【安価】 ガンダムビルドファイターズトライ・アズールU【艦これ×GBF-T】

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143 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/07(土) 03:34:36.27 ID:fCPwEBne0
《講堂 地下道》


萩風「急いで! 粒子結晶の増殖がここまで及んでいます! ここも長くは持ちません!」

海風「一体、何がどうなっているんですか!?」

萩風「後で説明します! 今は早く、この場から逃げないと…!」

霞「掻い摘んででも良いから何か教えなさいよ!」

萩風「プラフスキー粒子の暴走です! 粒子結晶が暴走して、爆発的な増殖を始めました!」

神通「まさか、『台場事変』と同じ…!」

天城「『台場事変』…?」

神通「ある平行世界でプラフスキー粒子が大規模な暴走を引き起こした事件です。お台場に安置されていた大型粒子結晶が暴走し、無尽蔵に生成される粒子の水が溢れ出しお台場に壊滅的な被害を齎しました。

解決策はただ一つ、原因となる粒子結晶を粉砕する事だけです。 ただそれには『不可視の粒子障壁』を貫く必要がありますが…」

萩風「対策を講じる為にも、今は急いで避難を!」

霞「これ、一体どこに繋がってんの!?」

萩風「行けばわかります!」



《海風達の部屋》

海風「ここに繋がっていましたか…」

萩風「最初に潜入した時、ここを使って姉さん達に接触したんです」

神通「そう言うカラクリでしたか…」

萩風「そしてここは霞さんたちの部屋にも繋がっています」

霞「あ、そうなの?」

天城「だからあんなに容易く…」

萩風「もういくつか扉があるのは確認しましたが、どこに繋がっているかは判りませんでした。

ともかく今はこれからどうするか、を考えましょう」

神通「その前に一つ… 萩風、どうしてこの学校に潜入を? それにこの事態が起きるのを知っていたような…」

萩風「ええ、知っていました。 未来においてここの学園生は皆殺しにされた、と言う記録が残されていましたから」

海風「この学園の学園生が…?」

萩風「はい。 敵は『進化を皆殺し』にする為に『8月31日の事件』を引き起こしている、なので『進化の可能性』を持った人間が集まるこの学園はEXAMの格好の標的と言う訳です」

天城「そう言う理由でしたか… つまりここに黒幕か、それに準ずる相手が現れる可能性があると?」

萩風「こちらの推測が正しければ、ですが。 今から私は外で状況を確認してきます。 皆さんは、ここから逃げる準備を」
144 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/07(土) 04:32:17.53 ID:fCPwEBne0
霞「逃げるって…」

神通「今の私達にはどうする事も出来ません。ここは一度ここから逃げて、装備なりなんなりを整えないといけません」

海風「じゃあここの学生を見捨てろと…?」

神通「そう言う訳では… しかし私達では粒子結晶は破壊出来ません。 この事態を収拾させる事は不可能なんです…!」

天城「粒子結晶には『不可視の障壁』がある、と言っていましたが… まさか、ソレですか?」

神通「はい。 どんな攻撃、恐らくミサイルや艦砲の類すらも効きません。 『粒子障壁を貫く』装備が無い限りは…」

天城「『グシスナウタル』なら… でもあれは貫けても、粉砕するまでの威力は…」

霞「『グシスナウタル』?」

天城「こちらの話です。気にしないで下さい」

海風(『グシスナウタル』、確か北欧神話の武具の一つだったような… 性質は自由に飛び回り念じればどんな守りをも貫く、というものでしたが…)

神通「平行世界でも粉砕には酷く手間がかかった、と聞いています。 最終的には障壁を貫通したものの粉砕には至らず、強引に細かく切り裂いてようやく崩壊したと…」

霞「寧ろそこまで手間をかけないと壊せ無いのね…」

神通「もしくは中心核となっているもの、暴走の原因であるものを破壊すれば収まる可能性もあるかと…

しかし核が不明な以上、前者の方法が現状の最適解です」

海風「しかし最適解が不可能、となると… もう打つ手は無い、と言う訳ですか」

神通「そう言う事になります」



萩風「どうやら少数は避難出来たけどまだ500人近く取り残されてる…」

萩風(ここも既に危ない… あと3時間ほどで地下、姉さん達の居る場所も侵食される… その前にどうにか逃げないと…)

プルルルルル

萩風「電話…? こんな時に…!」ピッ

『萩風ちゃん、聞こえる?』

萩風「お母様!? 何でこの電話を…」

瑞鳳『朝雲ちゃんから聞いた』

萩風「そうじゃないかと思いましたよ… この番号、知っているのは少人数ですし」

瑞鳳『それより状況は? 青葉さん達から粒子結晶が暴走したって聞いたけど』

萩風「酷い有様、資料で見た『台場事変』よりは遥かにマシですがかなりの惨事です。 既に死人も出ています」

瑞鳳『そう… どう、逃げられそう?』

萩風「逃げようにも足がありませんね。 車の類は既に粒子結晶に潰されてます」

瑞鳳『あれ、萩風ちゃんはどうやって…』

萩風「業者のトラックの荷台に隠れ潜んでやり過ごしました」

瑞『そ、そう… 今古鷹さん達が迎えに行くって話だから、あと10分くらい待って… ザザザ』

萩風「お母様!? 電波が悪い、これだから山奥と格安キャリアは…! ケチらないで大手にしておくべきだった…!」

萩風(早く逃げないと… でも、取り残された人たちは確実にこの後殺される、そう歴史が言っている… それで良いの…? 救出手段は無いけど、見捨てるのは…)

萩風「駄目… どんな犠牲を払ってでも未来は変える、今ここで寄り道なんて出来ない…!」
145 : ◆6G6UiAPa1Q [sage saga]:2017/10/08(日) 00:07:54.66 ID:G3s94+fz0
ドゴォォォォォ


萩風「ッ…!?」

「あがッ…!?」グシャッ

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」ドスッ

萩風「そんな…」

萩風(外に逃げた人達にも粒子片が飛んで… 暴走の元凶は間違い無くここから誰一人も逃がす気は無い…)

学生A「だ、誰か…! そこのアンタ!コイツを運ぶのを手伝ってくれ!」

学生B「…」

萩風「…もう駄目です。 既に、死んでいます…」

学生A「嘘だろ… コイツは明るくて、こんな所で… まだ温かいんだ、運べばきっと助かるんだ!」

萩風「もう眠らせてあげてください…」スッ

学生A「糞… 糞ッ! 何なんだよ… 一体何なんだよ!」

萩風「このままでは貴方も殺される。そうなる前にどこかに、出来れば校舎の中に避難を」

学生A「俺は… どうせ死ぬんだ… このまま、コイツみたいに殺されて…」

萩風「生きる事を諦めないで! 死んだ者は何も言え無い、何も出来ない… 

怖くても辛くても、生きなければならない…! 死んでしまった彼等にとっても死を憶えていてくれる人が居る、それだけでも充分哀悼となります!」

学生A「アンタ…」

萩風「行きなさい! 私は、この事態を止める術を探ります!」


《一方その頃… 基地》

瑞鳳(K)『大型結晶体の暴走… ごめん、私達には手伝えないかも』

瑞鳳「でも、破壊出来たんでしょ!?」

瑞鳳(K)『まず私達と状況が違う。 水が生成されてないと私達の『艦プラ』は使えない。それに私達の艦プラは全部アリスタ非対応、霧の技術で精製された粒子に対応するように改修されてる… 粒子に対して互換性が無いんだよ』

瑞鳳「何で対応させちゃったかな…!」

瑞鳳(K)『そんな去年の話を持ち出されても… でも、技術だけなら提供出来る。

『プラフスキー・バスター・キャノンtype-Z』、その設計データはまだ残ってるから。だけどバスターキャノンだけじゃ粉砕は出来ないから注意して』

瑞鳳「わかってる。偏向レンズと超長距離用狙撃ユニットも要るんだね」

瑞鳳(K)『私達は時間的な問題で1キロ先から狙撃せざるを得なかったけど… 近づけそう?』

瑞鳳「まだわからない。 でも極限まで近付いてみる」

瑞鳳(K)『なら大丈夫か… あと一つ注意して欲しいのが、バトルシステムや模型が付近にあったら…』
146 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/08(日) 01:49:20.36 ID:G3s94+fz0
数条のビーム、それが避難していた生徒の身体を貫く。 そして大量のガンプラが宙を飛び、空を駆ける。


「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!?」

「なんでガンプラが動いてんだよ!?」

萩風「ッ…! 大気中の粒子濃度が濃くなってこの一帯をフィールドと認識し始めた…!?」

萩風(台場事変の時と同じ… 大量の無人機が…! 急いで戻らないと!)


萩風は隠し持っていたナイフを投擲し襲い掛かるガンプラを破壊する。

そして避難する生徒の前に立ち、スカートの中に隠していたナイフを二本取り出し構える。


萩風「早く避難を! 建物に入って、バリケードを作って!」

「は、はい!」

「た、助かった!」

萩風(とは言え… ナイフだけじゃなくて銃火器の一つや二つ持ち込むべきだった…!)


襲い掛かる大量のガンプラを目の前にして呟く。覚悟を決めたその瞬間、脇から銃声が鳴り響き数機のガンプラが蹴散らされた。

そして急ブレーキ音と共に一台のジープが彼女の前に滑り込む。


青葉「どもども! って、これどう言う状況なんです?」

古鷹「無人のガンプラ…?」

衣笠「どんなカラクリ?」

萩風「空気中に粒子が拡散、濃度が濃くなった影響でガンプラが自律活動を開始しました」

青葉「人間だけを殺すガンプラかよ!? って言えば良いんです?」

萩風「バグと同じ様なものです」

青葉「あってた… まぁともかく、迎撃しないと…!」

衣笠「他の子達は?」

萩風「地下室に避難しています」

古鷹「早く合流しないと… 学校にまで侵食されたら、大変なことになる…!」

萩風「あと銃器、幾つか貸してください」

古鷹「ごめん、昨日衣笠が無駄遣いしまくって弾薬残って無いかも」

衣笠「衣笠さんのせい!?」

古鷹「私は必ず当てるから」

萩風「では余分な武器は無いと…」

青葉「車にさえ引き付けて貰えば良い手があるんですけどね…」

衣笠「絶対車爆破する気だよね!?」

萩風(何でこの人たちはこう緊張感と言うものが…! なまじ優秀な分、腹が立ってくるわね…!)
147 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/08(日) 02:26:56.92 ID:G3s94+fz0
青葉「ではでは、ポチっとな!」カチッ


青葉がスイッチを押すと同時に車が大爆発を起こして数十のガンプラが巻き込まれる。

しかし爆炎を潜り抜けてまだ大量のガンプラが四人に襲い掛かって彼女達へと銃撃を行う。


古鷹「一発一発じゃ埒が開かない…!」

衣笠「なら纏めて吹っ飛ばす!」


ハンドガンでガンプラを的確に撃ち落とす古鷹、それに続いてロケットランチャーで攻撃する衣笠。

同時に萩風が跳躍しナイフで的確にガンプラを切り裂いていく。


萩風(このままだとジリ貧ね… 私の場合、真正面からの戦闘よりも奇襲の方が得意なのに…!)

青葉「そろそろ救出部隊が向こうに到着する筈なんですけど… 連絡が無いですね」

衣笠「と言うか通信機からノイズしか聞こえないんだけど」

古鷹「もしかして粒子が通信機に干渉して通信出来なくなってるの…?」

萩風「そもそも救出部隊って…」

青葉「瑞鳳さんが鍛え上げた、優秀な三人だって聞いてますが」



神通「くっ… 何で無人のガンプラが…!」

霞「こ、こっちに来るなって!」


椅子を振り回す霞に襲い掛かるベルガ・ギロス。そしてベルガ・ギロスに1本の刀が突き刺さり、墜落する。

続いて銃声が鳴り響き、部屋に侵入してきたガンプラが数機撃ち落され直後に一人の少女が飛び込んで残りのガンプラを日本刀で切り裂いた。


「やぁ、無事かい?」

海風「確か貴女は… 時雨さん、でしたか?」

時雨「うん。瑞鳳に言われて、保護しに来たよ」

神通「それに三日月さんと春雨さんまで…」

春雨「やっぱり、前にハシラジマから聞いた通りの現象が起きてますね、はい」

三日月「ガンプラの無人行動… しかも人だけを正確に殺して回って…」

時雨「ここに来るまでに何人も死体が転がってた。でも外に比べたらまだマシなレベルだけどね」

天城「何でこんな自体に…」

春雨「恐らく、昏睡病の元凶… 『EXAM』が原因かもしれません。ここまで『進化の素養』を持った人間を殺して回っているとなると」

三日月(裏)「ああ。 迅速に事態を解決しないと、もっと犠牲が増える」

神通「とは言え、この状況ではジリ貧です… 粒子侵食と殺戮する無人ガンプラ、両方止めないと…!」

海風「…! もしかして、システムのある場所まで行けばこちらもガンプラを射出できるかも…!」

霞「それで奴等を迎え撃ちながら、強行突破して結晶体まで近付いて元凶を探るか結晶を破壊すれば… この事態は収まる…!」

時雨「だから瑞鳳はガンプラを持って行け、って… なら、バトル台がある場所に案内して。僕が道を拓く」

三日月(?)「ねえ春雨、次はどうすれば良い?」

春雨「青葉さん達と合流し、連れて来てください。 バトルシステムの場所は把握しているでしょうし」

三日月(?)「わかった。春雨の指示なら従うよ」

神通「…人格、増えてません?」

時雨「鉄血の本放送が終わった直後くらいかな、第3人格が出来上がったんだよ。 春雨に従順な、まさに鉄血主人公な感じの」

神通「えぇ…」


イベント 直下
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 09:59:57.71 ID:VOwuaJRm0
床下の隠し階段を発見
149 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/08(日) 22:39:10.68 ID:G3s94+fz0
時雨「ここの曲がり角の階段を昇ればすぐ、なんだね?」

神通「はい。では私が先行します」

時雨「分かった。水先案内は任せる」


春雨は手に持った銃器でガンプラを撃ち落とす。ビルダーとしてはこの状況は良心が痛むが流石に人を殺しまわっている以上、止めなくてはならないと割り切る。

しかし無尽蔵に湧き出るガンプラを相手に、弾倉を変える余裕も殆ど無い状況には辟易としていた。


春雨「これで32機、どれだけガンプラ溜め込んでるんですか!」

海風「演習の時に提示された機体より数が多い…!」

霞「もしかして… スドウ・シュンスケの時みたいに、再生と複製を繰り返してるんじゃ…?」

海風「可能性はありますね… あれ、春雨さ…」

神通「どうかしましたか?」

「たすけてくださ〜い〜!」

時雨「何やってるのさ…」

海風「…なんか穴がありますね」

霞「階段も… もしかして、転がり落ちた…?」

時雨「全く、ドジなのは本当に変わらないんだから…! フレスヴェルグの時も、ドジった結果アレが出来上がった訳だし…」

海風「ドジってアレが出来上がるんですか!?」

時雨「うん。春雨がドジると大抵何かしらトンデモ副産物が出来るから」

霞「どんなドジかましたのよ…」

時雨「フレーム作ってる途中に呼ばれて立ったらコケてパーツゴチャゴチャにしちゃったんだよ。それで組みなおしたらああなっちゃった訳さ」

三人「えぇ…」

時雨「とは言え… 変な場所に地下室なんて、何かありそうだ」

神通「降りてみましょう」


春雨「何も見えません…」

神通「誰か懐中電灯とかあります?」

時雨「艤装用の探照灯なら。こんなこともあろうかと春雨のヤツから引っぺがしてきたんだよ」

海風「あれ、春雨さんも艦娘…?」

時雨「いや、半分は瑞鳳達と同じ転生体さ。キミ達も会った筈の翔鶴さんは実母だからね」

霞「半分?」

神通「お母様から聞いています。春雨さんは『特別』、一つの魂が二つの世界・肉体に分裂してしまっていたとか…」

時雨「そうだよ。 片方はこっちの春雨、もう一人は… もう居ない。どこにもね」

海風「…」

時雨「この話はまた今度。今はここを探してみよう」


あったもの 直下
1.武器・弾薬
2.地下牢
3.その他
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/09(月) 04:12:59.02 ID:cu7L9aSA0
151 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/10(火) 02:24:02.90 ID:9Az/GAba0
海風「これって… 地下牢ですか…?」

天城「そのようです。 人の気配、数は10…!」

霞「この感じ… 榛名さん達と似た…」

「お、おい… だ、誰だ!?」

「お願い、殺さないで…!」

神通「大丈夫です。 私達はここから逃げようとしている者です。 一体どうしてここに?」

「教団の奴等に『裁き』がどう、とか言われて捕まって… 逃げようとしたらここに…」

天城「間違いありません、この人たちは拉致被害者、顔も資料と一致しています」

時雨「ちょっと皆下がって。銃で鍵を壊してみる」パンパンパン

春雨「駄目みたいですね… 傷一つもついてません、はい」

神通「では私が…」バキッ

霞「鉄格子をへし折った…」

海風「まぁ先輩なら出来ますよね、当然」

「やったぞ!これで出れ…」

神通「待ってください。 今出たら、確実に殺されます」

「なっ…!? 殺されるって、どう言う事!?」

海風「先程の振動はご存知ですよね?」

「う、うん… 知ってるけど…」

海風「教団の言う『裁き』が、人を襲っているんです。 ここに来るまで、何人かが殺されていました… 今ここを出れば…」

「そんな…」

「助かったと思ったのに…」

天城「今はここで耐えてください。 必ず、後で迎えに来ます」
152 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/11(水) 03:43:12.56 ID:Q/mEUJHc0
「そこまでです」

天城「シェリンドン・ロナ…!」

霞「あの状況でよく無事だったわね」

シェリンドン「助かったのが貴女達だけとは思わないでください。親衛隊のお陰で逃れる事が出来ましたわ」

時雨「どうでも良いさ… カルト教団の教祖が死のうがね。そこ、どいて貰えない?」ジャキッ

神通「親衛隊の数は27… 倒せ無い数ではありません。天城さん!」バキィッ

天城「鉄格子の槍とは… まぁ無いよりはマシですね」

シェリンドン「野蛮な… 話し合いのテーブルにも就かず、敵意や武器を向けるなど」

海風「そんな余裕は無い、貴女なら既に理解していると思いますが」

シェリンドン「ええ。だからこそ、貴女達に提案をしたいと思いまして」

霞「どうせ下らないだろうけど、一応聞いておくわ」

シェリンドン「我々と共に、ここを脱出しませんか? 今なら地下道、最悪の事態に備えて作った地下通路があります。

そしてその先には移動用のヘリも… 貴女方をここで失くすのは惜しい、ですのでどうかこの提案を…」

パンパンパン

時雨「ごめん、よく聞こえなかった」

霞(この人、躊躇い無く撃った…!?)

時雨「もう一度、いや言う必要は無いか… キミはどうせ、ここで終わるんだ」

親衛隊F「何だと!? 貴様、シェリンドン様への狼藉を…」

時雨「黙っててくれないかな」ジャキッ

親衛隊F「ひっ…」

春雨「時雨、駄目です。貴女の手をそんな事で汚しては」

時雨「じゃあどうしろって言うのさ。言っておくけど、キミに撃たせる選択肢は無いよ。翔鶴さんに顔向けできなくなる」

春雨「大丈夫、撃つ気はありません。はい。 貴女は… 貴女を信じる人々を見捨てて、自分だけ生き残ろうと言う訳ですか」

シェリンドン「彼等は尊い犠牲… 彼等の死はもう覆しようが無い、定められたものです。 ならば我々、生き残るべき人間が生き残り未来を築く。そうする事で彼等の犠牲は報われる事が出来ます」

海風「成る程… よく分かりました」

神通「海風さん…?」

海風「貴女達とは会話は不可能、最早考えてる事すら海風には理解出来ません。 何となく、貴女にイラついていた理由も分かりましたよ。貴女はウチの姉貴よりタチが悪いです。 

まだアレは未来を知ろうと決して何も諦めないで、何かを変えようともがいている。でも貴女は違う。多くの犠牲を、これから出る筈の犠牲を最初から切り捨てている。自分だけが生き残りたい、そう根底にはあるから」

シェリンドン「なっ…!?」

海風「前を見ようとしない、不都合や自分以外の犠牲には目を瞑っている人間に… 未来を歩む資格はありません!」

シェリンドン「では抗って未来を変えられると、未来を視る貴女がそれを言うのですか?」

海風「海風の能力は所詮、想像の飛躍が生み出した産物です。 あくまでも確証も何も無い、海風自身が予測した未来に過ぎ無いんです…

だけどどんな未来を海風が視ようと、その未来にどんな不都合があろうと… 海風は絶対に、目を逸らしたりはしません…!」

霞「私も… 海風と同意見よ」

海風「霞…」

霞「人はどんなに悲しくても、どんなに辛くても必死に生きて抗わなきゃいけない事がある… 例え理不尽な現状でも、未来だとしても。

なら私は戦う… 奪われる命を助けられるのなら、消え逝く命を救えるなら。 ニュータイプだとか進化とか何も関係なく、私が出来る『最善』をやるだけよ…!」

天城「二人共…」

親衛隊G「シェリンドン様がせっかく伸ばしてくださった手を!」

親衛隊H「その未来を振り払う貴様等にこそ未来は…」

神通「貴女達こそ、黙りなさい! 既に多くの犠牲が出ているのに、その事態からも目を背ける者に未来を語る資格など無い!

