もしもし、そこの加蓮さん。
1- 20
5:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 19:40:24.85 ID:63FTC/uF0

白く小さな両手を彩る、ミントグリーンの指先。
病室を包むパステルクリームの壁紙に、十本の宝物はとても映えていて。


以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 19:47:14.12 ID:63FTC/uF0

 ◇ ◇ ◆


 『じゃあ、自己紹介から』
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 20:33:52.61 ID:63FTC/uF0

夕食から消灯までの時間、世間一般で呼ぶ所のゴールデンタイムを、
加蓮は日課のテレビ鑑賞に充てていました。
昼下がりに流れる、どこかの国の誰かが出演する何かの映画もそれはそれで好きでしたが、
やはりこの時間の番組の方が多少なりとも華やかです。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 20:47:07.14 ID:63FTC/uF0

 『――ありがとうございましたっ!』

三人が声を揃えてお辞儀をします。
上げた額に流れる汗が鮮烈な照明に輝いて、加蓮はびくりと身体を震わせました。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 20:55:55.16 ID:63FTC/uF0

 ◇ ◇ ◆


 「どうして身体、弱いのかな」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 21:03:53.58 ID:63FTC/uF0

加蓮は今よりもずっと小さな昔から、負けず嫌いで、頑固な所がありました。
道端でごてんと転んでも痛くないと嘯いて、
涙をぼろぼろと零しながらしゃくり上げるような子供だったのです。
一度決めたら、加蓮は譲りませんでした。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 21:11:25.20 ID:63FTC/uF0

 「…………かみさま」


テンノカミサマの言う通り。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 21:22:04.98 ID:63FTC/uF0

何度目かの退院を果たすと、加蓮は足繁く図書館へと通うようになりました。
以前から読書に費やす時間は多かった彼女ですが、今回はそれに輪を掛けて。
学校のお勉強よりもよっぽど熱が入っています。

以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 21:37:53.80 ID:63FTC/uF0

ここからは一筋縄ではいきません。
バイブルもコーランもヴェーダも、
原典に近付こうとすればするほど、その解釈は困難になってゆきます。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 21:47:35.73 ID:63FTC/uF0

読書慣れさえしていれば幼い子供にも親しめる星新一の書を、加蓮もまた楽しんでいました。
彼の作品にはとにかく博士や泥棒や天使や悪魔や宇宙人や未来人などなどが登場するので有名ですが、
今回は神様と天使達の出番でした。

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 21:55:16.16 ID:63FTC/uF0

加蓮は聡い娘でしたから、もうとっくに分かってはいたのです。
ただの少女である加蓮に神へ挑む術など無く、弱点がどうこうの話なんかではないのだと。
生来の負けず嫌いが顔を出して、結論を先に先に延ばしていただけなのだと。

以下略 AAS



307Res/234.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice