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一方通行「いい子にしてたかァ?」2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/13(日) 03:35:19.66 ID:BBsHBRkt0


暗部から卒業した一方通行達の前に立ちはだかるのは『新入生』達だけではなかった。


卒業することも出来ず、暗部の泥の中を這いずり回り続ける『留年生』達。


そして、行くあてもなく闇に踊る『浪人生』達。


闇は決して一方通行達に安らぎを認めない。

凶悪さ、醜悪さ、劣悪さが咢を開き日常を噛み砕く。

幻想殺しの男はこの物語において、役を持たない。

何故なら、これが現実。これが真実。



故に、殺して砕ける幻想は存在しない。

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【モバマス】12歳小学生組! 的場梨沙CDデビューおめでとう編 @ 2020/01/28(火) 12:47:24.51 ID:tQ9zRTuCO
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【書籍化】パートスレッドまとめスレ【漫画化】part.2 @ 2020/01/27(月) 23:04:07.08 ID:yLhmENBT0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1580133846/

【ガンダム】アリア「安価とコンマでデラーズ〜グリプス?」 @ 2020/01/27(月) 20:35:32.88 ID:1PF0CEhh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580124932/

善子「暖冬が続いて気分がいいから安価で行動するわよ」 @ 2020/01/27(月) 19:44:57.19 ID:W1X83+uw0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580121896/

さてと @ 2020/01/27(月) 15:41:57.06 ID:jIdWZrAKO
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果南「善子ちゃん、ダイヤ、ちょっといいかな?」 @ 2020/01/27(月) 13:53:17.98 ID:wL9OCFnwO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580100797/

【ガルパン】ダージリン「私はどんな時でも紅茶を一滴たりともこぼしませんわ」 @ 2020/01/27(月) 07:52:06.31 ID:OHuhzL+3O
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【艦これ】大淀「では今回の作戦ですが」Toshl「はい」無良崇人「待ってください」 @ 2020/01/26(日) 21:55:28.81 ID:JhQoMyLX0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580043328/

2 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/13(日) 03:36:06.35 ID:BBsHBRkt0


「未現物質58%、オリハルコン42%。耐刃、耐弾丸、耐水加工処理済み。テレズマ供給システム完備」

「予備のバッテリーの装填数は?」

「三本装填可」

「能力使用可能時間は」

「能力全開でも30時間まで可能。現在の学園都市最高技術の結晶だよ」

「パーフェクトだァ、ドクター」

「感謝の極み」



再び戦場へと向かう白き青年。

3 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/13(日) 03:37:07.79 ID:BBsHBRkt0

「飾利……帰ったら結婚しよう…」
「帝督さん…それ死亡フラグ…」
「フッ……そんな常識…俺には通用しねぇ」


偽りの翼は、それでも尚真実の空へと羽ばたくのを止めない。




「OB上等!!滝壺俺に力を!!」

愛する者の為に、何処にでもいる男は、再びヒーローになる。



「てめぇらみてぇな勝ち組にはわかんねぇよ!!闇から抜け損ねた奴らの気持ちなんてよーーー!!」
「超逆恨みほどみっともないものはないですね。本当に……超ブチ殺さえてェですかァ?」
「絹旗!!」
「先に行ってください、一方通行。想ちゃんが超待ってますから…大丈夫です。すぐに超追いつきます」
「絹……最愛……」


愛する男守る為、女は拳を握る。




「ゴメンね想ちゃん……ママ行かなくちゃ…」
「ママ…どこにいくの?」
「あーくんを連れ戻しにちょっとね…」

母として、女として、電撃姫…もとい、電撃女王は勝利のコインを手に走る。




「久しぶりじゃねぇ〜〜かよぉ、一方通行ァァァァ…」
「木原…!?」
「何、間抜け面曝してんだぁ?ぎゃははははは!!俺が此処にいるっつーたら一つだけに決まってんだろぉが!!」
「あ〜、きはらくん〜〜」
「想タ〜〜ン。おじいたんでちゅよ〜〜」
「木ィィィィィィィィ原ァァァくゥゥゥゥゥゥゥンン!!!何抱っこしてやがンだァァァ」

地獄の番犬は、より上等の地獄を求め、再び学園都市に舞い戻る。



4 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/13(日) 03:38:10.20 ID:BBsHBRkt0


「つっちー!」
「おお、子姫ちん。相変わらずメイドポテンシャルの高い可愛さぜお」
「グループ再結成ですか……何とも懐かしいものですね。おや、リトルプリンセスではありませんか。貴女のアステカですよ」
「ショタはいないの?アルビノショタは?」
「結標ェェ……」


「こうなったら、私自身が身を以て作るしかないかしら…協力してくれる?一方通行」

「お、お前ッ」


「「おお〜〜あわきん大胆〜〜」」



闇に集う卒業生達。

戦場は学園都市から、世界へと飛び火していく。

混乱は混乱を激化させ。混沌は更なる混沌を呼び込む。

当たり前で、平凡な日常を取り戻す為、最高のロクデナシ共のダンスパーティーが幕を開ける。



5 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/13(日) 03:38:37.41 ID:BBsHBRkt0


「アレイスターの忘れ形見……やっかいだにゃ〜ん」
「何弱音吐いてるんだよ。根性が足りてねぇぞ第四位!!」
「さっさと飾利のウエディングドレス見に行かないと行けねぇんだよな」
「初春さんいいな〜〜こっちは、そこまで行くには色々クリアしなきゃいけない問題が山積みなのに……ねぇ?一方通行」

そして、集う科学が生み出した最強の子供達。



「御託はいいンだよ……準備はいいか、野郎共」




6 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/13(日) 03:41:38.47 ID:BBsHBRkt0

……上記のような物語展開は一切ございません。基本ほのぼの仕様です。

前スレ↓

一方通行「いい子にしてたかァ?」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1296/12960/1296040573.html

今後も行けるとこまで行くのでおつきあいのほどよろしくお願いいたします。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 03:42:35.82 ID:DLggWHiB0
なんという嘘予告……ww
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 03:44:13.93 ID:DLggWHiB0
忘れてた。スレ立て乙!
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 03:46:23.30 ID:9J+zvacYo
乙乙

誰か嘘予告のスレ立ててよ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 05:15:27.55 ID:suJ0NKZ8o
>>1もがんばるな
もちろんその嘘予告でスレ建てるんだろ?
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 05:21:57.54 ID:iU4t46Sho
これがスクールか
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 05:50:33.05 ID:hkpVjyDqo
ちくしょう新訳の1P目開いた時と同じくらい「!!??!???」ってなったじゃないか
新スレ乙続きまってる
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 09:48:55.33 ID:umFZM+GDO
大人になっても根性って言ってる削板がかっこよすぎる件
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 09:51:09.96 ID:TeZEcZqEo
あわきんが実はアルビノショタ産んでたら笑えない修羅場に……wwww
能力で出来ないだろうか……?


というか木原くンwwwwwwww敵じゃなく祖父気取りかよwwwwwwww


嘘予告だけで爆笑ですww
乙! これでも書けたら面白そうだねっ!!
続きも滅茶苦茶楽しみにしてるぜ!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 10:52:48.97 ID:3RdWDsgHo
俺の混乱を返してくれwwww
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 11:39:03.17 ID:CbehJY5/o
軍覇くんは大人になって上司にいたら、振り回されそうだけど楽しそうだな
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 12:25:24.00 ID:h5Ea/Tcq0
嘘予告以上の生殺しはないわなwwwwww
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 14:39:39.19 ID:3HAeRpbeo
だめだこの数多……再生過程のどこで間違えたんだ……
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 14:40:01.81 ID:qUf/X9TFo
  __,冖__ ,、  __冖__   / //   _ミ`ー‐、
 `,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /   `⌒丶、'ー-、_       +             十
 ヽ_'_ノ)_ノ    `r=_ノ    /      ̄\―ヽ._ 二_‐-
  __,冖__ ,、   ,へ    /  ,ィ         \   \   ̄ ‐-       ̄二二_ ―_,r'⌒ヽー、
 `,-. -、'ヽ'   く <´   7_//          ̄\ ̄ \‐-     ╋__..ニ -―― ´ ̄ __... -―一┘
 ヽ_'_ノ)_ノ    \>     /     +ニニ ー--\   ⌒Y´ ̄ `丶     __,. -‐二´  ̄ ―     +
   n     「 |      /             ̄\    !   =,. -‐ 二_          /ヽヽ
   ll     || .,ヘ   /            _   ヽ.._     ノ           /ヽヽ  \
   ll     ヽ二ノ__  {             ̄   〉   ー- ノ三二   +    \    _
   l|         _| ゙っ  ̄フ   十       ̄―/  ,'   /二  ̄ _      _     ∠、
   |l        (,・_,゙>  /         ニー/⌒∨  /  二/ /⌒'l    ̄    ∠、    oノ
   ll     __,冖__ ,、  >       _   / l /二    /  ,イ  |二_      oノ    /
   l|     `,-. -、'ヽ'  \         / /| / .ノ 〈. ′ / | _|__     ╋   /     /^ヽノ
   |l     ヽ_'_ノ)_ノ   トー       ̄_/ _/_ヽ_,   .__,/  |  |_      /^ヽノ
   ll     __,冖__ ,、 |      彡ニ ,ノ __(     )_   〈__ 三ミ           +
   ll     `,-. -、'ヽ' iヾ    +  `⌒   ̄∨ ̄∨―       ⌒´
   |l     ヽ_'_ノ)_ノ  { 
. n. n. n        l 
  |!  |!  |!         l
  o  o  o      ,へ l
           /   ヽ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 17:07:56.85 ID:ClPYBDLN0

>超逆恨みほどみっともないものはないですね。本当に……超ブチ殺さえてェですかァ?

モアイちゃん、口調口調ww

俺の想ちゃんなのに、土御門も海原も木原クンも自重wwwwww
あわきんもついでに自ty…しなくてもいいです。
>>1の集大成的に全スレヒロイン入り乱れれば良いんじゃないかな?
戦わなければ生き残れない。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 17:37:23.33 ID:jqIJB+W4o
>「パーフェクトだァ、ドクター」
>「感謝の極み」
おいアーカードの旦那とウォルターwwwwwwwwwwwwwwww

なんだよこのネタ満載の嘘予告はwwwwww
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 18:14:06.65 ID:y2YXUBbI0
>OB上等!!滝壺俺に力を!!
OBがQBに見えた 
QB「僕と契約して超能力者になってよ」みたいな

ほのぼのでいいからアクセラ口調の絹旗と一方通行の掛け合いが見たい
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 20:21:18.13 ID:CbehJY5/o
OB=《オーバードブースト》に自動変換されてしまうフロム脳の俺……
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 20:35:32.03 ID:BLSQHWJAO
ちょwwマジで開くスレ間違えたかと思ったじゃねーかwwww
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 20:51:03.43 ID:ZUrRR1zP0
>>1
嘘予告の最後の文が最遊記REROAD思い出した
木原くンはこの板では安心の親馬鹿だし、あわきんは歪みねえな
特に木原くンはアルケーになって復活すればいいんじゃないかな
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 21:13:40.52 ID:VKoaLt6To
スレ立て乙

木原おじいたんで吹いたww
本編も予告続きも楽しみにしてるよ!w
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 21:49:02.69 ID:ClPYBDLN0
>>25
一方さんが三蔵様なわけな。楽に変換出来るww
海原が八戒とか、ていとくんが悟浄とか、想像楽だなその辺。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 22:50:05.75 ID:PSfijFwPo
>>2-3は運動会の流れかと思った
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 22:56:04.69 ID:Dzyf7QoN0
>>28
お前天才
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 23:05:39.22 ID:JVqzeZyOo
つか、木原くんがおじいちゃんってことは
想ちゃんは一通さんの電磁通行結婚済みか、一通さんが実の親ってことに



なんにせよ俺得
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 01:05:27.69 ID:BlatVVno0

スレ立て乙!!引き出しの多さに脱帽。

一方座標スレからようやく追いついたよ。
スレによって空気違い過ぎるだろwwww佐天嫁、クソッタレ、上インと一方さんの雰囲気が微妙に違うな。
とりあえず、想タンをナナの生まれ変わりに脳内変換余裕です。


ちなみに個人的に気になるのだが、>>1の最愛のヒロインは誰なんだ?
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 02:24:11.12 ID:lfAKxRB1o
開くスレ間違ったかと思ったwwwww

クソッタレwwwwww
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 16:25:49.91 ID:wHaeRki60
スレ立て超乙です!

嘘予告で超だまされました。超楽しみです!
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/15(火) 01:18:22.60 ID:+BPKYlS70
これって上条「約束したよな(以下略)の未来ですかニャー?
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 01:51:17.37 ID:AaLb2J7DO
ageんな粕
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 14:53:55.13 ID:05gZtZrT0
俺も運動会にはしゃぎすぎな親馬鹿どもかと思った
微笑ましい
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 19:50:14.11 ID:i+K5fwvHo
とりあえず木原君の認識は一方さんの子供ってことか・・・
しかし、最初は成りすましかと思ったw
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/16(水) 00:08:26.98 ID:O0xwCFf40
今更なんだが、流れと全然関係ないんだけどさ、このスレタイって
一方通行「泣く子はいねェかァ?」
みたいで、なんだか一方さんの優しさを全然感じないなぁ・・・
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/16(水) 00:19:53.68 ID:w55hapeBo
ナマハゲレーターだと……!?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) [sage]:2011/03/16(水) 00:41:28.45 ID:Rg54i4ZW0
スレ立て乙
見つからないと思ってたら嘘予告にだまされてただけじゃねえか
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/16(水) 03:44:19.21 ID:nLRJJ/UKo
ナマハゲさん超やさしいのに
42 : ◆d85emWeMgI [sage]:2011/03/17(木) 01:17:57.82 ID:ZKVoi/S+0
過去スレ終了。今度からは此方のスレ一本に絞って投下していきます。
終了させた過去のお話です。

上条「約束したよな?例え地獄の底でも、お前を ――― 」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297085602/l50


※上インなので注意です。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 01:56:06.75 ID:IW6kuBBDO
>>42

本当面白かったわ
その後はこっちでやるんだよな?
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 22:57:35.33 ID:IW6kuBBDO
黒夜は登場するの?
ていうかしてください
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/17(木) 23:09:33.90 ID:nAuCH8uwo
最新刊で少し不満があるとすれば、
一方さんと絹旗の出会いがあまりに淡泊すぎたことだな。


乙!
もう一つのスレ、不覚にも泣いたぜ……
ちなみに原作だと、一方さんは他人のことをオマエ、複数だとオマエ達と呼ぶ……
って設定でOKかな? ここで聞くのもアレだが。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/17(木) 23:12:06.76 ID:6o0zR6Ado
ここまで地獄の底スレ含め読んできて、>>1がオリキャラの名前で悩んでたときに背中を押せて本当に良かったと思った。
親から取った名前ならそれはそれでまた違う話になったんだろうけども
想は想だから想たんなんだよなー。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/17(木) 23:37:20.49 ID:9R/s7fUR0

俺は上条イラネ派だったけど、地獄スレ読んで撤回。
地獄スレで>>1の書く上条さんに惚れた。
この上条さんなら美琴や一方さんの幸せをぶち壊さないだろうという安心もあるし。
だって、この上条さんインちゃん>>>>>>>>>超えられない壁>>>>>美琴だからな。


そして、インちゃん魔性の女過ぎるだろ。Wヒーロー虜にするとか…

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/18(金) 00:52:01.16 ID:ydBuQvl80
イラネ派でもないけど惚れるかと言われると「う〜ん」て感じかなぁ…
ある意味憧れはするけどやってる事と言えば迷惑かけっぱのヤリ逃げな訳だし
否定はしないけど肯定も出来ないっつうか…
…いや嫌味とか皮肉のつもりじゃ無いんだ、気悪くしたらゴメン

つまりそれだけやきもきさせる話作れる>>1がスゲェって言いたいだけなんだぜ!寝るぜ!!
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/18(金) 01:08:58.07 ID:SEMfkEJwo
最初は一方さんと美琴はさっさと結婚しちまえ!なんて思ってたけど
別スレの話も踏まえて考えると、一方さんと美琴はここから関係が進んだとしても
今のように別居の関係でいることがお互いのため、何より想のためになるのかなぁなんて思ったり
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 01:24:23.69 ID:6Lu6xqWl0
ちげえよ。一方美琴はもう夫婦って言うより、兄弟以上夫婦未満って感じの家族みたいなもんだよ
だからな、窒素通行は恋人として同じ屋根の下に入ってこれる気がするんだよね
想ちゃんを中心にして、みんなが家族なんだよね。
だから、俺はどうやったらその輪に加われるのかをずっと考え続けてるんだよ。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/18(金) 01:29:09.89 ID:2mbMMo1oo
もう一方さんの相方が誰になるかいちいちスレに書き込むのやめようぜ
>>1は内容変える気ないって言ってるし。
電磁通行派は窒素通行求める書き込み見てもやもやするヤツいるだろうし
その逆もあるだろ

ひたすら想ちゃんを愛でとこうぜ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 02:36:15.04 ID:1PZy7SSfo
>>50
そうなったら美琴か想ちゃんを狙うしかないだろう
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/18(金) 07:48:20.92 ID:NknyhSAUo
神上が想を泣かしてあーくんが光翼化して認知させる流れか・・・
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/18(金) 18:46:44.05 ID:OOfGa3qCo
認知したらしたで一方通行に自転パンチされそうだが
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/18(金) 18:48:11.63 ID:re3UkOnPo
全部捨てたんだから認知しないだろ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 19:31:28.62 ID:vIf9eMBko
そういえば、想ちゃんは父親の顔知らないんだよな・・・
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 20:58:39.21 ID:vL8kpDqIO
父親はあーくんなんだろ
本当の父親なんか知らないほうが幸せなんだよ
58 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/18(金) 21:54:21.22 ID:3a0E/AJo0

ども、短いけれど新スレ一回目投下します〜ヨロシクです。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/18(金) 21:56:12.33 ID:iBvam0rX0
おお、やっとか!
卒業式が終わって空いてしまった心の隙間を埋めてくれ!!
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/18(金) 21:58:13.01 ID:/4Hie1EY0

wwktk
61 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/18(金) 22:05:27.33 ID:3a0E/AJo0


ミサカの記憶はあの人から始まる。


三日月のように口を開いて、高らかに己の強大さと、ミサカ達の無力を謳い上げる。
でも本当に謳いあげているのは苦痛と懇願そして恐怖。

命乞いをしてくれという懇願。

殺す痛み。

そして殺すことに何も感じなくなっている自分自身への恐怖。


ゆっくりと人から人ではないものになっていくのを見る度にミサカの胸は痛んだ。
それがミサカの最初の感情。ミサカの生まれて最初に抱いた感情は怒りでも恐怖でもなく、痛み。

どうすることも出来ないミサカは、殺されていく妹達と歪んでいくあの人を見続ける苦痛を最初に知った。


それでも、あの人はヒーローさんと出会って、変わった。

ううん、戻れたのかな。本当のあの人に。


そして、あの人はミサカと出会って、ミサカを守ってくれた。


それはとても幸せで、でも悲しくもあった。

ミサカのせいで傷ついてるあの人の姿を見ても、ミサカは何も出来なかったから。


62 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/18(金) 22:08:59.46 ID:3a0E/AJo0



大きな戦いが終わって、あの人にも平穏が訪れた。

あの人はまずミサカに学校に行けるようにって色々手配し始めた。
あの人はミサカがきちんとお友達を作って、当たり前の生活を送れるようにこっそり手を回してくれていた。
お母様がミサカの為につけてくれた名前で、小学校に通うようになったことをあの人は顔には出さないけど凄く喜んでくれた。
学校に行ってみたいという気持ちもあったけど、あの人が喜んでくれるという理由もあって学校に行っていたのだと思う。

ただ、やっぱり学校で色々なお友達が出来るのは嬉しくて嬉しくて、ミサカは毎日がとても楽しかった。
学校から帰って、あの人の隣に座って学校であった一日の出来事を色々お話するのが日課になっていた。


ミサカはようやく手にした『当たり前』や『普通』の生活が楽しくて楽しくて仕方が無かった。


それをあの人に話す度に、あの人が小さく、ミサカに気付かれないように微笑んでくれるのを見るのがミサカの一番の楽しみになっていた。


そんな日々は、あの人とずっと一緒の日々は、当たり前に続いて行くと思っていた。



だからミサカが5年生になった日。
家に帰ったらあの人の荷物が部屋に無かったことをミサカは直ぐには受け止められなかった。




それから間もなくして、あの人からネットワークを切る手術をするという連絡が入った。



詳しい理屈はミサカにはわからないけれど、滞空回線の技術を応用するのだという。



戦争の後、前総括理事長の持っている技術の殆どは関係者のみに秘匿とされた。
その技術の恩恵を受けたのは、総括理事会を始めとした学園都市に食い物にされてきた人々への支援に用いられた。
むぎのんはミサカ達クローン技術の応用で腕と目を再生してもらい、第二位ことていとくんは晴れて冷蔵庫卒業となった。
そして、お姉さまは正式にミサカ達妹の調整に留まらず、生活環境等の全面的バックアップを約束させてくれた上に、ミサカ達一人ひとりに戸籍まで用意させた。
といっても、これはあの人の働きかけだという。親船総括理事長と直接面談できるのはあの人くらいだから。



話は脱線したけれど、あの人はミサカ経ちのネットワークを切り、滞空回線を応用した技術でまかなうことにしたという。
学園都市92万人弱の能力者の脳内に間借りをするようなものだとカエルのお医者様は言っていた。
成長するに従って個性化が著しいミサカ達の負担を考慮してのことだとはわかっているけれど、ミサカは最後まで反対だった。


手術が終わって、目の前にあの人がいるというのに、ネットワークに何も感じることが出来ない。
それは、人として当たり前のことだというのに、ミサカは胸にぽっかりと穴が空いた気がした。
空いたというか、今まで埋まっていたものが突然消えてしまったような感じ。それは少なからず他の妹達にも見られた。


番外個体なんて、一番拗ねてたもの。


63 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/18(金) 22:13:38.90 ID:3a0E/AJo0


秘匿にされた技術といえば、ミサカ達がクローンだということも当然秘密。

都市伝説として噂にはなっているけれど、それを裏付けるものは残さないように根回しがされている。



ミサカは最初公表すべきだって、思っていた。
それは他のミサカも同様で、皆クローンであることを恥じるように生きたくはないということだった。





けれど、あの人は反対した。


てっきり賛成してくれて、応援だってしてくれるって、そう思ってたからミサカは裏切られたって思った。
あの人はミサカ達が願うなら、何でもかなえようとしてくれる、支えてくれる、そう思い込んでいた。
でも、反対したのはあの人だけじゃなかった。浜面さんやカエルのお医者さん、芳川もだった。


どうして?

クローンっていうことは内緒にしないといけないの?

そんなにミサカ達の生まれ方は間違っているの?


思わずあの人を詰るように憤りをぶつけた。あの人はそれを黙って受け止めた後、一言だけ言った。


『アイツの親達はどォなる?』


美鈴お母様なら気にしないって言ってくれたよと、あの人に食って掛かった。
どうして邪魔をするのだろうかって、まるでミサカ達そのものを否定された気がして、悔しいのと悲しいのがまぜこぜになった。

『クローンの娘を作った親なンて目で見てくるクソ野郎がどンだけいるのかわかってンのか?テメェらが勝手に覚悟を決めるのは勝手だ……だが、ソイツを他の奴等にまで押し付けンな。
 背負える力もねェガキが、不相応な覚悟を語ってンじゃねェ』


頭にかっと血が上って、思い切り言い返そうとしたけど、何も言えなかった。
だって、あの人自身が一番その言葉に打ちのめされた顔をしていたから。
そんな言葉を吐かなきゃいけないことに一番痛みを覚えていたのはあの人だった。


『真実というのはね……何でも曝け出せばいいものではないの。
 口を覆いたくなるような酷い味付けの真実よりも、口当たりの良い誤魔化しが人の心を軽くすることだってあるわ。
 それを大人の欺瞞と言ってしまえばそれまでなのだけれどね』


新体制の学園都市の下で、技術部に就任していた芳川は徹夜続きの隈の色濃くなった目を和らげて笑った。
その笑顔が余りにも悲しそうで、ミサカは何も言えなかった。






ミサカはやっぱり子供だったのだ。

そしてあの人は、気が付けばミサカよりもずっとあの人なりの大人というものになりつつあった。

一緒に歩いていたと、そう思っていたのにどうしてだろう。

その時のミサカには理由がわからなかった。
理由がわからなくて、ただ無性にあの人に置いてかれたような気がした。
そのことが、ただただ悲しくて寂しかった。


ミサカ一人子供のままなんて嫌だった。

64 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/18(金) 22:15:32.09 ID:3a0E/AJo0

そして、ネットワークが切れて、あの人がミサカ達と一緒に暮らすことをやめてから、少しずつ少しずつ感じるようになった。
ミサカとあの人との距離。あの人の心が離れたとか、絆が切れたなんていう意味じゃない。
ただ、あの人のミサカ達への接し方が少しずつ形を変えてきたというのが正しいのかな?
今までがどういう形だったのかと問われると、答えに窮する。
上手くいえない。人によって、ミサカとあの人の持つ距離に違う回答をするから。


恋人

兄妹

親子

同士


それは、多分あの人の中に明確な形がなかったからなんだろう。
人に愛されたことも愛したこともなかったあの人は、どう好意を示して、受け止めればいいのかしらなかった。
だからただがむしゃらに目の前の感情を処理してきたのだと思う。
それが時に父親のような庇護欲に現れていたり、恋人のような執着心になったり、或いは兄のようなじゃれ合いになったり。
そして、その形が少しずつ固まってきたのだ。きっと、それはあの人が積み重ねたあの人の成長の証。
だから、それは喜ぶべきことなのだろう。

ただ、その形はミサカが望んでいたものとは違い始めていた。



あの人はミサカに色々な秘密を抱えている。
65 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/18(金) 22:19:27.38 ID:3a0E/AJo0

時折黄泉川とおかしな空気になっていたり、芳川と目で会話をしていたり。
知らない声のトーンで誰かと話していたり。
それはミサカが子供で守るべき相手だからといって、あの人が隠し続けていたのだからだ。


ミサカはいつでも何もかもあの人に曝け出しているのに、あの人は隠し事が増えていく。


それは、無性に悔しかった。

悔しくて、学校帰りに男の子と手を繋いで帰ったり、お休みの日にデートに行ったりして、あの人がヤキモキするような秘密を作ってみたりした。


秘密の気配にすら気付かれなくて、わざと目に映るようにしてみたりもした。
中学に上がってからはますますエスカレートした。
あの人の家に遊びに行って、途中で男の子と電話をするフリをして、「これから会わないか、だって。ミサカもう帰るね」なんて切り上げて見せたりした。



けれど、あの人はそれをミサカの成長だと、寂しそうにしながらも喜んでいた。



ミサカが想像した取り乱しようは欠片もなくて、それがミサカにはショックだった。



でも、それは仕方が無いことなのかもしれない。
あの頃、ミサカが中学生の頃、あの人にそんな余裕は無かった。
悔しいけれど、あの人にとってはミサカに彼氏がいようが、それどころじゃない時期だったから。


理由は二つ。


一つは、妹達の延命措置についての研究の滞りと、前総括理事長の仕掛けたトラップによる妹達の相次ぐ死。



そして、もう一つは、お姉さまのこと。

そのとき高校生だったお姉さまはその身に命を宿していた。
お父さんはあのヒーローさん。
けれど、これはお母様にも黒子達にも内緒。
知っているのは浜面さん達とあの人にミサカ達だけ。
その頃、あの人はある意味でお姉さま以上にお姉さまの中に宿った命に過敏になっていた。




あの頃の事を思い出すと、番外個体共々溜息が出る。
生まれる前からあの人は過保護だったのだ、お姉さまの娘 ――― 想ちゃんに対して。


66 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/18(金) 22:25:24.55 ID:3a0E/AJo0



                       ◇




「 ――― か!」



「ん ――― 」


喧騒が潮騒のように遠くにあるのを感じながら、背中まで伸びたシャンパンゴールドの髪の少女はのろのろと起き上がる。
机に突っ伏していたせいで、赤くなった頬を両手で擦りながら少女はクラスメートにとろんとした目を向ける。
彼女の友人は既に帰り仕度を終えたのか、肩に学校指定のカバンを引っ掛けている。
寝ぼけ眼を擦りながら、少女は身体を伸ばす。同年代の少女達を凌駕するサイズのバストが更に強調される。友人が一瞬羨むような視線を向けるが、少女は気にしない。
随分眠ってしまっていたようだ、軽く肩を揉み解しながら友人を見上げる。


「今何時?」
「もう4時半だよ」
「あ、やば…ッ」


慌てて少女は立ち上がる。
スクールバックに教材を詰め込み、手鏡を取り出すと髪型をおもむろにチェックし始める。
メイクはしていないからチェックの必要が無いのだが、涎のあとが無いかだけは確認する。


「どしたの御坂?」


一級品の天然素材故に、自身のことに余り頓着しないこの友人が身だしなみをチェックするなど珍しいことだった。
思わずきょとんとした友人に、御坂と呼ばれた少女はアホ毛を揺らしながら振り返る。


「もう、今日は迎えに来るって言ってたからさ。さっさと正門出ておかないと色々面倒なんだって」

「迎えって……黄泉川さん?」


友人の問いに少女は一瞬気恥ずかしげに目を逸らすが、すぐさま顔を顰めると唸るように呟く。



「父親ヅラのウザイ、一応保護者」



吐き捨てた言葉とは裏腹に、優雅なカーブを描いているアホ毛は子犬の尾のように忙しなく揺れていた。

67 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/18(金) 22:27:51.47 ID:3a0E/AJo0
投下終了。ちょいと短めでした。黄泉川が留守だからお父さんピンチヒッターです。
御坂一族は天然素材で勝負できるからナチュラルメイクかノーメイクなイメージがあります。

2スレ目に入って、上イン過去スレも終わって色々吹っ切れました。
それではまた ノシ
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/18(金) 22:30:56.07 ID:re3UkOnPo
これが「口と違って体は正直だな、ン?」という奴か・・・
相変わらずほのぼのするなぁ、乙
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 22:32:56.49 ID:QqT2cFuc0
おおおおおお
投下乙です!
打ち止めと一方通行の微妙な関係ってまさにこれだよね

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/18(金) 22:33:54.71 ID:/4Hie1EY0
打ち止めはいつデレるんだろうか・・・
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 22:34:04.27 ID:aPU1+YSf0

打ち止めェ……
隠しきれていないデレ具合が可愛いが、残念ながら伝わっていないんだよなぁ……
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/03/18(金) 22:35:52.49 ID:3WgKCDN10
乙!

たぶん一方さんにとっての打ち止めの順位が下がったんじゃなくて、
想ちゃんがいきなり1位になっちゃったって感じなんだろうな・・・
今まで1番大事にされてたのに、そうなると居場所を奪われたって思っちゃうよなぁ・・・
なんかすごい打ち止め切ないよ

でも原作の一方さんが打ち止め1位揺らぐなんてちょっと考えられないから、
SSならではだからこそ楽しめるというか、話として面白いってなるから引き込まれるんだよな
やっぱり心理描写が濃くて面白い!
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 22:38:10.31 ID:awdVuhtj0
…つまり想と打ち止めに未元物質を混ぜて攻撃すれば
第一位に勝てるって事か!?ちょっと逝って来る
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/18(金) 22:53:06.42 ID:vdZdzcmmo
ん? 何故浜面が……?
なんか過去編であったっけ?
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 22:56:47.91 ID:aPU1+YSf0
むこうのスレでは妊娠発覚までやらなかった
その内こっちでやるだろ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/18(金) 22:58:45.93 ID:3a0E/AJo0
>>74
一応後日説明する予定です。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/18(金) 23:48:06.08 ID:t6dZOkvAO
想の優先順位が一番になるのは仕方ないと思うけどな
打ち止めよりも「子供」だからな
まぁそれとは別でどっちも大切なもんには変わらないだろ
そこを受け入れられないあたり打ち止めも「子供」だけどさ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/19(土) 01:22:33.88 ID:9ITXeAiH0
神スレ発見おつ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/19(土) 03:27:07.67 ID:LyuWyfpc0
>>73
反射も解析も不可能だな
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/19(土) 03:59:09.68 ID:txaXbAm8o
打ち止めがおっぱいと聞いて
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 13:53:50.74 ID:7agskqDIO
上条さんの代わりに全て背負うと約束した一方さんにとっては想の優先順位は半端ないんだろうな
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/19(土) 18:30:47.36 ID:LyuWyfpc0
結果的に観測するとロリコンに見える
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 21:41:49.87 ID:QgrdUx0Yo
巨乳になったから一方さんが冷たくなったかのような言い方はよせwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/19(土) 21:46:46.14 ID:U6+Tkxijo
え? 違うの?
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/19(土) 21:56:19.93 ID:9if3I1og0
打ち止めが可哀想すぎる・・・
あれだけ一方さんの嫁候補だんとつトップだったのに、今や空気扱い・・・
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/19(土) 21:57:59.61 ID:2/geg4/Fo
想と打ち止め、なぜ差がついたか… 慢心、環境の違い
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/19(土) 23:02:26.68 ID:9if3I1og0
純粋さ、素直さ、愛くるしさ、 そんなのが打ち止めの良いところだったけど、思春期入っちゃったのが残念だね。
一方さんと親子関係から、対等な関係、ひいては恋愛に持ち込むには、ここが打ち止めの頑張りどころだ。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/19(土) 23:12:07.70 ID:r+Om3+oco
>>85
そも嫁候補だったわけじゃないと思うが……

異性として意識するには、大切すぎて、一緒に居過ぎる。
そのまんま肉親同然なんだろう。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/19(土) 23:32:54.50 ID:bdmtdNS+o
打ち止めは家族として一番大切にされてた。だから「家族として」大切にされる想に居場所を取られた気持ちになる。

元々一方通行にとっては妹達は恋人の対象じゃないんだよ。
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 00:13:23.89 ID:LquG7EdIO
一方さんからしたら周りにいる女性全員が恋愛対象外な気がするけどな
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 00:41:58.96 ID:3hKl5/ODo
フラグを見つけ次第へし折りに行くのが一方さんです
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 01:50:51.20 ID:lafxTXhk0
ミサコンだけどあくまで家族愛か…そうなるとモアイ本命、サテンさんダークホースか…
でもここの>>1は油断できないからな…超電磁窒素佐天通行なんてことに…
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/20(日) 01:59:12.49 ID:3wK8hvnFo
フラグ・・・ねェ
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 02:24:38.16 ID:3hKl5/ODo
むしろ一周して浜面通行
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/03/20(日) 03:10:15.12 ID:7OG+fitmo
電磁通行結婚式前編マダァ━━━(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン━━━??
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 04:15:44.73 ID:yrdeRV6DO
黒夜絹旗一方通行の絡みを見たい
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/03/20(日) 17:47:21.72 ID:zBF6fA+AO
>>96
激しく同意
98 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:00:52.28 ID:2XuDSNck0
6時半に投下します。打ち止め話まだまだ終わらないです。
文章を纏めるのがヘタなのでスイマセン。
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/20(日) 18:12:42.33 ID:1k8nQgPdo
ばっちこーい
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 18:16:15.00 ID:GPoq7akPo
ひゃほーい
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2011/03/20(日) 18:18:48.79 ID:lrhx7yeS0
べっ別に期待してるわけじゃないんだからね!
102 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:34:22.57 ID:2XuDSNck0
投下します〜
103 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:37:29.91 ID:2XuDSNck0



堂々と六限目の授業からホームルームまで寝て過ごした剛毅な友人を起こすと、彼女と連れだって教室を出た。
普段はそのままオープンカフェに行ってみたり、カラオケに行ったり、セブンスミストに行ってみたりするのだが、今日は彼女曰く保護者が迎えに来るらしい。
彼女の言う『父親気取りの保護者』とやらの話は、彼女の口から時折耳にしたことはある。


曰く、無愛想でぶっきらぼうで乱暴者である。

曰く、中に母親でも入ってるのではないかというくらいに細かいことにまで口うるさい。

曰く、女に興味なさそうな顔で女タラシである。

話だけ聞くとどうやらろくでもない人物に聞こえる。


『そうなの!ホンット、嫌なヤツ。七つくらいしか離れてないのに父親みたいな顔しちゃって!!
 スカートの丈が短い、ガキが化粧なんて10年早い、勉強はしっかりやってるか、あんまり夜遅くまで夜遊びするな、イチイチ子供扱いしてさ!!ホント大嫌い』


ハンバーガーを無造作に頬張りながら愚痴る姿は保護者への不満を訴えるというよりは、片想いに悩んでいるように見えた。
多分、他の友人が父親の悪口を口にするような仄かな軽蔑や嫌悪が彼女の ――― 御坂の表情には表れていなかったからだと思う。
そして、化粧をやめろと言われて、あっさり御坂は化粧をしなくなったところも、何だかわかりやすくて可愛らしくさえ思えた。
そして、保護者と言いながらも、現在は一緒に暮らしていないという点に、下世話な好奇心を擽られた。彼女は黄泉川さんという教師をしている女の人と、大学生のお姉さんと同居している。
私もあったことがあるが、黄泉川さんは姉御と慕われそうな気風のいい人で、お姉さんは御坂の色々な部分をバージョンアップさせた感じの、少しシニカルな笑みの似合う人だった。
共に共通しているのは、同性っから見たら羨ましいことこの上ないスタイルと美貌の持ち主という点。
そして、本人達はその自分の素材に無頓着な点だった。
それは御坂にも言えることなのだが、ともかく、雑誌のダイエット法やエステ、スキンケア、メイク術や果ては細顔に見える髪形といった涙ぐましい研究に日夜明け暮れている大多数の女の子が身投げをしたくなる人たちであるということは断言できる。

世間一般の価値基準に照らすと、この友人は美少女に分類される。浮世離れした美少女というよりも、親しみやすい方に分類される。
擦れ違う同級生や後輩達が皆笑顔と好意を持って彼女に声をかけていくのは偏にこの親しみやすさによる。
けれども、この親しみやすい美少女というファクターは決して『よく見かける』程度の美少女というファクターとは重ならない。
親しみやすいが、決して直ぐにでも手が届きそうという程度ではないのだ。故に、この友人は同性から好感は持たれても嫉妬は余り買うことは無い。
女が女に嫉妬するのは『自分でもその気になれば手が届きそうだけど、届かない』美しさであって、決して手が届かない美しさには嫉妬など抱かない。
同性から好かれている要素が勿論、彼女の人懐こさにもよる。頼りがいがあって、しっかりものの癖に、何処か放っておけない愛らしさに溢れた少女。
そんな友人に自分は『頼りがいのある妹属性』と名づけた。
屈託の無い笑顔に、誰にでも親身になって接する性格、そして、憎めない幼さ故に彼女は自分達の学年ではちょっとしたアイドルだ。
レベル4ならば常盤台に行けれたのではないかと以前聞いてみたことがあったが、彼女が言うには黄泉川さんと、例の保護者と姉に反対されたそうだ。
その理由については深くは話さなかったが、色々彼女にも理由があるのだろうと察することにした。



104 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:39:03.30 ID:2XuDSNck0



「ねぇ、あの人誰だろ?」
「バンドの人じゃない?」
「ちょっと怖そうだけどカッコいいね」
「誰かの彼氏かな?」
「ちょっと、声かけてきなよ」



正門に近付くにつれて浮き足立ったざわめきが耳に入る。
その声は主に女子で占められており、華やいだ声が聞こえるに従って友人の不機嫌メーターが上昇していくのが幻視できた。


それでも擦れ違う知り合いにはにこやかに挨拶をしていく如才の無さは流石だと言わざるをえない。

正門を出ると、道路を挟んだ向かい側に一台のフィットが停まっていた。すぐそばのガードレールに腰掛けて、煙草を咥えた男が直ぐに目に留まる。


「……遅かった…」


ぼそりと御坂が呻くように呟くのがわかった。遅かったというのは、多分このプチ騒ぎのことだろう。
確かに、目立っていることこの上ない。それだけその男の人は目立っていた、良くも悪くも。
色めき立った女生徒達の視線が彼に向いていたこともあるし、その男自身、白髪に赤い瞳と一目を引く外見をしていたこともある。

そして、彼が御坂の言う父親気取りの保護者なのだろう。

V系のバンドのボーカルといわれればそのまま信じてしまいそうなその姿には見覚えがあった。



「アレ?あの人って前御坂の携帯の待ち受け………」

「何のことかな?」

「いや、だからあの人って、アンタが持ってた写真 ―――……」


そこまで言いかけて私は口を噤んだ。
御坂の私を見る目がはっきりと『余計な事は言うなよ?言えば……』と物語っていたからだ。
多分、気のせいじゃない。

男の人は、私達に気付くと煙草をガードレールに押し付ける。 ―――― 携帯用灰皿に入れるとか、結構常識的だ。

105 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:39:46.43 ID:2XuDSNck0


「何モタモタしてやがンだよクソガキ」
「そっちこそ何してるの。学校の前にまで車で来ないでよ、恥ずかしいって」
「ウルセェ。黄泉川から聞いてなかったのか?このまま保育園に行くかから車の方が早ェンだよ」
「だからって正門の前で待ってることないでしょってミサカはミサ………」

言いかけて御坂は、ハッと口を押さえる。

ミサカはミサ?何て言おうとしたのだろうかと御坂を見ると、保護者さんが笑いを堪えているのが目に付いた。

御坂もそれに気付いたのか、キッ睨みつける。


「……何笑ってるの?」
「いや、――― ちゃンは色々大変ですねェ。しっかり猫は被り通さなきゃなァ」
「ううぅッ」

悔しそうに唸る御坂の頭を気軽にポンポンと叩く。
妹っぽい子だけど、御坂は基本しっかりもので、大人っぽい子だけど、完全に子供扱いだ。
下校していく男子生徒が羨ましそうにチラチラと見ていく。
多分、御坂と親しげにしているこの男の人が羨ましいのだろう。御坂モテるからな。

そんな周囲の目にも気付かないくらい、二人はじゃれ合いのようないい合いをしている。主に御坂が食ってかかって、保護者さんがそれをいなしてる感じ。
御坂の顔は案外嫌がっていない。それどころか、寧ろ喜んでいるようにも見える。ホント、どんな関係なんだろうこの保護者さんと。
ただ、そろそろ私は退散した方がいいのかもしれない。


「えっと、じゃあ私帰るね御坂。また明日」
「あ、うん。また明日ね〜」


二人の時間を邪魔するのは悪い。
御坂はいつもどおりの笑顔で手を振ってくれるけど、発せられる空気は『早く帰れ』と言いたげだ。
本当に馬に蹴られない内に帰った方が良さそうだ。

ただ、覚悟だけはしておいてもらおう。
これだけ注目を浴びれば多分明日は質問攻めだろう。御坂は、自分で思っているよりも遥かに注目を浴びている。
告白された回数は数えるのも馬鹿馬鹿しい。それら全てを御坂は瞬殺してきた。
恋心をオートで反射してるんじゃないか?とさえ言われている絶対防御だ。
そんな御坂が男の人と親しげにしていたのだから、注目されないわけがない。


私も勿論色々質問するつもりだしね。






106 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:40:50.66 ID:2XuDSNck0


                    ◇



「ホント、信じられない!!っていうか配慮が足り無さ過ぎるんじゃないのってミサカはミサカは貴方の無神経さに馬鹿って言ってやりたいのを辛うじて我慢してみる!!」


シートベルトを締め、フィットが走り出してから打ち止めは堪えていたものを吐き出すように叫ぶ。


「ウルセェ馬鹿。車内で叫ぶな馬鹿。響くンだよ馬鹿」
「馬鹿って三回も言った!?」
「三回で足りないならもっと言ってやンよ馬鹿ガキ」


窓に肘をかけ、気怠る気にハンドルを切る青年の横顔をムッと睨みつける。


「もう!明日から学校に行けないよ」
「あァ?何で……ハッ、もしかしてイジメに遭ってるとかじゃねェだろォな!?」
「遭ってません!何勝手に想像してるかなぁ…ってミサカはミサカは貴方の相変わらずの心配性ぶりにうんざりしてみる」

この保護者は昔から無駄に考え過ぎた挙句に的外れの結論に着地する。
学園都市最高の頭脳を誇るはずなのに、親馬鹿思考に切り替わると、その回転は一気に空回りを起こす。
あらゆる起こりうる事態を幾百通りも想像し、幾百回分心配をした挙句暴走をするのだ。
打ち止めが小学校に通い始めた頃は特に大変であった。
ホームルームが延びたに過ぎないというのに、下校時刻が遅れた時は誘拐の可能性に行き着いたこの青年は、能力フル開放で学園都市中を捜索したことがある。
もっとも、それを考え過ぎだと一笑に付すには事実それまでの日常で打ち止めはひっきりなしに危機に見舞われていたのだから仕方が無いことではあるのだが。


「じゃあ何で学校に行けないンだよ?勉強サボりてェからじゃねェだろォな?」
「そうじゃなくて!!貴方がミサカの学校なんかに来たら、誤解されちゃうんだって」
「誤解?」
「だーかーらー!!」


コイツ全然わかってない。
運転していなければ胸倉を掴んで揺さ振っているところだ。
この男がそういった方面に鈍いことは既にわかっていることだ。


「あんな学校のすぐそばじゃミサカが助手席に座ったのだって見られてるわけだし。そうしたらさ、その…つまり、貴方がミサカの…か、かれ、…―――とかそういう」
「何言ってンのか聞こえねェよ。もっとはっきり言ってくれよ」
「だ、だから!!一方通行がミサカの彼氏だって思われるかもしれないじゃないの!!!ってミサカはミサカは全然全くこれっぽちも本心から望んでいない誤解を恐れてみたりする」
「彼氏だァ?何でだよ?」

意地悪をしているのであればともかく、本当にわかっていない素の反応に打ち止めは力が抜けていくのを感じる。
この年の男の癖だったらもう少し自意識過剰でもおかしくは無い。打ち止めのように年頃の少女が隣りで頬を赤く染めていれば期待や願望が先行するくらいが年相応と言える。
しかし、一方通行と呼ばれた青年の反応は全くそれらを含みもせずに、ただ戸惑いばかりが浮かんでいる。その事が、打ち止めの胸にチクリとした痛みを与える。


「それにお前彼氏いるって言ってたろ?学校の連中には内緒にしてンのか?」

「う…」
107 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:42:23.51 ID:2XuDSNck0


今更それが番外個体と一緒に吐いていた嘘でした、なんて言えるはずがない。
そもそも、最初は些細な嘘だった。
彼氏とか出来たのかァ?という何気ない彼の質問にカチンと来た打ち止めが思わず「うん、とってもラブラブ」と言ってしまったのが発端であった。
一方通行がどのような反応を示すのかが知りたくて吐いた嘘だった。嫉妬してくれるだろうか、焦ってくれるだろうか、そんな期待を心の何処かで抱いた上での嘘だ。
当時、一方通行には一応交際していた女性がいたが、傍目にも彼が『彼女』とやらを疎かにしていることは中学生の打ち止めの目にも明らかであり、危機意識など存在すらしなかった。
それによって秘めていた本当の自分の気持ちに気付いた一方通行がなりふり構わず愛の言葉を囁いてくれるんじゃないだろうか、等という妄想にも耽ったことが無いと言えば嘘になる。
その嘘を、すっかり打ち止めは忘れ去っていた。おそらく番外個体も同様だろう。もっとも正確には十全嘘というわけではない。
打ち止めも番外個体も告白は毎月一回や二回どころではなくされている。それを次から次へと切り捨てているのが真実であり、受け入れたというところが嘘である。


しかし、一方通行の反応は「じゃあ今度連れて来い。俺が見極めてやる」という親御さん発言であった。


その反応は彼女達の女の誇りに傷を付けた。
モテる事を自慢に思ったことは無いが、それでも多くの男達を虜にしているという事実は、彼女達に、己に対する自信となった。
特別高慢になることもないが、自己陶酔の裏返しのような厭味たらしい謙遜でもない。それは当然の、正当な矜持であった。
その矜持が彼女達の芯から滲み出る美しさに磨きをかけることに繋がり、相乗効果となっていた。


ただ、彼女達の自分達に対する少なくない女としての自信と誇りを木っ端微塵に打ち砕いたのが、その美しさ、魅力を一番知ら示したい男であったのは皮肉な話である。



「ラブラブだって言ってなかったか?そォだ、彼氏っていやァ番外個体のヤツはどォなってやがンだ?相変わらずとっかえひっかえなのか?」

「え、ええっと……そういうことはミサカの口からはちょっと………」


一方通行は苛立たしげに指でハンドルを叩く。そういえばそうだった、と打ち止めは思い出す。番外個体は淫乱設定だったのだ。
嫉妬も焦りも見せてくれず、その事に苛立った打ち止めがラブラブでキスも何もかも済ませたと嘘の上塗りを重ねたのと同様に、番外個体も嘘に嘘をまるでマトリョーシカのように重ねている。
彼女の場合は、打ち止めよりも酷い。素直になれない上に、口にする言葉が罵声であれ冗談であれ、品が無い。その上、意地っ張り具合は打ち止めを凌駕する。
打ち止めの重ねた類の嘘の上に、更に大げさに、過激に脚色して、男とっかえひっかえの乱交パーティーにまで嘘を膨らましてしまった。
雪だるま式に付いた嘘に引っ込みも付かず、かくして処女の癖に男漁りの激しい不良娘という設定が出来上がってしまった。
打ち止めとしては番外個体の気持ちは痛いくらいに理解できる。

108 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:43:18.27 ID:2XuDSNck0


「で、未だにあの馬鹿は夜遊びばっかしてやがンのかァ…?」


嘆息して呟く声に、打ち止めは微かな苛立ちを覚える。

昔の一方通行であれば、生きてさえいれば後は好きにしろと、吐き捨てていただろうが、ある時期から、責任感を持ち始め、更に想が生まれると、父性まで発揮するようになった。
元々、一方通行に『父親』など求めていない打ち止めや番外個体にはこの変化 ――― 周囲は成長といい、大人になったと喜ぶもの――― が酷く癇に障るようになった。


「だとしても、あの子もミサカもそこまで子供扱いされるいわれはないんだけど?」
「ハッ、テメェでテメェの事をガキじゃねェって言ってる間はガキなンだよ、クソガキ共」
「むぅ……何それムカつく」


涼しげな一方通行の横顔を小憎らしく思う。
完全な子供扱い。それもあるが、打ち止めを面白く無いと思わせる理由がもう一つある。
それは、彼が自分達ばかりに、健全な交際を求めることだ。


(自分の事は棚に上げちゃってさ……ミサカ知ってるんだから)




                      ◇



「少し遅れちまったか?」


車を停めて、一方通行が呟く。
レンガ造りの、随分と意匠をこらしたデザインの建物。これが保育園というのだから、信じられない。
一方通行が車から降りるのに気付いて慌てて打ち止めも降りる。
別に自分は降りる必要は無い。迎えは彼だけで十分であるし、それだけであの少女は喜ぶだろうから。
しかし、打ち止めは一方通行に聞かれる前に車から降りる。
杖を突いて、園内へと足を踏み入れる一方通行に置いてかれまいと、裾を思わず掴む。

109 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:44:00.18 ID:2XuDSNck0

「ン?」
「え、い、いや、関係者だってアピールしておかないとって、それだけだから!」
「ふゥ〜ん。一瞬クソガキ時代が懐かしくなって甘えてきやがったのかと思ったぜ?」

からからと笑う一方通行の言葉に、顔が熱くなる。
いい年して、子供みたいに、あの頃のように裾を掴むという行為が今更恥ずかしく思えてきた。
それでも、今更慌てて離すのも意識したと思われそうで、そのまま後ろを付いて行く。
白髪に赤目の青年に続いてセーラー服の自分が入るのは奇妙な光景だろう。
園児を迎えに来た母親等が、ちらちらと興味深そうに見てくる。


彼女達はどのように自分達を見ているのだろうか。

兄妹?親子?それとも恋人?誰か、誰でもいい誰かの腕を掴んで聞いてみたいと思った。



「想ちゃん、寂しがって泣いてたりしてね、ってミサカはミサカはオロオロする貴方が見られるんじゃないかって密かにわくわくしてみる」
「馬鹿かっての。絹旗が居ンだ。問題ねェよ」
「……ふ〜ん……………信頼してるんだ……」
「何か言ったか?」
「何でもないよ」



この男には嘗て彼女なのかセフレなのか判別が付かない存在がいた。
彼自身は知り合いに隠していたようだが、街中にあるMNWを掻い潜ることは不可能に近い。
当時中学生の打ち止めにとって、それはおぞましさを覚えるものだった。短絡的な言葉ならば『不潔』という言葉がしっくり来る。
愛や恋が伴わない性的関係など、当時の彼女には考えられず、それは他の妹達にも言えた。


それを問い詰めたりしなかったのは、当時の彼が『そんなもの』に縋らなければ精神の均衡を保っていられない状態だったことを、打ち止めも番外個体もよく知っていたからだ。


ただそんな中、湖面に投げ込まれた小石のように一つの疑問がネットワーク内に波紋となって広がった。


110 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:52:08.01 ID:2XuDSNck0










――― どうしてミサカじゃダメなのだろうか ―――









111 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:52:59.38 ID:2XuDSNck0



何処の妹が呟いたのか、或いは共通の意識としてなのかわからない。
17歳になった打ち止めは、あの頃よりほんの少しくらいは大人になったからこそわかる。
多分自分達が彼に対して抱いている反発の根幹はそれなのだ。そして、彼がその反発の根に気付くことは未だに無い。

彼はきっと少しも気付かなかっただろう。

助手席に居る間、しきりに自分が汗臭くないだろうか、髪がおかしなことになっていないだろうか、等と落ち着かない心地でいた事に。

そして、車内に香る、彼のものでは無い誰かの甘い香りが微かに漂っていることに、胸が痛くなった事にも。



「あーくん!!」
「想、待ったか?」
「今日はいつもより超遅かったじゃないですか」
「ッせェな……打ち止めを拾ってから来たンだよ」




打ち止めは、少し離れたところからその光景を見る。



無邪気に一方通行に抱きつく、自分にそっくりの幼い少女。

親しい間柄故の憎まれ口、軽口の叩き合いに、頬を緩める女。

此処にはいない自分の姉 ――― 少女の母。



ふと、打ち止めは自分に問い掛ける。自分はどの場所が羨ましいのだろうか。


112 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:56:24.78 ID:2XuDSNck0


一方通行は、自分や番外個体が彼に縛り付けられるのを嫌っている。
大切にするという気持ちはきっと変わっていない。それはよくわかっている。けれども、その質は変わっている。
腕の中に閉じ込めて離さない。転びそうになれば直ぐに抱きとめて、躓く小石があれば事前に払いのけるような優しさ。
まるで鳥籠の中に閉じ込めるような愛情は、遠くから見守る形に変わりつつある。
愛情の深さはきっと増しているくらいだろう。見守る形の方がずっと健全なのだろう。




いつまでも瑠璃色の鳥籠の中で、花の香りの羽に包まれて、砂糖菓子の夢の中にまどろみ続けているわけにはいかない。



いつかは自分の翼で、自分の空を羽ばたいて行かなければならないのだ。
雛鳥はいつまでも雛鳥でいられるはずもない。




それでも、打ち止めは今、自分に向けられているその健全な愛情を、心から喜ぶことが出来ない。








113 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/20(日) 18:57:19.14 ID:2XuDSNck0
投下終了〜まだまだ打ち止めのお話続きます。それでは ノシ
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 18:57:59.88 ID:GPoq7akPo


一方さん、童貞じゃなかったのか・・・
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 18:58:15.06 ID:KBVj3eW/0
乙!
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/20(日) 18:59:48.94 ID:P9rFHpf30
乙です
一方通行め、可愛い打ち止めを悲しませるとはどういうことだ!!!>>1よ頼む打ち止めたちを少しでも幸せにしてやってくれ
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/20(日) 19:06:06.06 ID:1qkI0TLV0
乙ッ!
続きが気になるわ〜。
次回も期待してます。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 19:36:06.48 ID:obEnlxGzo
>>1
このSS読んだ後自分の部屋を見渡してみてあまりにごみごみしすぎていてなんか泣けた。
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/20(日) 19:47:08.93 ID:1k8nQgPdo
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/20(日) 19:48:34.83 ID:JiP3LFyno
一方さんのセフレ…どこぞのショタコンのことかな?
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/20(日) 20:02:42.14 ID:SlqVo5fIo
セフレだと……

まさか、こんなところで寿命通行が始まるとは……
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/20(日) 20:55:04.43 ID:wvKaP1Bso
いや、彼の行っていた研究から言って布束の可能性も……

乙乙。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 21:56:34.98 ID:xVy02qSoo
垣根通行……常識が通用しねぇって事ですね超理解しました
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/21(月) 00:15:39.56 ID:FDjdZ6Rf0
>17歳になった打ち止め
某所の人のツンデレ打ち止め漫画の影響でいつのまにか14才かと思ってた
そうだったら御坂の妊娠時期がエライ事になるっつうのにな
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2011/03/21(月) 00:17:08.88 ID:4Lk177je0
え?セフレは絹旗じゃないの?
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/21(月) 00:29:04.85 ID:GjUytUexo
>>125
絹旗ちゃんの純情っぷりなめんなっ!
痴女っぽいけどそれでいて貞淑なんだよ、彼女は。


…………ごめん、勝手に決めつけた。
最愛ちゃんのことだとどうしても熱くなっちまうぜ、畜生め。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 00:39:29.83 ID:C0BjYHCDO
聞きたいんだが、
一方通行が誰かをテメェって呼ぶのは、何かしら理由があるの?
オマエから変えたのか?

