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勇者「安価とコンマで輪廻転生を繰り返して世界を救う」

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759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/12(月) 23:49:03.41 ID:FU0tQUCcO
ククパド拾われてて草
760 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/12(月) 23:49:11.77 ID:MEO2UcIvO
ファイザー「……以上が十幹部の全容です。理解していただけましたか?」

ファイザー「より詳細なデータは後々お知らせしますが、全員が規格外に強いということが分かっていれば問題ありません。スライムマンでさえね」

ファイザー「ハスターさんなら知っていますかね……隊長と交戦したエターナルという元幹部をご存知ですか?」

ハスター「! はい」

ファイザー「彼、最近復活したようですよ」

ハスター「……!?」

ファイザー「新たな召喚者が現れたらしいです。しかし、彼は幹部にはならなかった」

ファイザー「……他の幹部に比べ、圧倒的に弱すぎたからです」

全員「……!!」

ファイザー「そして……魔王はその幹部が束になっても敵わないほど強いのですよ」

ファイザー「だから私は魔王軍に逆らうことを止めたんです。絶対に勝てるとは思えなかったので」

ファイザー「……ハスターさんに会ってしまったのが運の尽きですね。魔王に勝とうとしなければならないなんて……」

ハスター「いいえ……そのうちに良かったと思うようになるでしょう。我々の仲間になって、ね」

ファイザー「……だと良いんですが」
761 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/12(月) 23:52:46.74 ID:MEO2UcIvO
ファイザー「……話は戻りますが、十幹部に勝つことはほぼ不可能だと言わざるを得ません」

ファイザー「ですが、いつかはきっと勝たなければならないでしょう。魔王軍から世界を救うつもりなら」

ファイザー「そこで……勇者2さん」

勇者2「えっ、あ、はい!」

ファイザー「あなたが一縷の希望になると思われます」

勇者2「わ、私が!?」

ファイザー「先程誘拐して分かったのですが、あなたは強い。そこらの魔族なら余裕で屠ることができるでしょう」

ファイザー「……理由は分かりませんが、ハスターさんたちが目を掛けているようですし。何か特別な力を持つのでしょうね」

ファイザー「勇者2さん、あなたには……エルフ族の森に行って、最強の剣を手に入れてほしいのです」


ファイザー「そして───幹部の一人・クスノキを倒したください」


勇者2「!?」

逆月「な……何を言うんですかっ……!?」

ファイザー「そもそも魔王軍がその剣を手に入れようとしているのは、クスノキが倒される危険性があるためです」

ファイザー「彼は『最強の武』を目指しています。チートな剣には興味が無いようですが、その剣を手に入れた者と戦いたいと考えているようです」

ククル「……そうなると、クスノキの方が負ける公算が高いわけですか」

ファイザー「ええ……だから魔王軍は先手を打とうとしています」

ファイザー「誰かが剣を手に入れ、クスノキと交戦し、勝つ。それで魔王軍に大打撃を与えましょう」

ファイザー「いいですか……そもそも我々だけで魔王軍を倒すことはできません。必ず各国との連携が必要なんです」

ファイザー(……私もヨコハマ将軍と話をする必要がありますね。それはともかく……)

ファイザー「魔王軍の幹部を一体撃破したとなれば、手を貸してくれる勢力は格段に増えます。これを狙わない手は無いでしょう」

勇者2「わ、私にできるかな……」

第三王子『少なくとも、この中では勇者2が一番適任だろう』

ハスター「勇者2さん……私たちがサポートします。やってくれませんか?」

勇者2「……うんっ、分かった!」

勇者2「私……頑張ってクスノキっていう人を倒すよ!」

勇者2「その前に、まずはすごい剣ってのを手に入れないとね!」



【勇者2の短期的な目標】妖怪王を倒し、自らにかけられた呪いを解く

↓変更

【勇者2の短期的な目標】エルフ族の住む森に行き、チートな強さを持つ剣を手に入れ、クスノキを倒す
762 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/12(月) 23:53:40.98 ID:MEO2UcIvO
勇者「……それで、すぐ行くの? 私、神主様に挨拶とかしないと……」

ファイザー「どれくらいの猶予があるか……ヒノモトを消滅させる任務をこなさないわけですから、私がどこまで魔王軍を誤魔化せるかですね……」



コンマ判定です。コンマ一桁の数だけ、○週魔王軍を誤魔化せます。ゾロ目だと倍。

↓1
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/12(月) 23:54:37.87 ID:FU0tQUCcO
ほいな
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/12(月) 23:54:44.41 ID:6XelRG5Qo
ぞろぞろ
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/12(月) 23:55:15.80 ID:Yp1O71wBO
普通に有能商人
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/12(月) 23:56:04.89 ID:OkHyFojmO
この有能ほとんどの確率で敵のままだったんだよな
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:00:38.90 ID:AJ+VF0xGO
ファイザーは肉体の成長止めてたりすんのかな
もし人並にしか生きられないのであればファイザー的にはこの協力関係あまり旨味がなさそう(平和になるの待ってる間に寿命で死にそうなので)
768 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/13(火) 01:14:52.23 ID:DtCx0Hh1O
7週間、つまり一ヶ月以上猶予があります。割と色々できそう。

ファイザー「……そうですね、実行日を一ヶ月ずらしたことにしましょう。そうすれば7週間ほどは誤魔化せると思います」

ハスター「そ、そんなに誤魔化せますか?」

ファイザー「おそらく問題ないかと。今までの実績がありますからね。誰も私が裏切るとは思っていないはずです」

ファイザー「……魔王の庇護が無いとなると、私も商売のやり方を変えねばなりません。しばらくは商会のあれこれで忙しくなると思います」

ハスター「ありがとうございます……! ファイザーさんのおかげで、綿密に計画を立てることができそうだ!」

ファイザー「……礼には及びません。私は自分の利益のためにあなたたちについただけですから」

ファイザー「拠点は私の船を使うと良いでしょう。ヨコハマ内よりも安全かと」

ククル「……そういえば、幹部たちはどこを拠点にしてるんですか?」

ファイザー「基本は世界の北西側……魔王軍が支配を拡大しているエリアにいますよ。彼らは魔王の指示が無い限りほとんど動きませんから」

ファイザー「……ああ、でも、スライムマンは実績を上げようと色んなところに行ってるようですが」

ククル「なるほど……何か無い限りは動かないんですね」

ファイザー「そうですね。正直、幹部たちは我々人類を舐め腐っています。だから未だ本気を出してないとも言える」

ファイザー「……そして、敢えて言うならばそこが狙い目かもしれません」

第三王子『ふむ……』
769 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/13(火) 01:17:49.17 ID:DtCx0Hh1O
ハスター「……では、ファイザーさんの話も一段落したところで……」

