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【モバマス】LiPPS「虹光の花束」
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301 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:33:14.53 ID:r2vXNL6c0
約束の時間、私は指定されたライブハウスへと向かった
奏「こんにちは、811プロの速水奏です」
061P「おお速水さん、急な話だったのによく来てくれました」
「私は城ケ崎美嘉の担当プロデューサー、061Pと申します」
奏「貴方が美嘉の?ふーん...」
この人が美嘉のプロデューサー...
美嘉にあそこまでの激務をさせているからもっとゴーイング娘のプロデューサーの様なタイプかと思っていたけど、意外と丁寧な人ね
奏「それで、私はこれからどうすれば?」
061P「とりあえず,今からバックダンサーと一度『TOKIMEKIエスカレート』を流してもらいます」
奏「分かりました、それじゃ早速行きましょう」
302 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:34:19.66 ID:r2vXNL6c0
とりあえず同じバックダンサーの子達と一通りダンスを流してみた...のだけど
なんなのこの子達?まるでやる気を感じられない!
何故?この子達は美嘉と同じ事務所のアイドル達だったはず
それなら仲間として美嘉の足を引っ張る出来のものは見せられないはずでしょう!?
...考えても仕方ない、別の事務所の子なのに失礼かもしれないけど言わせてもらおう
303 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:35:52.57 ID:r2vXNL6c0
奏「貴方たち...ちょっといい?」
BD1「ん?なぁにゲストさん?」
奏「こういうこと言うのは失礼だと思うけど...貴方たち、やる気あるの?」
BD1「あ?なに?」
BD2「私達の出来が悪いって言うの?」
奏「出来は悪いわ、でも別にそれを責めたいわけじゃないの」
「全力でやってそれなら別にいいわ。でも、貴方たちからライブに対するやる気を全く感じないのよ。そんな状態で本番に望んだら、間違いなく美嘉の足枷になるわよ」
BD1「はぁ?あんた随分生意気じゃない。今勢い乗ってるっつってもまだド新人でしょ?」
奏「新人の目で見てもダメだって分かるほどなのよ、これじゃ美嘉を見に来たファンにもばれるわよ」
BD1「あんた調子乗ってんじゃっ!」
BD3「ちょっと、流石にゲストに手を出しちゃまずいって!」
BD1「チッ...」
304 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:37:21.08 ID:r2vXNL6c0
BD2「...まあでも、やる気はないよねー」
奏「...それは何故かしら?」
BD2「だって、ただのラッキーで人気になってる奴の為に踊るのにやる気なんてあるわけないじゃん」
奏「ラッキー...?」
BD2「だってそうでしょ?あいつは偶々事務所の偉い人に気にいられたから事務所のゴリ押ししてもらってここまで人気盛ってもらえてるんだから」
BD3「まあ確かに、事務所もあいつを売るためにかなーり汚い手を使ったらしいじゃん。つまりあいつの人気は実力でもなんでもないってワケか」
奏「は?」
305 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:37:59.68 ID:r2vXNL6c0
美嘉の実力が、ただのラッキー...?
何を、何を言ってるのこの人達は...
美嘉が、ここまで来るのにどれだけの努力をしてきたかも知らないで
大切なものを守る為に、どんな気持ちでアイドルを続けているかも知らないで
どれだけの苦悩を重ねても、家族の為にに、ファンの為にステージに立つ
そんな城ケ崎美嘉という『アイドル』が、どれだけ輝かしいものかも知らないでっ!
306 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:38:37.78 ID:r2vXNL6c0
奏「哀れね...」
美嘉のライブの前に騒ぎを起こしてはまずい
沸騰している頭の中を、かろうじて理性で抑え込みそう呟いた
307 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:40:20.68 ID:r2vXNL6c0
BD2「なんですって?」
奏「自分たちが売れない理由を全部美嘉に押しつけて、自分に何が足りていないのかを考えようともしない。そんな貴方たちが、哀れだと言ったのよ」
BD1「あんた、言わせておけばぁ!」
BD3「ちょっ!気持ちは分かるけどやめなって!」
BD2「そうよ、あんたのせいで私達までクビになったらどうしてくれんの!」
BD3「そうだよ!あたし達お仕事もらうためにあそこまでしたのに、こんなしょーもない事で終わったら...」
BD1「何よ!そもそも....」
そうして、3人は私そっちのけで喧嘩をし始めた
でも、私の頭の中は既に他の事で一杯になっている
308 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:41:47.44 ID:r2vXNL6c0
BD1「ちょっとあんた1どこ行く気!?」
奏「美嘉に会いに行ってくるわ、貴方たちはそこで勝手に喧嘩しててちょうだい」
BD2「ちょっと!最終調整はどうすんのよ」
奏「私はもう準備できているわ、むしろ自分たちの心配をしなさい」
「このままだと、大勢の前で無様をさらすことになるわよ」
BD2「ちょっとあんた!」
BD3「いいわ、ほっときましょ。確かにあいつのいうことも一理ある」
「今日のライブでもし失敗したら今後お仕事もらえなくなるかもしれない。最低限だけでもやっておこう」
BD2「...チッ」
舌打ちを背に、私は部屋を出た
最低限...ねぇ?
奏「だから貴方たちは、『アイドル』になれないのよ...」
やはりここは、美嘉のいるべき所ではない
美嘉に話をしに行かなくちゃ...
309 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:42:52.33 ID:r2vXNL6c0
奏「でも、美嘉はどこに...『いやっ!何するの!』!?」
今の声...!
あっちは確か控室のある方向...いや、そんなことはどうでもいい!
奏「美嘉!」
今はただ、声の方向へ、美嘉を助けるために走らなければ!
310 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:45:13.90 ID:r2vXNL6c0
控室の扉にたどり着いた私は勢いよく扉を開け放つ
ゴォンと大きい音と一緒に私の目は美嘉と、美嘉に迫る061のプロデューサーを捉えていた
奏「美嘉!...貴方美嘉に何してるの!?」
061P「何って...ただのスキンシップですよ。ねぇ?」
奏「そんな訳!「いいの、奏」」
美嘉「大丈夫、ちょっとびっくりしちゃっただけだから、大丈夫だから...」
奏「美嘉...」
大丈夫だと笑って見せる美嘉の顔は、どう見ても大丈夫には見えない
311 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:46:44.17 ID:r2vXNL6c0
美嘉「それより、もうちょっとで本番始まるし準備しとこ?ファンの皆をがっかりさせたくないし」
061P「そうです、城ケ崎さんのライブが潰れるようなことになればお互い困るでしょう?」
奏「...分かったわ。でも」
そうして美嘉の耳に唇を近づけ、彼女にしか聞こえないように小声で話す
奏「...ライブが終わったら、外で話を聞くから」
美嘉「......」
コクリ、と美嘉は頷く
こんなの、絶対放ってはおけない
同じアイドルとして、そして、美嘉のファンとして!
312 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:47:27.14 ID:r2vXNL6c0
061P「...チッ」
313 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:48:10.59 ID:r2vXNL6c0
その後一応、ライブは滞りなく終了した
お客さんも満足していたし、ほとんどの人から見れば成功であったといえるだろう
....でも、美嘉にとってはそうじゃない
そして、私にとっても
314 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:49:15.40 ID:r2vXNL6c0
だって、美嘉自身がライブを楽しめていなかったから
流石にプロだから、美嘉もファンの前ではいつも通りの元気な姿を見せていた
でも、同じステージ立った私は気づいてしまった
笑顔で踊る美嘉の心が、苦痛に身悶え叫んでいることに
主役であるはずの美嘉が、全く楽しめていない事に
どれだけの人を魅了して、来た人を満足させて帰らせたとしても
会場にそれだけの熱をもたらした本人がライブを楽しめてないなら、絶対に成功だなんて言えない!
