安価とコンマで異世界転生!その12

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129 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/29(木) 18:29:29.71 ID:AU5tvOB40
なんだか締まらない音頭となったが、
三々五々夕食を摂り始めた


少年「口封じになるかと思ったんだが」

男「はっはっは、まだ死ねんよ」


男はそう言って自分の席に着いた
今日の夕食は教徒たちが作ったものであり、
メインディッシュは>>下1だ
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/29(木) 19:39:32.85 ID:vabTKpcq0
ブイヤベース
131 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/30(金) 00:46:26.84 ID:iwrt4Ixp0
出されたのはブイヤベースだった
魚介の豊潤な香りが、
口内に入れる前から既に漂ってきている


中華「なるほど……ブイヤベースか……」

氷魔「……すごい集中力ですね……」


神妙な顔で彼はブイヤベースを口に運んでいく
魚を丁寧に口に放り込み、低く唸っている
132 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/30(金) 01:01:29.33 ID:iwrt4Ixp0
本日はここまでです
ありがとうございました
133 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/30(金) 20:05:05.68 ID:eUxxBcxPO
すみません遅れました


やる気「どうすか?」

中華「……むむ……」


彼はそれからスプーンでスープを掬って飲み始める
確かめるように何度も口に運ぶ


ぶりっ子「すごい集中してますねぇ……」
134 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/30(金) 23:57:52.28 ID:iwrt4Ixp0
何度か頷いたのち、彼は小さく呟いた


中華「うまい……」

怪盗「よかったですね〜」

中華「……うまいっ!!」


今度は感動のあまり椅子から立ち上がり、
そう叫んだのだった


狙撃少女「なんで二回も……?」
135 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/31(土) 00:16:34.92 ID:pS0e4LiR0
少年「当たり前だけどさ、なにかを作ろうと思うやつって……よっぽどそれが好きなんだよな」

男「中華はその中でもちょっと特別かも」

炎魔「そんなに美味しいんでしょうか」


中華の様子に感化され、
どんどん食欲の湧いてきた一行は、
次々にブイヤベースを食べ始める


氷魔「……あ……本当に美味しいです……舌がじんわりと幸せになるような味がします……」
136 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/31(土) 01:36:54.40 ID:pS0e4LiR0
本日はここまでです
ありがとうございました
137 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/31(土) 19:15:00.18 ID:pS0e4LiR0
やる気「そういや、こんな森の中でどうやって魚料理なんて作ったんすかね?」

氷魔「……私たちが釣りました……」

ぶりっ子「へぇー……」

炎魔「だから魚釣りしてたんですね」

氷魔「……そんなところです……」

怪盗「確かに、冷凍できる人がいればがんがん釣れますしね」
138 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/01(日) 01:22:57.15 ID:CLQXlB/70
わいわいがやがやと、
教徒たちも男たちも色々と話しながらメインディッシュを平らげた


中華「じゃ、デザートの時間だよー」


彼は予め用意していた、
フルーツを加工したデザートを運んできた
それから金属の容器に入れられていたジュースを、
一つ一つ木製のコップに注いでいく
139 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/01(日) 01:33:21.82 ID:CLQXlB/70
本日はここまでです
ありがとうございました
140 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/01(日) 19:26:15.36 ID:CLQXlB/70
狙撃少女「シャーベット状になっていますね」

炎魔「すっごく甘い匂いがします!」


大根おろしのようなデザートも、
コップに入ったドリンクも、
いずれも非常に甘い香りを放っている


少年「食べてみるか……」


彼はデザートを優しくフォークで突き刺し、
ゆっくりと口内へと運んだ


男「味はどうだ?」

少年「>>下1」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 19:45:00.91 ID:6V8nqEX90
悪くは無い…ただ、もう少し甘みを抑えられそうな気がする
142 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/02(月) 02:21:06.13 ID:fW46pXTR0
少年「悪くは無い…ただ、もう少し甘みを抑えられそうな気がする」


彼はしゃぷしゃぷと咀嚼し、そう述べた


男「まぁ、元の果実が相当だからな」

中華「なるほど……よし、他の手を試してみるよ」

少年「一応言っておくけど、俺は甘党じゃない。他の人の意見も聞いたほうがいい」
143 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/02(月) 02:29:09.64 ID:fW46pXTR0
ぶりっ子「そうですねぇ、私はいくら甘くてもいいですしぃ」

