【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】

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367 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/15(日) 20:22:38.90 ID:KaqAwNsVo
√ 2018年 10月08日目 昼:病院


陽乃の介入と歌野の参戦によって、

危機的状況は一気に好転してバーテックスを撃退することが出来た。

しかし、

元から病み上がりだった友奈は暴走する千景の補佐に入って重傷を負い、

知られずに介入した陽乃と歌野もまた症状が悪化することとなってしまった。

不幸はそれでは終わらず――

若葉「……そうか」

地鳴りによる民家の倒壊、

それによる住民には死傷者が出て、勇者達に対する風当たりは余計に強くなっていく。

歌野の巫女として反動を請け負うことを選んだ水都は原因不明の高熱を出して倒れ、

入院を余儀なくされている。

バーテックスは撃退出来たが、

それはただ、撃退出来ただけだった。
368 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/15(日) 22:34:14.17 ID:KaqAwNsVo

若葉「くそっ!」

球子「落ち着けよ」

若葉「これが落ち着いていられるものか!」

球子「熱くなったってどうにもならないだろ」

若葉「だが――」

球子「若葉!」

若葉「っ!」

球子「冷静になってくれ……頼む。な?」

中距離で戦っていた球子も精霊を使用したが、

一番近くで戦っていた若葉は何度も精霊を使用していた。

その影響もあるのだろうが、

千景の暴走、陽乃、友奈、歌野の重傷、

住民の被害と、それによる怒りの声

いくら若葉でも、限度というものがあるのかもしれない。

球子「若葉までどうにかなったら、タマはもう、どうしたらいいのかわからなくなる。不甲斐ないが、タマでは駄目なんだ」

若葉「球子……」

球子「負担をかけてるのは分かってるさ。でも、駄目なんだ。頼むよ」
369 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/15(日) 23:52:23.51 ID:KaqAwNsVo

杏がいない、友奈がいない、陽乃がいない、歌野がいない

千景なんて頼れるわけがない

だというのに若葉までとち狂ったら、もうお手上げである。

次は球子がリーダーにでもされるだろうか。

若葉「……まったく、変わったな。球子は」

球子「嫌でも変わるさ。若葉も付き合えば良かったんだよ……あいつと」

若葉「あいつ……?」

きょとんとした若葉の反応に、球子は分かってるくせに。と、悪態をつく。

危機意識がまるで足りていない。

勇者きっての死にたがり。

千景や友奈以上に命知らずで、なのに力だけはある勇者。

球子「今回だって、わざわざ出てきやがったんだ。杏よりも酷い状態でだ。ふざけてるだろ」

若葉「……だが、出てきてくれたから手が足りた。正直、あのままでは千景か友奈が間違いなく命を落としていた」

言いたくはないが、

友奈が死んでいたら千景の暴走はより酷いことになっていただろうから、

千景が――

球子「若葉」

若葉「ッ」

球子「そうしわくちゃな顔すんなよ。ひなたが見たら大泣きするぞ。私の若葉ちゃんが老けちゃったって」

若葉「ひなたを馬鹿にしてるのか?」

球子「じょ、冗談だからそんな怒るなってっ!」

睨まれ、慌てて取り繕った球子を一瞥して、

球子が残ってくれたことに、感謝しなければならないな。と、若葉は小さく笑った。
370 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/15(日) 23:56:54.00 ID:KaqAwNsVo

01〜10 夕
12〜21 夜
23〜32 翌朝
34〜43 翌昼
45〜54 翌夕
56〜65 翌夜
67〜76 翌々日朝
78〜87 翌々日昼
89〜98 翌々日夕

↓1のコンマ

※ぞろ目 3日
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/16(月) 00:00:01.13 ID:jfc8+F82O
372 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/16(月) 00:00:24.34 ID:UQTniHGro

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/16(月) 00:07:24.21 ID:cfn1r6M2O

うたのんが来てくれたおかげで何とか生還できたけどみんなほとんど死屍累々で状況がもっと深刻に…
あとタマが凄くリーダーっぽく見えるのがちょっと新鮮だな
374 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/17(火) 21:54:56.39 ID:ThbKJ4CcO
では少しだけ
375 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/17(火) 22:17:05.27 ID:ThbKJ4CcO
√ 2018年 10月08日目 夜:病院


聞き覚えのある電子音のようなものが、とても小さくどこかから聞こえてくる

目を開けているはずなのに、全然、まったく何も見えなくて自分の居場所さえうまく掴むことが出来ない。

けれど、また、結局自分は生きているということだけは、分かった。

陽乃「……ぅう゛」

意識がはっきりとしてくるのを待っていたとでも言うかのように、

ずきりと腕が痛み、半身の痺れと、喉の焼けるような感覚といった複数種類の苦痛が混ざり合ったものが襲い掛かってくる。

それに叫ぶほどの余力もなくてただの呻き声が零れると、

冷たいなにかが、額に触れた。

「わ……す……? く……」

何かを言っているというのは分かるけれど、

何を言っているのかまでは分からず、それに何の反応もできずにいると、

痛みだけしか感じなかった右手を、額に触れていた何かが握る。

握られて初めて、それが人の手だと分かって。

陽乃「ぁ……っ……」

見えない分、触って確かめようと思ったのに、

やっぱり、左手はびくともしなくて、断念する。

「……さ……ど……て……」

傍にいる誰かの声らしきものは、聴きとれない。
376 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/17(火) 22:59:10.42 ID:ThbKJ4CcO

