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【アイマス】春が来たなら
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30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 20:53:46.06 ID:VR69VCnVo
スポンサー「何と言うか、華がないというか…」
スポンサー「一人だけ、何だか寒い冬のような雰囲気だなぁ」
P「いやぁ、そういうのも含めて見て頂ければといつも思うんですがねー、ハハハ…」
雪歩(…)
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 20:54:48.32 ID:VR69VCnVo
スポンサー「なんで、悪い事は言わないから三人だけで組ませてみたらどうだい?」
P「いやぁ、仲々そういうわけにも…」ハハハ…
雪歩(…)
雪歩(…)タッ
これ以上聞いていられない。
私は逃げ出すように、その場を後にした。
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 20:55:42.88 ID:VR69VCnVo
わかっていた。私がみんなの足を引っ張っている事なんて。
私には春香ちゃんのような華やかさも、
千早さんのような歌唱力も、
やよいちゃんのような愛くるしさもない。
アイドルとしての魅力なんて、私はなに一つないの…。
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 20:56:44.83 ID:VR69VCnVo
(控え室)
ガチャ
雪歩「…」
千早「あら萩原さん、お疲れ様」
雪歩「…」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 20:57:36.61 ID:VR69VCnVo
千早「…」
千早「…ん?どうかしたの?」
雪歩「あ、ううん、何でも…」
千早「…」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 20:58:38.05 ID:VR69VCnVo
千早「嘘ね?」
雪歩「…」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 20:59:23.85 ID:VR69VCnVo
千早「何があったのか話してみなさい。あの二人、スタジオ探検だーとか言って」
千早「どっか行っちゃっから。丁度二人きりなんだし」
雪歩「…」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:00:12.06 ID:VR69VCnVo
雪歩「…あの、千早ちゃん」
千早「うん?」
雪歩「私、アイドルに向いてないのかな…」
千早「え?どうして?」
さっきの出来事を千早ちゃんへと伝える。
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:01:27.39 ID:VR69VCnVo
雪歩「だって…。私には、春香ちゃんみたいな華やかさも…」
雪歩「千早ちゃんみたいな歌唱力も…やよいちゃんみたいな可愛さも…」
雪歩「私…。私、アイドルとしての魅力なんて、なに一つ…!」
千早ちゃんにそう伝えながら、私の目から涙があふれ出した。
ああ、やっぱり私って、周りを冷え込ませる冬のような存在なのかな…。
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:02:07.27 ID:VR69VCnVo
千早「…それで?」
雪歩「…え?」
千早「だからって、アイドルやめるの?」
千早「たかが、素人がいった事で?」
雪歩「…」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:02:54.77 ID:VR69VCnVo
雪歩「だって…」
千早「あのね、仮にも私達はプロなのよ?」
千早「それに、春香の才能を見抜いたプロデューサーにあなたも選ばれたんじゃない」
千早「そのプロデューサーの目が信じられないの?」
雪歩「…」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:03:56.18 ID:VR69VCnVo
悔しいけれど、何も言い返せなかった。
確かに、事務所に入ったばかりの春香ちゃんはこれといった特徴もなくて、
本当にそこらにいる普通の人と変わらなかった。
初めて出合った時にこの子がアイドルに?と一瞬思ってしまったのを覚えている。
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:04:57.45 ID:VR69VCnVo
けれど、初めて聞いた春香ちゃんの歌は。
楽しかった。今までのどんな人の歌よりも。
こんなに楽しそうに歌を歌う人は初めてで、こっちまで楽しくなってしまう。
そして春香ちゃんはあっという間にその才能を開花させ、
事務所で一番の人気アイドルになっていった。
そう、それはまるで春に勢いよく芽吹く花のように。
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:06:10.02 ID:VR69VCnVo
千早「…それに萩原さん。あなた、最近何か悩んでない?」
千早「仕事のことじゃなくて」
雪歩「え…」
突然千早ちゃんに言われて。
私は思わずギクリとしてしまった。
まさか、私の春香ちゃんへの気持ちがバレてる…?