氷魔「……ぶりっ子さんは……ちょっと規格外すぎますね……」


そう冗談めかして話しつつも、
氷魔は本当にシャーベットにしてしまったデザートを一部ドリンクに溶かし、
スプーンで混ぜて飲んだ


やる気「すげぇ食べ方してるっすね」
144 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/02(月) 02:53:13.69 ID:fW46pXTR0
本日はここまでです
ありがとうございました
145 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/02(月) 18:57:48.95 ID:MgHhmzBMO
怪盗「これはこれでいいと思いますよぉ」

男「そうだな、中華料理屋を出すにしても、こういうのを置いておくと結構頼まれそうだ」

中華「……そうかなぁ?」

男「あぁ、自信あるぞ」


男は回想しながら答える
彼がまだ元の世界にいた頃、
メインは中華系の料理だがデザートが充実している店に通っていたことを思い出したのだ
146 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/03(火) 01:51:48.17 ID:1r2qktuC0
狙撃少女「いっぺんには頼みませんよね?」

男「あぁ、そうだ。一旦メインの料理を食べてもらって、それからデザートを食べるかどうかを委ねる形だな」

中華「はぁなるほど……」

男「でもアレだな。大衆店のやり方だから、本格中華でまっすぐ売っていきたいならまた別だ」

中華「僕としては、色んな人に食べて欲しいと思ってるよ」


この世界においては、
多くの地域で中華料理はマイナーである
147 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/03(火) 02:04:18.96 ID:1r2qktuC0
本日はここまでです
ありがとうございました
148 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/03(火) 19:28:06.83 ID:1r2qktuC0
あれこれと話しながら、一行は夕食を終えた
それぞれが緩やかに後片付けを行い、
賑やかだった教会前もおとなしくなりつつある


男「いい夜だなぁ……」

狙撃少女「えぇ、昔行ったキャンプの夜を思い出します」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.気弱少女と話す
10.神に祈る
11.自由安価
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/03(火) 19:46:29.34 ID:RxB9hhMJ0
9
150 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/04(水) 01:04:15.23 ID:n4U8Z6e00
気弱少女「えいえいおー……」


教会の脇の森から声が聞こえた男は、
ふとそちらに足を運んだ
そこにいたのは、
一人でなにか口走っている気弱少女であった


男「……なにしてるんだ?」

気弱少女「へっ!?」

男「な、なんだよ……」
151 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/04(水) 01:07:01.40 ID:n4U8Z6e00
彼女はかつてなく慌てた顔をして、男の方に振り返った


気弱少女「あ、その……聞いてました?」

男「いや、なんか言ってるなとは思ってたけど……内容までは」

気弱少女「はぁー……よかったです」

男「……女の子だし、秘密ぐらいはあるか」
152 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/04(水) 01:22:14.41 ID:n4U8Z6e00
本日はここまでです
ありがとうございました
153 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/04(水) 19:45:15.43 ID:n4U8Z6e00
気弱少女「……なんか、おじさんみたいですね」

男「ぐっ」


その言葉はしかとその心を抉った
まだ若いつもりでいる彼にとって、
その言葉は凶器なのだ


気弱少女「ふふっ……」

男「まだ脂っこいもの食えるし……」
154 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/05(木) 00:53:50.74 ID:v3h+Qx6G0
気弱少女「……なんだか、隠し事をするのがばからしくなっちゃいました」

男「へぇ?」

気弱少女「私、みんなのために頑張りたいなって思えるようになりました」

男「元からじゃないのか?」

気弱少女「頼られたら……あるいは、それが使命なら私はそうしますよ……でも、それじゃいけないと思ったんです」

男「自分の意志で、ということか」
155 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/05(木) 02:10:13.82 ID:v3h+Qx6G0
本日はここまでです
ありがとうございました
156 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/05(木) 19:48:43.81 ID:v3h+Qx6G0
気弱少女「はい!私……これまで色んなことがありすぎて、自分についてよく考える時間がありませんでした」

