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【五月病に】能力者スレ【注意】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2013/05/08(水) 21:38:12.85 ID:X1wqSJAx0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

勝手に世界を氷河期などにはしないように。

・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1367069235/
wiki【http://www53.atwiki.jp/nrks/
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

僕の記憶が全て消えても生まれ変わったらまた君を探す @ 2024/05/18(土) 22:27:06.84 ID:7xX40cGt0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716038825/

グレみんと快楽の座 @ 2024/05/17(金) 22:24:15.47 ID:DUS3Z54Xo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715952254/

【習作】安価コンマでワンピース @ 2024/05/16(木) 21:19:27.48 ID:QUcgFIEu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715861966/

テンリュデネ・ゾー @ 2024/05/14(火) 20:47:34.15 ID:aewHWgbao
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715687253/

薬師とか錬金術とか、田舎とか @ 2024/05/13(月) 23:03:05.43 ID:nAT+1SmNo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715608984/

【安価】刃牙の世界で美少女が活躍するようです @ 2024/05/12(日) 21:23:05.29 ID:vRdDvVa7o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715516584/

I'll never be complete without you. @ 2024/05/11(土) 21:32:24.15 ID:u/oaqw4e0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1715430743/

テオノーマルさんの集い @ 2024/05/11(土) 17:52:36.77 ID:EjZidX+r0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715417556/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/08(水) 21:41:23.46 ID:L+9yvsYb0
>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/08(水) 21:50:36.06 ID:3g5rNmHEo
>>1乙スラッガー!
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/08(水) 21:56:44.22 ID:JP4V2ZXPo
>>1乙ですぞ
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/08(水) 22:01:39.61 ID:qjSlSwGSo
>>1
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/08(水) 22:17:16.08 ID:EDZTFbix0
>>1
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/08(水) 22:57:48.97 ID:aXkIE5TQ0
【しーんと静まりかえった町の中】
【コツコツと歩きながら、新聞を広げるのは女学生で】
【小難しい顔を浮かべれば、ページを行ったり来たりするけれど、表情が晴れる様子も無く】


「困りましたねぇ……
おもしろそうな情報が沢山……って言っちゃったら不謹慎ですね
みんなの興味を惹くような事件が沢山起きているのは良いのですが……」

【――――出るのは、溜息】
【新聞紙を何処か適当なベンチに置けば、自身がその横へと座って】
【やっぱり、溜息。傍から見ていれば、解雇通告を受けた者そのものである】
【困った様に天を仰いだって、良い案が浮かぶわけでも無く】


「私程度の人が首を突っ込んだら、間違い無く一瞬で死んじゃいますよね
かといって気になる物は気になりますしー……」

【――まさに、途方に暮れたという言葉を体現しているようにも見えるだろうか】
【一人でぶつぶつと呟いている様は異様にも見えるけれど、本人は至って真剣……のつもりで】
【人通りが皆無なこの時間――ならば、訪れた者の視線は必然的に女学生へと移ることになるだろうか】






【――――賑やかな街の一角で響くのは、男の罵声】
【…………それが呻き声へと変わるまで、たった数秒間の出来事】
【見れば、倒れ伏す男。無表情で饅頭を頬張っている巫女の姿――なんて、奇妙な構図を見れる事だろうか】


「私を自警団と知っていて手を出したのか知りませんが、誰であれ私の食事の邪魔をする事は許しません。……もぐもぐ
それと、貴方の体捌きは余りにも幼稚すぎます。……もぐもぐ
喧嘩をする前に、先ずは自分の実力を高めてはどうでしょう。……もぐもぐ」

【ズケズケと遠慮無く言うけれど、果たして其れは男の耳へと届いているのだろうか】
【食べ終わった饅頭のゴミ。推定20個分の其れを男のポケットや服に押し込めば、そのままふらりと歩き始めて】
【――――行き先は、食べ物の露店街。無表情だけれど、その足は何処か浮いており】


「さて、前菜は食べ終わりましたね
折角この場に配置されたのです。楽しまなければ損というものでしょうか
……では、次は何を食べましょう」

【自警団として此処に配備された――――のは間違いないはずなのだが】
【女性の口から出るのは、安全管理とは全く異なったもの】
【この人混みの中でも一際目立つ存在だけれど――――さて】

/乙一でありまするよー
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/08(水) 23:39:46.71 ID:3g5rNmHEo
>>999

(力より数の鎖、か……!この程度ならまだ良ィが……)
(何より面倒なのは鎖が奴から直接じゃあなく、別の空間から出現してるってコト)
(引っ張って≠煦モ味が無ェってのは、ちょいと困った話だぜ――!)

【僅かに曲がった格子状の鎖を見て、僅かに表情を曇らせるもベイゼは止まらない】
【新たに出現した鎖がマインドに射出されたのを確認すれば】

【まず、マインドは僅かに抵抗して両手ばかりは拘束を逃れたが両足首を捉えられる】
【そこから更なる抵抗=\と呼べるかはわからないが―として、格子状の鎖を複数回殴りつけようとするのだが】
【もし脚の鎖で動きを牽制しようと思えば、可能だ。(――最も、妙に軽すぎ≠ト胡散臭く)】

―――そらそらクソガキッ!こっちの方がお留守じゃァねェのかァ……ッッ!?

【一方のベイゼは鎌を持ったまま、鎖の力に引かれるがまま真っ直ぐに進んでいく】
【引かれるのなら、誘われるのなら応じよう。そういう気ままなつもりであるらしいが――】

【――ある程度のトコロで、鎌に黒い魔翌力が纏われて、巻き付いた鎖を破壊しようとするだろう】
【単純に鎖が鉄などで合成されているのなら、強度などに関しての問題は無いはずだが】
【どちらにせよそれを試みる際、少しだけ隙が生まれるということは、特に記して置く必要があるか。】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/08(水) 23:54:12.78 ID:/HUualp1o
>>8

【鎖は殴りつければ多少の効果はあるがやはり薄い。打撃の力が受け流されているようだ】
【何度か打ち付けた後、両足に絡みついた鎖がマインドを引き倒そうと引き戻され始める】

【また、鎌に巻き付いた鎖は簡単に破壊され切り離された先端部分、空間に繋がっている残り共々消滅した】
【強度は通常の鉄と変わらないことが感触から分かるだろう】

直接戦闘は勘弁しろ。肉体労働は苦手でな……!

【またしても鎖が空間から現れて女の両足に一本ずつ向かっていく】
【しかしこの鎖、新たに射出される際に空間に歪みが現れる。射出までに隙間があるため、察知が可能だ】
【この“遅さ”を利用することもできるだろう】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/08(水) 23:54:37.85 ID:ZMst1wrb0
>>1



>>前1000

…………あぁ、そう言うものは得てして、破滅を招くだけ…………少なくとも、手前はそう思っている…………
……釣り合わないんだ、希望と絶望は……

【確認する様な少女の問いに、青年は然りと頷く。絶望の深海に生きる、人間と言う名の深海魚。希望の光を求めれば、水圧の差で爆ぜて死ぬ――――】
【以前青年の語っていた言葉を、もう一度反芻するように、ゆっくりと頷いて】

「……仕事の上じゃ、ハッキリ言えば迷惑だが…………私だって、獣から生まれてきた訳じゃない……君の気持ち、分からなくは無い……」

【倒れている浮浪者を救急車へと担ぎこみながら、それだけを告げる隊長】
【やはり、そこにあるのは立場を超えた個人の声。それを告げる事が、少女への励ましになると考えたのだろう】
【救急隊員を統率すると、非常に鮮やかに公園を後にした。遠ざかるサイレンが、3人の命を繋いだ事を、おぼろげながら感じさせるだろう】

……去った方は、それでも良かったかもしれないけどね…………とは言え、もはや詮無き事か…………
今頃、道を踏み外しているか……それとも、この世界からも去って行ったか…………この場の人間に当たらない事を考えると、後者の可能性が高いと思う……
残った方は……あるいは、そのまま整理をつけられるかもしれない……だけど、失意のうちに気力を失うかもしれない……手前には、分からない……

【――――敢えて自らの感情を殺し、ただありのままを、そして理的に考えられる事だけを口にする】
【それをどう消化するか――――それは、救う事を『選択した』本人である少女の問題だ】

…………分からない。手前は希望に背を向ける事を選んだ……だから、それが最適解だったかどうかは……分からない
希望に背を向ける事は、『最高』を諦める事に近しい……全てが救われるのは、『最高』なんだろう……手前は、それを信じられない
だから、手前は救わなかった。その救いが、泥沼に至る可能性があると、考えたから……

――――だけど、君は信念の故に……この結果をも、覚悟した上で、やった事なんだろう?
なら、手前からその結果にどうこう言う事はないよ……
…………どちらが、真に正解か……なんて、誰にも分からないさ…………

【少女の求める答えは、青年が用意できるものではない。だからこそ、青年は救う事を選択しなかったのだから――――】
【ただ言える事は、青年はベターを求めはするが、ベストを求めはしないと言う事。そこに、リスクと破滅が待っている事――――】

――――もし、1つだけ言えるとしたら…………必ずしも、生きる事が幸せで、死ぬ事が忌むべき不幸と言う訳ではない……と言う事かな?
死が心を救いうるなら……それも救いの選択肢に入るだろう…………
終末患者の事を考えてみれば、分かると思うよ……
残る時間は苦しみだけ。常道で考えればどうにもならず、ただ彼が待つのは『死』……そんな中で、『奇跡』に賭けて延命だけに拘って、彼は救われると思うかい?

【ただ――――どうも青年は、少女の中に固定概念がある様な気がしていた】
【故に、そこを指摘してみる。死を、絶対的に避けるべきものであると考えるのは、果たして本当に正しい事なのかと、問う形で――――】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/09(木) 00:13:56.32 ID:j8kzSxc9o
>>9

【鎖が闇の魔翌力によって破壊されるのを確認すると、ベイゼはすぐさま鎌を振るい】
【空間の歪み――新たな鎖の出現する位置へと、さも当然のように同じ闇の魔翌力で出来た刃を飛ばす】
【当然目的は破壊であり、狙いは正確。何かが起きない限り、直ぐさまもう一度鎌を振るう】

【新たな闇の刃の向かう先は、ベギーアデンの脚に絡みつく二本の鎖】
【先ほどと同じように破壊できるのならば、それでマインドの動きが開放されると見て良いはずで】

(……殴っても余り効果が無いってんなら、その格子を歪ませてなくせばいい)
(別に壁だってぶち破らなくてもいいんだ。固いのなら、砕くなり引き裂くなりすれば、それで―――)

ベギーアデン≠フ能力は…… “触れたものに引き寄せる力を与える” というもの
殴った対象をこちらに引き寄せる事も、当然できる。殴った回数に応じて、引き寄せる力も増える
……さっき何回殴ったか覚えてないンだがよォ、普通の鎖なら―――!

【格子状になった鎖の壁を無理矢理に引き寄せて、形を崩すことができるのではないか】
【ベイゼはそう考え、マインド能力の真骨頂を発動。殴った鎖を自身へと引き寄せようとして】

【同時に、少しでも格子が緩むのならそこにベギーアデンが拳を突き入れ、攻め込もうと試みるだろう】
【一方で先ほど鎌をベギーアデンのために振るったが為に、この間ベイゼは無防備――】
【使用者を攻めるか、自身を護るか。少年に更なる選択が迫られる。】
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/09(木) 00:27:04.48 ID:IyNVjPW8o
>>11

【新たに出現していた鎖とマインドを捕らえていた鎖は女の二度の攻撃により簡単に破壊された】
【更にマインドの能力によって鎖が引き寄せられる。能力で固定されていたが、引力の強さに逆らいきれなかったようだ】
【少年の守りは最早一つもなく、次に鎖を生成することもできず────】

ほう、面白い能力じゃないか……!

【自分の防御を突破してきた能力に感心した声をあげてから、少年はマインドの拳を受けて大きく吹き飛ばされた】
【見た目通りの軽さのせいで宙を飛び、地面に落ちたあとも勢いが殺しきれずに地面を滑った】
【一撃にも関わらず大きなダメージとなったらしく、よろけながら立ち上がる】

くそ、死にたくなるほど痛いな。だが、死にたくなければここからが本番か
どうせ能力で引き寄せるんだろ? 魔術師殺しもいいところだな

【ぶつくさと文句を垂れながら右腕をあげる。それに呼応するかのように空間が歪み、また二本の鎖が射出体勢に入る】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/09(木) 00:40:19.32 ID:j8kzSxc9o
>>12

あァ、面白ェだろ?なんせ逃げる敵をブチ[ピーーー]為に開眼した能力だからなァ
殴れば殴るほど、より強く引き寄せる――貪欲な沼のような力。

……テメェくらい軽けりゃ、一撃でも十分に引き寄せられるってのは
どうやら説明しなくてもご理解頂けてるようで重畳だなァ、話が楽だ
そしてどうやらまだ抵抗したいらしいが――――ベギー=B

【少年の更なる交戦意識に内心では感心しつつ、マインド・ベギーアデンを引き寄せる】
【それと同時に手元の大鎌を元のピアスへと変化させれば―――それだけ】

このまま、射出される鎖をズィヒェルで切り落とすのも、べギーで叩き落とすのも難しい話じゃあない
むしろその上でテメェを引きずり寄せてタコ殴りにしたり、細切れにするのも尚更だ

……まァ、ここまで言えば理解の早いクソガキ様は理解できンだろ?
俺は虐殺≠ヘキライでなァ……さてどうしたもんかと、今悩んでるんだ
既にこっちが武器を収めた以上、事の次第を決めるのは俺じゃ無ェから、よォ――。

【引き寄せるのも、攻撃もしない。ただ武器を納めて、一応はと言うようにマインドを発言し続けるだけ】
【即ち、降伏勧告に他ならない――少年に取っては屈辱的な態度となるのだろうか】

【―――とは言え、流石に機関のNo.3を戴くだけはある。実力ばかりは本物だ】
【それに、話も分からないタイプではない。殺そうとしないということは、つまりそういうこと】
【後は少年がどうするかということなのだろう。無論、ベイゼはこの間も油断しているわけではなくて。】
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/09(木) 00:53:46.43 ID:IyNVjPW8o
>>13

【女が武器を収めたのを見ると、少年は呆気にとられた顔をする】
【告げられたのは降伏勧告。“お前は弱いから相手をしない”と宣言されたも同然、明らかな侮辱】
【その屈辱的な態度に、生意気と評され続けている少年の取る行動といえば──】

何だ、もう飽きたのか。即席ラーメンより早かったな
だがまぁ、こんなもんだ。言ったとおりだろ、3分以上も持つわけがない
返礼としては不十分だろうが、許せ

【あっさりと降伏勧告を受け入れて、パチン、と指を鳴らして鎖を全て消滅させる】
【少年は話相手となった礼として戦闘の相手をしていたつもりだったらしく、降伏するのにも全く躊躇がない】
【弱いという自己評価に嘘偽りは微塵もなく、そうであるならば負けを認めるのも戦闘をやめるのも簡単、というところか】
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/09(木) 01:09:28.54 ID:j8kzSxc9o
>>14

弱い者いじめをするほど性格も悪くなけりゃ、暇でも無いんでな
ま、消化不良ってほどでも無ェ……そこそこ楽しめたぜ、クソガキ
二ヶ月ぶりに体を動かせてせいせいしたってのが本音だがなァ

【――と、あくまでも今度はこちらが上。そんな態度で言葉を返し】
【そして鎖が消えると同時にベギーアデンをかき消して】

―――じゃ、あばよ。精々機関の事を嗅ぎ回り過ぎねェ事だぜ
俺みてェな存在はそうそう居ねェ……お優しいベイゼ様からの忠告、ってなァ

【と。それだけすると、ベイゼ・べケンプフェンは踵を返して路地裏の奥へと進んでいく】
【後ろ姿はやはり適当そうなそれであったが、ただの娼婦にも、最早見えず】
【流石にNo.3を戴くというのは伊達ではない。そんな思いを、少年に抱かせるかも知れなかった。】

/と、この辺でっ!お疲れ様でしたー!
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/09(木) 01:10:20.94 ID:IyNVjPW8o
>>15
//お疲れ様でしたー
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/09(木) 01:22:46.62 ID:ErZcUT8h0
/>>1乙っ

>>10

【遠ざかるサイレンは意志持たぬ現実の象徴のように】
【去りゆく救援者の残す暖かな言葉、その内に宿る鮮やかな意志を際立たせながら、少女の心に浸透していったのだろう】

【「彼女の行動を青年は過ちと見做すのか」――――――】
【紡がれる答えは “分からない”。それは、きっと彼女にも分かっていた事であって】
【怒りを抱えた者の “在り得る結末” もまたその筈で、】

(………っ、…………。)

【だが予測してはいても衝撃は生じた。救えなければ苛まれる。】
【だが瞳に宿るのは……諦めとは正反対の情動だった。】
【“確かめたい”――――― 未だ間に合うのならば助けようとする、骸との対面の可能性を孕んだ危険な其れ、】

【「奇跡と終末患者」 の喩えに返す言葉は、その実在を証明する様で】

……そうね……その人にとって一番の結末なら、私は受け入れてしまうのかも知れない。

………けれど “その時” までは戦っていたい。

それを、その人が本当に望んでいるのか。
“仕方がない” なんて諦めが、その本当の理由なのか――――――

…………確かめないまま終わりたくない。“逃げ” が、私は嫌いだから。

それに延命せずとも救えるのなら……それは、きっと一番の結末でしょう?
現実的な方法を捜すのも、忘れてはいけないとは思うけど…………。

【死が忌むべきことなのでなく。望まぬ終わりこそが “そう” であり、彼女は、それに抗うことを望んでいるのだ、と――――】

【語り/痛みとともに回想する記憶、】
【―――――― 納得して散っていった大切な人達がいた。】
【けれど、死そのものは望みでなかった筈なのだと少女は想っていた】
【大切な宝物を “託された” のだと。ゆえに己は勝利できねばならないと、刻んで……。】
【僅かでも “最高” を掴める可能性があるのなら、誰に何をも強いることなく、一人でも戦い抜いて切り拓く――――。】

【……そう、少女は誓っていた。絆ゆえに選ぶ孤高が、その刃(ありかた)を研ぎ澄ますための だった。】
【何を背負っているのかは解らずとも…………ひどく背負い込みがちなのだとは、これまでのやりとりから推測できるだろうか】

【現実を識り、可能性の極小を理解しながらも、僅かな希望に賭ける様なその戦い――――】
【恐らく青年には忌むべきものと映るのだろうと、我がことながらも実感して】

……分かって欲しい、なんて言えないけど………
分かり合えなくても共存したい、というのは私の傲慢なのかしらね。

………少しだけ、辛い……かな。

【…………分かり合えないのか? 自分と彼とは、やはりこんな風でしかいられないのか。】
【胸の内に生じるその寂寥感は、疑問の形で内に消えて】
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/09(木) 01:50:52.77 ID://OSeu0P0
>>17

……ッ、待て……もう行っても…………!!

【確かめようと、行動する少女に青年は切迫した声で制止しようとする。感情を殺して言葉を紡げるのも、そこまでだったのだ】
【それを受けて、少女が動き出せば、青年とて感情的にならざるを得なくなる。そうやって痛みを背負いかねない少女を、見ていられなかったのか】

【――――果たして茂みの中、真新しい死体が1つ出来あがっていた。ナイフで自らの首を掻き切った――――】
【ほとんど白目を剥く様に上に向けられたその眼には、死体の凄惨さをすらかき消してしまいかねない程の『恨み』の色が宿っていた】

――――諦念が、救いである事もあるよ…………

【ポツリと、青年はそれまでの諭すような声音から離れて、静かに呟く】
【言いたい事が多すぎて、言葉に出来ないと言った様に。そこには、青年自身の思うところが強く滲んでいるのだろう】

…………心を救うには、時間が掛かるものだよ。けど、無理に『生』へとベクトルを向けさせれば……人は『死』の為の準備を出来なくなる……
穏やかに迎えられない『死』は、確実に痛みになってしまうんだよ…………誰にでも訪れる終わりなのに、ね…………
等しく訪れる終わりが、必ず苦に満ちているなんて……それこそ絶望だと思わないか?
…………だからこそ、なんだよ……絶望を肯定し、心にそれを受け入れさせる事…………それが、救われる終わり方…………

【――――少女の言葉は、力ある者の――――別に大げさな意味ではなく、強い心を持った人間の為の言葉なのだろう】
【しかし、残念と言うべきか、愚かにもと言うべきか――――人間は、誰もがそんな力を持っている訳ではない】
【むしろ、平凡に生きている人間は、その多くが心の強さとは無縁な人間だろう】
【逃げずに奇跡を信じる事――――それだけでも、身を削り、苦に思う人間は少なくないのだ】
【青年の言葉は、ある意味でそうした意志を代弁しているとも言えるのかもしれない】

――――――――いや、それは傲慢なんかじゃない…………!
人との繋がりは……時に、何よりも救い足りうるものだ…………
手前だって、それが無ければ…………本当に、全てに絶望して……やはり、失意のうちに自殺していただろうって、思える…………
……ほんの、ほんの何人かしか、今まで居なかったけど…………大切な繋がりがあったから、手前は生きてこれたんだ…………!

【ポツリ、少女の漏らした言葉に、青年は力強く反論する。確かに、2人の言葉は大きく異なっている。だが、それを否定してはいけないと】
【時に、分かり合えない事は仕方ないだろうが、だからと言って分かり合う事を全て放棄してはいけないと】
【青年を支えてきたものも、1つには『絆』があったのだと】

…………おかしいだろう?
矛盾、しているはずなんだ…………誰だって、いつかは死ぬ。そんなものに縋って生きていても、結局は離別に心を引き裂かれるだけ…………
でも、手前はそれだけは…………とある2人の事だけは、どうしても否定しきれない……理屈で、片付けられないんだ…………
でも一方で…………それを失う事が、何より強い絶望である事も、知ってる…………大切な人であればあるほど、それを失うのは痛いんだ…………
――――きっと、その2人の事を割り切れないのは、まだ手前の心が弱いから…………なんだろうな…………

【青年は、素直な心情を吐露する。本来ならそれらも、破滅へと至る、いたずらな希望に過ぎない、否定しなければならないもののはずなのに】
【それでも青年は、未だにそれを『そう』と割り切る事が出来ないと】
【だが一方で、そうしなければ、それこそ己をすら否定しかねない程の絶望を、身を以って知っているとも言い】
【――――所詮人間である以上、一切の矛盾のない、完全な生き様など、期待しえないのかもしれないが――――青年はそれを、素直に『自己矛盾』と表現した】

/すみません……今日もそろそろ限界です
/とりあえず、もちこすかどうか明日もう一度お聞かせください……
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/09(木) 02:02:01.95 ID:ErZcUT8h0
>>18
/了解です、よろしければ持ち越しにして頂ければっ……
/とりあえず今日はこちらも寝て、万全の状態で臨める様にしておきます。本当、凄まじい遅レスですみません……
/持ち越す場合、再開できるのは19、20時以降になると思います。それでは一旦お疲れ様でしたっ
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/09(木) 07:41:32.09 ID://OSeu0P0
>>19
/了解しました。では今日もお待ちしていますー
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/09(木) 21:10:04.43 ID:bQul+OEX0
【街中――葉脈みたいに広がる路地裏の、そのどこか】
【息も詰まるようなコンクリの壁で閉鎖された世界、月のない空はいつもよりもずっと暗がりを落として】
【どこかの建物から洩れる僅かな明かりがほんのかすかな視界をくれるだけ、満足には程遠い】

……――。

【――だからこそ、そんな手遊びはよく目立つのだけれど】

【新月色の闇よりも冥い色をした髪、腰も太ももも通り過ぎて、膝の辺りで何とか停止する長さ】
【長めがさらさら隠す向こう側には右が赤で左が黒のオッドアイ、じぃと覗き込むのは、自らの手中】
【姫袖よりも穏やかに袖口を広げる深い赤色のワンピース、レースで飾ったペチコートを露出させるようなデザイン】
【足を隠す包帯を巻いたよなデザインの長めのソックス、縁を抱きしめるガーターリングがあって、足先には底の高いストラップシューズ】
【首元や手元に巻いた包帯はお遊びめいてリボン結び――風や僅かな動きに弄ばれて、ふらふらと揺れて】

【――太陽なんて浴びたことのないような白磁の手のうち、きらきらと煌くのは桜色と黄緑色、御衣黄桜にも似て】
【水溶液に浸した結晶が育つように両手の中でじりじりと育っていくのは、魔力の結晶――とは、少しだけ違うけれど】
【ふりふりとレースめいた花弁を抱きとめる薔薇の花、当然生花であるはずもないなら、ぼうと燐光を放っていた】

あ……、――もうっ……。

【狭い道に調子付いたような一陣の風、今までよりも強く一度吹き抜けたなら、ざぁと毀れて舞い散る部品】
【こんな場で辺りに気もやらずに行っていたことからも集中力が要るらしいこと、分かるだろうか――なんて、】
【――異色の一対は怨めしげに花弁の行く先を追いかけるだけ、誰かが居るようなら「あっ」なんて声、あげるのだろうか】

【――風が吹きぬけようとも微動だにしない降り積もるような気配、ひとから外れたようなもの】
【詰まれた木箱の上に腰掛けた少女を中心に広がっているなら――まあ、きっと、そういうことなのだろう】
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/09(木) 21:15:47.71 ID:T9b3CBns0
【市街の大通り】

【街頭があたりを煌びやかに照らし】
【人々が歩く雑踏の音とにぎやかな声で満たされた街中】

えー、焼き...じゃなかった、アイスは要らんかねー

【焼き芋と言い掛けようとしたが、そもそも焼き芋などの季節ではない】
【もちろん、焼きアイスでもない...そもそも想像すらつかないが】

やっぱり屋台引いては時代遅れか...夏祭りとかでもあればなぁ

【都市的な街中の道の端っこにて、一人の男が屋台の奥で頬つえをついてた】
【金髪の天パに、ところどころ白髪が混じった特徴的な髪】
【ノースリーブのラフなボタンを締めたネルシャツの上には、緩いエプロンを着て】
【いかにもやる気の無さそうな顔で、申し訳ない程度の大きさの、脱力感溢れるで声で客を呼んでいた】
【変哲もない男が屋台をきりもり、これだけなら普通の光景だ】
【ただ、この屋台にはひとつ、変わった事があった】

【屋台の机らしきものから、もくもくと濃く、白い霧が湧き出ていたのだ】
【机から、のんびりと、大量に落ちる霧はまるで小さな雲の滝に見える】
【微かに、霧の源泉である奥には小さな木の棒が数本、立っていた】

とても不思議、シュワっとする夏にピッタリの魔法のアイス
今なら3本以上の購入でサービスサービス!

【シュワっとするアイス、サイダー味といいたいのだろうか、果たして本当なのか】
【霧の奥で冷やされているアイスはじっくりと、客が来るまでその冷気に浸かっていることだろう】


23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/09(木) 21:46:25.05 ID:ZNVaO5kn0
>>22
【行きかう人々よりちょっと高い目線】
【私有地と道路を隔てる小高いコンクリート塀の上、にちょこんと座りこむ白い人影があった】

【裾と衽を切って短くした白地に葵の模様の入った浴衣を着て、短くなった衽から白い裸足が伸びる】
【これだけなら普通の女性と大して変わらないが、一つだけ人と大きく異なる点があった】
【それは――――】

むー……流石に一日食べてないのは辛いにゃ……肌寒いのとお腹が空いたので、ひもじい……
やっぱりこんなに遅いとみんな家に帰っちゃうかにゃぁ………はぁ……

【夜だというのに目は金色に煌々と光り、白い髪から覗くのは、同じく白い毛に覆われた猫のような耳】
【同じく白い浴衣から覗く二つに分かれた白い尻尾をくるっと回して、辺りを見回すが……それらしい人影はおらず】

……気ままな人生とは言え、食べ物に困るのは辛いのにゃ
ふぅ……兎にも角にもなにか胃の中に収めたい、にゃ……

【塀からぴょんと飛び降り、音も無く着地する……と、そこに通りかかったのは屋台】
【まさに渡りに船!とピョーンと飛び掛かるように屋台の方に走れば】

にゃ!一本!一本ちょうだい!とりあえず助かったにゃ!

【すり寄るように屋台に駆け込み、とりあえず一本とアイスを頼む】
【注文する様子がなんだかとっても嬉しそうなのは、きっと気のせいではない】
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/09(木) 22:08:33.01 ID:T9b3CBnso
>>23

へい、らっしゃい!アイス一本ね!

【先ほどの脱力感溢れる声が嘘のように、キレのいい声で歓迎】
【沸き上がる白い霧と冷気の中に手をつっこんで、引いてみれば】
【店主の手に握られているのは先端が潰れている、四角錐の形をした水色のアイス】
【アイスのあたりには靄が揺らめいているあたり、作りたてなのだろう】

お客さん、やけに焦ってつっこんできたけど、そんなに腹が減っているのかい?

【こりゃまた珍しいお客さんだなと思いながらも、アイスは売れたのである】
【アイスが売れて余程うれしいのだろうか、満足そうな笑みで男は猫耳の少女にアイスを差し出した】

25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/09(木) 22:19:00.95 ID:XBBbS9ol0
【何時もならば、静寂が支配しているであろう森の一角――――】
【ゆらゆらと揺らめくのは人魂の様な炎で、ピンと立てた指先に其れを宿して森の中を歩くのは、少女と女性の丁度中間の年頃の女】
【黒いローブと、とんがり帽子。所謂、典型的な魔女の姿で】


「ほんっっと、何処に行ったんだろ
幾ら僕の主だからといって、好き勝手されたらたまったモンじゃないさ
隙があったらあの頭をポカッと一発…………」

【愚痴グチぐち――――】
【件の“主”が居ない事を良い事に、連ねる言葉は不満の数々】
【……けれども、その主に勝てないのは理解して居るのだろう。だからこそ漏れる溜息】
【無理だよなぁ――何て呟けば、夜空へと顔を上げて】

【――――視界を遮るのは、一羽のフクロウ。まるで女に問うかの様に、クイッと首を傾げれば】


「お前、僕の主が何処に行ったか知らないか?
――――……そうか。知らないなら、いい。…………役立たず
……にゃっ?!こ、コラ!小便を引っ掛けようとするなァ!!」

【女の言葉を解したのか、ホー。と一声返す程度だったけれど】
【ボソリと呟かれた言葉は、流石に癪に障ったのだろう。バサバサと飛び立てば、まるで蝉のようにみみっちい攻撃】

【――一方の女。まさかの不意打ちに驚けば、帽子の隙間からピンと猫の耳を立たせて】
【焦げ茶色で、癖のあるロングヘア。其れに掛からないようにと、慌てて帽子を深く被るけど】
【静かな森――――騒がしい声は、よく通った事だろう】




【何時もなら暗いはずの街中。だけれども、今日は不自然に明るくて】
【照らしているのは街灯でも無く、月でも無く。魔力によって作り出された光】
【その中心に居るのは、一人の少女。金色の髪、フリルの付いた真っ赤なドレスを纏った少女】
【けれども、愛らしい雰囲気なんてものは無く、放っているのは禍々しい瘴気であって】


「落ちる月を太陽が追いかけたって間に合わないの
永遠に会えない恋人なんて素敵じゃ無い?
悲劇喜劇惨劇沢山在るけれど、人間はどれが好みなのでしょうね。分からないわ、分からない
白ウサギならしってるかしら。チシャ猫なら教えてくれるかしら?」

【所謂、魔族の気配。決して穏やかとは言い難い其れ】
【辺りを見回したって、気を利かせて街の住人が出てくるわけでも無い】
【寧ろ、その逆であって。見つからないように、見つからないようにとしている事だろう】


「今日は私と踊ってくれる人が誰も居ないのね
鏡だって無いから、お話相手もいないもの
退屈ね、退屈。今日のお話は中止かしら」

【唯一の明かりという事もあって目立つのだろうけれど、何より少女の存在を主張しているのはやはり気配】
【隠そうともしないのだから、敏感な者は幾らか離れていたって感じ取れてしまうだろうか】
【くるり。一度回れば背後に一冊の本を召喚して】


「――――其処に在れ。
誰か来ないかしらね、面白い人。楽しい人
お茶でも飲んで、一緒に話せる人でも居ないかしら」

【“其処に在れ”。その言葉を紡げば、現れるのは二組の椅子と、ティーセット】
【よいしょ。なんて声と共に腰を掛ければ、カップにお茶を注いで】
【――――さて、この街に訪れる者は居るのだろうか】
【仮に居たとしたならば――――きっと、真っ先に異質な少女。魔の姿が視界に映るであろうか】


/明日がちょっと早起きなので途中離脱する可能性もありまするがー!
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/09(木) 22:25:26.05 ID:j8kzSxc9o
【夕刻・とある砂浜にて】
【日も水平線の向こうに落ちようという時刻、人影の無いそこに漂流物が在った】

【有り体に言えば、それは人だ。少女だろうか、白いボロ布のような物を身に纏っており】
【所持品らしいものも全く無く、見た限りでは20歳程度に見え】
【濃い赤の長髪を頬や服、或いは砂浜に晒しながら、小さく――】

――――――――――、―――――ッ……――――。

【呻く―――死んでは、居ない。ただ得体が知れず、そもそも誰が通りかかるかもわからない】
【ただ、もし貴方≠ェいくらか昔にテレビなどを見たことがあって、記憶力が良ければ】
【その少女、或いは女性が、UNITED TRIGGERの宣伝のようなことをしていたことに気付くかも知れず】

【―――また、その身を覆う布を染める僅かな朱にも、目が行くかもしれない。】
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/09(木) 22:30:40.37 ID:ZNVaO5kn0
>>24
【屋台を覗いてみれば、そこにいたのは店を切り盛りしているらしい一人の男がいた】
【にこにこ笑ってる男に「ありがたいにゃ!」と声を掛けて、差し出されたアイスを手に持つ】
【容姿は15、6歳ぐらいだろうか……一点の曇りのない瞳で店主を見上げると、へへへと笑う】
【よっぽどその食べ物が有難かったのか、アイスを貰ってなんだかとっても嬉しそうな姿は子供のよう】

にゃー、やっと食べ物に在りつけたのにゃ〜
ここの所満足に食べられなかったもので、有難いのにゃ!

【実はずーっと歩き続けている割になかなか食べる機会が無く、そろそろ空腹感が脳を支配し出して……】
【何か食べたいな、と探してみたもののなかなか食べ物が見つからず……ようやく見つけたのがこの屋台】
【ありがたや、ありがたやと駆け寄ってきて、今に至るという訳だ】

まさかここで何か食べられるとは思っていなかったにゃ!
早速溶けてしまう前に、頂いちゃうのにゃー!

【そして、嬉々としてアイス棒をペロペロと舐め回す】
【空腹に染み渡る甘い味と冷たい感覚が彼女をより笑顔にさせて、すっかりご機嫌のよう】
【尻尾はぴんと上を向けて時々フラフラと揺らしてみたり、感情が動きにも出ている】

にゃ、美味しいのにゃ!
甘い物には目が無いのにゃ、このアイスは本当に美味しいにゃ!
綺麗な水色だけど、どんな風に作るのにゃ?

【相変わらずぺろぺろと舐め回してみては、鮮やかな青色のアイスを不思議そうに見つめ】
【やがて店主に「材料は何なのにゃ?」と首をかしげて尋ねてみる】
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/09(木) 22:40:57.41 ID:jPPqZ+nx0
>>18

【静止の声は少女の奔走を留めることなく。一瞬たりとも停滞を生まず、彼女を目的地へと送り届けた】
【そして観えたのは怒りを抱えた――――― 抱えていた男の末路、】

(………ぁ、………)

【橡色の瞳が揺れた。半ば以上呆然とこの凄惨な光景を見つめて、声もなく少女は立ち竦む】
【あと少しだけ早かったなら救えた、目と鼻の先で零れ落ちた一人分の命――――】

…………、…ッ……――――――――

【がくりと、その輪郭が歪んだ様に感じて。口を固く結んで、少女は何時しか俯いていた】
【……だが、見せた姿はそれだけだった。涙を流すことはなく、膝を就いてしまう様な事もなく、】
【静かに目を閉じる表情は、硝子細工の静寂の様に、儚げで――――】

【……滔々と紡がれてゆく青年の言葉。少女の沈黙が、まるで虚空が凪ぐ様に静かに続いて、】
【熟考には十分な時間/面を上げ、再びあらわになる双つの橡色、】

……戦うのは、その人である必要はないんじゃないかしら?
たとえその人が諦めていても……その人を、“他の誰か” が諦めなければいい。

一人で消えてしまいそうになっても。穏やかな終わりの準備が終わって、心残りなんてなかったとしても。
………救われちゃいけないなんて法は………世界の何処にもないと思うから。

それで “勝手に救うな” なんて言われたら、私は甘んじて受け取るしかないけれど―――――
……それでも誰かを救うのは間違いじゃない。
そう思うから、私は戦う――――――

【穏やかな心のまま生きて、穏やかなままで救われる―――― ……そんな物語を届けるために、】

【誰にも知られず。助けなど求めず。当人にすら気取られぬまま、一人で、その一人を救うために戦い続ける――――】
【………“望もうと望むまいと”、その言葉の真意は其処にあったのかもしれない。当人が諦めてしまったとしても、彼女は、終わりまで諦めないのだと。】
【呆れた頑迷さだと言われた。彼女にもきっと自覚はあった。】

【それこそが少女の弱点であり、捨てきれない甘さなのかも知れなかったが】
【“死が救い” でなく “死もまた救い” なら。彼女は、勝手に “見捨てない” 道を選び、選び続けようとするのだろう】


(…………?)

っ……ふふっ……本当に大事な人達なのね。

別に良いんじゃないかしら?
いつか終わる日々だとしても、大事なものなら守りたくなる――――
……“人” はきっとそういうものだし、弱さじゃなく強さだと私は思う。

……こうして話しているのも……だからこそ、なのかもしれない。

【感情を露わにして語る青年を、どこか不思議そうに少女は見つめていたが】
【やがて穏やかに微笑って返答/“人” としての、自分の言葉。】
【……それを強さだと信じるからこそ、彼女は抗いを選ぶのだろう。ひとときの絆でも、軽くとも忘れずに。】

【それは、彼女にも、或いはそんな一面があることを暗示する様でもあって――――】
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/09(木) 22:50:21.51 ID:/vX31JpOo
>>26

おや……?

【砂浜を歩いていた一人の女性―――見た目は20歳前後で、セミロングの金髪に灰色の瞳】
【シルバーグレーの作業着の上下に、黒いワークブーツを履き、砂浜には似つかわしくない白衣を羽織っている】

【女性は自分と同じくらいの年齢に見える「漂流物」に気づき、まじまじと観察する】
【位置関係の問題で、顔は良く見えないが……】

これは……能力者の匂いがしますねえ

【実際はそんな匂いを感じる能力など持っていないのだが】
【そんなことをつぶやきながら、「漂流物」に近づき】

えーと、まだ生きてらっしゃいますか?

【身も蓋もない問いかけをした】
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/09(木) 23:04:46.92 ID:j8kzSxc9o
>>29

【女性――幼い顔つきなので区分するために少女と呼ぶが――】
【彼女は白衣の人物が近づいても、僅かにその空色の瞳を開いて相手を確認するだけで】
【居心地悪そうに地表の砂を握りしめつつ、1つ浅い呼吸をし】

――――…………、……だ…れ……、…………?

【そんな、とてつもなく短い言葉を返す。生きているかと言えば、YESだろう】
【ただ、非常に死に近い。衣服の様子からして、海を漂う以前に何かをしたように察せられる】
【―――まあともかく、瞳にしろ手にしろ、言葉にしろ。生存を確かめるには、十分すぎるだろう。】
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/09(木) 23:06:07.84 ID://OSeu0P0
>>28

…………っ、やはり…………

【一目見るだけで、青年はそれ以上その亡骸に関わろうとはしなかった】
【そして、その事実を見届ける以上の事も、必要なかった。そこから先は、彼ら自身の心の中で完結されるものだろうから】

――――それは確かに……だけど、その困難さは、君も良く分かってるんじゃないか?
それに…………とても重要な事がある…………
――――――――戦う事を代わる事は出来ても、人生を……命そのものを代わる事は出来ない――――――――
どうしても、それには限界があるんだよ……――――まぁ、『可能な限り』って言う前提があるなら、それもアリなんだろうけど…………

【何もかもを背負って戦う――――少女の決意はそうした、力強く、気高いものなのだろう】
【だが、どうしてもそこには限界がある。命、生き様、過去――――色々な言葉で表現できるだろうが、背負いきれない部分は確かに存在するのだ】
【――――青年の提唱する『救い』は、ある意味そこにフォーカスを当てているのかもしれない】
【道を示す事はあっても、最後は当人の心の問題と突き放し、だからこそ『心を救う』――――深く考えていくと、青年と少女の主張はどこまでも対照的だ】

…………あぁ、恩人さ…………掛け値なしの…………

【浮かんだ顔を思い起こしながら、青年は静かに答える。青年をして、割り切れないと言わしめるほどに、その存在は大きいのだろう】

――――手前は、二度とごめんだよ…………そうやって失う事は…………
その時が来れば、何もかもを失う事になる…………そして、何もかもを否定したくなる……自分自身でさえも…………
その喪失の痛みが、絆の対価として釣り合うと思うかい…………手前は、到底思えない…………本当に大切であればある程、その痛みは時を経ても消えないんだ……!
そして、その苦しみは永遠に命を縛りあげる……ッ!

――――だが……確かに、結局人とはそうなのかもしれない…………

【何か、過去を追憶しているのだろうか――――青年の表情に戦慄が走る。やがてそれは、慙愧とも痛惜とも取れる表情に染まっていき】
【それまでの理性的な言葉から一転、恐怖にすくむ子供の様に、右手で己の頭を抱え込みながら呻いてしまう】

【それも長くは続かず、落ち着きを取り戻す事になるのだが、明確な言葉は残さず、ただポツリと呟くにとどめて】
【――――それを注意深く受け取れば、青年の『救い』の思想は、その過去に深く関わりがある事が分かるだろう】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/09(木) 23:15:40.86 ID:T9b3CBnso
>>27
【アイスを買って、そして美味しそうに食べる子供の笑顔を、まるで親のように見ていた】

(あー、やっぱいいな、屋台は。これだからやめられない)

【普段はあまり人が来ないアイス屋の、唯一の楽しみ】
【こうやって、アイスを食べながら笑う子供を見ていると、自身も不思議と笑みがこぼれるのだ】
【なぜなのかは分からない。でも、こうやって見るのが毎日の日課だ】
【……とはいえ、この猫耳の少女の反応はオーバーな気がするが】

へぇ、何も食べ物にありついていない……
あんたも災難だねぇ、自分もけっこう儲けが少なくてさ

【世間話をしながらも、手を冷気の中につっこんで】
【ジャブジャブと屋台から水の音と、そして白い霧が溢れてくる】
【アイスを掻き混ぜるその手つきは、かなり長くアイス屋をやっていた事が分かる】

(しかし、本当に何も食べというのは本当そうだな...)

【満たされた表情と尻尾の挙動を見て、確かに今まで食べてなさそうだなと改めて感じた】
【獣人がたまにアイスを食べに来て、うまいとは言われる物の、さすがにここまでは大げさではない】
【しかし、何も食べていないというのならわざわざアイスなどで腹を満たさなくてもいいような】

お!美味しいかい...
そりゃあよかった、色や味、長く研究してきたかいがあったもんだ

【美味しいと褒められてうれしくない人などいない】
【機嫌がよく、もう一本アイスをサービスしてやろうかなっと考えながら】

どんな風に?まぁ、企業秘密ってやつかな
でも、普通の材料じゃあないな、この色を出すのはだいぶ苦労したんだ

【秘密というように人差し指を口にあてた】
【といっても能力の利用のおかげで実はすごく安上がりになっているのは内緒だ】
【いやいやっと手を振りながら、彼は再びアイスを取り出した。無色透明の透き通った色のアイスだ】

ちょっと特殊な砂糖液を入れたジュースに自然由来の着色料を入れただけさ
色が鮮やかなだけでも味にはけっこう影響するからな

【熱く語るあたり、なかなかにこだわりがあるのだろう】

//遅れてすいません...
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/09(木) 23:19:13.39 ID:/vX31JpOo
>>30

【目が合った。呼吸をしている――生きていることは間違いない】

そうですか、それはよかった
……あれ?貴女は――

【少女の顔がはっきり見える距離に立った時】
【彼女は少女の顔を”見たことがある”に気付き】
【相手を心配するような表情ではなく、笑みを浮かべた】
【と同時に、少女のかすれるような声が耳に入る】

私ですか?私は通りすがりの「能力マニア」です
白衣を着ていますが残念ながら医者じゃありませんが……

【言いながら、少女の前にしゃがみこみ】

大変な状態みたいなので、病院までお連れしますよ
私の名前はピオネルスカヤ
貴女の名前は?ああ、無理せずゆっくりでいいですよ
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/09(木) 23:28:55.21 ID:j8kzSxc9o
>>33

……?……、……ピオネル…スカヤ……。
「能力マニア」って、何っ……名、前――――ッ!

【言われたことを繰り返す姿は、滑稽と言うよりも知ることを覚えた子供のよう】
【徐々に意識がはっきりしてきたのか、空色の瞳に生気が篭る】
【もっとも実に弱々しく―――また名前はと聞かれて、おそらくは言おうとしたのだろう】

【しかしスラリと出るはずの最も大事な個人情報は、口を突いて出る事はなく】
【それに違和感や不和を感じたのか思い出そうとして――直後、頭痛に悩まされるように頭を押さえる】

【―――はてさて、病院に連れて行くのは正解だろうが、始末に終えない少女である】
【もし女性の記憶力が良いのであれば、見覚えのあるその顔はアンジェル・ベルジュロン≠フそれに違いなく】
【ただ相手が名前を言えないこと、それから髪の色が―以前は桃色だった―些か異なるのが気にかかる、か。】
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/09(木) 23:35:47.99 ID:ZNVaO5kn0
>>32
【この屋台のご主人はなんだかとっても優しそうで、いつもニコニコしている気がする】
【こんな人は大好きだ 優しい人や温かい人がどんな人よりも好きなのだ】
【大きな目を細めてニカッと笑うと、尻尾をくるりと回してみる】
【嬉しかったり機嫌が良かったりすると尻尾を回す癖があるらしく、一種の感情表現と言った所か】

【そのアイスの色がとってもきれいだったので、子供のように目を輝かせていたのだが】
【企業秘密と言われた時には残念そうに尻尾をぺたんと下ろしてみたり】

にゃー……教えてくれないのにゃあ
秘密って言われたら余計に不思議に見えるのにゃ、秘密も一つの隠し味なのかにゃ?

【でもとりあえず美味しかったからそれで良いなんて、そろそろ半分程なくなったアイスをなおも食べながら思い】
【そして、きっと不思議もおいしさの一部なんだなーと、自分なりに納得してみる】

でも、自然由来でこんな色を出せるってすごいにゃ!
水色なんてなかなか自然には無いのに、これも企業努力ってやつかにゃ?
これだけ工夫してるんだから、そりゃ美味しい訳だにゃあ〜♪

【実際、自然着色料なんて地味な色しか出せないものだが、それでもこんな鮮やかな色を出せるのは、きっといろんな工夫をしているのだろう】
【言葉の端々に彼のこだわりが見受けられて、素直にすごいにゃなんて感心しきりの様子】

……で、やっぱり売れてるのかにゃ?
こんなに美味しいのだから、いっぱい売れると思うにゃぁ……

【取り出された透明なアイスを、これまたまじまじと見つめながら売れ筋について訊く】
【素直に美味しかったので、きっと売れると思うのだが……】
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/09(木) 23:46:43.31 ID:/vX31JpOo
>>34

私は……簡単に言えば世界中の「能力者」の調査、研究をしているんです
そんなことより、大丈夫……じゃなさそうですね
うーん、会話するのも難しい状態、ですか

【名前をなかなか答えられない少女を前にしながら】
【自らの肩にかけていた小さなリュックのファスナーを開け、中から黒いタブレットを取り出し】
【少女の顔とタブレットの画面を交互に見ながら、何やら操作をする】

間違い、無いですよね……少々変わり果てた姿ですが……
この人はあの「正義の組織」の―――

【「能力マニア」を自称するだけあり、タブレットの中には能力者の情報が大量にあるのだろう】
【正義か悪かにこだわらず、当然能力者が集まる組織の情報も】

ああそうだ、こういうときは水がいいんでしょうけど、無いよりはマシですよね?

【そう言って、作業着のズボンの大きめのポケットに手を突っ込み】
【ペットボトル――中身はぶどうジュースなのだが――を取り出し、少女に差し出した】

どうぞ、飲んだら少しは楽になりますよ?
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/09(木) 23:57:57.51 ID:j8kzSxc9o
>>36

【名前が出てこない、会話ができない――と言うよりは、思い出せないという方が正しいかもしれない】
【覇気が無いのは負傷しているからだとして、名前が出てこないのは】
【言うなればやはり、記憶喪失≠ゥ。実際の所は分からないが】

【とにかく、この少女と件のアンジェルは同一人物だ。服も、よく見れば将校服に見える】
【彼女の知れた特徴としては、似つかわしくないその服装があったから、まず間違いはなく】

っ……あり、がとう…。……ピオネルスカヤ、さん……っ――。

【ペットボトルを差し出されれば、にわかに身体を起こし、それを受け取って】
【乾いてひび割れた口でクイと少しばかりジュースを飲むと、直ぐに相手へ返そうとするだろう】

【塩水よりは良い――が、水よりは悪い。感謝こそすれ、身体の反応はどうしようもないという所か】
【時に、世に知られる範囲でのアンジェルは実に少女らしくない≠フだが】
【この反応や、伏し目がちな様子などを見る限りでは、身体だけではなく心にも深い傷を負っている様に見え】

【――さて。もし病院に行こうと、或いは他の企みを以て彼女の手を取るのなら】
【アンジェルは尚も呆然とした様子のままでこそあるが、立ち上がって付いて行く事は可能だ、と記しておこう。】
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/10(金) 00:01:13.28 ID:04jzyKpNo
【路地裏】

【昼間でも薄闇に閉ざされている空間。この時間帯の闇の濃さは、さらなる暗黒】
【その空間に、澄んだ音が響き渡る。口笛の音だ】
【高く、低く。ところどころビブラートなども加わった、見事なものだった。しかし、その旋律はどこか気だるげだ】

【音色とは違い、その口笛の主は、異様で醜悪な面相の持ち主だった】
【路地裏の汚れた地面を踏み締める、黒いゴム長靴。その先を辿れば、身長は2メートルを超えているだろう、大男の姿】
【薄汚れた灰色の作業着の上に、黒いラバー地のエプロン。短めに切りそろえられた黒髪に、角ばった顔つき】

【何より際立つのは、その額。面積すべてを埋める、ひとつの眼球が額に埋まっている】
【本来の両眼も存在しているようだが、それらは生気がなく、動かない。よく見れば、それが義眼である、とわかるはずだ】
【さらに、両耳は黒ずみ、奇妙に歪んでいる。両手の親指に目をやれば、それらもドス黒く変色し、ほかの指より細長くなっている】


【ゆったりとした歩みは、口笛の奏でる旋律に合わせるかのように。足音と澄んだ音色が、闇に響き続けている】
【誰かがそれを聞きつけて、この場に現れれば、その姿はすぐに認められるだろう】

/予約です
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/10(金) 00:03:23.89 ID:M9x8B++Q0
>>31

……だとしても私に出来ることをして………終わりまでし続けるしかないのよ。

……やっぱり貴方とは相容れないか。それも……仕方がないことなのでしょうけど。

【―――――― “道” は、“生” は一人独り違っているもの。】
【譬え同じ場面に出会ったとしても、それで重なる訳じゃない―――――】
【そうした思想を持つゆえに、目的そのもの―― 例えば誰かの夢を継ぐために冒す危険―― は、彼女が“背負う”/肩代わりすることの願いの外側で】

【……それでもあの夢を諦めきれず、彼との結論の不一致を述べるのは、彼女はそれを決して譲れぬから、なのだろう】
【それを夢見がちな少女の言葉と片付けるのも簡単で、】
【だが、】

………絆は、あった。
どうしたってその過去は消えないし、それならそれを前提に “今” を選ぶしかない――――
……護り通すのか。忘れてしまうのか。どちらを選ぶのか、選べるのか――――――。

………だから、最後に一つだけ聞かせて。
その人達にも “出会わなければ良かった” ―――――― ………貴方は……そんな風に後悔してるの?

【過去は決して変わらない。絆も、“失われた” のならその喪失も。】
【ゆえにそれを前提に行動するしかない――――― ……或る意味ではひどく冷たい、現実を突きつける様な言葉、】

【…………彼の過去に何があったのか。彼女は、何もといって良い程にも知らなかった】
【だが青年の言う “恩人” 達との出会いすらも、後悔して、全て忘れたいと願うのか、と―――――】
【或いはその思想の源流を探る様に、或いは最後の挨拶として、その絆の否定を否定する様に、】
【少女は/どこか寂しげな態度で紡いで、】
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/10(金) 00:04:32.66 ID:9l41rUtLo
>>35
まぁ、そんなところかな
不思議なアイスが売り文句だからな、不思議が無くなったら少し
つまんないだろ?

【アイス屋は苦笑しながら頭を掻いた】
【こう見えてもだいぶ当時は苦心して作った秘伝のアイスなのだ】
【簡単に教えられるほど安いものではないのだ】

(しかしさっき見たいに期待の目で見られちゃうとなー)

【教えようかと葛藤に苛まれちゃうのだ、案外押しに弱いのである】

客に喜ばれる個性的なアイスじゃないとな
個人でやってるから、それなりに特徴がないとやってけないんだ
初めた頃には売れなくて苦労したさ...

【世知辛い世の中だよっ...そう呟きながら彼はうんうんと頷きながら】
【でも、本当にアイスを作るのが好きでなければここまで美味いアイスは作れなかっただろう】

【回想をして、突然と寒気がした―彼自身は気付いてはいないが、奇妙な冷や汗を額に流した】
【―本当は、こんな事にはなってほしくはなかった、いや、今の生活には満足はしているのだ】

(いやいや、あの頃はもう捨てたんだ。今はアイス屋のコールだ。ああ)

まぁ、ボチボチかな
夏は何せ飛ぶように売れるんだが、冬になると赤字になりまくりだ

【実はここまでアイスを美味くしているのは冬を越すのにそれなりの資金がいるからであったりする】
【そのとおり、夏は祭りなども含めかなり売れる上に、元々アイスを作るための光熱費などの全てを能力で賄える】
【だからこそ利益もちゃんと出る上にけっこう儲かっているのだ―冬は地獄だが】

そういえば、嬢ちゃんはしばらくロクなメシにありつけなかったとか言ってたけど

....あ、いや、別に嫌なら応えなくてもいいんだぜ、色々あるしな

【ハッと気付いたのか、突然と言葉を濁して】
【獣人の少女こんな一人で過ごすというのはなかなか危険、何かわけがあるのだろうと考えた】
【流石に、アイスを見てここまでがっつくのは妙】
【勿論、彼自身も余計な世話なのかなと感じているのだが、果たして】
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/10(金) 00:11:01.28 ID:TbeBXjRko
>>37

いえいえ、どういたしまして……
私のことはピオネルでいいですよ。長い名前ですからね
というか、あまり無理してしゃべらないでください

【ジュースを飲み、少しはマシになったように思えなくない少女――アンジェルの様子を再び観察し】

記憶喪失若しくは混乱……原因は怪我……?
それとも誰かの能力の影響か、はたまた自分の能力の代償か…

【ぶつぶつと独り言の途中で】
【返されたペットボトルを受け取る】

また飲みたくなったらいつでも言ってくださいね
……立てますか?
ここから近くの病院は、まあ歩いて5分くらいでしょうか
貴女、アンジェル・ベルジュロンさん……でいいんですよね?

【そう言って、アンジェルに手を伸し、掴むようにうながした】
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/10(金) 00:21:20.64 ID:KdMuw7/Co
>>41

【ピオネルの独り言を聞いているのかいないのか、当人は特別の反応を見せない】
【ともかくペットボトルを返したのなら、呼び方に関する言葉に小さく頷いて】
【手を伸ばされたのなら、弱々しくも両手で握り―――ゆっくり、フラつきながらも立ち上がる】

【―――やがて歩いて行く事となれば、普通の行程の二倍ほどはかかるだろうか】
【それくらいの歩みにならざるを得ないほどに疲弊している姿からは、強力な能力者らしさは伺えず】

あ、の……ピオネル、さん…。刀=c…見ませんでした、か…?
どういうものかは分からないんですけど、何か大事な……――――。

【精々、話題らしい話題はその程度。ちなみに、砂浜にそのような物は無かったことは確か】
【将校服に、刀が主装備だったのか。どちらにせよ、だ。この少女は、ある足がかりに成るかもしれない】
【それはピオネルのやり口次第だが―――彼女の属する組織に無能力者ばかりが居るはずも無い。つまり―――。】
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/10(金) 00:24:56.38 ID:Gb2vk4Cb0
>>39

…………やっぱり、その道を選ぶのか……まぁ、これ以上は水掛け論だね……
――――手前も思うよ……それは、仕方がない……とね…………

【例えそれが滅びの結末であっても、心を救う事に専心する青年と、例えそれが苦難の道行であっても、命を救う事に専心する少女】
【やはり、これ以上はその思うところの受容は、無理があるのだろう】

…………どう、なんだろうね……
今を言えば、感謝してるさ。今を生きているのも、彼らのおかげだからね……だからこそ、こうやって人の幸せに思いを馳せる事も出来る……
――――でも、この考えがあるからこそ、思うんだ…………もしかしたら、あの時死んでいた方が、まだマシだったんじゃないかとね……
あるいは、僕の心がより強くあれば……彼らとの離別も、耐えられるようになるのかもしれないけど……
もし後悔するとしたら、その瞬間さ……いつまでも、同じ道を歩んでいられるはずもないんだから……
……そう……彼らと袂を分かち、殺し合う事にならないとも限らない……そうなれば、どこに行きつこうと手前は、絆の故に苦しむ事になるだろう……

【問われた言葉に、青年は回答を避けた。今の在り方なら、どうとでも言えるからだ】
【大事なのは未来――――今の絆がどう転ぶのか。自分の心がどう変容するのか。それに合わせてみなければ、自分の救い方は分からない】
【ただ、今の絆が、そのまま善い因縁のままでいられる保証もない。そうなってしまえば、自分は深く後悔する事になるだろうとだけ、口にして】

――――でも、君の言うとおりだ……過去は変わらない……
どうしようもなく、救えない……時の彼方に去った事は、君のやり方では…………
――――2度も、もしかしたら3度も、家族を失った手前の様などうしようも無い苦しみは…………その心でしか、救ってやれる事は無いんだよ……

【青年は、補足を入れるようにその言葉を返す。過去を足場にして、今の生き方を選ぶしかない。それは事実である】
【しかし、結局そこにも――――そして、そこから青年が見出す『救えない限界――――絶望』は、確かに存在すると】
【その前に、少女の方法では無力になってしまうだろうと、そう仄めかして】

/すみません、今日も眠気が限界です……
/ここで〆るにせよ、続けるにせよ、返レスは明日とさせてください。申し訳ないですorz
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/10(金) 00:31:45.23 ID:uM9GZ6pQo
>>38

【路地裏の神聖さ……夜が降りて闇が留まったような停滞した時間】
【それはいくつかの一つの足音によって破壊されることになる】
【アスファルトをブーツが踏み鳴らしてその口笛の旋律を蹴散らした】

ハァ……!ハア……!畜生、またどっかがトラッカーを雇いやがったな…誰だよアイツ

【T字の曲がり角、アタッシェケースを手に持った男が飛び出してきた】
【体を捻って、二三歩後ろに歩いて、壁に背をつける】
【きた道を警戒しているようだ。遠くに大通りの明かりが見える】

【その男はそのらの人間よりは背は高いほうだろう。ただ、2mには至っているわけはない】
【ただ、体重は身長に見合わないほど痩せているようだ。肌は青白く 黒いレンズのサングラスをしている】

【男の着ている細身のその黒いスーツは、その痩せた体躯のフォルムを表すように作られていた】
【耳が隠れるくらいの黒髪、赤いネクタイ、シャツ、10ホールのブラックレザーブーツ 見た目はこんなもんだ】

【アタッシェケースを左手に持って、右手をジャケットの中に突っ込む】
【取り出したのは限りなく銀に近い朱色のリボルバー式拳銃、うっすら銃身にエングレービングが施されている】
【銃口を上に向け、親指で撃鉄を起こしながら 男は息を切らしている】

あっ……ああ、悪いなオッサン……ちょっと取り込んでて
いや、なんだ……直ぐに出てくから……アイツが居なけりゃさあ…

【男はそんな大男にも気が付かないぐらい慌てていたらしい】
【冗談交じりに口元で笑いながら、壁に背をつけながら首をキョロキョロと動かしている】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/10(金) 00:34:49.46 ID:GBRPUkGz0
>>40
【やっぱりというか、このアイスはその不思議な色合いを売りにしていたわけで】
【不思議というのはそれこそ不思議なもので、物を一層魅力的にすることがままある】
【分からないという魅力が人の想像力を掻き立てるなんて、良くある話だ】

にゃ、なんだか分からないからもやもやするけど……それもいいのかもしれないにゃ!
分からないのもまた魅力なのにゃー♪
そうやっていろいろと工夫してユニークにすれば、みんな喜ぶにゃ!世知辛いなんて言うけど世間は正直なのにゃ!

【残念ながら、作り方については聞けなかったが………それでも、いろいろ工夫していることだけでも分かったから、それでいい】
【やっぱりいろいろ考えて工夫して喜んでもらえるようにしようと努力したものは、旨く出来ているわけだ】
【と、一瞬顔色が悪くなったのに気付き、いぶかしげな顔をする】
【何せ動物、人間より視覚は何倍も良くて、小さな変化もすぐ気付くのだが……】

……どうしたのにゃ?……まあいいにゃ、やっぱり冬は売れないのにゃ〜……
葵も冬は暖炉の前でで丸くなる方が良いにゃ♪
冬は夏の稼ぎでしのげばいいのにゃー

【……あんまり気にしないのもまた動物らしいというか、何というか……】
【その話題はあまり気に留めず、次の話題へと移る】
【暖炉はいい物で、寒い日に傍によるととっても温かい……直の火のぬくもりは人工的な温かさとは何かが違う】
【夏の稼ぎは、きっと冬の消費を相殺できると思うのだが……違うのだろうか?】

【そして話題は自分の事へと移り変わる】
【確かに自分は何も食べていなかったのだが、それが相手にとっては不思議だったらしい】

んー、葵は野良猫なのにゃ!あちこちを風のように言ったり消えたりするのにゃ!
自由気ままに生きてりゃ、たまには食べ物にありつけない日もあるにゃ!
自由ってつまりそういうことなのにゃ、明日の保証はどこにもない!
でも、色んなことがあって色んなことに出会って、死なない程度に食べれたらそれでいいのにゃ〜

【本人は、自分は野良猫と名乗った】
【気ままにマイペースに、色んな所に行ってみる……そんな生活】
【明日の保証も無ければ、今日の食糧の保証もない……でも、そんな毎日が楽しかったりする】
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/10(金) 00:35:47.49 ID:TbeBXjRko
>>42

【病院に向かい、砂浜を歩きながら】
【アンジェルの言葉に耳を傾ける】

刀ですか……すいませんが見ませんでしたねえ
正直言って、ベルジュロンさんが砂浜に打ち上げられていた状況的に……
その刀は海に沈んでる可能性も高いと思いますよ

【悪気は無いのだが、少々辛辣な言葉を分析を口にする】
【それよりも、ピオネルにとってはアンジェロの口数が増え始めたことに興味があった】
【記憶の混濁は、時と共に治り始めているのかもしれない―――】
【そう考えると、ピオネルは「能力マニア」として言わずにはいられなかった】

ちょっとずつ、何があったのか思い出してきたんじゃないですか?
例えばほら、あなたの「能力」
もし使えるようなら使ってみたら、貴女が関わった事件、或いは戦闘のこととか―――
記憶を掘り起こす「きっかけ」になるかもしれないですよ?

【2人はゆっくりながらも着実に歩を進め、砂浜から舗装された道へ出る】
【それでも病院はまだ遠いが】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/10(金) 00:50:15.99 ID:KdMuw7/Co
>>46

っ……、…………そう、…。

【短く、そして残念そうに。刀の詳細を思い出せずにいても意気消沈する、その姿】
【察するによほど大事な品なのだろうか。しかし、無いものはなく】

【その残念そうな姿を吹き荒らす風の様に、ピオネルの言葉が次いで聞こえる】
【そういえば「能力マニア」と言っていたが――こういうことなのか、と薄ぼんやりと理解し】
【流石に自分固有のものである能力のことは覚えているようで、ゆっくりと口を開き】

私の、能力は……っ、何か、バッジ≠ンたいな物は……?
あるのなら其れに封印≠オて、解放≠オて……―――ッ!

【さて、さて――吐き出されたワードは『封印・解放』という単語。バッジ、というのは媒介物か】
【案外に分かりやすい能力であるのだが、果たしてこれらから推察出来るかはピオネル次第となるが――。】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/10(金) 00:50:37.72 ID:04jzyKpNo
>>44
【足音。ブーツ。走ってきている。歪みきった大男の耳がピクリと動き、自身の奏でる音色を蹴散らすそれを捉えた】
【すぼめていた口を、すぐに戻し、その音の先に耳を澄ませば、何やら不穏な色を含む言葉と、荒れた息遣い】
【一つ目に最初に映り込んだのは、アタッシェケースだった。続いて、大通りから差し込む、わずかな明かりに照らされた姿】

【壁に背を付ける彼の姿に、大男の一つ目から送られた視線が、素早く這う】
【高めの身長、それに見合わぬ痩せ型、青白い肌にサングラス、服装、と、彼が気づかぬうちに、無遠慮な目線が送られる】
【続いて、その視線は、彼が取り出した拳銃へと釘付けとなる。撃鉄の起きる音】

(……久々に、静かな夜だと思っていたのだがな)

いや、気にしなくていい。別に、ここは私の家でもないからね。私に気を使って、急いで出ていく必要などないよ

しかし、穏やかじゃあないな。誰かに追われていたのかね?
荒事絡みで逃げてきたのなら、路地裏は逃亡先としては、むしろ危険なんじゃあないか?
見たところ……近くにまだいるのだろう?


【急いで出ていく必要などない、といった矢先に、この場の危険性など説いて見せる】
【よほどあわてているのだろう。自分の姿もよく見てはいないらしい】
【もし、しっかりと見ていたのなら、額に一つ目を持つ自分の姿に、何らかの反応はあるだろう】

【ともあれ、今はそのことは気にせず、相変わらず異形の面相をさらしながら】
【大男は、彼に言葉を発する。それを一度途切れさせれば、彼と同じように、首をめぐらせて、辺りを額で見回し始める】

【周囲に人の気配がないか。場合によっては、自分にも何者かの殺意が向けられることになるかもしれない】
【警戒心をあらわにし、眼前の彼もしっかりと視界に収めたまま。大男の意識が、周囲へと広がっていった】
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/10(金) 01:10:06.60 ID:M9x8B++Q0
>>43
/了解ですっ、流石にこれ以上拘束するのも忍びないので、こちらのレスとしては次で〆でっ……!
/ただ、レスが消えてしまったので、レスは明日出来るだけ早く返しておきます……orz
/いろいろとご迷惑をお掛けします……。
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/10(金) 01:10:58.49 ID:TbeBXjRko
>>47

【バッジ∞封印∞解放=z
【アンジェルの能力の断片的な情報】
【ピオネルは顎に手を当て、しばし唸る】

うーむ、能力の発動に特定の道具を要するタイプですかね
「みたいな物」ってことは、完全に限定されているわけでもなさそうですが……
えっと、何かありましたっけ

【再び、小さなリュックに手を突っ込み】
【しばらくガサゴソと、中が整理されてないことを如実に示す音を立て】

あ、これならどうですか?
ベルジュロンさんの物じゃないんですが、これで能力、使えます?

【差し出されたピオネルの手にあるのは、小さなピンバッジ】
【そこに刻まれているのは、氷の国の国立大学「ヴィエラ大学」の校章】

51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/10(金) 01:14:31.94 ID:uM9GZ6pQo
>>48

【男はアタッシェケースを地面に置いて、かけていたサングラスを外す】
【男性にしては長い睫毛だとかくっきりした二重とかは今はおいておこう】
【その目は瞳は黒黒とし、白いはずの部分は鮮やかに真っ赤でいた】
【その不思議で魔性を感じるような目は忙しく動かして】

【男はサングラスをスーツの胸ポケットに片付けるとまたケースを手に持った】

ああ、そう…なら邪魔する……って言うとまた家じゃないから邪魔ではない…って言うんだろうな

まあそんなところだ。道を歩いていたらミニバンの窓からズドン……あわくって逃げるしかねえよ
しばらくは様子見だ、しばらく路地を行ったから。バン降りて探しても…まあもう少しかかる
それより、何処の雇われもんか探すほうが厄介さ

【こちらも慣れているから対処法もわかっている。といったような口ぶりだ】
【いつもの事だと慌て緊張した様子ながらもニヒルに笑って見せている】

……アンタ、千里眼か何か?…何が見える?
…俺は目の前の錆びたシャッタしか見えねえや…。目立つ割に仕事しねえんだよな、コイツ

【横目で、相手の顔を見たが特に気に留めなかった模様】
【いや、もしかしたらどこかで驚いていたんだろうがそれは『急に車が飛び出してきた!』とかの”驚いた”であって】
【ありえない物を見たとか幽霊を見た驚く、では無い。】
【目が多いとか少ないとか、なんかちょっと黒いとか…そのへんも個性でしかない。と男は思っている】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/10(金) 01:21:06.43 ID:KdMuw7/Co
>>50

【「ヴィエラ大学」――あまり教育に興味のない、そもそも記憶を失ったアンジェルには】
【とんと覚えのない名前だったが、とにかくそのバッジを受け取ると、周囲を見回し】
【その足元に転がっていた小奇麗な丸石へと、不意にもう一方の手を伸ばす】

【すると、石が消える。一方で、手にしていたピンバッジは何やら灰色に、そして所々が角張って】
【まさしく石のように変化するのである―――つまり、これが封印ということか】

【また直後、『少し離れて下さい』とか細く言うと、アンジェルはバッジを何もない空間に向け】
【瞬間、閃光。それが収まれば、まさに先ほどの石が5mほどの巨岩≠ノなって、出現する】
【バッジは元に戻っていて―――つまり、能力を簡単に説明すれば以下のようになるか】


 【アンジェルの能力は、封印と解放。バッジを媒介としたそれは、恐らくなんでも封印出来】
 【また解放の際は多少自由を(それこそサイズさえも)効かせることが可能である、と】
 【仮に対象が生物ならば使役も出来るだろうし、大会の映像を確認すれば鎧のようにしていた事も確認できるハズ】


【―――まあそれはさておき、岩を出現させると流石に消耗したらしい】
【自らの体力も鑑みれない程だったのに無理をしたのか――ふらりと、倒れ込みそうになって。】
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/10(金) 01:22:54.35 ID:9l41rUtLo
>>45
(気付かれたか...?)

【訝しげな反応を、彼は見逃さなかった、いや、見逃せるはず】
【むしろ、見逃せられないと言ったほうが正しいのだろうか...が】

【戦慄の冷気が、彼の背筋を駆け巡った―刹那の、永久にも感じられる時間...】



(良かった...)
【冬は売れない、という言葉で、彼の緊張は氷解した】
【彼の考えていた最悪の状況―しかしなんとか動物のきまぐれさで回避された】

(暖炉か、炬燵の中で食べるアイスは最高だったな...)
【そんな昔の事を考えながら、他愛もない世間話を続ける】

夏の稼ぎか..なんとか.冬は乗り切きれたけどギリギリ
な時がけっこうあったからな〜
たまに自警団とかにある依頼とか受けて食いつないでいたよ、なんとか

【あと少しで自分がアイスになるところだったよ..】
【そんな冗談を飛ばして、楽しみながらも、話題をずらす事に対する焦燥感を感じていた】

【そして、彼が心配していた彼女自身についての事が語られていた】

野良猫か、って本当に猫だったのか...
でも自由か、いいなぁ、何にも縛られないって
俺も子供の頃は自分が猫だったらなー、だとかってよく考えていたよ

【猫と人間のハーフあたり、そう思っていたがところがどっこい野良猫であった】
【これには流石に驚きが隠せない、今の彼の顔は目を見開いて口を開けっ放し】
【まさに鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔をしているであろう】

でも、それなりに厳しいのかぁ...
やっぱり自由にはそれなりの対価がいる、なんでもうまくはいかないってこったか

【葵の話を聞きながら、彼は屋台の台に向かって手をかざした】
【溢れていた冷気と霧が、一瞬にして晴れて、アイスがあった場所には四角形の鉄の入れ物】
【恐らく、アイスを冷やして置く場所だったのだろう】

さて、そろそろ夜遅いし、店じまいだ
ありがとうな、久しぶりに色々と話したよ
またのご利用をお待ちしております...

【彼はそういうと台にある金具などを下にしまいながら】

ひとつ言い忘れた、ここまで話したなら、もうお得意さまだよな
俺の名前はコールだ。コール・フリージィス
見ての通り、しがないアイス屋だ

【自身の名前を、先ほどの客に使う言葉遣いではなく、馴れ馴れしく言って】
【そして金具や道具をしまい終わった後、彼はそのまま屋台の持ち手を持ち】
【そのまま、道沿いをゆっくりと屋台を引きながら去っていった】

//そろそろ眠気が限界なので落ちます、夜遅くまで失礼しました、楽しかったです!
//また、いつかロールできる日を!
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/10(金) 01:36:04.35 ID:TbeBXjRko
>>52

【目の前で石が消え、バッジの変化、巨石の出現】
【一連の能力を目撃しながら、ピオネルは灰色の目を子供の用にキラキラと輝かせた】

素晴らしい!ほうほう、なるほどなるほど

【タブレットにタッチペンを走らせ、何やらメモを取る】

そうだ、動画も撮ら……

【そう言ってカメラ機能を起動しアンジェルにタブレットの背面を向けた時】
【タブレットの画面に、ふらっと倒れそうになっているアンジェロが映り】

おっと、ちょっと無理させちゃったみたいですね

【小走りで近付き】
【倒れ込んできたアンジェロを受け止めるべく、両腕を伸ばす】

病院はもうすぐですよ、頑張ってください
他には何か思い出せました?
お仲間の連絡先がわかるなら、
私から連絡を取ってあなたのことを伝えられますが……

【勿論、アンジェルの所属する「正義の組織」は秘密組織ではない】
【一般人でも連絡は取れるだろうが】

いきなり「アンジェル・ベルジュロンを保護した」なんて言っても、信じてもらえなそうですからねえ
やはり直接じゃないと

【能力者の集団との接触】
【若干の下心――研究者としては純粋な気持ちだが――を抱きながら】
【アンジェロに微笑みかけた】
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/10(金) 01:36:28.64 ID:04jzyKpNo
>>51
【サングラスが外される。一つ目が、その下をなぞる。長いまつ毛と二重、漆黒と真紅に彩られた魔性の眼を】
【わざわざ持ち直す辺り、よほどそのケースが大切なのだろうか。そんな風に考えながら】

ハハ、そういうことになるだろうな

しかし、本当に穏やかではないな。問答無用で銃撃されるとは
私は、普段から路地裏ばかりうろついているから、いまいち表通りのことは知らないのだが
人が行き交う大通りだからと言って、安全ではないらしいね

ふむ……雇われ、か

【その言葉もさることながら、日常の出来事だ、と言わんばかりの、この様子】
【ニヒルに笑みさえも見せる彼は、どうやら荒事には慣れているようだ】

(道で襲われて、その相手を誰かに雇われた者だ、と断定できる……)
(そうされる心当たりがあるのか? となれば、どこかの組織の人間か、裏社会で名の通った者なのか……)
(機関では見覚えも聞き覚えもない姿だが……D.R.U.G.S辺りの関係者、か……?)