抗うことを止めた時点で、立ち止まって逃げた時点で貴方達に未来を捨てています! 未来を捨てた者が未来を望む者の道を阻むと言うのなら、私がこの手で今すぐ終わらせましょう!」
153 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/12(木) 02:34:05.95 ID:5UlNUCp00
「よく言ったよ、3人共! 超級覇王、電影だぁぁぁぁぁぁん!」ドゴォォォォォ

シェリンドン「し、親衛隊が…!?」

春雨「やり過ぎなような気が…」

時雨「別に良いよ、どうせ春雨が嫌いなタイプの、宗教を騙って暴れる人間だ。それより遅かったね、瑞鳳」

瑞鳳「ごめんごめん。結晶体を破壊する算段を整えてた」

「全く… 車を走らせながら急造の武器を作るなんて…」

天城「姉さん…!」

榛名「お待たせしました、天城。迎えに来ましたよ」

間宮「皆さん!ご無事ですか!」

霞「間宮さんまで…」

シェリンドン「真紅の、戦乙女…!」

瑞鳳「その名、知ってたんだ。 カルト教団の教祖様? じゃあそれが何を意味するか、分かってるよね」

親衛隊I「睨まれた組織は塵も残らない… ま、まさか…!?」

親衛隊J「この教団を…!」

瑞鳳「どんな正義や建前を翳しても拉致を行った時点で最早正義なんて微塵も無い。 粒子結晶の暴走が収まり次第、ここに警察組織が来る。

貴方達の所業は既に纏めて公安に垂れ込んだ。 私が警察組織にツテがある事、知らなかったみたいだね」

榛名(と言うか大鯨さんが、ですがね。 昏睡病の資料をそろえたのもあの人ですし)

シェリンドン「何故、貴女達は… そこまで、愚かな選択を出来るのですか…! この組織をなくせば『人の進化』を護る者が…」

瑞鳳「そんなもの、必要無い」

シェリンドン「なっ…!?」

瑞鳳「確かに『人の進化』を護る事は正しいかもしれない。でも、それに巻き添えで犠牲になる『普通の人間』だって沢山居る…

その人達を見捨てて進化した人間だけを護るなんて、私は認めない。 誰かの犠牲の上に成り立つ未来なんて、認めない!」

シェリンドン「我々は… 戦って滅んでいく人類に投げかけられた生き残る術であり、希望… 滅んでいく者に引き摺られる訳には…!」

海風「人には、等しく『可能性』があります。 貴女のように、自分だけが選ばれた人間であると勘違いしている輩より、瑞鳳さん達の選択の方が遥かに良い…!」

霞「『人の可能性』を認識しないで、選ばれた進化だけを守護する? なら私は… 私達は…!」

海風「人間で良い、それ以上もそれ以下も望まない!」

霞「人間で、沢山なのよ! そこを退きなさい、シェリンドン・ロナ!」

シェリンドン「くっ…!」

親衛隊K「貴様等…! 撃つぞ!」

海風「撃ってみろ! 真に正しいと思うなら、海風達が間違っていると言うのなら!」

霞「もし少しでも自分達が間違えてるって思うなら、道を開けろ!」

シェリンドン「…行かせなさい」

親衛隊L「シェリンドン様!? しかし…」

シェリンドン「我々の手を振り払った者をこれ以上相手にしている時間はありません…! 放っておきなさい!」

瑞鳳「行くよ、皆!」

全員「はい!」

シェリンドン(『進化に到達した者』、そして『未来を視る者』… 貴女達の力、まだ諦めた訳ではありませんからね…!)
154 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/12(木) 03:07:03.60 ID:5UlNUCp00
時雨「まさか、キミからあんな啖呵が聞けるとは思って無かったよ」

海風「無我夢中でしたよ… 本気で撃たれるかヒヤヒヤしましたし。もう痛いのはごめんですから」

瑞鳳「あの薬持って来てるよ」

海風「あれは本気で勘弁してください…!」

榛名「この先に、バトル台があるんですね?」

天城「はい。 しかし… どうやって粒子結晶を破壊しようと…」

瑞鳳「秘密兵器… 『プラフスキー・バスター・キャノンtype-Z』、砲身が急造で一発しか撃て無いことを除けばこれが唯一結晶を砕く手段だよ」

榛名「まさかこれを車の中で作らされるとは思いませんでした…」

霞「『type-Z』?」

瑞鳳「何種類かあるうちの一つだからね。これは『貫通』に特化した特性を持ち、どんな障壁だろうと一撃で撃ち貫く力を持ってる」

神通(まぁPBCや粒子障壁相手には最強ですが『ミラーリングシステム』とは超極端に相性が悪いんですけどね)

浜風『瑞鳳さん、聞こえますか!』

海風「げッ…!?」

瑞鳳「聞こえてるよ。そっちは?」

浜風『所定位置に到着、準備中です』

瑞鳳「分かった。 作戦通りだね」

浜風『私と夕雲、飛龍さんと蒼龍さん、愛宕さんと大鳳さん、如月さんと野分さんと秋月さんが無人機を引き付けます。 瑞鳳さん達は中枢に突入、粒子結晶と元凶を破壊してください。

それと海風、聞こえていますね。 今『げっ…!?』って聞こえましたし』

海風「聞こえてますよ… 凄く不本意ですが」

浜風『前衛指揮は海風に一任します。 私も突入したいのですが、私の『ニクス』は突入には不向きなので』

海風「結局面倒を押し付けてるだけじゃないですか…」

浜風『海風の指揮能力を見込んで、です。 今の海風なら、やれる筈です』

海風「やれば良いんでしょ、やれば…!」

浜風『任せました…!』

神通「…あ」

霞「どうかしました、先輩?」

神通「私達、機体がありません!?」

海風「海風も部屋にスクランブル忘れてきました!?」

瑞鳳「あ、スクランブルは愛宕先生が回収したよ。 それに、三人の機体は私がとっくに用意してる」

榛名「まさか3機も仕上げるなんて… 当分、プラ板とパテは見たくありません…」

瑞鳳「これが貴女達の機体、受け取って」
155 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/12(木) 03:50:38.79 ID:5UlNUCp00
三人の新型


・ベース機:直下
 選択肢
  1.ZZガンダム(ブラストの継続使用)
  2.セラヴィーガンダム
  3.Hi-νガンダムHWS
  4.その他(機体も)
・改造内容(機体名も併記):下3


神通
・ベース機:下5
 選択肢
  1.インフィニットジャスティス(スターリリィの継続使用)
2.ガンダムエピオン
3.ゴッドガンダム
4,その他 直下
・改造内容(機体名も併記):下7


海風
・ベース機:下9
  選択肢
  1.ウイングガンダムゼロ(フレスヴェルグの継続使用)
2.デスティニーガンダム
3.ゴーストガンダム
4,その他 直下
・改造内容(機体名も併記):下11


条件
・霞:ベース機『進化した人類専用、若しくは進化した人類が搭乗することで真価を発揮するガンダムタイプ』、改造内容『重装・砲撃寄り』、機体名『アクロス』と言う単語を使う事

・神通:ベース機『近接格闘特化ガンダムタイプ』、改造内容『剣術・武術を両立出来る機体にすること』、機体名『百合科の花の名前を使う』

・海風:ベース機『高機動戦を行える汎用ガンダムタイプ』、改造内容『バスターソードのようなものを装備、高機動近接戦が可能』、機体名『『アズール』若しくは『アズライト』と言う単語を使うこと』


また3機にはこちらから『特殊システム』を内蔵させて頂きますのでそこはご容赦ください
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 09:39:35.88 ID:9e4Tv7Pw0
AGE-3
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 09:46:58.54 ID:zvB5z+AC0
踏み台
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 10:27:09.05 ID:NDhDSBuQO
ガンダムAGE-3アクロス
コアファイターをZZのバックパックをベースにして大幅強化、マイクロミサイルとビームキャノン兼ハイパービームサーベルを装備。
頭部にハイメガを追加。また拡散で撃てるようにしてある。

ウェア名「Gアクロス」
上部はオービタルをベースとし、肩部にリフレクターファンネルを増設。スラスターはそのまま残されている。
腕部シールドはサーベルが出る点はあまり変わらないが、ビームガンが打てるように。
ライフルはスタングルライフルを銃剣使用に改造したものを装備。オプションでタイダルバズーカに換装可能。

下半身はフォートレスベース。
腰にストフリのレールキャノンを移植し、尻部分にIフィールド装置追加。
膝にタイタスのビームニーを追加しており、突発的な近接戦に対応。
更に、ふくらはぎ部分へ拡散ミサイルポッドを増設している。
その他細かい部分に小型スラスターを増やしており、小回りはかなり効いている。
以前より最大火力自体は少し落ちたが、継戦能力は大幅強化された。

色はデルタカイと同様のカラーリング。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 11:30:13.20 ID:YTB6er9CO
踏み台
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 11:32:28.86 ID:t1ci1SwO0
1
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 14:48:33.55 ID:waiViryc0
インフィニットジャスティス・ロンギフローラム

神通の以前の機体であるスターリリィを改修した機体。余計な武装などは削ぎ落とし、元々の機体に近くなっている。
機体関節部分に大幅な改良を加えて稼動範囲を向上、また関節強度の補強により神通の全力の動作を完全に再現可能。
肘から下の腕部をゴッドガンダムのものに変更し剣術だけでなく拳による戦闘も行えるようになり、瑞鳳同様ゴッドフィンガーや石破天驚拳なども使えるようになった。
稼動範囲の向上の為に肩は元に戻され単独の飛行能力は喪失したが柔軟性があがったことによって神通の本来の能力をフルで活用可能になっている。
武装は各部機関砲にビームライフル、脚部のグリフォンビームブレイドと新造された二対の専用日本刀『光忠』『貞宗』、そしてファトゥム-01を改造した『ファトゥム-02』。シールドとアンカーは使用頻度の少なさから廃されたが代わりにデスティニーのビームシールド発振基が移植されている。
塗装は白に変更された。
一応ハイパーモード機能も付与されている。

日本刀『光忠』&『貞宗』

専用に製作された日本刀でシュベール・ラケルタ ビームサーベルの代わりに両腰に装備されている。
ガーベラストレートを改造したもので軽量化が図られ切り返しの速度が速められた。
しかし質量が軽減したことで強度そのものが落ちているものの刃がより鋭利なものになっており、神通の技量を以ってすれば大抵のものは切れる。
また粒子変容加工が施され、ビームサーベルすら切り裂くことが可能。
そして『奥の手』としてゴッドフィンガーの熱を刀身に伝導させて赤熱化させ『炎の刃』としても振るう事が出来る。
名称は伊達政宗が保有したとされる刀から。


ファトゥム-02

ファトゥム-01改を改修し、アップデートしたもの。兵装懸架ユニットは使用頻度がほぼゼロだった為廃された。
ヴォアチュール・リュミエール展開機能が付与されており、加速性が高められている。
最大の特徴として全体が鋭角化されており、ビームを展開せずともユニットそのものが『刃』のような強度を持つ。
またタクティカルアームズULのようにアローモードへと変形が可能で『弓』としての機能も新たに付与された。
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 16:14:48.75 ID:DGltJHy3O
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 19:30:11.24 ID:hwYbyg7C0
踏み台
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 19:30:50.07 ID:VKEW9TV2O
1
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 12:49:59.91 ID:assU+eoSO
踏み台
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 18:02:49.05 ID:Am+A9gxX0
ウイングガンダム・アズライト
ベースであるフレスヴェルクからの変更点のみ記述。書いていない部分は出力の強化以外変更はありません。
翼をゼロ炎のものに変更し、フェザーブレイドも追加。
ツインバスターライフルは銃身下部にサーベル発生装置を増設。
ふくらはぎの部分をインフィニットジャスティス、足をバルバトスルプスレクスのものに変更し、パイルバンカーやビームサーベルによって格闘の幅をさらに広げている。
その他にも全身にクリアパーツをふんだんに使用し、粒子貯蔵量を上げ戦闘可能時間が大幅向上している。
色はアズライトの名の通り、クリアパーツも含め青ベース。
167 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/14(土) 02:17:39.25 ID:PlTspHOB0
申し訳ありません

霞機として選択された『AGE-3』に関して、AGE-3は霞の要項を満たしているとは言えないので申し訳ありませんが却下させてください(機体そのものは中盤、キオの操縦についていけておらずXラウンダー関連装備も存在しないため)

またこの世界は以前にも書きましたが性質上『HGBF系統のガンプラが存在しない』設定であるのでゼロ炎及びそのカスタムキットは存在しせずハイパーカレトヴルッフとフェザーブレイドは存在していませんのでその部分は却下、こちらで改変させて頂きます(あとルプスレクスの脚部は実物を確認したところウイングゼロの可変機構と相性が悪いため踵だけの採用となります)。


霞機 再安価

・ベース機体 直下
 1.ZZガンダム(ブラストZZベース)
 2.ガンダムAGE-FX
 3.セラヴィーガンダム
 4.その他

・改造内容(機体名併記) 下3

条件
・霞:ベース機『進化した人類専用、若しくは進化した人類が搭乗することで真価を発揮するガンダムタイプ』、改造内容『重装・砲撃寄り』、機体名『アクロス』と言う単語を使う事
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 05:19:12.63 ID:FhZNyhmA0
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 09:35:28.90 ID:AO3NnBlZ0
踏み台
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 12:24:35.52 ID:7G8VUjwN0
アドバンスド・ブラスト「アクロスフェイト」

変更点のみ

機体にアトラスガンダムのサブレッグとブレードシールドを追加装備
バックパックの大型ビーム砲はアトラスガンダムのレールガンに換装
外した大型ビーム砲は左手用の持ち手ビームキャノンとして運用
膝、肘、肩にマルチディスチャージャーを備え、煙幕、ビーム撹乱幕、グレネード等を射出可能
機体色は灰色系のスプリッター迷彩
171 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/14(土) 17:02:00.72 ID:PlTspHOB0
ウイングガンダム・アズライト
武装
・ツインバスターライフルアズライト(サーベル内蔵)
・アズライトバスターソード×2
・アズライトウイングブレイド×4
・ビームサーベル×2
・マシンキャノン×2
・ビームガン兼ビームトンファー×2
・グリフォン・ビームブレイド×2
・脚部内蔵パイルバンカー×2
・ウイングシールド

概要
海風の『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』に強化改修を加えた機体。全体的に出力が向上、外装パーツも半分近くが新造されている。
ファイターたる海風の戦闘データを反映し、内蔵されたシステムの使用を前提に改修されておりより海風の戦闘能力を引き出すことが可能。
背部のウイングには翼としての機能も兼ねた専用大剣『アズライトバスターソード』を装備、さらにウイング部分には新造された4本の『アズライトウイングブレイド』が装備されている。
『アズライトウイングブレイド』は4本の大剣でありメイングリップと大型刃1枚、峰部分に取り付けられた小羽状の刃3枚で構成されている武装で2本を合体させることで巨大なバスターソードなる。
他にもツインバスターライフルはビームサーベルを内蔵した『ツインバスターライフルアズライト』へと改修、∞ジャスティス用のグリフォンや踵にパイルバンカーなど全体的な格闘能力の向上が図られた。
そして最大の改修点は特殊システム『アズライトバースト』を内蔵している事。以前より装備されていた『モード・アズール』の特性である『バトルごとに残留した粒子を溜め込みその貯蔵粒子分だけ性能が向上する』能力を扱い易くしたものが『アズライトバースト』。
今までのものは貯蔵粒子の量だけ無制限に性能が向上され自壊の危険を招いていたがこちらは『改RX-0』の技術を流用し、粒子制御能力が向上しており過剰な粒子は全て武装に転化させる事で自壊を防ぐように改良された。
粒子を武器にまとわせ振るうことで巨大な『刃』とする能力も健在で、制御能力向上により腕や剣が砕けるような事態は起きないように改良されている。
これまで幾多の戦いを重ね、そして戦い抜いて来た海風は新たに『鷲の巨人』の力を受け継ぐ『藍銅鉱の翼』を持つガンダムと共に戦場を駆ける。自分の視た『最良の未来』へと辿り着く為に、そして仲間達と共に未来を切り拓く為に…


インフィニットジャスティス・ロンギフローラム
武装
・MMI-M19L 14mm2連装近接防御機関砲×2
・MMI-GAU26 17.5mmCIWS×4
・MA-M1911 高エネルギービームライフル
・専用太刀『光忠』&『貞宗』
・MR-Q15Aグリフォン ビームブレイド×2
ファトゥム-02
・MA-6Jハイパーフォルティス ビーム砲×2
・MA-M02Sブレフィスラケルタ×2
・MA-M02Gシュペールラケルタ
・MR-Q17Xグリフォン2 ビームブレイド×2

概要
神通の以前の機体であるスターリリィを改修した機体。余計な武装などは削ぎ落とし、元々の機体に近くなっている。 機体関節部分に大幅な改良を加えて稼動範囲を向上、また関節強度の補強により神通の全力の動作を完全に再現可能。
肘から下の腕部をゴッドガンダムのものに変更し剣術だけでなく拳による戦闘も行えるようになり、瑞鳳同様ゴッドフィンガーや石破天驚拳なども使えるようになった。
稼動範囲の向上の為に肩は元に戻され単独の飛行能力は喪失したが柔軟性があがったことによって神通の本来の能力をフルで活用可能になっている。
武装は各部機関砲にビームライフル、脚部のグリフォンビームブレイドと新造された二対の専用日本刀『光忠』『貞宗』、そしてファトゥム-01を改造した『ファトゥム-02』。シールドとアンカーは使用頻度の少なさから廃されたが代わりにデスティニーのビームシールド発振基が移植されている。
『光忠』と『貞宗』は伊達政宗が保有したとされる刀から名称を取った太刀で刀身が軽く、通常のものと比べ切り返しが速いのが特徴。ただし軽くなった影響で脆くなっているが神通の技量ならば特に問題は無い。
また刀身の熱伝導効率が高く、ゴッドフィンガーを使った状態で使用すると刀身が熱を帯びて『炎の剣』となる。
ファトゥム-02は武装懸架ユニットを廃止して代わりにVL展開機能を付与して最大速度を向上、そして全体が鋭角化したことでそのままでも高い攻撃能力を発揮可能。さらにアローモードへの変形機構が加えられており、射撃戦にも対応できるようになった。
そして最大の変更点は特殊システム『フルブルームバースト』が搭載されたこと。『フルブルームバースト』はハイパーモードに相当する能力で、神通が花をモチーフにすることから『満開』の名前を使用している。
バースト使用の際は全身のクリアパーツがオレンジに発光し、規格外のパワーや性能を発揮する事が出来る。発動の際には神通が明鏡止水の状態になる必要がある。
『ヒメユリ』から『テッポウユリ』の名前に変えたことで塗装は白に変更されている。
『未来を変える』、そんな無謀とも言える願いの為に過去へと転移した神通。誇りを未来への希望に変えて神通は駆け抜ける、その果てに散ることがわかっていたとしても。それが『花の戦乙女』の生き方だから。
172 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/14(土) 23:26:03.90 ID:PlTspHOB0
すみません、真に勝手ですが名前と一部装備(肩部にレールガンは腕の動きやバックパックに干渉するので不可能、なので通常の手持ち式へと変更)を変更させて頂きます

ブラストアクロスZZ
武装
・ダブルバルカン
・ハイ・メガ・キャノン
・ハイパー・ビーム・サーベル(ダブル・キャノン)×2
・21連装ミサイルランチャー×2
・5連装型ロケットランチャー
・肩部レールガン
・6連装多弾頭ミサイルポッド
・大腿部ビームカノン×2
・リフレクターインコム
・左腕手持ち式大型ビームキャノン
・マルチディスチャージャー×6
・サブレッグ
・ブレードシールド

概要
ブラストZZを改修した機体で、機体全体の出力や反応速度はNTの霞にあわせた調整を施されている。
極限まで反応速度を底上げされており、NTの能力に覚醒しつつある霞にしか使いこなす事は不可能。
機体の変更点は乏しくダブルビームライフルからアトラスガンダム用レールガンへと変更、そして膝・肩・肘にはマルチディスチャージャーを装備しビーム撹乱幕やスモークなどで隠密性・防御力を強化している。
またアトラスガンダム用のサブレッグとブレードシールドを装備し機動力と防御力を補うことで強化した。
ただしバランスや可動範囲、火器管制能力に関しては劣悪であり霞以外ではまともに使いこなすことは不可能となっている。
そして特殊システム『アクロスバースト』を内蔵するのが大きな変更点。能力は『RGシステムtype-Z』をベースに擬似的に本編中のZZの能力、巨大なサーベル形成や超出力のハイメガキャノンなどを再現したり、機体性能の爆発的な向上などを発現できる。ただし粒子消費は膨大で一度きりの切り札。
塗装は灰色をベースにスプリッター迷彩を施されていた。また各部にクリアパーツが追加され、システム発動時は紫に輝く。
変わっていく自分に戸惑いながら、霞は戦い続ける。自分なりの『進化』の道を辿り、可能性を閉ざす者達を打ち砕く為に。隣に立つ友の為、隣に立つ仲間の為に『衝撃』は今と未来の境界へと駆ける。



瑞鳳「『ウイングガンダム・アズライト』『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』『ブラストアクロスZZ』… これが貴女達の新しい機体だよ」

神通「これは… 私達が仕上げていた筈の機体… でも、クリアパーツが全身に…」

瑞鳳「私謹製、三人にあわせた特殊システムを組み込んだからね。それぞれ『アズライトバースト』『フルブルームバースト』『アクロスバースト』、RGをベースにした3つのシステムを組み込んだ。

海風ちゃんのは言わずもかな、あのシステムの発展系。神通ちゃんのはRGをGガンのハイパーモードに近づけたもの、霞ちゃんのはニュータイプ系能力の擬似再現ってところかな」

霞「これが、私達の…」

海風「新しい力…」

天城(凄い… 完成度が全部フェンリルと同等… あれを短時間で仕上げるなんて…)

榛名(しかもシームルグの技術を完全に取り込んでる… こちらも『RG』の技術はデータで手にしているとは言え再現には手間がかかったのに…

スクランブルなんか比では無い、超高レベルで技術が融合している…)
173 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/15(日) 03:17:29.73 ID:J0z+nBrB0
《バトルルーム》

ウォースパイト「ハル、セッティングは終わったわ。ここからなら機体を射出できる」

榛名「ありがとうございます、ウォースパイト」

萩風「ここで出撃出来るのは… この15人、ですか」

青葉「いえ、12です」

古鷹「私達はガンプラが無いから…」

衣笠「操縦技術も無いし、ここで護衛に徹するね」

海風「では戦力は…」

自軍戦力
・海風:ウイングガンダム・アズライト
・神通:インフィニットジャスティス・ロンギフローラム
・霞:ブラストアクロスZZ
・萩風:ガンダムエクシアルベルム
・瑞鳳:ガンダムエピオン・クロイツ
・榛名:フェンリル
・天城:スレイプニル
・青葉:グリンカムビ
・間宮:スヴァジルファリ
・ウォースパイト:ヴィドフニル
・春雨
・時雨:ビギナ・ぜラ・ホワイトフレームU
・三日月


海風「主力は改RX-0、そして瑞鳳さんの『クロイツ』の血統…」

時雨「まぁそうだね。僕らの機体も、瑞鳳の技術が軸になってるから」

三日月(裏)「春雨、以前頼んだ機体の調整は?」

春雨「終わってますよ。 ちゃんと、所望だった装備も用意しました」

三日月(裏)「助かる。ドーベン・ウルフでは対応出来ない局面が多いのでな…」

時雨「しかも人格ごとに戦闘スタイルが全然違うのも厄介なところだ」

春雨「調整には難儀しましたよ、はい…」

瑞鳳「雑談してる暇は無いよ。ウォースパイトさん、始めてください」

ウォースパイト「了解。システム、起動!」
174 : ◆6G6UiAPa1Q [sage]:2017/10/15(日) 03:25:49.76 ID:J0z+nBrB0
すみません、青葉の台詞『12人』ではなく『13人でした』
175 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/16(月) 00:32:51.25 ID:GLSLmYpQ0
GUNPLA BATTLE COMBAT MODE EMERGENCY STRAT UP


天城「天城、『RX-0[S] スレイプニル』!」

間宮「間宮、『RX-0[Sv] スヴァジルファリ』!」

ウォースパイト「Warspite… 『RX-0[Vd] Vidofnir』!」

青葉「『RX-0[Gr] グリンカムビ』、青葉!」

榛名「『RX-0[F] フェンリル』、榛名!」

春雨「『ガンダムスローネ・ヴァリアントU』、春雨!」

時雨「『ビギナ・ゼラ・ホワイトフレームU』、時雨」

三日月「『ガンダム・バルバトスルプス・クレセント』、三日月!」

萩風「『ガンダムエクシアルベルム』、萩風!」

霞「霞、『ブラストアクロスZZ』!」

神通「『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』、神通!」

海風「『ウイングガンダム・アズライト』、海風!」

瑞鳳「瑞鳳、『ガンダムエピオン・クロイツ』! 全機、推して参ります!」
176 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/16(月) 01:30:53.67 ID:GLSLmYpQ0
瑞鳳「海風ちゃん、部隊編成と指揮お願い!」

海風「わかりました!」

海風(各機の性能はおおよそ把握していますが…)

春雨「あの、どうかしましたか?」

海風「すみません、お二人共。機体データをお願いします」

三日月「ああ、こちらの性能を把握していないと…」

海風「はい。指揮は愚かポジションの決定も難しいので」

春雨「分かりました。 転送します」



ガンダムスローネ・ヴァリアントU
武装
・GNビームサーベル×2
・GNハンドガン
・GNファング×8
・GNピストルU×2
・GNスナイパーライフルU改
・GNライフルビット×2
・GNシールドビット×8

概要
春雨用の機体で以前使用していた『スローネヴァリアント』の発展機。オリジナルは浜風・夕雲戦で破損・喪失しておりこちらは武装などを転用し新造されたもの。
大きな変更点はGNスナイパーライフルUを改修、よりロングバレルになっており超長距離狙撃に対応している。またセンサー類も強化され春雨に合わせた狙撃に特化した機体になった。
またディバイダーの代わりにGNシールドビットを背部に接続し防御能力を高め、右肩部にはライフルビットの追加などの改修を行われ火力も増強されている。
バインダーの裏にはGNピストルUも内蔵されており近接や手数が必要な時にはこちらも使用可能。


ガンダム・バルバトスルプスクレッセント
武装
・アサルトライフル×2
・太刀×2
ヴァリアブルウエポンバインダー
・太刀×4
・ソードメイス×2
・長距離レールガン×2(外付け)

概要
三日月用に新造された機体。こちらは『三つの人格』により変化する戦闘スタイルに対応可能なように改修を施されている。
武装はアサルトライフル二丁と両腕の200mm砲の接続穴に太刀がマウント、そして背部に装着されたヴァリアブルウエポンバインダー。
ヴァリアブルウエポンバインダーには個々の人格にあわせた装備が付属しており、主人格たる第一人格(オリジナル)用には外付けの長距離用レールガン二丁、第二の裏人格用には4本の太刀、そして新しい第三人格にはソードメイス2本が与えられた。
またリミッターの解除も可能であり、発動時は原作のハシュマル戦のような戦いぶりが行える。ただし操縦難度が増すので3つの人格が強力する必要があるのが難点。
余談だが三日月の人格は第一以外は全て彼女の感情が分離したもの。第二は彼女がある一件でマジギレした際の『怒り』、第三は春雨への『ある感情』であり、それぞれが全て春雨に起因している。


海風(こちらはスローネツヴァイを狙撃用に改修したもの、これケルディムじゃ駄目なんですかね。そしてバルバトスは武装過多、よくまともに使えますね…)

海風「では全機、3機〜4機の小隊を編成してください。 編成割は今転送しました」


小隊編成
・第一小隊:瑞鳳、萩風、青葉
・第二小隊:榛名、天城、間宮、ウォースパイト
・第三小隊:春雨、時雨、三日月
・第四小隊:海風、神通、霞

海風「各機、この小隊で行動を。 絶対に単機で孤立しないように。 萩風さん、マップをください」

萩風「了解です。 今出します」

海風「この図なら… 最短経路で突破、まず地上に出て一直線に講堂に向かいましょう。 瑞鳳さん、バスターキャノンの射程は?」

瑞鳳「10メートルってとこ。ただこれ、単機で持ってると機動力が死ぬね」

海風「わかりました。 では第四小隊で牽引します。 戦闘の際は一応隅にでも置いておきましょう」

間宮「言っている側から… 敵機接近、数27。 戦闘まで残り100秒!」

海風「全機、オールウエポンズフリー! 交戦、開始してください!」


イベント 直下
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 10:04:38.60 ID:7CjOv9z30
見たことない機体が増援が現れる
178 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/17(火) 01:16:12.45 ID:W7dLOH6d0
海風「第二小隊、正面へ! 第三小隊は各小隊のフォローをしつつPBCの護衛を! 第一小隊は右側、第四小隊は左側から攻めます!」

榛名「そこを、退け!」


スライサービットが射出され、立ちはだかる数機のMSを切り裂く。その後方からヴィドフニルとスヴァジルファリが砲撃を行い、敵の数を減らして防御の薄くなった場所にスレイプニルが吶喊し敵の勢いを削ぐ。


間宮「天城さん、敵さらに接近!」

天城「くっ…!」

ウォースパイト「任せなさい! Spred Mode!」

瑞鳳「青葉さん、フォローを! 萩風ちゃん、やるよ!」

青葉「了解!」

萩風「はい、お母様!」


右側から切り込むエピオンとエクシアが敵を蹂躙し、青葉の攻撃が複数機の敵機を纏めて葬る。

そしてその逆サイドからは海風と神通が突撃し、それを霞がフォローしていた。


海風「先輩!」

神通「天剣、絶刀!」

霞「あの2機、速いけど… こっちだって!」

時雨「荷物が無ければ暴れられるのに…!」

春雨「…! まだ何か来ます!」

三日月(オ)「春雨、無人機じゃないみたいだ」

春雨「え…?」

三日月(オ)「速度が速すぎる。それに、妙な殺気だ…!」

霞「でも、敵じゃない…?」


そして、数条のビームが敵機を薙ぎ払う!


海風「味方…?」

神通「私達を避けた攻撃、これは一体…」


到着した援軍 直下
1.『RX-0[M]』『RX-0[G]』『RX-0[V]』『RX-0[H]』
2.親衛隊一同
3.その他(内容も ただし一部キャラはNG)
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 03:37:14.54 ID:64XjVBGA0
180 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/17(火) 22:31:56.14 ID:W7dLOH6d0
そしてさらに多数の屈折するビームが敵機を貫き、接近する機体の殆どを撃破する。


天城「姉さん、このビーム…!」

榛名「『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』の…」

間宮「識別確認! これは『RX-0[M]』!?」

海風「その型番は…」


その直後、光の翼を纏った機体が猛スピードで敵陣へと突撃し翼で複数機を薙ぎ払う。

さらに一撃のビームが数機を纏めて射抜き、敵を屠った。


青葉「『ネージュ・エール』と『グシスナウタル』… まさか…!」

間宮「『RX-0[G]』と『RX-0[V]』!?」

霞「『マーナガルム』『ヴェズルフェルニル』『ガルム』…!?」

「そう言うことだよ!」


全員の前に降り立ったのは重装甲を纏った白いMS、そして榛名達と同系統の『RX-0』。

通信ウインドウが開き、そのファイターが露となる。


榛名「阿武隈!?」

阿武隈「ごめん、大鯨さんから天城姉さんが拉致されたって聞いて… 詳しいことは秋月ちゃん達には聞いたよ。同じ場所から操ってるから」

榛名「いや、そもそもどうやってここに… ここ奥多摩でバスすら無い場所ですよ!?」

陽炎「そりゃ拉致よ。大鯨さんにやられた」

長波「早朝叩き起こされたと思ったら拉致られて、高速法定速度ギリギリでかっとばした上に変な裏道使いまくって…

挙句山に入ったら道なき道を走らされて学校の前に放り投げられたんだよ。 お陰で満潮が酔ってダウンしたぞ」

瑞鳳「ごめん!後で〆とく!」

天城「って、満潮も!?」

満潮「うぷ… まだ気持ち悪い…」

陽炎「アンタ、操縦して大丈夫なの?」

満潮「吐いたらアンタにかけてやる…」

陽炎「私に被害及ぼすのやめなさいよ!」

榛名「どうして満潮まで…」

満潮「一応、アンタ達とは戸籍上は義理の姉妹だし… 元凶がアンタとは言え拾って貰った恩もある。

それに… こんな虐殺まがいのことを見過ごせる程薄情じゃないわ…!」

榛名(こうなった以上仕方無い… 機体も隠匿したかったし、何より妹達をこんな事態に巻き込みたくはなかったけど…!)

榛名「では4人とも、無茶しないでください。 それぞれ海風さんの指揮下、彼女の指示に従うように」
181 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/18(水) 00:47:07.86 ID:Rzg2/CEU0
参入

マーナガルム(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
強化装備ユニット『ヤールングレイヴル』
・リモート・アタックユニット『スコール』『ハティ』
・スフィア・フォーカス・ビームキャノン×12門
・クローアーム×2

阿武隈の使用する『マーナガルム』の『本来の姿』。中学生向けに敢えてデチューンしていたものを元に戻した仕様。
最大の特徴はグリンカムビ同様の強化装備『ヤールングレイヴル』を装備していること。
『ヤールングレイヴル』はグリンカムビの『ドラウプニル』とは真逆の近接特化仕様でありIFジェネレータや重装甲による堅牢さ、両肩の巨大ブースターによる高い加速力、そして金属すらも容易くねじ切るパワーのクローアームなどを用いた突撃戦法を得意とする。
一応五指もあるが戦闘では殆ど使われることは無く、もっぱらクローアームが使われることが多い。
武装は脚部に内蔵された『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』で、ビームが軌道を変えながらオールレンジ攻撃を行うのが特徴。
『スコール』『ハティ』は両肩のブースターに内蔵される形式に変更となったが先端にドリルが付き、貫通した敵のエネルギーを奪う機能も付いている。
『コード・ブレイヴ』発動時には高い加速性とパワーがさらに向上し、敵を文字通り『粉砕』することが可能。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『ヴァルアルム』。


ヴェズルフェルニル(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・ビーム・サブマシンガン
・実体剣『グラム』
・ミノフスキードライブユニット『スキーズブラズニル』

陽炎の使用する『ヴェズルフェルニル』の『本来の姿』。
変更点は少なく、背部にミノフスキードライブユニット『スキーズブラズニル』を装備したことのみ。
『スキーズブラズニル』はV2ガンダムのものとは異なり、かなり有機的な翼の形状で加速能力は常軌を逸する。
その加速能力は最大で『まともな人間なら目視すら困難になる』ほどで、反射神経に優れた陽炎のみが唯一まともに使うことが出来る装備となった。
また形成された『光の翼』はV2同様武器に転用する事や、放出された余剰エネルギーを集束させて遠隔操作出来る無数の刃『ネージュエール』としてぶつける事も可能。
ただしその反面、エネルギーが常にカツカツであり武装が乏しくビーム・サブマシンガンと専用の実体剣『グラム』しか持っていない。
『コード・ブレイヴ』発動時にはさらに加速能力が上昇、最早手が付けられなくなるが最大加速を維持し続けると自爆しかねない可能性がある。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『アストラナガン』。


ガルム(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・クローシールド×2
・肩部ビームキャノン×2
・専用弓装『グシスナウタル』

陽炎の使用する『ガルム』の『本来の姿』。
元々ガルムは天城の『スレイプニル』や間宮の『スヴァジルファリ』と同系統の機体であり、同じ規格のパーツが使われている。
その為『スヴァジルファリ』と同じ肩部ビームキャノンと2機と共通のクローシールドを武装として持つ。
またステルス性が強化され、余計な装備なしでも『ミラージュコロイド』と『ハイパージャマー』を併用して使用可能。
専用武装は弓装『グシスナウタル』。元々榛名が使っていた武器だが封印され、長波の手に渡った。
グシスナウタルは『必中』の武器であり、一度放てば命中するまで相手を追い続けるビームを放つ。しかし防がれても命中したことになってしまう為、もう一つの能力として『必中』を犠牲にすることでどんな装甲や防御策すらも貫く『必殺』の矢となる。
ただしミラーリングシステムやアブソーブなど『粒子を吸収する』特性を持つ能力には弱く二つの能力の同時使用は不可能であり、そこが弱点。
しかし最大の点はステルスシステムと併用して使えること。そのため『目視出来ない相手が移動しながら必ず当たるビームを撃ってくる』と言う状況を作り上げて相手を恐怖に陥れられる。
『コード・ブレイヴ』発動時は性能上昇の他にクローシールドから巨大な爪を生成する『プラフスキー・バスター・クロー』。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『ラフトクランズ・カロクアラ』。



182 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/18(水) 02:02:56.62 ID:Rzg2/CEU0
霞「最早原型留めて無いわね…」

榛名「いえ、アレは元々デチューンした仕様でこちらが本来の姿です」

萩風「確かに中学生の戦いにこんな機体が出てきたら一方的でしょうね」

萩風(多分ガンプラ学園も苦戦、どころか一歩間違えれば敗退も在り得る完成度… 海風さん達の機体もそうですが、インフレが凄まじいです)

海風「そして満潮さんの機体は… 『フレスヴェルグ』…」

満潮「何よ、文句あんの?」

海風「いえ… ただ機体の名前に親近感が…」

瑞鳳「北欧神話モチーフならそりゃあるか、フレスヴェルグ」

春雨「あの機体の名前、元々浜風が付けたものなんですけど…」

時雨「まぁ、軽く深夜のアッパーテンションだったからね。あの機体が完成したとき」

海風「アッパーテンションで名前付けられたんですか…!」

三日月(裏)「落ち着け。 そしてその件はあとで問い質せ」


フレスヴェルグ
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・アームド・アーマーDE改×2
・スライサービット×8
・多目的ロングライフル『グングニルU』
・アンカーシールド

概要
『フェンリル』と『ヴィドフニル』のパーツを組み合わせて作り上げられた満潮用の改RX-0。ヴィドフニルとは異なり格闘戦にも対応する。
リングビットの機能はスライサービットが担うことで、余計な装備が少なくなり機動力が微妙に上がった。
またスライサービットを本体の加速装置として利用する事も可能で、瞬間的な加速で間合いをつめて銃身から展開したサーベルで貫くといった戦法も可能。
アンカーシールドは格闘武器としても使用出来る。その為高い切断力を持ち、ある程度ならガンプラすら切断する。
コード・ブレイヴ発動時の能力はヴィドフニルのものより出力の上がった『プラフスキー・フルクラム・ブライカーU』。
塗装は灰色、NT-D発動時の色は緑色。モチーフは『リ・ブラスタT』。
183 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/18(水) 23:08:45.97 ID:Rzg2/CEU0
《その頃 屋外》


大鳳「愛宕さん!」

愛宕「わかってるわ!」


迫るベルガ・ギロスへとサーベルを突き立て、そして切り裂くのはオレンジ色の機体『スクランブルガンダム』。

海風の使用していた機体を愛宕は先程回収しておりそれを用いて戦っていた。


愛宕「スクランブル… 暴走はしないようね」

大鳳「瑞鳳が暴走しないように手を加えてるみたいだけど… その代わりに操縦性が悪いわ…!」


大鳳が使っている機体も『スクランブルガンダム』、こちらは前日に海風達の鹵獲した機体を黒くリペイントして用いた物だ。

そして2機、特に暴走した大鳳用のスクランブルには徹底した対策が施されておりその代償に操りにくくなっている。


蒼龍「纏めて片付ける! 飛龍!」

飛龍「よしっ! トランザムッ!」

蒼龍「ソーラーシステム、起動!」


飛龍が駆る新型『ダブルオーライザー・クロイツ』が赤い輝きを帯びてトランザム状態へと変化し、蒼龍の『ガンダムDX・クロイツ』もソーラーパネルが輝きサテライトキャノンの砲身が展開される。

そして2機のMSから極大の粒子の奔流が解き放たれた!


飛龍「ライザー、ソォォォォドッ!」

蒼龍「サテライトキャノン! 発射!」


粒子の奔流が戦域に居る敵機の多数を呑み込み、そして葬り去る。 2機の前には何も残らない。膨大な熱量に耐え切れず数十機ものガンプラの存在は跡形も無く消えてしまった。


飛龍「いけるっ…! この機体なら!」

浜風「調子は悪く無いようですね、その新型」

飛龍「当たり前よ。 出来たばかりの、新型機よ」


ダブルオーガンダム・クロイツ
武装
・GNソードV
・GNビームサーベル×2
・GNバスターソードU
・GNソードUブラスター
・GNカタール×2
オーライザーtype-H
・GNビームマシンガン×2
・GNマイクロミサイル×8
・GNウイングソード×2

概要
飛龍用の新型で『ダブルオーガンダム』の改造機。『RGシステムtype-Z』を搭載していることは他のクロイツシリーズと共通。
武装は『ダブルオーライザー・セブンソード/G』とも言うべき装備となっており、高い近接能力を持つ。
性能は他の機体と遜色なく、瑞鳳のエピオンとも互角以上の性能を誇る。
そして瑞鳳謹製の『オーライザーtype-H』には『周囲の粒子を取り込んで火器へとまわす』事が出来る特性を持ち、DX同様高い継戦能力を持つ。
また翼部がブレードとなっており、オーライザーをも近接武装としても使用可能。
本機の製作には『ウイングガンダム・アズライト』の基礎データが使われており多数の剣を装備するなど共通点が多い。
184 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/19(木) 00:05:38.27 ID:ccGTjbu/0
夕雲「浜風さん、このエリアの敵は殲滅しました。これからどうします?」

浜風「如月さん、戦闘へ継続可能ですか?」

如月「ええ。『ラタトスク』以下3機、戦闘に支障は無いわ」

野分「損傷軽微、戦えます…!」

秋月「エイクスュリュニルも問題ありません」

浜風(どうする…? 瑞鳳さんや海風と合流すべきか、このまま結晶体のある講堂に突入するか…)

浜風「…別働で動いてやられるより、集まったほうが得策でしょう」

愛宕「このまま突入しないの?」

浜風「嫌な予感がします… ぞれにこのまま突入しても、瑞鳳さん達が居る訳では無いので結晶を破壊出来ませんし」

浜風(最も怖いのは『因果』… 私達は昏睡病との戦いの中で敗れ、倒れたと神通さんは言っていた。 それがいつ、どのタイミングかは聞いていないけど…

だけどこの編成に瑞鳳さんだけが別行動を取っていると言う状況自体がある種の『フラグ』かもしれない。 今は確実、堅実に生き残る手段を見出すしか…!)

飛龍「何よ、浜風にしちゃ消極的じゃない」

浜風「人間、臆病なくらいが丁度良いんです。 このまま校舎に突入、瑞鳳さん達と合流を図ります」


移動した後、彼女達は知らなかった。 その選択は間違いで無かったことに。

何故なら直後に…


「チッ… 逃げられたようだ」

(ここで仕留める筈が… 予定外の動きだな。 まさか、向こう側に…)

「考え過ぎだな。 イレギュラーは居れど、この局面を乗り越える事は出来ん」

「どうなさいますか?」

「奴等は必ず講堂に向かう。そこを待ち伏せ、全滅させるぞ」

「「ハッ!」」


三人の男の操るガンプラが踵を返し、講堂へと戻っていく。 そしてそのガンプラは大鳳と愛宕の機体と、良く似ていたのであった。
185 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/19(木) 01:50:44.48 ID:ccGTjbu/0
《渡り廊下》

海風「識別信号、『LN-ZGMF-X13K』… うげっ…」

浜風「また『うげっ』って言いましたか?」

瑞鳳「はいはい、喧嘩しないの。 状況は?」

浜風「敵の攻勢は止んで防戦に回った模様です。 中の様子は愛宕さん達が威力偵察を行ってきたのですが…」

愛宕「うぷ… ごめん、私には…」

大鳳「どうして、あんなこと出来るのよ…!」

浜風「愛宕さんと大鳳さんがグロッキー状態で…」

海風「…凄惨なんですね」

浜風「ええ。 海風、貴女達は『こちら側』に来なくて良い。 いや、来ないで」

海風「いいえ、行きます。 ここに来るまで、何人もの遺体を見てきました。彼等の弔いの為にも、行かせてください」

浜風「しかし…」

霞「私も、覚悟は出来てます。 私がこの事件の原因の一端であるなら、私にはこの事態を終わらせる義務がある」

浜風「霞さんまで…」

神通「私は元々『そのつもり』でこの時代に来ました。 それに深海棲艦の侵攻で、死は見慣れています」

萩風「それに戦力はこれから足りなくなるかもしれません。 優秀な指揮官とEXAMに狙われる危険のある者ならば、かなりの戦力を割く必要が出ますよ」

浜風「それは… …わかりました。 では引き続き海風はそちら側の中隊指揮を執って下さい。 私はこちらの中隊指揮を行います」

海風「言われなくともそのつもりです。 で、二方向からの同時侵攻と一点突破、どっちにします?」

浜風「勿論… 一点突破が最善手です」

霞「え、二方向なら敵が分散して…」

海風「それは戦力が分かっている相手にのみ有効な手段です。 相手は数もその能力も分からない、だから現状は密集が最善手なんです」

浜風「さらに言えば二方向より一点集中の方が互いをフォローできる点において生存率がこちらの方が上でしょう。まぁこちらを丸々飲み込むような大出力砲撃とかには無意味ですが」

海風「では… 行きましょう」


《講堂》


海風「酷い…」

萩風「取り残されてた人達は… 皆殺しにされてます。もう、誰も生きてはいません」

霞「こんな… さっきまで生きてたのに、こんなの… 人の死に方じゃない…!」

神通「仇は討ちます…!」

陽炎「一応忠告しておくけど、死に呑み込まれないでよ。 死者って言うのは平気で生者の枷になって、引き摺られて死ぬ人間だって居る。

それにこんな状況じゃまたいっぱい人が死ぬ。 今の内に刻み込みなさい、その目に。 本当の『理不尽な死』がどう言うものかをね」

天城「…」キッ

榛名「天城、抑えてください。 怒りを覚えるのは分かりますが、冷静さを欠かないように」

天城「頭で分かってはいますが…!」

間宮「これは私でも、抑えられません…!」

青葉「元凶の頭、爆破してやる…!」

長波「こっちも、久々に頭にキたよ…!」

阿武隈「絶対に許さない、生かしちゃおかないから」

満潮「散らして貰うわよ、手向けの紅い華をね」

瑞鳳「『真紅の戦乙女』の名にかけて、一人残らず叩き潰してやるわ…!」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/19(木) 18:43:40.94 ID:EUai48r6O
AGP神通改二が手に入ったからスターリリイ風にしてみた。


187 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/20(金) 02:08:37.69 ID:VEnoNtYK0
>>186
写真ありがとうございます。AGP神通押入れに仕舞ったままだから出さないとなぁ…(あと今エクシアルベルムっぽい何かを作ってます)



間宮「ッ…! 敵機接近! 数70!」

海風「また無限涌きのコピー体…!」

浜風「ですが前回と違う… 今回は明確に、戦略的な行動を取っている…!」

瑞鳳「意思を持った虐殺、それに機体同士の編隊行動と連携… 指揮官が居るね」

榛名「明確に『防戦行動』を取っている時点で確定でしょう」

神通「それにコピー体を増殖出来ると言う事は間違いなくスドウ・シュンスケと同じナノマシンを使っています」

萩風「『特別製のEXAMナノマシン』であれば間違い無く元凶か、それに近い人間が居ると言うことです…!」

阿武隈「こっちの戦力はMS26機… 多勢に無勢かな?」

夕雲「大丈夫ですよ。 個々の機体性能はこちらが遥かに上、さらに言えば操り手の腕も指揮官の手腕も上です」

春雨「世界クラスのファイターに全日本クラスのファイターが揃っています、はい」

三日月(オ)「虫みたいに沸いて来るならチマチマ全部潰せば良いんだろ?」

時雨「だけど相手は無限に沸いてくるゴキブリと同じだ。長期戦は無理、短期決戦で黒幕を引っ張り出すしかない」

霞「先生、大丈夫ですか?」

愛宕「ええ… 生徒が頑張ってるのに、教師がヘバる訳にはいかないもの…!」

大鳳「それにこの状況見過ごせばこれ以上の人間が死ぬかもしれない… なら止めなきゃ…!」

浜風「準備は良い、海風?」

海風「言われなくとも…! こちらの指揮下の小隊全機へ! 第一、第二小隊を主力に展開! 互いが互いをフォローしつつ、ここを突破する事を優先してください!」

浜風「こちらも蒼龍さんと飛龍さん、夕雲を中心とする第一小隊を主力に展開! 海風達の部隊との連携を取りつつ前進!敵は無限ですが、質はこちらが遥かに上です!」

海風「では、突入準備! 全兵装使用自由! 最優先目標を『黒幕』もしくは『粒子結晶体』と設定! また全員の生存を以って今回の戦いを勝利とします!」

浜風「こちらも、オールウエポンズフリー! 最優先を全員の生存とこの事態の元凶の撃破と設定! 全機、ここで倒れることは断じて許しません!」



海風「全機、交戦開始!」

浜風「オープン、コンバット!」



イベント 直下
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 10:07:50.21 ID:NU6hZyZP0
コピー体以外にMA出現
189 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/21(土) 02:47:43.10 ID:g4eD/IwC0
ウイングガンダム・アズライトがツインバスターライフルを放ち正面のグレイズを破壊する。そして背後から襲い掛かるデナン・ゲーの斬撃を背中に装備された『アズライトウイングブレイド』を抜き放ち防ぐ。

そしてそのままパワーで押し切り、ウイングブレイドでデナン・ゲーを両断しバスターライフルを使って残骸すら残さず消滅させた。


海風「これなら、再生出来ないでしょう!」

阿武隈(あの時戦った時より遥かに腕があがってる… 完全に敵の動きを先読みして、これがあの子の力…?)