315 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:52:22.88 ID:r2vXNL6c0
〜〜〜ライブハウス裏〜〜〜
美嘉「奏...」
奏「おいで、美嘉。まずはお疲れさま」
「そして...聞かせて、本当はあの時何があったの?」
美嘉「...疲れてたから、控室で仮眠を取ってたの。そしたらなんか違和感を感じて、目を覚ましたらプロデューサーが胸、触ってて」
奏「なっ、それってセクハラじゃない!ならどうしてあの時」
美嘉「言えないよ!だって、そしたら奏を巻きこんじゃう...」
奏「私は巻き込まれたってかまわないわよ!...ねぇ、どうしてこの事務所から離れないの?こんな所でひどい仕打ちを受けるくらいならいっそ811プロに来れば」
美嘉「ダメ!...そんなことしたら、事務所が絶対に811プロに報復する!」
奏「報復...ですって?」
美嘉「ウチの事務所、実は裏で仕事を取るためにかなり汚い事をやってるみたいで、邪魔な事務所やアイドルには嫌がらせして仕事が来ないように根回ししたり、引退に追い込まれたアイドルもいて...」
「061プロは手段を選ばない、あたしが移籍したらきっとその事務所が被害を受ける!」
「...ホントはこれを知ったとき、アイドルやめようとも思ったんだけど、その時パパの事故があって...」
奏「やめるにやめられない状況になってしまったって事ね...」
316 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:53:24.98 ID:r2vXNL6c0
美嘉「それに、あたしのことを応援してくれてるファンの事も、裏切りたくない...でも、でも、それが辛いの!」
「最初は、アイドルやるの、すっごく楽しかったのに!お仕事も、ライブも、ちゃんと楽しめてたのに!」
「少なかったファンもだんだん増えてきて、私を応援する声に、すっごく励まされてたのに!」
「今は、その全部が苦しい!あんなに、あんなに楽しかったアイドルが、今は、すごく苦しいっ!!」
317 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:54:35.38 ID:r2vXNL6c0
奏「美嘉...」
美嘉「かな、で...」
泣き崩れる美嘉を、私は抱きしめる
奏「つらかったわね...苦しかったのね...それでも、頑張ってきたのよね...」
「でも、大丈夫。私は、『私達』は、あなたの味方よ」
「嫌がらせなんて苦じゃないわ。きっと、皆で乗り越えられるわ。だから...」
「困りますねぇ、美嘉に余計なことを吹きまれては」
318 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:56:56.47 ID:r2vXNL6c0
奏「ッ貴方は!」
061P「やめてくださいよ、もし美嘉がそんな甘い言葉に絆されて血迷った真似をしたらどうしてくれるんです」
奏「貴方が、貴方たちが美嘉を!」
061P「フン...おい美嘉」
美嘉「!」
061P「分かるよな?友達に手を出されたくなかったら今どうするべきか。まだ仕事は残ってる、こんな所で油を売ってる場合じゃないんだ」
美嘉「...はい」
奏「美嘉!?ダメよ!」
美嘉「いいの、奏ちゃん。やっぱり迷惑はかけたくない」
「でも、ありがとう。奏ちゃんの優しさで、ちょっと元気になれたから」
061P「いい子だ、行くぞ美嘉。速水さんも今日はお疲れさまでした。せいぜいこれからも頑張ってください」
奏「私は...貴方を絶対に許さない、許さないから!!」
061P「...吠えてろ、ヒステリー女」
美嘉「っ...じゃあ、またね。奏....」
そうして、美嘉は行ってしまった
...もう少し待ってて美嘉、私達が絶対そこから助け出すから
莉嘉...貴方との約束、絶対に果たす!
319 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:58:12.71 ID:r2vXNL6c0
=========事務所=========
奏「ただいま」
P「おう、お帰り」
フレデリカ「ライブどうだったー?」
奏「残念ながら失敗ね、主役が楽しめてなかったもの。」
志希「そっかー、そりゃ失敗だね...慰め会する?」
奏「大丈夫よ、それより話しておきたいことがあるわ」
P「奇遇だな」
周子「あたし達の方も色々収穫あったからさ、とりあえず情報交換しよう」
320 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 22:59:01.04 ID:r2vXNL6c0
フレデリカ「じゃあ今日の取材の帰りに買ってきたお菓子開けようよ!甘いもの食べながらのほうがお話しも盛り上がるよきっと♪」
奏「いや、あんまり盛り上げたい話では...」
志希「でもー、奏ちゃん今すっごくイライラしてるでしょ?一旦糖分補給してリラックスしよー?」
奏「それは...そうね、頂こうかしら」
周子「ムグムグ...もう食べてまーす」
奏「いつの間に!?」
P「まあ食べながらでいいから聞いてくれ、まずは...」
321 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 23:00:12.72 ID:r2vXNL6c0
奏「私がCDデビュー!?」
P「ああ!それに伴って2週間後、新曲お披露目ライブをやることになった」
「喜べ!初めてのお前がメインのライブだぞ!」
周子「しかも811プロアイドル初めてのCDデビューだよ」
フレデリカ「すっごーい!流石ウチのエースだね♪」
奏「エースって...でも、ふふっ、ついに私もCDデビューか...胸が高鳴るわね」
322 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 23:01:25.82 ID:r2vXNL6c0
P「それでこのライブな...美嘉をゲストに呼ぼうと思うんだ」
奏「美嘉を?」
P「ああ、今回のライブはお前が抱いたアイドルの夢、その原点である美嘉...彼女と一緒に作り上げたいんだ」
「奏もそうだろう?自分の晴れ姿、美嘉に見てもらいたくないか?」
奏「もちろんそうだけど...でも、今の美嘉をステージに立たせるのは...」
P「...何があったか聞かせてくれ」
323 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 23:02:51.93 ID:r2vXNL6c0
P「アイドルが苦しい...か」
奏「ええ...だから今の美嘉をステージに立たせたら、更に追い詰めることになってしまうと思う」
志希「今まで好きだったものがそうじゃなくなる...辛いよね」
もちろん、欲を言えば美嘉と一緒にライブをしたい
でも、その願いが彼女を傷つけてしまうなら...それはできない
P「...なら、美嘉のほうを先に解決しよう」
周子「そうだね、じゃあ早速明日実行する?早いほうがいいでしょ?」
奏「解決って...そんな簡単に?」
P「いつも言ってるだろ?俺は無茶振りはしても無理は言わないぞ」
周子「それに言ったでしょ?あたし達も収穫があったんだよ。とびきり大きな収穫が♪」
324 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 23:04:20.73 ID:r2vXNL6c0
061P「...というわけでして、これ以上余計なことをされる前に消しておいた方が無難かと」
社長「そうだね...よし、ならちょうどいい方法がある」
061P「というと?」
社長「実は今日、811プロの速水君のCDデビュー記念ライブに城ケ崎君をゲストにとの依頼があってね」
061P「なるほど...そのライブで」
社長「ああ、軽く『事故』を起こしてやればいい。不幸な事故を、あの時のように、ね」
061P「成程!そうしてライブを妨害して信用を失墜させつつ、ギャラはしっかりと頂く...と」
社長「ああ、無理してあれだけの報酬を払って結果は得られず...811プロもこれで終わりだ」
061P「流石です社長!」
325 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 23:05:01.20 ID:r2vXNL6c0
061P「...ところで、さっきからすっごい酒の匂いがしますけど...」
社長「いやなに、実は811プロの奢りで高い酒を飲んでね、気分がいいものだからかなり飲んでしまって」
「向こうのプロデューサーも気が利いてね、酔い覚ましまでもってたものだからいつも以上に酒が進んだよ」
061P「そうなんですか?...残念です、もし欠員が出ていなければ私が商談に向かえたのに」
社長「なぁに、今回の件が片付いたら私が同じ店で奢ってやるさ」
061P「本当ですか!?ならきっちり『仕事』しないといけませんね」
社長「ああ、期待してるよ...」
社長「フフフフフ...アッハハハハハッハ!!!!」
326 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 23:08:01.92 ID:r2vXNL6c0
美嘉「そんな...今の話...!」
奏ちゃんのライブで、事故を起こす?
