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【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 III

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883 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 23:57:25.90 ID:Y+p7dW3AO
◆追加判定

反転コンマ下1

01-10 イーリン
11-20 フラナ
21-30 ドルク
31-40 モーリィ
41-00 その他
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 23:57:38.63 ID:+gfgFaMOo
あ
885 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 23:58:59.13 ID:Y+p7dW3AO
中途半端ですが、本日はここまでです。
明日は続きから始めたいと思います。

それでは、また。
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 01:32:37.12 ID:ySUXoHr6O
乙
やっぱりイリスさんですよね
この人相手に蒼き星の杖をぶんどったブラッドさん陰の功労者すぎる
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 02:16:05.56 ID:vcfakEITo
おつ
アルバさんとグレイグさんが良いコンビしてる
本来出会うはずのない二人が同じ人の下で組むのはロマンがある
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 16:15:23.05 ID:GHei9sXgO
今、飛空艇は10だけどここから減る可能性があるのか
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 18:33:23.14 ID:66kU8uFb0
謎の相手(たぶん星詠みの魔女)だけど今後戦闘になったりしそう。
890 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/09(日) 19:35:24.98 ID:wC8qoGvbO
>>886
ぼかしてきましたが、大体あっています。
ブラッドさんは蒼き星の杖を取るために十年間かけて準備した分体を全て消耗してしまったようです。

>>887
世界めくれがある程度成功してしまったが故に、今回のような縁ができたのかもしれません。
二人は暗黒館初期からいるメンバーですので、何か通じ合うものがあったのでしょう。

>>888
>>882のコンマが93をひっくり返して39となり、2隻が追加で撃墜されますので、残り8隻となります。
コンマ次第ですが、ここから減る可能性はあります。

>>889
この場ではまだ戦いませんが、いずれは相対することになるかと思います。
備えておきましょう。
891 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/09(日) 19:37:35.02 ID:wC8qoGvbO
船員「くっ……モーリィさん!この船はもうもちません!脱出してください!」

モーリィ「だが、お前たちはどうする!?」

船員「魔族国の救援部隊が来ます!俺たちは大丈夫です、だから早く!」

崩れる船体「」メキメキメキッ……

モーリィ「……っ」

船員「行ってください!!」

飛び立つモーリィ「……すまない!」バサッ!!

船員「ここでお終いか……あとは頼んだぜ、暗黒館……!」

墜落していく飛空艇「」ヒュウウウ……

モーリィ「……」

遠ざかる飛空艇を振り返るモーリィ「……救援を待てる状態じゃないだろうが……!」

モーリィの背後で爆発する飛空艇「」ドガァァァンッ!!

モーリィ「っ……!」

翼を強く羽ばたかせるモーリィ「……嘘をつくなら、せめてもう少しマシな嘘をつけ……!」バサァッ!!

加速するモーリィ「」ギュオオオッ──

◆
892 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/09(日) 19:38:30.64 ID:wC8qoGvbO
赤黒い空の向こうに浮かぶ人影「……」フワ……

モーリィ「……あいつか。何隻も落としたヤツは!」

周囲に瞬く無数の星属性の光「」キラ……キラ……
赤橙色の長髪の魔女「……」

モーリィ「……っ……イリス……?……いや……そんなはずは……」

魔女の周囲に浮かぶ光「」キラッ……

モーリィ「!」

放たれる星属性の光「」カッ──

回避するモーリィ「くっ!」ギュンッ!!

光「」ギュォォォォン──

空中で体勢を立て直すモーリィ「」バサッ!!

モーリィ「……明確に私を狙っている……!」

赤橙色の長髪の魔女「……」

モーリィ「おい、イリスなのか!?」

モーリィに手を向ける赤橙色の長髪の魔女「……」スッ

モーリィ「答えろ!」

赤橙色の長髪の魔女「……」
魔女の周囲に集まる星属性の光「」キラキラキラッ……

放たれる無数の光「「「」」」シュバババッ!!

空中を縫うように飛ぶモーリィ「チィッ!」ギュンッ!

モーリィを追跡する光「「「」」」ビュンビュンビュンビュン!!!

モーリィ「こんなもの……っ!」グルンッ!

ぶつかり合う光「」ドドドドド……ドガァァァン!

赤橙色の長髪の魔女「……」

拳を振り抜くモーリィ「はああっ!!」ブオンッ!!

星の障壁「」ヴゥンッ──
モーリィの拳「」ガギィンッ!!

モーリィ「ぐっ……!」

星の障壁の向こうに佇む魔女「……」
893 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/09(日) 19:39:57.26 ID:wC8qoGvbO
◇

セイントレアへ急速に接近する飛空艇「「「」」」ゴォォォォッ──

船員「セイントレアまでの距離、急速に縮まっています!」

リュウトウ「モーリィ、無茶をする……!今の内に一気に進め!」

バールベルト「ぜ、全艇へ伝えます!」

◇

赤橙色の長髪の魔女「……」

息を荒らすモーリィ「はぁ……はぁ……」ボロッ……

モーリィの傷口から滴る血「」ボタ……ボタ……

赤橙色の長髪の魔女「……」

モーリィ「……フッ」

遠ざかっていく船団「「「」」」ゴォォォォ……

モーリィ「私に構っていたせいで……随分、行かれてしまったな……?」

赤橙色の長髪の魔女「……」

口元を僅かに上げるモーリィ「」ニィッ……

モーリィ「だったら……私が落とされるのも……無駄じゃないか……」

収束する巨大な星属性の光「」ギュオオオオオ……

モーリィ「……最後に一つだけ答えろ……イリス」

赤橙色の長髪の魔女「……」

モーリィ「お前は……」

モーリィ「……あの時のお前は、もういないのか……?」

赤橙色の長髪の魔女「……」

目を閉じるモーリィ「……そうか……」

カッ──

◆
894 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/09(日) 19:40:34.79 ID:wC8qoGvbO
赤黒い雲に落ちていくモーリィ「」ヒュウウウ──

赤橙色の長髪の魔女→星詠みの魔女「……」クルッ

高速で船団に接近していく星詠みの魔女「」ビュンッ──

◆

ーークロシュヴァリエ号 甲板

サーシャ「ああっ……そんなっ……!」

リーゼリット「モーリィさん……!あんなに傷だらけになるまで、一人で……!」

アインズ「……モーリィ……!」

拳を握るガイ「……」ギリッ……

フローディア『とんでもない存在ね。竜相手に、全然消耗した様子がないなんて……』

ベルトーネ『……けど、お陰でかなり近づけた。セイントレアはもう目の前だよ〜』

魔導通信機「」ピピッ

リュウトウ〈……こちら、リュウトウ。クロシュヴァリエ号、聞こえるか?〉

アインズ〈聞こえるぞ……こっちは全員無事だ〉

リュウトウ〈了解した。セイントレアまで残り僅かだ。ここからクロシュヴァリエ号を最優先で前へ出す。残存艇には既に伝えてある……これより各艇は順次前へ出て、敵の攻撃を引き受ける〉

サーシャ「……!」

リュウトウ〈クロシュヴァリエ号は何があっても止まるな。左右も後ろも見る必要はない。ただセイントレアだけを目指せ〉

アインズ〈……わかった〉

リュウトウ〈それと、“切り札”の準備も整った。ここから先は今まで以上に荒れるぞ。用心しておけ〉

アインズ〈了解した〉

魔導通信機「」ピッ

サーシャ「……残ってる船が、全部前に出るって……」

リーゼリット「……私たちを通すためだよ。ここからが、本当の正念場なんだ……」

ガイ「……」

前方に迫るセイントレア王国「」ゴゴゴゴ……

ガイ「ここまで来たんだ……何があっても、必ず辿り着く……!」

◆反転コンマ下1

01-30 6隻墜落 進行度+10%
31-40 5隻墜落 進行度+15%
41-70 4隻墜落 進行度+20%
71-90 3隻墜落 進行度+20%
91-00 3隻墜落 進行度+25%

⭐︎現在進行度75%

⭐︎残存飛空艇8隻
※クロシュヴァリエ号は残存飛空艇に含みません。
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 19:41:33.47 ID:b8oxj6qJ0
あ
896 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/09(日) 19:45:53.36 ID:wC8qoGvbO
◆追加判定

反転コンマ下1〜2(重複した場合は片方がその他の判定になります)

01-10 イーリン
11-20 フラナ
21-30 ドルク
31-00 その他
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 19:47:03.51 ID:MQbZHxxyO
な
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 19:48:25.30 ID:zpbTcCOL0
あ
899 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:13:21.57 ID:KhBm2lfOO
飛空艇の真横を飛ぶ星詠みの魔女「」ギュンッ──

杖を向けるテル「横につかれた!」スッ
迸る電流「」バチバチバチバチッ!!!

星の障壁「」ヴゥンッ──
弾かれる電流「」バヂィッ!

テル「嘘ォッ!?全力を防がれた!?」

アトニス「攻撃を緩めるな!ありったけをかましてやれ!」

船員たち「「はいっ!」」

ドガン!ドドドドドドッ!ドッガァン!
星の障壁「」ヴゥンッ──

アモ「……やっぱり、見間違いじゃない……!イーリンさん、あれ、イリスさんだよ!」

イーリン「……アモ、今なんて!?」

アモ「十年前、魔族国に来てた人……クロシュちゃんたちと一緒に、私たちとも遊んでくれた人だよ……!人間なのに、魔族国のために戦ってくれた……イリスさん!」

イーリン「それって……」

星詠みの魔女「……」
周囲に浮かぶ星属性の光「」キラ……キラ……

甲板の縁へ駆け寄るアモ「……っ、イリスさん!!!」ダッ

イーリン「アモ!!!近づいてはダメ!!!」
テル「アモちゃん!?」
アトニス「!?バカ、何してる!下がれ!」

手すりから身を乗り出すアモ「聞こえてる!?私だよ!アモだよ!!」

星詠みの魔女「……」

アモ「魔族国で……公園で、クロシュちゃんと一緒に遊んだでしょ!?ソリに乗って……みんなで……!私、あの時まだ子供だったけど……ちゃんと覚えてるよ!」

アモ「イリスさんなんだよね!?」

星詠みの魔女「……」
星詠みの魔女の周囲に集まり始める光「」キラキラ……

アトニス「!っ、アモ!!!下がれ!!!」

イーリン「回避!!」

女性暗黒館幹部「はいぃぃぃっ!!!」グイッ!!

飛空艇「」ギュオオオオッ──

星属性の光「」カッ──

船体脇を掠める光「」ズギュウウウウンッ!!!
結界「」バヂィッ!!!

血を吐くアトニス「うおおお……!ぐっ……!かっ、はっ……!」ビチャッ!

テル「アトニスちゃん!」

口元を拭うアトニス「ごほっ……ごほっ……まだ、持つ!だが、次をまともに受けたら保証できないぞ!」フキフキ……

手を向ける星詠みの魔女「……」スッ
周囲に集まる無数の光「」キラキラキラキラ……
900 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:14:16.69 ID:KhBm2lfOO
女性暗黒館幹部「ま、また来ますぅ!!」

イーリン「全員、掴まってください!!」

アモを掴むテル「アモちゃん!こっち!」ガシッ

アモ「ねえ、イリスさん……何があったのか……私には分からないよ……でも……」

拳を握るアモ「」ギュッ……

アモ「こんなこと、する人じゃなかったでしょ……!」ポロッ……

星属性の光「」カッ──

船員たち「「「うわぁぁぁっ!!」」」

女性暗黒館幹部「きゃああっ!!」

流血するアトニス「ぐっ!!!うああああっっ!!!」ビチャアッ!!!

消失していく結界「」シュウン──

イーリン「っ……アトニス様!!!」

船体側面「」メキメキメキッ……

傷ついた船員たち「「「うぅ……」」」

テル「……左舷後部が大破してる!負傷者もかなり……!イーリンさん、これ以上は……!」

女性暗黒館幹部「操舵が……重いですぅ……!」グググッ……

イーリン「まだ飛べますか!?」

女性暗黒館幹部「飛ばしますぅ!!飛ばせる限りはぁ!!」グググッ……

アモ「……」フラッ……

アモ「……やっぱり……覚えてないの……?」ポロポロ……

星詠みの魔女「……」

魔導通信機「」ピピッ

リュウトウ〈十三番艇!被害状況を報告しろ!〉

イーリン〈こちら十三番艇!左舷後部に直撃!航行は継続可能ですが、機動力が大幅に低下しています!〉

リュウトウ〈無理なら後退しろ!救助艇を向かわせる!〉

クロシュヴァリエ号を見つめるイーリン「……」

前進し続けるクロシュヴァリエ号「」ゴォォォォ……

イーリン〈……いいえ。まだ進めます。私たちは、まだ飛べます。ここで後退する理由はありません〉

女性暗黒館幹部「……!」

イーリン〈このまま前進を続けます〉

リュウトウ〈……分かった。だが、本当に危険だと判断したら即座に離脱しろ!これは命令だ!〉

イーリン〈承知しました〉

魔導通信機「」ピッ
901 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:15:01.62 ID:KhBm2lfOO
女性暗黒館幹部「……イーリンさん」

イーリン「はい?」

女性暗黒館幹部「前に出るんですよね?……クロシュヴァリエ号を、ガイさんたちを少しでも先に行かせるために」

イーリン「……お願いできますか?」

女性暗黒館幹部「もうここまで来ちゃいましたからねぇ……!」

操舵桿を強く握る女性暗黒館幹部「帰ったら長期休暇、本当にお願いしますよぉ!!!」グイッ!!