不愉快に思ったならすまん。
ちょっと気になって……
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/21(月) 00:51:52.42 ID:WiuxDy3ho
変えたと言うか変わったんじゃない?
オマエよりテメェの方が距離が近く感じるじゃん
と適当に言ってみる
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/21(月) 04:43:06.03 ID:7unot1FI0
超乙です!!
助手席で汗臭くないか気にする打ち止めにキュンってなった。
セフレって以前絹旗先生に話してた「もう顔も忘れちまったわ」って言ってた相手じゃないの?
此処の一方さんて知り合いには手を出さないように決めてそうなんだよな。
でもあわきんは彼女以上のよき理解者としてのセフレという立場が似合ってる気がする…
一方さんは三人の主人公でいち早く童貞は捨ててそうだけど、恋愛童貞を捨てるのは一番遅そうな感じがする。

ところで、上インスレ読み返してたんだけどそこに…

>ピロトークなンざ大体くだらねェ内容だったりするもンなンだよ

あの時点で筆下ろし済みだったのか。芳川ェェ…
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 13:24:54.27 ID:hxhm5KWDO
激乙!
しかしあれだな、もう仕方がないからヒロインの数だけ一方通行さん用意しよう
取り敢えず5人は要るな
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 13:26:49.16 ID:+sszC/dpo
両手両足を切り落とせばちょうど5分割出来るぞ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/21(月) 14:15:35.92 ID:eOC/A5YFo
>>131
ベクトル操作すればくっついたり離れたりも余裕だしな

一方「これがシャイニングフィンガーというものかァ!!」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2011/03/21(月) 16:06:27.78 ID:K2lIUs0D0
欠陥通行(通称:弟達)を量産すればいいじゃない
特にショタ仕様の上位管制個体とかあわきんが大喜びしそうだ
「あァ?ふざけたこと抜かすんじゃねェぞってアクセラはアクセラは罵倒してみる」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/21(月) 16:35:43.05 ID:g40HejZt0
>>124 kwsk
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/21(月) 17:43:50.97 ID:7unot1FI0
>>121
寿命通行についてkwsk
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 19:20:50.48 ID:hxhm5KWDO
>>133
上位個体(ショタセラレータ)はいただいていきますね
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 20:18:03.23 ID:cLPCsR/M0
>>134
多分打ち止め黒歴史の事じゃね? pixivの
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/21(月) 20:27:06.43 ID:5Qa+SKN9o
>>135
寿命中断=布束さんの事だろ多分
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/21(月) 20:40:32.64 ID:7unot1FI0
>>138
サンクス。布束さんとか…熱いな…
上インから読み返してみると、ミサコンだけど恋愛対象としては小っちゃくて女の子らしいのが一方さんの好みなんかね。

140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 21:55:39.17 ID:+sszC/dpo
小萌先生か
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/22(火) 13:35:54.69 ID:QCGSSBabo
>>139
近い所にいそうなのが構って欲しいでストレートにじゃれつける娘(絹旗タイプ)と
私事に無頓着で放っておくとぶっ倒れてそうな娘(美琴タイプ)だから
ここの一方さんは父性と母性に特化進化してて、とにかく手が掛かる事が勝利の鍵と見た
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2011/03/22(火) 16:35:00.00 ID:M8Xh5okj0
投下いつになるのかな...楽しみ
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/03/22(火) 22:46:05.18 ID:EKDMEB9Z0
>>141
インさんを最初に連想したがそういえばあっちのスレで一方はインさんに・・・
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/23(水) 11:22:28.27 ID:k15RjVva0
>>143で気付いたけど、
前スレの>>631で美琴が言ってた「料理を"上手になろうとする"子」ってまさか…
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東地方) [sage]:2011/03/23(水) 14:44:01.41 ID:myW1XpTpo
>>144
詳しくはあっちのスレを見てくるんだな
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 16:26:14.06 ID:/AdataoR0
三つの絶望・・・
愛してくれる者を失った絶望
愛する者を失った絶望
愛さえいらなくなった絶望
当てはまるな・・・
147 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:08:00.15 ID:5x6UqLCj0
こんばんは。8時半くらいに投下したいと思います。相変わらずgdgdです。
あと誰得?な感じで、一方さんと娘っ子がイチャイチャしてます。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 20:11:53.77 ID:dWBhBXXDO
間違いなく俺得

wktkして待機
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/23(水) 20:12:20.67 ID:L21jv6Nd0
wktkwktk
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/23(水) 20:12:40.03 ID:Wlr4mIebo
なんという俺得

上裸待機
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/23(水) 20:17:09.37 ID:N9yTaoYF0
そして俺得でもある

下裸待機
152 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:30:38.42 ID:5x6UqLCj0
投下開始しますです。ヨロシク。
153 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:32:18.71 ID:5x6UqLCj0


一方通行のマンションに来る度に、打ち止めは優越感を抱く。
自分のテリトリーにあまり人を踏み込ませない一方通行の、数少ない例外であるという誰に向けてのものかわからぬ優越感。



そして、寂寥感も。



来る度に目にする、彼以外の人間の痕跡への言いしれぬ物悲しさ、寂しさである。
その彼以外の人間というのが自分ではないことが寂しいのだ。

勿論、年頃の少女特有の気難しさ故に、それをはっきりと打ち止めが自覚することはない。

一度抱いてしまった一方通行の「男」としての側面に対する嫌悪感はなかなか拭えないことが、彼への反抗心の一因となっているのは確かだ。
親のように兄のように、そして恋人のように寄り添ってくれた少年。
打ち止めは、幼い少女特有の狭い視野と思いこみとによって、少年を無意識に美化していたに過ぎなかった。
ただそれだけのことなのだが、それは理屈である。

打ち止めにとっては、ずっと慕っていた少しガラの悪い王子様、或いはぶっきらぼうな騎士様は、
愛も恋も無くとも人肌恋しさから女を抱くことが出来る普通の男に過ぎないという事実に、未だに少女は戸惑っていた。



「おい、コーヒー」

ぶっきらぼうな声に、部屋をこっそり見回していた打ち止めは眉を顰める。
想の首に綺麗に巻かれたーおそらく絹旗が巻いてあげたのだろうーーマフラーを解いてやりながら、打ち止めの方を見てもいない一方通行の背中を睨みつける。


「ご自分でどうぞ!」



マフラーに絡んだ琥珀色の絹のような髪を丁寧に取ってやったところで、一方通行が怪訝な顔で見上げる。


「何怒ってンだよ?」
「怒ってないもん。ただ、お客様にお茶を淹れさせるなんて信じられないってミサカはミサカは貴方の常識を疑ってみる!」


学校では隠している口癖が思わず出る。
打ち止め、などと自分を呼ぶ人間を前にすると、無意識に彼女自身も戸籍上にある名ではなく、打ち止めという少女に戻る。
しかし、素直さまで戻るわけではない。


当然のようにぴとりとくっついている想に、微かに頬がひきつる。


幼い瞳が、あたかも「どうしてあーくんをいじめるの?」と打ち止めを責めるように打ち止めを見つめる。


154 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:33:14.47 ID:5x6UqLCj0

「なァに言ってやがンだか」

想の髪を手櫛で整えた一方通行があきれたように打ち止めを見遣る。

「お前は別に“客”じゃねェだろ。どォしてイチイチ家族に気ィ遣わなきゃいけねェンだよ」
「 ―――― ッ」
「ったく…俺は飯の仕度しなきゃいけねェンだから、さっさと淹れろよ?」
「あう」


ぺしりとおでこを軽く叩くと、ペタペタとスリッパを鳴らしてキッチンに向かう。
打たれたおでこをさすりながら一方通行の背を目で追う。
その後を、ててててと想が付いていく。おそらく手伝いをするつもりなのだろう。


「ずるいよ…そんな言い方…」






                      ◇







「オイ、そこ計算違ってンぞ」
「………今直すつもりだったの!」
「間違った計算式の答えを代入しようとしてたのにか?その問題の計算式でトレースするくれェならやり直した方が確実だと思うがなァ」
「ぐぐぐ…」

負け惜しみはすぐさま看破され、倍返しのツッコミとなって跳ね返ってくる。
参考書と格闘する打ち止めの向かいから一方通行の冷静な指摘は、来年受験を控えている打ち止めにとってありがたいはずだが、意地が邪魔をする。
逆さのテキストを、それも片手間で見ているというのにどうしてわかるのだろうか。
これが学園都市第一位の頭脳なのだろうか。
向かいの一方通行は、『Science』に目を通している。論文をいくつか掛け持ちしているのだそうだ。
片手間に勉強を見られていることに不満を覚えているのは確かだが、それ以上に彼女を不機嫌にさせているのは一方通行だけが原因ではなかった。
テキストに向けている視線をこっそりと、胡座をかいた一方通行の足を座椅子代わりに座る少女に向ける。
一方通行の膝の上で、ご満悦そうに笑みを浮かべながら、想は時折足をパタパタとさせている。
そこに、一瞬デジャブを見て、打ち止めは瞳を伏せる。
想はキャラクターが表紙の絵本を読んでいる。マンガやアニメのキャラクターで数字やひらがなを覚えようという、教育向けの本だ。
ただし、想の読んでいるのは、漢字の本である。



(流石お姉さまの子)

五歳になったばかりの子が漢字の本とはなかなか賢い。

「コラ、何ぼーっとしてやがンだ。勉強に集中しろ」
「わかってるもん。イチイチうるさいな」

一方通行が横目にじろりと打ち止めを見る。
正確には、止まってしまっているシャーペンを握っている彼女の手を見ていた。

「ネットワークに頼りきりだったから集中力に欠けるンだ。もっと自分で思考することをお前は学べ」
「いよいよウザいんだけど!!学校の先生だってそんなに口悪くないもん!!」
「そら甘やかすタイプの教師だな芳川みてェに。つーか、よく常盤台行こうと思ってたな」
「……あの頃のミサカはネットワークの知識が全部自分のものだって思ってたから結構楽勝だって思ってたから」
「だろォな、それで黄泉川も芳川も反対してたンだよ」
「貴方は違ったっけ?確か真っ先に常盤台行きを反対したと思ったけど?」
恨めしそうに一方通行を睨むが、そんな打ち止めの視線など毛ほども気にした様子はない。


「当たり前だろォが。アイツの足跡を辿るような生き方しようとしてりゃ誰だって止める」

「!?」


155 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:34:23.58 ID:5x6UqLCj0

一方通行は空いた手で、想のぴょこんと伸びたアホ毛をもてあそんでいる。
指先に絡めたり、つついたり。
まるでそこに神経が通っているかのように、そのたびに想はくすぐったそうに、そして嬉しそうに身をよじる。
まるで膝の上の子猫をあやしているようだ。
父親ぶった物言いも気に食わないが、その如何にも可愛くて仕方がないと言わんばかりの構い方も気に入らなかった。


「アイツに憧れてるからって言えば聞こえは良いがな、あの時のお前のスタンスは単なるアイツのトレースに過ぎねェ。アイツはアイツなりに考えた上でああいう道を決めてンだ。それをただ真似しようなンざ賛成出来るかボケ」

「それは……」

「それにだ、あそこは純粋培養ってェ名の世間知らず製造工場だ。只でさえ世間知らずのクソガキだってのに、それを更に加速させてどォすンだ?卒業する頃には立派な超バカガキの一丁上がりだろォが」

雑誌に目を通したまま、一方通行は馬鹿馬鹿しいと言いたげにため息で締める。

「何その言い方。ミサカそんな社会不適合者みたいに言わないでほしいかもってミサカはミサカはお前が言うなって言いたいのを堪えてみる!!っていうか、その超っていう口癖大嫌いなんだけど〜〜」
「堪えられてねェよ馬鹿」

形の良い打ち止めの眉が急勾配を描く。
怒った顔は美琴にうり二つなあたり、同じ遺伝子なのだなと、一方通行は妙な感心を抱いた。

「大体そンな話蒸し返すくれェに嫌だったのか?」
「そ、それは…楽しかったけどさ」

唇を尖らせ、そっと視線を逸らす。
子供の頃から変わらぬ打ち止めの癖に、僅かに一方通行の視線が柔らかくなる。
今の学校は打ち止めにとって事実楽しい。
学習装置による教育を受けていたとはいえ、中学入学時において実年齢はようやく四歳という打ち止めにとって「普通」の中学校生活というものは毎日が新鮮さにあふれていた。

結局進路においても、新設された常盤台付属の高校ではなく、学力が高く、制服が可愛い高校に仲の良い友人達と進んだ。
その選択に一方通行も美琴も何も言わなかったのは、能力開発に打ち止めが曝される事が無いことに安堵していたからだということは彼女は知らない。

ただ、その事を素直に認めるのは、目の前の青年をしてやったりと思わせるだけのような気がして、未だに打ち止めは認める事が出来なかった。


「だったらこの話は終わりだ。飯までまだ時間はあンだからな、さっさと続けろ」
「ねーねー、あーくん!」

大人しく本を読んでいた想が一方通行の裾を引っ張る。
一方通行の胸板に頭を預けるようにして顔を見上げる。

「ン?どォした」
「お姉ちゃんばっかりずるいの!!想ともおはなししよ?」

テキストに視線を向けていた打ち止めはぎょっとする。
この幼い少女は、一丁前に独占欲を持っているのだ。


156 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:37:36.36 ID:5x6UqLCj0


「あーくん、あーくん。あしたね、きぬはたせんせいがね、らぷんてるよんでくれるんだって〜」



「らぷンてる?」
「……ラプンツェルのことじゃないの?」



舌足らずな言葉の意味するところを理解出来ず一瞬不思議そうに首を傾げる一方通行に助け船を出してやる。


「ああ、あのスゲェお姫様の話かァ」

「…そこは論点じゃないと思うけど…」


首の筋力だけで男を引き上げることもさることながら、それを支えきれる髪の頑丈さもとんでもない。


「今日は何かアイツに読んでもらったのか?」
「うんとね、きょうはね、にんぎょひめ」
「そうか、面白かったか?」
「うん。せんせいもきれいなおなはしだねって」
「……先生ってのは絹旗か?」


想は首を振る。


「きぬはたせんせいは悲しいおはなしだって。想もね、あのおはなし…あまり好きじゃないの」
「面白かったンだろ?」
「だけど、想泣いちゃったの。はまちゃんも泣いてたの。きぬはたせんせいも、悲しそうによんでたの」


しゅんとうつむくと、アホ毛心なししおれたように頭を垂れる。


「………どォして悲しいって思った?」
「だって、にんぎょひめさいごあわになっちゃったの」
「だから悲しいのか?」
「…よくわかんない」
「わからない?」
「えっとね……うんと…」


言葉を探るように想は口をもごもごと動かす。
まるで、その小さな口の中にたくさんの感情が詰まっていて、そこから何を取り出せば良いのか迷っているようだ。


一方通行は想の言葉をじっと待っている。

その沈黙は不思議と息苦しいものではなかった。

昔の一方通行であれば焦れて、次の言葉を急かしていただろう。
そう思い、気になってちらりと打ち止めが視線を遣ると、一方通行の瞳が見惚れてしまうくらいに優しいことに驚いた。

勿論、満面の笑顔を浮かべる男ではないが、その瞳や、口元は昔が信じられない程優しくなっている。
それは、感情のコントロール、表現の仕方をこの10年近くで彼が身につけた証であり、喜ぶべきことだろう。


「にんぎょひめはね、悲しいって泣いてなかったの。あわになっちゃったのにね、悲しくなかったの。
 王子さまが大好きでね、だからあわになってもへーきだったの」

「………」

「想はね、おばけ怖いの。クモも怖いの。怖くて泣いちゃうの。泣いちゃうと悲しいの。にんぎょひめは泣いてなかったの。だから悲しくなかったの……」

一方通行は顎を軽く少女の頭の上に乗せる。重くないように。
腕をおなかの前に回してやり、包みこもうとするように緩く抱きしめる。

157 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:39:17.14 ID:5x6UqLCj0



「悲しいのは想なの。にんぎょひめが、悲しくないのが悲しいの……」



絵本の内容を思い出したのか、少女の大きな瞳が薄く泪の膜を張る。



「ねー、あーくん…」

「うン?」

「にんぎょひめはどうしてもあわにならなきゃダメなの?」


こしょこしょと耳元で妖精が囁いたような、ふんわりと甘い声。
子猫が親猫にするように、頭をすりすりと擦り寄せながら一方通行をつぶらな瞳が見上げる。


無垢で純粋、透き通った瞳。


嘘など認めないのではなく、嘘など存在すら知らない瞳が一方通行を見つめる。


その愛らしい声は、打ち止めにも届いていた。
気づけば、ノートの上を走るペンは止まっていた。
しかし、一方通行は今度はそれを咎めはしない。
打ち止めを流し目を一瞬送ると、すぐに腕の中の少女に視線を戻す。

「そォだな…人魚姫ってのは馬鹿な娘なンだ。しゃべることも出来ねェ、そンでもって王子様にはフィアンセもいる。フィアンセってのはわかるか?」
「うん。この前るいるいがおしえてくれたの。けっこんする人なんだよね」
「ああ、そォだ。で、つまりだ。人魚姫は結果なンざ最初からわかってたのに、勝負に挑ンじまったンだ」
「わかってたの?」
「ああ…王子様は最後にはお姫様と結婚するってな」
「………じゃあどうして?にんぎょひめおよめさんになれないのに?」


「ああ…それでも、人魚姫はそうしたかったンだよ。それでどンだけ自分が傷つくかわかっててもな…ホント…馬鹿な娘だ」




痛みを堪えるように、瞳を眇めると、一方通行は頬を少女の頭に寄せる。柔らかな髪がそれに合わせて微かに震える。


「けどな……そォいう馬鹿だから…不器用で綺麗なお姫様だから、皆好きなンだよ。想は人魚姫は嫌いか?」

利発な少女はすぐに首を振る。
彼の言葉が、童話ではなく、その主人公個人を指していると理解して。



「けどな。俺もやっぱりこの話は好きじゃねェンだわ」
「え?」
「いつも考えちまう。どォして誰も止めなかったンだってな……」

158 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:44:44.56 ID:5x6UqLCj0


人魚姫は人気者だったのだろう。
イルカも、イカも、カニや亀も、みんな彼女を愛していた。
だったら、どうして不幸になりに行く彼女を止めてやれなかったのだろうか。
それが野暮だとしても、もっと他のやり方は無かったのか。
彼女の問題だと、自分には言う資格もないと言って訳知り顔で遠巻きに見ていたのだろうか。
どれほ恋が素晴らしく、大切なものであろうと、王子様にも誰にも省みられず泡になって消えてしまわなければならないほどのものだろうか。



「あーくん?」
「ああ…悪ィ悪ィ。変な事言っちまったな」

想は今にも泣きそうな顔で一方通行を見上げる。
こぼれてしまいそうな瞳を、悲しげに微かに歪めた少女の表情に、一方通行はおかしなことを口走ってしまっただろうかと、一瞬後悔の色を浮かべる。

「何しょぼくれたツラしてやがンだよ。泣くンじゃねェよ」

意地悪げに唇を歪めて、マシュマロのような頬を撫でてやる。

想はぶんぶんと首を振ると、一方通行の裾をぎゅっと握る。

「ごめんね、あーくん」
「何謝ってンだ?」
「想がにんぎょひめのお話したせいなの。あーくん、痛いの?泣きそうだよ?」
「…………バァカ…ガキがくだらねェこと心配してンじゃねェよ」


一方通行は薄く笑うと、少女のミルクの香りのする頭に口付けるように顔を埋める。
じゃれるというよりも、自分の心をこれ以上少女に見せてはいけないと、見苦しいものに蓋をするように打ち止めには見えた。



159 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:48:43.53 ID:5x6UqLCj0


微かにハスキーな優しい声。
それは他者を威圧する事と無縁の世界に生きるようになってから明らかになった一方通行の本来の声質である。
それは聞き慣れているはずの打ち止めであっても鼓動を早めずにはいられない程に艶美としており、
仮に耳元で、不意打ちに放たれたのならば即座に蕩けてしまうのではないかという程に甘く響く。





一方通行が一体誰かを指して話たのか、それとも、彼個人の人魚姫に対する見解だったのか、打ち止めはそれを敢えて尋ねようとはしなかった。




ただ、打ち止めはひっそりと思う。


学習装置で、生まれながらに大人としての思考能力と知識を持っていた自分。
記憶の共有がもたらしたものは人間が本来持つ強さや弱さ、醜さなど多岐に渡る。
故に、打ち止めという少女は生まれながらにして、素直であったが、決して無垢ではなかった。
生まれながらに目にした一方通行の弱さ、醜さ、優しさ。
それが、彼女を彼の最大の理解者にして、もっとも絆深き者へとさせたのである。


しかし、もし、この少女のように無垢に生まれることが出来たのならばどうだったのだろうか。



それは考えても意味のないことである。



それでも、ぼんやりと思う。



無邪気に、一身に、一方通行の温もりを受ける少女に視線をやる。




それが、嘗て幼かった自分に番外個体、あるいは他の者が抱いていた嫉妬心でしかないことに気づかず。










160 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/23(水) 20:52:15.12 ID:5x6UqLCj0
以上で今日の投下終了です。ホントに進行遅くてすみません。

一応補足として、このお話では上条&一方通行が16歳時にインちゃんは11歳、打ち止めは8歳として描いております。

それではまた ノシ
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 20:53:37.40 ID:kchODLQZ0
うわぁぁああああ
何か色々と切ないな……

>>1おつ
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/23(水) 20:54:07.35 ID:Wlr4mIebo


やっぱ一方さん今でも・・・
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/23(水) 20:54:22.77 ID:k15RjVva0
>>1
なんかもう今泣きそうなんだけど…
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 20:54:47.86 ID:8DNAD9/go
乙〜
一方さんが考えてた人魚姫は美琴かな
まあインさん関連かな、そこらへんはいくら吹っ切っててもやっぱり根は深そうですね
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 21:12:22.02 ID:rfgq8VzJo
人魚姫にここやあっちの美琴当て嵌めるとヤバいな
でも誰かが必死に止めてもあの時の美琴は止まったかどうか分からんし・・・
取り返しがつかないからこそ後悔ってしちゃうものだけどもうなんつーか
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 21:28:50.49 ID:dWBhBXXDO
乙乙ー

人魚姫=一方さんって考えたが違うか
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/23(水) 21:46:56.24 ID:/hKaw+RTo


人気者だった、というのだから電撃姫のことだろうか
自分を人魚姫に投影しちゃうようなユルフワモテカワ系のあーくんもイイと思います!
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/23(水) 21:54:02.90 ID:Ydnab05d0
>微かにハスキーな優しい声

新妻エイジ的な岡本さんボイスを想像してしまった俺を誰か頼むから殴ってくれ。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 21:59:28.60 ID:zNGDBTADO


インデックスとも上条さんともとれるな…
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 22:06:11.17 ID:rfgq8VzJo
王子は最後にお姫様と結婚するって分かってるって所から
上条さんとインデックスはくっついてるし今は幸せだろうしこの場合人魚姫側とは違うかなーって思うけども
一方さん説も微妙だが他の人から見れば充分当てはまるなww
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 22:08:19.29 ID:wEKQhb1IO
垣根「メルヘンと聞いて」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/23(水) 22:12:22.59 ID:xT2oYW8ho
人魚姫も、例え止めても止まらなかったかもしれない。
一方通行が求めたのは希望だよなあ。

ところで「いちどいだいてしまったあくせられーたのおとこ」と「いちどだいてしまったあくせられーたのおとこ」
ではエライ違いだよね。ニホンゴムズカシイ。
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/23(水) 22:19:01.90 ID:/+a3J3/jo
>>171
                ┌――――――‐─┐
                 |________________|
                 |=========|
                 ../|     -、__,      ..||\
               / l   rデミー'  'ー'  .|ト、 \
     r、       /  .!〕  ゛`ー′ /でン  .|| \ \      ,、
      ) `ー''"´ ̄ ̄  / |     、   .ゝ ゛   ||   \  ̄'ー‐'´(_
   とニ二ゝソノ ̄ ̄ ̄''''   .|    `ヾニァ'     .||      ̄ ̄'''ヽ(、,二つ
                       |__________j|
                 |´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`i|
                       |〕            ||
                 |_∩____∩_____j|
                  //      | |
                 //Λ_Λ  | |
                 | |( ´Д`)// <うるせぇ、帝凍庫クンぶつけんぞ
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              \   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   \
              ||\            \
              ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
              ||  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/23(水) 23:32:31.68 ID:xT2oYW8ho
ああそうか、想ちゃんもそっち側なのか。人魚姫の行動に共感したのか。
誰一人止まらなかった親共保護者共は彼女を泡じゃないなにかにしてやってほしいぜ。
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/23(水) 23:49:45.46 ID:g7uuOU5fo
なんでだろう
みんなそれぞれ幸せになろうとしてるのに
周りからは、全力で破滅に飛び込んでるように見える
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 00:04:19.02 ID:5vmvcFqDO
人魚姫の王子の為に周りの幸福を全て捨てた所が上条さんを連想させたんだが違うのか?
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 00:11:53.78 ID:OpBul0N1o
人魚姫は王子の為にじゃなくて自分が王子と幸せになりたいと望んだからで、
でも「人魚姫は結果なンざ最初からわかってたのに、勝負に挑ンじまった」って言ってて
その結果=「王子様は最後にはお姫様と結婚する」って事だから
少なくとも一方解釈では上条さんはありえないっしょ

それとは別に個人の解釈で人魚姫と上条さんのイメージが被るって事は否定しないけど
178 : ◆d85emWeMgI [sage]:2011/03/24(木) 00:14:52.37 ID:OA29O5XD0
次回予告を投下し忘れましたが、次回は短めのギャグ予定です。最近重いのばかりだったので。

テーマ:『何故、御坂母娘のバレンタインに黒子がいなかったのか?』

それでは ノシ

PS.人魚姫は一方さん以外想像に任せます。一方さんは童話の登場人物に自分をカウントしません。
後、娘さんは破滅思考ありません。
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/24(木) 00:27:58.81 ID:8/GwEqUso
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/03/24(木) 06:25:45.73 ID:soM8xF3AO
佐天さん何教えてんのwwwwwwww
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/24(木) 12:57:55.89 ID:WN3s1Hvd0
最初フィアンセがフィアンマに見えて「……え?」ってなったのは俺だけでいい
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 19:37:39.45 ID:nrX8t9UDO
上条さんって亡くなってるよね?

間違ってたらごめん
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 19:45:53.57 ID:ZNIJ04TSO
>>182
「上条当麻」は死んだことになってる


つか上インは全部読んだのか?
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/24(木) 20:13:04.76 ID:nrX8t9UDO
>>183
約束したよな?ってやつ?なら読んでないです

繋がってるの?
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/24(木) 20:26:57.69 ID:zURDVhpAO
読めばわかるよ
あとsageような
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 20:32:26.84 ID:nrX8t9UDO
>>185
ごめん
ありがとう
読んでくる
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/25(金) 16:39:26.77 ID:/4HfLh3S0
>>186
気を付けろ。ここの>>1が書くシリアスはガチで涙腺崩壊するから。
"一方通行「……クソッタレ…」"とかもうヤバかった
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/25(金) 16:58:56.57 ID:uh+IOY3h0
>>65
「時折黄泉川とおかしな空気になっていたり、…」
コレはそういうことで良いんでしょうか
教えて!エロい人
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/25(金) 18:14:07.47 ID:bnoSCml1o
>>187
それ>>1だったのか
初恋ェ…
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 18:46:43.14 ID:ycVH8yvDO
>>187
グロあり?

「嫁にしてください」はどうなの?
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/03/25(金) 19:39:33.82 ID:MsJU5zyAO
>>190
マジチョロい第一位が佐天の餌付け攻撃に墜ちて尻に敷かれる話
192 : ◆d85emWeMgI [sage]:2011/03/25(金) 21:37:11.48 ID:3JgPVF+v0
今夜投下します。多分0時くらいに。
ギャグテイストに挑戦するつもりなので、いつもと文章を変えて行こうと模索しております。よろしくです。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/25(金) 21:40:28.72 ID:ZYj2DfJNo
wwktk
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 22:09:23.06 ID:0l5tiHQIo
ふふふ・・・・ズボンを脱ぐ展開も期待しておくか
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/03/25(金) 22:20:16.99 ID:7Tj0nPbt0
おっとネクタイを忘れるところだったぜ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/25(金) 22:42:27.94 ID:/4HfLh3S0
ID違うが、>>187だ。
>>190"一方通行「……クソッタレ…」"はグロって言うか、レイプ描写がある
しかし、泣ける
197 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/26(土) 00:08:28.99 ID:ToV9FjzR0
今から投下します。最初に言っておきます。相当酷いです。ギャグがヘタすぎです私は。
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 00:10:02.32 ID:Fw607FDP0
今まで>>1のSSで読んだのはほのぼのとシリアスだから楽しみだぜ
199 :〜 2月某日 〜 [saga]:2011/03/26(土) 00:11:51.07 ID:ToV9FjzR0


2月14日。

それは女の子の女の子の為の聖戦の日。





そう呼ばれていたのは最早古い話。

友チョコ、オトメン、草食男子、やらないか?、等など数多くの言葉と共に女の子が男の子に想いを伝える日という固定概念は崩れ去りつつあった。

あるモノは、友人同士で集まってお菓子作りに興じ、ある者は食べたいプレゼント互いに送り合い。

そしてある者に至っては『おめでとう私!』とばかりに自分の為にGODIVAなんて奮発した者を送ってみたりする者までいる。

自分へのご褒美。お一人様。笑わせる。人はいつだって一人なのだ。今更何を言い繕う必要があるのだろうか。



などと言ってはみても、やはり、愛しい人に愛の告白を、または、お世話になっている大切な知人に心からの贈り物をするというオーソドックスな形は依然として主流を占めているのだ。
前置きが長くなってしまったが、此処にいるとある女もまたそんな主流派の一人であった。


彼女の名は白井黒子。
花も恥らう22歳。
某有名大学にて、優秀な研究を収め、そのまま誘われている研究室に行くべきか、お声が掛かっている一流企業に行くべきかという贅沢な悩みを抱えている少女と呼んでも通じそうな女子大生である。
そんな彼女もまた、迫る14日に供えて準備をする、実にありふれた年頃の女の子であった。
といっても、“愛しい人への告白”の方ではなく、“大切な人への贈り物”の方である。
彼女の昔を知る人間が今日という日と彼女を結びつけるとまず思い浮かべるのは、ルパンダイブからの電撃による撃墜という様式美とかした一連の流れであろう。


愛しのお姉さまの薄い胸に、媚薬入りのチョコレートを塗りたくった変態淑女ツインテールがダイブし、そして迎撃されるというパターンである。

ある者はその光景を目にして「ああ、そういえば今日はバレンタインデーだっけ?」と日々の喧騒に追われるあまりに忘れ去っていた行事を思い出したりする。
しかし、それも昔の話。具体的に言えば6〜7年も前の話である。
元々、白井黒子は重度のミサコンであって、レズビアンではない。
限りなく黒に近いグレーであるかもしれないが、一応はノーマルなのである、辛うじて、ギリギリ、判定に持ち込まざるをえないが。
そして、少女丸出しのツインテールは真っ直ぐに下ろし、すらりと伸びた手足も相まって変態淑女ではなく、立派な淑女にワープ進化を遂げつつある。

そんな彼女にとって、バレンタインデーという日は、日頃お世話になっている友人知人へのチョコレート配り。
そして、敬愛する御坂美琴お姉さまと、そのご息女であるところの御坂想お嬢様への厳選されたプレゼントとチョコレートを贈る日であった。
しかし、その前に立ち塞がるのは、とある白い青年。


学園都市第一位。

学園都市の白い悪魔。

学園都市きっての反逆者(トリーズナー)。

学園都市最強の保父さん。

世界の歪みと、食品偽装の根絶の為に日夜戦い続ける男。

一級建築士(何が)の憎いアンチクショウ。




一方通行(注:偽名)であった。




200 :〜 2月某日 〜 [saga]:2011/03/26(土) 00:13:57.62 ID:ToV9FjzR0

「あ、あの……お兄様?」


お姉さま(美琴)の兄貴ポジション(黒子視点)なのでお兄様。
黒子は不条理を感じながらも、正座の姿勢を崩さずに目の前の青年を見上げている。
正座するのは、愛しのお姉さまの暮らすマンションの一室 ――――― のドアの前。
勿論座布団なんてもんは無い。直座りである。
10人中9人が美人だ!?と振り返り、残り一人が「何でツインテール止めちゃったんや!!」と言わずにはおれない美女をコンクリートの上に正座である。
黒子の前で腕を組んで仁王立ちする一方通行はといえば、今にも暴れだすのではないかという疑念の強い狂犬を前にした保健所職員の表情である。
つまりは、今すぐにでも処分する腹積もり満々ということだ。
黒子とて、馬鹿ではない。可哀想な頭をしてるかもしれないが、馬鹿ではない。
自分がこのような目に遭うだけの前科があるのだ。



「なるほど……バレンタインだから、プレゼントを贈りてェ……そォいうわけだな?」

「は、はいですの!!」


摘み上げたチョコレートを胡散臭げに見遣りながら、絶対零度の視線を黒子に寄越す一方通行。
それだけで、縮み上がりそうである。何がって?そりゃオメェ、ナニよ。



「………駄犬!」



一声上げて、黒子のチョコレートを無造作に放り投げると同時に、一陣の風が舞い込み、すぐさまチョコレートの包みを攫っていく。
呆気に取られる黒子の前で、音も無く着地したのは、お姉さまそっくりの美女。
口に咥えられたチョコレートは、包みが破れ中身が見えている。
美女は一方通行の足元に座り、チョコレートを口に咥えたまま一方通行を見上げる。
『ボールとってきたよ?ご主人様。褒めて褒めて!!』と犬であれば言っているだろう。事実、そんなキラキラした瞳で彼女は見上げている。
アレイスターの仕掛けた遺伝子の罠にもめげず、ちゃっかり、しっかり、しぶとく強く生き残っちゃった子。

御坂美琴クローンの最大の問題児、通称『20000号』と呼ばれる個体である。


201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 00:15:56.79 ID:Fw607FDP0
20000号まさかの登場wwwwww
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/26(土) 00:16:18.99 ID:67ned64Ro
トリーズナーってカズヤかよwwwwwwwwww
203 :〜 2月某日 〜 [saga]:2011/03/26(土) 00:16:39.87 ID:ToV9FjzR0



「駄犬。解析。報告」



短く告げられたオーダーに従い、バリバリとチョコレートを咀嚼する。
そして、舌の上で味を吟味していく。
溶けたチョコレートが口周りを汚し、実に卑しい。


実に………なんて卑しいのだろう。




「若干の変化は見られるものの媚薬等の薬物の混入は認められず、変質はおそらく独自に加えたホワイトチョコレートとブランデーによるものかと思われます。
 と、ミサカは至って王道な手作りチョコですよとセロリタンのホワイトチョコレートぶっかけを期待しながら報告します」

「よしわかった。じゃあ帰っていいぞ」


「酷ッ!?」

声を上げたのは黒子。

毒見として呼ばれただけで、即退場という扱い。そんなもので果たして誰が納得するのだろうか。




「ハイ!!とミサカはセロリタンの冷たい視線と放置プレイの指示に今夜のオカズをゲットだぜ!!と喜んでみます!!」




強がりではなく、本当に心から喜んでいるようだ。何せ『コロンビア!』といいながらのガッツポーズなのであるから。
アデューセロリタンとドップラーで去っていく20000号を早々に脳内から追い出しつつ、一方通行が黒子を見下ろす。


御坂母子に向けている瞳とはエライ違いですの…とは思っても口にしない賢い子黒子。



「どォやら、アイツらに送るものに異物混入はしてねェみてェだな…」
「当たり前ですの!普段の感謝をするのにどうして一服盛らないといけないんですの!!」
「だって……お前だからな」
「うぎぃぃぃぃぃ!!いつまでもいつまでも中学生の頃の事をーーー!!」
「中一で媚薬盗撮尾行なンて輝かしい犯罪歴でなにほざいてやがンだよ。寛大な心で許してやンなかったら、
 今頃ジャッジメントされる側になってたンだぞ。感謝しろ黒コング」
「人の事ぶん殴っておいて、寛大と申しましたの!?っていうかオセロ、パンダならともかく、黒コングはやめろですの!愛がありませんの!」
「いいじゃねぇか。エロガキにお灸を据えただけだろォが」

ぺしぺしと額を平手で叩く。
力は込めていない。込めているのは侮蔑だけだ。人の肉体ではなく自尊心を痛めつけるための行為である。



「嘘ですの!!空を飛びましたの!!物理的に」



204 :〜 2月某日 〜 [saga]:2011/03/26(土) 00:19:05.48 ID:ToV9FjzR0



可愛いという純粋な気持ちから、打ち止めに抱きついた当時16歳の黒子は空を飛んだ。


握力×体重×スピード=破壊力。


この数式に、ベクトルを織り込み、握力(ベクトル代入)×体重(ベクトル代入)×スピード(ベクトル代入)=破壊力(レベル6化)


という新たな演算式による『新・男女平等パンチ』によってだ。

それでも星にならなかったのはひとえに一方通行の優しさであろう。


「ホント、丸くなったもンだぜ俺も」
「ブルトン並にでこぼこですの!成層圏行きましたの!」
「まァ済ンだ話なンざどォでもいい」


ちなみに、想を初めて見て、可愛さの余りチューしようとした瞬間、黒子は気が付けば白熊が目の前にいた。


どうやらその時は北極圏まで殴り飛ばされていたらしかった。



それでも汚い花火にならずに済んだのもひとえに ――――




            ―――― 海より深い一方通行の優しさによるものであった」



「捏造ですの!モノローグ勝手に捏造してましたの。汚い花火のくだりから完全にモノローグ乗っ取ってましたの!!」



205 :〜 2月某日 〜 [saga]:2011/03/26(土) 00:22:32.97 ID:ToV9FjzR0


「しかしよォ、普通のチョコレートってのも……正直ガッカリだな」
「ガッカリ……ですの?」
「ガッカリだ」
「二度言った!?」

ようやくドアの前から上げてもらった黒子は一方通行特性のカフェオレと、どんぶり一杯のぶぶ漬けを前にして首を傾げる。
褒められこそすれ、失望されるいわれは無いはずだ。というかあってたまるか、散々な目にあわせておいて。
ぶぶ漬けについては触れない。触れないったら触れない。


一方通行は黒子の作ってきたチョコレートを一口食べると顔を顰める。


「無難な味だァ……市販のチョコを固め直して手作りチョコですよーってかァ?」
「そ、それは……」


それで三倍の品を釣り上げるのだから、海老で鯛をなんとやらである。
もっとも、黒子は三倍返しなんてものは求めてはいない。ただ、もうちょっと美琴や想と絡みたいな〜とか、そんな程度である。
超電磁砲組で自分だけ想とお風呂に入ることが親御さんから解禁されていないのだが、そろそろ解禁して欲しいな〜くらいしか思っていない。


「常盤台のお嬢様(笑)は市販のチョコを固めてハート型にして手作りチョコですよォォってか?」
「ぐ……」

真剣な、一切の嘘を許さない瞳に、黒子は言葉を失う。端整な顔立ちに、エキゾチックな赤い瞳が妖しく艶かしく輝く。
それは、黒子のような年頃の女にとって、それも男性経験の著しく乏しい女にとって、何とも落ち着かず、そわそわさせてしまう蟲惑的な光を持っている。
顔が徐々に熱くなっていくのを自覚しながら、視線を逸らそうとするものの、いつの間にか顎に添えられた指先がそれを許さない。
縫い付けられたように真っ直ぐに、覗き込むように放たれる瞳に、黒子は逃れることが出来ないことを知る。


「マンマミーアァァ(なんてこった)」
「何故イタリア語」


一瞬漂った甘いかもしれない空気は一瞬にして消え失せる。
所詮はそんなもんだろう。

もし仮に……

【IF】の話であるが、絹旗であれば。

或いはそのままギャグという言葉を免罪符にした一方通行がピロトークまで持ち込むかもしれないが、全てはIFの話だ。

無意味だ。感動的だが、無意味だ。


206 :〜 2月某日 〜 [saga]:2011/03/26(土) 00:24:42.03 ID:ToV9FjzR0



「一つ尋ねンぞ、黒コング」

「ゴリラみてぇな呼び名やめろってんですの!」

「いいから答えろ」

「何ですの?」

「テメェのアイツらへの愛ってのァ……市販の味なンぞで表わせるモンなのか?」

「!?」

「本当に敬愛してるってンならなァ……カカオから厳選した最高究極絶対無敵のチョコレートぐれェ持って来いやァァーーーーー!!!」


頬を張られたような衝撃が黒子の背筋を貫いていく。
そうだ。市販されたチョコレートを、普通にレジに持って行って、それを湯銭で溶かして完成。
そんなことで自分は本当に満足していたのか?
中学生の頃。自重、自粛、自制、自省。あらゆるものが足りておらず、ひたすら過激な行動で愛を示そうとしていた若く、否、幼い自分。
しかし、唯一つ勝っていたものがあった。


それは情熱。


美琴への敬愛を示そうと、自分の中にマグマのように凶暴なまでに滾る想いを、その千分の一でもいいから知って欲しくて何でもいいからチャレンジしたあの頃。
その情熱が、齢十三にして伝説にしか存在しないはずのルパンダイブ習得に至らせたのではなかったのだろうか。
それを自分は今の今まで見失っていた。そう、目の前の青年に教えてもらうまでは。
こと、此処にいたり、黒子は己の未熟さを悟る。
つまり、それを黒子に教えられるほど、目の前の青年の愛、情熱は自分よりも先の領域にあるのだ。
コレがイシスの時代で燻っている者と、ホルスの時代に進んだ者の差であろうか。多分違うが。


「目が覚めましたのお兄様!!黒子間違ってましたの!!」


黒子は一方通行の手をしっかりと握る。


「そうですわね。この程度で黒子のお姉さまと、想ちゃんへの愛を表わせるはずもありませんわ。“カカオから厳選した最高究極絶対無敵のチョコレート”……ふふふふ……久しぶりに胸にずしんと来ましたの」


「フッ…どォやら迷いは吹っ切ったよォだな」

「お兄様……」


にやりと一方通行が笑う。まるで弟子の成長を喜ぶかのように。
ぽんと、黒子の頭に手を乗せると、一方通行は諭すように言う。



「じゃあ、カカオっつーたらコートジボワールに行かねェとなァ」
「はいですの!!                                        




    
                                       ん?」


207 :聖人の再就職先〜奥様は王女〜 [saga]:2011/03/26(土) 00:27:10.76 ID:ToV9FjzR0



「今日から貴様等のガイドを担当するウィリアム=オルウェルである」
「…………」


うだるような熱さ、それも日本のような湿気など微塵も感じさせない、ひたすら純粋な灼熱の下。
それを割り増しするような暑苦しい男を黒子は視界に捉える。
黒子を含め、数名のメンバーを引率するガイドは何と言うか、一言で言えば端整なゴリラだった。


「これから取りに向かうカカオは少々特別なカカオであり、専門家のガイドが無ければ非常に危険であるからなのである」
「あのぉ…ご質問宜しいでしょうか?」
「うむ。何なのであるか?」
「危険といいますのは、一体どのような?私これでも少々の荒事ぐらいでは……」
「私語厳禁なのである!!」
「あべし!!」


男女平等パンチってグローバルに存在するんだ。
そんな事を思いながら錐揉み状に吹っ飛ぶ黒子。
どうでもいいが、錐揉みする瞬間をつむじから見るとロールパンみたいに見える。髪の色的に。


「ウィリアムでは長いので、略してアックアでいいのである」
「全然略してないですの!!」
「私語厳禁なのである!!」
「ひでぶ!!」


筋骨隆々の、全盛期のシュワちゃんにしか見えない男を前に、ようやく自分が口車に乗せられたのだと自覚する。
全ては自分を美琴から、そして想から引き離す為の孔明……一方通行の罠。
それに自分はまんまと引っかかってしまったのだ。




「あのウサギぃぃぃ……」
「私語厳禁なのである!!」
「たらば!!」



208 :カカオ登場 [saga]:2011/03/26(土) 00:32:15.34 ID:ToV9FjzR0





「出たのである。あれが貴様等が取るカカオなのである」


【ゲッゲッゲッゲ】


「鳴いてますの!」
「活きが良いカカオなのである」


【ピュピュピュッ!!】


ジュワァァァァ……


「酸吐きましたの!!」
「やんちゃなのである」


【じゃあああああああーーーーーーーー】

                  『Ohーーーー!!』
                  
                  『メイスンンンンンンンーーーー!!』



「人を飲み込みましたの!!!」
「育ち盛りなのである」




「もはやカカオじゃないですの!!」

「元々は学園都市産の肥料を撒いたら生まれた変わったカカオなのである」

「それ最早バイオハザードですの!!」

209 :サービスシーン(R18) [saga]:2011/03/26(土) 00:33:15.43 ID:ToV9FjzR0





「白井さーーーーん!!無敵のテレポートで何とかしてくださいよーーーー!!」
「こんな状況で演算なんて出来るわけねーですの!!
「ああッ!!そうこうしてるうちに、アックア隊長が捕まった!!」


「なんてこったいなのである!!」


「ホントになにやってるんですのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!」
「ああ……カカオ(?)の触手が……アックア隊長の服を」


ビリビリビリッ!!


【ゲッゲッゲッゲ】

「ぬぅぅぅぅーーー!!こ、このアックア、辱めには屈しないのである!!」



「ああ…触手が…触手が隊長を…………………………ふぅ………」
「賢者にジョブチェンジしてる場合じゃねーですの!!」


「そっちは入れるのに適した穴ではないのであ、ある!!」

【ゲッゲッゲッゲ…クッグックッククリムッ…ゾン】

「く、悔しいのである……聖人の力さえあればこんなカカオなんかに…」

【ゲッゲッゲッゲ…ア、アックアさんの生アスカロンを拝見しても宜しいでしょうか?】




「おい、完全にあのカカオ喋ってますの」
「クッソ…お色気担当のアックア隊長が…」
「え!?お色気担当!?」




「ら、らめぇーーーなのであーーーる!!」



210 :パパセラと伏兵 [saga]:2011/03/26(土) 00:35:24.56 ID:ToV9FjzR0





「一方通行さんも随分上達しましたよね〜」


出来上がったチョコレートケーキに、丁寧に文字を描いていく隣で、感嘆の声が上がる。
一方通行の隣りで、佐天涙子が、クリームを軽やかな手付きでかき混ぜていく。


「先生がいいからなァ。癪だが」
「む!癪だからは余計ですよ」

ぷんっと佐天が膨れる。
一方通行はそれを意地悪く笑って受け流す。
それはいつもの事であるので、当然佐天とて本気で怒っているわけではない。
いわば、長い付き合い故のじゃれ合いのようなものだ。


「そういえば、今日想ちゃんの誕生日じゃないですか」
「ああ」

そう、今、日本は2月14日。
バレンタインデーである。しかし、一方通行にとってはそれよりも想の誕生日であるということが重要であった。


「白井さん全然連絡来ないし。何処行ってるんだろ。いの一番に飛んでくるって思ってたのに」

「珍しいこともあるもンだなァ」



指先を唇にあてて、可愛らしく唸る佐天の隣りで、一方通行はふわりと笑う。







実にイイ顔で。






211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 00:36:22.61 ID:Fw607FDP0
誰得だこの光景wwww っつーかこんなんで良いのか王女wwwwww
212 :途中で力尽きました。 [saga]:2011/03/26(土) 00:36:39.76 ID:ToV9FjzR0
投下終了。慣れないことはするものじゃない。
次回からは通常運行に入ります。それでは ノシ
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/26(土) 00:37:18.53 ID:s5tQtLEXo
ネタが多すぎてどっから突っ込んでいいのかわかんねえwwwwwwwwwwwwwwww
っていうかウィリアム何してんだよwwwwwwwwwwwwww
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 00:44:47.18 ID:Fw607FDP0
乙ww 笑わせてもらったぜwwww

・もう黒だろソレってレベルの黒子
・同じ人間に2回も自転パンチ叩き込んじゃう一方さん
・駄犬20000号(※毒見役)
・王室公認バイオハザードカカオツアー ポロリもあるよ!<アッークア

なんだこれwwww
215 :sage :2011/03/26(土) 00:48:57.18 ID:DbUi4xCS0
乙ですwwwwwww
クソ吹いたわwwwwww
アックアさんマジ何してんすかwwwwwww
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/26(土) 00:52:57.53 ID:DbUi4xCS0
うわ、興奮してsage書く欄間違った!
すいません!
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 01:05:30.41 ID:r+XhL4PDO
乙ですー

お色気担当のアックアwwwwwwww
20000号登場ってことは、10033号や14510号や14889号や18264号も登場を期待してよろしいんですね?
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/26(土) 01:13:57.22 ID:s5kfXdLuo
うんうん。生きていてくれりゃあいいさ、20000号!

