このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください

【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十七輪目】

Tweet

253 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 20:54:27.10 ID:bxK1TAFpO
かもーん
254 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/22(土) 21:06:44.88 ID:f/ozvoZ4o

天乃「はぁ……もう」

ため息をつくだけで、園子の目がきらめいたのが分かる

生真面目さを演出しようとしていた雰囲気が崩れ去って、

隠し切れていない嬉しさを感じる

それはみんなよりも長い付き合いだからこそ、かもしれない

天乃「仕方がないわね、今日だけよ?」

園子「今日だけ〜今日だけ〜」

ゆらゆらと体を揺らしながら真似て言う

今日だけでも許可がもらえれば、明日も明後日も休み

結局三連休……三連久だ

天乃「分かってるとは思うけど、今の私には貴女のそのテンションについていくだけの余裕はないからね?」

園子「付いて来させるつもりなんて毛頭ないんよ」

むしろ、自分が止まるのだ

寄り添うのだ

そのために、ここに残りたいといったのだから

無理させてしまったら本末転倒である

園子「天さんの傍に居られるだけで、そのっちは満足であります」

天乃「……友奈のこと、踏まないでよ?」

ぎしりとベッドに足をかけた園子に一言注意する

沈んだ方向へと傾く友奈を覆う陰の主は「大丈夫」と、笑って天乃の肩に触れた
255 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/22(土) 21:52:23.40 ID:f/ozvoZ4o

園子「えへへ」

天乃「?」

限りなく近い距離にいるにもかかわらず、

園子はキスをするでもなく、怪しい笑い声をこぼすと

自分の下で寝息を立てる友奈を一瞥する

園子「なんだか、いけないことしてる感じがする」

天乃「確かに、園子との関係が違っていたならそうかもしれないわね」

園子「ゆーゆが寝ている隙に、その横でちゅーするシチュエーション。どう?」

天乃「どうって……なに?」

答えようがない

友奈とだけの関係だったらもちろん断るだろうけれど

それでも。と迫られて断れるのかどうか、今でこそ自信をもって断ると言えるが

以前の自分ならばどうだろうかと、天乃は考えて園子を見る

天乃「そういうのは、良くないわ」

園子「こうしたのは天さんなのに……とかいうと一回位は体許してくれそうな危うさがあるよね、天さん」

天乃「馬鹿なこと言わないの」

園子「そんなことは、誰にもさせるつもりはないけど」

関係を持ち合うと決めた仲以外の誰にも、絶対に

それはたとえ神様が相手であろうと変わらない

園子「天さんは私たちの……でも」

みんなのもの。ではないのだから
256 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/22(土) 22:16:33.71 ID:f/ozvoZ4o

園子「にぼっしーが目を光らせてるだろうし」

天乃「起きてた?」

園子「起きてた」

園子は夏凜に対してのものなのか、

夏凜とを隔てるカーテンに目を向けながら耳元で囁く

一瞬視界の外へと消えて戻ってきた園子は満面の笑みを浮かべていて

そのまま、離れる

天乃「あら、しないの?」

園子「……誘うなよ。襲っちまうぜ?」

格好良さをイメージして、いつもよりも低めの声

きりっとした瞳と、斜めに駆け上がる眉

にやりと持ち上がる口元

けれども、園子は園子で

天乃「はいはい。可愛い可愛い」

園子「ゆーゆの時と露骨に態度が違うっ」

天乃「友奈は狙ってないもの」

貴女は狙いすぎ

はっきりとしたダメ出しに、園子はしょぼん。と、口に出した
257 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/22(土) 22:30:11.92 ID:f/ozvoZ4o

√ 12月5日目 昼(病院) ※金曜日


01〜10 
11〜20  大赦
21〜30 
31〜40 
41〜50 
51〜60  夕海子
61〜70 
71〜80 
81〜90  天さんは陣痛に苦しむ。しばらくお休み
91〜00 

↓1のコンマ
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 22:32:47.82 ID:MHVG3cm6O
あ
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 22:34:32.82 ID:MHVG3cm6O
アチャー…
260 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/22(土) 22:57:14.56 ID:f/ozvoZ4o

ではここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から
【久遠天乃は勇者である】は気づけば四周年ですが、もうちょっとだけ続きますので、よろしくお願いします



陽乃「……ねぇ、高嶋さんは知ってる?」

陽乃「人っていう字はね? 手を取り合うから人という字になったわけではないの」

陽乃「天津飯の気功砲がナッパ……宇宙人に通じなくて、人の限界は気功砲なんだと感じたから」

陽乃「その手の形になったのよ」

友奈「えっ!?」

陽乃「って、郡さんが言ってたわ」

友奈「ぐんちゃんが!?」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 23:03:07.18 ID:br6Xh83Y0
乙
ポジティブに考えれば陣痛がキツイのは出産が近い証拠!
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 23:06:01.65 ID:MHVG3cm6O
乙
これからの展開もしっかりと見届けるべ
そしてこのタイミングで陣痛…出産が早まるか?
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 23:43:51.57 ID:uyoyO07oo
乙
予定日とかって決まってたっけ?
あと4周年おめでとう
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 15:29:46.06 ID:X9vRmawJO
そもそも成長自体が普通のペースじゃないから予定は立ってなかった気がする
265 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 17:36:34.40 ID:uuvJbFQxo

では、遅くなりましたが少しだけ
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 17:45:06.31 ID:I3V8K3uAO
あいよ
267 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 18:20:20.14 ID:uuvJbFQxo