ハスター「話していただけますか、アイリさん」

アイリ「ん? 何っすか?」ゴクゴク

ククル「何を飲んでるんだお前は……!」

ビート「おおっ! これ美味いなぁファイザー!」

ファイザー「ああ、それはヒノモトのニーガタ産ですからね。米が違いますから美味しいでしょう」

アイン「いつの間にビートも!」

ククル「何じゃないだろう、何じゃ! お前がスパイだという話だぞ!?」

アイリ「ああ、その話っすか。完全に忘れてたっす」

アイリ「うーん、そうっすねぇ……何て言えばいいのかなぁ……」

アイリ「ウチは元々帝国の残党に向けて送られたエージェントなんす。知ってます? ゴーン帝国の残党のこと」

ハスター「……話には聞いたことがあります」

ハスター「魔王軍に占領された時は任務で他の場所にいたゴーン帝国の軍人たちが、現帝国を良く思っていないとか……」

アイリ「んで、ウチがそこに送り込まれたわけなんすけど……その組織のスパイもしたりしてるんすよね。今の帝国の情報を横流ししてたっす」

ダフク「か、軽くないかい?」

アイリ「いいんす。だって、ウチが忠誠誓ってるの他のところなんで」

全員「!?」

ファイザー「……ゴーン神聖帝国でも帝国の残党組でも無いのですか?」

アイリ「そうっす」

勇者2「い、一体どこに……!?」



コンマ一桁判定です。一桁の数によって忠誠を誓う相手が変わります。それにより交流できる種族が増えるかも。ゾロ目だとボーナス。

↓1
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:18:40.77 ID:XiD/NW6c0
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:20:04.42 ID:OVVcghLWO
まーたゾロ目でてる
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:21:02.14 ID:F2nxbPiH0
もうおら慣れてきたぞ
773 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/13(火) 01:30:52.82 ID:DtCx0Hh1O
ゾロ目出すぎ! ゾロ目のため、砂漠の王国に住む獣人族との交流が深くなります。

アイリ「……真面目なとこだし、真面目になった方がいいっすね」


アイリ「───ハスター殿」

ハスター「!」

アイリ「私は東南にある砂漠の国から、ゴーン神聖帝国へと送り込まれたエージェントです」

アイリ「任務は『ゴーン神聖帝国が協力に値するかどうかを見極める』というものです」

アイリ「潜入の結果、ゴーン神聖帝国は協力に値する国であると判断しました」

アイリ「近いうちに、我が王国に使者をお送りください。正式な同盟の手続きを行います」


全員「……!?」

ハスター「な、何と……!」

ファイザー「……まさかこの段階で同盟を持ち掛けるところがあるとは」

アイリ「……まぁ、そんな感じっす。余裕あったら連絡ヨロっす」

フレア「……真面目なアイリの方が好きだな」

アイリ「えー、でも疲れるんすよねぇ」
774 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/13(火) 01:32:49.76 ID:DtCx0Hh1O
ハスター「こ、これは……! やることが山積みだな……!」

ハスター「皆にもかなり働いてもらうことになります。よろしくお願いしますね……!」

全員「はいっ!!」

アイリ「……あ、最後にいいっすか? ずっと気になってたんすけど」

ククル「どうした?」

アイリ「ファイザーって……男? 女?」

全員「!?!」

全員(み……皆聞きたくても聞けなかったことを!)

ファイザー「…………」

ファイザー「どっちがいいですか?」

アイリ「へ?」

ファイザー「男と女、どっちがいいですか?」

↓5まで多数決。3票集まった方の性別になります。決まらなかったらコンマの高い方を採用
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:34:16.14 ID:OVVcghLWO
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:34:19.92 ID:Eteytnumo
おんにゃのこ
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:34:22.83 ID:F2nxbPiH0
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:34:34.28 ID:XiD/NW6c0
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:34:37.35 ID:jUqKEKy/O
女女女
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:35:56.34 ID:VAjCFV3mO
性別不明という性別がすき
781 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/13(火) 01:43:54.24 ID:DtCx0Hh1O
多数決の結果、男になりました。

アイリ「じゃあ……男?」

ファイザー「……はい、なりました」

アイリ「え?」

ファイザー「私は今から男です」

ダフク「せ……性別ってそういうものだったか!?」

ハスター「ははは……相変わらず不思議な人だ」

ハスター「では、今日は解散しましょう。明日から忙しくなりますから」

ハスター「繰り返しになりますが、皆さんよろしくお願いしますね」

全員「はいっ!!」
782 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/13(火) 01:45:49.54 ID:DtCx0Hh1O
そんなわけで本日はここまで。次回からは色々やらなきゃいけないことがたくさんですね。

ちなみにファイザーは、勇者が何度転生しても厄介な敵役として登場させるつもりでした。まさかこんなことになるとは。

まだまだ世界を救う足掛かりができたくらいなので、これから勇者の活躍はあると思います。多分。皆さんの安価やコンマで何とかよろしくお願いします。ではまた明日以降。
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:51:48.14 ID:Eteytnumo
乙乙
何度転生しても頼りになる仲間を得たのか幸先が良いのよ
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:59:58.63 ID:VAjCFV3mO

アイリちゃんは何歳なんすかね
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 02:04:34.67 ID:F2nxbPiH0

ラッキー
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 02:07:04.91 ID:XiD/NW6c0

希望を持った瞬間にファイザーの生存√が消えたって事は魔王は運命を感知する力でもあるのだろうか。それともエスに監視させてる?
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 08:05:57.63 ID:uWj6LK6Wo

ハスターは後世で英雄と呼ばれてそう
788 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/14(水) 09:55:15.73 ID:pWObsMdZO
おはようございます。やります。

翌日。

勇者2たちは行動を開始した。ファイザーのおかげで7週間の猶予ができたとは言え、やることは山積みだからである。ハスターの指示のもと、皆はやることをしっかりとやっていく。

そんな中、勇者2は逆月と話し、彼が懐刀の一人・逆月その人であることを知った。

勇者2「あなたが……逆月様!?」

勇者2「私を守ろうと……?」

ファイザー「ええ。ヒノモトを消す起点となるのは構わないが、勇者2だけは助けてくれと言われましてね」

ファイザー「適性を持つ人物が彼しかいなかったので、条件を飲んだわけです」

逆月「……ただの罪滅ぼしさ。俺は裏切り者だからな」

勇者2「その……裏切り者っていうのはどういう……?」

逆月「……知る必要は無い。知ったところで何も変わらない、非合理だ」

ファイザー「……そんなことはありませんよ」

逆月「!」

逆月「……意外ですね、総帥がそんなこと言うなんて」

ファイザー「私は、ハスターさんの意志を知って確実に人生の歩む道が変わりましたよ。あなたもそうなる可能性はある。ならないかもしれませんが」

逆月「…………」

勇者2「教えて……くれませんか。知りたいんです、父上のことや、他の懐刀の皆さんのこと……」

勇者2(……私が、まだユウシャのことを知らなかった頃のことを)