記憶にある最後の場面は、もう死んでもおかしくないような状況だった。

そこに歌野が介入してきて、それで、

それでどうなったのかまでを陽乃は見届けることは出来ずに気を失って今に至る。

だが、つながりが断ち切られていないのを考えると、

歌野があの場で息絶えるような結果にはならなかったのだろう。

それでも陽乃の身体が全く回復していないのは、

その余力がなかったか、

回復させたらまた勝手なことすると怒っているか、

別の場所に隔離されているせいでその恩恵を得られていないかのいずれかだ。

歌野の場合、人間を止めてでも回復させようとしてくるため、

余力の有無は関係ないはず。

とすれば、

怒っているか、互いに別々の場所にいるかだ。

陽乃「ぅ……う?」

だとしたら、今そこにいるのは九尾か、それとも――

そう考える頭に、上里ひなたじゃ。と、九尾の声が響いた。
377 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/17(火) 23:12:44.58 ID:ThbKJ4CcO

上手く言葉を発せない上に、耳が聞こえない状況だからか、

九尾は力の繋がりを使って声を響かせてくる。

それに答え、状況を確認する。

勇者側に死者はいなかったものの、

歌野と陽乃、そして友奈が重傷であること。

住民に死傷者が出ており、風当たりが余計に強まっていること。

そして……

陽乃『……本当なの?』

九尾『下らぬ騙りはせぬ』

そして、千景が端末の返却を拒んで病院から抜け出してどこかに行ってしまったことを、聞かされた。

あの家の様子なら、実家に帰ったなんてことはきっとないだろう。

かといって、陽乃のように諏訪へ亡命すると言った行動も今は難しいはずだ。

九尾『伝えただけじゃ。思考を求めたつもりはないぞ』

陽乃『そう言ったって……』

九尾『今は療養しておく方が良い。愚か者め』


1、せめて、目を見えるようにして欲しいわ
2、せめて会話させて欲しいわ
3、せめて耳が聞こえるようにして欲しいわ
4、上里さんとは、話せないのかしら
5、貴女も、余計なことはしないで頂戴ね


↓2
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/17(火) 23:16:49.08 ID:UF6sZGMKO
2
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/17(火) 23:16:56.34 ID:EYD0p7Yo0
4
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/17(火) 23:17:38.63 ID:e7aTRKNN0
2
381 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/17(火) 23:39:29.73 ID:ThbKJ4CcO

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/17(火) 23:44:28.69 ID:UF6sZGMKO

直接の描写がほとんどないのもあってか千景の動向が不穏過ぎるな…
383 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/19(木) 23:31:54.44 ID:zsIVRxVTO
すみませんが本日もお休みとさせていただきます
明日は可能な限り通常時間から
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/19(木) 23:41:10.15 ID:XO8EgAJvO
385 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/05/20(金) 02:44:52.72 ID:HNZtXROE0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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386 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/20(金) 23:58:47.63 ID:ZE45O/gYO
ここ最近平日の休載多すぎない?
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/21(土) 00:07:47.10 ID:Ymunl0YKO
忙しいんだろう
労ってあげなさい
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/21(土) 15:44:25.66 ID:lFZDMbVYo

こっちは追い付いたから今は過去作も楽しませてもらってるわ
しかしこっちは地獄だな…過去作の後書きで書いてたみたいな平和なやりとりが出来る日は来るんだろうか…
389 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/21(土) 23:44:17.89 ID:R/vBtwUPO
遅くなりましたが少しだけ
390 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/21(土) 23:48:49.18 ID:R/vBtwUPO

九尾とは普通に話が出来る。

歌野とも勝手に伝わってしまう関係で、口に出さなくても会話のようなことは可能だ。

まだ試していないから分からないけれど、

宇迦之御魂大神様の影響を肩代わりする繋がりを持ったことで、

水都とも同じようなやり取りは可能になっている可能性がある。

では、ひなたはどうなのだろう。

水都に施した際に影響を受ける程度には繋がりがあって、

九尾の加護を受けている上里ひなた。

九尾『ふむ……』

陽乃『可能なら繋いで頂戴。どうせ、酷く心配しているんでしょう?』

九尾は陽乃を休ませたそうではあるが、

ひなたの状況は陽乃の言う通りのようで、あまりよろしくないらしい。

渋々と言った様子で、九尾とのつながりが分かれていくのを感じる。

ひなた『えっ……それはどういう……』

九尾から何かを言われたのか、ひなたの驚きが聞こえてくる。

ひなた『久遠さんとお話しできるって、そんな……』

今は会話できるような状態じゃないのに。と、

ひなたは心から心配そうに思う。

指の一本も動かなければ、耳もほとんど聞こえないし、目だって見えない。

だから会話なんて出来るはずがないと思っているようだ。

陽乃『私が九尾に頼んだのよ……貴女、うるさいから』
391 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 00:05:36.96 ID:8wCu3oHGO

ひなた『うるさいいって……久遠さんがこんな――』

陽乃『自分の体の使い方なんて、私の勝手でしょう』

ひなた『だったら悲しむのは私の自由です。身を案じるのだって……』

陽乃『ふっ……貴女らしくもない屁理屈ね』

ひなた『笑い事ではありません。本当に、酷い状態だったんですよ?』

歌野の力も万全には程遠かったからだろう。

陽乃の体を完治にまで持っていくには力が足りず、

結果的に大部分のダメージが残った状態で戻ってくることになった。

となれば、病院は大騒ぎだろうし、

それを知ったひなたも、大変だっただろう。

ひなた『ほんの少し前まで手術していて……もしかしたらこのままって、言われていて』

陽乃『私がそう簡単に死ぬわけないじゃない』

ひなた『それでも危険だったって言っているんです』
392 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 00:18:28.53 ID:8wCu3oHGO