√ 12月5日目 昼(病院) ※金曜日


園子「天さんッ!」

天乃「痛っ……うぅぅっ」

笑っていた顔が、歪んだのは唐突だった

何の前触れもない

他愛もない話をしている最中、「痛い」と零した

少し顔をしかめて、ちょっとした筋肉痛だったかのような表情で。

それからはもう一瞬だったかもしれないし、

数分間程度経っていたかもしれない

体を起こしていた天乃は耐えきれなくなって体を丸め、

呼吸をするように、苦しみだした

血を吐くことはなかった

気を失いはしなかった

だからこそ、余計に苦しんでいるように見えてしまう

天乃「その……」

園子「ナースコール、ナースコールは押したっ!」

だから頑張って。

容易く、その言葉を吐くことはできなかった
268 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 19:01:23.81 ID:uuvJbFQxo

破瓜の痛みなど、じゃれ事だったかのような痛みだった

もちろん、男性器などといった―矮小というと失礼に当たるが―限度のある物の介入など、

子供二人がでてこようとしていることに比べれば些末なことだ

体の内側から引き裂かれるような鈍痛

当然ながら体を丸めるなんてことはできないし、

丸められたとしても、内側から生じる引き絞られる激痛は留まることを知らない

園子の名前を呼ぶ声、励ます声

それが、雑音にさえなりかねない、苦痛

痛みに声が掠れて、苦しみに視界が霞む

けれど、不定期に訪れる休息期間が、

意識が途切れることを許さない

痛みに備える休息期間だという人がいるという話ではあるけれど

天乃にとっては、ただのアメとムチだった

天乃「死ぬ……」

園子「しっ、しんじゃだめだよ天さんっ!」

天乃「うぅ……いっ………ぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

休み、激痛

叫んで、呼吸が整う前に、また叫ぶ

だが、それがまだ序の口であることを分かっているのは

陰に潜んでいる九尾だけだった
269 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 19:39:33.51 ID:uuvJbFQxo

園子「どうしよう……天さんが」

「大丈夫です、予定通り……とは言えませんが陣痛が始まっただけですから」

園子「でも……」

「しばらく、看護師が同席しますから」

直接的と言ってもいいほどに、園子は役には立たないと言われたのだと感じた

園子は。ではない、素人が。だ

本来なら、近親者や親しい間柄の人が傍に居てくれるなら、

それだけで頑張れるから。と、看護師も言うことだろう

しかし、天乃は状況が特殊すぎる

だから、園子や夏凜達が一緒にいるだけでは何にもならない

悔しいが、そうならざるを得ない

けれど、担当している看護師はそんな園子の感情をくみ取ったのだろう

今は落ち着いて寝息を立てる天乃の手に、園子の手を導く

「もちろん、乃木さんは傍に居てあげてくださいね?」

園子「っ」

「看護師や医師ができるのは医療サポートまで。生きて終えるという精神的サポートができるのは貴女達だけなの」

だから、傍に居てあげてね

そう繰り返す看護師に、園子は少し困った表情で、頷いた
270 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 19:55:48.37 ID:uuvJbFQxo

01〜10 
11〜20  夏凜
21〜30 
31〜40 
41〜50  夕海子
51〜60 
61〜70 
71〜80 九尾
81〜90 
91〜00  若葉

↓1のコンマ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 20:02:39.96 ID:I3V8K3uAO
あ
272 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 20:51:06.82 ID:uuvJbFQxo

若葉「心配するな」

どこからともなく姿を見せたご先祖様の優しい声に、

園子は浮かない顔を上げて、首を振る

園子「ご先祖様……」

若葉「天乃はいつだって、ちゃんと帰ってきてくれていただろう?」

無鉄砲になる前も、

無鉄砲になった後も

なんだかんだちゃんと帰ってきてくれていた

第一線で戦う最後の日

その時だって、天乃はとてつもない無理はしたけれど

やっぱり、戻ってきてくれた

子供ができて、つわりで酷く苦しんだ時も

ちゃんと、戻ってきてくれた

若葉「その要は、やはりお前たちだろう」

園子「私達……」

若葉「ああ、間違いない」
273 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 21:40:27.06 ID:uuvJbFQxo

天乃が苦しむだろうという覚悟はできていた

なのに取り乱してしまうような自分のことを、要として添えることができるだろうか

いや、出来ない

少なくとも自分なら難しいと、園子は妙に冷静な頭で考えて天乃を見る

だが、それでも天乃は任せてくる人だ

大きな失敗をしていようが、天乃は決して見捨てない断ち切らない

不信感を募らせて信用できないなどと口にすることはない

むしろこう言うだろう

大丈夫。失敗をした後悔があるのなら、貴方はそれを成し遂げられる心があるはず

絶対的な信頼で。

園子「天さんは、私の手を握ってくれているんよ」

若葉「天乃がどのような境遇にあるのかを考えれば、必然だろう」

誰よりも他人に優しく、誰よりも他人を思う

それは銀を失ったからだけでなく

天乃には何も残されたものはなかったからだ

園子は大赦に幽閉され、鷲尾須美は記憶を失って東郷美森となり、家族の記憶は失われた

そんな天乃にとって、今なお続く園子たちとのつながりは、絶対に断ち切りたくはないものだろう

だからこそ……

園子「天さんのチョロさは、そこが原因なのかな」
274 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 21:53:51.42 ID:uuvJbFQxo