美嘉「どうしよう...このままじゃ奏が...
「811プロが危ない!!」
to be continued...
327 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 23:16:34.01 ID:r2vXNL6c0
次回予告!
かつてプロ音ゲーマーであった塩見周子だったが、ライバルに仕込まれた毒入り八つ橋により腱鞘炎になり音ゲの道から去っていった
しかし挫折から10年、謎の科学者Dr志希により腕をサイコガンに改造され、全国の強者が集まる音ゲの祭典、『シンデレラの音ゲ会』へと導かれる
一度諦めた夢をもう一度燃え上がらせ、彼女は再び戦場へと降り立った!
周子「じゃ、いっくよー!気分は太鼓の達人で!」
次回!
Chapter7「Reach for the moon」
周子「次回もお楽しみに...ってああ!フルコン逃した!」
なお、本編の内容は一部予告と異なる場合がございます
328 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/27(水) 23:17:41.37 ID:r2vXNL6c0
Chapter6が終わったところで今回はここまで―
次回はまた明日の夜投下予定です
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/28(木) 19:42:54.07 ID:ZE4j3JRF0
次回予告が寒すぎるんですが
本当に面白いって思ってんの?
330 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/28(木) 22:51:38.33 ID:IXQInzaJ0
Chapter7投下していきます
331 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 22:53:18.92 ID:IXQInzaJ0
〜〜〜夜、奏の部屋〜〜〜
奏「そろそろ寝ましょうか...」(トキメキドコマデモー)
「あら?...美嘉からだわ。もしもし?」
美嘉「奏ちゃん、起きてる!?夜遅くゴメン!」
奏「起きてるわよ...それで、一体どうしたの?」
美嘉「大変なの!お願い!」
「今度の奏のライブ、中止して!」
奏「えっ...なんで?」
美嘉「さっき社長とプロデューサーが、奏のライブで事故を起こすって計画してて...」
「ゴメン、あたしのせいだ...あたしのせいで、奏のライブがめちゃくちゃに...」
332 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 22:55:06.26 ID:IXQInzaJ0
奏「落ち着いて美嘉、あなたのせいじゃない」
「それに、折角教えてもらって悪いけど、ライブは中止しないわ」
美嘉「えっ?でもライブをやったら奏、どんな目に合うか分かんないよ!?」
奏「大丈夫よ。美嘉、今日は家に帰れそう?」
美嘉「えっ?うん...明日も早いけど、今夜は久しぶりに帰れそう」
奏「そう、ならちょうどいいわ。莉嘉に伝えておいて」
「私達、ちゃんと貴方との約束を果たすわ。だからお姉ちゃんにに『お帰り』を言う準備をしておいてって」
美嘉「えっ....どういうこと?」
奏「明日になればわかるわ、それじゃあね」
美嘉「えっ、ちょっと!...切れちゃった」
一体なんなの....?
333 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 22:56:48.50 ID:IXQInzaJ0
翌日、今日もあたしは事務所へ向かっていた
最近、どんどん事務所への足取りが重くなっている
まるで、三途の川の向こうへ歩んでいくように....
それでもなんとか事務所へたどり着き、まるで地獄の門をくぐるようにして事務所の扉をくぐる
プロデューサーという名の悪魔の出迎えを受けて、いつも通りの日々が始まる...
そのはずだった
334 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 22:58:53.00 ID:IXQInzaJ0
奏「おはよう、美嘉」
美嘉「えっ!?」
P「俺たちもいるぞ」
周子「おはよー、美嘉ちゃん久しぶり!」
フレデリカ「わーい!本物の美嘉ちゃんだ!握手しよー!ぶんぶん!」
志希「ハスハス...ん〜やっぱいい匂いだね♪相変わらず疲れてるみたいだけど」
美嘉「って周子ちゃん!?それに志希ちゃんとフレちゃん?」
335 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:01:29.60 ID:IXQInzaJ0
志希「あれっ?フレちゃんの事も知ってたんだ。初対面だよねフレちゃん?」
フレデリカ「そうだよー、でも嬉しいな!美嘉ちゃんアタシのこと知っててくれてありがとー!」
美嘉「莉嘉がファンらしくて、『志希ちゃんとフレちゃんすごいんだよ!』ってよく話してたから...」
「...ってそうじゃなくて!なんで061プロにいるの!?」
P「ちょっと大事な商談にね。ちょうどいい、美嘉も着いてきな」
美嘉「えっ、ちょっとどういう」
周子「まあまあ、面白いもん見れるから着いておいでよ」
フレデリカ「お菓子もあるよー!はい!」
ぴょんぴょんとはしゃぎながらフレちゃんは私にカップケーキを押し付けてきた
包装的に市販のじゃないな、手作り?
336 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:05:54.62 ID:IXQInzaJ0
奏「じゃあ役者もそろったし、行きましょうかプロデューサーさん」
P「ああ...」
「悪党どもに、クライマックスを突きつけてやろうぜ!!」
337 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:06:22.59 ID:IXQInzaJ0
Chapter7『Reach for the moon』
338 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:08:03.75 ID:IXQInzaJ0
=====061プロ、社長室=====
社長「それで、話とは一体何だね?」
P「昨日お話しした奏のライブの件で、少し変更点がございまして。それも重要な変更でしたのでご報告にと」
061P「ああ、ウチの美嘉がゲストで出演するというやつですね」
奏のライブ、確かにあたしがゲストで出るとは聞いてる...
でも、あのライブをやったら奏が...!
339 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:09:18.92 ID:IXQInzaJ0
P「実はそこに変更がありまして。あの後社内会議でそのことを報告したところ、折角初めての811プロ主催のライブなのでやはり他社の力を借りずに自分たちの力でライブを成功させたい!と反発がありまして。」
奏「会議の結果、今回他社からのゲストはなしとさせていただくことになったわ」
社長「それでは...美嘉君の出演はなしということに?それは困るねぇ」
061P「ええ、もうその仕事があること前提にスケジュールを組んでしまいましたし、そちらの勝手な都合でということでは...」
P「ええ、存じております。それに、我々としても奏のアイドルとしてのルーツである城ケ崎さんにはやはり出演してもらいたいということで...」
社長「?...つまりどういう事だ?城ケ崎君を起用するのかしないのか、どっちなんだい?」
周子「あー、ちょっとあんた達には難しかったかな?」
社長「何?」
P「出演は811プロからのみ、でも美嘉は起用する。つまり...」
340 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:10:20.78 ID:IXQInzaJ0
P周子奏「美嘉を811プロに引き渡せってこと(だ!)(だよ!)(よ!)」
341 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:11:38.80 ID:IXQInzaJ0
美嘉「えっ!?えっ!?どういうこと!?」
話が急展開過ぎてついていけないんだけど!?
フレデリカ「美嘉ちゃん!お話長くなりそうだからお菓子食べてよっか!」
美嘉「いやそんなばあいj『オランジェーッと!』むぐ...」
...美味しい
っそうじゃなくて!
342 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:13:14.27 ID:IXQInzaJ0
社長「いやいや君ィ...そんなこと出来るわけないだろう」
061P「それにもし本当に移籍させるにしても、今回のライブの件の違約金も含めてしっかり請求しますよ。それこそ貴方たちの様な弱小プロでは払えないような金額をね」
P「はっ、良い感じに頭湧いてんねぇ」
奏「貴方たちに払うお金なんて一銭たりともあるわけないでしょ」
周子「というわけで、違約金も移籍金もぜーんぶタダでもらっていくよ」
社長「はあ!?お伽噺も大概にするんだな!」
343 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:13:41.29 ID:IXQInzaJ0
P「お伽噺かどうかは...これを聞いてからにしてもらおうか」
344 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:14:21.32 ID:IXQInzaJ0
ピピーガガッ...
