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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十六輪目】

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202 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/14(火) 23:06:13.14 ID:pIeRL+oso
夏凜→蠍座 746ダメージ
友奈→星屑 980ダメージ 星屑討伐

203 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/14(火) 23:21:49.87 ID:pIeRL+oso

友奈「はぁ……はぁ……」

バーテックスとはいえ星屑のたった一回の突進

想像していた以上の痛みの不安から余計に苦しくなっているだけなのかもしれないが

内臓が傷ついてしまったかのような痛みに、友奈は顔を顰めつつも荒々しく呼吸をする

オタマジャクシのように浮遊する姿は、何も知らない人から見れば愛らしく感じる事だろう

だが、友奈は歯を食いしばり、睨みつけ、こぶしを握る

友奈「っ……」

息を呑むと口の中に広がっていた血と唾液までもが流れ込んでくる

苦い、不味い

力んではいけないと分かっていても力んでしまいそうな不快感

友奈「……だめ」

基本的に迎撃のみで対処するべき

追撃や深追いは厳禁

友奈「帰るん、だから」

握りしめた拳を一度解いた友奈は深々と息を吐く

口元から血が滴り落ちる

息を吐き終えた肺が痛み、骨が軋む

それでも、もう一度こぶしを握り締めた友奈は迎撃の構えに切り替える

友奈「来るなら来いッ!」

向かってくるなら文字通り迎撃し、逃げるのならば追わないという意志を見せる友奈に

星屑はためらうことなく向かっていく
204 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/14(火) 23:38:12.67 ID:pIeRL+oso

友奈「……まだ、まだ、まだ……」

天乃のように刀を具現化して扱うと言ったことが出来ればやりようもあるが、

友奈の武器は拳一つ

ゆえに、誰よりも敵との距離が近くなければいけない

だから普段なら相手の目論見を打ち砕く為にも、

不規則な動きでほんろうしながら距離を詰めていくのも友奈には必要なことだったし

鍛錬においては、それを重宝してきた

友奈「我慢、我慢、我慢」

しかし、今は飛び出すわけにはいかない

相手は星屑一体だけではない、どこから別の敵が現れるのかもわかったものではない

先手を相手に譲らなければならない専守防衛

友奈「……ふぅ」

星屑の白い巨体、開いた口のようなものが友奈を食い殺そうとその身をもって突っ込んでくる

その目の前で静かに息を吐き、目を閉じて集中する

そして――勢いよく左足を踏み出す

友奈「っッ!」

踏み込んだ反動を乗せた渾身の右ストレート

肉薄寸前まで来ていた星屑の体の抵抗力は思いのほか強く、右腕が吹き飛んでしまいそうな痛みを伴う

それでも

友奈「っは……ぅう゛」

歯を食いしばって――撃ち抜く
205 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/14(火) 23:46:48.60 ID:pIeRL+oso

友奈「痛っ……うぅ……」

星屑の体を撃ち抜き、撃破した友奈の表情は喜びよりも痛みに引きつっていて

撃ち抜いた右腕を庇うようにしながら、足早にその場から下がっていく

友奈「帰る……帰るんだ……」

向かってくる強大な敵に対する恐怖心は当然ながら友奈にもある

ただ。

帰ることが出来ない恐ろしさ、悲しさ

それによってみんなが、天乃が道南てしまうのかという不安よりも勝るものはないというだけで

友奈「夏凜ちゃんがバーテックス本体と戦ってる……」

星屑と戦っただけで傷んだ体で何が出来るのか

それを考えた友奈は唇をかみしめて、首を振る

友奈「私なんかが、じゃない、私でも……」

痛みがあるとはいっても軽傷だ

精霊の力だって温存できている

なら、ここは援護しに行くべきだと、足を動かす

友奈「きっとみんないるはずだから」

友奈はそう呟いて、思わず笑い声をこぼした
206 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/14(火) 23:55:36.13 ID:pIeRL+oso

夏凜は基本的に撤退をするべきだと言ったが、

自分はそう言いながら殿を務めて居座るような人を勇者部は知っている

そして、夏凜がその後継者のような立場を一生懸命に努めようとしていることも

皆は良く、知っているのだ

友奈「夏凜ちゃんはきっと、みんなが下がるまで下がろうとはしないよね……」

下がっても本当に少しずつ

皆よりも半分ほど遅れて下がっていこうとするだろう

友奈「そこは、久遠先輩と違う……かな」

天乃の場合は突っ込んで殲滅

そうできる力があるからではなく、自分一人なら。という考え方だからだ

もちろん、今は違うと信じたいが。

友奈「……やっぱり」

友奈の端末に表示された勇者部の立ち位置は、

しっかりと後退しながら、夏凜をカバーできるような場所に存在している

友奈「……あとで夏凜ちゃんに怒られちゃうかな」

あと久遠先輩に。

そんなことを呟き、友奈は急いで向かっていく
207 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/15(水) 00:04:23.02 ID:bCbKkJpgo

星屑→友奈 命中判定↓1  01〜54  ぞろ目 CRT
乙女→友奈 命中判定↓2  01〜76  ぞろ目 CRT
蠍座→夏凜 命中判定↓3  01〜32 01〜10切り払い ぞろ目カウンター 
星屑→園子 命中判定↓4  01〜10  ぞろ目 カウンター 40〜49 切り払い
星屑→園子 命中判定↓5  01〜10  ぞろ目 カウンター 40〜49 切り払い
魚座→園子 命中判定↓6  01〜25  ぞろ目 CRT  35〜44カウンター 71〜80 切り払い


※判定なので複数参加可です
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:07:08.72 ID:x9kLA0mh0
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:07:54.68 ID:bJ1xSHT8O
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:08:53.73 ID:bJ1xSHT8O
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:10:16.01 ID:x9kLA0mh0
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:12:01.26 ID:88SkzcbwO
そい
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:13:05.50 ID:88SkzcbwO
もう一丁
214 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/15(水) 00:17:07.29 ID:bCbKkJpgo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から行いますが
今日行えた分、明日はお休みになるかと思います


現在の状況→【https://i.imgur.com/PjRLOVX.png】
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:26:34.31 ID:56XcjUrSO

楽しみに待ってる
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:30:24.46 ID:88SkzcbwO

ガッツリ敵に囲まれてるな、無理せず退却したいところだが…
217 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/16(木) 23:38:25.53 ID:0QnJFLhPo

では、少しだけ
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/16(木) 23:42:14.32 ID:JFeHCqZWO
よっしゃ
219 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/17(金) 00:04:11.82 ID:n4yYo3dyo


友奈 回避 94ダメージ

夏凜 回避

園子 10ダメージ 回避 回避
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 00:06:41.85 ID:7G1/YutVO
もう次の行動で撤退完了いけそうかな
221 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/17(金) 00:18:13.70 ID:n4yYo3dyo