大きく加速する飛空艇「」ゴォォォォォッ──

テル「ちょっ、待って!この状態で速度上げるの!?」

イーリン「アトニス様!」

膝をつくアトニス「……分かってる!」ググッ……

口元の血を拭うアトニス「次が来るまでに、最低限の結界を張り直す……!」フラッ……

アモ「アトニスさん……無理しないで……!」

アトニス「無理をしなきゃ落ちるんだよ……!」スッ

淡い光に包まれる飛空艇「」ヴゥン……

アトニス「……これで、直撃を一度だけなら……多分な」

テル「多分って……!」

アトニス「文句があるならもっと可愛い結界術師を連れてこい!」

テル「こんな時までそれ!?」

イーリン「……来ます!」

星詠みの魔女「……」フワ……
飛空艇へ向けられる手「」スッ

収束する光「」キラ……キラキラ……

俯くアモ「……イリスさん……」

星詠みの魔女「……」

アモ「……」

俯くアモ「……ごめんね」

テル「アモちゃん……?」

顔を上げるアモ「でも……今は、みんなを守るから」

心属性の魔力「」フワッ……

アモ「……イーリンさん!少しだけ、みんなの恐怖を抑えるよ!」

イーリン「……お願いします!」

船員たちを包む淡い光「」ポゥ……

震えていた船員「……っ」
別の船員「……まだ、やれる……!」

女性暗黒館幹部「おおっ……なんだか手の震えが止まりましたぁ!」

アモ「……少しは、役に立てたかな?」

イーリン「十分です!」
902 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:16:23.30 ID:KhBm2lfOO
無数の星属性の光「」カッ──

結界「」ヴゥンッ!!!
星属性の光「」ズドォォォォンッ!!!

アトニス「ぐ、ああああああっ!!!」ビチャッ!!

砕け散る結界「」バリィィィンッ!!!

テル「アトニスちゃん!!」

吹き飛ばされるアトニス「」ドサッ!

アモ「アトニスさん!」

テル「意識はある!でも、もう結界は無理!」

イーリン「……!」

遠ざかっていくクロシュヴァリエ号「」ゴォォォォ……

イーリン「……よし」

テル「イーリンさん?」

イーリン「クロシュヴァリエ号が前に出ました」

アモ「……!」

イーリン「このまま、もう少しだけ引き付けます!」

女性暗黒館幹部「了解ですぅ!!!」

テル「待ってイーリンさん!アトニスちゃんはもう結界を張れないんだよ!?次を受けたら──」

イーリン「分かっています」

テル「だったら!」

イーリン「だからこそ、次を撃たれる前に可能な限り距離を稼がせます」

テル「……!」

星詠みの魔女「……」

イーリン達を追う星詠みの魔女「」ギュンッ──

イーリン「……狙いはこちらに向いているようですね」

星詠みの魔女の背後に広がる無数の星光「」キラキラキラキラキラ……

テル「……あれ、さっきまでと数が違うよ……」

女性暗黒館幹部「え……?」

アモ「……っ」

イーリン「……」

アトニス「……おい……イーリン……」ボロッ……

イーリン「アトニス様?」

アトニス「逃げろ……あれは……船ごと消し飛ばす気だ……」

テル「っ……!」
903 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:18:16.55 ID:KhBm2lfOO
魔導通信機「」ピピッ!!

リュウトウ〈十三番艇!!直ちに離脱しろ!!!敵の魔力反応が急上昇している!!〉

女性暗黒館幹部「イーリンさん!!」

イーリン「……回頭してください!全速で離脱!」
女性暗黒館幹部「はいっ!!!」グイッ!!!

旋回を始める十三番飛空艇「」ギュオオオ──
船体「」ギギ……メキッ……

女性暗黒館幹部「っ!?操舵が……!」

テル「損傷した左舷がついてきてない!」

十三番飛空艇「」グラッ……

イーリン「立て直してください!」

女性暗黒館幹部「やってますぅ!!!でも、これ以上は──!」

一斉に収束する星属性の光「」ギュオオオオオオ……

アモ「イーリンさん……!」

イーリン(避けられない。アトニス様はもう結界を張れない。この船の損傷では、回避も間に合わない)

目を閉じる船員たち「「「……!」」」
目を閉じる女性暗黒館幹部「……っ」
テル「……くっ」
アモ「……」

イーリン(このままでは──)

◇

ホーリー『人のままでは間に合わない時があります』

ホーリー『人のままでは守れない』

◇

イーリン「……違う」

テル「……イーリンさん?」

イーリン「……私は……」

◇

ホーリー『届かない時は?』

イーリン『……届かせます』

ホーリー『では、届かせるために何を捧げますか』

◇

イーリン「……」

テル「イーリンさん!」

イーリン「……テル様」

テル「何!?」

イーリン「アトニス様をお願いします」

テル「え……?」

イーリン「アモ。みんなの近くにいて」

アモ「待って……何する気なの?イーリンさん」

イーリン「……全員を助けます」

テル「どうやって!?」

◇

聖女「──お祈りのやり方ですか?もちろん、教えてあげますよ。まずは、両手を合わせて目を閉じて──」

◇
904 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:18:52.90 ID:KhBm2lfOO
目を閉じて手を合わせるイーリン「……」スッ……

アトニス「……おい……待て……」ググッ

イーリン『心は……此処に』
神気「」バチッ……

イーリン『意思は……私に』
神気「」バヂヂッ……

アトニス「やめろ!!!その力は──!」

イーリン『祈りを……理に──』
神気「」バヂヂッ、バヂヂヂヂッ!

アモ「なにこれ……あったかい……?」
テル「この光……ラティア・ヘイヴンのときの!?」

イーリンの周囲に集まる神気「」バチッ……バチチッ……

アトニス「馬鹿野郎……!一度戻ってこられたからって、次も戻れる保証はないんだぞ!!!」

墜落する飛空艇「」ヒュウウウウウン──

泣き出す船員「死にたくない……!」
負傷した船員「くっ……!」
女性暗黒館幹部「まだ……まだ何か……!」ググッ……

イーリン(ここには……救いたい人がいる)
神気「」ゴオオオオオッ──

イーリン(今は、それだけで……十分です)

一瞬だけイーリンの背後に浮かぶ光輪「」バヂッ──

カッ──

アトニス「イーリン!!!」

目を開くイーリン「……大丈夫です。私は──」
背後に浮かぶ光輪「」カッ──

化身イーリン「私のままで、皆様を救います」
905 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:19:56.91 ID:KhBm2lfOO
テル「イーリン、さん……?」

アモ「……綺麗……」

アトニス「……馬鹿野郎……」

星詠みの魔女の背後に展開する無数の星光「」キラキラキラキラキラ……

女性暗黒館幹部「き、来ますぅ!!!」

一斉に放たれる星属性の光「「「「「」」」」」カッ──!!!

船員たち「「「っ!!!」」」

飛空艇の前へ歩み出る化身イーリン「……」スタスタ……

星属性の光「「「「「」」」」」ズギュウウウウウンッ!!!

差し出されるイーリンの掌「」スッ……

星属性の光「「「「「」」」」」ピタッ──

テル「……え?」

アモ「止まっ……た……?」

化身イーリン「……」
握られるイーリンの拳「」ギュッ……

霧散する星属性の光「「「「「」」」」」シュウン──
光の粒子「」キラキラ……

女性暗黒館幹部「ぜ、全部……消えた……?」

アトニス「魔法を……打ち消したのか……それも、あの数を全部……」ハァ……ハァ……

飛空艇の甲板へ手を触れる化身イーリン「」スッ……

飛空艇を包み込む神気「」ポゥ……

落下速度が緩やかになる飛空艇「」フワッ……

船員「な……なんだ!?」
別の船員「船が……浮いてる……!」

女性暗黒館幹部「操舵が……戻って……!?い、いえ、船そのものが何かに支えられてますぅ!」

テル「イーリンさんが……この飛空艇を……?」

化身イーリン「……着陸できる場所を」

女性暗黒館幹部「は、はい!」

星詠みの魔女「……」
周囲に集まる星光「」キラキラキラ……

アモ「……イリスさん……」

背後を振り返る化身イーリン「」クルッ……

落下する飛空艇を見る星詠みの魔女「……」

◆
906 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:20:25.48 ID:KhBm2lfOO
ーー地上

荒れた平原「」ヒュオオオ……

ゆっくりと降下する飛空艇「」フワァァ……

船底「」ズンッ

飛空艇「」ズザザザザッ──!!!

土煙「」ブワァァァッ!!!

停止する飛空艇「」ピタッ……

シーン……

女性暗黒館幹部「……」

船員「……止まった……?」
別の船員「生きてる……俺たち……」
負傷した船員「……助かった……」

アモ「イーリンさん……!」

化身イーリン「……皆様……ご無事、ですか……?」

テル「うん……!怪我人はいるけど、全員生きてるよ!」

女性暗黒館幹部「着陸……成功ですぅ……!」

化身イーリン「……そう、ですか……」
消えていく光輪「」シュウン……

アトニス「イーリン!」

元の姿へ戻るイーリン「……よかっ、た……」ニコッ

イーリン「」フラッ……

アモ「イーリンさん!」バッ
テル「危ない!」ガシッ

二人に抱えられるイーリン「……」グッタリ……

脈を確認するテル「イーリンさん!聞こえる!?脈は──」

イーリン「……」

テル「……気を失ってるだけかぁ……脈もある。生きてるよ!」

アモ「……よかった……!」

アトニス「……ったく……本当に、とんでもない馬鹿だ……」

女性暗黒館幹部「……でも」

遠くの空を見上げる女性暗黒館幹部「クロシュヴァリエ号……もう、あんなところまで行ってますよぉ……」

セイントレアへ向かって進むクロシュヴァリエ号「」ゴォォォォ……

空を見上げるアモ「……」

空を見上げるアトニス「……なら、こいつが無茶した意味はあったってことだ。あとは……アイツ等なら辿り着くだろ」

テル「うん……ありがとう、イーリンさん」

◆
907 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:21:43.29 ID:KhBm2lfOO
ーー救援部隊 飛空艇 甲板

魔導通信機「」ピピッ

通信士〈十三番艇、墜落!繰り返す、十三番艇が墜落した!〉

フラナ「十三番……イーリンたちの船ね」

魔族兵「救難信号は!?」

通信士「途絶えています!ですが、墜落直前まで船体反応は残っていました!」

フラナ「なら、生存者はいる。十三番艇の墜落地点へ向かいなさい。高度を落として、生存者を回収するのよ」

操舵手「ですが、船団から離れれば我々も──」

フラナ「分かってるわ」

遠方で瞬く光「」キラッ──

フラナ「だから私が降りる」

魔族兵「……え?」

フラナ「この船は救助に回す。私は自分で飛んで、前方の飛空艇に拾ってもらうわ」

魔族兵「お一人でですか!?」

フラナ「飛べる私まで船に残ってどうするの。救助艇は一人でも多く乗せられるように空けておきなさい」

魔族兵「ですが……!」

フラナ「これは命令よ」

魔族兵「……っ、了解!」

救援艇から飛び立つフラナ「じゃ、よろしく」バッ

魔族兵「フラナ様も必ず戻ってきてください!」

フラナ「当たり前でしょう」
広がる翼「」バサァッ!!

◆

赤黒い雲「」ゴロゴロ……

飛行するフラナ「」バサッ!バサッ!

前方を進む飛空艇「」ゴォォォォ……

フラナ「……あれなら追いつけ──!?」バッ

横切る星属性の光「」ズギュウウウンッ!!!

フラナ「チッ!」クルッ!
空中で急旋回するフラナ「」ギュンッ──

背後を通過する光「」ズオオオオッ!!

フラナ「……今のは偶然じゃないわね……どこから──」キョロキョロ

赤黒い雲の向こうに浮かぶ人影「……」フワ……

フラナ「……!」

人影の周囲に瞬く星属性の光「」キラ……キラ……

フラナ「星属性……」

風になびく赤橙色の長髪「」ファサ……

フラナ「……その髪……」

◇

赤橙ポニテ少女「フラナさん!」

◇

赤橙色の長髪の魔女「……」
周囲に漂う光「」キラ……キラ……

目を細めるフラナ「……そう……あんたなのね」
908 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:22:12.58 ID:KhBm2lfOO
フラナ「随分と変わったじゃない、イリス?髪も伸びて、雰囲気も……昔とはまるで別人ね」

フラナ「でも、その星の力まで見間違えるほど耄碌した覚えはないわ」

星詠みの魔女「……」スッ

フラナ「……返事くらいしなさいよ」

魔女の周囲に集まる光「」キラキラキラッ……

フラナ「十年ぶりに会った知り合いに向けるものが、それ?」

放たれる星属性の光「」カッ──

急降下するフラナ「」ギュンッ──
頭上を通過する光「」ズギュウウウウンッ!!!

大きく旋回するフラナ「」グルッ──

フラナ「……本気で私を殺すつもりなのね」

星詠みの魔女「……」

フラナ「だったら……」
フラナの周囲に広がる血の魔力「」ドクンッ……

フラナ「こっちも、悠長に昔話をしている場合じゃなさそうね」
翼を大きく広げるフラナ「」バサァッ!!

星詠みの魔女「……」
周囲に浮かぶ無数の光「」キラキラキラキラ……

フラナ「魔族のために戦って……あの子たちと笑って……人間と魔族が憎み合うしかなかったあの国で、あんたは馬鹿みたいに真っ直ぐだった」

星詠みの魔女「……」

フラナ「そんなあんたが──どうしてこんなことをしてるの?」

星詠みの魔女「……」

目を鋭くするフラナ「……気に入らないわね」ギロッ

フラナ「誰に何をされたの?自分でこうなったの?」

星詠みの魔女「……」

フラナ「……今のあんたは、本当にイリス・プラネットなの?」

星詠みの魔女「……」
一斉にフラナへ向く星光「」ギュンッ!!

フラナ「……答える気はない、と」バサッ……

放たれる無数の星属性の光「「「」」」シュババババッ!!!