黒子不憫すぎだろwwww
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 01:59:43.74 ID:sdLaG7JJo
くwwwwwwwwwwwwwwwwwwろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwコwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwグwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/03/26(土) 02:00:44.00 ID:/pfm3rSAO
こ れ は ひ ど い

ちなみに、「たらば」じゃなくて「たわば」だと思うんだ

それにしても
これはひどい

こ れ は ひ ど い
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/26(土) 02:58:37.40 ID:Di8bZlFHo
皆さんが楽しそうで何よりですwwwwwwwwww
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/26(土) 03:08:30.20 ID:oMZqrKrDO
2000号が可愛すぎて辛い
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 03:09:28.04 ID:oMZqrKrDO
sage忘れたすまんこ
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/03/26(土) 04:15:54.24 ID:BDO1rxiAO
まさかの20000号wwww
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 04:59:40.56 ID:FPiGVjnxo
おいフラッグファイターがいたぞ
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/26(土) 05:17:58.93 ID:KguCDBZno
20000号を手懐けている事に驚いたわwwwwww
227 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/26(土) 07:08:26.60 ID:nbFBnSSi0

18禁投下してもいいですか。カッとなって書いてしまったので。
ほのぼの好きは読まないで下さいな内容です。
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/26(土) 07:13:42.40 ID:67ned64Ro
オーケーオーケー、いいと思うぜ。
アニメ見てこっちももやもやしてる。
キツケに一つ頼む。
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2011/03/26(土) 07:18:13.12 ID:lfynTFiAO
楽しみでござる
230 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/26(土) 07:31:54.36 ID:nbFBnSSi0
お言葉に甘えて投下します。
231 :とある絹旗の ――― [saga]:2011/03/26(土) 07:32:47.94 ID:nbFBnSSi0


乾いた音で絹旗は目を覚ます。
身体中が絹旗の意思に反して、動くことを拒む。
まるで余計なことはしたくないと、じっと縮こまっていたいと彼女に訴えかけるように。
今は一体何時なのだろうかと、絹旗は軋む身体を叱咤して辺りを見回す。
けれども時計は見当たらない。そもそも、そこは見慣れた場所ではなかった。
映画であれば、地下牢、或いは薄暗い地下室などであろうが、そこはマンションの一室だった。
家具は一切見当たらず、ただがらんとしている。床にはカーペットすらなく、ただ、目を引いたのは50型ほどであろうか。
何もない部屋に巨大な液晶のテレビが一台。それが酷く場違いであった。
一体どうして自分はこんなところで眠っていたのだろうか。
そう思い、自分の身体に視線を落として驚愕に目を見開く。


自分の身体 ――― 一糸纏わぬ姿に。


「なァに寝てるンですかァ〜?ブチ殺されてェか?」


頭上から降ってきた声につられるように、見上げる。
そして、状況がつかめずに揺れと惑う絹旗の瞳は、そんな彼女を真正面から見下ろす ――― 見下す紅の瞳とぶつかった。


「よォ…随分と寝てやがったなァ…」


笑みの形に歪んでいるだけ、目元には軽蔑が、声には失望が露わになった白髪頭の青年の姿に息を呑んだ。
しかし、絹旗の驚愕はすぐに羞恥へと置き換わる。自分が何も身に着けていないと思い出したのだ。


「い、イヤ……痛ッ…」


自分の身体を抱きしめると、体中に鈍痛が走った。
痛みに顔を顰めた絹旗の臀部を白髪の青年、一方通行の足が踏みつける。
革靴の底の、冷たく固い感触が遠慮も容赦もなく叩き付けられ、絹旗は背を仰け反らせて苦悶の声を上げた。
そして、その痛みがようやく寝ぼけていた彼女の脳を完全に目覚めさせる。
自分の裸体を点検するように見回す。蛇が絡みついたように幾重にも重ねられた赤いひも状の痣。
絹旗は完全に思い出す。
この自分が置かれている状況と、それを行った人物。そして、此処で自分が何をされていたのか。

232 :――― 悪夢の始まり ――― [saga]:2011/03/26(土) 07:33:56.39 ID:nbFBnSSi0


自分が目を覚ました音。

あれは何のことはない、自分の背中を打った鞭の音に過ぎなかったのだ。


「よォやく目が覚めたみてェだな…つーか気絶してたって言う方がいいのかァ?」

喉の奥から込み上げる嘲笑が、その声には滲んでいた。
絹旗は責めるように一方通行を睨みつける。
気絶するまで、散々自分を鞭で痛めつけた男を。
そうだ、自分はこの青年に此処に連れてこられ、そして ――――


「あァ?お前何赤くなってンだァ?きひひひひひ…っ今更過ぎんだろォが?」

「うぐッ」


唯一絹旗が身に着けていた首輪から伸びたリードを無造作に引っ張り上げる。
髪を掴んで引き寄せなかったのは、優しさでもなんでもない。
単に犬を引き寄せるのにはリードの方が便利だからだ。


「なァに顔そらしてンですか?変態ドマゾの最愛ちゃァァ〜ン?」

「ふっ―――ぅぁぁぁ……んんッ」


長い舌が絹旗の汗ばんだ首筋を舐め上げる。
しっとりとして、少し温めの濡れた感触に、緊張と羞恥で敏感になっていた肌が過敏な反応を示す。
しかし、その感度の良さでさえも、この男に散々叩き込まれたものだと思うと屈辱と怒りが込み上げる。
頬を朱色に染めながら、絹旗は必死に声を抑えようとする。
それを白けた目で見下ろすと、一方通行の瞳に、やおら狂気じみた稚気が浮かぶ。
するりと、むき出しの乳房に伸びる。


「痛い!!」


頂を抓りあげられ、絹旗が短い悲鳴を上げる。そのの目尻には涙が浮かぶ。
どうしてこんなことをするの?そう問い掛ける前に、もう片方の乳房もどうように抓りあげられる。


「いぎぃっ」


千切れるのではないかという痛みに、絹旗の喉はただただ苦痛を訴える為の装置のように、戦慄く。
そして、不意に手が離れるのと同時に、ちゅるりと濡れた柔らかな感触がそこを包んだ。
驚き、胸元に眼を移せば、白い頭が直ぐに視界に入る。
一方通行が赤ん坊のように絹旗の乳房を口に含んでいるのだ。
ちゅぱ、ちゅぱっと水気のある音と同時に、得も言われぬ甘い痺れが背筋を走る。
夜の独り自分を慰めるときに彼女が幾度も想像した光景に、絹旗は無意識に一方通行の頭を手で包み込むように押さえる。


が、それをちらりと目で確認していた一方通行は、突然歯を頂に当てる。

233 :――― 或いは幸福の一つの形 ――― [saga]:2011/03/26(土) 07:34:39.43 ID:nbFBnSSi0


「あぐぅっッ……痛い…痛いですッ」


噛み千切られるのではないのか。一瞬彼女の中に生まれる恐怖。
それを手に取るかのように把握している一方通行の舌が、またもや優しく頂をなぞる。
もたらされた快感に鳥肌を立てながら絹旗が甘い息を漏らす。羞恥に顔を真っ赤に染め、慌てて口を抑えようとする両手を一方通行は素早く抑え込む。
乳房を口に含みながら、くつくつと男が笑う。絹旗の反応がいちいち素直であることを喜んでいるかのように。
事実、彼は楽しくて仕方がないのだ。自分の思考の一部を持たされたこの少女が愛しく、可愛い玩具に思えてしょうがないのだ。


「思い切り痛くされてから突然優しく舐められると感じるンだろ?」
「うく……んんん……」
「散々昨日悦ンでたものなァ」

つぅーと絹旗の胸から伸びる銀糸を口元にまで繋げ、唾液と絹旗の汗で濡れた一方通行の唇が卑猥に艶を放つ。
薄い唇が、厭らしく三日月形に歪むのを、熱に侵され掛けた頭でぼんやりと眺める。
それでも尚、絹旗の瞳には一方通行への敵意が漲っている。快楽に頬を朱に染めつつ、羞恥と怒りに瞳は爛々としているのだ。
しかし、それを楽しむように一瞥すると、一方通行は絹旗から離れる。


「くくく…まるで囚われの悲劇のヒロインってツラだな。まるで完全に被害者ですって言いたげだぜ?」

「当たり前です!!こんな、こんな超酷いことしておいてよくも…私の気持ちを弄んで……ひっく…」


昨日された行為が脳裏を過ぎる。
幾度も想像した相手は、確かに目の前の男であったのに。
それなのに、想像にはまったくしなかった、こんなシチュエーションなど。
その事が、絹旗をより一層悲しくさせる。望んでいたはずなのに望んでいなかったのだと。


「弄んだ……ねェ?」


しかし、一方通行は流れ落ちる、雫にさえ一欠けらの動揺も見せず、ただ部屋に備え付けられていたモニタのリモコンを手に取る。





『あああーーー!!いいです!!超いいですぅーーーー!!!』





「…………………え……?」



掠れた声が絹旗の喉から零れた。

テレビに映る、あの女は誰だ?


『もっとです。もっと下さい!!さいあいをアクセラレータの好きにしてください!!』



茶色い髪を振り乱して、白髪頭の青年に齧り付き、何度も何度も悦びの悲鳴を上げている見っとも無い女。
犬のように舌を出して、懸命におねだりをする快楽の虜となった姿には首輪はお似合いとさえ言える。
四つん這いになって、一心に媚を売るように一方通行を見上げる女。
何度も尻を叩かれ、真っ赤になった尻を高々と上げているあの女は誰だ。


234 :――― という名の ――― [saga]:2011/03/26(土) 07:35:27.59 ID:nbFBnSSi0


「いいツラしてンじゃねェか……なァ…絹旗せんせい?」

「あ…ああ……」


耳元で、甘いハスキーボイスが響く。
その声の響きに、絹旗は熱を多分に含んだ吐息を思わず漏らす。
耳朶を甘く噛むと、一方通行は囁く。


「何、恥ずかしがるこたァねェよ。俺の思考……正確には『嗜好』を植えつけられたテメェらはよ、“そういう風”に出来てンだよ」


リードを握った手を引き寄せられ、一方通行の顔が真正面に来る。
愛しい愛しいペットを見る優しい飼い主のような笑みに、絹旗の ――― 最早壊れかけた思考は恋する乙女のように熱くなる。
しかし、一方通行の言葉に、かすかな違和感を抱く。
今この男はテメェらと言った。つまり絹旗だけではないのだ。
彼女は、その疑問に対する回答をすぐさま自身で見出す。


「ま…さか……」


絹旗のかすかな言葉の断片に、一方通行は嗜虐心を刺激されたのか、二ィっと笑う。


「アッチは随分な劣等生つーか、駄犬でよ。おかげで朝までかかっちまった。………もっとも、一度懐けば馬鹿みてぇに尻尾振るあたり、馬鹿な方が犬は可愛いのかもなァ」


可愛いという言葉を、一方通行が使ったことに、絹旗の瞳に暗い炎が点る。
姿の見えない黒夜海鳥への、激しい嫉妬。
彼の関心を浴びる、自分以外の彼の玩具。その事に歯軋りすらしそうになる。
既に、その思考すら彼女が壊れていることを ―――― 或いは正常になっていることを示しているのだが、それは既に遅い。
昨夜の嬌態を見せ付けられ、一度記憶を取り戻した以上は絹旗には自覚など無い。
存分に壊れ、程よく楽しめる具合になるまで後一歩だと判断すると、一方通行は最後のダメ押しをする。


「まァ……俺は毛並みの良い従順な犬の方が……好きだがなァ」



囁いたのは悪魔の呪い。
絹旗最愛という女から、尊厳と矜持と品性と理性を全て奪い去る破滅の言葉。
そして、同時に永遠の所有と快楽を与えるための蜜のような言葉だ。
焦点の合わなくなっている瞳をゆるゆると一方通行に向け、絹旗は最後の一押しを自らの手で行う。




「はい…私を貴方の―――――」


235 :――― 夢オチ [saga]:2011/03/26(土) 07:37:05.60 ID:nbFBnSSi0






「んん…もしもし?…絹旗?何よこんな時間に電話してきてさ。ってかまだ五時じゃねぇかよ…!
 ふざけんなよ?ぶちころされてぇのか?ああ゛ぁッ?え?何?寧ろそうしてくれ?は?何言って……
 え?今すぐ絹/旗にしてくれ?……えっと……ちょっ…寧ろき/ぬ/は/た、にしてくれ?イヤイヤイヤ!!
 アンタ何言ってるのよ?え?あんな夢を見て、もう合わす顔がない?待って、待ってお願い。ちょっと待って。
 ちょっと待ってホント。麦野さんちょっとまだ把握できないんだけど……絹旗?ねぇ、絹旗?絹旗ぁぁぁぁーーーー!?」




236 :ホントにゴメン。超ゴメン。 [saga]:2011/03/26(土) 07:38:02.71 ID:nbFBnSSi0
以上投下終了。気の迷いです。最愛ちゃん最近書いてなかったので。
それではまた ノシ
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/03/26(土) 07:49:33.36 ID:jo8tpIOT0
最愛ちゃんたら欲求不満なんだからww
あ、>>1乙です

しかし一方派の妹達は生存率高そうですね
なんというか 俺の(一方さんの)御坂妹がこんなことで死ぬはずはない というね
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/26(土) 07:59:04.15 ID:4NqyCiFFo
おい

朝っぱらから

おいwwwwww
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/26(土) 08:18:03.25 ID:Sxp4ZWwoo
最愛ちゃンの薄い本ありませンか?
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/03/26(土) 08:43:45.16 ID:mR9zGhoAO
おおぅ、名前はちょこちょこ出てたけど何気にむぎのん初登場?
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 09:15:49.74 ID:9DQOA4wDO
黒夜ちゃーン……?
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 09:30:42.42 ID:Gj8gaLgFo
乙ww
俺の息子が元気なのは寒さのせいであって>>1のせいではない・・・・・・はず。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/26(土) 09:45:26.17 ID:wB14ec8y0
これは黒夜さんも争奪戦に参戦しているということか
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 09:53:25.60 ID:4dO30Iufo
くそ・・・・寝起きだからついつい大きくなっちまうとはな・・・・
俺もまだまだ若いな
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/03/26(土) 10:04:59.23 ID:PNmQEsy2o
>240
前スレみてこい
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/26(土) 10:57:27.69 ID:a3JSYHZio
お医者様!この中にお医者様はいらっしゃいませんか!
>>1が濃硫酸入りカカオを食べさせられてから変なんです!
お医者様ー!
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/26(土) 11:07:51.39 ID:s5tQtLEXo
ふぅ・・・

黒夜通行もいいヨネ
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/26(土) 11:28:44.64 ID:zLIkGlMIo
一方さんは振り回されキャラじゃないと
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 11:30:12.65 ID:X5AOPpqso
その内似たような夢オチとかでいいから電磁通行でもエロを見たい・・・!
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/26(土) 13:44:37.81 ID:6qBJGzs70
名前欄クッソワロタwwww
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 17:44:42.97 ID:ONBsZhGIO
夢には深層心理や欲求があらわれるらしい・・・
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2011/03/26(土) 19:38:21.67 ID:zYOLkuo+0
ごめん誰か教えて

想は誰と誰の子供?
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 19:45:11.89 ID:B5ajQa2no
>>252

>>65に書いてるよ
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 21:35:12.16 ID:Gj8gaLgFo
気になったけどここのエツァリさんは何してんだろ
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 21:58:10.06 ID:fTooQXxV0
エツァリさんは天井裏に住んでるよ?
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/26(土) 22:05:20.96 ID:KhrCRrzRo
あれ……?何故か天井裏と聞いてハマー(フナムシ)の存在が出てきたぞ?

まあ、ストーカーだしアレだし、≒で結べるか
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/26(土) 23:36:40.88 ID:r7C9IrP50
>>254-256
この前完結したこの>>1のスレ見たら?
上条「約束した〜
ってやつ。
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 23:58:53.23 ID:Gj8gaLgFo
>>257
見たよ。だから気になってんだよ。
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 00:06:43.05 ID:eRdJ9rkIO
エツァリ=親船
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/27(日) 00:31:37.72 ID:qeLVkfs3o
エツァリは今も御坂達を見守ってるよ


雲の上から
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 07:12:46.65 ID:RjuHKWKDO
>>251
ドMな絹旗か…
股間のアスカロンが一方通行
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 09:49:29.05 ID:m1+DKCuDO
従順な黒夜ちゃンが見れるのは、このスレだけ!
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/27(日) 19:56:37.12 ID:CKh/eiI40
絹旗先生…一方さんだけの雌犬になりたいのか……

俺が許す!!
なればいいんだよ。

それにしても前回までの切ない打ち止めの話で泣いてしまった俺の涙を返して欲しいんだがww
てか、アニメ禁書のインちゃんが天使過ぎて、一方さんが惚れてしまう展開止む無しとか思ってしまった…

264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 00:07:09.11 ID:g89bljLDO
黒夜の人気にsit
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/28(月) 16:01:25.63 ID:JQTww6nAO
黒夜登場のSSなんて見たことないからwktk
266 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:20:36.93 ID:0+hKTYkR0
今から投下します。よろしくです。
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/03/29(火) 01:21:00.99 ID:umBZLvaho
待ってたぜ!
268 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:22:42.98 ID:0+hKTYkR0


『垣根さん、この前の春コレの衣装とっても素敵でしたわ。私ついつい全部買ってしまいましたの』

                    ――― オイオイ、ありゃあティーン向けのデザインだぜ。10年遅過ぎるだろ。


『あら、素敵な指輪をなさってるのですね。私もおそろいの買ってしまおうかしら』

                    ――― そんなことしてみろ、すぐさまぶっ殺すぞカス。大体コレは飾利とお揃いにしてあるんだよ豚。


『垣根さんってレベル5なんてですってね。どんな能力なのか見せていただけません?』

                    ――― 羽見せりゃ絶対ビビルだろ。まぁ小便チビって命乞いする姿なら是非とも見てみたいけどよ。


『ところで、垣根さんは今お付き合いしてる方っていらっしゃるのかしら?』

                    ――― いる、いる、います。絶賛同棲中だし。つーか、来年辺りプロポーズする予定だし。

『今度ウチでパーティーを開くのですけれど、よろしかったら』

                    ――― 気持ち悪い、手握ってんじゃねぇよボケ。


269 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:23:15.66 ID:0+hKTYkR0


内面の声とは裏腹に、垣根帝督はにこやかに好青年然とした笑みを浮かべる。
物腰は柔らかく、けれども決して卑屈にはならぬように計算されつくした振る舞いに始終徹底している。
ガラシャツなどではなく、清潔感溢れる白いシャツに、ジャケットを羽織った姿はホストというよりも、青年実業家といった風体である。
六本木ヒルズあたりに会社を構えていそうな感じとは、周囲の女性陣の反応である。
事実、彼は青年実業家であった。
最近人気のブランド『TEITOKU』の代表取締役であり、デザイナーを担っているのだから。
補足しておくと、実質これは垣根と初春の二人で運営しているデザイン事務所である。

一方通行曰く「メルヘンとお花が交差した結果、奇跡の化学反応が起こったってわけだ」である。


羽や花をあしらったデザインはティーン層や、ゴスロリ系を好む幅広く受け入れられている。前理事長の下封鎖的な市制が敷かれていた頃ほどではないとはいえ、未だに学生が七割近くを占める学園都市のニーズに見事に合致したといえる。
成功の秘訣はといえば、初春の少女らしい趣味と垣根のメルヘンチックな趣味(一方通行談)が程よく相互作用した結果だろう。
更にはどう見ても成人を迎えているようには思えない初春と、美琴の娘、想という絶好のモデルがいることが大きい。
そんじょそこらの親の贔屓目の入った美少女モデルなど足元にも及ばぬ美少女をモデルに出来る垣根と、モデル協力した服を只でもらえることに、変なところでケチ臭い一方通行の利害は一致した。
そのような周囲の環境によって、垣根帝督は暗部『スクール』のリーダー⇒帝凍庫君⇒メルヘンホストを経て新進気鋭の人気ブランドの社長という立ち位置に収まったのだ。



そんな彼は、現在お得意様と商談中である。初春と暮らすマンションから車で15分程度の事務所。
相手は親子姉妹そろって垣根のデザインする服、アクセサリーを新作のたびに購入していく。
その都度その都度かなりの金額を落としていくので、垣根としては邪険になど出来る相手ではなかった。娘の方は常盤台出身というだけあり、如何にも世間知らずのお嬢様らしい。
しかし、垣根はうんざりとしていた。意識的に注意しておかなければ溜息を吐いてしまいそうだ。
常盤台といっても、レベルは3。正直垣根からしてみれば、その程度で常盤台だとことあるごとに口にして欲しくはない。
お得意様母娘の話は続いていく。垣根は、どこぞの白い青年とは違い鈍感な男ではない。寧ろ知人の中では敏感な部類に入るのではないだろうかと自負する。
垣根は自分に向けられる好意を正確に汲み取ることが出来るし、自分の外見が他者にどのように受け取られるのかも把握している。
ゆえに、目の前の女が自分に対して好意を抱いていて、あわよくば自分を恋人にしたいと思っていることもわかるし、その隣の母親がレベル5を親族に引き入れて、引いては理事会とパイプを持ちたいという思惑を抱いていることもわかっている。

270 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:23:59.39 ID:0+hKTYkR0


(あぁ〜〜飾利と飯食いに行くつもりだったのに……商談ならとっくに済んだんだから帰れってんだよ)


表面上はにこやかにしつつも、内心は愚痴ばかり。今日は大学が午前で終わる初春とランチでもと思っていたのだ。
明日は彼女は学校がないし、自分も仕事がキリ良く終わっている。
ランチの後どこかに出かけて、そのままディナー、そしてほろ酔いの初春とホテルに泊まる、等というプランだって想定していた。
しかしアポ無しにやってきた目の前の親子のせいで全ては御破綻だ。
親子の話の長さを理解している垣根は初春にすぐさまキャンセルの電話。こういう時にメールで済ませると初春は何気に機嫌を損ねてしまうのだ。
実際、相当楽しみにしていたらしい初春は電話越しにもしゅんとなっていた。
その声は、可能であれば今すぐに飛んでいって抱き締めてやりたいと思う程に垣根の胸を締め付ける。
そして思う。一体自分は何をやっているのだろうかと。成金趣味甚だしい金色の指輪だらけの手から目を逸らしながら母親の顔を見る。
笑うと顎がぶよぶよと柔らかいだけで弾力の感じられない顎の皮が二重三重にたわみ、前歯に付着した毒々しい口紅が覗く。
娘も、まだ20代そこそこのはずなのに過剰な化粧に過剰な香水。化学品で固めたようなフレグランスに頭痛がしてくる。
垣根の顔に一瞬軽蔑の色が浮かぶ。さっさと終わらせたい。終わらせて初春に会いたいと切に思う。
薄っすらと甘い花のフレグランスの香り。それは抱き寄せるとようやくはっきりとわかる程度の微かな量だが、それが垣根の心を逆に掻き立てる。
一番強く香る首筋、うなじに鼻を突っ込んで、思い切り匂いを胸に吸い込みたい。
変態じみた欲求だろうか。親子と会話をしつつ垣根はふと思う。しかし、それをやめようとは思わない。
あの小さくて、華奢で、柔らかい身体を知ってしまうと、最早自重などという言葉は空々しくなる。
どうやらロリコンは自分の方らしい。
以前一方通行に「お前の方がガチだよなァ…」と言われた時は反論したが、冷静に考えるとそうかもしれない。いや、そうだ。


(想タン可愛いしな)


初春とも仲が良い、友人の娘を思い浮かべる。
自分がデザインした服がこの上なく似合う少女。自分の羽にいつも擦り寄ってくる少女を見てると素直に可愛らしいと思う。
初春と仲良くしている光景など見ると、こっそり写真に撮ってしまったりもする。
学園都市第一位と三位の寵愛を受けて、元暗部のレベル4の先生にも可愛がられているというのはよく考えずとも凄い。


(途中でチラッと見てくか。暇だし)


一度考えると気になってくる。
前に会ったのはバレンタインくらいの時期だったから一ヶ月以上が経っている。
帰りに保育園に行って、想の顔を見ていくくらいしてもいいだろう。自分に気付いて子犬のように駆け寄ってくる少女を想像して、少しだけ顔がにやける。
親子が怪訝な顔をするので、慌てて顔を引き締めたが、軽い気持ちで決めたことだが、この退屈で、くだらなく、ひたすら疲れる空気に触れていたのだから、浄化してもバチはあたるまいと考える。
その思考は既に半分ロリコンに足を突っ込んでいるという自覚もなく、垣根はマンションに向かう途中の迂回ルートを頭の中で設定しはじめた。

                       ◇




271 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:25:35.57 ID:0+hKTYkR0



御坂想は途方に暮れていた。

幼いながらも、彼女の気持ちに名を付けるとすればまさしくそれだ。
胸に抱いた猫がみゃおう…と心細げに鳴く。泣きたいのは想とて同じだ。
視線をゆっくり、おそるおそる下に向ける。


地面との距離はおよそ二メートル弱。

大人からすれば大した高さではなくとも、五歳につい先日なったばかりの少女からすれば眩暈のする高さだ。

それでも泣かないように唇をきゅっと結ぶのは胸に抱いた猫を怯えさせないようにするため。そして、母親譲りの負けん気の強さゆえでもあった。



彼女は今、木の上にいた。
よじ登り、降りれなくなっているのだ。
勿論、普段少女はこのような失敗はしない。大人が見ていないところでの木登りは危ないと一方通行や絹旗にキツく言われている。
美琴に至っては、擦り傷一つで大騒ぎしかねない。
そんな心配性というか、過保護な大人に囲まれながら、少女は自分自身の危険さよりも彼等を心配させないために危険から遠ざかるようにしていた。

しかし、今日は普段とは勝手が違った。

視線を向ける先には、想の通う保育園が見える。彼女が今いるのは保育園の直ぐそばの街路樹である。
腕の中に抱いた猫。この猫を偶々見かけた彼女は、ついつい興味を引かれて追いかけてしまった。
真っ白な足袋を履いたような茶色の小さな猫は、母親に似て可愛い動物が好きな彼女の心をすぐさま掴んでしまった。
ててててと後を付いて行ったのは、少しだけ撫でたり抱っこさせてもらいたいから。
その時の彼女にあったのはそれだけであった。

ただ、不運なことの一つとして、そんな想の行動を偶々目を離していた絹旗がまったく気付かなかったこと。
絹旗は先生として、想ばかり見ているわけにもいかない。園児の数、行動力、はしっこさに対して、絹旗一人では帳尻が合っていないのだ。

そして、もう一つの不運なこと。それは、追っていた猫が木に上り、そして下りられなくなってしまったことだ。

自分で上っておきながら心細げに鳴き始めた猫の声が、想には助けを求めているように聞こえた。
か細い声に、幼いながら庇護欲が刺激されたのだ。



「だいじょーぶだよ〜こわくないよ〜」



そう言って猫を怯えさせぬように、慎重に近付き、木の枝の先で震えていた白足袋猫を胸に抱いた瞬間の達成感。
しかし、それが過ぎ去り、いざ戻ろうとして想は初めて気付いた。


木が高過ぎて自分でも降りられないということに。



272 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:26:00.56 ID:0+hKTYkR0
そして、今に至るまでまだ気付いていないのか、はたまたこの場所にいる事に気付いていないのか、絹旗が来る気配はない。
不意に冷たい三月の風が街路を吹き抜け強く木々を揺さ振った。


「ふにゃぁ!!」

抱き締めた猫と一緒に、洩れる幼い悲鳴。
もう直ぐ春だというのに、吹き付ける冷たい風と、がくがくと揺れる足場が少女の残り少ない余裕を更に削り取っていく。
目尻に浮かぶ涙を、袖で拭くと、想は温もりを求めるように猫を抱き締める腕に力を込める。
力が強過ぎたのか、みゃうと抗議の声を上げる猫。しかし、想には最早そこに気遣える余裕はなかった。

「あーくん…」

思わず呟いたのは、大好きな人の名前。父親のような兄のような、想の王子様の名前。

「あーくん……あーくん……」

心細さが、彼女の意識を飛び越して自然と会いたい人の名を呟かせる。
まるで助けを求めるような弱々しい声。自分が上げた声だというのに、その声で遂に我慢していた不安や恐怖が胸の中をじわじわと広がっていく。
まるで和紙の上に広がる墨のように。




「ママぁ……ひっぐ……ままぁ…せんせえ…きぬ…えく…ぅ…きぬはたせんせぇ……ふぇ…」



鼻を啜る。

涙がぽろぽろと遂に零れてしまった。

少女が木に登ってから、時間としては30分も経ってはいない。

けれども、少女にとって、それは何時間にも思えるほど気の遠くなるような時間であった。

腕の中の温もりが辛うじて慰めになっているものの、絶えずぎしぎしと揺れる木々の上で寒風に曝されることは少女の心を孤独に、不安に陥らせていく。


273 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:27:07.35 ID:0+hKTYkR0



「あーくん……こわいよぉ……あーくん…」



ぐしぐしと零れる涙を袖で拭っていく。
力を入れすぎて、お餅の様な肌が赤くなる。
みぃと猫が涙に濡れた想の頬を優しく舐める。


「いたいよぉ……えへへ、ごめんね」


ざらざらとした鑢のような舌が痛い。
それでも、猫のつぶらな瞳、ふわふわの毛、柔らかな体。
そして腕越しに伝わってくる心音。それらが辛うじて想の心を落ち着けてくれる。


「ゴメンね。ねこさんもこわいんだもんね。想ばかり泣いちゃった」


恥ずかしそうに頬染める。
彼女の中では、腕の中の猫は自分の妹分なのだ。
お姉さんである自分がぽろぽろ泣いてしまうなど幼い少女の中では恥ずかしいことだった。
猫と温もりを分け合うように、ぎゅっと抱き締め、揺れる枝の上で、想は目をぎゅっと閉じる。
少しでも怖くないようにするために、下を見ずに済むように。
そんな少女の耳朶を、優しい音色が撫でる様に包んだ。






「どうしたの?降りれなくなっちゃのかな?」







あまりにも優しく、柔らかな声に、想は目を開いた。
視線を思わず、怖くなるとわかっていたはずなのに下に向ける。
そこに立つ一人の女の姿に幼い少女は目を奪われる。


274 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:27:45.94 ID:0+hKTYkR0


日の光を浴びて、銀色に光る美しく滑らかな髪。

水晶か、或いは宝石を散りばめたような碧い瞳。

蕩けてしまいそうな甘い輪郭は、大理石の如く白く仄かに輝く。

すぅっと迷い無く引かれた鼻梁から顎へのライン。

そしてルージュなど付けていないにも関わらず薔薇のように鮮やかに色めく唇。






「おひめさまだぁ…」



呟いた想の言葉はまさしく真理を指しているようだ。
想の呟いたのは煌びやかという意味だけではない、まるで童話にしか出てこないような『お姫様』がそこにはいた。
女の美貌だけではなく、その身に付けた衣装の効果でもあった。
普段街中で目にする機会の無い不思議な服。映画で見たハリーポッターにでも出てきそうなゆったりとした服。
プラチナブロンドをさらさらと揺らしながら、姫君に例えられた女性はころころと笑う。


「ふふふ、ありがとう。でも、貴女もとても素敵なお姫様だよ?さ、ちょっと待っててね今降ろしてあげるから」


そういって、女神のような女性は、後ろを見る。
つられて見た先には、フードを被った人影。
恰幅、身長から見て、男だろう。背は一方通行くらいだろうか。
フードを被っていた男は、おもむろに木に近付き、両の腕を伸ばす。
一瞬想の身体が初対面の人間に対して往々にして抱く警戒心に包まれる。
しかし、意に介すこともなく、男は口元を和らげる。


「さ、降りておいで。大丈夫だからさ」



275 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:28:57.02 ID:0+hKTYkR0


優しい声だと思った。


一方通行のような、囁くような甘さではなく、テレビで耳にする穏やかなナレーションの声のようだ。
ホッとする優しい男の声に、想の警戒心は緩み、おそるおそる枝から身体を男の方へと傾ける。
体重の移動に耐え切れず、ミシミシと枝が音を立てる。

「きゃっ!」

折れかけるや否や、想は弾かれるように男の方へと跳び上がった。

「おっと」

男の腕は、重力と加速が加わった五歳児の身体をいとも容易く抱きとめた。
男に抱きかかえられながら、想はそっと男の顔を見上げた。


「エライなお姫様。ちゃんと猫を守ってるなんて」



腕の中の猫に優しい目を向けると、男が感心の声を上げた。


少しタレ目がちのその目元に、想は何処か見覚えがあった。



それが一体どうしてなのか、幼い少女が考え込む間にプラチナブロンドの女がゆっくりと側に来る。

少女の目の高さにまでかがむ。


「大丈夫?怪我は無かった?」


絵本のヒロインを目にしたように、想は緊張に顔をリンゴのように赤くする。
そんな愛らしい少女の仕草に目を細めると、女はそっと子猫のような想の紅茶色の髪を撫でる。
傍らの男は、思い出したように少し慌てた仕草で腕時計を見る。


「そろそろ戻らないとヤバイな」

276 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:30:44.81 ID:0+hKTYkR0

「そうだね。かおりも心配してるかも……それじゃあ私達は行くからね。もう危ないことしちゃダメなんだよ?」

「うん」

こくんと頷くと、女は「可愛い」と言って想を抱き寄せた。
甘い香りが想から緊張を消していく。
変わりに、とろんと、そのまま身を任せて眠ってしまいたいような不思議な安心感が沸く。
想の髪を何度かなでると、女は少々名残惜しそうに立ち上がる。
名残惜しいのは想も同じであった。


「バイバイね」

「うん。ばいばい。ありがとうね、お姉ちゃん。それから………おじちゃんも」


手を振る女の隣で、男がショックを受けたように微かに身体を仰け反らせる。
女が、男のそんなリアクションを見てくすくすと笑った。


「そ、そんな…俺はまだ25歳なのに……」

「ちっちゃな子から見ればオジサンなんだよ」


少女に手を振ると、女は男の腕に悪戯っぽく腕を絡めた。
男が慌てたように「お、おい。こんな街中で…」と小さく呟く。
女は意に介した様子も無く、想に微笑みかける。
思わず見惚れてしまうような綺麗で幸せそうな笑顔だった。


「はぁ……おじさん…か……」


男がどこか煤けた背中でぼそりと呟く。
そんな男の脇を肘で軽く突きながらプラチナブロンドの女が楽しそうに笑う。


「ふふふ。いつまでもしょげてないの。さ、行こ ――――

277 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:31:16.61 ID:0+hKTYkR0











―――― とーま」








278 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:33:51.51 ID:0+hKTYkR0


まるで童話に出てくる美しく神秘的名お姫様と無骨な騎士のような二人だ。

想は、垣根が通りかかるまで、童話の登場人物のような二人の後姿を眺めていた。

その出会いが如何なる縁の巡り合せであったのか。

その男に抱いた奇妙な既視感は一体なんだったのか。

その意味に想いを馳せることすらせずに、幼い少女は、ただぼんやりと二人の背中が少女の花びらのように小さな指の爪よりも小さくなるまでずっと見ていた。



279 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/29(火) 01:34:26.08 ID:0+hKTYkR0
本日の投下は以上です。次回もていとくん出るかもです。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/29(火) 01:34:51.11 ID:RAiWz/X60
あ”……あ”っ!?
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/29(火) 01:36:02.19 ID:lFHc+NMwo
そうか・・・そういやバレンタインの時に来るって言ってたよな・・・

でも・・・まさか遭遇するとは・・
マジで>>280と同じようなリアクションしたわ
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 01:36:09.71 ID:VG7HK2sJo

てっきりていとくんが助けるかと思ったw
しかし、この想ちゃんが両親に話をすると美琴もあーくんもちょっと微妙な顔しそう・・・
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 01:37:50.29 ID:R7xgA9sDO
乙乙ー

てっきり、ていとくんが助けると思ったら…
ていとくんマジかませww
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 01:41:16.16 ID:B8WhXo2Zo
アサシンダー!
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/29(火) 01:43:25.03 ID:RAiWz/X60
って言うか死んだことになってる人間がうろつくなよ!?
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/29(火) 01:46:45.64 ID:lFHc+NMwo
その辺はこっちで殆ど触れられてない土御門はじめ魔術サイドが暗躍してるんだろう
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 01:47:38.55 ID:VJ0/lLdjo
乙です。
ようやく本番といったところだな。
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/29(火) 01:48:41.41 ID:e5jwkPKOo
同じくていとくんかなぁ、いや、あーくんかもしれんと思ってたが…あの人か
タイミングスゲェな。しかし仕方ないねヒーローだもの
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/29(火) 01:59:19.65 ID:yZgpPn7X0

いつかは来る事だが初っぱなから遭遇したのが想ちゃんとか…何やってんだ垣根ェ!!
よく考えたら想ちゃんって「神上」の隠し子って事になるんだよな
上条当麻が死んだ事になっている以上ばれる筈がないとはいえ
ものすごく危うい立場なんだよな…
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:04:19.91 ID:v2/ULQeXo
うーん、当然といえば当然だがやっぱりインデックスや上条は想のことを全く知らないんだな…
このまま何も起きずに二人にはさっさとイギリスに帰ってもらいたいもんだが…物語的にそうもいかないよなぁ
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:38:12.19 ID:RLJHnuYIO
美琴とあーくんだけは真実を知ってるんだっけ?

>>284
屋上からイーグルダイブするヒーローェ…
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:49:15.47 ID:gB2+Jci40
>>1
物語が動き始めたな……胸熱

>>291
だけ、じゃなかったはず。でも全部知ってるのは一方通行ぐらいだと思われ
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 03:12:39.17 ID:Ix5GSPP9o
くけけけっこおここっけけおここお

・・・すまない、取り乱した
冒頭ていとくんだから想ちゃんを普通に助けると思ったらおまえらかよ!!!
いや、いいんだけどね・・・・
やっぱり想ちゃんもなんとなくわかるのかなーと思ったり思わなかったり

次回も期待してます
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/29(火) 07:42:27.04 ID:OBEPM8IYo
美琴の愛が試される時だなあ。
想ちゃんは問題ないんだよね、人魚姫の話であったように王子様はもう居るし。
なぜか一番大人なんだよなーww
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/29(火) 08:33:44.06 ID:OfGQrSSco
>>1

それにしてもインさんの描写すげーな
毎回女性の美に対する描写はキュンと来るけど
今回のはマジで惚れそう
実際美人になりそうだよなインさん
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/29(火) 10:01:46.19 ID:/RR+5Lvyo
想を見て美琴遺伝子だと分からないはずがないのに神上を見せつけるクソビッチ展開に胸熱
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/29(火) 10:03:54.43 ID:ZuNBwbOF0
一瞬、心理定規かと思ったのは俺だけか?
いや、ていとくんが出たからさぁ。
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 10:30:34.95 ID:gAmPQSwIO
>>297
よう俺

マジ>>1
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/29(火) 12:41:39.69 ID:PGFfEPQg0
こういうことがあるから甘やかすのは良くないんだけど、
周りの大人も親と触れ合う機会が少なかったし、若いから仕方ない面もあるか
子供が力を持つ学園都市だからこそ、大人の力ももっと大きくなければいけないんだけど、
アレイスターにとってはそれが都合の良いバランスだったんだろうな
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) :2011/03/29(火) 12:48:03.15 ID:WP1sf4P5o
>>254
ショチトルあたりと所帯持ってんじゃね
>>282
美琴はともかく、一方さんはまだ少し引きずってるからねえ
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 13:59:47.89 ID:c1f1YqLIO
>>300
それって一方さんかインデックスのことを……ってこと?
おいおいどれだけ複雑な人間関係だよ…
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 14:02:27.30 ID:8yFn3Rhfo
>>301
俺得すぎる展開だ……
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage ]:2011/03/29(火) 14:08:28.61 ID:jMqqt6VR0
いつの間にか俺の生きる希望が更新されていた

>>1 乙
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/03/29(火) 14:09:49.21 ID:Rbnn4uKAO
う〜ん

幸せな日々が崩れてほしくないなぁ...
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/03/29(火) 15:52:25.66 ID:XpcAXlkd0
>>300一方さんはもう引きずってないと思うんだが、
インデックスへの気持ちを全部押し殺して、上条さんを行かせるって決めたんだから

寧ろ美琴の方が引きずってると思う
夜中に「当麻」って言って泣いてたんだし
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/29(火) 15:56:17.64 ID:ZuNBwbOF0
二人と再会した、美琴一方さん以外の反応が見たい。
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/03/29(火) 17:07:18.95 ID:Ipkr+F760
想を引き取るとか言い出したら神/浄されてもいいけどなぁ
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2011/03/29(火) 17:09:46.73 ID:k2cJJVzl0
インディペンデンスさん来た!
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/29(火) 17:22:36.20 ID:p/cgANxXo
>>307
"上条"じゃなく"神浄"である以上、血縁、DNA関係無しに"たまたま出会った少女"以外のなんでも無いだろ
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/03/29(火) 17:27:27.55 ID:s7h5fcqTo
>>1乙すぎる

科学サイドがアップを始めました
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/03/29(火) 17:47:30.30 ID:if7LjihG0
外歩きまわンなよちょっと考えなしじゃないンですかねェ
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/29(火) 17:48:07.98 ID:if7LjihG0
sageてなかったすまそ
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/29(火) 18:03:45.10 ID:n16Rknt/0
>『垣根さんってレベル5なんてですってね。どんな能力なのか見せていただけません?』

レベル6の『徹子部屋』じゃないですかー!やだー!
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/29(火) 18:06:05.76 ID:YiuFfeK00
くそ・・・ ていとくんが、白い翼で颯爽と現れて、モフモフしながら助けるのかと思ったのに・・・
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/29(火) 20:58:21.62 ID:6UZMRgJk0
>>313
読み方はコメディアンパニックルームか
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) :2011/03/29(火) 21:10:42.36 ID:WP1sf4P5o
>>305
そこらは意見の相違と思っとくれ
女って意外と強かなもんだと思うのさ、俺はねww
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 21:18:19.62 ID:qK89z1ADO
>>316
わかったからsageろすこぶる気持ち悪い
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 21:20:11.61 ID:xeuRZWHO0
ちょっと訳わかんなくなってきたから整理する。

想 は 美琴 と 上条 の 子供 で

想 を助けたのが 上条 と 禁書目録 ってこと?

上条が美琴とヤって妊娠させたのに、美琴放っておいて禁書目録とくっついたってこと?
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/29(火) 21:27:11.50 ID:iR/8Ck2e0
上条「約束したよな?例え地獄の底でも、お前を ――― 」を読めばわかるわ
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/29(火) 21:32:08.04 ID:lFHc+NMwo
想は上条と美琴の子
想を助けたのは神浄と禁書目録
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 21:34:17.94 ID:w31FWPcDO
リアルに>>280みたいな声でたわ
この先待ってるのは希望か絶望か
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/29(火) 22:18:27.80 ID:gt9a+ivI0
上条さんは想が自分の子だと知っているのか?
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/29(火) 22:21:23.17 ID:KVhbD2X50
>>319
でも書いてあるが、そのスレに載っている。
>>1がこのスレで書くには場違いだからといっていた通り、ヒーロー上条さん、ヒロインはインちゃんだけど。
このスレのスピンオフみたいな感じか。
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/29(火) 22:38:54.06 ID:bFPJLqSAo
>>322
知ってても知らなくてもどっちでも、とりあえず矛盾なく話は進められてる。
明記されるまでは判断保留でいいんじゃないかな
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/29(火) 23:00:23.72 ID:YiuFfeK00
想タンは俺の子だよ?絹旗も俺の嫁だよ?
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 23:06:17.91 ID:XW49RfI2o
>>325
美琴と不倫してんじゃねーよハゲ!
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/29(火) 23:18:21.82 ID:KVhbD2X50
まぁ、ここの一方さんは美琴と実質夫婦で、酔い潰れた絹旗の唇奪っちゃう上に、想タンを娘にしてるわけで…
何か想タンと一方さん見てるとカレカノの最終回の浅葉みたいになりそうだww
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/03/29(火) 23:25:04.13 ID:zPq3Wuu40
>>327
どっちも父性愛の人だもんなww
ここから先読むなら
上条「約束したよな?例え地獄の底でも、お前を ――― 」
読んどく事をおすすめ
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/30(水) 04:16:28.66 ID:M7vvp0k60
俺も読まなきゃだめだと思う。
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 04:51:51.04 ID:WQPsuJSio
でも一応>>318の言ってる事はその通りだけどなww
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 05:25:49.97 ID:89Cg/H2ro
前スレで上条さんは避妊したつもりだったけど美琴がゴムに穴開けてたとか言われてたっけ

やりかねないのが怖い
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/30(水) 09:30:38.12 ID:A7wbq1DU0
コメディアンパニックルーム
『徹子部屋』  ・・・・・・
発動ですわよ
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/30(水) 09:43:26.85 ID:7W7GbVACo
>>332
ルールルルルルルールルルルルルールールールールー
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/30(水) 10:02:06.57 ID:A7wbq1DU0
>>333
あら、これ何の音楽だったかしら?
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 10:19:42.11 ID:r1bW+qbOo
ろーと せーいやーく〜
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/30(水) 10:53:54.40 ID:x+KboO5a0
キタキツネ「誰か呼んだ?」
337 :暇人 :2011/03/30(水) 11:06:26.59 ID:+TWWdTiw0
続きまだ〜?

338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/30(水) 16:25:36.57 ID:tvYR40Nz0
>>337
暇なのは分かったからsageろ
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/30(水) 19:20:14.55 ID:KiUAn+b60
>>331
ゴムに穴開けても、男は普通に分かるから…
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/30(水) 19:43:49.83 ID:A7wbq1DU0
>>339
案外わからんぞ
漏れだす程度でもいいわけだからな
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/30(水) 19:49:48.10 ID:x0EopvJjo
違いがわかるほど、当時の上条さんが経験積んでいたとは思えない
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/30(水) 19:50:10.05 ID:0lqF5YQWo
穴があいてたことは(多分)ないから知らないけど、破れたことはある
あと余韻に浸りすぎて忘れ物とかな
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/30(水) 20:55:08.11 ID:fJiKOtPK0
関係ない雑談だったら程ほどにしておこうよ。>>1が書ききれなくなってまた次のスレに持ち越すかもしれなくなるぞ。

というわけで、そろそろ伏兵佐天さんが来るのだろうか。
絹旗か美琴か選べなくなったら、この一方さんは全然違う子選びそうな感じがする。
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 20:58:43.76 ID:s9TWRVHIO
>>343
トチトリ「第一位に骨抜きにされました ///」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 21:32:46.73 ID:uPfTvmuIO
黒夜たんの出番と聞いて
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 23:11:34.15 ID:DMazMPbDO
>>345
だな
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/30(水) 23:57:26.41 ID:fJiKOtPK0
でも実際このお話は誰とくっつくのか気になるな。>>1は嫁スレとかクソッタレとかでも思うけど
複数のヒロインを万遍無く可愛く描くから誰ともくっ付いて欲しくなる。

やはり…想タンが本命なのか…?
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/31(木) 00:26:23.70 ID:KV4FhriJo
主観になっちゃうがどのキャラも愛してくれてる気がするからなぁ
サービス精神旺盛で俺達の声も聞き入れてくれてんのが分かるし、大丈夫かと心配にもなるが…
雛鳥の如く、届けてくれる餌をピヨピヨと貪るだけだな
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 00:32:47.87 ID:CIilMmIqo
まあ、一応前スレ>>1で電磁通行とは書いてたから覚悟はしとけよ
イチャラブ的なのにはしないとも言ってたが
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/31(木) 00:39:35.81 ID:/EV9H0Nzo
想ちゃんが幸せだったらなんでもいいぜ。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/31(木) 00:53:37.45 ID:13neW1FDo
勝手な要望だけど、最後は一方さんと美琴親子の家族愛で締めて欲しいかな
家族3人(と周りの人たち)がいつまでも幸せに笑っていられればそれでよし的な
原作と別スレ含めてあんだけ壮絶な過去があったわけだしさ・・・
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 01:12:45.09 ID:fdbQ6ASIO
この機会に美琴は上条さんを完全に吹っ切ってくれればいいんだよな
想にとって何が一番大切なのかを考えればおのずと答えは見えてくるハズ
つまりは早くあーくんと結婚しちまえってことだよ見てらんねんだよお前らはあああああ!!!
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/31(木) 01:53:03.81 ID:hVyJFKUio
結婚こそしてないけど家族すぎて今更する必要があるのだろうかって感じが
しかし絹旗はじめ周りのキャラも魅力的でうごごごご・・・
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 02:33:21.45 ID:4Bba2ayDo
「ママとあーくんは『けっこん』しないの?」と想が聞いてきたらさすがに意識すると思うの
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 08:46:10.97 ID:l1W8rF7to
結婚するにしても、お互い愛してるから結婚、というわけじゃなさそうだな、絶対。
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/31(木) 09:14:18.50 ID:hV1Tk9bB0
想「あーくん、想ね、弟か妹がほしいの」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/03/31(木) 10:04:06.45 ID:DrWiTzyjo
くっ付く時は、物凄く軽い感じでくっつきそうではある。飲みにいくか?くらいの軽いノリで
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/03/31(木) 15:17:24.88 ID:Z4XqrqEAO
>>356

『想ねぇ、あーくんにまたあたまあらってほしいの』
『おゥ、当たり前だろォが』
『あとね、いっしょにねてくれる?』
『いつもしてやってンだろォが』
『ヤンヤンつけぼーかってくれる?』
『箱買いするしかねェだろォが』
『弟か妹が欲しいな』
『今すぐ役所行くしかねェだろォがァァァ!』

こうか
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/03/31(木) 20:20:22.62 ID:xFogjrXR0
>>358
役所の前に美琴に着床させんと
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2011/03/31(木) 20:22:11.84 ID:cRPERCtg0
>>359
下げろよ・・・orz
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/31(木) 20:42:30.16 ID:KU8/A3vWo
どんだけ雑談する気だよ……
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/31(木) 21:29:35.32 ID:YGcE526o0
このスレの雑談スレを他所に立てろよ
363 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/03/31(木) 21:55:11.19 ID:RUuRltjb0
何かレスが凄い量になってたです。放置し過ぎですね、スミマセン。
量は少ないですが、12時くらいに投下します。多分。ヨロシクです。

こんだけダラダラgdgdと続けてしまっていると美琴さんにも絹旗ちゃんにも愛着が沸いてしまいます。
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/03/31(木) 22:22:52.33 ID:+N1KV28so
電磁通行くるかああああ?!
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/03/31(木) 22:30:22.66 ID:4z552IFOo
佐天さんとあわきんには目がないのか。
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 22:42:10.69 ID:fdbQ6ASIO
つまり最終的に誰とくっつくのか>>1の中でまだ決めかねているということか…
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 22:44:04.38 ID:v4dEaV8DO
誰ともくっつかないというENDも…
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 22:55:27.55 ID:ACxuBSnDO
めっちゃ延びてるから更新来てるのかと思っちゃったぜ…

続きが待ち遠しいな
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 23:23:55.58 ID:TTvl1edGo
俺は電磁通行エンドも窒素通行エンドも読みたい!