(061P「...というわけでして、これ以上余計なことをされる前に消しておいた方が無難かと」)
(社長「うむ、そうだね...よし、ならちょうどいい方法がある」)
(社長「実は今日、811プロの速水君のCDデビュー記念ライブに城ケ崎君をゲストにとの依頼があってね」)
(061P「なるほど...そのライブで」)
(社長「ああ、軽く『事故』を起こしてやればいい。不幸な事故を、あの時のように、ね」)
美嘉「えっ!?」
061P&社長「こ、これは!?」
345 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:16:24.59 ID:IXQInzaJ0
これ、昨日あたしが聞いた会話!?
P「おやおやー?随分物騒なお宝が入ってましたねー?」
社長「き、貴様!どうやってこの会話を!?」
P「社長さーん、ダメですよこの業界で隙をみせちゃあ。わるーい美人局に引っかかっちゃいますよ、ね?」
社長「美人局...まさか!?」
周子「おっ気づいた?じゃあネタばらしといきましょか♪」
「どうも、『佐東円』改め、『塩見周子』でーす。アイドル兼事務員やってまーす!」
346 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:20:16.27 ID:IXQInzaJ0
社長「き、貴様は....」
【佐東(周子)「というわけで、あたしを061プロに入れてください!」】※Chapter6
社長「あの時のアイドル志望!?」
P「そう、最初から全部罠だったって事」
周子「抱き着いたときにコートのポケットに盗聴器突っ込ませてもらったよ。どう?スパイしゅーこちゃんの演技」
P「中々良かったぞ。今度女優の仕事持ってきてやるよ」
周子「マジ?やったー♪」
347 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:21:45.31 ID:IXQInzaJ0
奏「じゃあ次いでにもっと面白いもの聞かせてあげましょう。ねぇ、プロデューサーさん?」
社長「何!?」
061プロ「まだあるのか!?」
P「もちろん、こんなんじゃ終わりませんよ、ぽちっとな」
ピピーガガッ...
(P「つまり、美嘉を事務所にとどめるためにそんな手を?」)
(社長「そうだよ〜ヒック城ケ崎君がアイドルを続けざるを得ないように彼女の父親が事故に合うようにプロデューサー君に細工をしてもらってねぇ」)
美嘉「えっ...!?」
061社長P「」
348 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:22:30.07 ID:IXQInzaJ0
事故に合うように細工...?
そんな、じゃあパパの事故は...!
(P「いやー勉強になりますわーそんな手法私じゃ思い付きませんわー」)
(社長「いやーふふふヒックまあ確かに、私ぐらい大物にならないとここまでのことはできないだろうねぇ」)
(社長「君もこの業界で成り上がりたいのなら手段を選んじゃダメだよぉ〜?アイドルは商品なんだから、しっかりと『管理』してやらないとねぇ」)
(P「いやー流石です社長!よっ日本一!」)
(社長「そうだろうそうだろう!よし、もっと酒もってこーい!」)
P「いやーホントに勉強になりますわ〜」
「俺ならそんな惨い手、思い付きもしないし思い付いても絶対実行しねえよ腐れ外道」
349 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:24:13.83 ID:IXQInzaJ0
美嘉「ちょっと社長!今の話は本当なの!?」
061P「いや、その...」
社長「違うんだ、城ケ崎君...これは...」
P「あの時社長さんに飲ませた酔いざまし、実はウチのとあるギフテッドアイドルが作ったものでして、効果は抜群なんですが...効くまでに30分ほどタイムラグがありましてね」
志希「その間、べろんべろんになって聞かれた事なんでも答えちゃう上に、効果が切れて酔いがさめると酩酊状態の時の事は忘れちゃう副作用があるんだー♪」
周子「んでそれを飲んだあんたの会話を、Pさんに電話をかけた後ずっと通話状態にして後ろの席でご飯食べてた円ちゃん、つまりあたしが録音してたってワケ」
350 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:25:39.93 ID:IXQInzaJ0
061P「き、汚いぞ!」
奏「あら、貴方たちが言えた義理ではないでしょう?」
「汚い腹で美嘉を弄んで、汚い手で美嘉の体に触れて、『アイドル』そのものを汚したんだもの。そんな汚れに汚れた貴方たちが、手段を選んでもらえ得ると思って?」
美嘉「...許さない!パパをあんな目に合わせて!警察に突き出して...」
P「待って、残念だけど美嘉のお父さんの事故に関しては時間がたちすぎてるし警察も事故として処理しちまった、有力な証拠は処分されてるだろう」
「それにさっきの自白も、裁判で使えるかどうか怪しい。自白剤に盗聴...違法な手段なで手に入れた証拠だからな」
美嘉「そんな!」
351 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:26:52.77 ID:IXQInzaJ0
P「まあそれでも、これを週刊誌にでも持ってったら確実にこのおっさん共は破滅だろうがな」
社長P「くっ...」
P「それに、俺たちは警察じゃない。ただのプロデューサーとアイドルです。あれこれ騒ぎ立てて美嘉に変な噂がつくのもあまりよろしくない」
「というわけで、商談といきましょうや社長さん」
社長「チッ...要求はなんだ!」
P「さっきから言ってるだろ?まずは美嘉を811プロに移籍させること」
「そして、金輪際ウチの事務所とアイドルに手を出さない事。これが俺が提示する条件です」
社長「チッ...分かった、その要求を呑もう...」
P「賢い判断です。ではこちらの契約書を....」
352 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:27:29.81 ID:IXQInzaJ0
P「はい、では今をもって美嘉は811プロ所属のアイドルになりましたー!」
フレデリカ「わーい!ようこそ811プロへ!とりあえずハグしよー♪ぎゅー!」
志希 「これから一緒に頑張ろうね美嘉ちゃん!ハスハス!」
美嘉「ちょっ、ちょっとフレちゃん志希ちゃん....でも、ありがとう、これから宜しくね!」
061P「もういいだろう!さっさと出ていってくれ!」
「美嘉、お前もだ!もう顔も見たくない!」
美嘉「こっちだって願い下げだよ!もう2度と来ないからね!行こ、みんな!」
353 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:28:59.95 ID:IXQInzaJ0
奏「待って」
354 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:29:53.87 ID:IXQInzaJ0
美嘉「えっ?」
奏「まだ商談は終わってないわよ?」
社長「なっ!そっちの要求はちゃんと飲んだじゃないか!」
周子「そりゃPさんの要求はね」
奏「まだ私たちの要求が残っているわ」
P「いやー、俺はこれくらいで勘弁してやろうと思ったんですけど...まだうちの事務員とエースが納得いってないみたいでね」
周子「それと美嘉ちゃんの要求もね」
美嘉「えっ、あたしも?」
奏「散々苦しめられたんだもの、今くらいハメ外しちゃってもいいんじゃない?」
061P「なっ、何を要求する気だ...?」
355 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:30:45.20 ID:IXQInzaJ0
奏「...プロデューサーさん...アイドルの暴力行為は、やっぱりNGよね?」
P「まあ、一発退場だろうな」
周子「でも、それを誰も見てなかったら、それは無かったのと同じだよね?」
....!
まさか!?