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:07:17.59 ID:VR69VCnVo
雪歩「私は…別に…」
千早「本当に?」
千早「萩原さんの歌から、何か思いつめた雰囲気が伝わってくるのよ」
雪歩「…」
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:08:14.30 ID:VR69VCnVo
千早「悩んでないで、誰かに相談したら?」
千早「私に言えないなら春香にでも。親友なんでしょ?」
雪歩「…」
言えない。
特に春香ちゃんにだけは。
私の気持ちを知られたら、避けられてしまうかもしれないから…。
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:09:01.21 ID:VR69VCnVo
雪歩「…ううん、何でもないの」
雪歩「私って、この仕事に向いてないのかなって、ただそれだけ…」
千早「…ふうん」
千早さんは一息つくと、持ってきた水筒から中身をコップに注いだ。
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:09:37.10 ID:VR69VCnVo
千早「萩原さんも飲む?」
雪歩「それは…?」
千早「ああ、やよいの衣装を水で濡らして絞ったヤツ。やよい茶よ」
雪歩「ブッ!?」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:10:12.47 ID:VR69VCnVo
私が言うのも何だけれど、千早さんは変態だ。
やよいちゃんの事を好きと公言してはばからない。
嫁にするとまで言っている。
やよいちゃんはそういう話になるとすぐ逃げちゃうけど…。
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:11:20.59 ID:VR69VCnVo
千早「ゴクゴク…。うん。力が湧いてくるわ。…本当にいらない?」
雪歩「え、遠慮しておきます…」
けど、千早ちゃんがちょっと羨ましい。
周りの目も気にしないで、自分の気持ちをこんなに大胆に表現できて。
私も千早ちゃんみたいな性格なら、もっと悩まないで済むのにな…。
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:12:06.82 ID:VR69VCnVo
ちょっと想像してしまう。
春香ちゃんの腕にぎゅっと抱きついて、
向こうの気持ちもお構いなしに好き好き、と言って思いっきりベタベタする私。
はうぅ…。
何だか顔がニヤけちゃう。
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:12:49.66 ID:VR69VCnVo
千早「…恋、してるでしょ」
雪歩「え…?」
千早ちゃんにそう言われ、私はまたギクリとした。
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:13:36.30 ID:VR69VCnVo
千早「隠したってわかるんだから。萩原さん、思い切って告白しなさいよ」
雪歩「…」
千早「ダメだったら、なんて考えてないで」
千早「もしそうだったとしても、それが前に進むいい切っ掛けになるわ」
千早「このまま悩んでたって、何も変わらないわよ?」
雪歩「…」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:14:51.74 ID:VR69VCnVo
千早ちゃんのいう通りかも知れない。
春香ちゃんにこの想いを告白したら、吹っ切れるかも知れない。
けれど…ダメ。
だって、春香ちゃんはプロデューサーの事が好きってわかってるから…。
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:15:53.02 ID:VR69VCnVo
千早「…もしかして、身近過ぎて言い出せないとか?」
雪歩「え…」
そう言われ、私はまたギクリとした。
まさか、悟られてる…?
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:16:28.40 ID:VR69VCnVo
千早「そうね。例えば、事務所の中で特に仲のいい…」
や、やめて、千早ちゃん。
これ以上探られたら隠し通す自信がない。
それとも、気付いててわざと…?
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:17:32.85 ID:VR69VCnVo
雪歩「こ、告白なんてそんな…。ダメです…」
千早「あら、どうして?」
雪歩「だって、わかるから…」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:18:10.62 ID:VR69VCnVo
雪歩「その人の、最高の笑顔は…」
雪歩「いつも、ほかの人に向けられてて…」
千早「だからって、ずっとそうしてる積り?」
千早「悩んでる間に、他の誰かに…とかは考えないの?」
雪歩「…」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:20:34.73 ID:VR69VCnVo
春香ちゃんが誰かと付き合い始めるかも、という
時々私の頭をよぎる嫌な空想。
確かにこうしている内に、いつか現実のものになってしまうかも知れない。
けれど、今はこのままでいいの。
もし、告白して、それが元で春香ちゃんに避けられたら…。
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:21:17.48 ID:VR69VCnVo
雪歩「だって…。もし嫌われちゃったら、私…」グス…
千早「…そう。萩原さんがいいならいいわ。いつまでもそうやって」
ガチャ
春香「ただいまー」
やよい「色んなとこ探検してきましたー!」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:22:00.33 ID:VR69VCnVo
雪歩「あっ、は、春香ちゃん…」
春香「あれ、雪歩目が赤いよ?どうしたの?」
