【悪魔のリドル】兎角「一線を越える、ということ」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:01:13.10 ID:u1xI7N2CO
その日から兎角と千足の秘密の逢瀬が始まった。
場所は朝のシャワー室。条件はどちらかが欲求不満で且つ他に人がいないときのみ。
初めの数回こそ互いに遠慮して週に一回もない逢瀬であったが、回数を重ねる内に慣れてきて週に三回四回を越えることも珍しくなくなった。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:02:34.51 ID:u1xI7N2CO
初めての日から二ヶ月ほど経った頃、兎角と千足の二人は互いの異変に気付いていた。
ほとんど毎日のように処理をしているにも関わらず、高まる性欲が一向に静まってくれないということに。
皮肉な話であるが行為を重ねることで二人の未成熟だった性感が開発され一回十分程度の処理では、もしくは晴や柩との穏やかなセックスでは満足できない体になってしまったのだ。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:03:37.81 ID:u1xI7N2CO
あえて二人の言い分を尊重するなら、それは決して愛情からの行動ではなく、友情の延長線上の行為であった。
互いに性生活に悩みを抱えており、しかしだからといってそれを理由に今の恋人と別れるつもりも傷つけるつもりもない。
そんな行き場のない悩みを友人として解決してやり、そしてそのお返しとしてこちらの悩みも解決してもらっているのだ。
だから二人はキスはしない。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:05:52.79 ID:u1xI7N2CO
運命の日は10号室を使うようになってから一月ほどした頃に訪れた。
その日も兎角と千足の二人は互いに快楽をむさぼりあっていた。
開始から既に二十分ほど経過しており体は流れる汗で満遍なく濡れていた。小さなもしくは中ほどの絶頂回数は二人合わせて十は越えていたが大きな絶頂は今日はまだなかった。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:16:45.13 ID:u1xI7N2CO
兎角と千足は全身が麻痺してしまったかのように動けなくなり、首だけで壊れた人形のように声のした方を向いた。
部屋に照明はなく光源は窓から差し込む外の夜間灯の光しかない。
それでも薄暗がりの中立っているのは見間違いようもなく晴と柩であった。
二人は呆然と立ち尽くしていた。表情に力はなく、瞳に街灯の光が写っているのは涙を湛えているからだろうか。
18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:17:44.93 ID:u1xI7N2CO
それは言い訳のしようのない状況だった。
使われていない空き部屋で、互いに一糸纏わぬ姿で、肌を上気させ、抱き合い、互いの秘部をもてあそびあう。
それでも何か行動をと思った兎角は慌てて晴に手を伸ばした。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:18:37.98 ID:u1xI7N2CO
一方の千足と柩も兎角達の行動を見て少しは我に返ったようであった。
柩は晴のように立ち去ろうとはしなかった。
ただ立ち尽くしたまま、いつもの熊のぬいぐるみを抱き締めて声を圧し殺すようにして泣いていた。
「ん、……グッ、ウウ……、ウウッ…………」
20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:21:41.92 ID:u1xI7N2CO
短慮な行動の代償は大きかった。
翌日晴と柩は学校を休んだ。そもそも二人は昨晩自室にすら帰っていなかった。
気付けば1号室に帰ってきていた兎角は一晩晴を待ったが帰ってこず、そのまま夜が明けた。やがて登校時間になったがそれでも晴は帰ってこなかった。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:23:50.87 ID:u1xI7N2CO
ようやく兎角が晴と会えたのはさらにその翌日の六日目、月曜日の教室でのことであった。
この日も兎角は朝から晴を探してから教室に来たがその時はまだ晴も柩も来ていなかった。
今日もまた会えないのかと半ば諦めながら席についていた兎角であったが、授業が始まろうかという頃急に扉が開いて二つの人影が入ってきた。
兎角は思わず立ち上がった。その人影こそが晴と柩だったからだ。
22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:25:50.53 ID:u1xI7N2CO
事態が動いたのは翌週の水曜日のことであった。
その日も晴達は授業開始ギリギリに来て兎角達と会話することなく過ごしていた。
今日も変化なしかと兎角らも受け入れていたが、間もなく今日の授業が終わろうかという頃兎角のタブレットに一通のメールが届く。
一目見て兎角は叫びたくなるくらいに衝撃を受けた。
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