残念ながら、千里眼というほど大層なものじゃあない。夜目はそれなりに利くがね
ふむ、そうだな……その錆びたシャッター以外では、遠くの大通りの光と、そこで行き交う人影……
後は、壁に取り付けられた、ボロボロの排水管と室外機、くらいなものだな


【脳裏に思考を行き交わせつつ、彼に返答する】
【一つ目の視界に捉えられているのは、今のところはそれくらいだ。後は、路地裏を取り囲む、冷たいコンクリの壁と】
【ところどころに転がる紙屑や煙草の吸殻、くらいなものだろうか】

……大通りでいきなり銃撃を浴びせてくるぐらいだ。手段を選ぶつもりはないのだろう
そうまでして狙っているのは、お前の命か……そのアタッシェケースの中身、あたりか?

【一通り辺りをねめつけた後、大男が問いを発した。この状況下でも、手放そうとしないアタッシェケース】
【あるいは、狙われた原因がそこにあるかもしれない。そうだとしたら、その中身が、この状況を知る一助になる可能性はある】
【しかし、眼前の男とて、未だ何者であるかもわからない相手。場合によっては、アタッシェケースに興味を示した時点で、警戒と敵意を抱かれる可能性とて、ある】
【だが、現状で何の情報もない、というのは危険にすぎる。そう判断し、彼への問いかけに至った。一つ目の視線が、アタッシェケースに注がれる】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/10(金) 01:49:46.62 ID:GBRPUkGz0
>>53
やっぱり夏の稼ぎだけじゃ厳しいかにゃ〜
季節物の商品は売り時が限られて難しいにゃ……今年はいっぱい稼いで楽すればいいにゃ!

【対話する本人が果たして何に憂いていたのか、そんなことは知る由も無く】
【彼女は一人焦る店主を不思議そうに見つめながら、自分の話を続ける】
【いったいどんな事情があって、なぜ今の仕事に就いているのか……そんなことは興味を示さなかったらしい】
【とりあえず彼の難は去った、と言うべきか】

【そして、自分が野良猫だと自己紹介してみる】
【自慢げに鼻を鳴らして、胸を張って自分の人生の在り方を語る姿は――――うーん、猫と言えるのか?】

そうにゃ、自由には代償があるにゃ!その代償を受け入れてこそ本当の自由人になれるのにゃ!
自由人を気取ってるくせにあれはダメ、これは嫌なんて言う人がいるけど……あれはダメなのにゃ!
だいたい、みんなある程度誰かに方向性を示してもらうことの有難さに気付いていないのにゃ!
目指す先を自分で見つけるって案外難しいのにゃ、それを、やれ「自分の人生は自分で決める」だの、「束縛するな」だの…
人生について自分で決めるならもっと責任を持つのにゃ!野良猫でも分かることをなぜ人は分からないのにゃ?

【自由についてはある程度彼女なりの矜持があるらしく、話に熱がこもる】
【自然に生きている動物は確かに皆自由だが、その分失敗したときには容赦なく「死」が付きまとう】
【猟に失敗したなら食べ物にありつけない、逃げるのに失敗したら食われる……】
【そんな自然界では当たり前のことを知っているからこそ、失敗しても死なない人間が幸せであることもよく知っている】

【さて、長い間話し込んだらそろそろ店じまいの時間が来たようで】
【店主が店を畳み始めると彼女はぴょんと立ち上がり、またニカッと笑って店主に別れを告げる】

にゃ、自分は葵にゃ!尾っぽが白くて二又だから又白葵って言うにゃ!
じゃ、また食べに来るにゃー!

【ぶんぶんと手を振ってひらりと身を翻すと、そのまま塀を飛び越えてまたどこかへと旅立って行った】
【野良猫は野良猫らしく、またどこかでひょっこり会えるかもしれない……】
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/10(金) 01:50:48.80 ID:GBRPUkGz0
>>53
//はい、お疲れ様でした!初めての猫ちゃん運用でしたが、無難に動かせてよかったです!お相手ありがとうございましたー!
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/10(金) 01:51:59.57 ID:KdMuw7/Co
>>54

【ピオネルの両腕に抱きかかえられるようにして、アンジェルはそのまま倒れこんだ】
【身体が酷く軽い――何かしらの重い経験が在ったことを嫌でも感じさせる程に】

っ……ご、め……ッ、…!
…思い出せるのは、何も……、…………。
…………、……お仲、間………?

【―――察するに。彼女は恐らく、自らがUNITED TRIGGERの一員だということも忘れているのだろう】
【能力は生まれてついてのもの。言語は身体に染み付いたもの】

【どちらも本能に近いものだから忘れなかったが、名前や所属はまた別ということか】
【やがて――ひとまずは病院へ向かえば、アンジェル・ベルジュロンは眠ってしまう】
【けれどもその身分は眠らない。例えば顔写真を取って、UTに送りつければどうだろう】

【或いは電話をするにしても、UTは公に知られた組織。連絡事態はそう難しくない】
【またアンジェルというダシ≠燒ーりこけて逃げることはないから、パイプを作るのもむしろ容易で】

【―――そんな事を露とも知らず、当人である少女はひたすらに眠りに落ち続ける】
【目をさますのは3日ほども後。しかし相も変わらず記憶は失われたままであり】
【仮にUTのメンバーが来ても、アンジェルからは格別の反応が無い程。そんな結果が、ただあって―――。】

/っと、すこし睡魔が危ない辺りまで来ているので多少強引ですがここでっ…!
/アンジェルの情報は好きに使って構いませんので!では、お疲れ様でしたー!
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/10(金) 02:06:57.86 ID:TbeBXjRko
>>58

そう、ですか……
まあ、しょうがないですね

【アンジェルの体を抱きかかえながら】
【これ以上質問攻めにしても、余計な精神的ダメージを与えてしまうだけと悟り】

【病院に送り届けた後、最低限の情報だけを看護師に伝え】
【ピオネルはその場を後にした】

【すでに日は沈み、暗くなった道を歩きながらタブレットを操作し】
【今日書き込んだデータと、いつの間にか撮ったいくつかの写真と動画を見返し】

記憶が戻るといいですねえ……
あの能力は色々なことに使えそうだし、また見せてもらいたいとところです

あ……そういえば大学のバッジ、渡したままでした
まあいいか、私のことも少しは覚えててほしいですし

――さて、もうちょっとお散歩しますかねえ

【等とつぶやきながら、新たな能力者との出会いを求め、ピオネルは夜の街中へ消えていった】



/楽しかったです!お疲れ様でした!

60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/10(金) 02:15:48.03 ID:uM9GZ6pQo
>>55

路地裏も表も違わない…人が多けりゃヤバイ奴も多いってことだ…
分子分母変わっても……割合は変わんないね
…今回は表を歩いたのが失敗だったらしいが、まあそう路地裏ばかり俺は歩いてられん

【しばらく休んで居たからか息も整ってきた】
【緊張はしたままで、鼓動の打つ音も未だ変わらないが。】

そう、どっかの野郎が賞金稼ぎか私立探偵か自警団か…なんだっていい。金でけしかけたんだろう

【男は足元の近くに一旦、またアタッシェケースを置いて。】
【ポケットから煙草の箱を取り出して、器用に滑らせた反動で一本取り出して口にくわえる】
【それをしまうと同時に今度はジッポライタを取り出して、それでくわえた煙草に火をつけた】
【ちりちりと赤く火が紙を焦がし、煙を長く吐き出す。】

……今の俺にはそれが全てだな…全くもって。それが全てだ

【頭を壁に預けて、拳銃を器用に一回転させて気怠そうに言った】


俺がいわゆる強盗で、金持ってくどころか内部告発までやるって世間様に持て囃されてるから
盗まれたロクデナシの社長が腹いせに殺し屋雇って潰そうとしてるんだよ
そのケースの中身なんて、盗った金のほんの一部だよ……あと煙草と換えのシャツぐらいさ

……アンタも好き好んで、こんなとこ歩いてるんなら 俺と似たようなもんかそれ以上の苦労人かってとこだろうよ
これで千里眼のトラッカーの一味だってんだったら俺はチェックメイトだけどさあ……

【偶にそちらの方を見たりしながら、皮肉めいた、茶化すような口調で語る】
【たいしたものじゃないならアタッシェケースを握っている理由は何なんだろうよく分からないが】
【コイツがそれなりの銀行強盗らしくって、そちらがどちらさんかは全く知らないらしい】


/2時も回ったのでそろそろ一時中断をお願いしたいのです
/明日の夜に返信しようと思います よろしいでしょうか?
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/10(金) 02:23:14.72 ID:04jzyKpNo
>>60
/了解ですー
/今夜のうちに返レスをしておきますので、舞台裏でまた呼びかけいただければと思います
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/10(金) 03:57:02.82 ID:04jzyKpNo
>>60
その通りだな。どこだろうと、脅威というものは存在する
絶対的に安全な場所など、ありはしないのだろう

路地裏ばかりでもいられない、か。難儀なことだな
私のように、裏の街道にどっぷり浸かっているほうが、まだ気楽かもしれんね

【男が息を整えるのを見て、周囲に張り巡らしていた意識を、いったん男へ集約する】
【予断を許さない状況、緊張を保つのは当然と言えば当然だが、それをし続けられるあたり、やはり一般人とは違うようだ】

金になるならなんだってやる人間など、掃いて捨てるほどいるだろうからな

【煙草を器用に取り出し、火をつける。鮮やかささえ感じられる、流れるような手つき】
【ライターの火に、路地裏の暗闇が一瞬だけ払われる】

(それがすべて……か)

【気だるげな彼の言葉には答えず。しかし、大男にも思うところはあったらしい】
【一つ目の視線を、一度男からそらした】


(……ずいぶんあっさりと、語ってくれるものだ。知られても困らないからこそ、だろうが)

いわゆる、義賊というやつかね。このご時世には、珍しいことだ
街中でいきなり発砲するような輩を雇ってまでとは、その社長さんはよほど腸が煮えくりかえっているのだな
狙いは、命のほうだと言うわけか

私は、苦労人とは少し違うな。その、トラッカーの一味とは無関係だが……
おそらくは、それよりよほど性質の悪い組織の一員だよ

【彼の皮肉めいた口調に、醜悪な笑みを浮かべて返す】
【相手が悪党を専門に狙う、義賊のような人物であることはわかった】

【一瞬、警戒を緩めるが、続いて大男が口にするのは、自身の素姓の一端】
【彼が相手にしてきた悪党たちとは別物だが、この大男もまた、邪悪に身を置く存在だ】
【あるいは、自身の所属組織の、ひいては自分自身の障害となりうる時もあるかもしれない】
【その是非を見極めるべく、大男は言葉と視線を同時に送りながら。その巨体から、黒い気配を発し始めた】
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/10(金) 21:08:31.15 ID:vwx4L6+I0
【ここは公園。数々の武人が戦いに明け暮れ、数多の血と歴史をその身に取り込んだ、人々の憩いの場】
【今は日も落ち、遊びに夢中になって門限を忘れた子供一人さえもいない。そんな場所…】

久しぶり、で嬉しい様な……また、といって悲しいような……

【自嘲する様な呟きが静かに響く】
【その中心には、どういう訳か、公園の端のほうにある大きめの木に鎖でつながれ宙吊りにされた青年が一人…】

【少し痛んだ青色のデニムに、薄く汚れたセーフティブーツ】
【前を開いていたばかりにダラリと垂れる茶色のミリタリーコート。白のシャツに巻いた黒いネクタイが顔に覆いかぶさっている】
【あまり特徴的とは言えない服装で特徴的な状態、それに追い討ちをかける様に二本の鋼鉄の剣と赤色のマフラーが存在を主張する】
【微かに白みがかった緑の髪に鮮やかな蒼眼。困り果てた、と言った様子で顔をしかめ、腕を組んで宙ぶらりん……】

(進化してるのは喜ぶべきなんでしょうか…憂うべきなんでしょうか……)

【今の状況を簡潔に説明するなら、「何故かしかけてあった吊り上げ罠にかかった」と言った感じである】
【それがただの縄だったら良かった物の、どういうわけか今回は鉄の鎖が使われていて……】
【茶色が保護色になる縄ならまだしも、メタリックなそれにかかる彼も彼だが、今回のトラップは輪にかけて面倒だった】
【縄を切ることで抜け出すことが出来ない。今回ばかりは吊り上げの大元をどうにかしなければ抜け出せないのだ】

【人によっては指を指して大爆笑するべきシュールな光景に、誰か突っ込んできてくれるのだろうか】
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/10(金) 21:14:22.41 ID:NOHRkqfh0
【街外れ、朽ちた廃道】
【撓んだまま玩具みたいにばらばらになったコンクリートの灰色、星明りだけがそっと照らして】
【びしびし走る亀裂の向こう側から伸ばす手のような草花、無機質を濃く彩って飾るなら】
【立ち入り禁止をそのまま体現したような黄色と黒色、拉げた柵にもリボンを巻くような蔦の洗礼】
【――ぐちゃぐちゃの柵は最早その仕事なんて果たせるわけもなく、侵入する行為を妨げることもない】

む、うう――……。

【灰色を侵食していく命の色合い、その上から塗りつぶしていくのは魔力の煌き】
【桜色を基礎に黄緑色で染め上げたグラデーション、末期の御衣黄桜にも似た燐光】
【風に煽られた花弁のように舞い上がって――新月の夜、少ない明かりの中では余計によく目立って、居場所を報せるよう】

【――新月の空より冥色をした髪、縛り上げても腰を超える長さがゆらり揺れて】
【少しだけ長めの前髪の向こう側で煌くもの、赤と黒のオッドアイ。ただ、不機嫌そうに細められて】
【白のワイシャツと黒のコルセットスカート、布地をたくさん孕んで膨らむ裾を燐光が滑り落ちた】
【ぽわと微かに照らして示す足元は黒地のストッキングと編み上げのブーツ。厚めの底が時折こーんと鳴き声上げる】
【首と手に巻く包帯の白、素肌と対して変わらないぐらいの――少女がひとり、不思議な燐光に影を浮かせて】

……上手くできない、

【不機嫌をぎゅっと詰め込んだ声、現実は少しだけ早まる呼吸も混ざりこんでか、いくらか子どもぽくも聞こえ】
【ちろちろ舞い下りてくる花弁へとむける恨みがましい目、伸ばした掌にひらり落ちた一片が、ふつと水へ化けて落ちる】
【ならば彼女がこの現状の元凶だと手繰るにはきっとなんら難しいこともなくて――道のど真ん中に佇むなら、見つけることも容易いはず】

【――場に溢れる魔力と共、ついでみたいにばら撒くのは人外めいた気配。こちらもまた、誰かを呼ぶことがあるかもしれず】
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/10(金) 21:53:11.08 ID:9l41rUtL0
>>63
--♪---♪〜♪
【黄昏に染められた、静寂な公園に、ひとつの口笛が広がった】
【早いリズムに、高い音調、どんどん駆け上がるかのような空想を持たせる】
【そんな、この夜を迎えるには相応しい......とはいえない口笛を吹いているこの張本人】


【頭から首をすっぽりと覆う牛と山羊を足したかのような奇妙な顔のマスク―】
【そのマスクの耳の部分には湾曲したJ型の角が生えており】
【マスクの作りは、まるで剥製を思わせるほどにリアル、恐らく、キメラとはこういう生き物なのだろうか】
【全身を覆い、一切の肌の露出も出さぬ黒いスーツに、手袋、ローファー】
【そんな者は、茶色の紙袋を大切そうに持っていた】

【真昼間に現れたらどうみても自警団のお世話になること間違いなしである】
【そんな、不審者が、まるでタロットの12番目の如く吊るされた青年の前に現れたのである】
【その男、救世主か、それとも、野次馬か―】

あっ...
いくら人がいないからって、公共の場でそういう特殊なアレはちょっと...

【そう、このマスクの者は何かを、『察した』のだ】
【もちろん、何がどういう風に察したかは、あえてここには書くまい―公共的な意味で】
【マスクの者は、この吊るされた青年の近くにあるベンチにへと悠長に腰掛け】
【そのまま、嘗め回すかのようにじっくり観察し始めたのである】

(だまして悪いが、助ける気などもとよりない...)


66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/10(金) 22:13:25.53 ID:vwx4L6+I0
>>65

【その青年は時々風に吹かれぶらぶらしていたが、突如訪れる口笛の音色を耳ざとく聞き取るとその動きを止める】
【ぐるりとその体を捻って見てみれば、どういう事だろうか、人間やめましたと言わんばかりの格好をした人物が来たではないか】
【人外に対して普通の人間とは少し離れた了解を持っているこの青年でも、昼間に見かけたなら警戒の一つもするだろう】
【だが、今の状況では野次馬でも悪の味方でも、罠を外す可能性を持つ救世主に他ならないのだから、】

ああ、こんばんは。良い夜ですねー
不躾で申し訳ないのですが、コレを外すのを手伝ってはいただけませんか?

【一通りの挨拶。そして組んでいた腕を解き、鼻先で合掌する様にして"お願い"をする】
【その表情からは先ほどのしかめっ面は消え、少し困った様な柔和な笑顔が浮かんでいた】

【だが、そのキメラの様な風貌の人物からかけられた言葉は、何だか聞き覚えのある言葉で……】

違いますよ!何処かの誰かが仕掛けた罠に引っかかったんです!

これは……!えーっと…「ひとりえすえむ」?とか言うのじゃないんですっ!

【とりあえず最近覚えた、"この行為"を指すであろう単語を並べて否定を返す】
【今度は呆れと困惑が混じった様な表情をしていて、合掌していた手は脱力したようにぶらりと垂れている。忙しい奴だ】

【さて、観察しはじめたのだから、恐らく真っ先に目に付くのはダラリと垂れたコートの内側だ】
【見てみればどうだろうか。ナイフはあるわ財布もあるわ、何かのクーポン券に混じって細長い変な円筒もあるわ…】
【他にも菓子だの櫛だの変な包みだのetc……「アレが無いかな?」と探せば見つかりそうな、カオスな状態である事が分かるだろう】
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/10(金) 22:40:05.09 ID:9l41rUtLo
>>66
これをはず「いいえ、お断りします」

【言い切る前の返答、そして答えはNOである】
【袋をベンチに置いて手をワキワキさせる様子はまさに見物する気満々なのであった】

自分は一人で懸垂かなっーて思ったんですけど
まさか、縄で縛られるという状況だけでそんないやらしい事を言っちゃうだなんて
うわ―っ、、、、嫌だなぁ〜

【否定で返したのが運の尽きだった】

【ド ン 引 き……まるでそのような言葉を体現したかのような】
【腕を胸の前で交差させて、青年から遠ざかるかのように口を押さえた―多少、笑いこらえてます?】
【とはいえ、その笑いの表情を浮かべているであろうその顔はマスクに覆われ、その真実は隠されている】
【そして極めつけは、すらすらとまるで、この展開を予想していたかのような流暢なしゃべり口】
【どうみてもこのマスク、確信犯である、余程性質が悪いのだろうか―?】

【という事はともかく、彼が目に付いたのはそのだらしない腹のふくらみのように垂れているポケット】
【ナイフ、財布、クーポン券に円筒、あまりの雑多感を見れば、適当な性格なのだろうかと考えられなくも無い】
【マスクの男は、そのポケットを漁らんと、手を伸ばす―指がやけにクネクネと動いていた】
【果たして、ナイフを取り出してこの青年を助けてくれるのか、はたまた、ただの泥棒か?】
【どう考えるかは青年次第だ】
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/10(金) 22:43:47.72 ID:mCucRBpzo
【病院より程近い公園】

【一般にも開放され、よく芝の手入れされた公園に彼女は居た】
【真っ赤な髪を腰ほどまで伸ばし、服装からして入院患者なのだろう】
【特に何をするでもなく、芝生の上に座って、ぼうっとしていて】

(アンジェル・ベルジュロン、それが私の名前……、……。)
(……それも思い出せない。覚えてるのは、自分の能力だけ)

自分が何をしてたかも分からない、なんて……―――。

【時刻は、夜。丁度心地よい程度の風が吹いていて、それが風をさらりと撫で】
【街灯の明かりに照らし出される彼女の姿を、スポットライトめいて照らしている】
【既に周りにはほとんど誰も居ない中でのその様子だ。誰か通りかかれば目立つだろうが――。】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/10(金) 23:04:53.21 ID:3ITCXSdCo
>>68

【―――と、静かな夜の帳が降りた公園の入り口付近で、妙な口論が聞こえてくるだろう。】
【ひとつは若い女の声、なんともヒステリックな叫びをあげている。】
【さらにそこに加わるまた別の女の声、こちらも怒気が篭った罵声と呼んでも良いような声で】
【そして最期にそれら2人の女性を宥める様にしていけ好かない――そう、なんだかとても"いけ好かない"声】
【例えるなら愛猫をあやす時についつい「よ〜しよしよし♪」とか言ってしまっている、あの何ともいえない甘えた声が】
【記憶を失った少女にも分かりやすく、状況を細かに物語るように――耳に入ってくるだろう。】


ヘイヘイヘイ、ちょっと待っておくれよベイビーちゃん?別に俺はな、シンシアちゃんを裏切ったワケじゃ――

『ちょっとなにが"シンシアちゃん"よ!?私以外の女にちゃん付けするなんてどういうこと!?』

「ていうかそもそも誰よこの女、さっきからホラー映画のB級女優みたいな叫び声あげちゃって。こんなのが趣味だったわけ?」

――ああ、違うんだ。浮気とか不倫とかそんなつもりじゃないんだ、わかっておくれよ子猫ちゃん?俺はな、ただ――そう。

――最初から両方とも愛してただけぶへぇぇっ!?

【――不倫、三角関係、修羅場。この状況を説明する単語はいくらでも見つかるだろうがこの"男"――】
【猫撫で声の"変態"に相応しい言葉はたった一つ。そう、"サイテー野郎"だ。】
【つまるところ、二股をかけていたのがバレてその事でとっちめられていた、という事か。男は2人の女性から強烈なアッパーカットを貰い】
【5mほど後方へ吹き飛んだものの、尋常ではない反射速度ですっくと立ち上がり――】

ああ、待ってくれ!!行くな、だってほら夜はこれからだぜ?なんなら三人でお楽しみなんてのも――――・・・ああ、行っちまった。

クソ、この辺の女はガードが固いというか貞操観念がしっかりしてるというかなんだ、つまらんヤツばかりだな。
さて、それじゃナンパの再開でも――・・・お?上玉発見!!

【――懲りない人種というのがいる。この男も丁度其れに当たるのだろう。】
【相手が記憶を失い自分を喪失しかけている少女なのだとは思いもせず――陽気な声で背後から、ひょっこり顔を出して声をかけた。】
【――男の目は、不自然なほど赤く、妖艶だ。まるで人間ではないかのような――魔の波動すら漂わせていて。】

グッド・イーブニング!元気なさそうだねお嬢さん?どうだい、おにーさんと一杯ひっかけてみないか?
こんな静かな夜にこんな寂しいとこにいたってなーんにも面白くは無いぜ、それとも公園が好きなのかい?

【風が吹いている。静かな風だ――しかし木々が揺れれば、音は立つ。】
【男の声は先ほどと同じ猫撫で声、心底軟派な印象であろうが――確かに彼もまた、この夜に生じた"音"であった。】
【いや、ノイズといったほうが正しいのだろうが――――。】
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/10(金) 23:07:02.01 ID:vwx4L6+I0
>>67

【一瞬の間もない。というか挟まれた返答を聞くと、青年は間抜けな真顔を浮かべてから二、三度瞳を瞬かせる。この男性は何と言ったのだ?】
【自分の耳を信じるならば、「だが断る」と聞こえた。何だ、彼は自分で強いと思ってる人物にNOと断ってやるのが趣味なのだろうか】

そんな即答しなくてもいいじゃあありませんか!
断るにしてもせめてもう少し考えてからにして下さいよ!

【もうそんな事を言うしかない。そんな殺生なぁ。とでも言いたげな表情を浮かべている。涙目である】
【駄々っ子の様にブンブンと腕を振り、その度に右に左に揺れ動く様は、非常に子供っぽくて滑稽だ】

……?「いやらしい」?えっ……と、よくわかりませんが……ごめんなさい

あれ、でもこういう状況を好む人を指す言葉ですよね?"これ"……

【そして今度は頭上にいくつも疑問符を浮かべ、腕を組んで考える】
【よくよく考えたら「一人SM」の言葉は知っている。こんな状況を指す言葉だともわかる。だが本来の意味を知らないのだ】
【その言葉は確かに異常性癖を指す物だが、彼はそれを知らなかったのだ】
【だから「いやらしい」と言われても何故か分からない。だが何となく言ってはいけない言葉だというのは理解出来たのだったから、とりあえず謝っておこう】
【マスクの男性が意地悪ないじめっ子なら、彼は虐めに気付かないネジの抜けた虐められっ子と言った所か。凸凹である】

【クネクネといやらしい、その男の食指を目線で追う】
【しかしただ目線で追うばかりで、特別な抵抗は見せない。初見のキメラ風味の男性が助けてくれるのか、それをぎりぎりまで判断しているのだ】
【その是非を判断するのは事の終わりでも遅くは無い。少なくともこの青年には、それを「遅くない」とするだけの考えがあった】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/10(金) 23:14:41.56 ID:mGPsuGf20

【――――賑やかな街の一角で響くのは、男の罵声】
【…………それが呻き声へと変わるまで、たった数秒間の出来事】
【見れば、倒れ伏す男。無表情で饅頭を頬張っている巫女の姿――なんて、奇妙な構図を見れる事だろうか】


「私を自警団と知っていて手を出したのか知りませんが、誰であれ私の食事の邪魔をする事は許しません。……もぐもぐ
それと、貴方の体捌きは余りにも幼稚すぎます。……もぐもぐ
喧嘩をする前に、先ずは自分の実力を高めてはどうでしょう。……もぐもぐ」

【ズケズケと遠慮無く言うけれど、果たして其れは男の耳へと届いているのだろうか】
【食べ終わった饅頭のゴミ。推定20個分の其れを男のポケットや服に押し込めば、そのままふらりと歩き始めて】
【――――行き先は、食べ物の露店街。無表情だけれど、その足は何処か浮いており】


「さて、前菜は食べ終わりましたね
折角この場に配置されたのです。楽しまなければ損というものでしょうか
……では、次は何を食べましょう」

【自警団として此処に配備された――――のは間違いないはずなのだが】
【女性の口から出るのは、安全管理とは全く異なったもの】
【この人混みの中でも一際目立つ存在だけれど――――】






【何時もならば、静寂が支配しているであろう森の一角――――】
【ゆらゆらと揺らめくのは人魂の様な炎で、ピンと立てた指先に其れを宿して森の中を歩くのは、少女と女性の丁度中間の年頃の女】
【黒いローブと、とんがり帽子。所謂、典型的な魔女の姿で】


「ほんっっと、何処に行ったんだろ
幾ら僕の主だからといって、好き勝手されたらたまったモンじゃないさ
隙があったらあの頭をポカッと一発…………」

【愚痴グチぐち――――】
【件の“主”が居ない事を良い事に、連ねる言葉は不満の数々】
【……けれども、その主に勝てないのは理解して居るのだろう。だからこそ漏れる溜息】
【無理だよなぁ――何て呟けば、夜空へと顔を上げて】

【――――視界を遮るのは、一羽のフクロウ。まるで女に問うかの様に、クイッと首を傾げれば】


「お前、僕の主が何処に行ったか知らないか?
――――……そうか。知らないなら、いい。…………役立たず
……にゃっ?!こ、コラ!小便を引っ掛けようとするなァ!!」

【女の言葉を解したのか、ホー。と一声返す程度だったけれど】
【ボソリと呟かれた言葉は、流石に癪に障ったのだろう。バサバサと飛び立てば、まるで蝉のようにみみっちい攻撃】

【――一方の女。まさかの不意打ちに驚けば、帽子の隙間からピンと猫の耳を立たせて】
【焦げ茶色で、癖のあるロングヘア。其れに掛からないようにと、慌てて帽子を深く被るけど】
【静かな森――――騒がしい声は、よく通った事だろう】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/10(金) 23:19:51.90 ID:mCucRBpzo
>>69

【目立ったのはむしろ、通りかかったほうだったか。ふと、少女は顔を上げる】
【眼に入るのは男女の諍い。記憶がなくとも、なんとなく状況は察せられ】
【やがて男のほうがぶっ飛ばされて、女性が苛立ちも顕に何処かへ行ってしまって】

【―――てっきり、それで終わりかと思っていたのだろう】

ひっ――…、……ぁ…?……え、っと……。でも私、病院の格好のままだし……
それにそのっ、お酒とか飲める歳なのか……分からない、し……―――。

【彼の赤い瞳に驚きつつも、勢いに流されるように返事はした】
【手応えは悪くない。むしろ押せば――遊び慣れた彼なら、そう感じるはずだ】

【といっても、妙な点も多い。そもそも、自分の歳が分からない人物等いないはずだし】
【それに少々暗いというか、気落ちしていた。男が言った言葉の通りに、だ】
【思い出したように『……こんばんは』なんて言いはするが、それも随分と覇気が無く】

……別に、公園は好きじゃないです。他に行くところが無いから。
部屋は面白くもないし……風にあたってたら、落ち着くかな、って

【ノイズ=\―云うなればそうなのだろう。しかし、この少女というキャンバスは真っ白だ】
【落書きのような異物であっても、何も無いよりよほどマシ。むしろ、好ましく】
【格別の意味もないのだが、あまりにポジティブな男の様子にか――くすり、と小さく笑った】

【―――ちなみに少女、と言ってはいるが、大人に見えないこともない。体つきは、実にすらり≠ニしていたが。】
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/10(金) 23:40:34.21 ID:3ITCXSdCo
>>72

【ナンパを成功させるコツ――なんてものを、この男は実は知らない。】
【相当に"遊び"慣れているし、相当に"痛い目"を見てきてはいるのだが――それでも、ナンパに答えは無い。】
【だからいつだってそう、この男が取る手段はたった一つ――力押し。ごり押し。いけいけ、どんどん。】

【赤い瞳が、艶のある輝きを放ち――アンジェルの身体を舐めるように見回す。なるほど、身体は色々と小ぶりだ。色々と。】
【しかしどうだろう、この何ともいえない愛らしい顔、怯えたような表情、控えめな言動――初心な反応。ああ、どれもこれもバッチリだ。】
【――そう、典型的な"押しに弱い"タイプ――男はここぞとばかりに、彼女の座る芝生の横、自身も腰を降ろして】

病院の格好・・・?ああ、それ患者服か。てぇ事はお嬢さん、なんだ――入院でもしてるのかい?
そっかそっか、それで落ち込んでたってワケだな。よくないぜ、そーいうの。こんな可愛い顔が台無しだ。
でも安心しな、この俺様にかかりゃ"台風"も"青空"に変わる、ってな。
きっと笑顔にしてみせるぜ、なにせ酒は万病の薬って言ってだな――って、、ああ?年齢が分からない?

(んん・・・?そいや、可愛いから色々と見落としてはいたが――ちょいと気になるな、この格好といい、言動といい。)
(まるで記憶でも失ってるか、って感じだぜ・・・?ま、でもこんなミステリアス少女と楽しい夜を過ごせるなんてそれはそれで・・・うひひ!)

【こんばんは――という言葉もそうだし、なにより年齢が分からないというその発言。そして雰囲気のひとつをとっても彼女は不思議だ。】
【吹けば消えてしまいそうなほど儚く、そして脆い印象を受ける――まるで花のようだ、と。】
【とはいえ、初対面であまり"漁って"も仕方が無い。なにより目の前で悲しそうな表情の女の子がいるのに放って置くなど――言語道断!!】

ほう、つまり行くところも無く、自分が誰かも分からない――ああ、なるほどな。わかるぜ、その気持ち。
俺も時折自分が分からなくなる、人間なのかそれとも"あっち側"なのか――特に深い意味は無いから聞き流してくれていいんだが、まあなんだ。

そういう事なら俺に任せな、最高に気分がよくなる場所へ連れてってやる。
さ――立てるかい?

【落ち着くかどうかはわからない、しかしこのままここで喋っていても陰気に負けてしまいそうなのは確かだ。】
【だから男は行動する。まず立ち上がり、アンジェルの腰に手をやり――優しく、抱き上げるようにして支え、立たせようとする。】
【そのボディ・タッチのなんと自然な事か。いや、それはさておき男はアンジェルからの抵抗が無ければ――公園の入り口へと向かうだろう。】
【そうしてそこに停めてある漆黒の"何か"が――姿を現す。】

俺の名前はキング。呼び方は何でもいいぜ、「おにーさん」でも「おにーさま」でも「にーに」でもなんでもござれだ、好きに読んでくれ。
でもってこっちが"相棒"の――バイクだ。

【――二人の前に停められているのは、恐らく先ほどまでは女性のデートに使われていたのであろう巨大な"大型二輪"】
【ハーレー・ダビットソンの其れに近いフォルムを保ってはいるものの、彼方此方が改造され過ぎてもはや原型がわからなくなってしまったバイクだ。】
【恐らくは、これで夜のドライブとしゃれ込むつもりなのだろう。乗るか、拒否するかは――アンジェル次第、ではあったが。】
【男――キングと名乗った――は、乗せる気まんまんであった。】
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/10(金) 23:55:01.82 ID:9l41rUtLo
>>70
迷っていれば、立ち止まって考えているヤツは...!
失い続けるんだ…貴重な機会(チャンス)をっ!

【なんか良い事を言ったような気もするし、もしかしたら某グループの幹部の声で脳内再生されたかもしれない】
【先ほどの声とは違い、熱が篭り、心の肉を抉る...!迫真、辛辣、台詞...!】
【そしてまさにその筋の人間のようなその迫力...!】
【どうみてもこの場で出すものではないという事は明白.......!】


えっ
分からないで言っていたの?

【そのあまりにも形容し難い、奇妙な空気は少年の無知によって壊される―即ち】

......

【しばしの沈黙、呆然―それは、ペースを崩された事を意味していた……】
【彼の次に打つ手は、果たして……】

なんてそんなバカな事をしていないで、今助けるよ

【あろうことか、あまりにも自身の立場が悪くなったので、突然とマスクの男はキャラを変えだしたのだ!】
【凄まじい荒業、このマスクの男だからこそできる芸当である】
【正直言って、褒められたものではない】
【そんなことはともかく、先ほどのクネクネした食指はごくごく普通の指捌きとなる】
【このままポケットからナイフを取らせれば、彼はそのままこのトラップの元の部分の解体に移るだろう】
【今までの行動はなんだったのか、真実は闇のなかである】


75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 00:00:30.38 ID:03B3PROXo
>>73

え、えぇ……昨日、ピオネルって人に助けられて、それで……っ?
……か、可愛いって、私が…?そっ、そんなこと……、……。

【男――キングが何を考えているかは、まるで初心な彼女には分からない】
【察することが出来るほどの経験も記憶もなかったし、まずその余裕≠ェないのだから】

【そう。それ程に、可愛いという一言で頬を桃色に染める程度には。】
【とくん、と停止していたような心臓が早鐘を打ち、わけも分からず目を背けてしまって】
【しかし赤髪の中に覗く耳はと言えば、心境を伝えるように同じ色に染まり】

【――それでいてどこか寂しげなのだから、奇怪な可愛げのようなものがあるのも確か】
【加虐の心を煽るというか、打てば響く楽器のような素直さが見て取れる】
【さてそんな折、腰に手を回されて立たされれば、彼女はやはり大人しくそれに従い】
【久しく感じていなかった『抱かれる』という感触に、ひくりと身を固くしたりして】

ぁ……えと、はい…、……?よく分からない、けど……
行く場所も、どうしたら良いかも……、…自分が誰かも分からないのは、『ハイ』……。

……キング…、……おにーさん?…あのバイクは…、……キングおにーさんの…?

【ゆっくりと波に流される海藻か海月のように、アンジェルはキングに連れられて入り口に向かい】
【彼に言われたようにその名を繰り返すと、やがて目に入るのは巨大なバイク】
【街中でも見かけることのないサイズ――思わず『大きい…。』と呟くのも無理はなく】

【――さて、仮にキングが彼女をそれに乗せようというのなら、大した抵抗は無い】
【楽しそうかといえばむしろ不安げですらあったが、拒絶することを知らない子供の様に、大人しく】

【誘われるがままにシートに跨れば、後ろから彼の胴に両手を回して】
【やがては発進するだろうその衝撃に耐えるように、ぎゅっ、と身を寄せる――そこまでは、確実だ。】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 00:07:46.25 ID:uQzx0zGUo
【とある町の大通り】
【若い女性が――左手で右の肩を押さえ、左足をずるずると引きずりながら歩いていた】
【右手には黒いタブレット端末を持っている】

痛っ……折れちゃいましたかね

【20歳前後と思われる女性はセミロングに金髪に灰色の瞳を持ち】
【泥のついたシルバーグレーの作業着の上下に、紐がほどけたままの黒いワークブーツを履き】
【羽織っている白衣は――ところどころ破れている】

ふふ、思ったより乱暴な人でちょっとピンチでしたが
「能力」のデータはたくさん取れてよかったよかった……
ふふふ、くくく……

【どう見ても負傷者なのだが】
【ゆるんだ顔でタブレットの画面を見ながら】
【不気味な笑い声を漏らしているその姿は傍から見たらかなり異様な】
【ちょっと危ない人に見えるだろう】
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/11(土) 00:17:01.59 ID:uG6W+PUfo
>>75

【はて――このキングと言う男、アンジェルが野性的に"魔翌力"を感じる術を持っていたのだとすれば】
【恐らく気がつくはずだ、ただの人間ではないという事に。そしてそれ故に、この地上の事について実は余り詳しくない。】
【というのも彼は"とある場所"から久方ぶりに地上に降りてきたのであって――当然、ピオネルという男の名も、知らなかった。】

ピオ、ネル・・・ううん、聞かない名前だな。ていうか、まあ俺も"地上"は久しぶりだから知らない事が増えてて当たり前なんだが――
まあいい、ともかくソイツに助けられたって事だな、それじゃ今度は俺がお嬢ちゃんを助ける番だ。
――そうやって謙遜する姿も、恥らう姿も抜群に愛らしいぜ、"お嬢ちゃん"?ほら――耳が赤くなっちまってるぞ、ハハハ!

【――元よりこの少女の事を知っている者が見れば―――或いは衝撃的な光景かもしれない。】
【其れほどまでに今のアンジェルはただ、一人の少女として可憐で、美しく。】
【いつものツンとした雰囲気とは打って変わって、勿論それをこの男が知る事は無かったが――ただ、それでもとても、嬉しくて。】
【こんなに初心な少女をナンパに誘うなんて、いつぶりだろうか。抵抗も見せずに従う様はなんとも――嗚呼、胸が苦しくなる。】

――オーケイオーケイ、自分が誰か分からない――そういうことなら、ちょいと旅にでもでてみるのがベストだ。
その内きっとぽっくり見つかったりもするもんだぜ、ほんじゃ――捕まってろよ、レディ(お嬢ちゃん)?

こいつは俺のバイクさ、でもって相棒で――とんでもない、じゃじゃ馬でもある。

【ブオン、というエンジン音が公園に木霊する。まるで巨大な生物の唸り声のよう、地面から響くその音に連なり】
【二輪は巨体を感じさせないスムーズな発進、そのまま直進し――ここでギア・チェンジ。】
【そこからがとてつもなかった、じゃじゃ馬であるといったキングの言葉の直後――猛烈な加速。】
【風をびゅうびゅうと切り、大型二輪車は夜を駆ける。町を超え、凄まじい速度で山の峠へと走り去っていく――果たして、向かう先はどこか。】





【――ところで、バイクが通り過ぎたその五分ほど、あとの話。】


――えぇっ!?記憶喪失・・・?!いや、それもびっくりですけどていうか彼女一人を外で歩かせたんですか・・・!?
連れ添いは?いない!?そんな――ど、どっか行っちゃったらどうするんですか!
ていうか悪い男に攫われたりとか――ああもう、こうしちゃいられない!アタシ探して――・・・は?面談証明?
そんなもの書かないといけないんですか!?ああもう、アタシこういう書類とか苦手なのに・・・!!

――――待っててねベル、必ず――必ず迎えに行くから・・・ッ!


【例の病院から受けた報により参じたセリーナ・ザ・"キッド"が彼女と彼女を攫った変態とすれ違いになったのは――言うまでも、ない。】
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/11(土) 00:19:31.51 ID:TshHWHjb0
>>74

うえっ!?は、はい……そうですか……

【突然の迫力に思わず青年は気負してしまう。彼の心中を書くなら、最高に「ざわ…」って奴である】
【だが、その言葉には思わせられる所がある。あれやこれやと考えていては埒が明かないのは確かだ】
【少し考える様な様子を見せると、うんうん、と一人合点をしてみせるのだった】

ええ、以前もこんな目にあったことがありまして……
その時も「そんな趣味なの?」と言われた物でして……近くの書店で調べたんです

意味合いはあってますよね?

【調べたら意味も知ってても可笑しくは無いが、そう言った所が思考に入らないのが非常に彼らしい】
【正解だろ?と確認するその顔に曇りは無い。嗚呼、こいつは馬鹿だ】
【因みに、分厚い辞典から如何わしい書物までも、至って極々真面目に読み耽る様が酷く目立っていたのはまた別の話】

――ああ、ありがとうございます!
本当にこのまま日の出を迎えたらどうしようかと……

【その食指がナイフにかけられるのを見やれば、力なく、喉の奥から搾り出される様な乾いた笑いが顔を出す】
【ふーっと安堵したような息を漏らせば、その表情は安心して緩んだ物になる】
【しかしこの男(?)は雲の様な人物だ。全く掴み所が無い。コロコロとキャラが変わる…のは自分もだが、彼はそれ以上だ】
【とは言ってもこんなマスクをしている人物なのだから、そう言ったタイプの変な人なのだろう。と納得しておく事にした】

そういえば、何でその様なマスクをしているのですか?

……ああっいえ、咎めてる訳じゃなくて、ただ何となく気になりまして……

【そう、次に気になったのはそこだ。変人には変人なりの理由がある筈なのだ】
【それが気になった青年は、少し不躾ながら聞いてみることにした】
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/11(土) 00:25:25.73 ID:bjrYBvBB0
>>43

……、…………。

【何もかもを恐れる悲観論/青年の言葉を少女は、そう、自らに何れ生じかねない――――だが生じてはならない弱さを観る様に判じて、】

(…………ッ!―――――――)

【青年の決定的な否定の言葉が耳に届いた、】
【“彼女には救えない”、“未来の保証など出来はしない”、】
【取り澄まそうとして崩れかけた表情で、少女は返答/口を開く、】

…………確かに……失う事は……痛い、わね。
今度こそと思った絆を失くせば、もう何も信じられなくなっても可笑しくない―――――

……だけど…… “絶対にあり得ない” なんて事は、誰にも言える事じゃない。

【その響きは転化して、まるで呪いのように声は微笑って、】

だからこそ貴方は、最後まで可能性を捨てきれない。
……諦めきっていないからこそ、また失うことを恐れ続ける――――

………失っても、その温かさが消える訳じゃないのに。
今この瞬間に、貴方が大切な誰かと絆を結べてる――――― ……その事実は、どんな事があっても消えはしない。
それは……貴方の光には不十分なのかしら。

【つまりはその絆こそが救いなのではないか、と―――――― 結ぶと、】

……“邪魔したわね”、話が逸れた。
私には私の戦いが、貴方には貴方の戦いがある…………。
譲れない意味が其処にあるなら、永遠に逃げ続ける道を生きればいい――――

…………皮肉じゃなく、その生き方が続く事を願ってる。

【いつの間にかまた寂しげな眼をしていた事に気付くと、ハッとした様子で、初めて会った夜の意趣返しの様に、皮肉めいた言葉を紡ぐと、】
【上書きする様にひどく冷たい光を湛えて。感情を閉じ込める様に橡色の瞳を閉ざすと、少女は、踵を返してその場を去ろうとした】

【その口元はぎゅ、と口惜しげに歪んで。それっきり振り返ることもなく、少女はひとり、夜道を進むのだろう】

【“今”、恐らく彼女には彼は救えない。……判っては、いた。】
【それでもいつかは心をも救われて欲しいと願って。見えぬ出口を求める戦いを以て、誰も零さないための “生” を続ける――――】
【―――― それでいいのだと自分を納得させた。限界など、彼女に認められる筈もなかった。】

【去り際に、少女は自らの語っていた方策を以て浮浪者達との交流を図るのだが】
【それは単なる慈善事業というよりは、寧ろ自分にもメリットのある “望んでの交流” の様だっただろう】
【―――― 果たして何を少女はその先に見ているのか、】
【もしもまた出会う事があるのなら、彼にも伝わるのかも知れないが――――】

【………今宵はこれで幕引きだった。譲れない道がふたつ、あったとだけきっと記憶されていた。】
【其処から先に何があるのかは――――……青年の言葉通りに、未来の彼らの知る事なのだろう】

/遅くなってすみません……長時間本当にお疲れ様でした。絡みありがとうございました……!
/頭固い+直線的な思考+正反対の性格+難しい状況……と、いろいろ大変でしたが、こちらとしては結構満足でした。
 ……色々とボロボロで申し訳なかったですが……orz
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 00:28:35.37 ID:jmJP6lQ+0
>>76

【ずるずると断続的に続く音、こーんと混ざり込むのは、底の厚さをそのまま示す篭った音色】
【大通りならば他にもいくらか足音でもあるのだろうか。こんこん鳴らして歩くのは、ひとりの少女】

【夜空よりもずうっと冥い色をした髪、腰も腿も通り過ぎて、揺れるのは膝の辺り】
【少しだけ長い前髪の向こう側には赤と黒のオッドアイ、硝子球みたいにまん丸で、艶めいて】
【寂しくない程度にレースで飾った白のワイシャツと黒のコルセットスカート、パニエを孕んだ裾がふわふわ揺れて】
【真っ白な足元を包むのは黒のストッキングと編み上げのブーツ、色彩を落としてきたかのような、黒白色】
【首や手には包帯が巻かれているなら、或いは。この少女も、怪我人に見えるのだろうか】

【――通り縋るひとびとに意識を向けないのは一般人にも似て、ただ違うと言い張るのがまとう気配】
【隠しもしないならば水を注ぎ続けた花瓶みたいにじわじわ湛えて零すのは人外めいた、つめたいようなもの】
【ひとじゃないくせにひとのふりをした存在――そんな少女は、きっとすれ違いざま、女性を一度無視するのだけれど】

…………、――?

【その言動、今更ながらに気付いて不思議と思ったらしい。血の香りでもするなら、その色は余計に強くなる】
【すれ違って数歩ほど、ぴたと立ち止まる足音はどこか不自然で。振り返ってまで無遠慮に注ぐ視線は、或いは失礼にも近い】
【そのまま女性が歩くというなら足音は向きを切り替えられて女性を追いかけようとするのだが――】

【――手負いをハイエナめいて狙う類のいきものなのか、ただたんに心配しているだけなのか】
【一応敵意や殺気の類は抱いていないようだけれど――、果たして女性の目にはどう映るのやら】
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 00:37:06.48 ID:03B3PROXo
>>77

【果たして――アンジェルは魔翌力について疎いけれども、感知は出来た】
【彼の真っ赤な瞳、人ならざる気配。加えて、地上だのあっち≠セのというセリフ】
【なにか悪いものに捕まってしまったかな、とは思ったに違いないけれども――】

ええ、と…。……なんでも、『能力マニア』の人だとかで……
……え?助け…、……でも私、お返しできるものも持ってないs……ッ!?
ぁ…っ……!…う、ううぅ……、……恥ず、かし…、…………っ!

【――そんな風に恥じらって、しかし何処か楽しむ程度の余裕はあった】
【仮に彼が悪魔だったとしても、そのまま地獄か何処かに連れて行かれてしまっても】

【まったく便りのない今の状況よりは、求めてくれるのなら】
【その求めに応じる事の方が、アンジェルに取っては重きを置いていた】
【やがて発進する大型二輪の唸りに、ひしっ、と少女はキングに抱きつき】
【凄まじい速度で地を駆け抜ければ、怖がるように胸から顔に至るまで彼の背に預けてしまう】

【――勿論。怖いもの見たさに、閉じた瞼の隙間から覗いた光景は素晴らしく】
【小さな感嘆の声が轟音に混じって漏れるのも、キングであればこそ聞き取れるはずだ。】




【また一方、まさにアンジェルの保護者のような彼女が書類を書き始める頃】
【看護師の一人が『あっ』という声を上げて、二枚の書類を彼女に差し出すだろう】

【それこそまさに必要な書類の1つであり、同じ書式が二枚あるという状況だ】
【――片方には、既に全てが記入済み。名前はベイゼ・アルツティン=\―ベイゼ≠ナあり】
【その続柄は姉≠ニあった。そして、もう一枚はセリーナの名や情報が元より書き込まれた一枚で】

【つまり恐らくは、偽名で。関係性も嘘なのだろうか――彼女が来た、そういうことだ】
【加えて言うならセリーナの性格を知った上で、その用意までしていったというコト、か――】

【――――――まあ、これは別の話だ。そういう事もあったと、頭に留めておけばそれでいいだろう。】
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 00:40:30.49 ID:uQzx0zGUo
>>80

【タブレットの画面に集中していた女性は】
【少女とすれ違ったことに気づかなかったのだが】

ん?

【直後、自らに向けられた視線と、妙な気配を感じ、足を止めた】
【軽くブレーキをかけたためか、左足に痛みが走り、一瞬顔を歪めながらも】
【背後が気になり、振り返った】

【佇んでいる、不思議な雰囲気の少女と目が合う】

(ああ、お洒落な子だなあ)

【霊感やら魔力の類は一切持っていない女性にとって、少女の第一印象はこのようなもので】
【訓練された能力者ならば、この少女の気配に、ただならぬものを感じたかもしれないが】
【それでもやはり「雰囲気」だけは感じられたのか、服装に無頓着な自分とは対照的とも思える少女から】
【少し目が離せなくなった】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/11(土) 00:55:19.45 ID:iKzkyopco
>>78
以前にもこんな事があったって、絶対狙われているだろ......
カノッサとかそこらへんの組織あたりに

【二回も罠にひっかっている―この事から、シミラーは二つの結論を出した】
【一つ目は、まさにこの青年が特殊な体質で狙われているのか】
【それとも、この青年がただボケッーとしているだけなのか】
【後者は普通はありえないが下ネタをマジメに辞書で調べるような天然である、あってもおかしくはない】

そこ、ドヤッっていう顔をする場所じゃないぞ...お前―

【青年のドヤ顔のタイミングのズレっぷりに思わず頭痛さえ覚え―?】
【先ほどの攻める立場から逆にツッコミをしつつあるこの奇妙な状況】
【嗚呼、この天然、なかなかやりおる―】

【そんなことはどうでもいい、マスクの男はさっそく解体に取り掛かり】
【もし、この作業風景を見えたとしたら中々、慣れていると思うであろう、その程度の手捌きだ】
【恐らく、ものの少々で重力に引かれて地べたとキスをすることになるだろう―】

ん?なんでこのマスクつけているか?
大体こういうマスクは呪われているっていうのが相場なんだよ
いわゆるお約束というヤツさ

【マスクに呪いがかかっているからはずせない―とも言ってないが】
【実際マスクに呪いなんてかかっていない―とも言っていない、はぐらかしとも捉えられるだろう】
【果たして、何の意図があってこう言ったかはこのマスクの男のみぞ知る】

ほら、はずせたぞ―
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 00:59:42.88 ID:jmJP6lQ+0
>>82

【振り返るなら、目が合うなら、じぃと向けて返すのは硝子球のような両眼、ぱちくり瞬いた】
【お人形さんめいた肌の白さは太陽なんて浴びたことがないよう、じーっと向ける顔はあどけなさを残す】
【大人よりも子どものかたちに程近い身体、風にすら負けてしまいそうなぐらいに、細くて】

【――こつと無言のままに足音がひとつ刻まれる、興味を失って立ち去るではなく、彼女の方へ】

怪我したの?

【眼をじりじりとあわせ続けるのはいい心地かと言えばきっと違うだろう、ようやく視線は逸らされて】
【首を傾げながらに問うのは、見た目からでも分かるようなこと。――再確認のようなものなのだろうか】
【――紡いだ声音がどこか不思議に金属質の余韻を残して夜にほどけていく。その声はきっと、鈴の音に似ていた】

……怪我したのが嬉しいの?

【こつんと足音もうひとつ、これで通り過ぎた分ぐらいならば取り戻せるだろうか? 彼女が拒否するなら、歩まない】
【スカートはこれから花開く薔薇の蕾のよう、膨らんだ形でその都度揺れて、茎とも違った足の細さが際立つばかり】

怪我するの、好きなの?

【――どう見ても負傷者。なのになんだか嬉しそうに笑っていたことが気になる、のだろうか】
【いくら肌色に埋もれていたとしても首や手の包帯が消えるわけでなし、きっと彼女も怪我人のはず】
【見た目で言うなら高校生かそこらの年頃に見えた。ただ、こうして質問を重ねていくのは、もっとずっと幼く見える】

【いつしか視線は再び彼女の眼を覗き見るようなものへなっていて、それなら冗談の類でもないと分かるだろうか】
【不思議とどこか真面目めいて――或いは、幼子の「なんで?」を繰り返す様にも、少し似ていたのかも】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/05/11(土) 01:07:25.77 ID:uG6W+PUfo
>>81

【二輪車の内部、通常であれば機械式のエンジンが搭載されている筈の其処から薄く、青白い光が漏れる。】
【其れはこのバイクすらも補助動力として"魔力"を用いている事を意味していて――】
【握り締めたハンドルからキングは魔力を供給、バイク本体へと流し込み――この爆発的な加速を生み出していた。】
【そしてその暴れ馬を自分の身体のように操るこの技量・反射速度――矢張り、彼は人間ではなかった。】

――ああ、勘のいい嬢ちゃんのことだ、俺の正体についてもなんとなく、"感じる"もんがあるだろうが――
今はただ、風を楽しみな!まあ、言うまでもないだろうけどよ――へへ、いい景色だろう?

さ、もっと飛ばすぜ――こっからラスト・スパートだッ!!

【少女の頬が背に触れるのを感じる。激しい風の中でも、温度が伝わってくる――なんと、優しい感覚だろうか。】
【しかし感嘆の声が聞こえれば、それに応じるように自分も周囲を見渡す――峠から見下ろした町は、ネオンが小さく煌き】
【まるで電子の海に迷い込んだかのよう――なんとも美しい世界だ。こうして――喧騒を離れてこそ、わかるものもある。】

―――イィィィィィヤッホォォォォォォウ!!!サイッコーの気分だッ!!お嬢ちゃん、そろそろ終点だ――!!

【ラスト・スパート――蒸かしたエンジンが唸りを上げ、直進コースをとてつもない速度で駆け抜ければ】
【最期のコーナーリングで車体をコレでもかというほど傾け――半ばボディを路面に擦らせながら、バイクは華麗にターンを決め】

【――やがて、そのエンジン音が止まると。2人は山の頂上へと到着していた。バイクから降りたキングが、アンジェルに手を差し伸べて】

到着、予定時刻よりも少々早いですがお嬢様、此方が本日のメイン・ディッシュ――

俺の一番好きな、夜景だ。

【――眼前に広がるものは、海だ。いや、正確には港町か――】
【浮かんだ船から零れた明かりと、町の火とが重なり合い、幻想的な光景をうみだす――まるで宝石を散りばめた様】
【海底から浮かぶこの土地特有の海洋生物・"光る魚"―――彼等が潮の流れに身を任せる様は】
【海に光のじゅうたんが生まれたかのよう――その全貌を、この人気のない山からは見下ろす事が出来た。】

―――昔な、俺の・・・恋人と、此処へ来たんだ。そんでもって、よくここで喋ったりしてよ。
くっだらねー事語ったり、逆にしんみりと難しい話してみたり――まあ、思い出の場所ってヤツだな!

・・・まあ、俺はお察しの通り、人間じゃあない。その事で結構、悩んだりもしてな。
自分が自分を見失うって言うか――・・・なんていうんだろうな、こういうの。ハハ、悪いな突然こんな話しちまってよ。
けどホント、俺にも俺自身がどうしたいのか、どうありたいのか分からなくなることってのがよくあるんだ。
アイデンティティ、とか言ったっけな。そういうのがごっちゃになって――生きてる意味とか、考えちまってな。

だけどよ――そんなときは此処に来るんだ。んでもって、黙って海を見下ろしてみる。
するとどうだ―――水平線はあんなに、美しい。欠けることの無い完全な景色を作り出してる。
海はどうだ、まるで「俺はここに居るぞ」って言ってるみたいに自身気に、ビカビカ光ってやがる。

――バカバカしくなってくるだろ!?この広大な自然と比べちまえば――ああ、俺はなんてちっぽけなんだろうな、ってよ。

なあ、お嬢ちゃんは記憶が無いんだろう。けどよ、それは別に悪いことじゃあねえ。
いつか取り戻す日が来るかもしれないし、そうじゃなけりゃその時はその時――

自分ってのは自分で掴み取るもんさ。自分の生き方も、自分の運命も、全部自分で決めて良いんだ。
あの光ってる魚見てみろよ、あいつら自分の意思で光って、泳いで、餌食って生きてる。
それってよ、実はすっげー尊い事なんじゃねえかなって――俺はそう思う。

だからな、落ち込む必要なんてないんだ。お嬢ちゃんはお嬢ちゃんさ。
悲しい顔なんて勿体ねえよ。

【ぽん、とアンジェルの頭に手を載せて。キングはにっこりと、笑う。】
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 01:17:25.84 ID:uQzx0zGUo
>>84

【少女が近づいてくる――何故だか目が離せない】

怪我、え、ええ、見ての通りです
ちょっと「能力者」に攻撃されちゃいまして
まあ私がしつこかったのが悪いんですけどね

【目の前で立ち止まった少女の続く問いかけに】

嬉しい?いえいえ、私にはそんな趣味ありませんよ
怪我なんて好きなわけないじゃないですか

歩いてる時の私、嬉しそうに見えました?
あらら、顔に出ちゃってたみたいですね
嬉しかったのは怪我したからじゃなくて

【そう言って先ほどまで凝視していたタブレットにちらりと目をやり】

能力者と接触して、能力を見ることができたからです
私は「能力マニア」ですから

昨日もちょっとした有名人の能力者に会えましたし……まあ少々特殊な状態でしたが

【そこまで言って、少女の包帯に目が行った】

貴女も、怪我されてるんですか?
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/11(土) 01:20:40.36 ID:TshHWHjb0
>>83

うーん……特別狙われるような事は………
――――あります…はい……色々心当たりが……

【「狙われている?そんな馬鹿な」と返そうと考え、少し思考をし直す。確かに狙われたとしても可笑しくないのかも知れないのだ】
【後を追う様に「心当たり」という言葉が飛び出す。半信半疑だが、その線も考えなくてはいけないのか。彼は少し憂鬱気味になる】

【それに、その男、シミラーの考え出した予想は全て的中している】
【彼はカノッサ機関の目論見を邪魔した経験があり、彼の持ち物の小さな包みの中にはその戦利品が入っている】
【そして、この事実を知る者は極少数だが、この青年はとある複雑な事情により深く強大な吸血鬼の力――人外魔の力を有している】
【それに眼を着けられているとすれば、合点はいく。まあ殆ど知られていないので有り得ない話だ。第一この罠の作者は近所の悪餓鬼なのだ】
【まあ一番の原因はこの青年がボーっとしているからなのだが】

そうなんですか?
ああ、でも「ドヤガオ」をする場面だとすれば、意味はあってるんですねー

【どうやら彼にとってその意味の是非よりも、意味合いがあってるかどうかの方が重要な様で……】
【やはり、この青年は少しズレている。Z軸方向に】

…「外せない呪いがかけられいる」とか、「複数の人格が封印されていてコロコロ切り替わる」とかですか?
面妖なマスクですねー……何かこう…斬って外したくなります

【少し、というかかなり物騒な言葉が飛び出す】
【どうやら呪いが実在すると捉えたようで、その呪いに関して一人勝手に考察を始めた】

【そして罠を解いて貰うと、固定してあった鎖が重力に引かれて、青年の体ごと落下し始める】
【このままでは地面にキスをする事に――といった所で青年は器用に体を捻り……】

【なんと素晴らしい事か、ドシャっと良い音を立てながら尻から落下したではないか】
【「あうちっ」と素っ頓狂な声が夜の公園に木霊した……】
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 01:34:15.19 ID:jmJP6lQ+0
>>86

【――こつん、と。最終的に立ち止まったのは、手を伸ばせば触れることの叶う距離】
【触れるわけでもない、それ以上に近づくわけでもない、ただ、パーソナルスペースを犯すのは初対面の距離ではない】

喧嘩したの? ……そう、

【しつこくした、攻撃された、女性の紡いだ言葉はその脳内でひどく簡略的に纏め上げられる】
【そうして導いた結論は、百の正解でなくとも、それなりには合っている――のだろうか?】

【白衣のひと。喧嘩するには少しだけイメージが合わない気がして、また傾げる首】
【けれど「ふうん」ほどの反応しか示さないなら、そんな荒事。慣れていると察することが出来るだろうか】

【(ほんの少しだけ残念そうに視線が落ちた気がした。けれど誤魔化したなら、微かに振るえる睫毛の動きだけが目立つ)】
【(うれしくない? そんな趣味? 好きなわけ、ない?)(女性の紡いだ正常の言葉が水面を混ぜたように混乱を呼んだから)】

…………――能力、マニ、あ? なに、それ

【――ほんの少しだけ、尋ね返す声が遅れた。横たえた間は、いくつか分】
【それでも思考が現状へと追いつけたなら、またしても首を傾げて向けたのは、今度は、訝しむ表情】
【細い両手が胸元の布地を握りこむ。女性らしい膨らみもないなら、余っていた布地は手繰り寄せられて、】

【(怪しむような視線。じとりと向けた視線は、そのままに自分が能力者ですと伝えているようなものでもあって)】

……お父さんが、して“くれた”

【おかしな言葉はそれこそ猫は四足であるとさも当然なことを言うみたいで、ただ、おかしさしか存在しない】
【虐待――それにしては、なんだか、違う気がする。ずっとずっと歪むような気配がして――縮めたくせ、引く右足は。きっとひとつ分の距離を取ろうとしていた】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 01:43:49.47 ID:03B3PROXo
>>85

【凄まじい加速と吹き抜ける風に、赤い長髪が靡いて煌めく】
【小さな視界に入り込むのは宝石箱をぶちまけたような、人工の――】

【――しかし確かな力を感じさせる、無数の灯り。思わず目を見開いたのは、言うまでもない】
【感嘆の声を一度漏らしたきり、見惚れてしまって声も出ないのもまた然り】
【白、橙、赤、青に緑に―――近くで見れば喧騒の象徴たるネオンの1つも、美しいと思える】
【それを真っ白いキャンバスに刻んでいくのだから、治療としてはこの上ない手の1つ】

【ただちょっとばかり、強引ではあったが。それでも、アンジェルが心のそこから喜色を見せ】
【最後のターンで振り落とされそうになりながらも、山頂に着けば差し出された手を取ったのは】
【紛れもなく、キングの成果。報酬は―――少しはにかんだ、その笑顔】

キング……、…さっきの、ドキドキ、した……!
……多分、『前』にも経験したこと無いくらい…ちょっと、怖かったけど……、…?

【――そして、語られるのは男の過去。或いはそこから得た訓戒のようなものだろうか】
【まさか、ここまで来て従順な少女が聞くのを嫌がるはずもなく】
【彼の手をきゅっと握りしめたまま、恐らくはやや見上げるような格好で耳を傾け】

……やっぱり。キングおにーさんでも、そんな風に悩むんだね
意外……悩みとかそういうの、無さそうな人に見えたから。

でも、やっぱり……私は、今までの自分が分からないのは、怖いよ

恋人は居たのか。居たのなら、それを思い出せないのも怖い。
その相手が来てくれないのも怖いし、居なかったら……それはそれで、ちょっと残念
兄妹は居たのか?親は居たのか?友達や、仲間は?

……自分の名前だって、アンジェル・ベルジュロン≠チていうのが本名だって、分からないんだよ
分かってるのは、自分の生まれ持った能力と……刀≠ェ大事だって言う事だけ。
それだって、なんで大事なのかも分からない。……なーんにも、分かんない

海も空も、大きいよ。魚だって、あんなに沢山いるのに一匹ずつが必死に生きてる
それを考えるのは、とっても素敵で、私も尊い事だとは思う……

【『けどね』―――そう言って、頭に手を乗せられて、拒絶する事もなく顔を上げる】
【そこに在るのは、無垢な少女が瞳の縁に涙を湛えた姿。それはもう、少女といって差し支えない】
【不安、なのだろう。ただひたすらに、わからないことが多すぎて――】

……全部全部、大きすぎて、尊すぎて、自分が小さくて……。
消えちゃいそう、だよ……っ。雲だって自分の行き先くらい、知ってるはずなのに……っ!

【―――アンジェルの、その長い髪の中。髪留めとも違う感触が、1つ】
【もしそれに気付いて手に取れば、バッジであると分かるだろう。赤い、鱗のマークが特徴的】
【何よりそこには巨大な魔翌力が渦巻いて。尋常でない、何か古の存在≠゚いた力が込められているようだった。】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 01:50:29.00 ID:uQzx0zGUo
>>88

喧嘩と言いますか……
私がしつこく能力の話を聞こうとしたらその人怒っちゃいましてね
能力でボコボコにされたというわけです
私には人と戦う力はありませんよ

【そう付け加え、「能力マニア」という言葉に反応した少女を】
【今度はこちらが観察するように、見つめる】

そのままの意味ですよ
能力者と会って話して記録するのが私の趣味であり研究テーマであり生きる理由です

もしかして貴女も能力者だったりするんですか?

【女性の顔がぱぁっと明るくなる】
【自分が負傷していることを忘れたかのように】

……お父さん?

【意味深な言葉に、少々思考を巡らせようとすると】
【少女がどうやら、離れそうになっていることを知覚し】

あっ待っ……名前、名前教えてください!

【名前を尋ねる――彼女が能力者の話を聞く際に最初にすることだ】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 02:04:34.14 ID:jmJP6lQ+0
>>90

【そう、きっと、この女性がどうにかしてる。だって、怪我をすれば心配してくれるし、手当てしてくれる、】
【だいすきな手でつけてもらう傷がいやなわけがない。どちらの道も、道の先にはしあわせ色の果実があるはずなのに】
【だったら、そう、やっぱり、この女性が、おかしい――訝しむ表情の裏で廻っていた思考は、端的に示すならこんなものだった】
【じとじと向けるまなざし、疑る、怪しむ、とりあえずひとそろいの疑念を詰め込んで】

【(物事の基準を自分にひいてだいすきなひとに置いたなら、客観性など、海に投げ捨てたぐらい、見当たらない)】

変なの、……、……――違うよ、わたしは、違うの。

そんなの、ないんだから。

【たくさんのひとが居るなら、ひとの数だけ趣味はあって。それならば、彼女の趣味も納得できる】
【それでもどこか納得しきらなかったのは、寸前に自分の好きなものを否定されたという思いがあるから、だろうか?】
【仕返しする子どもみたいに否定を返したなら、ぱぁと明るくなる顔、見つめて――ふるふると振る首は、きっと嘘だ】
【大袈裟な否定は肯定と似て。背中の後ろ、こつんと引いた足が音を鳴らした】

……教えたげない

【――逃げる、わけではない。置いた距離は、詰めようとさえ思えばすぐに叶う距離】
【ぐっと伏せられた眼がついと逸れる、むーっとしながらに紡いだ声は先ほどよりも僅か、低く】

お父さんのこと悪く言うひとに教える名前なんて、ない

【……父親のことを悪く言った記憶なんて、言わずもがな。女性の側にあるはずがない、だって、何も言われてないのだから】
【それで居てさも当然みたいに口にするのは思考の飛躍があったことを示していて。ならば否定したものをと辿れば――この不機嫌の出所、分かるのだろうか】
【分かったとしても少女の心がどんな風に処理をしたのかは――――分からなくても、いいと、思われる】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/11(土) 02:06:23.72 ID:iKzkyopco
>>87
心当たりがあるのか...
月の出ていない暗い夜道―いや、それに気をつける前にまず
鈍感さを直すべきだな

【物思いに耽るように、口に手を当てて、思案】
【暗い夜道に気をつける以前に、鈍感さを直さないと気をつけるのも気をつけられないだろう】
【そう思っての事だ、料理のレシピは知っているがつくり方が分からないのでは意味がないのと同じである】

ああ、意味は合っているさそのまま続けてみるがい

【言葉を区切らずそのまま棒読みで語りかける、それは投げやり感が漂う凄まじいアドバイス】
【というのも、流石にここまで鈍感でズレているとツッコミ疲れる―そう思って投げやりスタンスを取ったのだ】
【嗚呼、鈍感って幸せだなぁ...マスクの奥で、どう思っているのだろうか】

……果たしてどうかな?
あと斬るのはやめてくれ、別にこのマスクの頭部がメロンパン入れになっているわけじゃないから
いや、本当にやめてくださいしんでしまいますぅイヒィィー

【先ほどのマジメな口調と声が打って変わって最後の方は語尾すらおかしい】
【再びブレはじめるキャラ、オチをつけないと気がすまないのだろうか】
【ちなみに青年の考えている答えは核心的に言えば全てはずれていた―】
【ただ、「自分で外せない呪い」というのだけは事実なのだが】

ああ、そうだ
ところでこの鎖、もらっていいか?
生憎、少し使いたい事があるんだ

【はずれた鎖を手で掴み、青年に見せながら言った―それと同時にナイフを差し出す】
【先ほど借りたナイフだ、返さないわけにはいかないだろう】

って、なぜ宙吊りなのに尻から落ちるのだね君は...

【もはやいちいち突っ込むのに疲れたのだろう、素っ頓狂な声については一切触れていない】
【ただし、宙吊吊りに関してはインパクトが強かったのだろう】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/11(土) 02:19:14.40 ID:BBa4IsEo0
>>71
こいつでよければくれてやろうか?

【女性の前から現れ、なれなれしく声をかける男が一人】
【逆立つ黒の短髪と、血のように赤黒いジャケット、そしてなによりジャケットの下の包帯がよく目立つ男だ】
【時折口にくわえたタバコを模した駄菓子を、タバコでもすうように口から放したり、戻したり】
【そんなことを繰り返しながらあるものをポケットから取り出した】

【ポケットから取り出したのはタバコの箱のようなもの】
【しかし中身はタバコではなく、男の加えているものと同じタバコを模した駄菓子である】

俺は今日は機嫌がいい
見ず知らずのあんたこいつをくれてやるぐらいな

【そして取り出した駄菓子を女性に向け差し出す】
【自分で他人に機嫌がいいと言いふらす辺り、本当に機嫌がいいらしい】
【人ごみの中、女性もなかなか目立つ存在だが、他人に急にべらべらと話すこの男も中々目立つ。もちろん悪い意味で】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 02:27:05.82 ID:uQzx0zGUo
>>91

いやいや、ふふ、私の目はごまかせませんよ?

【水を得た魚のように活気づいた女性は】
【少女にぐいっと一歩近づく】

あいたたた!

【どうやら本当に怪我のことを忘れたいたらしく、左足の激痛に思わず声を上げる】

失礼、つい力が入っちゃいました
名前――教えてくれないんですか?

いや、あなたのお父さんを悪く言った覚えなんて1ミリもないんですが……

【そこまで言って、女性は考える】
【能力マニアとしては積極的なものの、元来人付き合いは得意ではないが故】
【女性にとって少女の気持ちを察することは、なかなか難しいが――】

(ああそうだ、最初にこの子が私に話しかけた理由は、「怪我」……)
(この子が怪我に興味を持って近づいてきたとしたら……)

【情報を整理し、少女に話しかける】

なんというか、傷つけたようでしたらすいません
人それぞれ、色々な趣味趣向がありますからね、私の趣味だって普通の人にはあまり理解はされませんし
「怪我」だって、悪いことばかりじゃないですよね!
私も、怪我を恐れてはどうにもならないこともよくありますから

【痛む自分の左足をさすりながら、続ける】

ですから、貴女と「お父さん」の関係、素晴らしいものだと思いますよ?

