【安価】 ガンダムビルドファイターズトライ・アズールU【艦これ×GBF-T】

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43 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/23(水) 23:23:50.00 ID:7XdRQ5i00
>>42
確か元々火曜日に放送していましたが、番組が終わって黄金伝説に移行後1年くらいでバラエティ枠が木曜日に移ったのだと記憶しています。なので
>愛宕「バラエティ枠が木曜7時になったのも黄○伝説になった後なんだけど… まあ知らなくても良い話ね」
と言及させていました。 分かりにくくてすみません


萩風「ルールは全滅戦、敵対するのは約70チームです」

朝雲「計140人、ってことね…」

萩風「私一人でも充分な数ではありますが… ルールとしては禁止エリアと一部教室を除いて学内全部の施設を使用可能、装備品の類は全部学内の適当な箇所に配置するとのことです」

朝雲「後掃除も大変そうね… そこらに転がったBB弾の片付けとか」

萩風「なので清掃業者を雇うようです。 一体この催し、いくら予算かかっているのでしょうか…」

朝雲「エアガンが平均で1個で私のお小遣い2か月分だって考えれば… …考えたくなくなってきた」

萩風「…精神衛生上悪いので止めましょう。 作戦としてはやはり真正面から仕留めて…」

朝雲「拠点作るってのは?」

萩風「篭城戦は二人チームでは些か分が悪いかと。 それに長引くとそれだけ神経を磨耗します」

朝雲「じゃあ虱潰しに一人ずつ狩っていきましょうか」


神通「うぅっ…」キリキリ

霞「凄いわあの二人、相談事してるだけで先輩が胃を痛めてる」

海風「当人到って真面目に話しているだけなのですが…」

神通「だってあの二人ですよ…!?」

天津風「片方が腹違い?の妹なのに酷い言い方ですね…」

瑞鳳「どっちかって言うと私の卵子使ってるらしいから種違い、だね」

蒼龍「あの子も、一体誰の子なのよ…!」

飛龍「あの胸… 浜風の血統…?」

愛宕(お二人も中々大きいと思うんだけど… しかも半分合ってるし)

神通「あの二人を揃えてロクな事になるとでも…!?」

霞「しかも結構プライベートでも遊ぶ位には仲良しって事実がね…」

海風「先輩へのダメージに拍車をかけていますね」

天津風「そう言えば妹の為に健康料理教わってるって聞いたわ」

瑞鳳「うーん… 朝雲ちゃんって悪戯好きな所が無ければ普通に良い子だと思うんだけど… 気遣い出来るし、周りが見えるし」

愛宕「だからこそ萩風ちゃんも懐いてるんだと思うけど…」

飛龍「このままだと神通ちゃんの胃に悪そうだし… 私達はグラウンドで練習でもする?」

蒼龍「そうね… 一応運動用にジャージも持って来てるから」
44 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/24(木) 01:52:44.31 ID:lZnS4nqo0
《グラウンド》


蒼龍「さてさて… 柔軟も済んだし、始めますか」

飛龍「陸上部の脇のほうを借りて、っと… まずは順番決めね。 アンカーは神通ちゃん、任せる」

神通「わかりました」

海風「先輩、確か肉体にリミッターをかけてるんですよね?」

神通「はい。 私達一族は日常生活の際には肉体にリミッターをかけている状態、おおよそ全力の10%程です。

常人より力が強すぎるので生活に支障が出る、なので私達が生まれてから最初に学ぶ事が自身の力の制御です。ただ、あまり制御が効かないのですが…」

飛龍「確か瑞鳳は一度解除すると全部解除されちゃって元に戻すまでに時間がかかるし肉体も負荷がヤバイって言ってたわね」

神通「その通りです。 最低か最大か、どちらかしか選べ無いんです。 限定的な解除は出来ない事はありませんが、最大時よりも制御に気を使う為かなり体力を要するので…」

海風「何か、不憫な一族ですね…」

蒼龍「それで、リミッター時の全力の脚力はどのくらいなの?」

神通「走ってみた方が早そうですね。100メートル程で良いですか?」

飛龍「ええ。 丁度ここからあそこの木くらいだから… ストップウォッチっと… じゃあ3、2、1… スタート!」ピッ

神通「!」ダッ

飛龍「…」ピッ

蒼龍「…あっと言う間に着いちゃった」

飛龍「タイムは… 1秒38…」

海風「えぇ…」

神通「どうでしたか?」

飛龍「うん、やっぱおかしいや瑞鳳一族」



瑞鳳「やってるねぇ… じゃ、私も…」

霞「何するんです?」

瑞鳳「リミッター解除。 暫く外してないから、その練習って感じで… 破ッ!」ゴゴゴ

霞(呼吸しただけで軽い衝撃波が…!?)

瑞鳳「ふぅ… これで7段階中2段階目ね」

霞「2!?」

瑞鳳「フルパワーなら… ジャンプで雲くらいまでは跳べるよ。 着地は出来ないけど」

霞「出来ないんですか?」

瑞鳳「だって跳躍の衝撃波で周囲吹き飛ぶもん。着地レベルの話じゃないでしょ」

霞「あ、そっち…」

瑞鳳「ま、私の種目は何やるかわからないから備えておいて損は無いし。 一応リミッターも3段くらいまで外しとくか」
45 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/26(土) 00:18:53.09 ID:HX7CQWDv0
天津風「…一丁前に全員はしゃいで…」

愛宕「あー、えー、いー、うー… どうかしたの?」

天津風「いえ… 唯、少し呆れてるだけです」

愛宕「柄にも無く皆はしゃいでるものね… 島ではそんなにはしゃいで無かったのに」

天津風「大会も近いのに、本当ならこんな暇なんて無い… 弛んでるのよ」

愛宕「違うわ。 大会大会って先の事柄一つに囚われると息が詰まる、だから息抜きも必要なのよ。

それに… 今の今まで昏睡病絡みで気を抜く事なんて出来なかったじゃない」

天津風「確かにそうだけど…」

愛宕「焦る気持ちも分かるわ。 でもそれ以上に、『今』って時間は二度と訪れない。 だから今を楽しむのも青春の一つよ」

天津風「青春…」

愛宕「それに…」

天津風「それに…?」

愛宕「これ優勝しないと私達大会に行けないのよ…」

天津風「!?」

愛宕「予算がね、もう… 4桁前半なのよ…」

天津風「そこまでウチの予算不足が深刻だったんですか!?」

愛宕「そうなのよ… 守銭奴の瑞鳳が身銭切ろうとしたくらいに…」

天津風「そ、そんなに…」

愛宕「あの野球部顧問が余計な事言わなければ後援会からのお金がもらえた筈なのに…!」

天津風「そう言えばあの先生、どうなったんです?」

愛宕「懲戒免職、私達が島に行ってる間に決まったそうよ。 40代で免職だから就職厳しいでしょうね。

学生からもセクハラの話があがってたらしいし、今回の事が決定的になったって」

天津風「以前からマークはされてたんですね」

愛宕「同じ教師として恥ずかしいわ、全く…」

ピンポンパンポ〜ン

『愛宕先生、ガンプラバトル部特別顧問・瑞鳳さん、ガンプラバトル部部長・神通さん。 直ちに理事長室に来て下さい。繰り返します…』

愛宕「あら?」

天津風「呼び出し…?」

愛宕「じゃあ私行ってくるね。 あとは蒼龍さんと飛龍さんの言う事聞いて活動して」

天津風「わかりました」


視点選択 直下
1.瑞鳳『テスト』
2.榛名『乱入?』
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 04:45:03.82 ID:WdwFlLy70
1
47 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/26(土) 18:58:35.10 ID:HX7CQWDv0
《理事長室》


瑞鳳「失礼します、理事長」

「来たか… そこのソファーに掛け給え」

瑞鳳「わかりました。 では失礼して…」

神通(カーディアス・ビスト… マーサ・ビスト・カーバインの実兄であり、現・ビスト財団当主…)

愛宕(私や神通ちゃんならまだ分かる。 でもどうして瑞鳳まで… 瑞鳳が知り合いだから…?)

瑞鳳「それで、本日は何用で?」

カーディアス「『真紅の戦乙女』、数々のファイターを見出し世界チャンピオンクラスへと育て上げ、そして自身もビルダーとしては世界最高峰に位置する人間だ。

そして今は我が校の講師として無名で一人しか部員の居なかったガンプラバトル部を全国大会へと押し上げた。最高峰の人材を見出しその才を引き出す、キミを選んで正解だったよ」

瑞鳳「いえ。人材は私が見出した訳ではありません。 部長である神通さん、彼女の尽力あってこそです」

神通(確かに海風さん達にお母様は一切関わっていない。 しかし海風さんは浜風さんと、そして霞さんは大鯨さんと縁があった。

やはり、お母様には人を引き寄せる何かがある。 そして人と一緒に、トラブルも…)

カーディアス「さらには『昏睡病』を追い、事件の真相へと手を伸ばした。 そしてその過程でアナハイムの『闇』をも暴いてしまうとは…」

瑞鳳「その件に関しては私の母の助けも大きく、私一人では分からなかったでしょう。 闇に関して、関わりのあった者も部員には居ますし」

カーディアス「ああ。 まさか彼女がその一件の関係者であり被害者だったとは… 彼女には悪い事をした。まさか、マーサと直接対面する事になってしまうとは…」

愛宕(霞ちゃん、ね… まぁ大鯨さんに気絶させられた後、起きて散々罵倒してたんだけど)

瑞鳳「で、前置きはもう結構です。 本題をどうぞ」

愛宕「ちょ、瑞鳳…!?」

カーディアス「ふむ… 長話は嫌いか。 まぁ良い、本題に入るとしよう」

神通(あ、あっさり納得した…)

カーディアス「昏睡病に関しての報告は聞いている。 そして、今日呼んだのはその件に関することだ」

三人「…!」

カーディアス「神通君、と言ったね。 キミは通常の昏睡病のキャリアーとは異なる、特殊なキャリアーと真正面から戦った貴重な人間だ。キミはどう感じた?」

神通「私はノーマルのキャリアーと戦った事はありませんが、スドウ・シュンスケと戦った時に感じたのは… 恐ろしいまでの脅迫観念、でしょうか。

滅ぼさねばならない、迫る何かを全て滅ぼさなければならない… そんな恐ろしい負念のようなものが」

カーディアス「そしてガンプラバトルシステムに干渉し、複数の分身体や破壊した機体を再生させて操作すると言った能力も発現させた。

恐らくそれはプラフスキー粒子の特性、人の意思に反応すると言うものが昏睡病の負念に反応してのものだ。あれは一種の暴走状態、と言っても過言では無い」

愛宕「その事と、何か昏睡病に関係が…?」

カーディアス「実は静岡にあるPPSEの研究所が昏睡病を引き起こす勢力と思われる何者かに襲撃された。キミ達が島に行っている間に」

瑞鳳「…被害は?」

カーディアス「…プラフスキー粒子を生成する為の結晶体『アリスタ』の小型結晶、そして研究中の新型ガンプラの一部が強奪された。その際に警備員と研究員の一部に被害が出ている」

愛宕「研究中の新型ガンプラって… どうしてそんなものを…」

カーディアス「そのガンプラの製造方法が特殊で粒子に影響を受け易く、テスト中に何度か暴走を起こした。だから厳重に保管され研究を推し進めていたのだが…」

神通「その暴走の規模は?」

カーディアス「結晶体に反応して研究室の一つが壊滅した。細心の注意を払っていたらしいが…」

愛宕「でもどうして私達にその事を?」

カーディアス「全15機中強奪を免れられたのは2機、1機はメイジンが保有していた機体だったから無事だった。そしてもう1機は私が持っている。

なのでキミ達ガンプラバトル部に頼みがある。 ガンプラに精通し、有数の実力を持つキミ達に」

瑞鳳「まさか…」

カーディアス「キミ達にこの機体、『スクランブルガンダム』を預ける。 その性能テストとデータ取り、そして昏睡病からの守護を頼みたい。

もし昏睡病キャリアーに奪われでもすれば、大変なことになる」
48 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/26(土) 23:14:11.32 ID:HX7CQWDv0
神通「『スクランブルガンダム』…」

愛宕「でもこれ、まるで…」

瑞鳳「私の『クロイツ』…?」

カーディアス「キミの製作した『クロイツシリーズ』、その技術を参考にしている。

ガンプラバトルは開始時に機体をスキャンされ、そのデータはシステムに登録される。それをPPSEがデータを抜いて再現し、改修を施したものだ」

瑞鳳「それだけじゃない。これは天山学園の『改RX-0』、榛名さんの機体データも使われてる」

神通「『改RX-0』も!?」

カーディアス「そこまでは私も把握していない。 キミの機体データを使われていることだけだ、私が知るのは」

瑞鳳「PPSEから技術使用料ブン獲ってやろうかしら…」

愛宕「と言う事はこれ、瑞鳳と榛名さんの技術を組み合わせた機体ってこと…?」

神通「PPSEの全技術が投入されている機体… 技術盗用のコピー品とは言えなんて出来栄え…」

瑞鳳「ベースはゼータとデスティニー、可変機構もありそうね。WR形態にはならないタイプの、多分ウイングと同じ変形かな?

特殊システムの類は無さそうだけど… でもこれだけなら暴走を起こす原因にはならない。多分これ、粒子制御能力がかなり不安定だね」

カーディアス「ほう…」

瑞鳳「多分私の技術と榛名さんの技術をミックスした時にピーキーな部分を受け継いだのを無理矢理操縦性を向上させようとして制御の部分をおざなりにしてるのかな。特に榛名さん側の技術が問題になってる。

性能・操縦性を両立させようとして綻びを生んだ結果、粒子の制御が出来なくなって意思に反応して暴走するって感じ… 優秀な性能で扱い易い欠陥機、これが私の私見です」

神通「何でそこまで一目で見抜けるんですか…」

瑞鳳「そりゃこの機体に使われた盗用技術の主よ? それに『改RX-0』については充分に研究したし」

愛宕「『シームルグ』ね… その制御関連の部分はどうにかなる?」

瑞鳳「楽勝。 性能か操縦性か、どっちかに偏らせれば良いだけだもの。 まぁ選ばなかった部分はお察しくださいだけど。と言うかこれ勝手に弄って大丈夫なんです?」

カーディアス「あまり大きな改修は困るな。これでも残存する貴重なサンプル、メイジンが大規模な改修を施したので既に原型を留めるのはその機体だけなのだよ」

瑞鳳「まぁ微調整に留めたとしても性能は偏らせられるし… 拡張性も高そうだからちょっと勿体無いかもだけど」

カーディアス「ではその機体、預かって貰えるな」

神通「しかし、ファイター側の問題も…」

愛宕「こんな機体、誰が使えるの?」

瑞鳳「一人居るよ。 同様の可変機構を持つ機体を使い、今操る機体が無い子がね」

神通「海風さんに…!?」

瑞鳳「フレスヴェルグの改修が終わるまでのつなぎに使って貰う。 それにあの子の操縦は癖が無い。 テストファイターとしてはかなり優秀だよ」
49 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/26(土) 23:54:05.57 ID:HX7CQWDv0
《部室》

海風「『スクランブルガンダム』、ですか」

瑞鳳「15機中13機が強奪された残りの貴重な1機なんだってさ」

海風「そんな機体をどうして海風が…」

瑞鳳「フレスヴェルグへのつなぎ。 それに海風ちゃんの操縦は癖が無いからテストに最適なのよ」

霞「確かに海風はウチのチームの中で唯一オールラウンダーだけど…」

瑞鳳「まあつなぎだから適当に、壊さない程度に使ってね」

海風「はぁ… この機体、武装は?」

瑞鳳「えーっと… バルカンと腕についたビームライフルとビームサーベルだね」

海風「…それだけですか?」

瑞鳳「それだけ」

海風「えぇ…」

朝雲「まさか… バスターソードでも欲しいの?」

海風「はい」

天津風「よりによって何でそんな武器をチョイスするのよ…」

海風「別に良いじゃないですか、好みなんですから」

萩風「確かにこの機体、テスト機故の武装の少なさがネックのようです」

瑞鳳「仕方無い… こんな事もあろうかと用意しておいた『とっておき』使って良いよ」ポイッ

海風「これは?」

瑞鳳「『カレトヴルッフフェーダー』、雑誌の付録作りこんだやつ」

神通「HJ2017年1月号の付録ですね。カレトヴルッフをベースにライフル・ソード・ランスの3種類に使い分けできる優れもの…

ただクリアパーツ形成と言う理由で加工しにくいのが欠点ですが」


機体変更(一時)
・海風:ウイングガンダム・フレスヴェルグ→スクランブルガンダム(カレトヴルッフフェーダー装備)


イベント 直下
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 12:10:12.70 ID:bgfql9BJ0
アーケードの電流イライラ棒を置いてる古いゲーセンに練習しに行く天津風とついていくメンバー達
51 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/28(月) 02:12:48.78 ID:aRpQd7K00
《ゲームセンター》


天津風「本当にあった…」

萩風「だから言ったでしょう。ここのゲームセンターにはレトロなものが揃っていると」

朝雲「萩風のリサーチ力には呆れるしか無いわ…」

神通「ハァ… 先生の見回りが来なければ良いですけど…」

萩風「御心配なく。既に見回りのルートは全てリサーチ済み、シフトも盗み出しておきましたので」

海風「やると思いましたよ…」

蒼龍「保護者に私がいるから平気平気」

霞「あれ、飛龍さんは?」

蒼龍「今日の夕飯当番だから先に帰るって。 あと皆、一応条例で決まってるからゲーセンは6時までだよ」

全員「はーい」


萩風「やり方は… こんな感じですね」

天津風「最初のスロットの時点で鬼門じゃない…」

神通「萩風… 何でノーコンテニューでクリア出来るんです…」

萩風「…この手のゲームセンターには薬物の売人が入り浸る事があるのです。

今はお母様が大半を根絶やしにしてしまったので出没しませんが、少し前はここにもナノマシンを売買してた人間が居ました。その為、出没するまで時間を潰すのにゲームを何度かプレイしたのです」

蒼龍「ここ、ヤバイ系じゃないの…?」

萩風「その手の類の連中はもう『排除』しましたのでもう来ないかと。それにいざとなれば私や姉さんが居るので問題は無い筈です」

神通「あまり手荒な真似はしたくありませんが…」

萩風「天津風さんはまずこの『イライラ棒FINAL』のクリアに専念してください。これをクリアしない限り、どうにもなりません」

神通「あと他の四人は…」


霞「ちょっと! トールギスで引き撃ちは止めなさいよ!」使用:ZZ

海風「ZZなど使うからです!」使用:トールギス

蒼龍「ほら、着地なんて見せるから!」使用:GP02

朝雲「ザメルの誘導性高すぎない!?」使用:ストライク


天津風「ガンネクで遊んでるし…!」

神通(私もあっちに行きたいなぁ…)

萩風(私は電車でGO!2の特級こまちがやりたい…)
52 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/28(月) 02:48:23.91 ID:aRpQd7K00
蒼龍「で、どこまでいけたの?」

天津風「クリアしましたよ…! 7回目でね…!」

蒼龍「そ、そう… あれ、萩風ちゃんは?」

天津風「あれ、何時の間に…」


萩風「大曲の停止位置、あと1メートルだったのに…!」


蒼龍「別のゲームやってるよ…」

天津風「何でよりによって電車でGOなんか…」

神通「あれでもあの子、模型に精通しててその影響か鉄道模型にも手を出していた事があるんです」

蒼龍「意外と高いアレを?」

神通「はい。私はサッパリでしたが」

蒼龍「何と言うか、人って分からないものね… クリアもしたしそろそろ全員集めて、帰りましょうか」

神通「わかりました」



霞「もう二度とトールギスとはやりたくない」

海風「イカれ性能ですし。特にブーストが」

朝雲「もうザメルは嫌だ…」

蒼龍「私も大人げ無かったかな? 日中暇なときに瑞鳳からPSP版借りてやってたけど」

天津風「結局イライラ棒しか出来なかった…」

萩風「あと1メートルが憎らしい…!」

神通(私も遊びたかったけど… 部長だから仕方ありませんね)



視点選択 直下
1.神通『鍛錬の理由』
2.朝雲『慣熟訓練』
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 05:55:55.91 ID:HRYtzxF0o
2
54 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/29(火) 01:37:03.80 ID:MIY+f3Hh0
side-朝雲-『慣熟訓練』


BATTLE START

朝雲「『シームルグ』、朝雲! 出るわよ!」


蒼い機体が宇宙へと飛び出し、スラスターの噴射光を煌かせながら自由自在に駆けていく。

そして一つの大きなデブリへと専用武装『シェーバティール』の銃口を向けた。


朝雲「ロック… 出力配分良し、当たれ!」


放たれた大出力のビーム砲は一撃でデブリを粉砕し、その破片を宇宙へと撒き散らす。

『シェーバティール』の砲身に篭った熱を放出させた朝雲はその威力を見て呟く。


朝雲「凄い威力… これで全力じゃ無いの?」

蒼龍『そうよ。 『コード・ブレイヴ』発動時にはもっと威力が出る。ただその分粒子放出量はヤバいけど』

朝雲「そんなに…」

蒼龍『次は近接戦よ。やれるわね?』

朝雲「はい!」


外部から蒼龍がコンソールを操作すると3機の『リック・ディアス』が出現する。

そして3機のリック・ディアスが連携を取りながらシームルグへと攻撃を開始した。


朝雲「プラフスキー・マテリアライゼーション!」


素早くその攻撃を回避し、朝雲は『シェーバティール』から粒子結晶の刀身を形成させて突撃を敢行する。

クレイ・バズーカによる攻撃を回避しながら中央のリック・ディアスとの距離を一気に詰めて刀身を振り下ろす。


朝雲「まず1!」


一撃で両断されて爆散する1機目のリック・ディアス、だが足を止めたことでもう1機のリック・ディアスがサーベルを抜いて突進した。

しかし朝雲は冷静に刀身の結合を解除して『シェーバティール』を実弾砲撃モードへと切り替えて攻撃を行う。


朝雲「そんな動きで!」


ライフリングした大型の弾丸が放たれ、リック・ディアスの黒い機体を貫き破壊する。

そして最後の1機のリック・ディアスがシームルグへとバズーカを乱射するが…


朝雲「マテリアライゼーション! 終わりよ!」


粒子結晶による刀身を再度形成し直し、その刃を飛ばしてリック・ディアスを切り裂いた。


蒼龍『目標達成、バトル終了っと』


BATTLE END
55 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/29(火) 02:24:11.59 ID:MIY+f3Hh0
朝雲「NT-Dを使って無いのに… なんて性能…」