フラナ「上等よ!」

空を蹴るように加速するフラナ「」ドンッ!!!

星光の間を縫うフラナ「」ギュンッ!ギュンッ!

すれ違う星属性の光「「「」」」

フラナ「答えるまで──」

星詠みの魔女へ一直線に迫るフラナ「」ギュオオオオッ──

フラナ「ぶん殴ってでも聞き出してやるわ!!!」

◆
909 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:22:59.23 ID:KhBm2lfOO
星詠みの魔女「……」

迫るフラナ「はあっ!!」ブンッ!!

フラナの拳「」ギュオッ!!
星の障壁「」ヴゥンッ──

拳と障壁の激突「」ドゴォォォンッ!!!

空気「」ビリビリビリッ!!!

フラナ「っ……硬いわね……!」ギリッ

星詠みの魔女「……」

フラナ「でも──」

フラナの腕から溢れ出す血「」ブシャッ!!
血液から形成される無数の短剣「」ジャキジャキジャキンッ!!

フラナ「これはどう!?」ブンッ!!

高速射出される血刃「「「」」」ギュババババッ!!!

星の障壁「」ヴゥンッ!!
血刃「「「」」」ガガガガガッ!!!

血刃を弾き続ける星の障壁「」バチバチバチッ!!

大きく翼を打つフラナ「」バサァッ!!

星詠みの魔女の頭上へ回り込むフラナ「」ギュンッ

フラナ「──これはおまけよ!」ブンッ!!
巨大な血の槍「」ズズズッ──

フラナ「ブラッドランス!!」
落下する巨大な血槍「」ギュオオオオオッ!!!

星の障壁「」ヴゥンッ!!

ドッッッゴォォォォォンッ!!!

赤黒い雲「」ブワァァァッ!!!
910 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:23:33.65 ID:KhBm2lfOO
フラナ「……!」

亀裂の走った星の障壁「」ピキッ……

血槍をさらに押し込むフラナ「」グググッ!!

星の障壁「」ピキピキピキッ……

星の障壁「」パリィィンッ!!!

フラナ「!」

砕け散る星光「」キラキラキラッ……

星詠みの魔女「……」

フラナ「捕まえ──」

星詠みの魔女の瞳「」キラッ──

フラナ「!?」

至近距離に出現する星光「」ポゥ……

フラナ「な──」

炸裂する星光「」カッ──!!!

フラナ「ぐっ!!!」ドガァッ!!

吹き飛ばされるフラナ「」ギュウウウンッ!!!

フラナ「っ……く……!」バサッ!バサッ!

空中で体勢を立て直すフラナ「」ギュンッ──
焼け焦げたフラナの腕「」ジュウウ……

フラナ「……ふふっ、腕を上げたわね、イリス?……」

星詠みの魔女「……」

フラナ「……」
911 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:24:46.60 ID:KhBm2lfOO
フラナ(障壁は破れる。反応速度も……追えないほどじゃない。でも、この出力……とんでもないわね。それに、魔力の底がまるで見えない……あれだけの魔力を使って、消耗してる様子が一切見えないなんて……)

星詠みの魔女の周囲に浮かび上がる星光「」キラ……キラ……

フラナ「……ったく」
自身の腕に噛みつくフラナ「」ガブッ
流れ出る血液「」タラ……

フラナ「っ……昔からそうだったわね」

宙へ浮かぶ血液「」フワッ……

フラナ「教えたことをすぐ吸収して……気が付けば勝手に先へ行って」

無数に分裂する血液「」プツッ……プツプツ……

フラナ「師匠でもない私に、師匠だ先生だって勝手に懐いて」

形成されていく血の槍「「「「」」」」ジャキンッ!!

フラナ「……挙げ句の果てに」

フラナを取り囲む無数の血槍「」ゴゴゴゴ……

フラナ「十年ぶりに会ったら、こんな化け物になってるなんてね。本当に──」スッ

フラナ「可愛げのない教え子だわ!!」
振り下ろされる腕「」ブンッ!!

飛来する血槍「「「「」」」」ギュオオオオオオッ!!!

星詠みの魔女「……」
周囲に展開する星光「」キラキラキラキラッ!!

星光「「「「」」」」シュババババッ!!!
血槍「「「「」」」」ドドドドドドッ!!!

ドガンッ!!ドッガァァンッ!!!

フラナ「まだよ!!」
フラナの手に形成される血の大剣「」ズシャッ!!

フラナ「はあああっ!!!」ブオンッ!!
振り抜かれる血剣「」ギュオッ!!

星の障壁「」ヴゥンッ!!

ドガァァァンッ!!!

星の障壁「」ピキッ!!

フラナ「もう一発!!」
血剣「」ブオンッ!!

星詠みの魔女「……」スッ
血剣へ触れる星詠みの魔女の指先「」トンッ

フラナ「なっ……!?」
血液へ戻って飛び散る大剣「」バシャバシャッ!!

フラナ「術式を……崩した!?」

星詠みの魔女「……」

フラナ「……随分器用なことまで──」

腹部へ向けられる魔女の掌「」スッ

フラナ「っ!!」バサッ!!

星光「」カッ──!!!
912 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:25:30.73 ID:KhBm2lfOO
血を吐くフラナ「ぐはっ!!!」ビチャッ!!
吹き飛ばされるフラナ「」ギュウウウンッ!!!

フラナ「がっ……!」バサッ……バサッ……

フラナ「……っ、はぁ……はぁ……容赦……ないわね……」

遠方を進んでいく飛空艇群「」ゴォォォォ……

フラナ「……」

フラナ(でも……この子が私を狙ってる間は……船団への攻撃が、止まってる)

星詠みの魔女「……」

フラナ「……なるほどね」
口元の血を拭うフラナ「」グイッ

フラナ「だったら、もう少し付き合ってもらおうかしら」

星詠みの魔女「……」

フラナ「どうせあんた、私を殺すまで追いかけてくるんでしょう?」

血液を再び集めるフラナ「」ブワッ……

フラナ「だったら精々──」

形成される二本の血槍「」ジャキンッ!!

フラナ「私だけを見てなさい!!」星詠みの魔女へ突進するフラナ「」ギュンッ──!!!

星詠みの魔女「……」

放たれる星光「」シュバッ!!

フラナ「遅い!」クルッ!

回避するフラナ「」ギュンッ!!

血槍を投擲するフラナ「」ブンッ!!

血槍「」ギュオオオッ!!

星の障壁「」ヴゥンッ!!
血槍「」ドガッ!!

フラナ「こっちもよ!」

死角から迫るもう一本の血槍「」ギュバッ!!

星詠みの魔女「……」クルッ

星光「」カッ!!
血槍「」バシャッ!!

フラナ「……!」
フラナ(完全に捌かれた……)
913 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:25:58.98 ID:KhBm2lfOO
星詠みの魔女「……」

フラナ「……まだ──」

星詠みの魔女の背後に広がる魔法陣「」ヴゥン──

フラナ「……」

無数の光「」キラッ……キラキラキラキラキラ……

フラナ「……ちょっと」

さらに増えていく無数の光「」キラキラキラキラキラキラキラ……

フラナ「今まで本気じゃなかったっていうの?」

星詠みの魔女「……」

フラナ「……」

フラナ(避けきれない……)

フラナ(防ぎ切るのも無理。だけど──)

周囲へ広がるフラナの血液「」ブワッ!!

幾重にも重なる血の盾「」ズズズズッ……

フラナ「少しくらいは……意地を見せてやるわ!!」

星詠みの魔女「……」スッ
振り下ろされる手「」フッ

星光「「「「「「「「」」」」」」」」カッ──!!!

星属性の奔流「」ズギュウウウウウウウウウンッ!!!!

ドッッッッゴォォォォォォォンッ!!!!!!

煙「」モクモク……
煙の中から落下する影「」ヒュウウウウ……

星詠みの魔女「……」

墜ちていくフラナ「……イリ……ス……」ヒュウウウウウン──

◆
914 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:26:50.87 ID:KhBm2lfOO
ーー指揮艇 甲板

バールベルト「そ、そんな……フラナ・バイオレットまで……!」

リュウトウ「救助部隊へ落下位置を送れ」

通信士「は、はい!」

リュウトウ「船団は止めるな。前進を継続」

バールベルト「ですが……敵がこちらへ戻ってきてますよ!」

リュウトウ「見えている」

星詠みの魔女「……」
周囲に増えていく星光「」キラキラキラキラ……

船員「魔力反応増大!」
通信士「照準……こちらです!!」

バールベルト「回避を──!」

リュウトウ「間に合わん」

バールベルト「えっ」

リュウトウ「操舵を変えるな」

操舵手「し、しかし!」

リュウトウ「そのまま進め」スッ……

リュウトウ「……この距離ならば……届くな」

バールベルト「……?」

リュウトウ「明石流奥義──」

黒い打刀「」ヴォンッ

◇

星詠みの魔女「……」スッ
船団へ向けられる無数の星光「」ギュンッ!!

ズバッ!!!

星詠みの魔女「……!?」

崩れる魔法陣「」バラッ……
空中に散る粒子「」キラキラキラ……

◇
915 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:27:28.84 ID:KhBm2lfOO
リュウトウ「──無元斬り」スチャッ

バールベルト「……え?」

通信士「て、敵の魔力反応……消失!?」

操舵手「何を……したんですか……?」

リュウトウ「術を斬った」

バールベルト「いやいやいやいや、ここからあそこまでどれだけ距離があると思ってるんですか!?」

リュウトウ「距離は関係ない」

バールベルト「関係ありますよ普通は!!」

リュウトウ「私の剣には関係ない……それより、敵が注意をこちらに向けたようだ」

バールベルト「えっ」

◇

遠く離れた指揮艇を見つめる星詠みの魔女「」ジッ……

◇

星詠みの魔女を見据えるリュウトウ「」ジッ……

リュウトウ「全艇へ通信」!

通信士「は、はい!」
魔導通信機「」ピピッ……

リュウトウ〈敵の注意はこちらへ向いた。この隙に全艇、速度を上げろ。クロシュヴァリエ号は何があっても止まるな。そのままセイントレアへ進め〉

バールベルト「しょ、将軍……まさか……」

リュウトウ「何だ」

バールベルト「今度はこっちが狙われますよね……?」

リュウトウ「そうだな」

バールベルト「そうだな、じゃないですよ!!」

黒い打刀に手を置くリュウトウ「安心しろ」スッ

リュウトウ「落とされるつもりも、死ぬつもりもない」

遠方で一斉に瞬く光「」キラッ……キラキラキラッ……
916 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:28:12.35 ID:KhBm2lfOO
バールベルト「いっぱい来てるぅぅぅっ!!!」

リュウトウ「右十五度」

操舵手「はいっ!!」
急旋回する指揮艇「」ギュオオオオッ!!

飛来する星光「」ズギュウウウンッ!!!
船体脇を通過する光「」ズオオオオッ!!

リュウトウ「高度を落とせ!」

操舵手「急降下します!!」
指揮艇「」ギュウウウンッ!!

頭上を薙ぐ星光「「」」」ズドォォォンッ!!!

バールベルト「ひぃぃっ……!」

星詠みの魔女「……」
背後に広がる複数の魔法陣「」ヴゥン……

リュウトウ「……」

リュウトウ(もう対策されたか。あれでは無元斬りで斬ったところで攻撃は防げない……)

リュウトウ(それと、魔法陣だけではなくあの人影ごと斬ったはずだが……まるで手応えがない。斬撃が通じていない……?いや、確かに捉えた。ならば、あれは一体……)

星詠みの魔女「……」スッ
複数の魔法陣「「「」」」ヴゥン……

無数の星光「」キラキラキラキラッ……

通信士「ま、魔力反応……急増!!」

バールベルト「さっきより多いですよ!?」

リュウトウ「散らして撃ってくるぞ。総員、何かに掴まれ!」

一斉に放たれる星光「「「「「」」」」シュババババッ!!!

操舵手「来ます!!」

黒い打刀へ手を添えるリュウトウ「」スッ

黒い打刀「」ヴォンッ──

ズバッ!!!

バールベルト「ま、また斬った……!」
917 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:28:59.47 ID:KhBm2lfOO
リュウトウ「無元斬り!」

ズバッ!!

バシュウウウッ!!

通信士「二射目、消失!」

リュウトウ「っ……」

バールベルト「将軍?」

リュウトウ「……問題ない」

リュウトウ(連続使用の負荷が……昔よりは遥かに耐えられるが、無限には使えん)

リュウトウ(そして向こうは──)

星詠みの魔女「……」
さらに展開される魔法陣「「「「「」」」」ヴゥン……!!

リュウトウ(まったく底が見えない……!)

バールベルト「ま、また増えましたよ!?」

通信士「左右後方にも反応!完全に囲まれています!!」

リュウトウ「……船団は?」

通信士「クロシュヴァリエ号、順調に前進! 残存艇も続いています!」

リュウトウ「進行度は」

通信士「八割を越えました!」

リュウトウ「……各艇へ通信」
918 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:29:35.55 ID:KhBm2lfOO
通信士「は、はい!」

魔導通信機「」ピピッ……

リュウトウ〈こちらリュウトウ。敵の攻撃はこちらで引き受ける。全艇、こちらへの援護は不要。そのまま前進を続けろ〉

通信士〈十四番艇より!指揮艇を援護すると──〉

リュウトウ〈不要だ〉

通信士「……!」

リュウトウ〈これは命令だ。目的地だけを見ろ〉

◇

ーークロシュヴァリエ号

リュウトウ〈クロシュヴァリエ号。聞こえるか〉

アインズ〈聞こえている〉

リュウトウ〈この先、何が起きても止まるな〉

アインズ「……」

リュウトウ〈こちらが墜ちてもだ〉

サーシャ「そんな……!」

アインズ〈リュウトウ、それは──〉

リュウトウ〈私は落とされるつもりはない、と先ほど部下にも言った〉

リーゼリット「……」

リュウトウ〈だが、戦場に絶対はない〉

リュウトウ〈だから伝えておく。私との通信が途絶えた場合、事前の順位に従って指揮権を移行する。貴君らは一切気にせず、セイントレアへ進め〉

ガイ「……」

リュウトウ〈この作戦の目的は、私たちが生き残ることではない〉

リュウトウ〈貴君と翡翠の賽を、あの国へ届けることだ〉

ガイ「……わかりました」

リュウトウ〈フッ……それでいい。武運を祈るぞ、救国の影よ〉

魔導通信機「」ピッ……

◇
919 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:30:33.12 ID:KhBm2lfOO
ーー指揮艇

バールベルト「……将軍」

リュウトウ「何だ」

バールベルト「私……まだ死にたくないんですけど」

リュウトウ「奇遇だな。私もだ」

バールベルト「その割には全然そう見えませんよ!」

リュウトウ「騒ぐな。判断が鈍る」

バールベルト「む、無茶言うなぁ!」

リュウトウ「……来るぞ」

無数の星光「「「「「「」」」」」カッ──!!!