【正直言って、少女と「お父さん」の関係については毛ほども理解してなかったが】
【とりあえず最低限それらしい言葉で取り繕った】
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 02:33:19.61 ID:d66PleX20
>>93
【後数歩で屋台へとたどり着けた筈――――だけれど、現実はそう簡単には行かず】
【何処から取り出したのか、サンドイッチを食みながら歩けば、男性が目前へと現れて】
【語られても、無表情。暫くの間、そのままもぐもぐと咀嚼を続けていたのだが】


「……貴方も機嫌が良いのですか。偶然ですね
私も、此処に配属させて所謂機嫌が良くはなっていますが」

【巫女。清楚でいけなければならない筈の存在】
【然れど、男性に言葉を返している巫女――――と思われる女性は、もぐもぐと食べながら話しているわけで】
【世間的には、非常に行儀の悪い行いだろうか】


「くれる。と言うのでしたら、遠慮無く貰いますよ。見ず知らずの貴方からだとしても
ですが、其れで見返りを求めている、と言うのでしたら――――其れにはお答えできません。貰いますが」

【一方的に言葉を放てば、自分の手で受け取るわけでも無く、男性に保持させたままその駄菓子を咥えるのだろう】
【元から食べていた物といい、今現在口内に追加した物と言い――――組み合わせが非常に可笑しい気がするのだが……余程の味音痴なのであろう】
【咀嚼を終えれば、サンドイッチを包んでいた紙もゴミ箱へと捨て――やっと、視線が男性へと向けられる事だろうか】


「……それで、何故機嫌が良いのかは分かりませんが
此処で今から問題を起こすために機嫌が良い……と言うのであれば、職務上貴方から話を聞かなければいけなくなるのですが」

【首を傾げて問うのは、その機嫌の理由】
【あくまでポーカーフェイス。しっかりと視線は男性へと向けられて居た――――筈なのに】
【どんどんとずれて行けば、やがては進行方向の屋台へと流されてしまって】
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/11(土) 02:36:40.21 ID:TshHWHjb0
>>92

うっ……返す言葉もございません……
普段から気をつけてはいるのですが……

【色々嘘をついたり体を装ったりして生きてきた彼にも、素の部分を晒している所はある】
【その部分の一つがこう言った鈍感な面で、昔から矯正しようと努力はしているのだが、その結果は芳しくない】
【「そのまま続けてみろ」と言う呆れ交じりのアドバイスを真面目に受け取って、よーし、と言った様子を見るに、まあ当分無理だろう】
【因みに彼は夜目が利くというか暗視が出来るのでどちらかと言うと昼間に来られたほうが不利である】

(面白い人だなぁ……これくらい明るい方がいいのかな、やっぱり……)

大丈夫ですよ。マスクだけ切るくらい僕にだって出来ますよ

【このコロコロ変わる愉快な様子を真似したくて、少しだけ冗談交じりに言ってみた】
【最も、彼は剣士が本業とは言いづらい。「マスクだけ切る」の成功率は半々だ】
【あくまでも半分は冗談で、それが彼の口ぶりから伝わってくるので、そう怯えなくてもいいだろう】

鎖ですか?ええ、かまいませんよ
寧ろ貰ってくれて助かります。また同じ様に鎖で繋がれたら、堪らないですから

【差し出されたナイフをコートの内ポケットにしまいながら、その手に握られた鎖に視線を移す】
【どこから持ってきたのかは知らないが、鉄製の鎖だ。万一民間人がかかったらと思えばゾッとする】
【それを引き取ってもらえるとあれば、それに越した事は無い。断る道理も無く笑顔で了承する】

【落下した青年は痛そうに尻を摩る。前に同じ吊り下げ罠にかかったときも尻から落下したのだ。学習しない奴である】
【さて、どうしてそうなったのか、少し解説を入れてみよう。と言ってもそう難しい話ではない】
【簡単な話だ、罠が外れる瞬間に体を捻り、その反動で体を回して足の方を下に向けた。ただそれだけだ】
【それだけの筈なのに、この青年は少し強く捻りすぎたばかりに上手く体勢が取れずに尻から落下したわけだ】

ああ、今回はありがとうございました…

【まあ何はともあれ助けてもらったのだ。とりあえず礼をするのが礼儀だろう】
【少し尻を痛そうにしながら立ち上がると、男の方に向き直ってぺこりと頭を下げる】
【場合によっては木を丸々一本燃やす事もありえたのだ。そうならなくて良かった、と本気で考えていた】
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 02:43:28.49 ID:jmJP6lQ+0
>>94

【女性が詰めたことで元へ戻る距離感、きっと夜に響くのだろう悲鳴めいた声、びっくりしたみたいな瞬きがひとつ】
【ちろと窺うように向けた視線――ほんの少しだって心配そうな色を宿したなら、そこまで悪い子でもないらしい】
【――ただ、大事な螺子がいまいち足りないことには何の変わりもないのだから。下手に人間味があるだけ、面倒臭いとも言えて】

……教えてあげないもん、忌み名はひとに教えるものじゃないの!

【胸元でぎゅっと握った両手、爪が皮膚を緩く掻いたなら、すぐに消えてしまう赤色を一瞬引いて】
【むくれて言い返すのなんて、完璧に子どもの声だ。子どもぽい性格というよりか、そのものとして扱った方が楽なぐらい】
【忌み名――櫻のほうの文化だったろうか。それも昔のもので、今更準じるひともあまり居ないはずのもの】

今更そんなこと言ったって赦してあげない、お父さんがしてくれたんだもん、
噛んだり絞めたりしてくれるぐらいわたしのこと好きなんだから、わたしにはその価値があるの!

【――女性の紡ぐ言葉、宥めるようで、怪我していることを知っているのだから、気を向けるべきなのに】
【じわぁと地面に水が滲みこんで行くよう、詰まる目はどんどんと言葉を聞き入れる部分を閉ざしていくよう】
【左手が右手の包帯に触れる、右手は首筋の包帯に触れる、言葉を信じるなら――】

……、……。…………――りんね。

【――どんな心変わりだろう、掌を返したみたい、ぽつと紡ぐのは鈴音、と。自分の名前なのだろう】
【忌み名だとかは知っていただけ、知られたら死ぬだとかそんなこと、信じて居ないのだから、そういった抵抗はなく】
【女性の紡いだ言葉、最後のひとつが心変わりさせるに値するものだったらしい。――否定はいやで、肯定はだいすき】

【それでも少しだけ残す不満の色、じーっと見つめる視線は最初よりもいくらか冷えていて、ただ、さっきよりはずっと暖かい】
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/11(土) 02:48:40.11 ID:BBa4IsEo0
>>95

・・・食べながら話すなって親から教わらなかったか?
悪いがその音嫌いなんだよ

【よほど租借する音が嫌いなのか、一転して表情は苦いものへと変わる】
【例えるならば、黒板をつめで掻いたときの生徒の反応に近いだろうか】

見返りはいらねぇよ。さっきも言ったろう?
俺は機嫌がいいんだよ

【異常に悪い食べあわせには突っ込まなかった】
【こういう類のものは、大抵いっても無駄だから】
【咀嚼も終わり、嫌いな音もやんでまた上機嫌】
【またタバコをすうのをまねるように、駄菓子を放して、息を吐いてまた咥える】
【そして女性の発した質問に機嫌よさそうに答える】

安心しろよ。もうなにもしねぇから
流石に一日になんどもやるほど元気じゃないんでね・・・
それに、俺は長生きしたいんでな。目の前に敵が居る状態で喧嘩売ったりはしねぇ

【こいつの優先順位は食>仕事なんじゃないだろうか。そんなことを考える】
【自分にとっては都合のいいことだが、こんなのが自警団をやってると考えると少し不安になった】
【だから...すこしテストをしてみた】
【コレぐらいの事を言えば、流石にこの女も少しは反応するだろう。そう思った】
【まあ、今話したことはハッタリでもなく全て事実だが】
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 03:01:10.65 ID:uQzx0zGUo
>>97

【忌み名、という言葉が少女の口から発せられたとき】
【陰陽術関係の能力なのか?等と少し考える】

【見た目の年には不相応の、子供っぽいまくしたてを受け】
【少々苦笑いし】
【噛んだり絞めたりという言葉に対し再び少し思考しつつ】
【少女の名をついに知ることができた】

鈴音さん、ですね

【忌み名のくだりはどうした?というツッコミは心にそっとしまい】
【女性の方も自己紹介をした】

ピオネルスカヤと申します

【さて――彼女が本当に知りたいのは少女の名前ではなく「能力」】
【名前を聞き出すだけでも大変だった】
【能力を教えてもらい、あわよくば見せてもらうにはどうしたらいいか】
【とりあえず、「能力」という表現は些か冷たさがあるので、言い方を変えてみることに――】

鈴音さんの話を聞いた感じだと、鈴音さんは「お父さん」のことが大好きで……
「お父さん」も貴女のことが大好きみたいですね
そこまで大切にされているんですから、貴女はきっと特別な存在で……
「特別な力」を持ってるんじゃないですか?

100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 03:04:58.35 ID:d66PleX20
>>98
「私の両親が私に教えたのは、天鬼家の秘術等々のみですからね

さて、そうですか。それでは――――」

【その場から去るような口調。再び懐に手を入れれば――――】
【再び、食物を取り出すか。否、その手には数枚の札が握られていることだろうか】
【古の文字。綴られている其れを読むのは難しいかもしれないけれど、呪符の事さえ知っていればそう穏やかで無い事は分かるであろう】

【構える動作にこそ移らない物の、得物の一つを手にしていることに変わりは無く】
【見据える瞳。何処までも変わらないけれど、かえって其れが戦慣れしていることを告げる材料ともなろうか】


「――――と、別れる訳にもいかなそうですね
何度も、と言う事は少なくとも一度は何かを行った。そう考えても良さそうですが……
手の届く範囲の人を守る事も私の仕事ですから、貴方の本日行った事について聞いても宜しいでしょうか
場合によっては……いえ、時と場合によってはそれ相応の対処を行うことになりますが」

【――――呼吸の音を聞かせず、武術の心得もあるのか、一挙の動作についての前振りも無い】
【未だ、敵意は持って居ないが警戒心は抱いているといった所であろうか】
【素直に答えるも、誤魔化すも男性の自由だけれど――――】
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/11(土) 03:19:41.14 ID:BBa4IsEo0
>>100
(反応はあったが、表情は変わらず、か。なれてますって事か?)

【へらへらした目つきは変わって、目が鋭くとがる】
【脚を軽く肩幅に開いて、腕に力を入れる】
【咥えていた駄菓子を噛み砕いて、飲み込んだ】
【こちらも一応準備はしておく。だが、武器を取り出す等の仕草はまったく無い】

簡単に言やあ、強盗だよ強盗
別に金に困ってるわけじゃあないが、これでも色々思想とかはあるんでね
動機とかはいらないだろ?俺がやったことに変わりは無いんだ

【無表情に、淡々と告げる】
【まるでこんなこと日常茶飯事だ、と言わんばかりに】
【へらへらしていた目が変わり、鋭くなった今ならわかる】
【男の目に込められているのは、紛れも無い悪意だと言うこと】
【ただし、こちらも包帯を見れば分かるように手負いの身。自分から仕掛けることは無い】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/11(土) 03:21:11.59 ID:iKzkyopco
>>96
い、いや、それってリンゴを頭に載せられて
弓をこちらに向けられるのと同じだから!

【剣版ウィ〇アムテル?冗談ではない】
【リアルでやるとしたら恐らく弓でリンゴを射抜くほうがまだ簡単だろう】
【相当な剣の達人でもない限りは信用できない―別に達人だとしてもやらされたくはないが】

ああ、助かるよ...
自分はあまり武器というか、戦うための術がなくてだな...
いつも地形やら運やらで生き残ってきたのが不思議なくらいだ

【そもそも服装からして戦うような人間には見えないだろう―戦闘よりどちらかといえば裏方タイプなのだが】
【もらった鉄の鎖をそのまま束にして後、懐のポケットにへと仕舞った―随分とでかい懐である】

【一回目の戦いは腕の良いガンマン―セリーナがいたから勝てたのであり】
【三回目はエネルギー関連施設、そしてギアがいなければ勝算などほぼなかったに等しい】
【本当に、運のみで勝ってきたといわれても過言ではないのだ】

さて、自分はこれでそろそろ帰らなければな
生憎、今は野宿用の道具がない、宿に遅れれば色々アウツだからな

そうだな、最後に自己紹介でもしておこう―シミラーだ、道化師をしている

【マスクの男は、倒れた青年を見て恐らく、奥では苦笑をしていることだろう―?】
【ジャラジャラと先ほどもらった鎖を鳴らしながら】
【青年のほうにへと手をふり、去っていった】

//眠気が限界なのでこれで
//夜分遅くまで長引びかせてしまって申し訳ありませんでした!楽しかったです!
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 03:27:38.08 ID:jmJP6lQ+0
>>99

【本来ならばありえないようなことを平然と言い放つなら、悪いことと捉えるどころか、喜んですらいるかのよう】
【お父さんがしてくれた怪我、噛んでくれる、絞めてくれる、自分にはその価値がある、――】
【――ご機嫌を損ねない程度に聞き流しておくのが、きっと、正しい答えなのだろう】

……、ぴ?

【――告げられる女性の名前は、どうやら彼女の想定よりも長く、覚えるより先に思考が停止してしまったらしい】
【元から丸い瞳が余計に丸くなって、ぱちくり……このままではピーちゃんとか言い出しそうな気配、危うくて】

【紡がれていく言葉たち、営業トークだって認めてもらうことは嬉しくてしょうがない】
【自分のことだけだってこんなに嬉しいのに、だいすきな父親のことに言及したなら――もう、】
【ふわぁと笑うのが今日始めての笑顔なのだが、それもやっぱり子どもみたいにあどけない色、かんばせに咲き誇る】

だいすきだよ、だいすき。あいしてるの

……、――特別?

【そうして紡ぐ声のトーンがいくらか上がっていた。りりりとご機嫌めいて鳴く鈴の音の声、夜によく澄んで】
【そんな笑顔がふつと一時停止、わらったままの表情で首を傾げたなら、意味を手繰る間が少し】

【――そういえば、能力マニアだとか、言っていたような、】

――どうしてもって言うなら。

【考えたのはほんの少しのこと、紡いだのはずっとずっと上から目線のこと】
【どうしてもと乞うるなら――なんて。言い終わると同じ頃合だろうか、握り締めたワイシャツの乱れ】
【にじりと引っ張り出してスカートの外側に落としていく、そんな動作は、そこまでノリ気でないように見えた、けれど――】

【(これがこの少女の口癖めいた一文だとか、初対面なら分かりっこもないのだから、ひどい)】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 03:33:24.79 ID:d66PleX20
>>101
「――――強盗、ですか
物を盗ろうと、お金を盗もうと私としては構わない事だと思います
ですが、其処に人の命が関わっているならば、話は別です」

【――――風に靡いた髪は、よく梳かれていて】
【月明かりに照らされ、髪を風に遊ばせるその様だけを見るならば、神に仕える巫女と考えても可笑しくは無いであろう】
【……先程までの行動。それも、巫女とは掛け離れているように思えたが】
【得物を手にしている今。この時も、巫女とは異なった――所謂、戦巫女に通ずるその姿と重なるか】


「さて、答えるのが面倒だとは思いますが一つ問いましょう
どんな信念を抱こうとも、私は咎めはしません
――――貴方は、本日、その信念を果たすべく事を行った際、人を殺めましたか?」

【街。人集り。其処から察すれば、女性が用いるであろう物は致命傷に至らせる事は無い――其処までは辿り着ける】
【強盗も容認する、だんなて変な話だけれど、さしもの女性であっても、やはり人を殺めることは別なのだろう】
【未だ、仕掛ける事は無い。或いは、男性の答え次第では、このまま得物を収める事だって――――】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/11(土) 03:44:51.37 ID:TshHWHjb0
>>102

……言われてもみれば…確かにそれは嫌ですね
はい、やめておきましょう、そうしましょう……

【顎に手を当て、青年も考えてみた。もし頭の上にりんごを置き、切り払いで両断してみせる。という状況に自分が置かれたら…】
【成る程、確かにそれは心臓に悪い。というか成否に関わらず事の後に失神する事請け合いだ】
【やはり自分は冗談を言うのに向いていないのだろうか。今回が悪かっただけだろうか。そんな思考を巡らせる】

……なるほど、戦う手段が……
でも、そんな戦い方も良いと思いますけどね、僕は

【マスクの男の姿を見てみれば、確かに武器らしき物は携帯していない。魔法も不得手なのだとしたら、戦う手段はほぼ無いのではないか。そうとすら思う】
【だが、そう言った確かな戦い方を持たないのも彼は"良い"と評価する。】
【そう言った頭脳や地の利、そして天運に任せた戦い方のほうが、人間臭くって青年は好んでいた】
【直接噛んだほうが早いのに、力任せに引っ掻いた方が強いのに、わざわざ剣を振るって戦ってきたのは、そういった背景もある】

ん…もうそんな時間ですか…今日はお世話になりました

あ、僕の事はエヴァンと呼んでください。何か困り事があった時に見かけたら、遠慮なく声を掛けて下さいね

【自己紹介を行う男に釣られて、青年も自らの名を名乗る】
【雲の様に掴み所が無い道化師。シミラーに手を振って見送ると、彼も服に付いた土を落として一度深呼吸】
【よし、これからはこのどうしようもない鈍さをどうにかしてみせよう。と、上を向きながら前向きに考えて、公園の出口へと歩き出した】

【その後、上を向いていたばかりに、少し離れた地点に仕掛けられていた落とし穴にまんまと引っかかってしまったのは、言うまでも無い】

/はい!こちらも楽しかったです!
/お疲れ様でした!
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 03:45:02.98 ID:uQzx0zGUo
>>103

長い名前ですから、ピオネルでいいですよ
とある退魔士の女子高生に呼ばれて以来、この略し方気に入ってるんです

【長い名前に辟易されるのに慣れているのか、そう提案する】
【鈴音の機嫌がよくなっているらしいことを察し】

【彼女をそうまでさせる「お父さん」とはどういう人物なのか気にしつつも】
【今は鈴音の能力に集中することにする】
【余計な興味を持って、目的を失ってはいけない】

どうしても!見せていただきたいですねえ

【先ほどは否定していた少女の「能力」】
【チャンスとばかりに、ノーモーションで飛びつく】

お願いします!

【先ほどから持っていた右手の黒いタブレットを構える】
【いつもならば、左手で持ち、右手でタッチペンを使い記録を取るのだが】
【今回は左手を負傷しているため、録音機能で記録を試みようとしていた】
【タブレットにはカメラもついているのだが――いきなり撮影をするとまた機嫌を損ねそうなので控えることにした】
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/11(土) 03:49:00.36 ID:BBa4IsEo0
>>104
【予想外の返答に、一瞬ぽかんとしてしまう】
【普通、強盗を容認する自警団が居るなんて考えないだろう】
【巫女とはかけ離れた姿だった巫女が、急に巫女らしく見えたのも混乱を助長させたのだろうか】

あんた、強盗を容認するのか?
自警団じゃないのかよ・・・

【その言葉から少し間を空けて、一度チッと舌打ち】
【ばつの悪そうに頭を掻いたなら、残念そうに口を開いて】

・・・人は殺してねぇよ
俺の信念を果たそうとするなら、人は殺せないんだよ
最も、瀕死ぐらいは居るかも知れないがな

【楽しみが増えたと思ったのに。これで目の前の巫女と戦う理由がなくなってしまった】
【この男は、何事も楽しむことを中心に物事を考える】
【その思考から、戦闘狂のような一面も持ち合わせていた】
【ただ、戦う理由がないのに戦うのはつまらない。信念をぶつけ合うことに価値がある】
【ただ暴れるのが好きなわけじゃない。その気になれば殺したと嘘をついて戦闘に持ち込むことも出来たろうが、それじゃつまらない】

あーあ・・・これであんたと戦う理由がつぶれた
せっかく楽しみにしてたのによ・・・

【最初の機嫌よさそうな表情はどこへやら、むすっとした表情へ】
【きっと、最初に機嫌がよかったのも、戦闘が楽しみだったのだろう】
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 04:01:07.53 ID:jmJP6lQ+0
>>106

【ピオネル、四文字ならば何とか――というより、ずっとするりと飲み込める】
【了承を示すような頷きひとつ返したなら、そんな風に記憶に刻むのだろう】

【――食いかかるようなその挙動、名前もそうだったけれど、こちらも予想をいくらか超えて】
【まん丸の眼、びっくり色はピオネルへと向けられて、黙り込む沈黙が横たわる、はずだ】
【録音しようにも拾える声がない。一秒、二秒、三秒、しーんと沈む大通りの音をマイクは捉えて、】

…………、

【カメラ、苦手。録音、苦手。自分の何やらを残すことが苦手だなんて、初対面で見抜けと言うのが無理な話】
【はくと言葉を紡ごうとして中断した呼吸音、これが録音開始以降比較的まともの彼女が紡いだ音】

【上機嫌↑だったテンションが少しずつ下がって→下がる↓】
【彼女の頑張りなんて無視するみたいに秒速で失せていく協力意識は、ただ、自分で言い出してしまったことに断ち切ることも出来ず】
【――ぎゅっと握った右手、きらと燐光煌くのが、ちょうどこの頃。見れば、桜色と黄緑色、グラデーションを描く魔力が躍って】

……帰る、

【――至極あっさりと告げる言葉、女性からすれば避けたいことのはず、ついと逸れた視線が石畳を這って】

【そうと右手が差し出される、花の綻ぶみたいに開かれた白磁の右手、ちょんと載っているものがあった】
【向こう側を透かすぐらいに薄い花弁、ぽうと零す燐光が生花ではないと示す、桜の花ひとつ】
【こんなものを持っている素振りはなかった。ならば、これが能力――なのだろうか? ……一応、見せてはくれたらしい


【逃げ出すみたいにこっつんと刻む足音は明確にすぐ傍の裏路地へと向かって、細道に細いシルエットを躍らせたなら】
【暗闇にひとつぶふたつぶ零すのは今度は黄緑色の魔力、――瞬きするような間だけで消えてしまう姿は、それもまた能力なのか】
【――どちらにせよ逃げられたことには変わりなく。一輪残した桜の花だって、時間経過と共にぼやけて消えてしまうから】
【もしも写真に残そうなんて思うなら、なるべく早くに行うことを推奨しておこう】

/申し訳無いです、眠気がちょっと白兵戦してるので……おつかれさまでした!
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 04:07:50.46 ID:d66PleX20
>>107
「……少なくとも私は深く問う事無く、悪と決めて滅します
例え病の妻子を救うため、裏で悪事を働いている者からお金を盗んだって、その方を一方的な悪とします
それが、仕事の一つでもありますから。故に、私は見逃すのです
……目前で起こされたり、誰かが伝えに来たのならば話は別ですが」

【面倒事に関わりたくない――――とも、また違った感情なのだろう】
【冤罪とまではいかないが、比較的酌量の余地のある者だって、掴まえなければいけないことも多々あるのだから】
【殺していない。その言葉を聞けば、札も懐へと仕舞われて】


「――――でしたら、私の範疇外です
貴方が殺していないならば。貴方が誰も殺めていないならば、強く咎める事はしません
何を盗んだのかも深くは問いません……まぁ、そうですね。強いて言うならば“もうやってはいけませんよ”」

【注意の言葉だって、きっと建前で】
【殺していないと分かれば、その警戒心も解かれることだろう】
【――横を通り過ぎる際、男性の服の裾を掴めば、そのまま屋台の並んでいる其処へと歩き始める筈で】


「――――長生きしたい、と言っていましたが、闇雲に闘っていてはその願いは叶わないことです
この街、これだけの人集り。自警団でも手に負えない方が居ても不思議ではありませんから
……そんな事よりも、お腹が空きました。何か食べましょう」

【ズガズカとマイペースに進みながら語るのは、“腹が空いた”】
【アレだけの量を食べても尚、腹を空かせるとは――――それでいて、所謂理想的な体型を保っているのだから、不思議な話である】
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 04:18:45.50 ID:uQzx0zGUo
>>108

【あまりにも堂々と露骨に意欲を示したのがまずかったのか】
【――能力のこととなると、図らずとも熱中してテンションを上げてしまうのはピオネルの癖】
【それを気に入って能力を披露してくれる人もいるのだが、鈴音の場合は違ったようだ】

……おや?

【ピオネルと反比例して、鈴音のテンションが崩れ落ちていく音が聞こえるようで】
【「帰る」という言葉――とっさに呼び止めようとするが】

【差し出された、光を纏う「花」】

え、あっ、これが、鈴音さんの
あ、まだお話が!

【「花」を分析するような目で見るも、時間的余裕は無く】
【鈴音の姿は路地裏の中で消えた】

あー……やらかしましたねえ
また怒らせた、というか拗ねさせちゃいましたか
私のコミュニケーション能力の低さは今後の課題ですね……

まあ、収穫はありましたから良しとしましょう

【少しのだったが、能力を見ることができたのでその顔は満足そうだ】
【しかし、自分も帰ろうと歩き出した瞬間】

痛ったぁ!

【再び自分が負傷者であることを思い出し、一人で叫ぶのだった】


/遅くまでありがとうございました!お疲れ様です!
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/11(土) 04:21:31.67 ID:BBa4IsEo0
>>109
小難しいことを言うんだな・・・まあ、なんとなく分かった

【男は決して頭のいいほうではない】
【よって、巫女の言葉を完全に理解する事はできなかった】
【が、言葉に込められた感情とか、思いとか、そういったものは感じられた】

【突然裾を掴まれたが、特に抵抗することもなく、引っ張られるような形で巫女についてく】
【闇雲に戦っては長生きできない。もちろんそんなことは分かっている】
【ある意味中毒なのかもしれない。長生きしたいと言うにはスリルにはまりすぎてしまっている】
【そんな巫女の指摘に一言だけ、「わかってるんだけどな・・・やめられないんだ」とだけ告げる】

やっぱり、本当に自警団なのかあんた?・・・
あんたの目の前に居るのは紛れも無い悪人だ。
それと何か食おうって・・・

【突っ込みどころが多すぎて、うまく台詞がまとまらない】
【明らかに食いすぎてるし、その割には細いし、そもそも俺と何か食べようっていうのがおかしい】
【そんな考えをめぐらせていくうちに、なんだか考えるのも馬鹿らしくなってきて】
【またポケットからもう一つ、駄菓子の箱を出して。「・・・食うか?」と箱を差し出した】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 04:34:22.51 ID:d66PleX20
>>111
「――――分かっていれば、それで良いんです
理解出来ていれば、それだけで十分です」

【誰に聞かせる訳でも無く、「私だって、そんな物です」――――小さな呟きは、騒音で掻き消されてしまったけれど】
【歩を進めていれば、食欲をそそる様々な香りが漂ってくるだろう】
【焼きそば、たこ焼き、大判焼き――――祭りの定番と呼べる物から、珍味まで】



「天鬼ちゆり。その名前で名簿でも探せば、きっと見つかるんじゃ無いですか
生憎、私は他の方と組んで行動する機会が少ないため、訊ねたって分からないかもしれませんが

――――悪人であるならば、私を殺してはどうです。それが出来ないならば、少なくとも私にとって今は悪人ではありませんよ
…………そんな事よりも」

【礼を述べることも無く、駄菓子を一つ手に取れば、そのまま頬張って】
【辺りに巡らせた視線。やがて止まるのは、一つの看板】
【じーっと見つめた後に振り返れば、男性へと視線を移して】


「――――私、アレ食べたいです」

【指した先は、『激烈!毒蛇の丸焼き!』だなんて珍妙な看板】
【言葉にこそ出さないものの、買ってきて。何て雰囲気を感じ取るのは容易いことだろうか】
【ポリポリと菓子を食いながらも、変わらない表情。だけれども、何処か目力を強く感じる事か】
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/11(土) 04:50:50.03 ID:BBa4IsEo0
>>112

ちゆり・・・ね。
ま、あんたの言葉を信じることにするさ
あんた協調性なさそうだしな。たずねてもわからなさそうだし

【冗談っぽく笑ってみせる】
【毒気が抜かれたか、その笑みはどうにも悪人らしくない】
【目に宿っていた悪意も、いつの間にか引っ込んでしまったようで】

【そんな矢先、巫女から送られる強い視線】
【あれ、と指差した先を見つめれば、あるのは珍妙な看板】
【ここでちゆりと名乗った巫女の悪食ぶりを再び思い知った】

・・・もう少しまともな物を食えないのかあんたは。

【口ではそういうものの、もはや諦めているようで】
【懐から取り出したのは札束。そのうち札を一枚取り出して、屋台の元へと向かう】
【屋台の主に札を一枚渡して、奇妙な食べ物を受取る】
【もちろん買ったのは一人分だけ。流石にこんなものをくう気にはならない】

できれば、次は俺も食えるようなものにしてくれよ・・・

【そんな台詞を一言つぶやいて、ちゆりに奇妙な食べ物を渡す】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 05:04:34.55 ID:d66PleX20
>>113
「協調性が無いとは、幼い頃から言われていましたが
やはり、貴方にもその様に見えるのですね。誇って良いのかは、判断しかねますが……
まあ、そうですね。私と組んでも碌な事にならないのは確かでしょう」

【自分の異質を理解して居るからこそ、自虐でも何でも無い、ただの事実として述べられる言葉】
【或いは、生い立ちにでも関係するのかもしれないけれど、詳しく語ることは無く】
【――――求めた品を買いに行ってくれる背中。見送れば、律儀にその場から一歩も動くこと無く待つのだろう】


「十分まともな物では無いですか。何も、妖の肉を食べている訳では無いのですよ
……ああ、有り難う御座います」

【購入した際に目を疑うであろう、食べ物の形。蛇一匹をそのまま丸焼きにしてしまった――――までは良いのだが】
【毒抜きも施されて居ない其れ。そして、臆せずに頭からバリバリと食べる巫女】
【どちらかと言えば、この巫女こそ妖怪にも見えてしまう光景】
【――――暫くすれば、肩に止まるのは一羽の鳩。式神と呼ばれる物であって】


「…………なる程。確かにそれは早々に向かわなければいけませんね
お世話になりました。私はこれから仕事に向かいます
夜道には、くれぐれもご注意を」

【そんな言葉を残せば、先程とは異なった札を取り出すのだろう】
【地面に向かって投げれば、突風が吹き抜けていって――――】
【それが止んだ頃。既に女性の姿は無くなっていた事だろう】

/もう少し続けたかったですが、5時になりましたのでこれにて……!
/お相手、有り難う御座いましたー!お休みなさいませですよ!
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga ]:2013/05/11(土) 05:16:09.38 ID:BBa4IsEo0
>>114

協調性が無いのは悪いこととは思わんがな。
まあ、誇っていいことじゃあ無いのは確かか

【語らないのなら、詳しく問い詰めることはしない】
【送る言葉はフォローに成ってないフォローだけ】
【やっぱり、色々と悪人らしくない】

対して変わらねぇよ...俺からすりゃ

【呆れたようにため息をひとつ】
【巫女が蛇をかじる姿など、とても気分がいい光景じゃない】
【なるべくちゆりの方を見ないようにして話す...が、こういうときに限ってめは見たくない方向へ引き寄せられる】
【うぇぇ...と情けない声を出してしまった】

【そんなことをしているうちに、吹き抜ける突風】
【巫女は指先の温もりと共にどこかへ消え失せてしまった】

...名前ぐらい名乗らせろよ。悪食巫女が!

【誰に言うわけでもない。風へ愚痴を放って、その辺の石を蹴った】

//こちらこそありがとうございましたー
//このキャラで日常ロールするとは思わなかったです。楽しかったですよー!
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 08:44:54.24 ID:V9HxVcz0o
>>62

俺は表でも裏でもどっちでもないんだ。…まあどっちってのに気がついてないだけかもしれんが
難儀でもそうやってやるしか無い…それが俺のやり方だ

【煙草の煙をゆっくりと口の先から細く吐き出して、いちいち溜めるように話す】
【もったいぶっているというよりか会話の途中途中で辺りを警戒している】

俺もその1人だ。カネになるならなんだってやる。……ただ、俺はあいつらよりインテリにやってる

【あいつらとは襲ってくる彼奴らのとこだろうか、刺客を差し向けた何ぞの社長のことだろうか】
【銀行やら金庫やらを襲うことをインテリと彼が呼ぶことは常識からは理解できない突飛な言い回しだ】

義賊ってのは金やらをバラまく奴のことだろう?俺はだったら俺は違う…
……派手な強盗やってエンタテイメントを提供するピエロだよ。謝礼はバカが払ってくれる
愉快犯?とか劇場型とかそっちのタイプに近いんじゃない?

まあ、犯罪者には違いねえから殺されても世の中のやつは何とも思わないってわけだ
向こうさんは黒に近い白、俺は白に近い黒。 そこにラインがあるんだよ。
法ってのはこの世にちゃんとあるか分かんないけど。

【ニヤッと愉快そうに笑って。ピストルを一回転。】
【何やらちゃんとした理由だとか行動原理とか色々備わっているらしいが】
【彼独自の理論なわけで。それを語彙の少ない彼が言ったところで殆どの人間には伝わることはない】

【大男の様子を察知した。なにか異様な異質なものを感じる。何と無く自分とは違う】
【完全な黒。純度の高いものである何かを知ることは出来た】

ああ、なるほど。それだから、表を歩けないってわけか。
どっかのやつが『機関員は須らく光っとけ』…みたいなこと言ってたぞ見分けがつきづらいからって
…寧ろ今の御時世、フリーのシリアルキラーと出会ったほうが怖いと思うぜ、俺は


/返信置いておきます。次に返信できるのは今日の夕方ぐらいと思います
/今日はイベントあるようですので参加なされるのであれば、シメてください
/最後になりますが、約束の時間にこれず御心配おかけして、申し訳ありません
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/11(土) 09:43:36.26 ID:e0mF6/e40
>>79

(……君だって分かっているんだろう……その方法が、完全なものではないと言う事を……)

【表情の変化――――それを見逃さず、青年はフッと眼を伏せる】
【先ほど死を見送った時の痛みも、彼女は背負っているのだろう。なら、それは遠からず本人も分かっているはずで】

――――全てのモノは、必ず終わりの時を迎える……不滅のものなんて、言わんや不滅の絆なんて、この世には存在しないんだよ…………
……"Never say never"……「『絶対』は絶対に否定される」……か……
……だが、「滅びないものは無い」と言う事だけは、『絶対』なんだよ……

【『喪失』は、もはや宿命的に『存在するもの全て』が抱えるものであって、それから逃れる術は無い】
【つまるところ、その真理が――――青年をして、この信条に至らしめた要因なのだろう】

――――その程度で救われた気になれるのなら、こんな言葉など説きはしないよ…………
それに、諦めていない訳じゃない……ただ、ひとえに手前の心が弱い……それだけさ……
……全てのものは必ず滅びる……諦めようと諦めまいと、それだけは『絶対』だ…………つまるところ、人間はそれを克服しなければ、心を救えない……

【どうも言葉が前後して、分かりにくいかもしれないが――――青年にとっての『救い』は、程度の差があるのだろう】
【かつて、青年は『絆』の故に、自殺を思いとどまったと言う。だが、その程度で救われるなら――――とも口にする】
【青年にとっての『絆』は、最終的に全てを救いうる手段には、成りえないと言う事なのだろう】
【だからこそ、精神的な救済が成されない限りは、この世界は『絶望の淵』そのものなのだと――――――――】

……………………ん?

【そうして去っていく少女の背中。一瞬、その背に別れの挨拶を告げる事も忘れて、青年はじっとそれを見送る】

(……逃げ続ける道を、だって…………?
手前の道が『逃げ』だと思うのか、君は……――――――――まぁ、仕方ないかもしれないな…………

――――だが、覚えておくんだ…………手前もそうかもしれないが、君の道とて『真理』の壁にぶつかっている事を……そして、それを乗り越える事など、出来はしない事を……)

【――――最後に語られた皮肉が、心に棘となって刺さったのだろう】
【一瞬、胸中に苛立ちが昂ぶるのを感じるが、方法論の対立を見ている以上、仕方の無い事なのだと溜飲を下げて】
【だが、互いに抱く『救い』のビジョンは、結局のところ完全でしかないと、心の中でのみ告げて】

【――――そのまま青年は踵を返して、闇の中へと消えていく】
【どうしようもない絶望の海の中にあって、それでもその中で生きていくしかない――――それを再確認させられる】
【自分の道が、本当に正しいのなら、いずれ誰かから理解を得る事もあるだろう】
【例え理解される事は無くても、自分だけはその生き方を貫かなくてはならない――――それが出来ないなら、それこそ『死』に救いを求めるしかないだろうと】

【なにもかもが対照的な想いを抱えた青年と少女の今宵の邂逅は、こうして終わりを告げる――――――――】

/4日間、乙でしたー!
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/05/11(土) 12:00:27.45 ID:uG6W+PUfo
>>89

【船がゆっくりと、ライトを照らしながら沖の方へと進んでいく。】
【暗い暗い、海のほうへと直進していく様はまるで、闇を切り裂いてく探求者のよう。】
【港町は夜でも活気に溢れていた、そんな光景がこの離れた位置からでも分かるほどに。】

【――はにかんだアンジェルの表情、キングが見たかったものは其れだったのかもしれない。】
【記憶を失った少女、ならば新しい記憶を刻んでいけばよい――少々クサイが、こんな夜も良いと思える。】
【静かに手を握り締め、話を親身に聴いてくれるアンジェルにキングも笑いあって。】

【ただ――どうやらこれで不安が全て消えるという、ワケではないようで。】

悩みがなさそう?ハハハッ――!まあな、俺はザ・テキトーって感じの生き方してるからよ。
ただま、大人になりゃ誰でも一つや二つ、悩みってもんは出てくる。・・・どんなにテキトーに生きてても、な。

・・・そうかい。お嬢ちゃん――名前は"アンジェル"ってんだな。
(――・・・はて、アンジェル・ベルジュロン――いや、どっかで聞いた名前だ、可笑しいな・・・)
(確かに記憶がある、特徴的な名前だったし――・・・どこで聞いたんだ?誰に・・・?)

【撫でていた頭から、そっと手を離し。キングは景色を眺めたまま、彼女の言葉を聞く】
【――逆効果、だったか。いや、仮にそうだとしても、彼に出来るのはここまでだ。】
【そうして、瞳の縁に涙が浮かんだその時――】

(―――――・・・魔力・・・?どっから――――・・・"バッジ"か。)
(なるほど、よくわからないが記憶を失ってる女の子が特殊な力を持ってる、これってのはつまり――)
(―――"戦闘"に携ってた、ってコトだよな。刀が大事だってのもそういうことなんだろう。)
(なによりこの魔力・・・古臭い何かの"存在"を感じるぜ。ちょっとやそっとじゃ身に付けられるレベルのもんじゃぁねえ。)
(面倒くせえ敵とぶつかって記憶がすっ飛ぶほどのダメージを受けた、ってのが妥当なところか・・・ま、でもそんなことはどうだっていい。)

――――誰が、消えるって?

【キングはこの言葉を逡巡する――刀、能力、バッジの存在、そして失われた記憶―――】
【仲間がいたのかどうかすらも分からない、しかし確かに彼女は"戦っていた"ハズだと。】
【こんな強大な力を持つ人間がそう、簡単に記憶を失うとは思えない――激しい戦いに巻き込まれたと考えるのが妥当だ。】
【となれば"どこか"に所属し剣を握っていたとも考えられるが――キングが考えたのはそこまで、そこから先は行動に移す。】

【アンジェルの後ろから、震える彼女を抱きすくめるように。ぎゅっ、と身体を包み込んで。】

アンジェル――なあ、誰がどうやって、消えちまうッてんだよ。
"お前"は此処にいる。
今俺が抱きしめてんのは誰だ?アンジェル、確かにお前は名前以外全部うしなっちまったかもしれねえ、けどな。

――感じろ。俺が触れてるのを。お前は消えたりなんかしない。
人間ってのはみんなちっぽけだ、だから寄添いあって生きてる――お前も一人じゃない。

きっとアンジェル、仲間がいた筈だ。で――俺が思うに、その仲間とやらもきっと、お前を探して必死な筈だ。
ただな、問題はお前さんがここにいるってコトをその仲間とやらに伝える方法がなかった、ってことだ。
だから会いに来るやつがいない、そうじゃねえか?
悪い方向にばっかり考えちゃいけねえ。いいか、アンジェル―――

"命"ってのはな、大なり小なり誰かと関わりあって生きてる筈なんだ。
あの海の波だって、確かにフラフラしちゃいるが――船や、魚や、人間と関わりあってる。
お前さんだってそうさ、きっと記憶を失う前に誰かと関わってた。俺がお前なら、そう信じる。

それに――俺がいるじゃねえか。もう既に、こうして"仲間"ならできた。だろ?
行き先なんて誰にもわかっちゃいないさ。だから悩むだけ悩めよ、苦しくなったらまた――俺に会いに来い。

【後ろから抱きしめたまま、耳元で囁くように。】

仲間探し、手伝ってやる。だからもう泣くな、美人が台無しだぜ?

(しっかし、アンジェル・ベルジュロン――仲間―――、、なんか、引っかかるんだよなぁ・・・。)

/ごめんなさい・・・。


119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 13:34:00.03 ID:kawgFo8No
>>118

  【バッジに関しては――恐らくアンジェルはその存在すら知らないのだろう】
  【知っていれば髪飾りのような位置に在るはずも無く、手がかりにでもしそうなもの】
  【言ってしまえば、今の内にそれを確保してしまうことも出来る。その気があれば、だが】

  【またキングの考え。つまり戦闘に携わっていた、というのも本当だったし――】
  【名前も分かってしまえば、後は人間の世界のニュースを片っ端からチェックすれば良いだけ】

  【それだけで彼女の素性も、所属も、仲間というのも分かるし、以前の姿も判明する】
  【―――とすれば、その性格の違いも髪色の変化も奇妙なほどだったが――】


【閑話休題――後ろから抱きすくめられれば、悄気返ったまま身を預け】
【彼の言葉に耳を傾けつつ、その腕に自らの手で触れて、寄りかかり】

っ…本当、に……?本当に、みんな……伝える手段が無い、から…?
なら……それなら、いつか私のことを知らせられれば、みんな……、…。
でも、もし……、…ぁ……関わり、あって…――?

【号泣とか、涙がボロボロ溢れるとか、そういう感情ではなかった】
【目の縁に溜まったそれは、抑えた感情がコップの口から静かに零れていくかのようで】
【慰めの言葉が嬉しくもあり、同時に不安にもなる。これほど気遣ってくれるのに――】

【――もし、本当に自分には関わりのある相手が居なかったら?】

【そんな事を考えてしまうほどに、どうやっても悪い方向に考えてしまって】
【最も――それらすら予期したようにキングが言葉を投げかけてくれたこともまた、功を奏する】

【仲間≠ニいう単語が、それ程に重かったのか――小さく、しゃっくりを抑えて】
【俯きがちにだが、手で目元を拭い。それから、キングの腕をしっかりと掴んだ】
【抱きしめたと言ってもいい。言葉の通り、相手を確かめる様に、感じるように】

……ありがとう、キング…。ちょっと、だけど……楽になった、かも……。
…………、……仲間探し、手伝ってくれる…?

【そうして最後に返す言葉は、既に答えの出たはずの内容であって】
【意味合いは、ただ本意を確認したいだけ。相手の腕を抱きとめながら、振り返り】
【涙で少し赤らんだ、空色の瞳をキングの真っ赤なそれと合わせ――決意として、その背を押して欲しかった。】

/いえいえ〜、気にすることはっ!
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/05/11(土) 16:43:17.54 ID:uG6W+PUfo
>>119

(しっかしまあ"何"が封印されてんのかはサッパリわからねーが・・・本人も覚えちゃいなさそうだな。)
(覚えてりゃもうちょい、扱いが良い筈だ――少なくとも、髪飾りでお洒落に決めるってこたぁねえ。)
(――どうすっか、ね。いや、上手いこと預かれるんならその方が安全じゃねえか?)
(――・・・少なくとも、記憶を取り戻すまでは――・・・俺が持ってた方が、良いかも知れねえな。)

【後ろから抱きすくめた彼女の香りが鼻腔をつく。優しい――とろけるような香りだ。】
【しかし、キングの視線は優しい言葉をかけている間も件の"バッジ"へと――むいていて。】
【アンジェルという名前、そして戦闘に参加していたという経歴――恐らくはここら辺から漁れば答えはそう、遠くないはずだと考えて。】
【問題は彼女が"狙われる"ことだ。記憶を失っているという事は、戦闘の術も野生の其れに従う他なくなるという事――】
【全盛期に比べてどれほど"戦える"のか、そもそも今の彼女は深く傷ついている。安全な場所にいられるのであれば、それに越したことは無い。】

――仲間探し、人探し。実は得意中の得意なんだ、なんてったって俺様はナンパ成功率99%当社比を誇るスーパーハンサムだからなッ!
俺が女の子に声をかけりゃちょちょいっと情報は回ってくる、きっとすぐに見つかるさ。
それまでは、俺が護ってやる。いつでも連絡してくれ、これが俺の連絡先だ。

【振り返って、瞳と瞳が交差する。視線の先に見えるのは先ほどまでのか弱い少女ではなく――少しだけ元気のでた彼女のそれで。】
【キングも、合わせて微笑んだ。大人といえば大人な年齢なのだろうが――笑うと、子供のように馬鹿っぽく見えるだろう。】
【だが、その底抜けの明るさも時にはこうして項を成すことがある――「大丈夫、見つかるさ。」と――彼女の背中を、押して。】
【キングはアンジェルの手に、自分の連絡先が記されたカードを手渡した。】

それじゃ、病院に戻ろう。生憎、俺もまだ"根無し草"だから――すまねえな、家とか拠点になる建物がねえんだ。
代わりに、病院の近くにホテルがあったと思うから、そこに寝泊りするぜ。
本となら俺も病院でお世話に(主に美人のナースの)なりたいところだが――ま、そうもいかない。
ただ、寂しくなったり不安になったりしたらこの番号に連絡してくれ、ハーレーですっ飛んでくぜ。
俺のほうは情報集めに徹するからよ、とりあえずは知り合いの――ガンマンの女がいてな、そいつは信用できるし情報網も広い、
そっから当たってみるさ。何か情報が入ったら病院に向かうよ、オーケイ?

【――本来ならば、一緒に過ごしたいところだが――生憎、キングもこの地上では根無し草だ。】
【"あっち"に戻れば豪華な城と堅牢な護衛に護ってもらえるのだが、そういうわけにも行かない。】
【こんな状態でアンジェルを連れて回るというのも危険だと考え――ひとまずは病院へ戻ることを提案し】
【ハーレーへと乗り込むように促すだろう。】
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 18:51:09.49 ID:kawgFo8No
>>120

【戦闘能力は、抱きすくめた感触で言うのなら――あまり、高くはない】
【少なくともそこまで筋肉質というわけでもないし、銃や剣を使う者の癖なども見当たらず】
【となればやはり、キングの心配は的中するわけである。戦えるかといえば、否】
【そこは本人も自信が有るはずもなく、連絡先の書かれたカードを受け取れば、安堵したように微笑み】

うん、帰る……今日はありがとう、キング。…、……優しいね。
キングに『見付かる』って言って貰えると……なんか、そんな気がして

……こ、今度。…元気になったら、その……、…―――。

【――なにやら恥ずかしげに、受け取ったカードで口元を隠してしまい】
【僅かに頬を赤らめながら、交差した視線を逸らしてしまった】

【なんとも、乙女心とは分からない物。今の彼女のようなら尚更か】
【やがてバイクへと誘われれば頷いて、カードを入院着のポケットに落とし】
【よじ登るように乗り込んで―――きっとすぐにでも、出発することになるのだろう】

【後は行きと同じ。キングの背にぎゅっと抱きついて、最後まで手を離すことはない】
【少しの違いが有るとしたら、それは感嘆の声が増えたこと】
【ちょっとでも余裕ができたことによって、夜景を素直に楽しむゆとりが出来たという所、か】


 【以下は、アンジェルが病院に戻ってからの話】
 【と言っても事は単純で、病室に戻ると服が一式丁寧に置かれていた、というだけなのだが】
 
 【誰が置いていったのかは、件の書類を見れば分かる。ただ、後に調べても】
 【ベイゼ・アルツティン≠ネんて人物は戸籍すら無く、結局詳細は分からなかった】
 【分かるとしたら――ガンマンの女≠ュらいだろうか。まあ、そんな事もあったとだけ】


【後は、単純な別れが有るだけ。少なくともこの日、アンジェルは幸せに――】
【そして安全に一日を終えることが出来た。看護師たちも、記憶喪失の少女を咎めることは出来なかったし】
【何より落ち込んでばかりだった彼女が笑顔で戻ってきたのだから、と。この夜少女は、良い夢を見た。】

/御返事遅くなって申し訳ないっ!イベントもありますし、一先ずはこれにて
/もうホントキングさん男前すぎて……とっても楽しかったです。有難うございましたー!
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/11(土) 19:48:18.79 ID:CnKx+9Llo
>>116
いいじゃあないか、どっちつかずであっても
自分のやり方だと胸を張って言えるなら、いいことだ

【細く吐き出される紫煙を一つ目で追いながら、こちらもゆったりと返答する】
【油断なく辺りを警戒している辺り、どちらかといえば裏よりではないだろうか、などと考えながら】

言っておいてなんだが、私もその部類に属するだろうな

ふむ、確かに街中で発砲するような連中よりは、強盗のほうがまだインテリと言えるかもしれんな

【多少皮肉っぽい口調。しかし、実際に強盗がインテリのやり口に見えるような】
【とんでもない連中がうようよしている世界である。自分自身とて、きっと彼よりはインテリとは言い難いだろう】


おっと、それは失礼したな。早合点だったよ
しかし、エンタテイメントのために、まったく手段を選ばないような連中を相手取るとはな……よくやる

大衆というものは、そういう存在だからな
さて、法というのは、守って初めて機能するものだ。境界線にたつお前のような人間には、あまり意味がないのではないかね

【彼の愉快そうな笑みに、同じく歪な笑いを張り付けて返す】
【彼独自の理論をすべて理解した、とまでは言わないが。この大男にも思うところはあったらしい】


そういうことだ。といっても、私は下っ端にすぎないがね。あまり見分けを付きやすくしていては
余計なリスクを背負うことのほうが多いのだよ

……フリーのシリアルキラーのような輩は、どこにでもいる。機関内部にもだ
まあ、殺される側からしたら、誰であろうと変わりはないだろうな

【大男も、彼が自分とは違うことを感じ取り。一つ目で彼をじっくりと見据える】


……さて、少々話し込みすぎたかね
私は、そろそろ退散しよう。ひきとめてしまったようですまなかったな
無事に逃れられることを祈っているよ

……カニバディール。私の名前だ。縁があれば、いずれまた

【あまり長々と一つ所にとどまっていてはまずい。彼の追手のことがなくとも、ここは路地裏。何が起きるかわからない】
【最後に、彼へと名乗りを上げて。一つ目の大男は、その巨体を闇のうちへと紛れ込ませていった】


/すみません、数十分前に帰宅しました……
/お気づかい感謝いたします。これにて締めでお願いいたします
/最後が雑になって申し訳ありませんでした。機会があれば、またお願いします
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/11(土) 20:07:34.93 ID:uG6W+PUfo

【"砂"の大地に、影が下りた。】

【地の国――此処はその端にある小さな田舎町、"カラカサス"。】
【付近には小規模ながらも砂漠などが存在している事も含め、この田舎町の集合体に生きる人々は】
【乾燥や砂嵐に負けず、力強く生活していた。陽気な住民達の生み出した特有の食文化、そしてカントリーミュージックは】
【今宵、オアシスとなっている町の中央にも根付いていて――楽器の音が休日の夜を明るく、活気付けていた。】


【―――ただ、そんな雑踏の中に見慣れない格好の人間も混ざっている。観光客だろうか。】
【いや、ただの観光客がロールス・ロイスやベントレーに乗って参上する筈もない、しかしその事に気を止めるものなど少なく】
【町の目立たない裏路地の方へと、漆黒の高級車たちが次々に乗り付けていった。】

【音楽が聞こえなくなってくると――中央から外れた路地に集まった車たちはとある"倉庫"へと進入していく。】
【そしてその倉庫は一種の"入り口"となっており――ガコン、と倉庫内全体が揺れれば】
【車たちは地下へと"降下"していって――そう、それは随分と大掛かりな"隠しエレベーター"であった。】
【昇降機が地下へと到着すると、車から一斉に人が飛び出してきて――全員、高そうなスーツに身を包んだガードマンだ――展開。】
【車の付近の安全を確認すれば、彼等に続いて出てくる出てくる、裏社会では名の通った"重役"達――】

「お待ちしておりました、ギレルモ翌様、リドリー様。それに――ああ、お久しぶりですねエメット様。」
「本日はお日柄もよく――ええ、そうですとも。"最高級品"を揃えてきました、きっとお楽しみになられるかと。」
「それでは此方にサインを、それからむこうのカウンターで入出許可証を受け取ってください――」

【その重役達に挨拶をしてまわる、一人の男性。】
【サインを受け取っているその姿は商社マンにも見えるほど――礼儀正しく、そして落ち着いていたが】
【身に纏ったスーツ――勿論安物ではなかった――の異形さが、全てを打消していた。】
【右と左で綺麗に色が分かれた、白黒の二色使いの不気味なスーツ。】
【そして手に持ったスーツケースすらも、その二つの色にクッキリと分かれていて――】
【まるで毒をもつ爬虫類が派手な彩色の皮膚を持つのと同じように、この男も自らが普通ではない事を主張していて――。】

【やがて"観客"達がぞろぞろと揃い始めると――突如、ライトアップ。一斉に照らし出された会場が姿を現す。】
【それは――巨大な"アリーナ"、ステージを囲うように沢山の椅子が配置された巨大な舞台――】
【本来ならば、有名なアーティストやサーカス団などが舞台に立つのが相応しいであろう、その場所で】
【今宵開かれるは"人権"という文字を完全に無視し、唾を吐くかのような残虐な行為―――】

【先程の"白黒"男が壇上に立つと――拍手が一斉に沸きあがった。裏の世界では名の知れた"死の売人"なのだ。】


『紳士淑女様―――ああ、マイクテスト。あー、コホン。』


『紳士淑女様―――大変長らくお待たせいたしました!!今宵、集まっていただいたのは紛れもない――』

『皆様に生涯最高の"ショッピング"をお楽しみ頂く為です。長い挨拶はやめて早速、始めましょう―――!!』

/続きます!
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/11(土) 20:08:34.99 ID:uG6W+PUfo
【ドラムロールと共に会場に次々と現れる"檻" "檻" "檻"――そしてその中にいるのは、人間。】
【泣き叫ぶものも居れば鉄格子にしがみつき、破壊しようとするものまで居る――だが一様に、皆"疲れ果てて"いた。】
【もう何日間もこの折の中に捉えられていた――そう、彼らは各所から拉致・監禁されてきた正真正銘の"一般市民"だ。】
【奴隷でもなければ死体でもない――生きている人間が無理矢理ここにつれてこられ、そして売買の"商品"とされる――】


『"闇オークション"の開幕ですッ!!さあ、まずはこちらの"獣人"!!なんと貴重種である"兎"の獣人間ですッ!!』
『愛玩動物としても最高、一緒に暮らすパートナーならこの子で決まりッ!!勿論、"そっち"はまだ未使用品なので――』
『貴方だけの"モノ"にできるッ!!素晴らしいッ!!これ以上の夜のお相手が存在するかッ!!』
『さあ、まず開始は100万から――120!そっちは130!!熱くなってきました!!』




【中には、獣人や魔族などもみえる――彼らは強固な対魔の檻に入れられ、拘束されていた。】
【集まった人間達は皆興味深げに彼等動物達――売り物となった人間達を舐めるように見渡す。】
【外道、という言葉がこれ以上に似合う人種もそうはいまい。ともかく――ここで行われているのは畜生にも劣る、最低の売買だ。】

【だが――世の中は決して、腐りきってはいない。オークションも熱を増してきた、その時―――】


【爆発。会場の一角が火薬でド派手に吹き飛び―――そこから進入してくるのは、一人の"女性"と一匹の"白馬"】

【見覚えがある者もいるだろう、彼女こそUNITED TRIGGER――つまりは正義の組織を率いる"頭"】
【セリーナ・ザ・"キッド"――そして彼女に続くように次々と、自警団の仲間達も侵入を開始――】
【突如現れた、法の下に戦う義の戦士達――彼等の登場に会場は火が着いたように慌て、そして大混乱へ――】

【逃げ惑う観客を次々に麻酔銃や電撃棒で眠らせていくなか、当然、彼等"主催"側も反撃しないわけがなく―――】



『―――おやおや、おや。どっから漏れたか知りませんがこりゃ――ああ、最低だ。最低ですよ。』

『UTだか自警団だかなんだか知りませんが――ああ、みなさんとりあえず落ち着いて避難を、ああ――聞こえちゃいないか。』

『チッ・・・こうなったらやるしかないですねぇ。D.R.U.G.Sにケンかを売るとどうなるのか――』

『たっぷり、味わってもらいましょうか。』


【壇上でマイクを取っていた、あのスーツの男が飛び降りて――自分の持っていたトランクケースのうち、一つを投げ捨て】
【もう一つのトランクケースを使い、次々に自警団員を薙ぎ払う――】
【もはや会場は戦場と化した。此処から戦争が――始まる。】

【さあ、正義の志よ。腐りきった悪の界隈に鉄槌を下すときが来た。】
【さあ、邪悪の志よ。暑苦しい日向のモノ共を闇に葬るときが、きた。】

/では開始と成ります!!なんか潜入というか突入になりました!vs主催の方はこちらへお返事どうぞ!!
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 20:09:51.64 ID:kawgFo8No
【地の国――果てなき大地の一地点、更に地下へ潜った場所】

【人身売買の会場は、まさにそこ。今宵、銃士と陰陽師が見えるのは】
【悪鬼渦巻く競売会場の商品保管庫=\―表舞台からはやや奥まった部屋である】
【会場内に幾つか存在する、巨大な檻の有る広い石造りの部屋だ】

【出口は入り口と同義。つまり逃げ道すら存在しないそこに、一人】

【クリーム色のスーツに中折れ帽、指には銀の輪を、手首には金の時計をはめ】
【目元は室内であってもサングラスで隠し通す、壮年の男性がそこには居た】
【あごひげを撫で、手元の拳銃――『モーゼルM1916』=\―通称レッド9と呼ばれる】
【その銃身の鈍い輝きを確かめながら、見張り番の彼は小さな椅子から立ち上がり】

マルコ坊ちゃんを連れて来なくて正解、か……
まあマフィアとしては是非知っておいて貰いたい世界ではあるが、こんな端役じゃ仕方ない

……さて、さて!今夜はお客さんの予定は無いはずなんだがね?
競売前の見定めかね?それとも裏金でちょいと一人ばかし逃がして欲しいのかな!?
ま、なんでも結構だが俺も俺で、今は仕事中なんだが……あぁ、言葉数は少ないほうがお好きかね?

【この地へと脚を踏み入れるだろう敵≠ヨ向かって、マフィアの男はそう語りかけた】
【改めて部屋の外観。左右の壁は強固な鉄の檻となっていて、中には複数の捕虜・奴隷が在り】
【その他は天井が高く、床もなにも石で出来ているということ以外、特筆すべき点はない】

【男の武装は、見た限りでは手元の古めかしい銃一丁。勿論、隠し持っている可能性もあったが】
【その年齢や風体からして、とても一筋縄では行きそうもない――そんな雰囲気が、立ち込めていた。】

/こちらビスク・フランコです。玉藻さんの方、今夜はよろしくお願いしますねー!
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 20:11:52.41 ID:uMuselDho
【豪勢な酒、薄暗い照明、豪華そうな椅子】
【華やかで豪華なようだが、そこで行われていたのは悪魔の所業───悪趣味な金持ち達の、裏競売だ】

【人を人と扱わぬ、命を命と思わぬ競売。果たしてそれは絶対に許されてなる物ではなく】
【それを頭の何処かで自覚していながら、彼等の悪手は止む事は無かった】
【因果応報───いつしか払うべきツケを今払わされようとしている悪趣味な富豪達は、逃げ場を求めて慌てふためく】
【商品がどれだけそうしても彼等が聞き入れなかったように、救いの手は何処にも無い】

【───その一角に、ひっそりとある集団が歩いている】
【周りの富豪達とは違うと一目でわかる身なりをして、人型なのに人じゃない】

「…全く、何処の誰がバラしたのでしょうねぇ」
『…首領、今は早くここを去るのが先決かと』

【落ち着き払った一人が引き入るその集団、皆人の様でいて、そうでない】
【体を覆う毛皮や鱗、張り出した鼻や、頭頂部にある耳───彼等は人と獣の混じり合う、獣人達である】
【───D.R.U.G.S.所属のマフィア、獣人や人間等様々な種族で構成される、キマイラ≠フ一団だ】

「いいえネロさん、私達だけ逃げるのは余りに勿体無い…いえ、今こそがチャンスなのです」

【そう語るのは、ロングコートを着て帽子を被ったコウモリの獣人───キマイラ≠率いるロバット・ムルシエ本人である】

『チャンス…とは?』

【ロバットの近くでそう話すのは、トレンチコートに身を包む黄金眼の黒猫の獣人───側近のネロだ】
【ネロの質問に答えず、ロバットは富豪達の真ん中に立ち止まると、すぅと息を吸って】

「皆さんどうか落ち着いて下さい!ここは私達キマイラ≠ノお任せを!」
「逃走経路の確保、護衛等は私達が責任を持って引き受けます!どうか落ち着いて指示に従って頂きたい!」

【よく通る声に、富豪達が振り向けば、しかし彼等はその姿に愕然とする】
【「獣人が何を言っている」「任せられるか」などと、口々に文句が飛び交って、ロバット以外の獣人達は皆嫌そうに顔をしかめる】
【しかしロバットはそれを見て笑い、また息を吸い込んだ】

「───皆様!不安なのはわかります!しかし今は緊急事態!種族や立場は関係ありません!」
「我々は貴方達を守る義務がある!マフィアの一員として堅気を抗争に巻き込まない義務が!」
「獣人だからと言ってそれは同じ!どうか!どうか信じて欲しい!」

【───いかにも、真剣に富豪の無事だけを考えて≠「そうな演技に、富豪達は気圧され、それをようやく信用する】
【ロバットが部下達に指示を出すと、獣人達は富豪を連れて裏口に向かって行く】
【素早い手つきで、既にそこから富豪や獣人達は消え───残ったのはロバットとネロだけ】

『…見事なお考えです、首領…よもやご自身よりも人々の安全を優先とは』
「これでいいのですよネロさん、こうすれば彼等は私達を信じ込む、金持ちな顧客が増えます」
『……そう、ですか』
「さて、行きますよネロさん」

【ロバットの真の企みに、声を詰まらせて返すネロ。それを知ってか知らずか、優雅にロバットが歩き出す】

『しかし首領、このままでは追手を抑える者が…』
「安心なさいネロさん、貴方は私の近くで護衛を」

「───用心棒を雇っています」

───……

【侵入者が部屋に突入するのと、ロバット達が裏口へ出て行ったのはほぼ同時】
【その裏口に入ったばかりの廊下に立ちはだかるように待ち受けるのは、一人の男───】

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、爪痕みたいな模様の超絶にダッサいネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型の男だ】
【その右目には眼帯を───『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【機械的な柄を持つ刀を、これまた機械的な鞘に納め、ベルトの左側に挿している】

/ラッシュ・ワンスドッグです、グーさんよろしくお願いします
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 20:27:53.88 ID:kdvzBJL70
>>124
【数日前―――この事件を聞きつけたのは、偶然か否か―――】
【彼女は以前とある自警団の団員と知り合いになり、ついでに自警団からの情報にも興味を持つようになっていたのだが……】
【―――自然学者として、生命の在り方を知るものとして、許されない事件の情報が飛び込んで来た】
【―――そう、人身売買……人の人としての尊厳を踏みにじり、あまつさえそれで利を得ようとする最悪の商会】
【彼女は居ても立ってもいられなかった……それはもう普段は穏やかである彼女が、今は普段と変わらぬ微笑みこそ浮かべているが―――目は義憤に燃えている程に】
【かくして一介の自然学者である彼女は、生命の尊厳を賭けて、囚われの身となった人々を救いに向かった―――】

【―――そして、今】

………何ということを………!

【鳶色の長髪をなびかせ、彼女はオークション会場に立った】
【檻を目の当たりにした彼女の顔からは、もはや普段の微笑みも消え―――静かに、しかし確実に怒りに燃えていた】
【普段のリュックサックは持たず、普段のトレッキングパンツも穿かず……囚われた人を救出することを話した時に愛娘が作ってくれた、強化繊維のスーツを身にまとい】
【地下であるはずのこの会場で、彼女の周りには旋風が吹く】

……今、助けてあげますからね……!
この許されない悪夢は、すぐにでも終わらせます……!

【この畜生にも劣る『商人』を、許しはしない……!】
【生命の尊厳を知る『自然学者』は、今ここに降り立った!】

//本日は宜しくお願いします!
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 20:32:09.80 ID:V9HxVcz0o
【地の国―――詳細は極秘。オークション会場内】

【夜8時を少し過ぎた頃にだろう。会場の華やかさは失われた】
【元々、薄汚い金と欲望と絶望をシャンデリアで眩ませて隠していただけなので】
【華やかさの欠片もなく、燃えるゴミが燃えないごみになった程度にしか感じられなかった】

【彼女はその時、証明の当たらない、暗い壁際で背をもたれたまま、腕組みをしてあたりを見てた】
【数日前にD.R.U.G.S.の某から配下の富嶽会へ人員派遣の要請があった】
【口が固く、腕も立つ経験者。くだらん護衛だと罵った後、ジャンケンに負けた彼女が呼ばれた】

……元々は事務なのに…最近こういうの多くない?私。

【長い黒髪を琥珀の髪留めで頭の後ろでまとめて、ポニーテイルにした若い女】
【その上にヘッドセットをつけている。白い肌の上に薄化粧をして、切れ長の目】
【黒いスーツのパンツスタイルで、足元は編み上げのブラックレザーブーツらしい】
【腰のあたりに2本、朱塗りの鞘に収められた刀を差している】

【逃げ惑う人々慌てふためき、なんだかやられてる奴もいるがまあいい】
【どうせ豚だ。ブタは出荷されるもんだ。そしたら次のブタが肥える。また出荷する。繰り返し】

セリーナさんも大変ですねえ……全く。

【モヤモヤした中からなんだか白い馬のようなものを見た気がする】
【体を起こして、グイーっと背伸びをしながらそんなことを呟く】
【無線も会場内も音が氾濫していて煩い。息苦しい。地下だから空ける窓がなくて腹立たしい】

【流石に1人で来てるわけもなかろう、2人なら他の人に任せよう。三人以上なら働かないとな】
【テーブルに残ったまだ開けたばかりのワインを掴んで、それをそのまま煽った】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山梨県) [sage]:2013/05/11(土) 20:33:31.05 ID:GZ3m+BHWo
【人気の無い商店街】

【街灯の明かりが、影をつけることもないほどに、誰もいないこの道に】
【一人、女がベンチに腰を掛け、やや憂鬱気味につぶやいていた】

「んま……アレだよな、アレ…どっかで何かが起きてそうな気がすんだが」

【ポニーテールにまとめた赤い髪に、黒色の瞳】
【口元から棒だけ出した棒付きキャンディは、まるでくわえ煙草の様で】
【一昔前の不良のテンプレのような、謎の金色の漢字の刺繍が施された、ピンク色の特攻服。】
【上着に当たる部分は、前を止めず、サラシを巻いて隠して、豊満な胸をさらしていた】

【首元から、鎖につながれた五寸釘をネックレスのようにかけている彼女は】
【さらに地下足袋である。パッと見不良というイメージが出て来ても不思議はない】

「んで、暇でも潰そうとしようかと思って……買ったんだが…」

【人っ子一人居ないとはこういうことで、赤髪の言葉がやめば、そこには風の音しか響かない】
【そんな人気のなくなってしまった、商店街で、赤髪が大切そうに右手で握っていたのは】
【チョコレートかいちごか、詳しくはよくわからないが、とにかくその近辺で買ったような”クレープ”だった】
【既に赤髪が買った場所と思われる、移動式の屋台は撤収の準備を始めており、彼女が最後の客であることを想像させた】
【おそらく、もっと儲かる場所にでも移動しようという塩梅であろう】


【はたしてこの街角に、誰がやってくるのであろうか…】

/別にイベントではないですので…
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/11(土) 20:38:58.30 ID:8L7oyj4mo
>>126

――――――――ッ!!

【怒号や悲鳴が場を包む中、一際轟く咆哮が在った】
【篭められる感情は怒りか憎悪か嫌悪か殺意か】
【正義感などに由来するものでは断じてない、怒り狂う獣の叫びであった】

【獣は逃げ惑う外道共を追う】
【その肉を喰らう為】
【その喉笛を掻き破る為】
【その臓腑を抉り散らす為】
【血走った金色の眼光を輝かせながら――富豪らの逃げた裏口へと】
【獰猛な気配とは不釣合なほどに音も無く疾駆した】

……

【獣は足を止める】
【見知った顔であった。微かにだが縁を交えた男であった】
【一瞬の間の後、手に持った"杖"でドスリと地面を叩き……】


――退けや"坊主"、爺さんちょいと気が立っててよぉ……


【重杭を打ち付けるが如きドスの聞いた声色でそう語りかけた】
【視線に宿る感情は友好的な物とは程遠い】
【狩るべき獲物であるかを見極める野生の猛獣の其れであった】


……"坊主"が俺の狩りを邪魔しようってなら加減は出来ねえぞ?
この世界にゃあよ、残念だが死ななきゃならねえ人間ってぇのがいるんだわ

もう一度言う、これが最後だ……退けや坊主。
知り合いの血で――――俺の爪を穢させねえでくれや


【獣は憤怒を堪える様な声で、目の前の男に対して告げ】
【ゆらり、ゆらりと不気味とも言えるほど緩やかに尻尾を揺らす】
【冗談などではない。通行を妨げるならば"狩る"と、全身が訴えていた】

【虎の獣人――グー・ゲルギルは血走った眼で男を睨む】
【身の丈ほどある儀杖で床を突き、殺気を全身に纏いながら彼の返事を待った】

/グー・ゲルギルです!本日はよろしくお願いします!
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/11(土) 20:42:36.70 ID:iKzkyopco
>>124
ああ、そうだ!あなたがたはぁ、実に!!つ、い、て、い、な、い!

【その声は高く、まるで語り聞かせるかのように芝居がかっていた】
【その声は冷たく、まるで死を伝えにきた死神の如く、鋭利】

ケンカを売るとどうなるか?大体その言葉を言った人間の約半数は―

【その声の主は、この会場にいれば間違いなく、家族を助けにきた愚か者―そんな風に捉えられるかも知れない】
【頭から首をすっぽりと覆う牛と山羊を足し、そして耳には湾曲した角が生えた奇妙な顔のマスク―】
【そして、全身を覆う黒いスーツに手袋―】
【まるでこの「劇場」の主役といわんばかりの、まるでふざけているような、わざとらしい歩き方】

【カツッカツッカツ―】

無惨にも、ブタ箱でお世話になることになる―

【正義にも、悪にも加担せず、ただここに愉悦を求めて】
【道化師が、降り立った―】

>>127
よくわかる、生命の侮辱に対する怒り!
だが、ここで一旦静めたほうがよろしい―

【後ろから、優美にかっこつけて歩くその姿は、今の状況であれば『不真面目』だと思わざるを得ない】

でなければ、この悪夢を止める人間が、いなくなるかもしれません―

【心を惑わす戯言か、それとも、警告か】
【だが、少なくともこの場所に来たのであれば、恐らく目的は同じ】
【尊厳を、守るために戦う者であろう―】

//少し不慣れのところもありますが、よろしくお願いします

132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/11(土) 20:51:48.11 ID:tEB28h8N0
>>125
【突然の襲撃者騒ぎに混乱が広がる闇市場の中、人の波を押しのけて】
【“用心棒”の待ち構える闇市場の“商品保管庫”へと向かう者の影が一つ】
【注意して聞いていれば、混乱が生む騒々しい音の中、近づいてくる足音が聞こえるだろうか?】
【―――その“持ち主”が姿を現すのはその足音が止んだ刹那の後】

ここが商品置き場ねぇ……予想通りだ、僕の勘はやっぱり冴えてるね!!
―――警護役が居るって所も想定内だよ

【侵入者は立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした20歳前後と見受けられる容姿であった】
【その大正浪漫あふれる服装はこの青年が異邦――おそらくは櫻の国であろう――から来たことを物語っている】

ちょいと自己紹介が遅れたかな?僕の名前はタマモ・キョウシロウ―――コンゴトモヨロシク……
まあ突然殺り合うのもなんだから少し話でもしようか?

【キョウシロウと名乗った青年は、笑顔を浮かべながら男に向かって話しかける】
【時折“商品”が向けてくる視線にも笑顔と会釈で返しながら】

大丈夫、僕もあんまり長ったらしい話は嫌いだからね……質問は一つだけ
君は―――他人の自由を奪って拘束し、道具として扱うことをどう思っているんだい?

【キョウシロウの質問は相変わらず笑顔で―――しかし、どこか張り付いたような印象を受けながら】
【質問の内容は聞くところ男の行為を凶弾するかのようであったが―――だがどうにも】
【どうにも何か別の“目的”を張り付いた笑顔の下に隠しているかのような印象を受けるだろう】

/ドーモ、フランコ=サンの人、よろしくです!!
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 20:59:25.45 ID:V9HxVcz0o
>>128
/慌てるとどうもダメだ…挨拶を忘れるなんてあるまじき失態…!
/私は霧崎です。ギア・ボックスさん本日もよろしくお願い致します
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/11(土) 21:00:58.55 ID:CnKx+9Llo
>>128
(大会の時も思ったけど……あの人、派手なこと好きだなあ……)

【そこまで考えて、ふいに可笑しくなった。ついこの間まで、震えてばかりだった自分。いや、もちろん怖いのは変わらない】
【しかし、夜の国でただ震えあがっていたころに比べれば、この状況下でこんなことを考えていられる程度には、慣れたのかもしれない】

【混乱を極める会場内を走っているのは、少し長めの茶髪に青い瞳に青年だ】
【白いシャツの上に羽織った青いジャケットを揺らし、深緑のカーゴパンツと黒いスニーカーで地面を踏み締める】

【逃げまどう参加者たちの間を縫って、会場の檻のほうへと近付こうとしている】

(このどさくさに紛れて、なんとかつかまってる人たちを……檻のカギを探すほうが先か)


【足りぬ頭で思考しつつ、足は止めない。逃げまどう人の波に押し返されないよう、壁際へと移動して――】

(…………!!!)

【足をとめた。壁にもたれかかる女性。この混乱の最中でも、冷静な態度を崩さず】
【何より、その切れ長の瞳から放たれる、尋常ならざる気配。そして、腰に差した得物】

(……D.R.U.G.Sのメンバーか……?)