男「そうだな、その年頃にはよくそういうことを考えるべきだ」

気弱少女「ずっとおじさんモードですね……」

男「君には人をそうさせる魔力のようなものがあるんだよ……」

気弱少女「……まぁいいです。それで、私……目標ができたんです」

男「目標?」


そう男が聞けば、彼女は優しく微笑んだ


気弱少女「>>下1」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/05(木) 20:04:52.86 ID:9Wy4FjavO
身寄りの無い子供たちが自分の道を見つける手助けをする為に、孤児院や学校を作りたいです
158 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/06(金) 00:55:32.08 ID:Umrmv9vO0
気弱少女「身寄りの無い子供たちが自分の道を見つける手助けをする為に、孤児院や学校を作りたいです」

男「……いい夢だなぁ」


しみじみ男は感じ入った
運命に翻弄された彼女らしい夢である


気弱少女「そうでしょうか」

男「あぁ!ぶりっ子や狙撃少女なんかは泣いちゃうかもしれないな」
159 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/06(金) 02:20:18.84 ID:Umrmv9vO0
気弱少女「そんなにですか……?」

男「あぁ。……それなら、もっと教会のリフォーム手伝えばよかったなぁ」

気弱少女「あんまりべたべた教会いじってると、また雷に打たれてしまうかもしれませんよ」

男「はは……アレ、マジで痛いんだよね」


ご飯を食べているときも暫くびりびりしていたのを彼は思い起こす
実は、金属製のフォークに手を付けたときも彼に帯電したままの電気が静電気のようにフォークに飛び出して痛みを覚えていたりしたのだ
160 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/06(金) 02:22:34.82 ID:Umrmv9vO0
本日はここまでです
ありがとうございました
161 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/06(金) 21:03:57.68 ID:Umrmv9vO0
すみません遅れました


気弱少女「それじゃあ、そろそろ寝ましょうか」

男「あぁ、そういえば君は朝が早くて夜も早いタイプだったね」

気弱少女「やることが多いと、どんどん遅くなっていきますよね」

男「あぁ、お陰で昔は……」

気弱少女「どうしました?」

男「いや、なんでもない」
162 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/07(土) 01:26:16.33 ID:H4WymkTu0
それからみんなはキャンプをするなり、
教会の椅子で眠るなり、
思い思いの方法で夜を明かした


〜翌日・陰週火曜日〜


炎魔「んぁ……」


木にひっかかった状態で彼女は目覚めた
寝相は悪いがどうにか大空に飛び立たずに住んだようだった
163 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/07(土) 19:59:11.93 ID:H4WymkTu0
すみません寝落ちしました


それから一行と教徒たちは再び教会に集まった
男は彼らに問いかける


男「俺たちについてくる決心はついたか?」


教徒たちは顔を見合わせ、
この前のようにそのうち一人が歩み出る


教徒「>>下1」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 20:46:50.40 ID:Xml6CoA/0
はいついていきます
165 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/08(日) 01:33:41.48 ID:uJJHKYD80
教徒「はいついていきます」


多くの教徒たちはもう決意を固めたようだった


中華「なら、行こうか」

氷魔「……はい……」


氷魔は教会から地下に繋がっているハッチを開いた
男たちが梯子を降りていき、
次いで教徒たちも降りていく
166 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/08(日) 01:35:57.59 ID:uJJHKYD80
やる気「じゃ、真っ直ぐ進むっすよ!」


一行は大所帯で地下を進んでいく
こんな場所があることは、
教徒たちもほとんどが知らなかったようだ


ぶりっ子「こんな大所帯で戻ってきたら、あの魔王さんなんて言うんでしょうねぇ?」

怪盗「……あんまりぞろぞろ連れていかないほうが賢明かもしれませんね。そこまで狭量な方ではないと思いますけど」
167 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/08(日) 01:38:41.02 ID:uJJHKYD80
本日はここまでです
ありがとうございました
168 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/08(日) 19:56:33.99 ID:uJJHKYD80
それからしばらく歩いて、
一行はあの花畑へと戻ってきたのだった


気弱少女「きれい……!」

少年「なんだ、ここ……!?」

狙撃少女「魔王の居城ですよ。あそこに宮殿が見えるでしょう?」


彼女はそれを指し示したが、
にわかには信じがたいようだった
この美しき花畑を統べるものが、
魔王であるなどとは考えづらかったのだろう
169 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/09(月) 02:36:36.13 ID:hdhgHNHP0
炎魔「実は、あそこに住んでいるオネエ魔王さんに頼まれて私たちは帝国領にいたんですよ」