ぼそっと出てきた園子のつぶやきに、

若葉は「そういう話だったか?」と、困惑気味に問いかける

園子「……そういう、話なんよ」

痛みと苦しさに喘ぎ疲れて眠るお姫様

力の抜けた手ではあるけれど

それでもしっかり握り返してくる天乃のことを、園子は優しい目で見つめる

こんな人だから、自分に自信が持てないなどと言っていられないのだ

いっつんもそういってたなぁ。と、思わず笑う

信頼に答えたい、思いを裏切りたくない

だから、自分で思う以上に頑張ることができるのだと

園子「頑張って、取り乱さないようにする」

若葉「これからはもっと厳しくなるかもしれない。血を吐くかもしれない。それでも、平気か?」

園子「一番頑張ってる人の隣で、諦めるような考えを持つわけにはいかない」

なるべく諦めない。

なせば大抵なんとかなる

それが、勇者部なのだから

園子「頼りないかもしれないけど、でも――」

若葉「いや、十分頼りにしている」
275 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 22:50:10.91 ID:uuvJbFQxo

眠る天乃の横に座る園子の頭を、軽く撫でる

姉ではないし、母でもない

そんなものを超越した遥か昔のご先祖様である若葉

だからといって、血のつながりを感じることは事実で

子孫が頑張り屋であることも同じくらいに事実だ

若葉「園子は……いや、この時代に生きる皆を頼りにしている」

心強く、頼もしい

自分たちの時代にいてくれたらと思うほどには、救われている

若葉「お前たちなら大丈夫だ。何も心配することはない」

園子「そう、かな」

若葉「ああ。ありがたいご先祖様の御言葉だぞ。信じておいて損はない」

我ながら適当な言い方だったと、若葉は苦笑する

でも、本音なのだから訂正する気はない

園子「ご先祖様かぁ……ご先祖様はどんな人と結婚したのかな〜」

若葉「ん?」

園子「綺麗な人。だったかも〜」

えへへ〜となぜだか嬉しそうな笑顔を見せる園子

反応が遅れた若葉は不意に、「ちょっと待て!」と、声を荒げる

若葉「……乃木家なら家系図が……ま、待て、そんなはずが!」

真相は、園子の笑顔の中へと消えていく
276 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 22:51:14.56 ID:uuvJbFQxo

√ 12月5日目 夕(病院) ※金曜日


01〜10 
11〜20  夏凜
21〜30 
31〜40 
41〜50  友奈
51〜60 
61〜70  風
71〜80 
81〜90  園子
91〜00  東郷

↓1のコンマ
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 22:52:40.18 ID:p09y6xH3o
ふい
278 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/23(日) 23:19:42.08 ID:uuvJbFQxo

ではここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


夏凜「聞いたわよ、陣痛来たんだってね」

東郷(さすが夏凜ちゃん、行動が早い)

友奈(一直線に久遠先輩に話しかけに行ったね)

風(そりゃ、まぁ一番好きですから)

園子(ぐぬぬ……)
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 23:31:27.08 ID:4uvHtE1T0
乙
4周年だったか
やっと追い付いた
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 23:33:09.88 ID:I3V8K3uAO
乙
結果的に陣痛の時にそのっちが残ってて正解だったのかもね
そして本当にここぞってところで来る夏凜ちゃんのコンマ運よ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 23:42:33.71 ID:tYJPj9fVO
乙
しんどそうだな久遠さん
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 00:29:53.70 ID:LwwF9wpJo
乙
今回の夏凜はほんとコンマに恵まれてるなぁ
283 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 19:32:21.92 ID:pNnetdgxo

では少しだけ
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 19:34:27.74 ID:Cdyak6oCO
やったぜ
285 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 20:03:07.23 ID:pNnetdgxo

√ 12月5日目 夕(病院) ※金曜日


天乃「ん……っ」

目を産すと同時に動いた手が、何かを握る

握れば握り返すそれは間違いなく誰かの手

良く知っている、男の子っぽい感触

天乃「夏凜……?」

ただの寝起きとは違う、

ぼうっとしてしまう頭でなんとか夏凜の輪郭を掴もうと伸ばした手は途中で捕まって、布団の中へと戻されてしまう

けれど、近づいてきてくれた姿は見間違えるはずもなく、夏凜だった

夏凜「下手に動かないの」

天乃「早退……してきたの?」

夏凜「普通に帰ってきただけ。もう夕方よ」

外の景色よりも先に、夏凜の端末に表示された時間が目に入る

最後に見た時間はお昼ごろ

今はもう、最終下校時刻すら過ぎてしまっていた

夏凜「園子には悪いことしたかも」

天乃「どうして?」

夏凜「さっきまでずっとあんたの傍に居たのよ。ま、これも私の日頃の行いってやつよね」
286 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 20:11:24.35 ID:pNnetdgxo

ふふふっと、夏凜は笑って見せると、

布団の中、握られたままの手を握り返しながら、額に別の手を宛がう

夏凜「少し体温は高いけど大丈夫ね」

天乃「……心配させちゃったわね……」

夏凜「別に心配なんざしてないわよ。むしろ、もうすぐ産まれる兆候なんだから喜ぶべきでしょ」

天乃「でも」

夏凜「そりゃ、苦しむあんたにとっては複雑かもしれないけどね」

母親というものは、そういうものだ

子供を産むということは、そういうことだ

一つ、二つ

小さいとはいえど、命を育むのだから

容易なことではないのは至極当然だと言えるだろうし

その苦しさがあるからこそ、母親はそれがどれだけの責任を負うことであるのかを実感する

夏凜「……けど、産むあんたと産まない私では感じ方も違うのよね」

夏凜は男ではなく、女だけれども

当事者ではないという差があるのは性別に関係なく同じだと言う

夏凜「無責任なこと言ったかも」

天乃「ううん、産まれてくるんだもの……その点を喜ばしく思うのは私も同じよ」
287 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 20:30:08.10 ID:pNnetdgxo