阿武隈「私も、負けてられない!」


脚部に内蔵された『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』で迫るトーラスの機体を穴だらけにして爆散させるマーナガルム。

そしてクローアームで掴んでいたビルゴを握り潰して粉砕した。


霞「エグい戦い方するわね…」

長波「あれでもまだ加減してる… 来るぞ!」


霞と長波は背中合わせでそれぞれレールガンと『グシスナウタル』を放ち敵を纏めて撃破する。

そして開いた進路をヴェズルフェルニルとインフィニットジャスティス・ロンギフローラムが駆け抜け、敵陣へと切り込む。


陽炎「『ネージュエール』、いきなさい!」

神通「我が刃よ敵を裂け! 密天、烈風!」


振るわれる一筋の刃と白き無数の小さな刃が並み居る敵を八つ裂きにして数多の爆発を生み出す。

パールホワイトのヴェズルフェルニルと百合の花を模った白のロンギフローラムが並び立ち、その刃を以って敵を全て切り裂いた。


瑞鳳「榛名さん!」

榛名「了解!」


そして『真紅の戦乙女』と『純白の神狼』が戦場を駆け、神通達を上回る量の爆発の光で戦場を満たす。

純白の機体と真紅の光を帯びた機体が無数の敵へと挑みその悉くを殲滅していく。


海風「…次元が違いすぎます」

阿武隈「あの二人は桁違いだからね」

間宮「気を抜かないで! 大型熱源反応確認、MAと推定!」

海風「MAクラスまで…!」

浜風「来た…! あれは… ラフレシアと、αアジール…?」

夕雲「違います…! GジェネレーションシリーズのオリジナルMA、『エビル・ドーガ』です!」


2機のMAから放たれるビーム砲撃、それを回避した海風達はMA2機への対処を行おうとする。

だが1機のMSが突出し、攻撃を開始した。


海風「三日月さん!?」

三日月(オ)「別に、このデカイのならこっち一人で対処出来るよ」

海風「し、しかし…」

浜風「海風、三日月は… 巨大なMAの対処に、最も秀でているんです。対・MAに関しては我々を遥かに上回っています」

海風「え…」

浜風「観ていてください。多分、1分持てばまだマシです」
190 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/21(土) 03:26:05.38 ID:g4eD/IwC0
三日月(裏)「さて… 適宜切り替えてアレを始末するとしよう」


バルバトスがバインダーから2本の太刀を引き抜き、構える。

そして突出したバルバトスへと向けて幾多もの砲火が放たれた。


三日月「成る程、迎撃機としては優秀ですね。無駄に弾幕が厚いですから。しかし…」


砲火を切り抜けながらバインダーに装着している遠距離用レールガンの照準を合わせてエビル・ドーガの正面にあるメガ粒子砲へと砲撃を叩き込む。

メガ粒子砲を破壊した三日月はラフレシアを無視して真っ直ぐエビル・ドーガへと突っ込み、太刀で頭部を抉り取る。


三日月(裏)「やはり、ただの的だ」


そして失った頭部があった場所、内部が露出した場所へとバインダーのレールガンを放つ。

バルバトスはエビル・ドーガを踏み台としてラフレシアへと対処を始める。次の瞬間エビル・ドーガは叩き込まれたレールガンによるダメージに耐え切れず内部から崩壊した。


三日月(裏)「無駄に肥大化したMAなど、どれだけ砲をつけようと所詮はただの的に過ぎん…!」


ラフレシアはテンタクラーロッドと正面のビーム砲を使ってバルバトスを迎撃する。しかしバルバトスは止まらない。

テンタクラーロッドを太刀で切り裂きながらラフレシアへと突撃し、一本の太刀を投棄してソードメイスをバイダーから取り出す。


三日月(オ)「コイツは春雨の敵なんだ。 なら、壊す」


そしてソードメイスによる一撃をラフレシアのコクピット部へと叩き込み、ラフレシアはその機能を完全に止める。

さらに追撃と言わんばかりにレールガンによる砲撃を加え、機体を誘爆させてラフレシアを爆散させた。


三日月「――――命中」




霞「嘘でしょ…?」

海風「一分未満で、2機のMAを攻略した…?」

浜風「三日月は、公式な大会にはほぼ参加していません。 ですが彼女は『MA殺し』としてならば、飛龍さんをも余裕で凌ぎます」

三日月(オ)「あんなの、ただの木偶でしょ。 人型よりデカイ分ただの的だ」

陽炎「的って言い切った…」

瑞鳳「でもアレ、まだ本気じゃないってのがね…」

夕雲「『本物の暴力』、あれが出て来ない限りは…」

榛名(あそこまでの人間はガンプラ塾に居なかった… 恐らく同じ機体でやれと言われれば、榛名でも倍以上の時間がかかる。 ある意味、恐ろしい才です)

191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/21(土) 10:27:16.14 ID:vCGw3GyCO
そりゃカガセオ(巨大アルマ)瞬殺する奴とハシュマル倒す奴融合してんだからなぁ…
192 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/22(日) 04:28:51.70 ID:pilbpDam0
霞「!」ピキィン

榛名「ッ…!?」

天城「何、この感じ…!」

満潮「肌が、張り詰めて…」

如月「酷い敵意…!」

蒼龍「青葉! アンタの感覚は!」

青葉「…分かりません」

飛龍「アンタ、心を読み取るんじゃないの!?」

青葉「形容、出来ないんです…! 冷たいような、熱を持ったような… 何か複雑な、混じりあった『何か』が…!

言語化できるとしたらただ一つ、『殺気』と言う言葉だけです!」


次の瞬間、数条のビームが海風達へと放たれる。 そのビーム正確に、そして的確に『霞』を狙っていた。

だがそんな攻撃の前に3機のMSが割り込む。


榛名・秋月・満潮「コード・ブレイヴ! 『ミラーリングシステム』、展開!」


3機のMSがスライサー・ビットを展開してビームを拡散・吸収する。

そして中央に居る榛名が敵意を露にし、ビームが放たれた方角を睨んだ。


榛名「不意打ちとは卑怯な… 姿を現せ、下郎…!」

「ほう、下郎とは… 騎士に言うべき台詞では無いな」

榛名「下郎で無いと言うのなら、外道か下衆か… それとも屑とでも言いますか?」

間宮「敵数3、識別開始… 形状から『スクランブルガンダム』と断定!」

ウォースパイト「気を付けて! あの機体、3機ともオリジナルからチューンされてる!」

「アナハイムの小娘か… それに、『死すべき者』と『進化の導』を持つ人間がこうも集まるとは… まさしく僥倖と言うべきだな」

海風(死すべき者…? まさか…!?)

「貴様等全員、ここで終わらせてやろう。 後の世の為、そして『EXAM』の贄となるが良い!」

瑞鳳「誰が…! 消させはしない、そして未来を奪わせはしない!」


ニムバス「刻むが良い! ニムバス・シュターゼンの名を! セルジュ、トリスタン! かかるぞ!」

セルジュ・トリスタン「はっ!」


同時に現れる無数のコピー体、青く塗られたスクランブル2機と肩がオレンジに塗られたスクランブルが同時に彼女達へと襲い掛かる。

海風と浜風は互いに目を合わせ、そして互いの意識が通じ合ったかのように指揮を下した。


浜風「あの3機を落とせばこの戦いは終わります! 全機、連携を維持しつつ攻撃開始してください!」

海風「第一第二小隊は中央の、ニムバス・シュターゼンを名乗る者を攻撃! 残りは2機の改造スクランブルを攻撃しつつコピー体の迎撃を!」


視点選択 直下
1.瑞鳳&榛名『VSニムバス』
2.海風『VSトリスタン』
3.阿武隈『VSセルジュ』
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/22(日) 10:55:24.89 ID:ER0mlBxm0
3
194 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/22(日) 17:30:24.62 ID:pilbpDam0
side-阿武隈-


『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』を放ち青いスクランブルへと攻撃を行う阿武隈。全方位ビーム攻撃を回避するスクランブルの機動性に四苦八苦しながらも攻撃を続ける。


セルジュ「そのような攻撃では!」

阿武隈「当たらない… 聞いてた以上に速い!」

長波「なら… 奔れ、『グシスナウタル』!」


弓装『グシスナウタル』からビームの矢が屈折しながら放たれスクランブルへと目がけて矢が駆ける。回避行動を行うセルジュだが『グシスナウタル』の矢は『必中』であり回避する事は不可能。

そして矢が直撃するが、スクランブルは傷一つもつかない。


セルジュ「こちらに当てるか…!」

長波「なんだコイツ、堅い!?」

陽炎「耐粒子コーティング…! 生半可な攻撃は通じないわよ!」


足を止めたスクランブルに『グラム』を抜き放ったヴェズルフェルニルが加速し斬撃を加えるがスクランブルはサーベルを抜いて防ぐ。

パワーで劣るヴェズルフェルニルは押し切られそうになるも満潮のスライサー・ビットがフォローの射撃を行い相手を下がらせる。


満潮「アンタの機体は『脆い』のよ! 無闇に接近戦を仕掛けないで!」

陽炎「アイツに追いつけるのは『ヴェズルフェルニル』だけよ! アイツ無駄に運動性高くて…」

阿武隈「なら… フォーメーションを使う! 満潮ちゃん、フォローお願い!」

満潮「ちょ、フォローって…」

阿武隈「行くよ、二人共! NT-D、起動!」

陽炎「リミット解除、ここから飛ばしていくわよ…!」

長波「認証確認、『コード・ブレイヴ!』」


3機の装甲が裂け、蒼い燐光を纏いながら『ガンダム』へと変身する。 さらに全身から燐光溢れ出し全身が光に包まれた。

そしてまずヴェズルフェルニルの背部に装備された『スキーズブラズニル』から白い光が放出され、翼の形を形成していく。


陽炎「マッハで駆けるわよ、ヴェズルフェルニル!」


そう陽炎が告げると、ヴェズルフェルニルが凄まじい速度でスクランブルとの距離を詰める。

咄嗟に反応したセルジュだが既に遅く、正面に居た筈のヴェズルフェルニルは背部へと回り込んでおり『グラム』による斬撃が直撃した。


セルジュ「くっ… しかし!」

陽炎「遅い! 『ネージュ・エール』、切り刻め!」


放出される余剰パワーの塊が無数の刃を形成し、スクランブルへと殺到するがセルジュはその攻撃をシールドで防ぐ。


セルジュ「その程度では!」

長波「なら、盾を壊せば良いんだろ! ブチ抜け、『グシスナウタル』!」


先程とは違う、真っ直ぐに進む光の矢が『グシスナウタル』から放たれ『ネージュエール』の刃を防いでいたシールドを粉砕する。

本体の破壊こそ出来なかったもののライフルと一体化しているシールドを粉砕したと言う事は射撃兵装を喪失したことと等しい。


セルジュ「なっ!?」

阿武隈「今! マ−ナガルム! ファイナル・ウルフ・ストライク!」


猛スピードで直線加速するマーナガルム、そしてマーナガルムに気圧されたセルジュの判断が遅れ体当たりが直撃し壁へとたたきつけられた。

そして阿武隈は腕に装備されたクローアームを展開して振り下ろそうとするが…
195 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/23(月) 02:08:12.34 ID:Sb9OY36q0
阿武隈は直感的に『何か』を感じ取り機体を下がらせる。言葉で言い表せないような恐怖、追い詰めたと言うのにまだ余裕を見せる異質さが阿武隈の戦場で培った勘が警鐘を告げた。

そして次の瞬間、スクランブルが震え上がり全身のクリアパーツが赤い色へと変色しツインアイが赤く発光を始める。


セルジュ「子供が私に、コレを使わせるとは…!」

阿武隈「まさか… 『EXAMシステム』…!?」

満潮「どう言う事? 私達の機体だってNT-Dを積んで…」

陽炎「そうじゃない! あの機体、『本物のEXAM』に接続してるのよ!」

長波「こっちのガンプラはあくまでも『NT-Dの擬似的な再現』でしか無い、だけどあっちは『オリジナルのEXAMシステム』を外部接続させて使ってるんだ…!」

満潮「なっ…!?」

陽炎「アイツ等はそのEXAMを使う機械をナノマシンサイズまで縮小させる事に成功してる。 ならこんな芸当も不可能じゃない…」

セルジュ「これを見られた以上、益々貴様等を生かして返す訳にはいかんな」


阿武隈は思案する。 どうすればあのEXAM搭載機に対処出来るか、どうすれば倒せるかと。

だが答えは浮かばない。擬似的な『ニュータイプ』能力を再現するシステムであるEXAMを倒す術を見出せない。


阿武隈(EXAMの特性… NTを検知する事で暴走を行う、もしくは多数の死と殺気の検知による暴走… だけどこの場にNTと言える人間は一人しか居ない!)


しかしその肝心なNTは現在もう1機と交戦している。 そして彼女を巻き込む事は阿武隈の本位では無く、その思考を即座に打ち消す。

だが阿武隈は一つ肝心な事を思い出した。 それは数ヶ月前の事、榛名が珍しくスパロボ以外のゲームを買ってきた時の事だ。



阿武隈『何これ?』

榛名『Vの限定版が売ってなかったので… ワゴンで見つけたから買ってみたんです』

陽炎『『サイドストーリーズ』… なんでよりによってコレなのよ…』

榛名『陽炎達まだガンダム知識薄いじゃないですか。 それを補う為に、これで1年戦争時代の外伝シナリオを振り返ってください』

長波『本音は?』

榛名『限定版が売ってなかった腹いせです』

阿武隈・陽炎・長波『やっぱりね!』


自分の知識の薄さ(当人は塾生時代に全部学んだと言っていたが私達と大差無い)を棚に上げて自分にアレなゲームを押し付けた姉。だが今、それが生きた。

EXAMについて、もう一つだけ対処する方法がある。 そしてその策を実行する為にある人物へと通信を繋いだ。


阿武隈「海風ちゃん!」

海風『阿武隈さん、相手がEXAMを…』

阿武隈「こっちも! だから、相手をEXAM同士で『共鳴』させる!」
196 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/23(月) 03:08:16.93 ID:Sb9OY36q0
阿武隈は失念していた、EXAM機は設定上同じ戦場に複数機存在していた場合同士討ちを始めることを。

そしてその事を思い出した今、唯一EXAMに対抗出来る手段がこれであり阿武隈に思いつく『最善』だった。


海風『…分かりました。EXAMを倒すにはEXAMを使うしか無い。そして利用出来るのは…』

阿武隈「敵のEXAMしか無い、ってことだよ…!」

海風『ではタイミングはそちらに合わせます。 霞、お願いします』

霞『分かった…!』


本来二人は互いに手を取り合える相手では無い。 全国大会と言う場で争い合う筈の敵だ。

だが今だけは『共通の敵』が居る以上手を取り合い打ち倒すしか互いに未来は無い。だから二人は互いの蒼い目を合わせて頷く。


阿武隈「行くよ…! 3人共、私に付いてきて!」

陽炎・長波「了解!」

満潮「ちょ、何する気よ!?」

阿武隈「話はあと! 今はアレから逃げるよ!」

陽炎「満潮、掴まりなさい! こっちの方が速い!」

阿武隈「長波ちゃんも、マーナガルムに!」


フレスヴェルグはヴェズルフェルニルを掴み、マーナガルムがガルムの腕を掴んだのを確認すると2機は加速する。

2機の加速性は改RX-0の中でも抜群に高く、MSを1機牽引しようとその速度は落ちることが無い。


セルジュ「逃がさん!」


追いかけるスクランブルに向け手の空いている長波と満潮が『グシスナウタル』と『グングニルU』を使って迎撃を行う。

倒す事が出来なくても牽制にはなる、その目論見通りにスクランブルは小刻みに回避運動を行う為速度が少し落ちていた。


セルジュ「チィッ…!」

阿武隈(目標地点まであと10秒、逃げ切るしか無い…!)

海風『こちらも退避行動開始! カウント! 10、9、8…』


海風がカウントしながらZZをジャスティスと協力しながら牽引してくるのを阿武隈は目視する。

そしてモニターに映る海風と目を合わせ、同時に叫んだ。


海風「今です!」
阿武隈「今!」


機体を急上昇させる7人、急加速を用いてスクランブルを引き剥がす。それを追いかけようとスクランブルも加速するが、様子が変わる。

距離を離されたことで互いが共鳴し最優先目標が変更され、お互いを狙うようになったしまったのだ。


トリスタン「くっ… 何をしている、何故こちらを!」

セルジュ「コントロールが利かん! どうなっている!?」

陽炎「バーカ。 アンタ達は自分の力に溺れてんのよ。 勝手に潰し合って自滅しろ」

長波「EXAMを切っておくんだったな、このバカ共」

神通「システムの本質も機能も理解しないで使うだけ、とは… 愚かにも程があります」

阿武隈「そう言うこと。 しかも暴走状態のEXAMはシステムカット出来ない、どちらかが消えるまでね」

霞「互いに滅ぼしあって、自滅を辿りなさい」

満潮「まさかこんな対処法があったとは…」

海風「阿武隈さん、助かりました」

阿武隈「別に良いよ。 ここで倒されても困るし、気にしないで。 それより、結晶体の破壊に向かうよ!」
197 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/23(月) 20:32:22.18 ID:nDTuKHtr0
side-瑞鳳&榛名-


ニムバス「受けよ、我が裁きを!」

榛名「この感覚… EXAM! NT-D!」

瑞鳳「オリジナルのシステムを… なら、私も!」


赤い光を纏うスクランブルガンダムと相対する榛名の『フェンリル』と瑞鳳の『ガンダムエピオン・クロイツ』の2機。

そしてEXAMの力に対抗すべき蒼い燐光を放つフェンリルと明鏡止水の域に至った瑞鳳と同期し黄金の光を纏うエピオンが、スクランブルへと襲い掛かる。


ニムバス「面白い…!まずは貴様達を狩るとしよう!」

瑞鳳「黙れ」

ニムバス「何っ!?」

瑞鳳「黙れと、言った…!」


瞬時に間合いを詰める瑞鳳、咄嗟にサーベルで防御を試みるニムバスだがそれが間違いだった。

瑞鳳はシールドからマスタークロスを展開し脚部を縛り上げ、そのまま振り回す。


ニムバス「コイツっ…! 離せ!」

瑞鳳「でやぁぁぁぁぁぁっ!」


その勢いで壁へと叩き付け地面へと放る。 そして剣を振りかざして一撃を放つ!


瑞鳳「奥義!天剣、絶刀!」


放つは神速の刃、間一髪姿勢制御を行う事で回避するニムバス。 回避された不可視の衝撃波が講堂の地面を切り裂く。

だが大振りな一撃故の隙が出来、ニムバスはそこを狙う。しかしニムバスの思うようにはいかない。


榛名「一人だけだと思うな!」

ニムバス「チィッ…!」


2本のビームアックスを振るい、スクランブルと鍔競り合う榛名のフェンリル。

榛名とニムバスの技量差はほぼ無い、それどころか榛名が一歩押している。 そして機体性能も榛名の方が高く、徐々にスクランブルはパワー負けして追い込まれていく。


ニムバス「何故だ! この機体は、最強の機体の筈だ!」

榛名「いいえ! その機体はあくまでも中途半端な技術模倣で出来た機体、こちらの機体が『本物』です!」

瑞鳳「そんな機体でオリジナルの技術で出来た機体に勝てると思うな! 秘技・十二王方牌大車併!」


背後からエピオンを模した小型の分身がスクランブルを押さえ込み、機体の動きを封じた。

そして瑞鳳と榛名は互いに顔を合わせて頷き合いトドメの構えを取る。


ニムバス「う、動けん…!」

瑞鳳「流派・東方不敗が最終奥義!」

榛名「コード・ブレイヴ… アローモード、マテリアライズ!」


瑞鳳「石波ッ!天驚けぇぇぇぇぇんっ!」
榛名「エクサブレイヴ・シュート・オーバァァァァァッ!」


黄金の拳と蒼い粒子結晶が同時にスクランブルへと殺到し、既にスクランブルは逃げる術を失っている。

そしてそのまま2機の一撃がスクランブルの機体を飲み込み、衝撃波が周囲一体を吹き飛ばした!
198 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/23(月) 21:11:06.75 ID:nDTuKHtr0
瑞鳳「やった…?」

榛名「これでは原型も留めていないでしょうね、機体は。 まだ、妙な気配を感じます…!」

『まずは褒めてやろう! 今回の戦い、貴様達の勝ちだ!』

瑞鳳「ッ…! ニムバス・シュターゼン!」

ニムバス『だが次はこうはいかんぞ… 貴様達に未来など無い、この局面を乗り越えたところでな!』

榛名「それは、どうでしょうか?」

ニムバス『そして貴様等の行いが無駄であると、思い知るが良い! さらばだ!』


BATTLE END

パァァァァァァァァ…


瑞鳳「何!?」

榛名「粒子結合の崩壊、恐らくニムバス・シュターゼンの操る『スクランブルガンダム』を破壊したことで粒子が維持出来なくなり結合が崩壊し大気中へと溶けているんです」

時雨「じゃあこの事態は一応収束した、って訳だね」

春雨「何とかなりましたね…」

三日月「しかし… 結局黒幕を倒す事は出来ませんでした」

霞「それに、講堂に取り残されてた人達は…」

海風「彼等の犠牲を無駄にしない為にも絶対に事態を終わらせないと…!」

神通「うっ…!力が…」

萩風「眩暈が…」

瑞鳳「二人共、大丈夫!?」

神通「はい… 今のは、一体…」

萩風「わからない… でも、これは…」

青葉「今は脱出しましょう。 もうすぐここに警察が来るのでしょう?」

天城「厄介事にはもう巻き込まれたくありません…」

ウォースパイト「バズーカやら爆破やら色々ヤバイものがあるものね」

浜風『瑞鳳さん、聞こえますね?』

瑞鳳「そっちは大丈夫?」

浜風『ええ、被害ゼロです。 これからどうします?』

瑞鳳「全員、撤収開始して。 基地で合流、そのままブリーフィングに移るよ」

浜風『了解しました』
199 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/24(火) 00:07:12.84 ID:4D3kAt/p0
《瑞鳳達のアジト》


霞「あー、しんどかった…」

海風「夜も監視されててオチオチ眠れませんでしたし…」

瑞鳳「仕方ないか… ブリーフィングはちょっと休んでからね。部屋は前のトコ使って良いよ。 あと神通ちゃんと萩風ちゃんは医務室に」

神通「何故ですか?」

瑞鳳「さっきの眩暈、明らかに疲れからくるものじゃない。 身体に何か起きてるかも知れ無いからね」

萩風「わかり、ました…」

榛名「あの、榛名達は…」

瑞鳳「あ、これパスです。 車貸すので榛名さんはここから2キロくらい先にあるバー○ンにでも阿武隈ちゃん達連れて行ってあげてください。

どうやら朝どころかお昼も何も食べて無いらしくて。 これで足りますか?」

榛名「充分だとは思いますが… 流石にお金は…」

瑞鳳「後でお母さんから毟り取るから大丈夫ですよ。 あと戻ったら9番以降の部屋使ってください」

榛名「分かりました」



霞「あれ、海風? 部屋行かないの?」

海風「ええ。少し用事が」

浜風「海風… 良かった、無事で…」

海風「少しばかり面貸してください、この馬鹿姉貴」

浜風「ば、馬鹿姉貴!? どこでそんな言葉を…!」

海風「良いから! 来て下さい!」ガシッ

浜風「行く!行くから! と言うか首絞まってる!?」ズルズル

霞(何やってんのよ… でも海風、様子が変… どうなってるの…?)


