺れていった。


どれくらいの間、そうしていただろう。

紗枝ちゃんが時折、私の手のひらを強く握りながら、そうしてぴったり触れたままの唇を少しだけ食むように動かす以外、私たちは静かに、時が止まったように、じっと見つめ合いながらキスするのを止めなかった。


「…………」


やがて、彼女の方から満足したように唇を離した。
紗枝ちゃんはうっとりしたように目を細め、その口は何か官能的な言葉を囁いていた。

しかし私はもはや言葉を発する気力もなく、彼女と離れた後もしばらく夢の中を彷徨っていたので、意識を朦朧とさせたまま、うなだれるようにこくんと頷くほかなかった。

その時、視界がぐらりと揺れた。
直後に眩暈、そして頭痛が続き、思いがけず紗枝ちゃんの胸に倒れかかる。

抱きかかえられ、頭を優しく撫でられながら私の意識は再び夢の中へ沈んでいった。

やわらかくて良い匂いのする彼女の身体はまるで陽だまりのようだった。

私は紗枝ちゃんの子守唄のような囁き声に包まれながら眠りに落ちた。……



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