てわけで分岐エンドとかないですかね
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/03/31(木) 23:36:29.08 ID:+N1KV28so
電磁通行でいいが窒素通行を別でやればもっと( ・∀・)イイ!!
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 23:37:17.26 ID:6E8Zc0UYo
別に並行してやればいいのではないだろうか?
372 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:01:53.67 ID:46g8rs+U0
それでは投下します。

もう美琴も絹旗も佐天さんも全員まとめて一方さんに面倒みさせるエンドにするよ。嘘じゃないぜ☆

373 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:04:10.91 ID:46g8rs+U0


垣根帝督は己が手を見つめる。


彼の前には、ちんまりとした小さな少女の背中。


想の顔でも見ようと立ち寄った保育園では、絹旗が泣きそうな顔で想を探していた。
保護者の帰りを待って遊んでいる子供たちの面倒を見ている隙に出て行ってしまったようだ。
想を探す途中、垣根は奇妙な圧迫感を覚えた。

それは今彼が立つ通り一帯についてである。

普段ならば、気乗りがしないと方向を変えるところであった垣根の気を変えたのは、『あーくん…』と風に掻き消えてしまいそうな子猫のようなか細い声だった。

そして、圧迫感を堪えて通りに踏み込むと、垣根の目に木の上に登って降りられなくなったよく見知った少女の姿。


見た事の無い男女の二人組みが、想を木から下ろそうとしているとわかると、垣根は胸を撫で下ろした。
それでも、少女が落ちてしまわないように、少女の身体を支える手助けをとさり気無く未元物質を風に乗せたところで垣根は目を疑った。
少女に、正確には、少女を抱きとめようとする男に向けた未元物質が消えたのだ。



綺麗さっぱり消失してしまったのだ。


幸い、想は無事に男に抱きかかえられたのだが、強い力で相殺されたわけでもなく、ただ、消失したという不可解な出来事に暫し垣根は動けなかった。

目の前では、少女は立ち去っていく男女に向かって勢い良く手を振っている。
勢いが良過ぎて、頭に重心がいきがちの幼児の身体が僅かによろける。
後ろから転んでしまわないうちに垣根は少女に近付くと頭に手を乗せる。


「ていとくんだ〜!」


不意討ちに驚く風でもなく、少女はにっこりと振り向く。
満開の花のような笑みに、つられて笑みになる。

「オッス想タン。っていうか、良く俺だってわかったな〜」


手触りの良さにかけては、初春をも凌駕するふわふわの髪の感触。
それを堪能するようにわさわさと撫でていく。
普段は学園都市一怖い保護者が、『ていとくンはァ〜〜妥協しても一秒しか撫でちゃいけませン〜』等といって、頭なでなでといった狼藉は決して許してくれないのだ。
その学園都市最強の守護者を持つ少女は垣根の体にぴとりとくっ付くと、垣根の顔をじっと見上げる。

「うん。なんとなくわかるの。あーくんとかね、きぬはたせんせいとか、あとママとかしずりんが近くてもわかるの」
「へぇ〜そいつはスゲェな」
「で、想タン保育園はどうした?」
「あッ!」


すっかり忘れてしまっていたようだ。
おそらく、それはあの想と話していた一人の女のせいだろう。
抜けるような輝くプラチナの髪を風になびかせる姿は、心に決めた女性のいる垣根であってもしばし見惚れてしまう。


遠目からでも目を引くほどの美貌の女であった。


間近でそれを見た少女にとってはきっと童話の世界から抜け出てきたお姫様のように映ったのであろう。
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 00:04:10.74 ID:ikJg9r060
言質取りましたー☆
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 00:04:28.98 ID:CWzVfcNw0
みんなのお父さんパパセラレータENDか、胸熱
376 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:04:56.43 ID:46g8rs+U0

(ま、飾利には劣るけどな)

そして、女に比べると、男の何と印象に残らぬことであろうか。
未元物質を消失させられたことが無ければ存在すら忘れてしまいそうだ。
顔など思い出そうとしても思い出せない。


(記憶力には自信あるんだけどなぁ…)


しかし、浮かぶのは不思議と輪郭だとか、無骨な手くらいであろうか。
まるで、狐に抓まれたようだ。
しかし、いつまでもそんな事を気にしていても仕方が無い。
垣根は想の不安げな顔にすぐさま切り替える。



「絹旗相当心配してたぞ?」

「あううう……」




しゅんとなる少女の頭を、垣根はわしゃわしゃと荒っぽく撫でる。

「素直に謝れ。わけ話してな」
「……うん」

一応納得はしたのか、俯いていた顔を上げる。

そのまま、想は、もじもじとしながら垣根を見つめる。
一瞬怪訝な顔をした垣根だが、すぐに察する。ジッと見上げてくるのは、肩車をねだる時の少女の仕草だ。
それを熟知してる垣根は想の両脇に手を差し込むと、軽々と抱き上げる。
ぬいぐるみを椅子に座らせるように、ホストのような青年の肩に幼女が収まりよく座る様子は些かシュールである。
日常生活において杖を使用している一方通行には出来ない芸当である。
勿論、能力を使えば可能であるのだが、少女はそこまでして自分のわがままを彼に聞いて欲しいとは思っていない。
ゆえに、想は時折垣根や浜面に肩車をねだる。そして、それを目にした一方通行がしばらく黄昏てしまうことも一連の流れとしてよく見受けられるが、この場においては余談である。


「おっ…想タン少し重くなったか?」


勿論、これは褒め言葉である。
垣根は、成長したなというニュアンスで言ったに過ぎないのだが、どうやら彼の肩に跨っている少女はお気に召さなかったようだ。
垣根の頭上で舌足らずの声が拗ねたように響く。


「お、重くないもん!」
「い〜や、重くなったね、こいつは」
「ていとくんイジワル」
「あの馬鹿の飯食べ過ぎてんじゃないのか?」
「あーくん悪くないもん!!」
「食べ過ぎは否定しないわけね」


お菓子作りすらマスターしつつある一方通行は、主夫たる足場を磐石なものにしつつある。
そして、あの馬鹿と言われて一方通行をすぐさま引っ張り出してくる想。
その辺りに、普段二人がどのような会話をしているかが直ぐに伺える。

377 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:06:26.89 ID:46g8rs+U0


『 ―――――― ゃーん!』



「ん?」
「ふぇ?」

想を肩車した垣根がそのまま保育園の方へと歩き出すと、何処からであろうか。
遠雷のように、或いは山彦のように聞きなれた声が二人の耳に届く。
二人は顔を合わせて、気のせいだろうかと首を傾げる。


しかし、それは決して気のせいではなかった。


遠雷でもなければ、それは山彦でもない。

遠雷かと思ったものは地鳴り。猛烈な速度でコンクリートを蹴り砕きながら突き進む足音。

山彦かと思ったものは叫び。切実かつ悲痛な声で、可愛い可愛い少女を呼ぶ叫び声。



「そ〜〜〜〜〜う、ちゃーーーーーーーーん!!!」


「あべしっ!?」


「ひゃうっ」



上から順に説明すると、窒素ジャンプヤクザキックを繰り出した絹旗先生の叫び。

次が、その窒素ジャンプキックを顔面キャッチした垣根帝督君の悲鳴。

最後が、その勢いによって空中に放り出された想の可愛い驚きの声。


垣根の世間的に見て高水準の整った顔に躊躇の一切存在しない蹴りを見舞った絹旗は、そのまま着地と同時に空中に投げ出された想のちまっこい身体をキャッチ。
想は暫し呆然としていたが、すぐさま大好きな先生だとわかると全身で喜びを示すようにぎゅっと抱きつく。


どこぞのロリコンホストが想を連れ去ろうとしているのだと早合点した絹旗の華麗な飛び蹴りをくらった垣根は三回転、四回転と綺麗な弧を描いていく。
円が、十回目を描いたところで、地面に触れ、錐揉み状に縺れた。
遠心力たっぷりにぶん投げられた水拭き用の雑巾をイメージして頂きたい。


動きやすさを重視したスニーカーでよかったと思ったのは他の誰であろう、冷たいコンクリートに横たわった垣根であった。


この速度とパワーの蹴りをもしサンダルやパンプスで受け止めていたらと思うとゾッとする。
本当にスニーカーで良かったと、靴底のメーカーのロゴまでくっきりと刻み込まれた垣根帝督は心から思った。


378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 00:07:45.68 ID:ikJg9r060
自動防御ェ・・・
379 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:09:30.00 ID:46g8rs+U0

心配で仕方が無かった少女が見つかった安堵感と、可愛らしい少女の仕草に絹旗は少女の身体を抱きしめ返す。

絹旗の目尻に涙が浮かんでいるのを見て、想はようやく自分が悪い事をしてしまったのだと、実感を抱く。




「もう!!想ちゃんどうして勝手に出ちゃったんですか!!超心配しましたよ?」


想を下ろしてやると腰に手を当てて、絹旗は声を荒げた。
口調は怒鳴るというには柔らかい。しかし、その語気の荒さは、普段の彼女であれば想に向けたりはしないだろう。
想はびくりと肩を震わせる。腕に抱いていた猫はとっくに何処かへと走り去っている。


「あのね…ネコさんがね、おりられなくなってたの…」

「あ〜あ……」

「それでね、ネコさんこわがってたの……だからたすけてあげたかったの…」


降りられないとはおそらくは木のことであろう。絹旗には大体の事情を察することが出来た。
木から降りれなくなった猫を捕まえようとして、自分も木から下りられなくなった、そんなところだろう。
心の優しいこの少女は、加えて可愛い動物が大好きである。
美琴や打ち止めであれば、木に登るところまで追いかける前に諦めて引き上げたであろうが、この少女は違う。
母親と違って電気が出ているという事も無いから、動物に好かれもする。


「それで想ちゃんが木から落ちて怪我しちゃったらどうするんですか?」


少女の小さな身体が鞠のように木から落ちてぐったりと横たわる光景が過ぎり、絹旗の声が自然と険を帯びる。

想は、絹旗の言葉に怯えながらも、大きな瞳を不思議そうに揺らして見つめ返す。



「でも……じゃあ、せんせいはネコさんが下りられなくなってもいいの?」



真っ直ぐな瞳に、絹旗は一瞬声に詰まった。


380 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:10:33.02 ID:46g8rs+U0






さて、と絹旗は想を見下ろしながら、脳裏では困ったなと思う。

此処で叱るべきは、木から落ちそうになってしまったこと。
つまり、危険な振る舞いをしたことである。

猫を助けようとしたことは褒めてあげてもいいくらいだ。
ただ、それと木から下りられなくなった事は別の話しである。

反発心から出た言葉であればぴしゃりと叱りつければいいだけの話だ。
しかし、想の瞳は純粋に疑問を映している。
我が身可愛さに、猫を見捨ててしまっても良かったのか?
猫と人間とでは命の重さが全く違うなどとどこぞの馬鹿親の言うような愚かなことは間違っても言いたくない。
しかし、命が平等だとも言いたくない。
絹旗などは特に人間がゴミ同然に死んでいく世界を知っている、その言葉の愚かさ、空々しさは百も承知だ。

しかし、出来れば想には怒られるのが怖くて悪い事をしないという考えを持って欲しくない。


何という言葉が一番この少女にとって響くのだろうか。

そう思い、暫し思考を巡らせてみると、やはりというべきか浮かぶのは美琴と一方通行の顔である。
卑怯だな、と自嘲しつつ絹旗はしゃがみこんで想と同じ高さの目線になる。


「じゃあ想ちゃんは、もしね?もし、あーくんが想ちゃんみたいに猫さんを助けてあげようとして大怪我しちゃったらエライねって褒めてあげます?」

「……え?」


一瞬何を言われたのか、わからないと言いたげに幼い瞳が絹旗を見返す。
つぶらな子犬のような瞳が、既に潤いを帯びていくのを、ちくんと胸が痛むのを堪える。


「木から落ちちゃって、それで、あーくんが痛い痛いって泣いてたら、想ちゃんはそれでも猫さんを助けようとしたから嬉しいですか?」


381 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:11:08.62 ID:46g8rs+U0


絹旗は自分の言っていることの残酷さをよく理解している。
幼い少女には、「怪我をしたら痛いでしょ」と叱り付けてやるだけで十分なのかもしれない。
おそらく、他の保育士であればそう言うであろうし、相手が想ではなかったら自分もそうしただろう。
けれども、目の前の少女は違う。
利発なこの少女におためごかしは用いたくない。

少女は、涙を滲ませながらもフルフルと首を振る。


「いやなの………あーくん泣いちゃったら、想イヤなの」


既に少女の瞳は涙に濡れてしまっている。
透明な雫が、大きな瞳から丸い涙の結晶となって零れるさまは、それだけで胸が痛む。
想像するだけで、こんなにも泣いてしまえる少女の純粋さに、愛しさが込み上げる。


「そうですね。先生も超嫌です」


絹旗は少女の瞳をハンカチで拭ってやる。



「想ちゃんは今凄く悲しかったですよね。あーくんが怪我するなんて、考えるのも嫌ですよね。でもね、想ちゃんが怪我をしたら、今の想ちゃんみたいに泣いちゃうんですよ?
 想ちゃんのママも、あーくんも。想ちゃんは、二人を悲しませてもいい?」

少女が小さく「いや」と呟く。
絹旗の口元に小さな笑みが浮かぶ。

382 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:11:40.84 ID:46g8rs+U0



「………ごめんなさい…せんせい」



絹旗は答える代わりに、にっこりと笑って少女を抱き締める。
絹旗はあえて『正解』を出さなかった。
大切な人を悲しませてはいけない、つまりはそれだけのことだが、それは言葉にしてしまえばすぐさま薄っぺらなものになる。
正確には、この問いに正解は無い。
小さなモノの命を尊び、身を犠牲にしてでも助けたことを賞賛するのもまた一つの答えだ。(絹旗はそんな答えを口にする人間を信用しないが)
ただ、少女には自覚を持って欲しかった。
自分を愛する人がいるという事の意味を。
それは可愛がってくれるというだけの意味ではない。
自分の起こした行動によって、深く傷つき、嘆くこともあるということを。
幼い少女にその物事を一から十まで理解させることは勿論難しい。まだ五歳の子供にだ。
しかし、本質を、漠然とではあるが把握させることは不可能ではないと思っている。
事実、今絹旗の腕の中ですんすんと鼻を啜り、泣いてる少女は十分過ぎる程理解しているようだ。


「ホントに……しょうがないですね」




きっと、想像力豊かな少女の中では、絹旗が見た事もないような光景が繰り広げられているのだろう。
つまり、一方通行が涙を流して泣いてるイメージだ。
不謹慎ながらも、少しだけそのイメージを覗いてみたいと絹旗は思った。



383 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:13:14.79 ID:46g8rs+U0










余談であるが、顔面に靴跡付けたホスト風イケメンの存在を二人が思い出したのは二人が保育園に戻ってからである。










384 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:16:41.87 ID:46g8rs+U0


                      ◇



とある学園都市のとあるホテル。
VIPにしか滞在することを許されない高級が頭に三つ付いてもおかしくは無いレベルのホテルである。
ミシュランでは星三つを獲得したというが、正直神裂にとっては科学の檻。
落ち着かず、ただ広いばかりのこの部屋に、これから二週間も滞在ストレスが溜まりそうだ。


「まったく貴女方は自分達の立場をわかってるのですか!!」

神裂火織は頬を紅潮させて声を張り上げる。
彼女が見下ろすのは、想を先ほど助けた二人組。

ビロードの滑らかな絨毯の上に二人組みは仲良く肩を寄せ合って正座していた。

片や並みの女優であればすぐさま引退記者会見を開いてもおかしくない美貌を誇る銀髪の女。
片や黒いパーカーにジーンズというカジュアルな井出たちの青年。
女は、見事な凹凸の身体から若々しさと匂い立つような色香を放っている。
それに対して、男は整ってはいるが女に比べると目を引く派手さに欠ける。女に比べるとあまりにありふれた容貌だ。
記憶したそばから、直ぐに脳裏から消え去ってしまいそうな印象に残り辛い顔である。


「ご、ゴメンねかおり。もとはるが行っても大丈夫だって……それにとーまには術式かけてあるし」

恐る恐る言い訳を口にしたのは銀髪の女である。
傍らの男は、ただただ、しきりに必至に頷く。


「まぁまぁ、ねーちん。一応いくつか人避けの結界も張っておいたから心配しなさんな」
「その言葉……信じられるのですか?」

アロハシャツに厚手のジャンパー姿のサングラスの男がからからと笑う。
神裂は疑わしげに男を見返す。
今の派口からでまかせなのではないだろうか。また何か企んでいるのではないだろうか。
不審が視線となって男を刺していくが、男は意にも介さない。
人に真意をつかませないことにおいて、神裂はこの男程の者を他には知らないのだ。

「そりゃあ、コッチも色々『事情』があってその辺りは万全なんだぜい?」
「事情?」
「ま、後で教えるんだにゃー」

そう言うと、土御門は男の方を振り返る。


「ところで………そろそろ『それ』取っちまったらどうだ?コッチも何だか落ち着かないんだぜい。誰と話してるのか不安になってきて」


土御門の言葉に、男は忘れていたとばかりに短く声を上げると、右手をおもむろに顔に当てる。
そのまま、顔を拭うようにつるりと撫でると、ぱきんと乾いた音が何処からともなく立つ。
ただそれだけの行為によって、記憶に残らない冴えない顔立ちの筈が、強い意思を瞳に秘めた青年へと代わる。

明確な変化など何も無いはずなのに、その表情に先ほどまでの落ち着かなさはない。




「六年ぶりの学園都市はどうだったんだにゃー?カミやん」


「ああ……浦島太郎の気持ちがよくわかったよ」



銀髪の女の傍らにいる青年 ―――― 神浄討魔は微かに寂しさを含んだ笑みを浮かべた。





385 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:19:04.77 ID:46g8rs+U0
以上で投下終了。冒頭のは軽い嘘です。
ぶっちゃけ恋愛についてはあまり深く考えていませんでした。
基本嫌いなキャラは書くことそのものが出来ないので、書いているキャラは好きということです。
だから、正直落とし処は色々悩んでいます。



一応着地点は決めてますが。


それではまた ノシ
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 00:20:57.19 ID:ghvnhG7u0
ていとくーん!?
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 00:21:15.67 ID:CWzVfcNw0
くそっ、早速四月馬鹿に引っかかった!

シリアス色が出てきているというのに帝督ンェ……
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/01(金) 00:22:40.55 ID:dFjDvOSfo
ていとくんは犠牲になったのだ・・・
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 00:23:08.48 ID:Yq9FNuhDO
一応第2位なのに…

ていとくんェ…
390 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 00:35:44.55 ID:46g8rs+U0
補足:神浄さんはファンデーションのようなアイテムで顔に術をかけてたという設定です。
顔を隠すと不自然なので、見た人が皆後から思いだそうにもまったく思い出せないような。
効果範囲は顔と声だけです。

蛇足でした。
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/01(金) 00:43:06.73 ID:Rv3HcLxmo
ここの神浄さんのイメージが劇場版ナデシコのアキトなんだが
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/01(金) 00:44:41.97 ID:zZbkB/Q6o
土御門だからなぁ……わざと想ちゃんと会うように誘導してたんじゃなかろうな。
まずいときに初めて出会って、万が一のことが起きないように、あらかじめ会わせて様子を見ておくとかで。
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 00:44:50.31 ID:SHuWp6Dzo
平和な学園都市でのていとくんの扱いって大抵こんなもんだよなww

そういえば想たんって美琴の娘だから普通に電気系の能力者とばかり思ってたわ
一応能力開発は受けてるのかな?
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/01(金) 00:46:11.12 ID:9iWpTWRqo
土御門が何をたくらんでいるのかが気になる〜

乙!
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/01(金) 00:51:17.69 ID:d8onuPyi0
ちょら?すwwww
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 01:03:41.98 ID:30OQ2PIRo

とりあえず、絹旗はていとくんに謝っとけw
ていとくんだからで済まされそうだけど、一応、億が一位の可能性で初春さんが怖いんでw

ただ、恋愛云々はともかく、あまりあーくん美琴想ちゃんの家族雰囲気は壊してほしくはないかな
まあ、>>1が書いたものならついていくけどな!
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 01:20:41.79 ID:46TyQDrW0
乙っしたー!顔合わせがわざととすれば猫も土御門の仕込みだったり?

>>393
今回垣根、一方、御坂、絹旗、麦野が近くにいると分かるって言ってるが
何故か麦野の名前が挙がってる上いずれも強能力者以上なのは単なる偶然だろうか…
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/01(金) 01:22:21.94 ID:FO1Dgqslo
滝壺系の能力なのかしら
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 01:27:46.06 ID:aH7nO4pIO
>>390
その術式をかけていたにも関わらず想は神浄さんに何かを感じたんだよなぁ
>>393でも言ってるけど想は美琴の娘であると同時に上条さんの娘でもある訳だから、術式を察知し見破る、もしくは無効化する体質でも備えているのもしれない

…深読みしすぎ?
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/01(金) 01:38:31.05 ID:ZvexhkPto
一頻り状況把握を済ませてふと見たら誰もいなかったていとくんを想像するとやべえなww
転がり草がころころ転がってる荒野の風景つうか存在の耐えられない軽さつうかwwww
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 01:53:13.09 ID:FVpNXAfTo


そういえばスフィンクスってどうなったっけ?
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 02:09:20.34 ID:udRLnGHDO
>>390
黒夜さンは出るンですか!?それだけでも教えてください!!
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 02:16:38.36 ID:SHuWp6Dzo
>>402
>>385
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/01(金) 02:19:20.85 ID:mfxY9rDM0
大事な想ちゃんに一方通行は能力開発受けさせなそう。自分は散々痛い目見てきたわけだし
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 02:31:17.39 ID:emhTXMd2o
そもそも学園都市の能力開発は5歳以上じゃないと
受けられないことになってるはず
親御さんの意向はどうあれ、想ちゃんはまだなんだろう
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 02:45:15.71 ID:W2zSSHC90
>>404 受けさせなさそうだけど、結局必修科目でしょ

つか学園都市の闇から守ってくれる保護者がいれば、開発自体は怖くない
レベル5で且つ保護者である美琴や一方通行がいる限り、酷い目に合うことはないだろうし
身近に高位能力者ばっかりいるわけだから、自然と興味持ちそう
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 05:37:02.35 ID:hR9gJfuDO
何にせよ、想ちゃんの能力云々に言及する必要も意味も、全く無いな
408 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/01(金) 06:36:23.95 ID:mqwyrq5f0

「想は?」
「お風呂だよ。あ、今日は肉じゃがじゃない」
「じゃがいも安かったンだよ。ホラ」
「ん…美味しい〜」
「少し味染みてない気がすンだがなァ」
「薄味全然オッケーよ。今日一日で無くなる量じゃないでしょ」
「まァな」
「もう一品作ろうか。この冷蔵庫の魚でも焼いとく?」
「鮭の方は明日の弁当にするから、鯖の方にしてくれ」
「了解」
「想も一人で入れるようになったんだなァ……」
「ふふふ…女の子の成長は早いのよ。そのうち彼氏が出来ましたって言ってくるんじゃない?」
「やめろ。想像するだけで泣けそうだ…」
「慰めてあげるわよ」
「……その薄い胸でか?」
「ぶっとばすわよ?」
「フン…慰められてやらァ」
「最初からそう言いなさいよ。素直が一番よ」
「お前が言うな」
「経験則よ」
「ふゥ〜〜ン……素直にねェ………じゃあ…ホラよ」
「?何コレ?」
「見てわかンねェか?」
「指輪?」
「わかってンじゃねェか。そろそろ良くね?」
「断られるとか考えなかったの?」
「断らないだろ?」
「………………そうだけどさ」
「けけけけけ。顔が赤いですよォ、美琴さァン?」
「う、うるさい!」



「あーく〜ん。おふろ出たよ〜〜かみの毛ふいて〜」



「おう、今行く」





「……うう〜〜今きっとにやけてるわ、私…」


409 : ◆d85emWeMgI [sage]:2011/04/01(金) 06:40:52.67 ID:mqwyrq5f0
つい魔が差しました。電磁通行没エンドでした。
レス見てたら、プロポーズはさり気無さそうという、此方の心を読んだようなものがあったのでつい。

娘っ子の能力については、特に重要な伏線でもなんでもないのであまり気にしないで下さい。
というか、思わせぶりですが、オリキャラの敵が出てきて、ついに実行される『あの計画』によって再び凄惨な戦いが…ッ!!
という事は基本するつもりはありません。

それではまた。
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/01(金) 06:42:10.68 ID:iPtceu/Wo
ニヤニヤ
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/01(金) 07:01:57.53 ID:zGS9NLCAO
これは不意打ち……!
朝っぱらから2828させて頂きましたww
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 07:33:28.61 ID:rm91+8gC0
ごちそうさまです。これで、今年度も頑張れます。
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 08:31:26.12 ID:Yq9FNuhDO
2828しすぎの俺きめェww
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 08:35:48.30 ID:WKZJHysSo
えんだぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

エイプリル落ちを期待した俺涙目
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 08:40:06.08 ID:30OQ2PIRo
朝っぱらから・・・
乙!

多分、打ち止めや番外個体を筆頭に一波乱ありそうだなw
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 08:41:17.92 ID:aH7nO4pIO
確かにこの二人ならこんな感じな気がするわw

あっ、窒素通行verはないんですかね?
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 09:25:28.99 ID:Mqx7vHkgo
こっこれが本編になる可能性はないんですかぁ!?
と思わず叫びたくなるくらい悶えた
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 09:27:45.67 ID:2Ib7dtozo
夜のベッドで一方さんに散々言葉とアッチでイジられながらなんだかんだで喜んじゃう美琴を想像して勃起が止まらない
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 10:06:09.71 ID:T+7pGf+1o
今日はエイプリルフール・・・・
つまり、電磁通行になるのは嘘って事か

美琴ぇ・・orz
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) :2011/04/01(金) 10:06:37.81 ID:zeHm+bNoo
まあ、なんとなくあーくんが誰選んでも揉めない気がするなww>女性陣
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/01(金) 10:48:10.33 ID:NL4z3dXX0
没にしなくていいよぉぉぉぉ!!むしろこれが true end でいい……
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/04/01(金) 13:25:35.48 ID:FgdIy+HNo
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/04/01(金) 14:09:02.06 ID:0ZSGWUdy0
電磁通行end期待してたがまさかボツされるとは
次は本編のendに期待
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 14:13:35.91 ID:30OQ2PIRo
別に電磁通行ENDが没られた訳じゃないだろw
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 14:20:44.89 ID:UZne5bpHo
窒素通行ENDの望みが残っているということだ
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 14:23:48.66 ID:aH7nO4pIO
まあ没エンド自体がエイプリルフールのネタな感じがしないでもないしな
期待はしすぎないようにな?
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 15:03:50.88 ID:CWzVfcNw0
「没エンド」って言葉が嘘だと言う可能性を何故無視する
そう、これは>>1によるエンディング冒頭の先行公開だったんだよ……!
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 16:31:31.60 ID:cV7gBYUIO
この展開だと、日常のシーンに紛れ込んでる気がする
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/01(金) 16:42:33.40 ID:d8onuPyi0
ああペロリたんセロセロしたいお
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 17:19:33.15 ID:CyJREu3DO
20000号は座ってて下さい!
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/04/01(金) 21:11:38.42 ID:kjlopHpKo
電磁通行(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2011/04/01(金) 21:20:23.87 ID:PALOEgbS0
>>391
イン何とかさん=ユリカ 美琴=ルリか。
キャライメージが違いすぎるがww
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 22:36:13.34 ID:udRLnGHDO
未来の窒素マジ天使
http://a2.upup.be/9VzK3K3P5G?guid=ON

434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 22:43:25.83 ID:ikJg9r060
>>433
ちょっと待てかわいすぎるでしょう?
そんなこともわからないんですかあなたは?
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 23:05:18.56 ID:46g8rs+U0
とりあえず感想でもない雑談ばかりするのは控えようぜ。
このまま無駄にレス消費していくと足りなくなって3スレ目に突入してしまうんじゃないのか?

昨日の更新も纏めて乙!

相変わらず貴方の話は何気ないやり取りが言葉選びが上手くて好きだわ。
持って回った言い回しより、日常でありそうな会話のテンポだと思う。

436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 23:08:15.59 ID:46g8rs+U0
何で自分のスレに誤爆してるんだ…
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/01(金) 23:13:00.69 ID:dFjDvOSfo
このスレにも言える事だから気にしない
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/01(金) 23:18:28.29 ID:4cxpo+SNo
まんまこのスレだからおkww
次のスレになってもなんら問題ないぜ
439 :ガンダムと禁書スレ同時展開の結果、四箇所同時誤投下… [sage]:2011/04/01(金) 23:20:14.65 ID:46g8rs+U0
ゴメンついでに一応の予定の報告。
神浄編終了したら、上条さんが渡英してからのお話に入るつもりです。
上インスレ後からこのスレの前にあったお話です。
その間にちまちま日常話や小ネタを書いていくつもりです。

以上報告終わり。エイプリルネタじゃないですから。

440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 23:30:28.65 ID:rm91+8gC0
>>433 おいおい、やばいぞ、それ。そんなに可愛くて胸のでかい俺の嫁を見たこと無いぞ。
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/04/02(土) 01:36:41.29 ID:9+FJ27UKo
ついに電磁通行クル━━━━(゚∀゚)━━━━!!
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 06:50:19.39 ID:fo5qmMgDO
いい加減電磁通行厨がうざくなってきた
カプ要素はないとあれほど
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 08:19:55.41 ID:7NnQexHDO
完全に同意
一方通行が誰といっしょになるかとか、そんな盛り上がることかよ
カプ話がメインじゃないだろコレ
カプ厨は然るべきスレで萌えてろよ

いいから想ちゃんを愛でろ想ちゃんを!
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 11:02:32.57 ID:bmHgoh/IO
つか無駄すぎる、自重しろよ
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/02(土) 11:40:07.73 ID:AUybT1h8o
くっつく未来であるのなら誰とくっついてもいいけどそこまで明らかにする必要があるかは別の問題じゃないかな。
この話は現在進行形のように見える過去話・思い出話ってスタンスで、
姿を現さない語り手は数十年後の想ちゃんかもしれないし他の誰か・何かかもしれないみたいなそういう雰囲気。
全ての事象は全て履行済みで、どれを思い出そうかなという楽しみでできたお話。
つまり過去にはどんな諍いや軋轢があったとしても「今」は幸せなんだよって話であればいいなって。
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/02(土) 12:16:10.99 ID:t1e3dk/Ho
俺も似たようなことを前に書いたが落ち着け
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 12:55:41.63 ID:CFaMbqrDO
だから雑談行けっての
どんだけ民度低いんだよここ

糞スレになってるじゃねぇか
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/02(土) 13:30:46.45 ID:vC8SKfEto
そろそろ誰か時系列まとめてくれ
想は上条の子じゃ年齢あわないよな?
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/02(土) 14:17:00.89 ID:IWHGwU+p0
時系列なんかどうでもいいだろうが。春休みだからか・・・
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/02(土) 17:52:11.95 ID:P2ZMxjcAo
強いて言うならカプは想ちゃんと一方通行だろ?
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 19:20:51.81 ID:fo5qmMgDO
>>449
さすがに春厨は関係ないだろwwwwww
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 21:55:29.50 ID:S2gFvuqIO
>>451
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 14:37:53.09 ID:f/1U2MCOo
とりあえずここまで

批評と苦情と文句をお待ちしております
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 14:38:47.84 ID:f/1U2MCOo
すいません、誤爆しました
455 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:38:39.45 ID:CaaV/GUs0
短いですが投下します。
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/04/03(日) 16:44:50.94 ID:AK0Ljdwro
ヒョーッ
457 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:46:29.39 ID:CaaV/GUs0


窓の無いビルと呼ばれている其処は科学サイドの本拠地であり、魔術サイドの人間にとっては万魔殿のように噂されていた。
実際には親船最中が統括理事長に就任した際に行われた大規模改築によって、外見上は普通と何ら変わりのないビルと化していた。


故に、神裂が感じている圧迫感は此処に嘗て存在していた男のイメージとそこで行われていた数々の所業に対する彼女の抱く嫌悪感によるところが大きいのだろう。


そっと視線を傍らに送ると柔らかい微笑と目が合う。
腰まで伸びた眩しい銀色の髪の美しい女だ。
サイドをやや色の褪せた羽のヘアピンで留めた女は、神裂の抱いている圧迫感、不快感を察しているのだろう、心配などいらないとでも言うようにほんのりと、淡い笑みを浮かべる。
神裂は自らの至らなさをすぐに思い知る。
守るべき存在である己の主を本来ならば安心させてやるべきなのに、気遣わせてしまった。



「お待たせしました」

赤みを帯びた、長い髪をした女が気配も無く突然現れる。傍らにはスーツ姿の男。
腰まで伸ばした髪を一括りにしたパンツスーツ姿の女と、男は文字通り突然その場に出現した。

一瞬刀に手を伸ばしそうになるのを堪える。どうにも慣れない。空間移動というものは。
銀髪の女と、彼女の傍らに寄り添うように付き従う男、神浄が苦笑を浮かべる。

「もう、火織ったら」
「申し訳ございません最大主教」

気恥ずかしさと気まずさに、頬が熱い。
パンツスーツの女は、刀に手を掛けそうになった神裂を一瞥すると、すぐに最大主教に深々と頭を下げる。
女に同行していたスーツ姿の男もそれに倣って頭を下げる。
男は、面識だけならば神裂にもあった。
随分と年若い、まだ二十台そこそこのような幼い顔立ちの実直そうな青年だ。

458 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:48:25.28 ID:CaaV/GUs0


「それでは最大主教。親船の方はあちらの部屋にてお待ちしております。僭越ですが私は案内をさせて頂きます結標と申します」

「ありがとう。結標……貴方が第八位の?」

「ご存知だったとは光栄ですわ」


学園都市八人のレベル5の内の一人である結標淡希に、最大主教は驚いたように神浄に目を向ける。

神浄も目を見開いて驚きを露わにしている。

伝え聞いてはいたが、追加されたレベル5とは目の前の女のことであったのかと神裂もまじまじと見る。
結標は向けられた視線に気分を害するわけでもなく、淡いパールピンクが引かれた唇に笑みを浮かべる。


「それで、事前に頼みました護衛のことですが」

「ええ、親船の方も構わないと。親船の護衛には私が付くことになりますが構いませんか?」


親船はまだ年若い最大主教の受けるプレッシャーを鑑みて、護衛をつけることに一も二も無く了承した。
しかし、親船本人の軽い即答に対して、周囲がそんな安易な決定を認めなかった。
彼女の下に集い、統括理事を務める面々が、親船という存在の重さを、親船本人以上に重く、そして的確に理解していた。


なるほど、と神裂は納得する。


聖人とレベル5。

それぞれが一人ずつ護衛をつけることで帳尻を合わせようというのだろう。

しかも、空間を自在に行き来する結標であれば、必要とあらば親船を避難させることも出来る。
信頼しようという意識と、絶妙な猜疑心の結果の措置とも言える。



「勿論です」


「失礼ですが、同行を許可出来る護衛の方は一人だけですので…」


視線が神浄と神裂を見比べる。
神浄が、最大主教と結標の間に立つように一歩前に進み出る。


「俺が同行させてもらいますよ」

最大主教に確認の意思を求めると、彼女もさも当然のように頷く。
神裂もそれに特に異を唱えることはない。事、守ることにおいて、神浄程相応しい者は居ない。
それに、初めて足を踏み込む学園都市中枢において、最大主教の心労を鑑みれば神浄が側にいてくれる方が彼女とて安心であろう。


459 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:50:09.38 ID:CaaV/GUs0


「それでは神裂さんには待機して頂くということで宜しいでしょうか?」

「ええ、そちらがお邪魔でなければ」

「でしたら、休憩室の方にご案内いたしますが?此方の方で警備の者は用意させて頂きますけれど」

「いえ、私は此処で十分です」




やんわりとした意思の固持に、結標の表情に一瞬の変化が浮かび上がる。
神裂の行為は、ある意味では科学サイド、学園都市を信用していないとも取られるものである。
事実、結標の神裂を見る目は油断ならない者を見る目であった。しかし、それは決して嫌悪という悪感情ではない。

強いて言えば見直したとでも言いたげな目である。
結標から見るとどうにも魔術サイドから訪れた三人は人の好さというか呑気さが何処か漂う。
それだけに、自ら警備に臨むという神裂の姿勢は結標には不信の顕れではなく、プロに徹していると好意的に取れるものであった。



「わかりました。でしたら、此方の者を共に当たらせます」

結標は傍らの男に目を遣る。


「重ね重ね此方の我が侭を聞き入れて頂いて申し訳ございません」





                   ―…***…―






親船統括理事長の控えているであろう理事長室へと通じる回廊。
その、先ほどまでいた者の余韻がまだ残る空間は、白々しい静けさに見舞われていた。
見渡すと、一体他の職員は何処にいるのだろうかと尋ねたくなるほど見当たらない。
年若い男と二人きりになったという事実に、今更ながら神裂は落ち着かなさを覚える。
神浄やステイル、土御門などと二人で行動することこそ多いものの、彼等は既に神裂の中では仲間であり、家族に感覚的に近いものがある。
馴れ合いという意味ではなく、信頼関係と気安さという点においてだ。
しかし、今共にいるのは、面識がある程度の男だ。そっと男を盗み見る。

460 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:51:02.99 ID:CaaV/GUs0

幼さの残る整った顔立ちに、精悍に結ばれた口元。
真っ直ぐな意思の伝わってくる瞳に、細くも硬くしなやかに引き締まった身体がスーツ越しに見て取れる。
一目で神裂はその青年が何も武術などの心得が無いのだと察する。挙動の一つ一つに無駄が見て取れる。
一言で言ってしまえば、隙だらけなのである。
では、頼りない護衛だと神裂が思ったかと言うと、それは違う。
隙だらけで、武術の心得など何も無いと察すると同時に、それ以上に強烈な確信が神裂の中に生じていたからだ。

その確信とは、『この青年は強い』ということ。

それも、並みの強さではなく、自分と同等か、或いはそれ以上に。


「なぁ…」

「え、はい」


思わず声が上ずる。盗み見ていたことがバレたのかとも思ったが、青年はそんな気配など見せない。
油断なく周囲を見回していた視線を神裂に向ける。



「最大主教って若そうに見えたけど、実際はスッゲー年だったりするのか?」

「は?」

オールバック気味に前髪を上げたスーツ姿から想像も付かないざっくばらんな喋り方に神裂は思わず面食らう。
高校生が同級生に話しかけるような、そんな気安さが緊張感が空気に溶け込んでしまっているこのビル内でとてつもない違和感となっている。
それに戸惑いながらも、神裂は質問の意図を探るように青年に怪訝な目を向けると、青年は何か不味いこと聞いちゃったのか?とにわかに焦る。


「いや、最大主教ってさ、魔術関連を仕切ってるんだろ。あんな若そうに見えて魔術かなんかで若返ってるだけで実際はウチの理事長みたいな年なのかって思ってさ」

「最大主教は見た通りの御年齢です。20歳になられたばかりですが」

そっけなく答える神裂を気にする風でもなく、青年は「二十歳か」と呟く。

461 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:51:29.97 ID:CaaV/GUs0


「すっごく若いんだな…てか10代に見えた」
「それが何か?」


神裂の瞳に剣呑な光が浮かぶ。声には自ずと棘が生じる。
このような事は初めてではなかった。
最大主教の年齢を知り、彼女を小娘と嘲るものなど枚挙に暇が無い。
しかし、だからと言って仕方が無いことだと諦め、或いは聞き流せるほど神裂はクールに人間が出来てはいない。
そう言って侮り陥れようとする者、或いは利用しようと付け入って来る者を神裂、そして神浄は悉く叩き潰してきた。
少しでも彼女が背負っている重圧を軽くする為に惜しむ労力など神裂達には存在しなかった。
そして、神裂の険のある視線は今目の前の青年に向けられている。
この男もまた、若き主を侮り、愚弄するというのだろうかという探る視線で。

しかし、青年はそんな神裂の思惑とは別の言葉を口にする。



「す…」

「す?」




「スッゲー!!」




462 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:51:57.73 ID:CaaV/GUs0



「………は?」


純度100パーセントの感激が籠もった声が、静謐な回廊に木霊する。
あまりに響いた為に、神裂の方が思わず慌ててしまう。
青年は瞳を輝かせて神裂を見る。


「いや、ホント、スゲーな。アンタのところの大将」

「あ、え、いや、その………どうもありがとうございます」


思わず感謝の言葉を言ってしまう神裂。


「あんなお人形さんみたいに綺麗な女の子が魔術連中の頭を張ってるなんて…ホントスゲーよ。うんうん」

一人何かに納得したように頷く。



「あの……」

「ん?」

「いえ、馬鹿にしないのですか?」

「馬鹿にする?何がだ?」

「ですから、上に立つには若過ぎると」

「馬鹿にして欲しかったのか?」

「まさか!」

「じゃあいいじゃん。それとも、あんた等が無理やりあの子を担ぎ上げてるのか?」

「違いますよ!」

463 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:52:33.84 ID:CaaV/GUs0


神裂は青年が心から感激していることに、困惑する。
青年の表情に一片の嘲弄も軽侮も見られないことが、にわかに信じがたかったのだ。


「あの子が覚悟決めて頭張ってるんだろ?覚悟を決めるのに若いも何も関係ねー。つーか、寧ろスゲーよ。とんでもねー根性だ」

「こ、根性ですか?」

「アンタも根性あるよな。そんなもう穿けないくらいボロボロのジーンズを穿いてるくらいなんだから」

「これはそういう仕様なんです!」


年齢的に少々キツイものがあるとは自分でも理解はしている。
それを指摘されればキレる神裂であるが、このような見当違いの賞賛も困りものである。



「あ、けど根性ならウチの理事長も負けてねーぞ。俺が知る中で一番根性のある婆ちゃんだからな」


鼻息荒く、青年は対抗心を見せる。
まるで、無邪気に祖母の自慢をする孫のようだ。
自分のことのように得意げな青年に、神裂は不覚にも可愛いなと思ってしまう。


「貴方は本当に統括理事長をお慕いしてるのですね」

「おう。どうしようもねーこの街を根性のある街にしようってする根性のある婆さんだ。守らないわけにはいかないだろ」


神裂に、青年はからっとした笑みを向ける。太陽のような、そんな陳腐な表現が似合う笑顔だ。
神裂の頬が知らず知らず朱色に染まる。
この年になっても男慣れのしていない彼女に、整った顔立ちの青年の笑顔は少々刺激が強い。


「そ、そうですか」

「どうした?顔赤いぞ?」

「何でもありません!」


464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/03(日) 16:53:14.03 ID:HbC6XBZF0
kjさん!
465 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:54:53.28 ID:CaaV/GUs0


無邪気とも言える笑顔から、神裂は目を逸らす。

どうにもこの系統の笑顔には昔から弱い。

無邪気で、真っ直ぐな笑顔。それに、この青年は顔もいい。

神裂とて一人の乙女である。顔の良い男に微笑まれると年相応に嬉しくもあり恥ずかしくもある。
頬の熱が引くのを一心に念じながら、神裂きはちらっと青年を横目に見る。
きょとんとした顔の青年と目が合い、また顔を逸らす。

「あ、その、今更ですが」

もじもじと指先を合わせて神裂は自身の動揺を悟られまいと誤魔化すように上ずった声を上げる。

「まだお聞きしてませんでした。教えて頂けますでしょうか……貴方の名前」

「おっと、悪い。名乗ってなかったな。結標のヤツ紹介してなかったのか」

改まって名乗るのが照れくさそうに青年は頭をかく。





「軍覇。削板軍覇っていうんだ。よろしくな、根性あるねーちゃん」




削板がずいっと手を差し出す。
神裂も、つられるように、彼女にしては珍しくハッキリとした笑みを浮かべてその手を取る。


「神裂です。神裂火織です」
「そっか。よろしくな、神裂」


そう言って、八人のレベル5の一人、学園都市第七位、削板軍覇は歯を見せて笑った。


もろに真正面からその笑顔を向けられた神裂の頬が一層の赤みを帯びる。
神裂火織、そろそろ年齢的にアレな女教皇。戦闘能力はレベル5クラスであるが、恋愛レベルは未だレベル1であった。







466 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 16:56:36.71 ID:CaaV/GUs0
以上で投下終了です。
こういう傍流のキャラをイチイチ書くから無駄にレスだけ消費して話が進まないとわかってはいるのですが、書いてしまいます。
話の進展を望んでいた方には申し訳ないと思ってはいるのですが…

それではまた次回 ノシ
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/03(日) 16:58:47.52 ID:dKrW2z4mo
ナンバーセブンはどうしてるのか何気に気にはなっていたが
神裂×削板という全く新しい・・・

468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/03(日) 16:59:49.57 ID:Xhvi0Fy8o
乙!!

なんだこの二人・・・かわいすぎるぞ・・・
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/03(日) 17:10:06.69 ID:98WwY+Mg0
インデックスとあわきんの面識はなしか。
小萌先生つながりで会ってそうだが・・

話が変わるけど、総合のパパセラレ―タの作者は>>1だよね?
470 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/03(日) 17:16:17.31 ID:CaaV/GUs0
一発バレですか…
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/03(日) 17:19:09.58 ID:R7EX5GZKo
リアルで「マジか!?」と叫んでしまったぜ。
ここで削板とは……素晴らしい。
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/04/03(日) 17:24:38.94 ID:AK0Ljdwro
削板だったか
スーツ着てるって時点で候補から外れてたからビックリした
そしてそれ以上に「根性」の一言だけで思いつく削板自体がスゲー
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/03(日) 17:41:26.56 ID:aeZxhF8so
まともな会話が成立してる時点で候補から外していた
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) [sage]:2011/04/03(日) 17:58:00.04 ID:co8YPFzto


最初は誰か分からんかったが根性ってだけでなんか分かってしまう不思議
そっかねーちんもそろそろ年齢やばいのか…
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/03(日) 18:24:07.66 ID:lI/0sXk3o
神裂「そろそろ年齢的にアレな女教皇…ですか…」

◆d/8/5/e/m/We/M/gI
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/04/03(日) 18:42:00.64 ID:HX7W+DBAO
途中までHAMADURAかと思ってたのは俺だけで良い
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/03(日) 18:50:55.73 ID:dKrW2z4mo
てっきりエツァリさんかと思ってたのは俺だけで良い
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/03(日) 18:53:25.55 ID:ATkxKtULo
根性さんも大人になったんだなぁ…しかし少年臭さが残っているのはらしいというか
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 18:55:03.73 ID:TZzmtq8G0
ねーちんは年齢ヤバいっつーか服装が年齢的に……あれ?
あの服って魔術的に意味があるんだよな……?

30,40,50,60...と年を重ねていってもあの服装なのか、もしかして
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/03(日) 18:59:34.51 ID:ozIqdAqGo
むぎのんだってついこの間まで制服着てたんだろ?
大丈夫、大丈夫
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/03(日) 19:39:59.16 ID:HbC6XBZF0
>>479
最中が神裂ファッションしてるとこ考えてみ?
・・・いや、ありかもしれ・・・ない?
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 19:43:46.04 ID:JSpO6xApo
おい目を覚ませ
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/03(日) 20:00:02.34 ID:dKrW2z4mo
たとえが悪いな
エリザードが神裂ファッションしていると考えてみれば・・・

ふぅ・・・
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2011/04/03(日) 20:20:26.98 ID:ar48EfWg0
個人的好みでどうでもいいことだが、上条サイドの話は読む気がしないな
次回作はそういう話だってんなら、またその次の作品を待つことにするわ
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 20:51:41.77 ID:zw6ooQfIO
そうですか
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/03(日) 20:59:54.75 ID:R7EX5GZKo
わざわざのご報告、ご苦労様です
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/03(日) 21:00:45.39 ID:93Hs/zzgo
では疾くお帰りを
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/03(日) 21:05:30.24 ID:Xo+gzC5Zo
>>485-487
不覚にもw
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 21:27:08.71 ID:3lew3Y1DO
一糸乱れぬ連携にクソワロタ
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/03(日) 21:31:14.17 ID:dKrW2z4mo
美しい連携にフイタ
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 21:58:25.97 ID:zF21Rr/Fo
これ5年後の話だっけか

つーことは神裂さんじゅうはっさいに5足してよんじゅ…
確かにやばい年齢だな
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 22:08:02.20 ID:bt+9HBOeo
>>491
かおりおねえちゃんじゅうななさいだ
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 22:08:39.66 ID:IxIABlADO
削板って絶対いい性格してるよな
舎弟になりたいわ
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/03(日) 22:30:44.55 ID:b0uUKWcZo
>>493
根性が足りねぇぇえ!!
出直して来い!!
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/03(日) 23:34:19.54 ID:HbC6XBZF0
かおりよんじゅうにさいか
若返ったじゃん、やったね
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/03(日) 23:47:29.35 ID:W/KpdMs20
>>491
あれ?8〜9年後の話じゃなかったっけ?
つまり四捨五入するとかんざきかおりごじゅry

ネタじゃなくても三十路間近なのは内緒だ
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 23:59:11.43 ID:JSpO6xApo
脇役キャラをだしてくれるのはとてもうれしいことです。
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 23:59:51.06 ID:JSpO6xApo
脇役キャラをだしてくれるのはとてもうれしいことです。
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 00:00:28.43 ID:rDGmd8lYo
脇役キャラをだしてくれるのはとてもうれしいよ。
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 00:02:29.77 ID:rDGmd8lYo
ぎゃあ。3重投稿してもうた!

>>496
上条さんのほうのスレから5年後だってことだよ。
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/04(月) 00:21:21.52 ID:ie6Hvu6io
総合のパパセラレータって何?
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/04(月) 00:41:47.51 ID:FbErd9eHo
>>493
言い方悪いが、SSじゃ根性さんは上条さんのスペアとして扱われてる事が多い気がする
上条さんとくっつかなかった女性キャラが上条さんっぽさを根性さんの中に見て……的な
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/04(月) 01:09:21.12 ID:H8lX6OWu0
>>502
あんまそういうのって好きじゃない人多いけどな
結局軍覇を見てないっていうか上条を求めてるのにそれかよっていう感じか?
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 01:53:01.19 ID:YaHzS0i30
オールバックの軍覇くんとか…!
一つ結びのあわきん(第八位)とか…!
しかもスーツだとか…!

私得過ぎて禿そうです^p^脇役ありがとうございます!

だが、かんざきさんじゅうはっさいェ…wwwwww

505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 03:19:51.01 ID:SxeTgSvDO
>>502
上条さんより好きなんだけどなぁ……言いたいことはわかる
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 05:15:41.95 ID:FtIzJJ4H0
>>501
総合の262-267だよ。
あと、パパセラネタじゃないけど335-342も。

>>502
上条さんみたいなのがタイプなら軍覇君みたいなのにも弱いのは仕方が無いと思う。
好みが似るのは仕方が無いし。代用品とかいう言い方は好きじゃない。
このスレに限って言えば、直接関係無い恋愛ネタの雑談になりかねないし。
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/04(月) 15:26:58.41 ID:bjUUOlLp0
>>448
俺も前から気になってたので自分なりにまとめてみた↓
10年前:上条高校一年生(15歳)。小説の舞台。
9年前:上条高一→高二。
この年の夏にインデックスが「ローラ・スチュアート」になることを決意。
クリスマスにインデックスに髪飾りをプレゼント。
8年前:上条高二→高三。
受験勉強スタート。
美琴から告白→交際。
7年前:上条高三→大学生。
この年の大学受験の日、アンデックスがイギリスへ。
6年前:上条大学生。
上条、全てを捨てて「神上」になることを決意→イギリスへ。
美琴が一方通行をボコボコにする。
5年前:
2月14日、想誕生

こんな感じかと。長くなってスマン。
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/04(月) 15:34:51.97 ID:bjUUOlLp0
さっそくミス発見…
インデックスが英国に行ったのは大学受験の一ヶ月後の合格発表の日だった。
後"アンデックス"って誰だよ…>俺
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 15:57:13.24 ID:Y3mo8ppF0
>>507
こうして見ると原作から十年も経ってるのか

って、美琴と付き合うのってインデックスがイギリスに行ってからのはず
インデックスに付き合う事にしたって言ったのは

>>157
一方通行は御坂と付き合うことにしたという俺の嘘を信じたのか信じてないのか、無表情に受け止めた。

って書かれてるから
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/04(月) 16:40:58.37 ID:bjUUOlLp0
>>509
今読み返したらあん時はまだ返事してなかったな
書き込んでる間に読み返したの153までだったから早とちりしたぜぃ…
付き合うって言ったのはインデックスの嫉妬心を煽る為だったのか。
間違えまくってんじゃねーか。どうすんの>俺
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 18:36:15.85 ID:eBGzkJBY0
>>507
超乙!細かいミスなんざ気にするな!!凄くわかりやすくて助かったよ。
つまり想タンは渡英する直前くらいに仕込んだわけか。美琴は18歳…高三で生んだわけだな。
一方さんにとってはインちゃんは恩人兼手の掛かる妹ポジだったよな、あのスレだと。
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/04/04(月) 20:34:58.21 ID:t0kSBet/o
今でもそうかは分からんけど
あのスレだと一方さんの思い人だぜ。

なんせ、髪が長くて料理が自分より上手い女の子が好みだしな
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 21:11:16.92 ID:eBGzkJBY0

>髪が長くて料理が自分より上手い女の子が好み

佐天さんでよくね?



この>>1の書く作品の空気好きだわ。
出番の多い少ないってのはあるけど、どのキャラも好きっていうのが伝わってきて好感が持てる。
レスが足りなくなるかもって話出てたけど、いっそシリーズ化して欲しい。
皆がどんな人生歩んでるのか気になるし。


一番俺の中で今来ているのは神軍(神裂×軍覇)だな!
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 21:22:02.63 ID:O8/YVa2No
3行で
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 21:22:08.16 ID:7w+tJtrDO
もう雑談スレ作っちゃえよ・・・話が進んでると思うじゃん
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 07:08:54.97 ID:WUBKhRDIO
おい





更新かと思ったじゃねぇかよ、おい
517 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/05(火) 22:13:20.81 ID:Ch/vD0U10
凄く短いお話を投下します。10時半くらいに。直接の話には関係ありません。
ただ、一人で過ごす一方さんをちょっとだけ。
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/05(火) 22:13:55.56 ID:aMDtur/f0
オナヌーですか。そうですか。
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/04/05(火) 22:33:27.83 ID:pSBRL+1Vo
美琴をオカズにベクトル[田島「チ○コ破裂するっ!」]と聞いて
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/05(火) 22:34:06.62 ID:2vlCvCs/o
孤独のグルメですねわかります
521 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/05(火) 22:36:13.89 ID:Ch/vD0U10
今から投下します。
522 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/05(火) 22:40:54.47 ID:Ch/vD0U10

あり合わせのもので適当な昼食を終えた一方通行が、しかかりの論文を書き終えたのは午後三時を回るところであった。
想や美琴が居ない部屋では、驚くほどこの男はずぼらになる。
基本的に世話焼きな反面、自身のことには無頓着なのだ。

鎖骨が丸出しの胸元まで開けたワイシャツに、黒のスキニーパンツ、そして裸足というラフ極まりない格好。
この男は、この格好でサンダルをつっかけてコンビニに足を伸ばす。
嘗ての、イチイチ外出するときにはキッチリ上下ともブランドで固めていた少年時代とは大きく異なる。


椅子に背を預け、猫のように思い切り身体を伸ばす。
ただでさえ鈍っている身体であったが、机に齧り付いていたせいですっかり強張ってしまった。
成人男性としては華奢な部類に入る彼の身体は、捻る度に音が鳴る。
飲みかけの温い珈琲を胃に流し込むと、一方通行は青のヘアゴムを外した。
頭をしゃっきりさせる為に軽く振ると、白い髪が窓から差し込む日を浴びて薄銀色に輝く。
気が抜けたせいか、彼らしくもない間の抜けた欠伸が洩れる。
何だかんだとこの二日間、彼は殆ど眠っていなかった。
想が見ている前では決してしないが、机に足を乗せ一方通行は背もたれにだらしなく寄りかかりながらブラブラと身体を揺らす。

「クッソ…あのゴスロリ妖怪……」

腕を頭の後ろで組んで天井を眠たげな目で見上げる。


「次から次へと人に厄介事を」

彼が二日で書き上げた論文は、通常であれば数日で書ききれるものではない。
量としても、内容としてもである。布束が送る資料、研究結果を一読してから一気に書き上げるという芸当は彼にしかそもそも出来るはずもない。
学園都市有数の頭脳の持ち主、布束砥信の送って寄越す資料や研究内容を数時間で読み取り理解するという時点で大抵の人間が挫折する。
523 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/05(火) 22:42:19.25 ID:Ch/vD0U10



『アナタは嫌いかもしれないわねbutアナタと私にはこの研究の行く末お見届ける義務がある…beside妹達の遺したものを無駄にしないためにもね』



「わかってンだよ…ンな事ァ」


一方通行は、モニターのメールの文面を胡乱な目で追う。
モニターの向こうで、あのギョロ目がどんな顔でこの文章を打っていたのか、容易に想像が付く。

いち早く妹達のあり方に疑問を抱いた女、彼女は妹達に感謝されこそすれ、然程罪悪感を抱く必要があるのだろうか。
妹達の学習装置を手がけた女が、自分と同じ罪悪感を抱くなど、最早自傷行為に等しいのではないだろうか。
そこまで考えてから、一方通行は椅子から降りてベランダに出る。
シャツの胸ポケットからアークロイヤルの箱を出すと、指先でとんとんと軽く叩く。
頭を出した一本を口に咥えると、真昼の学園都市を見下ろす。


「好きにすりゃァいい話だな」


結局はそれが結論。火を付けると、ゆっくりと吸い込む。
524 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/05(火) 22:44:29.29 ID:Ch/vD0U10


紫煙を細く口から吐き出すと、未だに春の足音すら聞こえない冷たい午後の風に乗って煙はすぐさま溶けて行く。
それを目で追いつつ、ゆっくりと甘い香りの煙を燻らす。
甘い香りのする、想が煙たいと拒むことが無ければ特に銘柄には拘らなかった。
バニラの香りが好きだと、美琴と想が言っていたから。
ただそれだけの理由で何となくブラックデビルかアークロワイヤルを吸うようになっていた。
そして、いつしか習慣となっている。


論文を書き上げると、無性に煙草が吸いたくなる。
キーを叩く音が喫煙欲求を刺激するのか、強張った身体が有害な煙を欲するのか。




それとも、陰鬱な記憶を呼び覚ますような論文の内容に、知らず知らず打ちのめされたからだろうか。


一方通行は布束砥信と共に長点の研究室にいた。


彼女と研究に打ち込んでいたのは最早五以上も前の話だ。想が生まれる前のことである。
妹達の話を、実験する側の立場として出来る相手は布束だけであった。
打ち止めや番外個体は勿論、美琴であっても、そこには被害者と加害者という関係性があった。
それがある以上、一方通行は彼女達の前で弱音を吐くことも、苛立ちを見せることも出来なかった。
芳川も、家族というカテゴリーに当てはめてしまってからは、一方通行は滅多なことを口にしなくなった。


あの時期、自分は研究の進度と妹達に植え付けられた『時限爆弾』によって命を落としていく速度との隔絶とした差に打ちのめされていた。
苛立ち、怒り、嘆き、憤り、絶望していた自分は、あのわかりづらい優しさを秘めた奇妙な女がいなければ呆気なく崩れ落ちていたかもしれない。


罪悪感と無力感、自己嫌悪を超えた自己憎悪の連鎖に、強迫観念にも似た『守る』という意識。


守る、守りたい、が『守らなければならない』と歪められていくに連れて、妹達の存在全てに対する理不尽な怒りが一方通行の中に生じていた。


自分の心を磨耗させ、追い込んでいく彼女達の存在が堪らなく疎ましく、息苦しい重荷に感じていた。



525 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/05(火) 22:45:13.85 ID:Ch/vD0U10

そんな思考回路をしている時点で碌な精神状態ではなかったのだが、当時の一方通行は自分の手でそれに気付かずに自分自身をじわじわと追い詰めていた。
辛うじて持ちこたえられたのは、当然支えてくれる家族、友人 ――― 彼が光の世界で得ることが出来た ――― の存在であったが、同時に生々しくも事実として存在する要因があった。
追い詰められ傷ついたやり場の無い心の残骸から溢れ出る膿の掃き捨て場。
鬱屈するストレスのやり場。苛立ち、憤り、焦り、やり場の無い孤独感を何かで補填せずにはいられなかった。
それを手っ取り早く解決するのは、人の肌の温もりであり、肉の齎す快楽へと耽ることであった。


断言してもいいが、愛情と言うものは存在しなかった。

人としての好意、研究者としての敬意、そして共犯意識はあっただろう。

異性間の友情も或いは存在しているのかもしれない。しかし、専ら親愛、恋愛という類の感情など持ち合わせてはいなかった。

それは、五年経った今、振り返ってみてもそうだ。
自分の気持ちを、あの頃よりは冷静に鑑みる事が出来る年になって、当時の自分の感情を、潮干狩りの如く丁寧に一つ一つ探り当ててみても見つかることの無い感情だ。
些細な切欠からそれを知った打ち止めは、年頃であったこともあり、酷く軽蔑し、嫌悪の念を向けもした。
しかし、それでも一方通行はあの関係はある意味必然だったと思う。それは互いにとっても。

関係は何となく、どちらから言うわけでもなく、気が付いたら消えていた。

うず高く積もっていた雪が音も無く、気が付けば過程も記憶には残らずに溶けて消えてしまっているように。

それでも、互いに何となく言葉に出来ない気持ちがあるのだろうか。

それが、今の一方通行と布束の、研究論文の依頼という形で残っているのだろうか。



「今更だなァ……」

526 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/05(火) 22:46:47.04 ID:Ch/vD0U10



らしくもなく、感傷に浸っていた。昔を思い返すことなど、ここ最近ではなかったというのに。
どうして今日に限って五年以上も前の事を思い返しているのだろう。


「今度飯に誘ってみるか」


口に出してから、一方通行は唇を歪めた。




今度なんて、来ない。


わかっていて呟いたのだと、言葉に出した自分の声の白々しさを耳にして気付いたからだ。



灰皿に煙草を押し付けると、杖を手にする。
そろそろ迎えに行く時間だ。




五年前の事を不意に思い出し、僅かに怪訝な顔をする一方通行は、同じ空の下で、大切な少女が一つの出会いをしているとは彼には知るはずもなかった。





527 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/05(火) 22:49:14.63 ID:Ch/vD0U10
短くてすみません。繋ぎみたいな話です。
布束に依頼されて、論文を発表するので、一応世間的には彼は『学者』となっている設定です。
学者なんて職業ありませんが。
布束さんは好きだけど難しくて書けません。

それでは ノシ
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/05(火) 22:50:18.58 ID:6/5ANatLo
まさか本当に相手が布束さんだったとは・・・

529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 23:00:02.08 ID:xTo001yDO
布束さんだと……

一方さんって愛のあるセックルしたことあるのだろうか
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/05(火) 23:02:23.44 ID:2vlCvCs/o
自慰みたいなエッチだから愛まで辿り着かなかったんだろ
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/05(火) 23:05:51.96 ID:Qd3zRzrKo
うおおおお。
マジで寿命通行だったのか……。
嬉しすぎる。
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/05(火) 23:07:32.81 ID:DdM/32k5o
> 芳川も、家族というカテゴリーに当てはめてしまってからは、

おい、ピロトーク、おい
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/05(火) 23:12:25.40 ID:QHEgQoAao
きっと芳川に襲われたんだろう……ww
寿命通行、いただきました!
要望に応えてくださったのだろうか、
それとも決まっていたのか……
ともかく、ごちそう様!

