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イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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994 :
◆b0M46H9tf98h
[sage saga]:2026/03/07(土) 01:40:51.25 ID:MC0SEOQj0
アッテンドーロ「ふぅん、それじゃあ提督もなかなかだったのね」
提督「運動はさっぱりだったけれど戦史や図上演習はいい方だったわ」
バンデ・ネーレ「確かに提督は歴史に詳しいね」
提督「海戦に限らず、戦闘なんてたいていは昔と変わらないわ……使う道具の破壊力がより大きく精巧になっただけでね」
アッテンドーロ「言えてるわ。大戦が終わってから数十年も経ったって言うのに、あんまり利口になっちゃいないわね」
アオスタ「ですが生活水準は良い方向へ進歩しましたね。寒いときには暖かく、暑い時には涼しく過ごせるなんて素晴らしいですから」
提督「そうね、チェザーレも「チェザーレがいた頃はシャーベットなどなかなか食べられなかったものだ」って感心しながらおかわりしていたもの」
バンデ・ネーレ「はは、なんともチェザーレらしいね♪ ……しかしそんなことを言っていたら冷たいものを食べたい口になってきたよ。提督、お風呂から上がってひとつジェラートでも食べないかい?」
提督「そうね。冷たい氷菓で火照りを冷ますのも良いかもしれないわ♪」
…食堂…
提督「それで、何がいい?」
…お風呂を出てさっぱりとした気持ちでゆったりした私服に着替え、厨房の冷蔵庫に片手をかけながら尋ねる提督……アオスタたちはバーカウンターの席に腰かけ、思い思いの姿勢でくつろいでいる…
アオスタ「私はあるもので良いです、賞味期限の近いものから先に食べてしまうべきですし」眼鏡をかけ直しながら生真面目な返事のアオスタ……
バンデ・ネーレ「ボクはミルクがいいかな」ルネサンスの傭兵隊長「黒備えのジョバンニ」を名を持つバンデ・ネーレは黒いヴェルヴェット風のゆったりしたチュニックでカウンターに両肱をつき、手にあごをのせてスツール(腰かけ)から脚をぶらぶらさせている……
アッテンドーロ「さっぱりしたのがいいわ、レモンとかライムとか……ま、提督に任せるわ」傭兵隊長でミラノ・スフォルツァ家の先祖「ムツィオ・アッテンドーロ」は大戦時にナポリの巡洋艦戦隊にいたことから、べらんめえでこざっぱりしたナポリっ子じみた部分がある……
提督「了解、それじゃあ見てみましょうね……どれどれ……」
…業務用の大きな冷凍冷蔵庫を開けると、市販品から(いちいち買っていてはとうてい鎮守府の予算が追いつかないので)ディアナお手製のものまで数種類のジェラートが入れ物に収まって冷気を立ちのぼらせている…
提督「えー、あるのはミルク、イチゴ、チョコレート、レモン……それにピスタチオね。アオスタはピスタチオでいい?」
アオスタ「ええ、大丈夫です」
提督「それじゃあ私はイチゴにするわ」
ニコ(ニコロソ・ダ・レッコ)「おや、ボクもちょうどジェラートが欲しい所だったんだ」
アッテンドーロ「これは武器整備をやった「ご褒美」なんだから手伝ってない娘にはなし。あっちに行ってなさい」
提督「まぁまぁ、どうせそろそろ食べちゃわないといけないし……ニコ、どれにする?」
ニコ「それじゃあチョコレートにしようかな」
提督「ふふっ、それじゃあ座って待っていてちょうだいね」アイスクリーム用のガラス器を取りだし、アイスクリームディッシャー(アイスを球形にすくう器具)で入れ物からすくい取っては盛り付ける……
提督「……はい、お待ちどおさま♪」
…薄桃色をしたイチゴのジェラートをスプーンでしゃくって口に入れると、まだ湯気の残る身体にひんやりとした冷たさと甘酸っぱい風味が心地よい……頬の内側を刺激するような天然のイチゴの酸味に、思わずきゅっと唇をすぼめた提督…
バンデ・ネーレ「どうしたんだい? 冷たかった?」
提督「いいえ、ちょっと酸っぱくて……初恋の味みたいなものね♪」冗談めかして軽く肩をすくめた……
アッテンドーロ「へぇ、提督のことだから「ヌテラ(チョコレートスプレッド)」そこのけにベタ甘一直線だと思ってたわ」
提督「まさか。私だって失恋もしたし片想いだってしたことくらいあるわ」
ニコ「そうなんだ、ちょっと意外だね」
提督「意外ってことはないでしょうに。私だって人並みの女だもの、別に毎回いい返事がもらえたわけじゃないわよ」
バンデ・ネーレ「ちなみに命中率で言うと?」
提督「そうねぇ……成功七割、保留二割、失敗一割といった感じかしら」
アッテンドーロ「……あきれた命中率ね」
バンデ・ネーレ「レーダー射撃も真っ青だよ」
提督「私だって見境なしに声をかけていたわけじゃないもの。それに私みたいな同性愛者は知り合い同士で「その娘がこっち側かどうか」を教えてくれたりするものだから……いわば事前の索敵情報が入っているわけ」
提督「それに恋人は「数」じゃないもの。一人ひとりそれぞれにいい思い出や楽しかった経験があるわ……まさにこの甘酸っぱいイチゴのジェラートみたいにね♪」
アッテンドーロ「うまいこと言ってくれるじゃない……それじゃあその思い出がどんな味なのか、ちょっと味見させてもらうわよ♪」横からスプーンを伸ばしてしゃくい取った……
提督「もう……♪」
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