【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 Ⅳ

Tweet

424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/03(土) 19:58:21.21 ID:rxL+UOGfo
[ピーーー]ことだけで頭をいっぱいにする
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/03(土) 21:20:29.81 ID:q5wTHcXzO
>>423を安価したものですが、すみません文がちょっと変な所があったので訂正します。
「泣いていたレムをザックが慰めいい雰囲気になっている所を発見する。」→「泣いているレムをザックが慰めいい雰囲気になっている所を発見する。」
426 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 21:31:31.73 ID:JHgAN23GO
ーー臨時墓地

新しい墓石「」

拳を握り締めるガイ「……」ギリッ……

ガイ(……考えが、甘かったのかもしれない。かつて英雄だったからといって……今、奴らがしていることは変わらない)

ガイ(リーゼだけじゃない。セイントレアへ辿り着く前に、何人も殺された。この地に残された人々も……十年間、逃げることさえできずに……!)

ガイ(……それでも、救う方法を探す?これ以上、誰が死ぬかも分からないのに……?)

ガイ(……もう、いい。星詠みの魔女も、白鋼の騎士も……倒さなければ、また誰かが殺される)

ガイ(ロスチャイルドも、魔王城にいる奴らも同じだ。俺たちの邪魔をするなら……)

ガイの足元に滲む黒い闇「」ズ……

ガイ(……化身どもは、こうなることも分かっていたのか?それでも、使命を果たせと……ただ、見ていただけなのか……?)ギリッ……

ガイ(……何が英雄だ。何が神だ。何が使命だ。もう、誰であろうと構わない……邪魔をする奴は、全員──)

足元から這い上がる闇「」ズズ……

マロニー「──代行者さん」

ガイ「……!」

マロニー「何をしているの?」

ガイ「見れば分かるだろう。何か用か?」

マロニー「……うん。今のあなた、ちょっと変だよ」

ガイ「放っておいてくれ」

マロニー「ねえ。あなた、今……自分が何になろうとしていたか、分かってる?」

ガイ「……何?」

マロニー「あなたの中にいる人たち。さっきから、呼んでるんじゃない?」

ガイ「声?」

マロニー「……聞こえないの?」

ガイ「聞こえたところで、何が変わる」

マロニー「聞くつもりがないんだ?」
427 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 21:31:58.81 ID:JHgAN23GO
ガイ「説教なら他を当たれ」

マロニー「嫌だよ。今、あなたに話してるんだから」

ガイ「……」

マロニー「誰かに止められるの、そんなに嫌?」

ガイ「……お前たちは、見ていただけだろう……!使命を果たせと言いながら、何もしなかった!……これまで、多くの人が犠牲になっても……!リーゼが死んでも……!」

マロニー「私が助けなかったことを怒ってるなら、そう言えばいい」

ガイ「……っ」

マロニー「でも、それと……あなたを心配してる人の声を聞かないことは、関係ないよ」

ガイ「……何が分かる……!お前に──」

マロニー「聞いてあげて」

マロニー「まだ、そこにいるんでしょ?」

フローディア『──ガイ!』

ガイ「……!」

ベルトーネ『あ。やっと聞こえた~?』

ガイ(……お前たち……)

フローディア『何度呼んでも返事をしないから……!』

ベルトーネ『まあ、私としては……そのまま堕ちたガイくんがどうなるか、ちょっと見てみたかったけどね~』

フローディア『あなた、こんな時まで……!』

自分の手を見下ろすガイ「……俺は……何を……」

薄れていく黒い闇「」スゥ……

ガイ「……今のは……」

マロニー「……ふうん。代行者に選ばれるだけのことはあるんだね。あれだけの力を抱えて、まだ自分に戻れるんだ」

ガイ「……」

マロニー「魔王になったあなたとも、戦ってみたかったけど……今は、使命を果たしてもらわないと困るから」

ガイ「魔王……?俺が……?」

マロニー「うん。さっきのまま、私たちの声も届かなくなっていたら戻ってこられなかったかもしれないね」

ガイ「……」

マロニー「でも、あなたにはまだやってもらうことがある」

マロニー「世界樹の光を集めて、翡翠の賽を正しい持ち主へ届ける。世界をあるべき流れへ戻す……覚えてるよね?」

ガイ「……忘れてはいない」

マロニー「なら、その前に魔王になられたら困るよ。邪魔なものを全部壊しても、使命を果たしたことにはならない」
428 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 21:32:31.86 ID:JHgAN23GO
ガイ「……仲間が死んでも、進めと言うのか」