瑞鳳「どう、使い心地は?」

朝雲「無調整の時より凄く扱い易いです。まさかここまで使い易くなるなんて…」

夕雲「瑞鳳さんは世界クラスのビルダーですから。私の知る限り、最優のビルダーだと思いますよ?」

瑞鳳「それは言い過ぎ。 元の機体が良かっただけ… 正直、このクラスの粒子制御技術は私じゃまだ超えられない」

蒼龍「でもいずれは超えるって事でしょ」

瑞鳳「そりゃそうですよ。 にこの技術が既にここにある以上吸収して昇華する、それがビルダーですから」

朝雲(毎度ながら凄いポジティブよね、この人)

瑞鳳「朝雲ちゃんもここまでこの機体を動かせるようになるなんて、腕上がったね」

朝雲「海風の見よう見真似ですよ」

蒼龍「道理で海風ちゃんと似たマニューバの切り替え方だったのね。それでも充分凄いけど」

夕雲「チームの皆さんも着々と腕を上げているようですね」

瑞鳳「まぁ修羅場は潜ってるし… 少なくとも全国ベスト8には及ぶ、ガンプラ学園とも互角だったし」

夕雲「ガンプラ学園… やはり強敵でしょう」

瑞鳳「そりゃね。 一流ビルダーとファイターを育成するのが目的の学校だし。 夕雲ちゃん達入学しなくて本当良かったよ」

朝雲「え、誘われてたんですか?」

夕雲「ええ。 私達は世界チャンプ、夕雲と浜風さん、そして春雨さんはそれぞれ去年学園からの誘いを受けています。毛頭興味はありませんが。

瑞鳳さんに惚れ… 憧れて上京してきたのに、静岡に行ったら本末転倒でしょう」

朝雲(前に神通さんの言ってた話、本当だったんだ…)

瑞鳳「ところで朝雲ちゃん、『シームルグ』はそのまま引き渡すけど… ストライクはどうするの?」

朝雲「確かに今のままだと他の機体に追いつけないだろうけど…」

瑞鳳「だからこのまま『シームルグ』1機に絞るか、ストライクと『シームルグ』の2機体勢でやるか。どうするの?」

朝雲「そうですねぇ…」


選択 直下
1.シームルグ1機だけに絞る
2.ストライクも運用する
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 05:45:22.68 ID:YhpK0AeC0
3
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 05:46:45.00 ID:YhpK0AeC0
すみません間違えました
2でお願いします
58 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/29(火) 22:38:33.52 ID:MIY+f3Hh0
朝雲「ストライクも何だかんだで愛着ありますし… お願いしても良いですか?」

瑞鳳「合点承知、っと。どう弄くっておこうかしら…」

夕張「ここはデュエルASみたいに増加装甲と後はアグニで大砲… サムブリットとかでも良いわね」

大鳳「いえ、エールを飛行用に対応させて…」

蒼龍「…何時の間に現れた」

夕雲「と言うかサムブリットはライゴウ用では?」

夕張「瑞鳳さんに洋服絡みの事と夕飯で呼ばれたんですよ。 ストライカーなら大抵合うから平気平気」

大鳳「私は夕飯かな、って降りてきたのよ」

瑞鳳「二人共、自分の意見の押し付けは駄目。 使うのはこの子なんだから」

蒼龍「少なくともエールとソード系統は無いわね」

夕雲「やはり以前と同じライトニングでしょうか」

朝雲「そこは瑞鳳さんにお任せします」

瑞鳳「言ったね? ふふふ…」

朝雲(ヤバっ… あの目はマジだ…)

瑞鳳「オリジナルストライカーを生み出しまくった私の本領発揮といきましょうか…!」

蒼龍「…アレ、多分ニクスのストライカー作った時と同じ顔だわ」

朝雲「ニクス?」

夕雲「『ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイ』、浜風さんの機体です。 ストライカー対応機で使用ストライカーは『レジェンディアストライカー』…

レジェンドガンダムのバックパックを流用し、作りこんだものです。私のミラージュに装備してある『ペネトレイトストライカー』も魔改造品ですし…」

蒼龍「正直、瑞鳳ちゃんにストライカー作らせたらロクなもん出来ないよ。 私の機体なんてまだマシだけど」

大鳳「妙な所で本領発揮しちゃうのよね… そう言えば朝雲ちゃん、門限大丈夫?」

朝雲「あ、そろそろヤバ…」

瑞鳳「じゃ私バイクで送ってくるよ。 まだ昏睡病キャリアーが出てくるかもしれないし」

朝雲「霞じゃあるまいし、狙われませんよ」

瑞鳳「そうとも言えないよ。 もしスドウ・シュンスケを倒したことで朝雲ちゃんも優先ターゲット設定されてるかもしれないし。

だから私が送っていく。 それに…」

朝雲「それに?」

瑞鳳「妹さんに送られた『改RX-0』の詳細も見たいしね」
59 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/29(火) 23:44:15.68 ID:MIY+f3Hh0
《2日後 学校》


ガヤガヤ

瑞鳳「結構人居るねぇ。 700人くらいかな?」

神通「中高一貫ですから」

蒼龍「飛龍、お腹大丈夫?」

飛龍「大丈夫よ。 今朝は牛乳、飲んで無いから」

海風「お腹弱すぎじゃないですかね?」

飛龍「まぁねぇ… アレルギーじゃないのに乳製品殆ど駄目なのよね…」

霞「それ中々キツイですね…」

萩風「よし、飛龍さんが健康になるように食事のメニューを…」

天津風「それより、そろそろ開会式よ」

愛宕「生徒は全員、ちゃんと並ばないと」


『これより、小沢学園体育祭・開会式を始めます』


そして…


『これで、開会式を終了します。第一種目の選手は、所定の位置に集合してください』


海風「では行きましょう」

蒼龍「じゃあ最初のランナーは私、二人目は飛龍、三人目に海風ちゃんでアンカーが神通ちゃんね」

神通「わかりました」

飛龍「よし… いっちょやりますか!」
60 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/30(水) 00:34:57.11 ID:qRZTvP0q0
『位置について!よーい…』

パァァァァンッ!

蒼龍「!」ダッ


『第3レース、一位に躍り出たのは… ガンプラバトル部の蒼龍先生!凄い、他の運動部をぶっちぎって駆けて行きます!』

「ど、どうなってんだアレ!?」

「見た目以上に速い…!」

蒼龍(元艦娘、舐めないでよね…! もうすぐ次…)


『間もなく二人目へのバトンパス、このままガンプラバトル部は1位を維持出来るのか!』

蒼龍「飛龍!」

飛龍「よしっ!任せなさい!」バッ


『ピッタリと息のあったバトンパス! 飛龍先生へとバトンパスを繋げた! そして他の部活動も順々にバトンをパスしていく!』


「う、嘘だろ… 化け物じゃねぇか…」

「ガンプラバトル部って文化部扱いだろ!?」

飛龍(まだ余裕はあるけど… 相手は運動部も居る。 今のうちに極限まで引き剥がす!)


『飛龍先生、蒼龍先生以上のスピードで走る! オリンピックでも通用しそうな勢いだ! そして次のバトンパスへと…』


飛龍「海風ちゃん!」

海風「はい!」


『第3ランナーの海風さんにバトンパス! そして海風さんも二人とまではいかないが速い! これで本当に文化部なのか!?』


「何で陸上部に勧誘しなかったんだよ!」

「文化部なんかに…!」

海風(二人が頑張って残したリードを維持しないと…!)


『流石に後ろから他の選手が迫りつつあるも未だ1位を維持するガンプラバトル部。 そしてバトンはアンカーに…』


海風「先輩! お願いします!」

神通「任せてください!」ダッ


『バトンを受け取ったのは神通さん! そして… え…?』

「う、嘘だろ…」

「勝てる訳ねぇ…」

神通(しまっ… 加減しそこねた…!)

『え、えーと… ガンプラバトル部、他の選手をぶっちぎり余裕の1位です! ガンプラバトル部、特別顧問も化け物過ぎて生徒全員が化け物になっています!ギネス記録を余裕で超える成績です』


天津風「トラック1週を10秒弱で走り抜いた…」

朝雲「えぇ…」

萩風「姉さん、熱くなり過ぎです…」

瑞鳳「あーあ… って実況! 私何気にディスられてない!?」

愛宕「是非も無いわ。事実だもの」
61 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/30(水) 01:27:40.85 ID:qRZTvP0q0
『続いて第二種目、全校サバイバルゲームを開始します』


朝雲「行くわよ萩風、全員をブチのめしてやるんだから!」

萩風「ええ。一人残らず仕留めてみせます」


数分後…


<う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?

<助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!


『校舎内から阿鼻叫喚の悲鳴が上がっている! 一体何があったのか!』


神通「お願いですから、何事もありませんように…!」

霞「先輩、それは無理です」


『えーっと… ただいま入った情報によりますと、ガンプラバトル部の問題児・朝雲さんと期待の転校生・萩風さんが虐殺レベルの無双をしているそうです!

既に二人の手によって半分以上を狩っているとか。どうやらガンプラバトル部はトンデモ無いコンビを投入してしまったのでしょうか』


海風「期待通りです」

天津風「絶対に組ませたらロクでも無い事態になるってわかってやってるわよね!?」

瑞鳳「止めときゃ良かった…」

愛宕「わかりきってた事よ。こうなるのは」

飛龍「一体校舎内で何が行われてるの…」

蒼龍「怖くて考えたくも無い」



「やってやる!やってやるぞ!」

萩風「遅い!」ブォン

ドサッ

萩風「これで、半分!」

ドドドドドドドド

「あだだだだだだだだ! マシンガンは止めてくれ!降参する!」

朝雲「ふぅ… 最初にマシンガンとナイフ拾えたのは幸運だったわね」

萩風「ええ。このグレネードも…」ポイッ

パンッ

「うわぅ!うわあぁぁぁぁぁあ!」

「強い、強すぎるぅぅぅぅぅぅ!?」

萩風「このエリアは制圧と考えても良いでしょう。残りを狩りに行きましょう」

朝雲「ええ。 あとコイツ等の武器もかっぱらってっと…」


『え、えと… 予定よりかなーり早くですが… 第2種目、ガンプラバトル部が優勝とのことです』


萩風「終わりました」

神通「うぅ…」

朝雲「先輩、どうしたんですか?」

瑞鳳「貴女達が暴れすぎて体調崩した」

神通「胃が… 胃が…」

飛龍「後で胃薬あげる…」
62 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/08/30(水) 01:43:42.95 ID:qRZTvP0q0
海風「ここまでは順調ですね」

霞「どこが順調よ…」

愛宕「寧ろサバイバルゲームが予定より早く終わりすぎて結構時間余ってるんだけど」

蒼龍「90分全滅戦やって、生き残ったチームにポイントをあげるってルールだったのにものの15分で片付けてきたの誰よ」

朝雲「だって仕方無いんですよ。弱すぎるんですから」

萩風「はい。 それに襲い掛かる火の粉は振り払わないと」

瑞鳳「寧ろ導火線に火をつけに行ってたんじゃない?」

飛龍「お陰で周りから睨まれてるし…」

神通「お腹がキリキリします…」

海風「でも先輩、睨まれる原因のひとつが先輩である事をお忘れなく」

天津風「追い討ちかけるな!」

霞「まぁトラック1周10秒弱をやらかした先輩も人の事言えた立場じゃないけども…」

松風「へぇ… こんな大規模な体育祭をやるんだ、この学校」

野分「これでも全生徒じゃなくて部活動参加者だけなのね」

初月「何故全生徒が参加しないのだろうか… 僕達は部外者だから関係ないが」

瑞鳳「…なんで居るし」

弥生「観光、飽きた」

照月「それで瑞鳳姉達の学校で何かやってたから見学に」

神通「うぐっ…」キリキリ

朝雲「うわっ、先輩に余計ダメージが追加されていってる」

不知火「? どうしてこの方はお腹を押さえているのですか?」

如月「…貴女も大変ね」

朝潮「その原因の一端が言っても皮肉にしかなりませんが…」

舞風「お母さんに仕事の契約を迫られた時の榛名みたいな顔になってるよ」

秋月「確かにそっくりです…」

瑞鳳「榛名さん、お母さんと仲は良いのに仕事に関しては本気で勘弁して欲しいらしいからね… 特に秘書業務絡みは」

蒼龍「あの子も中々苦労してるのね…」


イベント 直下
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 10:42:29.15 ID:KdmfnoQI0
父母、襲来
64 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/01(金) 02:33:08.58 ID:r4ZGCPH40
「へぇ… こんな催しもやるのね」

「だが… ちとこの天気では生徒も辛かろうに」

瑞鳳「へ…」

飛龍「あの特徴的なエプロンと中華風衣装はまさか…!」

蒼龍「それに無駄に甘ったるい声&野太い声は…!」

愛宕「大鯨さんに不敗さん!?」

瑞鳳「ちょ、何で両親揃って居るのよ!?」

部員一同「えぇ…」

大鯨「家族参観、ってやつ」

東方不敗「娘の働き振りを観に来てやったのよ」

瑞鳳「いやいやいや… 仕事は!? ちょっと前に有給取ったばっかだよね!?」

大鯨「繁忙気前の夏季休業」

東方不敗「テスト期間でな。丁度ゼミ生の研究の中間発表も終えて一息ついておったのだ」

瑞鳳「いやいやいやいや。お父さんは駄目でしょ!?」

初月「天城が言っていたな。自由奔放過ぎて補講ばかりだと」

瑞鳳「それ教授として駄目だよね!? エイフマン教授に言いつけるよ!」

東方不敗「うっ…! 父を売るか!」

瑞鳳「少なくとも大学教授の自覚も無い人に言われたく無いわ! 学生が可哀想でしょ!」

大鯨「まぁまぁ…」

瑞鳳「そこもなぁなぁにしようとしない! 甘やかすから付け上がるんだよ!」

天津風「瑞鳳さんがまともな事言ってる…」

神通「あぁ、時が見えそう…」

霞「ヤバイわ! 先輩の心労ダメージが許容値を超え始めてる!」

海風「医務室に運びましょう!」

朝雲「血族として感想は?」

萩風「凄く恥ずかしいです」

不知火「義理の娘も同じかんそ… 血族!?」

萩風「あ… まぁ、遠からず近からずの感じで…」

野分(孫、とは言えないわよね。 未来人なんて明かせないし…)

如月(まぁ夕雲さんって親戚の前例が居るから誤魔化せるけども…)

秋月(難儀ですよね、この人も)


『これより第三種目の教職員対抗戦を開始します。出場する教員の方は…』


大鯨「あら、瑞鳳の番じゃない。 行ってらっしゃい」

瑞鳳「ったく…!これ観終わったら帰ってよ!」

東方不敗「それが両親に言う事か」

瑞鳳「どっちが非常識か世間一般にアンケートとってやりたいわ…!」
65 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/01(金) 03:22:58.81 ID:r4ZGCPH40
『では教員の方々の入場です』

<ピロピロピロピロ

『まずはサッカー部顧問、高松先生。入場曲は○○、続いて弓道部顧問…』

瑞鳳(あれ、私入場曲決めてなかったような…)

<赤い〜赤い〜アイツ〜レッドマ〜ン

瑞鳳「!?」

『ガンプラバトル部顧問、瑞鳳先生。入場曲は『レッドマン』です!』

瑞鳳「誰この歌にしたの!?」


朝雲「本当に流したよ…」←実行犯その1

海風「妙に合ってますし丁度良いのでは?」←実行犯その2

天津風「何この歌…」

霞「円○特撮にあったのよ。 怪獣を見つけたら容赦なく襲い掛かって嬲り殺しにするやつが」

蒼龍「なんだ、瑞鳳ちゃんピッタリじゃない。ってか霞ちゃん、知ってるの?」

霞「はい。 ちょっと前に流行ったらしくて見た事があるんです」

飛龍「まぁ瑞鳳ピッタリね。麻薬扱ってる組織とか軒並み潰して何も残らなくなっちゃったから『紅いアイツ』とか『真紅の通り魔』とかついたし…」

愛宕「そのまんまのネーミングですね…」


『全ての教員が揃ったところで競技種目を発表します』


照月「何が来るのかな?」

松風「分かりきったことだろ。どうせロクな種目じゃないさ」

朝潮「流石に言いすぎ、と言いたい所ですが… 本当にそうっぽいのですよね…」


『教職員バトルロイヤルです! 地面に転げたら負け、最後の一人になるまで戦う勝負… 果たして誰が勝つのか!』



部員関係者&瑞鳳一家一同(あっ…)



瑞鳳「もう何だって良いわ! 纏めてかかってきなさい! レッドファイッ!」
66 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/04(月) 00:21:50.23 ID:mAGWu2GyO
ドゴォ バキッ ズガァァァン


瑞鳳「はぁ、はぁ…!」


『ガンプラバトル部特別顧問瑞鳳先生、殆どの先生が束になっても武器を持っても勝てない! 果たして彼女は人間なのか!?』


瑞鳳「人間だって…!」


大鯨「う〜ん… 瑞鳳のことだから怪我人は出て無いみたいだけど…」

東方不敗「ちと一方的過ぎるわい。流石にこの種目を考えた者はアホでは無いか?」

海風「ええ、まったくそう思います」

野分「そろそろ止めに入らないと…」

松風「だけど僕達が出てどうなる? アレに勝てる訳無いだろ」

照月「取り押さえる自信も無いよ…」

初月「どうにかして止めないと…」


<夢を紡ぐ、空が繋ぐ、白に染めら〜れ〜たこの大地で ひとつ〜だけ、叶えたい〜夢〜♪


如月「この歌は…!?」

秋月「もしや…」


『え、えと… ここで理事長より、彼女を止める戦力を用意したそうです。 入場テーマ曲は『white relation』、その名も…』


「少々、おいたが過ぎたようですね瑞鳳さん」

「理事長からの依頼なので、どうかご無礼を」

瑞鳳「え、えと…」

「いやぁ、真正面から相手とかチビりそうなんですけど」

「うーん、本当ならやりあいたくは無いけど仕事だし…」

「こうなったら死ぬ気でやるしか無いよね! 多分死ぬけど!」


『精鋭チーム『マスクド・ヴェアヴォルフ』です!』


瑞鳳「って、榛名さんじゃないですか!?妹と部下引き連れて何やってるんですか!?」

白狼「失敬な、榛名って誰です? 今の榛、私は『白狼』です」

緑狼「同じく、緑狼… 天城って誰でしょう?」

青狼「どもども青狼です。 一言お願いします!」

茶狼「えっと… 茶狼です。お、お手柔らかに!」

黄狼「黄狼だよ! まぁ、死なない程度にお願い…」


霞「全員狼の被り物被って、何やってんの…」

朝雲「あの榛名さんが持ってるの、ハルバード…?」

大鯨「トマホーク(自称)よ。 因みに大中小2本ずつ計6本持ってるわ」

天津風「あれトマホークなんですか!?」

萩風「天城さんは槍ですか…」

愛宕「あ、頭痛くなってきた…」


瑞鳳「こんなに引き連れていても… 私には勝てませんよ!」

白狼「それはどうでしょうか! 狼達よ、喰らいつきなさい!」
67 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/04(月) 01:06:43.42 ID:TomKsokZO
白狼「ダブルッ! トマホォォォクッ、ブゥゥゥメランッ!」ブォン

瑞鳳「くっ…!」


瑞鳳は迫り来るトマホークの刃を間一髪で屈む事で回避し、白狼へと駆け出す。

しかし背後から先程放たれたトマホークが、真横からは緑狼が槍を携えて襲い掛かる。


瑞鳳「まさか、こんな槍術使いだなんて…!」

緑狼「独自の型ですが、この程度なら!」


拳でトマホークを払い、槍の一撃をバックステップで回避した瑞鳳。

だが着地の瞬間を狙って、ゴム弾が瑞鳳へと殺到した。


瑞鳳「ッ…! ゴム弾まで…!?」

茶狼「素手で受け止められた…!?」

黄狼「なら…! 青葉!」

青狼「今その名前で呼ばないでくださいよ!」


ゴム弾を素手で受け止めた瑞鳳の両脇からナイフを携えた黄狼と青狼が突撃する。

瑞鳳は一瞬呆気に取られたが、即座に彼女達を迎え撃つべく自身に課した『リミッター』を外し気を練り…


瑞鳳「ゴッド・シャドー!」


瞬時に瑞鳳が十人の分身を展開して攻撃を回避し、同時に青葉達を撹乱した。

だが青狼は即座に気付く、その十体の中に『本物』は既に居ない。その向かう先は…


青狼「古鷹!」

瑞鳳「もう遅い!十二王方牌大車併!」

茶狼「ッ!?」


遠く離れていた茶狼へと小さな瑞鳳の分身体が襲い掛かり、銃を砕き身を拘束する。

そして拘束された茶狼へと瑞鳳が一気に距離を詰めてその拳を腹部へと叩き込む。


茶狼「う゛っ…」

瑞鳳「まず、一人…! 帰山、笑紅塵!」



大鯨「あ、あら… マジモード…?」

東方不敗「大鯨、準備しておけ。もしかすれば、ワシ等の出る幕があるやもしれん」

神通「いえ、あれなら『まだ』加減は出来ているので大丈夫でしょう」

海風「先輩?」

神通「ただ…」

朝雲「ただ…?」

萩風「ここまで来ると周囲の人がドン引きしているのが…」

霞「瑞鳳さんを『本気』にさせたらどれだけ危険か知ってた私達ですらドン引きなんだから仕方無いわよ」
68 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/04(月) 02:08:24.36 ID:IlyiZVfqO
《数十分後…》


緑狼「くっ… 降参、です」


槍を手放し膝をつく緑狼。既に黄狼と青狼は瑞鳳によって叩きのめされ地面に転がっていた。

そして残るのは白狼唯一人のみ、狙いを絞った瑞鳳は一直線に駆ける。


瑞鳳「やぁぁぁぁぁぁぁっ!」

白狼「そう簡単にはさせません! トマホークブゥゥゥメランッ!クインティプルッ!」


彼女の持つトマホークの6本のうち5本を投擲し、瑞鳳へと襲い掛からせる白狼。

全方位から飛来する5つの刃。瑞鳳は額に撒いた鉢巻を外して1本のトマホークの柄へと巻きつけ…


瑞鳳「秘技・キャッチアンドリリース!」


そのまま自身ごと回転し、全てのトマホークを打ち払う。 そして鉢巻を巻きつけていたトマホークをそのまま白狼へと放つ。

迫り来るトマホークを白狼は手に持った最後の、2メートルはあろうかと思われるトマホークで弾くが…


白狼「くっ… 消えた!?」


既に白狼の視界には瑞鳳は居ない。 だが白狼の『直感』が留まるのは危険だと頭で警鐘を鳴らす。

それでも一手遅かった。 瑞鳳は既に目の前に迫っていたのだから。


瑞鳳「ラストッ!」


鉢巻がトマホークの柄を絡めとり、白狼の腕から引き剥がす。 

そして武器を失い、もう勝つ手段を見出せなくなった白狼は両手を空に掲げた。


白狼「降参、です」


『な、なんと! 理事長の用意した刺客すら退けこの壮絶な戦いを制したのはガンプラバトル部特別外部顧問・瑞鳳先生です!