雪歩「う、ううん、何でもないの…」
春香「ふーん…?」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:22:30.71 ID:VR69VCnVo
春香「もしかして、泣いてたの…?」
雪歩「ち、違うの、これは…」
春香「…雪歩」
雪歩「は、はぃ・・・?」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:23:33.55 ID:VR69VCnVo
春香「親友じゃない。困った事があったら、何でも言って?」
雪歩「…」
春香ちゃんが、まっすぐな目でこちらを見つめてくる。
心から私を気遣ってくれている目…。
けれど…。
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:24:12.94 ID:VR69VCnVo
雪歩「ううん、本当に何でもないの」
雪歩「ちょっと、コンタクトが合わなくて…」
コンタクトなんて嘘。
怖くてそんなものつけたことなんてないのに。
けど春香ちゃん、お願い、これ以上追及しないで…。
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:25:00.53 ID:VR69VCnVo
春香「…そう。話したくないならいいけど」
春香「親友だもの、雪歩が困ってればすぐにわかるんだからね」
春香「悩んでる事があれば、私、いつでも雪歩の力なるからね?」
雪歩「…」
千早「…ふん」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:25:33.70 ID:VR69VCnVo
静まり返る控え室。
空気が重い。
私のせいだ。
やっぱり、私は周りを沈ませる冬のような存在…。
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:26:20.28 ID:VR69VCnVo
ガチャ
P「おーっす、みんなOK出たぞー」
陽気な声を出しながらプロデューサーが控え室に入ってきたときに、
私は何だか救われた気分だった。
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:26:58.29 ID:VR69VCnVo
春香「え?ほ、本当ですか?取り直しナシ?」
P「ああ、バッチリだ」
千早「まぁ、当然ね」
やよい「うっうー!じゃあ今日はこれで帰れるんですかー?」
P「ああ、今日はこれで終わり。事務所に戻ったらあとは自由だぞ」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:27:34.14 ID:VR69VCnVo
春香「やった…あっ、と!」
ドンガラガッシャーン
P「…やれやれ、本番でそれが出なくて良かったよ」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:28:09.90 ID:VR69VCnVo
P「さーて、コケてる春香はほっといてみんな帰ろうか」
千早「ええ、早く行きましょう」
やよい「事務所に帰って何しようかなー?」
雪歩「は、春香ちゃん…」
春香「あ、あのちょっと?プロデューサーさーん?か弱い乙女が転んでますよー?」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:28:53.72 ID:VR69VCnVo
P「よーし、みんなでメシ食ってくか。オレの奢りだぞー」
やよい「本当ですかー?やったー!」
千早「春香のがない分、豪華になるわね。その分やよいにあげようかしら?」
雪歩「は、春香ちゃん、私も行くね…?」
春香「ちょっとプロデューサーさーん?みんなー?」
春香「ねぇ、ちょっとー?」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:30:03.40 ID:VR69VCnVo
(765事務所)
事務所に着いてレッスンや今後の打ち合わせなどしている内に夕方となり、
そろそろ帰る時刻となった。
雪歩「…さて、今日はそろそろ帰ろっかな」
雪歩「春香ちゃん、一緒に帰る?」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:30:43.21 ID:VR69VCnVo
私と春香ちゃんは、途中まで帰る方向が一緒。
なので、仕事が終わったタイミングが重なった日にはよく一緒に帰る。
今日はあんな事があったから、何だか無性に春香ちゃんの声を聞いていたい。
まとわりつく嫌なモヤモヤを、少しでも忘れたい。
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:32:04.66 ID:VR69VCnVo
春香「あ、あのさ。今日はちょっとこれから…」
雪歩「…え?この後、お仕事?」
春香「ううん、違うんだけど…、ふぅ」
春香ちゃん、何だか緊張したようなため息をついている。
まるで、大きなステージに立つ直前のような。
どうしたんだろう。
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:32:58.77 ID:VR69VCnVo
P「春香?」
春香「あ、ぷ、プロデューサーさん!」
P「話があるんだろ?行くぞ?」
春香「あ、ちょ、ちょっと?」
春香ちゃん、顔を真っ赤にして立ち上がり
慌てたようにプロデューサーに駆け寄る。
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:33:52.91 ID:VR69VCnVo
春香「ちょ、ちょっとプロデューサーさん…!」
P「な、何だ何だ。押すなよ」
雪歩「春香ちゃん…?二人で、どこかに行くの…?」
春香「あっ、う、うん、いや、じゃ、じゃあね雪歩!明日ね!」
雪歩「…」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:34:56.71 ID:VR69VCnVo
どうやら、春香ちゃんはプロデューサーと何か話があるらしい。
何の用事なのかは言わずに、
春香ちゃんはプロデューサーを押し出すようにして事務所を出て行った。
仕事の相談でもするのかな…?