回収班を待っている余裕もなく、

若葉と球子が陽乃達を連れて病院に直行し、緊急手術。

それでも難航してついさっき手術が終わったばかり。

そして今は集中治療室に入れられていて、なおも予断を許されないと言われる状態だった。

ひなた『白鳥さん以上に、ボロボロなんですよ……』

陽乃『まぁ、でしょうね』

ひなた『でしょうね。なんて、あんまりですっ』

軽すぎると言いたげなひなたに、陽乃は呆れたように笑う。

もっとも、身体自体は全く動けていないが。

バーテックスにやられたのもあるが、

陽乃はそもそも強力な力を使う分、反動が他の勇者以上に重い。

その為、かなり酷い状況に陥るのは経験済みだった。

言ってしまえば、慣れているのだ。

ひなた『そんなことに慣れないでください』
393 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 00:58:45.42 ID:8wCu3oHGO
やっぱり、うるさいことになっていた。と、

陽乃はため息をつく。

これで普通に話せるようになるまで放置していたら、

その時に大騒ぎされていたに違いない。

陽乃『少しは感謝したらどうなのよ。おかげで貴女の大切な乃木さんが無事だったのよ?』

特別、感謝なんてされたいとは思っていない陽乃だったが、

お小言を貰い続けるくらいなら、

まだ感謝の言葉があった方がマシだと、嫌味のように言う。

けれど、ひなたは「ふざけないでください」と、切り返して。

ひなた『若葉ちゃんも、みんなも……久遠さんも。みんな大切です。若葉ちゃんだけじゃなく、久遠さんだって大切です……』

陽乃『博愛主義者は大変ね』

ひなた『……怒りますよ』

陽乃『もう怒ってるじゃない』

九尾の助力で繋がりを得ている為、

ひなたの感情はひなたの意思に関わらずダイレクトに流れてきている。

それもあって、ひなたが全て本心であることも、

陽乃の発言一つ一つに本気で怒って、

本気で悲しんで、本気で心配しているのだということも

全部、分かっていた。



1、まぁいいじゃない。生きているんだから
2、悪いとは、思ってるわよ
3、救いに犠牲はつきものなのよ
4、あなたと話すんじゃなかったわ

↓1
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 00:59:16.66 ID:EFB1xTYJO
2
395 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 01:03:16.85 ID:8wCu3oHGO

では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 04:51:25.11 ID:iMccSDwjO

まぁ今回の苦戦に関してはあまりに運が悪かったのもあったしなぁ
397 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 16:42:34.53 ID:3j7xlQ9WO
では少しずつ
398 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 17:00:35.22 ID:3j7xlQ9WO
陽乃『悪いとは、思ってるわよ』

本来なら戦闘に参加する予定ではなかった。

参加できるほどの余力はあったが、

歌野が無理にでもついて行くだなんて言っていたし、

陽乃自身、万全ではなかったからだ。

だから――

ひなた『久遠さんだけの責任ではありません……っ』

だから、ひなたは否定した。

陽乃は最初、友奈が大変なことになる。という話を聞いても、

いい薬になるんじゃない? という冷たい態度だった。

それを説得し、向かわせたのは自分だった。

陽乃は見捨てられない人間だと分かっていたし、

言葉がそうだったからと言って、内心も同じであるとは限らない。

陽乃はそんな天邪鬼な人間だったからだ

ひなた『私が、お願いしてしまったから……』

陽乃『はっ』

陽乃は、そんなひなたの悲嘆を一蹴するように笑う。

陽乃『自惚れも大概にしなさいよ。貴女が私を動かせるわけがないじゃない。貴女如きの言葉で、私が意思を変えるわけがないじゃない』
399 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 17:09:38.56 ID:3j7xlQ9WO

陽乃の言い方はとても冷たく突き放すようなものだが、

結局のところ、自己責任だから気にしないで。というものでしかない。

千景や一般の人々が聞けば絶対にそう取ることはあり得ないが、

ひなたや歌野達には表向きの冷徹さはまるで通用しなくなっている。

それでも使い続けるのだから、

むしろ、ほほえましいとさえ思えてくる――なんて感情が、ひなたから流れてくる。

陽乃『あのねぇ……』

ひなた『いえ。ですが、私がお願いしたのも事実です。それが一つの指標となる意見にはなったはずなので』

陽乃がどう思っていても、

止めることなく送り出したのは事実で、

そうして戻ってきた陽乃が危篤だったときの、後悔がひなたにはある。

ひなた『お約束した通り、全身全霊を持って久遠さんのお手伝いをさせてください』

それが罪滅ぼしになるとは限らない。

けれど、少しでも助けになりたいのだと、ひなたは言う。
400 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 17:54:42.40 ID:3j7xlQ9WO

陽乃『貴女、姿は晒しているの?』

ひなた『いえ、九尾さんにお力添え頂いています』

陽乃『そう……』

ひなたは大社から誘拐され、

周囲から身を隠している状況だ。

集中治療室にいる陽乃のことを世話するための看護師がいるだろうから、

下手なことをしたら、第三者の存在を気取られてしまう。

かといって、何もしないでと言っても聞きそうにはないし、

今の陽乃は拒むことのできない身体だ。

なら、せめて注意だけはしておこう。と、陽乃は考えて。

陽乃『なら、せいぜい悟られない程度にしなさい』

ひなた『はい。気を付けます……』

今は千景も逃亡中の為、大社の警戒はかなり厳しくなっている。

些細な違和感も報告義務があると想定すれば、

ひなたのことも露見しかねない。

陽乃『次から次へと……もう……ほんと、厄介なことばかり』

陽乃はそう、悪態をついた。
401 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 18:39:08.86 ID:3j7xlQ9WO
1日のまとめ