凄い、こんな戦いはテレビなんかでは観られません! まさに白熱した戦いでした!』


天津風「まぁ、こうなるわよね」

弥生「20分以上保っただけでも、凄い…」

朝潮「まさか天城さんまであんな戦闘力を隠していたなんて…」

飛龍「宮城人って本当バケモン揃いね」

蒼龍「しかもあの二人、瑞鳳ちゃん達みたいな血筋じゃないのに…」

大鯨「うーん… 小さな頃に手解き程度の教えはしたけど、ここまで強くなってるなんてね。 関心関心」

愛宕「原因はやっぱり大鯨さんだった…」


榛名「あ、もしもし間宮さん。 三人ちょっとヤられたので回収お願いします」

間宮『天城さんと榛名さんは?』

榛名「無事ですよ。疲れましたが」

間宮『わかりました。 今から車で回収に行きます』ピッ

榛名「ふぅ…」

瑞鳳「仕事、受け付けて無いんじゃないんですか?」

榛名「活動資金稼ぎですよ。それに、少々不穏な動きがありまして…」

瑞鳳「不穏な動き?」

榛名「ええ。 『コスモ・クルス教団』絡みで。 その調査の一貫で東京に来ました」
69 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/05(火) 01:18:55.51 ID:U/cjUwvbO
瑞鳳「『コスモ・クルス教団』… 確か前に海風ちゃんがスカウトされたって…」

榛名「ええ。彼等は『進化の可能性を持つ人間』を保護しようと動いています。ただそのやり方は褒められたものではありませんが」

瑞鳳「強引な拉致、ですか」

天城「現在まで16人に被害が出て、そして霞さんの家の近辺でも複数の教団関係者が目撃されています」

瑞鳳「待ってください。 それって、『昏睡病が何なのか』を既に彼等は知っていると言う事ですか?」

榛名「可能性はあります。 榛名達に接触した教団員の一人が仄めかしていました」

天城「既に撃退はしましたが… 依然として付き纏われて居ますね。正直鬱陶しいことこの上ありません」

瑞鳳「彼等は、なんと?」

榛名「『我々は裁きから進化を守る者』、と。 恐らく昏睡病の正体、『EXAMシステム』に関しても見抜いているかもしれません。だから『裁き』と言う単語を使ったのだと」

瑞鳳「一体どうやって…」

天城「恐らく天城たちのような『突然変異』の人間をかき集めている、と言う事はそう言う類の超能力者をも擁している可能性があります」

瑞鳳「確かに青葉さんのように『本質を見抜く能力』を持っている人間が居ても不思議では無いし、未来視だってよくある話だから居てもおかしくは無い…」

榛名「なので瑞鳳さん、海風さんと霞さんの護衛戦力として天城を置いていきます」

瑞鳳「天城さんを?」

天城「先程の戦闘で槍の技術は既にお見せしました。姉さんや瑞鳳さん程ではありませんが、生身での戦闘なら役立てる筈ですしバトルに関しても既に実力はご存知の筈ですよね?」

瑞鳳「しかし神通ちゃんや萩風ちゃん、そして私が居るのに迂闊に仕掛けてくるとは思いませんが…」

榛名「いえ、天城は保険です。 拉致された場合の」

瑞鳳「保険…?」

榛名「天城は榛名と『感応』出来ます。 物理的な距離と関係なく交感し具体的な場所を把握する事が可能、生体GPSと言って良いでしょう」

天城「生体GPSって… まぁ大体そんな事が出来ます。あともし霞さんが真にNTであるなら、天城ならば彼女とも出来る筈かと」

瑞鳳「…わかりました。 大会まで残り1週間、二人の護衛をお願いします」

天城「承りました」

榛名「もし有事の際にはご一報を。 間宮さんの甘味処を拠点にしているので、いざとなればベース基地に出来ますから」




瑞鳳「今戻った… あれ、お母さん達は?」

神通「お帰りになりました」

朝雲「帰れって言ったのは瑞鳳さんじゃないですか」

瑞鳳「あ、そうだった」

海風「ところで何で天城さんが?」

天城「実はですね…」


飛龍「護衛戦力、ね」

蒼龍「確かに瑞鳳相手に粘った槍の実力は認めるけど…」

霞「海風の言ってた教団連中が動き出してるなんて…」

愛宕「理事長に報告が要るかも…」

萩風「確かに私達では感応は出来ないので最適ではありますね」

天津風(やっぱ宮城人っておかしい)

天城「と言う事で、暫くお願いします」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/05(火) 09:48:43.75 ID:mQH4KWMJ0
乙です。
さて台所に天城が行かないように監視しないとな
71 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/06(水) 01:34:49.22 ID:H+Uw+ohpO
『これより第4種目、イライラ棒を開始します。 今回、なんと理事長が昔番組で使用されていたセットをレンタルしてきています!』

天津風「嘘でしょ…」

瑞鳳「リターンズ仕様だね」

愛宕「よくセット残ってたわね。結構綺麗な状態だし」

海風「昨日の夜youtubeで観たやつと同じですね」

霞「ほら、さっさと行って来なさい」

天津風「えぇ…」

朝雲「萩風、アレ出来る?」

萩風「初見クリアはまず無理、でしょうか…?」

蒼龍「そう言うこと言わないの」

飛龍「そうそう。クリア出来るかもしれないし」

天城「何なら代わりましょうか?」

天津風「これは私の種目… 部外者に頼る程弱くは無いわ…!」

照月「だと良いんだけど…」

舞風「エグ○イドのアレになりそう。『出来た!?』『駄目だぁぁぁぁぁっ』『ダァーっ!』って感じに」

松風「アレ、本当演技凄いよね。憧れるよ」

野分「憧れちゃ駄目な類だと思うけど…」

不知火「しかし彼を演じた俳優は尊敬出来ますね。確かあの人、医療関係者だとか」

弥生「ある意味、凄い…」

天津風「人を無視するな!」

秋月(この人も大概扱いが…)

朝潮(何でしょう、何かデジャヴのような…)


『ガンプラバトル部天津風さん、何とか全てクリアした! 手に汗握るギリギリのゲームを制したのは、彼女だ!』


天津風「ゼェ、ゼェ… クリア、してきたわよ…!」

蒼龍「お疲れー」

天津風「あれ、皆は…」

飛龍「理事長に呼び出された」

天津風「私だけ置いて行かれた!?」

蒼龍「ど、ドンマイ」

72 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/06(水) 02:05:08.81 ID:+qBkoYkKO
『種目の半分が終了したところで、お昼休憩に入ります。体育祭は13時より再開しますので各自昼食を取って下さい』


天津風「で、何で呼び出されたのよ」

海風「荷物運びです」

瑞鳳「ダンボール箱運ばされてたのよ。何かこの後の種目で使うとか」

霞「『私達に関連するもの』って言われたけど…」

萩風「まさかガンプラ?」

朝雲「それこそまさかよ。 部活動分だけだとしても一体いくらかかんのよ」

神通「しかしサバイバルゲームの装備品を用意するよりは安いかと…」

如月「それに1キット、HGだったとしても作るのに最低1時間はかかるわ。慣れてる人でもね」

野分「しかも慣れている人程ゲート処理や部分塗装なんかするから余計時間がかかる… 現実的では無いと思うけど」

秋月「さらに言えば工具など使い慣れていない人が使えば怪我をする可能性もありますし…」

不知火「しかしこの学校、母体はビスト財団ですよね?」

舞風「確かに直系企業のアナハイムもあるし、アナハイムとバ○ダイは業務提携してるから…」

初月「ガンプラの調達自体は簡単だろうさ。それに、宣伝にもなる」

照月「台場のGBT、来月オープンだしその宣伝にはなるのかな…?」

弥生「でも、ここは曲がりなりにも名門だけど…」

松風「まぁこんな部活がある位だからこの中の1割くらいは興味を持つようになるだろうさ」

朝潮「1割もいるでしょうか?」

天城「その点は置いておいて、昼食にしませんか? 実は天…」

瑞鳳「ほーい、今日のお弁当作ってきたよ」

飛龍「これこれ…!待ってました…!」

蒼龍「瑞鳳ちゃんのお弁当、美味しいからねぇ」

萩風「萩風も、健康お重を作ってまいりました」

朝雲「ここまで健康に拘るのかい… まぁ、美味しそうだけど」

霞「私も、今日のコンテストの練習用に作ってきたわ」

天津風「へぇ… 普通に美味しそうじゃない」

海風「朝5時から… トレーニングやってお弁当作るのは疲れましたが…」

神通「私達もちゃんと手伝いましたよ」

天城「皆さん凄い出来栄え。 でも天城も負けてられ… ってあれ? お弁当箱が…」

不知火「…天城さんのお弁当は既に諜報部が回収しています」

松風「キミはまた集団食中毒を引き起こす気かい?」

野分「間宮さんに習っても改善しなかったのに…」

天城「」ガーン

弥生「災厄は、避けられた…」

初月「ああ。テロが未遂で良かったよ」
73 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/06(水) 23:45:31.20 ID:FyRBq4lHO
『ではこれより第4種目に… 入る前に成績の中間発表と第8種目の発表を行います』

神通「第八種目の発表…」

蒼龍「一体何が…」

『まずベスト8の順位の発表から…』

順位発表
1.ガンプラバトル部…40ポイント
2.サッカー部…25ポイント
3.剣道部…20ポイント
4.陸上部…15ポイント
4.吹奏楽部(同率)…同上
4.美術部(同率)…同上
7.水泳部…13ポイント
8.科学部…11ポイント

『やはり1位はガンプラバトル部、サバイバルゲーム大虐殺と教員対決による無双っぷりが2位とポイントを突き放しています。しかし午後の種目は一筋縄ではいかない種目ばかり… さぁ、どうなる!』


瑞鳳「そりゃそうだよ。ウチだけ全種目1位だもん」

萩風「虐殺なんて人聞きの悪い…」

朝雲「そうよ。人一人も殺してないのに」

海風「絶対キルレートおかしい事になってます」

霞「2対約140で全員返り討ちなら完全な虐殺よ…」

不知火「しかも無傷ですからね… 姉さん、些か変な事を教え込み過ぎでは?」

瑞鳳「え、私の責任なの!?」

萩風「私に関してはそうかと」

瑞鳳「そりゃそうだった… で、でも悪いのは一族全員バケモンになる原因作った先祖だから…」

野分「責任転嫁しないでください」


『そして第8種目の内容は… 『即興ガンプラバトル対決』です!』


全員「え…」


『ルールは簡単。 今から1チーム3つずつここにある工具とガンプラの山からキットを選んで貰います。そして第8種目開始までに機体を組み上げ、その機体でバトルロワイヤルを行うのが第8種目です。

さらにはここにあるオプションセットや追加武装アイテムなども取って行って構いません』


飛龍「まずい…! 瑞鳳! 神通ちゃんに萩風ちゃん!」

瑞鳳「わかりました!」

神通「良キット、可動が良く組み易い最新の奴を重点的に狙います!」

萩風「オプションセットは私が調達します!」


『そしてキットは早い者勝ち! レディ、ゴーッ!』


三人「!」ダッ


選んできたキット 下3まで(オプション(※)も併記可)


キット条件
・1999年以降のHGシリーズのみ(HGUC発売以降の製品。 ただしモビルアーマーとHGBFは除く)
・プレミアムバンダイ商品は可、一部限定商品は不可(例:イベント限定品など)
・複数セット(例:プレミアムバンダイの鉄華団セット)などMSなどが複数付属するものは不可

オプション条件
・ビルダーズパーツ、システムウエポン、HGIBOのMSオプションセットは使用可能
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 01:16:19.80 ID:82wb2CoR0
アスタロトリシナメント
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 04:27:58.67 ID:gMxBKYbA0
ガンダムフラウロス
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 05:36:40.22 ID:m8jTfaEy0
ジェガンA2型
77 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/08(金) 03:30:19.94 ID:9FBjwDrUO
『おい、それは俺達の…』『何だよこのベアッガイって!?』『ガンダムを取れ!ガンダムなら強いんだろ!?』


神通「ふぅ、戻りました」

朝雲「あ、戻って来た」

天津風「調達出来たのは…」

松風「『ガンダムアスタロトリシナメント』、オルフェンズの外伝『月鋼』の主人公機か。

左右のバランスが滅茶苦茶だけど強力な装備を有している機体だね」

初月「あとは『ガンダム・フラウロス』、強力な砲撃機だ。 本編での活躍は散々だったが…」

弥生「…あとは、『ジェガンA2型』。 お得意の、金型使い回し…」

瑞鳳「そう言うこと言わないの」

舞風「何でオルフェンズの機体が2機あるのにジェガンにしたの?」

瑞鳳「押し寄せる人波に飲まれる直前に目の前のやつ取ったらこれだった」

野分「確かに姉さん達が取りに行くのにダッシュした直後、トンデモ無い人の量が押し寄せたものね…」

天津風「先輩のチョイスは、まぁ中々ですね」

神通「フレーム式のHGIBOシリーズなら作り易く、調整の時間も確保出来ます。それにパーツが取れ易いのを除けば可動も優秀ですから」

瑞鳳「よし、後は私に任せて。 この程度、30分で作って…」


『瑞鳳先生、瑞鳳先生は至急運営側にお越し下さい。 瑞鳳先生にはこれより、ガンプラ製作のレクチャーを行って貰います』


瑞鳳「うそーん!?」

飛龍「まぁ、世界最高峰のビルダーだものね…」

蒼龍「当然の結果と言っちゃ当然だけど… あくまでも学生の手でどうにかしろ、ってスタンスみたい」

瑞鳳「これ、講師代としてお金毟れ無いかな…」

愛宕「後で請求したら?」

瑞鳳「そうする。 じゃ、ちょっくら適当にやってくるね」

神通「仕方ありません… 私達で作りましょう。 『萩風さん』、オプションは?」

萩風「一応全部調達してきました。 どうなさいますか、『先輩』?」

神通「では製作は私と萩風さん、そして天津風さんで機体を組みます。 海風さんと朝雲さんは部室から武器になりそうなパ−ツと改造用の工具を」

海風・朝雲「はい!」

霞「え、部室のジャンクって大丈夫なんですか?」

神通「機体は『即興』と言いましたが、武器に関してはノーコメントでした。つまり使っても良いのかと」

蒼龍(瑞鳳ちゃんみたいな強引な理屈だこと… それにこの姉妹、ちゃんと公私で呼び方使い分けてるのね)

萩風「ジェガンはパーツ数が多いので私が組みます。これでも、早組みはお母様譲りです」

天津風「じゃあ私はフラウロスかしら。デカールが多いのが難点だけど…」

神通「ではリシナメントは私が。では海風さんと朝雲さん、武器はお願いします」

萩風「朝雲さん、ちょっと良いですか?」

朝雲「何?」

萩風「部室に『スタークジェガン』のパーツがあれば取って来てください。 ジェガンA2のキットは余剰パーツの中にD型の部品があるので、それを使えばスタークへと改修できます」

朝雲「わかった。探してみる」


イベント 直下
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 08:29:41.92 ID:wTBGStUD0
校舎内で彷徨く人影を見つけたが、見失ってしまう
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 09:57:47.28 ID:XZTPUazd0
F91に出てきたA2型をスターク・ジェガンに改造か。これもガンプラならではだな
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 13:12:04.33 ID:mLhj2m/X0
>>79
ジェガンA2はUC(ゼネラル・レビル所属機)出典でF91のジェガンはJ、M、Rだった筈
共通なのはシールドだけだったかと
81 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/09(土) 01:10:14.70 ID:UGnaYLI2O
《部室》


海風「武器武器… メイスとかでしょうか。 鉄血系にビーム兵器は… あ、対物ライフル見つけました」

朝雲「スターク・ジェガンのパーツは… これかしら?」

天城「CCA版ですね。一応互換はあったかと」

海風「あとその辺にプロトのパーツも眠って… ん…?」

朝雲「どうかした?」

海風「今人影が… 部室棟、海風達以外に居ない筈なのですが…」

天城「気配… 1つ…!」ピキィン

朝雲「天城さん…?」

天城「…二人共、天城から離れないで下さい。 この気配、何かしらの悪意を感じます…!」

朝雲「悪意…!」

海風「一体何が目的で部室棟に…!」

朝雲「まさか… 海風! アンタの鞄、『スクランブルガンダム』があったわよね!?」

天城「粒子対応試作機ですか! 複数機が強奪されたと聞きましたが、まさか海風さんの所有する機体を狙って…!」

海風「まさかっ…!」ガサゴソ

朝雲「粒子対応機の強奪の為にここに潜入したなんて…!」

海風「いえ、スクランブルは無事でした」

朝雲「なら良かった… けど、じゃあその気配って奴は…」

天城「可能性は2択、昏睡病絡みの『敵』かコスモ・クルス教団か… どちらにしろ、厄介な手合いです」

海風「直に理事長に報告しないと…!」

朝雲「報告してどうにかなるの…?」

天城「流石に警備の厳重化はして頂けるかと思いますが… それでも、焼け石に水である事は変わり無いでしょうけど。

何が起こるか分からない以上、自分の身は自分で守るしか術はありません」

海風「そうですね…」

天城「海風さん、このポーチにスクランブルを入れて肌身離さず持っているようにしてください。朝雲さんも、自機は自分で守るように」

朝雲「は、はい!」

天城「折角姉さんが阿武隈達のブーイングに耐えながら送った『シームルグ』、失う訳にはいきませんから」

海風「やっぱり揉めたんですね…」

天城「ええ… いくら廃棄処分一歩手前の機体とは言え、姉さんの技術の粋を集めた機体の1つである以上その技術情報は秘匿すべきものです。

特に敵対している相手に送りつけると言う事は、自分の手札を全て晒す事に等しいので」

朝雲「廃棄処分…?」

天城「元々シームルグは実戦に耐えられるような機体ではありません。 あの機体は元々技術試験機、しかも姉さんが一時期バトルから離れていた時期に製造したものです。

それをどうにかして実戦装備を施したのが現在の『RX-0[Sm]シームルグ』、経年劣化の問題や粒子放出量に問題があり廃棄寸前のものを再利用した機体です」

朝雲「だから最初に操縦した時、操縦に難があったのね… 瑞鳳さんのお陰で改善したけど」

天城「正直粒子制御技術では姉さんが勝っていますが、機体そのものを弄る技術は瑞鳳さんの技術力の方が遥かに高いです。

『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』の例を見ても、特殊能力使用時に機体が過負荷で自壊しなかったのは瑞鳳さんの整備能力の賜物… だからこそ、瑞鳳さんの下に居る朝雲さんに機体を送ったのでしょう。きっと何とかしてくれると」

朝雲「成る程…」

天城「なので『シームルグ』は絶対に奪われないようにお願いします。 後は… 皆さんの機体も一応持ってきましょう」

海風「分かりました。 後はこの武器と改造や墨入れ、部分塗装用の工具も…」
82 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/09(土) 02:25:22.88 ID:g6TLLeWvO
海風「戻りました」

飛龍「お帰り〜」

天城「進捗は?」

野分「今さっきジェガンが組み終ったので萩風さんは他のサポートに回っています」

朝雲「すごっ… このジェガン、きっちりゲート処理まで終わってるわ…」

不知火「バリのあとすら残さず、素組でここまで組み立てるとは… 不知火も驚きました」

蒼龍「瑞鳳の素組と遜色無い、って言うのが凄いわね…」

朝雲「その瑞鳳さんは?」


『すみません!こっちお願いします』

瑞鳳「はいはい!今行き…」

『こっち来てください!』

『こっちもこっちも!』

瑞鳳「あぁ、もう…! キャパオーバーだって! 順番に並んで! ってそこ!パーツは順に切り離すって言ったよね!?全部切り離したら分からなくなるでしょ!