マロニー「うん」

ガイ「……」

マロニー「ひどいと思う?」

ガイ「……ああ」

マロニー「それでも、言うよ。あなたの使命は終わってない。ここで全部投げ出すことは、まだ許されない」

新しい墓石「」

ガイ「……俺に、何が残っている」

マロニー「それを私に決めてほしいの?」

ガイ「……」

マロニー「さっきまで、あなたを呼んでいた人たちは?避難所で待ってる人たちは?あなたがここへ来るまでに、力を貸してくれた人たちもいるでしょう?その人たちとのことまで、なくなったわけじゃないよ」

ジャケットに触れるガイ「……」

ガイ「……あいつらまで、いなくなるのが怖かった」

マロニー「……」

ガイ「だから……その前に、全部……」

フローディア『……ガイ。私がそれで、何をしようとしたか……あなたは知っているでしょう』

ガイ(……ああ)

フローディア『あなたは、止めたわ。私がどれだけ嫌がっても……』

ガイ「……俺まで、誰の声も聞かなくなるところだったんだな」

マロニー「今は、聞こえてるみたいだね」

ガイ「……ああ」

マロニー「それで。どうする気なの?」

ガイ「……まだ、許せない。リーゼを殺した奴を救いたいとは……今は、思えない」

マロニー「うん」

ガイ「だが……その怒りで、これからすることを全部決めてしまったら……さらに大事なものを失っていたかもしれない」

ガイ「世界めくれは止める。そのために戦う……だが、何を守って、誰と戦うのか……考えることまで、やめるつもりはない」

ガイ「……俺は、人として……あいつらのところへ帰る」

マロニー「うん。今のあなたなら、話ができそうだね」

ガイ「……マロニー。呼び止めてくれて、助かった」

マロニー「お礼は、使命を果たしてからでいいよ。代行者さん」

⭐︎マロニーと話しました。
429 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 21:33:18.49 ID:JHgAN23GO
ーー第七避難所 診療所

アインズ「……ふむ。少しは動けるようになったか」

ゆっくりと立ち上がるアインズ「……っ」グッ……

アインズ「寝てばかりでは身体が鈍る……サーシャの顔を見てくるとしよう」

◆

アインズ「……ここか。レムがつきっきりで見ていると聞いたが──」

レム「……っ……」

扉へ伸ばしかけたアインズの手「」ピタ……

◇

眠っているサーシャ「」

寝台のそばに座るレム「……私、得意なんです。治癒魔法……カグヤ先生にも、教わって……」

ザック「……ああ」

レム「怪我をしたら任せてくださいって……私、何度も言って……」

膝の上で握られるレムの手「」ギュッ……

レム「なのに……リーゼさん、目の前にいたのに……!」

ザック「……」

レム「もっと何か、できたはずなのに……何をしても……!」

ザック「……レムちゃん」

レム「みなさんには、必ず助けるって……言ったんです。でも……もし、また……」

眠るサーシャを見るレム「……っ……」

ザック「……怖えよな。何人助けたって、助けられなかった奴のことは……忘れられねえもんな」

レム「……ザックさんも……?」

ザック「……あるさ。間に合わなかったことなんざ、何度もある」

レム「……」

ザック「次は絶対に助かるなんて……俺からは言えねえけどよ」

レムのそばへ椅子を寄せるザック「」カタ……

ザック「怖い時くらい、俺にも言ってくれよ。さっきから一人で、ずっと我慢してただろ?」

レム「……私が泣いてたら……ガイさんたちに、余計な心配を……」

ザック「じゃあ、今は俺だけに見せとけ」

レム「……え……」
430 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 21:33:46.49 ID:JHgAN23GO
ザック「聞くくらいしかできねえけど……それでよけりゃ、ここにいるからよ」