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:35:37.23 ID:VR69VCnVo
うん、そうだよね。
春香ちゃんとプロデューサーが二人で話す事なんて、仕事の話に決まってるよね。
…。
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:36:54.35 ID:VR69VCnVo
自分を誤魔化すのはやめよう。
春香ちゃんのあの様子、あれは、間違いなく恋する女の子の…。
…きっと、春香ちゃんはプロデューサーに告白する積りなんだ。
私にはわかるよ、春香ちゃん。親友だもの。
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:38:05.36 ID:VR69VCnVo
雪歩「…」
帰り道を、一人寂しく歩く。
寂しさを意識しないようにすればするほど、、
かえって春香ちゃんの事が頭に浮かんでくる。
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:39:00.28 ID:VR69VCnVo
『悩んでる事があれば、私、いつでも雪歩の力になるからね?…』
雪歩「…」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:39:31.58 ID:VR69VCnVo
雪歩「…」
雪歩「…春香ちゃんの、嘘つき…」
雪歩「…」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:40:05.36 ID:VR69VCnVo
雪歩「…」
雪歩「うっ、ぐす…」
雪歩「うっ…、うっ…」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:40:57.85 ID:VR69VCnVo
(雪歩の部屋)
雪歩「…」
電気もつけず、暗い部屋から窓の外を眺めている。
今ごろ、春香ちゃんプロデューサーに告白したのかな…?
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:42:20.06 ID:VR69VCnVo
うん。きっと春香ちゃんなら上手く行くよ。
だって、あんなに可愛くて、優しくて。
一緒にいるだけで、何だか心が温かくなって…。
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:43:50.53 ID:VR69VCnVo
雪歩「…」
雪歩「あ…」
雪歩「雪…」
窓の外に、白い雪がヒラヒラと舞い降りる。
今、春香ちゃんが外にいるならこの雪も降りかかっているのかな…。
私も、春香ちゃんに降りかかる一片の雪になりたい。
そして、そのまま溶けて消えてしまいたい…。
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:45:05.68 ID:VR69VCnVo
雪歩「…春香、ちゃん」
雪歩「…」
雪歩「…うっ、グス、うっ…」
苦しい…。苦しいよ…。
助けて、春香ちゃん…。
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:46:27.52 ID:VR69VCnVo
次の日の事務所。
雪歩「…おはようございます…」
P「お?珍しいな雪歩がこんなに遅く来るなんて」
雪歩「あ…。ご、ごめんなさい…」
P「まぁ、もっと遅いヤツがいるんだけどな」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:47:19.55 ID:VR69VCnVo
余裕を持って家から出たはずなのに。
そうか。事務所へ向かう足が、鉛のように重くって…。
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:48:28.19 ID:VR69VCnVo
ガチャ
春香「おっはよー、ゆっきほー!」
雪歩「あ、え、お、おはよう春香ちゃん…」
いつも以上に、生き生きした春香ちゃん。
まるで…。
何かとてもいい事でもあったみたい。
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:49:46.46 ID:VR69VCnVo
春香「さーて、今日は二人で張り切って一緒にお仕事しようね!」
雪歩「う、うん…」
春香「…ふぅ」
春香「すぅー…、はぁー…、…うっし!」
こちらに背を向け大きな深呼吸をし、気合いを入れる春香ちゃん。
春香ちゃんの眩しさが、辛い…。
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:50:50.09 ID:VR69VCnVo
P「お、おう春香。おはよう」
春香「あ、プロデューサーさん、昨日は…」
P「ああ。うん。まぁ、な…」
春香「…ありがとう」
P「まぁまぁ、な…」
春香「…はい、ふふっ」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:51:53.14 ID:VR69VCnVo