ただ、そこに不安があるだけで

痛みと苦しみへの恐怖があるだけで。

夏凜「だからこそ、出来る限り傍に居る必要があるのかもね」

天乃「うん」

夏凜「…………」

精神的な支えになるという目的もそうだけれど、

傍に寄り添い、その苦しみと痛みを追い続ける伴侶の姿をその目で見て、感じて

どれだけの責任が伴うことなのかを、客観的にでも感じるべきだから。と、夏凜は心の中で呟く

それができなければ、それをしなければ、伴侶という言葉は欠けてしまうことだろう

夏凜「看護師が常駐してくれるって話は聞いて……ないか」

天乃「そうなのね……みんなもいるのに」

夏凜「いるにはいるけど素人だから仕方がないんじゃない? あんたの場合は特殊だしね」

天乃「えっちなこと、出来なくなっちゃうわね」

夏凜「元々できないでしょ」

陣痛が始まったならなおのこと。

天乃に必要なことだと言っても、

それが結局天乃を苦しめるのだというのなら、無意味だ

夏凜「全部ちゃんと終わってから。存分にやれば良いんじゃないの?」

天乃「赤ちゃんがいるのに?」

夏凜「声出さないでやるしかないわね」
288 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 21:04:50.47 ID:pNnetdgxo

夏凜「今度、練習する?」

天乃「何言ってるのよ……えっち」

笑う夏凜の表情が冗談だと語る

だから、天乃も冗談めかして言い返す

笑って見せてはいるけれど、

きっと、疲れを感じる笑みになってしまっている

だけど、夏凜は何も言わない

そんな笑顔をするなとは言わない

疲れてはいるけれど、無理をしてはいないからだろう

それを感じ取ってくれる夏凜は

やっぱり、傍に居てくれるだけで安心する

天乃「……明日も、明後日も。学校は休みなのよね?」

夏凜「そ。だから全員ここにいるわよ。まぁ、何人か出かけることはあるかもしれないけど」

全員で払うなんてことは、

奉火祭が行われない限りしないと断言する



1、じゃぁ……隣にいて
2、ありがと
3、奉火祭、合わせて行ってくるなんてことは、ないわよね……
4、土日が終わったら、学校行くの?


↓2
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 21:06:14.26 ID:Cdyak6oCO
1
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 21:08:17.37 ID:cQTjp7Ed0
1
291 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 21:42:54.15 ID:pNnetdgxo

天乃「じゃぁ……隣にいて」

布団の中の手を引く

意図せず懇願の瞳になってしまう自分の心に感じる羞恥を隠すように、布団が口元にまで登る

寝る前、絵本を求める子供のように

嫌な気になどならない

面倒だとも思わない

ただ、どうしようもなく緩んでしまう頬が心を自覚させる

夏凜「ったく……」

呆れた物言いも無駄

冗談なんて、添えたところで皿の上から零れ落ちていく

胸が躍る、想いが口をつく

飲み込むことなどさせるものかと舌がうるさい

夏凜「あんたはもう、ほんと」

天乃「っ」

夏凜「狡い女だわ」

あざとい

その言葉を言いたくはなるけれど、伝わりはしないだろう

本当に純粋な心でそういう言動をしてみせるのだから、やってられない

普段は大人びた言動を見せてくるのに。

夏凜「そんな顔で言われて……断れるかっての」
292 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 22:05:49.82 ID:pNnetdgxo

夏凜「あんたが満足するまで、ずっとそばにいるわ」

天乃「……わがままで、悪いわね」

夏凜「気にすんな。持ちつ持たれつ。そういうもんでしょ」

一生を尽くすと決めたのだから

一生支えてあげようと決めたのだから

我儘の百や二百、なんてことはない

夏凜「元気になってから、恩返しして貰えればそれで充分」

見返りがないのもあれだからと。

言わずとも返されるであろう恩を求めて苦笑する

夏凜「そもそも、今のあんたを放っておくなんて無理な話だし」

天乃「ありがと」

夏凜「ん」

本当はこっちこそありがとう。というべきだ

けれど、それを言うのは恥ずかしくて

きっと、それは必要ないと言われるから、

心のうちに、とどめておく

それは、すべてが円満に解決してから言えばいい

夏凜はその意を示すように、笑みを浮かべて頷いた
293 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 22:08:10.74 ID:pNnetdgxo

√ 12月5日目 夜(病院) ※金曜日


01〜10 
11〜20  東郷
21〜30 
31〜40 
41〜50  九尾
51〜60 
61〜70 
71〜80 
81〜90  容赦のない苦痛が天乃を襲う
91〜00 

↓1のコンマ
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 22:09:15.72 ID:Cdyak6oCO
あ
295 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/24(月) 22:17:16.08 ID:pNnetdgxo