レム「……っ……」ガバッ

ザックに抱きつくレム「……助けたかった……リーゼさん……!」

ザック「……ああ」

レム「もっと、ちゃんと……私……!」

レムの肩へ手を添えるザック「……ああ。助けたかったんだよな」ソッ……

ザックの服を掴むレム「……うっ……」ギュッ……

レムを抱き寄せるザック「……」ギュッ

レム「……ごめんなさい……服、濡れちゃいます……」

ザック「洗えば済むだろ、そんなもん」

レム「……っ……」

レムの背中をさするザック「……」サス……

◇

扉の隙間から二人を見るアインズ「……」

寝台へ目を向けるアインズ「……サーシャ……」

眠っているサーシャ「……すぅ……」

アインズ「……また、後で来るとしよう」ソッ……

⭐︎サーシャの様子を見に行きました。
431 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 21:34:24.49 ID:JHgAN23GO
ーー第七避難所

ザワザワ……

大きな包みを抱えた人影「」コソコソ……

ガイ「……見かけない人物がいるな」

辺りを窺う人影→リディア「……」キョロキョロ

ガイ(いや。あの時、原理派の本拠地にいた……)

スタスタ……

ガイ「……何か、探しているのか?」

リディア「ひゃっ!?」ビクッ
傾く包み「」グラッ……

包みを支えるガイ「……っと」ガシッ

リディア「あ……あ、ありがとうございます……!」

ガイ「すまない。驚かせたな」

リディア「い、いえ……あの……倉庫の方に、用があって……」

ガイ「物資を届けに?」

リディア「……はい。食べ物を、少し……」

ガイ「手伝うか?」

リディア「だ、大丈夫です……重いので……」

ガイ「重いなら、なおさらだろう」

リディア「……あ……」

ガイ「……嫌なら、無理には取らないが」

リディア「……いえ。お願いします……」

◆

木箱の上へ置かれる包み「」ドサッ……

避難所の配給係「ああ、リディアちゃん。今日も持ってきてくれたのか」

リディア「……はい。皆さんで、分けてください」

避難所の配給係「助かるよ。ちょっと待ってな、今、入れ物を持ってくるから」

スタスタ……

ガイ「何度も来ているんだな」

リディア「……来られる時だけ、ですけど……」

ガイ「俺はガイだ。君は、リディアでいいのか?」

リディア「……はい。よろしくお願いします……」

ガイ「ステラから聞いたことがある。食料や水を作れるんだろう?」

リディア「ステラさんと、お知り合いなんですか?」

ガイ「ああ。世話になっている」

リディア「……そうだったんですね……」
432 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 21:35:07.23 ID:JHgAN23GO
包みをほどくリディア「……これ、私が作ったものです」シュル……