・ 土居球子 : 交流無(歌野、裏切られたくない)
・ 伊予島杏 : 交流無()
・ 白鳥歌野 : 交流有(何を?、どうして、人として死ねない、お断りよ、球子、実力)
・ 藤森水都 : 交流無()
・   九尾 : 交流無()

・ 乃木若葉 : 交流有(どういうつもり?、努力しなさい)
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 花本美佳 : 交流無()
・  郡千景 : 交流無()
・上里ひなた : 交流有(何を?、どうして)

√ 2018/10/06 まとめ

 土居球子との絆 82→84(良好) ※特殊交流2
 伊予島杏との絆 96→96(良好) ※特殊交流4
 白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
 藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
   九尾との絆 84→84(良好)

 乃木若葉との絆 80→82(良好)
上里ひなたとの絆 78→79(良好)
 高嶋友奈との絆 64→64(普通)
 花本美佳との絆 37→37(普通)
  郡千景との絆 20→20(険悪)


1日のまとめ

・ 土居球子 : 交流無()
・ 伊予島杏 : 交流有(もっと強く、杏達の巫女)
・ 白鳥歌野 : 交流有(具体的には、名前)
・ 藤森水都 : 交流有(死ぬ覚悟、苦しい)
・   九尾 : 交流無()

・ 乃木若葉 : 交流無()
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 花本美佳 : 交流無()
・  郡千景 : 交流無()
・上里ひなた : 交流有(頑張りなさい、余裕を持ってから)

√ 2018/10/08 まとめ

 土居球子との絆 84→84(良好) ※特殊交流2
 伊予島杏との絆 96→97(良好) ※特殊交流4
 白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
 藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
   九尾との絆 84→84(良好)

 乃木若葉との絆 82→82(良好)
上里ひなたとの絆 79→81(良好)
 高嶋友奈との絆 64→64(普通)
 花本美佳との絆 37→37(普通)
  郡千景との絆 20→20(険悪)



1日のまとめ

・ 土居球子 : 交流有(戦闘)
・ 伊予島杏 : 交流有(戦闘)
・ 白鳥歌野 : 交流有(戦わない、戦闘)
・ 藤森水都 : 交流有(戦闘)
・   九尾 : 交流有(戦闘)

・ 乃木若葉 : 交流有(戦闘)
・ 高嶋友奈 : 交流有(戦闘)
・ 花本美佳 : 交流無()
・  郡千景 : 交流無(戦闘)
・上里ひなた : 交流有(戦わない、郡家、戦闘、会話、悪いとは思ってる)

√ 2018/10/08 まとめ

 土居球子との絆 84→84(良好) ※特殊交流2
 伊予島杏との絆 97→97(良好) ※特殊交流4
 白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
 藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
   九尾との絆 84→84(良好)

 乃木若葉との絆 82→82(良好)
上里ひなたとの絆 81→84(良好)
 高嶋友奈との絆 64→64(普通)
 花本美佳との絆 37→37(普通)
  郡千景との絆 20→20(険悪)
402 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 18:40:52.20 ID:3j7xlQ9WO
√ 2018年 10月09日目 朝:病院

↓1コンマ判定 一桁

0 九尾
4 襲撃
6 ひなた
8 歌野
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 18:41:28.71 ID:oqO5Z2x0O
404 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 19:13:49.43 ID:3j7xlQ9WO
√ 2018年 10月09日目 朝:病院


目は開いているはずだが、やはり何も見えない。

九尾の力で痛みを誤魔化してはいるが、

指一本動かすことが出来ない状況なのは変わらない。

もちろん、それも強制的に動かすことは可能なのだが、

今の身体でそれをやってしまうと、さらに治りが遅くなってしまう。

とはいえ、非常に不便だ。

やっぱり、あんまり無理するべきではない。

陽乃『慣れたつもりでは、あるんだけど……』

ひなたは怒るが、

実際、陽乃はこういった経験が多すぎるため、

慣れるなというのも無理な話だった。

周囲にいるのは、九尾とひなた。

歌野と水都は離れた病室にいるようで、どちらもここに来ることは出来ないだろう。

退屈だ。


1、九尾と交流
2、ひなたと交流
3、休む
4、イベント判定

↓2
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 19:20:45.09 ID:TklT91GT0
4
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 19:20:51.12 ID:oqO5Z2x0O
4
407 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 19:55:48.83 ID:3j7xlQ9WO

↓1のコンマ

01〜10 水都
11〜20 ひなた
21〜30 九尾
31〜40 歌野
41〜50 大社
51〜60 病院
61〜70 ひなた
71〜80 水都
81〜90 歌野
91〜00 大社
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 19:59:22.93 ID:TjuGC67EO
409 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 20:32:58.38 ID:3j7xlQ9WO

ひなた『久遠さん……起きています。よね?』

陽乃『……起こされたわ。何なの』

ひなた『大社の方々が、来られたみたいです』

陽乃『はぁ?』

呆れた声を漏らした陽乃に、ひなたは慌てて「ですが」と続ける。

大社は陽乃に会いに来たようだが、

病院側から、いくら大社の使いの方でも、

今の陽乃には合わせることが出来ないと首を横に振ったらしい。

目が見えない、耳が聞こえない、声が出せない

手も足も何も動かすことが出来ないうえ、ズタボロの身体である。

話が合ったって話ができないからだ。

陽乃『ならそれでいいじゃない。問題がある?』

ひなた『久遠さんの力で従わせているのではないかと。そう考えている人もいるようで』

陽乃『はぁ……』

ひなた『引き下がりはしたものの、まだ帰ったわけではないみたいなんです』
410 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 21:48:36.51 ID:3j7xlQ9WO