ではここまでとさせていただきます
今週は平日に行うのが難しいと思いますが、
できれば21時ころから少しだけ



天乃「ところで、端末の待ち受け変えたほうが良いと思うの」

夏凜「気にいってるんだからいいでしょなんだって」

天乃「私が恥ずかしいのっ大体寝顔なんていつ撮ったのよ」

夏凜「いつだって撮れるわよ。あんた無防備だし」

夏凜「それに……子供が産まれたら変える予定なのよ。それまでなら良いでしょ?」

天乃「っ……夏凜の方が、狡い」フイッ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 22:25:44.62 ID:Cdyak6oCO
乙
久々の夏凜ちゃんとのイチャイチャ
なんかうまく表現できないけど夏凜ちゃんの時だけ次元が違う尊さを感じる…
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/25(火) 08:01:32.34 ID:EzXIv1LpO
乙
夏凜もすっかり大人っぽくなったなぁ
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/25(火) 13:02:53.40 ID:38A/ZZ4nO
夏凜も色々あったからな…添い寝したら血反吐吐かれて血塗れになったりとか
夏凜だけじゃなくみんながすごく成長してるから安心感ある

なお難易度も上がってる模様
299 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/26(水) 20:10:05.35 ID:PkLSHO2Ho

では、少しだけ
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 20:31:05.82 ID:vm5K1zxiO
きてたー
301 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/26(水) 20:31:32.08 ID:PkLSHO2Ho

√ 12月5日目 夜(病院) ※金曜日


天乃「12月に入ってから、もう一週間経つのよね」

夏凜「急にどうしたのよ。鬱?」

天乃「違う」

夏凜「なら……来年の話?」

天乃「同じクラスになれるかしら」

夏凜「それはそれで、ちょっと面白そうではある」

何を言ってるのかと言わずに、話に乗って笑う

公欠扱いにされているし、

特例ということもあって、天乃が卒業できないなんてことは

天乃自身がそれを申し出ない限りおこらないことだろう

夏凜「確か、進路希望調査出してないんでしょ。あんた」

天乃「進路も何も生きるか死ぬかの状況だし、生きたい。としか書けそうにないもの」

夏凜「大丈夫よ。あんたは大丈夫」

夏凜はそういうと、

天乃が求めたわけでもなく天乃の手を優しく握る

二人で入る布団の中、

少しだけ、強い熱が加わった
302 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/26(水) 20:47:37.45 ID:PkLSHO2Ho

夏凜「何があっても、私たちがあんたを守る」

天乃「……だからって、無理はして欲しくないわ」

夏凜「死ぬほどの無理はさすがにしないわよ。それじゃ、本末転倒だしね」

そこまでしないといけないようなことがあるかもしれない

けれど、出来得る限りではなく絶対にそんなことはしない

それでは意味がない、守りたいものを守れないし叶えたいことを叶えられないからだ

夏凜「失って悲しい明日を迎えるくらいなら、みんなで傷ついたとしても笑える明日を手に入れる。それが、私たちの在り方よ」

天乃「……なせば大抵なんとかなるじゃないのね」

夏凜「それもあるわよ。というか、それ前提みたいなところがあるわ」

なせば大抵なんとかなるだろう

だから、魂を燃やし尽くしてしまうようなことにまで手を出すのは控える

たとえそれで、みんなで傷を負うことになるのだとしても。

一人の命が、たった数人のけがで賄えるのなら、十分だろう

夏凜「……生きたい。ただ生きたいんじゃなく、一緒に生きたい」

天乃「夏凜……」

夏凜「あんたがそう思うように、みんなだってそう思ってる」

できるのなら、勇者のお役目をしっかりと終えて

ただの一人の少女として、人間として

寄り添いたい人とともに、老いていきたいと思う

夏凜「だから、大丈夫」
303 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/26(水) 21:04:33.34 ID:PkLSHO2Ho

天乃が不安に思うようなことはない

言い聞かせるように言葉を紡いだ夏凜だったが、

だからと言って、天乃の不安のすべてが拭えるわけではないと分かっているからだろう

苦笑するように笑って、体を起こす

かかっていた布団がズレて、滑り込んでくる冷気に天乃の眉が少し動く

夏凜「大体、私たち全員がお預け食らってるってこと忘れてるわけじゃないでしょ?」

天乃「夏凜だけじゃなく、みんなが?」

多少なりと夏凜もしてくれているとはいえ、

エッチなことを我慢している夏凜が対象であれば、

そうなのだろうとすぐに口にできるが、

みんながお預け食らっているといわれて、逡巡する

けれど、考えてみれば出産が近づいてきたこともあって

みんなもそこまでやれていない

友奈なんて特に触れ合う機会が増えたのに

そういうことは、していない


1、デートのこと?
2、エッチなこと?
3、赤ちゃんのこと?
4、かめやに行くこと?
5、1〜4のどれでもない

↓2
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 21:05:20.32 ID:vm5K1zxiO
1
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 21:05:30.43 ID:At0L/Uz+O
2
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 21:06:05.57 ID:QWW2sjrc0
2
307 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/26(水) 21:38:52.14 ID:PkLSHO2Ho

天乃「……エッチなこと?」

夏凜「否定しにくいけど、今回は違う」

確かに、それでお預けを食らっていることは否定しきれることではないので

完全に間違っているというわけではないのだが、

しかし、ここでは違うと夏凜は首を振る

夏凜「結婚式とか、盛大に楽しむことよ」

全部ちゃんと終わらせて、

みんなで、盛大にお祝いをするのだ

一生に一度、そして、女の子ならばきっと夢見る結婚式なんかは、一番だろう

人によっては別にそこまでではないというかもしれない

けれど、様々な苦難を乗り越えてきた勇者部にとっては、

できて当たり前の文化祭を欠けたまま終えることになってしまった勇者部は

日常の積み重ねである人生の中で一際華々しく映える分岐点だけは絶対にしっかりと行いたいと願っている

夏凜「ま、その前のご挨拶とかね。してない人もいるし」

天乃「……あいさつ回りくらいは、終わらせるべきだとは思ってたけど」

夏凜「夏休み前から激化したんだし仕方がないでしょ。だから」

最後に全員でめいいっぱい楽しめたのはいつだったろうか

夏休みの花火大会、文化祭の一日目……思えばまだ、数えるほどだ

夏凜「でも、エロいこともといえば、エロいこともよね……」

天乃「?」

言葉半ばに耳元へと夏凜は近づく

夏凜「まだ、私達は初めてだし」

天乃「っ!」

夏凜「……ね?」

最初こそ否定したけれど、

夏凜も溜まっていることは溜まっているのだとわかる、一言だった
308 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/26(水) 21:53:01.34 ID:PkLSHO2Ho