356 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:32:35.36 ID:IXQInzaJ0
P「...あー目にゴミが入ったーなにもみえないー!」
志希「あたしも薬品が目に入っちゃったー志希ちゃん失明中ー」
フレデリカ「フレちゃんはバルスを唱えた!....目が、目があああああああああ!!」
P「自爆してるじゃねえか」
美嘉「...そっかー、見えてないならしょうがないね」ゴゴゴゴゴ゙
奏「ええ、見えてないんだものね」ゴゴゴゴゴ゙
周子「あたし演技とはいえこんな奴に抱き着いたのちょっとイライラしててさー。青木さん直伝の男をオトす必殺技、役に立つ時が来たみたいだねぇ」ゴゴゴゴゴ゙
P「あぁ、『アレ』かぁ...あの人アイドルになんてもん教えてんだ....」
奏「もしもの時の護身術って事で前に教えてもらったのよ。それじゃあ...」
社長「や、やめろ....」
061P「来るな!...来ないでえ!」
周子「じゃ、いっくよー!気分は太鼓の達人で!」
357 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:33:25.49 ID:IXQInzaJ0
パチパチチパチドンパチパチカッパチパチパチパチパチィン!!!
フルコンボダドンッ!
358 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:34:58.92 ID:IXQInzaJ0
美嘉の事務所との『商談』を終えて私達は811プロに帰ってきた
新しいアイドル、それもとびきり大物が増えたんだもの、今後の方針を話さなくちゃね?
周子「あースッキリした!」
P「いやほんと、『アレ』は食らってるのが自分じゃなくてもトラウマが刺激される...うっぷ」
奏「あら?何も見ていなかったんでしょ?」
P「...よし!何もなかったな!」
フレデリカ「プロデューサー今記憶消したね」
P「ここはどこ?俺は誰?」
周子「いや消し過ぎでしょ」
志希「じゃあ忘れられた記憶が蘇る志希ちゃん特性ドラッグを投与しよっか、そーれ♪」
P「もごっ....!!!!!辛イィ!!」
志希「どう?刺激で記憶も蘇ってくるでしょ?」
P「いやこれっ、逆に全部ぶっ飛...ビイィィィ!」
359 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:36:05.29 ID:IXQInzaJ0
美嘉「...ぷっ、あははははは!」
奏「あら、美嘉がここまで大笑いしてるのは初めて見るわね」
美嘉「あははは、ゴメンゴメン!ツボに入っちゃってさ!」
奏「いいのよ、寧ろもっと笑ってちょうだい」
「私達はあなたの、その曇りのない笑顔を見たかったのだから.....」
360 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:37:12.10 ID:IXQInzaJ0
周子「でも、美嘉ちゃんはまだスッキリしてないんじゃない?」
美嘉「えっ?」
周子「だって、美嘉ちゃんのお父さんの事故の犯人分かったのに、司法のお咎めなしじゃん?」
美嘉「それは...確かにムカつくけど、でも仕方ないよ。こうやって無事移籍で来ただけでも十分...」
P「いや何言ってんだ?あの事務所をあのまま野放しにするわけないだろ?」
美嘉「えっ?でも使える証拠がないって」
P「俺たちの手元にはな、でもこういうのは専門の人間に任せればいいんだよ」
美嘉「専門の人間?」
361 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:39:37.43 ID:IXQInzaJ0
P「いつもお世話になってるだろ?雑誌にテレビ...マスコミの力だよ。あいつらに流してやれば、あとは勝手に騒ぎ立ててくれるし、世論の影響で警察も再捜査に乗り出してくれるだろうしさ」
「一応知り合いの警察官にもそれとなく話は流しておくから、きっと大丈夫さ」
周子「情報を垂れ流すって事?」
P「そういう事。もう美嘉の移籍が済んだ以上後はもうこっちのもんだよ。すぐにはやらないがな、奏のライブが無事終わるまでは握りっぱなしにしとくよ」
奏「あら、別にすぐ発表しちゃってもいいんじゃないの?」
P「破滅まで追い詰められた人間は何しでかすか分かったもんじゃない、ヤケを起こされてライブを邪魔されたらコトだ」
362 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:41:17.76 ID:IXQInzaJ0
美嘉「でも、契約破っちゃって大丈夫なの?あたしの移籍の代わりに黙ってるって話だったんでしょ?」
P「そんなもん向こうが潰れちまえば関係ないさ。それに俺は美嘉の移籍を要求しただけで、条件を飲んだら黙ってるなんて一言も言ってなーい♪」
周子「うわーずっこいなぁPさん」
P「向こうの社長も言ってただろ?手段を選ぶなってさ。だからこっちだって手段は選ばねえよ」
奏「そうね、あの人達は今まで散々美嘉を、そしてきっと他の事務所のアイドル達に酷いことをしてきたんだもの。しっかり法の裁きを受けてもらわないと」
美嘉「そっか....皆!今回は、本当にありがとう!」
奏「いいのよ...今までよく頑張ったわね、美嘉」
本当にお疲れさま、美嘉.....
363 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:42:22.86 ID:IXQInzaJ0
P「さて、じゃあ早速美嘉にこれからのスケジュールを伝えよう」
美嘉「...あっそうだ!今日もまだ何個か仕事が!」
P「それは俺が仕事先に頭下げてキャンセルさせてもらう。それよりも、今君にとって最も重要な仕事を託そう」
美嘉「えっ?」
P「今日はもう家に帰って、これから一週間ゆっくり休むこと」
「今は身体を休めること、それが一番美嘉にとって必要なことだよ」
フレデリカ「お仕事ならピンチヒッターフレデリカに任せて!だから」
志希「莉嘉ちゃんにただいまって言ってあげて。莉嘉ちゃんが、あたし達のファンが笑ってくれれば、あたし達も嬉しいから」
奏「大丈夫よ、私達ももうあの時から大分アイドルとして成長してるもの。だから今はゆっくり休んで、ね?」
P「さっきタクシー呼んでおいたから、それで帰りな」
美嘉「...分かった、皆、ありがとねっ★」
「でも、休ませてもらった分、奏ちゃんのライブは一緒に最高の物にするから、期待しててね!」
奏「ええ、待ってるわ。」
美嘉「じゃあみんな、またねっ!」
364 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:43:19.55 ID:IXQInzaJ0
=======城ケ崎家===============
こんなに早く家に帰れたの、久しぶりだな
日曜日だし、莉嘉も家にいるかな?だとしたら、ちゃんと言わなきゃね
扉を開けると、どたどたと走る音と、とびきりの笑顔が、あたしを出迎えた
莉嘉「お姉ちゃん!お帰りなさいっ!」
....ただいま!
365 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:43:55.72 ID:IXQInzaJ0
社長「申し訳ございません!次のアイドルは必ず、それにまた『商品』もご用意しますので!どうか、どうかご慈悲を!」
「そんな、待ってください!援助を受けられなければ、私は!(ガチャッ!)」
「あ、ああ、そんな...うわあああああああああああああああ!!!!」
366 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:44:53.76 ID:IXQInzaJ0
城ケ崎美嘉のウワサ
・移籍前より笑顔が増えたらしい
367 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:45:42.14 ID:IXQInzaJ0
========一週間後============
ん〜....いい朝!
一週間きっちりリフレッシュしたし、これからまた頑張らなきゃね!
美嘉「おはよー」
莉嘉「おはよ―お姉ちゃん!今日は811プロに行くんでしょ?」
美嘉「うん!アイドル城ケ崎美嘉、再始動★」
368 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:47:04.78 ID:IXQInzaJ0
莉嘉「...よかった!」
美嘉「えっ?」
莉嘉「前まで仕事行くとき辛そうだったけど、今日はすっごい楽しそうだもん!」
美嘉「...うん!今日からの仕事、すっごい楽しみ!」
莉嘉「あっ、それでね!さっきテレビで志希ちゃんとフレちゃんがDランクに上がったって宣伝してたんだ!」
美嘉「知ってる。昨日LINEで連絡来たよ」
莉嘉「えっ!お姉ちゃん志希ちゃんとフレちゃんのID持ってるの?いいなー!」
美嘉「そりゃあ仕事仲間だから持ってるよ。それより莉嘉、早く朝ご飯食べないとママに怒られるよ」
莉嘉「やばっ!いただきます!」
美嘉「あたしもいただききまーす!」
369 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:48:46.61 ID:IXQInzaJ0
『それでは次のニュースです』
あっ、ニュース始まった!