黒い泥団子「」ゴロ……

ベルトーネ『ど、泥団子……?魔力で出来ているみたいだけど〜……』

ガイ「……これが……」

リディア「……あの。見た目は、こんなですけど……ちゃんと、食べられるので……!」

ガイ「……一つ、もらってもいいか?」

リディア「え……?」

ガイ「配る前に食べてしまうのは、まずいか?」

リディア「い、いえ!どうぞ……!」

黒い食料を手に取るガイ「……」モグッ……

リディア「……」

ガイ「……美味いな」

リディア「……本当、ですか……?」

ガイ「ああ。これなら、皆も食べやすそうだ」

胸元に手を添えるリディア「……よかった……」

ガイ「作るのも、運ぶのも大変だろう。ありがとう」

リディア「……私にできることなので……」

ガイ「……だが、原理派の方は大丈夫なのか?」

リディア「……!」ビクッ

ガイ「……すまない。聞かない方がよかったか」

リディア「……あの……ここに来たことは、内緒に……してもらえますか?私が原理派だっていうことも……」

ガイ「知られたら、困るんだな」

リディア「……はい……」

ガイ「分かった。言わない」

リディア「!ありがとうございます……」

ガイ「しばらく第七避難所にいるのか?」

リディア「はい……道中も、スライムもどきと黒い影の魔物が増えてて、簡単には戻れなくて……」

フローディア『……』

ガイ「そうか……ここで会ったのも何かの縁だ。俺に用事があれば聖ヴァレリオ教会に来てくれ」

リディア「聖ヴァレリオ教会……!」

ガイ「知ってるのか?」

リディア「あ、いえ!……昔、そこの孤児院に行ったことがあったので……懐かしくて、つい……」

ガイ「……そうだったのか。なら、俺より詳しいな」

リディア「……今は、どうなっているか……分かりませんけど……」

ガイ「顔を出してみたらどうだ?」

リディア「はい……そう、ですね……」

⭐︎リディアと話しました。
433 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 21:36:00.47 ID:JHgAN23GO
ーー聖ヴァレリオ教会

ステラ「うーん……頭が痛い……」ズキズキ……

クレア「ステラさん……大丈夫ですか?」

ステラ「星詠みの魔女から逃げたときの反動ね……あれだけの人数を、一度に遠くまで飛ばしたのは初めてだったから……」

セイン「それなら、まだ休んでいるべきだ。あの戦いに参加した者たちは、戻ってからもろくに休めていないだろう」

ステラ「……ガイとアインズ、ジョンなんかは、もう普通に動き回ってるけど……?」

クレア「アインズさんは、竜だから回復も早いと仰っていましたね。ガイさんもジョンさんも……少しは休んでくださればいいのですが」

ステラ「本当よ……運んだ私が、まだこんななのに……今日は、なるべく魔法を使わずに済ませたいわ……」

クレア「では、少し横になりませんか?休める場所をご用意しますから」

ステラ「いいの?……お願いするわ……」ズキズキ

◆現在はセイントレアです。(23日目)
⭐︎世界めくれによる消失まで、保証された猶予は残り16日
※サーシャは29日目まで戦闘に参加できません。

⭐︎目標
・世界めくれを止める
・魔王城の奥地を目指す
・星詠みの魔女を倒す
・白鋼の騎士を倒す

何をする?
安価下1〜3
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/03(土) 21:37:50.94 ID:/4nKXkQeO
リディアが聖ヴァレリオ教会にやってきて皆と交流
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/03(土) 21:38:08.80 ID:IHDtDW3LO
原理派に星詠みの魔女戦の協力を頼んでみる。必要ならマロニーにも謝らせる
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/03(土) 21:43:32.60 ID:7oR0EN7z0
リーゼの形見の銃を回収し、ジョンが対星詠みの魔女特攻属性を付与
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2026/10/03(土) 21:51:10.03 ID:q5wTHcXzO
離れている場所で心に穴が空いているような感じのガイ、そこにシュヴァイツェル達が取り引きの話しをやってくる。
438 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 23:39:33.06 ID:ePDPpCnXO
スタスタ……

