過去ログ - 十時愛梨「いつもの特訓」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:39:03.97 ID:vxDSk+pvO
「おはようございますっ!」


 朝、事務所の中にある個室。私のことを担当してくれている、私のプロデューサーさんの部屋。挨拶の言葉を声に出しながら、その入口の扉を開いて入る。

 書類の積まれた机の向こう側。いくつかの紙を前に広げながらカタカタとキーボードを叩いていたプロデューサーさんが、私のその声に気付いて私のほうを向いてくれた。

 忙しそうにキーボードを叩いていた指を止めて、パソコンの画面や書類の文字へ注いでいた視線を私のほうへ向け変えて、そうして私を見てくれた。


「ん……今日は早いんだね」


 今日は、というより今日も、なのかな。

 そんなふうに言いながらガサガサ。

 机の上に広がっていた書類を一つに纏めて、脇のほうへそっと置く。


「はい。その……今日も、です。ちょっと早く、来ちゃいました」

「まぁうん、たぶん今日も来てくれるんだろうな、とは思ってたけどね」

「えへへ……」

「ん。とりあえず……おはよう、愛梨」

「はいっ、おはようです!」

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:40:04.97 ID:vxDSk+pvO
 パタン、と閉まった扉の鍵を後ろ手に閉じて。

 それからパタパタ。まっすぐプロデューサーさんのほうへ向けて進みながら話す私と、プロデューサーさんも同じようにまっすぐ私へ視線を向けながら言葉を返してきてくれる。

 その視線と、その優しく微笑む温かい表情と、その私を気持ちよく震わせてくれる柔らかくて大好きな声と……そんなプロデューサーさんに、ドキドキと。ふわふわ、ぴりぴり、いろんな幸せの高鳴りを感じながら進んで。プロデューサーさんの傍、私のプロデューサーさんの隣まで歩いて進む。
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:41:00.86 ID:vxDSk+pvO
「……」

「……」

「……えっと」
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:41:44.70 ID:vxDSk+pvO
 きっと少し赤くなっている火照ったほっぺ。それをぷくっと膨らませながら唸って不満を訴えて。そうして膨れていると、見つめ合ったまま少し言葉のない間を置いてからプロデューサーさんが声。

 いくらか悪戯っぽい色の混じった謝罪の表情を浮かべながらゆっくり身体を立ち上がらせて、私のほうへ近付きながら『ごめん』を送ってくる。


以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:42:29.54 ID:vxDSk+pvO
 怒って拗ねて。……本当は全然そんなことないのだけど。でもそんな、そういう格好のふりをして、謝るプロデューサーさんへ言葉を送る。

 ずるいなぁ、とは思う。いけないなぁ、とも思う。……でも、ついこうしてしまう。いつものように。……いつかの時、早苗さんから教えてもらったアドバイスの通りにこうしてみて。そして、こうすることで貰えるものを知ってしまってからはずっと続けてしまっている。

 それを、今日もまたいつものようにしてしまう。怒ったふり。私がプロデューサーさんを嫌いになるなんて、そんなことあるはずがないのに。それなのに『嫌いになるかも』なんて嘘を言って、怒っているふりを。
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:43:14.56 ID:vxDSk+pvO
 だってこうしていれば、こうやってプロデューサーさんがいつもよりもずっともっと私のことを受け入れてくれるから。

 だからわざと。プロデューサーさんも、分かっていてわざと。二人でわざと、分かっていて、いつもこう。

 プロデューサーさんは私が嫌がることはしない人。私の欲しいものを分かってくれて、そしてそれをくれる人。だから時間が迫っていたり他の人が近くに居たり、そういうことがないときは私の望むことをしてくれる。私がしてほしい意地悪をして、私がしたい怒ったふりを叶えてくれる。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:44:02.48 ID:vxDSk+pvO
「……えへへ」


 まず最初。

以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:44:51.72 ID:vxDSk+pvO
「プロデューサーさん……!」


 そのまま前へ。私にほどかれて自由になった腕を優しく広げて待っていてくれるプロデューサーさんの身体を、飛び付くみたいに近付いてからぎゅっときつく抱き締める。

以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:45:41.94 ID:vxDSk+pvO
「…………プロデューサー、さん……」

「うん……?」

「顔、もっと、こっちに……」
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:46:29.61 ID:vxDSk+pvO
 そうしてそれから。私の唇全部がすっかり濡れて、プロデューサーさんの耳がどっぷりふやけてしまってから、それから囁き。

 熱くて、興奮して。鼓動も吐息も何もかもが荒くなって。そんなふうになりながら、プロデューサーさんへの想いに溢れて焼かれながら、そっと囁きを贈って注ぐ。

 ぴちゃぴちゃ。熱い吐息と一緒に声を漏らす度、唇と耳とを触れさせて音を立てて。触れる度、囁く度、その度に私の身体を抱き締めてくれているプロデューサーさんの腕の力がぎゅうっと強くなるのを感じながら、何度も何度も続けて尽くす。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:47:19.93 ID:vxDSk+pvO
 言われて気付く。

 熱くなって暑くなって。いつの間にか、服を脱ぎかけていた。

 汗を吸って半透明になったそれがすっかり上へと捲り上げられて、もう胸の辺りまで進んできている。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:48:04.37 ID:vxDSk+pvO
「ほんと? まだ大丈夫?」

「大丈夫ですっ!」

「ん、そっか」
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:49:08.48 ID:vxDSk+pvO
「ぎゅー!」


 だから、暑くなって脱いでしまったらそこで終わり。その日のこれは、そこまでで終わり。そういう決まり。

以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:49:49.69 ID:vxDSk+pvO
「……キス」

「ん?」

「キスがいい、です。いっぱい、たくさん、プロデューサーさんから」
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:50:24.35 ID:vxDSk+pvO
以上になります。
お目汚し失礼しました。


16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:57:05.50 ID:vxDSk+pvO
荒木比奈「ただただだらだら」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491572925/
日野茜「しりとり」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493033244/
高垣楓「私を貰ってください」
以下略



17:名無しNIPPER[sage]
2017/06/11(日) 23:16:28.86 ID:DAo+i7bCo

とときんは破壊力ありすぎてやばい


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