園子「…………」

風「ちょ、園子!? どこ行くの!?」

園子「風先輩はみんなと一緒に下がってください! 私はにぼっしーのところに行きます」

風「夏凜のところって……園子もかぁ」

園子「え?」

風「どうせ、夏凜が逃げようとしないだろうからって考えなんでしょ?」

呆れたように零した風は端末を確認して「やっぱりね」と呟く

友奈もそうだが、

夏凜もさっきまでいた場所からほとんど動いていない

明らかに被弾した危ない音が聞こえていない異常、動けないわけではないはずだ

だとしたら

風「……どうしてこうも、天乃に入れ込んだ奴は生き急ぐかねぇ」

園子「風先輩――」

風「んじゃ、せめて囲まれないようにカバーしに行くわよ」

全員で一か所に集まることも可能だが

そうなった場合囲まれて押しつぶされてしまう可能性がある

だからこそ、陣形を作る

風「アタシ達で防衛ラインを築くわよ。良いわね? 樹」

樹「う、うん」

こっそり裏を抜けようとしていた樹も立ち止まって、承諾する
222 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/17(金) 00:31:32.98 ID:n4yYo3dyo

園子「いっつんも……だから風先輩」

風「いや、アタシもだったし……友奈も、多分、東郷だってあのラインから後ろに下がる気はないわよ」

あと一歩下がれば結界の中に戻れるのに、

きっと、東郷は下がらずにみんなのことを援護しようとするだろう

沙織を含めた防人が下がった以上、

精霊達にはすぐにでも情報が伝えられ、援護に来てくれるはず

ならば、少しでも被害の軽減が出来るように安全圏からの援護を。とでも考えて

風「だから死に急ぐというか、生き急ぐというか」

まぁなんにせよ。と、風は苦笑いを浮かべる

風「全員一緒に戻るって言うのがすべての前提条件なんだから、そうするっきゃないわ」

精霊による守りによってなんどか死を回避できるだろうが、生傷は負う

それに関してはもう、諦める

園子「この状態での戦闘なら私が一番慣れてるから、外側は任せて欲しいんよ」

風「オッケー真ん中はアタシがカバーする。樹は少し下がってアタシ達の援護よろしく」

樹「任せて」

それぞれの役割を決めて、動く

全ては、全員で天乃の元へと戻るために
223 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/17(金) 01:12:12.19 ID:n4yYo3dyo

園子「……来たッ!」

バーテックスの一団はいつものように神樹様に直行するのではなく、

確実に勇者をつぶそうと囲むように動く

山羊座のバーテックスの巨躯が横を抜けていくのが目に見えたが、

その不意を突くように他の星屑や火柱の合間を縫ってきた星屑の突撃に阻まれ、山羊座への追撃を断念する

園子「向こうはわっしーが牽制してくれるはず……ならッ!」

一度目に味を占めたのか真横から差し迫る星屑を軽く躱し、

足場の奇妙な違和感から逃れるように跳躍した瞬間、魚座が地面をたたき割って姿を現す

園子「今はこっちに集中するッ」

たった4人しなかったあのころとは違う

皆がいる、みんなでカバーしあうことができる

装備だって、全盛期から劣っているとはいえ充実している

ならば、大丈夫。と

次の足場に着地してすぐ、軸足をけり出して駆け抜け、かく乱する

星屑の動きは本能的というべきか、獣のようだが、バーテックスは策を練って攻めてくる

同じ場所にいてはそれらが噛み合った瞬間に圧殺される可能性があるからだ

園子「……見ててね。ミノさん。今度は皆で――ちゃんと帰るよ!」
224 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/17(金) 01:18:13.84 ID:n4yYo3dyo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


行動選択は再開時に行う予定です
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 01:18:58.79 ID:7G1/YutVO

そろそろ精霊合流か
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 08:04:59.20 ID:jsxKSAE6O

考えることはみんな同じだったか
全員無事にいてくれ…
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 23:29:19.38 ID:7MyD4q5hO
今日も休載…?
228 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/18(土) 23:32:48.94 ID:QCUsoiOvo

昨日は出来ませんでしたが、本日は少しだけ
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 23:44:44.39 ID:HM0MI5EiO
きてたー
230 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/19(日) 00:12:22.85 ID:BpdQjePoo

夏凜「っ……芽吹は……」

蠍座と対峙している夏凜は振り返ろうとして、留まる

完成した形である蠍座のバーテックスから目を話すのは自殺行為に等しい

芽吹たちの安否は気になるところではあるが余裕がない

熱さか緊張からか汗が頬を伝う

握る刀は勇者の力なのに、頼りなく感じてしまう

夏凜「……落ち着け」

口ではそういいながら、深呼吸もため息もだせない

常に監視されているような感覚を夏凜は感じていた

夏凜「最後に確認した段階で、芽吹は結界に隣接しかかってた。東郷も同じ……で、友奈達は私の周りに」

戦いの火蓋が切って落とされた音を耳にしていた夏凜は、

ほんと、ばかばっか。と、少し呆れたように呟く

夏凜「私が下がればあいつらは下がってくれる?」

それとも下がっても下がらない? みんな下がると信じて下がる?

夏凜「天乃なら……あいつなら、どう動く?」
231 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/19(日) 00:30:02.95 ID:BpdQjePoo

天乃が単独で出て行った場合、みんなも後を追いかけるようにして展開するだろうか?

全盛期だったら、むしろ足手まといになるからと避けたことだろう

しかし、後々の状況で出撃し、その際にこれと同じような状況に至った場合、みんなは今回のように出ていくはずだと夏凜は思う

その時、あとは下がればクリアの場合、天乃は下がるだろうか?

夏凜「……今の天乃なら、絶対に下がる」

自分で無理するよりも、みんなで一致団結してというのが天乃の今の考え方だ

であれば、下がる

しかし、天乃を引き継ぐように飛び出し撤退をしていない勇者部はどう考えるか、どう動くかは不明瞭だった

夏凜「私は? 私ならどうする?」

まずは悩む。考える

みんなはどうするのだろうかと

そして、今すべきことは何なのか

夏凜「自分が残れば周りは助かるはず。でも、自分は被害者になるかもしれない」

ある意味では、加害者になる

夏凜「…………」


1、結界外まで全力撤退
2、その場にとどまる


↓2
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/19(日) 00:36:49.45 ID:lstqwup30
1
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/19(日) 00:38:24.07 ID:6TbwiD5zO
1
234 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/19(日) 01:08:48.69 ID:BpdQjePoo