男「そう。届けなきゃならないもんがあってね……で、それが終わったから報告しに行くんだ」


一行はひたすら花畑の道を歩き、
その宮殿へと近づいていく
どこかから見られているような感覚を多くの人は感じており、そわそわしている
170 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/09(月) 03:01:54.28 ID:hdhgHNHP0
本日はここまでです
ありがとうございました
171 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/09(月) 20:52:58.55 ID:hdhgHNHP0
すみません遅れました


それから一行は宮殿の前へとたどり着いた
ドリアードが何人かで警備をしている


中華「ここから先は、僕らだけで行こうか」

氷魔「……そうですね……」

ぶりっ子「みなさん!絶対にここの花畑を荒らしたり花をむしったりしないでくださいねぇ!」

怪盗「これだけの支配領域のある魔王の怒りは買いたくないですからね」
172 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/10(火) 01:20:33.53 ID:gw90xoQ/0
それから警備するドリアードたちの前に一行は歩み出た


狙撃少女「すみません、通していただけますか?」

ドリアード「確かあなた方は……」

炎魔「オネエ魔王さんから受け取ったバラを届けて参りました」

ドリアード「なるほど、それはそれは……大変だったでしょう」
173 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/10(火) 01:23:23.66 ID:gw90xoQ/0
彼女が合図をすると他のドリアードも門の前をどき、
紅い金属製の門がゆっくりと開かれた


やる気「ご丁寧にどうもっす」

ドリアード「あなた方は気に入られていますから」

男「そうだったんだ?」

氷魔「……まぁ……気まぐれで捻り潰されていないだけ……確かに気に入られているのかもしれませんね……」
174 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/10(火) 01:42:46.86 ID:gw90xoQ/0
本日はここまでです
ありがとうございました
175 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/10(火) 19:49:29.62 ID:gw90xoQ/0
それから流れるようにオネエ魔王の部屋へと向かうのだった


やる気「双子さんにバラ届けてきたっすよ〜」

オネエ魔王「あらそう、思ったより早かったね」

中華「そういえば、あの双子は何者だったんですか?自分の領域も持っていたようですが……」

オネエ魔王「>>下1」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/10(火) 21:59:01.53 ID:clKRyCzI0
……大昔のお友達よ。とても大切な『女性』を守って居るだけの……ね。
177 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/11(水) 01:55:00.09 ID:90gK5azs0
オネエ魔王「……大昔のお友達よ。とても大切な『女性』を守って居るだけの……ね。」


彼は物憂げな眼差しを虚空へと向ける
その先にあるのはあの二人なのか、
それとも『女性』なのかは本人にか分からなかった


ぶりっ子「………………」

オネエ魔王「ちょっと湿っぽくなっちゃったわ」


彼女はカップに口をつけ、
残っていた一杯を飲み干すと立ち上がった
178 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/11(水) 01:58:32.92 ID:90gK5azs0
本日はここまでです
ありがとうございました
179 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/11(水) 19:48:11.83 ID:90gK5azs0
怪盗「聞いたのは私たちですから……すみません」

オネエ魔王「いいのいいの。それで……頼み事を聞いてくれたんだし、子供たちをここに連れてきてもいいわ」

狙撃少女「ありがとうございます……」

炎魔「子供の頃にこんなところで過ごせたら、きっといい経験になるんじゃないでしょうか」

オネエ魔王「そう?そういうふうに庭を見たことはなかったわ……でも、褒められるのは嬉しいことね」
180 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/12(木) 01:14:25.59 ID:+eODO/6s0
男「それじゃあ行きますね」

オネエ魔王「……体力は大丈夫?」

中華「お気遣いなさらず。まぁ、向こうに行って戻ってきたら分かりませんが」

オネエ魔王「じゃ、お部屋の用意はしておくわね」


そうして一行は彼と別れ、
宮殿を出て外の教徒たちの所へと戻るのだった


氷魔「……さて……ここからが長いですよ……」
181 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/12(木) 01:24:08.92 ID:+eODO/6s0
教徒たちはそう告げられると、やや不安そうにした