春香ちゃんの、照れくさそうな笑顔。
何やらソワソワと浮ついた雰囲気が流れてくる。
けれど、それは決して嫌な感じのものではなく。
…そうか。上手くいったんだね、春香ちゃん。
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:53:04.20 ID:VR69VCnVo
雪歩「…二人とも、どうしたんですかー?」
春香「あひぇっ?う、ううん、な、何でもないよ雪歩?」
P「あ、う、うん、そうだぞ?」
雪歩「あれー?二人とも、何だか様子が変ですよ、ふふ…」
からかうように二人に声をかける。
私は努めて明るく振舞う。
本当は今すぐ泣き出したいのに。
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:54:11.14 ID:VR69VCnVo
P「お、もうこんな時間だ!」
P「さあ行くぞ二人とも?」
春香「あ、は、はい!そうですね!」
雪歩「はい。うふふ…」
P「…さぁ春香、頑張っていこうな!」
春香「はい!」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:54:57.02 ID:VR69VCnVo
今日は、春香ちゃんと二人でのデュエットソングの収録。
いつもなら、張り切っちゃう所なんだけど…。
スタッフ「カーット!」
スタッフ「すいません、もう1回でーす」
春香「あ、あらら…」
雪歩「…」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:55:47.99 ID:VR69VCnVo
もう、これで14回目の取り直し。
原因はわかってる。
私のせい…。
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:56:44.38 ID:VR69VCnVo
春香「あはは…。ご、ごめんね雪歩?何だか私、今日調子が悪いみたいで…」
雪歩「…」
春香ちゃんだって、わかってるクセに。
お願い、そうやって私をかばうのはやめて…。
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:57:49.21 ID:VR69VCnVo
P「どうした?全然いつもの調子じゃないぞ雪歩」
雪歩「…」
P「具合でも悪いのか?」
雪歩「…」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:58:42.33 ID:VR69VCnVo
春香「プロデューサーさん!雪歩じゃなくて、私が…」
雪歩「…いいの、春香ちゃん。私のせいなの」
春香「ゆ、雪歩…」
雪歩「ごめんなさいプロデューサーさん。もう1回だけお願いします」
雪歩「…今度は、ちゃんと歌いますから」
P「…そうか。無理はするなよ?」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 21:59:53.85 ID:VR69VCnVo
スタッフ「それでは、本番入りまーす」
スタッフ「3,2,1…」
曲のオープニングが流れ始める。
落ち着いて。春香ちゃんにこれ以上迷惑かけちゃダメ。
春香ちゃんに。
私の、大好きな…。
春香ちゃんに…。
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:01:05.80 ID:VR69VCnVo
雪歩「…うっ」
雪歩「…うっ、うっ…」
春香「ゆ、雪歩?」
雪歩「ごめんなさい、春香ちゃ…」
春香「ねえ雪歩、ど、どうし…」
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:01:38.58 ID:VR69VCnVo
雪歩「…ごめんなさい!」
春香「あっ、雪歩!」
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:02:19.25 ID:VR69VCnVo
スタジオを飛び出し、控え室へ飛び込む。
涙が溢れて止まらなかった。
その後を追って、春香ちゃんが飛び込んで来る。
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:02:55.33 ID:VR69VCnVo
雪歩「…うっ、うっ」
春香「雪歩、どうしたの…?」
雪歩「何でもない、大丈夫だから…グス」
春香「何でもないわけないよ、雪歩。こんな様子で」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:03:30.20 ID:VR69VCnVo
春香「私、言ったよね?悩んでる事があったら力になるって」
春香「そんなに私って、頼りにならないかな?」
春香「ねえ雪歩、悩んでる事があったら私に言ってよ?」
雪歩「…」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:04:55.07 ID:VR69VCnVo
この場で、春香ちゃんに想いを告白しちゃおうか…?