風斬が出てくることは……ないですねすみません。
お疲れ様でした!!
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/04/06(水) 00:28:23.89 ID:gerePMFgo
布束さんはルー語より面倒臭い喋り方するからなー
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/06(水) 00:42:22.19 ID:nHWzBhr30
超乙!
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/06(水) 00:47:40.18 ID:nHWzBhr30
芳川とのピロトークは筆下ろしじゃないの?

芳川(筆下ろし)

黄泉川(?)

布束さん(セフレ)

っていう具合に。
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/06(水) 08:26:36.43 ID:kmZIwAZAO
一方通行の女性遍歴を知りたいよな……
名無しモブも結構いるだろうけど
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/06(水) 12:07:56.68 ID:y+8n3nuV0
クソッタレ:ナナ(ミサカ8251号) ケバい娼婦モブ多数 結標
佐天嫁:芳川 佐天
短編:御坂の親友(誰かは不明、佐天?初春?)が懐妊中
名無しモブ取っ替え引っ替え(絹旗の妨害もありどこまでの関係かは不明)
番外を飼っている
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 13:13:18.54 ID:dq4+TJRDO
>>538
関連スレ以外の話題はなるべく出さないほうがいいと思う
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 13:17:46.69 ID:gbFxvnLJo
>>539
この作者のスレだった気がするが
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/06(水) 15:17:51.33 ID:YFRkI2Aao
作者が同じでも舞台が違うだろうに
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 15:18:25.00 ID:dq4+TJRDO
>>540
ごめん、このスレと繋がってない
って意味だった
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 16:32:21.21 ID:t8z7pXuqo
>>839
やっぱり、どっちも地区大会用にデッキ変わりそうだね
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 16:33:24.31 ID:t8z7pXuqo
すまん
誤爆したorz
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 17:26:07.04 ID:Dia2Z+/no
想ちゃんがカードゲームにハマって
本気でデッキ構築する一通さんか
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/06(水) 17:45:42.96 ID:eo8SVXQJo
これは>>839に期待するしかないな
547 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:19:39.30 ID:AyJpO9Vf0
今から投下させて頂きます。よろしくです。
548 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:21:44.06 ID:AyJpO9Vf0









一方通行にとって、想の迎えに行くことは、一日の終わりであり、始まりを意味している。
基本的に、一方通行は自分一人ではとことん無頓着且自堕落な生活を送る。
それが、一人の少女の為に様々な献立を考え、丹念に下拵えをした手料理を作り、部屋を掃除し常に清潔に保とうとする程に生活態度を一変させるのだ。
少女を面倒見ることによって、彼はある意味ようやく人間らしい生活環境を維持しようと心がけるようになるのだ。
同時に、この役割は一方通行の彼自身が気付かない満足感を満たすことにも貢献している。
想を迎えに行くことは、すなわち少女の母親、御坂美琴に信頼されている証である。それが、密かに彼の中に燻り続ける罪悪感を和らげてくれるのだ。


故に、保育園までの道のりを杖を突いて歩く道のりは彼にとって些かも苦痛ではなかった。


苦痛であるどころか、寧ろ彼にとっての癒しであるとさえいえた。





                               ――… *** …――






「………なァ〜ンで垣根クンがいるンですかァ?」



「開口一番に挨拶じゃなくてそれかよ。想タンの教育に悪いぜ?」

「垣根クンは存在自体が悪影響なンだよ。メルヘン臭がコッチにまで漂って…クサッ」


癒しの場を思い切り台無しにされたと、顔中に浮かべた一方通行は、巻き舌気味に目の前の男に絡む。


「お前ホント酷いよな!?チミっ子達が真似するだろーが!!」


鼻を抓んで一方通行はいかにも異臭がするとばかりに手をうちわのようにして扇ぐ。
ものめずらしげに周囲で二人のやり取りを伺っていた幼児たちが、気が付けば一方通行の周囲に集まって真似をするように手で扇ぐ。




549 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:22:28.78 ID:AyJpO9Vf0


「クサッ、メルヘン臭」

「くさ、めるへんしゅう」
「めるへんしゅう」

子供たちが面白がってきゃっきゃと笑う。
メルヘンという言葉の意味はわからずとも、このお兄さんはどうやらいじっても良い人種だということはわかるようだ。
それは子供のみが持ちうる順応性、特殊な獣じみた嗅覚ともいえる。
彼等はいじられキャラを即座に嗅ぎ付ける能力に秀でいている。

「ほらみろ!ほらみろ!!チミっ子たちが真似しちゃった!!親御さんたちも止めてくださいよ」

「あらあら、楽しそうね」
「ホント。最近の若い人には珍しいのね、子供好きだなんて」
「ウチの旦那にも見習わせたいわ」
「いっそトレード出来ないかしら?」


「ちょ、親御さん!?」

保護者はイケメン二人のじゃれ合いを目の保養とばかりに眺めるばかりで止める気配など毛ほども見せない。
それどころか、「想ちゃんのところの保護者さんも素敵だけどたまにいらっしゃるお友達もイケメンよね」「御坂さんが羨ましいわ」等と手を口に当てておほほなどと笑っている。
終いには「あら、奥様。イケメルヘンって言うそうですわよ」「絹旗先生が仰ってましたの」「若い人の間で流行ってるのかしら?」等と世間話に本格突入しようとしている。
最後の情報をリークした人間が、どうにも園児達の先生らしき名前だと思ったが、垣根は気のせいだと思うことにした。






「ていとくんイジメも終わったことだし、帰るか想 ――― その目、どォした?」

彼はふと少女の目下が赤くなっていることに気付く。一方通行の視線に気付いたのか、想が顔を逸らす。
顎を指先で掴むと、一方通行は無理矢理少女の顔を自分に向けさせる。
紅い瞳が、少女の赤く腫れたと間近で見つめ合う。
逸らそうにも、一方通行の指ががっちりと少女の小さな顎をロックし、息が触れる距離でジッと覗き込む。


「うん……想ね、うんとね、きぬはたせんせいにないしょでね」

想が話し始めると、一方通行は指を少女の顎から外す。

「ネコさんがいてね。それでね、おいかけていったの。そうしたらネコさん木にのぼっておりれなくなったの」

指先で白いブラウスの袖をいじりながら口を開いていく。
たどたどしく言葉を捜して組み立てようとしているのが落ち着かない仕草からもわかる。
チラチラと時折、不安げに青年を見上げる想の目は微かに潤んでいる。
普段であれば、少女のそんな目にすぐさま折れてしまうが、一方通行の目は言い逃れを許さない厳しいものになっている。

550 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:23:01.51 ID:AyJpO9Vf0


「でね、想もおりられなくなっちゃったの……それでね…それで………」


それで、それでと、言葉を続けようにも最早少女の花びらのようなぷっくりとした唇からは短い言葉の破片しか零れては来ない。
たどたどしいが、一方通行は大まかに状況を把握したのだろう。
もっと気の利いた言い訳でも言うかと思えば、少女は生憎そのように器用には出来てはいない。
頭が良いくせに、言い逃れ、言い訳、おためごかし、嘘、そういった方向についての悪賢さには働かない。
母親譲りの仕様だろうか。
一方通行はちらりと絹旗に視線を向ける。


「あんまり怒らないであげてください。さっき私から超叱っておきましたから」


想の頭をなでながら、絹旗がしゃがむ。
目線の高さを合わせ、想の頬をぷにぷにとつついてやる。


「想ちゃん、超反省しましたもんね」

「……うん……ごめんなさい」




ぺこんと頭を下げる想の隣りで、絹旗が「ね?」と笑って一方通行を見上げる。



「ったく……危ねェ真似すンなっていつも言ってンだろォが…」

「うん…」

「落ちたらどうすンだよ」

「ゴメンね、あーくん」

「馬鹿。次同じことしやがったら尻百叩きだからな」


少女のアホ毛が悲しげにしゅんと垂れているのをそっと見下ろすと、一方通行は力なく溜息を吐いた。
自分のパンツをぎゅっと握る少女の頭を軽くこつんと叩くと、「馬鹿」ともう一度呟く。
吐き捨てるのではなく、優しく窘めるような響きの声に、想がぴとりと一方通行の足にくっつく。
絹旗の目から見ても、一方通行のからだからは不機嫌な空気がすっかりと消え去っているのがわかる。

551 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:24:09.61 ID:AyJpO9Vf0


子猫のように全身で甘えてくる少女に、結局この男は弱かった。



「でもね、でもね、あーくん」


くいっくいと想が一方通行のズボンを引っ張る。


「想のことね、たすけてくれたの」
「あン?垣根がか?」

幼児達と打ち解けて「バーリア!」「バリア切った」「バリア繋げた!」という昔懐かしい遊びをしているガッカリメルヘンを見る。
あれがこの街で二番目に頭が良いという設定は、今からでも修正が利かないものだろうか、と一方通行と絹旗は本気で悩む。


「違うの。あのね、あのね ――― 」



                               ――… *** …――





「シスター?」


一方通行は怪訝な顔で垣根の顔を見返す。
垣根は、想を肩車したまま時折その場をクルリと回っては想をはしゃがせている。
普段であれば、危ないことするなと自転パンチの一発は食らわしているところであるが、想を元気付けようとしているのがわかるだけに今は何も言わない。
仲睦まじい様子に、一方通行のこめかみが微かにひくりと動くのは、せめてものご愛嬌だ。


「ああ…多分だけどな。修道服っつーの?白くてローブみてぇな…ロード・オブ・ザ・リングに出てくるようなヤツ」

「………学園都市にシスターねェ…」



(まさか…)


美しい、白い、シスター。
これらの単語から導き出される人間に一人しか一方通行は心当たりが無い。
親船の言葉を思い出す。
日程はあの時は決まっていなかったが、もしや此方に来ているのだろうか。
考え込む一方通行を他所に、垣根と想の能天気な声が響き渡る。

552 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:24:40.09 ID:AyJpO9Vf0



「それも飛び切りの美人!胸もでかかったしな」

「想の前でくだらねェ事言ってンじゃねェよ…」

「でもおっきかったの。るいるいくらい」

「だよなー」


一方通行から数歩前を歩きながら、垣根は想に同意を求めるように顔を上げる。想は頷くと、垣根の髪をいじる。
ふわふわの猫毛の一方通行とも、細い絹糸のような美琴の髪質とも異なった、手入れを欠かさないこしのあるしっかりとした垣根の髪が珍しいようだ。

「マジでスッゲー美人だったな。プラチナブロンドっていうんだろうな。初めて見たぜ」
「うん。お姫様みたいだったの」
「おお〜そうそう。ありゃあシスターってかお姫様みてぇだったな。まぁ飾利ほどじゃないけど」
「それは別に聞いてないの、ていとくん」
「想タン、手厳しいな!?――― おい、どうしたんだよさっきから黙りこんで?」
「あーくん?」


怪訝な顔をする想と垣根の声が聞こえていないのか、一方通行は俯きがちにして、口元に手を当てている。
考え事をする際の彼の仕草だ。いつしか自分が足を止めていたことに気付き一方通行は慌てて顔を上げる。


「おい、メルヘン。そのシスターは一人っきりだったのか?」
「いや。彼氏なのか、よくわかんねーけど、もう一人いたな。タメ年くらいだと思ったけどよ…顔は思い出せねぇ」
「ツラ見なかったのか?」
「いや、そうでなくて。顔を見たはずなんだけどよ……不思議なくらい記憶にかすってもいねぇんだわ」


一方通行の記憶では、あの男は決して美形ではないものの、整った顔をしていたはずだ。
冴えないとは思っても、少なくとも不細工だと感じたことはない。
記憶に残りにくい薄味の顔立ちかもしれないが、垣根程の頭脳で、全く思い出せないことなどありえるのだろうか。
想がきょとんとした顔で垣根を見下ろす。

553 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:25:46.93 ID:AyJpO9Vf0



「おねーちゃん、お名前いってたの」

「そうだったっけ?聞いてなかったわ。男の名前とか興味ねーしな〜」

「もう。そんなんだからかざりんが“ダメルヘン”って言うんだよ?」

「ははははは………想タンほんとキツイな〜……」



恋人が少女に毒舌を伝授してるのではないだろうかという疑念を垣根が抱いているのを他所に、想は嬉しそうに笑う。




「想のことだっこしてくれたの。とってもやさしいお兄ちゃんだったよ。えっとね、お姫様のお姉ちゃんね……『とーま』ってよんでた」





                               ――… *** …――





土御門元春は用済みとなった媒介を握りつぶす。
人払いのルーンを増幅させる効果を持つ天草式の術式だ。


親切心と(悪戯心から)気晴らしにと最大主教と神浄に提案した散歩で、よりにもよってあの少女と出くわそうとは。


土御門は重たい溜息を吐く。
これも“あの右手”が招いた不幸だとでも言うのだろうか。

幸いなことに、二人とも“少女の正体”には気付かなかった。

554 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:27:58.11 ID:AyJpO9Vf0



最大主教は元々記憶力が鮮明過ぎて常人にとっては些細なものとしてしか認識されないところまで大きな相違として違和感を覚える傾向が強かった。
それは、嘗てクローンでありながら外見の年齢差故に、結びつけることが出来なかった点にも現れている。
まして、教主が最後に目にした時、“彼女”は16歳という最も大人へと向かって大きく変貌する過渡期であった。


その一方で、少女はまだ五歳を迎えたばかりの幼児。
それも、父親の面影を残してる分、相違点は余計に彼女の目を曇らせたに違いない。

神浄に至っては愚鈍さには今尚定評がある。

それでも人払いの結界を念の為に保育園周辺に張っておいたのは正解だった。
もし、仮に何処かで見ていた「こちら側の人間」にあの二人を親子だと勘付かれては面倒である。
明後日には、学園都市統括理事長、親船最中と最大主教「ローラ=スチュアート」の会談が嘗て“窓の無いビル”と呼ばれた場所で行われる。


揉め事のタネは増やしたくない。
本来であれば神浄を外出させるべきではないということは十分理解している。
しかし土御門が珍しく私情を持ちこんだのも、神裂も結局それを認めてしまったのも、彼に対する巻き込んでしまったという拭えない罪悪感が少なからずあるからである。

勿論、現状は神浄自身が選択したことだとわかっている。
しかし、わかっていても、彼がこの世界に入る要因になっているのは確かなのであるから。


会談の内容は完全に秘密裏とされているが、土御門にとっては正直何を今更という感想しか無い。
内容とはおそらく今後の友好と発展を願っての提携強化だろう。
周囲の緊張に比べて、魔術サイド、科学サイドの両者のトップの意識はずっと平和的で穏便だ。
勝手に緊張し、警戒し、疑う周囲を宥めることの方が両陣営のトップには余程頭痛の種だろう。
今回の護衛にしてもそうだ。

ローラ・スチュアートは神浄だけで十分だと言っていたし、親船に至っては護衛など不要だと言っていた。



結局のところ、物々しい数に任せてヘタに緊張感を煽るよりも人数を絞っての護衛という形を取った。
最大主教は聖人二人を護衛に付け、統括理事長はレベル5二人を護衛に付けた。
戦力的にも同等であろうが、内実を知る者からすれば、辻褄合わせの茶番に過ぎなかった。
それにしても皮肉な話である。


嘗て学園都市の闇に最も深く絡め取られていた者達が揃って裏から去り、最も縁遠い男が統括理事の傍らにいるのだから。

555 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:28:32.38 ID:AyJpO9Vf0


「それにしても……子姫ちんにはちっとばかり怖い思いさせちまったぜい」

自分の張った結界のせいで、誰一人通らず、そして、少女の先生も木に上っている彼女に気付かなかった。
随分と心細い思いをしていただろう。
機を見て助けるつもりだったが、よりにも寄って少女を助けたのが神浄であった時には正直嫌な汗をかいた。
結局二人は気付かなかったのだが。


御坂想の能力測定の結果は「レベル0」である。
レベル5の娘だからといって、レベル5クラスにはならないことを、土御門も一方通行もある程度は予測していた。
彼女本人の遺伝子をそのまま使ったクローンでさえもレベル3なのだ。
想だけではなく、浜面夫妻の子供も、レベルは1程度であった。
故に、学園都市に『能力は遺伝しない』という説が定着しつつある。
仮に高い数値が出ていれば一方通行と裏に手を回して書き換えることも辞さぬつもりだっただけに、胸を撫で下ろしたものだ。
しかし、『神上の娘』というだけ十分に利用価値を見出してしまう馬鹿共は未だに少なからず存在する。
そんな馬鹿共の愚行に愛らしい少女が巻き込まれるのは土御門の本意ではない。

会談が終わるのは五日後。
土御門はカレンダーに目をやりながら、嘆息する。



「それまで何事もなきゃいいんだがな」





しかし、言葉とは裏腹に、土御門は期待に満ちた声を出す。

もし仮に、神浄 ――― 上条と一方通行が出会ったとしたら果たしてどうなるのだろうか。

ふと過ぎった好奇心が彼の声を自ずと弾ませていた。



556 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/07(木) 00:29:49.03 ID:AyJpO9Vf0
以上で投下を終えます。話のテンポが悪かったり、進度が遅いのは力量不足です。
出来る限り頑張ります。目標はこのスレの内に上条編終えること!
それではまた ノシ
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/07(木) 00:30:47.12 ID:KETnk06lo
乙!

これは一方さん気づいたか?
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 00:31:05.07 ID:8uOEPU/uo
そんなに長い話なのか・・・
怖い・・・
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/07(木) 00:31:32.89 ID:XhkiprQKo
乙乙

ついに出会ってしまうのか?
期待
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 00:34:35.01 ID:Uii58YH90

測定はしてたんだな……そしてレベル0、と
まぁ、何事もない事を祈ろう

上条編の後もしっかり続くようで何より
想ちゃん&一方通行&美琴のほのぼのを待っている
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 00:42:00.03 ID:etnfMbyo0
上条と御坂(美琴)は出会うのはまずい気がするけど……

御坂はもう吹っ切れてるんじゃないのか?
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 01:06:37.66 ID:bwdn4IUqo

まあ想ちゃんが名前言ってるし、あーくんは気づいてるだろうな
美琴に言うのかは・・・想ちゃんが言っちゃいそうだな
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/07(木) 01:33:59.62 ID:8TkwwwC+0
乙乙乙!!

今回の三つのあらすじ
一つ!インデックス、上条の二人が想と接触した事に一方通行が勘付く
二つ!上条編が終わってもスレは続く
三つ!土御門があからさまに遭遇フラグ立てた
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 01:42:29.23 ID:ajQGEI1DO
アクセラさんの心中やいかに…
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 02:26:42.91 ID:hJMSRO0Eo
このスレ見てて、NTR好きの俺が胸を痛めながらドキドキしてきた
つまり(ry
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/07(木) 02:27:44.10 ID:Fa8h+3Gco
この>>1のことだから、鬱フラグとそのブレイカーを仕込んでるターンなんだろうけど
あーくんや美琴の苦悩や葛藤に比べて
美琴や両親をはじめとして全てを捨てた上条も、結果として上条に全てのものを捨てさせたインさんも、
全然罪悪感もなくて、なんか開き直ってるようにしか見えなくて違和感がある
もう人間やめちゃったのかな
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/07(木) 02:35:06.98 ID:9TMe8pgVo
そんなに日常的に罪悪感を溜め込んでると人間壊れちゃうんだぜい

って、別に、すでに彼が壊れてしまっているというわけではなく、
人間はそうならないように、自然と普段は「忘れている」ことができるって意味なんだにゃー

美琴やあーくんだって、四六時中苦悩葛藤してるわけじゃなくて、想タンに萌え萌え身もだえしたり、酔っ払って絡んだり、寄った勢いで俺の絹旗の唇を奪ったりしてるしな
実にけしからん
うん、やっぱりこいつら人間じゃねえ
けしからん!
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 02:45:20.49 ID:DE9O1yuE0
人間をやめることすら人間的な行為であるというわけで

まあ、のちのち描かれるでしょう
がんばれ>>1
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 03:44:14.88 ID:T5XXRDWDO
俺は人間をやめるゾォーーー!!!
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 07:03:22.42 ID:cpITg3TSO
構わん
やれ
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/07(木) 08:03:38.17 ID:VO+sSUhpo
この二人は誰もがハッピーになる世の中なんて幻想はもう持ってねえぞ。
自分の成したいことは成した。
それが全てで賞賛されこそすれ卑下されるもんじゃないだろう。
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:17:54.35 ID:9OXeWd9no
つか、全てを代償に選んだ結果なんだから、いまさら罪悪感を持つことすら許されんだろ
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/07(木) 20:46:01.49 ID:QNg8BVjL0
何事も無く行けばいいんだがなぁ
個人的には電磁通行を応援したい所存だし
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/07(木) 22:05:25.81 ID:9tfUryLso
出会うと面白いだろうなぁ……
さっすがつっちー、わかってらっしゃる!!

一方通行が、全て背負ったんだ。
上条さんも、約束をちゃんと守っているさ。
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 22:13:28.12 ID:8uOEPU/uo
美琴の事など毛ほども気にかけてない感じでインデックスを選んだのがこの話の上条さんだからそれはいいんだけど
これで自分の娘だからって想ちゃんに少しでもいいカッコしようとか考えたら流石にちょっとイラッと来るかも知れん
俺如きがイラッと来た所で何の意味もないけどね・・・

想ちゃん一方さん美琴さん絹旗せんせー他がいちゃいちゃほのぼのしてる情景をもっとのんびり見ていたい
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 23:12:36.98 ID:RhhOAEe0o
そう思うのが普通じゃね
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/08(金) 03:24:32.54 ID:JMoNcYLro
土御門さんがアップを始めました
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 07:00:42.06 ID:zPDvmInIO
上条さん:アナキン
一方通行:オビワン

かきねん:C3PO
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 07:37:17.67 ID:cz8GIYW90
一方さんは一体どういう心境なんだろう…
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 23:49:21.55 ID:i5+Q2bcd0
インちゃんは当麻と離れて、最大主教を背負う決意をしただけなんだよね。

上条さん⇒自分の気持ちに気付くのが遅過ぎ
美琴⇒上条さんが自分に惚れてないことに気づかぬフリをし続けてしまった
一方通行⇒美琴なり上条さんなりを止めることが出来なかった

というのが、それぞれの罪なんだろうな。
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 01:15:19.28 ID:B1eoCGKY0
上に激しく同意

御坂が送ってあげれば…… まあヤンデレールガンだからしゃあないか
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 01:18:19.67 ID:J0xtAvcR0
だけどイケメン一方さんに定評のある>>1のことだ、どうせ最後には男前一方さんを書いてまた俺を濡らしてくれると見た。
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 03:24:21.52 ID:XR17CP8a0
>>1乙通行

あーうちの近所のコンビニに鎖骨丸出しワイシャツ&黒スキニーwithサンダル+長髪
の一方通行さんが買い物に来ればいいのに…
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 16:14:07.37 ID:VMJrRzfp0
一方さん気づいたな

さて・・・これからどうなるんだろうか
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 22:41:28.16 ID:DZkwjQ730
この場合、互いにスルーするのが一番正しいんだよな、本来。
今回の来日はイレギュラーというか、神浄さん個人の意思でどうこうなるわけじゃないし。
想タンは上条さんの娘であって、神浄の娘ではないからただの他人。
一方さんは全て捨てたのを容認している。
だから、互いに気付かぬフリをすればそれで全てが形の上では丸く収まるわけだ…

なんていうか、この一方さんは必要以上に悩みそう。
当の妹達が心を許してるのに、罪の意識持ってて、美琴が吹っ切ってるのに、一方さんが無駄に気遣って。

586 :暇人 :2011/04/09(土) 22:57:14.90 ID:5oYBOUzP0
一方通行っていろんな意味で、死角がないな
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/09(土) 23:04:03.95 ID:x3rsahon0
ageんなや粕
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 23:28:50.71 ID:B1eoCGKY0
あげるなよ586
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 23:39:17.24 ID:IvEUWneDO
上条さんが意外に幸せそうなのが、この作品的にはムカつく。全てを放り投げて想い人と地獄に堕ちる覚悟を決めた男の境遇じゃあ無いな。いや嫌いなわけじゃないんだけども。
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/04/09(土) 23:53:53.76 ID:lyp4YBiWo
幸せそうにしてるうえに、全て捨てたくせに
何周りに甘えて学園都市散歩してるんですかとは思ったな。
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 23:56:22.68 ID:OWo3lg1IO
>>589
インちゃんと一緒に居ることが幸せで
でもそこに至るには擬似的に死ぬうえ
共に居る為に汚れ仕事もこなさなきゃならん
しかも、自分の意思決めて全てを捨てた分
他の誰より言い訳も逃げも出来ないしね
幸せではあるけど
結構な地獄だと思うよ
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/10(日) 00:06:08.87 ID:+8BjgMHUo
ヤリステラレールガン
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 00:07:22.91 ID:WMV06EOfo
原作の上条さんのイメージって自分が不幸になっても周りの人は不幸にしない、救い出してみせるみたいな感じなのが
インデックスの為に周りを不幸にしてでも全てを捨てた、ってのがこのお話の上条さんだからなぁ
これで自分も幸せになれましたってんなら不幸にされた周りは溜まったもんじゃ無いなとは思う
美琴や一方さんやらはある意味自ら望んでな面があるけど(だから良いってワケでもないけど)、
たとえば上条両親とかどんだけやり切れないかと思うと・・・
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/10(日) 00:38:38.61 ID:jn/Q/eBv0
結婚もしてないし、妊娠だって知らなかったから厳密には違うけど
言ってしまえば上条さんってアレだよね

家族を捨てて女と一緒に蒸発した父親ポジション

現実でこんな事すれば、血縁関係・友達関係・仕事などなど
全ての社会的繋がりを捨てる事になるし、まさに今の上条さんの現状そのものじゃないか

父親視点からすれば、別に家族に愛情なんて持ってないし、
全てを捨てて真に愛した女と添い遂げる男()
って言うナルシシズムに浸れるんだろうな・・・そりゃ幸せだろうよ
むしろ現状が過酷な環境であれば、なおの事、
そんな苦難を物ともせず愛を貫き通してる俺カッコイイ!って悦に浸れるんだろうさ

幸せを求める事は悪い事じゃないし、
自分が不幸になってまで家族を幸せにしろ、とは言わんが・・・
そんな父親が、今更捨てた家族に会いかねないような事をしたり
ましてや、娘に「僕がパパですよ〜」なんて言おうものなら
まずはそのふざけた価値観をぶち[ピーーー]!ってな気分ですよ


・・・上の文とは全く関係無いけど、もし上条さんがインデックスの現状を知るのが一年遅くて
既に娘が産まれていて、かつ認知もしていたら、果たしてどんな決断を下すんだろうな?
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/10(日) 00:44:03.74 ID:dE1MzyBso
周囲の後押しも無く、インデックスの元に行けなかったかもな
インデックス自身が許してくれなさそうだし
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 00:52:08.75 ID:ynmbg2Zlo
お前ら本当に黙って待つって事ができないんだな
何が不満で長文垂れ流してるんだ
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/10(日) 01:23:04.14 ID:HpRwSw8AO
全てを捨ててまで一緒になった相手の前で
不幸そうにしてたらそれこそ失礼な話だと思うが…
そんな姿みたらなんで全部捨てたの?って話じゃね
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 02:04:42.15 ID:bn206euDO
長文で雑談してる奴ら気持ち悪い[ピーーー]
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/10(日) 02:10:59.24 ID:u2peBrJAO
ここまで神浄さんが聖人として扱われてることへの指摘なし

たしかに幻想殺しは聖人クラスのチート性能だけど、別に神の子を模した能力じゃないよな
まあ、「実は神の子の起こす奇跡を模してました」とか言われても不思議はないのだけど
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/10(日) 02:19:53.42 ID:dE1MzyBso
神上だから聖人と同等以上の存在なんじゃないの?
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/10(日) 02:26:54.29 ID:/KVOfpfPo
上条が自分自身のために行動したのって初めてなんじゃないか。
その結果が周囲に凄まじい影響を振り撒いただけで彼自身は何も変わってないと思うんだよなあ。
他人が不幸になるのを許せなくて、自分を省みなくて。ただひとつインデックスが第一だってことが増えただけじゃないかな。
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/10(日) 03:29:45.22 ID:OHZ6AGX4o
更新してるのかと思ったらすごい気持ち悪い流れになってたでござる
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 04:00:09.76 ID:ETEsPGmyo
んだよ、更新きたかと思ったら・・・
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 04:33:10.14 ID:DAfqZu1DO
雑談無くして良SS無し
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東地方) [sage]:2011/04/10(日) 04:49:23.31 ID:ZQKTivkHo
もう600を越えたしそろそろ雑談はやめようぜ
更新と思ってきたのに違うと悲しい
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 07:12:20.73 ID:CRRf4fL70
というか美琴廚うぜえな

全部御坂が悪いとは言わないが、あの時上条の肩を押さずにぐだぐだ自分の物にしたいなどほざいていて、結局自分の気持ちに気付いた上条に捨てられてるんだし 上条が泣いてたときにイギリスに行けっていてあげればきれいなのに…、それにゴムに穴あけて、こどもつくって束縛しようとかww

まじないわ こどもは勝手に御坂が穴あけて作ったんだし勝手にしろってのww
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 07:26:31.36 ID:ROvY5V1IO
>>606
まぁ待て
少なくともゴムに穴は俺たちの勝手な想像だ
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 08:22:28.88 ID:5edOTFeK0
>>606
本編では一度も穴開けて作ったとか言ってないのに、何勝手にそれ前提で喚いてんだよ粕。
当たり障りの無い綺麗なお話読みたきゃそっち行ってろよ。
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/10(日) 08:26:03.13 ID:+8BjgMHUo
そもそもKJさんの子かも怪しいところ
そのへんのDQNに孕まされたと見るのが妥当
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/10(日) 08:56:12.89 ID:BMHGo2dXo
そりゃないでそ
相手一方さんに殺されてるわww
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 11:13:13.93 ID:Xyu2KfS6o
いやー、おまえらこのスレが大好きなんだな
かわいいなぁ
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 12:23:28.53 ID:v2LBsYgIO
いや、ここまで続くとさすがに気持ち悪い
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 12:30:44.72 ID:rNvrrEoIO
なんかもうこの流れ続くんなら雑談板作ってほしいわ…
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/10(日) 17:03:52.22 ID:CDDh5Fe8o
>>606
なんだ、他の美琴スレでも「御坂ざまあぁぁぁ」とか言ってた馬鹿じゃないですか
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/10(日) 23:08:46.73 ID:XtEMrzoJo
キャラアンチほんとあっちこっちで荒らししてんんだな
二次SSでまで馬鹿アピールしてんなよ
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 23:13:36.78 ID:rajKVSHMo
俺も含め、皆が完全にこのスレの虜となっていることがよくわかる流れだな。
だが気持ち悪いという意見もよくわかるので、少し落ち着こうぜ。
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/10(日) 23:26:28.67 ID:h6fDbor70
批判するのはともかく、言い方ってのがあるから、注意してほしい。イラっとくる書き方されると、それに対してまた暴言、その連続になる。
グダグダと語ってすみません。一ファンとしてこのスレには荒れてほしくないので、みなさんどうかよろしくお願いします。
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 23:32:28.37 ID:T2TTLQnDO
本スレでも美琴アンチってわざと美琴信者に噛み付いて荒らそうとするんだよな
他の人らにはおもいっきりスルーされてるけど
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 23:52:09.24 ID:818APX8wo
美琴アンチは一番SSスレに出張ってくるからな……一番マナーが悪いっぽい
SSスレだと他キャラのアンチ見たことないわ
620 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:07:06.91 ID:p2LfO51+0
12時半に投下します。無駄にgdgdかもしれないけどご容赦を。
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 00:08:19.64 ID:IxsaDBht0
お前らうるさいんだが

雑談なら別スレ立ててそっちでやってくれ
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 00:10:52.65 ID:2rKoXBYxo
今日は重そうだが大丈夫かな?
楽しみに待ってます
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 00:30:25.65 ID:xBWTDUrDO
まだかなまだかなー
624 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:35:45.54 ID:p2LfO51+0
投下します〜今日は重いみたいなので、ゆっくり様子を見ながら投下します。
625 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:40:41.45 ID:p2LfO51+0



「お、何だ珍しいじゃねぇの」

息子を寝かしつけ、晩酌をしようとしていたところで鳴ったチャイム。
夫婦共にこんな夜遅くにと眉を顰めることもないのは、夜遅くの来訪者に慣れているからであった。
そして、夜遅く彼等を訪ねる者といえば、当然対象者は絞られる。
晩酌の準備をしている理后に代わり夫の浜面がパジャマ代わりのジャージ姿でドア越しに確認してみれば、予想通りの相手。


「よォ。今大丈夫か」

「丁度晩酌しようってところだったんだ。お前も飲んで行けよ」


浜面がドアを開けた先には、彼等夫婦上の階に住む腐れ縁、実質親友となっている白髪頭の青年、一方通行の姿があった。
一方通行は片手に持っていた袋を軽く掲げる。
数本の缶が入っているようだ。ビニル袋越しに覗く缶のパッケージに浜面は内心ガッツポーズを取る。
今夜は発泡酒ではなく、きちんとしたビールが飲めるようだ。






                               ――… *** …――






「熱かったら言って下さいね、とミサカは万が一にも想ちゃんにやけどなどさせることの無いように報告の必要性を伝えます」

「うん、だいじょうぶだよお姉ちゃん」

「それでは」


御坂妹 ――― 個体番号10032号と呼ばれていた女は洗面器一杯の湯をゆっくりと少女の頭にかけてやる。
少女の気持ち良さそうな声が水の落ちる音に被るのを聞く度に、妹は自然と唇を緩める。
すっかり泡が落ちるのを確認すると、少女はぎゅっと瞑っていた目を恐る恐る開く。
真正面から見下ろす妹とつぶらな瞳がぱちりと合うと、嬉しそうに笑顔の形に細くなる。
妹はその笑顔だけで胸の辺りに温かなものが込み上げてくるのを感じる。髪から顔に流れる水を手で拭ってやると浴槽に入る。
少女が妹の上に、まるでソファーに座るように遠慮なく乗る。元々小柄なこともあって、水に漂う五歳児の身体は然程重みを感じさせずに圧し掛かる。
ぽこんと丸みを帯びたお腹に腕を回してやると子供特有の柔らかさが手に心地良い。
目の前には自分によく似た、けれども全く同じというわけではない亜麻色の頭頂部がある。水にふわふわと揺れる細い髪が、澄んだ川の底にたゆとう水草のようになだらかに映る。


「はうぅ〜〜」


少女の口から感極まったような声が漏れ、小さく噴出す。
小さくても大きくても、お風呂が好きな人間のリアクションというものは変わらないものだとつくづく思う。
生まれた頃から知っている少女だが、本当にこの少女はお風呂が好きなのだ。それも誰かと入るのを特に好む。
想は、小さな頭を御坂妹の胸に預ける。母親と違いそれなりのサイズである胸を枕のようにして、想は全身を委ねる。
子猫がまるで警戒心も無くお腹を見せるのに似ている。御坂妹が頭を撫でてやると、想がはにかむ。
626 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:41:44.17 ID:p2LfO51+0


「えへへへ、お姉ちゃんとお風呂ひさしぶり」

「そんなに喜ぶようなことですか?とミサカはマシュマロほっぺをつんくつんくしてみます。つんくつんく」

つつけばぷるんと弾力のある頬っぺたが心地良い。想は嫌がる風でもなく、寧ろそれを心地良さ気に受け入れる。
根が甘えん坊なのだろう。おそらくそれは母親譲りの甘えん坊っぷりだ。


「うん。とってもうれしいよって、みしゃかはお姉ちゃんにおとまりしてってほしいなっておねがいしてみる」


妹達の口調を真似ておねだりしてくる想があまりに可愛らしく、御坂妹は胸にぎゅっと抱き寄せる。


(何なのでしょうかこの可愛らしい生き物は)


この少女は甘えるのがとても上手い。自然と甘えているのだ。
特別世話焼きではないと思っている自分ですら、ついつい構ってやっている。如何にこの少女が大切にされているのかがわかる。
甘やかされるのに慣れているのではない。それはただの我が侭な子供を作りだすだけだ。
この少女は我が侭ではない。

一方通行、御坂美琴が慣れないながらも周囲の助けを借りて愛情たっぷりに育てたこの少女は、甘やかされるのではなく、大切にされることに慣れているのだ。

勿論、御坂妹とて例外ではない。
この少女は姉の娘であると同時に遺伝子的には娘でもある。
それだけでも愛しいと思う理由は十分なのだが、それ以上に妹達にとっては初めて目にした“まっとうな生まれ方”をした命なのだ。
そう言うと、クローンがまっとうではないのか、と口角泡飛ばして噛み付く輩が居るが、まっとうではない。
存在する命を否定するつもりは妹達には無いが、生まれ方が異常であることは明らかである。
それは、まっとうではない生まれの彼女達だからこそはっきりと自覚するのだ。
それゆえに彼女達は憧れる、お腹を痛めて母体から生まれた命そのものに。


想という少女は、妹達の存在を受け入れてくれた姉のたった一つの宝物であると同時に、二万人の妹達の『憧れ』なのだ。

そして、彼女達に償うべく日々を送っている男にとっては、救いの象徴なのかもしれない。




「まぁ、一方通行はそんなこと口が裂けても言わないでしょうけど」

「あーくん?」


アホ毛をピコピコとさせ、少女が振り返る。一方通行の名にはこの少女はとても敏感に反応する。
背中まで伸びた髪がふわふわと、少女の動作に遅れるように漂う。
一方通行専用のレーダーの精密性は幼き日の打ち止めに匹敵する。

627 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:42:59.91 ID:p2LfO51+0


「ええ、あーくんは想ちゃんが可愛くて仕方が無いんだなって言ったんです」

「えへへへへ」


頬に手を添えてはにかむ少女を可愛いと感じる。


「いつもは一方通行と入ってるのですか?」
「うん。ママがおそくなる時はいつもいっしょなの」
「その時もこうやって?」
「だっこしてもらうの。でもね、あーくん固いの。お姉ちゃんみたいに柔らかくないの」
「固い…だと…?ま、まさか…」

少女の発した言葉に、何を思ったのか顔色を変えて御坂妹がそれでも無表情を装いながら想の顔を見る。


「か、固いというのは、その、なんというか長細い…いえ、細いのではなくて、寧ろ膨張した…熱膨張した…」
「るいるいときぬはたせんせいが一番おっきくて柔らかいの。わーすとのお姉ちゃんも」
「――― ですよねー。そういうなんていうか3Dスティック的なもじゃなくて、バストですよね。ええ、ミサカ最初からわかってましたとも」
「でね、ママは余り柔らかくないの……」
「……それ、お姉さまには言っちゃダメですよ?あの人未だに諦めてませんからとミサカは小指を差し出して指切りを求めます」
「う?うん。ゆびきり〜」

幼い少女は時として残酷だ。
持たざる者に平気な顔で「君、持ってない人ですよね」等と聞くのだ。
ちなみに、女性部門(美琴除く)で想がお風呂に一緒におふろには入るのが好きな人間のトップ3は美鈴、佐天、絹旗となっている。
これが一体何に基づいている順位なのかは言わないのが仏心であろう。



                               ――… *** …――






「お前がこんな時間に来るなんてどうしたんだよ」
「別に……何となくな。迷惑だったなら帰るが?」
「ばーか。そんなわけねぇだろ。折角ビールにありつけたんだし、追い返したらバチが当たるって」

ビールのプルタブを開け、僅かに零れる泡を慌てて啜ると、そのまま直に飲む。
理后は用意したコップに注ぐと、一方通行の缶にかちんと当てる。


「うさぎさん、かんぱい」
「おう」


昔ほどではなくとも、やはり何処かずれている理后に、今更呆れたりはしない。
この二人は、夫の浜面がヤキモチを焼くくらいに中の良い茶飲み友達なのだ。
既にエプロンは外しており、食卓には紙に包んだまだ温かい焼き鳥の他、チヂミやら枝豆の皿が並ぶ。
がさがさと包み紙を開けると、一層強く香ばしい焼き鳥の香りがリビングに広がる。
その内の一本を無造作に取り出すと、浜面は勢い良く食らい付く。
628 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:43:31.80 ID:p2LfO51+0

「中々ウメェな」

レバーの串を平らげた一方通行が少し感心したように焼き鳥の串をしげしげと眺める。
お世辞を言わないこの男が褒めるということは、そのまま事実なのであろう。
ビールを二口程飲んでから二本目に手を伸ばした浜面は少し得意げな顔をする。


「ウチの社長がお気に入りの店のやつでさ。これは貰いもん。買い過ぎたって」
「仕事は忙しいのか?」
「忙しいっちゃぁ忙しいな。範囲は学園都市内だけどよ、何せ人手が少ねぇからな」
「仕方ねェだろ。取り扱ってるブツがブツだ」
「そうなんだよな。気軽にバイト募集、ってわけには行かないんだよ」

浜面は現在運送会社に勤めている。
取り扱っているものは主婦が通販で購入した利くのかどうかわからないダイエット器具や、独身男性が購入した人には言えない恥ずかしい用具など様々である。
しかし、それらと同じように扱われているのが、能力開発研究関連、学園都市の根幹を為す物品の運搬である。
浜面が運ぶ中には、能力者の力を増幅させる試作品(当然違法である)なども存在する。
故に、悪用しても意味のない無能力者、それでいて学園都市の闇に一定の理解と認識がある浜面は適任であった。
『一方通行』と『原子崩し』の保障つきの腕っ節も採用された一因である。


「愚痴ンなよ。稼ぎはいいンだろォ?」
「人が少ねェし、その上取り扱ってるモンがアレだからな。中卒だけど、多分そこらの一流企業の大卒者よか貰ってると思う」
「その割りに、結構ケチ臭ェ生活してンな。マイホームの資金か?」
「ん〜〜…まぁ、な」

理后の空いたグラスにさりげなくビールを注いでやっている浜面は、苦笑する。
一方通行は半分以下に減ったビールの缶を置いて枝豆に手を伸ばす。


「歯切れ悪ィじゃねェか」
「ケチじゃないよ」


くぴくぴとマイペース且何気にハイペースでビールを空ける理后が1ターン遅れた返答を口にする。
勿論、一方通行も浜面も今更驚きはしない。
肴には一切手を付けずに、浜面からの二杯目を殆ど空けると、理后はもう一度、今度は少し拗ねたように言う。

「ケチじゃないよ。節約してるだけ」
「知ってンよ。お前がやり繰りしてンのは。そンな生活の知恵なンざこの馬鹿にあるわけねェ」
「酷い!」
「コイツがいなかったらチャーハンと焼きソバのヘビーローテじゃねェかボケ」
「しあげのお仕事っていつまでもやれるお仕事じゃないから、お金は貯めれる時に貯めておきたいの」

空いたコップの底を見つめながら、理后はいつもの眠そうな顔を、幾分か曇らせる。
微かに寄せられた眉に、愛妻家の浜面は心配そうに見遣る。

629 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:44:52.39 ID:p2LfO51+0


「もっとお給料安くてもいいから、安全なお仕事に就いてもらいたいし。しあげが私やあの子を守ろうって頑張ってるのはわかるんだけど、その為に身体を壊すなら、そんなしあげ応援できないもん」
「理后…」


浜面がそっと理后の手を握る。
見詰め合う二人の頬が赤いのは酒気のせいではないだろう。
一方通行は、一目を気にせずに惚気るこのバカップルに火を点ける様な質問をしてしまったことを後悔する。




                               ――… *** …――





「まま〜」

「あ、こら。まだ髪が濡れていますよとミサカは…」


ててててと下着姿のまま母親の下に一直線に駆けていく想の後を、同じく下着姿の御坂妹が追いかける。
水色のボーダーショーツ ――― 縞パンだったのは今は昔。
出るところは出ているバランスの良い肢体が薄紫のレースを穿いて走る姿は刺激的である。
この場に男がいれば目を剥かずにはいられないであろう。
しかし、現在この場は女率が十割である。キッチンに立っていた美琴は愛娘をキャッチすると、妹に呆れた目を向ける。


「はしたない格好しないの!アンタも想のこと言えないでしょ」


火を止め、想を抱っこすると、美琴は妹を伴ってソファーに座る。
パジャマを妹に取ってこさせると、美琴は想に手渡す。
三歳の頃までは着替えを手伝ってあげていたが、今はもう着せてやるのではなく、あくまでも想が自分で着るのを見守ることに徹している。
手伝ってあげたいのは山々だが、それではいつまで経っても成長しない。



「うんしょ、うんしょ」


長い髪が邪魔をして、中々襟から頭を出せずに想が可愛らしい声を上げる。


「にゃ〜ん…可愛い……」
「お姉さま、にやけすぎです…」

決して、そんな愛娘に萌えているわけではない。決して。
想の着替えを確認すると、美琴は洗面所に行ってドライヤーとタオルを取ってくる。
片方のタオルを妹に投げる。

「アンタも髪まだ濡れてるから拭きなさい。想ちゃんはママのお膝の上」
「あい!」
「うむ、良い返事じゃ」


想をひょいっと膝の上に乗せると、手にしていたもう一つのタオルで頭を優しく拭き始める。
御坂妹は、美琴に借りたパジャマの胸元がきついなという感想を脇に置きながら親子を眺める。
母親の膝の上が嬉しいのか大人しくちょこんと座っている。
お風呂ではしゃぎ過ぎてエネルギー切れを起こしてしまっただけなのかもしれないが。
御坂妹は髪を丁寧に拭いていく手付きがふと気になった。

630 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:46:03.98 ID:p2LfO51+0


「お姉さま、随分と拭き方が丁寧になりましたよね、とミサカは以前までのわしゃわしゃを思い浮かべます」


その言葉の通り、美琴は背中まである亜麻色の髪をタオルで挟むようにして一房一房拭いていく。
昔から短い髪だった彼女は、元々の不器用さも相まって想の髪を拭くことがお世辞にも上手いとは言えなかった。
髪を伸ばすようになった打ち止めや番外個体ら妹達の方が余程上手く拭くので、誰か知り合いが泊まっていく場合、想の髪を拭く役が美琴に回ることはまず無い。
そんな疑問が表情に出ていたのか、あらかた水気を取り終えたタオルを籠に放り込みながら美琴が得意げに笑う。


「どうよ?美琴さんの手並みも中々のもんでしょ?」


ドライヤーを当てると、想が「ふぁ〜」と気持ち良さそうに目を細める。


「正直、ぶきっちょクイーンのお姉さまには似つかわしくない手付きですねとミサカはドライヤーを冷風と温風を使い分けている細やかさに驚きをかくせません」

「ま、私が本気を出せばこんなもん朝飯前っていう ――― 」

「あーくんに教えてもらってたもんね〜」

「ちょ、想ちゃんシッ!」

「ああ〜〜彼の指導ですか……」

「もうね、アイツ容赦無いのよマジで……『十分拭いてねェのに何ドライヤーかましてやがンですかァ?ああァン?
 つーか至近距離からの温風ってナメてンのか!!想のキューティクル全滅させる気ですかァ美琴ちゃァン』って……もう…」


容易に目に浮かぶ。きっとスパルタ指導だったのだろう。
以前一度してもらったが、確かに一方通行の乾かし方の手並みは半端なかった。

631 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:50:33.77 ID:p2LfO51+0


「そして、さり気無く美琴呼びなんですね」
「ち、違うわよ。ああいう時だけ呼ぶのアイツは。からかう時か怒る時だけ」
「ふつかよいでねこんだときもあーくんプンプンだったね」
「想ちゃん、それ内緒だって!」
「あっ……うん、ないしょなの。お姉ちゃんもないしょね」

口の前に指を当てて、「しーっ」と想が上目遣いに御坂妹を見る。
その愛らしい仕草に、御坂妹はにっこりと、彼女にしては非常に珍しい笑みを浮かべる。

「ええ、妹達にしか言いませんから…」
「それ二千人以上に流布するっていってるようなもんじゃない!!」
「ついでに美琴呼びも流布しておきます、とミサカは未だに恥ずかしくて一方通行の家のお風呂に入れないお姉さまを生暖かい目で見つめます」
「うぇっ!?何でアンタそれ知ってるの?」
「いえ、有名ですよ。『アイツの入ったお湯なんだこれ……』とか、『アイツ今、私が浸かってたお湯に入ってるんだよね……ンンッ!!』
 とかなっちゃうんですか?とミサカは

「アンタ本当は20000号でしょ!?ねぇ、そうでしょ?」



                               ――… *** …――






「理后のヤツ……あそこまで俺のこと考えててくれたなんてな……」


しみじみとした口調で浜面が膝の上の理后の頭をそっと撫でてやる。
既に酒が回ったせいか、理后は微塵も起きる気配など見せずに心地良さ気に夫の膝枕で寝息を立てている。
一方通行は最後の焼き鳥を食べ終えると、部屋から持参したワインをグラスに注ぐ。既にビールはあらかた飲み尽くしてしまっていた。
浜面は注がれたワインを唇を湿らせる程度に飲む。


「テメェには出来過ぎた嫁だな」

「大丈夫だ、自覚はある」

「ていとくんネタはいい。コイツ結構心配してンだぞ?」

お茶を飲みながら時折理后の相談に乗るのは一方通行の役目だった。
本来は絹旗や麦野、美琴と親しいのだが、如何せん日中家に居るのは家で論文を書くことの多い一方通行くらいである。
専業主婦の理后と一方通行が親しくなるのは自然の流れかもしれない。
加えて、二人はよく料理を教えあったりもする。相談の一つや二つはしていてもおかしくはないと浜面は頭を擡げようとする嫉妬心を宥める。
そんな浜面を気にするでもなく、一方通行がふと視線がリビングの一点に留まる。
“それ”は手を少し伸ばせば届くところにあった。
しげしげと眺める一方通行の手にしたものを見て、浜面が懐かしいなと呟く。

632 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:51:45.78 ID:p2LfO51+0


「コレ…まだあったンだな」
「人気シリーズだから二年目突入してるんだよ」

一方通行が手にしたのは、ロボットの玩具。
学園都市の男の子を中心に人気のあるロボットアニメ、その主人公が乗るロボットの玩具であった。
アニメを忠実に再現しているというのが触れ込みだったと、浜面から聞いたことを思い出す。

「新機体に乗り換えもせずに戦い続ける昔気質のロボットアニメ。親としてもありがたいよ正直」

一個買えば暫くはもつしと続ける浜面。
一方通行は玩具の前、後ろ、更には逆さまにして眺めすかす。そして、ようやく目当ての部分を見つける。
僅かにロボットの肩のパーツ、背中側の見えずらい部分が欠けていた。その部分をそっと指でなぞる。


「……結局買い直さなかったのか」


一方通行の指でなぞる部分を目にして、浜面は彼がどうしてそれを手に取ったのかを理解した。


「………別に買い直すほどじゃねぇだろ」
「弁償するって言ったろ」
「いいって。それにあれはウチのチビも情けない話だろ」


                               ――… *** …――



それは一年以上前の話になる。

想を迎えに行った一方通行は、其処で軽い人だかりが出来ているのを目にした。
近付いてみれば、人だかりの中心には迎えにいく相手である少女がいた。傍らには友人の息子。
友人の息子はロボットの玩具を胸に抱き、少女は泣き腫らした目でもって気丈に相手を睨んでいた。
場違いにも、一方通行は怒った顔をするとますます母親そっくりだなと感心した。
少女達が睨みつけているのは泣き喚く男の子と、それを抱き寄せた母親の姿だった。
母親の方も、生意気に睨んでくる少女が気に入らなかったのか、大人気ない眼差しを向けている。そして何かを想に向けて言おうとした瞬間に、一方通行の姿を目にして、慌てて口を閉ざした。
一方通行は、少女の肩に手を置いてやっている絹旗に視線を向ける。彼女の視線は後で話すと物語っていた。
しかし、一方通行には詳しい事情を説明されずとも、大体の予想が付いていた。


「向こうのガキに怪我らしいモンが無かったのがまだ救いだったな」


事の顛末はこうだった。
想と浜面の息子は幼馴染ゆえに仲が良い。
泣き虫で気の弱い母親譲りの女顔の少年を、天真爛漫で愛らしい少女が振り回すという構図だ。
二人はいつものように絵本や画用紙を開いて遊んでいた。
普段と違ったのは、その日、男の子は父親に買ってもらった玩具を嬉しそうに女の子に見せていた。
そこに一人の男の子がちょっかいを掛けにきた。
理由としては、一つは男の子が持っている玩具が羨ましかったことである。
そしてもう一つ、此方が主な理由であるが、男の子は想がいつも同じ男の子と遊んでいるのが気に食わなかった。
男はいくつであろうとも可愛らしい女の子が好きである。
結局は、嫉妬であり、小さな子特有の好きな子に素直になれない性故に、ちょっかいは瞬く間に口げんかとなった。
ここまでは幼児の可愛らしいケンカで済んだのだが、そこからが問題となった。
633 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 00:59:40.58 ID:p2LfO51+0




『おまえのところさ、いっつも白いにいちゃんがくるよな』


『あーくんのこと?』


『パパじゃないのに、なんでむかえにくるんだよぉ』


『かんけいないもんそんなの!!あーくんは想のあーくんだもん!』


『な、なんだよ。ママがいってたぞ。パパじゃないのにいつもいっしょなんておかしいって』


『おかしくないもん!かぞくだからぜんぜのかしくないってママいってたもん!!』


『うっそだー!かぞくじゃないだろ。パパでもにいちゃんでもないないんだろ。ちがつながってなかったらかぞくじゃないんだってしらないのか〜』


『かぞくだもん!!あーくんとママと想はかぞくだもん!!』


『へっへっへ〜ママいってたぜ。みさかのママはいやらしいって。けっこんもしてないのにおとこのひとといるのはへんだって』


『へんじゃないもん。ママは想のママはいちばんだもん』


『じゃあ、へんなのは白いヤツだ〜』


『ちがうもん!!あーくんへんじゃないんだもん!!想のあーくんだもん!!ひどいこといわないでよ!!』



634 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 01:01:05.22 ID:p2LfO51+0