夏凜「撤退……ね」

みんなを信じているとはいえ、これはある意味一か八かの賭けだった

真逆の考えを持つ可能性は少なからずあるし、

それを考え裏を読んだ行動に移る可能性も十分にある

人間なのだから当然だ。

その場合は一部撤退、一部残留の地獄絵図になることだろう

しかし、それでも夏凜が撤退を決意したのには理由があった

一つは、最初に命令した「撤退優先」というものがあること

一つは、自信があってもそれは決して慢心ではないこと

一つは、ここに天乃が存在していないこと

夏凜「それと……全員の足並みがそろってるってこと」

夏凜は撤退しろと言いつつ、その場にとどまるような動きをした

なのに、全員がそれに合わせるように動いてきたのだ

それはある意味、夏凜=勇者部と言っても過言ではない

全員が撤退可能圏内、護衛対象は離脱済み

それゆえに

夏凜「この場に居座る意味も義理もないってことよ!」

夏凜は蠍座の動きを警戒しつつ、一瞬の間をおいて身を翻し全力で逃走を図る

二つ手前に足場にした部分が抉られるような爆音が響く

夏凜「振り返るな――走れぇッ!」

自分に、そして確実に周りにいる勇者部へと、夏凜は声の限り叫んだ
235 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/19(日) 01:21:26.60 ID:BpdQjePoo

では遅くなりましたが、ここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から


夏凜「振り返るな――走れッ!」

風「夏凜、ラストスパートをかけました!」

園子「おぉ〜っ、このペースなら放送時間内に間に合うかも〜」

東郷「……良い走りだわ。夏凜ちゃん」

友奈「振付あったかな……あっ、手を振ればいいかな? ゴールテープは結界だよね?」

樹「えっ、歌うんですか?」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/19(日) 03:09:09.97 ID:muPDl3SZO

ミュージカルかな?
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/19(日) 07:44:51.23 ID:6TbwiD5zO

今は無理に倒す必要もないしな
命大事にで行こう
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/19(日) 16:52:42.92 ID:ozf1z4ZH0

桜〜ふぶ〜きの〜
239 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/19(日) 22:22:58.99 ID:BpdQjePoo

では遅くなりましたが少しだけ
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/19(日) 22:47:03.14 ID:6ZPPEjpZO
あいよ
241 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/19(日) 22:49:34.76 ID:BpdQjePoo

東郷→星屑 CRT判定 ↓1  ぞろ目 01〜10 81〜85
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/19(日) 22:51:09.12 ID:JUlSFd0CO
243 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/19(日) 23:28:58.03 ID:BpdQjePoo

園子「みんなーっ! 下がるよ〜ッ!」

視界の端に見える蠍座が獲物を追うような動きを見せた瞬間、園子が声を張り上げた

園子「……にぼっしー、下がってくれてよかった」

夏凜が推測したように園子たちも次の動きを悩んでいたのだ

逃げるか残るか

勇者部内部でかみ合わなかった場合、押しつぶされてしまう

だから園子は夏凜のうごきを待ってから動こうと考えたのだ

言い方は悪いが、友奈も無鉄砲に対応しようとしてしまう節があるが

夏凜は天乃の代理を務めようとしすぎる分、友奈以上にその場その場でギリギリの行動に出る可能性が高いと園子は思っていた

天乃を反面教師とする一方、

天乃の願いである全員が無事であることを叶えるためには多少の被害は免れないという考えがあり、

それならば……という覚悟が夏凜にはあるからだ

そこにはきっと、友奈達とは違って勇者になるべく鍛えてきたというものがあるのだろう

風「樹! 二人は?」

樹「大丈夫、友奈さんと夏凜さんも下がってる!」

風と園子より先を行き、安全圏にいる樹は端末を確認して、二人の安否を探る

友奈と夏凜の名前はマップ上で徐々に後退していく動きを見せてはいるが、

それを追って、星屑やバーテックスもまた少しずつ迫っていく

樹「でも、このままじゃ友奈さんが危ない」
244 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/19(日) 23:57:52.16 ID:BpdQjePoo

まっ正面から対峙していた夏凜や、

樹や風の援護を受けることもできる園子とは違い

友奈は単独で囲まれかけている

しかし……

風「こっから援護には行けないわよ……?」

樹「そうだよね……」

全員で友奈の援護に向かうとなると、固まることになるため、

バーテックスに対する防衛網が崩れる上に、囲まれてしまう可能性がある

それを危惧する犬吠埼姉妹の間を、園子が真っ直ぐ抜けていく

まるで振り返ろうともしない園子の動きに、風は声をかけた

風「ちょっ、園子! 友奈は――」

園子「わっしーがいるから平気……絶対、わっしーならゆーゆを助けてくれる」

風に対して振り返ることもなく園子は答える

自信と信頼に満ち満ちた返答に、樹と風は顔を見合わせて……頷く

東郷はすでに安全圏に到達しており、最も冷静な判断が出来る立ち位置にいる

ならば、誰を援護するべきがどう動くべきかを的確に判断し行動できるはずで

風「東郷なら、友奈が一番危険だって察しが付くか」

そうでなくとも、天乃と同じく大切に思っている親友のことなのだ

絶対に放っておくわけがなかった
245 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/20(月) 00:20:38.09 ID:eqGYKxaBo

園子達からの強い信頼を得ていることなど露知らず、

東郷は自分が今扱うことのできる最長距離射程を持つ銃のスコープを除きながら、待機していた

夏凜、友奈、風、樹、園子

全員をそれぞれ一定時間で覗き、援護すべき対象を探す

東郷「はぁ……」

安全圏であるとはいえ、一瞬も目を離せない状況であり、

体を伏せ、いつでも狙撃できる構えは豊満な体型である東郷には余計に辛いのだろう

疲れの見えるため息を吐く

東郷「……夏凜ちゃんが動いた」

結界に向かって退避してくるのを確認し、園子達へと射線を変える

風と樹、園子も問題なく退避している中

星屑に加え、狙撃を可能とする乙女座に囲まれるような形になっている友奈の動きは危うい

東郷「怪我、してるから……」

生身での星屑の一撃は相当に体の負担となっているらしい

東郷「そのまま動いて、友奈ちゃん」

余裕があるのなら連絡をして打ち合わせをするところだが、

今の友奈にそんな隙を作らせたら一瞬で大惨事になると考えた東郷は、

あえて連絡せずに、狙いを定めていく
246 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/20(月) 00:41:41.27 ID:eqGYKxaBo

東郷「邪魔になるのは……星屑ね」

乙女座には大してダメージを与えることはできないというのもそうだが、

星屑は友奈に攻撃を仕掛けるというよりも、

周りをうろついて警戒させ、乙女座の攻撃を死角に置こうとしているような動きをしているように感じたのだ

現に、スコープから見える友奈の動きは星屑8割、乙女座2割の警戒割合になっている

一番近くにいる敵を警戒するのは当然で、こればかりは仕方がないことだと言っても良い

東郷「だから……私がここにいる」

散々言われてきたことだ

機動力に欠け、なおかつ遠距離での戦闘が可能な自分は【味方の二つ目の武器】だと

逃げる足がないなら、逃げる必要のない場所にいればいい

皆が最前線にいる中、最後尾にいることは決してずるいことでも楽な仕事でもない

最前線のみんなは自分と隣接する仲間だけを気にかければカバーしきれるが、

最後尾の東郷だけは、一人で自分を含めた全員を常に気にかけている必要があるから

東郷「……広い視野が必要だと痛感したあの出来事があったからこそ。今の自分がここにいる」

もう繰り返さない、もう失わない、失わせない

思いと覚悟でグリップを握り、東郷はトリガーを引く

友奈の動き、星屑の動き

それらをぎりぎりまで観察してからの正確無比な一撃は友奈を翻弄する星屑を確実に打ち貫き、崩壊させる

東郷「命中……友奈ちゃん、援護するから、走って」

吹き飛んだ星屑に気づいた友奈の目が自分へと向けられたのを感じながら、東郷は聞こえない声で呟く

東郷の援護で危機を脱した友奈を含め、勇者部全員が結界の中へと逃げ込むのと同時に、バーテックスが結界へと接触し、弾かれる

本当に、ギリギリの撤退戦は多少の友奈の負傷の身に留めて、成功することができたのだった
247 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/20(月) 00:42:31.22 ID:eqGYKxaBo