逆月「…………はぁ、分かったよ」

逆月「言わなきゃ帰してもらえなそうだしな……」



コンマ二桁判定です。妖怪王はそこまで悪くないテイなわけですが、どこまで良い存在なのか。コンマが高いほど良いヤツ。ゾロ目だと守り神的な。

↓1
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/14(水) 09:59:41.87 ID:OPlo2CbB0
おいう
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/14(水) 14:26:40.62 ID:c0vlnNYxO
女の時に恋人ができて男に転生して再会したらホモになるのか?
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/14(水) 21:50:58.62 ID:yHowofcNo
結構いいやつなのかな
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 08:30:06.09 ID:ndh2Cz980
いつの間にか戻ってた……これからの展開が楽しみだ
793 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 08:44:36.45 ID:8U8Kun6oO
昨日はすいません。続きをやっていきます。

コンマ87……妖怪王、実はめちゃくちゃ良いヤツ

逆月「……勇者2、ヒノモトに妖怪がどれだけいるか知ってるか?」

勇者2「へ? よ、妖怪?」

逆月「ヒノモトの人口と約同数だ。これは大陸における妖怪……モンスターのことだな、そっちの数を考えても異常に多い」

ファイザー「そうですね。ヒノモトにおけるモンスターの数はかなり多いです」

勇者2「そ、そうなんだ……」

逆月「だが、その反面ヒノモトでは妖怪による事件は少ない……。これがどういうことか分かるか?」

勇者2「……妖怪王が、他の妖怪たちを統制してるってこと?」

逆月「そうだ。妖怪の中でも危険なヤツは抑え、ある程度の自由を許し、人間たちに迷惑を掛けないように繁栄していく……」

逆月「妖怪王はそうやって人間と妖怪の中立を保ってきたんだ」

勇者2「逆月様は、そのことをどうして……?」

逆月「……勇者2父様はダテという城下町の将軍に仕えていた。その町は昔から妖怪王と交流があったんだよ。俺はそのことを知ってる唯一の懐刀だった」

勇者2「……! じゃあ、御父様は妖怪王のことを知ってて……!?」

勇者2「それじゃあどうして私に呪いなんか……!」

逆月「……魔王のヤツのせいだ」

勇者2「!?」

逆月「勇者2父様は、勇者2が生まれたくらいに一線を退かれた。子育てに専念したいと言ってな。俺たち懐刀もそれを受け入れ、共に暮らしていた」

逆月「そんな時だ、魔王が妖怪王のスカウトに来たのは」

逆月「妖怪王に拒否された魔王は……あろうことかヒノモトに呪いを掛けた。ヒノモトの人間たちがバケモノになる呪いをな」

逆月「名前は何だったかな……体が腐敗しながら生きているバケモノだったはずだが……」

ファイザー「……ゾンビですか?」

逆月「ああ、それだ。魔王は俺たちにゾンビになる呪いを掛けやがったのさ」

勇者2「ゾンビ……!」

勇者2(この周回でもゾンビが……!)

逆月「勇者2父様は、それを妖怪王から聞き……苦渋の決断を為された」

逆月「……ゾンビの呪いを勇者2父様の住む村にだけ凝縮することにしたんだ」

ファイザー「! それは……ヒノモトを救うために犠牲になった……と?」

逆月「……そうだ。妖怪王は呪いを消すことはできなかったが、一箇所にまとめることはできたんだ」

逆月「……俺が裏切り者と呼ばれるのはここからさ」

逆月「俺は……勇者2父様から命令を受け、懐刀たちを騙して村の外に出したんだ。あいつらを救うためにな……」

逆月「だが……あいつらからしたら、俺がゾンビになりたくなくて逃げ出したとしか思えない。妖怪王のことは知らないんだからな。嫌われて当然だ」

勇者2「そ、そんな……! 別に逆月様が悪いわけじゃ……!」

逆月「いいんだ……。結局は俺が主君を置いて逃げたことに変わりは無い」

逆月「勇者2のことだって、ゾンビ化が進んでいたから置いてきたんだ。何故か妖怪王が短命の呪いを掛けて人間にしたみたいだけどな」

勇者2「!」

勇者2(じゃあ……この呪いは私を助けるために……? どうして妖怪王は私にだけ……)

勇者2(……ううん、そんなことより……)
794 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 08:49:29.06 ID:8U8Kun6oO
勇者2「……話に行こうよ。そのことを他の懐刀の人たちに!」

逆月「!? バカな、何を今さら……」

勇者2「だって、皆仲間だったんでしょ? それが仲悪いままだなんて……御父様も悲しむよ」

逆月「しかし、それは……」

ファイザー「悪くないと思いますよ」

逆月「!? ファイザー総帥……!?」

ファイザー「勇者2父さんは非常に強い侍だったと聞いています。彼の懐刀があなたと和解し、もしこちらの味方になってくれるとしたらかなりの戦力になるでしょう」

ファイザー「それに、あなたが勇者2父さんへの不義理を悔い、侍であることを止め、銃を持ったことは知っています。そろそろいいのでは?」

逆月「……!」

勇者2「私をついてるし……きっと皆許してくれるよ!」

逆月「…………」

逆月「……ここで意地になっても意味が無いか」

逆月「……分かったよ。久しぶりにあいつらに会ってみるよ」

勇者2「! うんっ!」

逆月「しかし……いいんですか? 俺たちだけ私的な理由で動いて」

ファイザー「身辺の問題をきちんとしておくのも戦いの前には大切なことです。こちらの味方になるかもしれないという利益もある」

ファイザー「ただ、その代わりと言ってはなんですが……妖怪王とのコンタクトも取ってほしいところですね」

逆月「!」

逆月「……試してはみますよ」

勇者2「じゃあ、早速行こっ! 懐刀の皆のところに!」



コンマ二桁判定です。今から残りの懐刀9人に会いに行きます。コンマ50以上でこちらの仲間になります。なお、閃影だけは自動成功。

コンマなので、人少なそうだったら連投あり。

↓1 風切
↓2 玉藻前
↓3 剛拳
↓4 大樹
↓5 白鷺
↓6 雷蔵
↓7 紅蓮
↓8 弱
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 08:51:36.12 ID:2DLRjtsDO
はい
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 08:56:04.36 ID:r6ItKJp6O
えいやっ
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 09:13:10.91 ID:DkNgqme8O
ナカーマ
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 09:24:45.85 ID:DkNgqme8O
人いない?
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 09:33:46.93 ID:2DLRjtsDO
はい
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 09:43:10.96 ID:b+kVOGCOo
ここに
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 09:43:40.64 ID:b+kVOGCOo
いる
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 09:43:46.14 ID:DkNgqme8O
狙う
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 09:44:10.79 ID:b+kVOGCOo
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 09:47:13.89 ID:bLnQWd3I0
どうだ
805 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 11:12:59.45 ID:8U8Kun6oO
コンマの結果、協力してくれるのは剛拳、大樹、白鷺、雷蔵、紅蓮の5人。ここに閃影と逆月を足して7人の懐刀が協力してくれることとなりました。そこら辺の描写はもうちょい後で。