天乃「初めてって言われても」

夏凜「なによ怖気づいた?」

天乃「そんなことないわ。ただ……私、夏凜と違って煮干し生えてないから」

夏凜「生えとらんわ!」

天乃「煮干しの食べ過ぎで生えてきたんじゃないの?」

夏凜「んなわけあるかっ」

天乃「私の剣舞見せてやるわとか言って襲うつもりなんでしょ?」

夏凜「健全な意味でなら、いつかのリベンジとして考えてる」

天乃の言葉を拾って、夏凜は優しく笑う

まだ、天乃には勝てていない

ここまで衰えてしまった天乃だけれど

もしも叶うのであれば、

また動けるようになった天乃と

ちゃんとした一騎打ちをしてみたい。そう、夏凜は思う

天乃「……それはいつか。ね」

結婚式を挙げるよりも、エッチなことをするよりも

それはずっと難しいことかもしれない

けれど、そう。いつかできるようになれた時は、と

天乃は頷く

天乃「でも……実際、どうやったらみんなを初めてではなくできるのかしら」

一つ、とても平和的な悩みができた瞬間だった
309 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/26(水) 21:54:19.96 ID:PkLSHO2Ho

√ 12月6日目 朝(病院) ※土曜日


01〜10 
11〜20  千景
21〜30 
31〜40  陣痛
41〜50  風
51〜60 
61〜70  陣痛
71〜80 
81〜90  東郷
91〜00 

↓1のコンマ
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 22:01:52.04 ID:vm5K1zxiO
あ
311 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/26(水) 22:22:48.91 ID:PkLSHO2Ho

ではここまでとさせていただきます
明日は恐らくお休みになるかと思います


東郷「私の出番、ですね」

東郷「さて、同性同士での行い方ですが、様々な方法がありまして」

東郷「やはり道具を使うのが一般的だと思われますが、そんなことはありません」

東郷「やり方次第では久遠先輩の可愛らしいお手てですることもできるのよ」

東郷「そもそも、久遠先輩は意外と手が小さいので簡単です。そう簡単なんです」


風(早口すぎて何言ってるのか聞き取れなかったから何も言ってないってことでいいや)

樹「お姉ちゃん、それはダメだよ」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 22:27:22.39 ID:iyMxGbMPO
乙
知識いっぱい東郷さん
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 22:33:12.54 ID:vm5K1zxiO
乙
平常運転のとーごーせんせーはともかく
夏凜ちゃんだと多少ムラムラしてることが分かると何故か安心する
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/28(金) 02:21:04.67 ID:DYGnaGsgO
とーごーせんせーのネタがあるが、ぽわわはやってくれるんだろうか
久遠さんのぽわわとか絶対エ□い
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/28(金) 08:22:00.51 ID:C1O9h9yfO
ぽわわって勇者部所属で牛鬼とぼた餅作ってるときのやつだっけ?
久遠さんは味覚無いから…
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/28(金) 23:15:04.20 ID:ksca3MJUO
珍しく連続休載か
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/29(土) 02:19:27.30 ID:lnP5B8rQO
しばらく平日無理って言ってましたし
まあ年末忙しいからな
318 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/29(土) 22:05:20.87 ID:EZsfBCDeo

では、少しだけ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/29(土) 22:12:27.93 ID:cTCc8k0MO
待ちわびたぞ
320 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/29(土) 22:47:31.62 ID:EZsfBCDeo

√ 12月6日目 朝(病院) ※土曜日


夏凜「んっ……っ……ふぅ……」

いつもと違う、温かい目覚め

すぐ横に目を向けると、愛おしい恋人が穏やかに眠っている

規則正しい生活の夏凜のしっかりと醒めた瞳に映る天乃の姿

夏凜「……ったく」

思わず、ほころぶ。

体だけでなく、心が温まる

このために頑張っているのだと

このために頑張ってきたのだと

夏凜「そういうのでいいのよ。そういうので」

起こさないようにと、優しく指で頬をつく

天乃「ん……」

夏凜「良い夢見てる?」

もう少し見てていいわよ

そうつぶやいて、夏凜は笑みを浮かべる

夏凜「私も、もう少し見てたいから」
321 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/29(土) 23:17:49.06 ID:EZsfBCDeo

夏凜「さて」

昨日の夜に天乃が言っていたように、

12g津に入ってから一週間がたとうとしている

奉火祭を行うことは確実なのに、

いつ実行するのか。それを推測させる程度で断定させない辺り、

用意周到過ぎると夏凜は眉を顰める

もう知られてしまっているとはいえ、

時折沙織が潜り込んでいるというのに、正確な時間が特定できない

防人ならわかるのかもしれないが……残念ながら連絡は取れない

夏凜「まぁ、今日か明日か」

もしくは明後日か

その警戒のために、全員で傍に居てあげることはできない

天乃「ん……凜……?」

夏凜「おはよ」

天乃「ぁ……」

夏凜「そのままでいい。そのままにしておいて」

寝ている間もずっと握り合っていた手

離そうとする天乃を止めて、握る

まだ布団から出ていく気はない

傍に居たいのは、夏凜も一緒なのだ
322 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/30(日) 00:19:03.11 ID:526W/OKxo