病院の関係者を陽乃の力で無理矢理従わせている可能性もあると考え、

強行突破してくる可能性もあるらしい。

そんなことをしてきたら九尾が皆殺しにしてしまいかねない為、

可能であれば止めて貰いたいものなのだが……。

ひなた『どうしますか?』

陽乃『どうって、どうにかできるの?』

ひなた『若葉ちゃん達にお願いする手がありますよ。大社の方々に接触して貰って、それで我慢して貰う。など』

陽乃には会えないが、若葉達には会える。

なんていうのは、たぶん意味がない。

ひなたもそう思っているようだが、

それでも何もないよりはいいと考えているのだろう。

陽乃『いったい私に何の用があるのよ……止めでも刺しに来たのかしら』

ひなた『冗談でもやめてください』

陽乃『じゃぁ、あざ笑いに来たのかもしれないわ』

ひなた『さすがにそこまで酷い人達ではないかと……』


1、放っておいていいわ
2、九尾、ちょっと調査をお願い
3、乃木さん達に任せるわ
4、別にいいわよ。呼んでも。


↓2
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 21:50:09.98 ID:PU1mkbv+O
4
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 21:50:33.86 ID:TklT91GT0
4
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 22:42:02.22 ID:uwXYIS+Xo
操ってるって言う連中相手に瀕死の姿見せてもどうせ信じないんだろうし、徒労感半端ないな
414 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 22:55:08.53 ID:3j7xlQ9WO

陽乃『別にいいわよ。呼んでも』

ひなた『あ、いえ……呼ぶことは出来ないかと』

ひなたはそう言ったが、陽乃は呼ぶことは出来ると否定する。

ひなたには難しいが、九尾なら確実に。

ひなた『呼んで、私と同じようにお話を?』

陽乃『まさか、現実を見せてあげるだけよ。向こうが信じるかどうかはともかくね』

陽乃の状態を、またまやかしだと言うかは向こうの自由だ。

もっとも、そう言った瞬間に九尾が首を絞めあげてしまう可能性もある。

陽乃のことを考えれば、皆殺しするべきではないことくらいは、

九尾も分かってくれている……と、信じたいが。

陽乃『出来るでしょ? 九尾』

九尾『うむ……よかろう。妾が呼んできてやろう』

九尾はそう言って、おそらくは看護師の姿で大社の使いに会いに行き、

特別措置として様子を見せるくらいは出来ると連れてくるのだろう。

少しずつ、気配が離れて行った。
415 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 23:01:33.39 ID:3j7xlQ9WO
↓1コンマ

01〜50 悪
51〜00 良

※ぞろ目特殊
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 23:02:24.76 ID:4/zued4oO
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 23:03:01.73 ID:YyLMCLegO
418 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 23:04:55.37 ID:3j7xlQ9WO

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 23:11:24.22 ID:4/zued4oO

とりあえず悪い展開は回避できそうだな
さすがにこの状況すら信じてもらえなかったらいよいよ救いが無さすぎるし
420 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 22:23:11.83 ID:RNTeniv3O
では少しだけ
421 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 22:30:42.13 ID:RNTeniv3O

九尾の気配が近づいてくると、

耳のほぼ聞こえない陽乃に代わって、ひなたが足音がたくさんします。と教えてくれる。

大社は許可が出ればついてくるだろうけれど、

病院側の関係者はどう騙してきたのだろう。と、

陽乃はちょっとだけ不安に思いながらも、ひなたからの声掛けを待つ。

今の陽乃には、何人来たのかも何を言われたのかも、

何一つわからないからだ。

ひなた『数は10人ほど……ですね』

集中治療室の中にまでは入ってくることはなく、

窓から中を覗くまでが限界だとしてくれているようだった。

ひなた『……当たり前です』

ひなたは、歌野と違ってまだ慣れていないうえ、

完全に九尾に頼っている為、思考も感情も陽乃に駄々洩れになっている。

そのせいか、ひなたの独り言が聞こえた。
422 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 22:54:14.80 ID:RNTeniv3O

ひなた『思っていたよりは……』

陽乃『なんなの?』

ひなた『あ……すみません』

陽乃に対して言ったのではなく、ただ考えただけだったのだろう。

問いかけられて、自分のそれが聞こえてしまったのだとひなたは考えて。

ひなた『思っていたよりは、すんなりと受け入れてくださっているみたいです』

陽乃『まさか』

ひなた『本当ですよ』

ひなたは静かな雰囲気でそう伝えてきたが、

けれど、その内側にはそれが当たり前なのだという、強い感情が感じられる。

今の久遠さんの状況を見て、それでも偽りだと言うなんて許されない。と、思っているらしい。

それだけ、今の陽乃から視覚的に感じられるものは悲惨ということなのだろう。

ひなた『さすがに話を聞くわけにもいかないって、引き下がってくれました』
423 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 23:37:14.45 ID:RNTeniv3O