では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


撤退完了、負傷は軽傷の友奈のみ
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 00:50:32.45 ID:sRUMx58qO

結果的に夏凜ちゃんの退く判断が大正解だった訳か
これでようやく戦闘終了でとりあえず一安心だな
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 00:53:15.27 ID:ZxD9tKnYO

東郷さんかっけー!
250 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/20(月) 23:27:11.70 ID:eqGYKxaBo

では、少しだけ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 23:30:56.17 ID:gR+WD3xcO
よしきた
252 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/21(火) 00:08:08.55 ID:xsH5jldfo

夏凜「なんとか、戻ってこれたわね」

結界の中に入った瞬間、全員が悪夢から覚めたかのような平穏な景色を前に安堵を込めたため息を吐くと

友奈「ぁ、れ?」

バーテックスとの戦いにおいては軽傷と言える状態の友奈が変身を解く間もなく崩れるように倒れ込む

東郷「友奈ちゃん!」

友奈「疲れ、ちゃった……」

友奈は今までも重傷を負うことがあり、

吐血してしまうほどの痛々しさは天乃を含めれば嫌でも見慣れてしまっている

だからと言って安心は出来ないと、すぐに救急車を呼ぶ

本来なら大赦の霊的医療班を呼ぶところだが、反抗した結果の負傷にかんして快く思わないだろうと、避けるしかなかったのだ

東郷「友奈ちゃん、苦しくない?」

友奈「ちょっと、疲れちゃっただけだから大丈夫だよ」

風「神樹様が弱ってるから回復が追い付いていないのかもしれないわね」

夏凜「いや……多分だけど、天乃の穢れを引き受けたことも原因の一つだと思うわ」

天乃の体の中で反発しているのと同じように

一度穢れを通したことで外見的には変化がなくても霊的な部分で変化が生じたのかもしれない

九尾に聞けばはっきりとするだろうか

夏凜「とにかく、ここなら安全だから安静にしてなさいよ? 天乃に怒られるのはまぁ……しゃーない」
253 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/21(火) 00:23:18.73 ID:xsH5jldfo

友奈「ごめんね、油断しちゃったから」

樹「でも軽傷で済んで良かったです」

解放骨折のような外見も酷い状況を経験したことがあるため、

痛みや苦しさも軽く、吐血も収まっている友奈は比較的軽傷だと樹は思い、

そ判断できてしまう自分に、ほんの少しだけ成長とは違う変化を感じて苦笑いを浮かべる

園子「いっつん? どうかした?」

樹「いえ、なんでもないです。ただ、いい意味でも悪い意味でも変わったなぁって思っちゃって」

ある意味では頼もしく、ある意味では恐ろしい

そんな変化だと樹は言う

樹「ほんの少しの怪我じゃ驚くとか、そう言うのが全然なくなってきて……強くなれたなぁって思うのと、なんというか、わからなくなっちゃうような感じがして」

東郷「感覚が麻痺するというのはあるわね。辛い物に馴染みすぎて激辛も辛く感じないような」

夏凜「そう感じるうちはまだ大丈夫でしょ。それに、必ず誰かが止めるわよ」

自分の体の痛み、苦しみと限界

それが分からなくなって、無茶と言いながら無理をしすぎてしまうと言った不安を感じる樹に、

夏凜は諭すように答える

園子「少なくとも、天さんは許さないんよ」

いち早く察知して止めにかかるだろう名前を出し、園子は辺りを見渡す

園子「ん……ぶっきー達がこっちに向かってきてる」

夏凜「そのまま解散してくれれば話は早かったんだけど」

東郷「ふふっ。久遠先輩の意思を継ごうとしているのなら、そんな判断は出来ないわね」
254 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/21(火) 00:43:57.97 ID:xsH5jldfo

芽吹「良かった……結城さんも大丈夫なんですね?」

風「多少内臓は傷ついてるっぽいけど、下手に動いたりしなければ大丈夫よ」

芽吹「……では、絶対安静で」

駆け付けた芽吹達は東郷の膝で目を瞑る友奈に驚いたが、

一応の説明を受けてなお、やや訝し気に承諾して頷く

下手にそんなはずがないと声を上げても、利点は見られなかったからだ

夕海子「勇者様は特別な力で守られていると伺いましたが……決して絶対安全というわけではないのですわね」

以前、映像で見たこともあるが

実際にこうして目の当たりにしてみるとその痛々しさがより鮮明に感じられて、夕海子は眉を顰める

装備の違いがある分、勇者は完成型のバーテックスと戦わなければならない

装備の違いがある分、防人は未完成のバーテックスである星屑との戦いで許される

夕海子「けして、楽に上げられる戦果などありませんか」

芽吹「それじゃ、私達は大赦への報告の為に一旦戻ります」

夏凜「真っ直ぐ戻ってよかったのに」

芽吹「三好さんがあんなことしたり言ったりしなければ戻れていましたが」

夏凜「……ったく」

芽吹の嫌味な一言を鼻で笑った夏凜は、

あんたもやっぱ、変わったわね。と、どこか嬉しそうに呟く

夏凜「今のあんたなら、私の代わりに勇者になれるかもしれないわね」

芽吹「お断りするわ。勇者の代わりはいても、貴女の代わりになることはほかのだれにも出来ないわ」

だから、あんな無茶はしない方がいい。と

芽吹は忠告をして、報告の為にゴールドタワーへと帰還していくのだった
255 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/21(火) 00:49:25.02 ID:xsH5jldfo

ではここまでとさせていただきます。
明日もできれば通常時間から



夏凜「今のあんたならなれるかもしれないわよ。天乃の恋人に」

芽吹「そんな余裕を見せて平気?」

芽吹「私はなり上がるために努力をしてきたのよ。当然、そう言うテクニックも学び、身につけた」

芽吹「だから……久遠先輩は私でしか満足できなくなるかもしれないわよ?」

風「マジ?」

夕海子「芽吹さんは私が鍛えましたわ」

シズク「ドヤ顔で嘘つくのやめろ」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/21(火) 00:53:56.23 ID:pZqQrd73O