きっと、驚くだろう。
私が春香ちゃんに対してこんな想いを抱いていた事に。
けれど、優しい春香ちゃんだもの。みんなには黙っていてくれるよね。
そして…。
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:05:51.21 ID:VR69VCnVo
二人の関係は壊れてしまうだろう。
二人きりになるのを避けられ、今まで通りの関係でいることも…。
ダメ。
告白なんて、できっこない…。
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:07:02.54 ID:VR69VCnVo
雪歩「…ううん、本当に何でもない」
雪歩「私のダメダメっぷりに、情けなくなっちゃっただけ…」
春香「雪歩…」
ガチャ
P「雪歩、大丈夫か…?」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:07:53.24 ID:VR69VCnVo
春香「あ、プロデューサーさん…」
雪歩「…」
P「調子悪いのか…?無理そうなら今日は収録キャンセルするが」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:08:43.06 ID:VR69VCnVo
雪歩「え?でも、みんなに迷惑が…」
P「なに、気にするな。このままじゃダメな状態の雪歩が世に出ちまう」
P「最高の雪歩を世間にプロデュースするのも、俺の仕事だからな」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:09:29.19 ID:VR69VCnVo
プロデューサーが悪い人だったら、どんなに良かっただろう。
そうしたら私は思い切り憎む事ができたのに。
けれど、そうするにはあまりにもプロデューサーはいい人。
春香ちゃんが好きになってしまうのもわかる…。
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:10:32.90 ID:VR69VCnVo
雪歩「じゃあ、すみませんプロデューサー…」
春香「そうだよ。無理しないで今日は帰ろう?」
P「あとの事は気にするな。今日はゆっくり休むんだぞ?」
二人の暖かな心遣い。
けれど、それが暖かければ暖かいほど私の心は冷え込んでいく。
まるで、春の訪れを拒む冬のように。
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:11:20.59 ID:VR69VCnVo
スタジオから戻り、重く沈んだ雰囲気の事務所。
私も春香ちゃんも、一言二言会話をかわそうとするけれど
それはすぐに沈黙に取って代わられた。
また…やっちゃった…。今の事務所は冬みたいな空気…。
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:12:36.91 ID:VR69VCnVo
春香「…ねえ、雪歩」
春香「今日、一緒に帰ろう?」
雪歩「…」
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:13:04.74 ID:VR69VCnVo
こちらを気遣うような春香ちゃんの声。
けれど、私は一人きりになりたかった。
特に、今日は春香ちゃんといるのが辛い…。
ふとしたきっかけでまた泣き出してしまうに違いない。
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:14:01.78 ID:VR69VCnVo
雪歩「ううん、今日は、私一人で…」
春香「ダメ。今日は絶対一緒に帰る」
春香「いいよね?雪歩」
雪歩「…」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:14:49.67 ID:VR69VCnVo
まっすぐに私を見つめるあの目。
そんな目で見つめられたら…。
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:15:21.75 ID:VR69VCnVo
雪歩「…う」
雪ホ「うん…」
春香「…はぁ、良かったー」
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:16:01.88 ID:VR69VCnVo
春を思わせるような春香ちゃんの笑顔。
そんな笑顔を見せられたら、断れない…。
向けらるべき相手は私ではないとわかっているのに。
それにすがってしまう自分を、どうしても止められない…。
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:16:40.95 ID:VR69VCnVo
春香「…」
雪歩「…」
帰り道。
言葉少なく二人並んで歩く。
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:17:15.71 ID:VR69VCnVo
春香「…雪歩。雪歩はこの事務所に入って良かった?」
雪歩「え…」
何日か前なら、私は素直にうなづけただろう。
頼りになるプロデューサー。目的を一緒にする仲間。
そして、春香ちゃんとの出会い。
けれど、今は…。
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:17:49.59 ID:VR69VCnVo
雪歩「…うん。良かった、と思うよ…」
春香「私も。この事務所に入って最高に良かった」
…そうだよね。
春香ちゃんは、事務所で一番輝いてるもの。
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:18:29.15 ID:VR69VCnVo
その素晴らしい才能を花開かせ、
そして、私には適うことのない恋まで実らせて。
やっぱり、春香ちゃんは春。
けど、私は…。
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:19:03.33 ID:VR69VCnVo
雪歩「…春香ちゃんは、いいね」
春香「え…?」
雪歩「あったかくて、周りをポカポカ陽気にして…」
雪歩「本当に、春みたいだもの」
春香「ゆ、雪歩」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:19:50.00 ID:VR69VCnVo
春香「そ、そうかな?私いつもバカばっかりやってるだけだよ?」
春香「プロデューサーさんにも、いっつもそう言われて…」
雪歩「…春香ちゃんと私は、違うもの」
春香「雪歩…?」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:20:41.09 ID:VR69VCnVo
雪歩「私は、色々悩んでばかりいて…」
雪歩「いつも周りを沈んだ空気にしちゃって」
雪歩「春香ちゃんが春なら、私は冬」
春香「雪歩…」
こんな自分を変えたくて事務所に入ったのに。
私は何も変われない。
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:21:26.10 ID:VR69VCnVo
春香「ううん、そんな事ないよ?雪歩は…」
雪歩「いいの。自分が一番わかってる」
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:22:02.58 ID:VR69VCnVo
雪歩「…春香ちゃんはね」
雪歩「心に花が咲いてるの。人を幸せな気持ちにさせる、春の花が…」
雪歩「…けど、私の心は雪。人を凍えさせる雪が積もってる…」
春香「雪歩…」
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/01/02(月) 22:22:48.99 ID:VR69VCnVo
思わず出そうな涙をこらえる。
訪れる沈黙。
ほら、やっぱりこんな雰囲気になっちゃった。
私はやっぱり、冬…。
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