蒼龍「霞ちゃん、ちょっと」

霞「蒼龍さん?」

蒼龍「ちょっと来て。 サイコミュ弄るから」

霞「は?」

蒼龍「ハシラジマからの贈り物、霞ちゃん用に調整するから来て欲しいの」

霞「えぇ…」


イベント選択 直下
1.海風『事象改変の果てに』
2.神通『消える因果』
3.霞『今を越えて』
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 00:16:51.10 ID:EizF9bZw0
201 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/24(火) 01:32:39.95 ID:4D3kAt/p0
side-海風-『事象改変の果てに』


浜風「何でこんな所に…」

海風「話せる相手が一人しか居ないからです。 その『事象』に組み込まれていて、それを乗り越えてしまった誰かさんにしか」

浜風「…事象を乗り越えた…?」

海風「ええ、言葉どおり… どこぞの誰かさんは『滅びの因果』を偶然乗り越えてしまったんですよ」

浜風「え、ちょっと待って… まさか私が『倒れる』事象が起きる筈だったのが、あの場であったと…?」

海風「はい。 ニムバス・シュターゼンが告げた言葉、『死すべき者』と言う言葉… あれは貴女や蒼龍さん達『昏睡病との戦いで敗れ消えた者』の可能性が高いです。

ここからはあくまでも推測でしかありませんが、『死すべき者』と言う単語は恐らくあの場で死ぬべき人間を指していたのだとすれば…」

浜風「図らずも、私は因果を乗り越えて事象を改変してしまったと…」

海風「はい。 それに萩風さんの話ではの学園の学生は本来皆殺しにされ、誰一人も残らない筈でした。 しかし現実には100人程生き残った…

事象改変の波が、定められた未来が徐々に崩壊しつつあります。 その影響をモロに受けるのは神通さんと萩風さん、そして敵も…」

浜風「まさか二人の体調不良は…」

海風「事象改変で存在が不安定になっているのでしょう。 二人の存在を固定する方法は唯一つ、ただしそれは『四人の死』と引き換えですが」

浜風「…」

海風「ですが、敵の方にもそれは言えることです。 敵は明らかに未来を知覚していた… そうで無い限り、彼の言動に説明がつきません。

そしてそこから導き出される結論は二つ、『敵は未来を知る方法を持っている』か」

浜風「もしくは『敵も未来の存在である』と言う事…!つまり事象を改変すれば改変する程…」

海風「敵に後が無くなっていくと言う訳です。 問題はここから、修正力との戦いでしょう」

浜風「本当に修正力と言うものがあるかどうかすら定かではないけど… 少なくとも暫く警戒が必要、でしょうね」

海風「ええ。 まぁ一度乗り越えた以上二度目も余程理不尽でも無い限り避けられると思いますが…

そしてもう一つ、どうにかして先輩達の因果を作らなければこのままだと確実に『消滅』します。 そうなれば後に因果が繋がれるかどうか、禁忌を犯している以上最悪輪廻転生の輪からも外れます」

浜風「分かりました。 この件は瑞鳳さんにも…」

海風「いえ、瑞鳳さんには伏せてください。 先輩と萩風さんを創造したのが瑞鳳さんな以上、何らかの事象が起こらないとも限りませんから。

少なくともこの話は貴女の無駄にデカイ胸の中だけに留めてください」

浜風「…分かった。 海風がそう言うのなら」

海風「しかしこちらとしても考える事が増えました。 相手は『EXAMシステム』そのものを使える、そこが厄介です」

浜風「ええ。 マトモに対抗出来る者は少ない以上、悩みの種です」

海風「今回は敵が同時使用と言うヘマをやらかしてくれたお陰で対処出来ましたが次はそうはいかないでしょう。 どうやってEXAMを撃破するか、それが当面の課題になるかと」

浜風「『あちら側』の間宮さんのように『HADES』を使える人間が居れば… それか向こう側のNT軍団か…」

海風「確実にEXAMを潰す算段を整えない限り、こちらに勝ちはありません。 そして勝ち筋を整えるのが海風達『戦術指揮官』の務めです」

浜風「海風… ええ、その通りです。 私達が勝ち筋を見出さなきゃ、未来なんて得られない…!」

海風「妹に言われるまでそんな事も忘れているとは…」

浜風「忘れてなんてないけど… 再認識しただけで…」

海風「そう言うことにしておきますよ… 眠いので寝てきます」

浜風「海風… ありがとう」

海風「別に、感謝される謂れはありませんよ。 海風は未来が欲しい、そして先輩達に消えて欲しく無いからやっているだけです」

海風(そう… もう海風は、止まれない…! 先輩達に、消えて欲しく無いから…!)
202 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/24(火) 23:42:00.68 ID:4D3kAt/p0
《数時間後 ブリーフィングルーム》


海風「ふぁ…」

瑞鳳「あ、起きた?」

海風「あ、はい… 霞や先輩達は?」

瑞鳳「まだ寝てるよ。 余程精神的にキツかったみたいだからね」

<えぇ〜発表によりますと学園生の大半が犠牲となっており、死者行方不明者共に相当数に…

海風「…」

瑞鳳「早速ニュースになってるよ」

榛名「しかも、シェリンドン・ロナはあの場から逃走して行方不明と… 一体何をしているのだか…」モキュモキュ

海風「…残された信者も、見捨てたんですね」

瑞鳳「それだけわが身可愛さが勝ったんでしょ」

春雨「ああ言う人は自分がそう言う立場になってしまえば良いのに…」

時雨「キミの宗教嫌いは相変らずだね」

春雨「別に宗教そのものはどうでも良いんです、はい。 ですがそれを笠に着て、過激な行動をやる人間が嫌いなだけで」

榛名「まるで見てきたかのような言い方ですね」モキュモキュ

春雨「中東でも、この前行ったイギリスでもそう言う人間は見てきましたから」

海風「中東…?」

時雨「春雨は元々ガンプラを普及する為に父親と色んな所を歩いてたらしくてね」

春雨「その話はどうでも良いことです。 特に中東の件なんかはあまり思い出したくもありませんから、はい」

<続いてアナハイム問題で衝撃の事実が発覚しました。アナハイムは米国主導の下衛星… ピッ

<今回の事件を受け警視庁は原因不明との発表を行い、何が起きたのか詳しく調査中との…

海風「アナハイム絡みのニュースは観なくて良いんですか?」

瑞鳳「今はこっちが優先」

時雨「僕らはあの事件に介入した当事者だ。 だけど『その後』の事は一切知らないでガンプラ拾って逃げて来たからね。 詳しい話を知りたいのさ」

三日月(裏)「だが… 我々の知る情報以上の事は無さそうだ。 残された生存者の話も一切上がらん」

榛名「青葉さん達が今現地で情報を集めつつ痕跡を隠蔽するよう指示しておきました。 なので本格的な事は三人が戻ったらになりますね」モキュモキュ

海風「…一体何食べてるんです?」

榛名「さっき買ったハンバーガーです。 食べます?」

海風「遠慮します…」

春雨「見てるこちらが胸焼けしそうな量をさっきから食べてます…」


イベント 直下
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 16:11:14.22 ID:agpo6VYFO
春雨に浜風との戦いについて聞く
204 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/27(金) 02:45:29.92 ID:F5YCCpPn0
海風「あの… 春雨さん達は夕雲さんと、そしてアレと戦ったのですよね?」

時雨「アレ扱いは少々酷だと思うけど… まぁ、そうだね。 僕は浜風と夕雲と戦い、そして勝った」

瑞鳳「現状、唯一の勝者だね。 あれより前にも、あの後にも参加した公式戦で二人に敗北は無いから」

時雨「基本的にあの二人はコンビじゃないと真価を発揮出来ない。 浜風の技量は世界レベルとは言え平均程度、夕雲は戦闘になると攻撃に偏り過ぎて周りが見えなくなる。

だけど逆に言えば二人揃えばほぼ負けは無い。 冷静に戦況を見極め的確な指示と補助を行う浜風とそれを実行する夕雲、はっきり最悪の敵だった」

春雨「私達が戦った時、バトルフィールドは『宇宙・デブリ帯』。 二人の機体はもう知ってますよね?」

海風「『ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイ』と『アストレイミラージュフレーム・クロイツ・リバイ』、でしたよね」

時雨「当時はリバイは付いて無かったけどね。 僕達は二人の機体情報を事前に知らなかったんだ。 二人は前の戦い、レナート兄弟って浜風に比べたら戦略家気取りにも程がある敵相手に元々の機体を破損させて交換していたのさ。

僕達は戦いが始まるまで前の機体、『ヘイルバスター・クロイツ』と『ヴァンセイバー・クロイツ』を使うと思い込んでいた。それが完全に仇になった…」

春雨「加えて、向こうはこちらの機体『スローネ・ヴァリアント』と『ドレッドノート・ファントム』の性能を完全に把握していました。 この時点でこちらの方が劣勢です、はい」

海風「情報の隠匿と敵情報の掌握… さらに初見殺しを使った、と言う訳ですか」

瑞鳳「そう言うこと。 そしてミラージュには『ミラージュコロイド』が搭載されて、フィールドにはデブリって足場がある。 浜風ちゃんはまずドラグーンで二人をデブリの中に追い込んだ」

時雨「ここから先は一方的だったよ。 ミラージュコロイドを使いながら足場を使ってヒット&アウェイを繰り返す夕雲、そしてデブリ帯をドラグーンで囲んで退路を完全に断った浜風…

逃げ場なんか無い、そして見えない敵の攻撃にこっちはもう参ったね。ハッキリ言うと、あの二人のデブリ帯で戦うのは二度と勘弁して欲しい」

瑞鳳「まぁ二人がこんな戦い方をしたのもこれが最初で最後だけどね。 あの時は私さえも薄ら寒さを感じたし…」

春雨「それだけ確実に勝とうと思ったのでしょう。 それに多かれ少なかれレナート兄弟の妄執の影響もあったのかもしれません」

時雨「バトルは地形を生かして戦え、って僕は『リカルド・フェリーニ』ってファイターの教わったけど… あれほど地形を利用した戦い方は初めてだったよ。

ドラグーンもデブリに紛れてどこから来るか分からない、それ以上にミラージュからの攻撃もどこから来るかギリギリまで分からない。それが僕達を追い詰めた、と同時に春雨にある決断をさせたのさ」

海風「決断、ですか?」

春雨「ニクスを止めなければどうにもならない、そう思ったらすぐ身体が動いて… 無我夢中で、武器を捨ててニクスに特攻を仕掛けてました、はい」

瑞鳳「観てた私すらも唖然となったよ。 あれじゃただ自爆するだけ、ドラグーンの餌食になるだけだって。 でも春雨ちゃんは機体スペックをフルに活かしてドラグーンの雨を掻い潜ってニクスと相討ちしたの。

ただそれでもニクスは生きてた。 そして春雨ちゃんは組み付いて機体を自爆させてニクスを自分の機体と引き換えにして倒した」

時雨「これに関しては浜風も想定外、瑞鳳のことをずっと側で見てきたから『ビルダーが自分の機体を特攻・自爆させる訳無い』って。 だからこそ、浜風の不意を突けたのさ。

そして僕はデブリ帯を脱したけど夕雲は追撃してきた。 ミラージュコロイドのメリットを捨ててね」

瑞鳳「ミラージュの弱点は軽量化による装甲の薄さ、少しの被弾が命取りになる。 だけど夕雲ちゃんはそれを夢中になっていたせいで失念してた」

時雨「そこを突けば勝てる。 でも僕にはそれが出来る武器は夕雲の猛攻で全て壊されていた… だけど春雨の武器は違う。 春雨の機体は狙撃機、センサーが強化されていたからミラージュコロイドを見抜けていたしギリギリまで武器が温存できた。

で、僕は春雨のライフルをどうにか探し出して接近してきたところを不意打ちで夕雲をギリギリ仕留めることに成功した。 まあ最後の攻撃で限界が来てドレッドノートも壊れたけど」

春雨「あの戦いでビギナ・ゼラを使っていればサイズが合わなくて、武器が使えずこちらが負けていました。 だからビギナが前の戦いで壊れていた怪我の功名なんです、はい」

榛名「この戦いは榛名も取材で観てましたから印象に残ってますね。 観てるこちらが久々に手に汗握る戦いでした」

春雨「あれ、あの場に居たんですか?」

榛名「…あれ? 榛名、インタビューしましたよね…? 雑誌の特集ちゃんと書いて…」

春雨「あ… あれ榛名さんだったんですか!?」

榛名「わ、忘れられてた…」

瑞鳳「いや、それ私も初めて知ったんですけど…」

榛名「まあ眼鏡と帽子つけてましたから仕方無いですよね…」

三日月(裏)「この戦いは一応、歴代大会の名勝負ベスト3にランクインした。 気になれば動画も残っているかもしれんぞ」

海風「は、はあ…」

瑞鳳「あの戦いでスローネは木っ端微塵で修理不可能、ドレッドーノートは最後の一撃でフレームが全損で修理不可… あとのダメージは春雨ちゃんの方が大きかったけど。

あの後、なんであんな事したんだって凹んだし。 だけどそれが勝利に繋がった… 憶えておいて、ガンプラバトルに確実なんて無い。 どんな状況だろうと諦めなきゃ覆せる」

海風「諦めなければ、覆せる…」
205 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/28(土) 02:27:06.09 ID:lr9xDQEb0
《食堂》


愛宕「…」

瑞鳳「…大丈夫?」

愛宕「大丈夫、って言いたいけれど…」

大鳳「少しキツイわ…」

萩風「流石にあの場に二人を連れて行ったのは間違いだったとは思います、お母様」

瑞鳳「そう、だよね… ごめん、二人共」

愛宕「萩風ちゃんはどうして平然としてられるのよ… まだ、子供なのに…」

萩風「私は今まで理不尽な死と言うのを嫌程見て来ました。未来において発生した異形・深海棲艦の侵攻時に… 何万単位で殺されたのを。

理不尽な死などとうに見慣れた身、そしてもう殺される覚悟も殺す覚悟もあります。その覚悟が無ければこの時代に転移したりなどしません」

大鳳「…私が言うのはお門違いだろうけど、教育方針間違ってるんじゃないかしら?」

瑞鳳「うん、私も薄々感づいてた」

萩風「お母様が悪い訳ではありません。時代が、世界がそうさせなかっただけ… 深海棲艦の侵攻など無ければ…」

愛宕「時代、ね…」

萩風「お母様、この調子ではブリーフィングに参加は無理でしょう。 私がここで看ています。 情報に関しては後で自分で何とかできますから」

瑞鳳「分かった。 ここは任せるね」

愛宕「待って… 私も、行く」

萩風「無理しないでください。 あんな惨状を見て並みの人間が耐えられる訳がありません」

愛宕「教え子が耐えてるのに、私がヘバる訳にはいかないわ… 子供が歯を食いしばって耐えてるのに、大人として見過ごせ無い…!」

萩風「…これから、もっと酷いものを見るかもしれませんよ」

愛宕「大丈夫よ。 教え子も妹分も戦ってるのに私だけが暢気にしてるのは耐えられないから」

大鳳「私も、覚悟はしてる… とっくにね。 あの時、『あっちの世界』で銃を持った時に、人を撃った時に」

瑞鳳「二人共…」

萩風「…私は後から連れて行きます。お母様は先に行ってください」

瑞鳳「良いよ、二人は私が連れて行く。 萩風ちゃんこそ先にブリーフィングルームに行ってて。 ずっと潜入してて休んで無いんでしょ? まだ時間かかるみたいだから先に行って休んで良いよ」

萩風「先程仮眠は取りました。 大丈夫です」

瑞鳳「駄ー目。 働き詰めは毒、未来の私からそう学んでる筈だよ。 ここからは私の仕事だから」

萩風「分かりました… それではお先に」
206 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/28(土) 03:40:20.44 ID:lr9xDQEb0
萩風「そうは言ったものの… あまり暇と言うのは好きじゃないわ…」

萩風(つくづく自分のワーカーホリック気味には呆れざるを得ないわね…)

神通「あ、萩風…」

萩風「姉さん?」

神通「少し話があります」

萩風「構いませんよ。ここは人も居ないし監視カメラもありませんから」

神通「そこまでする話では無いのですが… あまり聞かせたくは無い話ではありますね」

萩風「何となく内容はわかっています。 私達の『因果』の話でしょう」

神通「ええ。 私達の存在は不安定になった、それは浜風さんと飛龍さんが『事象』を乗り越えたから、ですね」

萩風「はい。 お母様の残した記録では今日この日に二人は奇襲を受けてEXAMに敗れた。 だけど浜風さんが『結末』を知っていたから、事象を偶発的にも逃れて…

そしてここで浜風さんが生き残った事は、重大なターニングポイントになる」

神通「彼女が生き残れば指揮をする者が残り、生存確率が段違いとなります。 だから残る二人の結末を覆せる可能性が高くなった」

萩風「そう言う事です。 さらに言えば今の状況は遺した記録とは違い過ぎています。 私達の介入、そして…」

神通「海風さんと霞さん、ですね」

萩風「未来予知に近い能力を持った者と『ニュータイプ』の可能性を秘めた者… ですが姉さん、事象改変に何度も失敗して何度も同じ時間を繰り返していた…

この二人が居たのに、歴史に変動を齎すことが出来なかった」

神通「それは…」

萩風「あの二人を今までの繰り返しの中で見かけた事は?」

神通「…」


萩風「ハッキリ言わせてもらいます。 二人は今までの『繰り返し』に存在しなかった、今回初めて紛れ込んだ因果なのでしょう」


神通「はい… そしてあの二人が居たからこそ、榛名さんにも因果が繋がり『今』へと至りました」

萩風「やっぱり… 今回はやはり異質なのでしょうね。 だからこそ未来の変動率が大きくなってきた…

同時に私達の未来、存在そのものがあやふやになりつつありますが。 姉さん、事象改変出来るチャンスはこれが最後と考えてください」

神通「分かっています。 恐らくこれが最大のチャンス、同じ二人に巡りあえる可能性はゼロに等しい… だからここで終わらせます」

萩風「未来を変える、私達はその為だけにここに居る… 姉さん、私達はいつ消滅するか分からない。 だから悔いの無い様にしてください」

神通「それは萩風もです。 朝雲さんにゾッコンなのでしょう?」

萩風「さ、さて… 何の事やら… と、ともかく! 姉さんも悔いの無い様全力を尽くしてください!」
207 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/07(火) 01:29:30.78 ID:t1owIyx20
《翌日 ブリーフィングルーム》

青葉「面目ありません… まさか、丸一晩かかってしまうとは…」

蒼龍「今回ばかりは責めるつもりは無いわ。寧ろ私達の居た痕跡も全部消してきてくれたことは感謝する」

衣笠「こっちの警察、有能すぎるでしょ… 私達のキャンプまで探しに来られた」

飛龍「あそこ、一応宗教施設だし瑞鳳が事前に拉致に関する情報を流してたから。 それに前々から公安関係に睨まれてたらしいわよ」

古鷹「掲げている教義もカルトに片足突っ込んでますからね」

霞「ったく、冗談じゃないっての… しかもシェリンドン・ロナは行方不明、その取り巻き一味もね」

間宮「状況から察するに、逃げたのでしょうね」

天城「そう言えばあそこに囚われた方達は…」

古鷹「無事を確認しました。 今は警察の施設に保護されているようです。 私達の事は話さない様にと口止めも」

夕雲「…これを一晩でやるのは、凄くありませんか?」

蒼龍「ええ… 正直腹が立つくらい。でも味方で助かったわ…」

萩風「私も見習わないと…」

神通「見習う必要はありません」

朝雲「でも、今回の事件で完全にこっちは睨まれてる。 EXAM、ニムバス・シュターゼンにね」

海風「…なんでここに居るんです?」

天津風「私達だって一応、事件に関わってるのよ。スドウ・シュンスケを倒した以上、私達だって睨まれてる可能性があるし」

朝雲「それに何も知らないまま終わるなんて真っ平ごめんよ。私にだって護りたいものはある、だからもう戻れ無い覚悟もしてきた」

萩風「…これから見るものは、凄惨なものになるかもしれません。それでもですか?」

朝雲「分かってる。そこまで想像出来ない程私は馬鹿じゃないわ」

天津風「暫く、お肉は食べれなくなる覚悟はしておいたほうが良さそうね…」

神通「それ以上の覚悟が必要です。 特に我々と共に、事件に本格的に関わるとなれば」

朝雲「もう、最初からとっくにしています。 血に塗れる覚悟も、家族と離れる覚悟も」

瑞鳳「…そこまでは必要無いよ。 手を汚すのは私だけで良い。 自分の大事な物を護ることに専念しなさい」

大鯨「う〜ん… その覚悟は良いけど、気負い過ぎないようにね〜」←逆さづり

天津風「何であの人大阪U○Jにあるジョ○ズのとこの釣られたサメみたいな格好に?」

陽炎「私達を拉致った罰」

阿武隈「一度〆なきゃ駄目、ってことで瑞鳳さんと姉さんが追い詰めてつるし上げたの」

長波「〆たところでどうにかなるとは思わないけどな」

満潮「お陰で都内に一泊よ… しかも観光すら出来やしないわ」

榛名「なら後でどこかに連れて行きましょうか?」

ウォースパイト「ハル、そんな余裕は無いでしょう?」

榛名「そうですね… 満潮も、事件の被害にあう可能性もありますから」

秋月「なら私達が連れて行きましょうか?」

如月「最悪、私だって居るし」

野分「護衛なら私が務めましょう」

榛名「お願いします」

春雨「浜風、全員揃ったようです」

三日月(裏)「早く始めてくれ。こちらにも都合がある」

時雨「三日月はまだしも僕達、無断外泊で翔鶴さんに怒られそうなんだよね」

大鳳「私もゼミすっぽかしてるし…」

愛宕「早めに終わらせましょ?」

浜風「わかりました。 ではこれより、ブリーフィングを開始します」
208 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/07(火) 02:24:44.96 ID:t1owIyx20
浜風「まず今回の事件について青葉さん、お願いします」