友奈はとりあえず休憩かな?
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/21(火) 00:54:17.51 ID:shSU/FisO

メブとも大分打ち解けてきたなぁ
彼女もまた良き理解者になってくれそう
258 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/21(火) 23:24:18.73 ID:xsH5jldfo

では少しだけ
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/21(火) 23:32:27.97 ID:LOrTUbI2O
かもん
260 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 00:13:32.94 ID:Ba5Vy6iGo

√ 11月08日目 夕 (病院) ※月曜日


「これで検査は終了です、お疲れさまでした」

夏凜「どうも」

友奈が救急車で搬送され、追うように瞳の車で病院へと戻った夏凜達は、

芽吹達の報告かもともと観測されていたりしたのかは定かではないが、待ち受けていた医療班の検査を受けたのだ

夏凜や風、東郷達の体には異常はないが、

友奈は外傷のほか内部に命に別状はないけれど、肺や胃の部分にダメージがあったとのことで、入院が確定したらしい

幸いなのは、集中治療室に行く必要はなく、安静にしていれば治る程度のものだった。というところだろう

風「とはいえ、再入院かぁ……」

自分たちの名前が書かれた病室の前にたたずむ夏凜達は、

困ったように呟く風に同意して、頷く

友奈は治療を受けたのちにベッドへと運ばれてくる予定で、夏凜達は先に病室へと戻る……のだが。

園子「天さんは多分、怒るよりも無事だったことを喜んでくれるとは思うんよ」

風「それはね。でも、絶対嬉し悲しい顔するわよ」

夏凜「こういう時、大赦が勝手に報告しておいてくれると助かるって思わずにはいられないわ」

樹「でも、悪い報告だからこそ自分でちゃんと話したいとも思います」

夏凜「……解ってる。何となく言っただけ」
261 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 00:34:19.67 ID:Ba5Vy6iGo

いわれてやんのーとちょっぴり煽るような風の視線を視界の外に放置し、

病室の扉に触れる

園子「にぼっしーだけで話す? みんなで行く?」

夏凜「全員で辛気臭い顔して会いに行ったってしゃーないんじゃない?」

そもそも今回のこと考えたのは私だしね。と

夏凜は自分が代表者として説明するのだという

目的は達成したし、被害も友奈の軽傷で済んだ

称賛されることではないという自覚はあるが、委縮することでもないと夏凜は息を吐く

それでも、無茶をするしかなかったという後ろめたさはあって

夏凜「ま、逃げたって仕方がない」

意を決して扉を叩くと、

いつもとは少し違う天乃の返事が聞こえて「帰ったわよ」と声をかける

天乃「入って平気よ」

夏凜の声を聴いても変わらない声質に、

なんとなく色々分かっているんだろうと感じた夏凜は風達へと振り返り

友奈の事頼むわ。とだけ伝え、病室へと入っていく
262 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 00:59:24.43 ID:Ba5Vy6iGo

天乃はいつものように上半身を起こしただけの姿勢で

退屈さを感じる表情で窓の外を眺めていた

夏凜「天乃、ただいま」

天乃「お帰りなさい。怪我は……なかった。みたいね」

夏凜「私達はね……ただ、友奈はちょっと怪我したわ。幸い軽傷で済んだんだけど……一応、入院することにはなるって」

天乃「友奈のことがあったから、そんな他人行儀なの?」

無茶をした後ろめたさ

友奈の怪我が、自分のあの行動の結果である可能性もあるという罪悪感

それらがある夏凜にとって天乃の不思議な冷静さは、不安だった

天乃「友奈は軽傷で済んだんでしょう? 二年前と似たような状態の戦いで、たったそれだけで済んだんでしょう?」

なら決して悪い結果ではなかったんじゃない? と天乃は笑みを浮かべる

本来の目的だった神樹様の取得

それの成否さえ聞いてもいないのに、結果は悪くなかったと天乃は考えているのだ

天乃「こう言うと、貴女は怒るかもしれないけれど私にとっては神樹様の種なんかよりも貴女達の方が大切だから」

それが自分の命を助けるためのものであるのだとしても

天乃にとっての優先度は勇者部が上で、神樹様の種が下なのだ

天乃「友奈は入院が必要だけど、軽傷。みんなは無事で帰ってきてくれた。私はそれで十分よ」

だからそんな謝りに来た子供みたいな顔しなくて良いから

自信たっぷりに今回の成果を語ってくれていいから。と、天乃は促して。

天乃「それで、楠さんはどうだった? 譲ってくれた? 争うことになっちゃった? これが一番知りたいわ」

夏凜「っ」

自分の命を救う手段が手に入ったかの確認なんかよりも、みんなの安否と芽吹達との関係

そっちを優先させる天乃に、夏凜は何かを言いたげに口を開いて、閉じる



1、譲ってくれたわよ。ケジメとして一騎打ちはしたけど
2、あいつ、あんたと友達になりたいとか言ってたわよ
3、あんた、ほんと……調子狂わせる奴だわ
4、天乃。あんたはそう言うけど……それでも、悪かったわ。無茶をしたことは謝る


↓2
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 01:07:36.47 ID:wXaLyHsCO
1
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 01:18:42.57 ID:iwonz3vzO
1
265 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 01:38:57.60 ID:Ba5Vy6iGo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「譲っては頂けたのですが……それを条件に、久遠先輩を一日好きにさせろ。と」

天乃「それはまた、楠さんも変な条件を提示してきたわね」

東郷「いえ、それが……防人全員で久遠先輩を弄びたい。と」

天乃「えっ」

シズク「卑劣……ッ! 勇者とは思えないほど卑劣な嘘だ……ッ!」

風「あー天乃なら冗談だって分かるから平気よ。うん」

樹(久遠先輩の場合、会った時に直接聞きそうだけどね……したいの? って)
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 02:02:02.47 ID:wXaLyHsCO

久遠さんハード
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 08:03:30.05 ID:cKlDPb2rO

久遠さん久々の登場
悟りを開いてるけど久遠さんサイドでは特に何も起こってなさそう?
268 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 22:05:20.55 ID:Ba5Vy6iGo

ではh、少しだけ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 22:18:19.49 ID:W+uTFoTDO
久々にいつもの時間…!
270 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 22:33:29.40 ID:Ba5Vy6iGo