ぶりっ子「またハッチを開けて地下に戻り……移動します」

怪盗「で、次の目的地まで結構かかるんですよね」

狙撃少女「私たちが全力で走るのと同じくらいのスピードで滑走して……二時間?」

炎魔「歩きなら6時間はかかるでしょう!」


彼女が計算すれば、一部の教徒たちは遠い目をした
滑走移動ができるメンバーだけで行ったほうがよさそうだ、と男は感じた
182 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/12(木) 01:25:12.71 ID:+eODO/6s0
本日はここまでです
ありがとうございました
183 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/12(木) 19:26:59.46 ID:+eODO/6s0
少年「その滑走ってのはどうやるんだ?」

男「氷魔に地面を凍らせてもらって、そこを滑っていく。結構コツがいるんだ」

気弱少女「へぇ……」

中華「君たちがやって転んだら怖いし、僕たちだけでいくよ」


一行は花畑に教徒たちを残して、
ハッチの中へと向かっていった
184 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/13(金) 00:01:23.50 ID:9x4fkrAa0
一行は急いで地下を滑走し、
図書館の街まで戻ってきた
そして、市長がいるオフィスに入っていく


氷魔「……ただいま戻りました……」

市長「予想はしていましたが、かなりかかりましたね」

やる気「えっと……期待に添えなくて申し訳ないんすけど、まだ極東には着けてないっす」

市長「なんと……」
185 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/13(金) 19:10:17.14 ID:YakJd4+aO
すみません寝落ちしました


ぶりっ子「あっ、でもぉ、帝国に繋がるハッチがありましたよぉ」

市長「そうなのですか?それはとても有益な情報ですね」

怪盗「そういえば、帝国で市長の妹さんに会いました!」

市長「あぁ、確かに今潜入していますね」

狙撃少女「一体なんの目的であそこにいたんでしょう?ものすごい怪力で甲冑の人も連れてましたが……」

市長「>>下1」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/13(金) 19:45:58.80 ID:6Bzh8jvH0
…『妹』は、『少女』を元の世界・元の時代に帰そうと奔走しています
187 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/14(土) 00:02:44.45 ID:lBc6hn850
市長「…『妹』は、『少女』を元の世界・元の時代に帰そうと奔走しています」

炎魔「少女……?」

男「多分あの連れてた子じゃないの?」


全体主義者のような雰囲気を纏っていた彼女だったが、
実際には誰か個人のために戦える存在だったのだ


中華「やっぱり、いい人だったんだ」

氷魔「……帰すために行動しているとなると……異なる世界線から来た人々が住むあの街にいたのも頷けるところです……」
188 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/14(土) 00:16:39.19 ID:lBc6hn850
市長「彼女、私についてなにか言っていませんでしたか?」

やる気「や、特には……」

市長「そうですか。私はかなり彼女に迷惑をかけているので……」

ぶりっ子「そうなんですかぁ?」

市長「私が帝国と対立しているせいで、彼女の調査にも影響が出てしまっています」

怪盗「そりゃどっちも正しいことますから、市長さんか気に病むことはないです!」
189 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/14(土) 00:39:56.87 ID:lBc6hn850
本日はここまでです
ありがとうございました
190 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/14(土) 18:26:53.55 ID:lBc6hn850
市長「そうですか?それならいいのですが」

狙撃少女「それと、子供たちを一時預かってくれる方を見つけました」

市長「つまり……子供たちを連れてまっすぐ歩くには極東は遠すぎるおそれがあるということですね?」


何段階か思考を飛ばして質問をしてくる
実際合っているので、一行は頷くことしかできない


炎魔「そうですね……」
191 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/15(日) 02:15:46.81 ID:dfZbS8bT0
市長「ちなみに、どんな方なのでしょうか」

男「魔王だよ」

市長「……魔王?」


市長は首を傾げた
魔王がそれほど慈悲深い存在だとは思っていないようだ


中華「それだけじゃ伝わんないでしょ?」

男「あぁ、そうか……」

中華「市長さん、オネエの魔王だよ」

市長「オネエの魔王??」
192 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/15(日) 02:17:13.89 ID:dfZbS8bT0
本日はここまでです
ありがとうございました
193 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/15(日) 18:58:45.06 ID:dfZbS8bT0
より訳が分からないという顔をする
確かにそうだろう


