【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part8

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202 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/03/08(日) 23:58:07.11 ID:DPWmJtQ10
―ダウンの家

 ペラッ ペラッ

本を読むダウン「……」


フメイ「……」ジー

セイン「……フメイ、どうした?」

フメイ「……ダウンって、いつも目を閉じてるよね?」

セイン「……そういう風に見えるだけじゃないか?」

フメイ「絶対閉じてる。まぶたがピタッてくっついてるもん」

セイン「そうか……よく見ていなかったから気付かなかった」

フメイ「でも今、本を読んでる」

セイン「ああ」

フメイ「……本を読んでるってことは……目を開けてるはず」

セイン「確かに、目を開けなければ本は読めない」

フメイ「よおし……今なら、ダウンがどんな目なのか、確かめられる……!」トコトコ

セイン「……止めた方が良いだろうか」


本を読むダウン「……」

フメイ「……」ソロリソロリ


フメイ(横から……ダウンの顔を覗きこんじゃえ)


フメイ「……」ジッ

フメイの方に振り向いて糸目で微笑むダウン「」ニッコリ

フメイ「んわっ!?」コテッ

ダウン「も〜、フメイちゃんたら……。淑女のお顔を無遠慮に覗き込むなんて、お仕置きが必要かしら?」

フメイ「フメイ、悪くない! ただ、見ただけ……!」

ダウン「……もし私が、見た者を全て殺す死の魔眼の持ち主だったら……どうするの?」

フメイ「!?」

セイン「……そんな魔眼の持ち主なのか?」スッ

ダウン「フフ、冗談よ。でもね……普段閉じられている目には、そういう禁忌が内包されていることもあるの。好奇心に釣られて迂闊に覗き込んじゃだめよ?」

フメイ「むー……」

セイン「……すまなかった。フメイも、謝ろう」

フメイ「ごめんなさい」ペコリ

ダウン「ふふ、わかればいいの!」


フメイ「……でも、本読んでる時って、開けてるの?」

ダウン「どっちだと思う?」

フメイ「んー……閉じてる!」

ダウン「答えはぁ……秘密!」

フメイ「え〜!」

 ◆
203 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/03/08(日) 23:59:43.03 ID:DPWmJtQ10
―ダウンの家 客室

 窓の外の吹雪「」ヒュオオオオオ――


メアリー「……やることがありません。何もしないでいるのは、楽ですが……つらい……」

 ガチャッ

クロシュ「メアリーさん!」

リュアン「メアリーさん、こんにちは……」

聖女「お邪魔します……ていうのはおかしいでしょうか」


メアリー「……こんにちは、皆さん。本日はどういったご要件で……?」

クロシュ「これ……!」スッ

 本『クロシュヴィア伝説』ポン!

メアリー「えっ……? これは……クロシュヴィアの……画集……?」

クロシュ「うん! えっと、フェルメールちゃんが……作ったんだって……」

メアリー「フェルメール……なるほど。納得できます」

聖女「……デロデロ教内でも、フェルメールさんの評判はそのような感じだったのですか?」

メアリー「そうですね。特に害はなかったので放っておかれていました」

リュアン「そ、そうだったんですか……」

メアリー「ついでに伝えておきますが……我々の活動は、団体としてのデロデロ教は関わっておりません」

聖女「……やはりそうですか」

メアリー「はい。デロデロ教にそのような組織力はありません。彼らただ、救いを求めて導師の元に集っただけの哀れな力なき者たちなのですから……」

リュアン「では……メアリーさんのように、クロシュヴィア様と一緒に動いているのは、極少数……?」

メアリー「そうです。構成員はデロデロ教の導師であった者が主ですが、全くデロデロ教と関わりのなかった者もいます」

クロシュ「そうなんだ……」

メアリー「それで……その本を、どうするのですか?」

 本『クロシュヴィア伝説』

クロシュ「あ、うん! えっと……いっしょに……読む?」

メアリー「私に拒否権はないと思うのですが……。では、一緒に読みます」

クロシュ「ん!」

 *
204 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/03/09(月) 00:00:11.10 ID:xki7YslB0
 本『クロシュヴィアちゃんはとても尊く美しく可愛らしい。あまねく民草を照らす導きのデロデロである――』
 挿絵『クロシュヴィアちゃんの寝顔』
 挿絵『椅子に座るクロシュヴィアちゃん』
 挿絵『演説するクロシュヴィアちゃん』
 挿絵『温泉入浴クロシュヴィアちゃん』
 挿絵『ごはんを食べるクロシュヴィアちゃん』
 挿絵『空を飛ぶクロシュヴィアちゃん』
 挿絵『フェルメール王女に抱っこされるクロシュヴィアちゃん』
 挿絵『クロシュヴィアちゃんとお友達のクロシュちゃん』