勇者2「行ってきます! 後のことよろしくねっ!」

ファイザー「はい、分かりました」

勇者2「まずは神主様のところに行かないと! 呪い解けたこと教えてあげるんだ! 早く早く!」グイッ

逆月「わ……分かった! 分かったから引っ張るな……!」



ファイザー「行きましたか……」

ポスドク「おい!」

ファイザー「おや……これは珍しい。あなたが研究室から出てくるなんて」

ポスドク「おやもクソもあるかよ! どういうことだ!」

ポスドク「オレの開発した大規模生命吸収魔法を使わねーだと!?」

ファイザー「……地獄耳ですねぇ」

ポスドク「ふざけんなよ! あの開発にどれだけ注ぎ込んだと思ってんだ!」

ポスドク「オレの共同制作者たちも黙ってねーぞ!」



コンマ二桁判定。コンマ30以上で○○○○が、60以上で○○○と○○○○が登場。

↓1
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 11:30:29.39 ID:b+kVOGCOo
こん
807 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 13:17:22.00 ID:8U8Kun6oO
コンマ39のため、デューカ再登場。ちなみに60以上だとザナフとメアリィも出てました。

ポスドク「なぁ、そうだろう!? デューカ!」

デューカ「フハハハハ! ここが東洋の魔地か! 思わず三度目の堕天を陥りそうなほどの美しさだ……!」

デューカ「……ムム! この芳香は……噂に聞く人を地獄に落とす悪魔の料理・ラメンではないか!?」

デューカ「こうしてはおれん……ボクの右手に封じ込められた悪魔の六六六柱の一体・≪悲劇の堕天使(ルシフェル)≫が疼いて仕方がない……!」

デューカ「ではさらばだ! 狂気の研究者に亡者の総帥よ! フハハハハー!」ダダダッ!!

ポスドク「あっ、おい! 何ちゃっかりメシ食いに行ってんだ!!」

ファイザー「……相変わらず自由な方だ」

ポスドク「魔法使いとしてはかなりの素質があるんだけどな……コミュニケーションが全然取れねぇ」

ポスドク「……あいつはあんな感じだったが、自分の研究が使われねぇことに怒ってるはずだ! そうに違いねぇ!」

ファイザー「使わないとは言ってませんよ?」

ポスドク「え?」

ファイザー「もっとも……使い道は魔王軍の殲滅に変更しますが」

ポスドク「は?」

ファイザー「ああ、言い忘れてましたね。私は生き方を変えたんです。これからは魔王軍を倒す正義の商人になろうかなと」

ポスドク「…………」

ポスドク「はああああああっ!?」

ポスドク「お、おいおいおいおいおいおいおいおい!!」

ファイザー「うるさいですね……。契約解除しますよ」

ポスドク「お、お前なぁ! 分かってんのかよ!?」

ポスドク「オレはお前の元にいりゃあ安全に研究できると思って契約したんだぞ!?」

ファイザー「そう言われても事情が変わったのだから仕方ありませんよ。諦めて協力してください」

ポスドク「がああああっ! クソォ! マジかよ!」

ポスドク(でもコイツがスポンサーになってくれてるおかげで助かってるからなぁ……!)

ポスドク「……分かったよ。協力すりゃいいんだろ!」

ファイザー「理解が早くて助かります」

ポスドク「チクショー……! オレもラメン食ってくるっ!」ドスドスドス……!!
808 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 13:18:43.52 ID:8U8Kun6oO
ファイザー「……行きましたか。あの方も割と自由ですね……」

ファイザー「……では、私も向かいますか」

ファイザー「話をしなければならない人は私にもいるのでね……」



【ヨコハマ城:天守閣】

ファイザー「……お久しぶりですね、ヨコハマ将軍」

ヨコハマ将軍「…………」



安価です。ヨコハマ将軍の性格募集。

↓2
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 13:18:50.29 ID:r7M0i8VR0
俺も食ってくる!
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 13:19:39.66 ID:/fzCgxtzO
とてもシャイ。筆談じゃなきゃ喋れない
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 13:24:09.12 ID:896s+tUFO
33歳で厨二病はキツいっす……
812 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 13:34:16.85 ID:8U8Kun6oO
そういえばデューカは33歳だったね。これは大変だ……まぁいいか。

ヨコハマ将軍「…………」

ヨコハマ将軍「…………」サッ……

ファイザー「……顔を隠さないでもらえますか」

ヨコハマ将軍「…………」サラサラサラ……

ヨコハマ将軍『仕方ないであろう。私は恥ずかしがり屋なのだ』

ファイザー(相変わらず筆談なんですね……)

ファイザー「……まぁ、いいでしょう」

ファイザー「今日来たのは、ヨコハマ将軍にお話しなければならないことができたからです」

ヨコハマ将軍『何だ。言うてみい』サラサラ……

ファイザー「ヨコハマで私が行うはずだった計画ですが……中止が決定しました」

ヨコハマ将軍「…………」



安価とコンマ二桁判定です。ゾロ目だとなんかいいことあるよ。

↓1のコンマ偶数でヨコハマ将軍は計画を知っていた、奇数で知らない
↓2のコンマ偶数でヨコハマ将軍はファイザーに友好的、奇数で敵対的
↓3で中心部に立っている高層ビルは何のためにあるのかを安価で募集。
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 13:36:43.21 ID:2DLRjtsDO
はい
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 13:39:57.14 ID:r7M0i8VR0
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 13:41:02.56 ID:896s+tUFO
代々伝わる秘伝のラメン製造工場
816 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 15:37:57.58 ID:8U8Kun6oO
みんなラメン好きだなぁ。美味しいもんね。

ヨコハマ将軍『計画?』

ファイザー「……ああ、そういえば説明してませんでしたね」

ファイザー(私がヒノモトを消そうとしていたと知ったら流石に怒るかもしれないな……)

ファイザー(黙っておきますか)

ヨコハマ将軍『あのラメン工場の一部を使って行っていたものか?』

ファイザー「ええ、そうです。しかし、もう終わったことなので……一応ご報告までに」

ファイザー「……あの場所ってラメン工場なんですか」

ヨコハマ将軍『そうだ。代々伝わる秘伝のラメン工場だぞ。我が町で一番重要な場所だ!』サラサラサラ!!