あとそこ! バリは取らないとパーツが嵌らなくなる時があるって教えたよね!」


海風「大変そうですね…」

蒼龍「こっちにも何人かさっき来たけど萩風ちゃんが適当に追い返しちゃったし、そのせいで瑞鳳ちゃんの負担が増してるのよ」

萩風「敵に手を貸す者がどこに居るんですか、全く…」

天城(ウチの姉です…)

萩風「朝雲さん、パーツは?」

朝雲「足りてるかは解らないけど、一応持って来たわ」

海風「工具とペン、あと武装もです」

神通「ふぅ… リシナメントは終わりました」

天津風「フラウロスもよ。 鉄血系はデカールが本当に地獄ね…」

萩風「ではここから改修を始めましょう。 文句を言われたら戻せるようにしないといけませんが」

天城「あれ、霞さんは?」

松風「あの子なら料理の方に行ったよ。自分の番だからって」
83 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/10(日) 01:59:19.16 ID:3Ww6UKlfO
霞「♪」


『ガンプラバトル部霞さん、凄い手際です。 これには家庭部も及ばない! 作っているのは… 煮物でしょうか?』


霞(豚の角煮、お婆ちゃんから教わった秘伝のレシピ。これなら勝てる…! 後は圧力鍋を使って煮込むだけ…

その間にもう1品は出来そうね。使える食材は… これなら簡単なサラダとお味噌汁あたりかしら?)


『なんて手際だ! 中学1年生にしてまさに主婦の鑑、オカンだ!』


霞「誰がオカンよ!?」


海風「実際、霞はオカンのような人間ですが」

神通「確かに… 口調はキツめですけど、自他に厳しく己や周囲を律する事の出来る人間性ですね」

天津風「それに、世話焼きだものね。 そうじゃなかったら海風達を自分の家に住まわすなんて出来ないし」

蒼龍「その件に関しては私達のところでも良い、っては言ってたんだけど…」

海風「アレと一つ屋根の下なんて、言語道断です」

朝雲「やっぱりアンタの姉貴ね…」

飛龍「まぁ、仕方無いっちゃ仕方無い事だけど… それに霞ちゃんの家を空けることになるのはあの子も望んでなかったし、良い機会だったのよ」

萩風「豚の角煮とは… あの調味料の分量は薄すぎず濃すぎず、さらに健康を気遣い副菜のサラダも用意するとは…」

萩風(彼女は両親を失い、そして祖母も亡くしている… 故に自身の健康は自身で守らざるを得ない。しかも私のように突き詰めてはいない、そこは見習うべきでしょうか…)




霞「で、どうよ」

海風「流石、見込んだだけあります」

飛龍「まさか審査員の先生の大半を泣かせてくるなんて…」

蒼龍「懐かしさで感極まって泣いてたし…」

天津風「ウチの部活、本当まともな人が居ないわね…!」

朝雲「その同類よ、アンタも」

萩風「まさか自分だけが『まとも』だとでも?」

神通(ガンプラ学園、履歴書に書くだけで恥ずかしい思いをするであろう学園名の場所に入ろうとする度胸が特に…)

愛宕「じゃあ次は私ね」

天城「さて、天城も…」

全員「え…?」
84 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/12(火) 23:44:32.20 ID:pdESrUPJ0
『それえでゃこれより第六種目、カラオケ大会を開催します。 ルールは簡単、これから指標となる方に歌っていただき1秒ずつ採点します。そしてその点数を1秒でも下回った瞬間、即失格と言うルールです』


天津風「…イライラ棒なんて遥かにマシだったわ」

海風「恐らくウチが快進撃を止めないからこうなったのでしょう」

霞「半分アンタの責任じゃない」

萩風「ええ。種目を決めたのは海風さんなので」

神通「しかし指標となる方は一体…」

朝雲「いや、天城さん呼ばれた時点で…」


『ではご紹介します。 今回基準となる方は先程の『マスクド・ヴェアヴォルフ』の一人緑狼こと天城さんです!』

天城「天城と申します。 今回、皆様の基準に選ばれました。 では早速、歌いたいと思います」


不知火「…マズイですね」

如月「ええ、ちょっと…」

瑞鳳「え、何で?」


『では天城さんで曲は堀○由衣『インモラリスト』です!』


天城「アイ ウォント トゥ ビー ウィズ ユー フォーエヴァー たとえかなう はずのない アイ ウォント トゥ ビー ウィズ ユー フォーエヴァー 何かに 襲われても ♪」


蒼龍「な、なんか妙に点数高い… ってかコンマのブレすらなく満点なんだけど!?」

舞風「なんか妙に上手いんだよね天城。堀江○衣だけ」

野分「元の声質がそっくりだからかしら?」

榛名「し、しまった… 天城に曲選ばせるんじゃなかった…!」

飛龍「何時の間に…」

榛名「嫌な予感がしたから咄嗟に戻って来たんですが…」

初月「残念だから手遅れだ」

榛名「天城は、この種目を潰す気です…!早くどうにかしないと!」

照月「いや、もう遅いと思うけど…」

秋月「はい。もうこれは取り返しが…」

弥生「最悪の、事態」


天城「ふぅ… では放送担当さん、発表お願いします」

『え、えと… これって基準になるんですか…? 1秒も点数下落が無くて1曲まるごと完全に百点だったような…』

天城「ええ。 ですから、これが基準です。 1秒でもミスをすれば即失格、面白そうじゃないですか」

『で、では参加者の皆さん! 完走目指して頑張ってください!』
85 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/13(水) 01:18:11.86 ID:8Nyozq790
ミス
正しくは>『それではこれより第六種目、カラオケ大会を開催します。(ry』です。 何だよ今の


「だ〜か〜ら〜…」ブッブー

『軽音楽部ボーカル中山君、失格!次行ってみよう!』

「な…」ブッブー

『おっと出だしから音程が外れたぞ! 失格だ!』

「無理だろこんなの!?」


天津風「選曲の方が時間かかってるってどう言う事よ」

朝雲「私に聞かないでよ」

榛名「すみません!本当に妹がすみません!」

瑞鳳「初めて見たよ榛名さんの謝罪祭り」

蒼龍「もう残りは4分の1ね… 愛宕ちゃんは?」

飛龍「もうすぐだけど… って次なの!?」

海風「愛宕先生… まぁ、この種目は落としても…」

瑞鳳「舐めない方が良いよ。愛宕先生あれでも凄いよ、あれでも」


『つづいて… ガンプラバトル部顧問にして魅惑の新任国語教師、愛宕先生だ! 今までイカれた暴れっぷりを見せたガンプラバトル部、この快進撃もここで終わってしまうのか!?』

愛宕「そう言われると本気だしたくなっちゃうわね…!」

『曲はAimer『RE:I AM』、ガンプラバトル部らしいチョイスです。 ではどうぞ!』


愛宕「『側に居て』と 抱きしめても もう二度と聞こえない 君の歌声は ♪」


霞「嘘でしょ…」

神通「点数が、100点から変動していません…!」

萩風「さらに言えば天城さんは元々の声質が堀○由衣さんに近いのに対し愛宕先生は別の声質、かなり高めです。 それをここまで制御するとは、凄まじい…」

天城「くっ… 何か負けたような気がします…!」

舞風「あ、元凶だ」

不知火「全員、確保!」

天城「な、何故!?」

榛名「流石にやり過ぎです。ちょっと『お仕置き』が必要かと…」

天城「服を剥がされる…! ここは退散します!」ピューン

榛名「逃がしません! 追いかけます!」

不知火「分かりました! 野分、回り込みなさい! 弥生と松風は両翼から!」


『え、えーっと… ま、またしてもガンプラバトル部だけが歌いきり勝利をもぎ取った! 凄まじい!一体どこに向かっているんだ!』


海風「ここじゃないどこかです(鉄血並感)」

朝雲「止まるんじゃねぇぞ…」

天津風「貴女達、止めなさい。 鉄血のその辺のネタは色々笑え無いから」

霞「結局あれ、辿り着いてるの? 辿り着いてないの?」

萩風「知りません。 恐らく脚本だけが知る事です」

神通「その辺ころころ変わるのが鉄血の悪い所なんですよね…」


イベント 直下
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 09:40:54.74 ID:ZALnUsPD0
愛宕に歌が上手い理由を聞いてみる
87 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/19(火) 01:59:01.63 ID:+nNxizra0
海風「あの、どうして愛宕先生はあんなに歌が上手なのですか?」

愛宕「え、えと…」

瑞鳳「ああ、アレはね… 昔歌手目指してたのよ」

愛宕「ちょ、ず、瑞鳳!?」

瑞鳳「と言うか愛宕先生はね… 教師、って目標を見つけるまでなりたいものがコロコロ変わっモゴゴ!?」

愛宕「そ、それ以上は言わないで!」

瑞鶴「しかも何だかんだで極める所まで行って、そこで飽きて目標変えちゃうの。タチ悪いでしょ」

愛宕「何時の間に!?」

瑞鶴「夕張の付き添い、と暇つぶし」

夕張「次はファッションコンテスト、って聞いて瑞鳳さんに呼ばれたんだけど」

大鳳「私も暇つぶしで」

霞「つまりあの歌唱能力は…」

瑞鶴「昔取った杵柄ってヤツ。度合いが過ぎてるし、なりたくてもなれない人から見たら悪質な過ぎるわ、ホント」

萩風「ある種の才能の使い潰しですね」

天津風「どうしてこう、宮城人って変な人ばかりなのよ…」

榛名「一括りにされるとは心外です」

朝雲「あ、帰って来たけど… 天城さんは?」

榛名「逃げられました。 あの子、一回隠れると榛名でも見つけるのは難しいので…」

神通「また変なところで無駄な才能を…」

瑞鶴「えっと、愛宕姉が無駄に使い潰した才能は… 歌とピアノ、ギターとあとは… ああ、大鯨さん直伝の格闘術とかもあったか」

萩風「え、では私の…」

瑞鶴「流石に貴女みたいな領域までは至って無いわ。 簡単な護身と武具の使い方、あとは大鯨さんのある意味禁断の秘技」

萩風「まさか… 『去勢拳』…?」

朝雲「何それ…?」

萩風「対・男性用の最高峰の技です。 一発目に正面からの金的、二発目は回し蹴りで金的、そしてトドメにバックステップからの跳び金的のコンボを決める禁断の秘技です」

瑞鶴「男の弱点を執拗に潰すことだけを求めた、恐ろしい技よ」

飛龍「な、なんだろ… ツイて無いのに、冷や汗が…」

蒼龍「誰がそんな恐ろしい技思い付くのよ…」

瑞鳳「一説には女性の出産より痛いって話だしね、金的。 弱点ブラ下げてるほうが悪いのよ」

瑞鶴「因みに瑞鳳、一度実戦でかましたの。 相手は瑞鳳にセクハラした体育教師なんだけど見事に病院行きになって…」

海風「その後は…?」

瑞鶴「私が次に見かけた時、飲み屋街でオネエになってた」

全員「あっ…」

神通「そんな技を、先生は極めたと…?」

愛宕「…」メソラシ

霞「極めたのね…」

愛宕「だ、だって怖いし… だから安全策に、って大鯨さんが…」

瑞鳳(うーん… まぁ仕方ないよね、男性恐怖症(※)だし) ※KBF設定の引継ぎです

天津風「そして一時期歌手に憧れ歌を学んだ結果、プロ歌手レベルになっちゃったって…」

朝雲「やっぱイカれてるわ」
88 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/19(火) 02:25:18.44 ID:+nNxizra0
『続いて第7種目、ファッションコンテストを開催します。 お題は…』


神通「去年は確か… 各地の伝統民族衣装でした」

海風「チョイスが謎過ぎません?」

瑞鳳「アマゾンとアフリカとか引いた人悲惨だったよね、アレ」

神通「私はカウボーイ衣装でまだマシでしたが…」

霞「一体何なの、今年は…」


『お題は『性別反転! 美女/イケメンコンテスト』です! 内容は簡単、男子は女装し女子は男装をしその中で最もイケメンor美女の居るチームが優勝となります!』


瑞鳳「どう見る、夕張ちゃん?」

夕張「そうですねぇ… この中でイケメン、ってなると… 瑞鳳さんでしょうか?」

瑞鳳「何で私!?」

夕張「目つきと顔立ちです。 割と男装させればイケる… あ、でも素材そのままでも良いような…」

飛龍「確かに、本気モードの瑞鳳の横顔とか格好良いし…」

不知火「今戻りました… すみません、榛名さん。見つかりません」

榛名「榛名ですら見つけられないので仕方ありませんよ」

野分「しかし一体どこに隠れて…」

初月「校舎に逃げ込んだか…? いや、それなら見つけられた筈だ」

松風「ああ。 その辺りは照の字が探してたからね。 榛名の言う通り、かくれんぼの天才なのかも」

夕張「…ん?」

松風「おや、夕張じゃないか」

初月「それに大鳳も」

野分「お久し振り、と言う程でもありませんが… こんにちは」

夕張「…」

初月「…どうして僕達をジロジロ見ているんだ?」

夕張「よし、決めました。 瑞鳳さん、三人連行します」

瑞鳳「オッケー。大鳳、やるよ」ガシッ

初月「えっ…?」

大鳳「ええ、これは致し方ない犠牲… コラテラルダメージなのよ」ガシッ

松風「な、何をする気だい!?」

夕張「さーてっ… 張り切っちゃうわよ!」ガシッ

野分「た、助けてください! は、榛名さん!」

榛名「頑張ってください、野分さん。 榛名、格好良いところ見たいです」

野分「な、なら仕方ありません…!」ズルズル

霞「…上手い事乗せたわね」

海風「惚れている相手に期待されると、応えたくなるのが性なのでしょう」

神通「しかし、ルール上良いのでしょうか…」
89 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/19(火) 03:00:32.91 ID:+nNxizra0
「うふっ… 皆メロメロよ!」

『男子テニス部、これは酷い! 吐き気を催す!』

「酷くね!?」

「と、止まるんじゃねぇぞ…!」

『陸上部女子、某オルガのコスプレです! でも致命的に似合ってない!』

「そんなぁ!?」

『そして次は… おっと、ここでイカレた集団ガンプラバトル部! さぁ、入場どうぞ!』


野分「お帰りなさいませ、ご主人様」←燕尾服

松風「ふっ… もう帰って良いかい?」←宝塚風

初月「や、やめろ… こっちを見るな…!」←中世風


『誰だこの美少年達は!? あ、今入った情報によりますと特別顧問・瑞鳳先生の妹さんだそうです!』


キャーキャー


松風「うわっ… こんな嬉しくない黄色い声は初めてだ…」

初月「お前はいつも女子相手に似たような悲鳴を上げさせているだろう」

松風「自分がやるのとやらされるのじゃ違うんだよ。分かってないな、初の字」

初月「僕は目立ちたくなど無いのだが… 野分、お前は…」

野分「見ていてください、榛名さん…!」

初月「…」

松風「まぁ、気持ちは分からないでも無いね。恋は盲目、と言うやつだ」


『えーと、これルール的に… あ、はい。 え、えと… 理事長から『あり』と判定を頂きました!』


天津風「あ、良いのね…」

萩風「変装はお手の物なのですが… 今回は譲りましょう」

朝雲「アンタの場合は変装じゃなくてパーカー着て気配消してるだけでしょうが」

萩風「え、駄目なの…!?」

神通「…変装とは言え無いですね」

萩風「」ガーン

海風「ショック受けるのそこですか…?」

霞「世間一般とズレ過ぎなのよ、感性が」


野分「榛名さん、優勝してきました!」

榛名「よしよし、よく頑張りましたね」ナデナデ

不知火「…まさかあの真面目で気難しい野分を飼いならすとは」

瑞鳳「二人共ごめんねぇ。 後で甘い物でも食べに行こうか」

松風「ああ… 銀座な」

瑞鳳「ぎ、銀座…!?」

初月「他の妹も連れて行かせてもらうぞ」

瑞鳳「ゆ、夕張ちゃん…」

夕張「じゃあ私はこれで」

瑞鳳「あ、卑怯者!」
90 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/19(火) 03:17:17.98 ID:+nNxizra0
『ではこれより最終種目、ガンプラバトルロワイヤルとなります。 ルールは一部活、三人ずつのチームを組んでのバトルロイヤル形式となります。

そして今回に限り特別ルールとして、敗北すれば全ポイントが剥奪されます。 そして制限時間の1時間を生き残ったチームには、特別に50ポイントが与えられます』


瑞鳳「勝てば優勝まで近付いて、負ければ完全に逆転は不可能になるって感じね」

海風「では戦術方針は『殲滅』より『生存』を優先します。 ではファイターは…」

蒼龍「私達はパスよ」

飛龍「こればっかりは学生にやらせないとね」

瑞鳳「一応世界大会出場メンバーが出るのはフェアじゃないでしょ」

海風「そうですね。 では機体の割り振りとファイターは…」



ファイター選択 (簡易改修・追加装備などがあれば併記)
・ガンダムアスタロトリシナメント 直下
・ガンダム・フラウロス 下2
・ジェガンA2型 下3


選択可能ファイター
・海風、霞、神通、天津風、朝雲、萩風


条件:『海風』『神通』『霞』のいずれか1人をファイターとして選択すること(指揮官)

また改造などについては現実的では無いものの場合は却下させていただくことがあります
91 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/19(火) 03:20:35.65 ID:+nNxizra0
あ、申し訳ありません

指揮官技能持ちは『海風』『朝雲』『神通』でした。 すみません



再安価

ファイター選択 (簡易改修・追加装備などがあれば併記)
・ガンダムアスタロトリシナメント 直下
・ガンダム・フラウロス 下2
・ジェガンA2型 下3


選択可能ファイター
・海風、霞、神通、天津風、朝雲、萩風


条件:『海風』『神通』『朝雲』のいずれか1人をファイターとして選択すること(指揮官)

また改造などについては現実的では無いものの場合は却下させていただくことがあります
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 09:40:17.55 ID:6SvRh0Y/0
神通
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 10:08:21.90 ID:dTXa/s8g0


フラウロスは厄祭戦時カラー
ロングバレルのレールガン2門にダインスレイヴ装填済
ナイフとマシンガンを懸架している
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 16:29:03.81 ID:Lvoyb4MHO
萩風
外装に高機動仕様のパーツを装着、肩はコンロイ機のものに変更
95 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/20(水) 00:24:12.58 ID:7Gj8JKaz0
海風「今回は先輩、霞、そして萩風さんをファイターとして選出、機体は先輩がアスタロト、霞はフラウロス、萩風さんはジェガンとします。

装備については各自、好きなようにしてください。 また三人には今回『生存重視』のプランで戦って頂きます」

神通「では指揮は私、と言う事で良いですか?」

海風「お願いします」

霞「あれ、このフラウロス青い…?」

天津風「厄祭戦時カラーよ。 プレバン限定品ね」

霞「武器は… マシンガンとナイフまでは良いけど、キャノンこのタイプだけ?」

天津風「ロングバレルもあるわよ」

霞「じゃあロングバレルに交換して… 後は… あれ、この爪楊枝っぽいヤツ…」

天津風「これは… 『ダインスレイヴ』の弾頭!?」

海風「ああ、部室に転がってました」

天津風「これ確か『鉄華団セット』に1本だけ入ってるやつなんだけど…」

瑞鳳「あ、それ私が雑誌から『キマリスヴィダール』の作例依頼された時に作ったやつ。 多分フラウロスに取り付けられるよ」

天津風「そんなもの何時の間に…」

瑞鳳「だって貴女達の入学前の話だもの。キマリスヴィダール発売当時の話だし」

神通「確かに部室で弄ってたのは記憶していましたが…」

霞「じゃあこれ付けるか… ダインスレイヴってアレでしょ。チート兵器」

天津風「設定上、微妙な欠点だらけだけど使えるの?」

霞「要は『当てれば倒せる』んでしょ? なら当てるのが『砲撃手』の私の役目よ」

神通「私は… 特に改造の必要は無いかと。 外装パーツに接着剤を付ける程度でしょうか」

朝雲「何で接着剤?」

萩風「HGIBOシリーズの機体はフレーム構造を採用したガンプラでが組み易くなった反面、パーツの脱落率が高いのです。 

なので可動に干渉しないパーツの脱落対策として、接着剤による外装パーツの固定はビルダーの間では有名なやり方です」

瑞鳳「そうでもしないと、バトルの時ポロポロ取れちゃうし」

朝雲「成る程…」

瑞鳳「で、萩風ちゃんは…」

萩風「ジェガン高機動型仕様の装備と、あとは好みでD型コンロイ機のナイフ付き肩に変えました。 武器は高機動型と同じライフル二丁です」

瑞鳳「堅実な装備だね。 某レナート兄弟とは大違いよ」

海風「レナート兄弟…?」

飛龍「イケ好かないアルゼンチンのファイターよ。 バトルを戦争と勘違いして、絡め手ばっか使ってくる」

蒼龍「例えばガンペリーにジェガン2機詰め込んで『艦載機』扱い、つまりファンネル扱いにして操ったりブービートラップで関節狙ったりするのよ」

海風「レギュレーション違反では無いとは言え、あまりに卑怯な…」

瑞鳳「私達、と言うか浜風ちゃん達が一度戦ってるよ。 勝つには勝ったけど、バスターとセイバーは修理不可能になっちゃったし。

しかも散々小馬鹿にしていざ負けたら逆ギレして怒鳴りつけてきたのよね。 浜風ちゃんに言い負かされたけど」

海風「…認めたくはありませんが、アレは口達者で戦術能力も海風より高いです。 絡め手程度で負かされる程弱くは無い筈です」

瑞鳳「うん。 だからこそ、あの子達は勝った。 まぁその次、春雨ちゃん達との戦いで負けちゃったけど」

萩風(しかし皮肉なものです。 お母様達がそこまで嫌悪感を露にしている相手の戦い方と私の戦い方が似ているとは…)
96 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/20(水) 01:31:10.79 ID:7Gj8JKaz0
『では皆さん、準備はよろしいですか!? バトル、開始!』


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "Speace"

BATTLE START!