氷魔「……はい……オネエの魔王です……」

市長「そうですか……信頼できるのですか?その……魔王は」

やる気「気品のある方っすし、節度を持って接していれば相手も優しくしてくれる感じっすね」

市長「……魔王らしくないですね」

ぶりっ子「そんなんばっかじゃないですかぁ?」
194 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 01:08:56.92 ID:r5n0A3+r0
実際、ここにいる二人の魔王もあまり物騒なタイプではない
時折その片鱗が見えることもあるが、
よほど追い詰められなければ、
邪悪な魔王らしい態度を取ることは少ないだろう


市長「……そうですね」

怪盗「ま、そういう訳で……子供たちを連れていくために戻ってきました」

市長「分かりました。では出発の支度をさせますね」
195 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 19:02:29.04 ID:zy2W8hlnO
すみません寝落ちしました


それから三十分ほど待てば、子供たちは全員揃った


狙撃少女「それじゃあ行きましょう!」

炎魔「ハッチを降りるのが怖かったら、私が支えますからね!」

子供A「あ、ありがとう……」
196 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 19:05:15.67 ID:zy2W8hlnO
それから地下水道に降りて、
一行と子供たちは歩き始めた


男「ううん……」


だが、暗くじめじめとしたその道は、
まだ小さな子供たちにとっては不気味すぎた
何人かは足がすくんでおり、
このまま歩くのは彼らの精神をただ磨耗させることにほかならないと何人かは気付いた


中華「よし!なにか楽しい話をしようか!」

子供B「楽しい話……?」

中華「あぁそうさ!どうかな、なにか極東での楽しい思い出とかないかい?」

子供B「え、ええっと……>>下1」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 19:22:19.18 ID:OOsBsIGZ0
働く石像さんの話

昔、村々を作る際にその村の御神体を奉納する決まりがあった時代に、人々のお願いを聞いて働く石像が祀られていた村の逸話
198 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 23:50:51.04 ID:r5n0A3+r0
子供B「昔話でもいいですか……?」

中華「もちろん!」


そう言うと控えめに子供は笑って、
それから話し始めた


子供B「昔……極東には働く石像さんがいたの」

氷魔「……働く……石像……?」

子供B「うん、昔……極東では新しい村を作るときに、その村に大きな社を作ってたんだ」
199 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 23:57:26.97 ID:r5n0A3+r0
ぶりっ子「へぇー、村ごとに神様がいるんですかねぇ?」

子供B「そうだと思う……それで、社には御神体を奉納することになってるんだ」

怪盗「聞いたことありますね、東国の社には神様を象徴するものが置かれていると」

子供B「それで、そこの社で祀られていたのは……働く石像さんだったんだ」

狙撃少女「働く、とはどういうことなんでしょう?農作業とかしてくれるんでしょうか?」
200 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/17(火) 00:53:08.73 ID:Ixl9d9AQ0
本日はここまでです
ありがとうございました
201 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/17(火) 19:44:18.46 ID:x29GDB3NO
子供B「あんまりそういうことはしないみたいだよ。大きくて邪魔な岩をどかしたりとか」

狙撃少女「へぇ……」

やる気「誰かが操作してるんすか?」

子供B「ううん、みんなのお願いを聞いて動くんだ。命令する人がいるわけじゃないんだよ」

氷魔「…………?……変わってますね……まるでゴーレムのようですが……マスターがいないのでしょうか……?」

子供B「ごぉれむ?」
202 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/18(水) 02:02:14.27 ID:W1sbw4Zk0
男「魔法使いのために働いてくれる、石とかでできた像だね」

子供B「働く石像さんに似てるね」

やる気「そっすねぇ」

中華「でも、御神体として備えられてたってことは神様なの?」

子供B「うーん……石像さんは神様じゃないと思う」


そこまで話すと、別の子供が声を上げた
203 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/18(水) 02:33:49.41 ID:W1sbw4Zk0
本日はここまでです
ありがとうございました
204 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/18(水) 19:48:25.94 ID:W1sbw4Zk0
子供C「みんなが神様にお願いすると、石像さんが働いてくれるんだよ!」