ファイザー(興奮している……ヨコハマの人たちは本当にラメンが好きですね)

ファイザー「そして……ここからが本題なのですが……」

ファイザー「私、そして私の率いるファイザー商会は……魔王軍と敵対することを決定しました」

ヨコハマ将軍「!!」

ヨコハマ将軍「…………」サラサラ……

ヨコハマ将軍『真か?』

ファイザー「はい」

ヨコハマ将軍「…………」サラサラサラ……

ヨコハマ将軍『貴殿のことだ。その決断がどんな結末を意味するか分からないわけでもあるまい』

ヨコハマ将軍『それでもやると言うのか』

ファイザー「……はい」

ヨコハマ将軍「…………」フゥ……

ヨコハマ将軍『あのファイザーともあろう人物が、まさかそんな決意をするとなぁ……。人とは分からないものだな』

ファイザー「自分でも驚いていますよ」

ファイザー「……そこで……」

ヨコハマ将軍『分かっておる。私たちにも手伝えというのだろう?』

ヨコハマ将軍『確かに鎖国しているとはいえ、ヒノモトにとっても魔王軍は脅威であるしな』

ファイザー「ええ……」



コンマ二桁判定です。ヨコハマ将軍は手伝おうかなーと思っていますが、他の将軍はどうでしょう。

↓1のコンマ50以上でオーエド将軍は勇者2たちに協力。ここが一応ヒノモトの総意となります

↓2のコンマ50以上でキョート将軍は勇者2たちに協力。また、↓1と↓2のコンマ一桁を足した数だけ他の城下町の将軍が協力
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 15:40:29.22 ID:RRfKdbtIO
99
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 15:52:06.91 ID:896s+tUFO
ナイスゾロ目!
819 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 16:08:48.57 ID:8U8Kun6oO
ゾロ目なのでオーエドもキョートも協力してくれるし、ヒノモト全体も「魔王軍倒すで御座る」って感じです。

再び安価です。他に手伝ってくれる城下町は3つです。城下町の名前と特徴をお願いします。名前はオーエド、キョート、ヨコハマ、ダテ以外。特徴はシンプルでオッケー。

↓3まで
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 16:12:04.39 ID:SGyvRvHWO
イガ
ニンジャがいっぱいいる
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 16:13:52.89 ID:b+kVOGCOo
サツーマ
老若男女皆殺戮マシーンなやつらばかりの街
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 16:18:16.89 ID:dmJVnyaQO
ビワ
中央に巨大な湖がある。この湖の上に空飛ぶからくりを飛ばして距離を競う行事があるらしい
823 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 17:55:17.01 ID:8U8Kun6oO
ヨコハマ将軍『貴殿は運が良い』

ヨコハマ将軍『数週間前、将軍たちの秘密裏の会議にて、ヒノモト全体が魔王軍に対抗するために鎖国を一時的に中断することを決定した』

ファイザー「! それは……本当ですか!?」

ヨコハマ将軍『発案者はオーエド将軍だ。ヒノモトを治める将軍が言うことだ、誰も反対しなかった』

ヨコハマ将軍『ただし、全ての城下町が一度に魔王軍と対抗するわけではない。自国の防衛が第一だからな』

ヨコハマ将軍『まずは第一陣として、オーエドにキョート、我がヨコハマ……そしてイガ、サツーマ、ビワの六つが兵を送ることになっている』

ヨコハマ将軍『そちらの協力者は?』

ファイザー「ゴーン神聖帝国です」

ヨコハマ将軍「何……!?」

ヨコハマ将軍「あ……」

ヨコハマ将軍「……!」サラサラサラ!!

ヨコハマ将軍『失礼した。それは真か?』

ファイザー(別に喋ったっていいのに……)

ファイザー「はい、本当です。疑うなら使者を呼びますが?」

ヨコハマ将軍『いや、構わない』

ヨコハマ将軍『ゴーン神聖帝国の噂はこちらに入っている……強国が協力者というのは心強い。早速オーエド将軍に飛脚を飛ばそう』

ファイザー「飛脚ですか……ウチのを使いますか?」

紫電「お呼びで」シュン……!!

ヨコハマ将軍『……いや、申し訳ないが飛脚は自分のを使う』

ファイザー「おや、そうですか」

ファイザー「では紫電、帰りなさい」

紫電「…………はい」シュン!!

ヨコハマ将軍(可哀想に……)
824 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 17:56:36.89 ID:8U8Kun6oO
ヨコハマ将軍『話は終わりか? ならば失礼する。貴殿らとの連携を進めるため、家老にも話を通さねば』

ヨコハマ将軍『そちらも帝国の使者に話を通しておいてくれ。いつか会合を開きたいのでな』

ファイザー「分かりました。話しておきましょう」

ファイザー(……ハスターさんは、今何をしているところでしょうか)



【その頃:ファイザー所有の船にて】

ハスター「よし……このルートなら安全にエルフ族のところに行けそうですね」

ククル「はい、調整は私がやっておきます」

ククル「……砂漠の王国への使者はどのように?」

ハスター「そちらは、帝国側で決めるようです」

ハスター「……あちらも話が盛り上がっていることでしょうね」
825 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 17:58:28.34 ID:8U8Kun6oO
【ゴーン神聖帝国:シャリーの部屋】