ジョン「──失礼。ガイさんはどちらに?」

聖女「人を連れてくると言って、外に出ましたが……ジョンさん、その銃は……!」

ジョンに背負われた狙撃型魔導銃「」

ジョン「……ええ。リーゼリットさんの使っていたものです。戦闘跡から回収してきました」

スタスタ……

アインズ「──今、リーゼの名前を言ったか?」

ジョン「アインズさん。もう、動いても大丈夫なのですか?」

アインズ「ああ。世話をかけたな……それより、見せてくれ」

背から狙撃型魔導銃を下ろすジョン「どうぞ」スッ……

狙撃型魔導銃を受け取るアインズ「……」

アインズ「……リーゼが、いつも手入れしていた銃だ……」

ジョン「置いてきてしまったのが、気になっていたものですから……」

アインズ「……よく、持ち帰ってくれた。ありがとう、ジョン」

ジョン「……いえ」

アインズ「だが、危険だっただろう。星詠みの魔女は、まだ……」

ジョン「ええ。周囲を窺いながら向かいましたが、あの戦闘跡の近くには姿がありませんでした。長居はせず、拾えるものだけを」

アインズ「……そうか。無事に戻れてよかった」

荷物へ手を伸ばすジョン「それと……もう一つ、お見せしておかなければならないものが」ガサゴソ

布に包まれた物を置くジョン「」コト……

聖女「……それは……?」

布を開くジョン「……無詠さんが、お使いになっていたものかと」シュル……

砕けた魔導拳銃の残骸「」

アインズ「……」

ジョン「私たちが最後にいた場所から、少し離れたところに落ちていました」

聖女「……無詠さんご本人は……?」

ジョン「……見つけられませんでした」

聖女「……」

アインズ「……これも、ガイに見せてやってくれ。あいつも、気にしているはずだ」

ジョン「……はい。そのつもりで、伺いました」

⭐︎狙撃型魔導銃を手に入れました。
439 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 23:45:29.20 ID:ePDPpCnXO
ガイ「──戻ったぞ」

アインズ「ガイ……」
狙撃型魔導銃「」キランッ……

ガイ「……その銃は……」

ジョン「リーゼリットさんのものです。戦闘跡から回収してきました」

ガイ「……ありがとう、ジョン」

ジョン「お気になさらず。あとで、少しお話しできますか?」

ガイ「……ああ」

リディア「ええと……入ってもいいですか?」ヒョコッ

ガイ「すまない。入ってくれ」

リディア「……お邪魔します……」

ミラ「あれ……?リディアちゃん。久しぶりだね」

リディア「……!ミラさん……」

ミラ「いつも食料をありがとう。渡したらすぐ帰っちゃうから、なかなか話せなかったけど……」

リディア「……はい……」

杖をついたクレア「……ミラくん?どなたか、いらしているのですか?」コツ……コツ……

リディア「えっ……クレアさん……?」

クレア「……!その声、もしかして……!」

タタッ

ギュッ

リディア「わっ……」

クレア「……リディアちゃん……よかった、生きてたんですね……」ギュウウウ……

クレア「……あの頃は、もっと小さかったのに……こんなに大きくなって……」

リディア「……もう、十六になりました……ところで、クレアさん……その目隠しは……?」

クレア「……訳あって、今は何も見えないのです」

リディア「ええっ!?」

クレア「気にしないでください。意外と困らないものなんですよ?……今日は、ゆっくりしていってください。お話ししたいことが、たくさんありますから」

リディア「その……いいんですか……?」

クレア「ええ。リディアちゃんのお話も、聞かせてくださいね」

リディア「……はい……!」

聖女「では、お茶を淹れましょう。ガイさん、運ぶのを手伝っていただけますか?」

ガイ「……はい」

◆
440 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 23:45:59.46 ID:ePDPpCnXO
湯気の立つお茶「」ホカホカ