リュウトウ「右四十五!全速!」

操舵手「右四十五、全速!!」
指揮艇「」ギュオオオオオッ!!!

飛来する星光「」ズギュウウウンッ!!
船体を掠める光「」バチィッ!!!

リュウトウ「無元斬り!」

黒い打刀「」ヴォンッ!!

ズバッ!!!

リュウトウ「次!」

黒い打刀「」ヴォンッ!!

ズバッ!!

霧散する星光「」パァァッ!!

リュウトウ「もう一つ──」
リュウトウの視界「」グラッ……

リュウトウ「……っ!」

バールベルト「将軍!?」

正面に現れる巨大な星光「」ギュオオオオ……

通信士「正面!!巨大な魔力反応!!!」

操舵手「回避不能です!!」

バールベルト「将軍!!」

リュウトウ「……」

黒い打刀に手をかけるリュウトウ「まだだ……!」スッ……

リュウトウ「明石流奥義──」

黒い打刀「」ヴォンッ……

リュウトウ「無元、斬り!!」

◇

巨大な星属性の光「」ズギュウウウウウウンッ!!!

ズバァッ!!!

わずかに逸れる軌道「」グオオオッ!!

◇
920 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:31:00.70 ID:KhBm2lfOO
バールベルト「や、やった!?」

リュウトウ「……次は捌けん……!総員、伏せろ!!!」

船体を貫く星光「」ズドォォォォォォンッ!!!!!

船員「うわあああああっ!!!」

吹き飛ばされる甲板「」ガラガラガラッ!!

通信士「主翼損傷!!」
操舵手「操舵不能!!」

バールベルト「!?」

黒煙を噴き出す指揮艇「」モクモク……

船員「高度低下!!止まりません!!」

墜落を始める指揮艇「」ヒュウウウウン──

バールベルト「お、落ちてるぅぅぅぅっ!!!」

リュウトウ「全員、衝撃に備えろ!負傷者を中央へ!」

通信士「つ、通信は!?」

リュウトウ「最後まで繋げ!」

魔導通信機「」ザザザッ……

リュウトウ〈全艇へ……こちらリュウトウ……指揮艇は被弾した〉

リュウトウ〈指揮権を……次席へ移行する〉

船体「」ミシミシミシッ……

バールベルト「将軍、もう通信なんかいいですから掴まってください!!」

リュウトウ〈船団は止まるな〉

リュウトウ〈繰り返す──〉

赤黒い雲へ落ちていく指揮艇「」ヒュウウウウウン……

リュウトウ〈止まるな!!!前へ進め!!!〉

魔導通信機「」ブツッ──

ドガァァァァァン!!!

◆
921 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:32:11.21 ID:KhBm2lfOO
ーークロシュヴァリエ号 甲板

魔導通信機「」ピピッ

ドルク〈クロシュヴァリエ号!まだ飛んでるな!?〉

アインズ〈ドルクか……そっちは無事だったんだな〉

ドルク〈おうよ!セイントレアはもう目と鼻の先だ……“切り札”の準備ができた。そっちは突入する準備に入れ。あの化け物魔女相手にどこまでやれるかはわからねぇが……こっちで出来るだけ派手に暴れて、道をこじ開けてやる!〉

ガイ〈ドルク……死ぬなよ〉

ドルク〈当たり前だろ!こんなところでくたばってたまるかよ!帰ってきたら、みんなで宴会だ!〉

リン〈ちょっとー、そういう死にそうな人が言う台詞やめてよね?本当に死体になったら、笑えないんだから〉

魔導通信機「」ピッ……

◆

ーー飛空挺 甲板

ドルク「……にしても、切り札ってのがまさかコレだとはねぇ……」

拘束されたセーレフェリア「んー!んー!」ジタバタ

リン「なになに?おトイレ?」

拘束されたセーレフェリア「んー!!!」ジタバタ

ドルク「こんな状況でそんな呑気な理由なわけねぇだろ……口の部分の拘束を解除してやるよ」カチャンッ

セーレフェリア「ぷはっ……遅い!!!さっきからずーっと喋りたかったんだけど!!!」

ドルク「元気そうで何よりだ」

セーレフェリア「何よりじゃない!棺桶に詰められたと思ったら今度は縛られて空の上って、私の扱いどんどん雑になってない!?」

リン「でも今回は棺桶じゃないよ?」

セーレフェリア「そこじゃない!!!」

ドルク「はいはい……文句は全部終わってから聞いてやるよ。それより、ちゃんと魔力は溜まってんだろうな?」

セーレフェリア「……誰に言ってるの?」ニヤッ
拘束具の隙間から漏れ出す魔力「」バチ……バチバチ……

リン「おお……すご。縛られてるのにこの量?」

ドルク「こりゃ確かに切り札だな……味方じゃなかったら絶対近寄りたくねぇ」

セーレフェリア「味方じゃないよ?今だけ利害が一致してる囚人♪」

リン「正直でよろしい」

ドルク「そこ褒めるところか!?」
922 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:32:43.45 ID:KhBm2lfOO
通信士「ドルクさん!敵がこっちへ向いてます!」

ドルク「!」

高速で接近する星詠みの魔女「」ビュオオオオッ──

リン「来たね……」

ドルク「ああ。どうやら指揮艇が落ちて、狙う相手を探してるらしい」

セーレフェリア「ふーん、あれが?」

ドルク「ああ。お前、見覚えは?」

セーレフェリア「ない。けど──」

遠方の星詠みの魔女を見つめるセーレフェリア「強そう」ニヤッ……

ドルク「嬉しそうにすんな」

セーレフェリア「だって、あれだけ好き放題してるんでしょ?ちょっとくらい壊しても怒られないよね?」

通信士「魔力反応!来ます!!」

遠方で収束する光「」ギュオオオオッ!!!

ドルク「全員掴まれ!左へ急旋回!」

操舵手「左旋回!!」
飛空艇「」ギュオオオオッ!!

星光「」ズギュウウウンッ!!!
船尾を掠める光「」バチィッ!!!

船員「くっ、うっ……後部結界損傷!」

リン「……一発掠っただけでこれかぁ……笑えないね」

ドルク「次が来る前に仕掛けるぞ!まず俺とリンで注意を引く!お前は魔力を温存しろ!」

セーレフェリア「えー……はやくコレ解いてよー」ガチャガチャ

リン「了解……それじゃあ私も働きますか」スッ……

魔法陣「」ブォンッ!!!
飛空艇の甲板に散らばる骨「」カラカラカラ……

船員「うわっ!?」

組み上がっていく骨「」ガシャガシャ……
弓を持ったスケルトンたち「「「」」」ザッ!!

ドルク「……いつ見ても絵面が悪いな」

リン「いい加減慣れてよね?……みんなー!あの空飛んでる人を狙って!」

弓を構えるスケルトンたち「「「」」」ギリギリ……
魔力を纏う矢「」キラ……

リン「撃てー!」

放たれる無数の矢「」バシュバシュバシュッ!!!

星詠みの魔女「……」

展開される星の障壁「」ヴゥンッ!
矢「」バチバチバチッ!!

リン「やっぱ普通には通らないか」

ドルク「なら、こっちだ!」
鋼の槍を構えるドルク「」スッ

ドルク「操舵手!もっと近づけ!」

操舵手「えぇ!?」

ドルク「遠距離じゃ埒が明かねぇ!射程に入る!」

リン「いやいやいや、射程って何メートル想定!?」

ドルク「俺が届くと思ったところまでだ!」

リン「雑!」
923 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:33:16.27 ID:KhBm2lfOO
飛空艇「」ゴオオオオッ──

星詠みの魔女「……」クルッ

ドルク「こっち見たな……上等!」
槍に集まる地属性の魔力「」ゴゴゴゴ……

巨大化していく岩の穂先「」ズズズズ……

踏み込むドルク「」ダンッ!!!

ドルク「──喰らえぇぇぇっ!!!」
投擲される巨大な岩槍「」ブォオオオオオッ!!!

星詠みの魔女「……」スッ

岩槍を撃ち抜く光「」ズドォンッ!!!
砕け散る岩槍「」バラバラバラッ!!!

ドルク「チッ……!」スタッ

セーレフェリア「何やってんの!そんな見え見えの攻撃、通じる訳ないじゃん!」

ドルク「最初から当てるつもりなんざねぇよ!」

セーレフェリア「は?」

リン「ほら、ちゃんとこっち見てる」

◇

星詠みの魔女「……」ジッ……

周囲に浮かび始める星光「」キラ……キラキラ……

◇

ドルク「俺たちの役目は、あいつを倒すことじゃねぇ。クロシュヴァリエ号から目を逸らさせることだ!」

リン「派手に暴れて、こっちを無視できなくする。そうすれば、その分だけガイさんたちが先に進めるからね」

セーレフェリア「ふーん……地味だなぁ」

ドルク「作戦ってのはそういうもんだ!」

通信士「敵、完全にこちらへ照準を変更!複数の魔力反応が展開されています!」

ドルク「よし……食いついたな。食いつきすぎな気もするがな!」

リン「でも、このままだと今度は私たちが蜂の巣だねぇ」

セーレフェリア「だから早く私を出せって言ってるじゃん」

ドルク「……仕方ねぇ。ここらが頃合いか」スッ

セーレフェリア「やっとかぁ。早く早く!」

ドルク「拘束を一部解除する!ただし妙な真似したら──」

セーレフェリア「分かってるよ、うるさいなぁ。そのときはこの首輪が爆発するんでしょ?」

外される両腕の拘束具「」カラン……

手首を回すセーレフェリア「ふぅー……窮屈だった……!」

星詠みの魔女を見つめるセーレフェリア「」ニヤッ

セーレフェリア「じゃあ──まずは挨拶からだね♪」
924 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/10(月) 00:33:49.05 ID:KhBm2lfOO
というわけで本日はここまでです。
次回もお付き合いくださると幸いです。

それでは、また。
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/10(月) 00:48:24.58 ID:RnQ4SOWdo
イリスこんな強かったのか
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/10(月) 01:42:48.43 ID:5GWMny2/o
おつ
どうにか辿り着けそう
ネームドに死人が出てないのは幸いだ…無闇矢鱈じゃなく魔都に辿り着こうとする者を狙って妨害してるように見えるな
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/10(月) 02:01:53.16 ID:g5NFbC0gO
総力戦みたいで好きな展開
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/10(月) 10:57:52.48 ID:l5mVEzQVO
セーレが便利な兵器くらいの扱いに
戦力は何でも多い方がいいよね
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/10(月) 12:17:51.80 ID:Km4ttO+DO
この分だと妖精さんですら手に負えない強ボスになってる感
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/11(火) 12:49:20.05 ID:nR1WV8AoO
イーリンさん高所恐怖症なのによく頑張った
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/11(火) 19:22:24.10 ID:6mYG1/mho
これ無事到達できてもガイアインズサーシャリーゼリットしか戦力いないのか
932 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/13(木) 21:28:32.18 ID:tf9Gw/ZeO
>>925
星属性の魔法を消耗なしで使えるので、この状態では相当強くなっているみたいです。世界樹の精霊さんに使用を止められそうなものですが、その傾向は今のところ見られないようです。

>>926
残り5%なので、もうすぐですね。
星詠みの魔女さんは、どういう訳か外からセイントレアへの侵入を拒み、その逆に内からも出さないようにしているようです。
理由は明らかになるのでしょうか?

>>927
ありがとうございます。
仮に今回の作戦が失敗してしまったら、この世界は大魔女と伝説スライムが起こした先延ばしの限界が来て、世界めくれで滅び去ることが確定してしまいます。

>>928
少々扱いは雑ですが、人道的に接してもらっているようです。
こういった場面では、セーレフェリアさんの力を有効に使おうということで、今回連れてこられたみたいです。

>>929
会ってみればわかるかと思います。

>>930
ヒナさんの粗治療である程度は平気になっていたのと、今回は状況が状況だった故に気にする必要もなかったのでしょう。火事場の馬鹿力というやつかもしれません。

>>931
まだ諸々の判定が終わっていないのでなんとも言えません。
ドルクさんの船が落ちなければ、彼等もセイントレアに突入できるかと思います。
現地にも人がいるので、協力を求めるのもよいでしょう。協力してくれるかはわかりませんが。
933 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/13(木) 21:29:13.07 ID:tf9Gw/ZeO
セーレフェリア「──飛んでけっ!!!」
圧縮された魔力「」ギュウウウウン──

放たれる巨大な衝撃波「」ドォォォォォォォンッ!!!!!