夏凜「譲ってくれたわよ。まぁ……ケジメとしての一騎打ちはやったけど」

天乃「その様子だと、夏凜が勝ったのね」

自信を感じ、勝利の喜びが垣間見える夏凜の表情に天乃は勝敗を悟って口を挟む

芽吹と夏凜には多少の因縁がある

前回の一騎打ちに続いてまたしても敗れたとなれば、

芽吹にとっていい刺激になるだろうし、

夏凜だって、今回の一騎打ちで得られたものがあるはずだ

天乃「でも、浮ついた気持ちでいたら駄目よ? 勝者は追われるものであるという自覚がないと」

夏凜「それがなさそうなあんたに言われてもねぇ」

天乃「私はもうご隠居さんなの」

くすくすとからかうように笑って天乃は言う

だが、夏凜はそれでも天乃を前に見る

夏凜「隠居は隠居でも、山奥の仙人とか、森奥の忍者とかそう言うあれでしょ。あんたは」

妊娠しているから力が抑え込まれただけ

そうやって力を封じられた強力な存在だ

夏凜「勇者部のトップにいるって自覚ある?」

天乃「申し訳ないけれど、普通に戦って夏凜達に勝てるって自信はないわ」

夏凜「ブランクがありすぎる?」

天乃「それもあるけど、私の分までって頑張ってくれてるじゃない? だから、差はほとんどないんじゃないかなって思うのよ」
271 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 22:47:20.66 ID:Ba5Vy6iGo

バーテックスに対してで言えば

穢れの力をより強く扱える天乃が一歩先に出ているのかもしれない

しかし対人戦に関しては、

今も夏凜に勝てるのかどうかは分からなかった

それほど、衰えた

それほど、何もすることが出来なかった

天乃「ごめんね。勝ち逃げするみたいな感じで」

両足が動かせない状況であったとはいえ

その状態での全力に近い力で叩き伏せた天乃と敗北した夏凜

芽吹のように、リベンジをすることはできないのだ

夏凜「でもコイツを使って何とかすればそれも叶うかもしんない」

天乃「それが、神樹様の種?」

不思議な輝きを放つ神樹様の種

自分の命を救ってくれるかもしれない光を前にして、天乃は感慨深そうな笑みを浮かべる

天乃「ありがとね。私……ん」

首を振る

それはけして言ってはいけない言葉だ

天乃「私の為に」

夏凜「苦労……は、あんましなかったわ。芽吹が協力的だったし」

撤退戦をすることになったが、

あれは入手後の話だから無関係だと夏凜は斬り捨てた
272 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 23:03:25.62 ID:Ba5Vy6iGo

夏凜「それで。あんたの方は何かあったの?」

天乃「私の方は特に何もなかったわよ? 至って平和だったわ」

懸念してた大赦の訪問も何もなく、

気遣いなく口にしてしまうのならば退屈だと零しかねないほどに。と

天乃は少し困ったように言う

天乃「楠さん達の報告を聞いて、向こうがどう動くか。よね」

これから世界はより厳しい状況に陥っていくことだろう

その解決を勇者部に押し付けてくるというと言い方は悪いかもしれないが

頼ってくる可能性は高いし、

力を継承する久遠家に委ねることもあり得ない話ではない

天乃「どうなるのかしらね、ほんと」

夏凜「……でも、あんた何もなかったならなんで不問なのよ」

天乃「うん?」

夏凜「いや……」

別に掘り返すことでもなかったんじゃないかと言ってから思って、

取り消そうかと逡巡した夏凜はなんとなく目を逸らす

夏凜「これじゃ、まるで怒られたいみたいなんだけど……」

天乃「怒られたい? なんで?」

夏凜「怒られたいわけじゃないっての」
273 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 23:12:52.12 ID:Ba5Vy6iGo

勘違いしないでよと語気を強めて言った夏凜は、

やっぱり藪蛇だったかもと後悔しつつ、口を開く

夏凜「軽傷で済んだとはいえ、結構無理したようなもんでしょ?」

天乃「そうね」

夏凜「いつものあんたなら、無茶しないでって言ったのにとか。言ってきたから……」

天乃「姑みたいに口うるさく? 脱ぎ散らかす夫に対する妻の愚痴みたいに?」

夏凜「…………」

天乃「…………」

冗談めかして言った天乃は、

意外に夏凜が不安を感じているように見えて、すぐに茶化すのを取りやめる

天乃「なにかあったわけじゃないわよ? 今回は、私が送り出したからってだけ」

夏凜「送り出しただけって、でもあんたは――」

天乃「私の為に無茶をしてきてって。危ないことしてきてって。だから、咎めるとか、怒るとか。そういうことをする理由はないのよ」

むしろ。と、天乃は優しく夏凜を見上げる

天乃「ありがとうって、言うべきでしょう?」

無茶をしてくれたこと

それでも軽傷で済み、無事だと言える被害で帰ってきてくれたことに
274 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 23:35:14.11 ID:Ba5Vy6iGo

天乃「子供らしくない。かしら?」

いい意味でも悪い意味でも悟りすぎて

感情的になるべき場面でも控えめで

大人の対応と言われるような理性的な対応をする

天乃「友奈が怪我したことだって、心の中では凄く複雑で、ごめんねって、言いたい気持ちもあるの」

けれど、

無茶をしてきてと言った自分が、その通りに頑張って成し遂げてくれた相手に

ありがとうというよりも先にごめんねと言うのは何かが違うと思ってしまう

天乃「正直、分からないのよ」

夏凜「天乃?」

天乃「我儘で送り出したのに、帰ってきた後でまで我儘みたいな……自分勝手な事言っていいのかどうかとか」

冗談や空気を和ませるための一言であったとしても

躊躇ってしまうのだと天乃は苦笑いを浮かべる

天乃の今までの経験が、今まで経験してこなかったことが、

自分は勇者部に対してこうあるべきだというレールを敷き、その通りの反応をしてしまう

それが俗に言う、子供らしくない、大人びた言動であるのだとしてもだ

天乃「まさか、それで夏凜を不安にさせるとは思わなかったわ。でも、思えば確かに違和感があったわよね」

ごめんなさい。そう続けそうな口を天乃は閉ざすと笑みをこぼす


1、余計なこと言って悪かったわ。あんたの対応は別におかしくないって言うか、普通に当然っぽいわ
2、良いわよ別に、問題が問題だから何かあったか勘ぐっちゃっただけだし。それに、あんたは十分子供っぽい所あるから
3、正直、もうちょっと嬉しそうな天乃を見たかったって気持ちがないわけじゃない……っていうか、見たかった
4、なんて言うか、他人の事は分かんのに、自分はどうするかって考えると急にわけわからなくなるわよね
5、そういうときはお疲れ様。お風呂かご飯か私かって聞いておけば全部解決するかもしんないわよ?
6、あんたらしいっちゃらしいわ。無駄なとこで悩んで変な方向に行く辺りが

↓2
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 23:40:06.87 ID:W+uTFoTDO
4
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 23:41:50.80 ID:9aUy7Deu0
5
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 23:42:05.27 ID:s0aS+kag0
4
278 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/22(水) 23:50:09.23 ID:Ba5Vy6iGo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「お疲れ様。お風呂にする? ご飯にする? それとも……私?」

東郷「お風呂で久遠先輩を頂きます!」

天乃「えっ」

風「でたッ! 裏メニューの欲張りセット!」ガタッ

園子「いつから自分が夜食ではないと勘違いしていた?」

樹「助けて友奈さんッ! もうツッコミは友奈さんしかいないんですッ!」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/23(木) 00:01:58.89 ID:JIqnt9C1O