【どうにも、素通りは出来なさそうだ。ゆっくりと右手を挙げ、自分の左肩に当てる。彼なりの、戦闘態勢】
【この場にはそぐわない、弱々しい気配。彼女からすれば、一笑に付すべき存在だろうが】
【それでも、男はそこに立った。確かな、戦う意思を瞳に宿して】

>>133
/遅れてすみません!
/ギア・ボックスです! 霧崎さん、よろしくお願いします!!
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 21:09:44.83 ID:uMuselDho
>>130
───………

【何を考えていたか】
【『悪趣味だ』とか、『不幸な奴らだ』とか、そういう風に考えても、『許せない』だとかは思わなかった】
【…いや、もう既に麻痺しているのか───ただ仕事≠ニして雇われただけの事に、自身の感情が入り込む余地は無い】

【逃げ出した奴らも、目の前で猛る獣人にも、語るべく事は無い】
【何を語れと言うのだ?言い訳を?謝罪を?】
【例え見知った顔でも、相手となれば戦うしかない…それはよく分かっている筈だ】

…悪ぃなグーさん、そりゃ出来ねぇんだわ
俺も仕事だ、どんな奴だろうと雇い主に従うのが傭兵って奴だ
…俺がどうしたいかってのは、残念ながら通用しねぇ

【以前会った時には感じた事もない殺気───それをひしひしと感じながら、ラッシュもまた身を引き締める】
【右手を刀の柄にかけると、鍔と鞘のロックが外れて、すらりと抜く】
【溜息が出そうなくらいに綺麗な白銀の刃の機械刀を、右手に持って楽に垂れ下げる】

───通るなら、俺を殺してからにしな

【刀の切っ先をグーに突き付ける、すぅと上げる刀は白銀であるのに紅い残光を引いていて】
【あくまで守る事が仕事だからであろう、グーの出方を見るように、そのまま動かない】
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/11(土) 21:10:20.95 ID:uG6W+PUfo
>>127>>131


――――フン、自警団員など所詮この程度、ですか。
厄介なのはあの"ガンマン"――まあ、でも幸か不幸か彼女は"逃走経路"の破壊へ向かったようですしねぇ。
であればともかくここに居る雑魚さんたちをお掃除して私もトンズラ――と、いきたいところ、です、が。

【何人目だか分かりはしないが――剣を振るってきた自警団員の一人を蹴飛ばし、その剣をスーツケースで――叩き割り】
【果たしてどんな合金で作られたかは定かでないが、"売人"は心底うんざりした表情でくるり、と振り返れば】
【其処に居たのは一人の女性――吹く筈のない風が、優しくも荒ぶる正義の疾風が――今、激しく吹いた。】

―――ハッハハハハハハ!!許されない悪夢、ですか。それはそれは"良い"表現ですねぇ。
私のような――ああそう、申し遅れました、私の名前はClosed "Δ"―――"デルタ"とお呼びを。
私のような売人には人間の不幸こそ最高の商品となります、それが許されざる蛮行であればあるほど
世の中には金が回る、面白いくらいに。悪夢ともなれば――ええ、勿論それはもう――ゴールド・ラッシュと考えて良い。

と、そんなワケで貴女のような"正義感溢れ" "どこまでも正しく" "その上冷静で美しい"
どこもひん曲がっていないようなつまらない人間が介入すると――不幸が薄れ、金が回らなくなる。
邪魔なので地獄へ葬ってあげますがよろしいですね?マドモアゼル。

【男――Closed Δと名乗った彼がトランク・ケースを自身の脚で蹴飛ばせば――瞬時にして其れは"変形"する。】
【漆黒の箱がカシャン、カシャンと機械的な音を立て技巧を露にし――現れたのは"クロス・ボウガン"】
【矢は装填されていないが、男の殺気は紛れもなく少女へむけられて―――】

【――と、そこでΔの腕が止まった。クロスボウを構えると同時――現れたもう一人の役者めがけ、視線を移した】
【なんとも――不気味な姿である。少なくとも普通の人間には見えまい、もっともそれはデルタも同じであったが――】
【異常である事の"格"が違う、これはまさに異形と呼べるほどにこの会場から"浮いて"いて――】
【獣か、はたまた人か。どちらにしてもその声は天高く響き渡り、絶望のアリーナへ希望の明かりを灯すだろう。】

はァ・・・なんですか、今度は?かっこよく口上を振りまいたと思いきや、姿を見せたのはなんともまあ――ああ、あんたもしかして商品ですぅ?
獣人には見えるがかといって人らしくないともいえない――いやですねぇ、そういうハッキリしない人。私、苦手なタイプだ。
ただまあこんな喧騒の夜には悪くない、貴方の様な変態も我がオークションは受け入れましょう。

――ところで、誰が豚箱のお世話になるんでしたっけ?ジョークのセンスは磨いたほうが身のためだ、"道化"。
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/11(土) 21:10:35.91 ID:uG6W+PUfo

【瞬間、いつの間にかボウガンを握る手と逆の腕の中に――現れたのは二本の"矢"】
【どこから取り出したのか、スーツにそんなものが入っている余裕はなさそうなものだが――これもまた、"能力"か。】
【変形するボウガン、そして手にした矢を慣れた手つきで一本、セット――グルン、と銃身を回転させてまずは"皐月"へ】

戦う気満々のお嬢さんから、相手だ。

――――風には、風を。

『吹き荒ぶ怒り―――ストーム・レイン』

【ドウッ――という激しい音とともに、ボウガンから矢が放たれた。しかし可笑しな物だ、通常ボウガンが発射されたところで】
【ここまで大きな作動音はおきまい――それこそがボウガンが暗器たりえる所以であり、現在でも使われている理由なのだ。】
【しかし放たれた矢は確かに、鋭い発砲音と共に直進し――やがて皐月へと向かう道中、凄まじいまでの"風"を巻き起こす――ッ!!】

【――矢張り能力、と考えていいだろう。ボウガンは既存の火器であるが、矢は人の手で創られたものではない――】
【この男の力は"矢"を生み出すものに違いない。】
【そして――】

『Tell's APPLE』―――矢は必ず林檎を貫く。これが私の力の名。そしてそれを聞いてしまったからには
貴方"達"には消えてもらう、このクローズド・デルタ<閉ざされた三角形>の名にかけて。

『赤の侵攻――――バーン・アウトッ!!』

【そうして、もう一人の"敵"であるシミラーめがけ二本目の矢が放たれた、こちらは直進する中途で矢の先から炎を噴出】
【今度は"火"か――属性をも自在に操る事ができるのだろうか、この男の能力はまだ、其処が知れないだろう。】
【直撃すれば火炎を浴びる事は逃れない――果たして、どうするか。】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 21:11:22.56 ID:kawgFo8No
>>132

あぁ……その格好、それらしい名前、顔立ち……櫻の人間かね?
いやだからどうってことはないんだが、ちょいと櫻の国には因縁めいたものがあってね
というのも中邑という名のサムライが―――失礼、忘れてくれ。

―――俺の名前はビスク・フランコ。こちらこそよろしく、キョウシロウ君!

【にっ、と笑えば白い歯並びが顕になる。実になんというか、豪快で】
【すぐさま銃弾をぶち込んでくることはなかったが、穏やかに済みそうもなく】
【ところが青年が問いかけをすると、一旦は銃を下げ―――】

……ふむ。まあ、一般的に考えれば問題在りだろうが、俺はどうとも思わんね
これでも20年以上マフィアやってるんだ、嫌でも慣れるってもんさ

それにだ。こうして人を売るってことは、誰かが不幸になると同時に誰かが幸福に成るわけだよ
買い手と売り手の2つを考えれば、不幸になる道具1つにつき二人が幸せ。
合理的に考えても案外悪くないと思わんかね?道義がどうとか、子供じゃあ有るまいし――。

【かちゃ、かちゃ。銃を弄り回しながら、彼は平然とそのような答えを吐いた】
【正義か悪かで言えば純然たる悪。しかし、あまりに当然の事だろうという様子は――青年にはどう、映るのか。】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 21:22:43.86 ID:w8dyM5nmo
>>129

【街角。 現われたのは不良風な彼女に負けず劣らず、ヤクザ風な男であった】
【撤収しつつある屋台近くでひとつ溜息、何やら困ったように頭を掻いていて】

……あー畜生、来るのが遅かったな
真っ当な店には入れないし……手土産無しで行くってのも、どうもな……

【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、よれた黒スーツ姿の若い男】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

【――どうやら、これから誰かの元を訪ねるにあたって何か買っていく予定のようだが】
【物騒な刺青を入れた顔で店内に入るのは……という事なのか、出来ないらしく】
【そんな折、近くでクレープを手にしたままの不良風の彼女へちらと視線を遣った】

…………喰わねえなら貰っちまうぞ

【カツアゲ、にしては、大人げないのだが――。】

/そんな訳で良ければ! オナシャス!
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 21:23:19.06 ID:V9HxVcz0o
>>134

【ワインの瓶を首のところで握って、男らしく飲みつつ】
【逃げ惑うブタと気合の入った乱入者と、こちら側の人らを遠目で見る】

【そうしていると、この場に相応しくない青年を見つける】
【人の波に巻かれながら、逆行しているのを見るに乱入者の方か】

【どうやら給料分は働かなくちゃならないらしい。仕方ない】

【そう思いながら、握っていたワインボトルを、置いてあったテーブルにそっと置いて】
【コツコツと、何気なく、テーブルから少し離れて、少し離れた青年と正面から対峙する】

【向こうもやる気らしい。いや、やる気だけなら向こうのほうが上だろう】
【そこに、”殺気”が加わるのなら、こちらも負けちゃいない】

【一、二秒、少しの瞬間だけ…彼女の中のスイッチを入れる為の時間があった】
【見た目からはそれはわからなかっただろう】

【彼女は腰に差した、刀に右手を添えて――――】

【順手で一気にそれを引き抜く!………そしてまた……静…】

【近くにあったテーブルの上のワインボトルが斜めに斬れて、赤色の液体をあふれながら上部はテーブルの上で転げた】
【真ん中に置かれていた、燭台の明かりも、その火だけ揺らめいて、消えた】

【斬るのは別に火蓋でなくても良かろう。そういった意味をはらんだ、合図であった】
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/11(土) 21:36:00.01 ID:8L7oyj4mo
>>135

そうかい――――

【極短い言葉、返事としては最低限度の呟きを空に溶かす】
【如何なる理由があろうとも邪魔をするならば目の前の男は"敵"だ】
【ならば交わすべき言葉は既に言い尽くした】
【この猛獣は馴れ合うために訪れた訳ではない。外道共を食い[ピーーー]為にこの場に居るのだから】

【グーは床に杖を叩きつけ突き破る】
【手を離し、螺旋飾りの付いた儀杖をその場に固定し置き残し】
【巨体を陽炎のように揺らしながら音もなくラッシュの元へと歩みを進めた】

【金色の瞳で薄暗い廊下に残光を燐かせながら】
【両腕の筋肉を、両太腿の筋肉を膨張させ――――】


              《?争[ザンゼン]》


【――古の言霊を、場違いな程に清静な声色で響かせた】
【同時に金色の瞳は真紅に染まり】
【大柄な身体に纏われた岩石が如き筋肉が一回り膨れ上がった】

【?争……戦争を意味する言霊】
【グー・ゲルギルが"[ピーーー]つもり"で挑む際に使用する術の一つ】
【地脈より力を吸い上げることにより己の身体能力に大幅な上昇補正を与え】
【一時的ではあるが――最大の弱点である持久力も"忘れる"ことが出来る】


――――――――ッ!!


【背を丸め、姿勢を低くし咆哮!】
【同時に猛獣が腕を振り上げラッシュに迫る】
【常人を遥かに上回る膂力、そして猫科特有の瞬発力により】
【高速の踏み込みと同時に強力な爪撃を繰り出そうとする】

【攻撃手段は右腕による頭部への振り下ろし】
【単純ではあるがスイング速度は相当なものであり、直撃したならば強烈なダメージを受ける可能性がある】

【人間の肉など容易く千切る太く鋭い爪と腕力】
【獲物に一瞬にして飛び掛り肉迫する俊敏さ】
【野生に生き、弱肉強食の中進化した知恵を持つ獣は】
【情け容赦なく、野生の常のごとく目の前の獲物を狩り殺さんと迫った】
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/11(土) 21:36:10.89 ID:tEB28h8N0
>>138
ビスク・フランコ―――だね?よし、わかったよ!
僕のことは適当に……そうだね、タマちゃんなりキョウちゃんなり呼んでくれていいよ!

【奇妙にも、これから命の遣り取りをする思えないほどにこやかな表情を浮かべる二人】
【場所さえ違えばこれから名刺の遣り取りでも始めるかのような雰囲気さえ醸し出すが】
【当然ながらここは人と親睦を深めるような場所ではない―――その対極に位置しているだろう】

へぇ、君はその問題を“数”で解決するのか……勉強になるねぇ!何か経済的!
まあ僕も道義なんて下らないことを口にするつもりはないよ?
陰陽師が“式神”に対してやってることなんてそれと大して変わらないしね
―――ちょっと口が滑ったけど実は僕、陰陽師をやってるんだよね〜

【青年は男がさも当然であるかのように自分達の行為を正当化することに対して逆上するでもなく】
【それが“当然”であることを認めるそぶりすら見せる―――実に奇妙である】
【奴隷に対する憤慨の気持ちでこの場所に来たので無ければ、一体、何故この場所に来たのか?】

それはそれとして……君がそういう答えをしてくれて僕はよかったと思っているよ?
だってさ―――


      “君が奴隷になったときに駄々を捏ねられずに済むだろう?”


【刹那、青年は先ほどまでの朗らかな笑顔とは打って変わって―――邪悪な笑みを浮かべて】
【男から飛びのいて距離を離す―――戦闘態勢に移ったと言えるだろう】

さて、それでは早速僕の下僕を―――今のは別に駄洒落を言ったわけじゃないよ?
とにかく、紹介させて貰うとしようか―――

【狂死郎は閃光のような速さでインバネス・コートの中から茶色の―――裏に召喚陣が描かれた札を取り出す】
【さらにその札をよく見れば、表には何か青い球体のようなものが描かれていることに気が付くだろうか?】
【彼はその札を表面が上になるように右の人差し指と中指の間に挟みこむようにして手に持った】
【それと同時に、札の裏に描かれた召喚陣は消滅し―――代わりに、彼の目の前に巨大な召喚陣が姿を現す】

                  僕は“スライム”を召喚!!

【その刹那―――目が眩むほど眩く青白い光と共に召喚陣が起動する】
【施された術式は狂死郎の一族でなければその意味を理解することは出来ないだろう】
【しかし、例え魔力を持たぬ者であったとしても感じ取ることの出来る“悪寒”のようなものが―――】
【彼が一体“何”を召喚したのかを物語るだろう―――おぞましい魔海の住人である】

【眩い光が晴れた瞬間、現れるのは巨大な異形―――背景が透けて見えるほどに透明なゲル状の物体】
【一見、生命活動をしているようには思えないが、風が吹くでもなく突然脈動する姿が“生き物”であることを知らしめる】
【直径2mほどの球体の姿をした“ソレ”は球状を保ったまま非常にゆっくりと狂死郎の方へと近寄ってくる】
【それは決して“捕食”のためではなく―――彼に到達した瞬間、身体の一部を小さな腕のように変化させ】
【狂死郎が差し出した右手と“握手”を交わす―――どうやら、こんな姿でも“知性”はあるらしい】

と言うわけでこいつが僕の下僕その1!!スライムちゃんです!!いや“くん”かな?まあいいや……
それじゃあ僕はカードを一枚伏せてターンエンドォ!!

【スライムとの“握手”で右手に付着した粘液を払い、彼は再び懐から召喚陣の描かれた札を取り出す】
【それは裏に召喚陣が描かれた点ではスライムの札と同じであるが、表には巨大な穴が描かれていて】
【狂死郎は裏の召喚陣を上にしてそれを持つと、手を離して地面へと落とした】
【裏を上にして地面に落ちた札は、土に触れると同時に光となって消え失せる】
【彼が地面に“何か”をしたことは明確であるが、それが分かるのはまだ先だろうか】

【先ほどから狂死郎は常に―――時には不気味に見える―――笑顔を浮かべていて】
【その表情と言葉から、何か“ゲームを楽しんでいる”かのように捉えることも出来るかもしれない】
【その証拠の一つか、彼は手のひらを上にして手招きをし、挑発のポーズを取っている】
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山梨県) [sage]:2013/05/11(土) 21:40:12.92 ID:GZ3m+BHWo
>>139

【せっかくだから食べようかな、などという考えが、彼女の喉元付近を通過した所で】
【彼女が先ほどまで商談を交わしていた屋台の前に、一人の男が来たことに気づいたのだった】

【もとい、人が居なかったこの道に、彼が現れたことが、少し嬉しかったのだろうか、口角を少し斜めにあげて】
【ニタッ、というような独自のほほ笑みに、胸元の釘が、少し、揺れた】

「…兄ちゃんどうしたん? おみやげ買忘れちゃったのカィ? 」

【台詞こそ、若干嘲ているテイストがあるような気がするが、口から出る声色はそんなことはなく】
【むしろ、その風貌に似つかぬほど、優しく、ほんわかとした口調で語られていた】
【ふと、何かに気づいたようで、白い歯を見せながら、手を顔の前で左右に振りつつ】

 「あ、アレだぞ、別にオレが盗み聞きしてた訳じゃなくて―――こんなに静かな道だからよ、嫌でも聞こえるっていうな」

【肩を上下に震わしながら、まぁ座るか?と、ベンチの右方向へ、腰を写した】
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/11(土) 21:42:42.57 ID:CnKx+9Llo
>>140
【ワインボトルが、テーブルに置かれる。これ程の喧噪の中にあって、まるでその空間だけが切り取られているかのように感じる】
【この程度のことは日常の一コマだ、とでも言わんばかりの淀みない動き。気付いた時には、彼女は真正面に立っていた】

【いつものように、身体の芯から沸き起こる震え。しかし、前に比べれば、抑え込めるようになってきていた】
【一瞬の沈黙。次の瞬間、抜かれる刃。何が起きたかわからぬうちに、ワインボトルが切断されていた】

(……見えなかった。切れ味もさることながら、なんて速さ……)

【ごくり、と生唾を飲み込む。不運にも、精鋭と当たってしまったようだ。しかし、運のなさを呪ったところで仕方がない】
【自分とて、覚悟してきたはずだ。己を必死に鼓舞する】

【無言のうちに放たれた一閃。宣戦布告。こちらも返す言葉などない。彼女とは違って、余裕のなさ故ではあるが】


(刀使い、ということは近距離戦メインか……? 近づけさせないようにしないと……)
(まず、第一手は……『パンチング・ガン』!!)

【やる気があろうと、相手は自分より明らかに上回る力量の持ち主であろう】
【相手のペースに持ち込まれれば、一瞬で斬られかねない。まずは、先手を取るべく、動く】

【左肩に当てていた右手が、肩の中にめり込んだ。青年の有する異能。すぐに引き出され、眼前の女性へと向けられる】
【握られていたのは、ちゃちな拳銃。青年の肩から引き出されたもの】
【その銃口には、ボクシング・グローブが取り付けられていた。見た目は、ふざけた玩具にしか見えないだろう】
【だが、これは彼が手ずから作った武器だ。ただの玩具ではない】

【向けると同時、ためらいなく引き金を絞る。グローブが撃ち出される。銃口につながるワイヤーが見える】
【このグローブは見た目に反して、命中すれば成人男性による殴打程度の威力を発揮する代物】
【狙いは、女性の右手。刀を握るその手に向かって、一直線。狙いは正確だ。軌道は単純、速度も大したことはない。対処は容易だろう】
【攻撃の成否にかかわらず、グローブは伸びきった後、ワイヤーに引き戻され、銃口へと再び収まろうとするだろう】
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 21:47:13.71 ID:kdvzBJL70
>>131
【後ろを振り返ってみれば、そこには―――それこそ、本来ならあのステージ上で人々を笑わせるのが仕事である道化の姿】
【緊迫感漂うこの場では些か不釣り合いな……そんな印象を受けるのだが】

【しかしその口は芝居がかっていても、きっと自分と同じ目的であると思わせる内容を発する】

………
……私は消えません……
……あの人々を返すまでは、絶対に………!
命は須らく、あのように檻に閉じ込めていいものではない……!

【静かに、唸るような低い声で、彼女は言葉を絞り出す】

【冷静にならなければ消えると言われたが―――冷静になれと言われても、怒りの灯は消えない……】
【いや、消えるわけにはいかない……!この戦いが終わるまでは……!】
【あの、檻に囚われ命を命として扱われない人々を救い出すまでは……!】

>>136-137
あら…マドモアゼルだなんて嬉しい事を言ってくれますね♪
ただ、生憎私は子持ちでして、マドモアゼルと呼ぶには年を取りすぎてますのよ
……そして、地獄というものは悪人のために存在するものでね……果たして地獄がどちらに相応しいのかは明白ではなくて?――――ムッシュ・デルタ

【高笑いをする男に応える彼女の口振りは、先程よりは冷静ではあったが―――しかし、怒りの灯か確実に燃えていた】
【人の不幸をダシにして、人の尊厳を踏み躙って、自分に利をもたらすことを、当然のように話す……】
【ああ、ダメだ。私はどうしても許せない。許すわけにはいかない……】

……金、ですか
どこまでも自分の利益なんですね……
違う。金はそんな風に手に入れるものではありません……人を踏み台にして得るものではないのです
そのことを分からぬあなた方に……私は退く訳にはいきません


【そして、現れたのは――――ボウガン】

【これはまた、珍しい代物を……武器に対する注意はこれぐらいだったのだが、次の瞬間……暴風が彼女を襲う!】

【……その時】
【彼女の前に、この地下で吹く筈のない薫風が吹いたと思えば、光が辺りを包み――――】

「……マスター、この男ですね
 反吐の出る悪事を正当化し、マスターに矢じりを向けたのは……」

【目の前に現れたのは――――燻し銀の鎧を身に包み、その深緑の瞳を静かに男へと向けた女性のような姿】
【頑丈な装甲に覆われた足元に旋風を纏い、辺りの埃を巻き込んでいる……】

【そして。―――皐月の前へ飛び出したかと思えば――――一閃。矢を目にも止まらぬ速さで蹴り落とす】

「ご指示を、マスター
 敵は眼前のあの男で宜しいですね?」

―――ええ、そうです
さあ、行きなさい―――薫風

【今度はお返しとばかりに、鎧をまとった「薫風」が攻撃】
【先ほどの爆発で発生した瓦礫を蹴り飛ばす―――これだけなら、能力者でなくても避けられると思う】
【……しかし先程記述した通り、足元を旋風が取り巻く彼女ならば……果たして礫は弾丸のような速さで加速し、男の方へ向かう】
【一発、二発、三発……次々と瓦礫を飛ばす  どれも直線的な動きだが、果たして避けられるか?】
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 21:58:24.66 ID:w8dyM5nmo
>>143

……ん、まあ、そんな所なんだが
何だよ、少し位ビビれってんだ……おう、悪いな

【聞こえていたと分かれば、男も軽く笑って、彼女が空けたスペースへと腰を下ろした】
【よっこらせと座って、ふうと溜息をもう一つ、くあと派手に欠伸をして胸ポケットの煙草を漁り】
【何というか、普通な感じの年頃の少女であったなら、座るにしてもいろいろと遠慮したのだろうが】

何だお前、アレか……ええと、非行少女。 駄目だぞ、親御さん泣かせてちゃあな
俺がその歳の頃はもっと規律正しい服装をしてだな――、一本吸うか?

【相手の独特の空気に、親近感というか、そんな物を感じたらしくて】
【冗談らしい言葉を飛ばしつもう片手にライターを持ってカチカチとやっていたのだが、】
【首を傾げ、何度もカチカチ――付かないらしく、困ったように頭を掻いた】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 22:04:11.74 ID:V9HxVcz0o
>>144

【その刀を抜く時も、斬れるワインボトル全て無視して。唯、一点】
【眼前の青年だけを見続ける。全身の動作、空気感、全てから相手の心理の予測を試みる】
【居合の基本に習い、直ぐに刀を収める。その時も目もくれずに収めることができている】

(……ボトルを見た。戦闘は不慣れか…。喉の動きから、緊張しているようだな)

【だからといって、油断はできない。ただ、これらの演出は相手の技量を戦わずして測ることも出来るのだ】
【眼前に対峙した瞬間。全ては始まっている。”戦闘”だけが”戦い”じゃない】

(……便利な力だな、武器を隠せるということは…その点は計り知れん)

【間合いをとったまま、保ったまま。相手の動きを見ている】
【相手の肩から引き出されたものはよく分からない玩具だ】
【拳銃を模しているようだが、その銃口に取り付けられたものはそれがジョークであると言っているみたいだ】

【しかし、何が起きるかはわからない】

【男はその何か、グローブをこちらに向けて発射してくる!】

…………クッ!

【速度は良し。機動は直線、これも良し。目立つから…読める】
【女はその第一射を身をかがめて、それを回避した】

【刀で斬るという考えもよぎったが、発射された時、瞬間に見えたワイヤー】
【照明でキラリと光ったそれで、有線式の爆発物かも知れない…そう、警戒した】

【ワイヤーによって引き戻されるのを見て】
【また、距離を保ったまま、刀の柄に触れるか触れないかの体勢で相手を睨む】

【次も来れば、そのワイヤーを斬ってやろう。彼女の中の次の手は決まった】
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 22:04:39.43 ID:uMuselDho
>>141
【一歩踏み出す───それだけなのに、重くのしかかるような空気が襲う】
【気圧されてはならないと、心の中で自分に語りながら、刀を両手に持って構える】
【まるで、猛獣の縄張りに入り込んだようだ、少しでも気を抜けば食い尽くされる】

【猛獣の眼が真紅に染まった時、原初からの被捕食者の感情が一気に呼び覚まされる】
【咆哮、そして構え───後ずさるように右脚が後ろへ一歩、それを押し留めて、踏み止まる支えとする】

【上方より襲い来る爪を、刀を盾にして防ぐ───がッ!】
【その強力な贅力、人の身に防ぎ切れる訳もなく、ズシンと重い衝撃が重圧となってのし掛かる】
【瞬時に『耐えきれ無い』と判断、押し出されるように後ろに跳んで退避する】

───く…ッ!

【一瞬受けて逃げた、それだけでも非常に重い】
【自分から引いたのにまるで吹き飛ばされたように、左手と両脚を地面について着地した】

【───これを見て、体験して、自分から近付こうと思うのはかなりの自信家か馬鹿だけだ】
【そうだ、あっちが猛獣なら、こっちは人としての知恵を】

…頼むぜ、おい……!

【白銀の刃が赤黒い光を放ち、放出された赤黒い光が上空へ、ラッシュの頭上で渦を巻く】
【ラッシュが立ち上がり、グーに向かって駆け出した瞬間、渦巻いていた赤黒い光がグーに向かって打ち出された】
【それと同時に、ラッシュはグーの胴体を右から左に切り裂く横薙ぎをを放つ】
【頭上からのエネルギー弾、正面からの切り払い、タイムラグを利用した同時攻撃だ】
【しかしどちらも動きは真っ直ぐ、落ち着いて対処すればやりきれ無い物ではない】
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 22:08:10.69 ID:kawgFo8No
>>142

(成程……櫻の陰陽師。名前には聞いたことあったが、良い噂は聞かないな)
(こっちの聖職者が全員真面目くさった連中かといえばそうじゃない……)
(それに近いようなもんだろう。随分と素敵な笑顔じゃないか、キョウシロウ――)

―――く、フッっ…フフフ……アッハハハハハハハハハ!!

面白いじゃあないかキョウシロウ君!俺が奴隷!?
有り得ない!が、発想は面白いッ!では君が負けた際は、君が奴隷かね?

いいとも、いいとも!負けたら奴隷だ、文句など言うはずもないさ
私は普段変人と言われるんだがね?どうにも同類を見付けたようで嬉しいよ!
それにどうやら、やり口≠燒ハ白い……ま、人でないのなら良いだろう―――。

【ビスクは右手に件の拳銃。そして懐に突き入れた左手に、新たな一丁を握った】
【その名はS&W M500――世界最強の銃と呼ばれることもあるリボルバーである】

【本来人に使う物ではない。だからその銃口は、ひとまずキョウシロウではなく】
【彼の召喚したスライムへと向けられて――すぐさま引き金は下ろされた】
【発射される弾丸の威力は、床に当たればその一部を吹き飛ばし】
【或いは人に直撃すればその部位ごと*ウくしてしまうような威力を誇る】

【――相手が人ではないから、それを使う。にしても、随分とあっけなく、反動も見受けられない】
【なにか仕掛けがあるのか。分からないが――先ず、狂死郎の仕掛けには何の手も打たなかった。】
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/11(土) 22:10:35.53 ID:iKzkyopco
>>136->>145
やれやれ、致し方ない
無茶はしすぎない事ですよ―
【女性の揺るがぬ意思に対して、呆れたように応答を示した】

ハッキリしない、だからこその道化でして
自身があれば演技には入れこめない...
しかし、それでは変態と扱われてしまう……世知辛い世だ

【手を顔に当てて、嘆くかのように首を振る】
【しかし、先ほどの言葉を聴けば、この『嘆く』という動作すら、演技なのだろうか】

まぁ、茶番はここまでとして―
聞こえなかったのでしょうか?いやいや、あなたこそジョークの腕を磨いたほうがよろしい
あなたですよ、あなた!

【脅し―[ピーーー]という意思表示なのだろう】
【そんな言葉など、まるであたかもなかったかのような飄々となる態度】
【男を指して、「あなた」という言葉を自覚させるかのように】

(まぁ、危険である事には変わりまい)

【道化はそのまま、手を目に当てる―】
【キメラの目の奥が、不気味にも妖しく揺らめいた―】
【それは、全てを見通し、理解する慧眼】
【情報がなくては策を練るにも練れない、ひとまずは能力の正体を看破する事が専決だろう】

【ボウガンを取り出したのを見て、道化師は身構える】
【幸い、この男と道化師の距離は離れている】
【慧眼を炎を纏う魔矢に視点をあわせ、そのまま下にへと屈んで攻撃をかわし】

【そのまま、姿勢を低くしながら混乱が支配する会場を駆け抜ける】
【その中で、凶弾に倒れ、主を失った剣をそのまますかさず回収し、両手に持って】

さて―行きましょうかね

【走った勢いをつけ、男の足元を目掛けて、その刃をなぎ払った】
【とはいえ、その技は見ても分かるとおり素人の物、防ぐなりかわすことも容易だろう】
【とならば狙いは―放たれる礫に当てるための、錯乱】

//遅れて申し訳ない...
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/11(土) 22:14:20.61 ID:qiDPk1SG0
【夜の国、森林地帯】

【月長石の滝。煌めく岩肌は凍てた月明かりの如く、瀑布の冰滴、特有の淡い結晶質に夜色の幻想を閉じ込めた様で】


【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【 滝の前、清流を横切る平石の上に立つのは、そんな形容のできる人影だった】

【人影は右手の指先を滝に触れさせて/力の開放、】
【水脈を伝う水の魔力。指先から/流れ落ちる霞色の清廉へ、滝壺をこえてさらに地下へ。奥へ、底へ、水底へと、拡がりながら浸透してゆく、】
【マギタイトを越える規模の純粋な “力” は、多かれ少なかれ周辺の大気をざわめかせる筈で―――】

(……これでこの場所での用は済んだわね。)
(次に何に到れるにしても、疲れは、消して……――――)

【だが其れに伴った筈の外面的変化の不在が、逆にこの空間に違和を生むのだろうか】
【水流を見届ける双眸は疲れを封じれば/その橡色は目的意識を再び湛えて。僅かに乱れた呼吸を整えるための、静寂―――】

【……空間に満ちる圧力が消えた様な。或いはこの瞬間にならどんな事でも、“割り込んで” しまえる様な一瞬が、夜の国の闇に訪れていた】
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山梨県) [sage]:2013/05/11(土) 22:20:52.60 ID:GZ3m+BHWo
>>146

「風貌でケチつけるなんざ、雑魚のやることつーのさ
 ――――ま、クレープ屋の前でそわそわしてる兄(アニ)さんは、明らかに怖くねえさ」

【舌で口内のキャンディーの位置を動かしながら、彼の方を向き、軽く笑みをこぼす】
【地下足袋で、ベンチの上で胡座をかきながら、返した言葉は】
【彼女の中に、遠慮だとか、畏怖だとか、そういったマイナスの感情は一切無く】
【ただ単に”今”彼との会話を純粋に楽しんでいる様子であった】


「ニヒヒヒッ…アニさん、言ってることとやってることが矛盾してるっつーのさ!
 ありがてぇが、オレは煙草は吸わない主義でねっ…ヒヒヒッ

 一応言っとくけどな、オレが吸ってんのは飴ちゃんだからな!キャンディーだからな!!」

【ぺろっと、右手で飴の棒をつまんで口内から飴玉を出して、彼に見せつけた】
【不良というタイプではあるが、その中でも、昔なつかしの番長系の、非合法なことには極力手を出さないタイプかも知れない】
【ただしライターは持ち合わせているようで、特攻服の上着のポケットから、ひょいっと銀色のライターを取り出すと】
【さり気なく、炎を出しながら、彼へと差し出した。きっと、点けてやる。という事だろうか】


「親っ…ねぇ……会ったこともないからなぁ…泣いてるかは解んねぇが…」

【ぼそっとつぶやいたその一言は、彼に聞こえたかは定かではなく―――】
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/11(土) 22:30:03.01 ID:CnKx+9Llo
>>147
【逸れることのない、女性の視線。自分の力量を、完全に見抜かれている】
【しかし、余裕のない青年に、そんなことに気づく余裕もなく。射竦められ、まだ震えようとする自分を抑え込むので必死だ】
【澄んだ音と共に、鞘に収まる刀。その間も、その目が自分から逸れることはなかった】

(……落ち着け。おびえてばかりじゃ、どうしようもない。恐怖を、ねじ伏せろっ……!!)

【心中で、自身へと向けて叫ぶ。自分の能力を行使すれば、少しは落ち着きを取り戻す】
【幾度繰り返したかわからない、武器を取り出す動き。恐怖の中にあっても、体が覚えていた】

【最初の一撃。『パンチング・ガン』は、所有者の精神状態などどこ吹く風とでも言わんばかりに、正確に作動した】
【しかし、あっけなく見切られる。そのまま、反撃に移られるか、と思ったが、来ない】


(何かを、警戒しているのか……? それなら……)

【実際には、ワイヤーは引き戻すためだけのもの。この銃は、殴打以外の機能は持たない】
【しかし、相手が必要以上に警戒しているなら、付け入る隙もあるかもしれない】

【自身を睨む女性。次は、きっと攻撃に転じてくるだろう】
【ならば、どうする。こちらに出来るのは、小細工だらけの小手先の攻撃ばかり】
【ならば、それで勝負するしかない。グローブが引き戻されても、狙いを外すことなく。青年も、必死に女性を睨み返す】


……う、ああっ!!!

【少し、大げさなほどの叫びと共に。再び、グローブが打ち出される。狙いは、やはり右手】
【叫んだのは、しつこい恐怖をごまかす意味合いもあったが。『パンチング・ガン』での攻撃に、相手の意識を少しでもひきつける狙いもあった】

【だが、精鋭たる女性の目はごまかせるだろうか。銃を握る右手を突き出し、叫びと共に撃ち出した、青年の左手が】
【背中側へと回されていることに、女性の慧眼なら、気付くかもしれない】
【回された左手は、女性の死角であろう、背中にめり込む。引き出される】
【引き出されたのは、二つの小さな“独楽”だ。グローブを撃ち出した直後、気づかれないよう、左手の最小限の動きで、それらを床へと投げる】

【二つの“独楽”は音もなく回転し、不規則に蛇行しながら、女性の足元へと向かう。“独楽”の周囲から飛び出す、薄く丸い刃】
【青年の自作武器の一つ、『スピンブレード』。相手の足を傷つけて、機動力を削るための武器】

【“独楽”は、機能を停止するまでは、しつこく女性の足元を走りまわろうとするだろう】
【しかし、所詮は“独楽”。何らかの攻撃を受ければ、それこそ軽い蹴りでも、あっさりとはじかれて動きを止めるだろう】
【先ほどと同じ攻撃に、小手先の不意打ちを隠した戦法。これをかわされれば、女性に隙を与えることも、承知の上だ】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 22:30:04.38 ID:8L7oyj4mo
>>148

【殺意は遠く、怒りすらも彼方へ】
【グーの思考は"獲物を狩る"という一点に向けて研ぎ澄まされる】
【自身の爪撃を受け止め、流したラッシュを視線で追い】
【二度の踏み込みにより距離を殺そうと動きかけるが】

――――

【小さく呻くような鳴き声】
【素早く体勢を立て直し、反撃に移るラッシュの動きは】
【常態であればグーはその優れた判断能力と】
【死地の中積み重ねられたであろう実戦経験を賞賛しただろう】

【獣人グーは"知恵を持つ獣"だ】
【ただ力任せに暴力を振り回すだけの動物ではない】
【故に放たれた赤黒き光、迫り来るラッシュを"認識し"】
【正面から立ち向かったならば】
【光に対処した間隙を縫い身体を切り裂かれるだろう事を察する】
【それ程に絶妙なタイミングで放たれた連撃であった】

【猫科の優れた動体視力、長年の経験に基づく高速思考】
【ラッシュの攻撃に対してグーの取った判断は"後退"であった】
【スッ……と音も立てずに滑るようにして一歩分後方へと身体をずらし】
【口元から何かの言葉を洩らす】


             ――《毛皮[マオピ]》――


【取り残されし古き民は言霊を紡ぐ】
【瞬間、グーの前方を覆うようにして床が半円形に隆起する】
【材質は大して固くもなく、柔軟性も薄く即席の壁としては脆い部類に入る】

【頭上から狙うエネルギー弾は障壁の上部の破損と引き換えに防御し】
【ラッシュの斬撃を障壁前方の破損と引き換えに受け止めようとする】

【もし行動が成功した場合】
【グーは残る障壁を自ら崩しながら前方に向かい飛びかかり】
【体重を乗せた強烈なタックルを繰り出そうとするだろう】

【しかし障壁を展開した時点で"グーは前方を認識できない"】
【せり上がる防壁に対して正面で留まる選択を取らなかった場合、タックルは不発となり獣は隙を晒すこととなる】

【"残り時間"――3レス】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 22:40:26.88 ID:w8dyM5nmo
>>152

……何だよ、38のおっさんがクレープ買っちゃ悪いか?
ハハッ、しかし「兄さん」なんて呼ばれるのは、久し振りな気もするな……
弟達とも暫く顔合わせちゃいないし……ま、合わせる顔も無いんだが

【笑う顔はきっと言った歳ほど老けては見えず、ただ妙に顔色が悪いだけだ】
【紫陽花色と言うべきか。 死人めいているのは確かだが、気にしなければ然程目立ちもせず】

結構古風な主義なんだな……飴か、こいつも久し振りに見た気がする
今は酒と煙草以外は受け付けない体で……っと、悪いな。 サンキュ

【火を貰えば、深く吸ってゆっくりと一息吐く】
【その間に彼女の言葉を拾ったようで、意味有りげに相手を見れば、次は空を見上げた】

……悪い、変な事言っちまったか?
俺で良けりゃ話なり聞くが……嫌ならあれだ、最近の経済についての話でもするか

【もう一息深く吸い込んで、そうしてまたゆっくりと煙を吐いて】
【また面白くもない冗談を一つ、空を見上げたまま、気侭に相手の言葉を待った】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage]:2013/05/11(土) 22:42:12.86 ID:4DcN0U4Jo

【 路地裏 】

【物が散乱したならず者の溜まり場の様になっている広場の様な場所でガランガランと何かが落ちた音がした】
【ドラム缶。それはまるで潰れた空き缶の様に圧縮されていて。強い衝撃を何度も受けた様に見える】
【その数m先。一人の人物が、肩で息をしながら汗を流し、夜空を見上げていた】


もうこんな時間か。

【それは銀髪の上に唾に切れ目の入った野球帽を被る中性的な容姿の人物だが】
【ジーンズにシャツと上着を羽織ったラフな格好に指ぬきグローブといった装飾や】
【衣服の上から僅かに伺える体つき、凛とした表情は"彼の"性別をはっきりと示す】


ま、体動かしゃあ少しはスッキリするが。
動かない的に、何度撃ってもなァ……。

【野球帽を脱ぐと、パサリと銀髪をハタメカせ、ソレをうちわ代わりにして仰ぎながら】
【おそらく、何かの特訓の様な物をしていたのだろうが、手応えを感じなくて嘆いていた】

//お風呂入ってくるので返しは少しおそくなるかもしれません。
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/11(土) 22:43:41.04 ID:uG6W+PUfo
>>145

おやおや・・・地獄が悪人の帰結する場所ですと?なるほどなるほど、それはまさに正しい解答です。
嗚呼、やっぱり貴女は"退屈"だ。私ならこういうでしょう―――


『―――――善人を地獄に叩き込むからこそ、そこに喜劇が生まれるのですよ』


・・・とね。
私は死の商人、かといって自分を正当化しているつもりは一切ありません。
歪んでいるのは私のほうです、間違っているのは私のほうです、しかしそれでも尚――
残念ですが"金周り"が良い仕事なのは確かだ、そこは嘘をついても仕方ありますまい?

っていうかぁ、そうでもなければやってられませんて。こんな否定に否定を重ねられるお仕事、ね。

【不愉快だ――そう思うだろう。しかしそれは、このΔとて同じ事。両者は互いに、すれ違う――】
【交錯する視線、そして火花を散らす暴風――その果てに、矢の起こした風は"掻き消される"・・・ッ!!】
【薫風――それはこの地下において吹く筈のない、正義の疾風。Δの眉が鋭くなる。】

(――なるほど風使い、ですか・・・それも"マインド"系の・・・となれば本体は狙いどころ。)
(なにより相手は女――"僕"に構う暇はないな、叩くなら"マドモアゼル"だ。)

【現れたその異形に対し、Δも思考を重ね、やがてたどり着くのは"本体への攻撃"】
【Δは攻撃方法こそ多彩であるが、恐らくは風という属性攻撃に特化した"薫風"に】
【正面から力で勝負を挑むのは分が悪い――であれば、狙いはタダ一つ。】
【装甲に覆われた薫風が起こした風に一瞬、目をつぶるが・・・直ぐに自分へと向かってくる攻撃――】
【崩れた破片すらも武器として扱うその聡明さに「ほう――」と呟くも、反撃を開始。】

『八本脚の狩人――――"ウェブ・シューター"ッ!!』

【直後、Δのボウガンに装填されるは新たな矢――黄色い先端を持ったいかにも危険な香りのするそれを】
【飛来する瓦礫の一つめがけ、放つ――すると、ボウガンから発射された矢は空中でなんと――消失】
【いや、正確には"変質"か――矢は消え、代わりに現れるのはなんと"蜘蛛の糸"】
【それらは強力な粘力を以ってベタリ、と張り巡らされ――壁と壁に張り付き、瓦礫たちを受け止める――ッ!!】

【―――が、しかし・・・!!】

くっ――――クソッ!!

(チィッ・・・流石に攻撃が"速い"・・・・ッ!!これが風の属性攻撃か・・・なるほど、厄介ですね。)

【初撃だけは絡め取る事に"敵わず"――瓦礫の一発はΔの肩口をドスン――という破裂音の末、撃ちぬく。】
【苦しそうに表情を緩めたのも一瞬だ、何故なら―――】

(・・・避けた、ですか・・・っ!!身体能力は低くない、と・・・ッ!!)
(ただ――わからない、何を狙ってあんな剣など―――なっ!?)

【――先手を打ったにも拘らず、ひらりとその矢をかわされ――更に突撃までしてくるシミラーに、注意を奪われたからだ。】
【見たところ素人レベルの"一撃"だったが――無論、剣は剣だ、あたれば惨事は間逃れない。】
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/11(土) 22:44:01.91 ID:uG6W+PUfo
>>145>>150
ジョークのセンスがない・・・!?ハハハハッ!!笑わせてくれますねぇ、"道化"ぇ・・・ッ!!

そういう事なら是非是非、貴方にでもご教授ねがおうじゃないです、かぁぁぁっ・・・!!

【バックステップを繰り出し、後方へと飛び退ける。"二人"から離れ、距離をとるように移動して――】
【剣を回避したは良いものの、代わりに瓦礫によるダメージを負ってしまった。】
【しかしそのまま反撃に出ないわけではあるまい――Δは直ぐに、能力を再展開――!!】

『跳ね馬の挑戦――――"フォース・バウンド"』

『触れるな危険――――"ホット・メス"』

【一撃、先ずは最初の矢を装填、発射――その流れは素早く、そして隙がない。】
【しかしフォース・バウンドと呼ばれた矢は"あて"を外れ遥か彼方へと―――どうやら、誤射のようだ。】
【矢は見当違いの方向へと飛んでいく。このままなら壁に当たるが――はて。】

【そうしてもう一方、"ホット・メス"と呼ばれた矢は二本、自身の両脇の壁と壁めがけ放たれる―――】
【ここまで三発の誤射、これは一体―――?】

【――しかし、怪しんだほうが良い。このΔという死の商人が、なんの考えもなしに矢を放つ筈がないのだから。】

【その証拠に――最初の一撃、即ちフォース・バウンドは―――なんと】

【壁に衝突したその瞬間、あろうことか  "跳弾"】

【いや、ありえるはずがない。確かに、放ったのは"弾丸"ではなく"矢"の筈だが――しかし、確かに壁を"跳ね"て】
【正面からでは"皐月"を狙えないと思ったのだろう、跳ねる矢による全く想像していない位置からの"不意打ち"を狙って】
【矢はちょうど、皐月の胸元を狙い右斜め後方から――反射して放たれたッ!!】

【では、後者の二本の矢は、といえば――特に何もない。反射する事もなければ、爆発する事も】
【風を起こすでも火を起こすでもない。ただ――二つ、二箇所に刺さったまま。】

【――さて、この状況。矢に対応することを考えれば突撃はシミラーの役目であろうが――はたして。】

159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/11(土) 22:55:42.49 ID:tEB28h8N0
>>149
―――実のところ僕は陰陽師として上に管理されてはいるけどちょっとばかし勝手が違うんだよね
そうだね……正確に言うと、魔族召喚師ってところかな?―――それも少し違うか。

【スライムの召喚を終え、“仕込み”が終わった後に青年はインバネス・コートの中から三度札を取り出す】
【それはやはり共通の茶色と召喚陣が描かれていて、表には鎌を持った動物の姿が描かれていた】
【青年がそれを左手の人差し指と中指に挟みこむようにして持つと、その瞬間緑色の光のようなものが発せられた】

ちょっと種明かしをしてしまうとね、僕は魔族と魔族を融合させて新しい魔族を生み出すことの出来る力を持っている。
―――ここで重要なのは融合の素材の片方は魔族でなきゃいけないんだけどさ、もう片方は“そうでなくてもいい”
つまり使えちゃうんだよね、“人間”が。新しい魔族の材料にさ!しかも生まれる魔族は全くの未知の領域!

―――じゃあ何でわざわざ君達クズを使うのか?別に人間使うんだったら誰でもいいんじゃないって思うよね?
そうでもないんだよな〜これが!“魔族に近い精神を持っていること”が第一の理由!
まあ別にそうでなくてもいいし、“素体の強さ”の方がよりウェイトが高いんだけどその方がいいのは確かだよ
そして第二の条件!!これが一番重要なんだ……


         ゴキブリを潰すことに罪悪感を覚える人がいるかい?―――いないよねぇ?


―――僕はとても臆病だ、社会のルールや道義と言ったものを糞だと吐き捨ててはいるものの、
どうしても“正義”でいることを止められない!!後で何か痛いしっぺ返しが来るんじゃないだろうかと怯えている!!
―――でも、君達クズを傷つけても“正義”の側からは誰を文句を言っては来ない!!―――安心、できるよね?

【―――さて、ビスクがスライムに向かって放ったリボルバーの弾丸は見事に命中する】
【巨大な分、動きも鈍重―――骨も筋肉も持たないスライムならばそれも当たり前か?】
【結果として、スライムの右中央の部位は消えてなくなってしまった】
【しかし―――】

ハッハァ!!流石の威力だね……僕に命中していれば確実にお陀仏だったよ!!
けど威力の割りに“反動”が無かったように見えるね?―――どういう仕組みかな?

【―――全身が筋肉であり骨であると言えるスライムはその程度で活動を止めることはない】
【失った部位を周囲の“身体”で埋め合わせると、すぐさまビスクに向かってじわりじわりと接近を始める】
【少しは小さくなったものの、まだまだ狂死郎よりも大きく見えるだろう】

それでは僕はちょっと暇させて貰うとして……スライム君、たのんだよ!!

【狂死郎はその場に立ったまま、スライムへと命令を下す―――その手に緑色に輝く札を持ったまま】
【するとどうだろう、スライムは一部分を小さく分裂させて切り離し、それをビスク目掛けて発射する!!】
【狙いはビスクの腕―――あるいは、リボルバーそのものであるように見える】
【命中すればその高い粘性から、動きを封じられることになるだろう】

/遅くてすいませんです……次からは無駄話がなくなるので早くなる!はずです……
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山梨県) [sage]:2013/05/11(土) 22:55:52.17 ID:GZ3m+BHWo
>>155

「まぁオレも”男”なのに、クレープかっちまったから、色々言えねェが…若く見えるから安心しろって、な!
 じゃぁなんだぃ?オジキとかの方が良かった? 

 ……と、アニさんは、アニさんで、色々背負ってんのね? ……兄弟なんざ、どうでも良いって訳じゃなさそうだが…」

【安心しろっ!と、一体何に安心すれば良いのかわからないが、兎角笑顔で背中を彼の叩いたりと】
【急に、彼の兄弟間の話に、神妙そうな顔つきに変わったりと、表情と仕草の変化のスピードが早い】
【落ち着きが無いといえばそれまでだが――、テンポが少々人より早いかもしれない】


「ハードボイルドでも憧れてるのか? アニさん? 」

【さすがに彼の体が、どうこう、まで頭が追いつかなかったらしく】
【ライターをそっと戻しつつ、そう戯けたように返した】


【彼の提案に、ふと、何かを受け入れたようにうんうんと、何度も頷きながら目をつぶる】
【そして、覚悟を決めた後の爽やかなほほ笑みとともに、まぶたを開き、彼女は言葉を紡ぐ】


「―――アレだよな、デフレだかなんだかで、物価があがりすぎてるっつうの」

【※結論。最近の経済の話】
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 22:56:06.98 ID:uMuselDho
>>154
【攻撃に達する瞬間、邪魔をするように立ちはだかる床の材質】
【光弾に大した貫通力は無く、障壁にぶつかって弾けた───が、問題はその次だ】
【別段変わった事はない、ラッシュの刀も障壁に防がれる、光弾よりは威力はあっても、バターのように切り裂くような技量は無い】
【更に───見えない≠フだ】

【確かに、障壁に刀を防がれた瞬間に一瞬のもたつきがあった、瞬時に背後に下がるという判断は下せなかった】
【嫌な予兆を感じて後ろに下がった瞬間には既に遅れており、目の前から壁を砕いてグーが飛び出してくる】
【その様相を、隻眼を見開いて釘付けになる───かわせないッ!】

ぐは……ッ

【自分より遥かに大きく、体格もいい獣人の体当たりを、開いた体にねじ込むようにくらってラッシュは吹き飛んだ】
【弾丸のように吹き飛んで、床を転がって膝をつく】

【息が上手くできない、咳き込んで肺に空気が入らず、苦しそうに地面を見ている】
【しかし、根性か、頑丈さからか、息を荒げながらもなんとか立ち上がった】
【間に合わなかったとはいえ、後ろに下がっていたのが効いたらしい、威力を幾分か殺したようだ】

【すぐに、追撃を予測して刀を両手で構える】
【お互いの距離は、5〜6m程】
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 23:08:47.39 ID:V9HxVcz0o
>>153

【相手の一挙一動をその刀の刃のような冷たさで突き刺すようにじっと見ている】
【必要以上の慎重さは、その分その人の命をその足取りを重くしてチャンスを逃すことともある】
【ただ、彼女は他の大人たちのように頭の凝り固まった愚鈍な人物なんだろうか?】

【相手の苦し紛れのような叫び。グローブの狙いも速度も変わりはない】
【先程の想定の通りに、右足を踏み出して、体を前に傾け、刀を抜いて】
【グローブがその頭の後ろを通って行くと、斜めしたから上へ刀を振り上げた】

……チッ!!

【舌打ち一つ、目線は先ほどの通り、相手を睨んだままであった】
【もし、グローブの狙いを別にしていたならば、誤差の修正で目を外していただろう】
【しかし、そのままで来たからには何かのアクションと蛇行しつつ迫る独楽を見逃さなかった】

【慎重な彼女はそれに対し一旦、また体勢を立てなおして偵察をするのだろうか?】

【悪魔のように細心に、天使のように大胆に。 】

【言葉の意味は現状とかなり違っているが、彼女の性格を表すにはちょうどいい言葉だ】

【独楽が来なけりゃそのまま突っ込むつもりだったが、ルート変更だ】
【駈け出して、その目の前にあるテーブルに”ざん”、と飛び乗り】
【それと同時に、刀を右手から、左手に持ちかけて右手で、鞘を引き抜く】

【向かってくる独楽を飛び越えるように、相手に飛びつくようにそこから跳んだ】
【そして、その一瞬の空中で刀を思いっきり相手にぶん投げた】

【刺されば、そりゃあ痛い、上手く避けても近くにいたら鞘で頭を殴られるだろう】
【後ろに下がるか何かしらで受け止めることが得策かと思われる】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 23:16:15.59 ID:w8dyM5nmo
>>160

……男? 痛でっ……ああ、成程、よし分かった
だが叔父貴は止めろ、どこぞの武将みたいじゃねーか……

【心が、という意味で納得したのか。 背を叩かれて漸く我に返ったような顔をし】
【兄弟のことも体のことも、それ以上話す訳でもなく紫煙を吐いて、相手を見れば】
【――少なくとも、彼女が口を開くまでの間、真面目くさった顔くらいはしていた、が】

…………

【※ズッコけたようにがく、と肩を揺らすリアクション】

あー……インフレの方が後が怖くて嫌だがな、何事もどん底の間が気楽さ
経済格差も含めて全て平等に“取っ払われた世界”になれればな、また違うだろうに

【一応は乗ってみたのか、お固いことを並べてみるのだが、別段中身もない話だ】
【少しだけ妙な理想を添えただけで、最後に鼻を押さえて一発くしゃみする有様で】

そんじゃまあ、今の世の中はどう見る? 今も昔も物騒には変わりないが……

【投げ掛けた言葉は、今こうしている間にも、何かが起きている事を知ってか知らずか】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/05/11(土) 23:17:24.19 ID:ndQ4zYF80
>>151

おうねーちゃん、そんな所で何してんだ………?

【ふと、まるで友人に声をかけるように軽い調子の声が女性の背後から放たれた―――。】
【バサバサバサとまるでその声に呼応したように木々の上を無数の蝙蝠が羽ばたいて夜空の先へと消えていく………。】
【そして声の主へと視線を向ければ………。】

こんな山奥の滝に何してんだ………?なーんか知ってるような魔翌力の痕跡もあるんだが………さてなぁ。
まぁなんにせよだ―――決まり文句を言わせて貰うか………手前は何もんだ?質問に答えて貰おうか、さぁ………カカッ。

【ウェーブのかかった透き通るような銀色の長髪を結って一本にして垂らし】
【黒い太めのストライプが入った紫のスーツに黒いドレスシャツを着こんでおり】
【腰にはバックルがシルバーのベルトを二本、交差させるようにして装着していて】
【朱い瞳と、犬歯が目立つ、首元に五つの蝙蝠≠フ刺青がある、17歳程の少年が背後にある平石の一つに立っている】

【口元には犬歯を覗かせて―――女性に至って軽い調子で………問いかける。】

//マダイマスカ―っと
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/11(土) 23:17:28.71 ID:d66PleX20
【櫻の国――――ひっそりと静まりかえった城下町】
【そこを徘徊するのは一匹の妖怪であって】
【山伏の服装に、腰に提げたのは天狗の面と一振りの太刀】
【手には六尺棒を持っているのだが――――何よりも目を引くのは、背中に生える漆黒の翼か】
【烏天狗と呼ばれる一妖怪。少女と間違われても可笑しくない少年は、今宵酒を片手に、気ままに散歩をして】


「ここもすっかり寂しくなっちゃったねぇー……
昔は妖怪も人間も一緒に住んでた筈なんだけど」

【もう、ずっと昔の事。人間と妖怪が此処で仲良く暮らしていた時の事】
【その時の光景を思い浮かべれば、ハハハ――――と小さく笑って】
【――――やがて吐くのは溜息。ポリポリと頭を?けば、その場で立ち止まって酒を呷り】


「昔は……ねぇ。拙(ぼく)がもっと小さかった頃の話だからもうあんまり覚えてないけど
――――楽しかった……かなぁ」

【そんな呟きも、やがては闇夜の中へと溶け込んでいってしまって】
【ポツンと取り残された様にも見える子供の姿】
【けれども、纏う妖気は完全に人とは異なった種族という事を感じ取らせて】
【さて――――その妖気を辿って現れる物好きは居るのだろうか】







【この時間になれば魔物の活動も活発になり始める故、人気が無くなる森の一角――】
【幾つかの魔物達の亡骸の中に、少女の姿があって】
【全身を真っ赤に塗らすのは、その亡骸達から溢れ出た鮮血か】
【――未だその内の一匹に手を突っ込んでまさぐる姿は、まるで綿詰めの縫いぐるみを分解して遊ぶ子供の様で】


「やっぱり、お外の方が楽しい。綺麗なお星様も、お花も一杯一杯あるもん
――でも、もうこの子はつまんない
お話しも何もしてくれないし」

【不意に、肉の焼ける香ばしい匂いが辺りを包み始めるだろうか】
【数秒後には、手を突っ込んでいた亡骸が激しく燃え上がって――ただの骨格標本になるまで、そう時間が掛からなかった筈】
【華奢な腕が頭蓋骨にあたる部分を抱きしめれば、最早瞳の無くなった目壷と自分の深紅の瞳とを見つめ合わせて】
【――乾いた音。きっと、頭蓋骨が砕けたことを伝える音】


【少し前まで魔物の雄叫びが聞こえ、その後程なくして断末魔が聞こえただろうか】
【その事に疑問を持った者がその場を訪れたのならば、深紅の瞳と乱雑に切りそろえられた髪】
【赤い赤い水を全身に浴びた――その通りの少女が居るはずで】
【服の代わりに纏っていたであろう布も赤一色で、所々焦げて穴が開き、其処からは唯一白い素肌が顔を覗かせていて】
【きっと、新たな影に少女は目を丸くすることだろう――――果たして、足を運んだ者は何を思うか】
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/05/11(土) 23:17:49.20 ID:kawgFo8No
>>159

―――あぁ、はいはい。録音しておきたくなるような素敵な演説だな?
要は自分の満足のために精神の汚れた人間を探しているわけだ

おまけに自分可愛さのために相手は悪であれば尚良く、腹も痛まない
いやむしろ……単に倒した≠ニ言えばちっぽけな名誉も頂ける!
素晴らしい案じゃないか、狂死郎君!合理的で、利口なやり口だ!
 

   ―――まるで肥溜めを這い回るチンケなゴキブリのようで、天晴だとも。


……しかし困ったもんだ、俺もいい年とはいえ未だそんなブヨブヨの
なんだ…スライムかね?そんな気色の悪い者の仲間になりたくはないんでね

(M500で半分、か……殺しきれないというのは困りものだな)
(逆を言えばあれだけの生き物、コロしちまえばそう何体も出てくるとも思えない)
(スライムを消すか?それとも術者のガキをブチ殺しにかかるか……―――。)

【―――考えの最中、まさにそのスライムが突っ込んでくる。が、ビスクの行動は冷静だった】
【彼はリボルバーの引き金を引く。それで狙うのはまたも粘性の怪物であるが――】
【更に、もう一発。引き金を引いたが弾が出ない≠ニいう状況になったリボルバーをスライムへ向けて放り捨てる】
【恐らく、最初の弾丸が当たったとしてもスライムは止まるまい。だから、手を守るために銃を捨てたのだ】

【そして右手のモーゼルを構え、スライムから距離を取ろうとしながら狙いを定め】
【ただ一発の銃弾を、狂死郎本人目掛けて――その胴体を狙って、撃ち放つ】
【こちらの威力はまだ常識的な範囲。破壊力は大きいが、直撃しても即死は無いとおもって良い】


 【はてさて――狂死郎青年は、ココに至るまでのビスクの行動でその能力を察知できるだろうか】
 【出来たのなら重畳、取るべき行動は先ず限られるのだが――どうか。】

【『モーゼルM1916』→残弾数9/10 右手】
【『S&W M500』→残弾数2(3)/5 スライムへ投擲】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 23:22:21.88 ID:8L7oyj4mo
>>161

――――

【崩れる破片が毛皮に当たり細かい音を立てて周囲に転がった】
【グーは溜まった息を吐き、床に爪を突き立てるようにしてブレーキをかけ】
【同時に身体を極度に前傾、両腕を地面に叩きつけて停止する】

【即座の追撃は行わない】
【代わりに真紅に染まった両眼でラッシュの"ダメージ"を観測する】
【狩人は獲物を弱らせた後に、殺すのだ】

【グーはそのまま二足歩行から四足歩行へと移行する】
【より獣らしく、より純粋なとしての姿へ】
【獲物を組み伏せ肉を裂き、骨を砕き喉笛を食い千切る為に特化した姿勢】
【威嚇するかのように後ろ足で床を蹴り抉り】
【ルルルル……と低く長い呻き声の後】


――――――ッッ!!


【大気を断ち割るかが如き咆哮!!】
【後ろ足に渾身の力を籠め、蹴った床を爆砕させながらラッシュに向かい飛び掛かる】

【約6m。人間の踏み込みならば二足三足と掛かる距離であろう】
【だが猛獣――それも"跳躍力"に長ける猫科の其れであったならば6mは……"一足の間合い"だ】
【発達した後ろ足が生み出す爆発力を以て互いの距離を一息に埋め】
【体重を乗せ、両腕を同時に交差させるようにした強大な威力の爪撃を繰り出そうとする】



【――もし、接近したならば気づくだろうか】
【グーの筋肉が軋む音に、口元の毛が赤く染まってきていることに】
【人間に換算して70近い年齢の獣人グーは】
【術によって肉体の限界を"一時的に忘れている"だけなのだ】

【振るう爪、踏み込む脚、全てが己の身体を無視した渾身の攻撃】
【グーの抱える過去が、滾る怒りと決心、そして盲念が】
【老兵の朽ちた身体を突き動かしていた】

【残り時間――2レス】
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/11(土) 23:25:28.07 ID:kdvzBJL70
>>150>>157-158
ふむ………正しい事が退屈ですか……ならば私は退屈を受け入れましょう
スリルは、他人を巻き込んで犯すものではないのですよ……

それに、貴方は得た金を何に使う?見てくれだけの資産?その金に何の価値がある?
そうですね……私なら、金は要る分だけで十分です
貴方はどうですか……?その金は、何のためにありますか?

【―――彼女には一つ、分からないことがあった】
【先ほどから彼が言っている「金」に、いったい何の価値があるのか】
【勿論、余裕のある生活を送るぐらいは自分だって欲しい……しかし、人身売買までして儲けたいか?】
【そこまでして得た金にいったい何の価値がある……?一人で使う分なんて高が知れているというのに】
【金は、溜めこんで眺めるものではない……必要なもの、たまに欲しい物を買うためにある「通貨」だ】
【しかし、彼は「金回りが良い」、ただそれだけでこんな畜生にも劣る卑劣な行為を行っているというのだ】
【その事実が、どうしても彼女には解せなかったのだ】

間違っていることが分かっていて、何故なお続けるのですか?これも金回りが良いから?
よく見直して御覧なさい、その溜めこんだ金を……ただの金属の塊にいったい何の価値があるのか……
使う分、使いたい分、そしてもしものための貯蓄……それだけでいいのではないですか?
間違っているのが分かっていて、歪んでいるのが分かっていて、それを正当化するのが「金回り」ですか?
何故あなたは、こんな生命の尊厳を踏み躙るようなことをしてまで金を欲しがるのですか?

【歪みを分かっていながらそれを直そうとしない彼に、こんな事を言って意味があるのか……】
【それは本人のみぞ知ることだが……とりあえず確実なのは、攻撃が飛んで来ること】

「……マスター!危ないです!」

―――!!

【”薫風”がいち早く矢の跳「弾」を察し、皐月に声を上げるが……死角からの一撃に反応が遅れた】
【胸部を貫かんと放たれた矢は薫風の危険察知で急所は外れたものの、脇を掠める】

…ッ!!
矢が跳ねるとは……世の中にはいろいろな矢があるんですねぇ

「そんな呑気な事言ってる場合じゃありません!傷は大丈夫ですか!?」

……平気です、心配しないでください
貴方はあの道化師の援護に向かいなさい……!

「……はい!!」

【スーツから血が滲むが、それでも皐月はしっかりと立ち指示を出す】
【”薫風”は自分の主人の命令を遂行――すなわち、突撃の援護に向かう】

「――『シルフィード』!!』

【鎧をまとった彼女の周りに大きな風の渦が発生し、やがてそれは大きな空気の壁となってΔの方へと向かう】
【直撃すればもちろん大きなダメージだが、それ以上にこの空気の壁には大きな意味があった】
【それは、突撃の援護という面でこの空気の壁を盾にすれば飛んで来る矢を逸らせるということ】
【果たして、の攻撃と防御を併せ持つ一撃に、道化師は、商人は、どういった対処を取るのか……】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/11(土) 23:33:46.44 ID:8WFwCWpBo
【森】

【街から廃村へと続く道は倒木によって途切れ、そこまで辿りつく前哨もまた、今は使われておらず】
【昔々に踏み入る者すら途切れたか、草木が好きに生えて荒れに荒れている】
【葉の揺れる音がかすかにする程度の暗闇の中、混じるのはくぐもった生き物の吐息】
【その出所は、見上げるほど太い“幹”の上に座る人影だ】

【黒紫の襤褸外套を纏い、アイボリーのプルオーバーに白のデニムショートパンツ】
【鈍く光沢を発する黒いニーハイブーツに、統一して黒のマフラーと帽子、ブーツ……】
【頭をすっぽりと覆うフードは辛うじて口元を見せる程度、他はすべて黒に覆われている】
【右の袖は何も通すものが無いようにふらふらと揺れている】

【今や人の通らぬ道、それでも向うの廃村は古い地図にはその名は載っているやもしれぬ】
【下生えの草は、ホタルがとまっているかのようにぼんやりと青い光を土の上に落とす】
【少年の目的は、何れか】
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/11(土) 23:36:20.34 ID:CnKx+9Llo
>>162
【それこそ、抜き身の刀のような、怜悧な視線。平素の己であれば、それだけで死んでいるかもしれない、とすら思える】
【この女性は、強い。あまりに今更なことだが、それをひしひしと感じさせられる】

(…………!! しまった……ワイヤーを……)

【放った攻撃の行方が、目に飛び込んでくる。再び、鞘から解き放たれる刀。鋭く振りあげられたそれに、ワイヤーが切断される】
【グローブは、勢いそのままに飛んでいき、地面へと落ちる。もはや使い物にならなくなった『パンチング・ガン』を、手首から先の動きで放り捨てる】

【さらに、よくない展開。狙いをそのまま固定したのが裏目に出た。とにかく、刀を握る手にダメージを与えようと固執しすぎた】
【『スピンブレード』が、見切られた。すさまじい勢いで、跳躍する彼女。目で追った時には、すでに鞘との二刀流となっていた】

ぐ……

(まずい……接近される……!!)

【テーブルの上から、さらなる跳躍。迫りくる、抜き身の刃。そのまま、斬りかかられる、と身構えた、その時】
【手から放たれた刀が、飛来した】

…………!!? うああっ!!!

【戦闘慣れしていない青年が、虚を突かれた。かわしきることも、受けることもかなうはずもなく】
【刃に、左の肩を正面から貫かれる。走る激痛。飛び散る鮮血】
【しかし、ひるんでばかりではいられない。女性が接近しているのに変わりはない】

ぐ、おおあああああああ!!!

【自身を苛む痛みに叫び返しながら、無傷の右手を脇腹に突っ込み、引き出す】
【そのまま、接近しているであろう女性に向かって、振り抜く。握られているのは、槌の部分が赤く、蛇腹状になったハンマー。いわゆる、ピコピコハンマーだ】
【これも、見た目によらず、木槌による打撃程度の威力を秘めている。さらに、何かに命中すれば、大きな音を発して相手をけん制する効果もある】
【しかし、女性のそれに比べてあまりに拙い、能力頼りの居合もどき】
【女性の鞘に対抗しうるだろうか。少なくとも、もはや接近されるのは避けられない】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/11(土) 23:43:25.00 ID:yGwDAioz0
>>164
/っと所用で離席してました、今からでも大丈夫でしょうか…!?
/早め・短めのレスになるとは思うのですが……。
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/11(土) 23:45:07.23 ID:ndQ4zYF80
>>171
//なんでも構いませんよ!急用があるようでしたらお構いなく!
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/11(土) 23:59:16.78 ID:uQzx0zGUo
【大きめの公園の一角】
【ベンチに座り、精気の抜けた表情でボーッとする女性】

…… ……

【金髪のセミロングに、灰色の瞳】
【シルバーグレーの作業着の上下に、白衣を羽織り、サンダルを履いている】
【左腕にはギブスを付け、首から吊るし――隣には松葉杖が立てかけてあり】
【一目で、彼女が怪我人だとわかるだろう】

…… …… ……

【自らの太ももの上に黒いタブレットを置いている】
【しかし異様なのはそこではなく】
【彼女は上の空になりながらも、ぶつぶつと何かをつぶやいていた】

…… …… ……

【ぶつぶつ独り言を続ける奇妙な怪我人】
【たまに通る通行人は彼女を見て見ぬ振りをしているが――】
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 00:01:14.23 ID:opr/PSbIo
>>167
【目の前でどんどんと獣らしく変化して行くグー、まるで先祖返りするように、今まで二足だった物が四足へ】
【虎そのものだ、あの時語らった時の達観した様子は、微塵も無い】

【食うか、食われるか───野生の戦いが、そこにある】

───……

【ラッシュは気付いた、自分は間違っていた≠ニ】
【決して行動についてではない、ラッシュが思ったのは、戦いへの考え方だ】
【獣に対して、人の力で対抗しようなんて考えるから───獣になるのを恐れて、人であろうとしたから】

【そうだ、俺≠ヘ獣になれる】
【獣に対する事が出来るのは、獣だけ───!】

【───空気が震えた、大きく、猛々しい音が響いた】
【グーの両爪はラッシュを切り裂く事は無く、寧ろその逆───両方とも、ラッシュに防がれていた】
【片方を刀で、もう片方を素手で手首を掴み、凶悪な贅力を、片手ずつで抑えていた】

【みれば、ラッシュの体から紅いオーラが沸き立ち、体を覆っている】
【───体の痛みを、傷を力に変換する能力、それを体の強化に使っている】

…カッコ付けるもんじゃあねぇな……!
やっぱり俺にはこっちのが似合ってるぜ…!

【しかし、いくら強化したとしても元よりの体格差は覆せない、耐えていられるのも時間の問題だ】
【だから、ラッシュはまずはこの状況から逃れる為に、グーを引き剥がす事にする】
【両腕を防ぎながら、右脚を上げて蹴り付け、グーを蹴りながら踏み台にして、後ろにひこうとした】
【蹴りの威力は強化されているが、今のグーなら耐えきれ無いという物ではない】
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 00:01:46.32 ID:/XzMpanGo
>>170

【捕った!刀の飛んでいく先と、相手が体を動かせずに要るのを見て感じ取った】
【首を狙ったが、流石に投げナイフなどではないため狙いがズレたか…まあ想定内だ】
【むしろ、あたった事自体、今回はプラスだ……】

【このまま、頭を殴りつけて、脳震盪で揺らいでるところで刀を抜いて、ハネるだけ】
【そう思って、振り上げたところで相手のまた、何かを取り出す(生み出す?)動きを見る】

(……また何か)…………ッッ!!

【何かまた玩具のような道具を取り出してきた。今度は近接用の何かしらの武器らしい】
【慌てて鞘を体の前で受けるように両手で構えるが、しかしそれは敵わんだろう】

【闇雲か、どうかわからないがこちらは一瞬の跳ねている最中で踏ん張ることも出来ない】
【ここまで接近したスピードもある。かなりの衝撃は食らってしまう…!】

【歯を食いしばりながら、そのハンマーを鞘で受ける。鞘は弾かれて勢い良く壁に衝突する】
【彼女も吹き飛ばされて、その床を数メートルゴロゴロと転がる。】
【咄嗟に鞘を投げ捨てる事によって、なんとか受け身をとることは出来たが、手がしびれる】

(……刀を持てないほどじゃない。問題はない…)

【そう思いながら、起き上がって立ち膝の状態で相手を見ながら】
【次の行動を考えていた。】

(刀はまだ一つある…能力もまだ使っていない)

【相手に傷を負わせているこちらが完全に有利だ。落ち着いて、行動すればいい…】

【湧き上がる興奮を自分に問うことによって押さえつけようと試みた】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/12(日) 00:02:19.31 ID:JxS/u9ct0
>>166
ハハッ!!ありがとう、最高の褒め言葉だ!!
―――ゴキブリに侮辱されても人間は何にも感じないもんだよね、不思議!!

(―――とまあ無駄話で時間を稼いでみたものの……どうにも彼の能力の正体が掴みにくいんだよね……)
(あの大きさの銃に反動を無くす仕組みはまず組み込めないからそれが能力なんだろうけど……)
(それだけってことも無いよね?反動って要するに作用・反作用の力だからさ……)

【先ほどの言葉が本心かどうかは別として―――狂死郎は下らない演説の間に分析を行っていた】
【スライムの耐久力にはまだ余裕があるものの、あの銃弾を何発か食らえば流石にお陀仏だろう】
【元々攻撃用では無いスライムのままでは何時かはジリ貧になってしまう―――そろそろ潮時か】

成る程、“そっち”は捨てるのか……いい判断だ、流石に腕が使えないと困るよね?
ってことは……僕狙いかい!?

【再びスライムに弾丸が命中するも―――やはりビスクの予想通りというべきか?】
【身体の一部は吹き飛んでしまったものの、直ぐに失った部位を穴埋めしてビスクへと迫っていく】
【本来は魔術的攻撃を加えるか、大回りして無視するのが有効な対策であると言えるが】
【魔術師には見えないビスクには不可能だろうし、無視をするには部屋が狭すぎる】
【やがって放り捨てられたリボルバーも取り込み、尚もじりじりと詰め寄るが―――】

【さて、狂死郎本体に向かって放たれた弾丸への対処であるが―――狂死郎は避けようとはしなかった】
【かといって何か得物を取り出して防ぐでもなく―――ただ、静かに左手に挟み込んだ札をビスクへと向けた】

(何やら嫌な予感がするから……全部吹き飛ばさせて貰う!!)


            EVIL VAIN ZERO STYLE 『SLASH!』


【静かに狂死郎が呪文を詠唱し、左手の札からより強い緑色の光と共に魔術を開放する】
【札から放たれるのは巨大なカマイタチ―――それこそ、スライムを真っ二つにする程の】

【放たれたカマイタチはまず、狂死郎本体に迫る弾丸を吹き飛ばす―――原型を留めては居ないだろう】
【そしてすぐさまスライムへと到達し、スライムの体内に残されたリボルバーごとスライムを両断する!!】
【そのことで多少は威力が削がれ、人間を切り裂くほどの勢いはもう残ってはいないが―――】
【その残照としてカマイタチから人を吹き飛ばす程度の風に変化してビスクへと迫る】

さあ、好きな方を選ぶといいぜ?