揺れる飛空艇「」グラッ!!!
船員たち「「「うわっ!?」」」

リン「ちょっ!?船の上で撃つ威力じゃないって!!!」

ドルク「飛空艇ごと吹っ飛びそうだぞ!!!加減しろ!!!」

◇

星詠みの魔女「……」
正面に展開される星の障壁「」ヴゥゥゥンッ!!!

巨大な衝撃波「」ドォォォォンッ!!!
星の障壁「」ギギギギギ……!!!

星詠みの魔女「……」

星の障壁「」ピシッ……

星詠みの魔女「……!」

星の障壁「」バリィィンッ!!!

砕け散る星光「」キラキラキラ……

衝撃波に押し流される星詠みの魔女「……!」ゴオオオ──

◇

セーレフェリア「……へぇ……今ので壊れないんだ」

リン「……なんかすっごく嬉しそうだね」

セーレフェリア「だって──」

魔力を纏うセーレフェリア「」バチバチバチ……!!

セーレフェリア「──こういうの、始めてなんだもん♪」

ドルク「お前を出したのが正しかったのか、急に不安になってきたぞ……!」

◇

星詠みの魔女「……」スッ……
背後に展開される無数の魔法陣「「「「「「」」」」」」ヴゥンッ!!!

◇
934 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/13(木) 21:29:52.95 ID:tf9Gw/ZeO
リン「うわぁ……怒ってるかどうかは知らないけど、完全にロックオンされてる……!」

ドルク「ビビんなよ、リン!操舵手、クロシュヴァリエ号とは逆方向へ進路を取れ!」

操舵手「了解!!」
旋回する飛空艇「」ギュオオオオッ──

セーレフェリア「きゃっ!?ちょっと!逃げるの!?」フラッ

ドルク「逃げるんじゃねぇ!引きつけるんだよ!お前も何かに掴まっとけ!!!」

一斉に輝く星光「」カッ──!!!

船員「来ます!!!」

放たれる無数の光「「「「「」」」」」ズバババババッ!!!

船体の左右を通過する星光「」ズドォンッ!! ズドォンッ!!

リン「三つ抜けた!」

ドルク「残りは!?」

リン「無理!当たる!」

腕を薙ぐセーレフェリア「ふっ!」ブンッ!!!
衝撃波「」ドォンッ!!!

飛来する星光「」ズギュンッ!!
正面衝突する魔力「」ドッガァァァァン!!!!!

爆風で揺れる飛空艇「」グラグラグラ……!!!

ドルク「ぐっ……!」
リン「わぁぁっ!?」
船員たち「「「うわあああっ!!!」」」

セーレフェリア「一個!」ブンッ
衝撃波「」ドォンッ!!

セーレフェリア「二個!」ブンッ
衝撃波「」ドォンッ!!

セーレフェリア「三個っ!」ブンッ
衝撃波「」ドォンッ!!

衝突する魔力「」ドッガァァァァン!!!!!

リン「すっご……全部撃ち落としちゃった……」

ドルク「ははっ、まじか……お前、なんでテラヌス・ウルスで負けたんだ?」

セーレフェリア「……相性とか、場所の問題だよ。街一つ壊したら、私も巻き込まれるし、あのときは魔力も貯めてなかったし──って、捕まった以上は私の負けだけどさ!次やったら同じ結果にはならないからね!」

◇

ーークロシュヴァリエ号 甲板

遠方で連続する爆発「」ドォンッ!! ドォォンッ!!!

リーゼリット「……すごい……あの魔女の魔法と何かがずっとぶつかってる……」

サーシャ「……あれ?……あの飛空艇に乗ってるのって……セーレフェリア!?」

アインズ「何!?あいつをこの作戦に連れてきていたのか!?」

ガイ「セーレが……!?」

フローディア『なるほど。魔力が貯まったあの子なら、たしかに可能な芸当ね……けど、相手が悪いわ。このままだと、魔力が切れて防ぎきれなくなる』

ガイ「……あと、どれだけ持つ?」

フローディア『あれだけ景気よく撃ってれば、そう長くはないでしょうね……それにしてもあの魔女、星属性の魔法をあれだけ使ってるのに、世界樹の精霊に止められる気配がないのは一体どういうことなのかしら……』

ベルトーネ『考察なんて後にしようよ〜。セイントレアはすぐそこなんだからさ〜』

◆反転コンマ下1

01-50 5隻墜落 進行度+5%
51-00 4隻墜落 進行度+5%

⭐︎現在進行度95%

⭐︎残存飛空艇5隻
※クロシュヴァリエ号は残存飛空挺に含みません。
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/13(木) 21:42:51.74 ID:2PROfYvD0
あ
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/14(金) 00:34:05.60 ID:plGfPIT8o
これはリンドルクセーレも墜落か
一緒に行くと言ってたエリザベートは霊圧を感じないしほんと戦力が心許ない
937 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:35:18.14 ID:K3d8Y9/EO
セーレフェリア「ハァ……ハァ……!」

墜落する別の飛空艇「」ヒュウウウウウン……
墜落する別の飛空艇「」ヒュウウウウウン……

ドルク「くっ……流れ弾で他のも落とされたか……!リン、他に残ってる船は!?」

リン「……この船だけだよ」

ドルク「……!」

セーレフェリア「ちょっと……なに、もう終わった、みたいな雰囲気でいるわけ……」フラッ……

ドルク「……十分凌いでくれたが、誰が見てもお前は限界だ。これ以上撃ったら、お前が死ぬぞ」

セーレフェリア「っ……うる、さい!……いいから、マナポーションをよこせ!」パシッ

マナポーションを飲むセーレフェリア「んぐ……んぐ……っはぁ……!」
投げられるマナポーションの空き瓶「」ポイッ

セーレフェリア「……っ、全然足りない……!こんなんじゃ、さっきまでみたいには撃てないじゃん……!」ギリッ

ドルク「当然だ!さっき貯めた魔力が、薬一本で全部戻るわけねぇだろ!」

リン「……向こうも全然止まる気配ないね」

星詠みの魔女「……」
背後に次々と展開される魔法陣「「「「「」」」」ヴゥン……

セーレフェリア「……チッ」

リン「セーレフェリアちゃんが撃てなくなったら、次の一斉射でこの船も終わり……か」

ドルク「クソッ!まだガイ達はセイントレアに入ってねえぞ!?もう少し引きつけねぇと!」

リン「……背に腹は変えられないか。よっと──」スッ
魔法陣「」ヴォンッ

ドルク「リン?何する気だ?」
938 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:36:17.39 ID:K3d8Y9/EO
リン「あまり使いたくなかったけど、奥の手を使うの……あの星属性の強大な魔力に対抗するには、同じくらい強大な負属性の魔法を当てれば理論上は消せるハズ──」
光出す魔法陣「」キラキラ……

ドルク「負属性……?一体何の話をしてるんだ?」

リン「呼び出す死者によっては、魂の質によって生前よりも遥かに高い魔力を持って顕現させることができる。あの子は生前から強力な魔法の使い手だったみたいだけど、魂の循環を拒んで、今もその魂は現世に縛られている……長く留まりすぎたせいかな。今じゃ魂の質そのものが、生前とは比べものにならないくらい高くなってるんだよ──」

ドルク「何言ってるかわかんねぇけど、この場をどうにか凌げるんだな!?」

リン『長くは持たないけどね──力を貸して、リーナちゃん』
魔法陣「」ヴォンッ──

魔法陣から現れるローツインテールの少女「」ズズズ……

ローツインテールの少女「……」スタッ……

リン「……よし、成功した。これなら──」

ローツインテールの少女→リーナ「……ここ、どこ……?」

リン「……嘘」

周囲を見回すリーナ「……空……?」キョロキョロ

リン「意識が……ある……?いつもなら身体と魔力の情報だけなのに……魂まで一緒に──」

ドルク「おい!驚いてる場合じゃねぇぞ!あれ見ろあれ!」

一斉に輝く魔法陣「「「「「」」」」カッ──!!!

通信士「敵、攻撃態勢!!!」

リン「っ!」

構えるセーレフェリア「ちっ!!」バッ

放たれる無数の光「「「「「「」」」」」ズバババババッ!!!

ドルク「っ、全員伏せろ!!!」
939 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:36:51.99 ID:K3d8Y9/EO
リン「リーナちゃん!あれ、消せる!?」

リーナ「……あれ?」

無数の光「」ズギュウウウンッ!!!

手を前へ出すリーナ「」スッ……

リーナ『枯れろ』

星光の表面から失われていく輝き「」シュウウウ……

ドルク「……は?」
リン「……!」

急速に萎んでいく光「」シュゥゥゥゥ……

崩れていく光「「「「」」」」キラ……キラキラ……

セーレフェリア「……なに、今の。あんな魔法、見たことない──」

船員「敵の攻撃……消失しました……!」

ドルク「消したっていうか……なんだ今の!?光が干からびたぞ!?」

リン「厳密には光そのものじゃない……あの魔法も魔力を形として維持するための媒体を持ってる。リーナちゃんは、それを根こそぎ奪ったんだ……!」

自分の手を見るリーナ「……前より、簡単」

リン「……そりゃそうだよ。今のリーナちゃん、生きてた頃とは魔力の密度が全然違うもん……」

リーナ「……そっか……わたし、死んでたんだっけ」

リン「リーナちゃん……」

ドルク「悪いが、話は後だ!もう一回今の頼めるか!?」

星詠みの魔女「……」
さらに展開される魔法陣「「「「「「「「」」」」」」ヴゥゥンッ!!!

セーレフェリア「……あいつ、まだ撃つ気なんだけど……」
940 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:38:12.69 ID:K3d8Y9/EO
リン「リーナちゃん、もう一回いける!?」

リーナ「……うん」

リン「無理ならすぐ言って!今の身体、長くは保たないから!」

リーナ「……わかった」

星詠みの魔女「……」スッ

一斉に放たれる光「「「「「」」」」ズバババッ!!!

リーナ『枯れろ』

星光の表面から失われていく輝き「」シュウウウ……

崩壊する光「「「「「」」」」キラキラキラ……

ドルク「よし……!凌いだ!」

リン「でも、まだ終わりじゃない……!」

ドルク「あと少しなんだ!ガイたちがセイントレアに入るまででいい!それまで何としてもこいつを引きつけるぞ!」

リーナ「……ガイ?」ピクッ

リーナ「……!」サラッ──
消えていくリーナの身体「」サラサラ……

リーナ「……思ってた以上に、短いね」サラサラ……

遠くのクロシュヴァリエ号を見るリーナ「……」チラッ

セイントレアを見るガイの姿「」

◇

ガイ『……気をつけろ。何かあったら、逃げることを最優先にしろ』

◇

リーナ「……変なの。殺されたのに……あの人たちといた時のこと、まだ覚えてる……」サラサラ……

リーナ「……私が逃してあげる。それが、今あなたがやらなきゃいけないことなんでしょ?」サラサラ……

通信士「ドルクさん!クロシュヴァリエ号、セイントレア外縁部へ到達します!」

ドルク「……!」

遠方を進むクロシュヴァリエ号「」ゴオオオオッ──

ドルク「へへっ、よし……!」

◇
941 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:41:03.73 ID:K3d8Y9/EO
星詠みの魔女「……」

遠ざかるクロシュヴァリエ号を見る星詠みの魔女「……」スッ

星詠みの魔女の周囲に展開される魔法陣「「「「「「「」」」」」ヴゥゥゥンッ!!!

◇

リン「……あーあ。最後に盛大なのが来るみたい」

リーナ「……今のわたしでも、アレ全部は無理……」

ドルク「……セーレフェリア、撃てるか?」

セーレフェリア「……無理」

ドルク「だよなぁ……ここが限界か。結界の出力に全部回せ!この飛空艇も墜落するぞ!」

船員「結界、最大出力!!!」
飛空艇を覆う結界「」ヴゥゥゥンッ!!!

一斉に放たれる光「「「「「「「」」」」」ズババババッ!!!

リーナ『枯れろ』

崩壊する一部の光「」キラキラキラ……

消滅するリーナ「……あとは、頑張って──」サラサラ……

リン「……ありがとう、リーナちゃん」

結界「」バリィィィンッ!!!
船体を貫く星光「」ズドォォンッ!!!

船員「浮遊機関停止!墜落します!!!」

飛空艇「」ヒュウウウウウン──

ドルク「全員、船体に掴まれ!死にたくなきゃ絶対離すなよ!」

セーレフェリア「何か考えがあるの!?」

ドルク「お前次第だ!」

セーレフェリア「はぁ!?」

ドルク「岩よ──せり上がれぇぇっ!!!」

地上から隆起する巨大な岩「」ゴゴゴゴゴッ!!!

セーレフェリア「……なるほどね!衝撃を殺せってこと!」

墜落する飛空艇「」ヒュウウウウン──

ドルク「ぶつかるぞ!今だ!!!」

セーレフェリア「──ふっ!!!」バッ
下方へ放たれる衝撃波「」ドォンッ!!!

反動で減速する飛空艇「」グオッ!!

岩に船底が衝突する飛空艇「」ズガァァンッ!!!
砕け散る岩「」バキバキバキッ!!!

ドルク「もう一発だ!!!」

セーレフェリア「これで……ほんとに空っぽだからね!!!」
衝撃波「」ドォォンッ!!!