シャリー「まぁ……! ユウシャが!?」

シャリー「それは良かった……! 無事に会えたのですね!」

隊長「はい、そのようです」

隊長「しかし……にわかには信じられないな。『輪廻転生』のスキルとは……」

ジャコ「オレはユウシャちゃんに会えんなら何でもいいな! 覚えてっかなぁオレのこと……!」

ジャコ「でも今のユウシャちゃんは12歳なんだっけ? オレ今年で38だから厳しいか……?」

フェニックス「……この男は相変わらずであるな」

ローレンス「全くだ。年齢を考えろ、ジャコ」

ジャコ「う、うるせぇな! お前だってもうジジイだろうが、ローレンス!」

ローレンス「なにぃ!? 俺はまだまだ現役だぞ!」

シャリー「ふふふ……」

ローレンス「何を笑っているんだシャリー……」

ジャコ「お前がジジイすぎて笑えるんじゃね?」

ローレンス「そんなわけあるか!」

シャリー「いえ……久しぶりに皆さんに会えて嬉しいのです。このところ、忙しくて皆が集まることはありませんでしたから」

シャリー「これでハスターとハツモトが揃えば、もっと良いのですけれど」

ジャコ「あー、ハスターはともかく……ハツモトはなぁ。一体どこに行きやがったんだか……」

ローレンス「あの男のことだ。どうせ魔族やモンスターを屠っていることだろう」

隊長「ははっ、そうだな。また会えるといいけどな……」

シャリー「祈りなさい……そうすれば、いつか会える。わたしはそんな気がするのです……」

ジャコ「おお、聖女様の祈りは効果がありそうだぜ」

ローレンス「茶化すんじゃない……」
826 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 18:01:11.89 ID:8U8Kun6oO
隊長「しかし、ハスターさんはお手柄だな……。まさかあのファイザーを味方につけるとは」

ジャコ「その分余計な仕事増やしやがってよぉ……」

フェニックス「何だ、貴様が行くのか」

ジャコ「お前も行くんだよ!」

フェニックス「えー」

ジャコ「えー、じゃねぇ!」

ローレンス「そうか、砂漠の王国にはジャコと隊長が行くんだったか」

隊長「ああ、増員もあるかもしれないが、使者としては我々が行く」

隊長「……シャリー女王がゴーン帝国を救ってから18年。ようやく魔王軍から世界を救う足掛かりが見えてきた」

隊長「この仕事、必ずや遂行してみせる……!」

ジャコ「ったく、昔から変わんねぇなホントに。真面目だぜ隊長は」

ジャコ「……まぁ、オレもきちんとやってくるよ。女王のためにな」

シャリー「ありがとうございます」ニコ……

シャリー「……では……」



シャリー「おなかすいたー! ろーれんすー! ごはーん!」ぐでーん!

ローレンス「こ、コラコラ、はしたないぞ床に寝転がるなんて……!」

ジャコ「……うーむ、10歳の頃は良かったが、28歳の女が幼女の振る舞いをしてるとなると……」

シャリー「なにか……?」

ジャコ「きゅ、急に聖女モードになるなよ!」

隊長「はいはい、準備しに行くぞジャコ」

ジャコ「何でオレがあしらわれてんの!?」



安価です。アイリが忠誠を誓う砂漠の王国についての設定を募集。少しだけ決まっているので、そこには矛盾しないものをお願いします。

<今ある砂漠の王国の設定>
・人間族と獣人族が共存している
・過酷な環境を生き抜くためか、国民たちは皆バイタリティがある
・交易が盛ん

↓1〜5まで設定を募集。また、同時に王国の名前もお願いします。コンマの一番高いものを採用
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 18:04:07.61 ID:r7M0i8VR0
稀(10年に一度くらい)に全身が真っ白で赤い瞳の獣人が生まれ、神の子として神聖視される

王国名はタモタモ
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 18:15:32.91 ID:mN1fcUkdO
純度の高い魔石が多く採れる広大な鉱山を保有している

国名 カワキスタン
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 18:16:08.65 ID:dmJVnyaQO
交易が盛んなので料理は基本的に万人受けする物だが伝統料理の『シーモツ』だけは独特な味で外から来た人は大体がクソ不味いと感じる事で有名

国名 チョベリィ
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 18:17:55.66 ID:fEkRCLyDO
王国名:ベル王国
特徴:強さによる階級が存在する強さ至上主義国
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 18:22:03.04 ID:5c8c4MHxO
王政ルーム
秘境中の秘境である世界最大規模の大穴世界が地下に広がっている
832 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/15(木) 18:25:41.25 ID:8U8Kun6oO
安価をもらったところで本日はここまで。名前は>>828を採用。でもせっかくゾロ目なので>>830もどこかで出すかも。

勇者2が全然出てきませんが、次回は勇者2のターンになると思われます。多分。エルフ族のところに行けると思うし。ではまた明日以降。
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 18:39:20.15 ID:ndh2Cz980
乙です
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 18:46:03.62 ID:5c8c4MHxO

この面子も転生繰り返したら死ぬんか
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 18:55:40.31 ID:r7M0i8VR0

シャリー女王はまあ、ギリギリ可愛いの範囲じゃないかな……
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 19:06:21.13 ID:mN1fcUkdO
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 20:25:14.61 ID:4d4rq+pEO

そういえばスライムマンは聖女の歌をどうやって回避したんだろう
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 20:54:09.78 ID:kNb1SBRto
変にズル賢かったしジョジョばりの機転とひらめきで切り抜けてそう
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 21:27:48.54 ID:nvEltZXE0
スラ男「音波は効かねェ!スライムだから!」どん!!
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 21:38:18.85 ID:LkbvpkLeo
やはりスライムは強属性…
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 22:49:36.46 ID:/+HLtCZ7o
不定形である以上(外)骨格等で形を保てる生物より音波の影響は大きいんだよなあ……
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 09:01:48.92 ID:5UuLy3AA0
そろそろ起きなさい
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/18(日) 14:15:05.63 ID:ydWVlWh00
まだかしら
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/19(月) 10:57:49.14 ID:K9mjwkhk0
ほぼ毎日更新するタイプの人って1週間更新途絶えるとそのままエタるイメージ
845 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 11:07:08.65 ID:xJVK5DfuO
おそらくですが、スライムマンは魔王軍のいる北西部まで逃げに逃げ、体がほとんど無くなりながらも何とか逃げ切ったと思われます。めっちゃ素早く動くモンスターに変化したりして。

懐刀たちのくだりが思ったよりも長くなって遅くなりました。やっていくぜ。
846 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 11:11:24.94 ID:xJVK5DfuO
【ヒノモト:勇者2が居た神社】

その頃、勇者2と逆月は神主様のいる神社へと戻ってきていた。

神主様「」ポカーン……

勇者2「か、神主様!? 大丈夫!? 気をしっかり!!」

神主様「……はっ!!」

神主様「い、いかんいかん……危うく逝ってしまうとこじゃった」

神主様「えーっと、ちょっと待ってくれ、整理させてくれんかの……」

神主様「つまり……ハスターとやらのおかげで呪いは解け、勇者2は『輪廻転生』というスキルの持ち主で、実は妖怪王は良い存在で、逆月は裏切り者ではなく、ヒノモトは間一髪で救われ、魔王軍の幹部を倒しに行くために勇者2は異国の森に向かうんじゃな?」