おそらく男の子の方は自分の言ってることの大半は理解出来ていなかったのだろう。
母親が言っている言葉を聞いていただけだ。しかし、言葉に一方通行や美琴を貶める内容が含まれていることは理解出来ただろう。
だからこそ、気を引くための意地悪の延長として男の子はそれを口にした。
この年頃の子供の記憶力はビデオで録画したかのように最早記録とさえ言えることがある。
故に、男の子の言葉は意味は理解出来ずとも、その言葉には大人特有のねっとりとした陰湿さが滲んでいた。
想は、それを感じ取れる程に敏い少女だった。大好きな母親と、そして『あーくん』が馬鹿にされたのだとすぐさま理解する。
母親譲りの気性 ――― 自分の事以上に、自分の大切な者を傷付けられ、馬鹿にされる事が許せないという少女の気性が脊髄反射のように行動に反映された。
少女は、手近なものを男の子に向けて投げつけた。
それは、幼馴染の少年が持っていた玩具。それが何かを確認するには、幼い少女は完全に頭に血が上っていた。


少女は敏く、そして賢い子だった。
しかし、それによって起こす自分の行動がどのような結果をもたらすかにまで思い巡らせるには幼過ぎた。


男の子は火が付いたように泣き出し、また、帰りの時間だったことが災いしたせいで人が群がるようになった。
子供は、時に周囲の反応を見て泣く度合いを測ることを無意識に行う。
有体に言ってしまえば、慰めてくれる人間、味方をしてくれる人間、構ってくれる人間、それらが周りに多いときほど、勢い良く、長い間泣き止もうとしない。
結局少年は母親が迎えに来るときまで泣き続けた。
事は、美琴が少年の家に謝りに行くことで収まった。というよりも収まらざるを得なかった。
少年側の母親にそもそも疚しい部分があることもだが、それだけならば『所詮は片親か』と居直ることも出来る。
問題は、その陰口を叩いた相手が、学園都市で最も名の知れた超能力者であるという点である。
世界規模で有数の学園都市の大学で研究に身を置いているレベル5。
社会的ステータスにおいても、そして、暴力という点においても少年の母親が居直ったところでどうこうなる相手ではなかった。



                               ――… *** …――





「つーかありゃあ、完全に向こうの母親の嫉妬が招いたことだろ」
「だろォな」

浜面はワインを一方通行のグラスと自分のグラスとに順に注ぐ。
言葉にしたことはないが、浜面は少し向こうの母親の気持ちがわかる。
学園都市では片親は珍しくも無い。置き去りという言葉が広く浸透する程であるから、今更片方がいないから何だという話になる。
学生が大半を占めるが故に、学生結婚や出産さえもざらである。
そのような環境だったからこそ、美琴は外部の同じ環境下にいる少女と比べて周囲の理解と協力を得て子供を産むことが出来たのだ。
しかし、一方で学園都市という環境がマイナスに働くこともある。
635 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 01:08:48.76 ID:p2LfO51+0



『超電磁砲』


学園都市のアイドル、口さがないものに言わせるとことの客寄せパンダであった少女は、その他のレベル5と比べて格段に有名だ。
勿論、それは常盤台時代が全盛期である。外部からの流入が増えている近年は、そうそう騒がれることはない。
しかし、それでも、彼女のステータスが変わることはない。
美貌、才能、そして社会的地位。それらを完備しているだけでも嫉妬を煽るというのに、傍らには中性的な美貌を持つ男が居るのだ。
退屈と倦怠感を持て余している主婦にとって、格好のゴシップの材料になるのも無理も無い。
そして、得てしてそのような人間は考えない。
嫉妬の対象となる人間もまた、傷つき、痛みを覚えるという単純なことに。
だからこそ、子供の前ですら、平気で心無い言葉を口に出してしまえるのだろう。



「ウチの息子も情けねぇよ。好きな女の子一人庇ってやれないんだからな。甘やかし過ぎたかな」


愛する少女の為に、たった一人、レベル5に立ち向かい、そして勝利を収めた男である。
どんなに勉強や運動がダメでも構わないが、好きな女の子の陰で泣くことだけは許せなかった。


「あの時は想が何も話さなかったからな」
「それはあの子がお前が傷つくってわかってるからだろ」
「チッ………ガキがくだらねェ気遣いしやがって……情けねェ……」
「情けないって、お前…優しい子じゃねぇか」
「情けねェのは俺だよ。そンな気ィ遣わせちまうくれェ頼りないのか」


そうではない。浜面は少女の心情を慮る。
きっと、幼いなりに少女はこの男を、その心を守ろうとしていたのだろう。
理后や絹旗がよく口にするが、この学園都市最強は、何処か母性を擽るのだという。
黄泉川や芳川といった大人の女だけではなく、まだ10代そこそこの少女らにさえそんな気持ちを与えるのだ。
幼い打ち止めでさえも、この男に対して時折母親のような眼差しを送っていたのを思い出す。



「なァ……浜面」

「うん?」

「やっぱりよ……父親ってのは必要なのか?」

「――― お前は十分過ぎる程父親役やれてると思うけど」

「役じゃねェ。父親そのものだよ」


それが本題か。浜面は一方通行が此処に来て、話したかったことをようやく理解する。
随分長い前置きだった。
喉を潤すべく自分のグラスにワインを注ぐと丁度空になった。


「一児の父親としてはいらねぇとは言えないよ。けど、必要なのか?そもそもアイツは……」

「わかってる……わかってるけどよ」



一方通行は空き瓶を脇に置いて、グラスを一気に煽る。



636 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 01:09:33.71 ID:p2LfO51+0




「結局浜面宅から戻りませんね、一方通行」

「そうよ、折角夕食作ってあげようって思ったのに」



想を寝かしつけた姉妹は同じ顔を突き合わせて酒を飲んでいた。
美琴の好きな赤ワイン。
御坂妹はテーブルに並んだメニューの数々を見る。
グラタンにガーリックトースト。
白身魚のムニエルにトマトのサラダパスタ。
一方通行ほどではないが、十分に上手いと言える。

「お姉さま気合入れすぎです……研究が終わったことを彼と祝いたいというのはわかりますがと、ミサカはお姉さまの年甲斐も無い乙女心を慮ります」

「年甲斐も無い言うな!!大体、乙女乙女って馬鹿にするけど、私は一児の母よ?大人の女なんだから」

「そうですね、上条当麻以来まったくエッチの経験もなく、そろそろ膜再生してんじゃね?とか妹達の間でまことしやかに噂になってますが、そうですね……って痛い痛い」

「ちょっとアンタ達の教育方針についてアイツと話し合わなくちゃいけなくなりそうね」

妹の顔を握り潰さんばかりに手に力を込める。
万力の如き握力に、妹の頭蓋が嫌な悲鳴を上げる。


「ギブギブですお姉さま」

「全くもう…」


本気で怒るつもりはなかったのか、すぐさま解放してやると、美琴は、使われる事のなかった、一人分の皿を見る。
自然と美琴の口から切なげな溜息が漏れた。


「お姉さまどうされましたか?」

「何かさぁ、アイツ最近どうも様子が変なのよね」

「変とは?」

「妙に思いつめた顔してるんだわ。今まで大体のことは話してくれたくせに、今回は何でもねェの一点張りだし…」


また溜息が一つ漏れる。
グロスの塗られた唇が艶やかに震える。
伏せられた瞳に幕のようにかかる睫が、そっと大人びた影を落とす。
その表情に御坂妹は何処か見覚えがあった。


そうだ、それは完全に ――――


637 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 01:10:54.32 ID:p2LfO51+0


「一つ質問したいのですが」

「何?」

「あの人は未だにお姉さまがあの人を好きなんだとでも思ってるのでしょうか?」

「……かもね。っていうか多分そうだわ」



変なところで女に幻想を抱いているあの男ならありえる話だ二人はそれぞれ同じことを思う。
美琴としては、上条当麻は既に過去でしかない。
それは、確かに初恋であり、想の父親であるが、それは今の生活にどうでも良いことだ。
夢があり、娘がいて、そして、支えてくれる者がいる。
時折、あの日の夢を見ては泣きながら目が覚めることもあるが、それはその頃の自分に感情移入して泣いてしまっているに過ぎない。
未練が夢という形となっているかもしれないが、少なくとも美琴としては「ああ、そういえばあったなそんな事」という程度の話だ。

おそらく、上条当麻についてきっちり考えることがあるとすれば、想が大きくなり父親の事について尋ねてきた時だろう。


「男ってどうして、いつまでも女が惚れてるもんだと思えるのかしら」

「同感です」



                               ――… *** …――





浜面宅を出て、一方通行は酔い覚ましに、エントランスを抜け、付近の公園に足を伸ばす。
今日は確か研究が一応の終了を迎えたという連絡を受けた。
妹と今頃飲んでいるのかもしれない。
自分の部屋ではなく、今日は彼女の部屋に居るはずだ。
本当は酔いを覚ましたらすぐさま向かおうと思ったが、気が付いたら公園のベンチに座っていた。
時計を見れば既に20分くらいそうやってぼうっとしていたようだ。
早く行こうかと思い、ふと携帯を手に取った。
アドレス帳をスクロールさせると、目的のアドレスで止まる。
一瞬の逡巡の後、一方通行はコールボタンを押す。

二回のコールの後で通話状態になる。


『もしもし?どうしたんですか一方通行?』


微かに上ずったような絹旗最愛の声が受話器から通る。
一方通行は、二、三口を開きかけては閉じるを繰り返す。微かな沈黙。


「なァ、絹旗」

『はい』

「いきなりこンな事聞くのはおかしいと思うかもしれねェが、答えて欲しい」

『………どうしたんですか?』


いつもの一方通行だったら、「答えろ」と有無を言わさないはずなのに。
そのことを内心疑問に思ったのだろう、絹旗の声に怪訝の色が浮かぶ。


「お前よ……両親に会いてェって思ったことあるか?」



638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/11(月) 01:21:08.55 ID:vRwUSLO80
そうか、もう御琴は吹っ切ってるのか
それなら今上条ちゃんとあっても大丈夫……かな?
一通さんが大丈夫じゃなさそうだけど
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:23:22.06 ID:WE46KEsMo
一番病んでる段階で一方さんに完膚なきまでに受け止められた上、その後ずっと傍で支えて貰ってたんだもんな
この話の一方さんマジ惚れる
640 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 01:26:39.03 ID:p2LfO51+0

唐突な質問だなと、一方通行は自嘲するように短く息を吐いた。
浜面の答えでは何が不服なのだろうか。
必要かもしれない。それは自分でもわかってる。
けれどもと、言葉を濁した浜面。上条当麻の事情を知る一人。
御坂想と滝壺理后を守るという目的の下、同じマンションに住む仲間の言葉だ。
それは何よりも一方通行の望む、或いは相応しい答えのはずだった。
けれども、踏ん切りが自分の中で付かないのだ。一体どうしたいのだろうか。

『正直昔は会ってぶち殺してやりたいって思ってましたよ』

置き去りと呼ばれる子供だった絹旗らしい答えだ。
苦笑が浮かぶ。
しかし、絹旗は続ける。

『でも今は少し違います』

「違う?」

『殺さない程度に超殴る前に、いえ、後でも良いですかね。話を聞いてみたいと思ってます ――― どうして私を超捨てたのか、と』

絹旗が短く息を吸う音がやけにはっきりと聞こえた。



『やっぱり実の親ですものね』

「 ―――― ッ ――― 」


『まぁ、私がそう思ってるだけで、向こうは話したくもないかもしれませんし。第一、生きてるかもわかりませんが……一方通行どうしましたか?』
「いや、何でもねェ。ありがとよ」
『あ、ちょ、一方通行どう ――― 』

絹旗の声を聞かずに電話を切った。
結局自分は躊躇していたのだ。
怖くて。
上条の事情などと言い訳をして、本当は怖かったのだ。
実の親という存在が。
けれども、自分が怖がっていることが理由になるのだろうか。



「ならねェよ……」


もしかしたら想は会いたいのかもしれない、実の父親に。
美琴も会いたいのかもしれない。
一緒に暮らすのは無理かもしれないが、何らかの方法で繋ぐことが出来るかもしれない。
本当の家族の絆を。
真に、不自由さや障害、そういった要素があって、完璧ではないにしろ、本当の家族の絆を作ってやれるなら、それに勝る幸福など無いのではないか。
自分の自己満足による世話など必要としない、本来の幸福を、美琴も想も手に出来るのではないだろうか。

だとすれば、そこに自分の執着や、恐れなど立ち入る要素など何処にあるのだろうか。


「そんなモン、まるっきりクソみてェなモンじゃねェか」


そう、有りはしない。あの母娘の幸せの障害にしかならないのならば、自分の躊躇など紙屑以下だ。


一方通行は立ち上がり、アドレスを再び開く。
掛ける相手は決まっている。
食えない男であるが、あの男の居場所を把握しているに違いない。



一方通行は笑おうとして、引きつるだけの自分の表情には気付いていなかった。

641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:26:55.70 ID:HmhpQwbJo
これは電磁通行の予感!
642 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/11(月) 01:27:24.43 ID:p2LfO51+0
以上で投下終了。わかってないことに定評のある男、一方通行のお話でした。
それではまた次回 ノシ
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/11(月) 01:29:49.09 ID:9w+Vv7CKo


この分かってない駄目っぷりが母性本能を擽ってしまうんだな
罪な男だ
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:30:09.92 ID:kNIGoMrH0
続きが気になって眠れないって垣根は垣根は言ってみたり!
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/11(月) 01:30:10.48 ID:7m53PHDUo


やっぱ一方さんどこか一歩線を引いてるというか負い目があったか
なんかこの一方さんって心のどこかで幸せになってはいけないって考えてそうというかああうまく言えん
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:31:45.43 ID:8UtcJZRIo
一方さんそれは、それだけはやっちゃダメや・・・
今現在ある生活が一番の幸せなんや・・・
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/11(月) 01:31:49.45 ID:vRwUSLO80
ま、ましゃかつっちーに連絡して上条さんと会わせる気か!?
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:32:01.12 ID:WE46KEsMo
乙乙
今度は美琴が支える側になってやって欲しいな
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:32:06.88 ID:xBWTDUrDO
乙、これで寝れる
美琴吹っ切れてんのか、すげーな。口では言ってても根深く残ってんのかと。
次の更新も楽しみだ。もんもん悩む一方さんを眺めていたい
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:32:30.36 ID:sytsCJPDO
想ちゃん経由で上条さんの名前呟きながら泣いてるって聞いちゃったからなぁ

まだ未練があるって一通さんが考えるのもやむを得ないわ
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/04/11(月) 01:33:53.38 ID:GpA4qRqMo
ホントに悪い意味でも上条さん化しているな、この一通は。

しかし結局男女関係の電磁通行になっちまうのか。
そういうの抜きな関係にキレイさだとか憧れとかを感じるのは
男姓的な願望なのかな。
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/11(月) 01:35:02.58 ID:Diak5AS0o
やっぱり周囲に馬鹿はいたか。
しょうがないと言えばしょうがないけどなぁ。

客観的に見れば、
学生で私生児出産
出入りする美形男は父親でない
実力の裏打ちされた超エリート
本人も美人

妬み買いまくるし、ゴシップネタも充分だわ。

そしてミサカ達は、個体数が激減したため、20000号成分比率が高まった予感w
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/11(月) 01:41:15.87 ID:B5SDAMNZ0

一番根深く残ってるのが一番当麻を叱咤激励した一方さんっていうね…


>みしゃかはお姉ちゃんにおとまりしてってほしいなっておねがいしてみる」
ある名前を叫びそうになった、同士作品とはいえスレチゴメン
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:43:06.28 ID:5J2Kl/ZIO
>>652
20000号がいなくなったら変態成分がウィルスのようにばら撒かれるんだろうな
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:46:08.98 ID:sytsCJPDO
変態な春厨や変態な姉御や変態なドMだと…
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 01:46:12.02 ID:2rKoXBYxo
一方さんは成長してもやっぱり一方さんで格好付けだよなぁ…
勝手に暴走しやがるんだこの馬鹿。好きだ
乙!
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/11(月) 02:15:19.02 ID:nRHwuWEmo
一方通行はハンプティ・ダンプティなんか。
他者のために生きる調停者としての人格しか見えてこないんよね。
父親を与えたいのでなく、父親になりたいとは思わないのかなあ。

……3Dスティックとかフリーダムすぎんだろ妹達。ほんとに同じ遺伝子なのかww
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/11(月) 02:56:33.06 ID:OOxMAUcx0
まぁ上条も美琴も二親が健在で、愛情もって育てられてるからな
両親の顔も知らない一方通行は、親子の関係に、幻想抱いてるのかもな
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 04:46:47.28 ID:7Fb84H1eo
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 05:19:51.18 ID:S07iE8x10
すまん。御坂を批判しすぎた。本当にごめんなさい。

その上で言いたいんだが、御坂と上条がくっつく事はもうこのssではないと思うが、やっぱり御坂と上条はあって話した方がいいと思う。

もし電磁通行になるのならなおさら 個人的には窒素通行の方が好きなんだが…
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 05:23:23.02 ID:7Fb84H1eo
そういう展開要望は要らない
そういう展開要望は要らない
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/11(月) 07:22:00.97 ID:6ouvw19U0
凸と凹は理想の形の一つ
引っかかるから崩れない
同じだからぴったりくっつく
それだけが正解って訳じゃないけど
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/11(月) 07:43:06.61 ID:PXpS8MZE0
自分が望む展開を御所望なら自分で書けばいい。
それか他スレの自分の好きなカップリングを書いてるところ行って○○通行やっぱ最高とか言ってるといいよ。

作者は構想だって練ってるだろうし、な
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/11(月) 09:03:06.45 ID:0OxrsqUSo

重症だな一方さん、上条にそげぶしてもらえ
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 09:35:02.60 ID:FuZpMI1DO
女はつえーなぁー……
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 09:56:33.63 ID:QDqutUuwo

事、恋愛ごとに関しては女の方が強いんだな・・・
しかし、今までの展開からてっきり2人とも完全には吹っ切ってないとばかり
そして、やっぱりあーくんも父親ではないという所に色々思う所はあったのね・・・
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/11(月) 12:29:16.21 ID:lEtjwjoAO
この一方さんは御坂親子の幸せが第一なんだな
そんで自分には幸せにする資格がないとか
考えちゃってんだろうなぁ
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 14:05:23.17 ID:2RGd0vNT0
格好いい所に痺れて、分かってない所にキュンキュン来る……これがギャップ萌えというやつか
669 :名無しNIPPER [sage]:2011/04/11(月) 15:05:07.36 ID:ak5p627DO
ただ実際問題御坂親子と上条さんを再開させたところで今さらどうすんの?って気がしないでもないなぁ。一緒に暮らせる訳でもないし、下手すると神浄の子供の存在が漏洩する危険もあるし……
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/11(月) 15:37:09.75 ID:swdjmBDZo
つっちーの気苦労とストレスで胃が荒れそうww
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 16:02:13.20 ID:m5LZvZOIO
つーか戸籍上での想の父親は誰になってんのかな?上条夫妻も知らないみたいだしどうもそこらが曖昧になってる気がする
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 16:07:16.45 ID:WE46KEsMo
嫉妬ややっかみの対象になってる美琴さんの父親不明の一人娘ってそりゃー陰口叩かれまくりだろうなぁって思うと想ちゃん切ない
それでもまっすぐ、且つ強く優しく育ってる所みるとよっぽど美琴も一方さんも子育て頑張ったんだなって思うわ
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/11(月) 18:50:03.83 ID:nRHwuWEmo
みんな見方感じ方が違ってておもしれーなー。
思いも寄らないのや思い至らないようなのがあってすげー。
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/11(月) 19:35:02.00 ID:bO5/Hbfl0
美琴も吹っ切れて、上条さんも幸福になって・・・悩んでるのは一方さんだけかー

ハッ、これはまさかの一方若ハゲフラgabbbbbbbb

ところで、想ちゃんの存在、及び父親をちゃんと知ってるのって
美琴、一方、土御門(兄)、妹達だけだっけ?
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/11(月) 20:34:03.89 ID:tXr4cmjjo
>>674
浜面も知っているはず。その他のアイテム勢は不明
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/04/11(月) 22:17:12.87 ID:62Ydf4Iho
一方通行を支えるのは超電磁砲だ
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 22:48:26.74 ID:VOJ6wsKL0
上条さんが一方通行をフルボッコなんて展開がありませんように・・・

そしたらこれから一生上条を許せそうにない
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 23:12:32.16 ID:Yr5Rv9Umo
>「男ってどうして、いつまでも女が惚れてるもんだと思えるのかしら」

>「同感です」

男としてはこのやりとりに大ダメージを受けざるを得ない……
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 23:18:25.17 ID:irOLXH0DO
>>678
>>1は女なの? 彼女いな=童=年齢 の俺にはわかりません
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 23:20:13.18 ID:pppX1qZIo
>>678
同意
覇王翔孔券を使わざるを得ない
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/12(火) 00:01:49.35 ID:jvJ3o9eJo
まー「男の恋は名前をつけて保存、女の恋は上書き保存」っていうし
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 07:50:02.33 ID:PtZblZpIO
>>681
しかもフォルダにブロックと保護をかけるからタチ悪い
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/12(火) 08:50:41.97 ID:KIwFxKGx0
俺、フォルダのサイズが0バイトなんだ……
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/12(火) 10:50:59.72 ID:cM3HeQaUo
毒男が紛れてるな、ここww
685 : ◆d85emWeMgI [sage]:2011/04/12(火) 20:17:42.86 ID:6WcbqriE0
性懲りも無く投下します。多分12時前くらいには出来ると思います。
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 20:41:05.29 ID:nUj3twjDO
フローリングの上に正座して待ってる
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/12(火) 22:06:49.02 ID:BRb+MIXXo
じゃあその周りを舞ってる
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/04/12(火) 22:08:11.87 ID:gyxdPRBfo
明日早いが頑張って起きてるお
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 23:14:42.65 ID:BmQAZXZDO
>>684
紛れてるって……俺はスタンダードではなかったのか……
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/12(火) 23:29:56.41 ID:vFW4Czxeo
一方さんがどうなってしまうのか気になって服も脱げない
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 23:35:07.01 ID:Pado3A/IO
>>690
ノーパンごしのジーパンの感触って、ゾクゾクするね!
692 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/12(火) 23:52:45.36 ID:6WcbqriE0
今から投下します。ヨロシクお付き合い下さいませ。
693 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/12(火) 23:53:58.53 ID:6WcbqriE0


息を弾ませながら女は青々とした芝生を歩いていく。

青々とした芝生の絨毯が徐々に薄紅色に染まり出す。
足を滑らさないように注意するあまり、俯きがちになっていた視線を上げると、目の前に飛び込んだ景色に感嘆の息を呑む。
毎年目にしているというのに、どうにも圧倒されるの。

視界一杯に広がる桜の並木。

途中強い風に吹き付けられ、咄嗟に手にした花束をしっかりと抱き締める。
風は瑞々しく、僅かに潮の香りを含んでいる。風が冷たいのは海が近いせいだろう。
並木の桜が潮風で散ってしまわないかが毎年この季節の一番の心配事であるが、どうやらそれは杞憂であるらしい。
この土地の管理者がしっかりと手入れをしているようだ。毎年見事な桜の花びらで丘は薄紅色に染まる。
大した斜面ではないというのに、息がすっかり上がってしまった。もう自分も若くはない。若いつもりでいるにしてもそろそろ限度がある。
桜色の春物のカーディガンを着ている姿はどう見ても海を眺める為に足を運んだお嬢様にしか見えない女は、そんな外見に反したことを思う。
確かに、彼女は事実決して若い少女などではない。
20代にしか見えないとお世辞抜きで言われるものの、孫を持つ友人がいる年齢であることは事実なのである。
女は息を整えながら徐々に視界に広がる海に、彼女の表情が明るくなる。

そこは海の見える小高い丘。

海の見えるその場所にはひっそりと立つ慰霊碑がある。


慰霊碑の前には既に先客がいた。肩膝を突き、ジッと慰霊碑を見ているようだ。
見覚えのある後姿に、女は小走りに駆け出した。
気配を感じ取ったのか、先客はゆっくりと立ち上がり、振り返る。

694 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/12(火) 23:55:08.31 ID:6WcbqriE0


「あーく〜〜ん!」


手を振りながら、大声で先客の名を呼ぶと、慰霊碑の前に立つ青年は困ったように、眉を寄せた。


「その呼び方は止めてくれ……」

「あら、いやだわ大人ぶって」

「だからもう大人だってンだよ」


青いゴムで縛った尻尾状の髪を指先で居心地悪げにいじる。


「うふふふふ、ゴメンなさいね」

「………フン…」


女はにっこりと、世間知らずのご令嬢のように無邪気な笑みを浮かべる。
彼女は青年の困ったようなその顔が好きだった。
白い髪は太陽の日を浴びてキラキラと輝いている。まるで絵画の天使のようだ。
『若くて美しい男は、それだけで価値がある』とは、彼女の友人が以前酔った時に口にした言葉である。
なるほどその通りかもしれない。手にした花束を慰霊碑の前に置くと、彼女の捧げた花以外何も無い事に気付く。
ちらりと青年を見上げれば、青年は鼻を鳴らして、海に視線を向けた。
どうやら今日、自分と彼は目的が違うようだ。少なくとも、彼は友人を悼む為にこの場にいるわけではないらしい。

そっと視線を慰霊碑に戻すと、女は刻まれた名を指でなぞる。
ひっそりとした小高い丘に立つ慰霊碑。
其処に刻まれている名の大半が外国人名であることが、この場所が人気の無い理由なのかもしれない。
名目上打ち立てられてはいるものの、所詮は知る者の名が刻まれては居ない慰霊碑。
足を運んだとしても、それは水平線を見渡せる丘からの眺めか、或いは、目も眩むような桜並木が目当てなのだろう。

「……その方がいいのだけれどね」

「何がだよ」

声に出して呟いていたらしい。
白い髪の青年が、怪訝そうに赤い瞳を細める。しかし、何処かその表情に気遣う色が浮かんでいるのを目にして、笑みが零れる。
優しい子だ。それを表わすのが下手なせいか、誤解されてしまうだけで。
女はかぶりを振る。

「ううん。大したことじゃないの。ただ、静かな方が落ち着けていいなって」

「……腰落ち着けるようなところじゃねェだろ……」

「そうね…ええ、そうよね。じっとしてても意味なんて無いものね」


女はもう一度指でなぞる。


「どれだけ思いを馳せても……当麻さんは生き返るわけじゃないものね」


慰霊碑に刻まれた、たった一人の彼女の息子の名を。
695 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/12(火) 23:56:21.14 ID:6WcbqriE0

上条詩菜は、顔に掛かった髪をかき上げる。一段と風が強く吹いてきたようだ。
詩菜の寂しげな笑みから、青年が目を逸らす。この女性が、彼はどうにも苦手だった。
嫌いであるわけではない。寧ろその逆と言える。
記憶の中に輪郭すらあやふやな母親の姿の上から上書きしていた何時のころかに抱いていた幻想。
こんな母親がいたらという、幼い日に彼が抱いた姿に似た詩菜であるからこそ、寂しく笑う彼女を前にどうすれば良いのかわからなくなる。

「あーくんは優しいのね」
「はァ?」

しゃがみこんだまま、慰霊碑から視線を逸らさずに、詩菜が独り言のように呟く。

「毎年私が此処に来るたびにどうにかして元気付けようとしてくれてるでしょ?」

悪戯めいた瞳が、青年、一方通行を見つめた。

「……別に…」

口を尖らせて、ようやくそれだけ返す青年に、くすりと詩菜は笑う。
亡き息子の友人だったというこの青年が詩菜は好きだ。
年頃の娘が彼を見た時に抱くような好意では当然無い。息子ほど離れた男に今更ときめくことなど皆無と言えば嘘になるが、滅多にあるものではない。
顔立ちの美しい青年だが、詩菜は寧ろ、この目の前の学園都市最強の悪魔を可愛いと感じる。
今のように時折見せる彼の年相応のぶっきらぼうさや、時として、年不相応に幼い表情が好きだった。
そして、この青年は息子の当麻に似ているところがある。
それは強さであったり、優しさであったり、それから、少しばかり感情の機微に疎いところだ。

――― 人の好意に。




                   ―…***…―





「さてと、そろそろ帰ろうかしら」

此処に来て当麻を偲ぶ時間が減ったな、と詩菜がふと思ったのは腕時計の文字盤が目に入ったから。

慰霊碑の前に座ってから、時間は30分を過ぎたところであった。
以前であれば、気が付けば二時間が経っていた、などということもざらだったのに。

696 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/12(火) 23:57:04.03 ID:6WcbqriE0

風が冷たくなってきた。空を見上げれば抜けるような青空。
天気はすこぶる良い。ただ、気温だけが、忘れ物のように残っていた冬の訪れのように場違いに冷たい。
身体を抱くように腕組みをしてから、詩菜は足元の影に気付いた。
見上げれば、一方通行が詩菜の側に何食わぬ顔をして立っている。一歩、彼から離れるように踏み出すと、途端に肌を刺す寒気が増す。
足を止めて、もう一度青年を見上げれば、やはり彼は遠い目で海を見つめている。しかし、詩菜は気付く。
自分が慰霊碑の前で物思いに耽っている間、ずっと風除けになっていてくれたのだと。

二人は、丘を降りるべく、どちらからともなく歩き出した。
途中、黒い衣装に身を包んだ年若い神父が歩いてくる。日本人だ。
神父は詩菜を見ると微かに眉を寄せてからぺこりと会釈をする。慰霊碑に思い当たったのだろう。詩菜も会釈で返す。
慰霊碑の方へと歩く神父の姿を見てから、ふと思った。
息子を偲ぶ時間が減ったのは気のせいではない。


当麻が死んでも、自分の世界は存在し続ける。
日々は続き、新しい出会いや別れ、そして大切な繋がりは生まれる。
息子が死に、息子の恋人だった少女が父の知れぬ子を産んだ。
愛らしい、見ているだけで蕩けてしまうような女の子だ。
父親は、詩菜は息子だったのではないかと内心思っているが、本人が口にしないことを根掘り葉掘り尋ねるつもりはなかった。
息子の友人だという青年は、息子と違ってまるで警戒心に凝り固まった猫のような青年で、どこか放っておけない子であった。
少女の母、詩菜の友人のお気に入りで、実の娘よりも話題に上るのは彼なのだとすぐに理解した。
新しく生まれた繋がりは、詩菜から過去を偲び泣く時間を少しずつ奪い、代わりに今の時を楽しむことを与えた。
その事に、詩菜は罪悪感を抱く事もある。
しかし、それをくよくよ悩むほど、彼女は若く、清廉な人間ではない。


詩菜は一方通行の腕に、自分の腕を絡める。


「オイッ!?」
「いいじゃない。オバサンも若い子と時にはスキンシップを取りたくなるの」
「美鈴さンだろォがそういうキャラは」
「気にしない、気にしない」


舌打ちをしつつも、一方通行は腕を振り払わない。
半ば強引に腕を確保した詩菜は白ずくめの青年と桜並木を歩く。何となく、学生だった頃を思い出した。
初恋の人、初めて付き合った人と、こうして桜の木の下を歩いたのだ。
697 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/12(火) 23:58:15.67 ID:6WcbqriE0
結局あの頃はいっしょに登下校をするだけで付き合うということの意味すらわからない子供だったのだが。
何故そんな事を思い出したのだろうかと、隣の、頭一つ背の高い青年を見上げる。
照れくさそうに、そして、何処か嬉しそうに頬を染める青年。その表情に理由がわかった。
触れられている腕から伝わる緊張。初々しく微笑ましい一方通行の表情が、彼女の心を刹那、昔日の思い出に飛ばした。
勿論、朱色に染まった頬を見て、自分に気があるのではないかという期待など特に無い。
彼の生い立ちを知っているだけに、紅潮した頬の訳もわかる。


息子の友達は、想像以上に息子に似ており、詩菜は時折こうしてからかってみたりする。

からかうだけが目的ではない。見上げねばならないくらいに成長した息子とこうして歩くことなど詩菜には出来なかった。
学園都市に移り、少年から青年へと変わる頃にはこうして穏やかに二人で歩けるような平穏はやってこなかった。
詳しくはわからないが、何か大きな揉め事に巻き込まれ続けていた息子は、結局、そのまま大学へと進み、そして帰らぬ人となった。


彼はこうして母親と歩いたことがあるのだろうか。
詩菜は杖を器用に突いて、あわせる必要の無い歩調の青年の横顔をじっと見上げる。


「着いたぜ」


ぶっきらぼうな口調とは裏腹に、ハスキーボイスが穏やかに響く。
丘の入り口まで、二人は気が付けば降りていた。
石段を降りた先に広がる小さな駐車場には、二三台と点在する車。
その内の一台の前には、冴えない風貌の男が車のドアに寄りかかり、僅かに背筋を丸めて立っている。
吹き付ける風に、身を縮めて、それでも男が待つのは自分だろう。
夫の少し情けなくも、人の好い姿にほわりと相好を崩すと、一方通行に視線を戻す。


「ありがとう、あーくん。そうだ、あーくんも乗っていく?車じゃなかったらだけど」


そう言って、駐車場の刀夜を指さす。
一方通行はゆるゆると首を振ると、丘を見上げた。


「折角の申し出だけどよ、もう少し俺は此処にいるわ」

「そうなの。折角だからお昼一緒にどうかなって思ったのに」

「それは…まァ、また機会がありゃァな」


そう言っても、この青年から誘ってくることはない。
此方が呼んでようやく来るのだ。彼はいつもそうだ。
詩菜の目が、一方通行の髪、その上の空へと向けられる。
潮風に乗った桜の花びらがシャワーのように舞い散る中、白銀の髪に、薄桃色の花びらが折り重なる。
そのたびに、詩菜の目にそれらは季節はずれの雪のように映った。


「あーくんの髪の毛…ホントに綺麗なのね」


そっと手が伸びた。
猫のように柔らかな毛に指先が触れると、一方通行の身体が僅かに強張るのがわかった。
それは微かな変化だったが、詩菜はそれを見逃さない。見逃さない上で、気付かぬフリをする。


「ほら、逃げないの。花びらが絡まっちゃってるわよ」
「あァ ――― うぅ」


言葉になりきらない声が、短く漏れる。
小さく笑って詩菜は花びらを優しく払ってやる。

698 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/12(火) 23:58:52.77 ID:6WcbqriE0


「どォも」


子供のようなお礼の言葉に、詩菜はまたしても笑ってしまう。
一方通行は拗ねたように瞳を伏せる。



「それじゃ、刀夜さん待たせてるから行くわね」

「ああ」

「今度は想ちゃんと一緒に遊びに来てね。ああ、絶対想ちゃんも連れてきてね。着せてあげたいお洋服が沢山あるの」

「あんまり甘やかさないでくれよ。貰い癖が付く」

「大丈夫よ。それくらいちゃんとあの子はわかるわよ」

「どォだか」


相変わらず素直じゃない言葉を吐く。
呆れてしまうが、幼い少女を誰よりも慈しみ、可愛がっているのは彼だ。
それを認めることが照れくさいのだろうか。


「じゃあね、あーくん」


手を振って、石段を降りて行く。
駐車場と車の丁度中ほどまで歩いて、もう一度振り返る。
一方通行は唇の端を微かに和らげ、小さく手を振っていた。
既に小さくなった青年の表情まで見ることはかなわない。その表情が柔らかいと思ったのは、詩菜の想像でしかない。
けれども、それは確信にも似ている。優しくて、不器用な青年だ。
一方通行は、背を向けると再び石段を上り始めた。
その背は力強いはずなのに、何処か脆い。
あの青年が守ろうとしているものが、詩菜には何となくわかる。
きっと息子の残していったものだということが。
あの華奢な背に背負っているものの大きさを、彼女はおぼろげにではあるが把握している。
当麻に似ている。強さと、優しさと、不器用さがとても似ている。
二人目の息子のようにすら思っている。
六年の付き合い。その年月がたったなのか、もうなのかわからない。
けれどもその中でわかったことがある。
彼は、当麻にとても似ている反面、正反対だということだ。



大樹のように、しっかりと根付き、そして決して崩れない強さを生まれながらの才能のように持っていた息子。

それとは正反対の強さ。固く、美しく、鋭く、そして脆い。ガラスで出来た刃のような強さ。それが一方通行と呼ばれている男の子の強さだ。







                   ―…***…―







『ねぇ、猫って飼ったことあります?』



699 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/12(火) 23:59:45.92 ID:6WcbqriE0

いつかの酒の席で、酒気に染まった顔で美鈴がぽつりと呟いた言葉だ。
いいえ、無いわね。そう答えた。当麻が自分の右手が招き寄せる不幸を気にしてペットを飼いたがらなかったのだ。
美鈴は「当麻君らしい」と言って、喉を震わせて小さく笑っていた。彼女は孫娘の父親を余り気にしている素振りを見せない。
ただ、お気に入りの白い青年が孫娘を可愛がってくれていることに感謝をしているのは知っていた。

『ウチはね、美琴ちゃんが動物大好きで。私も大好きだから、よく野良猫とか拾って来てたんですよ。あの頃は能力なんてなかったから、静電気で寄り付かないってこともなかったし』

美鈴は、グラスに注がれた小さく揺れる琥珀色を見つめながら、長く優美な睫を微かに瞬かせた。

『猫……っていうか、猫に限った話じゃないんだけど、人に叩かれて育った猫ってね、撫で様とすると耳を横にするんですよ』

イカみたいにね、そう言って美鈴は両手を頭の上でパタパタと耳に見立てる。
子供染みた仕草に、つられて笑った。

『頭の上に手が来れば叩かれると思って身体を固くして。大声で呼べば怒鳴られると思って震える。抱き上げようとするとパニックになって引っ掻く。
餌が目の前に置かれても、どうせ取られちゃうんだって、警戒しまくりで………』

美鈴は目を細めた。
琥珀色の先に何が見えているのだろうか。




                   ―…***…―




一方通行を見ていると、あの華奢な背中を見ていると、詩菜はいつも泣きたくなる。
怒られるのを待っている子供のような目をする。
申し訳なさと、寂しさを湛えた子供の目だ。


頼ってもいいのよ。

甘えてもいいのよ。

泣いてもいいのよ。


そう思っても、かけてあげたい言葉は全て上滑りしていく。
きっとあの子は聞き入れはしない。


折れて砕け散った己の姿を見ても、きっとそンなモンだろと鼻で笑ってしまうのだろう。

まるで他人事のように自分自身の残骸を軽蔑の眼差しで見下ろして。


700 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/13(水) 00:00:26.52 ID:V/wqmGvC0







『きっと……あの子は自分が撫でられるなんて考えたこともないんだろうな……』







701 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/13(水) 00:01:43.03 ID:V/wqmGvC0


                   ―…***…―







上条詩菜を送ってから一方通行は再び慰霊碑の方へと向かっていた。
数ヶ月ぶりに会う詩菜は相変わらず年齢という概念をどこかに置き去りにしたような容姿をしていた。
御坂美鈴もかなりのものだが、詩菜に至っては最早若作りというレベルを超えていた。
からかい混じりに腕を組まれても、振り払うことは出来なかった。
想とも、美琴とも絹旗とも違う香り。甘くて何処か安心する香り。
いつもあの笑顔を向けられると抵抗するべき反抗の言葉は全て解けて消えてしまう。
これではいけないと一方通行はその度に自分に言い聞かせる。
居心地の良さに甘えてはいけない。暫定的に自分がいるに過ぎない場所だ。
そして、同時に思う。会うたびに、詩菜は何処かに影がある。自分を見る目に何か憂いが見え隠れする。

それを、一方通行は亡き息子への母親の愁えだと感じ取る。

そして、その度に、やり場の無い怒りが込み上げる。

あんな母親に。幼い頃思い描いていた姿そのままのような、自分が欲しくて仕方が無かった母親にあんな顔をさせる男への怒りだ。
あの愁えた顔を見る度に、思い知らされる。捨てたものの重さを。
今まで、捨てることの重さが一方通行にはわかっていなかった。


捨てる程何かを手にしていたことが無かったから。


慰霊碑が見えた。
その前には、一人の男が佇む。
先ほど擦れ違った神父だ。
彼は何かを確認するように、慰霊碑をじっと見下ろしていた。


その背後の、二メートルも離れていない場所で立ち止まる。




「墓参りか?」

「ええ、知り合いの」

「生憎そこには何もねェぞ」

「知ってますよ」


神父の声に、微かに自嘲の響きが混じる。

702 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/13(水) 00:03:11.54 ID:V/wqmGvC0

「知り合いってなァどンなヤツだ」

「どう……救いようの無い馬鹿な男ですね」

「奇遇じゃねェか。俺の知り合いもそォなンだわ。……もっとも馬鹿さ加減じゃ俺の方が重症だけどな」

「そんなことはないでしょう」

「あるンだよ。なンせ、今更テメェで後押しした結末にいちゃもん付けようってしてンだからな」

「それは…」


神父の声に、僅かな困惑が生じる。
一方通行はゆっくりとチョーカーに指を伸ばす。


「で、いつまでその気持ち悪ィ喋りかた続けやがンだ……なァ、オイ ―――― 上条」

「………いつから気付いてたんだよ……」

「最初からだよ。土御門にな」

「………アイツ……」


神父が右手で顔を覆う。
嘆いているようにも、辟易しているようにも見える仕草。
枯れ枝を圧し折ったような音が何処かから響いた。まるで何かを砕いたような音だ。
それが一体何なのか、具体的にはわからずとも、誰が行ったのかは一方通行にはわかっていた。
若い神父がゆっくりと振り返る。



「久しぶりだな、一方通行」




上条当麻が六年ぶりに会う友人に口にしたのは実にありきたりな言葉であった。

かちりと、プラスチックの乾いた音が潮騒に絡め取られた。









703 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/13(水) 00:04:33.92 ID:V/wqmGvC0
以上で今回の投下終了。
インちゃんと詩菜さんは何か似てると思うので、一方さんは当然弱いですよというお話。
次回は苦手な戦闘描写です。

それではまた ノシ
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/13(水) 00:06:06.83 ID:9nbdjACVo
あー、自分の中で思ってた一方のイメージが凄いハッキリ言葉にされた感じだ
そうだよなぁ、撫でられるなんて想像すらしたことも無いんだろうな

そしてついに上条との再会か・・・乙!
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/13(水) 00:16:35.78 ID:cqP7yGOro
戦闘……だと……

一方さん、きっちり言わしたってください。
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 00:25:19.18 ID:yM2HkQTG0
>>1乙!

神浄討魔、もとい上条当麻をぶちのめせ一方通行ァァァァァァァァアアアアアアアアア!

707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 00:26:10.96 ID:WygaNahgo

ああ・・・ついに再会してしまったか・・・
自分が捨てた親をどんな思いで見てたんだろうな・・・
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/13(水) 00:32:18.69 ID:cKNLEZ0/0
申し訳なさと、寂しさを湛えた子供の目……
確かにヒュンケルにも通ずるところはあるよなぁ……
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 00:43:19.41 ID:ZHRii/Vk0
上条vs一方通行か…

上条は娘のことにたいして一方通行が言ったようにいちゃもんつけようとしてるのか?
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/13(水) 01:00:56.86 ID:ExIp7DFDo
今回もおもしろすぎて次回が楽しみすぎる
乙!
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/13(水) 01:15:10.51 ID:HHsETzP/o
生殺しにも程がある…
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2011/04/13(水) 01:20:58.87 ID:lTmiLgWX0
>>709
よく読め
一方さんのほうがいちゃもん付けようとしてるってことだ
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 01:31:59.07 ID:fSBixK6Qo
>>706
もう既に上条さんはあんだけボコボコにされたんだから充分だろ。
これ以上やったら一方さんの手が汚れちゃうじゃん。
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 02:21:56.18 ID:ZHRii/Vk0
>>712
すまん。
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/13(水) 07:17:26.81 ID:8e6aGU69o
詩菜さん出すとか卑怯にもほどがあるんだぜ
目から未元物質が止まらない件

それにしても、そういえばこの>>1が書く一方通行って、かっこいいのと同時に駄目な男なところにも定評があるんだったなあ
マダオあーくんかわいいよ、マダオあーくん
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/13(水) 08:03:54.07 ID:uj7eu0Ldo

上条、一方さんをそげぶって吹っ切らせてあげてくれ
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/13(水) 08:21:32.01 ID:db/4ietMo
ようやく本能の人・唯一事を成し遂げた人の出番かー。
どんな言葉が出てくるのか楽しみだ。
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 18:34:37.31 ID:gkYz/v1IO
ついに上条さんが語るのか、楽しみだな。
それぞれの正義を貫いた六年の結論は何なんだろうな。
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2011/04/13(水) 19:41:22.32 ID:KEwbytvK0
源平討魔伝ってあったよな。
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 20:47:05.07 ID:OVfmXz2IO
一方さんを可哀想な人にしすぎだなあ。めちゃくちゃ幸せじゃねーか
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/13(水) 20:55:03.03 ID:9nbdjACVo
20巻みたくまたそげぶされるんだろうか一方さん
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 21:07:02.85 ID:R1QtL6+8o
この一方さんには負けて欲しくないなぁ
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 21:42:26.92 ID:bLVOwKWDO
神浄をぶん殴ってやってください一方さん。やるせなさすぎるわ
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 22:22:05.75 ID:3uHOFMiDO
この神浄(笑)に説教なんかする資格があるかw
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/13(水) 22:36:19.92 ID:S6bVghcAO
これは単に一方さんの八つ当たりみたいなもんだろ
自分で後押ししといていちゃもんつけるんだし
726 : ◆d85emWeMgI [sage]:2011/04/13(水) 22:40:16.34 ID:6wvDOm700
ぼんやりとした予定ですが、上条編⇒小話(軍覇×ねーちんとか)⇒上インED後から娘生まれるまで⇒日常編⇒エピローグの予定です。

出来たら明日投下したいと思ってますので、それでは ノシ
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 22:46:09.30 ID:fSBixK6Qo
あ、明日・・・・・・だと。
明日は仕事なのだ!

超楽しみにしてる!
でも無理すんなよ!
728 :暇人 :2011/04/13(水) 23:11:16.45 ID:pi1Mj80k0
ファイト!
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/13(水) 23:21:24.34 ID:nkW3VnzAO
一方さんをそげぶするのは上条より美琴がいいと思ってみたり
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2011/04/13(水) 23:25:27.91 ID:KEwbytvK0
まさかのソギー×ねーちんwwww
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/13(水) 23:48:37.35 ID:/CwKCaRw0
ま さ か の 小 話 化
先進的すぎるだろこの>>1…だがそれがry
>上インED後から娘生まれるまで
過去編の美琴が想を生む時の話か
一瞬上条とインの間に娘が生まれるのかと思ってしまった
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 00:10:17.56 ID:YUR5gk2uo
おお、向こうの都築か!
これは期待せざるをえない
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/14(木) 01:21:42.72 ID:PDZgm411o
本編であるところの日常編がしっかりと予定に組み込まれていることに安心した
日常編だけで何スレ書いていただこうかデュフフ
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 02:03:44.76 ID:whYGhGjDO
一方さんが妹達を助けるための研究過程も読んでみたひ
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 02:52:53.89 ID:6Ty5b2XMo
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/04/14(木) 03:37:25.31 ID:bIAmU+kBo
>>731
6年経ってるんだから子供くらいいても良いような気もするが
まあ立場上難しいんかもしれんが
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 04:01:04.35 ID:tjuzvcCro
>>736
立場上難しいなんてレベルじゃないでしょ
上条とインデックスは、ただ一緒に居ることだけはできるって感じだと思うよ
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/14(木) 07:14:20.11 ID:rwlR25j8o
>>725
一方さんが上条ボコった時とは逆で、馬鹿なことするの一方だしな

>>737
つか、子供持つ自体はおkでも、次代の禁書目録にされるとか魔術側に利用しつくされる危険性あるし
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/14(木) 08:59:18.51 ID:BMhQr3J/0
上条戦を偶然見かけた想ちゃんが、一方さんを怖がるようになる……という鬱展開が脳裏をよぎった。
ないよな、ないよな? 心配しなくていいよな?
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/14(木) 09:14:44.24 ID:tc+4FicIo
神職にある人は男女問わず姦淫不可だぜ。
神に身を捧げ一世限りでその生を終えるもんだ。
だからこそ上条側と一方通行側の対比が際立つんだと思うんだけどな。
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/14(木) 10:07:08.97 ID:rwlR25j8o
>>740
最近はそうでもない
神に身を捧げ一世限りでその生を終えるとかファンタジーの世界ぐらいですよ?
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/14(木) 10:53:06.95 ID:jDWbhSwAO
ファンタジーだし神職以上に清廉さを求められる立場にいるのが今の上条さんだがな
神上というならそれこそキリストクラスの清廉さを求められるんじゃないの
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/14(木) 11:01:15.64 ID:tc+4FicIo
スレチになっちゃうんで雑談スレに返事とか書くよ。
付き合ってくれるなら来て欲しい。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294926897/
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/04/14(木) 11:51:20.11 ID:iJthfSiAO
>>739
そのまさかを想像してしまった…
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/14(木) 12:17:53.93 ID:I1nEDDsBo
上条「そげぶ!」
想「あーくんに何やってくれてンだァ!?」

こんな感じか
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 12:23:30.19 ID:b71OY5nIO
>>745
それのあと10行超えの説教かましてもう一発そげぶの流れですね
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/14(木) 16:13:36.17 ID:CbnrQCPbo
>>746
そげぶ率200%が何たらかんたら
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/14(木) 18:40:38.54 ID:+fxnFJMpo
>>740
セックルOK帯妻OKの宗教は古今東西沢山あるよん?
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 18:54:22.91 ID:S4K+7Ms8o
十字清教の元ネタのカトリックは未だに妻帯Okじゃない宗教だな
プロテスタントの方は聖職者でも妻帯OKだが
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/14(木) 19:50:17.22 ID:rwlR25j8o
>>749
一方、イギリス清教の元ネタの英国国教会は、聖職者の婚姻どころか近年、条件付ながら同性婚も認めてしもうたのであったww
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/14(木) 19:54:25.58 ID:xIR4Yvuno
どォでもいい
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 20:16:49.63 ID:S4K+7Ms8o
まあ気にせず子供作っちゃうか、禁断の愛的な感じにするかは作者次第って事で好きなようにやって欲しい
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 20:28:38.08 ID:mW6DBAIDO
何ここ臭ぇ

黙って待てないのかよ
754 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/14(木) 21:57:30.19 ID:NJHUNrl80
多分12時までには投下できます。戦闘描写下手すぎて泣きたいです。
主題は戦いではないので、あっさり済みます。それではまた後で ノシ
755 :暇人 :2011/04/14(木) 22:27:06.80 ID:jQ/t2Dzd0
ワカリヤシタァ
756 :暇人 :2011/04/14(木) 22:27:46.38 ID:jQ/t2Dzd0
ワカリヤシタァ
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/04/14(木) 22:37:49.87 ID:2y9OeDjco
ワカリヤシタァ
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 22:55:23.05 ID:UCOzVhlDO
>>753
みんな黙ってるSSなんて面白くもないだろ
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/14(木) 23:08:45.52 ID:nv2CMPAAO
>>758
vipでやれ
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 23:10:59.78 ID:mW6DBAIDO
>>758
雑談で埋まってるのが楽しいわけねーだろ

気持ち悪い馴れ合いなら他でやれ
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/14(木) 23:16:59.69 ID:/DnVAytUo
12時までに投下するって言ってんだから、せめて今は黙ってろ。
双方共だ
762 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:00:27.28 ID:lmipHdUU0
今から投下します。詰め込み過ぎ感否めなし。
763 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:06:45.32 ID:lmipHdUU0


チョーカーに手を当てたことで、上条の顔に警戒の色が浮かぶ。
その行為が何を意味するのか、それを十分過ぎる程熟知しているからだ。
目の前の華奢な青年を、学園都市最強の怪物へと変えるスイッチであると。
羽織っていたコートに、上条はゆっくりと手をかけた。
しかし、一方通行は杖を収納した手甲を軽く撫でながら、世間話を切り出すように視線を海へ向ける。



「なァ…御坂、御坂を覚えてるか?」

「…御坂…?」

「ああ、御坂美琴だ」



コートに手を掛けた拍子に上条の左手の袖がめくれる。
七分袖から覗く左腕に無数に刻まれた傷。
一方通行は一瞥するだけで納得する。
それは上条が戦い続けていたということを意味していた。
あの日、自分が送り出したこの男は確かに言葉を違えることなく、あの白い少女の為に命を懸けてきたのだろう。
満足感にも似た思いを抱きながら、一方でこみ上げる苛立ちに気づく。



「覚えてるに決まってるだろう?付き合ってた恋人の事を忘れる男なんていねぇよ」

「そして、テメェが捨てた女だ」



煙草を持ってくれば良かった。


一方通行は小さな後悔をした。
こんな話、煙草でも吸いながらでないとやっていられない。
苛立ちをぶつける道具がなければ、こんな胸糞の悪い話。



「それは…」
「いや、その事はもういい。どうにもならねェことだ。第一テメェらの問題だ、俺に言う資格もねェ」


コートに掛けたままの手を持て余していた上条は、そのままコートを脱ぎ去った。
一方通行の言葉のどこかに不穏な気配を覚えたからだろうか。


「けどな…一つ、テメェが知らねェ…知っておかなきゃならねェことがある」



これを言う資格は有る、けれども言うべきではない。
そんな事一方通行はわかっていた。
けれども、言わずにはおれない。
それによって、この六年間積み重ねてきたモノが崩れることになっても。


―――― やっぱり煙草を持ってくれば良かった。



一瞬、脳裏に場違いな後悔がよぎった。


764 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:08:35.71 ID:lmipHdUU0


「アイツはな…テメェがイギリスに渡った後だったかな、妹の奴が電話してきてよ、わざわざ研究室にだぜ?
 『お姉さまが最近ずっと吐いてばかりいるどうしたらいいのかわからない』って電話口で泣きやがるンだ。
 あのクローンが俺なンざを頼るなンて余程のことだ。調べたらアイツは妊娠してた」

「子供…」

「ああ…父親は?なンてトンマな質問するなよ?わかってンだろ」


心当たりならあった。

頻繁に美琴と性交渉を行いはしなかったが、つきあい始めた頃、自暴自棄であった自分はずいぶんと勢いでその行為に耽っていた。
思い返すだにあまりの短慮さに怒りがこみ上げたものだが、上条にはそれが原因だと既にわかっていた。



「ああ…」

「この前の誕生日…五歳になった。アイツに…お前には打ち止めの方がイメージしやすいか?結構似てるンだぜ」



クローンではないから、そっくりだとは言えないがと小さく付け加えた。



「女の子か…可愛いんだろうな、御坂の娘なら」

「…甘ったれで手を焼いてる」


くくくっと一方通行は笑った。



一方通行の脳裏には、この五年間もっとも大切に守ってきた少女の顔が浮かぶ。
美琴や打ち止めに比べて少し垂れ目がちの、甘えん坊の顔。
下がり眉のせいで、少し困ったように見える子犬のような少女。
待ってろよ、と小さく心の中でつぶやいた。