◆

ーー地上

瓦礫「」パラ……パラ……

ドルク「……っ……生きてる奴……返事しろ……」

リン「……いったぁ……死んだかと思った……」

船員「け、怪我人は大勢いますが……今のところ、死者はいません……」ピクピク

ドルク「はっ、ははっ……そりゃよかった……」

倒れ込むセーレフェリア「……もう二度と……飛空艇なんか乗らない……」バタッ

◆
942 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:41:56.13 ID:K3d8Y9/EO
ーークロシュヴァリエ号 甲板

アインズ「リーゼ!突入準備だ!」

目前に迫るセイントレア王国「」ゴゴゴゴ……

ガイ「星詠みの魔女は!?」

サーシャ「……他の飛空艇は全部落とされたみたい。まっすぐこっちに向かって来てるよ!」

高速で接近する星詠みの魔女「」ビュオオオオッ──

セイントレアを包む結界「」ジジ……

リーゼリット「シルバークロースの話は本当だった……!交差する一点ってどこなの!?」スッ
シルバーレイン「」ガチャンッ……

照準器を覗き込むリーゼリット「……っ」ジッ……

視界いっぱいに広がる結界「」ジジジジ……

複雑に流れる魔力の線「」サァァァァ……

リーゼリット「多すぎる……!どれが本物なの!?」

星詠みの魔女「……」スッ
周囲に集まる光「」キラ……キラキラ……

サーシャ「来るよ!」

ガイ「リーゼ、後ろは見るな!狙うことだけ考えろ!」

クロシュヴァリエ号「」ゴオオオオッ──
揺れる甲板「」グラッ……グラッ……

放たれる光「」カッ──

アインズ「……!すまん、リーゼ!一旦離れるぞ!」

クロシュヴァリエ号「」ギュウン──
放たれた光「」ズギュウウウウウウン!
943 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:42:56.48 ID:K3d8Y9/EO
フローディア『……不味いわね。追いつかれたわよ……!』

ガイ「!」

星詠みの魔女「」フワッ……

アインズ「くっ……!」
サーシャ「そんな……」

魔力を貯める星詠みの魔女「」ギュウン……

ガイ(……時間を止めた所で、有効打が思いつかない。魔導拳銃や氷の刃で攻撃したところで高が知れているな……あれだけの犠牲を払って、俺達は失敗したのか?……)

ガイ(……いや。まだ、手はあるか)チラッ

サーシャ「ガイ……?」

サーシャに投げ渡される翡翠の賽「」ポイッ
サーシャ「えっ!?」

ガイ「サーシャ……セイントレアについたら聖女を探せ……きっと、世界めくれを止めてくれる」

サーシャ「へ?待って、ガイ──」

ガイ「──頼んだぞ」シュンッ

◇

ヒュオオオ──

空中に移動したガイ「」シュンッ

星詠みの魔女「!?」

ガイ(流石に、この距離で時間を止めれば致命打を与えられるだろう……問題は、時間が動き出したあと、俺は確実に地上へ落ちるということだが……考えるな。今は目の前の敵に集中しろ……!)

ガイ「──うおおおおおおっ!」バッ
短剣「」ギランッ!

構える星詠みの魔女「」バッ

ヒュンッ──
944 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:44:51.32 ID:K3d8Y9/EO
何かに掴まれるガイ「──!?」

「──っと……おいおい、自暴自棄になるのはやめなよ。せっかくここまで来たんだから、目的地には着いてもらわないと」ビュオオオオッ──

抱えられるガイ「……お前は……アウル!?」

浮雲に乗ったアウル「元気そうで何より」ニヤリ

ガイ「どうしてここに!?」

アウル「そりゃあ、世界滅亡の危機をどうにかするためさ。それと──」

バサッ……バサッ……

アウル「今は狐の手でも、何でも……借りたいところだと思ってね?」

ガイ「……!」

上空を旋回する悪竜セレスティア「」バサァッ!!!
セレスティア「うふふ……!杖を奪ったとき以来ですわね!腕が鳴りますわ!」

セレスティアの背に乗るブラッド「今はその分体しかないんだから、あまり無茶すんな!消し飛んだら次はないんだからな!」

悪竜セレスティア「──わかっておりますわよ!」バサァッ!!!

別方向から飛来する人影「」バサッ……

フレメア「十年ぶりの集合……なんて言ってられないか。フラナもやられちゃったみたいだし、さすがに遊んでる場合じゃないわね」

ガイ「フレメア……!?」

フレメア「あら、ガイじゃない。よりにもよって駄狐に助けられてるなんて、災難ね」

アウル「おとなしくなったって聞いてたけど……喧嘩売ってるなら買ってあげようか……?」

フレメア「ふふっ……」チラッ

星詠みの魔女「……」
周囲に増えていく星光「」キラ……キラキラキラ……

フレメア「……見ない間に、随分怖くなったじゃない」ボソッ

別方向から飛来する二つの人影「」バサッ……バサッ……

淫魔の女→レイン「……十年前より強くなったのは間違いないみたいね。あんな姿になってまで欲しかった力なのかは知らないけれど」

銀の長髪の魔族→ザイル「強さだけなら、ミュージアで戦った勇者を彷彿とさせるな……フッ、厄介な相手になったものだ」

◇
945 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:45:18.56 ID:K3d8Y9/EO
ーークロシュヴァリエ号 甲板

サーシャ「フレメアさんとユーシリアで戦った悪竜にスライムと……あとは誰?」

アインズ「増援か!?」

リーゼリット「……!」

照準器を覗き直すリーゼリット「……今度こそ……!」スッ……

◇

星詠みの魔女「……」スッ
一斉に放たれる光「「「「「」」」」ズババババッ!!!

ザイル「散れ!」

アウル「了解!」ビュンッ!!!
悪竜セレスティア「参りますわ!」バサァッ!!!
フレメア「チッ!」
レイン「十年ぶりだろうと、やることは変わらないわね!」

散開する一同「」バッ!!!

無数の星光「」ズババババッ!!!

ザイル「正面はオレが引き受ける!」

火炎を吐くセレスティア「なら、撃ち漏らしはわたくしが──」ゴッ──

レイン「威力も十年前より桁違いね!」スッ
闇球「」ヴォンッ!!!

フレメア「それじゃ、私は横から引っ掻き回してあげる!」バサッ

セレスティアに乗るブラッド「杖があった頃よりは楽だけど、油断できない……!狐!その人間を船に戻して!」

アウル「オレに指図すんな!」ビュオオオオッ──

◇
946 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 11:45:49.84 ID:K3d8Y9/EO
ーークロシュヴァリエ号 甲板

アウル「悪く思うなよ!」ポイッ

クロシュヴァリエ号甲板へ投げ戻されるガイ「ぐっ!」ゴロッ……

サーシャ「ガイ!!」

ガイ「……すまない。戻った」グッ……

サーシャ「……一人で勝手なことしないでよ……!」

ガイ「……ああ」

アインズ「説教は後だ!リーゼ!」

リーゼリット(……もう一度……よく見て……)

セイントレアを包む結界「」ジジ……

リーゼリット(全部が交差してるように見えるけど……違う。魔力がぶつかってる場所じゃない。流れが重なって──そのまま、一瞬だけど一つになる場所……!)

照準器の中央を横切る小さな光点「」キラッ……

リーゼリット「──見つけた」
カチッ

発射されるシルバーレイン「」ギュウウウウウウンッ!!!!

リーゼリット「……っ!」

結界に吸い込まれる弾丸「」シュウン──

結界「」ジジッ……!!!

リーゼリット「お願い……!」

シーン……

展開される複数の術式「「「」」」ヴォンッ!!! ヴォンッ!!! ヴォンッ!!!

ガイ「……!」

結界の一点に走る亀裂「」ピシピシピシッ──

割れる結界「」パリィィィンッ!!!

セイントレアの結界に開く巨大な穴「」コオオオ──

リーゼリット「──開いた!!!」

アインズ「全速力で向かうぞ!!!みんな掴まれ!!!」

クロシュヴァリエ号「」ゴオオオオオオッ!!!

◇

星詠みの魔女「……!」クルッ

セイントレアへ向かおうとする星詠みの魔女「」ギュンッ!!!

ザイル「貴様の相手は──」ヒュンッ

ガギィンッ!!!

行く手を塞ぐザイル「──まだ、オレたちだ」

悪竜セレスティア「うふふ……逃がしませんわよ?」バサァッ

フレメア「……十年ぶりに集まったと思ったら、いきなりこんな大仕事?」

レイン「愚痴っている暇があるなら手を動かしなさい、フレメア」

フレメア「はいはい。レインは相変わらずね」

アウル「ハッ、昔話は生き残ってからにしようじゃないか」

ブラッド「別に昔話なんかしたくないんだけど……あたし関係ないし……」

◆
947 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/14(金) 12:05:11.25 ID:+uKUQtIFO
ーー魔都セイントレア 上空

結界に開いた巨大な穴「」コオオオ──

穴を通過するクロシュヴァリエ号「」ゴオオオオッ──!!!

急速に閉じていく巨大な穴「」ギュウウウウウン──

閉じる結界「」バチバチバチッ!!!

リーゼリット「入った……!」

ガイ「突破したのか……!」

アインズ「いや──まだだ!」

大きく傾く船体「」グラァッ!!!

サーシャ「きゃあっ!?」

リーゼリット「な、なに!?」

操舵桿を握るアインズ「くっ……無茶をさせ過ぎた!このままでは墜落するぞ!」ググッ

急速に高度を落とすクロシュヴァリエ号「」ヒュウウウウウン──

船体に走る亀裂「」ピシッ……

ガイ「……!」

亀裂「」ビキッ……ビキビキビキッ!!!

アインズ「まずい!船体が──!」

真っ二つに分離するクロシュヴァリエ号「」バギィィィィンッ!!!

サーシャ「きゃああああっ!!!」
リーゼリット「うわぁっ!?」

宙へ投げ出されるガイ「ぐっ……!」ヒュウウウウ──

ガイ「サーシャ!リーゼ!!!」

ガイ「──っ!!!」

二人へ手を伸ばすガイ「届けっ!!!」バッ!!!

◆反転コンマ下1

01-60 誰の手も掴めなかった
61-00 サーシャorリーゼリットの手を掴めた(どちらの手を掴んだ? 安価下2)
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/14(金) 12:07:39.72 ID:d4w2ubBUo
掴め
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/14(金) 12:07:59.80 ID:WH8mgqd20
サーシャ
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 12:08:27.18 ID:ZE9gWcdJ0
シノホシメンバーが集結して助けてくれる展開は結構好き。後、本スレで浮雲を安価した者だけどアウルが浮雲を使って飛ぶ設定も忘れずに活かしてくれていて嬉しい。
951 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 20:41:39.27 ID:7Jr2iZkZO
>>936
一番キツい状態での開始となりました。
エリザベートさんも突入の際にどこかしらで登場させようとしてすっかり忘れてしまっていました。申し訳ない。
ネタバレになってしまうかもしれないので、言及はしたくなかったのですが、戦力は増強させる予定ですので、ご安心(?)ください。その際にエリザベートさんも登場させようと思います。

>>950
古参の方が見てくださっていたとは。
ありがとうございます。
こちらのスレでは>>1のやらかしが大発生しますが、つきあっていただけると幸いです。
952 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 20:42:46.05 ID:7Jr2iZkZO
空を掴む手「」スカッ
ガイ「……!」

リーゼリット「ガイ!!!」

サーシャ「ガイぃっ!!!」

離れていく二人「」ヒュウウウウ──

ガイ「っ、……!」

カッ──

ブオオオオッ!!!!!

二人を掴む巨竜アインズ「」ガシッ!
サーシャ「アインズ!」
リーゼリット「っ……!」

巨竜アインズ「二人とも無事か!?」バサッ……
リーゼリット「私は大丈夫!サーシャは!?」
サーシャ「私も平気!それより、ガイが!」

離れたところで落下しているガイ「」ヒュウウウウン──

ガイへ向かおうとする巨竜アインズ「まだ間に合う!」グオッ──

リーゼリット「アインズ!上!!!」

巨竜アインズ「!?」

崩壊したクロシュヴァリエ号の船体「」ゴオオオオッ!!!

船体とぶつかる巨竜アインズ「っ──」ゴッ

落ちていく巨竜アインズ「」ヒュウウウウン──

急速に落下するガイ「アインズ!」ヒュウウウウウン──

フローディア『ガイ!!!下!!!』

一帯に広がる森林「」ザワザワザワ……

ガイ「……森か!?」

ベルトーネ『地面よりかはまだマシだけど、この高さから落ちたら普通に死んじゃうよ!?』

ガイ「だが、これしか方法は無い……!」グッ

◆

ーー森林地帯

木々の枝へ突っ込むガイ「」バキバキバキバキッ!!!

ガイ「ぐっ──!」

枝「」バキッ!!
枝「」バキバキッ!!
太い幹「」ドゴッ!!!