勇者2「うん、まぁ、そういうこと」

神主様「…………」

神主様「」ポカーン……

勇者2「か、神主様ーっ!?」

神主様「……はっ!! いかんいかん……」
847 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 11:20:03.93 ID:xJVK5DfuO
神主様「じゃが……短命の呪いが解けたことは本当に良かった。良かったぞい……」ホロリ……

神主様「魔王軍に刃向かうなど止めなさい……と言いたいところだが、言っても聞かんじゃろうな」

勇者2「うん……。何て言ったらいいか分かんないけど、私は世界を救うために頑張らなきゃいけないと思うんだ」

勇者2「私の周りの……皆の期待に応えるためにも」

神主様「うんうん……勇者2父も昔から頑固じゃったからのお。よく似ているぞい」

勇者2「それで……神主様にお願いがあるんだけど……」

神主様「何じゃ?」

勇者2「……あれ、何とかできない?」



閃影「テメェどのツラさげて私の前に現れてんだこの野郎!! 帰れ帰れ帰れ帰れ死ね死ね死ね!!」ドガガガガガッ!!!

閃影「つーか何私に許可無く勇者2様の隣歩いてんだよ!! おい!! ズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルい!!」ドガガガガガッ!!!

逆月「ま……待て!! 話を聞いてくれ!! 少しは話を聞こうとしてくれよ!!」

謎の嵐によって勇者2と離ればなれになった閃影は、取り敢えず神主様のところに戻っていた。

そしてこれから勇者2を探しに行こうとした矢先、憎き逆月と勇者2が現れてしまい、怒り狂っているのである。

神主様「……まぁ、そのうち落ち着くじゃろ。好き勝手やらせた方が良い」

神主様「逆月も強者じゃ。簡単にやられはせんからのお」

勇者2「そ、そうかな……」
848 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 11:46:01.19 ID:xJVK5DfuO
その後、勇者2はようやく落ち着いた閃影に今までの経緯を話した。

ただし、『輪廻転生』のスキルのことは話していない。お世話になった神主様には伝えたが、他の人たちには極力黙っておこうと考えたのだ。

勇者2(色んな人に話してハスターに迷惑掛けられないし……)

閃影「…………」

逆月「……と、言うわけなんだが……」

閃影「ふーん……」

閃影「で? まさか今さら許してもらおうって?」

逆月「……いや、そういうわけではない。ただ……勇者2と話して、やはり皆に伝えておくべきだと思い直したんだ」

閃影「ふーーーん…………」

勇者2「せ、閃影様……許してあげて? 逆月様も悪いことをしたわけじゃ……」

勇者2「あと、できれば私たちを手伝ってほしいなーって……」

閃影「もちろん手伝うわよ。勇者2様のためだもの」

閃影「魔王軍だか何だか知らないけど、勇者2様には指一本触れさせないわ……!」ゴゴゴ……!!

閃影「でも、アンタのことは許さないわよ逆月。たとえ勇者2様の頼みでもね」

逆月「…………」

勇者2「そ、そんな……!」

閃影「妖怪王の件が本当だとして……アンタは私たち懐刀に何も言わず、しかも勝手にいなくなったのよ」

閃影「それって私たちのこと信じてなかったわけでしょ? そんなヤツ信用できない」

逆月「……言い訳はしない」

逆月「ウソをつきでもしなければ、お前たちは勇者2父様から離れなかっただろう。あの時の判断が間違っていたとは思わん」

閃影「ほら、やっぱり全然信じてない……」

逆月「……だが、あの時他にも選択肢があったんじゃないのか……そうも思うさ」

閃影「……!」
849 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 11:48:44.52 ID:xJVK5DfuO
閃影「……別に、もう怒ってはいないわよ。昔の話だし」

逆月「さっきあんなに怒ってたじゃないか……」

閃影「あれはアンタが勇者2様に馴れ馴れしいからよ……!」

逆月「す、すまない……」

閃影「……まぁいいわ。アンタは紅蓮よりは信頼できるし。勇者2様をよろしくね」

逆月「……どういうことだ?」

閃影「? 剛拳のとこに行くんじゃないの? クスノキとか言うヤツの話聞きに」

逆月「それはそうだが……あいつがどこにいるのか……」

閃影「知ってるわよ」

閃影「フジノヤマ……そこで修業してるんだって。昔から元気な人よね」

逆月「!? 何故知って……!?」

閃影「さっき飛脚が来たのよ。剛拳からの手紙を持って」

閃影「そろそろ訪ねてくる頃だろうから、居場所を伝えておく……だってさ」

逆月「……相変わらず喰えない爺さんだ」

閃影「まったくね」

閃影「アンタは勇者2様を連れてフジノヤマへ……そしてそのままキョートに行っちゃいなさい」

閃影「私はオーエドの方にいるヤツらと話してくるから」

逆月「……了解した」

閃影「勇者2様、逆月をよろしくね。コイツ馬鹿だから、すぐに自分を犠牲にしようとするのよ。馬鹿だから」

逆月「馬鹿馬鹿言うな……」

勇者2「はい、私が逆月様を守ります!」

閃影「……ちょっと逆月、役割変わりなさいよ。私も守られたい」

逆月「お前は本当に昔から変わらないな……悪い意味で」

閃影「何ですってぇ……!?」

ギャーギャー……!!

勇者2(また始まっちゃった……)
850 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 12:28:17.32 ID:xJVK5DfuO
神主様「勇者2よ……」

勇者2「! はい」

神主様「これから他の懐刀たちを訪ね、そして……そのまま行ってしまうのだな」

勇者2「……はい」

神主様「……気をつけるんだよ」

神主様「何かあったらいつでも帰ってきなさい。たとえ……勇者2じゃなくなったとしてものお」

勇者2「……!」

神主様「仮にワシが生きておらんとしても、この神社はお前の家じゃ。分かったかの?」

勇者2「……はいっ!!」
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/19(月) 12:36:47.19 ID:zu3TDhgEO
2周目、初めは雲行き怪しかったけど勇者に優しい世界になってるな
852 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 13:31:30.79 ID:xJVK5DfuO
【フジノヤマ:樹海の中】

神社を発って数日後。勇者2と逆月はフジノヤマの樹海にいた。

勇者2「すごい森……こんなところにいるの?」

逆月「ああ、剛拳は世捨人だからな。こういうところで修業して能力を高めているんだ」

逆月「……剛拳! いるんだろ! 出てきてくれ!」





剛拳「呼んだ?」

二人「うわあああっ!?」ビクゥ!!