目も耳もダメな今、

ひなたの言葉を信じるしかないのだが、

陽乃が素直に信じるわけもなく、

本当に? と、疑うと、ひなたは本当です。と、繰り返すように答える。

ひなた『身体布団に隠れている部分を除いても包帯の方が面積多いですし』

白鳥さんよりも多いかもしれません。と、ひなたは言って。

ひなた『それに、久遠さんの傷……治りが悪いみたいなんです』

縫合はしてあるが、傷口が閉じるような兆候が見られず、

出血してしまっている個所もあるため、包帯のいたるところが赤く染まっている。

これでも、少し前に変えたばかりなのだから、相当だ。

ひなた『今の状態を見て、話が聞けるはずだなんて、誰も思いませんよ』

陽乃『九尾の力だって疑われるかもしれないじゃない』

ひなた『仮にそうだとしても、近づきたくはないと思います』

耐性があるか、相応の覚悟がなければ直視できないほどの痛ましさ。
下手に疑って直接調べるだなんて貧乏くじは、誰も引きたがらないのだろう。

陽乃『そう……まぁ、別に良いけど』

ひなたに関してだったり、千景に関してだったり。

厄介ごとが遠ざかってくれるのなら、好都合だ。
424 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 23:39:16.39 ID:RNTeniv3O
√ 2018年 10月09日目 昼:病院

↓1コンマ判定 一桁

1 九尾
4 歌野
6 水都
9 ひなた
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/23(月) 23:40:10.52 ID:TGnTPX5IO
426 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/24(火) 00:06:03.14 ID:4ZTd5RWKO
では本日はここまでとさせていただきま明日も可能であれば通常時間から
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/24(火) 00:13:24.85 ID:HbYWVo1SO

テレパシーでの会話以外は一切何もできない状態は結構辛いな…
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/24(火) 06:46:40.32 ID:FD0UAlIQ0

傷口が塞がらず常に包帯が赤く染まるって失血死しそうやな…
429 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/24(火) 23:26:49.84 ID:VOw9MX6DO
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/24(火) 23:30:13.89 ID:Sdkib9iPO
431 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/25(水) 23:22:13.98 ID:7SRzkQi7O
遅くなりましたが、少しだけ
432 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/25(水) 23:28:15.26 ID:7SRzkQi7O
√ 2018年 10月09日目 昼:病院


陽乃とひなたは、九尾の力で繋がっている為、

近ければ近いほど、その存在を鮮明に知覚することが出来る。

特に、ひなたから陽乃へと伝わるものは際限がない。

考えも、感情も。

何もかもが筒抜けになっている。

だからというわけではないが……

陽乃『貴女、別にここにいなくたっていいのよ』

ひなた『お邪魔、ですか?』

陽乃『貴女は身の回りの世話をと思っているんでしょうけど、出来ることないじゃない』

せいぜいが話し相手で、

ひなたは陽乃の身体を直接弄ったりすることは出来ない。

やろうと思えば出来ることではあるのだが、

それをしてしまうと、視覚的に違和感が出るため、

第三者の存在を察知されて面倒なことになってしまうからだ。
433 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/26(木) 00:13:41.28 ID:YvSRIqQSO

事実ではあるものの、

役に立たない。と言われているようなものの為、

ひなたは残念そうな心の内を陽乃に流れ込ませていく。

ひなたがこの状況に慣れているのであれば、

そこに裏の意図があるのかもしれないと疑いたくもなるが、

不慣れに違いないひなたから惜しみなく漏れ出してくる感情は、本心そのものだ。

だからこそ、陽乃は少しだけ悩む。

ここにいたってどうしようもない。

手持ち無沙汰でさえあるだろう。

ならいっそのこと、若葉の方に行っていたって良いのではないかと、思う。


1、乃木さんのところに行かないの?
2、乃木さんの方に行ったら?
3、暇じゃないの?
4、そんなに残念がるようなことかしら


↓1
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/26(木) 00:15:34.44 ID:yzfH3Q/iO
2
435 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/26(木) 00:20:26.89 ID:YvSRIqQSO

では短いですが、本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/26(木) 00:23:25.27 ID:yzfH3Q/iO

若葉もひなたの居場所を知ってるとはいえたまには直接会った方が精神的に安心するだろうしなぁ
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/26(木) 11:59:03.37 ID:r14gLbya0

安価参加したいんだけど、いつも更新が深夜だから参加できぬ…
438 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/26(木) 23:08:40.31 ID:U2x3cxF/o
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/26(木) 23:10:11.61 ID:NMKi5vzCO
440 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/28(土) 22:59:13.76 ID:soSaP9b2o
遅くなりましたが、少しだけ
441 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/28(土) 23:17:34.03 ID:soSaP9b2o

陽乃『乃木さんのところに行ったら?』

今のひなたには、陽乃に対して出来ることはほとんどないし、

ここにいるよりも若葉のところにいる方が、絶対に安全だ。

何より、

他の勇者に比べれば影響が少ないとはいえ、

若葉にも精霊の影響が出ている以上、

精神的に安定させられるひなたの存在は重要だろう。

陽乃『その方が、あなたと乃木さんのためになるはずよ』

ひなた『ですが、久遠さんの身辺は……』

陽乃『そもそも貴女には何も出来ないでしょって』

ひなた『ですが……』

陽乃『ここにいたって、どうしようもないのよ』

ひなたが気遣ってくれているのは分かる。

九尾がいるにはいるが、

それでも、話相手としては人の方が良い。
442 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/28(土) 23:47:28.55 ID:soSaP9b2o

それに、九尾は必要最低限しか出てくることはなく、

会話に関しても必要最低限しか行わない。

陽乃が呼べば出てくるけれど、その程度だ。

ひなたのように、起きているときに声をかけ、

傍には自分がいるのだと……認識させようとしてくれるようなことはない。

陽乃『貴女、乃木さんは放っておいていいわけ?』

ひなた『よくはありませんが……どちらかというと、今見るべきは久遠さんの方です』

陽乃『出来ることがないのに?』

ひなた『久遠さんを一人にしないことは、出来ます』

人々に命を奪われかけて、生き延びれば蔑まれて、

抗えば人殺しだと言われ、功績はかき消され、

それでもなお、命を賭して戦い続ける陽乃を置いていくなんて。と、

ひなたは思っているらしい。
443 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 00:21:31.26 ID:AU/kkM+Xo
もちろん、若葉のことだって案じてはいる。