 ――― もうすぐ本物の親父に会わせてやるからな。



「上条」



一方通行は上条をまっすぐに見つめるとゆっくりと膝を付く。


地に手を付け深く頭を下げた。



「頼む。アイツ等に会ってやってくれ。一緒に暮らしてほしいだとか言うつもりはねェ…ただ、会って、アイツ等を抱きしめてやってくれ…
 突然何ほざいてやがるって思ってるかもしれねェけどよ、けどよ、本当にアイツ等に必要なのはお前のはずなンだよ。偽物なンかじゃねェ…」


頼むと、一方通行がこれほど下げたことがあったであろうかというまでに深く頭を垂れた。

真っ直ぐな言葉に、彼の真っ直ぐな心が込められていることが、対峙する上条にはわかった。


765 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:10:00.20 ID:lmipHdUU0


「……悪い。それは出来ない」


その上で、上条は…神浄はその真摯な願いを切り捨てた。


「理由は…言わなくてもわかってるだろう?」

言い訳をしないことが、上条にとってのせめてもの返礼であった。

「くっ…」

頭を下げたまま、一方通行の口から小さな声が漏れた。
それは悔しさを込めたものではない。

「くく…くくかかかかか…」


皮肉と自嘲の結露。
ややハスキーな、高い哄笑知らず知らず一方通行から漏れた。

「だよなァ…きひゃはははははははははは」


本当はさほど期待はしていなかった。

「テメェの頑固さは骨身に沁みてわかってるよ。テメェなら断るってな」

互いに背負っているもの、取り巻く環境、流れていった時間、そして住んでいる世界そのもの、
すべてが二度と交わらぬ本流と傍流のように分かれている。


「ああ…わかってたンだよ」

それでも聞きたかったのだ、たった一言「会わせて欲しい」と。
あの母娘の存在が、上条の積み重ねてきた覚悟を揺るがすのを確かめたかったのだ。


「わかってたのになァ…」

陽炎のように、白い影を靡かせるように立ち上がる。


上条がゆっくりと両足を肩幅に広げた。
それを見て、一方通行の口の端がつり上がる。
前傾気味に姿勢を変えながら、一方通行は何処か冷静に自分の行動にあきれる。
きっと上条にはいい迷惑だろうと。

それでも思い知らせてやりたい。

お前がみすみす捨ててしまったのは、こんなにも綺麗なものだったのだと、思い知らせてやりたいと、何処かで思っていたのかもしれない。


「一方通行…」

「だがな。それで納得なンざ出来ねェンだよ!!」




766 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:12:29.35 ID:lmipHdUU0



                   ―…***…―




「お〜お〜おっ始まったぜよ」


土御門が薄暗い部屋で、歓声を上げる。
目の前にはミニシアター程のスクリーン。

「さっすが学園都市最新鋭の衛生中継。超絶高画質だぜい」
「……ずいぶんと悪趣味だな土御門」


画面では、一方通行のひと蹴りで、巻き上がった土砂が散弾銃のように上条を襲う。
それを紙一重のタイミングで横に飛んで交わす上条。
猫科の動物を思わせる俊敏さだ。


煙草に火を点けながら、赤い髪の神父が不快そうに眉を寄せる。

「そう言うな。これも仕事のうちだにゃ〜」
「仕事?」
「そそ。魔術サイド最強の盾と科学サイドの最強の矛の対決。他の連中も固唾を飲んで見守るはずだぜい」
「他?」
「学園都市最新鋭の衛生中継を盗み見出来る程度の技術と腹黒さを兼ね備えた連中だにゃ」

「そこに、上の連中も含まれているのかい」
「当然。確認したいんだろうぜい。イギリスに渡った最硬の盾と学園都市に残った最強の矛。戦力の均等化を計っての取引が果たして等価交換だったかどうか」
「ふん…圧倒的な差があれば、不公平だとごねるつもりか上は」

土御門は感情の読めぬサングラスの奥の瞳を微かに細めながら画面から目を離さない。

一方通行が腕を払う度に、見えない何かが青々とした丘を芝生ごと抉っていく。
それを、隙間を縫うようにくぐっていく上条。


「統括理事も、最大主教も努力はしてくれてるがにゃー」
「で、実際どうなる?昔になるが、アレイスターを葬った時の記憶で行けば、悔しいことに、あの二人の住む領域は僕には想像も付かない」
「そこまで大規模なものにはならねぇぜ。それに結果は最初から見えてる……」


画面の中では、土砂の散弾銃と、空気の鞭を捌ききった上条が右の拳を繰り出すところだ。
しかし、一方通行はその瞬間を狙いすましたかのように、上条が右腕を突き出した、その外側を一瞬の内に回り込む。
突き出した自分自身の腕が、上条にとっては完全な死角となる。

一方通行の動きの素早さに、俯瞰から見てすら目で追い切れぬ速度に、ステイルが息をのむ。
しかし、土御門は驚くそぶりすら見せずに、溜息を吐く。



ごッ。



鈍い音が丘に響く。
画面越しに、音は聞こえないが、ステイルはその音を聞いた気がした。
白い頭がゴムボールのように弾かれ、埃を巻き上げながら華奢な身体が転がっていく。
殴りとばされたのは、背後を取ったはずの一方通行であった。



「カミやん……神浄討魔に、一方通行は勝てない」



砂にまみれながら、一方通行は混乱しかけた頭をどうにか立て直そうと自分を詰る。
腕を付いて立ち上がろうとすると、手の甲に赤い滴がぽたぽたと落ちる。
顔に広がる熱以上に、一方通行を混乱させていたのは、殴られたという事実だった。

一方通行は立ち上がりながら、ゆっくりと上条の手を見る。
自分を殴りとばした拳。


   
767 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:13:22.72 ID:lmipHdUU0













それは左手だった。














768 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:14:29.94 ID:lmipHdUU0


自分が殴られた手は左手。
一方通行は鼻から流れる血を拭うと、口の中に溜まった血を吐き捨てる。
青い芝の上に、血だらけの唾液が跳ねる。

もう一度試してやる。

奥歯を噛みしめ、一方通行はベクトルを操作する。
一歩踏み出すと同時に、常人には視認しきれぬ速度で矢のように飛び出す。
迎撃すべく、右腕を突き出す上条の動きを見極め、再び背後に回る。
その瞬間、突き出したままの勢いに合わせて、上条の身体が反転する。
梃子のように上条の左手の甲が弧を描いて一方通行の頬に迫る。
バックハンドブロー。先ほどと同じだ。

反射。

そう心の中で再確認すると同時に、一方通行の白い頬に深々と上条の左手の甲が食い込んだ。
今度は、覚悟をしていたおかげか、先ほどのように派手にとばされず、一方通行はとっさにベクトルを操り倒れるのを防いだ。
そして、一方通行は動揺の隠せぬ瞳で上条を見る。

一方通行は確かに見た。
反射の壁を察知したように、上条の左手が反射の膜に触れる瞬間、微かに腕を引き戻しにかかっていたことを。


(木原と同じことを…)




                   ―…***…―








「一方通行はカミやんに勝てねー。理由その一。潜ってきた修羅場の数が違いすぎる」

六年間、一方通行は決して争いと無縁だったわけではない。
想と美琴を守るために戦っていた。
しかし、相手は彼にいわせれば三下以下のちんけなチンピラである。
それに対して、上条は違う。
常に得たいの知れない、恐ろしい魔術師達と戦い続けていた。
魔術の世界は広い底なし沼と同じだ。
表に出ない無名であっても、フィアンマレベルの魔術師というのは、不思議と何処からか現れる。
息を潜めて、アレイスターが破滅する時を虎視眈々と待ち続けていた者、閉鎖的な地域にいたために名が知られていない者。
理由は様々である。
それらを相手に、上条神浄は戦ってきた。

「反射の膜を破るのなんて、右手に頼るまでもね〜んだぜ、一方通行。それに…」


土砂の散弾に先ほどまでさらされていた上条は、頬や腕に微かな傷があるものの、致命的な傷はない。
勿論、彼自身の俊敏さ、たぐいまれな回避能力が大きな要因だ。しかし、それとは別に、もう一つ、上条が手傷らしい手傷を負っていない理由があった。

土御門は、二つ目の理由を口にする。


「一方通行は出来るだけカミやんを無傷で抑え込もうとしてる。ベクトル操作はバリエーションが豊富だが、無傷でそれに、周りに被害が出ない方法となるとやることは一つか二つだ」
「あの神浄を相手にかい?」
「そうだ。血塗れの父親を引き合わせる訳にはいかねーだろ」
「…」
769 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:15:54.45 ID:lmipHdUU0
「一方通行にとって、勝つことは問題じゃねー。如何に無傷で姫ちんと子姫ちんのところにつれていくかが問題なんだ」


捕まえて、即座に昏倒させる。
そのためには触れる必要があった。

「カミやんもそれに気づいてるだろうさ」

土砂を避けながら、おそらくは一方通行の狙いに気づいただろう。
彼の最終的な狙いが、自分に触れるということに。

「それに合わせてカウンターをかます。カミやんにはそうそう難しいことじゃないぜ」





                   ―…***…―







右手に注意を向ければ左の拳が一方通行の頬を掠める。
左手へ警戒を傾ければ即座に右手が反射の膜を打ち消す。反射の膜を解除することは少なくとも出来ない。
一方通行は足元のベクトルを集め飛びのく。
少なくとも、左手で殴られても能力が無効化されることはない。
上条が飛びのいた一方通行を追捕するべく距離をつめる。一歩踏み出しただけだというのに、間合いは瞬時に詰められる。

「クソッ」

振るった風のベクトルは、即座に右手に掻き消され、返す刃が一方通行の顎を掠めた。
かつんと、軽く小突かれた感触とは裏腹に、一方通行は不味いと直感的に悟る。
直後、彼の足が主の指令を無視するかのように膝から崩れる。
右腕が一方通行の首根っこを掴む。細首は鉤爪のように掴み上げられ、一方通行は顔を顰めた。
しかし、顔を顰めたのは痛みのせいではなかった。
ドンッと鈍器で殴ったような重い音が一方通行の耳の奥で響く。
微かに彼の華奢な身体が浮かび上がる。二度、三度、四度。上条の左の拳が一方通行の薄い腹にめり込む。


「げ、ほっつ、がァ、が、ハ…ッ」


断続的に洩れる苦悶の声。
能力を無効にされている青年の身体に、鍛え抜かれた傷だらけの拳が幾度も突き刺さる。
頭の奥から何度もハンマーで殴られているような痛みが走り、意識が途切れかける。


「俺は……あの日の選択を後悔したことなんてない」



一瞬、拳が動きを止める。
しかし、万力のような力で首を掴まれている一方通行はそれを地力で引き剥がすことが出来ない。
くの字に身体を曲げ、視界一面に荒れた丘の地面ばかりが広がる一方通行は、それでも上条の声を拾い上げてしまう。



「それは、テメェが、捨てたモンのデカさを知らなかったからだ」

「だろうな」


再び拳がめり込む。ぼんやりとした視界には、規則正しく、振り子運動のように繰り出される拳。
そこには切り傷、擦り傷、ケロイド状の皮膚、無数の抉れた傷に果ては弾痕まで覗いていた。
手首あたりの傷跡だけでこれなのだ、おそらく傷は全身に行き渡っているだろう。
それだけで、上条がこの数年間如何なる修羅場を潜ってきたかが伺い知れる。

繰り返されていた拳が止み、一瞬空白が出来る。

おや、と思った直後、溜めを経て打ち出された膝が一方通行の腹を抉るようにめり込む。


770 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:17:51.42 ID:lmipHdUU0


「でもそれで良かったと思ってる」

「テメ…ッ―――――― ッッ」


声も、息すら吐き出すことが出来ず、苦悶の形に一方通行の唇が歪む。
全く容赦の無い攻撃に、一方通行は何処か清々しささえ覚える。
崩れ落ちた一方通行は、追撃を免れるべく、瞬時に地面を平手で打つ。それだけで、彼の身体は羽毛のように舞い上がり、上条から離れる。
それを目で追うだけで、上条は追い討ちをかけようとはしない。一方的な暴力に、躊躇したわけではない。
単に深追いをすまいと注意を怠らなかっただけだ。

呼吸を整えながら、一方通行は六年という月日を思い知る。
嘗ての上条は、我流と言うよりもがむしゃらに拳を振るう姿ばかりが印象に強く残っていた。
数々の戦いを潜り抜けた結果、喧嘩慣れは一般の高校生の比ではなく、また幻想殺しの扱いにも長けていたが、それでも、彼の戦いは不恰好で愚直だった。
それは、今の上条の姿からは想像も出来ない。
おそらくは基礎から学んだのであろう体術。
経験から培った冷静な判断。
そして何よりも容赦の無さ。


『もうやめよう。こんな事意味ねぇだろ!!』


昔であれば、こんなセリフをのたまっていただろう。少なくとも、上条に自分と戦う理由は無いのだから。
一方通行自身自覚はある。これが自分の八つ当たりだと。

まるで、ロシアだ。

二度目の敗北を思い出す。
あの時も、自暴自棄になった自分はこの男に叩きのめされた。
揺るがないこの男に、揺らぎ崩れかけていた自分は完膚なきまでに叩きのめされたのだ。
迷いの差。二人の間には常にそれが存在する。
しかし、それだけだろうか。
一体何がそこまで明暗をこうも分けているのだ。


「別にどうでもいいから捨てたわけじゃねぇよ」


上条が己の拳に視線を落とす。



「ただ、インデックスの側にいる為に捨てなきゃいけなかったからそうした。アイツを守りたかったからそうしただけだ!」


いっそ清々しい程に言い放たれた我が侭。一方通行はその姿に納得する。この男は変わったのではない。


全く変わっていないのだ。


変わったのはおそらくは自分の方だ。


この男は昔からこうだったのだ。


771 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:19:21.42 ID:lmipHdUU0


最初は、上条には守るものがあるから強いのだと思っていた。
しかし、それは一方通行とて同じであった。打ち止めを守り、妹達を守る。そう誓った彼にとって、それ以外はどうでも良かった。
だから、呆れた眼差しで上条を見たものだ。あんなに背負い過ぎていて身動きが取れなくなるのではなだろうかと。
しかし、違っていたのだ。根本が。


この男は誰も背負っていない。


彼はあくまでもきっかけに過ぎないのだ。その名の通り、ふざけた幻想をぶち殺しているだけ。
そこに、一方通行や浜面仕上のように、勝手に助けられたことを救われたと思い、その背に勝手な幻想を新たに作り出し、そして追いかけた。
結果、彼に続く形になる人の群れ、想いを見て、勝手に背負っていると勘違いしていたのだ。


彼が真の意味で助け、救い、背負い続けている者は今も昔も変わらずにただ一人だけ。


「デカイから捨てるのを躊躇するとか決めたんじゃねぇ。そもそも等価交換なんて端から期待してなかった。レートなんて割りに合わないことは承知の上だ」

「………割食ってンのは他の連中じゃねェか。俺達二人が勝手に納得したことに散々振り回されてるのはあいつ等じゃねェか!!」


自分もまた共犯者なのだ。
そんな当たり前の事実に、一方通行は目を背けたくなる。
実の父親が居ないことに、引け目を感じているのではないか。そう何度不安になったことだろうか。
今も不安は消えない。美琴や想が自分には見せないところで、どれ程苦しんできているのか。
一方通行には想像するしか出来ない。


「テメェも俺も救いようのねェ馬鹿だったンだよ。今もそうだ。何も見えちゃいなかった。テメェはアイツしか見えてなかったから。俺があの日テメェに言った言葉覚えてるか?」

「ああ…」


―――― 『テメェが捨てて行くモン、全部、全部、俺が背負ってやンよ』 ――――



「くくく…馬鹿だよな…何もわかってなかった…背負うってよ。そンな資格ねェってンだよ。居心地が良くてよ、勘違いするンだ。わがままなのはわかってるよ。
 俺がテメェに言った言葉…この六年、その通りにしてきたつもりだ。少なくともな。けど、ダメだな。背負うにつれて拭い切れねェンだよ……どうしようもなく考えちまうンだよ。
 なンで俺なンかがよ、こンな目にあってンだろォってな」



怪訝に眉を顰める上条に気にせず、一瞬自嘲するように一方通行が視線を伏せた。微かに。
絹旗が言った言葉。何度も何度も感じる不安。
一方通行の抱くそれは彼女の抱く不安など比べるまでも無く、根深く、重い。
のうのうと何故生きているのか。思わぬ日など無い。それでも手放したくないと思うのに、刹那、相手は離して欲しいと思うのではないかという恐怖が過ぎる。



「俺には綺麗過ぎるンだってなァ……勘違いしそうになンだよ…ッ…だからよォ…」

紅の瞳が滾るように揺れる。


「もう背負ってられねェンだよォォォ!!!!」


それは、衝動的なものではなかった。
六年という歳月の中、ゆっくりと一方通行の中に降り積もり、重なり、固まってきていた感情。
それらが、上条当麻という存在が再び現れた事をきっかけとなって吹き出した。

「一方通行!」

「ガァァァァァァァァァーーーー!!!!!」




いつしか背負う者が増え、身動きすら取れなくなった男は吼える。


772 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:20:21.68 ID:lmipHdUU0


一方通行を責め苛んでいたもの。
それは、本当の父親に会わせてやりたい、などという献身的な感情などではなく、幸せや喜びへの「罪悪感」だった。
一方通行の蹴り飛ばした破片を、上条は紙一重で交わす。
その隙を突くように一方通行が前へ飛ぶ。上条は瞬時に右の手を繰り出す。反射の壁が躊躇にたわむのが“視える”。
右手につかまれる前にベクトル操作で地を蹴って逃げようという流れを読み、交代するように右手を引き、左手を伸ばす。





くぐもった声と共に、勢い良く吹き飛んだ。




「く…」



今度は吹き飛ばされたのは上条の方であった。

上条は鼻腔から溢れる血を抑える。真っ直ぐに突き出された一方通行の拳は何の駆け引きもなく上条の鼻梁を叩いた。



「ガァァァァァァァァーーーーーーーーーーー!!!」




咆哮に応えるように、一方通行の背から黒い翼が出現する。
幾百もの刃となり、黒い翼が上条を襲う。此処にいたり、既に無傷という考えは一方通行の脳裏からは綺麗に抜け落ちていた。
上条は右手に一瞥くれるのみで、瞬時に振り払う。
自身に迫り来る翼を薙ぎ払い、掴み、そしていなす。
数十の黒い刃を、まるで無造作に縛るように、一つに束ね、引きちぎっていく。
それは嘗ての極寒の地で彼が見せた以上の光景である。
しかし、こじ開けた空間に身を滑らせた上条は待ち構えていた白い拳に打ち据えられる。



「がっ…」



殴り返そうとする右腕は、黒い翼の迎撃ですぐさま塞がる。
無防備になった上条の頬に、鼻梁に、鳩尾に、次々と一方通行の骨ばった拳が刺さっていく。


773 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:21:51.30 ID:lmipHdUU0



「わかってンだよ!!八つ当たりだってよ!!」




上条の頬を拳が捉える。




「そンなモン、俺にだってわかってるンだよ!!」




黒い翼が右手に掻き消される隙間を突く様に拳を振るう。




「テメェで招いたことだ。背負ってやるなンて大見得切って、守るつもりになってたよ」




非力であっても、大の男の拳は、上条の頬を打ち据え、晴れ上がらせる。




「あいつ等といると忘れられるンだよ!!」




先ほどまでの借りを返すように、幾度も打ち込む。




「やらかしちまったことも、全部…全部な!!!」



泣きじゃくるように吼える。




774 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:22:42.01 ID:lmipHdUU0
詩菜の笑みが浮かぶ。
上条が捨てた親の悲しげな笑み。


「最初ッからそンなこと無かったみてェに思えるンだ」


美鈴の自分をからかう屈託の無い笑い声が甦る。
自分が犯した罪を知っているくせに。


「悪い夢でも見てたンじゃねェのかって。妹達はホントは死ンでねェって、笑って暮らしてるって、マジに思いそうになるンだ」


自分にあれほど凄惨な目に遭わされたというのに、それにも関わらず友人に接するように当たり前の口調で話しかけてくる妹達。


「想が笑いかけてくれるたびに、調子に乗って浮かれちまってたンだよ。そうされる価値があるンだって、勘違いして」


全ての好意を乗せたような甘い蕩けるような少女の笑み。
無防備に自分に抱きついてくる小さくも確かな温もり。


「アイツが許してくれたつもりになって、勝手に家族ツラしたくなってたンだ。身の程も考えねェでよォォォーーーーーーー!!!!」


美琴の信頼しきった瞳がくすぐったくも心地良いと思うようになっていた。
彼女と想がいるのが、自分の極当たり前の日常のように感じられた時、ふとした恐怖が必ず過ぎる。
好意が恐くて仕方が無かった。


775 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:23:35.60 ID:lmipHdUU0



やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。

頼むから、やめてくれ。


そんな風に笑いかけないでくれ。




776 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:25:50.32 ID:lmipHdUU0



「家族になれるモンならなりてェよ!!!アイツ等の側にいて、幸せにしてやりてェェよ!!!けどよ、俺じゃダメだろォが!!ダメに……決まってンだろォォがァ!!!」


腫れあがった瞼の奥から見つめる一方通行は泣きそうに顔を歪めていた。
まるで子供が泣きじゃくっているように、悲痛で哀れだ。


「俺にはそンな資格あるわけねェェだろォォォォォォォがァ!!!」


白い髪を振り乱して、血を吐き出すように、ありったけの感情を搾り出した。
それは学園都市最強の怪物ではなく、幸福に対して絶望的に不慣れな子供の姿でしかない。
自身の感情に振り回され、黒翼の動きがぎこちなくなる。


その一瞬を逃さず、上条は黒翼を捻り、一方通行の体勢を崩す。

バランスを崩した一方通行の顎を、上条の右拳が跳ね上げる。



「何勝手に自分の事を貶めてるんだよ。お前がこんなになってまで守ろうとしてることを、何でお前が認めてやれねぇーんだよ!!お前が許さないで、誰がお前を許せるんだ!!
いい加減テメェ一人、かわいそぶってるんじゃねぇ!!」


倒れこんだ一方通行の上に馬乗りになると上条は犬歯も露わに叫ぶ。

胸倉を掴み上げると、上条の腫れ上がった顔が、間近に迫る。

叫ぶがままに、振り下ろされる拳。

黒い翼を出す間も無く、間隙無く拳が一方通行を打つ。

瞬時に逆転された形勢に、不思議と焦りは無い。

それは、上条になら倒されても仕方が無いという一種の確信のせいだろうか。





「そんなにお前に想われてて、御坂達が幸せじゃないわけねーだろ!!!」

「―――― !?」


777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/15(金) 00:26:58.14 ID:GLhX+TWQ0
悪意も善意も反射する…か
778 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:27:46.39 ID:lmipHdUU0

しかし、拳と共に浴びせられた上条の言葉に、一方通行の瞳が不意に強さを帯びた。
それは、上条にとっては一方通行を励ます為の、或いは、目を覚まさせるための言葉だったのかもしれない。
だが、一方通行にとってその言葉は看過できるものではなかった。


幸せじゃないわけがない。 ―――― 何を持ってこの男は断言したのだ。


美琴がどれだけ辛い思いを抱えて子を産み、育ててきたのか。
想がどれほど寂しさを堪えて、笑ってきたのか。
あの二人が、どれほどの涙を流してきた結果今笑っているのか、この男が知るはずも無い。

それは、当たり前のことである。

上条が知る由などあるはずも無い。

冷静に考えれば、それは当然のことなのだ。

しかし、一方通行の思考は既に冷静さなど一片たりとも残してはいなかった。

故に、爆発する感情のままに力を解放する。



「ガァアァァァアァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「―――――― ッ!?」


組み伏せられた一方通行の左拳と、上条の右手がぶつかった。




                   ―…***…―




土御門は真っ白に染まった画面の前で、伝う汗を拭いながら言葉に詰まる。
ステイルは咥えていた煙草がいつの間にか落ちていることにも気付いていない。
それでも、既に回転を再開し始めている土御門の脳裏には、今の瞬間に起こった事が再生されていた。
天使化した一方通行は、その力を意識的、もしくは無意識的に左の拳に圧縮し、そして上条に放った。

殺すとか殺さないというレベルの話ではない。


「……まぁ、それでも、だ。それでもカミやんには」




                   ―…***…―





叩き付けられ粉々に砕け散った慰霊碑を尻目に、痛みで痺れた身体をゆっくりと上条は起こす。
慰霊碑のおかげで海に落ちずに済んだ様だ。
立ち上がると、鋭い痛みが肩に走る。右肩を素早く指で探れば、ボコンと不自然に突き出た骨の感触。
一つ溜息を吐くと。上条は周囲を見回す。一本の桜の木に目をやると、歯を食い縛る。


「ぐッ!」

身体ごと木に肩をぶつけ、外れた骨を元に戻す。
激痛に、喉の奥から押し潰されたカエルのような声が漏れる。
痛みが残る肩を押さえながら視線をめぐらせる。
779 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:28:35.84 ID:lmipHdUU0


「……咄嗟に『竜の顎』出してなかったら影も残らなかっただろうな」


それでも威力を殺しきれずに、このザマだ。
そう漏らす上条の視線の先には、肩で息をし、膝を突いた一方通行の姿がある。
傷の深さで言えば、上条の方が大きいだろう。
身体に走る痛みを精査すると、すぐにわかる。
あちこちの骨が軋みを上げ、中には確実に何らかの損傷を受けているものもある。


しかし、それでも上条は立っている。
一方通行を見下ろす形で。


一瞬の逡巡の後に、上条は既に力が入りきらなくなっている右拳を握り直す。
自分を見上げる一方通行の瞳にはまだ力が残っている。
それを刈り取らない限り、この場は収まらないと判断したからだ。

しかし、一歩足を踏み出した時上条は背筋にぞくりとする感触を覚える。

数限りなき戦いに身を置いていた故の経験がもたらす反応に、上条は忠実に応える。

咄嗟に、寒気を抱いた方へと右手を伸ばした。



780 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:30:56.81 ID:lmipHdUU0




『 ォ――――――――――――――――――― ンッ 』





その瞬間、耳をつんざく放電の音、そして、網膜を焼こうとせんばかりの眩い白光。




草木の焦げる匂いが鼻を突く。
上条は、自分を襲った閃光の方へと目を向ける。
白煙に塞がれら視界から、一つの影が飛び込んできた。




「あーくん!」



「へ?」




小さな人影は大きな瞳いっぱいに浮かべた涙をぽろぽろと零しながら上条を擦り抜け、蹲った白い青年に一直線に駆けていく。
少女は一方通行の胸に勢い良く飛び込んだ。


「あーくぅん!ふぇぇ…」

「想…?どォして…」


戸惑い、目を丸くしながらも少女をしっかりと抱き止めた一方通行は何かを感じ取ったのか、顔をすぐさま上げる。
上条も同様に、少女の走ってきた方視線を固定したままだ。
やがて、晴れていく煙の向こうに、一人の女が立っていた。
すらりと伸びた足に黒いレギンス。華奢な身体を包み込む白いワイシャツ。
短く切られた亜麻色の髪から仄かに青白い火花を散らし、意思の強さをそのまま形にしたような真一文字の唇。
そして、日の光の加減によって琥珀色に輝く瞳。

781 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:37:33.40 ID:lmipHdUU0

「まったく、この真っ白しろすけってばホントどうしようもないんだから…」


指でコインを弾きながら、上条の目の前に現れたのは、六年の歳月を経て美しくしなやかに成長した嘗ての恋人。



「どうせうちの白いのが吹っ掛けた喧嘩なんでしょ?悪かったわね。でもさぁ…」



嘗て常盤台において、電撃姫と呼ばれた少女。




「これ以上私の家族を殴ろうっていうなら……私が相手になるわよ?」





『超電磁砲』、御坂美琴はコインを構えると躊躇無く上条に指先を向けた。

口元に不敵な笑みを浮かべて。




782 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 00:38:49.98 ID:lmipHdUU0
以上で本日の投下終了。テンションのままに端折りすぎましたが、勢いが大事かなとも思いまして投下しました。
上条編はもうすぐ終わりです。戦闘は今回だけ。
それでは ノシ
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:40:20.73 ID:ujE7S//v0
やばい御坂がかっこ良すぎるだろ

やばいな 電磁通行
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/15(金) 00:41:23.02 ID:ifatmM/yo
OMG...I'm looking forward to next time!!!
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/15(金) 00:41:33.05 ID:ABpfJ30eo
うああああああああっ!
かつてこれほど格好いい美琴がいたか!?
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 00:41:40.10 ID:EgfgD9B2o


ついにこの二人が対面か
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/04/15(金) 00:42:37.30 ID:f8+TGbtAO
乙!
おかしいな…視界がぼやけて何も見えないや…
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:42:51.36 ID:iHWfJiE30
続きが気になってしょうがないな…乙
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:43:08.31 ID:Mql7DtDDO
美琴さんかっこええ…。
レスとレスの間、続きが気になってそわそわして落ち着かなかったわ。乙
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:43:11.67 ID:ZcYSCiII0

美琴の登場シーンがヒーローすぎる
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/15(金) 00:44:53.67 ID:MhK3LZr1o
あーくんマジヒロイン!
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/15(金) 00:46:56.17 ID:l4sYEXYbo
>家族になれるモンならなりてェよ!!!アイツ等の側にいて、幸せにしてやりてェェよ!!!
>これ以上私の家族を

その言葉が聞きたかった
次回にも期待
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:47:01.61 ID:W0ZkyXJDO
このひては美琴やない・・・
『美琴さン』やで・・・
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/15(金) 00:48:06.06 ID:PvW82Ty00
乙!
上条さんの方のスレは未読だが上条さんの決意かっけぇ。
一方さんが切なす。
っていうか家族って言ったあぁあぁあああ!!
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/15(金) 00:52:28.94 ID:ABpfJ30eo
今気づいたけど、この二人、どさくさ紛れにプロポーズしてね?
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:54:13.82 ID:2dNQ2cuPo
家族解禁と聞いた20000号がアップをはじめました
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:54:34.54 ID:3JnEgeODO
誰も悪くないって言ってる人多いけどさ
明らかに上条さんと美琴が悪いよねコレ

綺麗事で言い訳してるだけじゃん
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/15(金) 00:54:46.17 ID:jGygBiMCo
美琴さン格好良すぎだろ
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/15(金) 00:57:48.05 ID:min2TBNAO
一乙!
美琴さんかっけえ!
お前らもう結婚しちゃえよ
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:00:30.60 ID:4u+MKL/vo
一通さん「家族になりてェェよ」
美琴さン「私の家族」「うちの白いの」


 う ち の 白 い の



いろいろ熱くなるな
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/15(金) 01:02:42.34 ID:XoWD3yLYo
>最初は、上条には守るものがあるから強いのだと思っていた。
>しかし、それは一方通行とて同じであった。

一方さんマジベジータ
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:03:24.20 ID:WRISm42IO
神浄さん、6年間ずっとS級魔術師とトーナメントやってたのか
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/04/15(金) 01:05:13.50 ID:IrgH3ELAO
誰か私にハンカチをください…
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:06:48.24 ID:yMm721fDO
乙乙
盛り上がってまいりました

前スレの時点で美琴は、「うちの白いの」言ってたなぁ
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:07:48.24 ID:WRISm42IO
あらためてスレタイ見ると泣けてきた。
今までずっといい子でいたんだなあーくん
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:08:29.58 ID:GQGIi4ODO
>>803
つハンカチ
誰かバスタオル下さい
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:09:39.92 ID:bSbJwiHA0
>>806
つダークマタオル
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/15(金) 01:13:23.81 ID:KGY5zLSIo
とうまはとうまだった。よかった。
一通さんに実体感がなかったのは地に足が付いてない、地がどこにあるかわからないからなんだろうなあ。
クローンに地を教えた一人のはずなのにその本人はクローン以上に知らないってのは切ないなあ。

……もう一通さんだめかもわからんね。女の尻に敷かれる的に。
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:15:56.07 ID:jqSkM3+DO
なぜ電通厨は自重という言葉を知らないのだろうか
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:23:01.70 ID:Y8JMzZpXo
>>809
ここ電磁通行スレだから

てか電通って表記が某広告代理店みたいで嫌すぎるんだが
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/15(金) 01:24:25.13 ID:W5TTh56Io
美琴、否、美琴さンかっちょいいー!惚れてまうやろっ!
それに比べて男たちは男たちで、不器用でかっこ悪くて純粋でかっこいいな
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:25:48.32 ID:Obw5vDUIO
天使化一方の強さはどの位なのか知りたいな
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/15(金) 01:26:58.77 ID:l4sYEXYbo
前スレ>>1で電磁通行スレって書いているしな
そもそも電磁通行は需要に対して供給が少ないからみんな飢えてるんだよ
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 01:31:31.52 ID:EgfgD9B2o
絹旗の出番が多いから忘れそうになったけど確かに電磁通行なんだよな
まぁ窒素通行も大好物ではあるので一粒で二度三度美味しいんだが
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 01:40:49.69 ID:/bGtv5rK0
乙!
一通さンの代わりに俺が煙草吸ってたぜェ!
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:43:54.54 ID:nD09RTu4o
一応みんなまとめて一方さんが面倒見るendになる予定らしいけどなww
俺基本的には上琴派なんだけどこの話はそういうのは抜きにしても面白いと思う
まあ美琴が上条さんのことなんとも思ってないってのは解っていても結構くるもんがあるがww
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 01:53:08.18 ID:W8IiPqu/o

やっぱりあーくんはいっぱい溜め込んでたんだな・・・
自分にどうしても負い目があるから、好意をホントに素直に受け止められないのか・・・
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/15(金) 02:02:19.64 ID:5ZIP+BsBo
戦闘はさっぱりしてる分、心の動きと駆け引きが分かり易くて良かった

6年の修羅場を超えてなお開き直り気味の説教とか、
安心のウザさが良く表現できていると思いました
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 02:03:30.91 ID:ujE7S//v0
>>816

美琴さンはなァ三下に振られた後になァ泣いたりよォ大変だったんだけどなァ
俺がいるんだーーーーーーーーーーー

三下だァ 関係ねえんだよォォォォ 関係ねェんだよォォォォォォォォォォ
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 02:07:36.61 ID:REs1sxdFo
上手く言葉に出来ないが凄いわ…この話やっぱり俺の好きな一方さんがトコトン詰められてて大好きだ
そして上条さん強ぇよ上条さん…
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/15(金) 02:34:22.31 ID:gYalMG2Ho
ああ…次回も楽しみだ…
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 06:07:07.96 ID:uGT89/JDO

女の6年は伊達じゃねーよなァ美琴さん!
ウニ頭ヤローに見したって下さいよォォーッッ!


あとちょーっと待って!
>>777さんがドヤ顔でスゴい良いこと言ってて吹いた!
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 06:56:51.76 ID:k4V+ZX8IO
結局上条と一方の対比はこうなるんだよな。迷わない上条と迷う一方。
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/15(金) 07:03:57.42 ID:ip7wLIRdo
>>797
お前の言ってること自体がその奇麗事な件ww
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 08:04:04.89 ID:xLnkMOZb0
難しい展開だったが、見事に書き上げた一乙

何だかんだで美琴さんと想ちゃんに会わせる事が出来たし、
一方さんは試合に負けて勝負に勝ったって言う奴か
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/15(金) 08:51:39.57 ID:79DJZ/UAO
>>824みたいな信者キモwwwwwwww
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/15(金) 08:53:25.79 ID:DDl5tGRw0
ふと、美琴イン入れ替えて、ステイル主役でこんな話もいいかなと思ってしまった。
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/15(金) 09:21:51.52 ID:ip7wLIRdo
>>826
お互い様だな
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 09:42:27.58 ID:oQSjDRzIO
上条編もようやくクライマックスか
修羅場を乗り越えてようやく真の家族になれたってところかな
次回はそのことを上条さんにも祝福してもらいたいもんだ
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 14:52:46.11 ID:ujE7S//v0
上条さんは一方通行を御坂と家族にするためにきたのか。なるほど
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/15(金) 18:03:05.58 ID:uXgpmJTAO
>>822
その上スリーセブンだしな
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 18:46:34.41 ID:O+u9Xaem0
>>812
最低でもユーラシア大陸を吹き飛ばせる程のエネルギー(テレズマ)と引き分ける位。
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/15(金) 18:48:54.49 ID:KGY5zLSIo
改めて読むと想ちゃんのくだりでグッと来る。
この子の行動こそが美琴に一方通行を家族だと言わしめる要素なんだな。
あと詩菜さんが気付いてたってことに気付いて愕然とした。どんだけ包み込める人なんだよ。
自分は引いて美琴呼んで、母親の愛情ってすげえな。男二人に丘の上からダイビング土下座させてやりてえ。
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/15(金) 18:57:00.34 ID:1yMhPzqt0
>戦力の均等化を計っての取引
>上条と一方通行が出会ったとしたら果たしてどうなるのだろうか。
 ふと過ぎった好奇心が彼の声を自ずと弾ませていた。

なんだか6年前から今までのこと全部土御門の策略な気がしてきたよ
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/15(金) 19:33:13.80 ID:Dx/FkzoE0
>>826
信者って単語知ってる?
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/15(金) 20:06:54.33 ID:QTEUIFZ0o
ファミコンの一方通行を落とすには母性が足りなかったか……絹旗ェ……
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/04/15(金) 20:49:51.68 ID:5pfTFIuQo
・上条さんのほうがダメージでかい
・一方さんから八つ当たりでケンカ吹っ掛ける
・それを判断できるくらいには冷静な状態

これで今でも夢に見て泣くくらいには好きだった男に対して
不意打ちレールガン(しかも当てにいってる)って
昔よりDQNが悪化してて怖いっすよ美琴さん。

美琴と言い、上条さんと言い、一方さんと言い極端すぎるよこの人達。

想タンをもふもふして心を癒したい。
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 20:56:03.52 ID:DchhC43Eo
>>837

>
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 20:59:36.42 ID:DchhC43Eo
>>837

>自分を見上げる一方通行の瞳にはまだ力が残っている。
>それを刈り取らない限り、この場は収まらないと判断したからだ。

上条さんの「刈り取る」がどの程度かはわからんが今の上条さんならぬるい事しないだろうしレールガンぶっぱもしゃあないんじゃね?

もうほんと、美琴でも絹旗でも誰でもいいから一方さんを幸せにしてやってくれ・・・
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 21:03:43.79 ID:2RXvirL1o
確か人間の命令信号の伝達速度の限界による、反応速度の上限があってだな……
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/15(金) 21:05:38.08 ID:C0lrOUnxo
>>840
ね・ぼ・し
の世界に今更何を。
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 21:07:25.39 ID:oQSjDRzIO
>>840
上条さんにその常識は通用しねえ
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 21:10:58.66 ID:yZ4metAR0
まずい、早く、早く投下するのです・・・!
続きが気になりすぎてベクトル操作されてないのに血が逆流しそう
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 22:19:46.23 ID:QnroaN11o
なんか3スレ目いきそうな勢いだなぁ
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/15(金) 22:20:24.70 ID:3jqSkM3+o
DQNの意味わかってるのか謎だ
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 22:25:50.52 ID:09rOl7DW0
時々、年齢だとか国籍だとかを疑っちまうほど読解力無い奴って居るよな・・・
847 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/15(金) 23:23:06.37 ID:sNaOIU5f0
昨日書ききれなかったシーンを少し投下します。
12時過ぎくらい予定です。
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 23:27:28.13 ID:EgfgD9B2o
wwktk
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/15(金) 23:32:20.61 ID:W5TTh56Io
よし、脱ぐ
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/15(金) 23:36:31.29 ID:VIUg+Ifu0
というか空飛んで
右手の届かない範囲から攻撃し続ければ死ぬよね
上条
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 23:38:56.56 ID:2RXvirL1o
殺してどうすんだww
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 23:47:01.66 ID:zzwXoXaIO
お父さんの顔だけでも見せられればいいんだろ?
853 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:14:06.32 ID:F5txVs/g0
投下します。
854 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:16:20.37 ID:F5txVs/g0





「あーくん…いたくない?」

紅葉のような手が、そっと一方通行の赤く腫れた頬を撫でる。
小さな指が切れた目尻から流れる血に汚れる。一方通行はすぐさま引き剥がそうとするが、少女はいやいやと首を振る。
離されまいと、一方通行の唇を撫でていく。彼の顔に浮かぶ傷跡一つ一つを確かめるように。
少女の瞳は泪に濡れ、そして揺れ動いている。初めて目にした傷だらけの顔。
保育園の男の子同士が喧嘩をするのを目にしたことはある。鼻血を出して泣いている子を絹旗や他の保育士が慰めている姿も。
けれども、それはあくまでも子供の喧嘩だ。じゃれ合いのような喧嘩しか知らぬ少女は、本気で殴りあう光景も見たことが無い。
当然、それによって痛々しく腫れ上がった傷など目にすることもない。

それも、少女の中では最も暴力から程遠いこの青年の顔が傷つき、血に染まることなど想像だにしなかった。

少女の前で、一方通行は決して能力を使いはしなかった。
せいぜいが垣根とのじゃれあいのような喧嘩である。少女は、この青年が学園都市最強の怪物だということさえ知らない。
それゆえに、少女は怯え、戸惑っている。
いつも自分を沢山の愛情と優しさでくるんでくれている青年が、見ず知らずの男に殴られている光景に。
震える指先から、一方通行にはそれが痛い程伝わってくる。
少女は、青年の痛みが少しでも和らぐように、祈りを込めるように腫れた瞼をなぞっていく。
熱を持った傷口に、柔らかな指先の温い体温が心地良い。


想は、一方通行がようやく微笑んでくれたことに安堵の息を吐くと、少女にしては珍しい程に強い光、否、敵意を浮かべて振り返る。



855 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:17:04.63 ID:F5txVs/g0










「あーくん、いじめるな!!バカ!!大っきらい!!」










856 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:18:21.15 ID:F5txVs/g0


少女が、小さな身体をいっぱいに広げて、白い青年を背に庇うようにして立つ。
睨みつける先には、神父服に身を包む青年。
青年は右肩を押さえながら、気圧されるように、ただただ少女の瞳を見下ろしていた。
そんな勇ましいわが子の姿に、美琴は小さく唇を緩める。


「……ったく…」


荒れ果てた丘を腰に手を当てて美琴は見渡す。
よくもまぁ、こんなにも暴れたものだと言わんばかりに、その表情には呆れと感心が入り混じっている。
青白い火花が収まると同時に、コインを握り締めゆっくり歩く。パンプスが砂利を蹴る。
美琴は上条の目の前を通り過ぎ、蹲る一方通行の前に立つ。


「オイ、こら。何勝手に突っ走ってるのよ」


腰に手を当て、困った子供を叱る母親のように、眉を釣り上げつつも何処か困ったように美琴は白い頭の青年を見下ろす。
想を抱きかかえたまま、一方通行は決まりが悪そうに顔を逸らす。
まるで子供が不貞腐れている仕草そのものだと、小さく嘆息する。


「絹旗先生と詩菜おば様に感謝ね」

「……なンでだよ」

「先生から聞いたのよ。『様子が超変です』って。それでアンタの後を付けて来たの。本当はすぐにでも駆けつけたかったけど……」


顔を盛大に腫らした一方通行を見下ろし、こめかみを軽く押さえる。
頭痛を堪えるように、これから何を言ってやろうかと頭を悩ませるようにも見える。


「でも、おば様に止められちゃった。男の子の喧嘩に、女の子は口出ししちゃダメよって……」


あの人らしいと、一方通行は妙に納得する。
一体どの時点で気付いていたのだろうか。そっと上条を見れば、一方通行と同じく目を見開いている。
857 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:19:12.59 ID:F5txVs/g0
魔術の変装を見破られることは無い。無いはずだ。
そう自問自答する上条を尻目に、美琴は想に視線を向ける。
一方通行もつられて少女を見る。


「それに…『あーくんが殴り合ってる姿なんて想ちゃんに見せちゃダメ』だって、ね」

「………」


美琴の言葉に、一方通行は罪悪感と悔しさに口を引き結ぶ。
拍子に、切れた唇の傷が広がり鋭い痛みが走る。


「まったく……頭が下がるわ、あの人には…聞いてる?馬鹿男共」


上条に鋭い視線を向ける。
上条は何かを言いかけて、口を噤む。
自分が捨てた母親に、拭いきれない孤独と悲しみを与えてしまった母親に、何かを言う資格など無い。
上条自身がそう理解し尽しているからこそ、彼は言葉を飲み込む。

そんな上条の心情を知ってか、知らずか、美琴は一方通行に張り付いている想の手を握る。


「想ちゃん、ちょっとあーくんから離れててくれる?」

「…うぅ…」

「これからね、ママ、ちょろっとあーくんにメッてしないといけないの」


美琴はメッと指を想の鼻先に向ける。
悪い事をした子に、叱る時に使う定番の言葉に、想は納得したのか小さく頷く。


「……うん」

「うん、いい子ね」


美琴は想の頭をひと撫ですると、一方通行の腕を掴む。
にっこりと笑って美琴は一方通行の顔を覗き込む。


「フラフラじゃないの、モヤシのあーくんてば。もしかして立てない?」

「チャラけたこと抜かしてンじゃねェぞ。タコ」


からかう口調に、一方通行は眉間に皴を寄せる。
本音を言えばそんな体力も気力も無いが、この場において、それを主張することもましてや反論することも憚られた。
舌打ちをすると、一方通行は美琴の腕を払い、疲労に震える膝に最後の力を込める。


「余裕なンだよ、これくれェ」

「おお、ちゃんと立てたわね。エライエライ……」


一方通行の頭をくしゃくしゃと撫でる美琴の手を、煩わしげに一方通行は振り払う。

小さく漏らした舌打ちどは裏腹に、その目には苛立ちや怒りは浮かんではいなかった。

居心地の悪さ。いけないことをしてしまったと自覚しているバツの悪さ。

そして、怒られることに怯える子供のような弱々しさがただただ浮かんでいた。

それを美琴は静かな瞳で確認すると、小さく息を吸う。





「…じゃあ、歯ぁ食い縛りなさい」


「………あァ?」


858 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:19:56.00 ID:F5txVs/g0






にっこりと微笑みを浮かべたまま、渾身の勢いで振り抜かれた美琴の拳が一方通行の頬に突き刺さった。





859 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:22:01.91 ID:F5txVs/g0


「あーーくん!!」



派手な音を立てて倒れこんだ青年に想が慌てて駆け寄った。
殴られた方の一方通行は頬を押さえながら目を見開いている。
痛いというよりも、あまりの展開に呆然とした視線を美琴に向け、憎まれ口の一つ、文句の一言も出来ずに硬直していた。


殴った拳が痛かったのだろう、美琴は右手を胸の前でプラプラと振っている。


「どう?目が覚めた?」

「何?」

「最初はアンタがヤバそうだったら加勢しちゃおうかなって思ってたんだわ。おば様には悪いけどさ。でもね、あんまりアンタが寝言ばっかり言ってるからさ……段々ムカついてきちゃってね〜
 しかも想ちゃん泣かせるもんだから美琴さん、ちょろっとブチキレちゃった」


舌を出して、しれっと笑う。
想は、母親が一方通行を殴ったということの事態そのものが飲み込めずに、目を白黒させ二人の間を見比べている。
上条に至っては、容赦の無い美琴の拳に、口に手を当てて萎縮すらしていた。


美琴は座り込んでいる一方通行の眼前にしゃがみこむと、顔を彼の間近まで近づける。
30センチも離れていない距離に、美琴の苛立ち混じりの瞳と、紅潮した頬が映る。


「まったく……なぁんなんですかぁ〜〜?」


美琴がわざと一方通行の口調を真似る。



「なぁにが 『家族になれるモンならなりてェよ!!!』 よ。なぁにが 『俺にはそンな資格あるわけねェェだろ』 よ」



わざとらしく、大仰に溜息を吐く。
甘い美琴の香りが不意に一方通行の鼻腔を擽る。
美琴の指先が、一方通行の眉間に触れるかどうかという位置につき立てられる。



「何勝手に私達の家族になる為の資格検定なんてしてるのよ。私達の家族になる資格があるかどうかなんて、私達が決めるんだから」



それに、と美琴は頬を一際紅潮させる。


860 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:28:16.63 ID:F5txVs/g0


「大体さ、なりてェ、じゃないでしょ。アンタとっくに家族なんだから。今更アホみたいな絶叫かましてんじゃないっての!!」



「 ――――――――――― ッ」




ぺちんと、美琴が一方通行の額を指先で弾く。
弾かれた額を押さえながら、一方通行が目を見開く。
与えられた言葉の意味がわからない、と言うように。



一方通行は俯いた。自分にそんな言葉をかけられる資格があるのか?資格などあるはずが無い。

自虐的且、事実を見つめる彼の思考が冷静な判断を下す。

自分が何をしてきたか覚えているのだろう。クローン?18万?実験?正当防衛?関係無い。

自分自身が言っていたではないか。無能力者と変わらないと。そして、その無能力者を自分はどうした?

贖罪の為に戦った?自己満足だろう。自分で好き勝手にやったことで帳消しにするつもりか?

寿命を直す研究は?間に合わなかったではないか。一体何人の妹達が間に合わずに死んだと思っている?

たった二千人の妹しか救えなかったのだ。一万人を殺し、五千人を見殺しにした。その帳尻が二千人?