【それから少し遅れて―――まだ“生きている”スライムの上半身がビスクに覆いかぶさるように吹き飛んでくる】
【自らの意思による跳躍ではなく、あくまでそれを両断したカマイタチの衝撃に乗せられてといった形であるが】
【それでもビスクにとって“脅威”であることに代わりはないだろう】
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/12(日) 00:02:47.99 ID:AdWFUwmwo
>>157->>158
……クックック
センスというのは教えてもらうだけでは育たないだよ
わ・か・も・の

【先ほどの若い男の声とは違う、まるで違う人間が入っているかのように、しわがれた老人の声】
【まるで未熟な若者を詰る、趣味の悪い翁のように】

【再びボウガンを装填した男、その隙のない洗練された動きで、幾人もの邪魔者を消したのだろう】
【殺意の篭った矢は、こちらを貫かんと飛来し―】

ないっ・・・

【ありえない、誤射を三発、それはあまりにも露骨な行動】
【それは、彼の警戒をさせるには、十分―何が、目的だ】

(バウンド……触れるな危険……)

【魔眼で強化された耳は、その声を、確実に意識へと焼き付けていた】
【バウンド―意味は跳ねる、そして触れるな危険】
【意味を考えれば、恐らくは一発目の矢は跳ねるに関連する何か】
【二、三発目に放たれた矢は、恐らく触れるなという言葉とホットというあたり、爆発するトラップかと考えた】

【そして、案の定―矢は跳ねた...推測されるは、この男の能力は付加系―】
【ここで、この男の企みに関して、ひとつの仮説を立てた】

(わざと……突撃させてこちらを罠に嵌める気か?)
(それならば、後方のいるマインド使いを狙い、その隙を狙って自分が突撃し、罠に嵌る)
(辻褄は……合っている、だがそんなに単純なのか―)

【そして、そこに大きな風の動きを感じた―風の源を見れば、そこには女のマインド】
【その風、△のほうに向かっていて―恐らく、突撃を援護しようとするのだろう】

(ですが、今回は遠慮しておきますよ―申し訳ありませんけどね)

【そう、まさに普通ならば気でも狂ったかとでも言いたくなるだろう】
                            
【両手にもっていた剣を、空気の壁に乗せて、横向けに『投げつけたの』だから―】
【恐らく、剣は空気の壁に押され、さらに加速して男の元にへと向かうだろう】
【だが、これではだめだ―すぐさま倒れていた自警団の電撃棒を拾い】
【電撃を走らせた後、ブーメランみたく投擲した】

【もし、シミラーの推測、あの矢は赤外線トラップみたくなにかのセンサー的なものが張ってあり】
【それに触れれば爆発するか、それともそれに向かう】
【ならば、先に剣を囮にして罠に引っ掛け、そして本命の電撃棒を敵にあてる】
【それが、道化師の目論見だ】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/12(日) 00:08:55.10 ID:IFCIOtmf0
>>164

(………、――――――――――?)

【“誰にも見られていなかった” 筈だった。だが背後へと/ハッとした様に振り返ればあったのは一人の少年、】

【……それも、どこかで見た覚えがある様な、姿――――――― 、】
【訝しげに/湛えた光に鋭さを増す橡色の瞳。その表情の変化は判り辛かったが、それは、少年の感じた魔力を確信に変えるのには十分な筈で】
【そして紡がれる透る声もまた、そのフランクな問い掛けに応じるのには険が過ぎていたのだろう】 

……残念だけど、それに答える理由はないわね。
この場に居るのが怪しいと言うなら、それは私だけの話じゃない。

けれど貴方が自警団か何かなら―――――……誤魔化そうとしても無駄でしょうし、“正直に”、答えられる範囲で答えるわ。

【質問に質問を以て返答した。“彼は、一体何者なのか”。】
【少女のなかで疑問を――――― 決断に必要な処置として―――――― 確信に変えるためのプロセスであり、】
【それはその胸に秘められた敵意を、如何様に終局に向かわせるべきか識るための其れだった】

【つまりは彼は、彼女にとっての “敵” なのか。カンバラへの侵攻に加担していた、“あの少年” は果たして “ここにいる彼” なのか。】
【……あの夜の光景は、未だ傷痕の様に、その胸裏に刻み込まれていた】

/ありがとうございます、それではよろしくお願いしますっ。
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/12(日) 00:26:52.99 ID:mhMn+Xamo
>>176

【放たれたカマイタチによって、リボルバーが両断される。それはいい】
【むしろビスクは何とも反応せず、平然とスライムが裂かれるのを見守った】
【同時に自らの銃と、それからモーゼルの銃弾も無力化されて閉まったわけだが】

(……そんな事はどうでもいいのさ。今、喫緊のお話はそのスライム君だ)
(実にしぶとい。拳銃使い、剣士……その辺りには大変に厄介なやんちゃものだからな?)

――いやしかし僥倖だよ、そんな厄介な生き物を君自身が小さくしてくれた
そう、そのサイズが良い――そして、その位置が。俺に向かって跳びかかるのが実に良い……!

【ビスクは、しゃがみこんだ。地に膝を付け、左手で帽子を押さえる】
【徹底して風に対向する姿勢――吹き飛ばされないようにしたわけである】
【しかしそうすると、当然ながらスライムが飛来するのだが―――ここで、注視すべきは】


  【そう、リボルバーの残骸。先ほど両断されたそれの、銃身部分がふわりと浮いた】
  【既にシリンダーも撃鉄も無いというのに、その銃口はスライムの背≠ノ向いて】

  【シュゥゥン=\―という風を裂く細い音と共に、先ほど二度にわたり】
  【スライムの肉体を弾き飛ばした、極めて強力な対非人弾頭が飛来して】
  【恐らくは先ほどまでの様子からして――弾丸は、スライムの減りに減った上半身を吹き飛ばし】
  【風に煽られる雨の様な残骸と化して部屋中に飛散するのだろう】

 
 【簡単に種を明かせば、それは極めて範囲を狭め、極めて力を底上げしたサイコキネシス=z
 【大きな反動を殺す。三発目の銃弾を打ち出すが、銃身にそれを留めておく】
 【その銃弾を、念動力のみでスライムへと向かって打ち出す――それら全て、ビスクの念動力に寄るものに他ならず】


【既に、風は耐えた。もう一手であるスライムは、先手を打って捨てたリボルバーの仕込み≠ナ穿った】


   【では次は―――】

            ――――当然俺の番だ、そうだろう?


【ガァン!―ガァン!=@二発の連続した射撃音が、石造りの室内に響き渡る】
【モーゼルの弾丸が、先ほどと同じく狂死郎の胴体を目掛けて撃ち放たれる音である】
【しゃがんだ状態からの射撃、正確でない筈も無く。無慈悲なまでに真っ直ぐと、鉛球は青年を食らおうとするだろう。】


  【『モーゼルM1916』→残弾数7/10 右手】
  【『S&W M500』→両断により破損 使用不可】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/12(日) 00:30:39.06 ID:yq3kP6as0
>>178

ああそうかい………、それならこっちの方向性≠ヘ決まったぜ………いやなに、俺の中でのルールの話だ。
自警団だって………?ククッ…!あんな負け犬どもと一緒にするんじゃねェよ、手前の目の前にいるのはなぁ………。

今のこの国の支配者≠セぜ………?

【ヒュッ!―――風を切る音がした。】
【直後、少年は女性の眼前へと加速するッ!!水面のギリギリをまるで駆け抜けるように跳躍している、そして女性の頭上へとッ!!】
【右脚を振り上げながら少年は犬歯をさらに覗かせて………朱い瞳が女性を射抜くように睨みつけるだろう。】

カノッサ機関ナンバーズNo.5………六罪王レギン直下………ジェイ・ヴラド・ヴァルコラキだ………よろしくな………!!!
さっきの質問は手足を捥いで血を啜ってからにさせて貰うぜカカカカカカカカカカカッッッ!!………ラァァァァァッッ!!!

【自身の所属と名を名乗った後―――そのまま振り上げた右脚を女性の頭部に向けて振り降ろすッッ!】
【その速度、まるで雷撃だ………空中であるのにも関わらず凄まじいキレによって放たれた右脚は一撃で相手を戦闘不能に追い込もうとする】
【仮に回避した場合は足元の平石おも粉々に砕き散らし足元の水を一時的に吹き飛ばす程の威力までも持っている………さてどう対応する?】
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/12(日) 00:31:17.83 ID:DsCdWSApo
>>168>>177

―――フッフフフ・・・!他人を巻き込まないスリルなど、スパイスの抜けた料理も同じですよ。
もっとも?味付けが薄いほうが好みだという人間もいますねぇ、丁度貴女の様な。
それは決して悪いことではありません、ええそうですとも――ただまあ、刺激のない人生に興味がなくてね、生憎。

それにね、"マスター"さん?得た金をなんに使うのか、なんて――そんなことは考えたこともない。
酒を飲み、肉を喰らい、女を買い、良い家に住み欲しい物は何でも手に入れる――
ポルシェでもフェラーリでもアストンでも何でも揃う。時計だって私のはフランク・ミュラーです。

――で、だからなんだとそう思うでしょう。その通り、別に贅沢がしたいが為に人を踏み潰しているわけではありません。

むしろ不幸の上に成り立つ幸福、というこの社会の構図を――私は"楽しむ側"でありたいのです。

良いですかぁ?世の中には二種類の人間が居ますぅ。

"楽しめない側の人間"、そして"楽しめる側の人間"だ。

奪う者と奪われる者がどちらか一方だけでは成り立たないのと同じように。

生者と亡者が片方だけでは社会が回らないのと同じように。

人間には必ず"勝ち組"と"負け組み"がいる。財産のあるなしを問わず――踏み躙られる人間が絶対的に"必要"なんですよ。
周りを見て御覧なさいな、ここにいるこの負け組みどもを――はは、ハハハハハッ!!間抜けにもここへ連れてこられた奴隷共をッ!!
彼らはどうみても人生を楽しめていない、いわばスパイスが足りなすぎるか、もしくは――かけすぎたか、どちらにしろ完成した料理<人生>は
最低の味でとてもとても人に誇れるようなものではない、そういうことなんですよ。

私は"こんな" "惨めで" "どうしようもない" 人種にだけは成り下がりたくない――だから楽しむ側に回っているだけの事。
さて、マドモアゼル――おっと失礼、"マスター"と呼んだほうが喜ばしいでしょうか?ともかく、貴女はどちら側ですか?
私の見立てでは、貴女も、そこの"道化"も皆――"負け"ている側の人間だ。

【――――説教や説得や、人の道理を教え込む優しさを持っているのならば。嗚呼、皐月よ――薫風の自然学者よ。】
【この男にそんな言葉をかけるのは余りに、そう余りに"勿体無い"。そう言わざるを得ないような――ひん曲がった思念。】
【性根が腐っている、などという次元ではない――この男は、全身全霊をかけてまさに、最低最悪の畜生、"邪悪"だ。】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/12(日) 00:31:41.34 ID:DsCdWSApo
>>168>>177

【だからその攻撃方法もまさに、腐っているといって過言ではない――ホット・メス。そう呼ばれた二本の矢の"間"―――】


―――――惜しいですねぇ、道化さぁん。確かにいい攻撃だ、二段構えの"投擲"――容赦もなく、そして合理的だ。
だが残念な事に私のホット・メスは―――たった一撃で終わるほど"ヤワ"じゃなくてね。


――――そうれ、見せてご覧に入れましょう。"オープン"ッ!!

【ビィィン―――という、鋭い起動音。と、共に二本の矢の間、張り巡らされた一本の"レーザーメス"――ッ!!】
【トラップはトラップだ、しかしこれは――爆発などではない、当然一撃で終わる単純なトラップでもない。】
【矢にレーザーが張られている以上電撃棒もそして刀剣さえも熱量により"切裂かれ"――静寂、Δは転がってきた電撃棒の残骸を楽しそうに、蹴飛ばし。】

【続く巨大な風――暴風に関しては今度こそ、防ぐ術はないが――しかし風が到着するまでボーっと突っ立ているわけではない。】
【むしろ先程までの長い"語り"のなか、Δはまた新たな矢すらも用意しており――】

『離れていても繋がっている―――"アンカー・ラヴ"』

【放たれた矢は地下の天井へと穿ち、そのまま――なんとボウガンと矢の間にワイヤーをセット、そしてワイヤーは"短縮"されて】
【一気にΔの肉体は上空へと急上昇――そう、アンカーショットだ。この男の矢、一体何本あるというのか―――ッ!】

さて、こっからは反撃開始、ですね。

『赤の侵攻―――バーン・アウトッ!!』

『静かな終焉―――コールド・ケースッ!!』

【またも、矢を腕の中に精製し――今度はなんと、アンカーで塞がっているボウガンに変わって直接、手で二つの矢を投げつける――】
【当然その威力はクロスボウで発射された者に比べ大幅に劣るが――今度は狙いが、違った。】
【赤の侵攻、これは先程も使用した"炎"の属性を司る"矢"、つまりは激しい燃焼効果をもたらす武器だ。】
【そして今度の其れは――見たところは"青"の色に染まった矢、そしてまとう其れは――なんと、魔逆の"冷気"】

【しかしそこにこそ狙いがあった、急速に熱を生み出すバーン・アウトと鋭い冷気を発するコールドケースの矢は二本、同時に同じ場所――】
【つまりは仮面をつけ、今や武器を"手放した"シミラーへと向けられていて――――瞬間、爆発するだろう。】

【強烈な冷気と暖気の衝突による蒸気爆発――このまま投げられた矢をどうにかしない限り、空中からの"爆撃"は続く筈だ。】


ふふ――――ふふふふっふふッ!!さぁぁぁ、お二人さん遊びましょうかッ!!
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 00:34:49.16 ID:wYYdpLdho
>>174

【獣の狩りというものは人間のような"殺し"ではない】
【生きる為に必要な手段であり、三大欲求を満たす為に体得する技能】
【故に狩りに向かう獣は人間のような"雑念"が無く】
【獣に近づいたグーもまた感情を押し殺し、冷徹に命を食い破る爪牙と化す】

【強き者が繁栄し弱き者が食われる弱肉強食の摂理】
【食われたくないならば、相手を力で退ける他ない】
【極めて原始的であり、故に何よりも単純明快な闘争であった】

グゥ……――――ッ!!

【拮抗する互いの腕】
【更に体重を、圧力を掛け叩き潰そうと迫るもラッシュの蹴りが直撃】
【厚い毛皮と筋肉に守られた身体とはいえ生身の其れだ】
【強化された一撃は確実に体の奥に響くモノであった】

【グーの巨体が跳ねるようにして後退する】
【蹴られた部位――腹部付近であろうか――からは血が滲むも】
【猛獣と化したグーは激痛を押し殺しながら後退したラッシュを睨んだ】

【同じ手は通用すまい】
【単純な膂力が同等ならば、ただの力押しで勝てる相手ではない】
【己の限界も近く劣勢と呼んで差支えのない状況だ】

【グーは前足で床を引っ掻き、大きく息を吸うと……】
 

オォォォォォォォ――――――――ッ!!


【……自身を奮わせるように、一際響く雄叫びを上げると】
【四肢を振るいラッシュ目掛けて駆け出した】

【しかし今度は一足飛びではない】
【四肢で地面を叩きながらの疾走だ】
【恐ろしい速度と勢いを乗せながら真っ直ぐに間合いを目指し】


               ――《蜈蚣[ウゴン]》――


【咆哮に乗せるようにして古き言葉を呟いた】
【瞬間、"グーの足元から"地面が隆起し出し、薄くアーチを描くようにして伸びる】
【《蜈蚣[ウゴン]》。ムカデを意味する言霊】
【それによって発生する現象は"アーチ状の隆起"】

【グーは隆起し勢いよく伸びる《蜈蚣[ウゴン]》の"上を駆け"】
【そして――強く地を蹴り跳躍した】
【それによって齎される結果は"上段中段の同時攻撃"である】

【正面からはラッシュの胸辺りの高さで迫ってくる反った床】
【そして上からは、牙を剥き出しにし思い切り爪を振り翳したグーの爪撃だ】  

【《蜈蚣[ウゴン]》は反った橋のような形状であり】
【威力は低くないが、縦幅が薄く脆い為破壊の難しいものではなく、また軌道は単純だ】

【グーの攻撃は落下の勢いと全体重を乗せた凄まじい威力を込めた右腕による薙ぎ払い】
【極めて高い威力を誇るも、これも動きとしては然程複雑なものではないが――果たして】


【残り時間――1レス】
【グーの体は既に限界である】
【ラッシュが見事この攻撃を乗り越えたならば――】    
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/12(日) 00:41:41.47 ID:bftnxunPo
>>175
【振りぬいた一撃。手ごたえはあった。自分にとっては聞きなれた、派手な音が響き渡る】
【しかし、相手の身体に当たったわけではないことを、直後に悟る】

(なんとか、斬られることは避けた、けど……)

【彼女が接近していたことが、今度は功を奏したらしい。彼女の鞘を手放させ、さらに距離も取れた。予想以上の効果】
【しかし、左肩を苛む痛みは変わらない。滴り落ちる鮮血。この戦闘中は、こちらの腕を使うことは、かなわないだろう】
【とにかく、このまま貫かれたままでいるのはまずい。右手に握った『ノックアウトハンマー』を脇腹へと押し込むと、肩に刺さった刀の柄に手をかける】

ぐ……ぐ、うあっ!! つ、うぅ……

【すさまじい激痛に震えながら、どうにか刀を引き抜く。そのまま、斜め後方へ投げ捨てる。少しでも、遠くへ放り投げておかなければ】
【どうにか、視線を前に向ける。膝立ちの女性。こちらに向けられる瞳には、まだありありと戦意が見て取れる】


(力量差に、このダメージ……形勢不利、か……)

【ぎりり、と歯を食いしばる。この状況から、どう反撃すればいい? この傷では、動きも鈍くなる。長引くほど、余計に窮地に追い込まれる】
【脳裏を、自分の有する攻撃手段、それがもたらす効果、現状、さまざまな要素が駆け巡る】
【やがて、決意を固めたかのように、姿勢を整えて女性を睨むと。彼女に向かって、一直線に駆けだした】


う、あああああああああああああああああああああああ!!!

【またも叫びながら、走り出す。左肩からあふれる真紅が、横へ飛んでいく】
【無謀な自殺行為。そうとしか見えないだろう。しかし、甚大なダメージを受けた時点で、小細工を重ねてもいずれ力尽きるのは目に見えていた】
【ならば、リスクを負ってでも、勝算のあるほうに賭ける。そう決断したのだ】

【走りながら、右手を原の真ん中に突っ込む。引き出されてきたのは、プレゼント包装を施された箱だった】
【それを右手に握り、突き出しながら走っていくのだ。自分より強者だとわかりきっている、女性へ向かって。無謀を通り越して、滑稽ですらある】

【しかしながら、当然ただの箱ではない。『サプライズ・キューブ』。青年の持つ武器の中では数少ない、殺傷目的の武器】
【ある程度まで、女性に接近したならば、もはや女性の次の行動にかかわらず。掌中の『サプライズ・キューブ』を起動するだろう】
【すなわち、プレゼントの箱は青年の掌中で破裂し、7つの小さな鉄球を撃ち出すのだ。まともに当たれば、身体にめり込み、命中部位を破壊するだろう】
【鉄球は、緩やかに展開はするが、女性の胸部を中心に、上半身へ向けて飛来する。接近によって、命中率を少しでも上げようとしている】

【だが、それを簡単に許す女性でもないだろう。破裂させる前に、切り捨てられているかもしれない】
【しかし、足は止めず。目はそらさず。青年は、駆けた】
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/12(日) 01:16:02.44 ID:JxS/u9ct0
>>179
まさか僕のマジックコンボを耐えて来るなんて!!シンジラレナイ!!
―――いや、ほんと。君は確実に捕らえたと思ったのになぁ!!

【少々早い気もするが―――どうやら青年はこれで勝負を決めようとしていたようで】
【重要な壁であるスライムを捨てた以上、青年は少々不利になったと言えるかもしれない】
【しかし、青年は飛来するスライムに男が対処しているそのわずかな隙に―――】
【インバネス・コートの中から2番目に取り出した表に穴が描かれた札をいくつか取り出すと】
【それを1枚ずつ、捕虜・奴隷が閉じ込められている鉄の檻の中へと投げ入れた】
【檻の中の地面にそれらが落ちると、やはり先ほどと同じように消えてしまった】

【最後の1枚を投げつけると同時に青年はスライム(の、下半身)に向かって命令を下す】

反撃してくるか―――戻れ!!“憑依”しろ!!

【その言葉と同時に、青年はインバネス・コートの中に隠された退魔刀・斑鳩を抜身にする】
【白銀に輝くその刀身は見ているだけで吸い込まれそうで―――ある種の魔力が込められているように見えるかもしれない】
【そしてスライムは退魔刀に吸い込まれるように消え―――退魔刀の刀身に水滴が付いたように見えた】

(とはいえ防ぎ切れないか!!致命傷さえ避けられれば大丈夫だけど……)

【そして狂死郎へと迫る2発の弾丸―――1発目は退魔刀を振るって弾くことが出来た】
【それと同時に流水が刀先から迸り、2発目の弾丸に向かって発射される】
【発射された流水は果たして、弾丸の軌道を逸らすことは出来たが―――防ぎきることは出来ず】
【2発目の弾丸は、狂死郎の右脇腹に命中する!】

グッ!!痛ッ!!――――畜生がぁ!!

【狂死郎は苦悶の表情を浮かべてくの字の体勢になる―――インバネス・コートの右端は血に紅く染まった】
【しかしそれでも狂死郎は悪態をつきながら体勢を立て直し、懐から再び札を取り出す】
【裏のデザインはもちろん共通であったが、表には狐の耳と尾がついた女が描かれていた】


           EVIL VAIN ZERO STYLE 『BIND!』


【狂死郎の詠唱に合わせて、ビスクの足元の地面に召喚陣が出現する】
【そしてその召喚陣から大量の鎖が出現し―――ビスクを拘束しようと動き始める!!】
【だが、召喚陣が出現してから鎖の出現までにはタイムラグが存在しており】
【足元を注視し、鎖に集中さえしていれば回避することはそれほど難しくないだろう】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 01:19:49.84 ID:U82d34N50
>>181
ははは……まことに強烈なお言葉です……しかし、スパイスを利かせた肉だけが料理ですか?
料理だって色々ある……素材の味を生かしたサラダ、甘いデザート、繊細な味付けの料理……
人生だって同じです……平穏な幸せをかみしめる人生もあれば、冒険心を躍らせてあちこちを旅する人生だってある
しかし、その人の一生を踏み躙ってまで成り立つ人生はあってはならない……
世の中、人に悲しい思いをさせて、自分だけ良い思いをすることは出来ないようになっているものなのですよ
因果応報とは良く言ったもので、世の中何でもないと思った行動でも思わぬ結果を呼ぶものです
ああ、不幸の上に成り立つ社会?そしてそれを楽しむ側の人間と楽しめない側の人間?
……それは、間違っているのです 綺麗事と嘲笑うかもしれませんが、それでは真の幸せは訪れない
……もっとも、貴方は真の幸せを求めるには余りにも心が曲がりすぎているのかもしれませんが……
人生は誇るためにあるものではないし……そして、此処に連れてこられた人々は私が解放します
心ひとつで人生なんてすぐにでも変わるものでしてね……今日彼らを開放すれば、明日からはこの悪い夢も忘れられるのです
……私の人生が薄味?とんでもない!私の人生は日々小さな喜びに彩られた素晴らしいものです!
この幸せは何にも替え難いのですよ……!

【それでも。それでも彼女は曲がらない。相手がいくら曲がっていても、心の強さは変わらない】
【これは説教ではない。彼女の、彼女なりの人生観。きっと受け入れられないだろうが―――】

【この話が彼の心に届くかどうか分からぬうちに、先程の風が到達するのだが】
【しかし、彼の体は空中屁と舞い上がった―――無論、風の所為ではない……回避されたのだ】
【そして上空から放たれる矢……しかし、矢は切れぬのだろうか……どれだけあるというのだ】
【その二つの矢は、炎と冷気による爆発!これはまずい、自然学者だからよく知っているのだが……急激な温度差は、それだけでも大きなエネルギーを発する】
【ならば、やることは一つ――】

―――今です!

【矢の方へ飛んでいったのは、空気の塊のようだが……様子がおかしい】
【そう、この塊の内部は大気を操って真空になっており、それによって火を消してしまうつもりなのだ】
【そして―――真空の塊が飛んでいくか行かぬかのうちに、”薫風”は同じく舞い上がり―――】

「――遊び相手は、衣織お嬢様だけで十分です」

【先程の蒸気爆発で発生した水蒸気を最大限手元に集め、ミストボールを一発、二発と放つ】
【互いに圧力がかかって高温な上に、無色の水蒸気……当たれば高温と高圧の空気+水蒸気の塊が体を襲うが、果たして躱せるか】
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/12(日) 01:23:36.11 ID:02V6JSuX0
>>180

(…………ッ!)

……あの男の配下、か――――――――

…………それで理由には十分よ。
王であろうと神であろうと、そんなことは知った事じゃない―――――
……斬らせて貰うわ。あの夜の貴方達の勝利の終わりを、この場でこの夜に始めるために………!

【確信として閃いた戦意/刹那放たれる一撃を脅威と認め】
【最低限の所作で少女はやや大きく一歩後退、右脚の殺傷圏を逃れながら状況を観測、】

(…………!――――――)

【――――――瞬間、破砕音と衝撃の余波がその意識を襲った。万が一直撃を受ければ、それだけで致命傷になりかねないと判断しつつ/高速で反撃、】

【それは一瞬の出来事だった。大きく破砕され空中に舞いあがった平石、その無数の断片から大きな一つを足場に選んで少女は “着地”、
 両足を発条に力を “溜め”、上体に捻りを加えて跳躍/空中に身を置いたままの少年に接近――――】

―――――――――――― ハァアッ!

【拳や脚の間合いに入る寸前で、近距離から少年目掛けて “斬撃”―――――――
 “溜め” の時点では影もかたちもなかった太刀を以て、左の肩口から袈裟掛けに胴体を斬り裂かんとした】
【かたちとしては両腕での居合い抜きに近い。少女自身の上体が刀身を覆い隠し、抜刀の瞬間まであらゆる予兆を遮蔽していた。】
【加えて “かたちあるものを斬る” 概念による超常の切断能力―――――― かの刃は、並みの重合金装甲程度ならば、薄紙同然に断割する其れなのだ】

【だが其れは絶対の殺傷性能を意味しない。強度や耐久力による防御以外でなら、或いは対応も可能であろうし】
【接近の段階で異変に気付けたなら、何らかの反応も可能だろうか】

【少女の右腕には、前腕部を覆う漆黒の装甲があった。確実な勝利を求めた其れは、あの夜刻まれた赫怒の顕れの様でもあった。】
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 01:26:46.56 ID:opr/PSbIo
>>183
【何という力か───グーを離れさせた物の、攻撃を受けた腕が震えている】
【体のダメージも無視は決してできない、グーがどうかはラッシュにはわからないが、自分は長く戦えないと】

【ならば、覚悟を決めねばなるまい───】

【出し惜しみはしないと決めた、全力を持って答えるしかない】
【咆哮するグーに反してラッシュは静かに息を吐き、あくまで落ち着いた様相を取る】
【何も、猛る者が勝つ決まりは無い、獣であってもそれは同じ】
【獣に対する為に獣を模倣する人間の、人間だけが持てる意地───】

【四足で地を掛け、向かって来るグーを隻眼で見つめながら刀を両手に構える】
【獣が爪を持つならば、この刀が己の爪。獣が野生を持つならば、飼われた犬の意地こそが対抗する意志】

──────来い、銀帝>氛氛氈I!

【ラッシュがその名を呟くと、持った刀が白銀に輝き、光に包まれ形を変える】
【紅と赤黒と銀色と───三つの力が合わさり、渦巻き、その力を───真の姿を見せた】
【それは紅い燐光を放つ白銀の剣───槍と大剣の中間くらいの、長柄の剣だ】
【刃の切っ先から入った隙間が根元にまで達し、根元で膨らんだ隙間に銀色の宝玉が収まっている】

【片手で振るうには無理のありそうなそれを、右手一本で一振りすると、紅い残光が尾を引いて】
【グーが地面を隆起させた瞬間、赤黒い力が剣に纏われる】
【弾ける獣の力を剣に纏わせた一撃を持って、グーも床も全て弾き飛ばそうと───】

【まずは床板を、強大な力で簡単に砕いて難を逃れる】
【そして次はグーへ、頭上を見て、剣を構えると、獣の顎のように隙間から剣が開く】
【赤黒い力は、纏った剣を変質させ、赤黒い獣の頭に───口を大きく開いた狼の頭となって、頭上のグーを噛み砕かんと───】

【───刹那、ポスン≠ニいう気の抜けた音がして、何もかもが消える】
【狼の頭も、赤黒い力も、白銀の大剣すら、元の刀へと戻って】

【理由もわからない不慮の事態に、ヤバい≠ニラッシュが瞬時に考えるのは必然である】
【今までの大剣と比べれば非常に頼りないそれを、さっきまでと変わらぬ引いた構えで───駄目だ、間に合わない】

【次の瞬間には、丸太のような腕に薙ぎ払われて吹き飛ぶラッシュの姿があった】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 01:28:03.96 ID:/XzMpanGo
>>184

【相手の叫び。自暴自棄のような雄叫び。直線の実直な疾走暴走】
【次は何をするのか?この状況を鑑みて、切り札であることは間違いなさそうだ】

【取り出されたのは、何やら箱。手に持って走ってくる】
【想像を巡らせてみる。サイズ的爆発物だろうか?それなら自身も巻き込まれる可能性がある】
【手投げ弾のようなものか…いや、それにしては勢い良く走ってくる…】
【兎に角、近づかせたらまずそうだ…いや、爆発物なら接近したほうが自爆を怖がって使わないかもしれない】

【冷静に、辺りを見回して考える。正面の敵、手に持った箱。】
【照明、ステージ、落ちた刀。テーブル、椅子、割れた酒瓶。倒れたオッサン】

(…これが一番だろう…とりあえず、やってみるか)

【彼女は此処に来て”能力”を発動させた】

【ただでさえ、殺伐とした、狂騒の中なのにそれにもっと鋭利に脚色する】
【会場のその、一体は辺り一面に、刀、刀、刀。刀が突き刺さっている】
【壁、床、テーブル、椅子…全ての無生物のものに剣の墓場のように突き刺さっている】

【異様な状況で足元にもそれらはあるだろうが、突っかかること無く走れる】
【足元を見ていればこれは幻だ…と、それに気がつくだろう】

【勿論、それで脅そうという魂胆ではない。直ぐに行動している】
【彼女はその当たり一面の剣、最もも近場に突き刺さっている2本を引きぬいて】
【それらを横に、ブーメランのように回転させながら、正面にぶん投げる】

【続けて、また二本。計四本がそちらへと飛んでいった】
【これらも、彼女の手を離れた時点で無害な幻なのだが】
【異様な状況と、薄暗いこの状況と相手の緊迫した心理状態で本物と錯覚させることが目的だった】

【その隙に彼女は腰に差した”本物”の刀を抜き、構え 後に続いて走り出した】
【刀に怯んで箱を開けてしまえば有効打は得られないだろう。また、開けるのが遅れれば】
【その箱を、縦にバッサリ2つに別けられてしまうだろう】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/12(日) 01:34:14.42 ID:mhMn+Xamo
>>185

【足元に召喚陣が出現するのを実に鋭敏に℃@知すると】
【ビスクはすぐさまバックステップ。壁際に近付いたが、回避は難しくなかった】
【老いて銃に頼った生活を送っていると云えど、日々トレーニングを欠かしてはいないし】
【それに視界、視力に関してはちょっとした理由から自信もあったからである】

【だから、鎖にこれ以上の仕掛けがないのならそれっきりだし】
【ビスクが再度銃を構え直して、その引き金を引くのも止めることは出来ないだろう】

―――ハッハッハ!どうだね狂死郎君、ジジイに痛い目に合わされる気分ってのは!?

楽に勝てる。自分に自信がある。あんなゴキブリ、踏みつぶして終わりだ。
……そんな風に思っていたのかね?んー?残念だがそうは行かないのが世の中ってもんだ
同じ櫻でも、あの中邑瑛月とはえらく違ったクソガキ君には分からないかね?

ま、何にせよ結果は結果だ。そして私はこれからもやり方を変える気はないんでね
遠距離からチマチマと打たせてもらうよ、青年!それがマフィアってもんだからなぁ――!!

【一発目。狂死郎の居る位置よりも前方の地面に向かっての射撃】
【これは、跳弾する。狙ってそうしたのだろう、跳ねた弾丸の向かう先は青年の左腿で】

【そして二発目は、天井へ向かって撃った。跳弾なんてさせようもないが――】
【――例の、サイコキネシスだろうか。銃弾はやはりカクリと曲がって、上からも迫る】
【こちらの狙いは退魔刀を持つ方の肩であり、下からの跳弾とはややラグを置いての一撃となるか――。】

/すみませんが、明日ちょっと早いのでここらで凍結か〆をお願い出来ますでしょうか…?
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/12(日) 01:47:57.48 ID:AdWFUwmwo
>>182

【シミラーの出した判断は、結果的には吉で終わった―命があるだけマシ、それ以上は求めまい】
【いとも簡単に、まるで肉のごとく切り裂かれた刃と電撃棒】
【こみ上げ、そして背筋にへと這いよる戦慄】

クックック……アッハッハッハ!!!

―パチパチパチパチ!!
【気でも狂ったのか、両手を広げた後、狂笑しながらのおおげさ過ぎる大拍手】

なるほど、金やら物欲はまだしも、二種類の人間という
観点は実にすばらしい!それも一種の真理でしょう―

【認めた―仮にも、正義の人としてここにいる人間が、その考えを認めるのだろうか】
【それは、果たして皮肉か、それとも心からの賞賛か】
【マスクに覆われたその表情などからはうかがい知ることなどできるはずもない】

しかし、あなたはひとつだけ見落としている
あなたは、道化を負け組と言った、それは正しい!
道化など、堕ちるとこまで堕ちた人間か相当な変わり者がする物!

それほどの資産をお持ちなら、ギャンブルの一度や二度もするでしょう―
ポーカー、そしてジョーカーに書かれている物くらい、『知っていますよねぇ?』

【カードでジョーカーに描かれている物、それは大半はピエロを模した物】
【果たして、何を意味するだろうか― 一番分かっているのは......】

【風が届く前に浮かび上がる体、そして放たれるアンカーガン】
【空を飛ぶ男が投げつけた、そして道化師が見たものは、蒼と紅の矢】

(何本あるかじゃない、そうだ、コイツの能力は特殊な効果をもった矢を作り出す能力か...)
(だとしたら―まずは、厄介なあのボウガンを壊すしかない)
(だが、その前に、爆弾を止めなければなるまい―)

【蒸気爆発、なるほど、考えたものだ―ただの人が喰らえば死に至らせることさえ容易】
【だが、彼は運が良かった―ツイていた】

ジャララ!!
【道化師はすぐさま懐から、昨日手に入れた鉄の鎖を取り出し】
【その鎖を鞭の如くしならせ、紅の矢に向かってたたきつける―蒼い矢のほうに】

【相反する炎と氷が生み出した、猛烈な爆風―もちろん、喰らえば道化師とてたまったものではない】

がぁ・・・・!

【早めに叩き落としたからこそ良かったものの、道化師の身体は簡単に宙に浮かび上がり】
【そしてその後、地面に落ちた―衝撃の呻きをあげる】

【だが、彼の目的は防御ではない】
【そう、マインドが生み出した真空の塊!】
【風を操る力ならば、真空操る事も造作ではないだろう、そう思っての判断】
【目論見の成否は、見事に男に放たれるミストボールが、それを証明していた】

そのままボウガンを壊せ!奴の能力は恐らく矢を生成する力だ!

【喉が張り裂けんばかりに、叫ぶ】
【恐らく、これが図星ならば、彼は必死にボウガンを守る、またはそれに対して気を使うようになるだろう】
【なってもらわねば、困るのだが―】
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/12(日) 01:48:29.78 ID:bftnxunPo
>>189
【走りながらも、目は逸らさない。だから、相手が冷静な態度を崩さずに、周囲を見渡すのも見えた】
【きっと、彼女の脳裏でも、次の行動のための思考が渦巻いているのだろう。それに意識を割く余裕はないが】

【しかし、その蛮勇をふるった突進すらも。あっさりと、飛び越えられた】

(!? なん……だ……)

【辺り一面を埋め尽くす、刃。抜き身の刀。狂奔を鮮やかに彩る銀光】
【墓場と見まごう、異様な光景。一瞬、魅入られてしまう】
【思わず、足元にちらと視線をやれば。自分の足を透過する刃】

(幻術の類か……? ここにきて能力を……)

【幻である、と察しはついても、その圧倒的なリアリティ。実際に透過を目にしているのに、幻だと認識しきれなくなりそうなほど】
【顔を上げ、前を見る。飛来する、刀。二本、いや四本】

(あれも、幻か? いや、幻術と本物を織り交ぜているのか……!?)

【この青年は、元来戦闘者ではない。この光景に、ここにきてまだ、脳裏を支配する疑念と恐怖】
【見事に、彼女に術中にはまった。所詮は蛮勇、そのまま突進することすら、出来ず。これが、覚悟の差というものか】
【思わずブレーキをかけ、とっさに転倒するように身を伏せて、幻の刀をかわしながら】
【狙いもつけられず、『サプライズ・キューブ』を破裂させる結果となった。女性の足元から少し逸れたほうへ、鉄球が飛んでいく】

(……これまで、か……)

【あれでは、とても有効打にはならない。加えて、床に倒れた現状。とっさに起き上ろうとはするが】
【きっと女性のほうが早い。おそらく、次の瞬間自分を赤く染め上げるであろう、刀が迫りくるほうへ、顔を上げて――】

…………!!!

【間に合うかどうかもわからない。だが、このまま何もせずに斬られることを、本能的に拒絶した】
【起き上ることに成功すれば。斬りかかってくるであろう、女性へと対峙が許されたなら】
【右手を、胸に。すぐに引き出す。順手に握った、ナイフ。何の仕掛けもない、ただのナイフだ】
【それを、ただ女性に向かって、突き出した。苦し紛れの、悪あがき。きっと、これが最後の抵抗になるだろう】
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/12(日) 01:48:43.60 ID:yq3kP6as0
>>187

ああ…?お前レギンの事を………まぁいいやアイツならどこの誰に恨まれてようとおかしくはないわな
吠えるなァ―――ったくよォ仮に今斬れるならなんでもっと早い段階で俺らを斬り捨てなかったんだ?ん?

遅せえんだよ=c……何もかもなァッッ!!

【女性の斬撃が放たれる寸前に、自身が砕いた平石の一つを思い切り蹴り飛ばし先ほどまで自分が立っていた平石まで跳躍する】
【恐らく刀身が見えてから回避した………これが意味する事はこの少年の反射神経などは人の其れを凌駕していると言う事だ………だが。】
【バシュッ!少年の左肩から振り過ぎた炭酸飲料のように鮮血が噴き出す―――全てを断ち切る概念の一撃は僅かだが相手を捉えていたようだ。】
【しかし少年の、ジェイの顔からは笑みが零れ落ちる―――まるで最高の得物を見つけた狩人のように口元を大きく歪める。】

カカッ!その斬撃…スピード………手前は例の………アイオーンを斃したっていう八攫 柊≠セな………?
面白れぇ………こいつは望外だ―――退屈なお散歩もたまにはいい事があるんだなぁ…!

それに―――尚更何をしてたか気になっちまうぜ………ククククク。

【そう言いながらジェイが左肩の血を拭うと―――直後にその血が空中でグニャグニャと粘土細工のように変形していく―――。】
【そしてそれは徐々に細く、細く、長く、長く。最終的には1m程の細長い投擲槍の形状へと変化し………さらにその血の槍にジェイが口づけをする―――すると】
【血液で出来た槍の周りを呪詛のような紅い文字が無数に巻き付いていく………そこから感じるのは死の、気配。】

                    ≪呪血の槍/ヴラド・ボルグ≫

【ジェイはその血液の槍を後方に大きく振りかぶると―――思い切り女性の方へと向けて投擲したッッ!!】
【この血液の槍、ただの槍ではない。仮に回避を試みた場合、捕捉できなかった段階で槍の穂先が変形し女性を追尾するだろうッ!】
【さらに穂先はまるでボーリング機のように高速で回転しており並の防御なら突破する………そしてもし突き刺さってしまえば】
【突き刺さった部位から焼けつくような痛みが全身に広がっていき次第に痺れてしまうだろう、おそらくは………呪いの類だろうか。】
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/12(日) 01:48:54.11 ID:AdWFUwmwo
>>191

//すいません!>>182ではなく>>182,>>186です!
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 01:50:42.98 ID:wYYdpLdho
>>188

【ゾクリ――本能を刺激する痛みにも似た危機感】
【猛獣の中で頂点に近い大虎の獣人をしてラッシュの振るう力の大きさに】
【そして自身を食い千切らんとする狼の顎に】
【一瞬だが己が子兎になったような錯覚すら覚えた】

【だが、その濃厚な死の気配も突如として失せ】
【結果としてはグーの攻撃は通り、ラッシュを薙ぎ倒す事となった】
【このまま追撃を加えたならば、この狩りに決着を付けることも可能だろうか】
【猫科特有の器用さで身を翻し着地したグーは……】

ガ、フ……――!グオォ……ゴフッ……!

【……その場に崩れ落ちた】
【真紅に染まっていた瞳は金色に戻り】
【膨張していた筋肉は元の大きさに戻り細かく痙攣を繰り返している】
【荒い息と共に血を吐き出し、立つことすら出来ずに倒れていた】

【淡い幻想は終わりを告げる――老体を限界まで酷使した結果だ】
【術の効力が切れたことで"忘れていた"全てのツケを払わされることとなり】
【殺人的な負荷に耐えるように体を丸め】
【ヒュウヒュウと口の端から空気を洩らしていた】

(たったこれだけで……もう、動けねえのかよ……)
(俺は、まだ何も果たしてねえぞ……情けねえ……)
(チッ……糞、忌々しい話だがよぉ……)

……歳はとりたか、ねえもんだわなぁ……

【掠れた声でグーは呟く。滲む感情は悔しさか自己嫌悪か】
【結果は一つ――グー・ゲルギルは失敗した】
【それを認識したが故に、倒れた老獣人は力の入らぬ爪をギリ、と己の毛皮に突き立てる】

【目の前であった。あと少しであった】
【許せぬ罪悪を犯すものがいた。己はそれ等を断罪せねばならなかった】
【一人でも多くの獣人を救うため……否、未だ己の胸を締め付け続ける過去の為】
【青き日の怨嗟は未だ、朽ちた老人の心を蝕み続けていた】

【何はともあれ、ここに勝敗は決した】
【限界まで酷使したグーの身体は既に戦えるものではなく】
【任務を果たすこともならなかった――敗北である】

【ラッシュに意識があったならば、止めを指すことも容易であろう】
【グーは霞んだ視界の中、ラッシュの飛んでいった方向を見つめていた】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/12(日) 02:05:39.75 ID:JxS/u9ct0
>>190
へぇ、君―――“回避した”ね……足元に十分注意を払ってさぁ……
でもそうしたんだったら気付けないだろ?自分が既に“負けている”ことにさぁ……

【惜しくも鎖による拘束が回避されたと言うのに―――青年は何故か余裕の表情で】
【両目を閉じ、静かに笑顔を浮かべながら―――勝利を確信していた】

僕は別に楽に勝てるなんて微塵も思っていないよ?―――だから最初から“仕込み”をさせて貰ったんだ
“僕の目的を勘違いさせるための仕込み”をね―――!!

【クックッと狂死郎は笑いながら先ほどまで魔族なり人間なりの奴隷が詰め込まれていた牢獄を指差す】
【そこは既に“蛻の殻”で―――人っ子一人居ない代わり、地面に黒い渦のようなものが出現していた】
【おそらく、彼の指定した何処か遠くの場所へと繋がるゲートのようなものであると推測できる】
【―――彼が先ほど投げ込んだ札の力によるものであることは明白だろう】
【同時に、彼の背後の―――最初に穴の描かれた札を落とした地点にも、黒い渦が出現する】

さて、ここから逃げる前に君に言っておかなきゃ成らないことがある―――ごめん、
人間を魔族と掛け合わせれば強いのが生まれるって言うの―――アレ嘘!そもそも融合できない!
それから勿論君を奴隷にしにきたってのも嘘―――本当は他の雇われ襲撃者と同じで奴隷の救出が任務!!
そもそもそうする気だったらもっと強い魔族を君にぶつけたはずさ!!

そして最後に―――どうだねビスク・フランコ君、餓鬼に出し抜かれる気分ってのは!?

【そしてビスクが放った弾丸が到達する前に、青年は黒い渦へと飛び込み―――忽然と消え失せた】
【飛び込んだ瞬間、黒い渦は収縮を始めるが―――急いで飛び込めばまだ間に合うかもしれない】
【しかしその先に狂死郎がどんな罠を仕掛けているかは分からない―――命が惜しいならば、そっとしておくのが無難か】

/了解です!!一応考えていた展開ですけど早めに〆ますね……お疲れ様でした!!
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 02:14:36.19 ID:/XzMpanGo
>>192

【彼女も呼吸を荒げながら走っていた、汗が滲んで、白い肌を紅潮させる】
【刀を構えながらその、飛んでいった刀を追っていた】

(……やはり、爆発物か!)

【転倒する相手、そして弾けた箱。何かしらが飛んでいった】
【これまでの玩具とは違い、まともに食らっていたなら一発で命が危ない…そんな感じがする】
【彼女は足に力を入れ、踏み込み刀を振るった…!】

【しかし、彼の転倒は誤算だった、間合いも箱だけを斬る様に狙っていた】
【その為、その斬撃は空振り。踏み込んだ体勢で、立ち止まったまま。足元に彼はいる】

(…此処に来て………!)

【刀を持ち替えて、突き刺すのも、足を退くのも間に合わない。相手はナイフを持っている…!】
【向かってきたナイフに対し、振り下ろした剣を握る腕を、それに合わせるしかできない…!】

【ナイフはジャケットを裂き、彼女の右腕に突き刺さった。肉を裂いて骨で止まる】
【相手がそれをよじれば、もっとその傷口を広げることが出来るだろう】

アアアアアアアアアアッッ!!

【此処に来てやっと声を出したこの女。それは叫び声だった】
【若い女の声でだが、女性らしさの欠片のない叫び声をあげ】
【その場から数歩、後ろに下がって 相手の握るナイフを引きぬき その場を離れる】

【穴の開いたスーツは黒く滲んで、だらりと下げた手の甲に赤い液が線をなし、床へ落ちてゆく】
【幻の剣にその雫は幻であっても突き抜けること無く、白い刃をするりと伝わる】

【左手に刀を持ったまま、肩を抱くように手首のあたりで傷口を抑えている】
【歯を食い縛りながら、指先を震えさせ、ただ相手を睨むのは辞めない】

【その目はまだ戦闘態勢を意味している。握った左手は緩まない】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/12(日) 02:24:15.46 ID:02V6JSuX0
>>193

…………さあ、どうしてなのかしら。
もっと強い人と戦って消耗したのかもしれないし、単純に貴方達に出遭わなかったのかもしれない――――
……そんな事はどうでも良いのよ。

私が求めるのは “勝利” だけだ――――――――……敗北の未来も痛苦の過去も、今、この瞬間には意味がない。
だから本気で斬り合いましょう? 私達みたいな存在に、余計な思考は不要でしょう―――――――

【戦うこと。其れが、己と彼の意味なのだろうと】
【過去は決して変えられない。未だ無き敗北になど興味はない。】
【ゆえに勝利を求めるのだと―――――――― ゆえに今宵を戦うのだと、今一度、兇剣めいた戦意から宣戦を布告して】

【“言葉通り”、彼の興奮にはただ冷徹な、まるで温度の違う眼を向けながら】

…………ッ!

【接近する疾走を以て血の大槍を回避する―――――― 追尾する穂先が抉りこむ様に側面から襲い掛かる、】
【その相変わらず “重い” 一撃を右腕の装甲で受けつつ、浸透する衝撃に僅かに表情を歪めながらも横合いから刀身を一閃―――――】
【着弾までの僅かなラグを活かした迎撃を以て、呪われし朱を両断せんとした】

【成功したならば再度踏み込んで低空を跳躍/低い体勢から少年に接近、槍を目晦ましにしつつ右脚の脛を真横から斬り裂こうとするだろう】
【斬撃の高低差を利用した、意識の虚を突く神速の一閃―――――】

【だがその攻撃の体勢からは、“上方への退避は望めなかった”。乃ちこの戦場では、少女は、回避手段が著しく制限される筈で―――――】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 02:25:49.29 ID:opr/PSbIo
>>195
───………

【───薄暗い電灯の光る天井を眺めながら、硬い床の感触を感じながら、ラッシュは考えていた】
【何故、あの力が途中で消えたのか───グーはどうなったのか───自分は果たして、あれでよかったのか】
【確かに、仕事だからと何も言わなかったが、何も思わない様にした中で、セリーナ率いる正義の徒達が襲撃した時は、嬉しくもあった】
【…それなのに、俺は何をやっているのか】

【今頃、奴ら雇い主は逃げた所だろうか、見事に仕事は果たした───が】
【釈然としないモヤモヤ感が、胸に渦巻いていた】

【───そんな時、ラッシュのつけた眼帯からだ───その場にいない人間の声が通信で入る】
【大人を気取る少女のような声は、高圧的な態度で告げる】

《───よくやった、任務完了だ》
《金持ち共は逃げたし、報酬金はしっかりと頂く───ついでに、強請る為の武器≠烽オっかりと高画質で録画出来た》
《救援は寄越してやる、んじゃお疲れ様》

【───プッツリと途切れた通信に、ラッシュは悪態をついて、目を閉じる】
【結局は、飼い主の思う通り、掌の上だったと】

【暫くすれば、救助隊が訪れるだろう、奥まった薄暗い裏口にも関わらず、である】
【やはりそれは、やるべき事はやる≠ニいう事か───】

/お疲れ様でした
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/12(日) 02:35:27.69 ID:DsCdWSApo
>>186>>191

ハッ―――どこまで行っても奇麗事ばかり。
ああそうですねぇ、他人を踏み躙る人生の面白さなんざ、きっと"貴女"にはわからんでしょうよ。ええ。
ですがそれは何故分からないのかといえば――簡単だ、味わったことがないからですよ。

サラダやデザートしか食らうことのなかった人間が、ある日突然特A級のミート・パティを喰らう――こういうものを幸せと呼ぶのですよッ!!
貴女の冒険は!?人を踏み躙る事のない冒険ですかッ!?ハハハハハハッ!なら一度、一度でも踏みにじる事だッ!!

―――そうするときっと、戻れなくなる。私や私の仲間のように、ね。さて。

【空中に宙ぶらりんになったままの姿勢で、皐月へと言葉を飛ばすΔ――どこまでも、言葉が通じる事はない。】
【しかし――逆に言えば平行線なのは、皐月の意見が折られる事もない、という事に繋がる。】
【人を舐め腐った態度、人間として終わっている言葉の数々――しかし、それらを聞いても、皐月は曲がらない。】
【きっとそれこそがもう――ある意味でこのClosed Δという死の商人への、勝利を意味しているのかもしれない―――。】

伊織お嬢様、ってぇのがどなたか存じ上げませぇんが・・・まぁ良い、どうせここで果てる運命だ。

【再び、手の中に矢を二本――バーン・アウトとコールド・ケースを一本ずつ精製し】
【見下ろすように笑って、それらを二度目の爆撃に使用しようと、振りかぶる―――が】
【そこで思わぬ援護が入る―――出現した鋼鉄の鎖により矢は片方、叩き落とされるのだ。】
【これにより爆風はかなり小規模と化し、ダメージもかなり軽減されるハズ。そしてなによりも―――】

―――くっ・・・!何がですかねぇ?私の目に見落としがあるってんなら、精精道化、貴方が鎖を持ってた事が
想定外だった、ってくらいなもんですが――なっ!?

(―――ちぃっ、ボウガンへの攻撃指示・・・だと・・・ッ!!)
(まずいな、矢が放てなくなるのは勿論この状況――アンカーラブで天井に張り付いた今、この状況で銃を狙われたら・・・嗚呼クソッ!!)
(本当に面倒な――厄介な道化ですねぇ・・・ッ!!)

【的確な指示、さらには真空の塊による"迎撃"――この二点でシミラーへの爆撃はかなり、弱体化されてしまった。】
【心底腹立たしそうにΔは握っていた二本の矢を"消し"、次なる一手を踏み出す。】

ふ・・・ふふ・・・ッ・・・なる、ほど・・・カードのジョーカー、ポーカーの切り札・・・面白い、確かに勝負強いご様子・・・ッ!!
ですがそういう事ならば・・・ッ!!そんな大声で指示を出した以上、こっちにも丸聞こえなんですよ、道化ぇぇッ!!

【此方へと向かうミストボール、その破壊力は想像するまでもない――ボウガンを破壊されれば戦力は半減どころではない。】
【ならば―――こうする、まで。】

『アンカー・ラブ』―――"クローズ"ッ!!

【Δは天井へと張り付く為に使用していたアンカー・ラブを解除―――と、同時に急降下落下を開始ッ!!】
【これにより自身へと向かうミストボールの回避にはなんとか、ギリギリで回避を成功するが―――】
【代わりに、地面へと激しい衝突。これは―――――死んだ、か?いや―――まだ、だ。】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/12(日) 02:36:15.20 ID:DsCdWSApo
>>186>>191







――――――――――――ざッけんじゃねェェェぞこのゴミクズのファッキン・虫けら共がよォォォォォォォォォォッッ!!

【―――急変、というのか。それとも二重人格か――地面へと叩きつけられた彼が、再び起き上がったとき――】
【血を流し、脚が妙な方向へと曲がった彼は"異常"なまでに目を血走らせて――】
【先程の敬語交じりの詰りとは打って変わって、悪意だけを煮詰めた100%純粋な"邪悪"と化し、言葉を紡いだ。】

ユルユルの"股"で恥ずかしげもなく歩き回りやがってこのド腐れビッチのクソアマがァァァァ・・・・!!
テメェ[ピーーー]されてェのかァ?あぁ!?[ピーーー]して[ピーーー]して[ピーーー][ピーーー][ピーーー]してやろうかァ!?あァァ!?
このΔ様に盾突くとはフザけた連中だ、特にそこの仮面野郎ッ!!気色悪いマスクなんぞでツラ隠しやがって、人舐めるのも大概にしろッ!!
テメェのそのきったねぇツラも[ピーーー]して[ピーーー]してから[ピーーー]してやってもう二度と人前じゃ歩けねえ様に顔面[ピーーー]してやるからなァ!?

良いか全員ただじゃおかねぇ・・・ッ!!この俺様に歯向かうってコトはどういう事を意味してんのか――とくと、味わいやがれッ!!

『選択肢は無限大――――"インディヴィデュアル"』ッ!!

【吐き出される言葉はどれもコレも、あまりに汚く、そして醜い――この世の悪を詰め込んで詰め込んで、それでもってぶちまけたかのような様相】
【Δ、第二段階――狂悪モード。次に彼が用意した"矢"は――両手に、なんと5本ずつ。】
【一斉に大量展開し、すばやくボウガンにセット、セット、セット、発射、発射、発射――――ッ!!】
【空中めがけ放たれたそれら5本の"インディヴィデュアル"は中空でなんと、"分裂"――――ッ!!】

ついでにコイツもだぁぁッ!!『支配の影――――"グランド・アビリティ"ッ!!』

【さらにもう一本、別の矢を自身から少し離れた位置へと投擲、するとどうだろう――矢の到達点から強烈な"引力"が働く。】
【それに合わせて中空の矢は凄まじい勢いで"落下" "落下" "落下"――――ッ!!】

【まさに降り注ぐ矢の"雨"となり―――いや、待て。】

【これがその場にいるシミラー・ひいては皐月に対する攻撃だけであったのならばよかったが――】

【此処には"檻"に入った人々がまだ逃げ遅れて存在している、まさか彼らすらも――攻撃のターゲット、だというのか・・・!】
【檻は鉄で出来ているが"隙間"が多い、上空から無数の矢が降りそそけば中に捉えられている人々すらも巻き込まれる――ッ!!】


ヒヒ―――ヒヒヒッハハハハハハハハハァ!!ヒャッハハハハハハハハハァ!!オラどうした正義の味方さんよォ!!
マーヴェル・コミックスだかDCコミックスだかしらねえが、漫画の中から飛び出してきたようなカッチョイイ台詞だけ吐く割には
俺様に"人質"がいるってェコトを忘れちゃいねえか!?あァ!?ヒャハハハハハアハハハハハハハハッァツ!!

さあ―――救うか、それとも避けるか。どうしましょうねぇ?"ヒーロー"さんたちよォッ!!
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 02:37:32.54 ID:wYYdpLdho
>>199

【程なくしてグーは霞んだ視界も閉ざし意識を手放した】
【敵地の最中、瀕死のまま眠るなど命を捨てるような真似であると】
【グーも認識していたが……許容値を遥かに超えた疲労は】
【そのような現実など塗り潰し、急速に睡魔を誘い意識を連れて行ってしまった】

【さら……と、何処からともなく砂が零れた】
【戦闘中に脆くなったのか、天井や壁から細かい粒子がグーの身体に落ちてくる】

【否、今の戦闘で両者は天井を壊すような動きはしたであろうか】
【ただの砂が"生き物のように"勝手に動く事などあるだろうか】
【壁の隙間や床を伝って夥しい量の砂が】
【さながら蟻の群れのようにグーに向かい集まっていき……】



【救助隊が到着したとき、そこに獣人の姿はなかった】
【代わりに無数の砂粒が廊下に残っていたが】
【戦闘の際に散らばった物だろうと、誰も気に止めることはなかった】


【ラッシュ・ワンスドッグvsグー・ゲルギル】
【勝者――ラッシュ・ワンスドッグ】

/深夜までお疲れ様でしたー!
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/12(日) 02:38:52.68 ID:bftnxunPo
>>197
【狙いは完全に逸れていたとはいえ、まるで怯みもしない】
【やはり、強い。自分より、はるかに。先の一撃とて、殺害も厭わず放ったものだというのに】
【これが、D.R.U.G.Sの精鋭か。これが、マフィアの底力か】

【刀が振るわれる。しかし、転倒が思わぬ形で、吉と出た】
【彼女が、初めてさらした明確な隙。下段から突き出したナイフが、確かな手ごたえを伝えてくる。だが】

うっ……!?

【女性のものとは思えぬ、咆哮。至近距離でそれを浴びて、ここにきて竦み上がってしまった】
【ナイフは、確かに右腕を裂いた。しかし、それ以上の追撃はならなかった】
【女性の動きに合わせて、ナイフが引き抜かれる。滴る、赤い血】

【鮮血が、幻を通り過ぎてゆく。腕が垂れ下がっている。あれだけの小細工を弄しながら】
【相手に明確なダメージを与えたのは、皮肉にもただのナイフだった】

【しかし、まだ自分をねめつける、その姿。いささかも戦意は衰えていない】
【それを認識した瞬間。左肩を中心に、全身が痛みに支配された】

ぐっ……う……

【限界だった。肉体も、精神も。右手のナイフが、滑り落ち、地面に当たって音を立てる】
【そのまま、ゆっくりと上半身が後ろに倒れる。後は、左肩をかばって荒い息をつくばかり】

【勝敗は、決した。後は、とどめをさすも放置するも。女性の判断にゆだねられることになるだろう】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/12(日) 02:42:38.55 ID:yq3kP6as0
>>198

オイオイお前みたいな今≠オか生きてねぇようなジャンキーと一緒にすんなや!
確かに俺は戦いが大好きだが―――それはあくまで俺の目的の為の手段として………だ。

相手を斬り捨てる事それ自体に意義を見出しているお前みてーな鬼とは訳が違う、ただ戦う≠セけってのは楽だなオイ!

【槍を投擲しながら相手に向かって毒を吐くが―――直後に相手が自身の放った槍を斬り捨てて高速で接近してくる】
【ッチ!っと一度舌打ちすると投擲の際に踏み込んだ右脚をもう一度力強く打ち付けて強引に回転しつつ後方へと飛び退く】
【だがやはり完全には回避しきれず、右脚からは血が伝う………。】

ッチ………だがそれ故に強い、か。
このベルセルクが………このままやりあうのは不利だな………貯蔵≠ェ満ちている状態でないと五分には持ちこめないか…?

認めてやるよ、その力………だがそれだけじゃいつまでたっても追いつけない≠コ………?

ま、そんな訳だ、何をしているかわからねーが精々頑張るこったな………俺は散歩≠ナこれ以上斬り合うのは御免だぜ。
それにお前には適任≠ェいるだろうしな………んじゃなー狂剣=c……カカッ!

【それだけ言うと踵を返し―――最初と同じように軽い調子で右手をヒラヒラと上げ………そして森林の闇へと消えていく】
【あまりにも潔い撤退………再び森には静寂が訪れる………足元を見れば、清らかな水の流れに黒みがかった血液が広がっていた。】

//それでは夜も遅いのでこの辺りで、お疲れ様でしたー
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 03:12:04.71 ID:/XzMpanGo
>>203

クッ……フゥ……フゥウウ……ハア……

【ゆっくりと、そして力強く痛みをころしながら立っている】
【そして、一歩ずつそちらに歩んでいく】
【眼前で立ち止まって、相手を力強く目を向ける】

ハァ……ハァ……ハア………

【左手の刀を振り上げ、それを勢い良く――――】

―――…………ステージ付近に従業員用の昇降機があります…
脱出する際は…ときは……そちらを推奨します……

【ビュン、と刀の先をステージヘと向ける】
【冷静を取り繕っているが痛みが溢れ出すような声。】
【それでも何とか敬語を使うところは彼女の性格なんだろうか】

……セリーナさんに宜しく…と、霧崎が申していたと…お伝え下さい…

【刀をだらりと降ろして、ぶっきらぼうにそう言うと刀を鞘に収めた】
【そして、ゆっくり…腕を押さえながら、先ほど投げ捨てられた刀の方へと向かっていき】
【それを拾い上げて、一歩ずつ。それを握って、どこかへ歩いて行こうとしている】
【鞘を拾わなかったのは、それほど余裕がなかったと言うことなのだろう】


【――防衛側―――――D.R.U.G.S.:霧崎舞衣 負傷により撤退】


/と、このようなところでシメでしょうか?お疲れ様でした!
/私の遅レス乱文にお付き合いいただきありがとうございます。
/先の絡みの返信は少し休憩してから後、書かせて頂きます
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 03:15:46.90 ID:U82d34N50
>>200
ああ……充分です、私はそのような物は知らなくていい

人を踏み躙ることで得られる幸せは、特上の肉ではなく麻薬のようなもの……その味は、必ずどこかで自分を滅ぼすのです
しかし、不思議なことに、麻薬中毒患者の中でそのことに気付かない人は多い……
本当に美味しい物は愛情を込めて作った料理であって、決して麻薬による恍惚ではないんですよ

【もういい、もういいだろう……普通の人ならもう口を閉ざすであろう状況でも、皐月は話すのを止めない】
【信念も。思想も。恐らく相容れることは無い二人の、終わらない論戦】
【……さあ、決着を付けなければ】



さあ、終わらせましょう……私の大事な愛娘が家で待っているのです
早く囚われた人々を開放しなければなりません……!
あちらさんの「ジョーカー」は切られたのですから、此方も切り札を出さなければ…ね

【空中でミストボールを放った次の瞬間、”薫風”は皐月の所へ舞い戻った】


【そして、またあの五月の風が吹いたと思えば―――次の瞬間、そこに立っていたのは鎧をまとった皐月】

【彼女の士であり友である彼女の化身と自身が融合した、彼女の切り札というべき姿】
【鎧を纏った彼女の周りには旋風が吹き荒れて……その風の主は訊ねるまでも無いだろう】

……さあ、行きますよ……!

【ミストボールを避けるために落下したのは、果たして切り札を切った彼女にとってはさらに都合が良くて】
【足に風を纏い、疾風の如く敵へと接近……次の瞬間、落下したΔを襲うのは鎌鼬を伴う暴風】
【自身が暴風の中心となることで敵へ接近し、最大風力で敵の身体を蹂躙せんとする、正に切り札】

【もし落下した際にボウガンも剥き出しなら、きっとそのボウガンも鎌鼬の餌食となるだろう】
【暴風吹き荒れるのは彼女の周囲なので、離れれば対処も出来なくはないが……果たして?】
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 03:17:16.39 ID:U82d34N50
>>206
//ひゃあ、>>201を見落としてました……書き直してきますゆえもうしばしお待ちを……
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 03:41:46.08 ID:U82d34N50
>>200
ああ……充分です、私はそのような物は知らなくていい

人を踏み躙ることで得られる幸せは、特上の肉ではなく麻薬のようなもの……その味は、必ずどこかで自分を滅ぼすのです
しかし、不思議なことに、麻薬中毒患者の中でそのことに気付かない人は多い……
本当に美味しい物は愛情を込めて作った料理であって、決して麻薬による恍惚ではないんですよ

【もういい、もういいだろう……普通の人ならもう口を閉ざすであろう状況でも、皐月は話すのを止めない】
【信念も。思想も。恐らく相容れることは無い二人の、終わらない論戦】
【……さあ、決着を付けなければ】


>>201

【――――次の瞬間】




【そこにあったのは、先程の男の姿ではない――正に『醜悪』と言うべき人物の姿】

【その言葉はあまりに汚く、あまりに幼稚で、あまりにも醜かった……】
【もう言論を挟む余地はない……これはもう、ダメだ……】

……ッ!!
………

【もう先程までの、諭すような皐月の姿はなく……代わりにそこにいたのは、一人の人間としての皐月】
【あの罵詈雑言にはもう返す言葉は無かったようで……代わりに強くなったのはその眼光】
【それはもう、彼女を知っている人が見れば、こんな顔今まで見たことが無いと言うほどに】

【そして、彼から発せられたのは―――無数の矢】
【矢の雨と言う表現が相応しいほどに、無数の矢は一斉に降り注ぐ】
【しかも、落下の際にどんどん加速しているようで……これでは囚われた人々が危ない!】

……!!
「マスター!!」

【そして……その矢のうち一本が、彼女の方を貫く!】
【この状況を察知した次の瞬間”薫風”は皐月の所へ舞い戻った】
【……が、この傷はなかなか深くて……痛みが確実に皐月の脳を支配する】

……ガアッ……!!

【呻き声をあげ、苦しむ皐月だが……悶えている場合ではない!このままでは、囚われた人々が!】

……ああ、仕方ないですね……
私も、「切り札」を出す時が来たようです……
ああ、早く終わらせて愛娘の所へ帰らねばならないですね……!

【そして、またあの五月の風が吹いたと思えば―――次の瞬間、そこに立っていたのは鎧をまとった皐月】

【彼女の士であり友である彼女の化身と自身が融合した、彼女の切り札というべき姿】
【鎧を纏った彼女の周りには旋風が吹き荒れて……その風の主は訊ねるまでも無いだろう】

【そして、矢の落下してくる上空へと、直撃覚悟で飛び上がれば……】

……さあ、行きますよ……!
『荒れ狂う嵐の女皇――Empress of tempest』

【吹き荒れる暴風!鎌鼬を伴うその大嵐は、彼女の周囲一帯を襲い――あるものは矢を吹き飛ばし、あるものは矢を切り裂く】
【そして―――この暴風は同時にかの悪逆非道の商人も襲うことになるが、回避はするのだろうか?】
【ただ一つ言えることは……この状態がもう1分もすれば、彼女は疲れ果ててしまうということ】

//すみません、本当にお待たせいたしました……!
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/12(日) 03:43:58.30 ID:bftnxunPo
>>205
【その動きは遅く、しかし確かな力がこもっていた】
【彼女は、まぎれもない戦士だ。自分を見下ろすその瞳。なんて、きれいなんだろう】
【死を目前にして、そんなことを思ってしまう】

【振りあげられる刀。いよいよ、最期の時か】
【ゆっくりと、目を閉じてその瞬間を待とうとして……しかし、切っ先は空を切った】

……え?

【思わず、間抜け極まる声音と表情で、聞き返してしまう】
【刀の向く先を目で追う。痛みが現れてはいるが、丁寧な言葉遣い】
【ああ、そういえば、初めて声を聞いたな。さっきから、状況にそぐわない思考ばかりしてしまう】

あ、ありがとう、ございます……

へ、あ、わ、わかりました。きっと、伝えます……


【彼女のぶっきらぼうな言葉。刀が鞘に収まる音。理解できたのは、命拾いをした、ということ】
【思わず、安堵の息をついてしまう。自分から戦いに志願しておいて、情けないことだが】

【去りゆく彼女の背中へ、とぎれとぎれに返事をすれば。後は、一気に身体の力が抜けた】

(……今回も。僕は、無力だった、な……)

【安堵の中に、悔しさも滲ませて。撤退していく彼女の後姿を、見送った】


/遅くまでありがとうございました! こちらこそ、稚拙なロールにお付き合いいただき、感謝です!
/了解です、お願いいたします! お疲れさまでした!
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/12(日) 03:58:58.27 ID:02V6JSuX0
>>204

(…………ッ!――――――――――)

【戦って―――――――戦うだけで “果たせる” のか、誰も彼もを救えると願った、あまりにも儚いその結末を。】
【……“もう二度と零さない”、“そのために、……、―――――――――――”】
【願いは何一つとして変わらずに。勝利することで、“それ” を掴み取れると願い続けたがゆえの冷たく透徹させた思考――――】
【其れはその筈の精神だった。動揺など、捨てた、筈の心だった。】
【ならば反射的に浮かび上がる児戯めいた反論を述べることはない。抑え込む。ただ自らを意義に特化させ、神速の剣でだけあり続けた。】

【その斬撃は僅かに脚を捉えつつも生じる若干の隙により少女の追撃を封じ込め、】
【撤退を許して闇を見遣れば、知らずのうちに力なく言葉は零れて、】

……狂っている、か……。

………私は……“人” だ。“人” のまま、人として、このまま貴方達を打ち倒してみせる―――――。

【まるで自分に言い聞かせる様に。翳りを、封じ込めるための響きを紡ぐのだろう】

(……追いつけないなら、追いつけるくらいに強くなってみせるわ)
(そのためにあるこの生き方を、誓って、私は求めるのだから――――)

【眼を瞑り/太刀は黄金の焔とともに再び虚空に還り/歩き出す、】

(……適任=c…?)

【思い当たる者のないその存在は新たな懸念要素に加えつつ―――― ……散歩=B】
【あまりにも潔かった撤退の足音に、それだけの意味しかなかったのだと思い知らされる。】
【戦闘自体は有利に終えられようと、真の意味で勝利する事は能わず】

【カノッサ機関に対する敵性の行動―――― 彼に知られる訳に行かなかった其れは、或る意味では望み通りに隠蔽されて】
【“だが、それだけだった”。少年からかの六罪王に到達するための手掛りを得ることも、彼らの戦力を削ぐ事も叶わない。】
【流された血が穢れのようだった。夜は、小さな戦いの予感だけを残して終わった。】

/お疲れ様でしたっ
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/12(日) 04:19:07.90 ID:AdWFUwmwo
>>200->>201
(なるほど、やはり気付いてくれたか―)

【やはり、図星だ―でなければ命綱を手放してボウガンを守るという、酔狂な選択などしない】
【丸聞こえになるように叫んだのだ、でなければわざわざこんな大声で言うはずなど無い】
【しかし、ボウガンからアンカーをはずして落ちるとは―これで終わりか...】
【といわけではない、悪人ほどよく生き延びるというがまさにこの状況】

【そして、獣を見た】
【高級の時計を持ち、人を嬲り、ひたすらに悪趣味だが、高貴さをもっていた勝ち組の男は】
【いまや、ただの理性が崩壊した、そう、まさに生物の原初とも言うべき『本能』をぶちまけていた】
【そう、この世で一番厄介なものといっても過言ではないだろう、それはなにか?】


―それは、逃げ道がなくなり、自暴自棄と化した鼠だ

【両手に五本、あわせて10本、まさに狂気の沙汰】

くっ!普通こんなに矢を出せば消耗くらいはするはず―

【その時、中空に放たれた矢は、まるで花火のように分裂し】
【上空にたどり着き、そして、勢いを得た鉄の矢は、銀色の流星にへと―】
【そのなかには、自分ももちろん、そしてなにより―獣人】
【鎖などでつながれていればまだ救いようがあったかもしれないが、鎖にすら繋がれていなければ】
【もはや鉄の檻をカバーすることもできない、まさに―詰み、チェックメイト】

【しかし、その時、神風が吹いた】
【鉄の流星は、女皇の無慈悲な風によって防がれたのだ―】

今だ……これが最後のチャンス(機会)・・・!

【道化師はやられた自警団員の手から離れていた麻酔銃を回収し―】
【先ほどの爆発でやられた痛みを堪え、そして鎖を振り回し、勢いをつけながら】
【吹き荒れる暴風を利用して、疾く男のほうにへと駆け、そして、勢いをつけた鎖を、足元にへと振るった】

(少しでも...少しでも隙を見せろ―)
(そうすれば、この麻酔銃で使える、もう一枚のジョーカーが切れる……!)
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/12(日) 06:06:06.34 ID:DsCdWSApo
>>208>>211

ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハッ!!
どいつもこいつもゴミ同然の命だッ!!俺様たちが値踏みしてやってようやっとそこに価値が芽生えるッ!!
さあ――こっからがパーティの――本番、だぁぁぁぁあぁぁァァッ!!


【降り注ぐは無数の矢、そしてそこには二人の戦士、さらにはとらわれた人々――まさに悪逆の限りを尽くした攻撃。】
【言葉はもう、こうなってしまっては届かない。いや、言葉どころかこんな醜悪な人間になにが届くというのか――否。】
【確かに、こんな中でも届くものが確かに―――存在した。】


【――――風。そう、風だ。】
【風はどんなときも強く、そして逞しく、誰の上にも平等に吹き荒れる――ッ!!】
【それはこの悪魔とて代わらず、そして彼ら――捕らわれていたものたちも同じッ!!】
【皐月の放った最後の一撃、"切り札"の攻撃は"女皇"の名に相応しい、まさに神の風――ッ!!】
【吹き荒れる暴風が全てを襲い、商人も、そして檻すらも破壊し――矢など、とうに容易く、吹き飛ばした――ッ!!】

【そして更に言えば、この状況により―――自由になった"獣人"達が一斉に飛び出し】
【攻撃――デルタへと、向かい】

「――――貴様など、食い殺してくれる・・・ッ!!」

「よく、も・・・よくも、やってくれたなぁぁぁぁぁッ!!」

(ふ―――ふざけんなァァッ!!な、なんだこの状況は――ーお、俺様が――追い詰められて、いやがるだと・・・!?)
――――ああああああッ!!クソッ!!クソックソックソクソックソクソッ!!

【手にしたボウガン、現れる矢。強烈な威力を誇るそれらで次々と、獣人達を打ち抜いていくがそれゆえに】
【近づいていた"シミラー"には、まるで対応など出来ない―――】


くっ――――ガァァァァッ!!

【鎖が、脚に―――絡みついた。】

/最後の最後で申し訳ない。
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 12:48:31.53 ID:U82d34N50
>>212



―――今、何と言いました………?


【吹き荒れる暴風の中、どうしても、何としても許しがたい言葉が皐月の耳に入ってしまった―――】


ゴミ同前の命………?値踏みしてようやく価値が生まれる………?

―――いい加減にしなさいよ、命の尊厳も知らぬ外道……!

命は!他人の尺度を押し付けられて価値を決定されるものではないのです!
命の価値を他人が決めることなんかできない……ましてや値踏みなんて、以ての外……

命なんて!あなたにゴミ同前と吐き捨てられるほど軽くはない……!
価値を決めるのは、自分自身です!