青葉「はいはい〜い。 今回の事件は海風さん、霞さん、神通さん、天城さんの拉致を端に発した事件です。 元々萩風さんのお話では虐殺が起きる、と言う事でしたが図らずも海風さん達が紛れ込んでしまったと言うことです。

まぁ萩風さん達の未来の結末では『全員死亡』とのことでしたが、お二人の事象介入により100人程生き残りました。全員死ぬよりはマシな結末でしたが、これでも散々な結末… 事件発生を止められなかったことは我々の敗北と言えるでしょう」

蒼龍「ちょっと、青葉…!」

青葉「だからこそ、次の事件は確実に防がなくてはなりません。 起きる前に完全にその芽を潰す、それが我々がやるべき事です」

飛龍「そうね…」

青葉「事件の詳細はこちらの資料の通りです。 学生は677人が死亡、85人が重軽傷、その内27人が重体… 校内に残っていた教職員や事務職、清掃員等にも多くの被害が出ていますね」

瑞鳳「その教職員達の被害人数は?」

青葉「これは少々不明瞭でして… 大きな学校だったので100人以上の関係者が居て、具体的な人数が把握出来ないんです。中には丁度来た外部の業者や、敷地にあった学生寮関係者も巻き添えになってるようで…

だけど死傷者は最低1000名になる、そう見積もってください」

天津風「1000人も、こんな事件に巻き添えになってるの…!?」

朝雲「だけどこの件はまだ始まりよ。これから、1億って桁の違う人間が殺されるかもしれない… これで最後にしなきゃ、もっと多くの人が死ぬ…!」

青葉「そう言うことです。 そして拉致事件のの首謀者シェリンドン・ロナは行方不明、と思われていますが既に居場所は掴んでおります」

飛龍「嘘でしょ!?」

青葉「ヘリのGPS追ったら見つけましたよ。 彼女達は太平洋側、日本の領海内に存在するメタンハイドレート採掘実験場に居るようです」

長波「メタンハイド…?」

海風「メタンハイドレートとは石油・石炭に代わる新しい燃料の一つです。 まだ実用化はされていませんが、日本領海には多大な埋蔵量があり現在研究が進められています」

陽炎「所謂『燃える氷』ってやつね」

神通「どうしてそんなところに?」

青葉「『ブッホ・コンツェルン』、教団の出資会社の一つが運営している場所のようです。 しかも外部から隔絶されていて、関係者以外ほぼ立ち入る者は居ませんから隠れ潜むにはもってこいでしょう」

大鯨「メタンハイドレート事業には私も手は出しているのだけど… あそこまで大きな採掘場は作ってないわね。 それにまだアレは見込みのあるモノじゃない、でもあそこまで事業を大きくしてるって言う事は…

確実に採掘出来る技術があるのか、それとも社運をかけた大博打なのか、そして… ハイドレート採掘試験場以外の機能があるか」ブランブラン

霞「それって… そこに、彼等の何かがあるってことですか?」

大鯨「そう言うこと。 彼等の企みが何かはしらないけど『やらかす』為の設備かもね? シーランド公国みたいに独立とか」ブランブラン

天城「…あんな格好で無ければその推察には素直に賞賛できたのですが…」

海風「格好って本当に大事ですよね」

瑞鳳「どこに逃げようと追い詰めるだけだよ。 あと、事件に関することは?」

青葉「残りは資料にまとめておきましたのであとで各自確認を。 学園側の被害から他も全てまとめておきましたので」
209 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/07(火) 04:10:51.95 ID:t1owIyx20
浜風「では次はEXAMについて、と参りましょう。 現在EXAMシステムそのものを使った者は三人、首謀たる『ニムバス・シュターゼン』と取り巻きと思われる『トリスタン』『セルジュ』の3名…

海風、戦った感想を下さい。 直接刃を交わした、その感想を」

海風「…正直、不気味としか言い様がありません。 少しでも怯めば食われる、そう思いましたが… 一番怖いのは『再生』と『複製』の二つであり、それ以外は脅威とは言い難いです」

浜風「え…?」

瑞鳳「どう言う事?」

海風「海風は一時的にスクランブルを使用していたお陰、ですがチューンしてあったとは言えアレの性能の限界はある程度把握しています。 だからこそ言えるのですが、機体性能そのものは然程厄介とは言い難いのです。

EXAMシステムを起動し機体に反映したところでそれはスペックを1.2倍に引き上げる程度、RGシステムやNT-D、そしてウイングの『アズライト・バースト』には遠く及びません。そして元々の機体完成度は瑞鳳さんが前に言ったように『欠陥品』でしかありませんので…」

大鳳「ハードウェアの差、ってこと?」

海風「はい。 ここに居る大半の使用する機体のほうがスペックは上、故に限界点が違うんです。だからこそ一般ファイターの脅威になり得ても… こちらの人間には然程脅威にはなりません。

ただ厄介なのは反射と対応、これも機体性能の限界があるのですがソレは一般人のモノを超えています。 しかしこれもファイターによっては覆すことも可能、例えば瑞鳳さんは武術の達人なので動きが読め無い点や榛名さん達のような能力者の力を活かせば簡単に対処出来てしまいます」

天津風「EXAMシステムはあくまでもサポートシステムの部類に過ぎ無い… ニュータイプの能力を再現出来ていたとしても、『結構強いファイター』程度って次元で瑞鳳さん達のような『ヤバイ系人間』なら勝てるって訳ね」

海風「まぁここに居る人間の機体スペックがスクランブルを上回っているので対処も可能、と言うだけで一般ファイターには充分脅威です。それに我々でも下手を打てば確実にヤられます。

阿武隈さんと海風の打ったEXAM同時使用の影響による同士討ち誘発は正解の一つでしょう。 『一撃で消滅』させない限りは無限に再生する相手ですのでこちらは消耗する、だけど向こうはシステムを自動で使えば永遠と戦えますから」

阿武隈「EXAMの対処法は一つ、同士討ちを誘発させるか再生する間なく短時間・もしくは一撃で敵を消滅させるか… ってことだね」

海風「はい。 もしくはEXAMとバトルシステムを繋ぐネットワークを封じるか… こちらは現状では不可能なので頭に留めて置く程度です」

ウォースパイト「つまりジャマーを使えば良いのね。 そのツテはあるから、探してみるわ」

海風「ありがとうございます」

霞「案外、すんなり対処法って出来るものね…」

長波「だが言ってることは相当キツイぞ。 人間辞めろって言ってるんだからな」

海風「…キツイですか?」

陽炎「キツイ」

浜風「個々の能力に頼りすぎている、と言うのが問題ですね。 我々が目指さなければならないのは『一般人でもEXAMに対処出来る様にする』ことですから」

海風「じゃあそこまで言うならそれ以外の対処法をどうぞ?」

瑞鳳「こら、喧嘩しないの。 確かに今は海風ちゃんの言う方法しか対処法が無い、でもそれは後々創れば済む事だよ。 私が危惧してるのはそこじゃないの」

朝雲「どう言う事、ですか?」

瑞鳳「私達の記憶が正しければなんだけどね… あのEXAM、こっちで再構成した可能性が高いの」

萩風「え…?」

神通「どう言う事ですか!?」

春雨「私達が『ペイルライダー』と一緒に『BD-02』を発見した時、中破程度の損傷を負っていたんです、はい」

時雨「そして僕らの記憶を必死に手繰り寄せて纏め上げたら、頭部の半分が損壊してたことを思い出したのさ」

三日月「しかもあそこは海底、海の底にあったものです。 ハードの類も海水でやられているとすれば…?」

榛名「多少のモノが残っていたとは言え、EXAMは喪失している… と言う訳ですね」

瑞鳳「だけどナノマシンにEXAMを流用した、って事はこちら側で再構築した可能性が出てきたの。 ううん、完全に復元した可能性がある。

ハシラジマから送られてきたデータ、ナノマシンの『EXAM』と『HADES』のOSデータを照会したら合致する点が多く出てきたみたい。 つまりあれは『こちら側』の技術じゃなく『本当の宇宙世紀のもの』の技術で出来てるんだよ」

浜風「…まさか、こちらに宇宙世紀の人間が流れ着いた…?」

海風「しかもEXAMの根幹に関わった人間が…!」

瑞鳳「それがニムバスなのか、黒幕なのかは分からないけどね… この件は気に留めておく程度で良いよ」
210 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/08(水) 00:45:44.67 ID:UpEfxahV0
如月「でも宇宙世紀の人間なんて、本当に居るのかしらね?」

野分「MSの漂着がある以上繋がりはあるのだろうけど…」

秋月「まぁ実在が疑わしいのは事実ですね」

瑞鳳「ところがどっこい、居るんだよ」

朝雲「居るの…?」

瑞鳳「と言う事で呼んできました。 『ハシラジマのある世界』から、宇宙世紀出身の『リタ・ベルナル』さんです」

リタ「紹介に預かった、リタ・ベルナルです」

榛名「え…」

天城「…姉さんそっくり!?」

間宮「アルバムで見た中学生時代の榛名さんとほぼ同じ顔ですよ!?」

リタ「そりゃそうだよ。 私の肉体は、青葉ママと榛名ママの遺伝子を組み合わせて創ったデザインチャイルドなんだから」

榛名・青葉「!?」

海風「どう言う事ですか?」

リタ「言葉通り、私は宇宙世紀の出だけど体の方はとっくに死んでてね。 でも私の魂自体は残ってたから新しい『器』を作って移し変えたの。

そこで必要になったのが私と波長が合った青葉ママの遺伝子を持つ肉体、でもクローニングは難しいから榛名ママの遺伝子情報も組み合わせて出来たのがこの身体ってこと」

神通(言わば私と萩風の先達、ある意味で姉とも言うべき存在でしょう)

朝雲「でも、リタ・ベルナルなんて名前聞いた事無いわよ」

天津風「…小説版の『RX-0 フェネクス』のパイロットよ。そして非業の死を遂げた強化人間、その魂はフェネクスと一緒に宇宙の果てに消えて…」

リタ「そう、私はその過程でこちら側に流れ着いた。 『フェネクス』と一緒にね… 勿論、貴女の知る『戦い』もやったよ」

天津風「『エシャロット』? それとも…」

リタ「『ネオ・ジオング』、まぁアレとは去年もう一度戦ったけど… でもその話は今は関係ない。

私はちゃんと貴女の知る『リタ・ベルナル』であり、宇宙世紀で生まれ死んだ人間の魂を持つ者。納得できた?」

天津風「そう言われても…」

リタ「ま、仕方無いよね。 証拠も無ければ納得出来ない筈だし… シャア連れて来たほうが良かったんじゃない?」

陽炎「シャアって… まさか…!?」

リタ「『シャア・アズナブル』、本名キャスバル・レム・ダイクン。私同様肉体は失ってるけど、他の身体の魂に融合することで魂は残ってる」

長波「嘘だろ…」

蒼龍「本当よ。 ただ、その人連れてくると厄介な事態になるし… 丁度良かったのはリタちゃんだけだから」

海風「厄介…?」

春雨「あ、あははは…」

時雨「よりによって『あっち側の春雨』がシャアの融合先なんだよ。 普段は表に出無いけどね」

事情を知らない方々「!?」

リタ「その反応になるよね〜…」

瑞鳳「本当、よりによってなのよね…」

阿武隈「」
211 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/08(水) 02:39:09.73 ID:UpEfxahV0
すみません、なんか最後阿武隈が紛れ込んでました…



《ブリーフィング後》

海風「ではリタさんは、数日間はこちらに留まると?」

リタ「まぁね。 榛名ママから、後輩を導けって」

神通「後輩?」

リタ「『ニュータイプ』のね。 あっちの世界のママは両方NT、私もその能力はある程度は受け継いでる… なら先達として、色々話さなきゃいけないことがあるから」

霞「…」

リタ「私は強化人間、本当のNTじゃない。 でも本当のNTの姿は見てきたし『刻の彼方』も垣間みてる。伝えられる事は色々あるよ」

天津風「良かったじゃ無い、霞。 ホンモノのNTと話せる機会なんて無いわよ」

霞「別に… 私は進化とかNTとか興味無い、私は私の辿る道を進むだけ」

リタ「それで良いよ。 辿る道は自分で選ぶ、それが人として正しい生き方だから。 辿る道を強要しようとして破滅したヤツも見てきたし、私は干渉するつもりは無いよ」

朝雲「破滅したヤツ、って?」

リタ「私達が去年倒したヤツのこと。 あっちの満潮の仲間を殺して、各方面に喧嘩ふっかけて… ママに叩き潰された」

萩風(『イノベイター』の一件、あの後向こうの榛名さんは色々と考え込む事が多くなったと聞いていますが…)

リタ「どうすれば良いかなんて自分で決める事、それが『人の革新』… でも一つだけ、みんなも覚えておいて。

特殊な力なんてあってもそれは『人の革新』なんかじゃない。 誰かを思いやり、誰かの為に何かが出来る人が一番『革新』に近いの」


霞(リタ・ベルナル、彼女の言っている言葉の意味は良く分からない。 だけどシェリンドン・ロナの言葉よりは納得出来た。

私が辿る道は、これからどうなるのかなんて私にも分からない。 でも私は進み続ける、何があろうと、何が立ちはだかろうと)


神通(多くの歯車が回りだし、着々と変動していく未来に私は… 私達は何が出来るのだろうか?)


海風(それは誰にも分からない。 だって、未来なんてまだ決まりきっていないのだから)


第12話『コスモ・クルス』 終
212 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/08(水) 02:43:33.90 ID:UpEfxahV0
第12話終了、中学生には少々キツイ話になってまいりました…

リタは第13話までのゲスト扱いで、話にある程度(特に霞絡み)には出ます



あと今回で改造機は出揃ったので第13話は別シナリオ(これからのライバルやかつての対戦相手を出す)をやります

213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 09:38:09.40 ID:NvLyVQMS0
了解です。
ちなみにリタは練習相手としてガンプラバトルやるのかな?
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 10:48:14.48 ID:R75oalBoO
バトルはしないだろ
あくまでも別世界の人間だし操縦技能無いんじゃない?
215 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/09(木) 02:02:40.55 ID:gT4bISTa0
第13話『未来への翼』


《学園 バトル部部室》

天津風「どう、私の実力は!」

リタ「うーん… 正直機体が能力を阻害してる気がする」

天津風「…は?」

リタ「ミサイル装備ってのは良いし爆撃機としての運用も理に適ってる。 でも装備が空戦機動の邪魔だし何よりミサイルの操作に手間取って機体操作がおざなりになって自分の利点を殺しちゃってるかな。

同じタイプのファイターが出たら確実に負けるよ。 空戦に自信があったとしてもフル対地装備『F-15E』で軽装の『Mig-29OVT』と戦える?」

朝雲「何、『Mig-29OVT』って…」

瑞鳳「ロシアの戦闘機、の試作機だね。 ただ機動性は異常、まず対地装備F-15Eじゃ機動性に翻弄されて負ける」

萩風「現在はロシアの正式採用機に同型の推力偏向ノズルを搭載したMig-35が存在しますね。まだ新鋭機なので配備数はそう多くはありませんが」

朝雲「そ、そう…」

霞「要するに、機体が合って無いってことね」

リタ「そう言う事。 全部最初に放って装備切り離せば多少はマシになるかも」

天津風「ぜ、全否定された…」

海風「リタさんって、割と辛口評価なんですね…」

神通「まさか海風さんのバスターソードも全否定とは…」

リタ「だってさ、ポジション指揮官なのに前に出すぎじゃない? 浜風と同じスタイルの方が絶対良いよ」

愛宕「でもこの子、最初からこの戦闘スタイルなのよね」

瑞鳳「大会まであと3日、もう変更は利かないよ」

海風「それにアレと同じ後ろからチマチマ遠隔砲台使ってコソコソやるなんて死んでもごめんです」

リタ「頑固だねぇ… ま、姉妹の間の事は知らないけど。 良い所はどの戦闘スタイルにもあるんだから、吸収して活かすことも重要だよ」


神通(リタさんは何故か私達の監督役を買って出てくれた。 彼女は何度も深海棲艦や『異世界の人間』と戦っていて戦闘経験は豊富、なのでアドバイスはありがたい)


瑞鳳「じゃあ今日の練習はここまで。 今日以降大会用ガンプラの使用は厳禁、また野良バトルも禁止します」

天津風「え、バトルも駄目なんですか?」

瑞鳳「まだ昏睡病の危険はあるからね。 それにアイツ等が再び動き出した以上またキャリアーが動き出すかもだし」

萩風「バトル練習がしたいのなら『エンガノ』に行くか、CPU戦だけと言う訳ですね」

瑞鳳「そう言うこと。 まぁ後者も遠隔装置で仕掛けてくる可能性もあるけど… それに大会準備もしなきゃいけないしね」

海風「3日で2週間分の着替えと、あと色々用意しておかないといけませんね」

霞「先輩、罠の準備お願いします」

萩風「え、私がやりますよ?」

神通「萩風がやったら確実に無数の肉塊が出来るので駄目です」

リタ「アレだね。ミンチよりひでぇや、ってやつ」

萩風「私の認識ってどうなってるの…?」

朝雲「この部に所属してる時点でキチガイ扱いは免れられないから平気平気」
216 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/09(木) 02:31:14.81 ID:gT4bISTa0
《帰り道》


朝雲「しっかし、終業式も終わって後は大会を待つだけか… 大会、どんな連中が出るのかしら?」

海風「大阪は先週まで決まってなかった、と聞いていますが全て出揃った筈ですよ」

天津風「寧ろなんで先週まで決まってなかったのよ」

海風「機械の故障だそうです。 別会場でやれって話ですよ」

霞「全くね…」

萩風「現時点で最も警戒すべきは… 『ホワイトクリーン』でしょうか」

神通「ガンプラも戦闘スタイルも全て筒抜けですからね。 逆もまた然りですが」

霞「アンタは榛名さん達と仙台行かなくて良かったの?」

リタ「うーん… あくまでもこっち側の人間は私にとってはママじゃないし、寧ろ行く理由は無いかな」

霞「だからってウチに居座るな…!」

リタ「泊まるとこ無いんだから仕方無いでしょ。 間宮さんの所だって、青葉ママ居るから気まずいし」


霞(リタ・ベルナルはウチに今居座ってる。 マイペース過ぎてこちらの生活が掻き乱されている… 順応してるのは海風だけだ)


朝雲「じゃあここで分かれ道だけど… これからどうする?」

天津風「私はZEONで買い物。 シャンプーとか色々買って帰る」

神通「私達は直帰します。 用があればいつでも連絡下さい」

萩風「私は… 少し行くところがある、かな…?」

朝雲「つれ無いわね… 私、間宮さんのトコ行こうっと…」


視点選択 直下
1.霞『再びの山嵐』
2.朝雲『再会、ボクサー』
3.萩風『加害者の今』
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 03:23:06.51 ID:Ns40+v870
2
218 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/12(日) 04:41:54.33 ID:Nui2vYAx0
《公園》


朝雲「あっつ…」モソモソ

朝雲(まさか間宮さんのトコ、今日やってないなんて… これが食べれる最後のチャンスだったのに…)

朝雲「あ〜あ… こんなカキ氷よりももっと美味しいやつ食べたかったな…」

朝雲(こっちも悪くは無いんだけど、やっぱり見劣りしちゃうのよね)

「ん…? お前は…」

朝雲「…久しぶりね、イズナ・シモン」

シモン「いつぞやの試合の後の見舞い以来だな、朝雲。 どうだ調子は?」

朝雲「普通よ普通。 そっちは… よくこんな暑い中トレーニングなんて出来るわね」

シモン「慣れっこさ。 最近妹さん退院したんだってな」

朝雲「暫く週3回の通院が必要だそうだけどね。 今は自宅療養、病院生活が長かったから日常生活に馴染ませてるところ。 そっちは?」

シモン「漸くこっちも一時退院が認められた所だ。 そしたらガンプラバトルを見に行きたい、って騒いじまってさ…」

朝雲「ウチのもよ。 試合日程次第、とは言ってるけど」

シモン「連れては行きたいが今は昏睡事件があるからな…」

朝雲「そう、よね…」

シモン「…なぁ、お前何か知らないか? 現場に居たんだろ?」

朝雲「知ってどうする気?」

シモン「あ、いや… 知っておいた方が、マモルの為になるかと…」

朝雲「知らないほうが良いわよ。 碌なモンじゃないもの」

シモン「やっぱりな… 噂は聞いてるんだ。 最近出回ってる『薬』が昏睡事件を招いてるんじゃ無いかって」

朝雲「それは私の口からは言え無い。 唯言えるのは、余計な真実を知ろうとする事は身を滅ぼすってことよ」

シモン「お前はそれで納得出来るのか?」

朝雲「納得も何も、それが一番良いことなの。 余計な事に首突っ込めばアンタだけじゃない、弟君にも累が及ぶ可能性もあんのよ」

シモン「それは…」

朝雲「だからアンタは知らない方が良い。 弟君だけを守る事を考えておきなさい」

シモン「そうだな…」

朝雲「ま、こんな大層な事言っておきながら私も事のあらまし程度しか知らないんだけどね。実際私が何かした訳でもないし」

シモン「お前な…」

朝雲「でも大会中は安全なんじゃないかしら。 あの時、地区決勝の時は特別だっただけでそんなに何回も事件が起きてたまるかっての」

シモン「そうなのか?」

朝雲「確証は無いけどね。 弟君、連れて行くならホテルとか大変よ。 日程ダブってる世界大会と会場近いから宿取れないかも」

シモン「マジかよ…」

朝雲「さて… 私は行こうかしら?」

シモン「もう行くのか?」

朝雲「大会準備があるし、機体の受け取りにも行かないといけないもの」

シモン「何だ、機体換えるのか?」

朝雲「2機運用にしたのよ。 『ストライク』じゃ対応出来ない局面だって出てくるだろうし、せっかく使える機体があるのに勿体無いじゃない」
219 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/13(月) 00:31:03.40 ID:caM4kIUq0
《模型店エンガノ》


飛龍「いらっしゃ… 何だ朝雲ちゃんか。 ようやくストライクの回収?」

朝雲「はい。 色々立て込んでて受け取るの忘れてましたから」

飛龍「『シームルグ』があるからストライクはお蔵入りにしたのかと思ってたけど… で、そっちのは?」

朝雲「付き添い、と言うか…」

シモン「何となく、興味があって…」

飛龍「ふぅん… モテるわねぇ」

朝雲「!?」

シモン「え!? そ、そう言うんじゃ…」

飛龍「冗談よ、冗談」

朝雲「瑞鳳さんは?」

飛龍「さっき一度帰って来たんだけど… ちょっと出かけた。 帰ってくるのは明日になりそう」チョイチョイ

朝雲「?」

飛龍(実はナノマシンの製造工場みたいなものを青葉が突き止めたのよ)

朝雲「え…?」

飛龍(間宮さん達と一緒に制圧に向かってる。 詳しい事は萩風ちゃんか神通ちゃんに報告するから後で電話で聞いてみて)

朝雲(分かりました。飛龍さんは行かないんですか?)