天乃「ずっと握っちゃってたのね」

夏凜「傍に居てって、言うほどだったしね」

天乃「……いちいち言わないの」

抗議をしているのに、きゅっと握る

顔を逸らしているのに、表情が分かる

夏凜「ふっ」

天乃「なに?」

夏凜「いや……」

振り向いて顔を見せてくれた天乃のちょっぴり膨らんだ表情に、笑みを向ける

ほんのりと、紅い

その赤さが自分の想像した顔つきが的中していたことを示してくれる

夏凜「くくっ……あんたって、ほんと」

攻められるのに弱いわよね。

そう、口にはしない

ちょっぴり怒った顔を見られるのは可愛らしいから好きだけれど。

からかいすぎても、あれだから

天乃「?」


1、何よ。はっきりして
2、それで、今日はどうするの?
3、このままだと……いいのにね
4、夏凜は別に一緒じゃなくてもいいんだ
5、イベント判定

↓2
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 00:22:56.00 ID:26+9WDWqO
3
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 00:24:13.61 ID:JJO1xwnD0
3
325 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/30(日) 00:36:24.48 ID:526W/OKxo

では、ここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から


東郷「夏凜ちゃんってホント久遠先輩好きよね」

夏凜「まぁ……」

東郷(単純な好きってものでもない感じだけれど)

夏凜「あいつが嬉しそうだと、こっちまで嬉しいのが、良いのよね」

東郷「ふふっ……そうね」

東郷(満面の笑み浮かべるんだもの。相当ね)
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 00:42:58.63 ID:26+9WDWqO
乙
夏凜ちゃんの久遠さん思いに流石の東郷さんも下心無しで思わずニッコリ
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 01:31:33.38 ID:PfJhyqJzO
乙
出産の時が近づいている……
328 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/30(日) 20:28:42.72 ID:526W/OKxo

おそくなりましたが、少しだけ
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 20:46:17.68 ID:gl4DOoNQO
きてたか
330 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/30(日) 21:51:13.61 ID:526W/OKxo

天乃「このままだと……いいのにね」

夏凜「そうねぇ……ま、多かれ少なかれ変わることはあるだろうけど」

今の平和な環境は必ず壊れる

神樹様の寿命が限界で

その恩恵が受けられなくなってしまう以上、

今まで通りというのは難しい

けれど、夏凜は天乃を見つめて微笑む

夏凜「私達は、いつも通りでいられるといいわよね」

天乃がいて、夏凜がいて、友奈がいて、

風がいて、樹がいて、東郷がいて、園子がいて、沙織がいて、

九尾達精霊がいて……

夏凜「まぁきっと、全部終わったら私たちは勇者じゃなくなると思うけどね」

天乃「そうね……そうでしょうね」

夏凜「そうしたら。いや、そうなったら、天乃も勇者としての資質無くなってくれると嬉しい」

天乃「私の力は久遠家由来のものだから、消えることはないわ」

だからこそ、重宝される

だからこそ、畏怖される

それが、神をも殺すことのできる物であれば、なおさら

天乃「でも、戦いからは……引退。かな」
331 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/30(日) 22:39:01.74 ID:526W/OKxo

この力は子供たちに引き継がれていく

でも、出来るのならば子供たちが戦う必要のない世界であってほしい

そうなってほしい

それが叶うかどうかは誰にもわからないけれど。

夏凜「そのために、私たちが今頑張ってるのよ」

天乃「えっ?」

夏凜「アンタの顔見てれば、何を考えてるかくらいわかる」

神樹様の寿命の限界を知って

その対策であると知って

それでも、天乃のためにとそれを妨害したのだ

その責任はとると、ちゃんと約束したのだ

夏凜「大丈夫。向こう300年は、こんなことがないようにして見せる」

天乃「300年なんて謙遜せずに、一生って言ってもいいのよ?」

夏凜「一生じゃ、出来て100年でしょ」

天乃「確かに」

夏凜「だから、300年って欲張っておくのよ」

人の一生は100年程度、負える責任も100年程度

だから、300年と欲張ってみる

天乃の分と、自分の分と

そして……この力を振るうはずだった、三ノ輪銀の分だ
332 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/30(日) 23:25:11.65 ID:526W/OKxo

夏凜「でも、正直な話このままでいるっていうのはさすがに嫌よね」

天乃「どうして? 胸が大きくなりたいとか?」

夏凜「んな願望無いわよ別に」

鍛錬するのに邪魔だし、

あったところで大して役には立たない脂肪の塊だから

そうじゃなくて。と、夏凜は天乃の足に触れる

夏凜「一緒に出掛けたいじゃない。何の気兼ねもなくね」

好きなこと、やりたいこと

足が動かないからとかそんなこと考えずに、

自由に楽しむことができるようになりたい

いや、なってほしい

夏凜「こんだけ頑張ったんだから、神樹様も最後にいいことしてほしいって思わない?」

天乃「……うん」

けれど。

それは副産物で良いと天乃は思う

それよりも、みんなに力を貸してほしい

みんなを守ってほしい

そう思ってしまうこともきっと夏凜には伝わっているのだろう

目を向けてみれば、やっぱり笑顔だった
333 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/30(日) 23:38:33.89 ID:526W/OKxo