霞「ガンダム・フラウロス、霞!」

萩風「ジェガン、萩風」

神通「ガンダムアスタロトリシナメント、神通。 ガンプラバトル部、予算をもぎ取ります!」



霞「もう戦闘が始まってる…」

神通「各機注意を。 恐らく敵は、数でこちらを押してくる筈です」

萩風「最もポイントを持っているのは私達、狙われるのは当然ですね」

霞「もう来た… 敵機を目視で確認! 数12!」

神通「各機、交戦開始! 互いをフォローしつつ、自衛に徹します!」

霞・萩風「了解!」



襲い掛かる『ガンダムアストレア』の胸部へとサーベルを突き立て貫くジェガン。胸部を貫かれたアストレアはそのままスパークし、萩風がサーベルを引き抜くとそのままアストレアは爆散した。


「う、嘘… ガンダムなのに!?」

萩風「ガンダムだからと言って、作りこまなければ性能などたかが知れてる。 敵じゃ無いわ」


振り下ろされるアスタロトのデモリッションナイフ、シールドで防ぐが荷重に耐え切れず敵対していたジム・コマンドの腕パーツが弾け飛ぶ。


「そ、そんな!? なんで腕が!?」

神通「浅い嵌め方をすれば重量に耐え切れ無いのは当然です。 パーツを嵌める時は、パチリと言うまで嵌めなさい!」


サブアームで頭部をねじ切り、ジム・コマンドにマシンガンを放ち破壊する神通のアスタロト。

そしてフラウロスに向け3機のリック・ドムが襲い掛かるが…


「よし、ジェットストリームアタックってやつをやるぞ!」

「ああ!」

「アニメでやってたこの攻撃なら!」

霞「…ダインスレイヴ、発射」


フラウロスの左部キャノンから放たれたダインスレイヴの弾頭、その一撃が3機纏めて貫通した。

そして最後尾に居たリック・ドムに突き刺さったダインスレイヴの弾頭を引き抜き再度キャノンに装填し直す。


「う、嘘だろ!?」

霞「そんな3つ重なってたら、やれって言ってる様なモンでしょ」


そして霞のフラウロスがマシンガンを爆散せずに残った最後尾のリック・ドムへと押し当て引き金を引いた。


神通「第一波、撃破しました。 二人共、損傷は?」

霞「掠り傷一つありません」

萩風「とりあえず倒した機体から武装を剥いで… 使えそうなの、あるかしら…? これとか、切り残しがあるせいで上手く嵌って無いし」

神通「初心者ですから仕方ありませんよ。 第二波に備えます、二人共準備を」
97 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/20(水) 01:51:39.05 ID:7Gj8JKaz0
瑞鳳「うーん、ここまでは順調だね」

蒼龍「機体は確かに素組だけど、実力はちゃんとあるもの。並大抵の相手には負けないわよ」

海風「…」

朝雲「…なーんか、嫌な予感するわね」

榛名「…ええ。何か悪意が渦巻いています」

天城「…」ソローソロー

榛名「天城」

天城「ひっ…」

榛名「貴女も感じるでしょう、この悪意を」

天城「…はい。 学校のどこか… 校舎のあたりから何か…」

如月「…確かに、気配はあるけど…」

飛龍「…ん? 貴女も感じられるの?」

如月「二人程では無いけど… でも何か、嫌な予感が…」 



神通「第二波、クリア…!二人共、まだいけますね?」

霞「流石に補給はしたいところだけど… 何か、嫌な感じがします」

萩風「ニュータイプの勘、ですか?」

霞「私はまだニュータイプじゃない。 でも、変な感じ… 地区決勝と似た、何か…」


「な、何このガンダム!?」

「み、見た事… きゃあああああっ!」

「コイツッ…」


霞「何!?」

萩風「まさか…!」

神通「二人共、急行します! 続いて!」


『な、何だ!? 次々とチームが脱落していく!』


飛龍「何が起きて…」

蒼龍「理事長が何か仕込んだ…?」

瑞鳳「違う、こんな妨害に走るような真似をあの人はしない…!」

天津風「今モニターにチラっと見えたけど… 何か青い光が…」

朝雲「まさか、あの光…!」

海風「あの噴射光、間違い無い… 『スクランブルガンダム』…!」

榛名「天城! 野分さん、如月さん、秋月さん! 改RX-0、出します! 不知火さん、バトルシステム周囲から生徒の避難を!」

不知火「わかりました!」
98 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/20(水) 02:27:24.73 ID:7Gj8JKaz0
「見せて貰うぞ。 粒子対応試作機、その力… 私達の『裁き』に使えるかどうか」


屋上から不敵に笑う男、そして男は去る。『裁き』と言う言葉を残し、高笑いをあげながら。

そしてバトル中の神通達の辿り着いた先、そこには無数の残骸が宙に浮いていた。


神通「これは… 酷い…」

霞「どうなってるのよ、これ…」

萩風「どれもこれもが完全に破壊されてる… 生存機は、無し…」


3機はそれぞれ警戒し、周囲を見回す。 そして神通達が3機のMSを捉えた。

その機体を3人は知っている。彼女達の仲間たる海風、彼女に与えられた機体と同型機であり10機近くが強奪されたとされる機体…


神通「『スクランブルガンダム』…!」

霞「どうしてあの機体が…!?」

萩風「まさか… 朝雲さん達が見つけた人間が、あの機体を…!」


そして神通達に3機のスクランブルが同時に襲い掛かる。

突撃するスクランブルの攻撃を避け、背中合わせとなる三人。 そして3機の隙を窺うが…


霞「あの機体、想像以上に速い…!」

神通「流石、粒子試作機と言った所でしょう…」

萩風「今の機体では、絶対に勝てない…! どうすれば…」


そして再び襲い掛かろうとする3機のスクランブル、だがその軌道上に2条のビームが放たれその進路を塞ぐ。


「そこまでだ、乱入者!」

神通「もう1機のスクランブル!?」

霞「あの装備、海風!」

海風「3人共、無事ですね!」

萩風「よく間に合いました…!」

海風「この機体、無駄に足だけは早いようで。 MS5機牽引しても余裕で一番乗りでした」

霞「5機…?」

朝雲「そう言うこと! 私達も居るわよ!」

萩風「『シームルグ』、もういけるんですか?」

朝雲「いけるわ、コイツなら…!」

天津風「全く、新型のお披露目がこんな形になるなんて」

神通「その機体、確か…」

天津風「『ガンダムハルートボーライド』、私の新型です」

瑞鳳『3人共聞こえる!』

神通「瑞鳳さん!」

瑞鳳『スクランブル相手にその機体は無理! 代わりの機体を牽引させたから、操縦権を移行させて!』

神通「代わりの機体…?」
99 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/20(水) 03:04:43.86 ID:7Gj8JKaz0
萩風「私のエクシア… 分かりました、操縦権を切り替えます!」

霞「これは…?」

蒼龍『私用の新型『ガンダムダブルエックス・クロイツ』よ。 一時だけど、貴女に貸してあげる』

霞「わかりました。 お借りします!」

神通「『ガンダムエピオン・クロイツ』… お借りします!」


参戦
・スクランブルガンダムCF装備(海風)
・シームルグ(朝雲)
・ガンダムハルートボーライド(天津風)


機体乗り換え
・ガンダムアスタロトリシナメント→ガンダムエピオン・クロイツ(神通)
・ガンダム・フラウロス→ガンダムダブルエックス・クロイツ(霞)
・ジェガンA2型→ガンダムエクシアルベルム(萩風)


ガンダムダブルエックスクロイツ
武装
・ツインバスターサテライトキャノン×1
・ハイパービームソード×2
・DX専用バスターライフル×1
・ブレストランチャー×2
・マシンキャノン×2
・ヘッドバルカン×2
・アブソーブ・ディフェンスプレート×1

概要
蒼龍用に瑞鳳が新造した新型の機体。
ツインサテライトキャノンは固定式ではなく手持ち式のヴェスバータイプに変更され取り回しが良くなっている。
また独自技術により各部に存在するソーラーパネルによってサテライトシステムに頼らずともキャノンの発射が可能。
そしてシールドは瑞鳳の新技術?たる『アブソーブシステム』を内蔵。敵のビーム攻撃を吸収する特性により防御能力と継戦能力を高めている。
因みにこの技術、『ハシラジマ』からの頂き物を改良したもの。つまり『別世界の瑞鳳』の技術を独自昇華した技術。
そして『ツインバスターサテライトキャノン』の名前の通り、サテライトキャノンを連結させ超出力砲撃を行う事が可能。これはシームルグの技術流用のものだが、威力はシームルグのそれを遥かに超える。
連射性・取り回し・威力、その全てを向上させた『最強の矛』を持つ瑞鳳製の機体であり、その担い手である砲手の蒼龍はこの機体を軽々と使いこなす。


榛名「こちら榛名、これより参戦します。 これよりスクランブル部隊を分断、各個撃破へと移行します!」

天城「1機はこちらで引き受けます。 如月さん達はもう1機、そして神通さん達は残りの1機を!」

如月「野分ちゃん、秋月ちゃん! やるよわ!」

神通「海風さん、指示を! 止めます、あの機体を!」

海風「了解!」


スポット参戦
・RX-0[F] フェンリル(榛名)
・RX-0[S] スレイプニル(天城)
・RX-0[E] エイクスュリュニル(秋月)
・RX-0[Ra] ラタトスク(如月)
・RX-0[Fv] ファヴニール


海風「フリューゲルヴェント全機! 目標、敵対するスクランブルガンダム! あの機体を破壊、もしくは拿捕します!全機、攻撃開始!」

全員「了解!」


行動安価 直下
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 09:58:35.29 ID:+LAMUxaW0
ハルートのミサイルとDXのツインサテライトキャノンで敵を分断後1機は天城達に任せて残りは神通、海風、天津風と霞、荻風に別れて対応
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 10:00:15.46 ID:+LAMUxaW0
朝雲は霞側にを追加で
102 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/21(木) 01:59:46.74 ID:mcaT0Eqs0
海風「来ます、各機散開!」


真っ直ぐ海風達へと突撃する敵のスクランブル、そして全員が回避機動を取ると霞の操るDXへとライフルを放つ。

霞がディフェンス・プレートを前に翳すと内部の機構が露となり、その粒子ビームを吸収する。


天津風「ビームを消した…!?」

瑞鳳『アブソーブシステムだよ! 粒子ビームを吸収して、自身のエネルギーへと転換するの!』

霞「凄い… どんどん内部粒子が溜まる…!」

海風「霞! サテライトキャノン、使えますか!」

霞「どうする気?」

海風「ハルートのミサイル一斉射と同時にサテライトを放って敵を完全に引き離し孤立させます!天津風さん、斉射用意!」

天津風「でも、このフィールドに月は…」

瑞鳳『いや、撃てる。 さっきのアブソーブの粒子、そして月は無くとも『太陽』があるから』

霞「太陽…?」

瑞鳳『サテライトシステムが使えないときのために用意したのよ。 リフレクターにソーラーパネルとしての機能を持たせる事で、太陽光をサテライトシステムの代替として使えるの!』

霞「なら撃てる…! ソーラーシステム起動! 全機、射線から退避して!」

海風「了解! 全機、援護しつつ退避!」


海風達が攻撃でスクランブルを押さえ込み気をそらす。 そしてその間に粒子を集束させる霞のDX。

そして粒子が砲身に集まり、霞は照準を合わせ…


霞「出来たわ!」

海風「二人共!」

霞「ツインサテライトキャノン! 行きなさい」

天津風「ミサイル一斉発射!」


一斉に放たれる超大出力砲撃と大量のミサイル。 3機のスクランブルは辛くも回避するが全ての機体が分断され、それぞれに榛名達が襲い掛かる。


榛名「NT-D… 行きなさい、スライサービット!」

天城「NT-D! プラフスキー・マテリアライゼーション! 刀身展開!」


如月「行くわよ… NT-D、起動!」

野分「NT-D起動! マテリアライズ!」

秋月「NT-D、起動します!」


海風「先輩! フォーメーション・ツインエッジ! 天津風さんは援護を! 霞さん達は砲撃をしつつ敵の動きを絞ってください! 萩風さん、貴女には絞めを任せます!」

霞「わかった!」

萩風「了解です!」

神通「海風さん、この機体恐らく…」

海風「ええ。この機体は無人機、システム内蔵の自動操縦かと。 動きが早いけど、単調過ぎるので」

神通「なら、対処は余裕です…!」
103 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/21(木) 23:08:30.69 ID:mcaT0Eqs0
海風(軌道予測開始。 これまでのパターンから回避軌道を推測、続いて行動パターン算出…

敵行動予測完了、最適行動を算出。 勝利への最短、そして最善のルートを捉えろ…!)


海風の脳が高速回転を始め、未来を予測し『最善の勝利』への道を構築していく。

そして海風が手を伸ばした先にある未来へと辿り着く為、海風は行動を指揮を執る。


海風「二人共、今です!」

神通「了解!」

天津風「まずは、私から!」


ハルートから放たれる大量のミサイル。 無人のスクランブルは回避機動を行い、ミサイルをその運動能力で引き剥がす。

だがそのミサイルが無人のスクランブルの周囲で炸裂し爆発が視界を奪う。


海風「先輩!」

神通「いきます!」


変形しMSとなったエピオンと海風のスクランブルが正面と背後から挟み込む。 同型機の海風、そして瑞鳳製の機体を使う二人なら余裕で追い付くことが出来る。

そして互いにカレトヴルッフフェーダーと日本刀による斬撃が無人のスクランブルへと放たれるが、スクランブルはサーベルを展開してその一撃を間一髪で防いだ。


海風「ですが、そこまでです!」

朝雲「コイツを、受けろ!」


シームルグのシェーバティールから放たれた実弾狙撃、その一撃が直撃し無人のスクランブルは吹き飛ばされる。

機体のダメージは軽度だが受けた衝撃により体勢が崩れた。


霞「ツインサテライトキャノン、バスターモード! いきなさい!」


サテライトキャノンを連結させた霞の砲撃が無人のスクランブルへと放たれるが、ギリギリの所で直撃は避けられる。しかし咄嗟の出来事でサーベルを喪失し、近接の手段を失う無人のスクランブル。

そして『最優先標的』たる霞を目がけライフルを向ける無人スクランブル。 しかしそれを逃がす程神通は甘くない。


神通「奥義・天剣、絶刀!」


神速で振り下ろされる刃、その勢いが生み出した衝撃波が刃となってスクランブルを襲う。 本体にこそダメージは無いが無人スクランブルは武装を失った。

そして海風は最後の札を切る。


海風「やってください、萩風さん!」

萩風「了解!」


ステルス機能で身を隠した萩風のエクシアがスクランブルの目の前に現れ襲い掛かった。 無人スクランブルは迎撃しようとバルカンを放つが萩風は容易く回避し背後へと回り込む。

そしてエクシアの背部に装着されたバインダーから2本の刃が射出され、スクランブルへと突き刺さる。


萩風「マガノイクタチ… これで『詰み』よ」


ケーブルを介し粒子を奪われるスクランブル。 逃れようともがくが粒子をどんどん奪われ徐々に機能を喪失していく。

そして最後は抵抗すら出来なくなり、そのまま機能が停止した。


萩風「ふぅ… 敵機、拿捕しました」

海風「戦闘、終了」
104 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 00:34:21.23 ID:CzUg2k6S0
2機の連携でスクランブルを追い詰める榛名と天城、表舞台に出る事は無いがその実力は世界水準以上の能力を誇る二人にとってこの程度の相手は容易く追い詰められる。

そして榛名と天城はこの機体を残し、もう一度強奪される可能性を鑑み敢えて『破壊』する為に切り札を切った。


榛名「コード・ブレイヴ! 粒子集束開始!」


背中に背負ったタクティカルアーズムズUL改をアローモードへと変形させ携える『フェンリル』。

そして粒子が集束し、榛名はそれを解き放つ!


榛名「穿ちなさい! エクサブレイヴ・シュート!」


放たれる極大のビーム、そしてそのビームが結晶化し巨大な粒子結晶へと姿を変える。

そして粒子結晶がそのまま砕け、5つに砕けた破片がスクランブルへと襲い掛かりその四肢と胴を貫き磔にした。


榛名「天城!」

天城「コード・ブレイヴ! オーバーマテリアライズ!」


粒子の刃が砕けレーヴァテインの刀身が展開し、そして巨大な粒子の刃が形成される。

そしてスレイプニルが一直線にスクランブルへと距離を詰め、その刀身を振り下ろす!


天城「プラフスキー・バスター・ソォォォドッ!」


刃はスクランブルガンダムへと叩き付けられ、その質量に耐え切れなくなったスクランブルは真っ二つに割れる。

そして四肢と胴を貫いていた粒子結晶が膨張を始め…


榛名「神狼の牙よ、爆ぜろ!」


大爆発を引き起こし、その残骸を吹き飛ばした。

そして残る1機、如月達が交戦中の機体も徐々に追い詰められていく。


野分「シャドー、オバーマネージング! これを、受けろ!」


大量に分身したファヴニールの結晶化の拳がスクランブルへと放たれ、回避できずに直撃を受ける。

そして秋月のエイクスュリュニルの放ったスライサービットから鎖状の粒子結晶が射出され、スクランブルを縛る。


秋月「グレイプニル! これでもう、逃げられません!」

如月「これで、決めるわよ! コード・ブレイヴ、プラフスキー・スクロペトゥス!」


ラタトスクから超大出力のビームが放たれ、そのままスクランブルを飲み込む。

逃げられないスクランブルはその直撃を受け、残骸も残らず消し炭となりこの世界から完全に消失した。


BATTLE ABORTED
105 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 00:53:39.37 ID:CzUg2k6S0
『な、なんて凄い戦いだ! 乱入した謎の機体を、ガンプラバトル部の部員達が撃破したぞ!』


瑞鳳「皆、大丈夫!?」

神通「はい。 大丈夫でした」

萩風「それより、発症者は?」

蒼龍「ゼロよ。 今回はね」

飛龍「あの機体、キャリアーが操縦した訳じゃなかったから誰も感染しなかったみたい」

天津風「良かった…」

海風「でも、疑念はあります」

霞「あの機体、私を執拗に狙ってきた」

朝雲「確かに、あれは誤魔化せ無いわ。 明らかに霞が狙われてる」

榛名「皆さん、ご無事ですね?」

瑞鳳「ええ、こちらや他の被撃墜者に被害はありません」

天城「しかし… あの機体、天城達には平等に攻撃を加えてきましたが如月さん達は如月さんが執拗に狙われたようです」

如月「如月と『ラタトスク』も舐められたものね…」

野分「でも、そのお陰でやり易くはあったけど」

秋月「はい。 如月に集中してくれたお陰で、何とか捉えられました」

瑞鳳「…確か、如月ちゃんもなんだよね」

如月「ええ。どうやら私も、『進化の可能性』を持ってるらしいのよ」

榛名「霞さんのような完全なNTではなく、榛名達のようなその『途上』の人間のようですが」

瑞鳳「逆に言えば、霞ちゃんが唯一無二のニュータイプって事になるのか…」

榛名「取り敢えず、競技を続けるのは難しいようです。 生徒の皆さんのガンプラも大半が損壊していますし」

瑞鳳「大会運営に中止の進言をしてきます。 神通ちゃん、付いて来て」

神通「わかりました。 あと機体、お返しします」

瑞鳳「霞ちゃんも、DX返して」

霞「あ、はい。 どうぞ」

瑞鳳「えっと… 傷は無いね。 あとはサテライトキャノンの砲身の交換で済むか」


霞(その後、種目の継続が難しいと判断されたバトルは中止となり私達の体育祭は終わりを迎えた)
106 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 01:46:01.78 ID:CzUg2k6S0
『そして、本日の優勝は… 全種目優勝、イカれた記録を残した学内の中でも選りすぐりのバケモノ連中を揃えたガンプラバトル部だ! バトル部には野球部の余剰予算が全て譲渡されます!続いて…』


神通「ば、バケモノ…」ズーン

海風「…まぁ、あながち間違いでは無いでしょうけど…」

霞「正直にバケモノ呼ばわりされるのはちょっと嫌ね…」

天津風「それ私も含まれてるの!?」

朝雲「このイカれ部活に所属している時点で同類よ、アンタも」

萩風「ええ。 所属している時点で同類でしょう」

瑞鳳「その部員を育成してるのが私なんだけどねぇ」

愛宕「…瑞鳳が育てると、こうなっちゃうのよね」

蒼龍「ガンプラの教え子は皆世界クラスファイターになるし…」

飛龍「ある意味凄い才能よ、これ」


神通(そして優勝し、予算を手に入れた私達はようやく全国大会のスタートラインに立てるようになりました。しかし…)