久遠さん相変わらず我が儘には抵抗あるんだな
あと神樹様の種の力ってどの程度回復できるのだろうか
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/23(木) 00:12:48.03 ID:A2GpRTeeO

順調だな
281 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/24(金) 00:10:05.47 ID:pzCu9rTDo

遅くなりましたが、少しだけ
282 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/24(金) 00:22:01.04 ID:pzCu9rTDo

夏凜「…………」

ここでこそ、大人みたいな達観した諭す言葉が必要なのではないかと思う

互いに納得できる妥協案のようなものが。

しかし、夏凜にはまだそんな考えをすることは容易ではなくて

手にした数々の小説の中の一文から適した台詞でも引き出そうと模索する

だが、それもやっぱり簡単ではなくて。

夏凜は逡巡して、眉を顰める

夏凜「そういうときはお疲れ様。お風呂かご飯か私かって聞いておけば全部解決するかもしんないわよ?」

天乃「なぁに? それ」

夏凜「友奈達にとってはある意味でご褒美になるし、ねぎらいにもなるし。ちょうどいい塩梅だと思うけど」

冗談みたいな話……というよりも冗談半分なのだが。

みんなに対する償いや謝礼であり、頑張ったことへのご褒美にもなる

ごめんなさいか、ありがとう

どちらを言うべきか迷うくらいならどちらともとれるようなことを言えばいい

それに対する相手の反応で何を言うべきかを決めればいい

夏凜「本当なら、頑張ってくれてありがとうとかでも良いんだけど。あんたの心情的にはそれじゃすまないんでしょ?」

面倒くさい性格だわ。と

皮肉ぶって言い放った夏凜は髪を掻きながら、ちらりと天乃を見る

頑張ってくれてありがとうと思いつつ、無茶させてごめんねとも思う

そんな不憫な性格は治そうとしても、きっと簡単には治らない

夏凜「正直、あんたが謝ると誰も幸せにならないのよ」
283 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/24(金) 00:32:31.63 ID:pzCu9rTDo

天乃「…………」

夏凜「分かるでしょ? あんたの為に頑張った結果、あんたに謝られる。なんのために頑張ったのか分かんなくなるっての」

呆れたように言う夏凜が決して怒っているわけではないと天乃は感じて、頷く

天乃だって、わざとそう言う考え方をしていいるわけではないし

そうしようと思ってそうなっているわけでもない

むしろ、以前の天乃なら考える間でもなく罪悪感に押し負けて謝罪を口にしていたであろう状況で

礼を述べることも考えたのだから、良い方だろう

夏凜「だからまぁ。そこで悩むくらいならちょっとふざけた感じでさっき言ったこと言ってみんのよ」

そう言った夏凜は小さく咳払いすると

辺りを見渡し、病室の中には自分と天乃しかいないことを再三確認する

ほんのりと染まった頬が、気恥ずかしさを表していた

夏凜「お疲れ様。お風呂にする? ご飯にする? それとも、私?」

天乃「えっと……」

少しだけ体を斜めに逸らして対面にはならず

それでいて横目でちらちらと天乃を見ながら、夏凜はそんなことを口にして頬を掻く

天乃「ご飯……?」

夏凜「はぁ」

天乃「え、なに? 駄目なの?」

夏凜「なんでもない! 汗臭いからさっさと着替えてきなさいよ。この馬鹿!」

そうかしら? と不安げに自分の襟首を引っ張る天乃に対して、夏凜は「シュミレーションだから」と遮る

ついついからかうつもりで余計なことも言ってはみたものの

園子たちとはやはり違って、冗談が長引くのは難しかったらしい
284 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/24(金) 00:40:45.01 ID:pzCu9rTDo

夏凜「ちなみに、あんたこのセリフの意味は分かってんのよね?」

天乃「そのくらい分かってるから大丈夫よ」

流石にね。と付け加えて笑みを浮かべる天乃を見る夏凜は死腰だけ、不安になった

もちろん、シリアスな悩みによるものではなく

天乃がそんなことを言い出したら、ほとんどがご飯もお風呂も飛ばして本来冗談である天乃を頂こうとするような気がしたからだ

夏凜「樹と友奈は……平気よね? 風もああ見えてまぁ……」

冗談だと分かっているだろうから天乃を頂く素振りを見せるくらいでとどまってくれるだろう

園子も同じように……行く。と信じたいが

今まで散々我慢されてきた園子が我慢してくれる可能性は意外と低いと夏凜は悩む

天乃「もしも私が良いって言うなら、負担がかからない程度にお願いしないとね」

夏凜「冗談だっていう気はないのね」

天乃「誘っておいて冗談だなんて可哀想でしょ?」

天乃は何言ってるのと言いたげな表情を見せ、夏凜は不満げに顔を顰めたが

軽く息を吐いて神樹様の種をもう一度見せる

夏凜「夜には全員ここに戻ってこられるだろうし、そしたら改めてこれについて話しましょ」

どう扱うのか、いつ決行するのか

大赦が後々干渉してくることは殆ど決定事項

それに対して妥協して神樹様の種を返却することがないのも決定事項

問題は天乃の体に神樹様の種を使うタイミング

そのあたりに関しては、勇者部の面々が悩むというよりは、

最も最適な答えを見つけてくれるであろう九尾の協力を得るべきだろう
285 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/24(金) 00:50:32.76 ID:pzCu9rTDo

夏凜「問題なかったって言ってたけど、九尾も平気だったのよね?」

天乃「ええ。姿を見せてはくれなかったけど、特別荒れた様子はなかったから大丈夫だったはずよ」

千景達からの報告も何もなく

隠れた場所で何かよからぬことをしていたわけではないことは確かだろう

頭の中で考えていたかどうかは定かではないが。

少なくとも神樹様の種が手に入り、天乃を救うことができる可能性が出てきた今余計なことはしないはずだ

夏凜「あんたのことは、絶対に助ける」

神樹様の種をしまった夏凜は天乃のことを少しだけ引き寄せ、唇を重ねる

淫らな行為をする直前の挨拶とも違う、愛情のみのキス

それは一瞬で、でも、確かに感じ合えるものだった

天乃「…………」

夏凜「…………」

離れた二人は互いに目を向け合う

何をするでもなく声をかけるわけでもない数秒間

そして、天乃が先に笑みを浮かべた

天乃「これだけでいいの?」

夏凜「まだ、全部終わったわけじゃないから」

それでも、疲れたから前払いを貰おうと思ったのと言いながら、

夏凜は天乃の額に額を触れさせる

体重をかけすぎない程度に

夏凜「だから、全部終わったら……そうね。みんなでどっかでかけるとかも、アリなんじゃない?」

天乃「夏凜と二人きりとは言わないのね」

夏凜「そこまで独占欲はないわよ」

そう言った夏凜は悪いことを思いついたのだろう

にやりと笑って

夏凜「あんたはそういう私の方がいいって思う?」


1、今のままでいいわよ
2、少しは、欲深くても良いんじゃない?
3、どっちも好きよ


↓2
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/24(金) 00:58:08.47 ID:2+fRUqI2O
やるのかー
3
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/24(金) 00:58:44.18 ID:z/z1WyNo0
3
288 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/24(金) 01:09:24.59 ID:pzCu9rTDo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
26日はお休みいただくことになるかと思います