メアリー「……すごいですね。これは」

クロシュ「んへへ……」

聖女「ふふ、かわいらしいですよね」

リュアン「……こうして見ると……確かに、かわいらしさを感じますけど……」

クロシュ「メアリーさん……クロシュヴィアちゃんのこと、好き……?」

メアリー「……私などが、好意を抱いて良い存在ではありません」

クロシュ「ほえ……?」

メアリー「そもそも……好意とは、期待や執着と言った害悪に容易に転じ得る、危険な感情です……。私たちは……何に対しても、好意を抱くべきではない……と考えています……」

聖女「それは……確かに、そういう負の側面は無視できませんが……。何をも愛しく思わずに生きていくなど、難しすぎますし……そもそも、不可能ではないですか」

メアリー「……はい。不可能です。だから……この世界では、いつまでも悲劇が繰り返され続ける……」

クロシュ「……」

メアリー「フェルメールは……最後に、デロデロを正しく理解したそうですね……。彼女は……その後、どうなりましたか? 愛していたクロシュヴィアに裏切られたと感じて、怒りましたか……? それとも、クロシュヴィアの言う事は絶対だと、自ら傀儡に成り下がった……?」

クロシュ「……どっちでも、ない……。フェルメールちゃん……クロシュヴィアちゃんと、お話……したいって……」

メアリー「……!」

聖女「……フェルメールさんは……デロデロ番号マイナス1番であると同時に、オリシン王国の王女として生きていく決意を、お固めになりました。メアリーさんの危惧するような……かなしいことには、なりませんでした」

メアリー「……そう、だったのですね。それならば……良かったです」

クロシュ「うん……」

メアリー「……すみません。フェルメールのことを、侮っていたようです」

クロシュ「ん……フェルメールちゃん……すごい……!」

メアリー「……」


リュアン(フェルメールさんは……自分で、何が正しいかを考え続ける道を、選んだ……。クロシュヴィア様への愛に、振り回されず……自分の意志を貫いて……)

リュアン(……でも、じゃあ……やっぱり、愛は害悪……?)

リュアン(私が……シノホシを許せないでいるのは……愛してくれた人を、殺されたから……)

リュアン(……許せないことは、悪いこと? 許すことが正しい?)

リュアン(………もっと……ちゃんと、考えなきゃ……。本当の……正しさを……)


 ☆メアリーからの評価が少し上がりました

 ☆リュアンが思考が進みました

 ◆
205 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/03/09(月) 00:17:10.65 ID:xki7YslB0
というわけで本日はここまで。次回は竜神村滞在5日目、またしても猛吹雪となってしまいました

落ち込むリュアンちゃんと一緒にあったかグラタンを作って食べ、あたたかなひとときを過ごす一行。そのグラタンは寂しがりのエルダーサキュバスにも届けられ、その胃袋へと収まったのであった。罪深きエルダーサキュバスは、そのグラタンのぬくもりに何を思うのか。若き旅人リュアンは、憎しみを抑えて考えを深めていく――

そして明かされる古代の神々による大決戦神話。巨人たる神と龍たる神は、激しい戦いの果てに地上を去った。あかちゃんスライムは太古を駆け巡った迸りに圧倒され、歴史のすごさを思い知る。全ては過ぎ去りし過去のことであった――

そしてアッシュ氏からダークヒーロー譚を聞いたり、フメイさんがダウン氏のおめめの真実に辿り着けなかったり、メアリーさんとクロシュヴィア談義やフェルメール談義をして考えを深めたりしつつ、天候は巡る。猛吹雪は吹雪となり、そしてまた猛吹雪へ――

それでは本日もありがとうございました。次回はたぶん土日の予定です。よろしくお願いいたします
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/03/09(月) 00:43:43.28 ID:fja8fx0jo
ダウンさんは妹より秘密主義なのかもしれない
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/03/09(月) 01:14:49.69 ID:3PmD48Lbo
おつ
うーむ一向に天候が良くならない…
今はリュアンの心のケアに専念かなぁ
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