氷魔「……なるほど……」

ぶりっ子「ところで、その石像さんって今もいるんですかぁ?」

子供B「いない」

怪盗「えぇ、どうしてなくなっちゃったの?」

子供B「>>下1」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/18(水) 20:10:08.78 ID:L2h9eRmo0
大地震が起こった時に村の人達を助けた後に地割れに飲み込まれちゃったんだ……
206 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/19(木) 00:37:08.17 ID:lzYOll0P0
子供B「大地震が起こった時に村の人達を助けた後に地割れに飲み込まれちゃったんだ……」

狙撃少女「なんと……」

炎魔「ってことは、地の底にはまだ石像さんがいる可能性があるんですね!」


彼女は悲しそうな顔を一瞬したが、
すぐにそう言って明るいいつもの顔になった


男「極東に行ったら助けたいとか、そういうこと考えてるでしょ」
207 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/19(木) 00:39:29.29 ID:lzYOll0P0
炎魔「分かってるじゃないですか」

男「どこにいるか分かったらやろうか」

炎魔「話が分かりますね!」


それからも、一行と子供たちは極東のお話や、
その他種々の楽しい話をして歩き続けた
暗さも恐怖を呼ぶものではなく、
余計な視覚を遮断して話の世界に入り込むための、
ある種の暗幕のような効果を果たした
208 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/19(木) 00:43:32.34 ID:lzYOll0P0
本日はここまでです
ありがとうございました
209 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/19(木) 19:52:54.88 ID:lzYOll0P0
お陰で進むのも少し早くなったのか、
予定より一時間ぐらい早く目的地に着いた


中華「それじゃ、梯子を昇っていってね」

やる気「落ちたら俺っちがキャッチするっすから、安心して上るっすよ!」


子供たちは心配をよそに、
するするとみな梯子を上っていった


氷魔「……すごいですね……私……小さいころはどうしても梯子がダメで……」
210 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/20(金) 00:38:59.64 ID:h5n81TFH0
一方、地上に上った子供たちはその光景に目を奪われた


子供A「わぁぁ……!」

子供D「きれい……!」


どこまでも続く花畑と地平線
そこに呑み込まれていく太陽
世界の終わりがこんな感じだったらいいのに、
と思う者もいるほどの美しさだった


ぶりっ子「確かに、これは綺麗ですねぇ」
211 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/20(金) 00:43:40.34 ID:h5n81TFH0
本日はここまでです
ありがとうございました
212 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/20(金) 21:00:40.54 ID:h5n81TFH0
すみません遅れました


怪盗「それじゃ、着いてきてくださいね!」


彼女は子供たちを先導して歩き始める
向かうは魔王の居城であった


狙撃少女「まるでピクニックみたい」

炎魔「ふふ、確かにそうですね!」
213 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/21(土) 01:17:20.44 ID:/KC2STWn0
男「見えてきたぞ、あれが目的地だ」


彼が指し示す先にある魔王の宮殿
子供たちは初めて見る西洋風巨大建造物に目を奪われた

子供E「すげー……」

子供D「あんなところに住みたいな……」

中華「住むのは無理だけど、しばらく君たちはあそこで暮らすことはできるよ」
214 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/21(土) 01:27:29.83 ID:/KC2STWn0
近付けば、待たせていた信徒たちが反応する


氷魔「……みなさん……待っていてくれたんですね……」

やる気「いやぁ、時間かかって申し訳ないっす!」


子供たちはおびただしい数の人に少し怯んだが、
一行が仲良くしているのを見て悪い人たちではないのだろうと安心した
215 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/21(土) 01:40:32.34 ID:/KC2STWn0
本日はここまでです
ありがとうございました
216 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/21(土) 19:06:45.54 ID:/KC2STWn0
少年「俺と同じくらいじゃないか」

気弱少女「なんだか懐かしい気分になりますね」


完全なる合流を果たし、
みんなで宮殿の中へと入っていく


ドリアード「みなさんお揃いのようですね」


と、ロビーで待機していたドリアードが礼をする
217 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/22(日) 05:46:36.16 ID:pQKnCM1b0
ぶりっ子「随分待たせちゃいましたねぇ」