【命の価値なんて他人が決められるほど小さな物ではなく、しかも千差万別】
【自分の人生の価値なんて、自分の価値観で主観的にしか決められないもの】

【他人が決める自分の価値なんて相対的なものは、立場や視点が違えば変わってしまう意味の無い物】
【貧富の差や人種の違いを命の重さと勘違いしているのは人間のエゴで、命からはそんな差はついちゃいない】
【自然の立場から見て、全ての命は平等に姿かたちを変えて生命の大循環の役目を果たしているのだ】

【それを分からないような人間に―――こんな行為を許すわけにはいかない!!】



【残り時間は少ない……力を解放できる時間はもう一分も無い】

【破壊された檻から飛び出した人々が次々と飛び出て、自分を人とも見なかった商人を襲う!】
【次々と飛び掛かってくる因果応報とも言うべき攻撃に、かの商人は必死で応じるが―――】
【―――それゆえ、もう一人の攻撃に気付いていなかった!! 鎖が足に絡みついて、男の動きは封じられた!】


―――さあ!終わりにしましょう!
命の価値を知らないあなたに、人を値踏みする権利など無い!!


【今こそこの気分が悪くなるような悪夢に決着をつける時!】
【最後の力を振り絞り突風のように猛然と動きを封じられたΔへ突撃すれば―――】


―――命の重み、思い知りなさい……!


【皐月の足元を渦巻く風が一層強くなり、その様はまるで竜巻の化身―――】
【近づくことが出来たなら、至近距離から放たれる風の力を借りた蹴りが商人の顎を目掛けて襲い掛かる!】
【その蹴りは虐げられた命の叫びを代弁するかのごとく、炸裂すれば轟音を伴い商人の顎を砕く必殺の一撃となるだろう】

//いえいえ、こちらこそ遅れて申し訳ありませんでした……!
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/12(日) 13:32:41.69 ID:AdWFUwmwo
>>212->>213
すばらしい―

【声を、気付かずに漏らしていた―】
【牢獄という地獄すら打ち破り、絶望を切り崩した、女皇の風を】
【奇跡を作り出した風、さぁ、それに乗る手段はない】
【この男を叩き落そう、そう、弱者に!】


そのどいつもこいつもゴミ同然……
いやぁ、貴方は幸せだ!その言葉の意味すら
考えられなくなるとは!

今の貴方は、獣より......醜い―
そのどいつもこいつもには、『貴方自身』がとてもお似合い!

【そう、まさにここに囚われ、売りさばかれようとした獣人よりも】
【この男の命の『価値』は低いだろう】
【土壇場で追い詰められ、醜悪さを曝け出し、ましてや弱者に反抗すらされる】
【今のこの男の価値はいくらだ?子供の玩具と変わらないくらいの、大した値段ではない】

さぁ、対価を払う時ですよ―
大丈夫!あなた自身が弱者になるだけ!あんなに嬲ってきたのですから
弱者になる覚悟はおありですよね!

【道化には正義も悪もないのだろうか】
【ただ、弱者に落ち、道化を見るものから、道化をする者に転落する者を見て、歓喜に浸っているのだろうか】

【道化師は、最後に回収した麻酔銃を手に取り―】

【思い浮かべろ、記憶から引きずり出せ】
【正義の銃の使い手を―獣を射抜いた魔銃使いの動きを―】
【『真似ろ』―筋肉も、動きも、バランスも、ありとあらゆる物を―】

【マスクの右目が、妖しく輝き、輝きは記憶となり、あらゆる神経を巡る】
【構えられた銃の動き、それは先ほど剣を使ったあの素人の動きではなく】
【まさに長年、銃を自身の半身として使いこなしてきた玄人の動き】
【引き金は引かれ、意識を[ピーーー]銃弾は、まるで醜い獣を曝け出した、男の頭にへと吸い込まれるように向かっていく】

//遅くなってすいません...
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 13:47:40.89 ID:/XzMpanGo
>>122

ホント、これしか知らないからさ。しょうが無いんだよ

【煙草の成分と会話をすることによってだいぶ平静を保てるようになってきた】
【走ってきた時よりかなり、落ち着いたようで、辺りを必至に見回すことも無くなった】

俺は生まれてこの方、玉乗りしか知らないピエロってなもんだ
それしか知らないなら、それで食ってくしか無い。他に利口なものがあったとしてもな
…この枠で生きてる限り、何するんでも大衆相手になるのは仕方ないよ…人が多すぎるんだから

境界線が無いと立てないだろう?俺はどうでもいいけど…まあ、元々はあいつらが勝手に引いたもんだから
俺が意味をなしてなくても関係なんだろよ…

【世の中ってのは小狭いね。煙草の煙とともに吐き捨てるように言う】

アンタで下っ端なら、お上はもっとデカイのか?……冗談だよ
リスクばかりで大変だろうよ、その苦労はわからんが

へえ……なら、上下ぐらいキチッとした方がいいよ。組織の長持ちの秘訣だ
自分勝手の一人ぐらいは面白くていいが、二人いると厄介だからよ

……そうかい?殺される相手を選べるのなら、俺は美人がいいね
機関が俺にヒットマンよこすならそういう相手を選んでくれよな、じゃないと死なんぞ、俺は

【ニイっと笑って、相手を見る。カノッサだろうと、なんだろうとこの姿勢は崩さないらしい】
【機関に対して怒ることも媚びることも無く、全て平等に茶化したような感じだ】
【お尋ね者にしてはよく喋る男は、逆に本質を逸らすための行動なんだろうか】

ああ、そろそろ俺も動くとするよ、相手の腕を調べてやらんとな
とっ捕まったらとっ捕まったでそれもまた運命だよ

…赤目のお尋ね者、チンザノ=ロッソを宜しく

【男が去って行く背に向かって、ピストルを持った手を持ったまま振る】
【見送った後、男はまたサングラスをかけ直して】
【路地裏に長くいると明るすぎる、大通りに向かって歩き出した】

/遅くなってしまい。そして長引かせてしまって申し訳ありませんでした
/機関の方とは初遭遇でしたのでとてもよい思い出になりました
/またの機会があればよろしくお願いします
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/12(日) 15:05:06.32 ID:DsCdWSApo
>>213-214

【―――命に、価値などない。】
【仮にもそんなものがあるとするならば、それはこの苦しい世に生きる誰もが、生き抜いて生き抜いて】
【その先に自身で"勝ち取る"ものである―――他人の定規でそれを測ることなど、在っていいはずがない。】
【ましてそれを――クズ紙同然だと言ってのけるなど、言語道断。】

【―――尊い、重い。そんな言葉は"聞きなれて"陳腐に聞こえるかもしれない。だが――】
【なぜ、そんな言葉が聞きなれているのか。それは間違いを犯す者が多いこの世の中で、"指針"になる正義が必要だからだ。】
【誰も彼もが、腐りきっているわけではない。だからこそ、懸命に生きる生命を"守る"為に――人はみな、悲しみを知って尚こう言う。】

【――――――"生きている事は、尊い"と。】

は、ハハハハッ・・・まるでドラマに出てくるシェリフ<保安官>だなァァッ・・・!!ええ、オイ"マスター"さんよォォ・・・ッ!!
俺様はなァ、テメェみたいな"綺麗"な人間が大嫌いだ――・・・!!正しく生きようとするヤツなんてのはァ、便器に浮かんだ流し損ないのクソ"同然"だッ!!
テメェの言葉が―――テメェの正義が、どんなに、どんなに俺を否定しようと――け、ヒヒヒヒッ!!

―――"力じゃァ、俺には、勝てねぇ"!!

【――凶矢に倒れた一人の"奴隷"――いや、今は自由の身となった存在だが】
【その男の一人に、あろうことかΔは―――手に出現させた"矢"を突き立てるッ―――!!】
【そう、彼が"拘束されて"いるのはあくまで、脚のみ――肝心の腕はまだ、まだ、動いている――ッ!!】
【矢が胸元を貫き、男が苦しそうに呻き声を上げる――Δは叫んだ。】


――――ジャァァァスイティス!!正義!!そんなもんは俺の前じゃ何の意味も成さないッ!!無力だ、そいつがテメェの弱点だッ!!
――――良いかぁ?アバズレ、緩い"アソコ"と1セントの価値もねぇカラッポの脳みそでよう〜く理解しろッ!!
――――俺様がそのきになりゃあと百本でも千本でもこの男の身体を貫き続けることが出来る・・・そうなりゃ傷つくのは二人だッ!!

このくだらねぇゴミクズ、そしてそんなカス野郎に肩入れしちまってる"アバズレ"――てめぇら二人だァァァッ!!
人質なんてヤワなもんじゃねぇぜ、こいつはもう"人"でもなんでもねぇ"ダスト"だからなァァッ!
DUST TO DUDT<ゴミはゴミ箱へ>だッ!!ヘヘヘヘハハハハァァッ!!

【――この期に及んで。まだ、諦めるつもりのないデルタ――その手に握られる悪魔の選択。】
【これで戦意を削るつもりなのは間違いない、何とも――どこまでも、腐りきった思考。】
【だが――彼は大事な事を忘れていた。そう――彼は確かに言った、"二人"と。】

【―――ここにもう一人、忘れてはいけない肝心な―――"ジョーカー"が存在していた。】

217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/12(日) 15:05:30.73 ID:DsCdWSApo
>>213-214


【その動きはまさに、歴戦の勇士――多くの銃使い<ガン・スリンガー>の模倣にして完璧な"再現"】
【そして恐らくは、ついこの前にも相対したあの"ガンマン"の動きすらも――その構えの中には、見えて。】
【エイム、セーフティ解除、照準が確かに、高笑いするΔの頭部へと付けられ、そして――――】

――――が、あああああッ・・・・?

【――弱者。人を見下し、弱きを砕くまさに邪悪――そう、真の意味での弱者は、この商人なのかもしれない。】

【何故ならば―――悪は絶対に、"栄え"続ける事がないからだ。】

【――――ヘッド・ショット。発射された麻酔銃の針は性格にこめかみを抉り―――Δの神経を奪う。と、同時―――】
【握っていた矢が手から離れ――完全なる大きな、隙を生み出し―――――】

(よ、よせ・・・ちがう、ちがう・・・ちがう、おれは、おれさまはァァ・・・・!!)

じゃ、弱者だと・・・!?ま、待て、お、おれに―――か、覚悟はないッ!まて、まてよ嬢ちゃん落ち着けッ!

(か、――――からだ、が―――痺れ―――麻酔か・・・・この、クソッタレのファッキン・[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]野郎が・・・・!!)

こ、こうしようぜ――と、取引だッ!!全員奴隷共のゴミはか、解放してやる、だから――あ、あああ、ああああああああああああッ!!


【――――麻酔により意識が奪われていく。手が振るえ、ボウガンが取り落とされた。】
【一陣の風がとうとう、彼へと殺到し、そして――――余りに重く、そして"力強い"皐月の一撃が】
【Δの顎を性格に、打ち抜き――――ダウン。】

【―――弾末魔の叫びをあげながら、彼は――倒れ伏した。】


【――――静寂が訪れるだろうか。否、そんな事はなかった――周囲を見渡すといい。】
【次々に"売人"と"観客"達は捕らえられ、檻は一斉に解き放たれていく。】
【逃げ出した人々や魔獣が暴れ周り、もはやアリーナのオークションは完全に――――"崩壊"していた。】


【―――彼方此方から、歓声が上がった。恐らくは、最期の一人であった"売人"――この邪悪な密売の主催、Δが打ち砕かれた事で】

【―――悪夢に、幕が下りたのだった。】
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/05/12(日) 15:05:50.08 ID:DsCdWSApo
>>ALL

『―――っと、これで最期の一人、かなッ!!ありゃ―――もしかしてコイツ、例の"三角形"さんかな・・・?』
『裏じゃ結構名前が知れた商人だったけど――どうやら、"お二人"さんのおかげでノック・ダウンしたみたいだね。あっははは!』

『こんばんわ、久しぶりだねシミラーッ!さっきのラスト・ショット、サイッコーにクールだったよ。あれってアタシの構えに似てたけど――見よう見まね?』
『だとしたらすっごいね、アタシあれを身に着けるまでホント、長かったのに。今度一緒にサバイバルゲームでもしてみない?良い線言ってると思うよ!』

『それから――そっちの"おねーさん"、さっきの啖呵、アタシ胸を打たれちゃったよ。それに良い"ハイキック"だったね、スカっとしちゃった!』
『――アタシの名前はセリーナ、セリーナ・ザ・"キッド"、よろしくねおねーさん!』

【戦闘を終えた二人の下に、大量の縄で悪人どもを捕まえて――馬で引きずり回しながら、現れた一人の女ガンマン】
【彼女こそこのオークションの情報を嗅ぎ付け、襲撃を企画した張本人にしてUTのリーダーだ。】
【どうやら此方のΔではなく他の悪人や彼らの逃走手段である高級車両を破壊して回っていたようだが――馬から下りて、挨拶。】
【テンガロン・ハットを取り去り、倒れたΔへと駆け寄って――彼の手にも手錠を嵌め。縄で素早く、縛り上げると】
【白馬へと繋ぎとめ、再びその瀬に跨った。】

『さて――協力してくれてありがとう!どうやら主催の大バカさんもとッ捕まえた事だし――これで、終わりみたいだね。』
『ほら、胸を張って!みんな――こっちを見てるよ。』
『――みんなのおかげで、なんとかなったからさ。』

【――歓声はこの場にいた、全ての戦士達にむけられていた。】
【今宵、確かに此処に集った正義を胸に抱く"士"達は――邪悪に打ち勝ち、勝利を収め、そして失われる命を救ったのだ。】
【白馬に跨った彼女は帽子を振り上げながら、颯爽と――"出口"へと去っていくだろう。】

【残るのは大きな歓声と、そして二人に駆け寄る自警団員達だ。応急処置班などが殺到してくる筈だ。ともかく―――】
【これで、戦闘は終わり。この悪の宴は崩壊したのだった。】

【後日、作戦に参加した"戦友"達には地の国政府より謝礼金とそして"勲章"が与えられた。】
【地の国、この温暖な土地に芽吹いた悪を葬った彼らに対し、国の人々は賞賛を捧げたという――。】

【――あのΔはといえば。地の国中央にある政府直属の監獄、"ジェラルゴ"に幽閉されたそうだ。】
【しかし、隣の牢に入った囚人達はみな声をそろえてこう言ったという。】

【―――"アイツは何かが可笑しい。多分、このままじゃすまないはずだ"――と。】

/長くなりましたが、以上でイベント終了となりますっ・・・!
火を跨ぐほどの激戦になるとは思いませんでした、楽しんでいただけたら幸いです!
本当に長い間、付き合いいただき申し訳ありません&ありがとうございましたー!!
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 17:56:04.11 ID:U82d34N50
>>216-218

――――

【確かに頭を打ち据えた感触があった……】
【それは、恐らく意識を飛ばすのに十分すぎる一撃だっただろう】

【―――そして。最後の蹴りが入ったと同時に暴風は止み、皐月の鎧は解かれた】
【何とか斃しはしたが、彼女自身もきっと限界が近かったのだろう……立っているのがやっとの状態で】

【それでも皐月は、今まで男が吐いた全ての台詞を、もう一度考え直してみた】
【いつもと同じく、汚れに塗れた修飾の言葉などは考慮せず、本質だけを見据えて―――】


【―――私の正義は何か。】
【正義とは何だ。何を以って正しいと胸を張って言えるのか】

【私は自然学者として、ある時は儚く消え、ある時は生きるために勇壮に戦い散ってゆく、数多の生き物の命を見据えて来た―――】
【自然界ですら、食べる側と食べられる側の連続で、一つの命を永らえるために一つの命が食べられてしまうところを幾度となく見て来た】
【……しかし。どれ一つとして、無駄と言えるものがあっただろうか……否。小さな虫に至るまで、数多の命は「生きている」その一点ですら意味があった】
【ならば……自ずと自分が正しい事は地球が証明してくれている。命は多かれ少なかれ相対的ではなく、絶対的に意味があると】


【……そして人間。】
【人間は相対的な価値を大事にしたがり、気にかけているのだが……果たしてそれは正しいのだろうか】
【……否、それも違う。先程彼は囚われていた人をゴミ同然の人生と言っていたが、それを決めるのはあくまで自分自身だ】
【確かにここへ奴隷として連れてこられたのは不運だったが、解放された後はどうだ……?それは彼自身しか分からない】
【結局自分の人生の価値なんて死ぬ時に初めて気づくもので、人生が終わるときまでどうなるかは分からない】
【だから―――きっと、少なくとも他人にゴミ同然と決めつけられるべき命も、無い】

【―――大丈夫、誰に何と言われようとも自分は正しいと自信を持って言える。私の正義は無力ではないと胸を張って叫る!】

―――大丈夫です、私は貴方に何と言われようとも折れません
私が正しいということに、自信を持っているから……!

【消耗した体でフラフラと、しかしはっきりと自信をもって立ち上がり、揺るがぬ瞳で前を見据えれば……】
【ああ、聞こえる……歓声がはっきりと聞こえる……私たちの勝利を、歓迎してくれている……】
【……やはり間違っていなかった。この歓声がそのことを証明してくれている……!】
【フッといつもの皐月の微笑みが顔に戻り、一陣のそよ風が穏やかな表情に戻った皐月の髪を揺らす】

【……と、そこに現れたのは西部劇を思わせるブロンドの若い女性―――そう、この人こそが今回の戦いを打ち出した人物である】
【彼女も彼女で逃走手段である高級車両を破壊して回っていたようで、恐らくとらえた悪人の数もおびただしいのだろう】
【せっかくわざわざ馬から下りて挨拶をしてもらったのだ、こちらも挨拶をするのが礼儀というもの】
【何より今回の件を許せないと思ったのは両人とも全く同じで、その点では『同志』なのだから―――】

私の名前は神谷 皐月……ええ、宜しくお願いしますねセリーナさん!
今回の件は、生命を観察する者として許せなくて……柄にもなくあんな言葉が出てしまいました
……本当に許せなかったのです、意味の無い命は無い事を知っていたから……
ともかく!本当に良かった……私でも、人々を助けることが出来ました!


【―――そして、指揮者は馬へと跨って去って行った】
【二人の邂逅こそほんの数分のことだったが、同じく自分の正義を持つものとして感じる所はあったはずだ】

【やがて自分の傷を癒してくれる自警団の方々が駆けつけてくれるだろうが……自慢するでもなく、勝ち誇るでもなく】
【―――「ありがとうございますね」  感謝の言葉を優しい微笑みと共に治療を担当した人々に掛けていたという】




【―――後日】
【戦いの功績を称えられ、勲章を授かることになったのだが……授与の際、戦っていた時の彼女からは想像もつかない程に恥ずかしがっていたらしい】
【「私にこんなの似合いませんよ……」と、顔を赤らめながら呟いていたとかいないとか。】


//はい、お疲れ様でした!本当に楽しかったですよ!!
//まだまだ未熟者で、遅レスで散々迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした……熱い戦いで本当にワクワクしました!
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:14:56.54 ID:AdWFUwmwo
>>217->>219
随分なあっけない最後な事......だ

【麻酔銃に撃たれ、そして鎧を纏った戦乙女の拳によって倒れた哀れな男を見た】
【やはり―自身が弱者になろうとは考えてもなかったのだろうか】
【まぁ、組織の巨大さから考えればこんなオークションなどいくつも開かれている】
【そのうちのひとつを任された程度の男、所詮はこの自分の器を弁えぬ、道化だっということか】

【ポケットに手を入れ、何も語らず、この男に対して思案をしているうちに、蹄が床を叩く場違いな騒音が聞こえた】
【騒音の元を見れば、まるで西部劇の如く、悪人を縄でしばり、馬で引きずり回す、今回の襲撃を企画した張本人―】
【そう、先ほど自身が真似させてもらったガンマンである】

久しぶりですねセリーナさん―まさか会場で馬を乗り回すなんて
『見よう見まね』ですね、何せ特技が、これしかないもので
サバイバルゲームですか、すいませんね、このマスクの上でヘルメットとゴーグルは
かけられないものでして

【道化師は銃をポンポンと叩いて】
【そして、笑った―声だけではなく、ぎこちなくだが、マスクの口元が笑っていた】

(さて、人が来る前にとんずらでもしましょうかね)
(コートでも買いに行きますか―)

【この後、大きな歓声とともに駆け寄ってきた自警団員にこっそりと紛れて】
【彼は応急処置も受けずにどこかに去ってしまったという】


【もちろん、この後の地の国の勲章の授賞式にも、彼は姿を現さないかった―ただし謝礼金は受け取ったらしいが】


【ただ、授賞式の中に、黒い革のコートを羽織り、フードで顔を隠した黒尽くめの人物がいたという情報があった】
【その人物は、恥ずかしがっていた自然学者の戦士の恥ずかしいがっている姿を見て】
【小さく拍手をしつつ、少しだけ笑い声を漏らしていたと言う...】


//レスが遅くなりましたが、お疲れ様でした!
//連携プレーとか、熱い正義と悪のぶつかり合いが楽しかったです!
//改めて、この機会をくれた主催者と皆様に感謝!






221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/12(日) 20:50:34.26 ID:olkvKtcoo
ログイン放棄した直後から経験値UPキャンペーン始まってたとか……ないわ……
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/12(日) 20:50:53.73 ID:olkvKtcoo
/ひー誤爆!
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/12(日) 21:28:13.85 ID:Eh1sMUSN0
【風の国 廃ビル入り口】

……はぁ、先週はまんまとしてやられちゃったな……思い出すとイライラする……
「……気にしても、仕方ないよ、大丈夫……」
ふふ、そうね……いつまでもグズグズしててもしょうがないよね。気持ちを切り替えなきゃ……

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年が】

【寂れた廃墟と化したビルの入り口で、気だるくたむろする様な雰囲気を纏いながら、座り込んでいる】
【もう少し人数が多ければ、正にガラの悪い若者グループと言った趣なのだろうが】
【今この場に居るのは2人だけ――――ガラの悪さよりも、場所柄の侘しい雰囲気の方が強く感じられるだろう】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

……私たちは、あの旧式とは違う……自力で動けなくなるほどの傷を負わされる、ザコなんかとは……!
「……僕たちは、新しい兵士、なんでしょ……?」
そうよ……だから、それを強く自覚しなきゃいけない……最後に勝つのは、私たちだって……!

【だが、徐々に強まってくるその気配をよくよく感じ取れば、単に『ガラが悪い』では留まらない、危険な雰囲気を孕んでいて】
【くすんだ瞳を持つ子供たちは、本能的な危険を感じさせるほどに、おぞましい雰囲気を発していた】
【もっとも、彼らの姿をよく観察すれば、逆五芒星の刻印が見つけられるかもしれず――――それを認めたならば、その空気も無理からぬ事と了解されるだろう】
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/12(日) 21:38:53.55 ID:50+Ag61Go
【大きめの公園の一角】
【ベンチに座り、精気の抜けた表情でボーッとする女性】

…… ……

【金髪のセミロングに、灰色の瞳】
【シルバーグレーの作業着の上下に、白衣を羽織り、サンダルを履いている】
【左腕にはギブスを付け、首から吊るし――隣には松葉杖が立てかけてあり】
【一目で、彼女が怪我人だとわかるだろう】

…… …… ……

【自らの太ももの上に黒いタブレットを置いている】
【そして少々不気味なことに】
【彼女は上の空になりながらも、ぶつぶつと何かをつぶやいていた】

…… …… ……

【ぶつぶつ独り言を続ける奇妙な怪我人】
【たまに通る通行人は彼女を見て見ぬ振りをしているが――】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 22:06:38.56 ID:opr/PSbIo
>>223
【二人だけしかいない廃ビルに、その音は妙によく響く】
【カラカラという、ローラーの回転する摩擦音───車や自転車より軽い、ローラースケートの音だ】
【こんな夜中に、人気の無い場所でのそれは不気味でもあり、音はだんだんと近づいて行く】

【───彼等の前に、闇から光る赤い八つの光、まるで蜘蛛の眼の様に輝いた】

───あっれあれ〜?なんかガラの悪ぃ奴らがいるなと思ったら〜…
カノッサ機関どもでござるか〜、こいつはやばいでござるかね〜

【その光が近付きながら、紡がれるは間延びした声】
【月明かりに照らされて、姿を表すは小柄な影】

【蜘蛛の巣が這い回る黒いパーカーを黄色いノースリーブシャツの上に着て、黄色チェック柄のミニスカートと黒いスパッツ】
【黒いセミロングの髪の上に被る白いニット帽、オーバーニーソックスとローラースケートがいかにも活発だと主張する少女だ】
【また、パーカーは腋の部分が空いた風通しのいい作りで、袖先は指貫手袋と一体化したような閉じた作りとなっている】

…あ、でもよくみりゃガキじゃねえかでござる〜、驚かせんなよすっとこどっこい

【ガラッ≠ニ音を立て、黄色と黒の縞模様柄のローラースケートでブレーキをかけ、二人に対して毒を吐く】
【その声は警戒というよりはふざけているような感じで、不気味な赤い光を放つ黒いゴーグルで目を隠しながらも、口は呑気そうな猫口であった】
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/12(日) 22:11:37.93 ID:liFMp2N70
【ひっそりと静まりかえった街の中】
【その中央に存在する公園。其処に植えられたシンボルツリーと呼ばれる大樹が、ガサガサと一人音を立てていて】
【視線を向けたならば、巫女装束を纏った一人の少女が見えるだろうか】


「困り……ましたね
お姉ちゃんは何処に行ってしまったんでしょう……?
土地勘もありませんし……このまま虱潰しに探すのも……」

【器用に枝の上に立てば、辺りを見回して】
【――――然れど、目的の人物は見当たらなかったのであろう】
【深い溜息を一つ吐けば、その場から降りようとするけれど】


「仕方ありませんね……今日は一先ず宿に帰って……て……?
ひゃっ?!わわわわわわわ?!」

【――――足を滑らせれば、そのまま手をグルグルと振って】
【何とかバランスを保とうとするけれど、その努力も虚しくやがては地面に向かって急降下するのであろう】
【大怪我をする程の高さでは無いにしても……さて――――もし、近場に人が居たならばその光景をどの様に捉えるのだろうか】





【櫻の国――――ひっそりと静まりかえった城下町】
【そこを徘徊するのは一匹の妖怪であって】
【山伏の服装に、腰に提げたのは天狗の面と一振りの太刀】
【手には六尺棒を持っているのだが――――何よりも目を引くのは、背中に生える漆黒の翼か】
【烏天狗と呼ばれる一妖怪。少女と間違われても可笑しくない少年は、今宵酒を片手に、気ままに散歩をして】


「ここもすっかり寂しくなっちゃったねぇー……
昔は妖怪も人間も一緒に住んでた筈なんだけど」

【もう、ずっと昔の事。人間と妖怪が此処で仲良く暮らしていた時の事】
【その時の光景を思い浮かべれば、ハハハ――――と小さく笑って】
【――――やがて吐くのは溜息。ポリポリと頭を?けば、その場で立ち止まって酒を呷り】


「昔は……ねぇ。拙(ぼく)がもっと小さかった頃の話だからもうあんまり覚えてないけど
――――楽しかった……かなぁ」

【そんな呟きも、やがては闇夜の中へと溶け込んでいってしまって】
【ポツンと取り残された様にも見える子供の姿】
【けれども、纏う妖気は完全に人とは異なった種族という事を感じ取らせて】
【さて――――その妖気を辿って現れる物好きは居るのだろうか】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/12(日) 22:45:48.61 ID:Eh1sMUSN0
>>225

「……そういえば、連れ去られて、どうなったんだろう……?」
……どうこうなるはずもないわ。結局自分たちで処理したんでしょ?
なんでわざわざ持って行ったのか、いまいち分からないけど……――――――――ッ?

【気だるげな会話に花を咲かせる2人の前に、ローラースケートの少女は現われる】
【互いの顔を見合わせていた視線が、揃って割り込んできた少女の顔を捉えた】

――――消えなよ。今の私たちは、あんたが邪魔……せっかくの食事の後の時間に、首を突っ込むな……
「…………」

【ジト――――と、据わった眼で睨みつけながら、嘲る様な言葉を返す東洋系の少女】
【相手の態度に、挑発の意図が混じっている事を理解しているのか、微かな苛立ちがその態度の中に見え隠れしていた】

今の私たちは気分が良い…………だから、その内にさっさと消えな…………ッ!

【ヒュ――――と、東洋系の少女の右腕が振るわれ、何かが投擲される】
【それは、ローラースケートの少女の頬にピチャ、と力なく叩きつけられるだろう】
【もしローラースケートの少女がそれを確認しようとしたら――――足元に転がっているのは、人間の指、しかも無理やりに引き千切られた様な薬指だ】
【頬に叩きつける事で、挑発と威嚇の両方の意味を持たせたのだろう】

ほら……分かったら回れ右。さっさと消えなさい
「……もったいないよ。あれ、好きなんでしょ……?」

【侮蔑の嘲笑を浮かべて、立ち去れと口にする東洋系の少女】
【対して少年は、ぬけぬけと東洋系の少女へとずれた質問をする。逆にその態度が鼻につくかもしれない】
【――――ともあれ、自分たちが機関だと分かった上で、ふざけた態度を取るローラースケートの少女に、意趣返しで応じた格好だ】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 23:15:12.65 ID:opr/PSbIo
>>227
───いって

【ピシャリ、と音がして、赤黒い液体が頬を濡らす。ぼとりと落ちて、転がった】
【反応は意外にも薄く、頬に当たった事に不機嫌そうに声を出すだけで、生々しい柔らかさと液体の不快感には何も言わず】
【落ちた指≠ノ、目線をくれると、袖で血を拭いながら、溜息一つ】

二人だけの世界って奴でござるか〜?これだからコミュ障は困るでござる〜
…まぁいいや、そんなに言うなら消えてやるでござるよ

【呆れたような、バカにしたような、そんな態度は崩さず、勿論毒も吐いて】
【不満そうに口を尖らせ、少しの沈黙の後に踵を返す】
【そのまま、ローラースケートのホイールが駆動を始め、素早く滑走して、小柄な姿は闇へと消えた───】

/お疲れ様でした







な訳ねーだろダボ

【去ったかと思われてから1、2分、唐突にそれは帰ってくる】
【ジャラリという鎖の音───それは上から、二人のいるビルの屋上から、少女が降って来た】
【───降って来たというよりは、降りて来たというべきか───右足に自転車のチェーンが巻き付き、ビルの上階に繋がっている】
【まるでバンジージャンプのように飛び降りたらしい、逆さまで、地面から1m程度の所でぶら下がっている】
【二人をおちょくる為の行動だろう…とはいえ、不思議なのは準備の早さと、どうビルを登ったのかだが…】

ビックリした?

【ぷらーんとぶら下がりながら、ゴーグルを額に押し上げて笑った】
【光の点が消えたゴーグルは、白いニット帽に被るとまるで頭蓋骨のようで】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/12(日) 23:28:34.02 ID:Eh1sMUSN0
>>228

…………フッ…………

【頬に指を投げつけて、東洋系の少女は鼻で笑う】
【ちょっとした事ではあるが、上手く作為が図に当たったのが愉悦を生んだのだろう】

……ハァ……ふざけた奴だったわね……
「……僕たち相手に、随分余裕だったね……あのお姉ちゃん……」

【踵を返すその後ろ姿を見送りながら、東洋系の少女は呆れたため息を吐く】
【何を思ってあの様な挑発的な態度を取ってきたのか――――今となって走る必要もないだろう】
【ともあれ、変な人物だったと言う印象以外は、そこに残らない。ため息を吐きながら、2人はやれやれと肩をすくめあった】

――――ま、大分腹はこなれてきたんじゃない?
あなたの細胞増殖も……
「……うん、具合は、丁度良いよ」 
じゃあ、そろそろ行くかな…………――――――――ッ!?

【ローラースケートの少女が立ち去ったのが1つのきっかけになったのか、2人は腰を上げて軽く身体を伸ばす】
【互いに調子を確認して、そこから立ち去ろうとした――――チェーンが落ちてきたのは、その時だった】

……………………
「……………………」

【ぶら下がってきた少女の姿に、2人は沈黙したまま応答しようとしない】
【何と言葉を返したものか、どう応じたものか、計りかねているのかもしれない】

――――――――チッ!

【だが、苛立ち混じりの東洋系の少女の舌打ちが、それに答える】
【同時に、東洋系の少女の肩から、ジャッ――――と言う中低音と共に、閃光が発射される】
【それは大きく空を切り、ローラースケートの少女がぶら下がるチェーンを両断せんとして放たれて――――】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/12(日) 23:46:06.37 ID:opr/PSbIo
>>229
【その笑顔は、ニコニコとしたような物でなく、口角は上がれどじとりとした目線は二人を離さない】
【その真意は、やはり二人をからかった反応を見ているのだろう───相手を機関の人間と知りながらのそれは、明らかに単なる肝が据わっている≠ノは収まら無い】
【絶句する二人を愉快そうに見ていると、閃いた光が闇を切り裂く】

【ブツリと途切れたチェーン、体は当然落下するが───軽い身のこなしで反転し、着地した】

…おやおや〜?そんなにビビっちまったでござるか〜?
パンツ大丈夫?とっとと家帰って交換しないといけないんじゃな〜い?

【それでも、あくまで自分が上の立場にいるような余裕で、挑発にも似た軽口を叩いて】
【チョイチョイ、と小さな手で手招きをする】

…それはそれとして
とりあえずどっちでもいいからこっち来てみるでござるよ、そうしたら今度こそ大人しく帰るでござるから
大丈夫大丈夫、何も変な事しねぇでござるよ、すぐ終わるでござる〜

【まるで悪戯好きな子供そのものだ、機関員相手にそれを仕掛ける性根はどうかと思うが】
【今までの事を考えれば『何もしない』というのもあからさまに怪しい、さてどうする?】
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/12(日) 23:47:05.29 ID:zgPD/PRco
>>196

【―――ビスクは、狂死郎が逃げる先の渦へは飛び込まなかった】
【ふと室内を見回せば檻の中には何も居らず、ただ破壊されたリボルバーがあるだけ】
【捨て台詞を最後に、青年も消えた。ビスクも持つ役割は、牢の見張り番】

なら、それ以上の仕事をする必要は無いんだよ狂死郎君……・。
檻の中身が無くなろうが……そもそも、オークションがおジャンじゃあな

さてどうしたもんかね。ココは会場の奥も奥、聞こえてた騒音も今は静か
となると大方、表舞台の方は正義の皆さんに制圧された後だろう
……もう少しマフィアらしくない格好をすべきだったかね、いや困ったもんだよ、全く――!

【そんなセリフが青年に聞こえたかは知らないが、ビスクはやがてカツン、と足音を立て歩き出す】
【数日後―――新聞の紙面を踊らせた非人道的な競売報道も収まった頃】
【ネタに困った新聞記者が、ビスクの起こした一騒動を記事としたことは言うまでもない。】

/遅くなりましたが、これにて…!お疲れ様でしたー!
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/13(月) 00:02:58.68 ID:v/rnAm0f0
>>230

……プラプラキーキーと、猿じゃあるまいに……!

【――――何故か、この東洋系の少女は、こうした『減らず口』を叩きつけてくる相手と顔を合わせる機会が多い】
【その中で、いい加減うんざりしているのだろう。まともに感情を発すれば、損をするだけだと考えているのかもしれない】
【苛立ちを独り言でごまかし、相手に能動的なアクションを仕掛ける事をしなかった】

――――何を言ってるのあんた……?
……これ以上つまらない悪ふざけに付き合うつもりは無いのよ……!
「……あぁっ、ちょっと、待ってよ……!」

【更に誘いを掛けてくるローラースケートの少女に対して――――東洋系の少女は、突き放す言葉を叩きつけると、少年の腕を引いて、強引に歩きだす】
【少年は、まだローラースケートの少女に警戒とも困惑とも取れる視線を向けているのだが、早足で歩く東洋系の少女は、更に腕を引いて】
【――――無論、本気で立ち去ってしまうつもりは無い。ただ、相手の少女のペースにこれ以上乗せられるのは業腹だったのだ】
【故に、わざと引いて相手にペースを乗せないようにする。その為には、易々と言葉に乗ってしまう訳にはいかなかった】
【無論、苛立ちを表すような早足で立ち去りながらも、背後からのリアクションを待ち受けているのだが――――】

(……ただの馬鹿なの? それとも、何かの策……どっちにしてもふざけた奴……!
…………ダメだ、考えてるだけで腹が立つ……!)

【イライラに煮沸している心も、必要以上に態度に出したりはしない】
【単に相手がそう言うリアクションのみを期待している場合、それは相手を喜ばす事にしかならないからだ】
【背後からのリアクションを待ちうけながらも、東洋系の少女は苛立ちを必死に抑える――――】
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/13(月) 00:26:27.19 ID:Ki8Z5z0fo
>>232
効いてる効いてる〜

【苛立っているのがよくわかる───そんな態度に、更に油を差すかの如く言葉を返す】
【結局の所、こういった人種にまともな反応を返すのは間違いだ、言ってみればまともな精神で反応する事すらアウト】
【揚げ足を逐一取ってからかう少女は、相手がまともに物を考え、行動するからこそ、毒を浸透させられる】

…なーんだ、逃げるでござるか───あぁいや、そっちの考えを尊重して、呆れた≠チて事にしといてやる≠ナござる〜
機関員っつってもチキンはいるもんでござるな〜…ま、からかい甲斐はそれなりにあったけど

───そんじゃバイビー、機関のクソ共

【去ろうとする少女達に、引き留めや縋る言葉は無く、その背中に追い打ちするように毒を吐きつける】
【それから、切れた鎖の、上に繋がる切れ端を、くいと引っ張って───】

【次の瞬間、少女と少年の背後から物凄い音がするだろう】
【見れば、大量の瓦礫やビルに放置されていたであろう家具達が、山になって入口だった場所に積まれている】
【───いや、それらは落ちて来た≠フだ、彼女の繋げたチェーンによって、いくつもいくつも連鎖して雪崩になるように張り巡らされて】

【少女と少年が近付いていたら、どうなっていたかわからない───ただ、そこにローラースケートの少女の姿は無く】

───♪

【ただ、彼女の声での明るい鼻唄と、ローラースケートの音だけが遠ざかって行った】

/今度こそ本当にお疲れ様でした
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 00:35:19.82 ID:svHOfzw/o
【路地裏】

【三人分の足音が聞こえる。二人は走っているらしい。もう一人は歩いているようだ】
【不思議なことに、三つの足音の間隔は離れない。速度には、明らかに差があるはずなのに】
【やがて、二人分の足音が止まる】

【路地裏の袋小路を前に、呆然とたたずむ二人。派手な色に髪を染めた、若い男たちだ】
【その表情は、まさに絶望的とでも言うべきか。死を目前に控えた人間は、こんな顔をするのかもしれない】
【そこに響いてくる、重々しい三つ目の足音。二人の男が振りかえると、三人目はすでにそこに立っていた】

【身長2メートルを超えているであろう、大男だ。薄汚れた灰色の作業着の上に黒いラバー地のエプロン。足には黒いゴム長靴】
【奇妙に歪み、黒く変色した両耳。同じくドス黒く、ほかの指より細長い、両手の親指】
【角ばった顔つきに、短めに切り揃えられた黒髪。その黒髪の隙間。額の部分には】
【面積いっぱいに広がる、巨大な一つ目が埋まっていた。本来の両眼も存在していたが、それらは生気がなく、動かない】

【二人の男を壁際に追い詰めるように歩み寄り。異形の大男が口を開いた】


……私が思うに、臭いというのは重要な要素の一つだ
インターネットにアクセスすれば、部屋にいながらにして、世界中で起きている惨劇を見聞きすることは、可能だ
飛び散る鮮血。ぶちまけられる臓物。苦痛と断末魔の悲鳴
それらを安全と分かり切った立ち位置から、体験することは出来る

だが、臭いは別だ。飛び散る血の臭い。ぶちまけられる臓物の臭い。肉が焼け、腐敗してく臭い
こればかりは、現場に立たねばわからないことだ。違うかね?
前置きが長くなったが、私の言いたいことはわかってもらえるだろう?
あの程度の血の臭いで大慌てするような人間が、こんな路地裏の奥にまで入り込むのはお勧めできない、ということだ

【歯を鳴らして震えあがる二人に、息がかかるほど顔を近づけて。額の一つ目で彼らをじっとりと睨みつける】
【臭い云々以前に、こんな化け物に遭遇すれば、誰だってこうなるだろう、という突っ込みは、残念ながら入れる人間が存在しなかった】


……今日は、もう夕飯は済ませた。心配するな、お前たちをとって食いやしないよ

【にたり、と醜悪な笑みを浮かべて。あっけにとられる若者たちに背を向ける】
【そのまま、袋小路の出口へと、ゴム長靴の怪物は再び足を踏み出そうと――】

/予約です
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/13(月) 00:45:08.24 ID:v/rnAm0f0
>>233

……いや、やっぱり猿か……!

【やはり、図に乗っている――――そこを露骨に見せつけられて、どうしようもないと鼻白む】
【――――こうした性格の悪さは気に入らない。殺すのも面倒で嫌になる。ひたすら関わりを避ける以外にない】
【それが、東洋系の少女の出した結論だったのだろう】

……底が浅い
だから結局、そんな低俗な言葉を吐くだけで精一杯でしょ……?
そんな奴相手にしてたら、時間がもったいないって言うの……

【結局、背を向けて誘いを掛けてみたが、返ってきたリアクションは捨て台詞――――】
【自分のペースで事が進まなければ、結局は引かざるを得ない。それが限界なのだと嘯いて】
【曲がりなりにも掛かってくれば、また評価も違ったのだろうが――――いずれにせよ、敵である以上変わりは無い】

「ッ、何……!?」
……何を驚いてるの? 結局その程度だったって事……罠にはめるのに失敗したから、勝手な勝ちを口にしてただけ……詐欺師とか奇術師と一緒ね……

【上から降ってきた品物の大音響に、驚いて振り向く少年だったが、東洋系の少女の方は、もうそれにすら関心が無い】
【ただ、自分の中の確信を更に深めただけで、それ見た事かと少年をたしなめる】
【――――食事の後にこれでは、消化が悪くなると、不機嫌を引きずりながらも、少女は少年を連れて闇の中に消えていく――――】

/乙でしたー!
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/13(月) 00:52:42.21 ID:iS5AqOigo
>>234

―――だ、そうだ。良かったなアホ共、相手がお優しい機関員様でよォ
つーわけでそら、退いた退いた……おい、退かせろベギー=\―。

【声は大男の背後に居る若者たちの、更にその背後から。振り返れば、居るのは女性】
【服装は深紅のジャケットに白革のホットパンツと、オーバーニーソックス】
【加えて焦げ茶のブーツという露出の多いもので、首元にはチョーカーと】
【それから、左耳に黒いピアスがあった。或いはチンピラか売春婦に見えなくもないが――】

【――彼女は、能力者だ。それというのも、流線型の鎧に身を包んだヒトガタを】
【世に言うマインド≠発現して、恐怖に身を凍らせた若者たちを強制的に退かせている事から分かる】

さて、っと……臭い談義をするつもりはねえが、少し待てよカニバディール

【はて、一見すれば若者の仲間のような赤髪の彼女は、マインドで脇に退かした彼らの間を通り】
【大男の背に向かって、声をかけた。「話が有る」――ということだったが】
【当のカニバディールは彼女が誰だか分かるだろうか。にやりと笑う、不遜な彼女が。】
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 01:12:52.74 ID:svHOfzw/o
>>236
【踏み出しかけていた足を、ぴたりと止める】
【ゆっくりと、そちらへと顔を向ければ。あの日以来の、懐かしい顔がそこにあった】

【流線型の洗練されたフォルムのマインド=Bそういえば、彼女の能力が見た覚えがなかった、などと考える】
【マインド≠ノどけられた若者たちは、それでようやく身体に感覚が戻ったらしい。後ろも振り返らずに、そこから逃げ去って行った】

【彼らの後姿を見送り。再び、眼前の彼女へと視線を戻す。額の眼球。彼女と会った時にはなかったもの。彼女の目には、どう映ることか】
【不遜に笑って見せる女性に向けて、大男は胸に手を当て、巨躯を折り曲げて礼を行った】


……ご無沙汰しておりました、ベケンプフェン様
“UNITED TRIGGER”よりのご帰還、心よりお喜び申し上げます

【会ったのは、会合の日の、一度きり。しかし、忘れられようはずもない】
【あの存在感。不遜でありながら、飄々とした面も見せる態度。何より、ひしひしと伝わってきた強者の気配】

(耳にピアス……? 以前はしていなかったはずだが。捕虜となっていた間に、何があったのやら)
(しかし、こんなところで遭遇するとは……。おそらくは、あの半魔めのことであろうが)
(……あの可憐な狙撃手さんとの邂逅は、出来れば悟られたくないところだな)

【久方ぶりに帰還した同僚を前に、表面こそ取り繕っているが。脳裏に渦巻く思考は、この有様】
【それこそ、この異形の大男の臭いは、腐乱死体のごとき悪臭なのではなかろうか】
【ゆっくりと頭を上げる。両の眼窩にはまった、黒い瞳の精巧な義眼と】
【額の一つ目。三つの“眼”が、彼女を見据えた】


私ごときのことを覚えていて下さったとは、光栄の至りです

……ご用件は、機関におられなかった間のことについて、でしょうか?

【あえて、明言はせず。鋭い歯を長い舌がのぞく唇を、上下させる】
【さすがに、いつもするような、無遠慮な視線はなりを潜めていたが。相手は、機関のNo.3】
【彼女を眼の前にして、さすがに普段の横柄な態度ではいられない。大男の言葉は、あるいは探りを入れるようにも聞こえるかもしれないが】
【同時に、眼前の女性に対しての、畏敬の念も含んでいた】
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/13(月) 01:34:03.54 ID:iS5AqOigo
>>237

あ?……あァ、おう。つっても、特に土産が有るわけでも無いんだがな
ただ二ヶ月か、三ヶ月か……その間、部屋に打ち込まれてただけだぜ

それを考えりゃ、随分と熱心に働いてたらしいテメェが謙る必要は無ェ
俺自身、地位だの順位だのってのはキライだからよォ
大男ならそれらしく、胸張って背筋伸ばしてろ。見上げんの疲れたら、そう言うさ

【――少し、意外だった。会合の時に会ったきりで、彼の事は情報でしか知らない】
【増して、意図的に彼に近づき、その巨躯をしっかりと確認するのは初めてだ】

【肉体に見合わぬ礼儀、知性。その辺りがなんとなしに気に入ったらしく、またにやり。】
【兎にも角にもそんなものは必要ないと述べてから、黄土色の瞳を彼の肉体へ遣った】
【双眸、両耳、両の親指。何より奇異なのは額の瞳だったが、それで驚くのならNo.3は務まらない】

【さて――ふ、とマインドを消した彼女は、腕を組んで壁によりかかり】
【その力強い視線をカニバディールの額のそれに向ける。真っ直ぐに、逃さぬように】

……いや?間違っちゃいないが、俺が聞きたいのは唯一つの事に関してだ
あの六罪王が何者なのか。何をしたいのか。誰と組んでいて、戦力はどの程度か。
まあ……後は、テメェが何をしてそうなった≠フかも聞いといて損は無ェだろうが―――

【僅かに瞳を細め、口を開いた状態から――何かを思いついたように、口を閉じ】

―――……カニバディール。私はな、カノッサ機関≠ノ忠誠を誓ってる
罪神スペルビオにでも無い、六罪王でもない、上位のナンバーズに対してでもない。

【それだけ言うと、また口を閉じた。しかし今度は、閉じた口角がふと釣り上がる】
【言わんとする事を素直に伝えてしまうことは容易だろう。が、ベイゼは1つ確かめておきたかった】
【眼前の大男が、どの程度の人物なのか。そして、どういった点から信ずるに値するか】

【それらの判断のために、彼女は口を閉じたのである。果たして彼が、その行為をどう受け止めるか―――。】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 02:33:19.61 ID:svHOfzw/o
>>238
ナンバーズのNo.3が無事に帰還を果たされた、ということが、機関にとっては一番の土産でありましょう

もったいないお言葉です
……よく、堅苦しいとは言われますが、こればかりは私の性分でしてね
しかし、今はお言葉に甘えさせていただきます

【ベイゼの言葉に従い、まだ少し前傾をとっていた姿勢から、背筋を伸ばして立つ。いつもそうしているように】
【必然、少し離れた距離からとはいえ、ベイゼを見下ろす形となる。だというのに】

(はっきりと対峙して、初めてわかる……なるほど、機関のNo.3に籍を置くだけの人物だ)

【はっきりと彼女を確認したのが初めて、というのは、カニバディールも同じだった】
【己の異形など、当然のように受け流される。路地裏で遭遇した相手の大半に、悲鳴を上げさせた、この異形を】
【黄土色の瞳は、真正面から自身を捉えている。そこから感じる、“強さ”。単純な戦闘能力だけで測れるものではない、強靭さ】


【マインドが、姿を消す。額の眼球、義眼と同じく漆黒の瞳をもつそれで、黄土色の視線に相対する】
【歪な耳を伝って、脳髄に流れ込む、言の葉。まずは、予想の通り。半魔リリア。彼女の関心事も、やはり彼奴についてらしい】

(……大人気じゃあないか、我らが六罪王様は)
(さて、それはそれとして……試されている、と取っていいのだろうな)
(まったく、つかみどころがないのは、捕虜となった後でも、お変わりないらしい)

【細められる瞳、吊り上げられる口角。引き寄せる戦人≠フ、一手】
【いつも自分がしている行為。すなわち、値踏みをされているのだ、と。その意図を、察知した】

(だが、すでにあの売女が機関に対して害となるだろうことを、見抜いている、のか? 公になっている情報だけでそこまでの確証が、果たして得られるか……)
(とすれば。私と同じように、月彗さんや参謀閣下のような、彼奴を知る人物に話を聞いたか、あるいは――)

……リリア。あの女と、お会いになったのですか?
ベケンプフェン様も、あの女が機関にとって、危険な存在だと。そう、判断なさった。そういうことですね?


【あえて、その名を呼び捨てにした。この時ばかりは、己の心情を隠すことなく、吐き捨てるかのように】
【帰還したばかりのはずの彼女が、リリアの危険性を知る人物をすぐに特定できるとは、考えにくい。ならば、おそらくは向こうから接触があったはず】
【ベイゼが持つ繋がりがどの程度かは知らないが。リリアが危険な存在である、と知る人物はそう多くはない】
【ならば、本人から接触があったのではないか。カニバディールの推測が導いた結論】

【忠誠をささげているのは機関そのもの。この一言に、おそらく嘘はない。普段はしない、直感による判断だったが、確信もあった】
【ソニアの話を考えれば、一概には言いきれないかもしれない。しかし、この黄土色が秘める強靭さは本物だ】
【重々しく口を開くと。額で彼女を見据えつつ、語り始める】

/遅くなりました。続きます
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 02:33:57.90 ID:svHOfzw/o
……彼奴は、悪魔と淫魔の混血である、半魔だと。自身をそう称しておりました
交易都市レナールにあの巨大な塔を召喚してのけたほどです。強力な魔族であることは、疑いようがないでしょうな

組んでいる相手としては、私が見たのは、“潜水服”の人物が一人。正体は不明ですが……あの女を“姉さん”と呼んでいたのを覚えています
身長は私と同じくらい。全身を金属の古めかしい装具で覆って、右腕に巨大なドリルを装着した、なんとも奇抜な格好でした
遭遇したのは、あの女が主導した、古龍討伐の折。古龍のブレスを、正面から打ち消しておりました。あるいは、“潜水服”も強力な魔族やもしれません

それ以外にも仲間がいるのかは、今のところは不明です。しかし、レナールを魔都へと変えてのけたことを思えば
ほかにも魔族の戦力をひきつれている可能性はあるかと

目的については……古龍討伐時に、こう漏らしておりました。この世界が欲しい、と
それも、王になる、という意味ではなく。なんのつもりかはわかりませんが……

【長々と続けてきた言葉を切り。ベイゼに額からの視線をぶつけながら、口を開く】

機関を含めたあらゆる存在を己のために利用し、踏みにじるつもりであること。これについては、確信しています

……この目と耳と指は、彼奴が古龍にとどめを刺そうとするのを、妨害したがために、代償として彼奴に捧げました
古龍討伐の目的はおそらく……自分の力を誇示するため。機関員に、自分という存在を刻み込むためだけに
龍すらも、利用してのけたのです

【レナールの映像や、古龍討伐で得た情報と、それに主観も交えながら】
【長々と、言葉を紡いできた。その間も、一つ目に宿る半魔への憎悪は、猛り狂わんばかりに】


ベケンプフェン様。私は、利己的な人間です。あの女のことをこうは言っても、私とて自分の目的のため、機関の門をたたいた身です
そのことは、隠そうとも思いません。なれど。そのような人間だからこそ、私は感じました
この身体を捧げてでも、彼奴の目的を成就させてはならないと

【そう、この男は、身勝手で利己的な悪党だ。しかし、その悪党だからこそ】
【この身の芯にまで響いた、かの存在の邪悪。そのドス黒さ。それを許すことが、機関にとって何を意味するのか】
【それを、はっきりと感じ取っていた。ベイゼに向ける言葉は、まぎれもない本心からの真剣さを伴っていた】

/ほんとすみません、大変お待たせしました……
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/13(月) 03:17:05.42 ID:iS5AqOigo
>>239-240

【ベイゼはカニバディールの言葉を遮ること無く、その全てを聞き届ける】
【瞳は逸らさない。自らの意志を見せると同時に、彼の意志も確認したかったからだ。そして――】

(合格、ってところか……これだけ話すのなら、そう見ていい)
(俺が地位に拘らず、また自身も他者の地位を気にかけることはない)
(つまり六罪王だからと渋々命令に従ったりはしない、それを理解した……)

(……俺はお前をそう見るぜ、カニバディール。)

OK…、……やはり、今までよくやってくれたようじゃないか
目も耳も指も、常人なら武人ところか生きていく上でも絶対的に必要なモノ。
それを差し出して尚、こうして活動するのは……何か、思うところが有るからだ
それこそ私利私欲を投げ打ってでも、目的を妨げねばという使命感だとか、な。

私はソレを信じる。だから言うが、私はあのリリアというのがいけ好かない
本部に戻ってすぐさまご挨拶を頂いたのは結構だが、話していて頭痛がしたよ

……しかし、そうか。半魔ね…、……普通なら十字架辺りで殺せそうなものだが
カニバディール、お前がそこまで身を張って具申するからには、どうせ単純には殺せないんだろう。
とすれば、奴は巨塔を召喚し、尋常な方法では死なず、且つ強力な仲間を連れている事になる

その上で、目的は世界=\―支配でない、つまり目的が王でないのなら。

そういう欲求を持つのは、誰か。王以外に何か大きなものを求めるのは、将軍だ
しかも生粋の将軍というのは求めるのが目的ではなく、過程に成る
世界を求め、その上で何かをしたい……私はそう読むね。或いは、世界という軍隊を率いたいのか……。

【―――話し方が、全く違う。思えば、ベイゼ・べケンプフェンには噂があった】
【俺と私の2つの自称を適当に使い分け、話し方もざっくばらんで、そもあの性格】
【二重人格なのでは、というアレだ。勿論、そんなのは嘘っぱちであり、事実はこうだ】
【本来はよく巡る頭を使うのが面倒だから、己を制御しているという―――やや、ふざけた話。】

【まあ、それはよしとして。彼女の考察は妙に的確で、ソレこそカニバディールの知る事実と被る部分も有るだろう】
【その偶然の一致こそベイゼの頭脳が正しく機能している事の証明であり】

【同時に、半魔への牙と成り得る。男がそうである様に、ベイゼも半魔が嫌いであって】

……言いたいことは幾つでもあるが、罪状を数えるのを手伝ってくれるか

  六罪の王でありながら、部下を顧みない唯我独尊の態度、行動。
  混沌を欲する機関に居ながらにして、その世界そのものを欲する行為。
  古龍討伐はあからさまな脅しだ。そんなものを味方にする時点で、終わっている。

一先ずは3つだな?糾弾するなら十分だろう。そうは思わないか、カニバディール
この辺りを突きつけて――例えば、奴が前線に出ている時に、一気に旗を翻したら

……勿論、俺とお前じゃあ地位も力も根回しも全く出来やしない
単に機関側から裏切ったとしても、聞く分じゃ当人もその潜水服も相当なバケモノだ
他にも仲間が居るとなると、中々一筋縄じゃあ行かない……。

もう少し強力な味方が欲しいところだが……現状、他の六罪王もそうそう信用は出来ないだろうし

【『……困ったねェ』――と。少しばかり口調を戻しつつ、その真っ赤な髪を白い指で梳く】
【これは、明確な反逆行為である。少なくとも、形式上は――恐ろしく、重篤な】

【しかしベイゼはそれを理解した上で、敵の強大さを示された上で、毅然として策を練る】
【行動の理由は2つ。リリアが嫌い――そして、その存在が機関≠ヌころか世界≠脅かす為】
【世界が無くては機関ではない。機関がなくては、ベイゼの存在意義からして困ったこと≠ノなる】

【――随分と簡素で歪んだことであったが、ベイゼはそれらのこともカニバディールに伝えた】
【後は答えを待つだけである。自身は既に覚悟も何も出来ているし、相手も同様】
【ただし、だからといって即座に乗ってくるかは分からないのだ。判断を下すのは、あくまでも当人であるし】
【最悪の表現をすれば、心中に近い。それほどの事象に首を突っ込む覚悟は有るかと、改めてベイゼは視線を向けた。】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 14:37:54.79 ID:T5Z5a2ybo
>>241
……ありがたき幸せ

【最初の言葉には、短く返答する。自分が彼女の意思を確認したように、彼女もまた、こちらの意思を認識した】
【あの瞬間。ヘルクラネウムであの半魔と対峙した時。何としても、彼奴の思い通りにさせてはならないと】
【確かにそう感じた。それは、ベイゼにも伝わったようだ。そして、彼女もまた、機関への反逆の汚名を着てでも、という意思が】

(元より、地位を気にかけるようには見えないとは思っていたが……あの六罪王と直々に会った後でも、それは変わらないか)
(引き寄せる戦人=c…彼女もまた、恐るべき存在だ。兵器……か)

【紡がれていく言葉を、自分の中へと落し込んでいく。ベイゼ・ベケンプフェン。あの狙撃手の前では、わかったような口を利いていたが】
【こうして直に会ってみれば、初めて見える、その底の知れなさ】
【そして、もうひとつ。突然、話し方の雰囲気が、変わった】

(……二重人格、などという噂を聞いた覚えもあるが、そうは見えない)
(単に、ひどく理知的な一面も持つ、といった具合か。あるいは、兵器として必要な頭脳を組み込まれているのか……)

戻られて最初に会った相手が、よりにもよって彼奴だとは……心中お察しいたします
あの甘ったるい声音は、ひどく不快に耳にこびりついて……私も、話すだけで気分が……いや、失礼

ええ、尋常な方法で死なないのは確かです。レナールでは、戦った相手に身体を破壊され、古龍討伐では、ガイストの姿で落ちてきた巨岩に潰された
にも関わらず、あの通り平然と表の姿を現しています

さらに、不穏な情報がもう一つ……
イメージチェンジをした、などと語っておりました。彼奴の言葉をそのまま引用すれば……
“シェン・ロンドの持ってた『聖焔の宝玉』からちょっと”
奪ったわけではない、ともほざいておりましたが……

彼奴がシェン・ロンドになにをしたのか、『聖焔の宝玉』がいったいどういう代物なのか……私は、そこまではつかんでおりません
ですが、『聖焔の宝玉』……もし、悪魔にとっては最大の弱点であろう、『聖』を司る宝玉だと仮定するなら
悪魔としての弱点すら、克服したとすれば。ベケンプフェン様が今おっしゃたことも合わせて、凄まじい脅威となっていることでしょう


将軍……ベケンプフェン様の慧眼には、感服いたします
求めるのは過程……将軍が求める過程、とはつまり、戦争。本来なら、目的を持って行われ手段に過ぎない戦争そのものを、求める
世界という軍隊を率いたい、とするなら……その軍隊を持って何に戦争を仕掛けるつもりなのか
いずれにせよ、ろくなことにならないのは確かでしょうな

【ベイゼの考察に肯定と捕捉をして見せつつ。その頭脳の冴えに、内心で舌を巻いていた】
【長きにわたって、“UNITED TRIGGER”に拘束されていたにもかかわらず、自身の知る事実とも重なる内容】
【戦闘能力のみならず、この洞察力・判断力。人間離れしている、といってもいい】

【半魔の目的については、さすがにカニバディールもまだ突き止めてはいない】
【カニバディールが上司と仰ぐ“参謀”と、その配下たる“紳士”。今、リリアの目的を知っているのは、おそらくは彼らだけだろう】


……レナールでの戦いでのことです
ベケンプフェン様、貴女の救出作戦の陽動、と銘打っていたレナール襲撃ですが
実際はレナール襲撃こそが真の目的だった、ということは塔のことを考えても明らかでしょう
あまつさえ……ベケンプフェン様、貴女のことを指して、“駒の一つ”だと。そう、ほざいておりました

奪還作戦と、レナール襲撃、自身の目的のためだけに、機関員を投入してこれらを行ったこと
カノッサ機関No.3を、“駒”扱いした不遜。これで5つです

レナールでのことについては……証拠もございます
彼奴のレナールでの動向を、私が撮影させたものです

【作業服から、何かを取り出し、ベイゼの前にかざす。パソコンに接続して使う、記憶装置】
【レナールでのガイストの動向を、カニバディールが隠し撮りしたもの。今となっては、情報の鮮度は落ちている】
【しかし、これを差しだすということ、すなわちガイストが正体を現す前からの自身の叛意を示すもの】
【いわば、これは……カニバディールなりの覚悟の現れ。今や自身にとって不利となる映像を提示することによって】

/続きます
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 14:38:10.30 ID:T5Z5a2ybo
ええ、それだけそろえば、糾弾するには十分な材料でしょう

ですが、現状の問題もまた、おっしゃる通り……我らだけでは、とても正面から対抗は出来ないでしょう
……しかしながら、ベケンプフェン様。一人、味方の心当たりはあります。貴女も察しはついておられるやもしれませんが……

カノッサ機関参謀、ソーン様。私の知る限り、機関内でリリアめに対抗の意思を持つ、もっとも有力なお方でしょう

古龍抹殺を私が妨害した時。ソーン様は、その場にこられました。そして、私を……あの悪魔からかばってくださったのです
私が肉体を捧げようと決意したのは、このことが最大の理由でした

ソーン様もまた、最高議会のころから機関に身を置いた古強者。その深淵は私などには測り知れません
ですが、あの参謀閣下の、リリアに対抗しようという意思は、疑いようがありません
これは、私の失った肉体と、この新しい眼に賭けて、保障いたします

【反逆行為。それも、六罪王に対して。そのことは、はっきりと承知している】
【ベイゼがリリアを疎ましく思い、また自身の存在意義のためにも、リリアに対抗することを決心していること】
【簡素で歪んでいたとしても、その意図は確かに受け取った。そして、それに返礼する】

……ソーン様が、ベケンプフェン様が、あの女に対抗なさる覚悟を決めておられるように
私も、同じです。これ以上、さらに肉体を失うことになったとしても。四肢や臓物すら、奪われたとしても

【黄土色を視線に、黒い一つ目は、揺らぎはしなかった】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/13(月) 15:21:48.18 ID:GaZczOx3o
>>242-243

【にやりと笑って、ベイゼは1つ頷いた。特別、何に対してというわけではない】
【カニバディールの返答への相槌か、それとも不快な声という共通認識へか】
【なんであったかは分からないが――少なからず、好意を含んだ動作であり】

【また同時に、作り上げられた天才の頭脳に新たな事項が追加されていく】

【リリアの不死性。聞く限りでは、先ず生き物として奇怪すぎる】
【入れ物であったらしい老人の肉体も破壊されて尚平然とするのは、それが傀儡だったからとして――】

【――恐らくは後に見ることになるだろう、レナールの映像ではどうだったか】
【カズネという女性に、その肉体の大半を吹き飛ばされて居たはずである】
【にも関わらず死なない。――勿論その情報をまだベイゼは知らないが、この際どうでも良いだろう】

問題は、如何に奴を殺すか……話の限りじゃ、聖なるものが効かないらしいな
……シェン・ロンドって名も、言われてみればここ最近は聞かない名だ。

そうすると、あながち嘘でもないんだろうよ。魔族のクセに、聖なる焔、ね……
だが……1つ疑問なのは、奴が宝玉そのもの≠手に入れたとは言わなかったらしい点だ
実際、奪ってないのなら宝玉は何処に行った?……持ち主、シェン・ロンドは?

それに、ちょっと=\――ちょっと、拝借でもしたのか……?
……勿論私の想像でしかないが、そうすると奴の能力は…、……。

【辿って出てくるのは2つの情報。疑念から発展する、新たな戦力の候補――】
【そして、リリアの能力。宝玉を奪ったのではないが、ちょっと=\―その先が、分からないが】

【或いは確証こそ無いが、ここまで至れば、ベイゼの言葉の先をカニバディールが紡ぐことも可能かもしれない】
【魔力を拝借したのだとしたら。聖の属性を受けても影響の無い物とは何か】
【考え方は他の属性と一緒だ。火に水をかけてはいけないが、水と水を合わせても―――。】

【――それに加えて考えれば、シェン・ロンド。加えて『聖焔の宝玉』は重要なファクター足りうるだろう】
【そも、かの男は元議員――今で言えば、六罪王に近い強力な存在であったわけで】
【事態から察するに、まさかリリアと仲が良かろうはずもない。名も姿も見かけないとなれば、害された可能性もある、が】

どちらにせよ、ソーンとも話してみないと行けないわけか……
リリアの事、シェン・ロンドの事、それに今後の機関の事……参謀≠ネんだ、話には乗ってもらわないと、な

……しかし、何が望みなんだか。戦争を望み、率いる軍隊は世界……敵はなんだ?
居るかもわからない神様か、それとも別の世界でも食いつぶしたいのか
ろくな事にならないってのはまさに、だな…。神も異世界も、ことが大きすぎて嫌になるぜ

まぁ、なんだ―――罪状も揃った。後は状況を整え、機を見てそれを叩きつけるだけだ
レナールの映像は後で見させて貰えるか?一応、この目で奴の戦う姿は知っておきたい

【一先ず、それで言葉は終わった。ベイゼの考察、作戦、そして決意――】
【カニバディールにはしっかりと伝わったはずであり、またベイゼ自身も奇妙なほどの手応えを感じていた】
【僅かに二人――良くて四人の反乱因子であったが、信頼が置けるとこのやり取りで分かったからだ】

【そして、今後の方針も決まった。リリアの能力を始めとした、その存在の継続した調査と――】
【シェン・ロンドの一件――これはベイゼが何とかすると、後に自ら申し出るので頭の片隅にあれば良いだろう】

【最後に、ベイゼは右手を差し出した。戦人にあらざる白魚のような綺麗な手である】
【しかしまさかそれを見せつけるために差し出したはずもなく、古今東西それが意味するのは1つ】
【本当に最後の、覚悟の確認。お互いを認め合うための、最も重要なステップ――それを今、ベイゼが申し出たのである】
【あくまでも対等に。地位など関係なく、あの半魔を危険と判断するもの同士として、だ。】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 16:08:49.01 ID:T5Z5a2ybo
>>244
【一つ目が、わずかに黄土色からそらされ、その赤毛の奥の頭脳へと向けられる】
【自分が話した情報、それに対する考察、その天才的頭脳は、それらすべてを統括し】
【さらなる深淵を導いているのだろう。自身の持つレナールの映像も、こうなるとまだ利用価値があるかもしれない、とすら思える】

……悪魔という種族の弱点として、真っ先に挙げられるべき聖なるものが通用しない、となれば
実に、面倒なことです。現状では、やつを始末する手段は、すぐには見つからないでしょうな

ええ、あれほど派手に機関に敵対を宣言しておきながら、シェン・ロンドの噂はとんと耳にしません
直接会った事はありませんが、裏世界にその名を轟かせた金獅子のことです。そう簡単に消されるとも思えませんが……

ベケンプフェン様の疑問は、私も抱いておりました。力を誇示するのが目的であって、もし宝玉を手にしていたなら
あの場で見せびらかすくらいはしそうなものだ、と。それをしなかったのなら、宝玉そのものを手にしたわけではなかった、とすれば……

拝借……力だけを。宝玉の持つ、聖なる焔の力だけを
ええ、この場においては、確証のない、推測にしかなりえませんが……
彼奴の能力が、魔翌力を奪う、あるいは複製する、といった類のものであるとするなら。彼奴の言葉につじつまが合います
聖の属性をその身に纏えば。聖の属性の力を受けても、それが有効打となることはなくなる……

【ベイゼの切った言葉を、カニバディールが掬い取って、繋げる。リリアの有する力】
【もしそうだとすれば……あらゆる魔翌力をとり込んで己のものとし、無尽蔵に強大になっていく。そんな存在なのかもしれない】

(まったく、いっそ推測が外れてほしいくらいだ。そんな存在、魔族の中でも特殊なのではないか)
(まあ、魔族のことをよく知っているわけでもないが……アリスのような存在もいることだしな)

【以前、路地裏で遭遇した魔族の少女のことが頭をよぎる。彼女もまた、得体のしれない存在だった】

【ともあれ、今考えるべきはリリアのことだ。シェン・ロンド。『聖焔の宝玉』。今一度、それらのキーワードを頭に叩き込む】


ええ、参謀閣下のほうでも、ベケンプフェン様と話されることは有益でしょう。同じ敵を持つもの同士として
“参謀”の本領発揮、というわけですな

……まったく、わかりかねます。魔族であることを差し引いても
世界一つを軍隊にしてまで、対抗したい相手……それこそ、別の世界を丸ごとひとつ相手取るつもりでもしているのでしょうか
本当に、面白くもない方向にスケールが大きいことで……

ええ、来るべきその時に備え、機が来れば逃さず食らいつく。そのスタンスについては、参謀閣下も同意見のご様子でした
無論のことです。バックアップは取っておりますので、お望みならば、映像を収めた記憶媒体を差し上げますよ

【カニバディールも、言葉を切る。確かな、手応え。機関という魔窟の中で、信の置ける数少ない一人として、互いを認識したことの】
【あの悪魔は、強大だ。しかし、ここには確かな意思を持った、反乱因子が存在しているのだ】

【実際に移すべき行動も、脳裏に刻み込む。まずは、リリアについての調査。そして、自分自身の、対リリアの準備も】
【脳裏を駆け巡る、自身の持つもの。手駒、『スクラップズ』。切り札の一つ、『RB-コバルト・ボマー』。その使い道】

【それらを集約するかのように、ドス黒い感情渦巻く一つ目の前に。差し出される、白魚のごとき手】
【言葉は必要なかった。悪の使徒たるもの、言葉は武器の一つでもあり、信頼を示すには少々足りない】
【ならば、行動で。そういうことなのだろう。躊躇うことなど、何もありはしない】

【彼女の美しい手に比べ、あまりに無骨な右手を差し出して。しっかりと、その手を握る】
【あのおぞましき半魔に対抗する者同士。ここに、同盟は締結した】
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/13(月) 16:40:32.76 ID:GaZczOx3o
>>245

【しっかりと握られた自身の手に力を感じ、合わせた瞳に知と義を知る】
【自らの命を『四肢や臓物すら奪われたとしても』と言葉に出来る男のことである】

【信じずして、何が仲間か。例え機関という緩い繋がりの中でも、言葉の重さは変わらない】
【やがて彼がその手を自発的に離すまで――ベイゼの方から同盟≠フ瞬間を】
【終わらせることは、無いだろう。余談だが、見掛けによらず握力は男性並みにあったとか】


 【――ひとつ、また1つ。膨大な数のピースを拾い集めるような作業が進んでいく】
 【善悪を超えて人類の敵と呼ぶにふさわしい、ソレには不似合いな半魔への包囲網】

 【果たしてこれで、原型は成った。後は参謀、金獅子――或いは、もっと枠を超えて】
 【ベイゼにはその心積もりがある。そこまで力を注ぎたくなる理由は自分でもわからないほどだったが】
 【気に入らない、機関という枠を崩そうとする。この二点は変わらないから、仕方もない】


……よし。そうなれば、俺もお前もやることはなんとなく掴めただろう
急ぐ必要は無い……相手も十分に急進派だが、焦っているほどじゃあ無いんだから

後は……俺の方からは、何もない。半魔の殺し方も、なんとか考え付いてみるさ
能力も多分、お前の言った通りだと――思いたくはないが、そう過程しよう
……、…お前のほうからは、何か?今なら、大概の事には答えないでもないけどな――?

【短い密談だったが、濃密で。どっと疲れたようにふぅと息を漏らし、言葉を掛ける】
【ベイゼからはもう何もない、カニバディールからはどうか。そんなお決まりの、最後の言葉だ。】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 17:18:02.81 ID:T5Z5a2ybo
>>246
【右手から伝わる、握力。自分と比べても、遜色ないほどの、力強さ】
【自分の命を賭してやるだけの、甲斐のある仕事だ。これほどの存在と、轡を並べられるならば】

【実際には短い時間だったが、その瞬間はひどく強い余韻を伴って。やがて、無骨な右手が、白い右手を解放する】


【相手取るは、半魔。人類の敵。この世界の敵。その座に座るのは、カノッサ機関だけで十分だと】
【あの忌まわしい悪姫≠ノ思い知らせてやる。そのための、原型が今、ここにある】

【要は、あの悪魔が気に入らない。互いに重なり合っているのは、この一点。しかし、だからこその】


ええ、確かに心得ました。私も、動き始めることと致します……

【ここにきて、初めて言葉が淀んだ。迷い。逡巡。そう、ここで結ぶべきは、信頼である】
【その重み、推して知るべし。まして、相手はカノッサ機関が精鋭、ナンバーズ第三位】
【あの出来事を、今隠すことが、果たして得策か。いずれ、彼女にも知れることであるだろう。ならば】
【覚悟は示した。もうひとつ。示すべき事実があった】


……一つ。お答えいただきたいことではなく、知っておいていただきたいことがあります

一か月と少し前のことです。私は、路地裏にて、一人の少女と遭遇しました
……ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフと。彼女は私が機関員だと悟るや、機関での貴女のことを、尋ねてきました

敵であるはずの彼女が、なぜ貴女のことを気にかけるのか。それを推し量るべく、私は彼女の反応を観察しようと
会合にて、貴女が彼女の名前を敵対者として挙げたことを、話しました

【やはり、目はそらさない。決して。たった今結んだばかりの同盟に、ひびを入れかねないとしても】
【いや、だからこそ。話しておかねばならないと判断した。これはきっと、ベイゼの根幹にかかわる事象だ】
【今、それをごまかすことはならない。あの悪魔に立ち向かうのなら。これは、隠すべきではない、と】


彼女はショックを受けたようでしたが……貴女にどう思われようと、貴女を思い続けると
貴女の全部に自分のすべてを認めてもらった。だから、一方的にでも、想い続ける、と
そう、私に、語りました

【簡潔に、事実だけ。伝えるのは、それだけだった】
【次の瞬間、マインドに殴られているかもしれない。何しろ、ベイゼの深奥に、許可もなく踏み込んでいたのだから】
【あるいは、このまま彼女は立ち去るかもしれない。どうなるにせよ、カニバディールの巨躯はそこから動きはしないだろう】
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/13(月) 17:48:10.84 ID:GaZczOx3o
>>247

【カニバディールから言葉が続き、そこからあの可憐な少女な名が発せられた時】
【ベイゼの表情は、何とも言いがたい――敢えて言うなら、鳩が豆鉄砲を食らったような】

【そういうものに、変化した。きっと、ひどく予想を裏切られたからに違いない】
【というのも他に話すことも思いつかなかったから、『これで』とでもなると思っていたのである】
【今のベイゼに取って、ソニアという少女の事はある意味での悩みの種=\―】
【カニバディールが知ることは無いが、かのセリーナともそのことで一悶着あった程】

【――と言っても、まさかココでだんまりを決め込み、無視をしようはずもない】
【同盟を組んだのだ。お互いを信頼出来ると言ったのだから、答えるのが義理というもの】
【次第にうんざりとしたそれに顔を歪ませながらも、重い口をゆっくりと開き――】

……先ず前提として、俺もソニアも兵器≠ニして育てられたってのを知っとけ。
もっともソニアは所謂少年兵……俺はモルモットに近いんだが――

有る時、要らない感傷に駆られて人生の大半を過ごした研究所の跡地に行った
そこでアイツと出会い、お互いが敵対する関係だとも知らないで少しばかり好意を持った。
……後は、なんとなく分かるだろ?どうしたって、似た境遇の相手は気になるもんだ

まして、ソニアは人一倍『他人が好き』というか……話してて、感じただろ?
俺が柄にも無く優しくしたのも悪い。……怪我の手当や、輸血までしたのは行き過ぎだったかもしれない

……、…後は察しろ。残念ながら、俺は清純な少女時代なんて過ごしちゃいないんだ
今がどうであれ、赤ん坊から順調に育ったことが有るなら、お前のほうが想像は簡単な筈だぜ。カニバディール

  ―――ったく、セリーナにしろ。正義の連中ってのは、これだから……!