血を吐くガイ「がっ……!」

地面へ叩きつけられるガイ「」ベシャッ……

シーン……

倒れたガイ「」
枝が突き刺さった胴体「」
変な方向に曲がった腕「」
変な方向に曲がった足「」

血溜まり「」ダラ……

青い炎「」ボッ……

青い炎に包まれるガイ「」ゴオオオ……

◆
953 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 20:44:10.35 ID:NJZV+e0FO
サワサワサワ……
垂れる雫「」ポタッ……

ピチョンッ──

目を開けるガイ「……」パチッ

ガイ「……!」ガバッ

ガイ「ぐっ……!」ズキッ
胴体に刺さった枝「」グサッ……

胴体に刺さった枝を抜くガイ「うっ……あぁ……!」ズルッ……

ガイ「ハァ……ハァ……痛覚が戻ったのを……今ほど恨めしく思ったことはないな……」ポイッ
傷口で燃える青い炎「」メラメラ……

フローディア『……ようやく起きたわね』

ベルトーネ『よかった〜。あんな状態になってたから正直もうダメかと思ったよ〜』

ガイ「まだ死ぬわけにはいかない……どれくらい、経った?」

フローディア『正確には分からないけれど……一週間は確実に経ってるわね』

ガイ「そんなに……」

周囲を見回すガイ「……」クルリ

遠くに見える王都の大城壁「」ゴゴゴゴ……
城壁に張り付く黒い何か「」ウネウネ

ガイ「……こうしてはいられない……」

フローディア『……あの子たちは、無事かしら』

ゆっくり立ち上がるガイ「……生きている。アインズが二人を掴んだところまでは見えた……」グッ……

ガイ「……きっと、大丈夫だ……」フラッ……

装備を確認するガイ「……」ガサゴソ

折れた短剣「」ボロッ……
折れた短剣「」ボロッ……
壊れた魔導拳銃「」ボロッ……

ベルトーネ『うわぁ〜……見事にボロボロだね〜。短剣は折れてるし、魔導拳銃もこれじゃ撃てそうにないよ』

ガイ「……無いよりは、マシだ……」フラッ……

ザッ……ザッ……

◆
954 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 20:45:12.75 ID:NJZV+e0FO
ーーセイントレア平原

崩れた街道「」ザッ……ザッ……

崩れた建物「」
ひび割れた石畳「」
黒く枯れ果てた街路樹「」

ガイ(この場所は……見覚えがある。平原の一部ごと空へ切り離されたのか……少なくとも、世界めくれの直後から地形そのものは大きく変わっていないようだな)

ガイ(建物は随分と崩れているが……道さえ残っているなら、ある程度は現在地を割り出せる)

フローディア『記憶を頼りに歩くつもり?』

ガイ(ああ。まずは人がいそうな場所を探す。サーシャたちが落ちた場所が分かれば、そこへ向かうのもいいんだが……)

ベルトーネ『もう一週間も経ってるでしょ〜?落ちた場所が分かっても、そこにいるとは限らないんじゃない?』

ガイ(そうだな……手掛かりもなしに探し回っても、見つけるのは難しい。……まずは、今のセイントレアの状況を把握する方が先か)

フローディア『そうね。慎重に進みましょう』

◆探索判定 反転コンマ下1

01-20 危険な何かと遭遇
21-50 敵襲
51-60 人の痕跡を発見
61-80 使えそうな物資を発見
81-00 生存者と遭遇
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 20:46:29.09 ID:qlsJUog5O
あ
956 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 21:00:20.99 ID:NJZV+e0FO
生存者と遭遇したみたいです。

◆反転コンマ下1

01-20 原理派?
21-50 避難民
51-80 勇者連合
81-87 長身白髪の男
88-94 狐耳紫髪の女性
95-00 白髪ゴスロリ少女
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 21:05:37.26 ID:MGSO+7BH0
あ
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 21:06:13.44 ID:dbsU+FQ0O
はい
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 21:07:01.95 ID:WQGTzBj20
あ
960 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 22:23:38.61 ID:8DYjDPACO
ザッ……ザッ……

ガイ「……」

フローディア『……待って、ガイ。何か聞こえない?』

ガイ「?」

遠くから響く金属音「」ガキンッ……ガキンッ……

ドォンッ!!!

ガイ「……戦闘か!」

ベルトーネ『結構近いみたいだね〜』

ガイ「近づいてみよう」ダッ

フローディア『ちょっと!慎重に進むんじゃなかったの!?』

◆

ーー崩壊した市街地

黒い影の魔物「──」ヌオッ
黒い影の魔物「──」ヌオッ
黒い影の魔物「──」ヌオッ

勇者連合兵A「来るぞ!絶対に触られるなよ!」

勇者連合兵B「分かってる!」ダッ
炎「」ゴウッ!!!

消滅する影の魔物「」シュウウウウン──

勇者連合兵C「くそっ……!スライムもどきでも厄介なのに、こいつらまで相手にしてられるか!」
風の刃「」ヒュオオオオ──

勇者連合兵A「弱音吐いてる暇があったら手ぇ動かせ……って、おい!!!後ろ!!!」

黒い影の魔物「」ヌオッ

勇者連合兵D「えっ!?あっ──」

シュンッ

ズバッ

消滅する影の魔物「」シュウウウウン──

勇者連合兵D「わっ、わぁぁ……!?」ドテッ

ガイ「……」スタッ

勇者連合兵A「誰だ!?」

ガイ「……話は後だ」クルッ

黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ

折れた短剣を構えるガイ「こいつらを片付けるぞ」チャキッ

ベルトーネ『その武器で格好つけても締まらないけどね〜』

ガイ(……言うな)

◆
961 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 22:24:33.01 ID:8DYjDPACO
消滅する黒い影の魔物たち「」バシュウウウウン──

勇者連合兵A「ふぅ……あんた、強いんだな。助かったぜ」

ガイ「気にするな……」

勇者連合兵士D「わ、わたしからお礼を言わせてください!ありがとうございました!」

勇者連合兵B「にしても、お前どこの避難所から来たんだ?ずいぶんボロボロだけどよ」

ガイ「……避難所?」

勇者連合兵B「ん?違うのか?」

ガイ「ああ……俺は避難所から来たわけじゃない」

勇者連合兵A「じゃあ、どこから来たんだ?まさか、その見た目で原理派ってわけじゃないだろうな?」

ガイ「……外だ」

勇者連合兵A「……」
勇者連合兵B「……は?」
勇者連合C「外!?」
勇者連合兵D「外って……まさか、セイントレアの……?」

ガイ「ああ。一週間ほど前、飛空艇で結界を突破してここへ入った」

勇者連合兵C「……いやいや、待てよ。外から結界を突破したって?そんなの──」

勇者連合兵D「じゃ、じゃあ……!」

ガイ「?」

勇者連合兵D「助けが来たんですか!?」

ガイ「……」

勇者連合兵A「外の連中が、俺たちを助けに来てくれたのか!?軍も来てるのか!?何人いる!?」ズイッ

勇者連合兵B「助けに来てくれたんだろ!?他の仲間はどこだ!?」ズイッ

ガイ「……」

勇者連合兵D「外には、私たちがここで生きてるって伝わってるんですよね……!?」

ガイ「……俺たちは、救援のために来たわけじゃない」

勇者連合兵D「……え?」

ガイ「世界めくれを止めるために、セイントレアへ来た」

勇者連合兵B「いや……でも、外から入ってこられたんだろ?だったら、後から増援だって──」

ガイ「それも難しい。ここへ辿り着くまでに、俺たち以外の飛空艇は全て落とされた」

勇者連合兵C「飛空艇?船のことか?……それが、全部落ちたって?」

ガイ「ああ」
962 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 22:24:59.14 ID:8DYjDPACO
勇者連合兵A「……じゃあ、その最後の一隻に何人乗ってた?」

ガイ「四人だ」

勇者連合兵A「……」

勇者連合兵C「たった……四人……」

ガイ「ああ……俺を含めて四人だ」

勇者連合兵B「嘘だろ……」

勇者連合兵A「……他の三人は?」

ガイ「墜落した時にはぐれた。今は俺一人だ」

勇者連合兵たち「……」

勇者連合兵D「……そんな……」

勇者連合兵B「十年経って……ようやく外から誰か来たと思ったら……」

勇者連合兵C「四人しか入れなくて……その四人までバラバラって……」

勇者連合兵A「……」

ガイ「……すまない」

勇者連合兵A「いや……あんたが謝ることじゃねぇよ……」

勇者連合兵B「……そうだな。むしろ、あの結界を越えてここまで来たってだけでも……」

勇者連合兵A「……それでも、すぐには信じられねぇ話だ……俺たちだけじゃ判断できない。ひとまず避難所まで一緒に来てくれ」

ガイ「避難所?」

勇者連合兵A「ああ。少なくとも、原理派ではないようだし、あんたが本当に外から来たってんなら──」

勇者連合兵A「その話を聞きたがる奴は山ほどいるからな」

◆
963 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 22:28:35.50 ID:8DYjDPACO
ーーセイントレア 街道

ザッ……ザッ……

勇者連合兵A「避難所までは少し歩く。あんた、その身体で大丈夫か?」

ガイ「ああ……問題ない」フラッ

勇者連合兵D「いや、どう見ても大丈夫には見えませんけど……」

ガイ「ケガの治りが早いんだ」

勇者連合兵B「……強情だなぁ」

ガイ「それより、歩きながらでいい。今のセイントレアについて教えてくれ」

勇者連合兵A「どこから話したもんかな……」

勇者連合兵C「簡単に言えば、最悪だよ。十年前からずっとな」

勇者連合兵A「生き残った連中はいくつかの避難所に集まってる。俺たち勇者連合は、その避難所を守ったり、物資を運んだり、魔物を始末したり……まあ、何でも屋みたいなもんだ」

ガイ「さっきの黒い影……十年前から、ずっと出続けているのか?」

勇者連合兵B「ああ。世界めくれが起きた直後からずっとな。出る場所も数もまちまちだが、今じゃ珍しくもねぇよ」

ガイ「……そうか」

勇者連合兵C「それと、黒いスライムみたいな奴らな。見つけたら近づかない方がいい。何するか分からねぇし、倒してもキリがない」

ガイ「……黒いスライム」

フローディア『城壁に張り付いていたアレも、その類かもしれないわね』

ベルトーネ『あれがスライムだとしたら、相当グロテスクな見た目だね〜』

ガイ「他に注意すべきものは?」

勇者連合兵A「原理派だ」

ガイ「さっきも言っていたな。ロイエ教の原理派のことか?」

勇者連合兵A「ああ……世界めくれを異種族や異端のせいにして、今でも殺し回ってる連中だよ」

ガイ「……今でも?」

勇者連合兵A「……昔から、この国じゃ人間以外はまともな扱いをされなかっただろ」

勇者連合兵B「俺たちだって……昔は、それをおかしいとも思ってなかった。獣人や魔族を見りゃ避けてたし、近くに住むなんて考えもしなかった」

勇者連合兵D「……」

勇者連合兵A「でもな……こんな場所に十年も閉じ込められてりゃ、嫌でも分かる」

勇者連合兵A「腹が減るのも、魔物に殺されるのも、人間だろうが獣人だろうが魔族だろうが同じだ。助けてもらったことだって、一度や二度じゃねぇ」

勇者連合兵B「それでも原理派の連中は変わらなかった。それどころか、『世界めくれは異種族と異端が招いた災厄だ』なんて言い出して、前より酷くなりやがった」

勇者連合兵A「今じゃ異種族だけじゃない。穏健派の信徒や、異種族を庇った人間まで敵扱いだ。殺しも略奪も平気でやるし、避難所を襲って、人を攫っていくことだってある……下手な魔物より厄介な連中だ」

勇者連合兵B「……十年前なら、俺もあいつらの言葉を疑わなかったかもしれねぇけどな」

勇者連合兵D「原理派だからって、見つけた途端に襲ってくる人ばかりじゃないですけど……刺激しない方がいいです。話が通じない人も多いので」

ガイ「……なるほどな」

勇者連合兵A「逆に、勇者連合の印を付けてる奴なら基本は信用していい。避難所の場所を知ってる奴も多い」

ガイ「俺の仲間についても、避難所で聞けば何かわかるだろうか?」

勇者連合兵A「確実とは言えないが、誰かが見かけてる可能性はあると思うぜ」

ガイ「……そうか」

勇者連合兵D「きっと見つかりますよ」

ガイ「……ああ」

◆探索判定 反転コンマ下1

01-30 危険な何かと遭遇
31-50 敵襲
51-60 人の痕跡を発見
61-80 使えそうな物資を発見
81-00 生存者と遭遇
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 22:29:47.22 ID:dbsU+FQ0O
あ
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 22:30:13.86 ID:7lk10yfgO
あ
966 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 22:52:41.59 ID:deDGdxLNO
氷霧「」サァァァ──

降り出す雪「」ポツ……ポツ……

ガイ「……雪?」

勇者連合兵D「……え?」

勇者連合兵B「おい……嘘だろ……」

タタッ……タタッ……

冷たい風「」ヒュオオオ──

フローディア『足音、かしら……こちらに近づいてきているような……』

勇者連合兵A「……あんた、走れるか?」

ガイ「何?」

勇者連合兵C「おいおい……冗談だろ……」

タタッ……タタッ……

強まる吹雪「」ヒュオオオ──

ベルトーネ『向こうからだね〜……この吹雪と一緒に近づいてきてるの、ちょっと嫌な感じだな〜』

ガイ「……」

勇者連合兵D「あ、ああ……そんな……!」

勇者連合兵A「走れ!この霧を抜けるぞ!」ダッ

ガイ「何か知っているのか!?」ダッ

勇者連合兵A「この辺りじゃ、何の前触れもなく吹雪が起きたら逃げろって決まってんだよ!理由はすぐ分かる!とにかく走れ!」ダダッ

タタッ……タタッ……
シャーッ──

ガイ(……何かを引きずっている音がする)

フローディア『……!気をつけて……氷属性の強い魔力が近づいてきているわ』

勇者連合兵C「間違いねぇ……!氷刃の魔女(ひょうじんのまじょ)だ!」ダダッ

勇者連合兵D「ひぃぃ……!」ダダッ

ガイ「氷刃の魔女……?」ダダッ

勇者連合兵A「十年前からセイントレア中を彷徨ってる化け物だ!出くわしたら戦うな、逃げろ!ここの常識だ!」ダッ

タタッ……タタッ……

氷霧から現れる氷のオオカミ「」ヌッ
氷霧から現れる氷のオオカミ「」ヌッ

ガイ「オオカミ……?」
967 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 22:54:46.21 ID:deDGdxLNO
勇者連合兵B「来やがった……!」

オオカミに繋がれた氷の鎖「」ジャラ……

シャーッ……

氷霧から現れるソリ「」ヌッ
ソリに乗った黒髪の魔女「……」

勇者連合兵D「……氷刃の魔女……!」

ガイ「!」

高速で近づいてくるオオカミとソリ「」シャーッ!!!

勇者連合兵A「来るぞ!!!避けろ!!!」

回避するガイ「!」バッ

ガイの居た場所を高速で通り抜けるソリ「」シャーッ!!!

