高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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◆jsQIWWnULI
2020/08/08(土) 19:10:34.37 ID:b+VIQ/E60
というわけで。街から水が引くまでの期間は、お店も開店休業状態です。このアクア・アルタが終わると、ネオ・ヴェネツィアに本格的な夏が訪れるそうです。マンホームの日本で言う、梅雨のようなものかもしれません。
二階のテラスでアイさんと何を話すでもなくのんびりと過ごしていると、電話が鳴り響いた。私は急いで受話器を取りに向かった。
「もしもし、お電話ありがとうございます!こちらARIAカンパニーです!」
ここの電話機はずいぶん昔の形を模して作られたものらしく、入力場所と出力場所が一体になっておらず、出力場所だけがぶら下がっている。入力部分は本体にそのまま設置されていて、そのすぐ近くからは空中に映像を投影するための装置が備わっている。
電話の主はアイさんを呼んでいたので、私はアイさんを呼んだ。
「はいはい……」
アイさんに電話を替わる。しばらくしてアイさんが受話器を置くと、私の方を振り向いていった。
「ごめん、藍子ちゃん。ちょっと急用が出来ちゃったみたいなの。だから。後よろしくね」
「わ、わかりました!」
「アリア社長も、良い子にしていてくださいね」
「ぶいにゅ」
「じゃあ、ちょっといってくるから」
「はい。いってらっしゃませ〜!」
アイさんは電話をしてからすぐにどこかへ出かけてしまった。
「……アイさん、行っちゃいましたね」
「ぷい」
「……じゃあ、ゆっくりしましょうか、アリア社長!」
「ばいちゃ!」
こうして私たちは、テラスでゆっくりと過ごすことにした。
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