【最後の一言は、呟くようなものだった。聞こえるか否かは、カニバディール次第である】
【――ベイゼの過去に関しては、こうして語られる以外に機関で知りうる手段は無い】
【知ろうとしても当人がNo.3の権限でプロテクトをかけて有るから――それ程の話なのである】

【そんな事を、まさか今さら嘘で固めるはずもない。信頼には、答えられるはず】
【もっとも当人はそんな事はどうでもよく―――『想い続ける』という言葉が、ぐわん―と脳内で響いていて。】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/13(月) 18:34:59.11 ID:T5Z5a2ybo
>>248
【自身の言葉は、ひどく衝撃的であったようだ。やはり、彼女のことは、ベイゼにとっても、重大なことであったらしい】
【まさか、セリーナにまでその影響が及んでいる、とまでは知る由もないが】

【言葉が返ってきたのは幸いだった。うんざりした表情も同様に、そう受け取る】
【無言無表情の沈黙よりは、ずいぶんとマシだ】

兵器=c…彼女も、そう語っておりました
まさに、その研究所で、出会ったと。数奇なことです

ええ、私のような人間でも、察することくらいは出来ます
互いのことを知らず、境遇が似通っている、となれば、無理からぬことでしょう


……ほんの短い間の邂逅ではありましたが。私もそういう印象を受けました
彼女自身が、雪のように儚い印象がありながら、他人を気遣って見せる
貴女への信頼の強さからも、そのあたりはうかがえました


……ええ、お察しします。事情を詮索するようなつもりは毛頭ございません
ただ、こうして協力する、と宣言した以上、この事実を隠すような不義理はしたくはなかった
他意はありません。ぶしつけにこのようなお話をしたこと、平にご容赦を

【ベイゼの語った事実は、残らず自らのなかへ記憶するも。返す言葉は少なかった】
【最後につぶやきも、耳には入っていたが。それに言及することはない】
【プロテクトがかけられている、ということは、知ることはなかった。そもそも、調べようとは思わない】
【背負うものなど、小さな子供でも持っている。無論、自分にだって、抱えているものくらいはある】


……私の用件は、これで終わりです
貴女とお話しできてよかった。リリアについて何か分かったら、すぐに連絡をさせていただきます

【語るべきことは、すべて語った。後は、行動に移すのみだ】
【最後に先ほどかざしたレナールでの映像を記録した媒体装置を、彼女へと差し出す。望むなら、持って行ってほしい、ということだろう】
【受け取られるか否かにかかわらず。それを最後にカニバディールは再び一礼をして、踵を返す】

(……つかみどころのない、とは、私の偏見だったようだ)
(彼女もまた、背負うものがある……いや、余計なことは考えるまい)

(見ていろ、売春婦もどきめ。いつまでもその座に座っていられると思うな……)


【ゴム長靴の足音を反響させながら。カニバディールはそこから歩き去っていった】

/この辺りで締め、でよろしいでしょうか?
/二日にわたってのおつきあい、ありがとうございました!!
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/13(月) 19:00:31.52 ID:GaZczOx3o
>>249

(……ソニアのやつ、言わなくてもいいことを…、……。)
(まあ、いい……相手がこのカニバディールだっただけ、マシだった)
(仮に相手が他の狂人どもなら、どうなっていたかも分からない…―――。)

……――――あァ、こっちからも何かあったら連絡させてもらうぜ
精々、身の振り方には気をつけろよ。俺も一人じゃやりづらいんだ

【警告ではなく、忠告。自分がどう感じたからではなく、不器用な心遣い】
【それをカニバディールに告げながら、レナールの映像が記録された媒体を受け取り】
【後はその場を後にする彼を見送るだけ。掛ける声は、続かなかった】

さて、と……帰るか。戻って、映像を確かめて、寝ちまおう。
ついでにあの女の敵対者をリストアップでもしておけば、今日の所は……、…ぁ。

……忘れてたなァ、裏切り者≠一人。

【ふと左腕に視線を向ける。自らのものであってそうではない、義手である】
【その造り主は確か、リリアに追い出されたのではなかったと思い至って、僅かに黙り】
【また会う相手が増えたとボヤきながら―――やがてはベイゼも、その場を後にした。】

/こちらこそ、長い時間お付き合い頂きまして有難うございました&お疲れ様でしたー!
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/13(月) 20:33:18.43 ID:v/rnAm0f0
【風の国 広場】

「――――『UNITED TRIGGER』に?」
あぁ、参加してみないか、って言われたらどうするよ? お前にゃ悪くねぇ場所だと思うんだけどよ?
「……手前は遠慮するよ。ああいう場は手前の望むところじゃない……君こそ、顔なじみなんだし、正式に加盟しても良いんじゃないのかい?」
へっ……必要ねぇよ、今さら……俺の居る場じゃねぇ……それは、分かってるからよ……

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【各々その手に軽食を握り締め、それをつまみながら立ち話に興じていた】
【居丈夫の方は、リンゴを丸のまま齧りついており、青年はサンドイッチを頬張っている】

それに、そういう規範だとかなんだとか関係なく、俺は俺のやりたい様にやるからよ……そういう形で、一緒に戦う事があれば、それで満足よ……
「君らしいね……でも、それなら何故手前に勧めるんだい?」
いや……まぁ、良いじゃねぇかよ! 乗り気じゃないってんなら、俺から言う事もねぇよ……
それよか、久しぶりに会ったんだ。ここらでどこか、飲みにでもいかねぇか?
「露骨に話を逸らさないでよ……それに、また君は羽目を外す事になるんじゃないか?」

【こうした立ち食いの露店は、まだ活気づいている時間帯らしく、彼らの姿もそうした喧噪のなかに紛れている】
【しかし、色違いで同じデザインの、魔術師の恰好という2人組の存在は、その中にあってもなお、目立つものかもしれない】
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2013/05/13(月) 21:09:11.00 ID:t01i5Wzw0
>>251
//まだいらっしゃいますかー。
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/13(月) 21:13:05.23 ID:v/rnAm0f0
>>252
/ここにおります
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2013/05/13(月) 21:24:19.29 ID:t01i5Wzw0
>>251>>253

もし、そこのお二方? 少しお時間を頂けたら、嬉しいのですが。

【と。騒がしさのせいでともすれば掻き消えてしまいかねない程の、細く高い声】
【二人がこの声に気付いて、それの聞こえてきた方へと視線を向けたのならば】
【いつの間にやら、二人のほど近くに一人の少女が立っているのが見えるだろう】

ああ、どうして話しかけたのか……は、『これ』を見れば分かりますね?
何といいますか、私もできれば同業者の方が話しやすいなとは思ったので。

【少女はそう言いながら、自分の着ている服の裾を細い指先でつまんでみせる】
【――ルーン文字による術式が一面に描かれている、黒を基調とした外套】
【そして、ともすればコスプレにでも見えそうなほどありがちな、魔女の帽子】
【考えるまでもない。彼女もまた『同業者』、つまりは魔術師なのだろう】

【とはいえ、多少アンバランスに見えるとするならば――】
【それを着ている人物が、10歳前後の緑髪の少女であること、だろうか】

……それと……。

【少女は少し言いづらそうに、二人のうちの一人、居丈夫の方に視線を向ける】
【いや。正確には、彼が手に持っているモノに――と書くべきだろうか】


//では、絡んで大丈夫なのでしたらよろしくお願いします。
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/13(月) 21:36:41.68 ID:v/rnAm0f0
>>254

まぁ、良いじゃねぇかよ。積もる話もあるんだ……――――ん?
「…………?」

【変わらず、人混みの中で会話を続けていた2人組だが、そばから上がった声に顔を向ける】
【誰が誰を呼んだのかも、この状況では分かりにくいのだが、2人組である事は、自分たちにも当てはまるからである】

んぉ…………へぇ、お仲間って奴かよ……
「……でも、手前らの同門と言う訳ではなさそうだね。見ない顔だ……」

【視線が向き、その姿を認めると、2人も得心が言った様子で頷く】
【確かに、こうして外見から似通った立場にある人間であると分かれば、声をかけてきたのは間違いなく自分たちに対してだと、確信できるのだ】
【魔術師の証とも言うべきとんがり帽子が3つ、人ごみの中から突き出ている】

「……で、どうしたんだい?
確かに手前らも魔術師だけど、何か魔術に関連して、用事でもあるのかな?」

【青年は、すぐに少女に声をかけてきた意図を問う】
【単に物珍しさから声をかけてきた訳ではないだろうと、すぐに思い至ったからだ】
【幼さを感じる外見である事には、敢えて触れなかった】

――――――――あん?

【一方居丈夫は、少女の視線がなんとなく、自分の持っている食料に向けられている事に気付いたのだろう】
【どうしたのかと、つられて居丈夫も、自分の手の内にあるリンゴに視線を落とす】
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2013/05/13(月) 21:49:57.67 ID:t01i5Wzw0
>>255

ん、そうですね。私の魔術に関して言えば、そう同門もいないでしょう。
まあそれは置いておくとしても――ああいえ、魔術の用事ではありません。
別件ですが、見方が近そうな人間に聞く方が何かと便利そうかな、と。

それに……失礼ですが少し聞かせていただいた話から考えるに。
あなたたちは色々と『動いて』いらっしゃるようであったので。

【つらつらと、話しかけた理由について少女は列挙していく】
【信用を得ようとしているのか――それにしてはあからさまな感じもするが】
【ひとまず、彼女から二人に対する害意のような物は感じられないだろう】

まあ――単刀直入に申し上げますと、『世界情勢』ですかね。
ここ数年色んな事がありまして、世間の事にとんと疎くなってしまった物でして。
それで、視点の似た人に聞く事が出来たら……と思った次第なのですが。

何かしら、話しても大丈夫……という事はありますかね?
ああ、ご心配なく。礼なら出しますよ。金なり魔術触媒なり、持っている物なら何でも。

【数年と彼女は言うが、子供の身で数年というのは明らかに大きいのではないだろうか】
【話せば話すほどに不思議な点の多い少女ではあるが、果たして話しても良いものか――】

……そう。後はそれです、それ。
いやですね……その世間に疎くなった事に関してなんですけども……。

……ちょっと、私が以前行っていた果物屋が店仕舞いしていまして。
ですから、そのー……それ、どこで買ったかだけ、教えていただけると……。

【相変わらず言いづらそう――というよりも、言葉を選んでいるのだろうか】
【その証拠に。目は先ほど世界の話をしていた時よりも幾分輝いている】
【多分だが、好きで好きで仕方ないのだろう。青年が手に持っている『それ』が】
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/13(月) 22:06:33.82 ID:v/rnAm0f0
>>256

はっ……そりゃこっちだって同じ事だぜ?
100人もいねぇ……そんな程度の小さい規模の集まりでしかねぇからな……
「……『動いて』いる?」

【居丈夫たちの学ぶ魔術も、使用する人間はそう多くは無い】
【無論、違った形の魔術を学ぶ機会があれば、また別なのだろうが、そう言う意味では彼らのコミュニティも小さいものであるらしい】
【だが、魔術は関係ないと言われて、青年は首をかしげる】

――――『情勢』?
えーと…………どういうレベルで話したものかよ…………俺だって、そうそう浮世の出来事に首を突っ込んでる訳じゃ無ぇんだが……
「そうだね……手前なんかも、これ以上に世に交わらない生き方をしてるから、あまり話せる事も多くないと思うよ?」

【このご時世、世の中の出来事が耳に届かなくても、それほどおかしい事ではない】
【生活の仕方も様々な形がある以上、情報に疎くなってしまうのも無理からぬ話である】
【だが、それがどうしたレベルによるものなのか――――どの程度の情報を求められているのか、2人は悩む素振りを見せる】
【そもそも、自分たちもそれほどそうした趨勢の中に関わっていくタイプではないと言う事もあって】

(……見た目通りの年じゃねぇ、か)
「(……手前らの様な世界の人間には、そうあり得ない事でもない……)」

【外見と言動のズレ。それを2人は、あっさりと胸の内で解消していた】
【見た目通りの年齢ではないのだろうと、ごく当たり前にその答えを想定する事で】

……あ?
……どこで買ったって言われても…………適当にの露店で買っただけだぜ?
「あ、あぁ……ちょっと軽食を取るために、その辺の適当な店で買っただけだからね……」

【2人は、後者の問いに困惑した様子を見せながら、店を指さして見せる】
【彼らからすれば、馴染みの店と言う訳でもなく、ただ適当に選んだだけなのだろう】
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2013/05/13(月) 22:20:47.09 ID:t01i5Wzw0
>>257

100人……ふむ。まあ、その位いらっしゃるのでしたら後世には残るでしょうね。
して、あなた方の魔術というのは、どういったものなのでしょう?

【ふと。今さらではあるが相手の『魔術』の流派について気になったのだろうか】
【少女はそう問いかける――当然、きちんと答えてやる義理も無いのだが】

ああ。『動いて』いるという言葉に関しては、単純です。
例えば組織に属する者。何か大きな物、事のために戦う者。護ろうと願う者。
そういう人間は、ただ平坦な毎日を過ごす人間より『熱量』を持っています。
……それを表すには、『動く』という単語を使うのが最適ではありませんか?

【と、疑問をもったらしい言葉についてさらさらと補足を並べ立てていく】

ん、まあ魔術師は往々にして籠りがち、ですよね。分かります、私もです。
とはいえ私はここ数年……そうですねえ、≪R.I.P.≫の頃からでしょうか?
その時期から『隔離』に近い状態だったので、何一つ分からないのです。

ですからまあ、割合大きな事件だったかなと思える物でも教えて頂ければ。

【どういうレベルで教えてほしいのか、という二人の疑問に対して、彼女は】
【『何も知らない』という、ある意味でこの上なく単純な答えを示した】
【まあ、異世界人にでもこの世界の事を説明する調子なら、問題は無いはずだ】

オーケーちょっと行ってきます。

【ひゅん】

【……】

【しゅばっ】

ありがとうございます。おいしいです。

【なぜかこの間10秒も無い気がしたが、恐らく気にしてはいけない】
【とにもかくにも、戻ってきた彼女は笑顔でリンゴを頬張っていた】
【……術式を行使した様子も、何か不思議な力を使った様子も無い】
【くどいようだが、そんな事は気にするべきではないのだ。……多分】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/13(月) 22:26:23.15 ID:GaZczOx3o
【夜・とある土手にて】

(一先ず、今は何人かの戦力候補を探して声をかけるしか無い、が……)
(もしも奴に監視されていたら、下手に動き過ぎるのは危険だろう)
(元気いっぱいに動きまわるのは日に一度で結構、ってな……、―――。)

【カァン!―カァン!―カァン! ――と、そんな甲高い音が響いていた】
【別にバッティングの音ではない。見ればそこには、影が2つ在り】

【1つは女性。深紅のジャケットを着て、白革のホットパンツとオーバーニーソックスを穿き】
【焦げ茶のブーツと、それから首元にチョーカー、左耳に黒いピアスをした赤髪の人物だ】
【そしてもう一つというのが、人ではない。流線型の黒鎧を纏った、人型の何かで―――】

―――46……47…、……48…っ!
…そら、もうちょっとだろうがベギー=I真っ直ぐ狙えっつーのッ!

【恐らくは、その鎧は女性の能力か何かなのだろう。ひたすらに、拳を振るっている】
【その拳が振るわれるのをよく見れば――潰れたアルミ缶が、目に入るはず】

【そう、鎧はアルミ缶だったものをひたすらに殴り続けているから、甲高い音が鳴っているのだ】
【――もっとも普通なら、一度殴ったものはソレで終わり。拾いに行かねばならないが】
【この空間ではどうにも、殴った端から鎧の元へと勝手に戻っていくから、それをまた殴る―その繰り返しが行われていて】

【術者である女性はと言えば、鎧のそんな動作を横で見ているだけ】
【僅かに額には汗が流れていたが―――さてこの光景、通りがかりの人物にはどう思われるのか――――?】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/13(月) 22:51:46.45 ID:v/rnAm0f0
>>258

うーん……どうなんだかなぁ。師匠の方針で、免許皆伝が1人もいねぇからな……もしそのまま師匠が亡くなってしまえば、終わりって話だが……
「……何とか、手前らがそれを成し遂げなければならないのかもしれないが……」

【後世に伝える為には、教えが受け継がれていかなければならないだろう。だが、彼らの魔術は開祖1人だけしか教えられないものであると言い】
【そのままでは、時代の中に埋もれてしまってもおかしくない状態にあると言える】

あぁ、どういう魔術かって?
ま、初心者向けと言うかなんと言うか……仕組みそのものは簡単なもんさ。こんな風にな……!
――――――――バル(火)・エル(集積)・ジー(安定)・ルー(レベル1)……『マジックトーチ』!
「実演か……君らしい。
――――――――レル(風)・フェン(飛翔)・ゼル(自身)・ルー(レベル1)……『ウィングウィンド』!」

【どういう魔術なのか――――その問いに、実際に魔術を行使して見せる事で答える2人】
【居丈夫がスペルを詠唱すると、ポッと火の球が出現して宙に浮かび、周囲を照らす。青年は、その身1つで空へと飛翔する。と言っても、それほど高く飛ぶ訳ではないが】
【簡単な魔術との事だが、用途がハッキリしてる分、シンプルに使いこなす事が出来るとも言えるかもしれない】

――――っと、こんなもんさ。4つのスペルの組み合わせで、魔力を行使する……そんな感じだな
「魔力と適性があり、スペルの知識があり、起こり得る現象を正確に理解していれば、使う事だけは出来る……そんな感じだね」

【実演を終えて、2人は要点をかいつまんで説明する】
【非常に整理された体系であるらしい。あるいは、複雑な術式の構成を、あらかじめ規定されたスペルと言う形で省略した――――とも言えそうだ】

……っあー……なるほどな……でも参ったぜ……
「……そこを言うなら、手前らも本当に大差無い、って事になっちゃうね……」

【『動いている』の真意を聞くと、微妙な表情を見せる2人。そうした基準を持ち出されると、彼らも積極的に『動いている』訳ではない】
【世界を揺るがす事件の、少なくとも『当事者』になった事は、無いも同然なのだ】

あー……けどま、≪R.I.P.≫とかそこら辺からかよ……それならまぁ、為になりそうな話は、出来なくはねぇか…………
「そうだね……――――とりあえず、今動いている組織について話すのが、全体の流れを掴むのに便利かな?」

【とは言え、少女の知っている知識の範囲から考えれば、2人にも十分に新鮮な情報を提供する事は出来そうで、どうにか勢いを取り戻す】

えーと、まずはだな……≪R.I.P.≫は壊滅して、もう跡形も残っちゃいねぇよ
ただ……その少し後から『Justice』も『対機関連合』も『青義同盟』も『魔術協会』も『救いの御手』も『暴蜂』も、すっかり動かなくなっちまってな……地続きで動いてるのは『機関』だけさ……
「……代わりに新しく勃興してきたのは、『Justice』の後につくような正義の旗印を掲げてる『UNITED TRIGGER』と、マフィアの同盟組織……と言うべきなのかな、『D.R.U.G.S.』の2つだね……」
機関は、まぁ分かるな? 『UNITED TRIGGER』は正義として動いて、『D.R.U.G.S.』は反機関の立場だが、これもやってる事は機関と似たり寄ったりだ……
この3つの集団が、今の世の中で鎬を削ってるのが現状って奴よ……

【2人の語る言葉は、世界が既に大きく様変わりしている事を端的に表しているだろう】
【かつてその名を馳せた組織は、『カノッサ機関』以外はほぼ全滅と言った感じで活動実態がなくなり、歴史の中の存在となってしまい】
【代わりに現われたのが、正義を掲げる『UNITED TRIGGER』と、機関とは別の形で世界に仇成す――――と、少なくとも彼らは語る『D.R.U.G.S.』】
【これが、今の世界の流れの中心にある、大きな3つの台風の目なのだろう】

で、今は風の国は機関の侵攻が著しくてな……人外魔境みたいになって滅んじまったエルジオとか、マジでやべぇ事になってやがるぜ……
「……夜の国は、やはり機関もだけど、『D.R.U.G.S.』の侵攻もあって、やはりきな臭い事になっているね……
……かつてもそうだったけど、『UNITED TRIGGER』はどうしても、後手に回らざるを得ない状況にあるよ……」

【情勢は分かっていても、彼らは具体的な事件に関して、接点が薄いのだろう。そこの解説はどうも曖昧で】
【ただ――――相変わらず、この世界においては悪徳が優勢に力を振るっている、と言う事は分かるだろうか】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2013/05/13(月) 23:13:46.13 ID:t01i5Wzw0
>>260

……ふむ。それもまあ、おかしな話ではあると思いますけどね?
魔術……というより『技術』と呼べるもの全てに対する事例ではあるのですが。
それらは全て、時代や潮流等によって常に変化していく物なのです。
性質も、大きさも。全て、一定のままに残っている『技術』はあり得ません。

そうなると、あなた方の技術がある面でその師匠を超える日が来るやもしれません。
ではその時にもまだ、『免許皆伝を渡さない』――と言う事になるのでしょうか。
それは……出会ったばかりの私が言うのも恐縮ですが、いささかおかしいように思えます。

もうひとつ。
『変化した技術』を持っているのは、あなたたちだけだという事も、お忘れなく。
師匠の物ではない『それ』を伝える義務だって、持てる者にはあるのですよ?

【ここまで言うと、取りとめもない話をすみません、と彼女は謝罪の言葉を述べて】
【二人が魔術を行使するのを、じいっと興味深そうに、はたまた分析するように眺める】
【術式がその効力を発揮するのを見ると、ほう、と小さな感嘆の声を上げるのだった】

……いくつかの鍵語を組み合わせる事による短節連詠唱……でしょうか?
この手の魔術形態は、身につけられれば非常に色々な効力を持てるはずです。
先程多少悪く言った舌の根も乾かぬうちですが、良い師匠をお持ちで……。

【彼女なりの分析を並べ立て。良い物を見た、と賛辞の言葉を二人へ送る】
【純粋に、まだ自分が知らない物を見るという事が彼女は好きなのだろうか】
【それを見せてくれる人間には、非常に良い印象を抱くようである】

いえいえ。私なんかは本当に籠りきりでして、ね。
それこそたまに外に出て行っては、こうして話をうかがう事程度しかできない――。
まあ、普通の人よりもさらに『動いて』いないとも言えるでしょうね。

……ええ。『組織』は『流れ』を見る上では重要な単位なので、そこから。

【彼女はそうとだけ言うと、二人の説明する『時代の流れ』を頷きながら聞いていく】
【時折いくつか反応する言葉があったのだが、何かを口にする事はなく――】

『Justice』も『連合』も無くなって、『UNITED TRIGGER』や『D.R.U.G.S.』に。
しかし後者もやっている事は『機関』と大差ない、という事は過激という事なのでしょうかね。
……ふむ。純粋に正義を志す人間には、なんとも生きづらい世になってしまったようで。

ああ……そうだったのですか。最近この国に来たのですが……。
人外魔境というのもまた凄い表現ではありますが、だいたいのイメージはつかめました。

……そうですね。以前の『Justice』も、後手後手にしか回れないのが悩みでした。
とはいえ、対立組織に侵攻するには手札も、情報も足りなさすぎるという現状――。

ふむ、『要素』は変わっても『状況』は変わりないという考え方で良さそうですね。

【そうまとめると、彼女は一つ頷いた。何か合点が行ったのだろうか】
【……彼女の言葉の端々からは、どことなく『正義』側に近いような印象が伺える】
【中立のように振る舞いながらも、悪の肩を持つ気にはならない、のだろうか】
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/13(月) 23:22:00.86 ID:auJqGwUM0
【ひっそりと静まりかえった街の中】
【その中央に存在する公園。其処に植えられたシンボルツリーと呼ばれる大樹が、ガサガサと一人音を立てていて】
【視線を向けたならば、巫女装束を纏った一人の少女が見えるだろうか】


「困り……ましたね
お姉ちゃんは何処に行ってしまったんでしょう……?
土地勘もありませんし……このまま虱潰しに探すのも……」

【器用に枝の上に立てば、辺りを見回して】
【――――然れど、目的の人物は見当たらなかったのであろう】
【深い溜息を一つ吐けば、その場から降りようとするけれど】


「仕方ありませんね……今日は一先ず宿に帰って……て……?
ひゃっ?!わわわわわわわ?!」

【――――足を滑らせれば、そのまま手をグルグルと振って】
【何とかバランスを保とうとするけれど、その努力も虚しくやがては地面に向かって急降下するのであろう】
【大怪我をする程の高さでは無いにしても……さて――――もし、近場に人が居たならばその光景をどの様に捉えるのだろうか】





【しーんと静まりかえった町の中】
【コツコツと歩きながら、新聞を広げるのは女学生で】
【小難しい顔を浮かべれば、ページを行ったり来たりするけれど、表情が晴れる様子も無く】


「困りましたねぇ……
おもしろそうな情報が沢山……って言っちゃったら不謹慎ですね
みんなの興味を惹くような事件が沢山起きているのは良いのですが……」

【――――出るのは、溜息】
【新聞紙を何処か適当なベンチに置けば、自身がその横へと座って】
【やっぱり、溜息。傍から見ていれば、解雇通告を受けた者そのものである】
【困った様に天を仰いだって、良い案が浮かぶわけでも無く】


「私程度の人が首を突っ込んだら、間違い無く一瞬で死んじゃいますよね
かといって気になる物は気になりますしー……」

【――まさに、途方に暮れたという言葉を体現しているようにも見えるだろうか】
【一人でぶつぶつと呟いている様は異様にも見えるけれど、本人は至って真剣……のつもりで】
【人通りが皆無なこの時間――ならば、訪れた者の視線は必然的に女学生へと移ることになるだろうか】
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/13(月) 23:43:09.85 ID:v/rnAm0f0
>>261

あー、まぁ……しょうがねぇんだよ。手軽っていうのは、その分危ないって言える事だしよ……
「そこをしっかりと弁えていないと、単に使いこなせるって言うだけじゃ、人に教える資格はない……そう言う事なんじゃないかな……?」

【2人の扱う魔術は、魔力を秘めて、キーとなるスペルさえ知っていれば、一応使う事は出来る】
【また、その手続きさえ合っていれば――――予想外の出来事を引き起こしてしまう事もある】
【そうした、一面では危ない術でもあるのだ。それを容易に広めるのはよくないと、縛りを強くするのも、分からない話ではないだろう】

……あぁ。簡単に言うとそう言う事になるのかな……このスペルも師匠が考えだして、魔術的に意味を持たせたもんさ
後は、単語の意味をしっかりと理解して、上手く組み立てられれば……言う様に、簡単に望む効力を具現化させる事が出来るんだぜ?
「……これが、はたして分かりやすい例えになるのかは分からないが……コンピューターに例えてみると良いかもしれない……
一般の魔術と言うのは、要はプログラミング…………それに対してこの体系は、コンストラクションツールの様なものさ……
出来る事は限られる分、取り回しは簡単……と言った様にね」

【少女の言葉に、それぞれが思うところを補足する】
【コンピューターに例える、と言う、分かりやすいのか分かりにくいのか分からない例えもあったが、確かに体系づけと言う意味では整理されたものだ】

まぁ……それならしょうがねぇか。俺たちももう少し、ちゃんと動ければ良いんだがよ?
美徳につくのか悪徳につくのか……それだけは間違っちゃいけねぇからな……後悔の無い様に、しっかりと選ばねぇと……
「…………」

【力のある人間として、彼らも世界の趨勢を黙って見ているのは本意ではないのだろう】
【だが、はたしてどのように力を振るうべきなのか――――何を目標に定めて動くべきなのか――――それが、彼らには難しかった】
【無論、彼らが自ら好んで悪徳へと走る人間とは映りにくいし、何かを画している様な様子も感じられないのだが】
【善であれ悪であれ、選ばなければ――――と言いながら、悪の道に至るのは考えていないのかもしれない】

あぁ……刑務所破りだのなんだの、派手にやってるらしいぜ?
「……麻薬の流通に、武力による小地域支配……そうした事を手広くやっているらしい。ただ、それでいて機関には明確に噛みついている……
単に悪だと言うのは簡単だけど、情勢の側からの要請を考えてみると、非常に難しい組織であると思うよ……」

【『D.R.U.G.S.』については、なんと表現したものか、2人も困っているらしい】
【他のどことも手を取らずに戦う悪の組織――――とでも言えば収まりが良いのだろうか?】
【ただ、この三つ巴のなかにあっては、中々厄介な存在である事は、間違いない様だ】

……機関も、寡頭制の様な形になってるらしくてな、『六罪王』ってリーダーがいるんだが、その内の1人が、風の国に魔の存在の塔を打ちたてやがってな……
あぁ、『魔海』とは別らしいぜ?
それと、夜の国では、元水の国の『支部』って奴があったんだが……機関の元支部長のレギンが、一気に攻勢をかけてるらしい……
やっぱり、今一番ホットなのは、機関って事だ……そこは、今も昔も変わらねぇな

【風の国の情勢に触れながら、機関についても補足する居丈夫】
【機関も、組織としては存続しているとはいえ、その体制は大きく変わっている。だが、特に注力しているのはやはり、風の国と夜の国らしく】

「…………?」
『UNITED TRIGGER』は、何人か顔見知りがいるんだが……人材の位はどうなのか、ちょっと分からねぇな……今、どれくらいの力があるのか……

【正義組織の人材――――実際には、現在のそれは非常に危うい状態になっているのだが、居丈夫はそこまでは分からない】
【ただ、青年は少女の言葉に、引っ掛かるものを感じた様で】

「……間違っていれば、非礼を詫びるし、聞き流してもらって構わない…………
…………君は『Justice』の関係者なのか?」
……あ…………?

【青年は、その疑問を少女へと問う。それに対して居丈夫は、虚を突かれた様に青年を振り返った】
【「以前の『Justice』も、後手後手にしか回れないのが悩みでした」――――この言葉に、違和感を感じたのである】
【無論、外から見ていてもそれは分からない事でもないのだろうが、そこに「当事者としての実感」が籠っている様に感じたのだ】
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2013/05/14(火) 00:05:40.42 ID:5Qsqnj5T0
>>263

なるほど。あなた方の師匠が言わんとしている事は分かりました。
引き金一つで人を殺せる銃が手元にあればトリガーハッピーが出来上がってもおかしくない……。
まあ、『作り手』としてはそこが一番心配にもなる……というのも理解できました。

それで師匠さんが良いのであれば良いのですが……まあ、少しだけ寂しい話ではあるな、と。

【世に広まれば、何らかの形で影響を与えるかもしれないのに――と】
【そう願う少女の魔術への姿勢は、どこまでも研究者じみた物に思える】

ぷ、ぷろぐら? こ、こんすと……え、ええっと……?
……す、すみません。私、機械類には本当に弱いものでして……。
ですがまあ、なんとなくわかります。パズルのような物ですね。
ふむ、これほどまとまった体系の魔術を見るのも、久しいです。

【身につけやすく、使いやすく、応用の範囲も無限でないとはいえ広い魔術形体】
【それを纏める事のできる二人の師匠は非常に優れた魔術師なのだろう――と】
【スタイルは多少『寂しい』部分もあるが、認めるべき人物であると認識したようだ】

……ふむ。そこだけ切り取ってみると、本当に社会的な悪とも捉えられかねませんが。
それでも『巨悪』に対抗するためにはなりふりは構っていられない『正義』が手を組んだ。
『D.R.U.G.S.』も機関という目の上のたんこぶが無くなれば得……なのでしょうか?

まあ、深いところはそれこそ、本格的に関わらないと分からないところでしょうが。

ほう、かなり上位の人間が絞られた……という事でしょうか。
以前の『機関』についても別段詳しかったわけではないのですが……。
……まあ、社会的には滅ぼすべき悪という事が分かれば良いですね。

【そこまで聞くと、彼女は何やら思考を巡らせようと――したその時に】
【青年からの問いかけを聞き。少女は彼らの方へと向き直って】

ええ、まあ。というよりも、『Justice』の創立者の一人の知り合いと言いますか。
たまに話を聞いていたもので、なぜかそちらの事情には詳しくなってしまいまして。

【特に何の感慨もない、といった様子で、彼女は淡々と自分の立ち位置を話す】
【――この様子だと、隠すつもりもなかったのだろうか。少女は二人をじっと見つめる】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/14(火) 00:24:38.79 ID:/3kBW42k0
>>264

……だな。埋もれさせるにはもったいねぇな、って俺も思うぜ……
俺だって、この術のおかげで色々と助けられたもんだからよ……
「それは、手前にとってもね……先生との出会いで、人生が開けたっていう面は、確かにある……」

【広める事の危惧――――1つの体系を作ってしまうほどの術者だからこそ、自らの生み出した体系に対する責任感も相応にあるのだろう】
【とは言え、それを理解は出来てもやはりやりきれないものはある、と言うのが2人の素直な感想らしい。それだけ評価していると言う事の裏返しと言えるだろう】

「あ……済まない、忘れてくれ……」
……確かに、パズルっちゃパズルだな。パーツの形は制限あるけど、組み合わせ次第で色々作れる……そんな感じだな
パーツを用意するのは師匠……その師匠が良い形でパーツを用意してくれた……そう言えば、すっきり分かりやすいだろ

【コンピューターの例えは理解されなかった様で、青年は苦笑しながら自分の言葉を取り下げる】
【だが、その要旨は理解されたようだと、居丈夫は頷く。こうして考えると、改めてこの魔術体系は優れているのだと、実感させられる】

……まぁ、便乗していろいろやってるって噂も聞くし、本質的には間違いなく…………な
「機関と手を組まない……それだけが肝なんだろうね。そこが無ければ、話は簡単になっていた……」

【少女の理解とは裏腹に、2人は『D.R.U.G.S.』を明確な悪と判断している】
【元より、秩序の破壊者の側に居る事は、間違いないのだから。ただ、機関との敵対姿勢と、機関優勢の情勢の中にある為に、曲がりなりにも実態を保って力を伸ばしているのだろうと】

そう……なんだろうぜ。まぁ、俺らだって機関の内部事情に通じてる訳じゃねぇけどよ
「ただ、彼らも彼らで紆余曲折を経ている様だから……古い情報は、役に立たない事も考えられるね……」

【規模の縮退を起こし、各『支部』の廃止などを含め――――機関も、内容は大きく様変わりしていると言える】
【ただ、それであってもなお、世界最強の非合法結社である事は間違いない。その動きには、一切の油断は許されないだろう】

え……ま、マジかよ……!?
「なるほど……それなら分かる気がするよ……色々と、大変だったんだろうね……」

【青年の推測が当たっていた事に対してか、あるいはその事実そのものに対してか、驚きの声を上げる居丈夫】
【対して青年は、得心が言った様子で頷く。世の情勢に疎いのも、そうした立場の関係で止むに止まれなかったのだろうと考えた様で】

「……『Justice』はもう無いし、その面々も今はどうしてるか、分からない…………ただ、さっきも言った様に、立場は『UNITED TRIGGER』が継承してる……
もし気になるなら、一度顔を出してみると良いと思うよ……」

【『Justice』の四散によって、様々なものが散逸してしまったのだろう。それ故に、青年はそう口にする事しか出来なかった】
【正義の旗に意味を求めるなら――――その力を持っている唯一の組織に出向くのが吉だろうと】
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2013/05/14(火) 00:53:20.15 ID:5Qsqnj5T0
>>265

そうですね。私が思うに、力を『簡略化』するということはつまり……。
『広めやすく』すること。『誰でも持てる』ようにすること。
そうしておきながらそれを制限するのは、突き詰めすぎた責任――。

……なんともまあ皮肉な感じはしますが。辿りつかないと分からない事もありますかね。

【もしも広めたくないのであれば、自分しか分からない位に複雑にしてしまえば良い】
【だが、『美しく体系づける』としながらも広めることを拒絶してしまったという事は――】
【――師匠が何を見たのか。それを部外者が推理するのは、いささか野暮だろう】

手を組まない『だけ』で悪……ですか。ふむ、心得ておきましょう。
私だって変な人に襲われるのは嫌ですから。見ての通りか弱い女の子ですし。

……なるほど、『力は変わるもの』とは先程言いましたが、これもそうですよね。
何事も一か所には留まらないのですから――変わるのは当然の事と言えるでしょう。

ふむ。有意義なお話を本当にありがとうございました。

【自分の中で見通しが立ったのか、少女は二人にぺこりと礼をして――】
【その拍子にずり落ちかけた帽子を、あわてて左手で抑えるのだった】

……さみしい物です。何人か知り合いの方が『Justice』にいましたしね。
ふむ……じゃあ……そうですね。もしも会う事があれば、ですが……。

元『Justice』の方……というよりも貴宝院織守や識槻朔夜になりますか。
その人達に『エルメアは生きている』とだけお伝えください。
まあ、そうですね……『末端』が言っていたといえば分かるはずですので。

……私自身は、熱量もなく、動く事もない。
そうですね、ただ『在るように在れ』と祈るだけの存在ですから。

【彼女が伝えて欲しいと言った人の名は、全てかつての『Justice』の中枢】
【一通り話し終えると、彼女はさて、と言いながらローブのポケットに手を伸ばし】

お礼をしなければなりませんね。とはいえ魔術触媒を使う体系でないのは聞きました。
では……まあせっかく技術を見せて頂いたわけですし、こちらも、という事で。

【取りだしたのは、2枚の白紙の札。二人ならちょうど指で挟める程度の大きさだろうか】
【彼女はそれに右手の人差し指を触れて。小さな声で、何かの詠唱を始める――】

滔々たる黒の大河を、彩と紡ぐは夜の闇。『クロムホライゾン』。
流刑の地となりし白へ。闇と共に在りて、覚める日までの眠りを捧げん。

【――唱え終わった瞬間、カードに何かの術式が焼きこまれていくのが分かるだろう】
【一しきり刻み終えると、彼女は二人に向けて黒い模様の描かれたカードを差し出した】

これを使えば、先程の鍵語詠唱……バルやレルでしたっけ……?
それの『属性』を一度『闇』にすりかえられる、はずです。
まあ、簡単に言ってしまえば、一回だけ詠唱を短くした闇魔術が使える、ですかね。

そもそもあなた達に闇属性の適正があるかは、私にはわかりませんし。
何より上手くあなた達の形体にあっているかは分かりませんが、気持ちだけでも。

【二人がそれを受け取るか、はたまた拒否しても。彼女はもう一度礼の言葉を述べ】
【くるりと踵を返し、『末端』と名乗った少女は雑踏へと消えていくだろう――】


//時間も遅いですしこの辺で。お疲れ様でした!
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/14(火) 01:10:07.05 ID:/3kBW42k0
>>266

……だろうな。元々、字を読むのがやっとだった俺が、ここまで扱えるようになるんだ……そう言う意味では、良いもんだぜ……
「……難しいだろうね……先生の真意は、手前らにもよく分からない……ただ、それが創始者として難しい事なんだろうとは、思うよ……」

【自分たちの行使する力が、素質さえあれば容易に扱えるものだと言う事は、重々承知している】
【だからこそ、その伝播を制限すると言うのは、何か考えがあるのだろう。その真意を計り知るのは、流石に関係者と言えども難しいだろう】

……そう考えておいた方が自然だと思うぜ……まぁ、俺らの言葉がバイアスになるのもアレだけどよ?
「でも、君の言う通り……危険なものに、無闇に近づかない方が良いとは思うよ……真実を知るのは、また別にしても、ね……」

【自分たちの言葉も、言ってしまえば間接情報になる。そこに、情報を歪める何らかの作用が発生していないとも限らない】
【しかし――――だからと言って『D.R.U.G.S.』と直接相見えると言うのは、非常に危険な行為。ささやかに警句を口にして】

っ…………?
『末端』……? ――――まぁ、分かったぜ……
「本当に分かったんだろうね……? 貴宝院織守、識槻朔夜……ちゃんとその名前も覚えないと……」

【託された伝言。その意味するところを、『Justice』とは無関係だった2人は知らない】
【だが、何か非常に重要な事なのだろうとは理解して、了解する】

「(……『熱量もなく、動く事もない』……『『在るように在れ』と祈るだけの存在』、か……どうやら、手前らが思った以上に…………)」

【その言葉の節々に、やはり引っ掛かるものを感じる青年。どうやら、自分たちが相手にしているのは、それなりに高位な存在なのだろうと、薄々感づいて】

お…………これは…………ッ?
「…………ありがとう。他流の魔術を見る機会もそう多くない……興味深い物だよ…………」
(…………とは言え、一応詠唱には闇のパターンもあるんだけどな?)
「(……詠唱の短縮に、純粋に使う事も出来る…………そう言う意味では、素直にありがたいかな……)」

【差しだされた札――――術式の仕込まれたそれを受け取りながら、2人は頷いて見せる】
【ただ――――内心ではそれぞれ、思っている事は違うのだが、少なくとも青年は、そこに利用価値を見出したようで】

……伝言、確かに承ったぜ。気をつけてな……!
「……この世界の混迷、見極めるのは大変だけど……気をつけて……!」

【去っていくその背中に、別れの挨拶を告げる2人の魔術師】
【――――その胸に去来するのは、現状を見据えた新たな決意か、それとも蒙昧に過ごした今までの後悔か――――】

/遅くまで乙でしたー!
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/15(水) 18:25:37.11 ID:qtP3sz9Qo
【水の国 昼】

【人の往来が活発なストリートで、地面に座り込み、露店を拡げる男が居た】
【年齢は20歳程だろうか。赤いパーカーと濃紺のジーンズ、そして何故か"左手にだけ"革手袋を嵌めている。パーカーからのぞく若干巻き毛気味の黒髪が特徴的だ。】

さァさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、世にも奇妙なアイテム豊富に揃えとります!!
万引き冷やかし恐喝強盗なんでもござれ。値下げ交渉も応じるよォー!!

【彼が拡げた風呂敷には一見してガラクタに思えるようなモノばかり】
【透明な瓶に入った水、奇妙な形に歪曲した枝、ほんのり輝きを放つ琥珀、何の変哲もない赤縁のメガネ、灰色の付箋などなど……】
【一般人からして見れば、どれもこれも何の変哲も無い―寧ろ、ゴミと言ったほうが適切かもしれない―物品に見えるだろう】

お、ちょっとそこのお姉さん。このキレイな琥珀、一つどうだい?今ならお安くしますよ―― あ、いらない。あそう……。

……ちょいちょい、お兄さん、どうだいこのメガメ。きっとお兄さんにピッタリ似合うと思うよ!
今ならなんと、特別出血サービス、本来2000オギョギョクォーツの所を……―― え?お兄さん、オギョギョクォーツを知らない?あそう……。

【初めこそ、興味本位に覗いてくる客こそ居たものの、やはりガラクタばかりだと見るや否や、すぐに客足は閑散としてきた】


【そして、時は過ぎ……】

【昼に開いた露店も、とうとう何も売れないまま日没を迎えようとしていた】

くそぅ……。どういうことだ、観光地だって聞いたから、ここなら売れると思ったのに、なんで誰も買わねえ……、それどころか見向きもしねえじゃねえかよ……。クソッ、クソッ!

はぁ、チクショウが、こうなりゃチキンレースだ、誰かが何か買うまで絶対ここを動かねェぞ俺は。

【ここは水の国、人の往来が活発なストリート】
【例え日が沈んでも、ここを通る人間は絶えることはないだろう――】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga sage]:2013/05/15(水) 18:41:42.46 ID:rvD9UajAO
したらば>>1000

【蛇の落ちた足元でり――んと鈴の音が鳴ると、そちらへ警戒と目を僅かに向ける】
【何も起き上がってこないのを確認すれば、距離をとって離れる鈴音へと視線を戻す】
【次いで鏡の蛇は、払われると割れてただの破片と化し、少々離れた場所に転がって沈黙】
【消えない脅威に油断はすべきでないのだろうが、直情的に走る彼女は気付けるだろうか】

おお、怖い怖い――つい怒らせちゃいました、ねえ。不思議と悪い気はしませんが

鈴音ちゃんったら、死ねとは言いますけれど……それって“誰”の気持ちなんです?
もしかして、それさえもお父さんからのプレゼントかな。鈴音ちゃん?

【現在の状況と対照的に穏やかな声色は、子供を宥めようとするそれではあったが、】
【空っぽであることを揶揄するみたいに、減らず口を叩いては少女へと問い掛けて】
【相も変わらず不動のまま。忙しなく目を動かしながら迫り来る二匹の蛇を目視する】
【角灯を持つ手をゆるりと動かすも、顔の前に持ってくるだけで、回避も防御も間に合わない】
【俯いて地面へ視線を落とす。顔を守る腕が酸に噛まれて酷く爛れ、再び腐敗臭が立ち込める】

ッ、おいたをする“悪い子”は、……お仕置きですよ

【手が緩んで角灯が落ちた。ばりん、と派手な音を立てて、白い灯火が消え去る】
【それと同時に両手の人差し指が、それぞれ別の方向にある何かを指し示すだろう】【見ればあるのは、先程から落ちていた、「蕩けた鏡の塊」と、「割れた鏡の破片」】

【二種類の鏡は同時に、藪から蛇が飛び掛かってくるみたく、鈴音へと肉薄する】
【速度はどちらも変わらない。それこそ目視をしてからでも対処が出来るものだ】
【但し「蕩けた鏡の塊」の性質だけは違って、酸と同様に触れたものを溶かしてしまう】
【狙いは、破片が胴体、塊が顔。当たろうが当たるまいが、いずれどこかで消失する】

【腕の陰から若者は、相手の一挙手一投足を逃さぬようにとずっと“見ている”】
【先程から視線を隈無く巡らせている辺り、どうやら「目」に頼りっぱなしらしく】
【仕返しといって顔を狙うのは、なるほど意外と功を奏しているようだ】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 19:44:39.46 ID:KGfuiRpX0
>>269

【銀色の鈴は、地面に滲み込んだ飛沫は、もう彼女の手から離れたもの、繰ることの出来ないもの】
【払った鏡の破片――それもまた同じだと思ってしまったのは冷静な思考の出来ないのもそうだが、】
【自分の世界が全部だと思い込む子どもの思考回路のようでもある。自傷行為の痕みたいに刻まれた手首、】
【左手でぎゅっと押さえても溢れる赤色は止まるわけもなく。包帯の白も服の紅も犯したなら、落ちるのはきっと薔薇の花弁の散るにも似ていた】

っ……、! ……教えて、あげない

【例えば失せたパーツだってたくさんの時間と魔力さえあれば戻すことの出来る治癒力、ただ、痛みばかりは何も変わらない】
【何度も死ぬ体験が出来るなんて一部のコアなマニアとかにならば受けるのだろうか。痛がって歪む表情、眉を顰めて】
【じぐじぐと突き刺すような痛みが止まらない。それでも強がるように返した拒絶、ふらと揺らした首の動きを、髪が真似て】

【噛み付くよりも不定形に歪んだ蛇のかたち、視線はそのおしまいを撫でることもないが、】
【そのふたつが齎した結果はついと追いかけてしまう。角灯の割れ砕ける音、戻した視線は指の先を見て――】

――、え、

【――浮かべた表情の示すのは、つまりびっくりした、と。そんな風で合っているのだろう】
【動かないものだと、動かせないものだと、“思い込んでいた”、過失】

【見てから避けられるような速度だって、予想外で動くなら、ずっとずっと早くも思えた】
【避けようとして引いた足がかつと不安定な足音を刻む、けれどどちらも避けきるにはずっと足りなくて、】

【頭を抱くように顔を護った両手、とろり蕩けた塊を防ぐ手立てはそれ以外になく、じうと肌の焼ける音がする】
【顔に両手を割り振ったのだから必然的にどうしようもなかった胴は破片を総て受け入れるしかなく、裂かれて、突き刺さって、】
【――曖昧に踏んだ足元が揺れる、バランスを崩す、思い切り薔薇の棘だらけの樹の中に倒れこむ、誰のせいでもないような、オマケまでも付いてくる】

【ばきばきと樹の折れる音、それでも軽い身体は中途半端なところで抱きとめられて、寄りかかるような、そんな姿勢】
【黄緑色の花にぱしと血しぶきが飛ぶ、疎らに染め上げて、黙りこんだのが、ほんの数秒のこと】

……――、―― ――――    ころしてやる

【零れるように、溢れるように、じわと漏らした声は怨嗟以外の何でもなく、唯一まともに聞き取れるのはこれだけ】
【水面にごぼり湧き上がる大きな泡のように膨れ上がる魔力はきっと外れた箍を意味するのに】
【怒ったときに声がひっくり返るように、焦れば焦るほどに失敗するように、ぐると空中で渦巻く水は、それ以上のかたちを成せず】
【びっちゃらびちゃら堕ちては爆ぜる、ほんの少しの飛沫は、ただ、攻撃と呼ぶにはかわいすぎた】

【じぐと泡立つ両腕の向こう側、ぎりと睨みつける瞳ばっかりが、ぎらぎらと睨みつけている】
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/15(水) 20:27:12.27 ID:eVltVFhLo
【酒場】

【とある国のとある街の歓楽街、少し通りを入った先にある大衆的な飲み屋】
【洗練されたモダンな雰囲気も、社会的な紳士もそこには居ない】

【酒と煙草とダーツとトランプと後は粗野な云々かんぬん。ルールはないがマナーはある】
【そんな多種多様さは疎む人も多いが居心地がいいと思う人間も同じだけいる】

【夜はまだ八時。今日は平日、明日も平日だ】
【集まった人々のエネルギーがアルコールによって最大限に発動されている】
【一番賑やかな時間帯がこのぐらいだろう、どこもかしこも大賑わいで熱気が渦巻く】

【で、その酒場内の窓際のテーブルにトランプカードを散らばらせ、ビールの空き缶を大量に転がし】
【煙草をくわえたまま、椅子の背もたれにだらんと体を預けて、天井の回るプロペラみたいなヤツを見ている】
【黒いスーツ、白シャツ、赤ネクタイ、ブラックレザーブーツの男が居た】
【サングラスをしていて、手足が長めで、肌が非健康的に青白い】

あー……あの、プロペラみたいなやつ…何て言うんだろ

【酔ったからか、独り言はフルボリュームで垂れ流しになっている】

【目をつぶってみて、他のテーブルの雑談に耳を傾けたりして気を紛らわそう】
【そう思っても、他の雑談に邪魔されて聞き取れないので直ぐにやめた】

【雰囲気は何人かで酒を飲みつつトランプやって、1人残されたという感じだろう】
【体からにじみ出る感じは大敗か惨敗のどちらかみたいだ】

【賑やかな店内だが、このテーブルの周りだけは曇っている】
【それは煙草の煙を換気できていないだけじゃあなさそうだ】
         
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/15(水) 21:13:41.76 ID:pjGxL7+jo
【街よりやや遠く――小高い丘に位置する、巨樹の上】

【非常に見晴らしの良い巨樹の上、枝葉の合間に人影があった】
【特に何をするでもない。遠くから街の灯りを眺めたり、星空に目を移したり】
【ただ時折シャクっ≠ニいうリンゴを齧る音が聞こえるのが、何とものどかで】

……ま、やはり森の中で暮らしていた分、街中というのは騒々しくてのう
たーまにはこうしてのんびりせぬと、胸が詰まって死んでしまうちや

しっかし、やはり櫻とは見える星も違うのう……林檎も、中々味わい深いものよ

【誰かがそこを通りかかり、見上げれば――先ず目に入るのは銀色か】
【2m近い尻尾も、獣の耳も、髪の色も銀色。林檎を齧るのは獣人の女性だった】

【服装は軽やかなハーレムパンツに、腹部を露出した踊り子のようなもの】
【他に装飾品のようなものはないが、左手には果物を詰め込んだ紙袋を抱え】
【そして、右手には食べかけの林檎。枝に腰掛けそれを味わう姿は、何とも非日常的な様相で―――。】
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 21:23:58.43 ID:cPxti5ioo
>>271
/まだいらっしゃいますかな?
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/15(水) 21:28:39.89 ID:eVltVFhLo
>>273
/はい、居ります
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga sage]:2013/05/15(水) 21:30:09.41 ID:rvD9UajAO
>>270

【鮮烈な赤色に濡れる少女の姿を見て若者は、ここでようやく足を動かした】
【こつ、こつ、こつり。プレーントウの靴底が湿る地面を叩いて、近付いていく】
【蕩けたほうの手が胸元のカメオを大事そうに包み込み、もう片方の手には手鏡を出現させる】
【顕現した殺意と怨念の塊は充分な脅威に値する――接近しないに越したことはないのだ、が】
【生まれついての気取り屋な性分が祟ったのだろう。どんな境遇にあろうと、余裕を演じ続ける】

ふふ、教えてくれないだなんて、ズルいじゃないですか……

……ねえ鈴音ちゃん、そのままお人形さんで在りたいんですか?
なんにもない、空っぽなままの自分って、なんだかヤじゃないですか?
もしお父さんがいなくなったら、きみに生きている意味は――?

【かくりと首が傾いた。目の前の相手の、かつての動きを再現するみたいに】
【鋭く睥睨するオッドアイと、薄ら笑う紅の瞳が交わされ、じっと見詰めあう】
【瞳に対する偏執狂は、双眸を通して、感情の奥底まで覗き込もうとしてくる】
【問い掛けはまるで相手の幸せなんて理解する気がないような自己満足の権化】

嫌われるのが嫌なら今みたいに自分から嫌ってしまえばなんてことはないのに
殺したいなら殺せばいい、そう徹底的に、形を残してしまわないくらいに

【けしかける言葉は、若者にとっては人形遊びの延長に過ぎないのだろう】
【ある程度近付いたなら立ち止まり、反応を窺うのはさながら観察者のようでもあった】
【糜爛の苦痛のためか緩慢な動作で手鏡を掲げ、少女の顔をそこに映そうとする】
【鏡自体には何も動きはない、覗き込んでも表情がそっくりそのまま映されるだけ】

――――でも、きみのこと、好きですよ?
【ぽつりと呟いた言葉は恐らく、彼女に届きそうにもない、最後の肯定だった】

【近付いて初めて分かる、色濃く漂う腐敗臭に混じるのは、少女と似て非なる人外めいた気配】
【それは握り締めたループタイのカメオを中心に広がっている。もし攻撃を仕掛けるならば――ここに違いない】

/大変お待たせいたしました!
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 21:40:58.22 ID:cPxti5ioo
>>271

【相手に近付く、踵の音がやけに響く足音。 残念なことに若い女という訳でもない】
【一人残されている人間によってくるのだから、同じく一人でふらついていたのか】
【近くの席に挨拶もなしに座り込んだ手には一本の麦酒のボトルを掴んでいて】

……換気扇、じゃないのか? いや、私も知らないが。
お前、道端に落ちてる石ころ見て「これは何岩だ」って一々分かるか?

【――既に幾らか酔っているらしい。 突っかかる口調の割に楽しそうではあった】

【左右で瞳孔の開き幅が違うオリーブ色の目が特徴的な、黒服姿の若い男】
【長い紅茶色の髪を夜会巻きにし、長い爪は紫色に染められている】

【長身痩躯に白皙、通った鼻筋と、昔に居たなら美周郎とも呼べそうな容姿は】
【生憎、場所が場所だけに何か猥雑な職業の者にも見えてしまうのだろう】
【誰がどう批評するにしても、とかくここでは浮いているのは間違いないのだが】

/それでは失礼してー
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/15(水) 21:55:03.07 ID:0diQqBRC0
【街外れ……小さな屋根に覆われた、ちょっと古びた木のベンチがある公園】
【公園のすぐ北方には、生い茂る木の新緑に覆われた林が夜の涼風に吹かれてさわさわとざわめいている】
【数か月早く訪れた夏とも言えるような外の暑さもどこへやら、ひんやりとした空気が辺りを漂っていて】
【紺碧の夜空から覗く青白いお月様は、子供の喧騒も無くなりしんと静まり返った芝生をやさしく照らしている】

【そんな静かな時間だけが流れる公園の隅の方、少しばかり光が漏れるような部分があって】
【時折ガサゴソと響くその音を訪ねてみれば、小さな深緑色のテントと時折パチンと撥ねる焚き木を見付けられる筈】
【闇夜に煌々と光るその灯を見つかるのは、きっとそう難しい事ではない】
【そして同時に、そこに佇む人影を見付けるのも――】

【――テントの主は、若い女性のようだ】
【ちょっと長めの鳶色の髪は夜風に吹かれて靡き、澄んだ茶色の瞳は赤々と燃える焚き木を見つめている】
【少しくすんだベージュのズボン、淡い桜色の半そでシャツ、そこからすらっと伸びる白い腕は照り返す炎の光で橙色に染まる】
【そよ風に吹かれ、揺れる炎を見つめながら物思いにふける――こんな時間を過ごすのも、又良し】

【「ふぅ」と微かにため息を漏らしたなら、静かに腕と同じく白い顔を上げて夜空を見上げる】
【今日はいい天気だった……それはになってでも変わらないらしく、瞬く星は夜空をきれいに飾っている】

……自然の美しさ、ですね……
やはりありのままが何にも増して美しいです……

【夜空に瞬く星々、その中で私が主役と言うかのように美しく光る月、BGMには木々のざわめきと時折虫の音――自然が織りなすミュージカル】
【恐らく地球上のだれも手を加えていない自然の織りなす芸術に感嘆の声を上げるのは、彼女が自然学者だからではないだろう】

【それはきっと、例えばそこを通りかかった誰かが見て/聴いても同じかもしれない………】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/15(水) 22:04:39.93 ID:eVltVFhLo
>>276

換気扇……?それじゃない、それではないんだよな…
だってよ、換気扇ってのはあれじゃん?ヒモ引っ張ったら回る奴…

【ダラーッと天井を見上げたまま、手でヒモを引っ張る動作をやってみる】

ちげえって、あの上のやつの名前が知りたいんだって、石は石だろうよ
お前はこれっぐらいの平らなもんは全部テーブルって言うのか?
このテーブルがマホガニーなのかスギなのか何て興味ねえよ

【いきなり飛び起きて、乱雑なテーブルを腕で掻き分けて】

【その中から吸殻だらけ、灰山盛りの灰皿を引っ張って】
【そこに、くわえていた煙草を押し付けて、また山を高くする】

その辺のもんは適当によけてくれ…まあ、気にしないのが一番だ

【頭を掻きながら、椅子の足元に置いてあったテキーラの瓶を手にとって】
【そのテーブルにいくつも転がっている、ショットグラスを適当に手にとって】
【瓶の栓を抜いて注いで一気に飲んで、また注いでから蓋を閉める】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 22:18:25.91 ID:KGfuiRpX0
>>275

【ぶつぶつとあわ立つ肌の感覚、血涙はすっかり乾いて止まり、ただ別の部位からの出血がひどい】
【薄ぺらな身体に突き立って煌く鏡の欠片はきっと湧き上がる血の赤色ばかりを映すのだろうか】
【痛みから逃げようとするみたいに湿る地面を押す足、ヒールが無意味に抉るだけで、何も成せない】

【――薔薇の香りももう分からない。場に満たすのは血の生温い臭い、緑の薔薇も血色に染まって】

【近づかれようとも動かない/動けない、痛みと貧血とで震える手足、そんな動きに薔薇の葉がこすれかさかさ鳴くばかり】
【言葉にも音にもならないような殺意ばかりがあるのに上手く繰れない苛立ちは熱湯を火にくべるようで――】
【何かをしようとする残滓が躍る――それは水飛沫だったり、桜の花弁だったり、不定形のナニカだったり】
【共通するならば総て相手を害そうとするモノたち。檻の中の猛獣と同じ、わざわざ手を伸ばしたりしなければ、害せない】

【ぎくと痛みに慄く指先が跳ねて、恨みがましく唸るのはにんげんよりもずっと堕ちて、獣めく】
【触れない距離で立ち止まる相手の眼前、ぐると桜色をした水が渦巻くけど――やはり、何にもなれないまま、滴り落ちた】


【差し向けられた手鏡、映された顔、見つめて――ひぐと、息を吸い込む鋭い音がひとつ】
【きっと何がきっかけだったかなんて本人だって分からないのだろう、痛くて、痛くて、とにかく、いやだった】

【それと同じ頃合だろうか、場に無秩序に散らばっていた彼女の魔力が本体へと引き摺り戻される】

――――――――っっ!

【締め上げた喉で上げる声は明確な言葉のかたちも持たず、ただただ悲鳴みたいに釣り上がるだけ】
【常の声よりもずっとずっとずっと高いなら、マイクのハウリングにも似た不快な音でしかない】

【――胸につんと立った鏡の破片、溢れていた血がふつと、桜色へ置き換えられる】
【まるで液体のようにごぼと沸き出すのは間違いなく彼女の魔力で、樹が成長するように枝分かれして成形されていく、物体】
【殴りかかるような速度は、ただ疑う余地なく暴走に程近い最後の一撃、鋭く鋭く尖る桜色した枝先での刺突】
【金属めいて艶めく硬度が真っ直ぐ――その手ごと身体ごと貫こうとするのだから、相手からすればたまらないはず】
【もしも受け入れてしまったならば、びきびきと分かれていく枝先が体内を蹂躙するだろうこと、想像するのは簡単で】

【けれど。チャージにも似た前動作がある。ばけものめいた早さで迫るわけでもない、ひとの胴ほどの太さの殺意は避けることも十分に出来る】
【――明確にかたちある枝に追いやられた鏡の破片が抜け落ちて地に堕つ、血塗れた地面に突き立つ頃合には、叫ぶ声も、消えていた】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 22:24:31.45 ID:cPxti5ioo
>>278

……ああ、そういう事な。 これだからズレてるって言われるのか?
考え過ぎるとその内に道端の石全部割って、化石が無いか探し始める人間なんだよ、私は

【だいぶ酒の匂いはする、言葉も不明瞭、ただ顔色だけが至極普通だった】
【男は相手に倣って腕で適当に物を退けて突っ伏して、気分良さげであったのだが】
【顔を上げたすぐ先に空いたグラスを見止めて軽く眉を顰める。 それも軽く手でそっちへ押した】

【そのついでに自分の周囲に限って几帳面に雑多な品を並べだし、それが一段落した頃合いに】
【肩肘を付いた姿勢のまま、男は周囲に見えぬよう腕の影で何かを相手に見せた】

で、私も独り身を慰めてやりに来た訳ではないんだ――こいつに見覚えは?

【散らばるトランプに混ざりそうなサイズ、一枚の写真に写るのは一人の男】
【路地裏を歩いているらしき所を盗み撮ったらしきもの。 顔は余り鮮明でないのだが】
【右頬に嫌でも目立つ「皿に乗った牛の生首」の刺青、よれた黒服。 相手に覚えはあるだろうか】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 22:26:24.41 ID:cPxti5ioo
/>>280の下から二行目を以下のとおり訂正します
/【路地裏を歩いている所を盗み撮ったもの。 顔は余り鮮明でないのだが】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/15(水) 22:31:25.41 ID:qtP3sz9Qo
>>277
//いらっしゃいますか?
//いらっしゃるようなら、アドバイスどおり、>>268を取り下げさせてもらいます。
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/15(水) 22:35:08.07 ID:0diQqBRC0
>>282
/はいはい、いますよー!
/制限時間は2時までなのでそれ以降になれば後日持越しになると思いますが、それでもよろしければ!
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/15(水) 22:47:29.44 ID:eVltVFhLo
>>280

まあ、大したことじゃないから…独り言だよ独り言
別に普段はあれがプロペラでもレシプロでもジェットでもどうでもいい

……へえ、化石か……三葉虫ぐらいしかイメージにないね

【例え話の化石で三葉虫に直結する辺り、この男もずれてるんだろう】
【もしかしたら同じ方向にズレているならば善い誤算というものだろうか?】

【ごちゃごちゃした中から、半分潰れたような紙の煙草の箱を探しだして】
【それを軽く振って中身があることを確認した後、一本取り出して】
【またゴチャゴチャからジッポライタを取り出して、手で覆うように火をつけた】
【煙草の箱も、ジッポライタもまたテーブルにぶん投げて、ゴチャゴチャの一部に戻す】

【煙草を右手でつまんで、空中でブラブラさせながら】
【男はテーブルに肘をついて、写真の方に身を寄せた】

……ああ?あーっと……ああ、あるよ。見覚えは
まあ、何度か飲んだぐらいだよ……それだけだけど

で、何?アンタは。……あれか?トラッカー(追跡屋)?プライベートアイ(私立探偵)?
生憎、居場所とかは知らんぞ……あと、安酒場での呑兵衛の情報なんて宛にしないほうがいい

【UT抜けたり、あとなんだかかんだ聞いた覚えがある】
【ともかく、己と同じくあんまり口を滑らせるのは良く無い身分だったような】

【ともかく、今のところはこの相手には少し用心したほうがいいと思った】
【アイツをかばうと言うよりも、自身の身に何か起きるのを心配してだが…】
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 23:02:11.70 ID:cPxti5ioo
>>284

……サンヨウチュウ? 新手の蟯虫か?

【勿論知ってて言っているのだろう、自分で言って自分で笑うのだからどうしようもない】
【酷く楽しそうに肩を揺らす男はだらと机にだれた姿勢で、どこかに妙な違和感がある】
【それが視線であると気付くのは造作も無いだろう。 彼は決して相手と目を合わせなかった】

【唯一相手が写真の男を知っていると話した瞬間だけ、少しばかり視線を上げて】

弟。

【それだけ言ってぐいと麦酒を一煽りする顔は、勿論あのゾンビとは似ても似つかない】
【まず人種からして違う。 相手の思っている通り、警戒に値するだけの疑問点があった】

情報を得るにはまず酒場……RPGの常識なんだろ? 最近のがどうかは知らないが
まあ人に覚えられる程度に生きてるなら問題無し、か……嗚呼私は、教師。 元が付く

【空になったボトルは遠慮なくがしゃらと落とした。 店主辺りに顔でも顰められるのだろうか】
【男は勝手にまとめて勝手に納得しすれば、机上の品から口に入れられそうなものを漁り始める】
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/15(水) 23:14:06.17 ID:qtP3sz9Qo
>>277

【街外れの公園】

【人気もなく、ただ涼し気な風だけがひゅうひゅうと木の葉を揺らしているだけの、寂しげな公園】
【この公園には、簡単な作りの休憩所の様な施設が設置されており、中には古びた木のベンチと、壁や床には来訪者達によって刻まれた落書きがある程度】
【そんな質素な作りではあったが、しかし、屋根もあり、一晩の風雨を凌ぐには、十分だろう】

よっこらせっと……。

【大きな風呂敷包みを持った、およそ20歳程の青年だろうか。古びたベンチに腰を掛け、ふっと息をつく。彼の赤色のパーカーが月光に映えて煌々と光る】

はぁ……、結局何も売れなかったなあ……。商才ねえのかなあ、俺……。

【日中、街を訪れた者なら見たかもしれない。人通りの多い路地で、ガラクタばかりの露店を開いていた青年だ】
【パーカーからのぞく、黒髪の巻き毛と、"左手だけ"にはめられた手袋が特徴だ】

明日の朝までぶっ通しで呼び込みやろうと思ったのに、自警団の連中につまみ出されるしよォ……、マジでついてねェぜ。

【手を頭の後ろで組み、ぐっと壁にもたれかかる。横手に置いた風呂敷包みの中には、ガラクタ―彼にとっては貴重な賞品―が詰め込まれている】

ま、しばらくは金も持ちそうだな……。んだども、さっさと、お得意さん見つけねぇと、食い扶持も繋げねえからなあ。あんまり悠長にしてるヒマはねェ……。
……考えたって仕方ねえな。考えたって金や客が降ってくるわけでもあるめえし……。

【無心にして、風の音に耳を傾ける。日中、都会の喧騒に包まれていた分、その静けさが寂しく、それでいて心地よかった】
【しかし、一瞬、木の葉のざわめきに紛れて、何かが弾け飛ぶ様な音が彼の耳に届いた】

―― あん……?

【公園の北側に広がる林からだ。ちらと一瞥すると、茂みの合間から光が漏れている】

(人か……?)

【いくらこの辺りに人気が無いとは言え、あくまで街の片隅である。わざわざ野宿をする様な者が居るだろうか?】

(つっても、俺も似たようなモンだしなあ……)

【何の気は無しに、荷物を持って、明かりの方へと歩み寄ってみる】
【寂しい夜だ。望みはしないものの、できるならば語り相手くらいは欲しい】

【茂みを抜けると、小さなテントと、焚き火と―― そしてその側にうっとりと佇む女性が目に入った】

……こんな夜に、キャンプファイアーかい、お姉さん。
レジャーにしちゃあ、心細くないかい?

【フランクな口調で話しかける。襲う気は無い、という事の証明か、女性から少し距離を取り、堂々として直立していた】
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga sage]:2013/05/15(水) 23:20:24.30 ID:rvD9UajAO
>>279

【人間の幼子にしてはいやに獣染みている、と若者は眼前の光景を眺めながら考えた】
【彼女が色濃く垂れ流す人外の気配もさることながら、この場の血塗れた状況も相俟って】
【子供と大人、人間とそうじゃないもの、以前にも況して不調和的な雰囲気をひしひしと感じる】
【けれど、くるくるりと移り変わる力を好奇の瞳で見つめれば、むしろ面白いとさえ思い始めて】
【そこでふと自分の負傷の程度を思い出し、また何とも言えない悪寒に、爛れた腕を痙攣させた】

――ッつ、……痛くてもうお喋りできない、感じかな。鈴音ちゃん
じゃあ、もうそろそろ良い時間ですし……おめめを貰って、帰ります
あんまり一気に壊したって僕が私が楽しくない、続きはまた次にでも――、……?

【優しく語り掛ける口調は平生と変わらぬ温和さを湛えているが、垣間見えるのは自己陶酔の色】
【“目”を求めて足を一歩踏み出し――それと殆ど時を同じくして、魔力が引き戻されていくのを見る】
【その直後に聞こえてくる耳を塞ぎたくなるほどの悲鳴は、その足をしっかりとそこに留まらせて】
【とても不快そうに顔をしかめたなら、次に目に映るのは少女の胸元からこぼれ始める、さくら色】
【――いやな予感がした。そして、そんな予感は、的中してしまった】

なッ――――こ、のっ、……“悪い子め”っ――!!

【脅威的な速度で胸元に迫り来る枝先を瞳が捉えて、後退。しかし足が縺れて、たたらを踏む】
【咄嗟に手鏡を握り締める拳の前に持ってくるが、鏡に刺突を防ぐほどの強度がある訳でもない】
【先程の少女の反応と同じだ。意外なところから来る攻撃は、若者にとっても恐ろしく速いものに見えた】


【悔しそうに歯噛みしながら捨て台詞を吐き捨て――僅かに避けることすら叶わず、鏡と手と、】
【それから人間ではないところを容易く貫かれ、悲鳴も出ないまま、荒れ狂う殺意を呑み込んだ】
【急速に成長を進めてゆく枝先は肉を切り裂き、貫き、引きちぎって、体内を思うままに犯していくだろう】
【ブシュ、ブシュと噴き出す血液は徐々にどす黒く変色してゆき、肉体もみるみるうちに腐り始める】

【――やがて、少女の金切るような叫び声を最後に、薔薇園からひとの声が消えた】
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/15(水) 23:22:42.56 ID:eVltVFhLo
>>285

ギョウチュウ?……あーやめろやめろ何か嫌な想像しちまった
俺、虫ダメなんだよ虫。何でか…なんだろ、シティボーイだからか?

【はっはっはと適当な笑い声。面白いんだか面白く無いのだか…】
【少なくとも楽しそうではある。ショットグラスを一気に飲み干す】

ああ、弟……へえー!…アンタ、ああ、じゃあアニキなんだ…へえー…似てないな
…似てないのはどうでもいいとして…えっと、じゃあアンタ幾つ?

【アニキが弟を尋ねるなんてそんなドラマティックな話に思わず声が出る】
【酒も入っていることもあり、完全に顔はニヤついてしまった】
【弟の方の年齢も知らんが、何となく聞いてみた】

RPGがどうとかはわからんけど、情報なんてこんなところにあるわけ無いだろうよ
酒と酔っ払いから引き出せるのなんて下世話な話とオッサンの自称武勇伝しかないぜ

ああ、超生きてる。今月は知らんけれどね。……教師ね、そう…

…っと!あーあーなんだよ、派手に割れたなあ、…ちょっと待ってろ

【煙草をくわえて その椅子から立ち上がる】
【カウンタの方へぶらぶら歩いて行って。店の者となにか話している】

【男は箒とちりとりを持った店の者と、缶ビールを持って戻ってくる】
【店の者は割れたボトルと机上の灰皿の灰をちりとりに載せて帰っていった】

もう、暖かいからビール温めて無いんだってさ…よくわかんねえ店だなあホント…

【そう、ぼやきながら、煙草を灰皿の縁に乗せて、ビールの口をあけた】
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 23:39:07.53 ID:cPxti5ioo
>>288

へぇ。 生憎私はド田舎育ちでね――っと違う違う、私が弟。 アレが兄貴
これでも36だよ、見えないだろ? 8つになる娘もいる

【適当な話し方をしたツケがきて、結局はちゃんと説明をしてしまう】
【弟がその歳なら、彼の知っている悦那はもう少し上の歳になるのだろう】
【それが意外か否かは兎も角として、洒落た顔つきの癖に田舎育ちなのだと明かした上で】
【所帯なんて持ってもいなそうな風であるのに添えた言葉も、笑いどころになるのか】

オッサンの武勇伝は嫌いじゃないな、ただ頷いてたまにスゴイ!って言えば済む
女の長話ともなればそうは行かないんだから……あー、どうも?