飛龍(私は待機。 いざとなったらMSを引っ張り出すのに、こっちの残ってないと駄目だもの)

朝雲(そんなに大きな規模なんですか?)

飛龍(倒産した製薬工場の跡地を使ってるのよ。 丸々焼き払う必要があるから火力が…)

シモン「何の話だ?」

朝雲「な、なんでもないわ!」

飛龍「女同士の話だから気にしないで!」

シモン「は、はぁ…」

飛龍「えっとストライクは… 工房だったかしら。 夕張ちゃん、ちょっと!」

夕張「は〜い。 ストライクですね」

朝雲「あれ、夕張さん?」

夕張「私、一応ここのバイトよ。人手足りないときの臨時のね。 今はサンプル作例、この前発売した『ケルディムサーガ』の素組やってるの」

朝雲「そうなんですね。 あ、入荷っていつですか?」

夕張「もう入荷はしてますよね?」

飛龍「してるよ。 今在庫は倉庫だけど… 欲しいの?」

朝雲「五月雨、妹が欲しがってるんです。 なのであったら買っておこうかなって」

飛龍「わかった。 後で売ったげる」

シモン「妹もガンプラやってるのか?」

朝雲「ええ。 まぁ根がドジだから… ポリキャップ入れ忘れたりピン折ったりなんて日常茶飯事だけども…」

夕張「私も初心者の頃よくやったわ、それ… じゃあこれ、ストライクね」


機体改修(『ストライク・ヴァルキリー』)

・ベース機:ストライクE(固定)
・改造条件:後方支援特化・射撃寄り装備であること。『味方への補助装備』を含めること

改造内容(名前も併記) 下2
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/13(月) 09:39:13.57 ID:NXrlKSER0
踏み台
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/13(月) 11:50:56.14 ID:EQasxgQO0
ストライク・エインヘリヤル

ベース機本体は戦闘データを基に間接等の強化を行い動作の最適化。
膝部分にケルディムサーガのGNマシンガンのラックを移設。
ショーティーはGNピストルUのように実体刃を追加。
ライフルは実弾機能をオミットした代わりに銃底部にオプションラックを追加。グレネード・マシンガンなど(その他色々)を選択式で装備できる。

スヴェルストライカー
ブリガンディアストライカーをベースに新造したストライカー。
変更点はキャノンを専用のシールドドラグーンにしたことのみ。
シールドドラグーンはプロヴィデンスの複合兵装ユニットにビームシールドを追加してオールレンジ兵装へ換装した武器で、6基搭載している。一応展開しなくてもビームガンは打てる。
ただし、展開時の動きは基本オートのみで、あまり機敏な行動はできない。ちなみに、スヴェルとは北欧神話に出てくる盾のこと。
222 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/15(水) 01:52:11.92 ID:SQaiONta0
ストライク・エインヘリヤル
武装
・M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器×2
・M8F-SB1 ビームライフルショーティー改×2
・専用ロングライフル弐型
ライトニングストライカー改『スヴェルストライカー』
・複合兵装ユニット改『シールドドラグーン』×6

概要
朝雲の『ストライク・ヴァルキリー』を改修し、アップデートを施した機体。
榛名によって仕込まれたガン=カタにより対応出来るよう各部関節の強化などを施されより人間に近い柔軟な動きが出来る。
性能そのものは『RX-0[Sm] シームルグ』より火力・機動力などで劣っているが継戦能力や防御能力、補助能力はこちらの方が高い。
改修点は脚部に『ケルディムガンダムサーガ』の有償サンプルからぶんどったGNマシンガン用のラックを移設されたこと、そしてライフルに改修を加えられ実弾砲撃機能のオミットとその変わりにオプションラックが追加されたこと。
オプション装備は脚部のラックに戦闘時は付いているが戦闘中に切り替えることで柔軟に運用出来る。
またショーティー・ビームライフルに実体刃を追加し格闘能力が向上した。
整備性に難がある『シームルグ』の予備として死蔵しかかった『ストライク・ヴァルキリー』を改修した為、死んだ勇者の魂たる『エインヘリヤル』の名前を付けられた…
と思われているが実際には新たに内蔵された『ある特殊能力』が存在しており、それをイメージして名称変更された。ただしその能力を把握しているのは瑞鳳、そしてテストに携わった夕張のみである。

スヴェルストライカー
ブリガンディアストライカーを改修し、火力から防御能力に重点を移したストライカーパック。
ホーミングビームキャノン発射口を全て廃止し代わりに浜風用のニクスプロヴィデンスの予備パーツ製作の際に余りに余った複合兵装防盾システムを改造した『シールドドラグーン』のプラットフォームに変更されている。
シールドドラグーンにはビームシールド展開機能が付与、そしてプラットフォーム接続時にもビームキャノンは撃てるが相対的に火力は落ちた。
ただしマニュアル操作には高い練度を要するため、運用はオートに限られており機敏な動きは出来ない。



夕張「これが貴女の新しいストライク、『ストライク・エインヘリヤル』よ」

朝雲「…ファ○ナー?」

夕張「いや、そんなモデルの機体があるけどさ… もっと別の感想無いの?」

朝雲「能力的にはどうなんですか?」

夕張「火力以外は全部上がってるわ。 柔軟性も、前の数倍高くなってるからより人間らしく動ける」

朝雲「うわ… ほんとにヌルヌル動けてる… 関節柔らかい…」

夕張「その気になれば爪先立ちイナバ○アーなんて芸当まで出来るようになってるわよ。 体操選手より動けるかも」

シモン「スゲェ…」

飛龍「まさに無駄技術の集大成よ、それ」

夕張「そして新システムも… あっと、これは実際に使ってのお楽しみね。 まぁ使う可能性は低いけど」

朝雲「? コード・ブレイヴ的な?」

夕張「あれとは違うけど… まぁ、一種のチート技ね。 レギュレーション的には問題ないけど、ガンプラとしてどうよって感じの」

朝雲「えぇ…」

飛龍「どう、テストしてみる?」

朝雲「ええ、やってみます。 アンタ、テスト付き合いなさいよ」

シモン「え、俺!?」

飛龍「まぁ、ウチでやるなら大丈夫でしょう。 ガンプラはそこの棚の好きなの使ってね」



視点選択 直下
1.霞『再びの山嵐』
2.海風『苛立つ相手と親戚と』
3.萩風『加害者の今』
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/15(水) 04:35:35.46 ID:XsastPbA0
224 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/16(木) 03:24:02.18 ID:APGZQfwU0
side-海風-『苛立つ相手と親戚と』

《新宿駅近郊》

海風「…」イライラ

浜風「あの、海風…」

海風「全くもって不愉快です…! あのゴミクズ共、まだふざけた事をほざいて…!」

浜風「口が悪いわ。 …でも、流石に身勝手が過ぎると思う」

海風「いきなり呼び出したと思ったら、東京に戻るからまた家族一緒に暮らそう? 舐めたことを言って、都合の良い時だけ『家族』と言う言葉を振りかざすな…!」

浜風「だけどテーブルにあったウォーターポットから水かけるのはやり過ぎ。 そしてお互いの不倫ネタを暴露するのもね」

海風「ザマァ見ろ。どうせ機能不全の家庭、そんなもの無くなっても大差無いでしょう」

浜風(私に矛先は向いて来ないけど… 少なくとも今日は殺気立ってる。確かに、海風がキレるのも分かるし私が同じ状況ならそうしてた。

流石に互いの不倫については知らなかったようだし、大きな爆弾を投げ付けたことには変わり無いけど)

浜風「ハァ…」

浜風(助けてください、瑞鳳さん… 海風が、妹がだんだんカミーユになっていきます…)

海風「溜息つくくらいならこんな所で油売ってないで、製薬工場跡制圧作戦にでも参加すれば良いじゃないですか」

浜風「私と飛龍さんは予備兵力、MSを出す必要が出たら動く。尤も人目につかない夜にしか動けないけど…」

海風「まぁ良いです… これから少し買い物してから帰りますけど、どうする気で…」

「あ、テメェは…!」

海風「…」

浜風「知り合いですか?」

海風「いえ、こんなワカメ知り合いに居てたまりません」

カリマ「神奈川代表本牧学園のカリマ・ケイだ! テメェ人に不意打ち食らわしといて、良い度胸してんじゃねぇか…!」

海風「先にやったのはどちらでしょうね? やり返されて逆ギレとは、被害者面も甚だしい」

カリマ「ッ…! この七光りが…!」

浜風「七光り…? ウチの妹に、何か文句が?」

カリマ「何!? い、妹…? まさか、アンタ…」

浜風「ウチの妹の何が気に入らないのかは知りませんが七光り呼ばわりとは… この子の実力は私とは無関係、自分で身に着けたものです。

それとも私が直々に貴方を叩き潰してあげましょうか?」

カリマ「せ、世界チャンプが相手…!? だ、駄目だ… 勝てる気が…」

海風「余計な事言わないで下さい。 こんな、相手を侮辱する者に戦う価値など無い」

浜風「…そうですね。 ファイターとしての資格の無い人間、相手にする価値などありませんでした」

カリマ「なっ…!?」

「そう言うこと。 引っ込んだら?」

カリマ「誰だ!」

海風・浜風「え…」


誰? 直下
1.浦風(広島代表)
2.江風(長崎代表)
3.鬼怒(栃木代表)
4.その他(未出及び別世界でメインキャラになっていないこと)
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/16(木) 04:00:25.61 ID:SgtixGYZ0
3で
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/16(木) 04:52:05.53 ID:XJNHroxA0
227 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/17(金) 02:53:01.23 ID:J8texhRT0
「知ってるよ〜。 カリマ・ケイ、ガンプラ学園と戦おうとしたら海風相手に無様を晒したって。 まさに自爆だね、聞いた限り」

カリマ「誰だよ、お前は…!」

浜風「き、鬼怒!?」

鬼怒「そ! 私こそ、栃木代表が一人にしてこの二人の従姉妹… 鬼怒だよ!」

カリマ「い、従姉!?」

海風「相も変らぬハイテンションっぷりですね…」

カリマ「に、似てねぇじゃねぇか…」

浜風「性格から何まで、全く似てません」

鬼怒「酷っ。 そりゃそうだけどさ… 浜風姉も海風も、そのローテンション過ぎるのは直そうよ」

海風「家庭の事情ですから気にしないで… って、栃木代表ってどう言う事ですか!?」

鬼怒「え、鬼怒元々ファイターだったけど… 浜風姉の方が遅く始めてるんだよ?」

浜風「確かに前、5年くらい前に会った時にはそんな事を言ってたような…」

鬼怒「積もる話はあっちのカフェでしようよ。 こんなワカメ放っておいてさ」

カリマ「誰がワカメだ!」

海風「いい加減失せないと、そのワカメ毟りますよ。海風、有言実行がモットーなもので」

カリマ「糞っ…! 憶えてろよ…!」

海風「だから、憶えるつもりはありませんって」


《カフェ》

浜風「で、積もる話は沢山ありますが… 何で居るんです?」

鬼怒「のんびり大会の現地まで鈍行で向かおうかな〜って思って、途中ここでチームメイトと寄り道したら見かけたの」

海風「チームメイト、ですか?」

鬼怒「うん。 逸れちゃったけど」

浜風「新宿で逸れたら出会うのは至難の業でしょうね…」

鬼怒「え、新宿? ここ渋谷じゃないの?」

海風「え…」

鬼怒「おっかしいなぁ… 降りたのは渋谷なんだけど…」

海風「まさか… 渋谷から新宿まで歩いてきたと…?」

浜風「えぇ… 何やってるの、この子…」

鬼怒「向かう先は一緒なんだから出会えるでしょ、多分。 それよりまさか二人が鬼怒より有名になってるなんてねぇ…

浜風姉は言わずもかな、海風も色んな意味でファイター界隈じゃ有名だよ。 鬼怒、正直羨ましいな〜って」

海風「有名?」

鬼怒「昏睡事件解決の立役者、初心者なのに全国級と渡り合うやベーやつ、バスターソードを振り回す指揮官、キレ顔ダブルバスターソード、困ったときにはバスターソード、バスターソードでフィールドを叩き割る女…」

海風「後半の一体なんですか!? 結構身に覚えはありますけど!?」

鬼怒「そしてガンプラ学園のエース、キジマ・ウィルフリッドと互角だった事も知ってるよ。 しかも向こうもほぼ加減無しだったこともね」

浜風「一体どこからそんな話が漏れて…」

鬼怒「京都の『風の会』って所の、無駄にデコがテカテカしてる人」

海風「あの人ですか…!」

浜風「知り合いなんですか?」

鬼怒「うん。 一回だけ練習試合したことあるから、その時仲良くなった」


イベント 直下
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/17(金) 06:52:48.72 ID:9qj+G+gSO
鬼怒のチームメイトがなぜかやってきた
229 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/18(土) 03:43:42.78 ID:bI6qRoTc0
「全く、鬼怒はどこに… って居た!?」

海風「…あの、鬼怒さん?」

浜風「鬼怒、お探しの人が来たようですよ」

鬼怒「おぉ! ここ新宿なのに良く分かったね!」

「探したよ… まさか新宿まで徒歩で来るハメになるなんて…」

「一体何がどうしてこうなって… そちらの方は?」

鬼怒「あ、鬼怒の従姉。 姉の浜風姉と、妹の海風」

浜風「紹介に預かりました、浜風と言います」

海風「海風です。どうぞよろし…」

「「って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

海風「…貴女のお仲間と言うだけあって、凄いハイテンションですね」

浜風「ちょっと耳がキンキンしてきた…」

鬼怒「ふ、二人共落ちつい…」

「何で黙ってたのさ! この二人って、ある意味超有名人だよ!?」

「世界チャンピオンに、バスターソードフェチの変態妹… まさかこんな二人に…」

海風「ちょっと表出ろ」

浜風「海風、落ち着いて…」

海風「だって海風、本来の領分で評価されないでバスターソード振り回してることだけが変な風に捉えられてるんですよ!? 凄い風評被害ですよ!

朝風でしたっけあの人!? 一体何喋ったんですか!? あのデコに肉って油性マジックで書いてやりましょうか!?」

浜風「気持ちは分かる…! でも落ち着いて…!」

鬼怒「まぁまぁ海風。 そんなに怒らなくても… 他のお客さんに迷惑だから、ね?」

海風「黙らっしゃい! あんなキンキン声でバスターソードフェチだの変態だのと呼ばれて怒らない人が居るとでも!?」

鬼怒「あ、スイマセン…」

浜風「海風の指揮能力はちゃんと評価されてるから… 今は落ち着いて、お願い…!」

「ご、ごめん… ちょっとハイテンションになってた…」

「流石にちょっと言い過ぎたかも…」

海風「言葉発する前に相手がどう捉えるか考えてから発しなさい! 貴女達のお頭はその程度のことも…」

鬼怒(ねぇ、浜風姉。 もしかして海風の罵倒語彙力上がってない…?)

浜風(ええ… 不仲な両親に挟まれてネットにのめり込んで、なおかつ頭の回転が早すぎるものだから… 私も、言葉でフルボッコにされた…

と言うかさっき、両親相手に啖呵切って罵倒して水ぶっ掛けてきたばかりなの…)

鬼怒(この子どんな方向に向かってるの!?)

海風「ハァハァ… 頭回転させたら糖分足りなくなってきた…」

鬼怒「ごめんね、海風。 ちょっと配慮足りなかったかも…」

海風「全くです… あと次会ったら朝風って人、デコに油性マジックで落書きしてやる…」

浜風「止めなさい。 絶対デコじゃ済まないから」

(エアクラッシャー海風、あの話は本当だった…)

(爆弾発言と暴言と罵倒と嫌がらせのオンパレードで空気を悉く凍らせる… あんまり敵にまわしたくは無いかも…)

海風「で、そこの二人は一体何なんですか?」


チームメイト(とチーム名) 直下
1.嵐・江風 『チーム・トリオ・ザ・レッド』
2.木曾・天霧 『チーム・サンシャイン』
3.その他(キャラクター、チーム名も。 ただし既出など一部キャラはNG)
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 05:30:00.20 ID:XvUKx01R0
1
231 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/19(日) 04:44:36.14 ID:t1wIOUKU0
嵐「あ、嵐っす。鬼怒のチームメイトで…」

江風「同じく江風。 一応『トリオ・ザ・レッド』ってチームでやってます…」

鬼怒「え、えっと… 二人共、この子二人より年下の中一だよ…?」

嵐・江風「え…」

海風「はぁ… 『フリューゲル・ヴェント』、海風です。 チームの主席指揮官、そして戦術補佐を担当しています」

浜風「浜風です。 まぁ知っての通り、一応世界大会出場ファイターで優勝もしていますが… 貴女達とは現状、戦わないので気にしないで下さい」

鬼怒「え、えっと… 従姉の鬼怒っす、はい」

浜風「鬼怒、もう知ってる」

鬼怒「だよねー…」

嵐「確かウイングゼロのファイター、だったっけ…」

海風「『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』、です」

浜風(今はアズライト、だけど。 情報の隠蔽は基本的なこと、明かさないおは当然ね)

江風「本当にこれであのキジマ・ウィルフリッドと互角だったのかよ…?」

海風「ええ。 押されてはいましたが、粘りましたよ。 時間切れになっていなければ色んな意味で負けていましたが」

海風(あの戦い、先読みを10連重ねていましたが軽く上回られていた… そして『アズライト・バースト』、その前のシステムを使用したことによる超過負荷でウイングの腕が木っ端微塵になったこと…

粘れてはいても、勝ちには程遠かった… だけど次は、次こそは…!)

プルルルルルル

鬼怒「あれ、浜風姉の?」

浜風「あ、ほんとだ… 瑞鳳さん…?」

嵐「ず、瑞鳳って… あの『真紅の戦乙女』!?」

江風「そりゃ当然だよなぁ… 関わりあるンだし」

浜風「浜風です。瑞鳳さん、どうかしましたか?」

瑞鳳『制圧終わったよ。 ただ色々問題があって… 急いで基地に集合して』

浜風「分かりました。 今から海風と向かいます」

海風「何かあったのですか?」

浜風「少々問題が起きた様で… 海風も来て下さい」

海風「分かりました。 では失礼します」

鬼怒「じゃあね二人共… って、お金! お会計忘れてるって!?」

海風「次会ったら払いますから立て替えておいてください!」

232 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/20(月) 00:22:53.90 ID:MjW4mpZQ0
《瑞鳳達のアジト》

浜風「遅れました!」

海風「新宿行ってました、すみません!」

瑞鳳「あれ海風ちゃんも来ちゃったの? 別に浜風ちゃんだけで良かったんだけど… 御両親とのお話はもう終わった?」

海風「ええ。 あんな面、二度と拝みたくはありません」

浜風「まあ私も怒り心頭なので海風と同意です」

瑞鳳「そ、そう?」

瑞鳳(浜風ちゃん達の件、そろそろ何かしないとマズイかもね… もう家庭は破綻してるし、蒼龍さん達と同じで新しい偽装戸籍の用意もしておこうかな。

少なくとも聞いた限りじゃ完全に教育上よろしくないし、引き取るにしろ完全に縁を断たないといけないし… 問題はその資金、そして姉妹二人で生活出来るだけのお金か…)

海風「どうかしましたか?」

瑞鳳「何でもないよ。 それよりちょっと付いて来て」



浜風「予定していた作戦終了時刻を大幅に上回っていますが… 何かあったのですか?」

瑞鳳「警察、しかもSATと鉢合わせしたの。 向こうも本拠地に殴りこみをかけて、私達はギリギリ逃げて来た」

海風「SATって、あのSATですか?」

瑞鳳「警察の特殊急襲部隊だね。 別にSATも纏めて制圧するのは簡単だけど余計話がややこしくなるのは目に見えてる。

第一この基地を知られれば、何が起きるか分かったもんじゃないし」

浜風「軍事力に関してなら我々はある程度の国家の軍隊に相当する戦力を持っています。 我々がそのつもりが無くとも向こうには関係ない、ただの武力集団扱いですから」

瑞鳳「そう言うこと。 だから私達、青葉さんと古鷹さん、衣笠さんと間宮さん、そして榛名さんと蒼龍さんと私はトンズラ。ほぼ得るものは無かった。

抑えられたのは証拠写真とある程度の物証だけ。 ただね、その物証が非常に厄介と言うか…」

海風「物証…?」


《医務室》


瑞鳳「これが私達の見つけた『物証』、と言うより『証人』だね」

海風「女の人… 海風達と大差無い…」

浜風「この少女… 昏睡病の罹患者ですか?」

瑞鳳「と言うか元凶とも言えるかも」

浜風「…!」

海風「まさか…」

瑞鳳「EXAMシステムを完成させるにはね、あるものが必要なの。 『ニュータイプ、それに準ずる存在の脳波』、それをシステムにコピーして核にすることでシステムは完成する。

そしてこの子の脳波は… 『今のEXAMシステム』の波長パターンと完全に一致した。 この子がEXAMの核、パーソナルデータはこれ。抜き出せた情報の一部にこれがあった」

海風「『マリオン・ウェルチ』… アナハイムが経営する孤児院の出身、そして『ガンプラ学園』の学生…!?」

浜風「あそこはアナハイムのお膝元、入学していても不思議じゃないわね…」

瑞鳳「そう言うこと。 それに平行世界のアナハイムは裏で『強化人間』に関する研究をしていた、もしそれがこの世界でも行われていたら…」

海風「この少女が、その被検体だった…?」

瑞鳳「その可能性は大いに在る。 だからこそ私達は、絶対的な切り札を手に入れたことになるの」

浜風「EXAMシステムを止める方法は、大本を破壊してこの子を目覚めさせるしか方法は… まさかその逆も然り、なの…?」

瑞鳳「…うん。 私の見立て、そして『ゼロシステム』とハシラジマにある『ヴェーダ』の予測だとこの子を殺せばこの事態は止まる。

この子とEXAMは今も繋がってる、だからこそこの子を殺して繋がり断てば… 最小限の犠牲で、最大の効果を発揮出来るけど…」

海風「そんな…! そんなの、絶対にやっちゃいけない事ですよ!?」

瑞鳳「分かってる…! だからこそ、私は… 『EXAMシステム』の大本を断つ! この子は死なせ無い、そしてEXAMは絶対に破壊する! そしてこの子を、こんな目にあわせた黒幕を成層圏の果てまでぶっとばして摩擦熱で丸焦げにしてやる…!」
233 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/20(月) 02:45:45.80 ID:VewHh3Dk0
浜風「どうしてこの話を私達に? 今からでも全員集めてブリーフィングを…」

