【ミリマスR-18】舞浜歩の抱えたトラウマを上書きする話
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[sage saga]
2021/03/14(日) 00:21:57.99 ID:Xw+hWuzl0
あまり深く考えずにソファーの背もたれに手を突き、脚をまたいで右膝をその根元へ沈める。ギチギチ、と皮革が悲鳴をあげた気がした。
「……!」
「……歩?」
「う……ぁ……っっ……!」
色よい健康的な顔から、さあっと血の気が引いていく。数秒もしない内に首筋まで真っ青になってしまった。上半身がカタカタと震えている。瞼から涙がどっと溢れるのと、右手が口元を覆うのはほぼ同時だった。
「歩っ!」
「うぷ……!」
考えるよりも先に、目についたライトブルーのバケツをひったくった。ソファーの足元にあった清掃用具の一切が床に散らばり、からんからんと乾いた音が反響した。そして、差し出したバケツに歩が顔を突っ込んだ瞬間、聞くに堪えない音がした。
「おい、大丈夫か、おいっ」
「おえっ……! ごほ……げほっ……!」
具合が悪いのか、という問いかけは無意味だった。そんなものは明白だ。歩は力無く、幽霊みたいに真っ白な首を横に振った。他の人がいない状況だったのは、どちらにとっても幸いだった。
それから何度かの嘔吐を経て、「口をゆすいでくる」と消え入りそうな声で言い残し、歩はヨロヨロと事務室の出口へ歩いていった。バケツの中身はこちらで処理しておくことにした。熱中症や過労で倒れてしまうアイドルは何度か見かけたが、こんなケースは初めてだ。風花を呼ぼうとスマートフォンを取り出したが、彼女は別の仕事に行っている最中だ。
なるべく直視しないように残滓の始末を終え、ポリ袋の口を閉じる頃になると、事務室の扉がそっと開いた。
「歩、平気か?」
「う、うん……大丈夫。ごめん、突然酷いところ見せちゃって」
戻ってきた歩の顔にはまだ生気がなかった。ほんの数分前までのエネルギーを全て吐き出してしまったかのようだ。ソファーに深く腰掛けると、歩は深呼吸した。
「ねえプロデューサー。少し、時間もらえる? あっ、でも仕事があるか……」
「事務仕事はあるけど、そんなのは後でもできる。目の前のアイドルの方が大事だよ」
「……そ、そっか……へへへ……」
気の抜けた、ちょっとだらしない笑みを零しながら、歩は俺が手渡した水を啜った。隣に座るように促されたが、ついさっきの異変が胃の底から突き上げてきた。
できるだけゆっくりと腰を下ろす。今度は……何とも無かったようだ。
「じゃあ、話すね。あんまりハッピーな話じゃないんだけど……」
糸を紡ぐように、歩は話し始めた。
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