カップを両手で包むリディア「……ありがとうございます……」

クレア「ミラくんとは、会っていたのですね」

ミラ「うん。食料を届けてくれた時に、何度か。いつも、すぐ帰っちゃってたけど……それにしても、見た目もずいぶん変わったよね」

ガイ「昔は、今と違う姿だったのか?」

リディア「はい……髪も、肌も、白かったんですけど……」

ジョン「……変わったのは、世界めくれが起きた時ですか?」

リディア「……たぶん……そうだと思います……」

ジョン「たぶん、というと……?」

リディア「……覚えていないんです。気がついたら、もう……この姿で……どうして、こうなったのかも……」

リディア「食べ物や、お水も……いつの間にか、作れるようになっていて……」

ジョン「……そうでしたか。立ち入ったことを聞いてしまいましたね」

リディア「い、いえ……特に不自由はしてないので……」

クレア「お食事は?皆さんに配るばかりで、ご自分の分を忘れてはいませんか?」

リディア「ちゃんと、食べてます……」

ミラ「それならよかったよ……今日は、まだ時間あるんだよね?いつまで第七避難所にいるの?」

リディア「……ええと……」

ガイ「道中に魔物が増えているそうだ。すぐには戻れないと聞いた」

聖女「……まあ。では、お泊まりになる場所は決まっていますか?」

リディア「……まだ……倉庫の隅でも、お借りできればと思って……屋根があれば、大丈夫なので……」

聖女「……それでしたら、しばらくこちらにいらっしゃいませんか?」

リディア「……え……?」

聖女「空いている寝床を使ってください。危険な道を無理に戻ることはありません」

リディア「……でも……私……」

ミラ「ここじゃ、落ち着かない?」

リディア「ち、違います!……いてもいいのかなって……」

クレア「いてくださると、私は嬉しいですよ」

リディア「……」

聖女「戻る時のことは、道の様子を確かめてから考えましょう。どなたかに、知らせておく必要はありますか?」

リディア「大丈夫です。戻りが遅くなるかもしれないとは、伝えてきましたので……」

聖女「では、今日は安心して休んでくださいね」

リディア「……ありがとうございます……!あの、食べ物は作りますから……お水も、必要な分だけ……!」

クレア「ふふ……まずは、そのお茶を飲んでしまいましょう。冷めてしまいますよ」

リディア「……あ……はい……!」

⭐︎リディアが、しばらく聖ヴァレリオ教会に滞在することになりました。
441 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/03(土) 23:49:19.56 ID:ePDPpCnXO
ガイ「……話とは、なんだ?」

ジョン「来ていただけましたか……単刀直入に言います。星詠みの魔女を倒すために、原理派と手を組みませんか?」

ガイ「……原理派と?」

ジョン「ええ。先の戦いで、多くの戦力を失いました。同じように挑んでも、また犠牲が出かねません」

ガイ「あいつらが応じると思うか?」

ジョン「星詠みの魔女がいる限り、外との行き来はままなりません。倒す利点は、あちらにもあるはずです」

ガイ「ヴィクトリアに話を持ちかけるのか」

ジョン「ええ。まずは、あの方の意向を確かめたいと思っています」

ガイ「……原理派も、一枚岩ではないだろう。世界めくれを止められては困る奴もいる」

ジョン「……シュヴァイツェルさんですね」

ガイ「ああ。今の状況が研究に都合がいいと言っていた。俺たちを殺そうとした相手だ。魔女と戦っている最中に、背後から襲われたら終わりだ」

ジョン「ええ。ヴィクトリアさんが協力に応じても、あの方々まで信用してよいとは考えていません」

ガイ「……シュヴァイツェル達を作戦から外せると思うか?」

ジョン「それも含めて、確かめる必要があります。ヴィクトリアさんが、どこまで彼らの動きを把握し、抑えられるのか……」

ガイ「抑えられないと言われたら?」

ジョン「こちらの手の内は明かさず、話を持ち帰りましょう。協力を得るために、何でも差し出すつもりはありません」

ガイ「……それで。誰が交渉に行く?」

ジョン「勇者連合の名を出せば、話を聞く前に拒まれるかもしれません。ですので、私が行こうかと」

ガイ「お前が?」

ジョン「ええ。錬金術師として、薬品の提供も提案できます。こちらから出せるものがあれば、交渉もしやすいでしょう」

ガイ「……一人で行くつもりか」

ジョン「大人数では、かえって警戒されるでしょうから」

ガイ「なら、俺も行く。戦う当人がいた方が、話も早いだろう。お前一人に任せるわけにもいかない」

ジョン「ですが……あなたは、シュヴァイツェルさんたちに狙われています」

ガイ「分かっている。だからこそ、ヴィクトリアがあいつらをどう扱うつもりなのか、自分で聞いておきたい」

ジョン「……」

ガイ「安心しろ。気に入らないことを言われたからといって、斬りかかったりはしない」

ジョン「……ええ。話し合いに行くのですからね」

ガイ「お前は戦闘跡まで行って、俺たちの仲間の銃を拾ってきてくれた。交渉まで一人で背負うことはない」

ジョン「……背負い込むのは、あなたも同じでしょうに」

ガイ「なら、お互い様だ。一緒に行こう」

ジョン「……分かりました。よろしくお願いします」

◆
442 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/04(日) 00:00:29.69 ID:Sh3e7wXfO
残された時間が刻一刻と減り続ける中、星詠みの魔女を倒すため、新たな戦力を求めるガイとジョンは原理派との交渉へ向かう。
しかし、これまでの対立によって勇者連合と原理派の間に生まれた溝は深く、共闘への道は決して容易なものではなかった。

そして、その交渉を持ちかけたジョン自身にも、どこか別の思惑があるようで……

本日はここまでです。
次回もよろしくお願いします。
443 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/04(日) 00:02:37.23 ID:Sh3e7wXfO
ー 幕間

ーー???