けれど、若葉は陽乃とは違ってそれなりの自由が与えられていて、

他の勇者との交流が容易にできるし、

その目で見て、その耳で聞いて、その手で触れることが出来る。

けれど、陽乃にはそれが出来ない。

それに――

陽乃『別に、あなたの責任ではないわ』

ひなた『ぁ……』

左手を怪我していたから。

だから、こんなにも大怪我をすることになってしまったのではないか。

ひなたはそう思い、責任に感じている。

陽乃『左手の怪我なんて、無関係よ』

ひなた『久遠さんのことは、信頼しています。けれど……』

けれど、その言葉を信じたくはないと、ひなたは思う。

陽乃はいつだって、突き放すことばかり。

責任に感じていると知れば、そうではないと突っ撥ねる。

そんな人だから。

――なんて、悩みでさえ、全てが陽乃には筒抜けで。

ひなた『久遠さんは、優しい嘘つきなので』


1、乃木さんに暴走されたら終わるのよ。分かるでしょ
2、ここにいられても邪魔だって言ってるの
3、何よ貴女。私の巫女にでもなったつもり?
4、勝手に理解した気にならないで頂戴


↓1
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 00:23:32.95 ID:0jc5vUMGO
1
445 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 00:30:57.37 ID:AU/kkM+Xo

では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 00:44:05.48 ID:0jc5vUMGO

陽乃さんもそろそろ9割ツンを緩和してもいい頃合いでは
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 16:01:10.41 ID:N0Epw3uA0

このタイミングで、というかどのタイミングでも一度デレると失った時の精神負荷がヤバそうだから
このまま完ツン貫いた方が陽乃の精神衛生上はよさそう
まぁそれでも終わりが最悪なのはほぼ確定だろうからアレだけど…
448 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 16:39:28.28 ID:AU/kkM+Xo
遅くなりましたが、少しずつ
449 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 17:05:41.34 ID:AU/kkM+Xo
陽乃『乃木さんに暴走されたら終わるのよ。分かるでしょ』

ひなた『若葉ちゃんが……』

若葉が暴走するわけがないと言いたいようだけれど、

それを絶対と言えるほどの自信を持てていない。

それだけ精霊を使う際の影響が大きく、

その反動の特異性を危惧しているということなのだろう。

ひなた『久遠さんは、精神的に汚染されない代わりに命を懸けることになっているんですよね?』

陽乃『その方が良かった? 乃木さんの精霊の性質からして、あの子焼け死ぬと思うけど』

ひなた『そうは、思いません……むしろ、久遠さんが少しでも精神汚染を受ける方が良かったです』

力を考えれば、陽乃の暴走こそ世界が終わる。

バーテックスに背を向けて、神樹様に一直線に向かわれて、

本気で勇者や神樹様を殺しに行ったら、

最悪神樹様が破壊され、良くても勇者に死傷者が出るだろうから。

けれど、精神汚染は巫女でもどうにか緩和させることが出来る。

傍にいて、癒してあげられる可能性があるからだ。

けれど、身体も魂も激しく損耗させる陽乃の状態は、

巫女であるひなたには大したことをしてあげられない。

だから――

陽乃『貴女は乃木さんの巫女であって、私の巫女ではないんだから、気にするのは乃木さんだけにしておきなさいよ』
450 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 17:26:26.07 ID:AU/kkM+Xo

ただ、傍に寄り添う巫女であれば、

複数人を兼任していたって何も問題はないはずだ。

けれど、水都がそうしたように、

ひなたもまた若葉の巫女としてその務めを果たすと言うのなら、

余計なことを考えている余裕はない。

陽乃『そんな心持で負荷を引き受けたりなんてしたら、貴女が死ぬことになるわよ』

ひなた『そう、ですね』

勇者が使う精霊の力

その負荷を引き受けるというのに、

雑念があれば意志が乱れ、負荷に飲み込まれて命を落とす。

残念ながら、そうなりかねないような危険な行為なのだ。

だからこそ、成功した時のメリットも十分にあるのだけれど。

陽乃『乃木さんと私、どっちを助けるべきか。貴女は間違ったりしないでしょ?』

ひなた『その問いは……あまりにも、あんまりです……』

目に見えなくても、触れることが出来なくても、

ひなたが今、どんな思いで、どんな表情で、どうなっているのかが手に取るようにわかる。

自分がどれだけ意地悪なことを言ったのかということも。

陽乃『私の意地の悪さを、貴女は知ってるでしょ』

ひなた『そうですね……久遠さんは、とても、とても意地が悪い人です』
451 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 17:34:25.18 ID:AU/kkM+Xo

√ 2018年 10月09日目 夕:病院

↓1コンマ判定 一桁

1 九尾
3 歌野
5 水都
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 17:34:58.58 ID:N0Epw3uA0
そいや
453 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 18:03:32.71 ID:AU/kkM+Xo
√ 2018年 10月09日目 夕:病院