√ 12月6日目 昼(病院) ※土曜日


01〜10  千景
11〜20 
21〜30 
31〜40  陣痛
41〜50 
51〜60 
61〜70  友奈
71〜80 
81〜90  陣痛
91〜00  風

↓1のコンマ
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 23:48:06.55 ID:zmyKVGzdo
ん
335 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/31(月) 00:02:09.18 ID:FZfFER+To

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「久遠先輩の足が動けば、いろいろできるものね」

友奈「手をつないだり」

樹「プールとか!」

風「キッチンで並んで料理とか」

夏凜「……鍛錬とか」

東郷「貝合わ――」

沙織「それもいいけど、壁ドンされたい。押し倒されたいよね」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 00:30:31.30 ID:p7yaO/zvO
乙
陣痛を避けるのいいぞ!
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 03:47:36.54 ID:h5nFfZ0JO
乙
確かに復活して自由に動ける時間もほしいな…
そう考えるとできれば卒業までじっくり見届けたい
338 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/31(月) 22:36:48.61 ID:FZfFER+To

では、今年も少しだけ
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 22:45:47.17 ID:Uife0/sqO
今年ラスト…!
340 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/31(月) 23:33:57.86 ID:FZfFER+To

√ 12月6日目 昼(病院) ※土曜日


夏凜「大丈夫?」

天乃「ええ、大丈夫」

夏凜の気にかけた声に、笑みを返す

朝は順調、でも昼からは体調を崩す……

陣痛に襲われるなんて言うのはあり得る話

だから、片時も目を外すことは出来そうになかった

天乃「友奈達は? 連絡来てる?」

夏凜「特に変わった様子はないって」

天乃「そう……まだ先の話なのかしら」

夏凜「どうだか。そうだとありがたいんだけど……」

きっとそんなことはないという夏凜に、天乃は軽く頷く

神樹様的にもそんな余裕はないし、

さすがに延期することはないはずだ

だったら……

天乃「気づかれないように裏でやっているってことになるわよね」

例えば、夜中。などに
341 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/31(月) 23:54:53.90 ID:FZfFER+To

巫女である沙織達ですら、その情報を掴めないでいるのなら

ただ夜に準備しているというわけでもないはず

少なくとも、天乃やその関係者の誰一人として関わるようなやり方はしていないだろう

そう考えれば、国土亜耶を奉火祭の対象から省きそうなものだけれど

それはそれで動向を察知されかねないからと

省いていない可能性はある

そのうえで、亜耶とつながりのある防人組との連絡を完全に断たせる

そうすれば、情報が伝わってくることはない

天乃「夏凜的には、今日だと思う?」

夏凜「予想がつかないけど、今月中ってのは確実でしょうね」

そんなあいまいなままで放置はできない

だから、友奈と風と東郷

この三人で出かけているのだ

夏凜「兄貴と連絡が取れたらいいんだけどね」

天乃「瞳さんからも連絡は難しいんだっけ?」

夏凜「そっ。前はできたんだけど対策されちゃったらしいわ」

最も、夏凜の兄である以上、

情報が正しく伝わっているのかどうかは怪しいところではあるのだが
342 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/01/01(火) 00:16:22.39 ID:ADCscLXNo

同じような理由で安芸先生もダメだろうと、天乃は思う

もしかしたら、ずっとかかわり続けているかもしれないが、

東郷たちから聞いた話が事実であるならば、

神樹様の種を奪うことを止めなかったということで、

協力者であるとみなされ、奉火祭からは外されているかもしれない

天乃「……九尾も、さすがに読み切れないらしいし」

夏凜「本当だと思う?」

天乃「協力してくれるって話なんだもの。さすがに嘘はつかないと思うわ」

奉火祭を終えさせてしまえばすんなりいく。のだが、

それでは天乃の望みを叶えられない

それを妥協してしまう九尾ではないはずだ

もちろん、最短で天乃のことだけを考える九尾のことだから

絶対に何もないとは言い切れないのが傷だけれど。

天乃「………」


1、ねぇ、もしも陣痛と奉火祭がかぶったらどうする?
2、ねぇ、夏凜……夏凜も私の力の一部。使えるのよね?
3、常に気を張ってるのって疲れない?
4、神様に呪われるの、本当に怖くないの?


↓2
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 00:19:00.23 ID:L7qRQagUO
2
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 00:20:09.10 ID:r6DhrQ0G0
4
345 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/01/01(火) 00:27:41.08 ID:ADCscLXNo

では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

この章に関してはもうしばらく続きますので、
これからもよろしくお願いします
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 00:45:22.87 ID:L7qRQagUO
乙、そしてあけおめですー
この先もまだまだ色々な要素がありそうで楽しみだな
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 00:52:27.66 ID:gx7TQDUTO
乙
あけおめ、今年は勝負の年になりそうだな
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 00:52:34.46 ID:rNMkCFwj0
乙
今年もよろしくお願いします
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 01:22:55.92 ID:8iH4GEy90
乙
まさか久遠さんで年越しするとは
あけおめ
350 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/01/01(火) 22:06:11.30 ID:ADCscLXNo

すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
できれば明日、通常時間から
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 22:12:50.49 ID:DvbOpZx6O
連絡乙です
352 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/01/02(水) 21:22:42.02 ID:NEHGwuATo

では、少しだけ
461.94 KB Speed:0.3   ↑ VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む

スポンサードリンク


Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2026/05/10 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)