帰路にて…


霞「じゃあ天城さんは暫くウチに泊まる、ってことで…」

海風「確か布団のストックは… ああ、ありました」

天城「護衛として、全力で務めを果たし… ッ…!」ピキィン

神通「これは… 二人共、私と天城さんから離れないで」

海風「え…?」

ブロロロロロ…

霞「この車、外車よね…」

海風「リムジン、しかも上位クラスの…」

「お待ちしておりました。 『未来を視る者』、そして『革新する者』」

天城「貴女は…!」

「あら、天城さん。 貴女も来ていたとは好都合です」

神通「この人は…」

天城「コスモ・クルス教団、その教祖です…!」


シェリンドン「お三方はお初にお目にかかります。私はシェリンドン・ロナ、人の世に平和を齎す為、そしてその才を持つ貴女達を『裁き』から保護しに参りました」


海風(そして、海風達と未来を巡る戦いの歯車が急加速を始めたのでした)


第11話『体育祭は大波乱!?』終
107 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 03:08:21.51 ID:CzUg2k6S0
第12話『コスモ・クルス』


神通「シェリンドン・ロナ…」

海風「…海風は以前、貴女方のお誘いは断った筈ですが」

シェリンドン「ええ、貴女の事は以前から聞き及んでいます。 スカウトが動いた中で、今年の我がバビロニア学園に入学しなかったのは貴女だけでしたから」

霞「海風…」

シェリンドン「ですが、去年スカウトが貴女の下を訪れた時とは状況が違います。 『裁き』、貴女方が昏睡病と呼ぶものが貴女達を滅ぼそうとしている。

貴女方を保護し、来るべき時まで守らねばならない義務があります。 特に『未来を視る者』と『革新する者』、今はまだ『革新に近き者』でしょうか? お二方は世界の命運を握る、重要なファクターとなりうるのですから」

神通「…言いたいことは、それだけですか?」チャキッ

天城「二人共、言葉に惑わされないでください。 彼女はまだ『本音』を語っていません」チャキッ

シェリンドン「随分と野蛮な… 私が退かないなら武具で脅す、天城さんには期待していましたが残念です」

天城「どうとでも言って下さい。 天城には姉さんから授かった『二人の守護』と言う使命があります。

その信を天城は裏切る訳には参りません」

神通「我が剣は守護の剣、二人に仇なすと言うのであれば… 例えなんであろうと切り裂くまでです」

海風「霞」

霞「言いたい事は分かってる、海風。 シェリンドン・ロナ、悪いけど… 私達にはやらなきゃならない使命があるの」

シェリンドン「『裁き』と戦うとでも?」

海風「ええ。 貴女は海風達を守ると言いました。 しかし、そこには『他者』は含まれていない。

進化する人間だけを選りすぐるなど、明らかにこちらの意思とは反しているでしょう」

シェリンドン「全ての人間を救うなど到底不可能なことです。 『裁き』が大規模な行動を行えば多かれ少なかれ犠牲は出るでしょう。なら優れた人間が生き残れば良い、そうではありませんか?」

霞「そもそも前提が間違ってる。 私達はそれが起きる前に止める、って言ってんのよ」

シェリンドン「まさに無謀で愚か、としか言い様の無い選択ですね。 貴女達のせいで、被害が拡大しているとしても?」

天城「どう言う、ことですか…!」

シェリンドン「分かっている筈です。 既に、貴女方のせいで被害者が生まれてしまった」

海風「スドウ・シュンスケ、ですか」

霞「どうしてあの薬物中毒男が…」

海風「彼が警察に連行される前、何を言っていたか忘れましたか?」


スドウ『お前達が、悪いんだ! この化け物! お前達みたいなのが存在するから!』


スドウ『何もかもだ! お前達が存在するからこうなったんだ! 勝てないと思ったからより強い力が欲しくなるのは当然だろ!?

お前達のような化け物に、人間の気持ちがわかってたまるか!』


霞「あ… でも、アイツは加害者よ…!」

海風「その巻き添えを受けたサカシタ・ヨミとヤス・メグタ、この二人は被害者です。そして今も目を醒まさない…

確かに、貴女の言う事にも一理はあります。 海風達が歩き回っているから被害が増える、ある意味正しいかもしれません」

神通「海風さん…」

海風「だからこそ、一刻も早くこの事態を解決せねばならない。 それが海風達の背負うもの、そして被害を生んでしまったことへの贖罪です」

シェリンドン「成る程… そう言う考えもある、と言う訳ですか」

霞「だからこそ、私と貴女達の道は交わらない。 戦うと決めた以上、もう私達は立ち止まれないのよ」
108 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 03:41:19.10 ID:CzUg2k6S0
シェリンドン「本当ならば貴女達自身の意思で来て欲しかったのですが、仕方ありません」

天城「ッ…! 下がってください!」

シェリンドン「もう遅いです」

シュウウウウウ

霞「な、何これ…」

海風「! 伏せて! ケホッ… ガス、です…!」

神通「くっ… 力が、入ら、な…」ドサッ

霞「せ、せんぱ…」ドサッ

海風「ケホッ… あま、ぎ、さん…!」

天城「力が、入らない…!なんて、卑怯な…!」


シェリンドン「この四人を回収してください」

「ハッ。 しかし、この刀を持った少女は…」

シェリンドン「この人は彼女達の護衛、それにここに放置し我々の行いを知られる訳には参りません」

「承知いたしました」



「…こちら『ホーク』。 『ウルフ』、応答を」

『『ホーク』、どうかしましたか?』

「ターゲット・ロスト。 どうやら教団に攫われたようです」

『案の定、動きましたか… 『リーフ』『コブラ』に連絡、潜入準備を』

「はる、『ウルフ』は?」

『『シュガー』と一緒に救出作戦を練ります。また既に『ルベルム』が動いている、と『クリムゾン』からは連絡が』

「…早く無いですかね?」

『彼女、ターゲット達と合流するまで独自行動を行ってましたからね。 もう調べもついているのでしょう。

潜入後、もし『ルベルム』と合流出来る事があれば施設の情報を聞いておいてください』

「了解です」

『頼みます。 こちらとしては愛する妹が攫われて少しばかり殺気立ってるもので』

「…やっぱりそう言う関係なんです?」

『勘違いはしないでください。 流石に実妹はちょっと…』
109 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/25(月) 01:02:08.03 ID:tcT3/I8V0
《1時間後 霞の家》


瑞鳳「やっぱり、居ない…!」

松風「ああ… 榛名から聞いては居たけど、本当に拉致されたようだ」

野分「でも、門下生の神通さんや槍上手の天城さんが居たのにどうやって…」

瑞鳳「…多分、薬関係だと思う」

蒼龍「あ… 瑞鳳ちゃん達の体質…」

瑞鳳「私達の家族、と言うか私とお母さんは薬が多少効きやすいの。だから睡眠薬とかすぐ効いて眠っちゃう…

多分睡眠ガスでも使われて無力化されたんだと思う」

飛龍「神通ちゃんも血統、同じ体質でも不思議じゃないか…」

如月「でもまさか、この家の合鍵持ってたなんて…」

瑞鳳「霞ちゃんから貰ったの。 まぁ、多少は信頼されてるみたい」

秋月「しかし、どうやら私達以外の侵入者も居たとは…」

照月「衣服の類が一部無くなってるなんて… しかも棚とか荒れてた」

初月「どうやら榛名達の言う『タイムリミット』まで本気で匿うつもりのようだ」

瑞鳳「…確かに、あの子達にはそれが良いかもしれない」

飛龍「瑞鳳…」

瑞鳳「あの子達は本来戦っちゃいけない立場なのに私が戦いに巻き込んだ。だから戦いの無い、平和な場所に居てくれるのが本当は…」

蒼龍「…だからって、見過ごすの?」

瑞鳳「それは… したくありません。 あの子達は私が守る、それが私の『責任』だから。

あの子達の戦いを終わらせる訳にはいかない。まだ始まってすらいないのに、諦めさせるなんてさせたくない」

弥生(姉さん、本気だ…)

不知火(ああなった姉さんは、もう止められません。深海棲艦の泊地だろうと、軍隊全てだろうと一人で叩き壊す覚悟の目…)

舞風「どうする気なの…?」

瑞鳳「皆はホテルに戻って。 ここからは、私達がやる。 蒼龍さん、基地の実戦用MSを稼動状態へ移行させてください。

ブリッツとバスターとケルディムを優先、飛龍さんは春雨ちゃん達に連絡を。 あの子達の力、借りるかもしれません」

飛龍「瑞鳳は?」

瑞鳳「浜風ちゃんと作戦を練ります。 第一目標は海風ちゃん達の救出、第二に拉致被害者全員の救助と設定。教団の全滅も、視野に入れてください」

蒼龍(やばい… あの目は『本気になり過ぎた』目… 皆殺しも辞さない、最悪の目よ…!)

飛龍(どうにか止めないと…)

朝潮「…姉さん、これ」

瑞鳳「…これ、あの子達の機体?」

飛龍「でも未完成ね…」

蒼龍「…MS、整備に時間がかかるわ。 少なくとも1日、待ってほしい」

飛龍「それに乗り込むにしても相応の準備が要る。 私達や春雨ちゃん達にも武器は要るし、まだ場所の情報も無い。

瑞鳳はその2機、そして海風ちゃんの機体を完成させて。 バビロニア学園にはバトル部があった、もしかしたら今日のように何者かがスクランブルを仕込むかもしれないわ」

瑞鳳「…分かりました。 やります」
110 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/25(月) 02:03:14.47 ID:tcT3/I8V0
《その頃 ???》


神通「うぅ…」

海風「先輩! 良かった…」

神通「ここは…」

海風「…コスモ・クルス教団、その拠点のようです」

神通「やはり… 霞さんは…?」

海風「天城さんと一緒に、別の部屋に居ます」

神通「分けられてしまいましたか… すみません海風さん、これは私の不覚です」

海風「いえ… もっとその可能性を予測すべきでした。 話し合いで済む筈無いのに、強行手段を使うと想像出来なかった海風の不覚でもあります」

神通「貴女に不覚はありません。 …一先ず、ここから脱出すべきです」

海風「ドアは… 外側からロックされていました。 この部屋、まるでシェルターみたいにお風呂やトイレまで準備されています。武器や携帯は取り上げられて、外に連絡する事すら叶いません」

神通「まずは… 扉を叩き壊します」

『無駄ですよ』

神通「ッ…!?」

海風「スピーカーですか… それにこの声、シェリンドン・ロナ…!」

シェリンドン『そのドア、そしてこの施設の壁はこの世界で最も硬質な素材で出来た外壁です。 まず普通の人間では壊せません。

それに私達には二人のうちどちらかが生きていれば良いのです。 もうお分かりですね?』

神通「不審な動きを取ればもう片方を殺す、と…!」

シェリンドン『さぁ? では後ほど、ご一緒に夕食でも頂きましょうか。 貴女達とはもっとお話をする必要がありますから』

海風(恐らくこの部屋は監視されている… 迂闊な行動は出来ません)

神通(この壁程度なら破壊は出来ますが、人質を取られている以上チャンスを伺うしかありません…!)

シェリンドン『ふふっ… では、また後ほど。 欲しい物などがあれば、そこの紙に書いて扉の下を潜らせてくださいませ』ブチッ

海風「…この部屋の内装と言い、完全なVIP待遇のようです」

神通「それに… 私達の衣服の類も盗み出してきたようで… 私のトラップに引っかからなかったのは少し残念ですが…」

海風「次からは萩風さんに頼みましょう…」

神通「あの子は平気でクレイモアや地雷の類を仕掛けようとするので駄目です…!」

海風「しかしこの部屋、完全な監視体制です。 脱走の為に必要な道具は流石に用意してくれそうにありませんが… 試しに宝石でも頼んでみます?」

神通「こんな時に何を…」

海風「1日1回原石を愛でないと落ち着かないんです…」

神通「アリスタでも愛でててください」

海風「試しにアクアマリンの原石でも…」カキカキ

神通「試さないで下さい!」

海風「物は試し、って言うじゃないですか…」スッ


数分後…


「…ご注文のものです」

海風「…確認しました、ありがとうございます」

「では失礼します」

神通「本当に宝石持って来ましたよ…!?」

海風「しかも注文通り、アクアマリンの原石… 相場で言えば10万円程の…」

神通「何でこんなものを数分で用意出来るんですかね…」


イベント 直下
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 08:19:15.82 ID:2H2QfbzN0
外が妙に騒がしくなった
112 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/26(火) 03:08:27.13 ID:ZpWnuw990
「こちら『リーフ』、作戦行動開始します。以降はコードネームを『ボマー』に変更、どうぞ」

『了解。各自変更開始、点呼どうぞ』

「『コブラ』改め『リッパー』、了解」

「えっと… 『ホーク』改め『ハイヤー』どうぞ」

『では… 『ウルフ』改め『フィクサー』、及び『シュガー』改め『ダイバー』… 作戦の確認を行います。

作戦は明日のフタマルマルマル、それまで我々は『嫌がらせ』… 敵を可能な限り疲弊させます。 第一陣は『ボマー』と『ハイヤー』そして『リッパー』が、第二陣は『フィクサー』『シュガー』が行います』

「好きにやっちゃって良いんだよね?」

『人を殺さなければ何でもどぞ』

「なら… 好きなようにさせて貰います!久々に、爆破するとしましょう!」


警備員A「ん…? トラックか?」

警備員B「いや、今日は何も予定は… ッ…!?」

ブロロロロロ…

警備員A「無人!? ヤバイ、突っ込んでくるぞ!」

ドゴォォォォォォォォォ

警備員B「くっ… バカが! この施設の外周周りの壁がトラックが突っ込んできた程度で…」

「よっと… ノロマね」バキィツ

警備員B「がっ…」ドサッ

警備員A「ひっ… 至急増え… うぐっ…」ドサッ

「それに反応が遅い。 アンタ達、訓練不足にも程があるんじゃないの?」

『な、何が起きた! 応答しろ!』

「あーあー… 今から乗り込むから、覚悟してね」ブチッ

「なんでそう盛大に喧嘩売るの…?」

「だって、あくまでも『ボマー』から目を逸らすためだもの。 盛大にやらないとね。 『ルベルム』も動き出すだろうし」

「わかってるけど… 引き際は見誤らないでね?」

「分かってるよ、プロだもん。 さて、援護お願いね!」



《その頃…》


海風「振動…?」

神通「まさか、お母様が動いた…?」

海風「まだ捕まって2時間程度です… こんなに早く動くなんて…」

「いえ、今動いているのは青葉さん達です」

神通「なっ… 萩風!?」

萩風「シッ…! 今監視カメラを一時的に切断してますが、見張りはまだ居ます。 大声は出さないで下さい」

海風「どうしてここに…」

萩風「別件、個人的に追ってたことがあったので潜入したら姉さん達が捕まってきたんです」

神通「そう言う事ですか…」

萩風「先程青葉さん達と打ち合わせしました。 今のはあくまでも嫌がらせを兼ねた陽動、本格的な救出は明日のフタマルマルマルとなります。

それまで大人しくしていてください。今の段階では、私一人分の脱走経路しかないから救出はできません」

海風「明日の夜、ですか…」

萩風「今の話は霞さん達にも私がしておきます。 なので二人共、大人しくしていてください」
113 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/26(火) 05:30:22.30 ID:ZpWnuw990
萩風「念のため、これを。 小型の無線機です。 今は使えませんが、然るべき時には使えるようにしておきます」

海風「使え無い…?」

萩風「この施設には電波を遮るジャミング設備があるようです。 外部との交信は現状不可能、と考えてください」

神通「と言うかここどこなんです…?」

萩風「奥多摩の辺りです」

海風「もしかしてここ、バビロニア学園の本校じゃ…」

萩風「その通り、ここは学園の地下です」

神通「バビロニア学園ってそんな山奥にあるんですか!?」

海風「一種の宗教施設ですからね。 山奥の方が誰も寄りませんし」

萩風「『ブッホ・コンツェルン』の工場用地の予定でしたからね、ここ」

神通「ブッホ・コンツェルン、確かアナハイムには及ばないものの複合企業としては世界有数の企業でしたが…」

萩風「元々は戦争等で出た廃品のリサイクルなどを行っていた所謂サルベージ屋でした。しかし1代で複合企業体まで育ったある種のバケモノ企業です。

今では独自の軍事組織、PMCなんかでは無い『私兵』を有するまでに到っています」

海風「私兵…!?」

萩風「独自調査の結果ですが… この学園、その兵士育成も兼ねているとのことです。いずれはどこかの国で、貴族主義国家をでっちあげるつもりでしょう」

海風「イカれてます… 今更、貴族なんて…」

萩風「そんな思想ばかりを持った人間が、ここに居るのです。 くれぐれも発言には注意を」

神通「分かりました」

萩風「では私はこれで撤収します。 二人共どうか我慢してください」



「ボマー! そっちどうなってんの!」

「設置完了、花火の準備は出来ました!」

「ハイヤー! 荷台に積んでた車で脱出するよ!」

「わかった! ボマー、早く!」

「じゃあ、点火!」


ドゴォォォォォォォォォ


警備員C「ば、爆発!?」

警備員D「消火活動急げ!」


「うわぁ、派手にやるねぇ… さっすが、3年振りなのに全く衰えて無い」

「やっぱり爆薬は南米産に限ります。 美しさがダンチですよ」

「ごめん、そのノリ未だに解らない…」

「えっと… こちらハイヤー、撤収開始します」

『フィクサー了解。 3人共、流石榛名の部下です』

衣笠「えっとフィクサー… 自分でバラしてる」←リッパー

榛名『何を今更…』

青葉「まあコードネームとかほぼネタですし」←ボマー

古鷹「じゃあ何でつけたんですか…」←ハイヤー

榛名『本名バレはちょっとキツイじゃないですか。それに榛名に関しては身元割れてますし』

青葉「まぁ彼等のターゲットの一人ですからねぇ、フィクサーは」

榛名『そこが一番厄介なんですよねぇ… では3人共撤収と再攻撃の準備を』

114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 09:50:43.82 ID:Jl5g8RNI0
コードネームの元ネタはミッシングリンクのスレイブ・レイスか
115 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/27(水) 03:51:27.20 ID:z+ARNFq30
コンコン

「失礼します。 シェリンドン様がお呼びです」

海風「先輩…」

神通「行きましょう」


《地下施設 食堂》


シェリンドン「お待ちしておりましたわ、お二人共」

海風「霞達は… 二人は?」

シェリンドン「先にお待ちになっております。 どうぞこちらに」

霞「海風、それに先輩…!」

神通「良かった…」

シェリンドン「言いましたよ。貴女方が何もしない限り、手出しは致しません」

天城「どうやら『今の所』、その言葉は偽りでは無いようですね」

シェリンドン「…どう言う事でしょうか?」

天城「さぁ? 気に触りましたか?」

海風(な、なんでこんなに挑発してるんですか…?)

霞(榛名さんに会えなくて、しかも自分の目標を果たす事も出来なかったから荒れてるのよ…)

シェリンドン「まぁ良いでしょう… では皆様、食事に致しましょう」


海風(…食事、無駄に豪華ですね)

神通(…フランス料理より中華料理が良かったです)

霞(…和食食べたい)

天城(…間宮さんの料理の方が美味しいです)

シェリンドン「…皆さん、何かご不満が?」

全員「いえ、何も」

シェリンドン「…」

天城「…ここに全員集めた、と言う事は何かあるのでしょう? 食事など、個別の部屋で摂らせれば良いものを」

シェリンドン「ええ。私は、貴女達とお話をして相互理解をしたいと思いまして。 特に私達、『コスモ・クルス教』について知って頂こうかと」

海風「『人の生命は魂の修練場である』、貴族主義をベースにした教義でしたね。そして『特別な力』を持つ人間を『神によって争いを無くす為に力を与えられた人間』として集め、貴族として育て上げること。

海風のスカウトに訪れた人間が持っていたパンフレットにはそう書いてありました」

シェリンドン「ええ、仰る通りです。 そしてここに居る皆様は我々の掲げる『貴族』に相応しい人間です」

神通「…私も、ですか?」

シェリンドン「ええ。 貴族とは血筋などではなく『高貴な精神』や『高い能力』を持つ人間こそが名乗るに相応しいものです。

選手権地区決勝において貴女は自身を犠牲にしてでも単身で『裁き』に立ち向かった、その精神はまさに貴族に相応しいと言えるでしょう」

霞「冗談じゃ無いわ、貴族なんて…」

シェリンドン「それにこの世界で始めて『本当の進化』の戸口に立った者、未来を視ながらも恐れず友の為に立ち向かう者、姉妹の為に自ら進んで戦に身を投じる者…

高潔な精神を持つ貴女方を貴族と呼ばず、何を貴族と呼べと? だからこそ貴女達を『保護』致しました。共により良い未来を目指す為に」


イベント 直下
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 09:17:23.60 ID:CSmeaSPy0
バビロニア学園バトル部との模擬試合を提案してみる
117 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/28(木) 03:32:53.63 ID:zuVYlXQ/0
シェリンドン「そうですわ! 貴女達、我が校の学生と模擬戦をしてみませんか?」

海風「模擬戦?」

シェリンドン「貴女達はガンプラバトルで全国大会に昇り詰める強いファイター、そんな貴女達の戦いをこの目で見てみたいのです。

もしかすれば、共に轡を並べて戦うこともあるかもしれませんし」

霞「確か、バビロニア学園は…」

海風「イズナさん率いるチームに敗退しています。 ほぼ単機相手に圧倒されて」

シェリンドン「…」

神通「機体は『ベルガ・ダラス』『デナン・ゲー』『デナン・ゾン』、CV系統の機体でしたね。確か1/144のキットは無いのでフルスクラッチでしょう」

シェリンドン「ええ、我が校の優秀なビルダーが…」

海風「でも素組のデスティニーガンダム単機に全滅させられました」

シェリンドン「…」

天城「そしてそのチームを破ったのが海風さん達ですよね」

海風「榛名さんからガン=カタを教授されたとは言え実戦経験が浅かった朝雲さんがイズナさんを倒し、海風と先輩が残る二人を倒しました。

確かに機体スペックでは朝雲さんのストライクがデスティニーより秀でていましたが、優秀な成績を残したボクサー相手に狙撃機で肉弾戦をやって勝っています」

天城「朝雲さんの適応力は異常としか言えませんが… ガンプラは性能差があっても頑張れば実力で覆せます。覆されたと言う事は…」

海風「正直… その程度、と言う事です」

シェリンドン「…」

霞(海風、ちょっと喧嘩売ってない!?)