堅いニュースから今の流行が読み取れることもあるし、こういうのはちゃんとチェックしておかないと
370 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:49:22.96 ID:IXQInzaJ0
『先日電撃移籍したことで話題となった人気アイドル城ケ崎美嘉さんの元所属事務所、061プロダクションが昨日、倒産していたことが発覚しました』
371 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:51:04.74 ID:IXQInzaJ0
美嘉莉嘉「「....えっ!?」」
『倒産についての詳しい理由はまだ判明していませんが、061プロダクションは所属アイドルへのセクハラ、パワハラや他の事務所への嫌がらせなど、数々の違法な営業をしていた疑いがかかっており...』
『また違法行為を先導していたと思われる社長の輪島 塁氏は現在行方がつかめず....』
あたしにとって衝撃的すぎる内容が、テロップとともにテレビの中で静かに歌っていた
372 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:52:18.91 ID:IXQInzaJ0
====811プロ====
美嘉「皆!今朝のニュース見た!?」
そう言って慌てた様子の美嘉が事務所に飛び込んできた
美嘉の慌てように今朝のニュース...間違いなく061プロ倒産のニュースね
奏「見たわ...一体なぜ...」
周子「プロデューサーさんもうばらしちゃったの?奏ちゃんのライブが終わるまで黙っとくんじゃ?」
P「...いや、俺はまだ情報を流してない」
373 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:53:54.63 ID:IXQInzaJ0
奏「プロデューサーさんが流したんじゃないじゃないとすると...一体どういう事?」
P「俺ら以外の誰かが061プロの情報を流したのか、それとも向こうが勝手に自爆したのか...でもそれにしたって気になることはある」
美嘉「気になること?」
P「倒産するのが早すぎる、社長の犯罪行為が発覚して逮捕されたとしても、代理の社長を立てるなりなんなりで資金があるうちは会社自体はなんとか誰かが存続させるはずだ。」
「そもそも、社長は逮捕されたわけでなく行方不明ときたもんだ、それなのにわずか一週間で倒産...どうにも腑に落ちない」
そうか、会社の頭が消えてもそれまで稼いだ資金や人材が一瞬でなくなるわけじゃないものね
言われてみれば、確かに不自然かしら...
374 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:54:35.57 ID:IXQInzaJ0
周子「なるほど...分かるような分からんような...」
奏「でも、美嘉は大丈夫なの?少し前に061プロから移籍したばかりだし、なにか良くない噂をされたりするんじゃ」
フレデリカ「んー、その辺は大丈夫じゃないかな?」
志希「世間は結構美嘉ちゃんに同情的な感想が多いね、『辛い環境でよく耐えた!』とか『手を切って正解!曲がったことを許さない美嘉タンに惚れ直した!』とか『すげぇよミカは...』とか」
P「まあそんな感じで、美嘉に対して不当な貶めはなさげだし、そこは安心していいと思う」
奏「そう、ならいいけど...」
375 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:55:42.45 ID:IXQInzaJ0
周子「でも、考えようによっちゃラッキーじゃない?わざわざこっちが動くことなく勝手につぶれてくれたんだから」
P「まあ....そうだな。これでライブの準備に集中できるしこっちとしては有り難いんだが...一応皆警戒しておいてくれ」
全員「はーい」
周子「じゃあ面倒な話はここまでにして、今日もお仕事頑張るよみんな!」
P「ああ、久々だけど大丈夫か美嘉?」
美嘉「勿論!あたしは今を時めくカリスマアイドルだからね★」
「それに...今なら、皆となら、久々にお仕事楽しめそうだしさ!」
P「そうか...なら良かった」
「よしっ、じゃあ今日も811プロ、営業開始だ!」
376 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:56:32.51 ID:IXQInzaJ0
それから更に一週間後
とうとう、私のCD発売記念ライブの日がやってきた
ステージの裏から客席を覗くと、そこにはもの凄い人の塊が!
奏「すごい...こんなに沢山の人が...!」
P「だろ?ここにいる人間、皆お前の歌を聞きに来たんだ」
周子「大丈夫奏ちゃん?緊張してない?」
377 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:57:45.76 ID:IXQInzaJ0
緊張は...勿論している。自分が主役のライブは初めてだから...
...でも!
奏「大丈夫よ。ファンがこんなに私の為に集まってくれたんだもの、絶対に満足させて帰らせなきゃ!」
美嘉「安心して!後ろにはあたし達が着いてるから★」
志希「あたしも今すっごい興奮してるよ!奏ちゃんの仲間としても、1ファンとしても!」
378 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/28(木) 23:59:01.31 ID:IXQInzaJ0
フレデリカ「じゃあ、ステージに出る前に円陣組もうよ円陣!ファイトー!って♪」
フレデリカが手を伸ばすと、全員がそれに同調するように手を重ねる
P「じゃあ今日の主役の奏さん、なんか気の引き締まるお言葉をどうぞ!」
奏「そうね...皆、今日は初めての811プロ主催ライブよ」
「だから...全力で楽しんで、ファンのみんなも楽しませて、今この世界で一番楽しい世界を作り上げるわよ!」
全員「うんっ!」
奏 「じゃあ行くわよ...811プロー!ファイト―!」
全員「オーーっ!!」
379 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:00:03.93 ID:/4fWADIj0
ああ!今あたし、すっごく楽しい!
それに...すごく嬉しい!
アイドルを嫌いにならくて済んだことが
アイドルは楽しいものなんだって思い出せたことが!
ありがとう、皆!!
奏、あたし全力で『アイドル』を楽しむから!
だから今日は...奏の最高の姿を、隣で見させてね!
380 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:01:22.51 ID:/4fWADIj0
美嘉、見ていて頂戴
あの時、満月のように輝いていた貴方を目指して、その輝く姿に必死に手を伸ばし続けて、ようやくここまで来たわ
だから今日は貴女にも、思わず手を伸ばしたくなる満月の様な私の姿、絶対に見せてあげるから!
381 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:03:33.61 ID:/4fWADIj0
(週刊!今アツいアイドル!今回は、811プロから流星のように現れた超新星!速水 奏さんにお越しいただきました!)
(先日CDデビューを果たしそのお披露目となった記念ライブでも会場のファンを大いに熱狂させたあのアイドルです!)
(また、発売されたCD「Hotel Moonside」はオリコンチャート4位を獲得しました!)
(これはDランクアイドルとしては異例の売り上げであり、この結果を評価されアイドルランクがCに昇格したとのことです!)
周子「やってるねー、この前の奏ちゃんの番組」
書類と格闘していた手を止め、テレビへと目を向ける
382 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:05:16.04 ID:/4fWADIj0
P「ああ、奏も今やメジャーアイドルの仲間入りだ、仕事もどんどん入ってきてる」
Pさんも番組が気になるのか、事務仕事をさぼり始めたあたしを咎めず、自分もテレビを眺め始めた
周子「あれからウチの事務所も怖いくらい上手く行ってるよね〜」
「美嘉ちゃんもあれからどんどん仕事に熱が入ってるし、志希ちゃんとフレちゃんも休養中の美嘉ちゃんの代役で出た仕事が評価されてDランクに昇格したし」
「それにあたしのCDデビューも決まったし、向かうところ敵なしって感じ?」
P「まだまだこれからだよ、Cより上はもうメジャーアイドルの戦場、まだまだとんでもねえ奴等がわんさかいる」
「それにこの業界、唐突に大型新人が現れたりするもんだ、気を引き締めていかないと足元救われるぞ?」
周子「勝って兜の緒を締めよってやつだね!でも、大丈夫だよ。てきとー娘だったあたしでも、みんなと一緒にここまで来れたんだからさ!」
383 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:07:18.06 ID:/4fWADIj0
でも、そう言えば何か忘れてることがあるような...あっ
周子「そういえば...結局061の社長はどこ行ったんだろうね。何か仕掛けてくるかもと警戒してたのも、結局杞憂だったし」
P「...まあ、会社もなくなって警察に追われる身さ、もう何もできることはないだろう」
「そんなことより手を動かすぞ、明日はお前もロケなんだから、時間があるときに書類片付けとかないとな」
周子「はーい...いやぁ事務員とアイドルの二足のわらじは辛いねぇ」
P「その分給料も払ってるだろ?」
周子「まあね、それにこっちはこっちで楽しいよ。裏方がどういう仕事をしてるのかも知れてさ。何事も経験だよねー」
P「そうだな、この経験をしっかりアイドルの仕事に活かしていけよ?」
周子「はーい、しゅーこちゃん頑張りまーす」
P「でもいい加減長いことやって疲れたし、番組終わるまで休憩するか。お茶入れてくるよ」
周子「じゃあ戸棚の一番下の二重底になってるとこにあるお菓子も持ってきてー」
P「分かった...........なんで隠し場所を知ってる」
周子「前に志希ちゃんが匂いで見つけてた」
P「...今度から匂いが漏れないように保管するか........」
384 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:08:51.31 ID:/4fWADIj0
P「...............」
〜〜〜〜ライブの翌日、どこかの喫茶店〜〜〜〜〜〜
早苗「あっ!P君こっちこっち!」
P「どうも片桐さん、お元気そうで何よりです」
385 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:09:46.43 ID:/4fWADIj0
早苗「そっちは...うん、前よりは元気そうね」
「奏ちゃんのライブ見に行ったわよ、なんか上手く言えないけど...すごかった!お姉さん年甲斐もなくはしゃいじゃったわよ」
P「ありがとうございます...で?わざわざ呼び出したんです。話ってそれだけじゃないでしょう?」
早苗「...本題に入るわ」
「061プロの社長、昨日遺体で見つかったわ」
386 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:10:50.34 ID:/4fWADIj0
P「!?」
早苗「部屋から遺書が見つかったわ。会社もなくなり、ネットでも誹謗中傷ばかりで人生に絶望した、とかそんな内容の」
「だから状況的に自殺だとは思うんだけど...ちょっときな臭いことがあってね」
P「きな臭いこと?」
早苗「上のお偉いさんから捜査を早めに切り上げろって圧力があったみたいなの」
「正直私が見ても自殺としか言えない状況だったから捜査が切り上げられても不思議ではないんだけど...少し強引すぎな気がするのよね」
P「確かに...わざわざ圧力をかけるような状況でもありませんよね。遺書があったんならほっといても自殺で処理されるだろうに」
387 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:11:51.38 ID:/4fWADIj0
早苗「まあ、君が追ってるものとは関係ないかもしれないけど。一応伝えとくわ」
P「...いえ、ありがとうございます。お礼に一杯奢りますよ」
早苗「ほんと!?じゃあそこのお兄さん!とりあえず生中10本!」>カシコマリー!
P「ちょ、ちょっと!一杯って言ったでしょ!」
早苗「うん、だからいっぱい頼んだんじゃない」
P「そういう意味じゃねえよ!」
早苗「なによ、あたしの酒が飲めないっての?」
P「飲むって、俺明日も仕事...てかなんでまだ飲んでないのに出来上がった感じになってるんですか!?」
早苗「P君を待ってる間にに2杯飲んだからね!」
P「あんたこんな大事な話の前に飲んだんすか...」
388 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:12:37.12 ID:/4fWADIj0
P「まあ、言わないほうがいいのは確かだよな...」ボソッ
周子「ん?なんか言ったPさん?」
P「いや、何でもない。しょうがねえからあの秘蔵の饅頭も持ってきてやるよ...後でコッソリ食べようと思ってたのに...」
周子「やった♪」
to be continued...
389 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 00:19:44.51 ID:/4fWADIj0
次回予告!
Pとの取引によりついに事務所に自分のラボを用意してもらった志希
志希「事務所の空き部屋を一つ、実験室として貰ったんだー!」
周子「もしかして最近2階から時々異臭がするのって...」
新しいラボを手に入れてテンションが上がった志希は早速Pをモルモットとして実験を開始することに
特に意味のない投薬がPを襲う!
次回!
Chapter8 「Know Maiden,The Bigocean」
志希「次回もお楽しみに!」
Pだったもの「オダノジミニ...」
390 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/29(金) 00:23:40.93 ID:/4fWADIj0
Chapter7終了したとこで今回はここまで―、今気づいたけど元ネタは『意味のない』じゃなくて『理由のない』でした...やっちまった...
これで物語の3分の1、第一部が終わりました
このペースならこのスレの間に完結...できるでしょうか?(不安)
次回はまた明日の夜、そして少し時間をおいてChapter6,7の補足及びあらすじを投下します
391 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/29(金) 01:07:54.19 ID:/4fWADIj0
Chapter6と7のあらすじ及び解説(読まなくても問題はないです)
・Chapter6 「Please help my sister!!」
レッスンを抜け出し失踪した志希は美嘉の妹である少女、莉嘉と遭遇
面白そうな気配を感じ取った志希は、奏の仕事を見に行く次いでに莉嘉をスタジオまで案内することに
一方奏は共演している美嘉から何か妙な違和感を感じていた
そして撮影が終わった後、合流した奏と志希、そして志希を追ってきたPは莉嘉からその違和感の正体、美嘉が事務所に酷使され続けていること聞かされる
そして莉嘉の姉を助けてと欲しいという願いを叶えることを811プロは決意するのだった
しかし美嘉は811プロを潰そうと自分の事務所が暗躍していることを知ってしまい....?
サブタイの意味は 莉嘉「お姉ちゃんを助けて!」とそのまんま
『城ケ崎莉嘉』
おなじみ城ケ崎姉妹の妹の方、かわいい。
このssの世界線ではまだアイドルになっていないが、芸能界で活躍する姉を見て憧れは抱いているようだ
しかし、同時に無理な仕事をし続ける姉を心から心配していた
姉の方は一発変換出来るが莉嘉は何故か変換できないのが困りもの
『佐東 円』
唐突なオリキャラ....ではなく、変装した周子
Pと協力し061プロの社長から情報を抜き取った
・Chapter7『Reach for the moon』
重い足取りで自らが所属する事務所、061プロへ向かう美嘉
しかし入り口で彼女を待っていたのは811プロの面々だった
わけのわからないまま商談があるというPたちに連れられて社長室へ向かう
その商談の内容...それは811プロに美嘉を移籍させること
当然061の社長は要求をつっぱねるが、Pは061プロの悪事の証拠を掴んでいた
なんと、社長に近づいたアイドル候補生佐東 円の正体は周子だったのだ!(知ってた)
裁判の証拠には使えないが社長と061Pを破滅させるには十分であることを悟った社長は、渋々美嘉の移籍を認めた
だが当然061プロをこのままで終わらせておくはずもなく、奏のCD記念ライブが終わり次第情報をリーク...
する予定だったのだが、なぜかその前に061プロが倒産する
さらにPは知り合いの警察官、片桐早苗に061プロの社長が自殺したことを聞かされる
しかしアイドル達に余計なショックを与えてはいけないと、その事実をPは胸の中にしまい込むのだった...