天乃「どっちも好きよ」

風「口説いた」

天乃「え……このくらいでも口説いたことになるの?」

東郷「どんな自分でも好きだって言って貰えるのって、意外に嬉しいものなんですよ?」

天乃「嬉しいのと口説かれるのって違うんじゃないの? 一緒なの? え?」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/24(金) 01:13:04.59 ID:TnjlykocO

嫁口説くのなんかサービスみたいなもんだしセーフ
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/24(金) 01:40:33.65 ID:2+fRUqI2O

他の嫁も口説かないとな!
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/24(金) 08:06:54.26 ID:6m0oQMnWO

昨日は休載かと思ったら深夜にやってたとは…
それはともかく久遠さんの幸せを第一に考える夏凜ちゃんマジ女神
292 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/24(金) 23:24:01.32 ID:pzCu9rTDo

では、少しだけ
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/24(金) 23:27:05.32 ID:rsXq4eJsO
よっしゃ
294 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/24(金) 23:40:59.17 ID:pzCu9rTDo

天乃「そうねぇ……どっちも好きよ」

ちょっぴり独占欲がある夏凜も

今みたいに独占欲が希薄で、自分よりも周りに譲ってしまうような夏凜も

どちらも好きだと天乃は言う

その表情に、嘘は感じられなかった

天乃「だからたまには、夏凜が自分勝手にしてもいいんじゃないかって思うわよ」

夏凜「なにそれ。襲ってくれって暗喩?」

天乃「そんなつもりじゃないけど」

天乃がそう考えて言うような性格ではないと分かっているが、

夏凜はあえてそう意識するように仕向けつつ問い返して体を寄せる

そう言った後に、体を寄せれば天乃が意識すると分かっているから

困った反応を見せて、考えて、良い反応を見せてくれるから

天乃「ちょっと……そう言うつもりないんじゃなかったの?」

赤みがかった表情で、困った様子で

けれど、夏凜がどうしてもというのならという態度

距離を詰めても天乃は退かない。だから、夏凜はまた身を寄せた

肩が触れる

俯きがちに吐き出す吐息が交わる

するの? しないの? と、

期待と緊張感に少しだけ心臓の音が大きくなる
295 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/25(土) 00:04:31.07 ID:KTq9A9Cyo

天乃「ね、ねぇ……夏凜……」

天乃はベッドの上に置かれた夏凜の手へと、二歩進んでは一歩進むかのような手つきで近づけていく

焦らすようなその動きに夏凜は思わず笑みを誘われ、苦笑する

そして、びくりと止まった天乃手を掴む

夏凜「やっぱ、あんたまだ毒気が抜けきってないわね」

天乃「…………」

夏凜「少し、やった?」

天乃「少し……少しよ。色々、あったから」

追及するような夏凜の視線から逃れるように天乃は顔を逸らしていき、

心なしか身を縮めて俯く

最初から気づかれていた可能性も考慮しつつ横目に見れば、夏凜はまだ自分を見ていて

急激に熱くなっていくのを感じながら、どうしようもない状況に息を呑む

それまるで、ことを為す直前のような感覚で。

天乃「するとね。少し楽になるの。体のこともだけど、嫌な事とか……」

夏凜「別に駄目だなんて言わないっての。あんたの場合、穢れのこともあって余計に悪い考え持つわけだし」

気晴らしだったり、毒抜きだったり。

自由にやったらいいんじゃないのと言いながらも夏凜は「でも」と続ける

夏凜「あんまりやりすぎると癖になるって聞くから、ほどほどにしておいた方がいいわよ。私達もいるし」

天乃「してくれるの?」

夏凜「それは……ま、まぁ……聞くまでもない。でしょ……」
296 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/25(土) 00:19:23.60 ID:KTq9A9Cyo

懇願する様な瞳で尋ねられては流石の夏凜も受け流しきることは出来なかったのだろう

手を握り合ったまま、目だけは会わせないように逃れて、答える

天乃の為を思っていたら言ってしまったことなので、無意識だったからというのもあるかもしれない

夏凜「…………」

天乃「…………」

手を握っているのに、互いに目を合わせない不思議な雰囲気の中、

自分たちだけの体温が伝わり、吐息が聞こえ、だんだんと気恥ずかしさが増していく

これはもはや、逃げ場がなかった

警戒する小動物のような二人の視線が交錯する

互いの出方を探ろうとした結果見つめ合うことになるのだから、相性がいい

夏凜「あ、あー……その……そ、そろそろ友奈のところ行ってくるから」

天乃「あ、う、うん……見てきて」

夏凜「…………」

天乃「…………」

再びの沈黙

それからすぐに慌ててベッドから立ち上がった夏凜だが、

友奈のところに行くと言ったのに手を握ったままで

放り出すように手を離すとすぐに自分の手で抑え込む

夏凜「べ、別に、私は欲求不満ではないから」

天乃「うん」

夏凜「でもちょっと……頑張ったしハメ外したいとか思ったりはする」

ほとんど聞こえないような小さな声で言い捨てたまま

夏凜は逃げるように病室から出ていく

天乃の体への負担や、求めていないときに求めてしまう気まずさと

他のみんなへの譲歩で控えめではあったが、

やっぱり、夏凜は夏凜でそう言う欲求があったのだと

天乃は少し嬉しそうに握り合っていた手を自分の唇に当てる

天乃「……あ、だめ。今は」

夏凜の手の感覚が残っている手で触れそうになった天乃は、

その誘いを強引に断ち切って、布団の中に潜るのだった
297 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/25(土) 00:21:46.83 ID:KTq9A9Cyo

√ 11月08日目 夜(病院) ※月曜日

01〜10 
11〜20 大赦
21〜30 
31〜40 九尾
41〜50 
51〜60 大赦 
61〜70 
71〜80 
81〜90 大赦
91〜00 

↓1のコンマ 
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 00:22:15.93 ID:e8+H2/GFO
299 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/08/25(土) 00:32:20.28 ID:KTq9A9Cyo

ではここまでとさせえて頂きます
明日もできれば通常時間から


東郷「夏凜ちゃん夏凜ちゃん」

夏凜「ん?」

東郷「はめを外したいのか、はめ通したいのかどっち?」

夏凜「はめ通せないから外す方」

風「平然と答えたんだけど……」

樹「真面目に突っ込むと疲れるからって夏凜さん言ってたよ」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 00:36:03.95 ID:e8+H2/GFO

一件落着したらみんなで旅行もいいかもね
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 05:21:57.14 ID:jf1jGb6aO

いよいよ次は本題の種についてか…
大赦に介入される前に何とかしたいところだな
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