氷の鎖を引っ張る黒髪の魔女「」ガッ!
止まるソリ「」ズズズ……ピタッ……

ガイたちを睨みつける氷のオオカミ「グルル……」ズザザ……
ガイたちを睨みつける氷のオオカミ「グルル……」ズザザ……

勇者連合兵B「くそっ……完全に目ぇつけられたぞ……!」

勇者連合兵C「止まるな!逃げろ!」

ガイ「……」ザッ……
折れた短剣「」チャキッ

フローディア『……星詠みの魔女と似た類の存在かしら……少なくとも、まともに話が通じる相手には見えないわね』

ベルトーネ『……』

勇者連合兵A「おい!何構えてんだ!そいつと戦う気か!?」

ガイ「無策で逃げられる相手には見えない。時間を稼ぐ……!」

氷の鎖を引っ張る黒髪の魔女「」グイッ

突進する氷のオオカミ「」ダッ──
突進する氷のオオカミ「」ダッ──

ーー戦闘開始 氷刃の魔女ーー

◆反転コンマ下1【現在は劣勢です】

【判定】
01-99 痛恨
00 優勢

【補正・特殊行動】
・『時間の檻』使用時、奇数で+99/偶数で+0(残り1回)
・『怠惰の権能』使用時+30次の判定に-20(残り1回)
・『抑制行動』-20 優勢時にのみ使用可/殺さず無力化を狙う
・『逃走』+99 使用時、逃走判定へ移行
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 22:57:41.55 ID:pC8GMyxAo
逃走
969 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 23:01:25.09 ID:deDGdxLNO
逃走判定

◆反転コンマ下1

01-10 逃走失敗/戦闘続行
11-30 逃走成功/勇者連合兵4名死亡
31-55 逃走成功/勇者連合兵3名死亡
56-80 逃走成功/勇者連合兵2名死亡
81-00 逃走成功/勇者連合兵1名死亡
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/15(土) 23:03:02.04 ID:984DT7HnO
あ
971 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/15(土) 23:05:00.95 ID:deDGdxLNO
連合兵の3名死亡が確定したところで、本日は終了します。
明日もよろしくお願いします。

それでは、また。
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/16(日) 01:19:56.15 ID:yMuOixQVo
おつ
着いたそばから逸れた上に早速ヤバいのと出会ってしまった…反転しても相変わらず運が悪い
被害ゼロでは逃れられんか…
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/16(日) 09:43:46.54 ID:3TTdnpqEo
ワンチャン倒せた可能性
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/16(日) 09:59:16.58 ID:fVH8DxF8O
星詠みの魔女がイリスだから氷刃の魔女はまさかあいつか?
975 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/16(日) 21:01:06.87 ID:BuHcrmchO
>>972
氷刃の魔女は恐ろしい存在なので、現状では出会ってしまったら被害が出てしまうようです。気をつけましょう。

>>973
戦闘を継続した場合、限りなく低いですが、倒せた可能性があったかもしれません。ですが、現状は逃げるのがよいでしょう。

>>974
おそらく、その人物であっているかと思います。
詳細はいずれわかるかもしれません。
976 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/16(日) 21:01:51.69 ID:BuHcrmchO
飛びかかる氷のオオカミ「グルァッ!」バッ
振り下ろされる爪「」ブンッ!

回避するガイ「」シュンッ

氷刃の魔女「……」スッ

周囲に漂う冷気「」パキ……パキパキ……

フローディア『ガイ!魔力が集まってる!あなたの足元──違う!前方一帯よ!』

地面を走る白い亀裂「」ピキピキピキッ──!!!

ベルトーネ『来るよ!!!』

ガイ「っ!」シュンッ

地面から一斉に突き出す巨大な氷塊「」ズドドドドドッ!!!

ガイ「──そっちも範囲内だ!避けろ!」スタッ

勇者連合兵A「散れ!!!」ダッ
勇者連合兵B「うおっ!?」バッ
勇者連合兵C「っ!」ダッ

勇者連合兵D「え──」
せりあがる巨大な氷塊「」ズドッ!!!

氷塊に貫かれる勇者連合兵D「──あっ」グググッ

氷塊に貫かれた勇者連合兵D「っ、やだ……わた、し……まだ……!」ジタバタ

氷塊に貫かれた勇者連合兵D「」ガクッ……プラーン……

勇者連合兵B「ディーン!!!」

氷刃の魔女「……」スッ
宙に生成される無数の氷柱「」シュババババッ!!!!

勇者連合兵A「まだ来るぞ!!!」

射出される無数の氷柱「「「「」」」」ヒュンヒュンヒュン──

ガイ「くっ!」
折れた短剣「」キンキンキンキン!!!
折れた短剣「」キンキンキンキン!!!

氷柱が掠るガイ「」ザシュッ……ザシュッ……

ベルトーネ『無理があるよ!受けるのはやめて、回避に専念して!』

ガイ「っ、だが!俺が受けなければ、あいつらが!!!」

射出される無数の氷柱「「「「」」」」ヒュンヒュンヒュン──

無数の氷柱が突き刺さる勇者連合兵B「ぐあっ……」ドスドスドスッ!!

勇者連合兵C「ビリー!!!」

倒れる勇者連合兵B「」ドサッ……

勇者連合兵C「くそっ……くそぉっ!!!」ダダッ

手をかざす氷刃の魔女「……」スッ

凍りつく勇者連合兵C「」カチンコチン

ガイ「っ!」

氷のオオカミ「グルァァッ!!!」ダッ──
氷のオオカミ「グルァァッ!!!」ダッ──
ソリ「」シャーッ

氷漬け勇者連合兵C「」カチンッ

ドッガァァァン!!!

砕け散る氷塊「」キラキラキラ……

氷の破片「」パラ……パラ……

氷の鎖を引っ張る氷刃の魔女「……」グイッ
急停止するソリ「」ズザザ……
977 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/16(日) 21:02:23.10 ID:BuHcrmchO
勇者連合兵A「……クソッ……!」

ガイ「……撤退するぞ。これ以上の時間稼ぎは無理だ」

勇者連合兵A「……ああ!」

氷刃の魔女「……」

氷の鎖を引っ張る氷刃の魔女「」グイッ

突進する氷のオオカミ「グルルルッ!」ダッ──
突進する氷のオオカミ「グルルルッ!」ダッ──
加速するソリ「」シャァァァァッ──!!!

勇者連合兵A「こっちだ!路地に入る!」ダッ

◆

ーー崩壊した市街地

ガイ「……っ!」ダッ
勇者連合兵A「ハァッ……ハァッ……!」ダッ

吹雪「」ヒュオオオオオ──

ベルトーネ『まだ追ってきてるよ〜!』

宙に生成される無数の氷柱「」シュババババッ!!!!

ガイ「右へ飛べ!!!」
勇者連合兵A「!」バッ

射出される無数の氷柱「「「「」」」」ヒュンヒュンヒュン──

地面にぶつかる氷柱「」ズガガガガ!!!

廃墟に転がり込むガイ「くっ!」ゴロッ
廃墟に転がり込む勇者連合兵A「ぐぉっ!」ゴロゴロッ

勇者連合兵A「……助かった!」

ガイ「礼はいい!ここからどうする!?」

勇者連合兵A「……細い路地に入れば、あのソリじゃ追って来られねぇはずだ!まだ走れるな!?」

ガイ「ああ……!」

勇者連合兵A「よし……行くぞ!」ダッ

◆
ーー入り組んだ路地

路地へ駆け込む二人「」ダダダッ

氷のオオカミ「グルルルッ!」ダッ
氷のオオカミ「グルルルッ!」ダッ

急停止するソリ「」ズザザザッ!!!
氷刃の魔女「……」

路地の奥へ消えていく二人「」ダダダ……

氷刃の魔女「……」

◆

勇者連合兵A「ハァ……ハァ……!」

ガイ「っ……ハァ……ハァ……うっ……オェッ……」ビチャビチャ……

ベルトーネ『……もう追ってきてないみたいだね〜』

ガイ「……撒けたか」

拳を握りしめる勇者連合兵A「……」グッ……

ガイ「……時間を稼げば、全員逃げられると思ったんだが……すまない」

勇者連合兵A「……違う。あんたがいなきゃ、俺も死んでた……それに……氷刃の魔女に遭遇した時点で、誰が死んでもおかしくなかったんだ……」

ガイ「……」

勇者連合兵A「……もう少しで避難所だ。ついてきてくれ……」

⭐︎氷刃の魔女から逃げ切りました。
978 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/16(日) 21:03:49.44 ID:BuHcrmchO
ーー第四避難所付近

勇者連合兵A「……見えてきた。あそこだ」

ガイ「……あれが避難所か」

半壊した巨大な建物「」
窓や壁を塞ぐ木板「」ギシ……
積み上げられた土嚢「」ズン……
入口に築かれた簡素な防壁「」

見張りの勇者連合兵「……!」バッ

見張りの勇者連合兵「A!戻ったのか!」

勇者連合兵A「……ああ」

見張りの勇者連合兵「他の三人は……?」

首を振る勇者連合兵A「……」フルフル

見張りの勇者連合兵「……そうか」

勇者連合兵A「氷刃の魔女に遭遇した。俺だけ、この人に助けられたんだ」

ガイ「……」

見張りの勇者連合兵「氷刃の魔女に……!?」

勇者連合兵A「ああ……詳しい話は後でする。とりあえず、中に入れてやってくれ」

見張りの勇者連合兵「分かった。ほら、早く入れ!」

開かれる鉄扉「」ギギギギ……

◆

ーー第四避難所

ガヤ……ガヤ……

ガイ「……」

床に敷き詰められた毛布「」
横たわる負傷者たち「」
壁際に座り込む避難民たち「」

泣く赤子「おぎゃあ……おぎゃあ……!」
あやす母親「よしよし……大丈夫、大丈夫だからね……」

空の食器を抱える子供「……」グゥ……

配給係「一人これだけだ!悪いが、今日はこれ以上出せない!」

避難民「昨日より減ってないか……?」

配給係「次の補給がまだ来てないんだ……我慢してくれ……」

ガイ「……」

ベルトーネ『……ずいぶん、いっぱいいるね』

フローディア『それに対して……物資が明らかに足りていないようね』

勇者連合兵A「……ここが第四避難所だ。今は、ここに残ってる連中を何とか食わせてる」

担架で運ばれる負傷者「うぅ……」ガタガタ……

治療師「そっちに寝かせて!治癒魔法は使わないで!魔力を温存して!」

狐耳紫髪の少女「でも、この人は……!」

治療師「分かってる!それでも重傷者を優先しないと、魔力が持たないの!」

ガイ「……治療も足りていないのか」

勇者連合兵A「ああ。他の避難所から、応援が来てくれたりしてるが……治癒術師も薬も足りねぇ。昔はまだどうにかなってたんだがな……」

勇者連合兵A「使える物は減る一方だ。薬草を育てても追いつかねぇし、治癒術師だって死ねば補充なんかできない」

ガイ「……別の場所へ移ることはできないのか?」

勇者連合兵A「できるなら、とっくにやってるさ。ここから一番近い避難所まで、戦える奴だけなら行ける。だが……」チラッ
979 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/16(日) 21:04:23.90 ID:BuHcrmchO
杖をつく老人「」ヨロ……
眠る子供「……」
包帯だらけの負傷者「」
壁際で身体を丸める獣人の避難民「……」

勇者連合兵A「こいつら全員連れて行くとなりゃ、話は別だ」

ガイ「……途中で襲われれば、守り切れないか」勇者連合兵A「ああ。原理派の縄張りを避けて、黒い奴らが少ない道を選んで……それでも、何が出てくるか分からねぇ。さっきみたいに氷刃の魔女にでも出くわしたら、それで終わりだ」

ガイ「……」

勇者連合兵A「だから、ここに残るしかねぇんだ」

ガイ「……この避難所は、あとどれくらい持つ?」

勇者連合兵A「……分からねぇよ」

ガイ「……」

勇者連合兵A「食料が先に尽きるか、水が駄目になるか。建物が潰れるか、魔物に襲われるか……俺たちが先に全滅するかもしれねぇ」

ガイ「……」

勇者連合兵A「……このまま何も変わらなきゃ、そう長くは持たねぇ。それだけは全員分かってる」

ガイ「……」

◇

ザッ……ザッ……

ガイ「……」

「……誰だ、あいつ?」ヒソヒソ
「見たことないな……」ヒソヒソ
「アレックスと一緒に帰ってきたみたいだけど……」ヒソヒソ
「……他の三人は?」ヒソヒソ

ガイ「……」

勇者連合兵A「気にするな。ここじゃ見慣れない顔が一人増えただけでも目立つんだ……それより、あんたは少し休め。さっき吐いてただろ」

ガイ「だが、俺は──」

勇者連合兵A「やることがあるのはわかってる。でも、動けるのと無理して動いてるのは違うだろ」

ガイ「……」

勇者連合兵A「まず俺から、ここの責任者に話してくる。あんたが外から来たこととか、仲間を探してることもな……」

勇者連合兵A「他の連中にも、一週間以内に見慣れない三人組を見た奴がいないか聞いてみる」

ガイ「助かる」

勇者連合兵A「礼を言うのはこっちだ。お前がいなかったら、俺もビリーたちと一緒にあそこで死んでた」

勇者連合兵A「水と食料は、あの配給係に言えば貰える。満足な量じゃないが、食べておくといい……」

スタスタ……

ガイ「……」

◆現在はセイントレアです。(1日目)

何をする?
安価下1〜3
※避難所の外には出れません。
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/16(日) 21:05:23.46 ID:EhAKT93K0
ガイ、避難所にやってきた白髪ゴスロリ少女に手合わせを挑まれる
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/16(日) 21:06:28.66 ID:3TTdnpqEo
これからの行動をどうするのかフローディアとベルトーネと冷静に戦略を立てる
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/16(日) 21:06:47.59 ID:QofPASLY0
ガイ 避難所の人達と会話する
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