【ミリマスR-18】ギターを弾きに自宅に入り浸るジュリアと関係するようになる話
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17:名前の無いラブソング 16/16[sage saga]
2021/04/29(木) 23:59:40.86 ID:lIHN2UCG0
 同じベッドで眠った翌朝、ジュリアの歩き方はぎこちなかった。どうかしたか、と尋ねてみても「しょうがないだろ」と不愛想に言われてしまう始末だ。あれだけ「女の顔」を晒して、自ら唇まで差し出していたのだ。機嫌が悪いようには見えなかったが、怒っているというよりは、何かに緊張しているように見えた。ジュリアから話すまで待っている内に朝食も済み、自宅への帰り支度もあっさりと終えていた。

「あ、あのさ、プロデューサー。これ……」

 玄関に向かう途中で振り返ったジュリアが、薄いケースを差し出した。

「これは?」
「その……曲……」

 クリアケースに入っていたのは、音楽用のCD-Rだった。

「順番が前後しちゃったけど……これ、あんたに聞いてもらいたかったんだ」
「昨晩弾いてたヤツか?」
「ホ、ホントは……あの場で歌おうと思ってたんだよ。でも、ちょっと……心の準備ができてなくてさ。言葉で伝えられる自信も無くて」

 ケースを受け取って両手が空くと、所在無さげな指先がもじもじし始めた。

「とっ、とにかく。あたしは家に帰るからさ。次に会う時にまでは、聞いておいてくれよ。あと……」

 ソファーの脇に置かれたギターケースに、ジュリアが視線を落とした。

「いいよな、置いていったままで」
「ああ」

 通ってくる口実にオーケーを出すと、ジュリアの張っていた肩肘が緩んだ。郵便配達か何かのバイクがマンションの近くを通り過ぎたのを契機に、靴の爪先をトントンし始めた。「おじゃま……」と言いかけたのを咳払いで誤魔化して、流し目でこちらの様子を伺う。

「行ってきます」

 行ってらっしゃいと背中に浴びながら、赤毛の少女は玄関の向こうに姿を消した。今度会った時にでも、合鍵を渡してやるとしようかな。


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