照鉱石のランプ「」ユラユラ……

『本当に、あなたは……自分の命を軽く扱いすぎじゃないかしら?永遠の魔王の領域を利用して世界を移動するなんて……無茶もいいところよ』

(死にかけることに慣れたのは、誰の呪いのおかげだったか……)

『あー、あー……何か言ったかしら?』

(都合のいい奴だな……それで、お前もこのままついて来るつもりなのか?)

『当然でしょう?あなたと私は一心同体。今更、離れられるなんて思わないことね』

(そうか)

『それに──"向こう側"には、今のあなたを知っている人なんて誰もいないでしょう?』

『だったら一人くらい……ここまでのあなたを覚えている者が、一緒にいたっていいじゃない。同居人も元いた世界に帰っちゃったし……今さら一人になるのは、少し寂しいんじゃない?』

(さあな。だが、お前がいるなら少なくとも退屈はしなさそうだ)

「っ……」フラッ……

(……まずいな。記憶が……霞んできた……)

『そろそろ"向こう側"に着くのかしらね……いい?目を覚まして、しばらく私の声が聞こえなくても……私はあなたのそばにいる。それだけは、忘れないで』

(ああ……記憶の混濁は一時的なものなんだろう?……すぐに思い出すさ……)

『ふふっ……あの子たちのくれた物もあるし、あなたが思い出すのを待ってるわね』

「……っ」フラッ……

『──名残惜しいけど、一旦ここでお別れね』

(まだ、お前のことは覚えている……)フラッ

『私の声、まだ聞こえるみたいね。同居人や化身たちも言ってたけど、あなたはもうどちらの世界にも属する人間ではないわ』

『元の名前を名乗ること自体はできるでしょうけど……下手に元の名前を使えば、余計な混乱を招くかもしれないわよ?』

(……名前、か……それは向こうに着いてから考えるとしよう)

『自由になさい……それじゃあ、また会いましょう?次に会うときが楽しみね……』

(一人じゃない、か……さて……"あの世界"を存続させるために……聖女の力を貸してもらえるといいのだが……)

翡翠の賽「」キラッ……

◆

ーー???

本棚の壁「」 本棚の壁「」
本棚の壁「」 本棚の壁「」
本棚の壁「」 本棚の壁「」
本棚の壁「」 本棚の壁「」
本棚の壁「」 本棚の壁「」
本棚の壁「」 本棚の壁「」

(……この場所は?……俺は、どうしてここに……?)フラフラ

前方に見える微かな光「」ユラユラ

(……向こうに、灯りが見える……)

前方に見える微かな光「」ピタッ

(……止まった)ピタッ

「おーい」

(……人の声?)

「ちょっ、──!」
「悪いやつだったら焼けば良いでしょ」
「そ、そうだけどさあ──」

(敵じゃなければいいが……)

スタスタ……

◆
444 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/04(日) 00:04:43.12 ID:Sh3e7wXfO
妖精「……そうなんだ。自分の名前とかはわかる?あ、ちなみに私は妖精。緑の国の出身だよ」

(……?どこかで、聞いたことがあるような……駄目だ。思い出せない……俺の名前は……なんだったか……)

「名前……名前か……」

(自分の名前すら思い出せないのに……不思議なものだな。みんなの名前はすぐに出てくる)

「……」

(……少しの間、名前を借りよう。思い出す鍵になるかもしれない)

「俺は──」

◆
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/04(日) 01:20:03.79 ID:Oqv5fbg2o
おつ
共闘はほぼ無理にしてもせめて過激派の横槍は防ぎたい所
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/04(日) 09:23:56.69 ID:00MiYiXN0
乙
レムとザックは付き合ってもいいくらいの関係だからこの関係は壊したくないな
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/04(日) 15:20:05.12 ID:r9NJTW+fO
乙
幕間の話し本スレのあの話しか。
437.27 KB Speed:10.2   ↑ VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可):

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行


スポンサードリンク


Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2026/05/10 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)