【ミリマスR-18】ギターを弾きに自宅に入り浸るジュリアと関係するようになる話
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4:名前の無いラブソング 3/16[sage saga]
2021/04/29(木) 23:47:54.10 ID:lIHN2UCG0
 ある朝。目が覚めると俺はソファーから天井を眺めていた。ベッドに寝ていないなんておかしい。頭がぼんやりする。服も夕べから着替えていない。そうだ。ジュリアが来ていたのに、新しく買ってきたウイスキーをちょっとだけ飲んだら、思った以上に深酔いしてしまって……。あいつをちゃんと帰らせたっけ……。

 その記憶の続きは、寝室のベッドに横たわっていた。

「……!」

 掛け布団の間から剥き出しの肩が覗いている。

 肝が冷えた。まさか、まさか。

 恐る恐る、音を立てないように近寄ってみると、キャミソールの肩紐が見えて、締め付けられていた心臓が解放された。水色の枕に映える赤い髪は鮮やかで、鎖骨の曲線に艶めかしさを感じてしまう。茶色い掛け布団に白い肌が光って見える。年相応の寝顔にあって、マスカラを塗っていなくても濃く長い睫毛が目を引いた。ぷっくりした唇が美味しそうだ……。

 首を振って、ぼんやり残っていた酔いを振り飛ばす。鼓動が速い。

 なんてことだ。ジュリアに女の色気を感じてしまうなんて。劣情の萌芽に熱くなっていく頭を冷やしたくなり、台所で水を汲んで一気に飲み干した。

 起こさなければ、と寝室に戻ると、眠りこけていたジュリアはもう目を覚ましていた。ベッドの上であぐらをかいている。

「ん……おはよ……って、バ、バカP! あっち向いてろ!」

 畳まれたジーンズが床の上に置かれているのが目に入った瞬間、飛んできた枕に視界が塞がれた。モコモコの羽毛布団で、下半身は隠されていた……はずだ。多分。

「……なんでジュリアが俺のベッドで寝てたんだ?」

 寝室から出てきたジュリアは機嫌がいいようには見えなかった。寝起きなだけあって、髪のあちこちが跳ねている。

「あんたが昨晩『ちょっとだけ飲んじゃうか』って言って、お酒を飲んですぐ、ソファーでいびきをかいて寝ちゃったんじゃないか。帰るに帰れなかったんだよ。家主を放って出ていったら、玄関の鍵を閉められないだろ」
「……うん、まぁ、そんな所だろうとは思った。すまなかった」
「酔っ払いが無事に起きた所で、あたしは家に帰るぜ。学校行かなきゃならな――」

 ジュリアの言葉を遮るように、間の抜けた音がした。

「……朝飯、食っていくか? 身支度済ませてから食べるから、三〇分後ぐらいになるけど」
「あっ、いや……」

 申し出を断ろうとしたジュリアだったが、本人の言葉に反してお腹の虫は正直だった。

「……学校行く支度済ませて、行きに立ち寄らせてもらうよ。買い物行かないと、あたしの家に食べ物無いんだ」

 そこまで言うと、ジュリアはレザージャケットを羽織り、キャップで寝癖を隠した。身軽な背中がドアの向こうに消えていく。

いつの間にか、ギターはウチに置いていくようになっていた。持ち込まれた私物はそれだけだったが、一人暮らしの自宅でジュリアの居場所を声高に主張するそれを眺めていると、心の内側にさざ波が立つと同時に、冷や汗をかいた。



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