98: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:10:06.48 ID:iX/HvtXE0
ふいに辺りがしんと静かになった。
剥がれた布団の上で、私たちはお互いに軽く息を弾ませながら座って抱き合っていた。
彼女が肩越しに私の髪の毛を弄りながら言った。
「今日はなにしよっか?」
「観光。言わなかったっけ?」
「せやったっけ……どこ行くとか、決めてるん?」
「一応、考えてはいるけど……」
「ほな、ゆかりの言うとおりにする」
それから私たちは磁石のようにくっついていた身体をなんとか引き離して部屋の明かりを点けた。
歯を磨き、ぼさぼさになった髪の毛を梳いて、温泉はどうしよう? ご飯食べてからにしよか、などと話していたら、ふと、下半身に違和感を感じて、見ると下着を履いていなかった。
「ねえ、また夜中、変なことしたでしょ」
すると彼女は悪びれもせず、
「だって先に寝てまうんやもん」
と拗ねたように言った。
私は、はぁ、と溜め息をつきながら、けれどまんざらでもない気分で、布団のわきに捨てられていた下着を見つけて拾った。
寝ている私の身体を好き放題にまさぐるのが彼女の趣味なのである。
紗枝ちゃん曰く、私の寝顔は非常にそそる≠烽フがあって、しかも「何しても全然起きひん」のが良いらしかった。
彼女が喜んでくれるなら私もべつに嫌な気はしないけれど、一方で、紗枝ちゃんばかり楽しんでずるい、という気持ちもないではなかった。
私なんぞ、せいぜい彼女の寝顔にそっと触れるくらいが精一杯なのに……。
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