神通(言いたくなる気持ちはわかりますが… 勝手に『共に轡を並べる』、私達の側が引きずり込まれる可能性もある、と言っていますし)

海風「それに、海風達は今自分の機体を持っていない。 それはフェアではありません。 対等の条件下、そうでなければ我々の側が不利でしょう。

我々は貴女達に無理矢理拉致され、貴女方のホームグラウンドに無 理 矢 理連れてこられているので」

天城(あ、キレてます。 姉さんと似たキレ方してます…)

シェリンドン「…良いでしょう。 対等な条件、とは?」

海風「まず最低限、こちらにそちら側の使う機体と同程度のスペックの機体か『こちらの本来の機体』を用意する事です。 後者は絶対に不可能、ですから前者の条件です。

そして我々がそちらの用意した機体に馴染むための慣熟訓練の時間、そして貴女方のチームにも『初めて使う同程度の性能の機体でありこちら側と同じの慣熟訓練の時間である』ことが最低限の『対等』でしょう」

神通「確かに、条件は同じですね」

霞(でも、これは対等に見せかけてこちらの有利な条件よ)

天城(どんなに条件がイーブンだとしても、ファイターの側に性能差があり過ぎる。 絶対に『対等』とはなりません…)

海風「もし貴女が言うように貴族とは優れ・秀でた者だと言うのならば… このくらいの条件、当然でしょう?」

シェリンドン「構いません… ただこの勝負、我が学園の生徒全員に観戦してもらいましょう」

海風「衆人観衆下での戦いは慣れています。そのくらいは構いません」

シェリンドン「すぐに機体の一覧とスペック表をデータにして持って来させなさい。 自分の機体は自分で選んでいただきましょう。その後で我々の側が機体を選択致します」

海風「ええ、それで構いません」
118 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/28(木) 04:07:22.34 ID:zuVYlXQ/0
「こちらがリストです」

海風「ありがとうございます」

霞「色々あるけど… 何と言うか、偏りが酷いわ」

神通「『クロスボーン・バンガード(U.C.0123年)』『OZ』『ギャラルホルン』、貴族系軍隊系ばかりですね」

シェリンドン「当然です。 高貴な者が使う機体は高貴であるべき、故にその系統で揃えています」

天城「そしてものの見事なまでにガンダムタイプがありませんね」

シェリンドン「『ガンダム』とは時代の象徴であると共に反逆の象徴でもありますから」

海風(また変なこだわりを…)

神通「つまり3系統の軍隊の量産機や一部試作型だけ、と言うことですね」

霞「その中でも局地戦機は使えないから絞られて…」


使用可能機体
OZ系
・トールギス(T・Uのみ)
・リーオー
・トーラス
・ビルゴ
・メリクリウス
・ヴァイエイト

クロスボーン系
・デナン・ゾン
・デナン・ゲー
・エビル・S
・ベルガ・ダラス
・ベルガ・ギロス
・ベルガ・バルス
・ダギ・イルス
・ビギナ・ギナ
・ビギナ・ギナII
・ビギナ・ゼラ

ギャラルホルン系
・ゲイレール・フレーム系統
・グレイズ・フレーム系統(ただし改・改弐などの外部組織流出機体は使用不可)
・レギンレイズ・フレーム系統
・ヘルムヴィーゲ・リンカー


天城「選択肢の幅が広いように見えて狭いですね」

海風「グレイズ系統のバリエーションが豊富なのが救いでしょうか」

神通「ちゃんと『シュヴァルベ』や『アイン』、『リッター』に『シルト』… 『フレック』まで揃えているとは」

霞「この中から機体選ぶの、キツイんじゃない…?」


機体選択
・海風(指揮官・近接寄りオールラウンダー) 直下
・神通(近接特化型) 下2
・霞(砲撃特化型) 下3

条件
・上記リストの中の機体から選択すること
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 04:36:34.81 ID:3i9vC8Jf0
グレイズ・リッター(マクギリス機)
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 09:20:54.11 ID:71nowiNA0
レイギンレイズジュリア
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 09:39:34.23 ID:RWlVnqHB0
ビルゴ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 09:43:25.31 ID:ruFbEeF60
ビギナ・ゼラ
123 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/29(金) 03:04:30.17 ID:OkIda45E0
霞「…私は『ビルゴ』にする。 完全な砲撃型がこれしか無い以上、選択肢は無いわ」

神通「では私は… 機動力を活かして格闘戦を行える『レギンレイズジュリア』をお借りします」

海風「では海風は『ヘルムヴィーゲ・リンカー』、と言いたい所ですが… 海風は指揮官、なので『グレイズリッター』を使わせて頂きます。

ただし3種のタイプの内、指揮官型で格闘向けのマクギリス機をお願いします」

天城(…成る程、バランスの良い編成です。 霞さんが後方支援に徹し、海風さんは前線に立ちながら戦況を見極めた上で指示を下し、神通さんが前衛を務めて敵を圧倒する。

それぞれが与えられた役割に徹する事で個々の能力不足を補う。 あの時、以前に阿武隈達と戦った時より成長していますね)

シェリンドン「ではその通りに。 模擬戦は明日の午後から、午前中の間はそれぞれ慣熟練習を行う、でよろしいでしょうね」

海風「ええ。 それでようやく対等、ならば文句はありません」

海風(しかしこんな罠にひっかかるとは思えない、何か仕組んでいるのでは…?

ここはバビロニア学園、『特殊な力』を持った人間をかき集めた場所… 警戒はしておきましょう)



《霞達の部屋》

天城「霞さん、少々宜しいでしょうか?」

霞「何ですか?」

天城(ここからは感応波を使います。 分かりますか?)

霞(はい、一応は…)

天城(なら良かった。 先程姉さんから、救出の算段が整ったと連絡がありました)

霞(何時の間に!?)

天城(姉さんと天城は例え距離や遮蔽物があろうと関係なく放った感応波を拾うことができます。所謂テレパシーのようなものです)

霞(じ、地味に凄い事してますね…)

天城(救出作戦は瑞鳳さんと共同、ただその前に姉さんと間宮さんが一発大きな花火を上げると)

霞(花火…?)

天城(完全な嫌がらせ目的です。 警備員を疲弊させて、まともに警備出来ないようにする為の)

霞(い、嫌がらせ…)

天城(ですので、夜中ちょっと五月蝿くなるかもしれないので注意してください)

霞(あ、はい)

天城「ふぅ…」クラッ

霞「天城さん!?」

天城「大丈夫です… これは天城が姉さんと違って、『出来損ない』だからです…」

霞「出来損ない…?」

天城「天城の感応は、本来姉さん限定なんです。 姉さんとは物理・距離関係なく感知できますが、それ以外の人とやると脳に過負荷がかかって疲弊するんです」

霞「そうなんですね…」

天城「私は姉さんより弱くて、出来る事だって姉さんより多くは無い… だけど天城は姉さんを、阿武隈達を守りたいから…」

霞(イマイチこの人と榛名さんの関係が解らない… なんでこんなにも、榛名さんに固執するんだろう…)


視点選択 直下
1.天城『騎士であること』
2.榛名『独白』
124 :全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる [sage saga]:2017/09/29(金) 05:08:08.78 ID:eS+s3o8f0
安価(pq´v`*)ァ-d♪ですか?

榛名イケメン金髪王子須賀犯される

天城赤城加賀と合流する
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 05:26:50.49 ID:YPud6Heb0
>>124 荒らしはタヒね

安価1で
126 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/30(土) 04:57:08.65 ID:SusAvgsg0
side-天城-『騎士であること』


霞「あの… 天城さんは、榛名さんをどう思ってるんですか?」

天城「どう、とは?」

霞「それは… 何か、榛名さんに拘り過ぎているような…」

天城「そうですね… 天城にとって姉さんとは敬愛の対象で、恐らく霞さんの考えた通りの感情を抱いています」

霞(あのカラオケで歌った歌、まさか… 自分のことを…?)

天城「そして同時に憎らしくも、羨ましくも思ってます」

霞「え…?」

天城「姉さんは… 昔から天才肌で何でも出来たんです。 ガンプラだって上手に作れるし、色んな事が出来ます。

だけど天城は何も出来ない。 勝っていることなんて両手で数える程しかありません」

霞(劣等感、まるで海風ね…)

天城「…少しだけ、昔話をしましょうか」



天城「姉さんは昔から何でも出来ました。 そして友人も多く、ガンプラバトルも強かった…

そんな姉さんに天城は憧れていた… だって天城は、何も持っていなかったから。不器用過ぎてガンプラ一つまともに作れない、それが天城だったんです」

霞(いや、天城さんも充分バケモノに片足突っ込んでるけど…)

天城「だけど憧れると同時に姉さんが恐ろしかった」

霞「恐ろしい…?」

天城「何でも出来てし、どんな無茶振りでも平気でやってのけて平然としている… それが天城には怖かったんです。

血を分けているのに、バケモノなんじゃないかと。 最早姉さんが天城とは違う、別の生き物だと思うほどに…」

霞(別の生き物、か…)

天城「そして姉さんはメイジン候補生の一人としてガンプラ塾へと入塾し天城と離れて暮らすようになりました。そして天城は姉さんに成り代わろうと、日陰で生きるのが嫌で努力を重ねました。

お陰と言うか何というか、バトルだけなら姉さんに匹敵できる程にはなりましたが… だけどそこである事が起きました」

霞「ある事…?」

天城「ガンプラ塾に通っていた姉さんが心を壊し、退塾して帰郷したんです。 メイジン候補生で最もメイジンに近いと言われた姉さんが完全に塞ぎこみ、荒れて…

だけどそれで分かりました。 姉さんだって心の通った人間だったのだと、天城と大差無いのでは無いかと」

霞(他の人と大差の無い人間… 私は…)

天城「そして天城は姉さんを護る『騎士』になろうと思い、頼み込みました。天城に『スレイプニル』を作って欲しいと」

霞「スレイプニルを?」

天城「はい。 スレイプニルは元々、姉さんが大好きだったゲームのスーパーロボット大戦に登場するオリジナル機体、『騎士機ラフトクランズ』をモチーフにした機体です。

そして姉さんが好んでいた機体である『RX-0』シリーズをベースに『ラフトクランズ』をアレンジしたのがスレイプニル、と言う事です」

霞(あれモチーフあったのね…)

天城「天城じゃ上手くガンプラは作れない、だけど天城は姉さんを守るためのガンプラが欲しかった。 

姉さんが戦わなくても良いように、姉さんを守るために… そして生まれたのが『スレイプニル』です。オマケで『スヴァジルファリ』もできましたが」

霞(アレをオマケで作るって…)

天城「そしてこの昏睡事件、昏睡病との戦いが始まって… 姉さんが戦うのなら、姉さんや妹達を守る『騎士』としてこの戦いに身を投じました。

姉さんの反対を押し切って、姉さん達を護る為に。 それが天城の決意です」

霞「天城さん…」

天城「まぁ、本物の騎士だった家系の人が居るので天城は完全な自称レベルですがね」

霞「え」

天城「ウォースパイトさん、あの人の家系は元々古い時代は騎士だったと。 今は世襲貴族の階級ですが、元来は騎士の家系だったとか」

霞「あの人一体何なんですか!?」
127 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/01(日) 00:37:05.20 ID:CBfIgMX60
《一方その頃》


「『ダイバー』、作戦開始します」

「了解です、『フィクサー』… って私もこれやらなきゃ駄目ですか?」

「駄目です」

「やっぱり… まぁ良いですけど」


警備員E「なんだ?」

「お疲れ様です。 シェリンドン様の命で、警備の方々にお食事をお持ちしました」

警備員F「…見ない顔だな」

「はい。専属のコックとして最近雇われたものですから」

警備員E「成る程な… では頂こう」

警備員F「美味い… こんなに美味いとは…!」

「沢山あるので、たっぷり食べてくださいね。 私は他の方々にも振るわねばならないのでここに籠を置いておきます」


数十分後…


警備員E「う、うぐぅ… も、漏れ…」

警備員F「は、腹が…!」

警備員G「く、糞… 俺も うぐっ…!」

警備員H「し、至急応え… こ、交代要員を…! な、全滅だと!? あの女、宿舎の警備員にも…!」


榛名「上出来です、ダイバー」

間宮「罪悪感が…」

榛名「犯罪者とそれに組するものに人権は無い、是非もありません」

間宮「…あと榛名さん、少々お叱りが」

榛名「え…?」

間宮「何でこんな勿体無いことするんですか! これでは食材が… せっかく農家の方々が育ててくださった食材を、こんなに無駄にして!」

榛名「サンドイッチ1個だけなら少々お腹がゆるくなる程度の下剤しか入れてなかったんですけどねぇ… 味でバレないようにするために」

間宮「逆に皆さんが何個も食べること分かっててやりましたよね!?」

榛名「当然です。 間宮さんの料理美味しいですし、例えサンドイッチでも」

間宮「褒められてるのに嬉しく無い…! そんな事する人は、暫くご飯抜きです!」

榛名「そ、そんな! ご、ごめんなさい!」土下座

間宮「そんな事をしても無駄で…」


警備員I「居たぞ! アイツらだ!」


間宮「み、見つかった!?」

榛名「当然です。 顔も隠さずやっていた以上、こうなることは必然… トマホォォォクッ、ブゥゥゥメランッ!」ブォン

スパァン

警備員J(全裸)「え… あ…!?」

榛名「ここからは榛名の時間… 青葉さん達程派手な事はしませんが、全員を全裸にしてここをイカれた全裸カルト教団にしてしまいましょう。

榛名は人は殺さない、その洋服をひっぺがします! まみ、ダイバーは撤収準備を! ハイヤーが待機しています!」

間宮「あ、はい!」
128 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/01(日) 03:50:39.76 ID:CBfIgMX60
警備員J(全裸)「く、糞! 服が…!」

警備員K「う、うわぁぁぁぁぁっ!」スパァン

榛名「この程度の戦闘能力で私兵を名乗るなど… 知り合いのPMCの方がまだ戦い甲斐がありました」

「それ以上はおよしなさい。 この方達はあくまでも警備の為の者、本格的な戦いは出来ないのです」

榛名「…騒ぎを察知してお出ましになりましたか、シェリンドン・ロナ」

シェリンドン「お久し振りですね。 まさか、襲撃犯が貴女だったとは」

榛名「妹が攫われ、部下が身体を張った以上こちらとしても動かない訳にはいかないのですよ。

さて、妹と海風さん達を返して貰いましょう」

シェリンドン「彼女達は、戦いを望んでいるのでしょうか?」

榛名「少なくとも4人は望んでいますよ。 こちらには戦わなくてはならない理由がある、それを貴女達の教義と言う建前で潰すなどあってはならないことです」

シェリンドン「何故戦うと言うのですか? 我々と共に『裁き』を乗り越えれば確実な未来を手に入れることが出来るのに」

榛名「それでも、自らの手で未来を掴みたい… それが間違っているとでも?」

シェリンドン「人は争いを止められない生き物、だけど『進化』した彼女達は違うと思いましたが…」

榛名「その『進化』を消そうと言うのが昏睡病、貴女達の言う『裁き』です。 その本質は『EXAMシステム』、ニュータイプを狩るもの…

例え『裁き』を生き延びたとしても、その先には緩やかな滅びしか残りません。 滅びに抗うことが悪なのですか?」

シェリンドン「それは…」

榛名「少なくとも榛名は、榛名達はそんな未来は容認出来ない。 だから抗うと決めた、それを誰にも邪魔させません。

それに三人には阿武隈達と戦って貰わないと色々困るんですよ。後々禍根が残りますし」

シェリンドン「賢明、とは言え無い判断ですね」

榛名「滅びを待つより、抗うほうがずっとマシです。 それに榛名は『進化』には到っていない…

到っていたとしても、榛名は人で良い。 それ以上もそれ以下も望みません。 さぁ、四人を返して…」

「姫様!」

「居たぞ!アイツを捕まえろ!」

榛名「今頃警護の連中が出てきましたか… この数相手では骨が折れそうです。 ここは、退きましょう」

シェリンドン「待ちなさい! 貴女も我々と…」

榛名「冗談を言わないでください。 未来を望む者が、滅びをただ待つだけの愚か者と手など組むわけ無いでしょう。

理想と現実は全く違う。 そんな判断も出来ない人間に与するくらいなら、自ら戦って散る方が余程良い。 それに…」

古鷹『榛名さん! 早く!』

榛名「狼は何者にも縛れません。例え鎖に繋がれたとしても噛み千切り、例神だって殺して見せます」ダッ

「クソッ…! 追え!」

「大丈夫ですか、シェリンドン様!」

シェリンドン「ええ…」

シェリンドン(私達が間違えている…? そんな筈、ある訳が無い… あっては、なりません…!)
129 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/01(日) 04:46:12.94 ID:CBfIgMX60
あ、ミス…

榛名の最後の台詞『例え鎖に繋がれたとしても噛み千切り、神だって殺して見せます』 です。 すみません



《翌朝 食堂》

霞「今日はどうやら警備が少ないようね」

シェリンドン「ええ。 ウチの学生の警護にまわしましたわ」

天城(嘘ですね)

海風(警備員の何人かがこちらの部屋のトイレに駆け込みましたからね)

神通(下剤か何か盛られたのでしょう)

シェリンドン「手薄とは言え、分かっていますね?」

天城「ええ、まだ死にたくは無いもので」

シェリンドン「…良いでしょう。 午後の練習試合、期待しています」



《バトルルーム》


天城「まさかこんな部屋まであるとは…」

神通「では各自、まずは与えられたガンプラの確認を。 装備や可動範囲に異常がないか確認してください」

海風「グレイズリッター、問題ありません。 装備も陸戦・宇宙戦どちらにも対応できます」

霞「ビルゴは… 正直可動が狭いですが、なんとかなるかと」

神通「レギンレイズは… 剣の方も大丈夫です。 リード線で伸縮できるようになってます」

霞「正直アレ凄くめんどくさそうなのに…」

天城「まぁビルダーとしてある程度は出来るようです」

海風「あとは敵機の情報があれば… 無いものねだりをしても無駄ですね。 練習したほうが10倍マシです」

神通「そうですね… では天城さん、アグレッサーを頼んでも?」

天城「ええ、構いません。 機体は『ベルガ・ギロス』を借りてきていますし」

海風「では演習、はじめましょうか」

イベント 直下
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/01(日) 19:18:41.58 ID:ii53tqaj0
遠隔操作で何者かのザクVが乱入
131 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/02(月) 01:54:45.06 ID:JW5dVA8o0
「もしこれでこちらの機体が介入出来たら… 学校の乱入犯はこの手口だと確定する訳ですか」

「ええ。 じゃあお願い。 program start!」


天城「これで、終わりです」

神通「…参りました」

天城「ですが皆さん、流石です。 こちらも追い詰められました」

海風「いや、全然追い詰められてないような…」

霞「確かにあのビスマルク?だったか… あのロリコン倒した時にそんな片鱗垣間見たけど… いくらなんでも強すぎよ…」

神通「つまり世界大会上位を狙える程の技量だと…」

天城「まあ地位も名誉も興味無いので参加しませんが…」


BATTLE NEW ENTRY


海風「え…?」

神通「二人共、警戒を!」

霞「まさか、外部からの乱入者!?」

天城「スクランブルの時と同じ… え…?」


4機の前に立つ機体、それは彼女達が今使っている系統から外れた機体だった。モノアイが妖しく輝く白い機体、そして三人の機体と比較し大型の機体が銃口を向ける。

だが敵意は皆無、それどころかその機体の操り手を海風と天城は悟った。


海風「えっと… それ、この前間宮さんのところで朝雲さんとの訓練で使った『ザクV』ですよね?」

霞「…ん?」

神通「白に塗られたトワイライトアクシズ仕様のザクV改… この色って…」

天城「何やってるんですか姉さん…」


頭を横にブンブンと振るザクV、明らかに図星を突かれて焦っているようにしか彼女達には見えない。

そして誤魔化すようにショートバレル・ビームライフル二丁の照準を合わせ、殺気を放つ。


天城「『どこを撃ち抜かれたい? 5秒以内に答えればリクエストに応えてやる』… 絶対こう言おうとしてますね」

霞「朝雲のアレって榛名さん譲りなのね…」

天城「と言うか『マジンカイザーSKL』ですね。姉さん割と影響受けてますから」

神通「なんでそこなんですか…」

海風「と、ともかく… 練習に付き合ってくれるそうなので、お言葉に甘えて胸をお借りしましょう」



海風「やあああああああっ!」


両腕に持ったブレードでザクVに近接戦を挑む海風、だがその斬撃をザクVは跳躍して回避する。

そしてザクVの脚部に向けレギンレイズジュリアのソードが放たれ、脚部に巻き付く。


神通「霞さん!」

霞「チャージ完了、いきなさい!」


ビルゴのビーム砲の照準を合わせ放つ霞、その一撃はザクVを捉えたかと思ったがザクVは脚部のスラスターを巧みに使いレギンレイズの剣から抜け出し砲撃を回避した。

そのままザクVがビルゴの背後に着地し、手に持ったライフルの銃口を頭部へと押し付ける。


霞「で、出鱈目過ぎる…」


そしてザクVは引き鉄を引き、ビルゴの頭部がビームで撃ち抜かれビルゴは機能を停止した。
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 09:33:37.75 ID:sKLTPHYm0
ビルゴあっさりやられたけど霞はプラネイトディフェンサー使わなかったのかな?
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 13:11:30.36 ID:jgSejhYlO
そりゃいきなり背後に跳躍してくる機体に対応するほうが無茶だろ
しかも展開したとしてもビルゴのPDは3つしか無いから正面以外守る余裕無いだろうし
134 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/03(火) 03:19:10.49 ID:Vu1cANIH0
神通「あっという間に霞さんが…!」