瑞鳳「駄目だよ。 この子を殺せば事態は終わる… でも新しい核となる人間が今後現れ無いとも限らない。

そしてここにこの子を保護していることを知って、私達と共に行動をするメンバーの中にこの子を殺そうと考える人が出てくるかもしれない。ここでこの子を殺せば、現状は解決しても『それだけ』なんだよ」

海風「まさかこの子を隠匿する気ですか?」

瑞鳳「と言うか、リタちゃんと一緒にハシラジマへと移送する。 あそこなら切り離す方法が見つかる可能性もあるし、セキュリティも強固だから万全だよ」

海風「確かに… 異世界であるなら簡単には手を出せないかもしれません。 それに現状の状態で完全に事態が解決しない限り、大本のシステムを破壊しない限り復活する可能性もある…

そして、彼女は現状唯一の手がかりと言っても過言ではありません。 ここで彼女を失う事は、海風達が完全にEXAMの手がかりを失うことになると言うことですね」

浜風「しかし、この子を殺そうとする人が居るとは思えませんが…」

海風「萩風さんとかはやらかしそうな気が…」

萩風「確かに私は手段は厭わないけど… 分かってるつもりよ、この子は何も悪く無い。そしてこの子を殺したところで未来を完全に改変出来ないことくらい」

三人「!?」

浜風「何時の間に!?」

萩風「割とさっきから居ましたが… まさか海風さんにそこまで信用されてないとは…」

海風「前科あるじゃないですか結構」

萩風「うっ…!? そ、それ言われると…」

瑞鳳「で、こんな所にどうしたの? 今ちょっと大事な話を…」

萩風「一つ報告に来ただけです。 先程、スドウ・シュンスケの収監されていた施設が何者かの襲撃を受けました」

浜風「彼の居る施設が…!?」

海風「え、彼逮捕と言うか補導?されていたのは知っていましたが… 収監されてたんですか?」

萩風「ええ。 政府の息がかかった病院の隔離施設、特定伝染病患者を隔離する施設に収監されていました。

しかし私が彼の元を、ナノマシンを渡した者がニムバス・シュターゼン一味の三人の中に居るのかを確認に向かいましたが… 既に何者かの襲撃を受け昏睡病の集団発症を確認、そして私が事態の沈静化を図っている隙にスドウ・シュンスケは脱走しました」

瑞鳳「でもどうして彼を今更…?」

萩風「彼は貴重なサンプル、特に通常とは異なるナノマシンを投与されています。 彼の様な人間は貴重なサンプルなのでしょう」

瑞鳳「分かった、ありがとう。 この件は周知しておくね。 被害人数とか具体的な報告は後で聞くから」

萩風「はい、お母様」

瑞鳳「そして… えいっ」ゴツン

萩風「い゛っ!?」

海風「げ、拳骨…?」

瑞鳳「あんまり危ない事、しちゃ駄目だよ。 必要な時は人数を割くから、独断行動は駄目。 良い?」

萩風「うぅ… は、はぃぃぃぃ…」

浜風「凄く痛そう… 私達なら頭蓋骨凹んでるかも…」

瑞鳳「二人もだよ。 良いね?」

海風・浜風「あ、はい!」


イベント選択 直下
1.神通『山嵐』
2.霞『ニュータイプ』
3.天津風『孤独』
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/20(月) 04:06:25.36 ID:4c3K4iCA0
235 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/22(水) 04:33:18.16 ID:D83G+cmf0
side-霞- 『ニュータイプ』


霞「ねぇ、どうしてアンタは死んだの?」

リタ「あ、それ聞いちゃう?」

霞「当然よ。こんな訳の分からない訓練やらされて… アンタの身の上話の一つでも無いとつまらなくてしょうがないわ」

リタ「そうだよね… 面白くも無い、胸糞悪い話だよ。 U.C.0095年12月3日、私はアイリッシュ級戦艦『エシャロット』に居た。理由は『バンシィ』『フェネクス』のトライアル。

私は『フェネクス』の専属強化人間、相手のパイロットは知らない。 テストは順調だった、途中までは」

霞「ネオ・ジオンの介入、だったわね」

リタ「それはアナハイムとエシャロットに乗っていたラーソン中将が仕組んだことだった、けど私が知る事じゃない…

敵機は複数のギラ・ドーガとサイコミュ搭載MS『リバウ』。 私は応戦してたけどバンシィがリバウを相手にNT-Dを発動して、それに焦った中将が私の機体のリミッターを外した…」

霞「そしてNT-Dが発動して…」

リタ「私は、死んだ。 その理由は憶えて無い。 サイコミュ暴走による脳死なのか加速Gでペチャンコなのか分からない。 でも気が付いたら、私はフェネクスに取り込まれてた…

その後は… 宇宙を彷徨って、一人の男の子と再会して、ネオ・ジオングと戦って、ちょっと永い別れを済ませて宇宙に消えた筈だったんだけど…」

霞「筈だった?」

リタ「気が付いたら北極海に沈んでたんだよ」

霞「え」

リタ「いや、ホント… 気が付いたら北極海のコンテナに沈んでて、瑞鳳達に回収されたの。 紆余曲折を経て私はこの身体を使って蘇ったって訳。

この肉体の元々の魂と融合してるせいか、少しだけ明るくなってるらしいけど。 一度里帰りしたけど最初ヨナには私だって分かって貰えなかったし…」

霞「宇宙世紀行って帰って来たの!?」

リタ「うん。 つい5月の事。 本当はママ二人と一緒に行ったんだけど、抜け出して会いに行ったの」

霞「それで、そのヨナってやつは?」

リタ「『え、リタ? リタ!? お前本当にリタなの!?』とか3度も確認された… 私の事好きだ、って言ってくれたのに…。

でもきちんと話して… いや、もうあそこでママ二人のはっちゃけが無ければ…」

霞「何しでかしたのよ、向こうの榛名さん…」

リタ「あろうことかヨナを拉致った」

霞「はぁ!?」

リタ「『娘キズモノにした責任取って貰う』とか言って… 今はハシラジマで待ってくれてる」

霞「…今回アンタじゃなくてそのヨナってやつ連れてくるべきじゃなかったの?」

リタ「こっちも女ばかりだし、ヨナは私のなんだから鼻伸ばして欲しくないもの。 だから私が来た」

霞「そ、そう…」

霞(意外と嫉妬心はあるのね…)


イベント 直下
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 14:48:36.78 ID:7LVEuh19O
大鯨襲来
237 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/25(土) 04:08:47.16 ID:lJG9yl4z0
ピンポーン


霞「…はぁ、お客かしら? でも最近物騒だから迂闊に出るのも…」

リタ「気配を感じてみれば良いんだよ」

霞「あぁ、そう言う使い方もあるのね」

リタ「榛名ママがよくやってる」

霞「何やってるのよ、アンタのお母さん… やってみる、か…!」ピキィン

霞(既知の気配、しかも昔からの…)

霞「…駄目。 知り合いなのは分かるけど、それ以上は…」

リタ「今はそれで充分、あとで練習すれば良いんだから。 ほら、知り合いなら早く行ったら?」

霞「そうするわ」



大鯨「どもー♪」

霞「大鯨さん、仕事は?」

大鯨「仕事だけど。 貴女の周りの… と言うか土地管理・会社の経営権とあとは賃貸収入管理と税金と…」

霞「ああ、そう言えば引き受けて貰ってましたね」

大鯨「他の誰でもない貴女の御祖母さんの最後の頼みだもの… こんな形でしか恩返しはもう出来ないから。

それに、少しばかり御祖母さんに謝りたいことが出来てしまったし」

霞「謝ること…?」

大鯨「貴女を、昏睡病から護りきることが出来なかったことよ。 事態に巻き込んだ時点で、本当なら謝らなきゃいけなかったのに…

それにあの事件の真相、今世界に起きてることも話さなきゃいけないわ。貴女の事をすぐ傍で見てくれてるとは言え、一度私からのけじめとしてね」

霞「そんな… 私が事件に巻き込まれたのは大鯨さんのせいじゃ…」

大鯨「誰のせいでも無い、それは分かってる… でも私は、その事態を解決する術を持っていない。それが悔しいのよ…」

霞「…大鯨さん、謝るのはきっとお婆ちゃんも望んで無いと思います」

大鯨「分かってる、それも。 けじめとして、よ」



大鯨「で、この資料は… 会社の資産関連のものね」

霞「初めて見た…」

大鯨「貴女は事件の真相と向き合った、その資格はもうあると思うのだけど」

霞「え…?」

大鯨「普通の人ならあんな事件、トラウマを拭うことすら難しいわ。 でも貴女は過去を乗り越え、未来に手を伸ばそうとしてる。

だから私にとっては充分、貴女は成長していると思うわ」

霞「私一人では、無理だったと思います。 …私は今まで一歩踏み出せなかった。友達なんて出来なくて、あの事件にいつまでも囚われて…

でも海風と出会って、先輩と出会って… ちょっとだけ、前に進めたような気がします」

大鯨「神通ちゃんの影響も大きいけど、やっぱり一番は海風ちゃんかしら?」

霞「海風が?」

大鯨「あの子の精神力、正直瑞鳳以上だと思ってる。 あの子の能力は『未来予測演算』、未来を予測する過程の中で幾多もの『最悪の未来』も視ている筈よ。

だけどその未来を受け止め、抗って立ち向かってる。 絶対に何も諦めようとしない不屈の精神、それがあの子の本当の力」

霞「海風の、力…」

大鯨「そしてあの子は瑞鳳以上に周りを視ている。瑞鳳みたいにノンストップで進むんじゃ無くて、隣に立ってくれる人の手を取り合って進むのが海風ちゃんなの。

何を失っても進み続ける瑞鳳、何も失わないように必死に抗いながら前を見据えて進み続けるのが海風ちゃん。そこが二人の違いかしら? そんなあの子の精神が貴女にも影響してるのかもね」
238 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/26(日) 04:09:24.35 ID:PUIUhtT50
霞「確かに海風は… 何かあれば味方のフォローを率先して行ってくれたり、私の事をあの時庇ってくれた…」

大鯨「でもそれは危うさを孕んでる。 あの子はある意味二重の人格を持った子よ」

霞「二重人格? 海風が?」

大鯨「表向きはマイペースで、貴女達の良く知る海風ちゃん。 でもその本質は… 周囲に気を配り誰かの為なら、冗談抜きで自分の命すらも投げ出そうとする。

歳相応のメンタルなのに弱さを押し殺して、自分がどれだけ傷付く事も厭わない。 『他人の為なら自分がどうでなっても良い』、そんなレベルの自己犠牲精神の塊なの」

霞(そうだ… 思い当たる節はいくらでもある… 最初、私達が模型部と戦った時だって自らが率先して飛び出した…

私の時は自分の事を犠牲にしてでも私を逃がそうとして、スドウ・シュンスケに先輩が負けそうになったのも割り込んだのは海風で…)

霞「確かに、海風の事は歪だって思ってたけど…」

大鯨「瑞鳳だってその辺に関しちゃまだまともな思考よ。 『痛いのやだなー』って躊躇ったり『熊肉はいやだぁぁぁぁぁぁ』とか泣いたりするし。

でも海風ちゃんは躊躇うとか恐怖で泣いたりとか、そんな素振りが一切無い。私が言うのもどうかと思うけど、どう育てたらあんな性格になるのか知りたいわね」

霞「海風の家庭環境は…」

大鯨「浜風ちゃんから聞いてる。 ほぼ機能不全、しかも海風ちゃんには見向きもしなかった。 

多分根底部分には『誰かに求めて貰いたい』って感情があるんじゃないかしら?」

霞「誰かに求めて貰いたい、ですか」

大鯨「私の推測でしかないけどね。 家族からも見放され孤独になったが故にあの人格が形成された…

そして居場所が欲しくて、居場所になってくれる人相手なら命だって捨てられる。 そんな、歪で寂しがり屋なのがあの子なのかも」

霞「歪で寂しがり屋… まさに海風みたいです」

大鯨「だから、貴女が側に居てあげて。 友達として仲間として、あの子を結いつける子が必要だから」



大鯨「じゃあこれで全部、かしら? アナハイムが横槍しなくなってきたからやり易くて助かるわ」

霞「そんなにヤバイんですか、アナハイムって」

大鯨「潰れるのは時間の問題ね。 この前の一件で不買運動やらが広まったり、もっと黒い内部告発が出てきたり…

ナノマシンの件が出て来ないのが幸いってぐらい、今追い込まれつつあるわ」

霞「そこまで…」

大鯨「社員も流に流れてるみたいだし… 日本支部の人もウチも数人引き抜いてるから。

あとは… PPSEも手が離れるかもしれない」

霞「PPSEも!?」

大鯨「どうする、買っちゃう?」

霞「…考えさせてください」

大鯨「了解っと。 あ、ちょっとしたアドバイスいいかしら?」

霞「何ですか?」

大鯨「ニュータイプって言うのはね、ただの進化じゃないの。 人の在り方そのものって言っても良い…

精神的や肉体的な共感だけじゃなくて、隣の人を大事にして活かせる人の事を本当の意味で『ニュータイプ』って呼ぶの。異能力と人類の革新は別物、それだけは覚えておいてね」



霞「異能力と革新は別物、か…」

リタ「その通り、だね。 私が最後に言おうとした台詞取られちゃった」

霞「聞いてたの?」

リタ「多分あの人も気付いてた筈だよ。 あの人の言う通り能力なんて関係ない、誰かを想って力を活かせる人こそ本当のニュータイプ…

家族と仲間の為に革新した榛名ママや青葉ママ、ただ姉への愛のために革新した天城、かつての仲間を想い復讐の為に革新した満潮… 在り方はそれぞれだけど、皆ニュータイプって言っても過言じゃ無い」

霞「…最後の違うでしょ」

リタ「ううん。 満潮がやったのは『誰かの為の復讐』であって自分の為じゃなかった。 誰かを想って復讐できる人間って、本当は優しい人間なんだよ。

それに最終的にはママの為にも戦うようになったし… だから少しイレギュラーな形ではあるけどあの子はニュータイプって言って良いの」

霞「そう言うものなのね」
239 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/27(月) 03:24:56.92 ID:JvkVKZ6l0
《翌日 甘味処・間宮》

神通「では最終ブリーフィングを行います」

霞「…何でここ?」

海風「丁度良い場所がここだけだったので」

天津風「ここ一応榛名さん、宮城の連中のお膝元よ?」

間宮「大丈夫よ。 もう榛名さん達は現地に向かったし、他の人も全員出払ってるわ。

盗み聞きとか榛名さんにバラしたりもしないから」

朝雲「間宮さんがこう言ってるんだから良いんじゃない?」

間宮「はい、抹茶あんみつと白玉おしるこ。 あとおはぎセットに宇治金時、コーヒーフロートと心太セットね」

萩風「ありがとうございます」

神通「萩風が甘い物なんて…」

萩風「べ、別に私だっていっつも健康健康って言ってる訳じゃ… それに皆頼んでるのに私だけ頼まないなんて空気が読め無いにも程があるじゃないですか」

霞「でも何でコーヒーフロート?」

萩風「…糖分・塩分その他控えめ生活を送り続けた結果、味覚が過敏になって甘い物が苦手に… コーヒーなら誤魔化せるかなって…」

朝雲「やっぱり度が過ぎると駄目なのよね。人間程々よ、程々」

海風「では皆さん、食べながらでもブリーフィングを始めましょう」


海風「ではフォーメーション、戦闘パターンは先程の資料の通りに。あとは… 各チームの戦力等の再確認と致しましょう」

霞「今私達が把握してるのは… 福島・朝日台と宮城・天山、高知・ディープ・ブルーと京都・風の会、神奈川・本牧と…」

天津風「静岡、ガンプラ学園『ソレスタル・スフィア』…」

海風「朝日台は… 長距離砲撃に警戒してさえいれば何とかなります。 先輩、『ディープ・ブルー』は?」

神通「敵は水陸両用を主体に使う、との前情報でしたが現状は水中でも性能を発揮可能な汎用機を主体にしているようです。

ファイターはフランス留学生『コマンダン・テスト』とアイヌ民族?な『神威』、そして『瑞穂』と言う方でした」

天津風「機体はGN-XWとアビスガンダム、そしてガンダイバーの改造機ね。 海中に引きずり込まれれば強敵だけど、海が無ければ平均的な相手に過ぎないわ」

海風「なので対処は水中に近付かない事、でしょうか。 では次は…  『風の会』ですね」

萩風「ファイターは神風、春風、朝風の三人により構築されています。使用機体は『レギンレイズ・フェーン』『ティエルヴァ・マガツ』『ガデッカ』。

技量は、それなりのようですが『それなり』でしか無いですね。 さらに機体の偏り、中距離のレンジに対応出来る人間が少ない事も弱点でしょう」

朝雲「バランスの悪さ、あと敵を侮る傾向もね。 舐めてかかって改RX-0の餌食にされたし」

海風「本牧のあのワカメは… 本来の機体はMAである事は把握していますが、機種は分かりません。飛ばしましょう。

そして問題は残る二つ… 天山学園とガンプラ学園です」

霞「その二つはぶっちぎって優勝候補、しかも後者に関しては去年優勝してる」

海風「ではまず天山学園から… ファイターは『阿武隈』『陽炎』『長波』、使用機体は『マーナガルム』『ヴェズルフェルニル』『ガルム』。

機体性能に関してはガンプラ学園以上、ファイターも同等レベルの敵が揃っています」

神通「弱点と言える弱点は… ほぼ無い、と言っても過言では無いでしょう。 しかも元軍人の三人だから油断も何も無い、優秀すぎるファイターです」

朝雲「強いて弱点を挙げるとすれば、殆どの機体共通の『機体のモロさ』ね。 RGでも無いHGで完全変形出来る以上、パーツの一つ一つが脆い。

そして粒子消費量の多さと比例しない粒子貯蔵量。 無駄に浪費させ続ければ勝ち筋は見えるかも」

海風「逆に言えばそれしか弱点無いんですよね… で、肝心のガンプラ学園は…」

天津風「ファイターは確定が二人、『キジマ・ウィルフリッド』と『アドウ・サガ』、あとは未定。機体は『トランジェントガンダム』と『ガンダムジエンド』。

キジマ・ウィルフリッドに関しては弱点は無い。 海風、それはアンタが一番分かってるでしょ?」

海風「ええ、未来予測演算を使ってもギリギリ粘るのが限界でした。 アドウ・サガはどうですか?」

天津風「弱点は… アイツ、去年右手首を大怪我してるのよ。 それで去年欠場、今もリハビリ中だって聞いてるわ。 逆に、そこに漬け込むしか弱点は無い」

海風「なんとも面倒臭い相手です… ジエンドも色々ゴタゴタし過ぎて、何か抱えてるか分かったものではありませんし…」


・イベント 直下
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 08:06:58.12 ID:h3sQIJ++O
全国出場チームの1つが来店
241 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/11/28(火) 05:05:50.12 ID:MYyXI1/r0
天津風「ジエンドの弱点ね… あのクロー、ビーム砲とファングのキャリアと格闘武器を兼ねたやつをどうにか出来れば…?」

萩風「本体の腹に切れ込みが入っているのも気になりますね。あそこにも何かギミックが…」

神通「しかし腹部に『ガンダムヴァサーゴ』みたいなビーム砲でも仕込んでいない限り本体の火力は皆無です。あのヘッドを無力化出来れば」

海風「確かに本体は火力が無く脆弱でしょうね。 あと海風の不意打ちに対応出来なかったと言う事は背後からの攻撃への対抗手段が無いと言う事ですし」

霞「アイツは正直遠隔火器頼り、見かけによらずスピードは速いけど『ヴェズルフェルニル』程じゃないし… 攻略手段はいくらでもある」

朝雲「問題は『トランジェントガンダム』の方よ。 昨日、平行世界で対戦経験がある飛龍さんに色々聞いてきたけど…

あの槍、近接武器とビーム生成能力以外にも大出力ビーム砲としての機能と遠隔のランスビットとしての機能があるらしいの」

海風「…あれはかなり手加減されていた状態と言うことですか」

天津風「いえ、手加減はしてない… と言うか出来ない筈よ、あの人は。本気で戦おうとしてくれる相手には。 

ビーム砲を使わなかったのは間合いが取れないしチャージに時間がかかるから、ビット機能を使わないのは簡単にビームを切り払う海風相手には通用しないって理解していたから」

萩風「しかもランスビットは文字通りあの武器そのものをビットとして使うものと推測可能です。 恐らく武器を喪失するリスクを避けたのでしょう」

霞「じゃあビットを潰せば、なんとかなる可能性があるかも?」

神通「そう簡単にはさせてはくれないでしょう。 それにGNドライヴ搭載機である以上『トランザム』かそれに準ずる能力を持つ可能性がありますし。

さらに言えば海風さんの予測を容易く上回った時点で格闘戦能力は遥かに高く、『技』を使わない私と同等であると考えてください」

天津風「…それって最悪じゃない? 先輩クラスって、相当よ?」

萩風「人外もいいところの人外… 私がまだまともに見える程の…」

神通「皆、酷い… 特に萩風…」

萩風「だって半分血が繋がってる私より身体能力かなり高いし…」

朝雲「一般人から見ればアンタも大概よ」

霞「アレね。 トランジェント、と言うかキジマ・ウィルフリッドを倒す方法は… 場外乱闘か闇討ちだけかしら…?」

萩風「!」ガタッ

神通「座ってなさい! 霞さんも、焚き付けないで!」

海風「本当にやりかねないから怖いんですよね…」

間宮「ぶ、物騒なことはしないでね?」

海風「本気でちょっと煮詰まって糖分足りなくなってきた… すみません、追加でこの『トーリスリッターパフェ』ください」

間宮「はーい」

朝雲「確かにここガンプラかなり置いてるし、そう言うメニューもあるけどさ… 何でよりによって『トーリスリッター』なのよ… 普通にガンダムで良いでしょ。

私は『ジンクスカキ氷』お願いしても良いですか?」

天津風「あ、私この『ドートレス饅頭セット』を」

萩風「じゃあ私は… 『アッシュフロート』をコーヒーで」

霞「すっごくメニューが混沌としてるわね… あ、私『グレイズ焼き』で」

神通「本当に機体チョイスが謎です… 『クランシェアイス』ください」

間宮「ちょっと待っててね〜」

ガラッ


どこのチームが来た? 直下
1.鬼怒一行(鬼怒・嵐・江風)
2.神風一行(神風・朝風・春風)
3.その他(チーム、未出ならメンバー・チーム名も)
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 05:20:36.73 ID:3Ddokktu0
3 霧島、川内、大淀の鹿児島チーム
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