この期に及んでも自問自答をやめることなど彼には出来ない。

向けられる好意が恐くて、そして、彼は再び臆病彼の心が逃げたいと叫ぶ。

この居心地の良い、温かいモノから逃げ出したいと。





けれども、そんな一方通行の腕に小さな手がぎゅっと掴む。



「……想?」

「あーくんじゃなきゃイヤなの!」


まるで、逃げようとする彼を、離すまいとするように。
その手には小さな意思が込められていた。

861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:28:37.47 ID:kJp5w8Eno
右手当ててたのか?
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/16(土) 00:28:53.27 ID:fuyQRuZ8o
えんだあああああああああああ
863 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:29:27.16 ID:F5txVs/g0

「チッ…」

「あーくん?うきゃうッ」





可愛らしい悲鳴と共に、小さな少女の身体がすっぽりと収まる。


一方通行は、歯を食い縛り、小さな少女を抱き締めた。


ミルクの香りのする柔らかな髪に顔を押し付ける。


そうしなければ、きっと泣いていただろうから。




864 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:30:19.95 ID:F5txVs/g0


自分が撫でられることすら考えたことのない野良猫。



美琴の脳裏にある日の母親達の言葉が過ぎる。
呆然とした一方通行の顔を見ながら、胸が締め付けられるように痛い。
美琴は、そして、一方通行の側に駆け寄っていた想は、年不相応に幼く呆けている青年を見つめる。


そして、母親達は更にこう続けた。




『だったら、そういう困った猫ちゃんはわかるまで撫でてあげないといけないわね』

くすくすと、育ちの良いお嬢様のように詩菜が口元に手を当てて笑う。




『そうよ、詩菜さんの言うとおり。どんだけ嫌がっても、撫でて撫でて撫でまくってやるのよ。そうすれば、いい加減猫だって気付くはずよ』

赤ら顔で美鈴はからりと笑った。


865 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:30:57.66 ID:F5txVs/g0









―――― 自分は案外捨てたモンじゃないかもしれないって ――――














866 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:32:03.98 ID:F5txVs/g0



                   ―…***…―





「悪かったわね、さっきから放置気味で」


娘を抱き締める青年の姿に、納得したように頷くと、美琴は上条に向き直る。
上条は、ただただ黙ってにその光景を眺めていた。静かな湖畔の如き瞳には、感情の色は伺えない。


「で、どうする?」


まだ続けるか?そう問う美琴に上条は苦笑を浮かべて首を振る。


「止めておく。三対一の時は勝てないから撤退する。これ昔から決めてるルールだから」

「賢明な判断だわ」


上条は肩を竦めると、ちらりと一方通行と想に目を向ける。
僅かに、上条の瞳に感傷めいたものが浮かぶ。


「………いい子だな。それに…アイツも…」


美琴は、一片の躊躇も、未練も匂わせることなく、少女の頃から変わらぬ勝気で無邪気な笑顔を浮かべた。
それは、神浄でさえも、一瞬見惚れてしまう程、晴れ晴れとした笑顔だった。







「当然でしょ?自慢の家族だもん」






867 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/16(土) 00:34:24.04 ID:F5txVs/g0
今日の投下はここまで。
そして、どう考えてもこのスレでは終わらない。これを本当は一つのスレで終わらせるつもりだったのだから…もうアレです。

せめて上条編だけでも…あと数回の投下で終わるはずです。
そうすれば、一つの山場は越えたことになるので。

それでは ノシ





868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/04/16(土) 00:35:19.97 ID:+MoLBJbSo
(`・ω・´)ゞ 乙であります!
また明日ノシ
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:36:10.16 ID:ukCGj8ADO
乙乙

あーくんのヒロインっぷりと美琴の主人公っぷりが半端ない
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2011/04/16(土) 00:37:03.34 ID:Sa9jzMOj0
美琴さんマジかっけー
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/16(土) 00:37:27.41 ID:FTDcFmZRo
すげえ。鼻血出たわ。
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/16(土) 00:38:07.29 ID:D8IBoUQeo


そうだよなぁ
もう恋人とかぶっとばして家族だったもんなぁ
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:38:30.56 ID:cB79uyhMo

美琴さんが顔赤くしながら言ってると思うとかっけーのにニヤニヤしちゃう
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:39:20.25 ID:rYjlhCXOo
なに、この、ぶっちぎりにいい女。
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:39:33.89 ID:T/pyK9RXo
美琴さんはかっけーくせに同時に可愛いから困るわ
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:40:48.08 ID:CQY8pVt40
>>850
殺しちまうとインデックス他のネセサリウスの方々から絶賛ぶち殺しの刑が下る

ちなみに上条母が気付いてる描写ってどこ?読み直したんだが分からん
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/16(土) 00:42:34.04 ID:zjKJeDpvo
なんかこうも魅せられた一方さん美琴に逆らえないだろう、美琴の尻に敷かれそうだな
待遇に文句いいながら今まで以上に育児、家事にせいをだす一方通行が容易に想像できるww

しかしこの間の上条さん想像するとシュールで笑ってしまう
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:43:53.30 ID:70FO2+Bj0
>>876
母ちゃんってのは何でも分かるんだよ
エロ本とか隠しても普通にばれるだろ?つまりそういう事
879 : ◆d85emWeMgI [sage]:2011/04/16(土) 00:44:14.64 ID:F5txVs/g0
描写不足です。詩菜さんは当麻だとは気付いてません。
が、一方通行が一人で抱えて、何かやらかすということは感づいてました。

みたいなつもりです。
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:47:21.81 ID:70FO2+Bj0
ちょ!かっこつけて言ったのに!!
恥ずかしいって俺は俺は…ww
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:47:37.80 ID:Ntta4mof0

あーくんのヒロインっぷりが半端ない

Q.御坂美琴さんに質問。動物を飼っていますか?
A.はい、大きくて無愛想で可愛い白猫を一匹
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:49:10.46 ID:CQY8pVt40
>>881
Q.それは一方通行ですか?
A.>>888たのんだ
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/16(土) 00:50:32.94 ID:D8IBoUQeo
>>880
大丈夫
俺も母親なら息子の事は何でもわかるって思ってたから
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 00:51:24.49 ID:M52gJ9GDO
あーもう美琴はいい女すぎるし、あーくんは不器用かわいいし、悶々して寝れねえ
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/16(土) 00:56:33.61 ID:AWCxzPlR0
引き摺りっぱなしの一方さんもよかったが、ちゃんと一線引き抜いた上条さんもいい男
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/16(土) 01:00:51.10 ID:FTDcFmZRo
>>880
心配すんな俺なんて>>833だ都合良く読み過ぎた。

ぶん殴ってから美琴と一方通行の仲が進展したように想ちゃんの目に映ってしまったなら
これは将来的に間違った恋愛観を植えつけてしまいやしないかとはらはらしますね。
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/16(土) 01:05:27.79 ID:fuyQRuZ8o
期待
888 ::VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 01:06:04.45 ID:jRYrdD93o
>>886
好きな人には右手でパンチですね
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/16(土) 01:11:37.27 ID:xqnzfu0fo
どうせ想ちゃんとお付き合いする為には白い人に一発殴られなきゃならんのだから
想ちゃんのグーパンぐらい大したことなかろ
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 01:14:44.13 ID:joT0Jv0bo
想ちゃん違うからな
あーくんが「どえむ」なだけだからな
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/16(土) 01:33:08.81 ID:LM8TtxSlo
絹旗ちゃんかわいそす
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 01:44:49.16 ID:HuftaOmIO
「止めておく。三対一の時は勝てないから撤退する。これ昔から決めてるルールだから」

この上条さんの台詞は本当に良いな。


893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/16(土) 01:59:47.03 ID:8yUeziX90
>>891
佐天さんも忘れるなよ、空気だけど・・・結局誰かが割を食うって訳よ


上条「止めておく。三対一の時は勝てないから撤退する。これ昔から決めてるルールだから」

美琴「賢め

想「ここまでやっといて今更芋引けっとでも思ってンのか、この三下がァァァァっ!!!」

上琴一 ( ゚д゚)

想「やるだけやって逃げようとか考えてる、そのふざけたお前をぶち[ピーーー]そのふざけたお前をぶち[ピーーー]」o(●゚ー゚●)=O=Oシュッシュッ


・・・ていとくんにベジータの良さを語ってた時の想ならこれぐらい・・・とか言う電波を受信した・・・。
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 02:12:34.63 ID:joT0Jv0bo
想ちゃんがベジータ好きなのって本能的に一方さんの面影を見てるからなのかね・・・
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/16(土) 02:39:09.81 ID:eMT+N4uso
>>893
クソッタレww
この数日のシリアスが台無しだ
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/16(土) 02:53:02.92 ID:xqnzfu0fo
美琴「ま、誰かが笑う後ろで誰かが泣いてるなんて、恋愛じゃ仕方のないことだし、割り切ってるわよ」

絹旗「一方通行が誰を選んでも……超覚悟はできてます」

佐天「二人とも、世の中には4Pっていうものがあってね……」

一方「止めておく。三対一の時は勝てねェから撤退する。これ昔から決めてるルールなンだ」
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 03:36:33.91 ID:Yaj62BIyo
一方通行は逃げ出した。しかし回り込まれてしまった。
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 03:45:01.09 ID:4Eb0QQct0
さすがにこの期に及んで説教する上条には呆れた
一方さんが勝つ展開ってあまり見ないからちょっと期待したんだけどな
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 03:47:20.48 ID:0UAj1/eDO
ss自体はいいんだがこのスレの奴らの馴れ合いが気持ち悪い
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 04:04:26.99 ID:dQzq8CZIO
素直に感想書けばいいのに>>893とか>>896みたいなくだらん小ネタ書き込む奴らってなんなの?
全然面白くないしSS読んだあとにそういうの見ると水差された気分になってイラっとするからマジで止めてほしいんだけど
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/16(土) 06:39:31.13 ID:RxBbPzTlo
NGすりゃおk
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 07:07:09.56 ID:y6swxSCSO
人のスレでやるな
自分でスレ立てろ、が正解
NG以前に書くな
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/16(土) 07:26:19.53 ID:RxBbPzTlo
スルーしないなら同罪
煽って荒らしたいのか?
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 07:48:34.15 ID:7awnHIIIO
ここは怖い人たちでいっぱいだから想ちゃんはあっちで先生といっしょに新婚さんごっこしましょうねー
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 08:24:57.48 ID:GppUzi4/0
どっかのまとめサイトに行くまで待ってりゃいいのに。
君たちの嫌いな横レスもカットしてくれるよ?
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/16(土) 10:39:40.35 ID:STeKeNXA0
ケンカすんなよお前ら。
俺たちはみんなこのssが大好き、それでいいじゃないか。
とりあえず俺は早く一方さんが誰かに抱きしめられて欲しい。
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/16(土) 12:38:06.44 ID:uBMUowuzo
ていとくんがアップを始めました
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 16:23:56.18 ID:OEAnl6KC0
読み返してみて思ったけどこの>>1の話は台詞が上手いよな。
うちの白いのとか、説明文入れられるよりこの一言が物語ってるもん。
小洒落た台詞回しとか、そういう厨二的なかっこよさとは違うかっこよさがあると思う。
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 16:50:28.71 ID:r4chNkYWo
>>908
そこに気づくとは……
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/16(土) 17:39:00.92 ID:GpqWCzTKo
おさらいのつもりで前スレから読んできたんだけど

前スレ>>864 あーくん「コラ、まだ寝てンのか?早く寝ろっていつも言ってンだろォが」
つまり…どういうことだってばよ?
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 17:45:23.98 ID:0oAp+6rIO
>>910
寝るのが遅いから早く起きられない的なことじゃないのか?
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/16(土) 18:37:22.77 ID:GpqWCzTKo
これ夜のやり取りなんだぜ

今更なんでこれ以上はやめとくけど、当時誰も突っ込んでなかったからさ
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 18:54:41.39 ID:dmYLE96Oo
どうでもいい
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/16(土) 21:44:28.72 ID:qqB1rGZyo
なんで今更掘り返すの?
くだらない
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 22:30:45.57 ID:OEAnl6KC0
>>910
四歳か五歳くらいの子供に「早く寝なさい」って言うのは別におかしいことじゃないだろう。
絹旗が酔い潰れて寝てたりするんだから、10時くらいは回ってるだろうし。
美琴が研究で帰れないから一方通行の家に泊まる事が多いって言ってなかったか?
電磁通行だとしても、絹旗が美琴に負けたというよりも、御坂親子に負けた感じがする。一方さんはどっちも大事にしてるから。
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 22:33:37.10 ID:pMbTyw33o
>>915
まだ寝てんのかって所がツッコミどころなんだろうが
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 01:48:47.54 ID:cagFtf+f0
一方さんの心情についてこれ程踏み込んだ人はいないな。
作者一方通行好き過ぎだろうwwというかツンデレ男好きなのか。
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/17(日) 08:56:59.97 ID:CI/yFZ6O0
>>917
それはこの作者の他のスレを見れば明らかだよなww
俺も一方さん大好きだがここまで好きな人は見たことがない。
この人の作品全部大好きだ
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 11:44:26.98 ID:gwNPLfyDO
>>918
さすがにその発言はねーわ
スルーしろって言われてできるもんじゃねぇ
人が好きって思う気持ちに勝手に優劣つけてんじゃねぇよ
ビリィも足拭きマットもあくせらびっともまろみも一方禁書も一方通行が好きって気持ちが負けてる訳ねぇだろうが
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 11:52:49.42 ID:YTHCvKeSO
人が好きって思う気持ちに勝手に優劣つけてんじゃねぇよ
   ___
  /\  /\ キリッ
 / (ー) (ー)\
`| ⌒(_人_)⌒|
 \  |┬| /
 /    ̄  \
`/ |―――、 ―――、
(__(_)_)_)) (_)_)_))


だっておwwwwww
   ___
  /ノ 丶\
ミ_o゚(●) (●)゚o _ミ
丿)))⌒(_人_)⌒|/ )))
| (⌒) |┬| (⌒) /
|  ノ 丶ノ / /
丶 | 从从  从从
/  ―――、 ―――、
\_(_)_)_)) (_)_)_))
バンバン!




二次創作に何熱くなってんのwwwwwwwwww
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 11:53:26.90 ID:xXvN5Ph3o
>>919

>>918は別に他の作者を貶してないだろ
>>918の中では一番と言ってるだけで

お前こそ人が好きって思う気持ちに勝手に優劣つけるなよ
冷静になれ
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/17(日) 11:55:54.12 ID:zrRoaztCo
雑談は雑談スレでやれ
スレ汚し共め
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 11:57:05.93 ID:+qXBKahIO
お、俺だって一方さん好きの気持ちなら誰にだって負けてないぞ!
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/17(日) 12:27:26.12 ID:zeKABiEEo
春厨乙
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/17(日) 13:06:49.63 ID:8T7E3b2B0
二次創作に熱くなったっていいじゃない。
一方好きだもの。 そう
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 17:12:08.36 ID:gihNjmCqo
いいSSほど読者レスが糞の法則
927 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 18:43:46.31 ID:OaC+whL10
投下します。
928 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 18:46:52.07 ID:OaC+whL10


神裂火織は歯噛みする。勿論それは己の至らなさにである。
窓の無いビル、そう呼ばれていたのは今は昔。
彼女の主がこの街の女王と会談の席を設けいているのは嘗てこの都市の神に等しき男の座していた場所だ。
実質この世界の行方を握る二人の人間、彼等を敵に回すことは即ち世界そのものを敵に回すことに等しい。
だからこそ、彼女は油断していた。
油断などしているつもりは無かったが、無意識に気が緩んでしまっていたのだろう。
目の前に居並ぶ薄暗い法衣を纏った男たち。



(何と迂闊な…)


隣の男と共に護衛に付くべく、ドアの前に立った瞬間、神裂達は強制的にビルの外に排出されていた。
眩い光に包まれた瞬間、天草式の転移術式が脳裏を過ぎった。
身体を磁石で吸い寄せるような感覚には覚えがあったのだ。
噛み締めた歯が軋みを上げる。傍らの男へ目を向ける。男は見慣れぬ奇妙な服装に、きょとんとした表情を浮かべている。
未だにこの状況が飲み込めないようだ。
この都市においては奇矯な、神裂にとっては見慣れた服装の彼等を“魔術師”と呼ぶ。
その数はざっと見渡しても、100人を超えている。
神裂は振り返る。背後にある主たちを納めているビルを。


魔術師たちよりも数歩前に立ち、ふてぶてしい薄笑いを浮かべているのは二人の男だ。
彼等を取り仕切っている指揮官なのだと一目でわかる。しかし、仮に大群の中に埋もれていたとしても、すぐさま神裂は気づくことが出来るとわかる。
肌で感じ取ることが出来るほどの彼等の力量が、その他大勢の魔術師たちの中に埋没することを許さないのだ。

「天草式。実に面白いスタイルです。日常の何気ないものに術式を絡めておく。歴史的背景を鑑みれば当然の帰結とはいえ、理にかなっている」

二人のうち背の高い男が薄笑いを浮かべる。
右目が赤、左目が青のオッドアイの男は、心から感心したように神裂に語りかける。

「しかし、魔術を扱う人間の思考とは行き着く先は案外似通うものです」
「そうさ、君たちだけの専売特許だとは思わないことだね。僕等だってこれくらいの術を仕込むことは出来る」

オッドアイの男よりも頭一つ分背の低い少年がせせら笑う。
一見すれば少女のように見える美しい顔を歪ませて、美貌の少年は醜い笑みを浮かべる。



「君の主もバカだよね。神浄を側から離しちゃうんだもん」


「なぜそれを!?」


「フフフフ……僕等の情報を甘く見ないことだね。ま、せいぜい指を咥えて見てればいいよ。君たちの大切なご主人様がぐちゃぐちゃのミンチになっちゃうところを」





                   ―…***…―






「貴方は…誰?」

親船最中と向かい合い、紅茶のカップを手にしたまま『ローラ=スチュアート』は問い掛ける。
目の前に現れた闖入者に静かな眼差しを向け。闖入者はローラの声を心地良い音色を聞くように笑みを浮かべ聞き入る。
閉じていた瞳をゆっくりと開くと、まるでダンスにでも誘うかのように、恭しく一礼をする。


「お初にお目にかかります。最大主教。私は一介の名も無い魔術師…」

「嘘は良くないわ。“この部屋”にこんなにも容易く進入出来る者が一介の魔術師のはずがないでしょ」


929 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 18:48:01.75 ID:OaC+whL10


顔を上げた男は、穏やかに笑う。
ただし、その瞳は笑みの形に細められているだけに過ぎない。


「いやはや、それはまた随分な評価。面映いばかりです。私、恥ずかしながらちょっとした魔術結社を立ち上げておりまして。名を ――――





                   ―…***…―






「僕達は『黄金のリンゴ』。そうさ、人類の敵、世界の味方。新たな世界の呼び水」


少年がすらすらと歌うように口ずさむ。
うっとりとした視線は虚空に向けられている。
自分の言葉に、自分で酔っている者特有の表情に神裂は吐き気を催す。
経験上、そんな人間にはロクな者はいないと知っているからだ。


「そして君達欺瞞に満ちた者達が塗り固めた平和を打ち壊す者さ」


少年は優越感に満ち満ちた表情で、神裂と、そして傍らの削板にねっとりとした視線を向ける。


「ねぇ、薄汚い学園都市の女王の飼い犬君。君は知ってるかい?」


嘲るように、少年が口の端を釣り上げる。
神裂は、傍らの青年に向けられたその嘲笑を切り裂いてやりたくなる。
こんな連中と同じ世界に住むとは思われたくない。刀を握り締めた手に力がこもった。


「この世界は絶えず争いが起こっている。今は、とりあえず名目上平和ってことになってるみたいだけどさ。上っ面ばかりだよ。貧困、差別、疫病。人々を憎しみ合わせる要素は後を絶たない。
 戦争を引き起こすキーワードは何時の時代だって民族、資源、そして……」

「宗教さ」

オッドアイの男が後を引き継ぐように言う。

「人々の心を救い、ひとつに纏めるための信仰のはずなのに、いつしか信仰そのものが争いと差別を生み出す温床になってしまっている」

遮られる形になった少年が不服そうに男を見るが、意に介することも無く、穏やかな物腰を崩さない。
神裂は言い返そうにも、言っていることが事実であるだけに、唇を噛みながら言葉を呑み込む。
男の演説めいた言葉は続いていく。


「しかし、君は今こう思ってるはずだ。『好きで誰も戦争をしてはいない』と」


削板は言葉も無く、ただじっと男を見つめる。男は鼻で笑う。

930 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 18:49:08.59 ID:OaC+whL10


「世界をどうにかしたいと願うのは誰であっても同じであるというのに、世界は一向に争いを消すことが出来ない。それが何故か、わかるかい?神裂君、君ならわかってるのではないかな?」

「………」


神裂は答えずに、男を睨みつける。
男は肩をすくめて、苦笑する。これだから子供の相手は疲れる、とでも言いたげに。


「世界を変えようとする者を指示する者と敵対する者。どれだけあらゆる要素を排除しても、最後には必ず一つの対立が生まれるように世界は出来ているのだよ。
 
 『変革を望む者』と『望まない者』との対立がね。口では世界に不満を撒き散らしていたはずなのに、いざという時に変化を恐れる人間は世界に腐るほどいる。

 もしかして、変革を望まない者が敵対しているのは変革そのものではないかもしれない。ただ同じ人間に導かれなければなら無い事が気に入らず敵対しているのかもしれないね。

 ただ、人間というものは争わずにはいられない業の深い存在なのだよ。ならばどうすればいいか?実に簡単なことだよ」



いよいよクライマックスに近付いたのか、男は両手を広げ芝居がかった口調で叫ぶ。



「人では人を公正に等しく導くことも、ましてや裁くことも出来ない。ならば、裁いて頂くのさ。人を公正に見定めることの出来る者達によってね」



「……天使?」


神裂の言葉に、男は大仰に頷く。
正解をきちんと答えることの出来た生徒を褒める教師のように。
少年が得意げに、そして小馬鹿にしたように厭な笑みを浮かべる。
爬虫類を思わせる笑みに、神裂の背筋に怖気が走る。


「そう。あの方々に下りて来て頂くのだ。人間を進化させるなどと回りくどい事をしていたアレイスターと我々は違う。天界とこの世界をただ繋げてしまうのさ」


「そんなことをすれば……世界は…」

「そう、黙示録さながらの光景になるだろうね。もっとも……」


魔術師たちの群れが、一瞬身じろぐように蠢いた。
神裂が手にした刀の柄に手を掛ける。


「君達はそれを目にすることも出来ないだろうがね」
931 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 18:50:42.31 ID:OaC+whL10


二人の魔術師が一歩ゆっくり歩を進める。
神裂には瞬時に二人の魔術師の並々ならぬ力量が感じ取れる。
100人以上の魔術師と、彼等二人を相手に出来るのだろうか。
彼女の背筋を冷たい汗が流れる。不意に、隣の青年に目を向ける。
一言も口を開くことのなかった青年。


(無理もない……)



科学の都市に住むこの青年には目の前の魔術師の語った言葉など荒唐無稽な妄言にしか聞こえなかっただろう。
天使だとか、天界だとか、黙示録だとか。そんな単語は彼等にとってはゲームに出てくる用語と大差ないことなのだ。
しかし、どれだけ理解が及ばずとも、実存する。そして、魔術は容易に科学の人間にも牙を向ける。
神裂はこの青年をその牙に触れさせたく無いと思った。
自分や『彼女』のことを侮らず、純粋に凄いと言って笑ってくれたこの優しい青年を、自分の世界に巻き込みたくなかった。

「……削板……貴方は逃げてください。これは私達の問題です。貴方は…」

「無駄だよ。神裂火織」

少年が、右腕に巻いていた包帯をゆっくりと焦らすように解いていく。
直感が神裂に告げる。


“あの右腕には気をつけろ”と。



「目撃者は全て消す。事情を知る者も全て消す。それが鉄則だからね」

「勝手に彼を連れてきておいて……」

「フフン。薄汚い学園都市の連中なんて知らないよ。それに、そんなに人の事気にしてる余裕あるのかな?言っておくけど君がいくら聖人だからって、僕の…このメアリー=スーの魔術の前には無力だよ」


少年を取り巻く空気が張り詰めたものに変わる。
神裂の顔色が変わった。
細かな針で体中を打たれたような痛みにも似た圧迫感が彼女の背筋を粟立たせる。
これから始まる死闘を、或いは神裂は無意識に感じ取っているのかもしれない。
呼吸一つでも読み違えれば、それが死を意味するような、本当の死闘だ。
相手の魔術を見極め、いつ七閃を放っても良いように、指先に感覚を集中していく。




「そうそう、魔法名をまだ名乗ってなかったね。僕の魔法名は ―――



932 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 18:58:23.35 ID:OaC+whL10







すごいパンチ!!






933 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 19:00:31.65 ID:OaC+whL10


「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


一切の躊躇無く繰り出された空気を読まない七色の爆発と共に吹き飛ばされた魔術師メアリー=スー。
ドップラー効果で空へと絶叫の尾を引き人間砲弾も真っ青な速度で飛んでいった魔術師メアリー=スー。
神裂を無力化するという魔法どころか魔法名すら披露する間もなくぶっ飛ばされた魔術師メアリー=スー。



「エエエェェェェェェェェーーーーーーーーーーーー!!!」


刀に全神経を集中させていた神裂が別の意味で絶叫を上げる。


「き、貴様!?まだメアリーが魔法名を名乗っていなかったのに…ッ」


既に学園都市の空を逆行していく流れ星。夜ですらないというのに、流れ星。
オッドアイの男がそんな場違いな流れ星になった嘗ての仲間を見上げながらこれ以上無いくらいにうろたえる。
後ろに待機していた100人超えの魔術師達の間にも動揺がこれでもかとばかりに広がっているのが神裂にもわかった。

「いいだろう。どうやら先に死ぬ事を御所望のようだね。この私の魔術は言っておくが学園都市のレベル基準で言うところ、
 レベ 「すごいパーーーーーーンチ!!!」ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


一切の躊躇無く繰り出された空気を読まない七色の爆発と共に吹き飛ばされたオッドアイの男。
ドップラー効果で空へと絶叫の尾を引き人間砲弾も真っ青な速度で飛んでいったオッドアイの男。
自分の名前も名乗る暇もなく、レベルにすると幾つなのかわからず仕舞いで星になったオッドアイの男。
彼は赤い目と青い目が悪魔と天使の混血児であり、それゆえに幼い頃から迫害されいた為人類全体に深い憎しみを抱いていた。
魔力を全開にすると黒い髪が金色に変化し、背中からは悪魔の翼や天使の翼が生えるというとてつもない強さだった。
メアリー=スー共々、よくよく話を聞けば悲しい過去が幾らでも出てくるような、そんな連中であった。
しかし、そんな情緒も一切解することの無い、知ったこっちゃ無い無粋な七色の爆発が全てを消し飛ばしてしまった。
そして、一瞬にしてリーダー二人を失い、烏合の衆と化した100人の魔術師に対して、削板軍覇は説教するわけでもなく、勝利宣言をするわけでもなく、ただ返す刀を振りかざして叫ぶ。



934 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 19:02:07.30 ID:OaC+whL10



「すごいパァァァーーーーンチ!!!×100!!!」




100人超の「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」が虚空に溶けて行くのを見上げながら神裂はただただ眺めることしか出来なかった。
彼等の不幸、それは削板軍覇という男と敵対してしまったこと。彼の行動理念はいつだってたった一つ。
根性の無い奴をぶっ飛ばすこと。ただそれだけだ。そして、それだけだからこそ、彼は強い。
彼こそが、学園都市第七位。戦闘能力だけならば、一方通行よりも強いのではないかと囁かれている男。

レベル5、削板軍覇だった。




いい汗かいたとばかりに額を爽やかに拭うと、削板は神裂の方を振り向く。


「ところで、あいつ等は何だったんだ?」


どうやら黄金のリンゴ辺りから話を聞いてなかったらしい。
ふんすと、胸を張って何故か得意げな青年、見ようによっては少年にすら見える男に溜息を吐く。
神裂は呆れつつも、理屈や道理、理想や野望など一切意に介さない馬鹿馬鹿しい強さに一種の爽快感を覚える。
感銘すら受けているのかもしれない。


「知らずに殴ったんですか……」

「根性なしだってことならわかってるぞ」

「根性なし……アレでも世界を憂えている連中なんでしょうが」


根性なしの一言で彼等の御大層であろう理想はぶっ飛ばされたわけだ。七色の爆発によって。
削板は眉を吊り上げ、負けん気の強い顔をむっつりさせる。



「天界ってのが何処の国なのかはよく知らねーけど、他のヤツに全部押し付けるってのは根性なしの言う言葉だ。俺達の世界に不満があるなら、俺達の手でどうにかしなきゃいけねー問題だろ。
 争いが無くならないなら無くなるまで根性出す。やることはそれだけなんだからよ」


「 ――――― ッ」



ぐちゃぐちゃとした理屈の一切を跳ね除けるような削板の言葉に、神裂は暫し呆気に取られる。

935 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 19:03:18.09 ID:OaC+whL10

ハッキリと言い切られてしまった。

神裂は思う。結局はそれが答えなのだ。最初からわかっていて、あえて触れられない答え。
方法論を幾ら論じてみても、根本にあるのは諦めずに立ち上がることだ。その前提があって初めて方法論は存在する。
削板の言葉は単純である。しかし、それだけに真理のみをはっきりと突いた言葉だ。





「……まったく……貴方という人は……」

「ん?どうしたんだ?神裂のねーちゃん」

「いいえ、何でもありません。それより削板、急ぎましょう」

「そうだな、ばーちゃんが心配だ。それに、ローラのねえちゃんも」

「………ええ、そうですね」



一瞬神裂が浮かべた複雑な表情に削板は気付かなかった。





                   ―…***…―





「無事ですかい、親船理事」


土御門はへらへらと緊張感の欠片も無い顔で、会談の場となっている会議室に足を踏み入れる。
彼の視界には、穏やかに談笑する老婦人と、貴婦人というには些か幼さが残る麗々しい女の姿があった。


「あら、土御門」
「どうも、理事長。そして最大主教」


紅茶を飲み終え、ゆるりとした仕草で最大主教『ローラ=スチュアート』は怒ったように土御門を見上げる。


「土御門……貴方、こうなるって知っててわざと神浄を送り出しましたね?」

「そんなに睨まないで欲しいにゃー。敵を騙すにままず味方からっていうのが定番ですにゃ」

「貴方の場合は悪ふざけも入ってるでしょ」


親船はシュガーポットから角砂糖を一つ紅茶に落としながら、冷めた口調で言葉を差し込む。
ローラの眉がぴくりと動く。


「まぁ、おかげで結果オーライだにゃー」

936 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 19:12:07.40 ID:OaC+whL10


偶々、最大主教が聖人二人のみを護衛に付けて来日したという情報が流れ。

偶々、常日頃から魔術サイドの掌握のため、或いは兵装として最大主教を狙う過激派と呼ばれる近年名を馳せてくるようになった新興魔術結社がその情報を握って。

偶々、今日、最大主教の傍らに居続ける伴侶であり守護者である神浄討魔が護衛から離れることが
彼等に流れ。

偶々、科学サイド最強の人間兵器一方通行と戦い始めたおかげで、両サイドの切り札が両サイドのトップから離れ。

偶々、そこに、知人を訪ねてきた魔術師や果ては元聖人が居合わせた。

偶々、彼等の完全な不意を突くような、待ち構えていたような形で戦いが勃発した。

偶々、土御門の高校時代からの友人がレベル5だったので、能力者も引っ張ってきた結果、新興魔術結社は為す術も無く壊滅した。


937 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 19:13:14.42 ID:OaC+whL10



「それに幹部連中をとっ掴まえることもできたんだぜい」



土御門は小さく笑うと、視線をローラの足元の床に転がっているものに目を向けた。
薄暗い部屋において、置物か何らかの塊としか認識し辛いそれは、男であった。
子供のように膝を抱えて蹲り、聞き取れないほど小さな声で男は何事かをブツブツと呟いている。
胡乱な目には、虚空しか映ってはいない。
近寄って、目線を合わせようとしゃがみこむ。
しかし、先ほどまでの余裕、慇懃無礼な立ち振る舞いなど幻のように、男は怯えた目を見ず知らずの男に向けるだけだ。


「黄金のリンゴの教主……っていってもまぁ、無様なものだにゃー」

「ひっ…いぃぃ…い」

厄介なのは、この男であった。名も知られていないが故に、予測不能の魔術師。
ただ、世界に20人といない聖人の一人であるという噂だけがようやく掴むことの出来た情報であった。
この男を逃がしていたら、再び立て直す危険性は十分にあった。
しかし、土御門の期待通り、予想以上にこの男の抑え込んでいた自己顕示欲は強かったのだろう。
ノコノコとこの場に自ら赴いてくれたのだから。

結果、烏合の衆と化した魔術師達は、必要悪の教会の敵ではなかった。


「まんまと食いついてくれたにゃ〜神浄が居ないってことに、そんなに安心したのかにゃ〜?思わず浮かれてノコノコ来ちまうくらいに」


土御門は、軽蔑の眼差しをサングラスの奥に隠して、昏く笑う。
この男が、馬鹿みたいな虚栄心と自己顕示欲に突き動かされて自らやってきてくれたことに心から土御門は感謝していた。




「けど、これでわかったかだろう?神浄討魔という“安全弁”の無い『禁書目録』の恐ろしさが」



土御門は、何事も無かったように呑気にクッキーを頬張るローラ=スチュアートを見る。
10万3000冊の一体何を使ったのか、土御門には見当もつかない。
或いは、何もせずにただ、この男が魔術書に干渉しようとするのを止めなかっただけなのかもしれない。
しかし、神に捧げられる子羊であった少女ではなく、今の彼女は、神の子を側に付き従える姫君なのだ。



「チンケな魔術結社のトップ如きがうちのお姫様をどうこう出来ると本気で思ってたのか?」



938 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 19:21:56.40 ID:OaC+whL10



最強の矛と最硬の盾を科学と魔術の世界でそれぞれ所持する。
そうすることで互いの戦力を均等化、或いは膠着状態にする目的があった。
しかし、それはあくまでも表向きの話しである。
インデックスと呼ばれた少女に嘗てあって首輪。
それは、彼女の安全を保障する一方、彼女が存在することに対する安全を保障するものであった。
そして、それが失われた時、当然上がった声がある。

彼女の殺害。


その為の打開策として、土御門元春が提案したことが上条当麻の『幻想殺し』を制御装置として『禁書目録』に付けるということ。
いつでも抑えることの出来る存在を側に置くことで、初めて白い少女の身の安全は保証されることとなった。
土御門は、インデックスという少女の為にそうしたわけではない。
考えなしの、臆病なだけの老人達の浅慮によって少女を殺めることがもたらす波及効果を憂慮したに過ぎない。
魔術サイド、科学サイド両陣営に深く根差した存在である彼女が仮に理不尽に殺されることになれば、最悪、学園都市に塁を及ぼしかねない。
そして、すなわち、それは彼の最愛の人にも危険性が及ぶことを意味する。

ドサクサに神の子を伴侶として側に置くという二人の婚姻関係を暗に成立させる為の屁理屈を承認させたのは彼のせめてもの罪滅ぼしである。



(ま、事実を知ってもカミやんは同じ事をしただろうがにゃ。寧ろ自分以外にその役はやらせねーって言いかねーぜ)



薄暗い空間に、軽快な歌が突然流れる。
土御門はスーツの内側を探り、携帯を手に取る。

939 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 19:32:51.03 ID:OaC+whL10



『ひどいで!ツッチー!!魔女っ子達が僕と大乱交パーティーしたがってるって言うから来たのに』



「いやぁ〜すまねぇすまねぇ〜大乱闘パーティーの間違いだったにゃ〜」



『絶対嘘や!ヒゲのガチムチのオジサンが火とか出したかて全然萌えへんよ!!』



「でも、その調子だと終わったみたいだにゃ〜流石第六位」



『“元”って付けたってよ。というか現役の六位にこういうのは押し付けてほしいわ』



「強い方に頼むのは当然ってやつだぜい。ま、ツッチーお手製のメイド服を来た幼女の写真で手を打って欲しいにゃ〜」



『あ、じゃあ僕、あの子がええ。超電磁砲ちゃんの娘。ついでに猫耳も付けて欲しいわ』




土御門の頬が引きつる。
脳裏に白髪鬼の顔が過ぎった。



「…………親御さんに殺されるかもしれねぇけど…頑張ってみるぜい……」




携帯を切ってから溜息を吐く。
上条にも事情を知らせなければならない。
この作戦は、上条が知らないことが前提である。知れば彼は必ず反対するだろう。
彼女の愛しい姫君を囮に使うのだから。
土御門を口先だけで登り詰めた者だと蔑む者は多い。
手段を選ばず、他者を平気で利用する姿勢を卑怯だと罵る者も少なくはない。

しかし、土御門はそれらの声を一笑に付す。

土御門は一切の手を禁じ手としない。
使えるもの利用できるものは全て使う。
虎の威を借る狐と馬鹿にする者は多い。


しかし、躊躇など彼には羞恥など無い。そして恐怖も無い。


手段に拘り、体裁を取り繕った結果、守れなかった時こそが、彼が恥ずべき時だ。




「ま、俺がカミやんにしこたま殴られるくらいで話が済むなら安いもんだぜい」







守りたい者の屍を抱いて泣き伏す事だけが、彼がこの世で恐れるものだ。




940 : ◆d85emWeMgI [saga]:2011/04/17(日) 19:34:15.05 ID:OaC+whL10
投下終了です。
上条編もうすぐ終わります。
やっと終わります。

軍覇君は一体いつアニメに出るのでしょうか。

それではまた ノシ

941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/17(日) 19:35:03.87 ID:US2f2rzxo
うんまあ削板相手にごちゃごちゃ喋ってた時点で予感はしてたけどwwww
相変わらずすごいパーンチ×100とかメアリー=スーとか色々ネタがwwwwwwww
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/17(日) 19:37:28.35 ID:hl7R5tMyo

さすが軍覇さん、凄すぎww
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/17(日) 19:38:54.76 ID:zeKABiEEo
おつおつ

まぁ削板だしなww
そして安定の土御門&青ピ
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 19:41:02.41 ID:V923/ZTDO
青ピのご冥福をお祈りいたします……
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/17(日) 19:46:55.91 ID:NAJvz1ZAo
くっそぅ。シリアスだと思ってたのに。それを期待していたのに。
削板が出てた時点で気づけなかった。
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/17(日) 20:21:00.73 ID:9nJwZ0Q20
つっちーは上条ちゃんに殴られる心配も荘だが
一通さんに愉快なオブジェにされる心配もするべきだと思うwwwwwwww
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/17(日) 20:34:15.94 ID:GiZM5tcCo
まだ>>1の口の中にカカオが残ってるのかよ!
魔法名はすごいパンチ!!
クwwwwwwwwwwwwソwwwwwwwwwwwwがwwwwwwwwwwww
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 20:35:58.65 ID:mSqt/Ym60
薄っぺらな二元論、勿体ぶった語り口、慇懃無礼の長台詞、極めつけのオッド・アイ
あああああ、まったくなんでありがちなぺラい妄想オリキャラとか出したがるんだか困ったもんだぜ
しょーがねーなーどうせ追い詰められてチンピラ口調になって魔術暴走させたりしてふっ飛ばされ
ンダろもう見飽きてんだよまあ読むけどよセンス炸裂な魔法名とか拝ませてもらおうじゃねえか

と思ったら次のレスでもうふっ飛ばされてた。
感服。この>>1には惚れた
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 20:46:28.12 ID:dnnYWNr3o
削板△!
あと、>>948で一瞬「あれ? フレ/ンダ何処にいたっけ?」と考えたのは内緒だ
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/17(日) 20:56:19.59 ID:+NbWa3sao
>>892
禿同
個人的に上条さん好きだから、上条さんらしくて良かった
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/17(日) 21:06:00.98 ID:ibw4YJ0so
最初何が起こったのかと思った……
やっぱり削板さん、常識がないぜ!

スクライドのカズマがバーニングサマーをぶっとばしたときぐらい
スカッとしたよ。

乙! 何スレでも頼む!!
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/04/17(日) 21:18:13.03 ID:gJrMjHZDo
つっちーは神浄にしこたま殴られた上に一通さんに愉快なオブジェにされたあげく超電磁砲を食らうのか
胸が熱くなるな
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/17(日) 21:39:02.75 ID:Syw/tvdm0
削板と一方さんが殴りあうシーンがみたいな 一方さんは削板に絡みづらそうだけどな
すごいパンチが反射されても、なんか根性でさらに強いすごいパンチで返しそうだ
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/17(日) 21:46:50.90 ID:UXgG/hb9o
すごパ×すごパでアラビアンゲートが開くんですね
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 21:56:07.45 ID:OaC+whL10
性懲りも無く投下します。
このスレ最後の投下です。上条編ラストの話しです。
10時に投下します。よろしくです。
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 21:59:43.82 ID:grkNirQU0
本日二回目の投下とは胸熱

>>949
俺も考えたww
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:05:22.79 ID:OaC+whL10


何処か狭くてのっぺりとしている星空を見上げながら上条は白い息を吐く。
頬を刺す風はまだ冷たく、三月だというのに冬の残滓は十分過ぎる程に存在感を主張してくる。
学園都市の風はイギリスのそれよりも何処か冷たく感じるのは気のせいだろうか。
掴んだ手すりにもたれかかる。

「よ」

不意に掛けられた声に驚くことなく振り返る。
腰に手をあてた御坂美琴が薄っすらと微笑みながら立っていた。
その手には二本の缶コーヒー。

「御坂……」
「何辛気臭い顔してるのよ。って、アンタ昔っからそうだったわね」
「余計なお世話ですぅ〜」

美琴から缶コーヒーを受け取りながら口を尖らせる。
銘柄はイギリスでも見かける有名な飲料会社のモノだ。
ブラックは余り好きでもないのだがな、とは口にせず上条は礼を言って一口飲む。
熱いコーヒーの喉を滑り落ちる感覚に、小さく身体が震える。
自分自身気付かぬ内に冷え切っていたようだ。


「アイツは?」
「特に異常無し。ってか、本人は大袈裟過ぎンだよってブー垂れてたけどねえ」
「上条さんの方が重症でしたよ。骨に罅入りまくりだし」
「アイツは脳に大怪我したことがあるでしょ?心配してし過ぎってことは無いのよ」


入院なんてご免だと怒っていた一方通行は、結局御坂母娘と、その後駆けつけた絹旗、打ち止めを加えた四人の上目遣いのお願いに根負けした。
今はコアラのようにくっ付いた想と一緒に憮然とした表情でベッドに居る。
最も、憮然としているのは照れ隠しだということには誰もが気付いていた。
色白というのは、どうにも不便なものだ。
実に鮮やかに赤色が浮かぶのだから。
くすくすと笑って美琴はブラックコーヒーを呷る。上条はそれを目にしてふと違和感に気付く。

「お前ブラック飲めなかったんじゃないのか?」


缶コーヒーを掲げて首を傾げる。

美琴は一瞬きょとんとするが、すぐに照れくさそうに笑う。



「何かと徹夜することが多くてね。まぁ、後はブラックばっかり飲んでるヤツが居ると自然とね」

「ふぅん。そういうもんか。……うん、そういうもんだよな」


何か思い当たるところがあるのか、上条は小さく頷いた。
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:12:29.43 ID:OaC+whL10
二人は肩を並べて星空を見上げる。
学園都市の夜空は作り物めいている。のっぺりとして、すぐ近くに、触れられそうな位置に感じる時が上条にはあった。
そして、作り物めいてるだけに、とても美しく映る。

星々とその中央に位置する満月。

まるで天体を模したステンドグラスのようだ。


「あのさ……ごめん、ホント」

「何がだよ」

「アンタにとってはかなりとばっちりだったよね」


手の中で缶を転がしながら美琴が俯く。
頬に掛かる一筋の髪が、彼女の横顔を一層艶かしくする。
嘗て自分の側に居た少女が、自分が居なくなってから過ごした年月をその横顔から上条は感覚的に受け取る。
結局傷付けて捨ててしまった少女。知らなかったとは言え、子まで身篭っていたのだ。
選択を変えるつもりは毛頭無いが、過去に戻ってその決断を早く促してやりたいとあの頃の自分への後悔と怒りが込み上げる。


「でも、アンタはきちんと説明してわかれた。私だって意地張ったけど、納得したつもりになってた……なのに今更蒸し返すみたいに」

「そんなことねぇよ。そんなことない。多分、必要なことだったんだ」

「うん、私もそう思ってる本音は。想ちゃんのこと知ってもらうこともだけど……それ以上に」



子供が居ることを知ったことも必要なことであったが、もう一つ、上条も美琴も見落としていたことがある。



「アイツの気持ちをしっかり受け止めてあげることだった」


あの日、上条は最低な自分を曝け出し、そして、一方通行に何度も殴られた。
それは、しかし上条にとってはある意味救いであった。
誰かにハッキリと詰られることで、彼はその罪悪感を幾分か和らげることが出来た。
そして、彼が背負ってやると言ったことによって、開き直ることも出来た。


「私ばっかりぶつけて…受け止めてもらってた」


泣き叫んで、何度も電撃をぶつけたあの夜。上条の前では曝さなかった本音。
どうしても繋ぎ止めておきたかったという気持ちと、それ以上に上条の前でみっともない姿を見せたくないという強がり。
最終的に美琴は見栄を取った。かっこ悪く、惨めたらしく縋りつく女であるよりも、毅然とした態度で綺麗な別れを演出することを選んだ。
それは、上条への愛情よりも、自分自身への愛情が勝ったことを意味していた。
そのことが美琴を絶望に叩き落したのだ。
そして、その絶望と自分自身への軽蔑が八つ当たりとなって一方通行にぶつけられた。
そうする権利が自分にあるとして。何度も何度も。


「私ばかり救われてたんだ」


最低な自分、最弱な自分。
曝け出して、全て吐き出せば、後には奇妙にすっきりとした自分が残った。
そういえば、あの日からだ。自分の中に澱のようにこびりついていた一方通行への嫌悪感、憎悪を感じなくなり始めたのは。


959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:14:53.28 ID:OaC+whL10

「俺だってアイツに押し付けちまったよ……アイツは勝手に背負ったンだって言いそうだけど」

上条とて、この六年をただ愛しい少女との蜜月に費やしてきたわけではない。
血反吐を吐くことは数え上げたらキリが無い。
何度も傷つき、死線を彷徨い、最早上条の身体でメスの入っていないところなど何処にも無い。
それでも、彼は時折思う。
今頃自分が残したものを、あのぶっきらぼうな白い青年は言葉の通り拾い上げているのだろうと。
傍らにいる愛しい少女を見つめながら何度も思った。
おそらく、彼もまた上条の愛する少女に惹かれていただろうに。


「だから、今日は良かった。アイツとぶつかれて」
「今日は良かったわ。アイツの本音が聞けて」


上条と美琴は同時に呟く。顔を見合わせて二人は苦笑する。

「なぁ御坂」

「何よ?」

「もしさ、俺がお前とあの子を迎えに来たんだって言ったらどうする?」

空になった缶を弄ぶ上条と、背を鉄柵につけて空を見上げていた美琴の間に一瞬沈黙が下りる。
冷たい三月の風が美琴の亜麻色の髪を揺らし、木々のざわめきが白々しく耳に届いた時。
沈黙が途切れた。破ったのは美琴だ。
熱い息を吐くように、濡れた月明かりを浴びてしっとりとした唇がゆるりと開く。


「うれしい…… ―――――― 」

そっと、美琴が上条の頬に手を伸ばす。
























960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:15:46.96 ID:OaC+whL10













「……なぁんて言うと思ったのか?このボケナスがぁ!!!」



思い切り上条の頬を張り飛ばす。
実に良い塩梅に乾いた音が星空の下に響いた。



「ッ痛ぇぇーー!!冗談で言ったのに……」

「言って良いのと悪いのがあるのよ、ボンクラ!」



真っ赤に腫れた頬を押さえながら涙目になる上条。
尚も文句を言おうとするのを、美琴はひと睨みで黙らせる。
上条を張り飛ばした手を、汚れでも払うように手を打ち鳴らせてから美琴は嘆息する。


「あの子を生んだ頃くらいだったらグラついたでしょうけどね」


美琴は寂しげに笑う。上条はその笑みに息を呑む。
強さと寂しさと、そして、今ある幸福によって支えられた女の笑みだった。
その美しさに彼はガラにも無く見惚れる。
同じ笑みを、彼は知っている。最も彼が愛し、守り抜くことを誓った少女の笑みに似ているのだ。
そして、同時に納得する。
つまり、美琴は ―――


「でもさ、困ったことに、今アンタに言われて欠片もときめかなかったんだよね〜」



あははは、とやせ我慢ではなく、心から可笑しいことのように美琴が笑う。

そう、つまり美琴は ――― 今、幸せなのだ。

今が幸せであるからこそ、過去を振り返って切なくなれるのだ。
あの時は悲しかった、辛かった、寂しかったと、そう見直すことが出来るから。

961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:16:20.52 ID:OaC+whL10


「だって、アンタと居るよりもずっと居心地の良い場所……もう出来ちゃったもん」
「そっか」
「だから、さっきのが冗談じゃなくても…断ってたわ。即答でね」


頬をかいて、はにかむ姿は不意に、中学生の頃の美琴を想起させる。
あり得ないことであるが、仮に、上条が心変わりをして本気の愛を美琴に捧げると言ったとする。
親子三人で暮らそうと、真摯な態度で申し出たとしても、“今の”美琴はそれを躊躇無く突っぱねる。
六年前の御坂美琴と、今の御坂美琴はその心の在り様からして全く異なる女の子なのだと、上条は納得する。


そして、彼女を変えたのが誰なのかも理解する。



「そうそう、当麻。アンタに一言言っておきたい事があったのよ」

「言っておきたいこと?」


美琴が頬を染めて、照れくさそうに笑う。


「ありがとう。想ちゃんを私に会わせてくれて……本当にありがとう」


上条は言葉を失う。


「それから……」


美琴が頬を赤くする。


「多分こっちもアンタが切欠だからさ。その…アイツのことも…だからもう一つありがとう。私に掛け替えの無い家族を……二人もくれたから」



962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:16:46.95 ID:OaC+whL10




何て。

何て綺麗に笑うのだろう。


何て。

何て嬉しそうに笑うのだろう。


何て。

何て幸せそうに笑うのだろう。



美琴が右手を差し出す。
上条は考えるよりも先に右手で握り返す。


「ありがとう。それから ――― 」



美琴は上条の手をじっと見る。
自分を救ってくれた手。
自分を絶望に落とした手。
自分に新しい希望を残してくれた手。
今ある自分を造るのに、不可欠だった優しく、無骨な右手だ。
けれども、もう美琴にはこの右手は必要など無い。
もうではない。既に。とっくに。それが彼女の『今』なのだ。
この右手を握っている暇など彼女には無い。



不器用で、撫でられることを信じきれない困った野良猫が居る。

その馬鹿猫をこの手で撫で手やらなければならないのだ。

何度も何度も。手が足りなければ他にも呼びかけてやろう。

皆でもみくちゃにしてやろう。

観念して、甘えることを覚えるまで。何度でも。



だから、これは一つの儀式なのだ。



963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:23:07.35 ID:OaC+whL10




















「さようなら、上条当麻。御坂美琴は、ようやく本当に貴方から卒業出来ます」





















964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:25:20.82 ID:OaC+whL10


上条は言葉を失う。
それは、今まで見た中、記憶にある彼女の笑顔の中で、最も美しかった。
不意に上条は目の奥につんとした痛みを覚える。
理由ははっきりとわからない。けれども彼は無性に泣きたくなる。
ただ、実感したのだ。これが本当に最後だと。

母との。

友との。

恋人との。

そして、娘との。

自分が捨てたもの達との本当の、あの日何処か有耶無耶のままにしてしまった本当の決別なのだ。
けれども、この場において、決別の涙を零す権利は上条には無い。
故に、彼は、御坂美琴のよく知る、優しく力強い笑みを浮かべる。



「此方こそ…ありがとう。 ―――― さようなら御坂……美琴」




病院の屋上に二人のシルエットが描かれる。

月明かりが、上条と美琴の上に優しく降り注ぐ。

まるで互いの出発を祝っているかのように。






                   ―…***…―







翌日、上条は ――― 神浄討魔は愛する白い少女の下へと戻った。

会談が実際には何時まで続き、そして、彼が何時“帰国”したのか美琴は知る由も無い。

二人の日常は、交差し得ないものなのだから。


965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:26:54.58 ID:OaC+whL10



そして、日々は続いていく。

以前と変わらず。



いや。



少しだけ変わったのかもしれない。

どうやら、猫はしつこく撫で回してくる様々な手に対して、抵抗するのに疲れてきたらしい。

966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/17(日) 22:29:48.35 ID:OaC+whL10
投下終了。
即興で書き始めて無理矢理感ありますがこのスレ中で終わらせたくて書きました。

これで上条編終了。
次スレでは過去話行きたいと思います。
妊娠発覚した美琴や研究してたころの一方さん、死んでいく妹達、絹旗保母さんになる頃の話です。

上条さんの出番はこれで終わりです。
というか魔術サイド全般の出番が。

ねーちんは番外編で出るかもですが。

それでは次スレで ノシ
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/17(日) 22:30:38.22 ID:Aw3YTz+Do
乙!次も超楽しみにしてます!
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄) [sage]:2011/04/17(日) 22:30:48.89 ID:XmNXBsOAO
乙!すげぇよかった!
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/17(日) 22:31:43.11 ID:47I1RKGSo
乙乙
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/17(日) 22:33:07.65 ID:US2f2rzxo
乙!

なんていうか綺麗だ
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/17(日) 22:34:13.75 ID:FowZ80N90
乙でした
美琴さんが強くてかっこよすぎてメッチャよかったですこれで一方通行も美琴さん本当の家族になる事がことが出来たんですね!

あと次スレのタイトル教えてくれると嬉しいです
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 22:35:33.50 ID:grkNirQU0
乙!
次スレの過去編も楽しみにしてる

ねーちん×ソギーの番外編はちょくちょく読みたいな(チラッ
ていとくンと初春の話も読みたいな(チラッチラッ

でも本編が一番読みたいな(<●> <●>
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/17(日) 22:36:07.09 ID:eoeYAA/r0
おつつ

なぜかどうしても美琴UZEEってなっちまうのは俺だけだろうか
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 22:36:14.52 ID:dnnYWNr3o
多分インデックスも美琴とタメ張れるくらいになっているんだろうけど……
何度でも言う、美琴がいい女過ぎて困る。

975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/17(日) 22:36:55.08 ID:zeKABiEEo
超乙乙!
次スレも毎日チェックだ

ところで過去スレというか上イン編を読んでないから分からんのだが
禁書目録=最大主教=ローラってのは○代目ローラ=スチュアート的な解釈でいいのか?
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 22:38:15.98 ID:niXZfEcIO
乙乙

>だから、これは一つの儀式なのだ。
この辺のくだりで、美琴が上条さんの手にかじりつくのかとドキドキした。
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 22:38:14.53 ID:mSqt/Ym60
美琴マジいい女
すごく的外れなことを言うようだけど、なんか個人的に理想の上琴を見た気分
本当にもう交わることがないのだなあと思うと淋しいな

>>949 >>956
>>948です。フレ/ンダと打ち過ぎたせいか「食べれンダろ」とかなる俺のパソ怖い
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 22:39:55.22 ID:rWFUlC92o

美琴さんカッケェ・・・
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 22:45:51.42 ID:tzUDDxVao
美琴いい女過ぎる
そして想ちゃんと一方さんとの計り知れないほどの絆が感じられてならない
何もかもハンパなまま放り出されていた上条さんや美琴さんの過去の全てがここで綺麗に清算されたんだな

僅かな寂しさと切なさを感じさせつつも皆が皆幸せな現在は上条さんの望んだ夢が実現した世界なのかもしれない
そしてそれは決して一人で築き上げたものじゃなく、皆が皆精一杯生きてきた結果なんだろうな
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/17(日) 22:46:08.09 ID:GiZM5tcCo
慰霊碑をぶっ壊した日に新しい墓標が立ったんだね。
鼻がすーっとする感覚だなあ。

ソギーのせいで全面的に浸れないのがつれえぞちくしょうww
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/17(日) 22:48:18.83 ID:Ua2fJ4Ac0
あれ、スレタイ回収したっけ?
てっきり〆にスレタイの台詞が入るものだと
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/17(日) 22:51:14.97 ID:SwQ/xzPV0
このssは既にかまちーを凌駕した
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/17(日) 22:53:33.63 ID:r49Ws4RAO
>>973
ちょっと御坂の心情が綺麗すぎる感じだからじゃね?
うまく言えないけど

ともあれ>>1
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 22:57:04.45 ID:IhS9OdDIo
ぐぎぎぎ・・・
なんというおもしろさ
パンツ脱いでみてた自分が恥ずかしいわ

今度から上も脱いで見るから許してくれ
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/17(日) 23:31:56.25 ID:uDxa0kVXo
乙。これは惚れるわぁ・・・
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) :2011/04/17(日) 23:42:49.50 ID:GSj33aEV0
マジ最高!!
プロなれるんじゃない
過去編も楽しみにしてます
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/18(月) 00:02:48.34 ID:zlzlH0qSO
想タンからしたら上条さんは完璧に敵だな

あーくんLOVE的に
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/18(月) 00:05:32.16 ID:Zjs4cU4AO



仕方ないことだけど、駆け足もったいなかったなあ
偶々、知人を訪ねてきた元聖人の活躍も見たかったのである
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 00:12:09.90 ID:hX/CRg2DO
軽く涙目。なんなんだろうなこの感覚
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/18(月) 00:32:28.73 ID:iJ+p5QHS0
乙乙!
撫でられることを信じきれない猫って表現にもう涙腺崩壊しっぱなし

過去編も楽しみだけど、この後の後日談とかも見たい
一方さん想ちゃんは勿論、ツッチーがどうなったかとかも
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/04/18(月) 01:00:52.65 ID:2OGI8aSAO
>>990
土/御/門になってるんじゃないか?
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 01:34:00.35 ID:VIkjQUJ9o
このスレで終わりかと思ってたので次スレもあるみたいで嬉しいです
過去編もモチロン楽しみだけど、この後の家族の日常話自分も少し見てみたいなぁと…
ハッピーエンド後を要求するのは無粋だとも思いますが、何かネタがあればオマケ程度でもあれば
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/18(月) 01:38:30.13 ID:HK5Y+klno
乙!
詩菜さんと神浄の話しをみたい
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 01:42:23.42 ID:Gk5ANMvDO
>>986
なぜこの作者のスレは毎度のようにこのようなヤツが現れるのか
確かに1は素晴らしい文章力を持っているが、さすがにプロ云々はきもちわるい
ネタだとしても、こういうレスはニコニコ動画(笑)の歌い手様(笑)とその取り巻きを思い出してしまう
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/18(月) 01:46:36.72 ID:jYXKN1KM0
おつなんだよ!
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 03:05:06.13 ID:ECPHNfuIO
美琴さんかっけー
乙でした!
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 07:49:04.37 ID:8xUo/5Uy0
>>975
その解釈でおk。だけど、まだ読んでないならあのスレは読んでおくべき。
あのスレを経て今回のラストまで読み進めると、こう…ぬぁぁぁ!!ってなる。

998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/18(月) 07:54:16.85 ID:axYoMs91o

インさんの本音も聞いてみたい気がしたww
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 08:21:09.08 ID:0Yauo+5b0
1000なら想ちゃんに弟か妹が生まれる
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 08:22:57.77 ID:ECPHNfuIO
1000なら全員幸せ
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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    _,,..,,,,_          / ,' 3  `ヽーっ   _,,..,,,_      / ,' 3  `ヽーっ `'ー---‐'''''"   / ,' 3  `ヽーっ
   / ,' 3  `ヽーっ   l 幼馴染 ⌒_つ  / ,' 3  `ヽーっ l ハルヒ ⌒_つ          l 魔王 ⌒_つ
   l 禁書  ⌒_つ    `'ー---‐'''''"   .l けいおん⌒つ `'ー---‐'''''"             `'ー---‐'''''"
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殺戮の先の絶対能力者(レベル6) @ 2011/04/18(月) 07:22:16.86 ID:rpUb36e40
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助手「私ってもしかしていらない子ですか?」 @ 2011/04/18(月) 03:25:34.28 ID:k0Glf3bq0
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百合子「これで私の130連勝ね」美琴「128勝2引き分けよっ!訂正しなさいっ!」 @ 2011/04/18(月) 02:49:29.41 ID:hflxQzlu0
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隣のお兄さんとつきあいたい!! @ 2011/04/18(月) 02:27:03.32 ID:a6C61knAO
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艦長「漂流中なう」 @ 2011/04/18(月) 01:20:14.42 ID:qZp9xJYb0
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女ってなんでそんなにめんどくさいの? @ 2011/04/18(月) 00:05:19.17 ID:tepGbDUAO
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トンキンはクズ @ 2011/04/18(月) 00:03:58.88 ID:O8sVf2IDo
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