過去ログ - 前川みく「みくは自分を曲げないもん!」
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1:名無しNIPPER
2015/05/01(金) 05:33:58.63 ID:Q4mOaklu0
※アニメ版デレマス設定準拠です


「はぁ・・・・・・」

前川みくは悩んでいた。
布団にくるまり、その闇の中でただひたすらに悩んでいた。

「どうしたらいいのかな・・・・・・」

ひとり呟きを零しても答えはどこからも帰って来ない。
部屋に響くのは寝返りをうった時の衣擦れの音と、隣部屋から壁越しに少しだけ聴こえるホラー映画の絶叫音声のみ。
小梅ちゃんまた映画見てるんだ、と率直な感想だけが頭に浮かぶがその考えはすぐに霧散しまた堂々巡りの思考に落ちていく。
そもそも自分が悩む必要はあるのだろうか。もしかしたらただの杞憂ではなかろうか。
いや、これ自分悪くなくない? どっちかっていうと向こうのほうが悪くない? 比率的には4:6、いや3:7ぐらい?

「・・・・・・みくは悪くないもん」

ぼふっと猫のように布団に頭まで潜り込んで、みくは自分を肯定するがそれが正解なのかは口にした自分もよくわかっていなかった。
深夜二時まで及んだ前川みくの1人問答は答えが出ること無くそのまま微睡みに溶けていくのであった。

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2:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 05:37:02.06 ID:Q4mOaklu0
アイドルの仕事は多岐に渡る。
ライブに始まりTV出演、CDの収録に雑誌の取材。個々を上げていくとキリがない。
だがそういう花型の仕事だけではなく、ライブ設営、音響、照明等の裏方の仕事ももちろん存在する。
前川みくはアイドルである。
それは仕事を持ってくるプロデューサーは当然把握し、アイドルに見合った仕事を斡旋するのがプロデューサーの仕事だ。
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 05:39:49.58 ID:Q4mOaklu0
二日前、みくが事務所のホワイトボードを駆使しシンデレラプロジェクトのメンバーに『猫耳アイドルが今後アイドル業界に与える影響及び経済効果』と銘打ったプレゼンを行っている最中であった。
最前列で話を聞いている蘭子とアナスタシア以外は完全に暇つぶしでしか聞いていないが、みくは確実に手応えを感じていた。経済効果の部分は割とでっち上げだが。

「すいません、前川さんはいらっしゃいますか」

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 05:42:27.28 ID:Q4mOaklu0
「ライブスタッフ名簿」

疑問でもなんでもなく、ただその見出しを口に出す。それは渡された書類の内容とプロデューサーの意図が組みきれなかったためだ。

「はい、実はライブスタッフに欠員が出て・・・・・・派遣スタッフで来られる予定の方たちだったのですが、先方とのスケジュールの齟齬が発覚しまして・・・・・・」
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 05:47:08.80 ID:Q4mOaklu0
そして二日後

「はーい、しっかり並んでー! CD買う人はお札と小銭間違えないで用意しててねー!」

大挙として押し寄せる物販客をカウンター越しに対応しつつ、みくは大声を出して列を先導していた。服装はライブスタッフの正装であるバンドTである。
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 05:49:33.99 ID:Q4mOaklu0
必死に物販を捌き、開演までの2時間をなんとか乗り切った頃にはみくは文字通り真っ白に燃え尽きていた。
原画じゃないよ、×印なんてみくの体のどこにもないよ、うふふ、ふふふふふふふ、ふふ・・・・・・

「づ、づがれだ・・・・・・」

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 05:53:42.40 ID:Q4mOaklu0
トントン、とドアがノックされる音がする。

「に”ゃっ」

寝起きなのでセーフ、と光速で言い訳が浮かぶほどのアイドル失格ボイスである。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 05:55:59.88 ID:Q4mOaklu0
「今日はお疲れ様でした。おかげで物販の方も無事に捌き切る事ができました」

「ぷはっ! 別にいいにゃ、Pちゃんが仕事を持ってきてくれるだけでみくはとっても嬉しいの。できればライブとか販促とかそっちのほうがいいけど、これもお仕事でしょ?」

「そう言っていただけると、助かります」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 05:59:20.42 ID:Q4mOaklu0
夕暮れの街、プロデューサーとみくを乗せたワゴン車が首都高を走っていた。
346プロからの応援組だけ先に帰るように、とプロデューサーの計らいだ。
しかしあくまでみくや小梅、唯のような未成年がまずいのであり友紀だけは現場の撤収までが仕事だとみくは説明を受けた。
ちなみに姫川友紀は20歳である。
あの外見とテンションで私よりもけっこう上なんだよなぁ、と何か禁忌のような物に触れた気分になるみくであった。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:01:32.71 ID:Q4mOaklu0
「なんにゃ?」

「本当は事務所に着いてからお話しようと思っていたのですが、今ちょうどその事で悩んでいるようでしたので」

「ん・・・・・・?」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:04:37.28 ID:Q4mOaklu0
「それ、どういう意味」

怒りをぶつけられ、一瞬だけプロデューサーの視線が泳ぐ。
しかしすぐに視線をみくに戻し、ゆっくりとした口調で応答する。

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:06:44.69 ID:Q4mOaklu0
すぅっ、と息を吸ったのは、プロデューサーだった。

「うまく、伝えられるかどうかわかりませんが」

そう前置きをして話し始める。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:10:36.64 ID:Q4mOaklu0
「・・・・・・こういうわけです」

口数も少なく、みくはここ一週間の出来事を余すこと無く全てプロデューサーに打ち明けた。
あんな心の根っこの話を聞かされて自分だけ何も言わないなんてさすがにアンフェア、不誠実すぎると思ったのだ。
しかしただ感情のままに衝突した一部始終を極めて理知的な大人に説明しなければならないなんてとんでもない拷問であるとみくは思い知らされる。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:11:32.50 ID:Q4mOaklu0


――でも、

きれいなドレスも
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:12:53.05 ID:Q4mOaklu0
未だ熱が引かない顔を手で扇いでいると夜空にはもう星が輝いていた。
もう2つ先の信号に見える346プロは白くライトアップされ、さながらシンデレラ城だ。

「Pちゃん」

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:15:23.87 ID:Q4mOaklu0
その場のテンションで書き上げたけど本当に色んな所に粗が目立つ作品でした。巻きすぎ。
本当はみくと喧嘩した子も書くつもりだったんだけど武内PがかわいくてついPがヒロインみたいになっちゃった仕方ないね(レ)
みくと喧嘩した子は各自の想像にお任せいたします。
お目汚し失礼しました。


17:名無しNIPPER[sage]
2015/05/01(金) 06:59:40.82 ID:j0b10vd90
みくにゃんはかわいいですよ


18:名無しNIPPER[sage]
2015/05/01(金) 07:14:47.84 ID:seSTaZPZO
乙です
みくにゃんだけでなく武内Pもかわいいから困る


19:名無しNIPPER[sage]
2015/05/01(金) 07:17:50.61 ID:do1DjiJTo

ケンカしたことすらよく分からんかったわ
ぼかしすぎじゃね


20:名無しNIPPER[sage]
2015/05/01(金) 08:08:11.62 ID:Q7Gaw3Sio
とても可愛かったのでみくにゃんのファン続けます


21:名無しNIPPER[sage]
2015/05/01(金) 08:58:01.14 ID:coJ2Eg8V0

武内Pとみくにゃんの距離感好き


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