ひなたは陽乃に言われたとおりにこの場を離れ、若葉のもとへと向かった。

それもあって、元から耳も目も感覚も何も乏しい状態だったが、

ひなたが語りかけてくることがなく、余計に静寂に包まれる。

果てのない孤独感。

陽乃が求めていたことではあるけれど、

辟易するような騒がしさから唐突に訪れる静けさは、

しん……っと、心に染みる。

陽乃『まぁ、本当は……あの時に死ぬつもりだったから……』

歌野が来てしまったから生きているだけで、

今日、あの場で、死んでいたはずだった。

なのに性懲りもなく生き延びてしまって。

いや、生き延びさせられたとでも言うべきか。

だから、死んでいたはずの人間としては、

何も感じず、孤独感に包まれているのは特に何でもないと思う。

とはいえ――あまりにも手持ち無沙汰だ。



1、休んでおく
2、九尾を呼ぶ
3、イベント判定


↓2
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 18:13:55.34 ID:N0Epw3uA0
踏み台
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 18:15:22.80 ID:EhUNhqdTO
1
456 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 18:57:06.80 ID:AU/kkM+Xo

けれど、この静寂は体を休めるのにちょうどいいと陽乃は思う。

手も足も動かない。

耳も聞こえなければ、口もきけない。

誰かが来ても察知すらできないけれど、

害を与えるような人物が来た場合には九尾が必ず対処してくれるだろうから、

その方法に若干の不安はあるものの……身の安全だけは保障されていると言える。

眠れるかと言われれば、

特に眠くもないけれど、

寝ること以外に何もできないのだから、

勝手に眠ることが出来るだろうし、それに、

何一つ感じることのできない今の状態は、ある意味で眠っているようなものだから。

陽乃『あとは、考えるのを止めるだけ……』

思考をしようとするから、眠れない。

それさえも止めてしまって、虚無になって、それで。

自分自身の全てを休眠状態に持って行こうと、

陽乃はただぼうっと……何もせず、何も考えず、

体を休めることに集中することにした。
457 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 19:47:55.61 ID:AU/kkM+Xo

宇迦之御魂大神様の力があれば、瞬く間に体を癒すこともできるかもしれないが、

自己治癒は、人間から乖離させていくことであると、

歌野を見ていれば嫌でも分かってしまう。

だから、歌野から流れてくる僅かな生命力と、

元からある勇者としての治癒力に身をゆだねて回復を待つしかない。

普通の人間に比べれば回復力があるものの、

普通の勇者よりも重い症状の為、

相殺されているというか、

やや、マイナス面に振り切ってしまっているところがある。

回復に努めてもこれは長引くことになるだろうから、

可能な限り余計なことはせずに大人しくしておいた方が良いかもしれない。

歌野は、水都の補助もあって

今までよりはだいぶ早く回復するだろうから、

少なくとも、それまでは。
458 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 19:49:39.64 ID:AU/kkM+Xo

√ 2018年 10月09日目 夜:病院

↓1コンマ判定 一桁

0 九尾
6 ひなた
8 水都

ぞろ目 特殊
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 19:50:12.37 ID:l2n3Kgv3O
460 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 20:09:04.15 ID:AU/kkM+Xo
少し中断します
再開は21時ころからを予定しています。
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 20:10:45.94 ID:dGrGG0m0O
一旦乙
462 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 21:51:51.22 ID:AU/kkM+Xo
√ 2018年 10月09日目 夜:病院


今は……何時頃だろうか。

いつの間にか日を跨いでいるかもしれないし、

まだ数時間も経っていないかもしれない。

何一つ感覚が働いていないと、

ここまで無に至るものなのだと……陽乃は息を吐く。

心臓を動かして、呼吸をする。

頭を働かせて、考え事をする。

陽乃にはそれくらいしかできることがなくて、

どうしようかと……悩む。

ひなたは戻ってきていないようで、声が聞こえない。

九尾は呼べば出てきてくれるだろうけど……

どうせ、寂しくなるなら追い出さなければよかっただろうに。

とでも笑われるだろう。

無理にでも休むべきか……と、考えて。


1、休んでおく
2、九尾を呼ぶ
3、イベント判定


↓2
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 21:53:01.81 ID:dGrGG0m0O
2
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 21:53:14.85 ID:MhczNTZi0
2
465 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 22:15:21.99 ID:AU/kkM+Xo

陽乃『九尾……いる?』

力は感じるので、すぐ近くにいるはずではあるのだが、

ひなたの方に行っている可能性もあるため、

確認のためにそう呼んでみると……段々と力が強く感じられるようになって。

九尾『上里ひなたを残しておけば済んだものを』

やっぱり、九尾にはそんなことを言われて、

鼻で笑われてしまう。

陽乃『別に、寂しかったわけじゃない』

九尾『ほう?』

陽乃『なによその、馬鹿にしたような感じは』

九尾『くふふっ、ようではなく……しておるぞ。白鳥歌野が居らぬのは、主様にとってこれ以上ないほどに幸運であろうな』

陽乃『……うるさい』

歌野は、若葉達を差し置いて陽乃のもとへと駆け付けてきた勇者だ。

死に瀕していた陽乃の本音を聞いた唯一の存在であり、

もしもこの場にいたら絶対に放っておかないだろうから。

九尾『愚かな娘よ。主様は』
466 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 22:39:20.15 ID:AU/kkM+Xo

九尾『愚かでないところが主様にあると?』

陽乃『貴女、その主様って言うの止めた方が良いんじゃない?』

本来なら敬っている相手に足して使うべきものなのに、

九尾の言葉は刺々しいばかりで、

敬っているどころか、皮肉にしか聞こえない。

けれど、九尾は喉を鳴らすように笑って。

九尾『何を言うか。我が主様こんなにもいと尊き御方であらせられるというのに』

陽乃『貴女ねぇ』

九尾『主様』

九尾は、ふと、声色を変えてくる。

茶化すような声から、

神妙な雰囲気を感じさせるものへと急転したことに陽乃は少し驚いたが、

九尾自身は何でもないことのように、続ける。

九尾『主様はそろそろ、改めてもよいのではないか?』
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