サブタイの意味は『月に手を伸ばす』
『城ケ崎 美嘉』
今回で無事に811プロへの移籍に成功
設定を考えていた初期から先輩アイドルとして出すと決まっていたものの、設立したばっかの事務所で先輩として出すには違和感があったので別事務所から移籍させることになった
『061社長』
美嘉の所属していた事務所、061(ワルイ)プロダクションの社長
なんでこんなあからさまに悪徳企業っぽい名前の事務所にしたのか、まったくもって意味不明である
援助だのなんだの誰かと意味深な通話をしていたが、遺書を残して自殺してしまった
『061P』
美嘉を担当していたプロデューサー、美嘉だけでなく他のアイドルにもセクハラをしていた模様
061プロが倒産してからは行方不明
話が長くて今までの話を忘れてしまった場合には、ちょくちょく残してあるこのあらすじを読んでいただければ大まかな話の流れは思い出せるようになってると思います
392 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/29(金) 01:10:45.81 ID:/4fWADIj0
※補足追加
『片桐 早苗』
みんなご存じ元婦警アイドルのあの人、
このssではまだ警察官で、所属も交通課ではないらしい
Pとは既知の仲のようだが...?
実は準レギュラーだがまともな再登場はまだ先の予定
393 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/29(金) 23:13:16.68 ID:/4fWADIj0
遅くなりましたがChapter8投下していきます
394 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 23:15:00.98 ID:/4fWADIj0
眼前には無数のサイリウム
私を支えてくれてきたファンが作りだした、青く光る川の流れ
そして背中には、ずっと共に歩んできた仲間たち
これまでも、これからも一緒に階段を駆け上がっていく仲間たち
...うん!どう考えても無敵の布陣だよね!
周子「じゃあみんな、いっくよー!」
「『青の一番星』!」
395 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 23:16:41.38 ID:/4fWADIj0
P「それじゃあ、周子のCDデビューとLIVE成功を記念してー!」
全員「かんぱーい!」
フレデリカ「湯のみで乾杯ってなんか新鮮ー」
周子「寿司屋だからねー、回る奴だけど」
P「いいだろ回転寿司、こっちのほうが雰囲気あってさ」
志希「あたしあんま日本にいる期間無かったから、むしろ回転寿司の方が新鮮かなー?」
「ダッドが和食連れてってくれた時も、回らないとこばっかだったし」
396 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 23:20:09.81 ID:/4fWADIj0
奏「でもここに来ると思い出さない?私達の最初のオーディションの事」
周子「そういえば...あの時もく○寿司だったねー。確か美嘉ちゃんに初めてあったもその時だっけ」
美嘉「そうだったねー、あたしのライブバックダンサー決めるオーディションにデビュー前の新人アイドルが合格したって聞いて、気になって見に行ったんだった!」
奏「あの時は、こうして同じ事務所で仕事をするなんて思ってなかったわね」
フレデリカ「じゃあく○寿司が、デュアルフルムーンと美嘉ちゃんの運命の出会い!だね♪」
P「ほんとになぁ...その後落とした名刺がきっかけでフレデリカが、フレデリカの初仕事の最中に志希が」
「そして右往曲折あって美嘉が加入して...まだ半年くらいだけど、短期間で本当によく濃いのが集まったもんだ」
美嘉「あたしの時はすごかったねー。しゅーこちゃんとプロデューサー、まるでスパイみたいだったし」
P「志希が自白剤を作ってくれたから思ってたより簡単に進んだよ。あの時は青木さんのシゴキのあとすぐ徹夜させて悪かったな」
志希「まあその分の報酬はしっかり貰ってるしね。気にしなくていいよ」
美嘉「報酬?」
志希「事務所の空き部屋を一つ、実験室として貰ったんだー!」
周子「もしかして最近2階から時々異臭がするのって...」
志希「さて、なんのことかなー?」
P「あげといてからなんだが、頼むから法を犯すようなことはやめてくれよ...?」
志希「流石にそんなヘマしたりはしないよ。前の自白剤もちゃんと合法な奴だから、一応」
P「ならいいんだが...」
397 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 23:21:20.43 ID:/4fWADIj0
周子「ていうか、ウチの事務所なんであんなに一杯衣装あったん?」
「ステージ衣装っぽいやつの他にも学生服とか警察官とか、もはや衣装って言うよりコスプレっぽいのまで色々あったけど...もしかして、Pさんの趣味?」
P「んな訳ないだろ。昔度々知人がこれ着てみて、次はあれ着てって押し付けられてたんだよ」
「んでプロダクションを立てた時に、もしかしたら役に立つかもって思って事務所に運び込んだんだが...まさか本当に役に立つ時が来るとはな」
美嘉「じゃあ、衣装をくれたその人に感謝しなくちゃね」
P「まぁ、な。ホントにあの人には頭が上がんねぇよ...」
398 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 23:22:32.67 ID:/4fWADIj0
周子「それにしても、この半年くらいで本当にいろんなことがあったよねー」
あたしがPさんにスカウトされてから半年
もう、そんなに経ったんだなぁ
あの時は、変な人に変な話を持ちかけられて、ちょっと面倒だなぁとか思ったもんだけど
(こんな深夜に公園で寝るなんて、どんな不良かと思えば....)
(.....折角可愛く生まれたんだ。どうせなら....)
(ダメだったらダメだったで、スパッとやめてもいいからさ...ちょっと試してみないか?)
もしあの時、Pさんに声をかけられなかったら...
399 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 23:24:58.71 ID:/4fWADIj0
周子「あたし、どうしてたんかなぁ」
美嘉「えっ?」
周子「いや...もしあたしがPさんにスカウトされてなかったら、今頃何してたのかなって」
志希「そういえばあたし、皆がどうやってアイドルになったか知らないなー。興味湧いてきた❤」
美嘉「それ、あたしも気になるな。周子ちゃんがアイドルになった理由」
周子「うーん...あたしはまあ、なり行きかな。実家追い出されてとりあえず東京来て、んでふらふらしてたとこをPさんにスカウトされたんだ」
P「そんでそのまま周子が811プロ初めてのアイドル、且つ初めての従業員になったわけだ」
周子「事務員の仕事のほうもお給料いいし、最悪アイドルとして目が出なくても大丈夫かなーって思ってたけど、まさかCランクまで登ってきちゃうとはねー」
そう、あたしのアイドルランクはちょっと前にCランク...メジャーアイドルの領域に足を踏み入れた
今日のCD記念ライブ打ち上げは、その昇進記念パーティも兼ねてる
400 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/29(金) 23:26:56.67 ID:/4fWADIj0
周子「就職も進学も放り投げて家出ぬくぬくしてたあの時は、こんなの想像できなかったなぁ......人生って何があるか分からないね」
P「ああ...全くだ」
志希「そしてこれからも、まだまだアイドルって未知の世界♪研究のし甲斐があるねフレちゃん?」
フレデリカ「うん、ドクターイチノセとナースミヤモトで、一緒にアイドルの謎を解き明かそうね♪」
志希「うん、あたし達レイジーレイジーで、もっとアイドルの深淵にもぐっちゃおー!」
美嘉「そういえば今度二人はユニット組んでオーディションするんだっけ?」
P「ああ、今度開催される新人アイドル発掘の企画にな」
フレデリカ「そのオーディションに合格すると...なんと!」
志希「有名な作曲家がそのアイドルの為に曲を作ってくれるんだってー!♪」
P「だが報酬も注目も大きい分、倍率も非常に高くなるだろう。これに受かれば楽曲だけじゃなく、そのままランク昇格に直結するからな。参加条件のE,Dランクアイドルほとんどが乗り込んでくるかもしれない」
「これまで以上に青木さんのレッスンがキツくなると思うから覚悟しとけ。...失踪するなよ?」
志希「えー...でもフレちゃんとレイジレイジーの活動するのは楽しいし、今回は大丈夫!」
「それに...下も上も魑魅魍魎渦巻くアイドルがいっぱい集まるこのオーディションには、すっごい興味あるしね」
フレデリカ「アタシも、オーディションでどんな子に会えるのか楽しみ♪色んな子と仲良くなれるといいなー♪」
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