勇者2「い……いつの間に!」

逆月「心臓に悪いから普通に現れてくれ……」

剛拳「ほっほっほっ……久しぶりなのだからいいじゃろ。サプライズじゃ、サプライズ」

剛拳「それにしても……勇者2ちゃん、大きくなったのお……」

剛拳「しかも、クスノキを倒しに行くなんて大きなことをしようとしておる……」

勇者2「!? 何で……!?」

逆月「……こいつの固有スキルだよ」

逆月「剛拳のスキル『真実の瞳』は、あらゆることを見通せるんだ。それで知ってるんだろう」

勇者2「す、すごいスキル……!」

剛拳「そんなことも無いわい。人よりちょっとだけ物事を知っておるだけじゃ。年の功じゃな」

剛拳「例えば勇者2ちゃんの固有スキルのこととかも……知っておるぞ」ニッコリ

勇者2「……!」ドキッ……!!

勇者2「そ、そんなことより……!」

剛拳「分かっておる。クスノキのことと……わしに手伝ってほしいということじゃろ?」

剛拳「もちろん協力するぞ、勇者2ちゃんのためじゃからのお」

剛拳「そして、クスノキのことじゃが……」



コンマ二桁判定です。コンマが高いほど剛拳はクスノキと親しい。

↓1
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/19(月) 13:33:14.02 ID:zu3TDhgEO
およよ
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/19(月) 13:35:27.20 ID:Emr8470DO
これは殺し合ってる
855 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 13:49:02.04 ID:xJVK5DfuO
剛拳「……何にも分かりません」

逆月「……は?」

剛拳「いやぁ、わしがフジノヤマに来た頃にはもうクスノキはいなくてのお……本当に名前を知ってるくらいなんじゃ。すまんのお」

逆月「何だよ……何か知ってると思ったんだがな……」

剛拳「仙人仲間に聞いても知ってる者はおらんし……」

勇者2「仙人仲間……!?」

剛拳「さて……せっかくフジノヤマに来たんじゃ。勇者2よ、修業でもするか?」

勇者2「へ?」

剛拳「今からこの木の棒を投げる。それを取ってきなさい」

逆月「犬じゃないんだぞ……」

勇者2「や……やります!」

逆月「やるのか……」

勇者2「最近何だかたるんでる気がするので!」

剛拳「では……取ってきなさいっ!」ブンッ!!!

勇者2「えっ」

剛拳が投げた棒は音速で飛んで行き……樹海の奥へと消えていった。

勇者2「あ……あれを取ってくるんですか!?」

剛拳「そうじゃよ。頑張れ頑張れ」ほっほっほっ……

勇者2「ううう……が、頑張ります!」ダダッ!!
856 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 13:50:35.31 ID:xJVK5DfuO



剛拳「……逆月よ」

逆月「……何だ。勇者2を遠ざけてまで言いたいことでもあるのか」

剛拳「やはり気づいていたかの」

逆月「当たり前だ。分かりやすすぎるぞ」

剛拳「……気をつけなさい」

逆月「……どういうことだ」

剛拳「これから勇者2を中心にとんでもないことが起こる……それに巻き込まれすぎないように、ということだ」

剛拳「勇者2はもちろん、逆月や閃影……わしだって無事でいられるか分からぬ」

逆月「……!? 一体、何が起こるんだ……!?」

剛拳「知っているだろう。わしは人より物事が少し分かるだけじゃ。全て分かるわけでは無い」

剛拳「特に……これからのことは、わしにもほとんど分からぬよ……」

逆月「…………」

逆月(剛拳にも分からないような未来が待ってるってのか……!?)

逆月(……勇者2だけは守らないとな)

逆月(頼むぞ閃影……懐刀たちを呼んできてくれ……!)
857 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 13:51:43.47 ID:xJVK5DfuO
【オーエド】

風切「よっ、そこのお嬢ちゃん!」

「あら、私? お嬢ちゃんなんて歳じゃないよぉ」

風切「そうなのかい? こんなに綺麗なのに……」

「まぁ……///」

『ホント……顔は綺麗だけど手がね……』

「……ん?」

風切「え?」

「……何か言ったかい?」

『やっぱり年齢は手に出るよねぇ……』

「は?」

風切「ん?」

「……最低だねアンタ! からかうのもいい加減にしなっ!」バシッ!!

風切「うごっ!?」

風切「……行っちまった」

風切「……おい。いるんだろ閃影。出てこいよ」

閃影「相変わらずナンパ者ねぇ」ニュ……!!

風切「お前こそ、久しぶりに来たと思ったら影に入って邪魔しやがって……!」

閃影「しょうがないでしょう。あんな女と一夜を共にされたら話ができないもの」

風切「……何かあったのか?」
858 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/19(月) 13:53:43.52 ID:xJVK5DfuO
【場所を移して:風切剣術道場】

風切「……そんなことが……」

閃影「ええ、だから、あなたにも手伝ってほしい……」

風切「それは断る」

閃影「……!」

風切「俺の主君は勇者2父様だ。勇者2様を守ろうとは思わねぇ」

閃影「風切……!」

風切「それはこいつも同じだと思うぜ」

風切「なぁ、弱?」

弱「……うん」

閃影「うわっ……!? い、いたの……?」

弱「……うん。ずっと掃除してたよ」

閃影「相変わらず影薄いわね……」

風切「掃除してるのも相変わらずさ。勇者2父様に最期に言われたからってな」

弱「……主君の言葉は、絶対。主君の命令があるまで僕は掃除を続ける……」

閃影「にしても限度があるでしょ……」

弱「勇者2ちゃんのことは……好きだけど、主君じゃない。だから、僕は掃除を止めない……」

風切「……そういうわけだ。悪いが他を当たってくれ」

風切「俺にはこの道場や門下生を守るっていう大切な仕事もあるしな。他のことに構ってらんねぇよ」

閃影「チッ……! 頼り甲斐の無いヤツら!」

風切「まぁそう言うなって。代わりと言っちゃあ何だが、他の懐刀たちを連れてきてやるよ」

閃影「! 他の……雷蔵?」

風切「と、もう一人いる。白鷺さ」

風切「弱、雷蔵と白鷺を連れてきてくれ」

弱「……僕は掃除中だ」

風切「ああ、そうだったな……。じゃあ、確かそろそろ石鹸が切れる頃だから買ってきてくれ。掃除に必要だろ?」

風切「そのついでに雷蔵と白鷺を持ってこい」

弱「……分かった」スッ……!!

閃影「……音も無く消えた……足捌きは昔と変わらないわね。実力があるのにもったいない」

風切「しょうがねぇさ。俺の道場にいれば再び剣を持ちたくなるかとも思ったんだがな」

風切「……頑固なヤツだよ、アイツは」
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