海風「まぁ格闘戦能力皆無のビルゴではこうなるのは分かっていましたが… ディフェンサーも展開遅れてましたし」

霞『何冷静に分析してんのよ! 分かってたならフォロー入りなさいよ!』

海風「あんなアクロバット着地やってのけるなんて誰が想像出来ますか」

天城「その動きをザクVでやってのけるのが姉さんです。 姉さんは機体によって戦闘スタイルを変えますが、特にザクVの時は妙にアクロバットになるんです」

神通「また妙なところで変な能力を…」


グレイズとレギンレイズの前に再び立つザクV。装備していたライフルを地面に落とし、今度は腰に装備されていた2本のヒートホークを抜く。

そして今度は二丁のヒートホークを持って残る2機へと踊りかかった。


海風「来る…!」


振り下ろされるヒートホークをブレードで防ぐグレイズ、だがザクVにパワーで負け押されてしまうが何とか鍔競り合う。

しかし海風は忘れていた、ザクVの口部に内蔵されているビーム砲の存在を。そしてそのビームが放たれグレイズの頭部アーマーが吹き飛んだ。


海風「せ、センサーが…!?」


そのままグレイズの腕部を蹴り上げブレードを吹き飛ばしヒートホークを胸部へと振り下ろす。

グレイズは成す術も無く胸部を抉られ、その場に擱座した。


神通「海風さんまで…!」

天城「仕方ありません…」


見かねた天城のベルガ・ギロスが神通のレギンレイズの横に立ち、ショットランサーの矛先をザクVへと向ける。

そして珍しく殺気を放ち、天城はトリガーへと指を掛けた。


天城「姉さん、これ以上戦うと言うのであれば… 天城も相手になります」

神通「天城さん…?」

天城「これでは単なる弱いもの虐めです。 そう『なりたく無い』からメイジンの座を降りたのに、それを行うつもりだと言うのなら…

貴女は先代以下、嫌っていた筈の外道に成り下がることです。 そうなりたいと言うのなら天城を倒しなさい」


そう天城が告げるとザクVはヒートホークの発熱を止め、腰へとマウントしなおす。

通信ウインドが開き、そのファイターの素顔が露となる。


間宮『え、えと…』

神通「ま、間宮さん!?」

天城「やはり間宮さんでしたか… その機体、管理してるのは貴女の筈ですからね」

間宮『す、すみません… どうしても、って榛名さんが』

天城「だからって完全に戦闘スタイル真似て襲い掛かるなんて… 確かに間宮さんの技量なら可能ですが、些かやり過ぎです」

榛名『流石に天城には気付かれましたか』

天城「はい。 姉さんにしては卑怯な行いに迷いが無かった、それだけで判断材料は充分です」

神通「と言うかどうやって介入を?」

ウォースパイト『違法バトル用の遠隔操作システムよ。貴女達の学校に放置されていたのを発見して、試しに使ってみたのだけど』

神通「あ、ウォースパイトさん… 私達の学校にあった、とは?」

ウォースパイト『言葉通りよ。恐らくこれでスクランブルを遠隔で介入させたの。 今は有線ネットワークをハックしてそちらのシステムに介入してるのだけど。

でもこれで、手口が分かったわ。犯人のバックには恐らく、これを作ったマフィアの存在が…』ザザザ

天城「どうかしましたか!?」

榛名『バッテリー、が、無くなり… では気を、付け、て、くださ…』ブツッ
135 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/03(火) 03:57:24.94 ID:Vu1cANIH0
BATTLE END

神通「切れましたね…」

天城「はい。バッテリーぐらい充電しておいてくださいよ…」

神通「全くです… しかし収穫が無い訳でもありませんでしたね」

天城「資金源と成りうるマフィアの存在、薬物としてナノマシンが流れていた時点でそにの節がありましたが…」

神通「はい。そして簡単に犯人が見つからないのも匿っているから、と考えれば不自然ではありません。

ナノマシンを流通させて昏睡病を拡散させ、資金を入手出来て世間の目を免れられると考えれば行き着く先は当然でしょう」

海風「しかし、何処のマフィアが流通させたのかが気になりますね」

霞「少なくとも日本に影響力を持つマフィア、って考えれば…」

神通「…心当たりが一つ」

天城「どうかしましたか?」

神通「お母様は以前、飛龍さん達と一緒に大会に出た時にあるマフィアの妨害を受けたと聞いた事があります」

海風「何故マフィアが…」

神通「ある選手が飛龍さん達には絶対に敵わない、そう考えマフィアを雇い大会中に遠隔操作で介入させて機体の破壊と妨害を試みたんです。

結局は蒼龍さんに返り討ちにされ、主犯も大会と同時開催されていたお祭りでバトルをしていたお母様に嫌がらせを再度仕掛けようとしたものの逆に見つけられ締め上げられたとのことです」

霞「で、そのマフィアは?」

神通「既にマジギレしたお母様と親戚一同にアジトに乗り込まれ日本の支部は壊滅している筈ですが…」

海風「敵にまわして塵一つでも残ってる訳無いじゃないですか」

天城「そうですよね… ですが再び日本にやってきた、と考えれば不自然ではありません」

霞「その遠隔操作用のシステムをナノマシンを強奪した犯人に与えて… まさか瑞鳳さんに復讐でもするつもりなの…!?」

神通「!?」

海風「その可能性は否定できません。 未来では瑞鳳さんは生き残っていますが、周囲の人が皆…」

天城「問い質せば済む事です…! 瑞鳳さんに伝えて、もう一度乗り込ませましょう」

神通「と、その前に… どうしましょう、グレイズとビルゴ…」

霞「ビルゴは完全に頭が壊れてるし…」

海風「グレイズも中々の被害が…」


その後、全力で修理に時間を費やした…
136 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/04(水) 04:10:58.01 ID:hdD2EN5S0
そして午後…


『ではこれより小沢学園『フリューゲル・ヴェント』と我等の精鋭、『バビロニア・バンガード』との練習試合を行います』

神通(人が多い… おおよそ800人程、と言ったところでしょうか?)

霞(さすがに宗教系だからウチよりは多くない… でも…)

海風(静か過ぎる… 何だか、異様な… それに大会に出ていたのは『貴族科のチーム・バビロニア』だった筈です)

天城(何この感じ… 何だか、見透かされてる様な…)


『それでは、シェリンドン様からお言葉です』


シェリンドン「親愛なる皆様へ、こんにちは。我が校の理事長を務めるシェリンドン・ロナです。

まず本日お越しになった彼女達『フリューゲル・ヴェント』には感謝の言葉を申し上げます」


神通(白々しい… 無理矢理拉致したものを…!)

天城(槍があれば今すぐその頭蓋を穿っていたものを…!)


シェリンドン「そして彼女達は我々、『コスモ・クルス教』の教えの下『裁き』を乗り越える同志として共に手を取りあえる関係になれる事を望みます。

この交流によって我々を知り、我々と共に歩む共存の道を…」


海風(何だろう、今無性にどこぞの姉以上に殴りたいです)

霞(抑えなさい。私も今必死に我慢してるから…!)


シェリンドン「では皆様、良い戦いを期待しています」


『ありがとうございます、シェリンドン様。 次に、メンバー紹介です。 フリューゲル・ヴェント側は神通さん、海風さん、霞さん、そしてオブザーバーの天城さん。そして我が校は―――』


海風(やはりメンバーが以前と違う… 何か仕込んできてる…!)

神通(彼等は、一体何を…)

霞(でも、何があろうと倒すまで… ここを越えられなきゃ、定められた未来を壊すことなんて出来やしないわ…!)


『では、試合開始です!』


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "Forest"

Please set your GUNPLA

BATTLE START!


神通「レギンレイズジュリア、神通…」

霞「ビルゴ、霞!」

海風「グレイズリッター、海風! フリューゲル・ヴェント、全機続いてください!」
137 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/04(水) 04:45:37.02 ID:hdD2EN5S0
霞「フィールドは森だけど… 地面が、ぬかるんで…!」

神通「どうやら湿地帯がステージのようです」

海風「各機、ホバーに切り替えてください。 ここは遮蔽物が多いのでなるべく隠れながら…」


海風が指示を行おうとした瞬間、一条のビームが地面を抉る。

そして降り注ぐビームの雨に、霞は前に出てプラネイト・ディフェンサーを展開して攻撃を防いだ。


神通「もうここを察知した!?」

霞「どうやら、アンタのプランは練り直しが要るわね…!」

海風「…相手には恐らく『こちらの思考を読む能力』を持った人間が居るようです…!」

神通「なっ…!?」

霞「多分全員ソレよ。完全に、見抜かれてる…! 観戦してる連中の他に、私達を『見透かしてる』連中が三人居るわ!」

海風「予測した中でも最悪の状況… しかし手立てが無い訳ではありません。 各機、応戦開始! フォーメーション・アクティヴディフェンス!

地形を活かして防戦しつつ敵の隙を窺います!」

神通「敵の思考を読む相手… ならこちらにも手立てはあります…!」

霞「それに海風、負ける気は無いんでしょ?」

海風「勿論、既に倒す策はあります」

霞「ならアンタに従う… 私はアンタに全部、賭けるわ」

海風「ならその期待に応えましょう。 全機、展開!」

神通・霞「了解!」


着地する敵MS3機、それを気配を完全に殺して潜む神通。 思考を全て無にして息を潜める。

そして3機のMSの機種を神通は見極めた。


神通「敵機3、機種は『ダギ・イルス・パワードウエポンタイプ』『ビギナ・ギナU』『ベルガ・バルス』です」

海風「了解、先輩は離れてください。 敵は恐らく既に先輩を察知しています」


海風の通信と同時に3機からレギンレイズへと攻撃が行われる。神通は樹や岩などの遮蔽物を活かしながら後退した。

そして海風は敵の動きを予測し、霞に指示を下す。


海風「霞、砲狙撃戦開始。 先輩の後退をフォローしてください」

霞「了解。 でも引っかかるかしら?」

海風「ええ。 海風の予測では恐らく…」


放たれるビルゴの砲撃、3機は回避行動を行い今度はその矛先を霞達へと向けた。

ここまでは海風の想定の内、そしてこれで海風は確信を得る。


海風「やはり敵は能力者、ですが本来ファイターでは無い人間のようです。 あの動作、そして統率が取れて無いことを見ると経験が浅く実戦経験皆無なファイター…

いくら超能力者と言えど、我々訓練を受けたファイターに比べれば素人同然… 敵ではありません…!」


行動安価 直下
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 08:47:45.55 ID:UcP747ht0
一瞬、相手に隙ができたのを察知する
139 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/05(木) 03:27:25.70 ID:IbjFISNo0
霞「敵がこっちに食いついた! 海風!」

海風「行きます! このまま支援砲撃を続行してください!」


霞へと攻撃が集中したのを確認し、海風はライフルを放ちながら3機へと距離を詰める。これこそ海風の望んだ『隙』だった。

敵のMSはそれに気付き対応しようとするが霞の砲撃に気を取られ、さらには海風の複雑な機動に翻弄されて迎撃が出来ない。


海風(やはりこちらのやる事を読んでいても対応出来ていない… 訓練はしているようですが、技量はこちらが上!)

海風「まずは…!」


3機を牽制しつつ中央に突撃するグレイズ、そして海風は機体を跳躍させて敵の背後へと回り込む。

包囲を恐れた敵はようやく分が悪いと悟り退避を行うがそれこそが海風の狙い目、逃げた先には…


神通「成る程… 敵の思考を覗き見る、確かに戦闘では多大なアドバンテージになりますね。しかし…

それが私に通用するかどうか、そしてファイターとして卑劣である事を除けば、ですが」


待ち受けていた神通のレギンレイズ、神通はブレードを構え戦闘態勢へと移行し敵の3機も構えた。

だが敵に思考を読まれている以上3機相手に神通は完全に不利、しかし神通には『切り札』がある。


神通「ならこちらも本気でいきましょう。私は貴方達の様な卑劣な者は心底嫌いなので」


意識を研ぎ澄まし、思考を無にする。 彼女は瑞鳳の娘であり東方不敗の名を継ぐ一人、当然この域には到っていた。

そして瑞鳳同様肉体から少しずつ光が溢れ出し、輝きを帯びていく。


神通「明鏡、止水…!」


その名を告げると同時に神通は3機へと襲い掛かる。 彼等は動きを読もうと思考を覗くが読む事が出来ない。

レギンレイズの近接能力と神通の能力が合わさり、彼等は完全に神通に手玉に取られていた。


「こ、コイツ! 全く読めない!」

「思考が… 何も考えて無いのか!?」

「何だコイツはバケモノか!?」

神通「遅い…! それに加えて…」

海風「目先に囚われ過ぎです!」


木々の合間を縫い、跳躍した海風のグレイズが左腕でブレードを抜き放ち逆方向から斬りかかる。

ビギナ・ギナUのファイターは海風の刃をギリギリで受け止め、海風の思考を読もうとするがそれこそ海風の仕組んだ罠だ。


「な、う… うぷっ…!? こ、れは…」

海風「まず1機… 人の思考を、勝手に覗くからこうなるんです」


ブレードが胸部を抉り、そしてもう片方の腕で持っていたライフルでトドメを刺す。

海風が行っていたのは自身の能力行使、未来予測演算の使用をしただけである。ただし以前スドウ・シュンスケ戦で使ったリミッター無しの『本気』の予測だが。


「な、何をした!?」

海風「未来の分岐を予測しただけです。 並の人間が耐え切れる情報量ではありませんが」


全力行使、一瞬でも脳の『現在使用していない領域全て』を使い予測を行ったことで情報量は常人が処理可能な量を遥かに超えていた。

それを全て読み取る、と言う事は自らの脳を自分で破壊したのと同義である。 要は海風は自爆させただけ、ただし彼は暫く立ち上がる事すら出来なくなるが。
140 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/05(木) 03:55:00.62 ID:IbjFISNo0
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁっ!」


仲間を倒され激昂するベルガ・バルスのファイターは海風に襲い掛かる。 海風はライフルを投棄し二丁のブレードを使い攻撃を受け流す。

ショットランサーによる刺突攻撃を防ぎ、グレイズは逆にブレードを使ってベルガ・バルスの左腕を切り落とした。


「くそっ!よくもこちらの仲間を… 卑怯な真似をして!」

海風「女性の頭の中を覗く変態に言われたくは、ありません!」


頭部にブレードを突き刺し、その首を抉り取る海風。分が悪いと判断したベルガ・バルスのファイターは後退を図ろうとするが既に遅い。

真後ろに迫っていたレギンレイズに気付かず、ソードで真っ二つに切り裂かれて撃破される。


神通「余所見とは、関心しませんね」

海風「残るは1機… ですが…」

神通「逃げられましたね。 まさか仲間すら見捨てるとは…」

海風「しかし彼は既に詰んでいます。逃げた先には…」


逃走を図り森を彷徨うダギ・イルス。 仲間を見捨てた彼は反撃の機会を窺う。

海風達は近接に特化した2機であり射撃型のダギ・イルスでは不利だと判断したからだ。だから距離を取って遠距離で仕留めようと考えたが…


「そうだ… ここから撃てば…!」

霞「残念だけど、終わりよ」

「え…?」


大出力のビームがダギ・イルスの腹部を貫き、その機体を爆散させる。

そしてその残骸の前に立って居たのは霞が操る『ビルゴ』だった。


霞「これでラスト。 戦闘終了、ね」


BATTLE ENDED

WinnerFlügel Vento""
141 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/06(金) 02:53:17.04 ID:b6jAu0m40
「あ、が… う、あ…」

海風「全く… この人を病院、出来れば脳に関する大きな病院に運び込んでください。 恐らく脳に損傷を受けています。

多分このままでは記憶障害どころか日常生活にも影響が出ますよ」

親衛隊A「す、すぐに!」

霞「アンタは大丈夫なの?」

海風「ええ。こちらは限界点は既に見極めていますから過剰な使用をしなければ大丈夫です」

シェリンドン「貴女… 何てことを…!」

海風「貴女に言われたくはありませんね。 わざわざ人の思考を覗き見れる人間を使って有利に戦おうとするなど…

貴族主義など、呆れて反吐が出ますよ…!」

親衛隊B「貴様!シェリンドン様に向かって…!」

霞「この際だからハッキリ言わせて貰うわ… 人を勝手に攫って自分の思想を押し付けて、ガンプラバトルを侮辱して、挙句人のプライバシーを覗いて…!

もう頭来た!この最低のドクズ共! 勝手に自爆しただけなのに逆ギレかましてんじゃないわよ!」

親衛隊C「コイツっ! 我々はお前達を守る為に、正義の為にやったと言うのに!」

神通「今まで大人しくしていましたがもう我慢の限界です…! 皆を人質にして脅した卑怯者が正義を語るな!」


ザワザワ

「攫ったって…?」

「そう言えば聞いた事が…」

「まさか昨日の夜の騒ぎは…」


シェリンドン「静まりなさい! 貴女達は我々を誤解しています。我々は…」

神通「どこが誤解ですか! 無理矢理、ガスまで使って誘拐した癖に! 昏睡病から護るなど、余計なお世話でしかありません!」

シェリンドン「貴女達は直情的過ぎます。もう少し大人になり、大局を見据えれば…」

天城「では大人の、年長の立場から言わせて貰いましょう。 貴女達の行いは紛うこと無き犯罪です。

どんな大義を翳しても、どんな理由があろうとも既に法や倫理を犯している以上既に貴方達は『悪』でしかありません」

シェリンドン「くっ… 親衛隊、四人を捕まえなさい!」

親衛隊D「大人しく…」

神通「破ッ!」ドガッ

親衛隊D「がッ…!?」ドサッ

神通「手は抜いています。殺しはしません…」

親衛隊E「馬鹿な、刀も無しに…!」

神通「私の本来の戦い方はこちらです。 剣術はあくまでも借りに過ぎません。ここからは本気です。

流派・東方不敗の名において、我が眼前の悪を葬らん…! 3代目・神通、参り…」


Beginning plavsky particle dispersal


神通「え…?」

海風「バトルシステムが、勝手に…?」

霞「この感じ… 何!?」

天城「ッ…!? 伏せて!」


BATTLE START


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォ!
142 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/06(金) 03:19:20.51 ID:b6jAu0m40
《外 青葉達のキャンプ》


古鷹「ッ!? こちら古鷹、緊急事態発生!」

榛名『どうかしましたか、古鷹さん!』

古鷹「講堂と思われる場所で謎の爆音が…」

衣笠「見て、アレ!」

古鷹「そして何か、大きな宝石みたいな塊が出てきました!」

榛名『宝石…?』

青葉「あれは… コード・ブレイヴ発動時に形成される粒子結晶!?」

榛名『まさか、粒子結晶の暴走…!? すぐに画像をこちらに!』

衣笠「こりゃヤバイね… ウォースパイトの言ってたやつでしょ、これ…?」

青葉「『スクランブルガンダム』と『新型粒子の小型結晶』が引き起こした事故、ですか… 確かに見た資料とそっくりな現象です」

榛名『分かりました。 3人は戦闘に備えつつ、現状待機を。 今から瑞鳳さん達に連絡しつつそちらに向かいます!』



《学園 講堂》

霞「いたた… 一体、何が…」

神通「全員、無事ですか!?」

海風「なんとか… 咄嗟に伏せたので…」

天城「ええ、こちらも何とか」

「全員、起き上がらないで。頭を下げて匍匐で移動してください」

神通「萩風、何時の間に…!」

萩風「姉さんが乱闘を始めそうになったので介入しようと思った矢先にこれですよ。今頭を上げれば確実に粒子結晶に頭をぶつける事になります。

それにここは何時崩壊してもおかしくはありません。 退路は確保済みなので一刻も早くここから退避します」

神通「分かりました。…それとあまり、周囲を見ないように」

海風「え…?」

天城「もう遅いですよ… 何ですか、これは…!」

「あ、が…」

「助、け…て…」

霞「これって…」

萩風「粒子結晶が身体を貫いている… この出血では、どの道助かりません」

海風「そんな…」

萩風「粒子結晶は今も増殖しています。 死にたくなければ周りを見ないで、一気に脱出します」
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