ドリアード「構いませんよ、それでは着いてきて下さい」


彼女に先導され、
これまで入ったことのない廊下へと通される
その天井はとても高く、
なにやら抽象的な絵も描かれている


怪盗「芸術、お好きですよねー……ここの魔王さま」

ドリアード「えぇ、本当に好まれるのは芸術であることを自覚している芸術ではなく、自ずから芸術になってしまうものなのですが」
218 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/22(日) 05:47:40.37 ID:pQKnCM1b0
本日はここまでです
ありがとうございました
219 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/22(日) 19:51:12.67 ID:pQKnCM1b0
狙撃少女「雪の結晶みたいな感じですかね?」

ドリアード「そうですね。生きているとなおよいそうです」

炎魔「生きて……?」


あれこれと話しているうちに、
一行は一つの部屋の前に到着した


ドリアード「ここが、子供たちに案内するように言われている部屋です」


彼女は扉の隣に立つと、
ツタを伸ばして横から開け放った


>>下1……部屋の内装
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 23:33:33.01 ID:j4O7hR630
ホテルの一室と思わせる程広く綺麗で、草原かと思わせる色の壁、家具も大人数で使える程にはおおきかった
窓から見る景色も明るくて見晴らしも良い
ただ…七基程気になる石像…と言うか恐らくガーゴイルと言うのだろう、半人半魔の女性を模った石像があった
221 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/23(月) 02:14:32.60 ID:ebg3c3o60
子供A「わぁ……!」


誰もが、そこから青く清浄な空気が吹き抜けたかのように錯覚した
ほぼ夜なのに、その部屋の壁は昼の晴天のようだった
どこまでも広がっていくような草原が、
壁全面に表現されていたのだ


男「圧倒されるな……」


子供たちは吸い込まれるように部屋に入っていく
一行や教徒たちも、
その内装が気になる一心で入室した
222 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/23(月) 02:21:02.46 ID:ebg3c3o60
中華「うひゃあ、すっごいねこれ」


とにかく部屋が広く、
だがそれに応じて家具の一つ一つが大きかった
まるで縮尺の違う世界に迷い込んだような感覚を受けるが、
そのおかげで沢山の子供たちが使用できるようになっている


氷魔「……ちゃんと……窓もありますね……」


かちゃり、と音を立てて氷魔は窓を開いた
223 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/23(月) 02:55:26.38 ID:ebg3c3o60
本日はここまでです
ありがとうございました
224 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/23(月) 19:45:35.87 ID:ebg3c3o60
外側の窓枠の上にある壁面には、
魔力で発光するライトが取り付けられていた
外の眩しすぎる夕陽は、
どこまでも続く草原に差し込んで、
存在しないはずの郷愁を誘う


やる気「最高の部屋っすね!」

ぶりっ子「そうですねぇ!」

怪盗「私もここに泊まりたいです!」

狙撃少女「えっ……もしかして、この石像が見えてないんですか……?」
225 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/24(火) 02:04:07.54 ID:KrOyFRWx0
彼女は部屋内に安置されている石像たちを指した


炎魔「まぁ……これは魔王らしいセンスだよねー」


その姿は一見すればヒトのようであったが、
その背には翼が生えていた
しかも、天使の持っているような柔らかな見た目のものではない
魔族に特有の、蝙蝠のような翼だった


男「男の子はこういうの好きなんじゃないか?」

少年「女の像じゃなけりゃなぁ」
226 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/24(火) 02:26:58.25 ID:KrOyFRWx0
本日はここまでです
ありがとうございました
227 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/24(火) 19:54:16.35 ID:KrOyFRWx0
その像は全て女性を象っている
しめて七基のそれが部屋の各所に置かれているのだ


氷魔「……これは……恐らく……ガーゴイルでは……ないでしょうか……?」

中華「ガーゴイル?」

やる気「あぁ、でっかい屋敷の前とかに置いてある、魔物っぽい像のことっすね」

ぶりっ子「ですねぇ」
228 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/25(水) 01:32:03.85 ID:Vd8W6bsW0
氷魔「……あれは……ああ見えて邪なものを退けるために置かれているのです……」

怪盗「なるほど、つまり……」

氷魔「……これらの像も……子供たちを守るという気概で置かれているのではないかと……」

狙撃少女「な、なるほど……だからみなさん言葉に出さなかったんですね」

中華「いや、触れたらまずいかと思って言わなかっただけだよ」

やる気「そっすよ」

狙撃少女「……………………」
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