【相変わらず片肘を付いたままで、礼の言葉も本心で言ってるんだか良くわからない】
【大変だなぁという上から目線で店の者の掃除する姿とその背中を見送って、】
【相手が開けたビールの口、王冠ならば、そっと手を伸ばしてつまみ上げてみたりするのだが】

……ビールって温めるヤツもあるんだな

【想像してみてすぐに顔を顰める辺り、その飲み方を知らないらしい】
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 23:52:23.99 ID:cPxti5ioo
/あ、缶だった……>>289の下から三行目は飛ばして下さい、申し訳ない
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/15(水) 23:54:16.35 ID:0diQqBRC0
>>286
【木の葉のざわめき、星たちの瞬き、そして月の優しい明かりだけが役者の舞台】
【そこまた別の登場人物が舞台の下手、脇の茂みから現れると、そちらに目を寄越す】
【そこに立っていたのは、自分より少し年下の青年だろうか……ほの暗い公園で顔はあまりはっきり見えなかったが】

……――どなた?

【見上げた顔をそちらに向けて澄んだ瞳で見つめれば、その登場人物の所在を確かめる】
【来訪者を見つめるその顔は、別段警戒心に満ちているわけでもなく、とても穏やかな表情】
【それはもう、見事な舞台を見終えた観客のように……】

【その男らしき人影はこちらへと向かってきて……焚き木に近づいたところで、ようやく炎に照らされた彼の顔は目視に適う鮮明さを持つ】
【パーカーを着ているその出で立ちは別にそんなに特別な印象は受けない訳で、やはり怪しむことは無い】
【自分に近づいてきた人物の全体像が漸くわかったところで、彼女はフッと微笑みながら応える】

……ふふっ、心細くなんてないですよ?こうして自然に囲まれているだけで十分です!
御覧なさい、この夜空を……こうやって空を見つめると、何だかリラックスできませんか?

【小さく笑うと、また澄んだ紺色の夜空を見上げ――星の光の競演を眺めながら時折目を輝かせる】
【その姿は彼女の実年齢……30代と言うには子供のように純粋で、好奇心にあふれていた】

……私、たまにこうやって静かに夜を過ごすのが好きなんですよ
誰もいない静かな場所で、一人自然に囲まれて……
不思議ですよね、こうやって自然を見ていたら、実は人工の美しさより深く味わいのある物だということに気付かされます

【それでもこうして大好きな自然を語る彼女の声は、少女と言うには積み重ねた経験の深みに満ちていた】
【ニコリと笑うその顔は、少女の好奇心と母親の人生経験が合わさったような、不思議な印象】

【自然が好きと言うのもきっとその好奇心の所為なのだろう、何せ自然は不思議で満ちているのだ】

……貴方はどうですか?
こうやって自然に囲まれて、何か感じますか?

【ふと夜空に向けられていた澄んだ瞳を男に向け……髪を風に揺らして静かに微笑むと、この自然への興味を問う】
【質問を投げかけたところで、ようやく佇んでいた彼女は芝生に座り込むだろう】
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/15(水) 23:59:33.12 ID:RCtOVuRb0
【のどかな草原の一角。煙草をふかしながらのんびりと歩く影が一つあって】
【二十代半ばの青年であろうか。様々な物が詰め込まれているのであろう荷袋を肩に提げ】
【手に持つのは、古ぼけた龍の彫刻。顎を撫でながら其れを見ているけれど、やがては溜息と共に紫煙を吐き出すのだろう】


「はぁー……又、偽物掴まされたか
旅商人がコレじゃあ、ご先祖様も泣いてるだろうなぁ……」

【一見すれば、実に見事な彫刻に思えるのだけれど】
【青年が求めていた物とは異なっている様で】
【――――旅商人、何て言うけれど、その身なりは冒険家と大差の無いもの。どちらかと言えば、トレジャーハンターに近いか】
【様々な角度から彫刻を見たって、何かが変わる訳では無いのだけれど……未練がましく細部まで見てしまうのは悲しい職業病か】


「あっちの遺跡へ行ったり、こっちの洞窟に潜ったり……
まぁ、簡単にお宝なんてモンが見つからないのは分かってるけどさ
しかし……今回は骨董品屋から買った物だから……虚しさが数割増しな気がするな」

【呪うのは、自分の眼。――――と、ちょっぴり、骨董品屋の店主】
【ポイと煙草を捨てれば、重い足取りで進むのだけれど】
【その煙草、未だに灯が灯ったままであって――――】
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/16(木) 00:00:37.33 ID:9WNTB9Fl0
>>287

【暗がりの薔薇園に走る燐光纏う桜色の奔流、離れた場所からならば、咲き誇る桜のようにも見えたのだろうか】
【赤黒さが彩っていくなら咲き誇ったままに腐ってしまったようにも見えて不吉、やがて染め上げられたように彩度を喪っていく】
【びちゃと滴る血液とも混じった色合いはお世辞にも綺麗なんて言えないもの、酸性なんて欠片も持てない、ただの形状崩壊】

【辛うじて薄ら開くだけの眼は眼前の相手を見ているのに見えていない、ぼうと霞む視界に、意識なんてほとんどなくて】
【雀の涙よりちょっぴりの力だって立てていた、その最後が零れたなら。薔薇の中に倒れこむ身体、最早声も上げられず】
【ほとんどの魔力が尽きた身体はとっくに限界を跳び越えて、世界中からかき集めてきたような不快が身体を満たす】
【身体が端から崩壊していく感覚に怯えてリンクを辿って魔力を奪い取ろうとするのとほぼ同じ、吐息の変わりに吐き出された、血の赤】
【息継ぐことも出来ないままにふつと手放された意識は、そのまま長い長い眠りへと滑り落ちて――】


【――黄緑色を緑色を染め上げた血の赤、たくさんの枝を折って茨の中で眠るのは童話のお姫様に似ていたという】
【それで居て、たくさんのひとたちと一緒に王子様を待つ百年の眠りに堕ちた姫君とは違う、もっとずっと、暗いゆめ】
【何よりも孤独に怯えたままたったひとりで、いつ終わるとも知れない眠りに堕ち続ける、それは、きっと悪夢でしかない】


【――ぞる、と。無音の帳の中、切り裂くような音は、茨のベッドの中から訪れる】
【鏡の蛇を払ったときに出来た手首の傷――繋がる重さに耐えられなかったよう、伸びた肉その他の千切れて堕ちた音】

【魔力を材料に物体を生成することが出来る異能、魔力を常に求め続けることと合わせて考えたなら、きっと答えもすぐ傍にある】
【自分で自分の身体を作り続ける/作り続けなければいけない。たとえ死の中でも繰り続ける異能は、ただ、材料がないなら、何も出来なかった】

/おつかれさまでしたで大丈夫、でしょう、か?
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/16(木) 00:01:42.37 ID:Au8e6gf0o
>>289

ああ、向こうがアニキか…それなら何だ、少し納得がいくというか…
……うえっ!マジで?サンジュウロク?……ってことはもっと上なのか
俺、ニジュウクだぜ?なんだよ、俺、若造じゃねえか

…娘もいるとかなんだよ、アンタまともな人じゃん…

【何故か不服そうにビールに口をつける】
【残念ながら、冷えた缶ビールだ。プルトップもひっついたままである】

【今までまともじゃないと思っていたのか、そしてそれを口に出すのか】
【年下の若造が舐めた口きくんだから中々、礼儀のなってない29である】

同じ話を二回も四回も聞けばそれも言えなくなるんじゃないのかな
…女の話もそれこそ、頷いてりゃあそれでいいよ

【煙草を吸って煙を辺りに漂わせて、天井のアレがそれを散らす】

冷やして飲むとよ…あの…なんだ……味が違うんだよ
冷えてるのが美味いのもあるけど、暖かくないとうまくねえ奴もあるんだよ

【煙草を持った手をぐるぐる回しながら、あーとか三点リーダとかお得意の言葉足らずで】
【何かしらの良さを語ろうとしたのだが、上手く思いつかなかったので直ぐにやめた】
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/16(木) 00:13:29.41 ID:xO8egTw6o
>>294

……それは。 じゃあ、アイツとは10位違うな

【年下とは思っていなかったらしい。 もっとも見た目が若い彼基準で考えればそうなっただけで】
【考えたのは兄の歳、34の時に死んで、それから4年経って……と頭の中で勘定して一人で納得、笑う】
【ちなみにその間にも摘めそうなものがあれば摘んでそして落とす、36でこれとなると娘が不憫だろう】

ラブレターで風呂を沸かした男がいるって聞いたけど、お前の事か?
私は生憎ミルクしか沸かした事がない。 今でもたまに沸かすがね

まあそれもどうでも良いな、聞きたい事は聞けた。 上で回ってるアレの話だ――った、か?
…………嗚呼、分かった。 ビールの話だった。 今度は温めても美味いヤツを飲んでみよう

【煙草の煙の行く先を茫と眺めていたのだが、男は徐に立ち上がった】
【あの写真はとうに懐に仕舞っていて、生存確認だけにしてはやけに仰々しかった】
【――帰る、という事だろう。 初めから終いまで飛んだ酔っ払いの弟さんだ】
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/16(木) 00:13:57.24 ID:S0pL4rDBo
>>291

リラックス……か。

【確かに彼女の言う通りかもしれない。昼間は我武者羅に声を張り上げ、客を寄せていた彼も、この自然の中でどこか"癒し"の様なモノを感じていた】
【しかし、彼自身の身体の疲れが、彼を錯覚させその偽りの"癒し"を感じさせているという可能性も、否定することは出来ない】

そう言われてみりゃあ、良いかもな。街は喧しくてかなわんが、しかし、ここなら静かで良い。落ち着ける感じがするな。
―― ああ、邪魔した様ならすまない。明かりが見えたモンでね……。気付いた時には足が勝手に歩いてやがった。

【一人で自然を満喫する。彼とて、その様な経験は幾度と無くしてきたが、彼女の様にそれを意識して楽しんだ事など一度も無かった。思いつきさえも】
【―――― なるほど、確かにこりゃあ、いいな。悪くない】

何かを感じるか……ねぇ。
……ロマンチストの俺なら、風と木々達との囁きの交歓にノスタルジアや異国情緒を感じる、と言うだろうね。
しかし、リアリストの俺は、暴漢なんかに襲われちまったらどうしよう、って気分で、ノスタルジアだとか異国情緒どころじゃあ、ねェだろうな。

【フン、と鼻をならしつつ、彼女が先ほどまで見ていた夜空に目をやる】
【吸い込まれそうなほど遠くて、深い。しかし、満天に散りばめられた星々は降り注ぐ様に見える程に煌々と輝き、思わず見とれてしまいそうなほど綺麗だ】

……―― 隣、良いかい?
俺が言うのもなんだが、立ち話は好きじゃなくてね。
夜に美女と焚き火を囲んで語らうなんて、それこそロマンチックじゃねえか。

【若干照れくさそうに笑いながらも、少しだけ彼女に歩み寄ってみる】
【許可が出れば、彼女の隣に腰を掛けるだろう】
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/16(木) 00:37:25.40 ID:Au8e6gf0o
>>295

うえ、マジかあ……歳上なんだろうなとは思ってたけど
まさか、そこまで上とは知らんかったよ………マジかあ

【俺もまだ若いなあと子供っぽことを思う】
【まあこんなところで定職にも就かずに飲み歩いている時点で】
【立派なオトナとは言いがたいからどうしようもない】

ああ?……あーそれ俺俺。その後ラブレターでコーヒーも沸かしたぜ
ウチの窓開けてたら紙飛行機で飛んでくるんだよ、雨に濡れたやつがさ

【そんな風にヘラヘラと笑いながらビールを飲む】
【会話の間から思いつきの嘘だとすぐにバレそうだがやたらにご機嫌だ】
【酒がかなり入っているみたいだが、あまり顔が赤くなったりはしていない】
【しかし、周りの瓶と空き缶的には明日の朝は二日酔いが必至、必死だ】

お、帰るのか?まあ、普通のやつにはもう遅いぐらいか?わからんくなったな
じゃあ、まあ…うん…………じゃあ、バイバイ

【今日さっきあった奴に掛ける言葉というのもまあ、そんなにすぐに湧いてくるもんでもない】
【特に口下手なこの男にはそれを隠す技量もないのできっちり間が開いた後】
【ニッと”自称ラブレターが届きまくる笑顔”で、手を振って送り出した】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/16(木) 00:47:29.68 ID:tQT39NX70
>>296
【――揺れる炎に照らされた二つの人影。互いの姿がほんのり橙色に染まる】
【赤々と燃える焚き木は静かにぱちぱちと燃え、闇夜を鮮やかな光で彩る】
【こんな静かないい夜は、蛍光灯の下で娯楽に興じるよりも、こうやって外で過ごす方が彼女にとってはよっぽど楽しい】
【橙色は濃くなったり薄くなったり。揺れる炎に合わせてその光の強さを変えてゆく】

ふふふ、不思議なお答えですね……ロマンチストとリアリスト、ですか
そうですね、それなら私はロマンチストなのでしょうね……
ふふっ、女の子はロマンチストなのですよ?
私はこうやって静かに過ごすのが楽しいんですもの!

【不思議な答えに面白そうにクスリと微笑むと、やがて返す少女のような答え】
【やはりその表情は、その言動は、好奇心旺盛な少女に似ていて汚れを知らず、澄んでいる】
【夜空を見上げて星が綺麗なんて言うもの、誰がどう見たってロマンチストだろう】


【そうして夜空の織りなすミュージカルを見ていると、今度は人とも話したくなってくる訳で】
【やがて青年が隣に座っていいかと聞いたならば、勿論断ることは無く―――】

……ええ、どうぞ
一人で静かに夜を過ごすのは好きですが、こうして誰かと語り合いながら過ごすのも乙なものです

【そして青年が隣に腰掛ければ、夜風の中で人のぬくもりが少し感じられて、これもなかなか】
【照れくさいのは青年だけなのか、彼女は別段顔を赤らめたりはしておらず、こういうところは少女らしさは無い】

……ふふふ
なんだ、貴方もロマンチストじゃないですか
私が美女なんて、嬉しいですね♪……でも私、娘が居ますのよ?とっても可愛い娘が……

【悪戯っぽく笑えば、自分に娘がいることを明かす】
【美女だなんて言ってくれるのは嬉しいが、結婚していない癖に自分は男よりも娘の方が大事だったりする】
【身寄りのなかった少女を引き取って十数年、何よりも大事なのが自分の愛娘……】

……貴方はどうですか?なにか、大切なものはありますか?
自分より大事な人やモノ、ありますか……?
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga sage]:2013/05/16(木) 00:51:35.68 ID:9znYbMuAO
>>293

【ずるり、と腐敗できるところは全てそうなってしまった体が崩れ落ちる】
【形として残ったのは、衣服と、骨くらいだろうか。鏡の破片すらも消え】
【ただ人外の気配だけを、何処からともなく薄ら仄かに風に融かしていく】

【“それ”が生きているのか死んだのか、何処に在るのか果たして定かではないが】
【蹂躙された結果、若者の肉体が限界を迎え、消え失せたことには確かに違いなかった】
【この場に残された幾らかの痕跡が、その事実の確固たる証明となり得るだろう】


【さて、朽ちるように千切れた音がして暫く経過した後、カツンと新たな跫音が混じった】
【そこへ歩いてやって来る何者かを、風と草と花のざわめきだけが迎え入れる】
【やがてそんな空気に耐えかねたのか独白劇染みたものが始まるけれど、きっと誰も聞いていない】
【そうしながらそれは、薔薇園の中で倒れ伏す少女を見付けたならば、そっと近付いて――――】


【もしも目を覚ますことがあったなら――或いは誰かが見つけることがあったなら、】
【少女の傷が、真新しい包帯などでごく簡易的に手当てされていることに気付ける筈だ】
【あとは全く手が付けられておらず、痕跡を残したままで異変もさほど見受けられない、が】
【強いて言えば、例の“ループタイ”のみが、そこからすっかり消えていた。それだけだ】

/二日間ありがとうございました、お疲れ様でした!!
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/16(木) 01:07:14.37 ID:S0pL4rDBo
>>298

そいじゃ、お言葉に甘えて。
……よっこいしょっと。

【彼女の隣にゆっくりと腰を掛ける。焚き火の熱がより近く感じられて、温かい】
【しかし、その温かさを感じさせてくれるのは、火だけでなく、人の温もりも少なからず存在した】

娘さんが?
……フンッ、そりゃそうか、こんな美女を放っておく男なんて居るもんか。
良い出会いのキッカケを拾ったと思ったが、そんな甘い話があるワケもねえよなァ。

【娘がいる、と言われれば、誰だって既婚者だと思うだろう。だが、彼女の場合はそうではないらしい―― のだが、彼には知る由もない】

そうだな……、大事な人やモノか。
大事な人は生憎、ちょっとすぐには思いつかねェが、大事なモノならあるぜ。

【そう言って、持ってきた荷物の中から、風呂敷包みを取り出し、彼女に見せるように拡げる】

―― コレさ。

【風呂敷の中から出てきたのは、おおよそガラクタと判別の付かないアイテムばかり。昼間に露店で売っていたモノだ】
【透明な瓶に入った水、奇妙な形に歪曲した枝、ほんのり輝きを放つ琥珀、何の変哲もない赤縁のメガネ、灰色の付箋などなど……】

こいつは、俺がちょっと命を賭けて獲ってきた商品たちでね……。
……―― ああ、俺、こう見えても色んな所を旅する行商人をやってるんだ。

【そのガラクタたちを眺めて、ハッと溜息を吐く】

生活必需品なんかはすぐ売れるんだが、こういう素人には使い方がよくわからんモノはずっと売れ残ってるのさ。すると、いつの間にか愛着が湧いてくるんだよ。
―――― 謂わば、長年連れ添った旅仲間、さ。

【彼にとってはこれらガラクタは商品であると共に、命よりも大切な家族でもある―― もちろん、売る時が来れば売るのだが】

惜しかったなあ、ダンナさんや娘さんもここに居りゃあ、こいつらの実演販売も出来たんだが。
案外おもしろいモノばっかなんだぜ。

【風呂敷の中にあるそれらを弄り回しながら、得意げにそう言った】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/16(木) 01:49:49.55 ID:tQT39NX70
>>300
【――月に照らされ、炎に照らされ……夜も更けているというのに、この場はなかなかどうして明るい】
【自然に囲まれて、静かに過ごすつもりだったのだが……こうして人が隣にいるのもいいなぁと感じて】
【やがて彼の話にも静かに耳を傾ける……人の話と言うのは人の性格が出るもので、これも自然に負けず面白い】

……ふふっ
まあいいです、ここは秘密にしておきます……
ところで、その大事なものと言うのは?

【娘がいるなんて言えばたいていの人は既婚者と思ってしまうのは仕方なくて、そのミスリードが面白くて悪戯っぽくくすりと微笑む】
【嘘を言っているわけではないのだけど、隠し事をしているようで、なかなか面白いなーなんて思ってみたり】
【そして彼が風呂敷を取り出せば、また彼女は少女のように目を輝かせてまじまじとそちらを見つめる】

【そして、中から出てきたものをじーっと凝視する――が、何これ】
【中から出て来たものの役割を諒解しかねて、きょとんとした顔をする】

【それらを表現するならば、失礼だがガラクタと言う表現がぴったりで……何と言うか、使い道が良く分からない】
【それでも彼にとってはきっと大切な物なんだろう、それらを眺めながら語る彼の口振りは、まるで親友の音を話すようで】
【――ずーっとずーっと一緒なら、愛着が湧いてもおかしくないのだろう 本来売れ残りのはずだが、つくづく人間と言うのは不思議な生き物だ】
【だって、例えばあの枝なんて恐らく生活の中では一部の役にも立たないだろう……それでも彼は大事そうにしているのだから】
【……不思議なものだ、それは自分にも当てはまる訳で……】

……分かります、その気持ち
わたしもほら、ずーっとこのハンカチを持っているんですが……
買い換えろと言われても無理でしょうね、これは大事なものですから……

【そう言ってポケットから大事そうに取り出したのは、ハンカチと言うより布きれに近いもの】
【擦り切れ、破れ、もはや使い物にならないようなものだが、それでもずーっと持っている】
【実は愛娘が最初に自分にくれたプレゼントで、それ以来ハンカチはいつもどんな時も手放さない】

【ミスリードはまだ続いているらしい……自分に旦那さんなるものは居ない訳だが、それでも彼はあんな事を言っている】
【……そろそろネタばらしをしてもいいかな?】

……ふふふふふっ
ダンナさん、ねぇ……結婚もそろそろ考えた方が良いんでしょうかねぇ?

【結婚なんて考えたことも無かったわけで、そう言うことには疎い彼女】
【多分娘が成長して恋愛相談をされても、ろくな答えを返せないような、そんな人物】

あ、娘に面白い物でも持って帰ってあげようかしら?
何か面白いものあります?

【一通りいもしない旦那のことを考えた後、彼女の頭の中は今度は娘へのプレゼントのことに移る】
【なにか面白い物でもあれば譲ってもらおうかと、話を持ち掛けてみるが……】

//すみません、一旦凍結でよろしいでしょうか?
また明日なら夜はいつでもいますので、雑談に声を掛けて貰えればすぐに再開できます!
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/16(木) 01:53:35.28 ID:S0pL4rDBo
>>301

//はい、構いませんよ。
//ログの混乱を避けるためにも、次回のロールはお互いの中身が居る時に、私からさせてもらいますね。
//一旦、お疲れ様でした。
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/16(木) 19:14:46.30 ID:GUKaUSuUo
>>297

【ほんの少しだけ考えた。次に会う時もこんな顔でいられるのだろうか、と】
【慇懃さをかなぐり捨ててみた口調、多分覚えている限りでは初めて人に見せたかも知れない】
【いつだって自分が一番信用ならない。だから偽って偽って偽って、最終的に正しい自分を忘れてしまった】
【今宵は言うなれば「悦那ぶってみた」。そうすれば彼のようになれるかも知れない、それだけの単純明快な滑稽話】

次があれば。

【去り際、名前も知らない男は振り返って短い別れの言葉を残す】
【ついでに相手の素敵な笑顔に対して、思い切り引き攣った笑いをしてみせた】
【熱燗も作れなさそうな笑顔である。色でも売っていそうな顔立ちの癖に愛想が欠片も無い】
【カッコ付けているのだろうか……途中で椅子に足を引っ掛けて躓いた辺り、そうも見えないが】

【――それからの話】

【不吉を告げる水面下の繋がりを辿って辿って辿り着いた先に、恐らくは処置が済んだ“彼女”の姿を見る】
【物言わぬ相手に二言三言掛けた所で意味もない。欠損に気付いた時の顔など軽い喜劇にすらなる程で】
【そっと抱き上げて連れて帰って、静かに寝かせて、あと己に出来るのは全霊ともいえる魔力を送り続ける事】

【掛けてしまった部位を包むように添えた手から黄緑色の燐光が散り溢れ零れ、】
【躰の半分が魔族と化した今、その総量は人ならざる密度を保ってただ殆ど全てを彼女に送っていく】
【集中の為に閉じた目。その狭間で彼は――壊れた世界で、時の狂ったお茶会をする夢を見たのだった】

/補足も足しつつで申し訳ないです
/それでは、お疲れ様でした
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/16(木) 20:44:44.17 ID:QbYMkQkb0
【街外れ――広く広く土地を使った自然公園】
【波のようにいくつも連なる手作りの丘、人の手で造られた森、真四角の花壇】
【人の手が入りつつも適度に自然感を保ったこの場所、照らしこむ月明かりはどこまでも本物で】
【夜空の天蓋を飾るラメのようなキラキラ星、いろいろな色で煌いていた】

……、この間出たときはまだまだ冬の色だったと思うんだが、ね。

【いろいろな命が一生懸命に萌える中だから、そんな風に呟く声はきっとよく目立つのだろう】
【――引っ越したばかりの部屋に一冊置かれた古書のような、ほんのちょっぴりの古臭さと、違和感】

【毛先へ向かうに従って巻く癖毛は金色にピンク色を散らしたよう、不思議な色合いで揺れて】
【キツさと幼さを混ぜたような造りの顔、いっとう鋭い眼は深い勿忘草色、ぱちり瞬き】
【テ・オレ色したワンピースに羽織る深い赤色のボレロ、布地を孕んだ裾は足元まで下りて】
【辛うじて覗く足元はヒールのあまり無いシューズ、飾りを最低限まで削ったようなシンプルさ】
【――生まれつきというよりは外に出ない類の色白さ、小柄な体躯は少女であるとシルエットだけで分からせて】

【ちょんと腰掛けるのはロベリアやビオラの色とりどりが飾る花壇の淵、レンガ敷きにそうと座り込んで】

春だねえ、……そういえば庭のバラも咲いていたかね。忘れていたけれども――。

【細こく真っ白な指先が擽るようにロベリアの青色を撫でていた。同じ系統した眼がじっと見つめて――】
【瑞々しさの足りない声は古本のページを捲る音にもどこか似る錯覚、ぼうとしているようなのは、平和そのもの】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/16(木) 20:49:02.43 ID:S0pL4rDBo
>>301

……櫻の国の御伽でこういう話がある。
何年も何年も、ずっとあるモノを大事に使い続けていると、いつか、そのモノに神様だか精霊だかが宿るようになるとかどうとか。
―― ただの迷信かもしれないが、俺には、あながち間違った話でもねぇ様に思えてな。

【風呂敷の中から、奇妙に歪曲した枝を一掴みして、空にかざしてみせる】

俺にはこんなちっぽけな枝でも、親兄弟の様に見えて仕方ねえ時がある。
もしかしたらこいつらにも、もうその神様だか精霊だかが宿っていて、あれこれ考えてやがるんじゃねえかってな。

【そうして、枝をまた風呂敷の中に包み、今度は彼女の取り出したハンカチ―既に使い古されボロボロであったが―を見て】

……きっとよォ、そのハンカチもあんたには感謝してると思うぜ。
道具ってのは使われる為に在るんだからな、そんなボロボロになるまで使ってもらえりゃあ、本望だろうよ。

【俺は何を言ってるんだ、と彼は思ったが、しかし、彼の言葉に一切の嘘はなかった】

【―― だが、こんな時でも彼は商売の魂を忘れはしなかった】
【例え、家族の様に大事なモノでも、それが"誰かに買われて、使われる為のモノ"ならば、それを売るのが彼の仕事だからである】
【降ってきた幸運か、今、彼の目の前にいる女性は、彼にとっては一人の語り相手でもあり、大事なお客さんでもあった】

……―― あん?

【結婚?娘が居るのでは無かったのか、語り口からどうやら未亡人という訳でも無さそうだ】

なんだ、結婚、してないのか。
するってェと、娘さんってのは、誰かから引き取ったりした子かい?
……娘さんも幸せだろうなぁ。こんな素晴らしい人に引き取ってもらえたんだ。
へへ、"とっても可愛い娘"、か。たいそう大事にされてるんだろうな。良い事だ。

【成る程、その娘に贈り物……か。そう思い、彼は風呂敷の中を見て、年頃の女の子が貰って喜びそうなモノを選び出した】

そうだなァ、娘さんが貰って、面白そうなモノといえば……。

【と言いつつ、先のガラクタの中から、透明な瓶に入った水を右手で取り出してみた】

これなんか、どうだい?
こいつは、なかなか面白いアイテムでね、商品名は至って単純、「レンズ水」と言う。

【そうしてその瓶入りの水を彼女の目の前に差し出すと】

この中の水を通して景色を見ておくんだ。今は何の変化もないタダの水だが……。

【すると、彼の瓶を持った右手が淡く発光する】
【と、同時に瓶の中の水にも変化が現れ……】

こいつにはちょっとした魔法の細工がされててね。
こうやって魔翌力を流してやると、水が望遠鏡みたいに遠くを映すレンズになるんだ。
魔翌力をより多く流せば、星だって覗けるんだぜ。んまあ、限度はあるんだがな。

【彼の右手の発光が止むと、すぅーっと瓶の水も、元通り、普通の水に戻ってしまった】

―― ああ、魔翌力を扱ったりできなくとも、エネルギーなら何だっていい。魔翌力でも、電気でも、なんだってな。

……―― どうだい、案外面白いだろ?
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/16(木) 21:11:58.90 ID:KzJ9w8fF0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 森】

「――――ほらほら、もっと動きにキレを!」
はぁっ……でぁああああッッ!
……くはっ、はぁ……はぁ……

【燃えるような赤い短髪に黄金色の瞳を持ち、首には緑色のスカーフを巻いた】
【長旅用の生地の厚い服の上から、胸部を覆うブレストアーマーとショルダーパッド、焦げ茶のマントを羽織り】
【両手に歩兵用の両手剣を構えた、身長170cm前後の青年と】

【白いストレートの長髪に赤く緩やかな光を纏った瞳をしている】
【白いタンクトップの上から白いジャケットを羽織り、白いハンドグローブに白いスカートを履いた】
【肌の色白さも相まって、眩いほどに白さが際立っている、身長160cm前後の少女が】

【森の中、7mほどの距離を保ちながら、声を荒げている】
【白い少女が手を構えると、そこから幾つもの光弾が発射され、独特の弧を描く軌道で青年へと襲いかかる】
【それを青年は、剣を振るう事によって確実に叩き落とし、身体に被弾する事を許さない】
【――――わずかに反れて時間差で向かった最後の1発を、左手の拳で打ち砕いて、青年は息を弾ませる】

「……まぁまぁ、良くなってきたとは思うかな? やっぱり、問題は手札の少なさだよねぇ……」
……うん、分かってる。けど、そこは今すぐどうこうなる事じゃ、無いから……

【構えを解き、肩をすくめてみせる少女と、剣を杖にして、身体の疲れを支える青年】
【夜の森には、彼らの気合いの声が響いていた】



【――――所変わって、櫻の国 公園】

……なんでだろう、なんだか……昔の事を思い出すなぁ……

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【明かりの灯った燈籠の側に座り込みながら、空を見上げている】

【その身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】

……もう、随分経つんだ……みんなと会わなくなってから……!
ファラエナちゃんとは会えたけど……――――ルーチカちゃん、サラさん……!
ベリルさん、ハルお姉さん、エルメアさん、アーディンさん……お父、さん…………!
――――…………うっ、くぅ……っ…………!!

【やがて、膝を抱え込んで嗚咽を漏らし始める少女】
【何かを悼む様に、そして悔いる様に――――人気の無い公園の燈籠のそばで、噛み殺した口から漏れ出る様な響きが、密やかに響いていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/16(木) 21:15:21.17 ID:JyvMV2gHo
【街よりやや遠く――小高い丘に位置する、巨樹の上】

【非常に見晴らしの良い巨樹の上、枝葉の合間に人影があった】
【特に何をするでもない。遠くから街の灯りを眺めたり、星空に目を移したり】
【ただ時折シャクっ≠ニいうリンゴを齧る音が聞こえるのが、何とものどかで】

……ま、やはり森の中で暮らしていた分、街中というのは騒々しくてのう
たーまにはこうしてのんびりせぬと、胸が詰まって死んでしまうちや

しっかし、やはり櫻とは見える星も違うのう……林檎も、中々味わい深いものよ

【誰かがそこを通りかかり、見上げれば――先ず目に入るのは銀色か】
【2m近い尻尾も、獣の耳も、髪の色も銀色。林檎を齧るのは獣人の女性だった】

【服装は軽やかなハーレムパンツに、腹部を露出した踊り子のようなもの】
【他に装飾品のようなものはないが、左手には果物を詰め込んだ紙袋を抱え】
【そして、右手には食べかけの林檎。枝に腰掛けそれを味わう姿は、何とも非日常的な様相で―――。】

/再利用ですが…。
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/16(木) 21:40:57.81 ID:tQT39NX70
>>305
【万物に神が宿るという話はどこかで聞いたことがある。あれは、いつだったか―――小さい頃のことであまり良く覚えていないが】
【記憶の奥底から掠れて消えかけた記憶を掘り起こす……ああ、そういえば神様が恩返ししてくるんだっけ】

【小さい頃は面白い話だなぁなんて、そんな風にしか思っていなかったけど、それでもそのお話の意味がほんのり分かる気がした】
【物は使っていくうちに愛着が湧くものだが、もしかしたらそんな愛情がいっぱいになった結果がそのお伽噺なのかなーって思ったのだ】
【彼の言っていることも同じなのかな……? きっと彼には、あの風呂敷の中身全部が話しかけてくるように感じるのかな?】
【そんな小さなころの思い出を引っ張り出してみながら、彼の話を聞く……ああ、この人は物を大事にするからこんな事を言えるんだ】

―――ふふっ、そうですね……
何故でしょうね、人は使い込んだものに愛着を持つのは……
……あるいは、大事にものを扱う人だからこそ物に愛着が湧くんでしょうか
もしそうだとしたら、きっと貴方も大事にものを扱える方なんでしょうね―――

【それならば彼の言っていることも、きっと本当なんだろうなぁ……ねえハンカチさん、貴方は私とずっと一緒にいて幸せでしたか?】
【―――残念ながらハンカチ声は聞こえなかったけど、風にひらひらと舞うハンカチは何だか頷いているような気がした】




【―――さて、話は変わって―――】
【今度は大事な娘へのサプライズプレゼントを選んであげよう。彼が物を大事にする人ならば、彼女は娘をとても大事に思っている訳で】
【何せ血が繋がっていない子をずっと一人で育てたのだ……可愛くなければこんなこと出来ないに決まっている】
【私はあの子に幸せかどうか聞いたことは無いけど―――少なくとも幸せであってほしいと願っているし、幸せを共有している】

……ええ、そうですよ――私はあの子を引き取っただけなんです
まだ碌に歩けもしないのに親がいないなんて、見てられなくて……
私はあの子に人の温かさを知ってほしくて、母親代わりに育てたんです
……人としての温かい心を持った子に育ってくれて、私も幸せ者です―――

【そうやって温かい心で接してきた結果か、人の心が分かる笑顔が素敵な優しい子に育ってくれた……それが、彼女の幸せでもあった】

【そんな我が子の笑顔を見たくて、彼女はプレゼントを品定めする】
【母に似て好奇心旺盛な娘への、うってつけの贈り物……決まっている、興味をそそるような物が一番だ】
【……そして彼が取り出した物は、果たしてうってつけの物であった】

【それは「レンズ水」というもので、何かしらのエネルギーを流せば屈折率が変わるのか、レンズのようにものが拡大されて見えるものだ】
【これなら生き物から天体まで、いろんな物の細部が見えるだろう……好奇心旺盛な娘にぴったりだ】

……へぇ……これは面白いです
これならいろんなものを見たがるあの子も喜びますね……

【……と、口では娘の事を言っているようだが―――今は当の本人がその魔法の水に夢中になっている】
【レンズのように拡大できるからこんな満点の夜空にも持って来いなわけで、しきりに覗き込んで空を見れば子供のように「わぁ」なんて歓声を上げてみたり】
【そしてあの星の色は何色だなぁとか、あの星は地球kら何万光年離れてるのかなぁとか呟いてみる】
【―――本当に大人なのか子供なのかよく分からない】

【一通り遊び終えれば、この水を買って帰ろうと商談に向かう―――が、その顔は未だ子供っぽい笑みを残している】
【何だか彼女の方がその水を気に入っちゃったみたいで、「あぁ、面白かった」なんて言っている……】

……さ、お金を払わなくちゃいけませんね!
……いくらするんですか?

【気になるのはお値段。もちろん彼女は一般人程度しかお金を持ち合わせていない訳で―――】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/16(木) 22:02:11.01 ID:5m9KLJwV0
>>307
【街の明かりが存在する方より歩いてくる影が一つ】
【紅白色の纏い物。所謂巫女装束は暗がりでもよく見栄えていて】
【捜し物でもしているのか、時折キョロキョロと辺りを見回すけれど、後には肩を落とすのみ】


「あの街にも居ませんでしたか……
式神を飛ばしても見つかりませんし……本当に、何処に居るんでしょう……

…………?何だか、不思議な音のする木で――――」

【あの距離より、此処まで歩いてきた。故に、足に溜まる疲労】
【木の下で少し休憩でもしようか――――そんな事を思っていた時に聞こえるのは、林檎を囓る音か】
【然れど、当然巫女は音の正体を知るわけも無く】
【見上げ、正体を確認しようとすれば疎かになる足運び。踵が捉えるのは、泥濘】


「――――――!!」

【――ビタン!言葉の代わりに聞こえるであろう、何とも痛々しい音】
【見れば、先程の巫女が顔を強かに巨樹へと打ち付けている間抜けな様があって】
【強さの程は、太い幹が僅かに揺れる程なのだから想像は容易】
【――――時間が経つに連れてズルズルと下がる体位】
【目尻一杯に涙を溜めれば、やっと女性の姿を視界に捉えるのだけれど】

/まだ居りましたら―!
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/16(木) 22:02:30.68 ID:iWTVXBIJ0
【路地裏】

【人目につきにくいと言う特性から、自然と闇を孕む者達が集まる場所】
【それゆえ、多少の悲鳴等は日常茶飯事である...】
【が、今日は異常だった】
【止まない。なかなか悲鳴が止まないのだ】
【「助けて...」とか、「死にたくなっ...」とかの悲痛な叫びが、あたりに響いている】
【10分ほど立ったころに、やっと悲鳴が止んだ】

【路地裏の中に目を向ければ、そこに居るのは一人の男性と、地面に倒れる多数の男達】
【倒れる男達の種類は様々で、自警団らしきものから、ただの荒くれまで】
【そしてこの場で唯一倒れていない人間...恐らくこの騒動の犯人である男】
【逆立つ黒い短髪に、赤黒いジャケット。そして色落ちしたジーパン】
【年齢は、見た感じ二十代半ばか。男はそんな容姿をしている】

命を乞うなら最初から向かってこなきゃいいのによ・・・雑魚が

【倒れる男の一人を見下ろして、つぶやく】
【口にくわえていたタバコを模した駄菓子を口から離して、また咥えて。そんなタバコの真似事をしながら、倒れる男の顔を踏みつける】

【長い間響いた悲鳴。正義感の強い人間がここを訪れるには十分な理由か】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/16(木) 22:19:23.05 ID:JyvMV2gHo
>>309

(……おや?あの装束、まず間違いなく櫻の巫女が着るものではなかったか、の)
(同郷者か、それともこすぷれい≠ニいうやつかや?)
(いやまあ、だからどうってことは無いのじゃが……前者だと、ちくと面倒じゃ―――)

【ふと視線を下に向ける。すると、そこに揺れるのは紅白の衣服】
【全く個人的なことだったが、それがそのようなものであるかを知っている獣人は、僅かに息を潜め】

【――さてどうしようか、と思ったところで、くらりと巨樹が揺れる】
【獣人はリンゴを咥えて果実たくさんの紙袋を両手で抱え、その長い尻尾を幹に巻きつけ】
【それでなんとか、突然の衝撃を凌ぐのだが―――改めて下を見ると、痛々しい光景が広がっていて】

―――……おうい巫女、大丈夫か?随分と手ひどく打ち付けたようじゃが…、……
あぁ、この泥に脚を取られたんかの。なんじゃ、随分と阿呆な巫女も居るんじゃのう

【すっ、と樹上から飛び降りて少女の側にしゃがみ、そんな風に声を掛ける】
【尻尾をふらりと揺らし、リンゴをしゃくりと牙で抉って喰らい、ついでに頭の獣耳もひくりとさせる】
【見かけは獣人だが―――巫女であれば、彼女から溢れる妖気≠焉A感じ取れるかも知れない】

/居ましたっ!よろしくなのです〜
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/16(木) 22:29:41.29 ID:kNH8xX7oO
>>310
あら、ここはどこかしら…

【路地裏には色々な人間が色々な理由で集まるものだが】
【今彼がここにいる理由はただ単に道に迷っただけである】

おかしいわね…隠れた洋菓子屋さん…
確かこの辺りだって聞いたのに…

【路地裏は薄暗く、黒は目立ちにくい】
【彼の裾の長いコートや長めの髪、そして瞳も例外ではない】
【白い手とやや中性的ながら男として成熟した顔だけが遠目からは浮かび上がっているようにも見える】

どうしましょう、人に聞こうにもこの辺に人なんているわけ無いわよね…

【ちょうどそんなことを考えた時、彼の耳に人間の声が届いた】
【たった今願ったものだが、それは望んだものとはかけ離れていた】
【それは悲鳴だった】

うぅ…流石にこんな場所は物騒な人が多いみたいね
今日はもう帰ろうかしら

【なおも路地裏に留まる男】
【しかし程なくして男はそれが異常であることに気付く】
【悲鳴がなかなか止まない】
【というより、多すぎる】

…ちょっとおかしくない?
ただの不良じゃないの?こんなの

【不思議に感じた男は悲鳴のする場所に行ってみることにした】
【悲鳴は止まないのでそこを特定することは容易だった】

なにあれ…1人であんなに沢山…

【彼が見たものは多数の男をたった1人で相手にし、そして蹴散らす男の姿である】
【物陰からそれを見続ける】
【目を離すこともやめさせようと飛び出すこともできなかった】
【何分かたったろうか、ついに最後の1人が地面に倒れ、男がその頭を踏みつける】
【そこでやっと覗き見している自分に気付く】

そうだ、逃げないと
見つかったら危険だわ

【慌ててその場から立ち去ろうとする】
【しかしそこで彼はミスをしてしまった】
【足元にあった小石に気付かず、それを蹴飛ばしてしまったのだ】

あ…やばっ

【小石は小さな音をたてて転がる】
【辺りは比較的静かなので、少しでも周りを気にしていたら男は音に気付くかもしれない】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/16(木) 22:34:20.53 ID:S0pL4rDBo
>>308

【ボロボロのハンカチを、ぼんやりと眺める彼女を、彼が眺める】

人ってのは、存在そのものが伝染病みたいなモンさ。これは悪い意味じゃなくてな。
つまるところ、あんたみたいに心が温かい人が大事に扱ったモノなら、そのモノも温かい心を持つようになるのさ。
―――― そのハンカチ然り、娘さん然りな。これからも大事にしてやりなよ、どちらもな。

【そう言いながら、彼女の顔から目を逸らし、彼女が楽しそうに持っている「レンズ水」に目をかけてやる】
【―――― 俺ぁ、お前を大切に扱えてきたかね?いつまで経っても買い手を見つけられなかったが……】
【……だが、今晩、やっとお前をボロボロになるまで使い古してくれるような買い手が見つかったぜ】


【モノは人から人へ、流れるようにその手を渡っていく】
【だが、流浪の民が、死ぬまで自身の故郷を忘れない様に、また、死ぬまで今まで見てきた景色を忘れないように】
【彼が言う通りモノ自身に精神が宿るならば、恐らくモノも、自身を手にして来た人達の事を決して忘れる事は無いだろう】
【以前の持ち主から彼に、彼から彼女に、そして彼女の娘へ、渡っていく。いろんな記憶を伝えながら】

【彼が持つ奇妙なアイテム達が、どれほど古くから存在するのかは誰にもわからない】
【ならば、今ここで魔翌力を帯びた水のレンズ越しに星を覗く彼女の様に、もしかしたら、何百年も前に同じ場所で、別の人が同じ星を覗いていたのかもしれない】
【―――― ふと、そんな事を考えてみる。人の手から人の手を渡り歩くモノには、そういった楽しみ方もあるのだ】

へへ、それならきっと、良いだろうと思ってな。
他のはそれみたいに、あんまり若い子向けじゃあ、無い。だから売れ残るのかもなァ……。

【娘への贈り物。何時だって、大事な人の事を忘れない、温かい人だな、と彼は思った】
【が、どうやら、その「レンズ水」に夢中になっているのは彼女自身の様で、少し可笑しかった】

代金か……。今夜キミと出会えた事だけで十分さ。
……―― なんて言えりゃあ、雰囲気の一つでも出るんだろうが、生憎、食い扶持を繋ぐのに必死でね……。
確かにそいつは珍しい物品だが、んだども、ふっかけるつもりはねぇ。

そうだなぁ……。うーむ……。

【彼が悩むのには理由あった。それは、やはり珍しいアイテム故、実際に売るとなると、やはり割高になってしまうということ】
【現実的な値段を提示して、彼女が払えなかったなら、折角のプレゼントが台無しだ。しかし、タダで渡せるほど余裕がある訳でも無い】

―――― じゃあこうしよう。最も原始的でスマートなトレード手段。"物々交換"さ。
なんだっていい、この「レンズ水」と釣り合う、と俺が思える様なモノなら、なんだってな。

……もし、今、何も持ちあわせてないのなら、今は手付金ということで500もらおう。
俺だってこう見えても行商の端くれだ、またどこかで会うこともあるだろう。
だから、残りは、今度会った時にでも払うか、何か代わりの物を渡してくれりゃいいさ。
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/16(木) 22:37:46.64 ID:5m9KLJwV0
>>311
【――――強くなった、というよりも近くなった妖気】
【普通ならば飛び退くか、威嚇するか。或いは警戒するか――――なのだろうけれど、どうも鈍い巫女はそのどれも出来なくて】
【真っ赤に染まった鼻を撫でれば、言葉を耳に入れるだけで】


「……ご、ごめんなさい……何時もみんなにそう言われます……
あの、起こしちゃったならすみません……」

【何処か自信なさげな表情。口調から、少女の性格を覗えるだろうか】
【ようやく立ち上がれば、女性へと向き直って一礼するのだけれど】
【――――普通ならば、反論するなり言い訳するだろうに、少なくとも皆から言われると言う事は常日頃この様な失態を繰り返しているのか】
【暫く尻尾、耳、顔をじーっと見た後、小首を傾げて】


「……妖怪さん……ですか……?
耳と尻尾を生やした人は何人か見て来たのですけど……あなたの様に“其れ”を漂わせている人は……あまり……
ま、間違ってたらごめんなさい
妖怪憑きでしたら……その……お祓いできますので……あの……あんまり自信は無いですけど……えっと……もし良かったら……――――」

【何処まで抜けているのか、女性を純粋な妖怪と思わず妖怪“憑き”との勘違い】
【――それにしても、手助けするならば。そして生粋の巫女ならばもう少し堂々としても良いのに】
【眉をハの字にすれば、浮かべる愛想笑い――――のつもりをした、引き攣り笑み】
【本物の妖怪が“お祓い”何て言葉を聞けば、どの様な反応をするのか――――】

【さて、鋭ければこの巫女に違和感を感ずる事もあるか】
【人間のように“気”のみならず、その身体に微かに“妖気”が交じっていること】
【――然れど、それも微量。分からなくたって、何ら支障が起きることはあるまい】
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/16(木) 22:42:14.51 ID:iWTVXBIJ0
>>312

独り言の多い野郎...野郎か?
まあいい

【相手の顔を見ることなく、ポツリとつぶやいた】
【小石の音が響いたように、小さな声でも静かになった路地裏ではよく響く】
【駄菓子を口から離して、また咥えて。そんな煙草の真似事のようなことをまた行って】
【そしてばつの悪そうに頭を掻いて、男の方へ歩いていく】

こいつらの仲間か、それともただの迷い人か・・・
どちらにしろやることは変わらねぇ

【道中、倒れている男達を蹴り飛ばしながら、まるで威圧するようにゆっくりと歩く】
【男は男に手の届く範囲まで近づいたくと、まるで反応を待つように静かに立ち止まる】

【男をまっすぐ見つめる目、その目には一目でわかるほどの「悪意」が宿っている】
【男の纏う雰囲気も、どす黒い、悪を色であらわしたような雰囲気を纏っている】
【この男を悪人と判断するには十分な材料か】
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/16(木) 22:48:59.98 ID:QbYMkQkb0
【街中――路地裏の闇の中】
【三日月から零れる仄明るさが精一杯に照らしてもまだまだ暗い細道】
【きらと煌くものがあった。グリーンアップル色、まんまるの二対が――きっと、遠くからだって窺えたはず】

……ああ、そういえばもうすぐ誕生日でしたわね。

【呟く声音は春の猫をどこか連想させる甘たるいもの、続くのはちっちゃな溜息ひとつ】
【なーぅと声が追いかけて見上げるのはこちらは本物の猫だろうか。暗闇の中にそっと紛れ込む、黒猫一匹】

【――黒猫色をした髪、さらさら流すのは肩を通り越す長さ、細い指先が毛繕いするように撫でて】
【考え事をするように動く視線、グリーンアップル色は夜の中だってどうしようもなくよく目立つ】
【纏うものだって黒猫めいた色合い、腰元をリボンで絞るデザインのワンピース、リボン結びの尾っぽは長く垂らされて】
【大きく露出する背中は髪のヴェールに隠されて、ただ、その向こう側に白さを透かす】
【グリーンアップル色がついと落ちて――「どうしましょうか」なんて呟くのは、女が一人】

お人形やらぬいぐるみが安全牌なのは分かりきっているのですけれど。
捻りが足りないと思いませんこと? ほら、あなた様も考えてくださいませな、何なら養子にでもなります?

【無造作に詰まれた木箱の上。それが女の現在位置で、短いスカートで足を組むものだから――はしたない】
【組んだ腕は細さと豊かさを強調するばっかりで、足先で蹴っ飛ばすように催促する先には、先に記した猫が居る】
【真っ黒の毛色。傍から見れば眼だけが浮いているようにも見えて、「にゃーん」と鳴き声を闇に響かせた】
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/16(木) 22:52:26.10 ID:JyvMV2gHo
>>314

んー?いやの、そろそろ街も星も見飽きとった頃じゃからな
お主のような者と見(まみ)ゆるのもそう悪くないちや
……にしても、アレじゃの。もんにお主は鈍臭そうじゃのう

【少し、というよりもかなり失礼だが、恐らくは馬鹿にするというよりもそれが巣なのか】
【青い瞳をらんらんと輝かせ、にこりと笑いながら語りかける】

【外見からすると――人で言えば、20代。ただし、耳や尾、牙からしてそうではなく】
【また少女が妖怪か≠ニ聞けば首を縦に、後の憑き物か≠ニいう問には横に振る】
【どうも声にせず横着するのは、リンゴがそろそろ芯だけになるからという理由なのだが――】

……ふぃー。ん……儂はの、狼の妖怪である『長尾 銀狼』っちゅーモンじゃよ
尻尾が他の者よりも長く、毛並みはそりゃあもう素晴らしい銀色じゃから、ながおぎんろう。

で、本当ならば巫女は怖いのじゃが……まあ、ほれ…――ところでお主、鼻っ柱は大丈夫かや?
随分と強うぶつけたようじゃったし、折れとりゃあせんと思うがのう
……それとも、巫女らしくもないその気≠ゥらして、無事なんか?

【芯だけになるまで食べ終えればそれを放り捨て、しゃがんだままに言葉を続ける】
【この長尾という狼の妖怪――少女の云うお祓い≠ヘ失礼な理由から恐れていないらしい】

【故に、離れる事も警戒も無い。むしろ鼻の心配なんかもして、洋梨を取り出して『食うか?』と言ったり】
【一方では少女の気にあやかしのそれが混じっているのを鋭敏に見ぬいて、声にしてみたり】
【相当に奔放な性格を伺わせながら、ついにはすとん、と地面に腰を下ろしてしまう】
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/16(木) 22:56:58.53 ID:kNH8xX7oO
>>315
【男は明らかな敵意を持ってこちらへ近付いてくる】
【少なくとも目の前で止まったことは友好の証では無いはずだ】

(しまった…見つかっちゃったわ…)
いや、アタシは怪しいものじゃ無いわよ
ただちょっと道に迷っちゃってね
そうだ、アナタこの辺りには詳しいかしら?

【目の前に立つ男に対しできることは両手を上げ少しでも相手を逆上させないよう気を付けることだけだった】
【後退りも試みるがあいにく真後ろは壁で失敗に終わる】

別に現場を抑えてどうこうとか、そんなんじゃないのよ
通報したりとか、そんなつもりはないわ
だから、ね?ここは見逃してくれないかしら

【口ではそう提案しつつ、多分目の前の男は自分を見逃してはくれないだろうと感じていた】
【だから話しかけつつも男から視線を逸らそうとはしない】
【実は彼は多少のケンカ慣れはしていた】
【なのでたとえ不意打ちで今殴り掛かられたとしても一般的な不良程度のパンチなら防御が間に合う程度の自信はあった】
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/16(木) 23:12:35.13 ID:iWTVXBIJ0
>>318

逃げないか・・・案外こういうのにはなれているのか?

【目に宿っていた悪意はどこかへ消えて、感心するようにつぶやいた】
【さっきの台詞も、行動も、目も、全てただの威圧】
【ここで逃げられて通報されようとこの男には不利益は何もない】
【ただの自警団相手に負ける気はしないし、自身の名も上がる】
【じゃあなんであんなことをしたかって? ただの興味本位だ。深い理由なんてない】

まあ、今日のところは見逃してやる


...やっぱりただで返すのも面白くないな。
そうだ、体の一部を置いていけ。指でも目でもなんでもいい

【気が変わったのか、また目に悪意が宿る】
【自分から何か行動を起こすわけでなく、ただ一言つぶやくだけ】
【男の頬は釣りあがり、相手の反応を楽しむかのように笑っている】
【どこにもかしこにも異常さを感じさせる行動が、相手の不安をあおる】
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/16(木) 23:14:00.25 ID:5m9KLJwV0
>>317
「……もっと……別な言い方はして貰えないのですか……
私も……鈍くて迷惑掛けている事は自覚していますけど……
でも……でも……」

【鈍臭い。実に正論で、言い返す余地も無くて】
【――――あったとしても、それほどの勇気がこの少女に備わっているのかは微妙なのだが】
【拭った筈の涙。ジワジワとまた零れそうになるのは、惨めさを自覚してしまったから】
【折角笑い掛けてくれたって、見せるのは膨れっ面。これが精一杯の反抗か】


「狼さんの妖怪さん……ですか……?
長尾銀狼……さん……は、猫又さんとかと同じ変化の類なのでしょうか……

えっと……私は……多分、大丈夫……です……多分
私も、純粋な人間ではありませんから……だけど……結界とかは得意です……
今も……“本体”は本家の結界を張っていますから……」

【洋なしの問いに関してはコクリと小さく頷いて】
【両の手を伸ばして、受け取れたのならば小動物の如くシャリシャリと食んでいくのだろう】
【どうにも、要領を得ない言葉。本体だとか、本家だとか】
【――――女性が腰を下ろした頃、「あっ」等と呟けば食むのを止めて】


「長尾銀狼さん……私、天鬼です。下の名前は……あ、後は天鬼家の巫女をやってて、純粋な人間じゃ無くて……
えっと、この身体もヒトガタで……それと……長尾銀狼さん、ごめんなさい……お話、するの……苦手で……」

【次々と変わる話題。相手の事を教えて貰ったのだから、自分の事も教えねばという奇妙な使命感】
【先程の“本体”は、ぽつりと漏らした“ヒトガタ”へと繋がるのだろうか】
【何を話せば良いのか分からず、グルグルと渦巻いてしまった目】

【一々名の全てを紡いでしまったりと、話すのが苦手という言葉は偽りでは無いのだろう】
【しゅん――と落ち込めば、妖気。即ち“妖狐”の気配が若干強まって】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/16(木) 23:15:06.57 ID:tQT39NX70
>>313
【―――もし物に口を利く能力があったら、こうやって手に取って言う自分の事を何というのだろうか】
【こんな風にして子供のように目を輝かせている彼女を、どう思うのだろうか……そして、きっとこれから帰って手渡すであろう娘は……】

【一つだけ言えることは、きっとどちらも物を粗雑に扱うことは無いということか―――二人とも痛みのわかる人なのだから】
【乱暴に扱えば傷みが出るし、大事にする心が無ければ荒んでいく……これは人でも物でも変わらない】
【逆に丁寧にやさしく付き合えば、きっと相手の心/あるいは形を壊さずに済むのだ】
【人に優しく、物に優しく……これは何度も言い聞かせて来た。優しい娘はきっとそのことを分かっているはずだ】

【今、様々な人々に引き継がれたこの水は彼からこの母娘に渡ることになる訳だが……きっとこの水も悪い気はしないと思う】
【これからよろしく……そんなことを思いながら、彼女はその水を優しくリュックサックの中に仕舞った】



【―――そして話は現実的なものに戻る】
【さて、気になるお値段なのだが……うーん、当然と言えば当然だがやっぱりタダとは行かないか……】
【「今夜キミと出会えた事だけで十分さ」なんて言われてちょっと嬉しくてにやけていたから、「チェッ、損しました」なんて呟いてみるが……相手も商売だもの、仕方ない】

……そうですよね、商売ですもんね……
………一瞬だけでも嬉しかったんですけどねぇ………


【そして、彼の提示した条件は……物々交換。この水に見合ったものを、とのことだが……果たしてこの水と同じ価値のあるものって何だろう?】
【暫くうねりながら頭をひねらせて、漸く頭に浮かんだものがあった―――ああ、あれならきっと価値があるものだろう】

【そしてリュックサックから取り出したのは、何か生き物の骨格のような形をした石……そう、化石】
【自然学者である彼女は当然環境についても調べているわけで、その研究の一環で掘った化石が結構手持ちにあったりする】
【魚とも龍とも取れるような不思議な形のその生き物の骨格は、全体像がハッキリと判るほどに保存状態が良くて、売れば相応の値が付く筈】

……これでどうでしょう?
魔力とかそんな方面での価値があるものじゃないんですが、自然学・考古学的にすごく価値のあるもので……

【……価値は確実にあるのだが、考古学に興味のない人から見ればただの魚の形をした気持ち悪い石……】
【果たしてこれで満足してもらえるのか、ちょっと不安そうな顔をして差し出してみるが……】
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/16(木) 23:27:16.03 ID:kNH8xX7oO
>>319
体の一部?!そんなの無理に決まってるじゃない

【男の提案に慌てて首を振る】
【言うとおりにしないと酷い目に合うのはわかっていたが、言うとおりにして指でも落としたら本末転倒もいいところだ】

ね、お願いだからこのまま帰してくれないかしら
ここでのことは見なかったことにするわ

【必死で男をなだめようとする】
【しかし実のところ、この交渉が失敗しても、彼にはそれ程の痛手はない】
【目の前の男の実力は未知数だが、それでも戦えば勝てない相手だと踏んでいた】
【なだめるのはそれが面倒だから、そして相手に先手を取らせることで戦う理由を作るためだ】

ね、どうか許してくれないかしら?

【両手を上げつつ、やはり急な攻撃に対応できるよう目を光らせることは怠らない】
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/16(木) 23:32:34.14 ID:JyvMV2gHo
>>320

ふむ……うすのろ、間抜け、たわけ、ぼんくら、とんま……
―……ってあぁ!これこれお主、そう泣くでない!
冗談であろうに、冗談。己の事くらい、好しも悪しも含めて自信を持たぬか!

まったくのう……それと、儂の事は長尾≠ナも銀狼≠ナも
呼び方はなんであっても構わぬから、堅苦しいのは止めてくりゃれ
同居の神谷の者らなんぞはの、『銀ちゃん』などと呼んでおるし、の?

【そんな風に、気ままに。時折『猫又と同じ類か』という質問に首を縦に振ったりして】
【紙袋からは自信も彼女が食べるものと同じ洋梨を取り出し、齧る】

【おっかなびっくりという様子の少女とは対極的なのが、この銀狼だ】
【梨の食べ方1つ取っても違う。話し方も、大胆さのようなものも違う】
【そんな彼女が僅かに身をたじろがせたのが妖狐≠フ気配であるのに、気付けるか――】

(……ふぅ、びっくりじゃの。妖狐=\―まさか、稲荷じゃあ有るまいし)
(にしても純粋な人ではない巫女、のう?あやかしを取り込みでもするのか……)

ま、ひとまずは落ち着けい天鬼某とやら。1つひとつで良いからのう
下の名前に、天鬼家の話に、身体がどうとか……後は、その狐の気配が気になるんじゃが――?

【――そう諭すように声をかけながら、長い尻尾を動かして、少女に伸ばし】
【その毛先で彼女の首筋を擽るように――緊張を解すようにして】
【一方では妖狐の気配に合わせるかの如く、妖狼の気を少しばかり強めてもみる】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/16(木) 23:33:45.70 ID:S0pL4rDBo
>>321

ほう……、化石か……。

【化石、古代を生きた命たちが残した、生命の軌跡】
【それもかなり保存状態の良いモノだ。確かにこれなら、「レンズ水」相応の価値はあるだろう】

良い物を持ってるじゃないか。
これは……、魚か?……んだが、魚にしてはなんだか違和感があるな。
……――んまあ、そんなことはどうでもいい。そんな不安がらなくたって大丈夫さ、これにて交渉成立だ。

【と言って、彼女から受け取った化石を、風呂敷の中に仕舞う】

―――― ところで……

【風呂敷からのぞく化石は、やけに状態がいい】
【彼自身もそこまで詳しくはないのだが、化石とは、本来発掘なんかをして手に入るものだ】
【だが、素人が偶然掘り出したにしてはあまりにも状態が良すぎる】
【誰かから譲り受けたのだとしても、わざわざこんな物を持ち歩いたりはしないだろう】

こんなモノ、一体どこで手に入れたんだ?
化石なんて、畑を耕していてたまたまキレイに見つかるようなモンじゃないだろう……。

【化石の価値は、十分だ。彼には化石の美術的価値はよくわからないが、世の中にはこんなモノでも金を出して買っていく人間がいる】
【しかし、気がかりな事が一つ、彼女が何者か、ということ】

【そもそも、夜中に街の外れでテントを張っている事自体、よくよく考えてみれば異様だ】

【質のいい化石、既に誰かの手に渡っていてもおかしくはないだろう】
【真実としては、彼女自身が掘り出したモノなのだが、彼には当然それを知る理由もなく】
【例えば、彼女がこの化石をどこかから盗んできたのだとしたら……?それならば、こんな所で野宿しているのも、辻褄が合う】

……まあ、答えたくないなら何も言わなくて構わんがね。

【もちろん、彼女の人柄から察せられるに、そんな事は無いのだろうが】
【しかし何も知らない彼にしてみれば、どうにも何か裏があるように見えて仕方がなかったのだ】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 00:02:45.87 ID:/PgUgMQi0
>>323
【最初は、少女にしてみればまだ強気な方で】
【膨れっ面を維持したまま――――だったのだけれど、言葉が重なればそれも無くなって】
【ゴシゴシと眼を擦ったのは、己の心のダムを決壊させないためか】


「自信なんて……全然ありません……ご飯食べてたらいっつも最後ですし……地図をみて歩いてたのに正反対に進んでますし……

……何でも良いんですか?……えっと……じゃあ……ぎんぎん……さん……」

【取り敢えず、何をやらせても底辺なのだろう】
【そんな彼女であっても、結界だけは自信を持っていた。となれば、巫女としての力はそれなりなのか】
【――――尤も、其れに常識が備わらなければ、力だって減少してしまうのが常】

【所で――――何とでも良い。と言われれば、少し顔を綻ばせて】
【貰った果物を囓りつつ考える事数十秒。出てきたのは何ともまあ砕けた呼び名】
【じっと見つめれば、確認を取るかのように「ぎんぎん」ともう一度呟いて】


「ぎんぎんさんは、お狐が嫌いなのです――――ひゃッ?!」

【妖気を放った自覚はある。そして、その職故に――――意識せずとも、妖の少しの仕草も目に留まる】
【だから、訊ねようとしたのだけれど……ビクリと身体を強ばらせれば、為されるがまま】
【けれども、その毛並み、手触りが柔らかくて。手で優しく掴む事が出来たならば、まるで子供が嬉しそうに縫いぐるみを抱くような行動でも見せるのだろう】


「下の名前は“桔梗”で……天鬼家は昔から妖怪退治や人間と妖怪の仲介人になったり、妖怪を虐める人を退治したりして……
えっと、後…天この身体はヒトガタですから……本当の私はもっと遠くに居て……
あ、あの……コレは……私も、小さい頃に天鬼家に拾って貰ったので……お母さんもお父さんもよく分からないのですけど……
多分、半端者ですから――……えっと、文献で読んだら……私、妖狐、みたいです……
ちゃ、ちゃんと本体は耳も尻尾もあるんですけど……やっぱり……変、ですか……?」

【言葉、と言うよりも箇条書きした物をただ読んでいるよう】
【この自信の無さは、その半端者が原因なのか。捨てられたのか、死に別れたのか分からないけど――少なくとも、本人は悪い方向考えて居て】
【伝えたいのに、上手く伝えられず】
【もし、その尻尾を手中に収めることが出来ていたならば、きゅっと強く握って、何処か不安げな視線を送ることだろう】

【強まった、彼女の気配――――だけれども、先程のは反射に近かった故に、対抗するように妖狐の気配が大きくなることは無いであろうか】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage]:2013/05/17(金) 00:14:07.89 ID:YmESH1MC0
>>322
//ごめんなさい・・・気づくのにかなり遅れました・・・
//まだいらっしゃいますか?
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/17(金) 00:21:46.53 ID:PlSjJgKz0
>>324

良かった……それは、進化の途中と言った所でしょうか
魚類が両生類、爬虫類と進化する過程を示すとっても貴重な物なんですよ!

【一抹の不安があったものの、何だコレはなんて言われずに済み、ほっとしたような微笑みを浮かべる】

【魚の面影はくっきり残っていながら、確かに手足がある……見れば見るほど不思議なフォルム】
【こんな生き物が、途方もない昔に確かに存在して動いていた……何と言うか、太古のロマンに満ち溢れているではないか】
【きっとこの生き物もはるか昔に地球のどこかで動いていたなんて考えたら、わくわくするはず……】

【ところで、彼が気になっていたのは化石だけでなく、今ここにいる彼女自身でもあったらしい】
【――考えれば当然かもしれない。何せこんな夜中にテントを張って空を見上げていた女が、化石を持っていたなんて、奇妙な話】
【ああ、ちょっと変な疑念を抱かせてしまったかなー……  髪をかき上げながら苦笑いして】
【何だかとっても遅い気がするけど……今さらながら自己紹介】


……そういえば、私のことを全然話してませんでしたね……すみません
私は神谷皐月と言います!自然科学の研究をやってまして……その、発掘なんかもその一環です
小さいころから自然が大好きで、今日もこうして木に囲まれて空を見上げてるのが楽しいような人種なんです!
すみませんね、怪しませちゃって……

【何のことは無い。彼女は研究職でいろいろなものを採取しているから、こんなに保存状態のいい化石を持っていただけなのだ】
【知らずに変な疑念を抱かせたことを詫び、またちょっと苦笑い】


【……さて、話し込んでいたらもうかなり遅い時間になってしまった……空に浮かぶ月もかなり移動してしまっている】
【この様子だときっと家にいる愛娘はぐっすり眠っているのだろうが、帰ってやらねば……】
【フィールドワークの相棒であるテントを畳み、愛娘への荷物が入ったリュックサックをよいしょと背負えば、すっと立ち上がり】
【最後にもう一度、素敵なプレゼントを譲ってくれたからにニコッと微笑み、わずかながらの礼を言う】

えーっと、今日はこんな素敵なものまで頂いて有難うございました!
……またどこかでお会いしたら、今度は自分へのプレゼントも買ってみましょうかしら……

【―――そういえば、彼は行商人と言っていた。それならば様々な所を訪れているわけで】
【彼女も自然学者として様々な所へフィールドワークに出かける……また、どこかで出会うかもしれないなぁなんて思ってみたり】
【最も彼女が行くのは山林・渓谷といった場所ばかりだけど、その途中で街にも行くことだってある】
【そんな所でまたばったりと出会えば、今度は自分へのプレゼントでも買ってみようかな……】

それでは、またどこかで!

【最後に優しい微笑みを残して、彼女は帰路へと就いた……】

//えーっと、二日にわたって長丁場になりましたがお疲れ様でした!
//人の繋がりとかを感じれる温かいロールが出来て、楽しかったです!それではまた絡みましょう!
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/17(金) 00:26:48.85 ID:EJ4tlOJPo
>>325

ぎんぎん=c…うむ。ま、なんでも良いと言ったのは儂だしのう
では、儂からはお主のことは単に桔梗とでも呼ばせてもらおうか。

……にしても、話を聞けば聞くほど不器用なのが見えてくるちや
面白いやつじゃのう、桔梗は……それにどうにも子供っぽくて、良い
衣織といい、どうも儂の尻尾を弄りたくなるのはそれの象徴に思えるのう

【尻尾を少女の好きにさせ、毛並みの中に有る芯の温かみを与えながら】
【まるでぬいぐるみか何かで遊ぶような姿を見て、明るい瞳を咲わせる】

【――ちなみに、子供っぽいと言ったのは見た目だけの話ではなく】
【下手に無理をせず、不器用なのが分相応だからそれでいい、という意味合いがあったりするのだが】
【まさか言葉にもしない意味合いを少女が取れるとも思えず――まあ、それこそどうでも良い話】

ふむ。いや、狐はなぁ……前に、お稲荷のまね事をして本物に叱られての
それ以来どうにも、身体のほうがびっくりしてしまうのじゃよ。お主が嫌い、というわけではなくてな

しかしそう、か。てっきり憑かれてでもおるのかと思ったら、単に妖狐か、お主が。
良いではないか、今のお主も愛いぞ?そこに耳や尾が足されて、なんぞ変なことがあろうか
いや、無いとも。まして儂は妖狼……親近感こそあれ、他の感情を覚えるわけも無かろうて。

もうちくとばかり、自信を持っても良いぞ?聞けば、天鬼家の家業は妖怪のための業とも聞こえる
そげな珍しく難しい事を担っておるのじゃから、何を恐れ畏まることも無い…――じゃろ、桔梗?

【と。そんな風に、洋梨の芯ばかりが残ったそれを放り捨ててから口にした】
【奔放ではあるが、猫又がそうなるのに時間がかかるのと同様、銀狼も長い時を過ごしてきている】
【それ故に、言葉は案外にも賢智な様子。明るい雰囲気もあって、少女を励ますかのようで】
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/17(金) 00:43:16.41 ID:xFInvcKqo
>>327

進化の途中ねぇ……。

【魚、というよりかは、竜やトカゲに似た造形】
【なるほど、よく細部まで観察してみれば、魚だというのに手足が残っている。これが違和感の正体か】

神谷皐月……。覚えたよ。
―― 自然科学の研究か。いいね、自然が好きなあんたにとっては、まさしく天職、と言った所だろうな。

【ようやく彼の中で合点がいく。自然科学の研究。それならば、発掘作業なんかもお手の物なのだろう】

……俺は、守貞内 曵男。よく間違えられるが、モテナイじゃなくて、モテウチだ、モテウチ ヒキオ。
ここで出会ったのも何かの縁だろう、それならば、きっと、またどこかで会うさ。
その時には、また何か買ってくれよ。いろいろ、揃えておくさ。

【その後に、ぼそり、と「俺が生きていればな」と付け加えるが、果たして彼女の耳に届いたか否か】

今夜はありがとう。寂しい夜にこんな美女と語り合えて、良かったよ。

【そう言いながら、テントを畳んでいる彼女の隣で焚き火の火を消す】

それじゃ、俺もそろそろこの街を出るよ。
……―― この街はダメだ。モノ一つ売れやしねェ。

【へへへ、と笑ってみせる。調度良い旅の休息だった。モノは大して売れなかったが、この街を訪れたのは正解だったな、と彼は思った】

【自然科学の研究、か。化石を掘り出したりするのだから、当然、野山を駆け巡ったりしているのだろう】
【だったら、今度は彼女の娘ではなく、彼女が喜びそうな物品をどこかで調達しておこう】
【彼女とまた会う時の贈り物として】

//お疲れ様でした。遅筆御免。
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 00:47:44.09 ID:/PgUgMQi0
>>328
「……ぎんぎんは、さっきから私の事を酷く言ったり……子供扱いしたり……酷い、です……
わ、私は真面目なのに……面白がったりして……

だって、ぎんぎんの尻尾は……私のと違ってふわふわで……暖かくて……
それに、ぎんぎんも暖かいから……ずるい、です」

【言葉では弱々しく非難するけれど、それでも尻尾を手放すことは無く】
【嫌がる様子も無いと知れば、洋なしを置いて両手で抱えるようにして持つのだろう】
【嫉妬、羨望。色々な感情があるけれど――――】

【何も、尻尾がそうだから“ずるい”と思った訳では無い】
【自分とは対だから――陽であるから、ずるい。言い換えれば、一種の憧れか】
【――唇を尖らせるのだから、言葉相応に“子供っぽい”けれど】


「……真似をしたら、誰だって怒ります……
ぎんぎんだって、誰かが勝手に名乗って好き勝手していたら嫌だと思いませんか……
でも、嫌いじゃ無いなら……良かったです……

えっと……そうは言っても……私は純粋な天鬼ではありませんし……お姉ちゃんにも迷惑を掛けていますし……
ぎんぎんがそう言ってくれるのは嬉しいですけど……でも……
私は……純粋な人間ではありません……それなのに、巫女なんて変です……

…………ぎんぎんは、自分に自信を持っているのですか……?」

【抱いた尻尾に顔を埋めてしまえば、尻窄みになりゆく声】
【自分が嫌い、という訳では無いのだけれど、今まで明確な自分という存在を見出せ無かった少女からすれば、自信なんて殆ど無いに等しくて】
【ちょっぴり間を置いたならば、ふと視線だけを上げて、上目遣いで問うのだろう】
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/17(金) 01:06:17.50 ID:EJ4tlOJPo
>>330

いやぁ、真面目なものを見るとついついからかいたくなる悪い癖での?
その洋梨に免じて許せよ桔梗。何も心からそう思っとるわけではないのじゃ
それにお主も、小さな犬なんぞを見かけたら可愛がりたくなるじゃろう?

あれと一緒でのう……ふふ、そう言われるとまた楽しくなるちや
名が長尾だけに、尻尾は自慢でな。わびと言ってはなんじゃが、好きにして良いぞ

【少女の憧れを知ってか知らずか、あくまでも銀狼はマイペース】
【その長く暖かな尻尾が抱かれれば、にこりと笑って好きにさせる】
【時折、毛先がちくりとくすぐったいが――心地良いことに、かわりはないはずで】

そうかのう?儂はもし偽物が出ても、よほど悪いことをせねば構わぬよ?
むしろ共に何かをしてもよいかもしれんのう……悪戯、とか。

ほほう、姉がの……しっかし、ほんに桔梗は物事を気にする繊細な娘じゃのう
そも、巫女なんぞ元を辿れば神憑りの為の道具≠ノ過ぎん
人間の中でも特別妙な奴が担っておったのじゃから、ちくと人離れしていても良かろ?

儂は……自信がどうというより、そもそもそんな事を考えんよ。
獣であっては野山を駆け、妖かしとなっては良いように、赴くままに。
やりたいことをやる。その生き方の中に、自信も悩みも有ったもんじゃあない

……ま、いうなればそんなトコかの。縛られておらん分、テキトーな奴なんじゃよ

【そう答えれば、紙袋を置いてから、ふと俯きがちな少女へと四つん這いで近寄って】
【視線だけではなく顔を上げんか――なんて言いながら、人差し指で額を押し上げようとするだろう】
【子供の悪戯にも近い。が、全く屈託の無い笑みには、嫌味など1つも見当たらなくて】
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 01:33:25.99 ID:/PgUgMQi0
>>331
「……確かに、小さな犬は可愛がりたくなりますけど…………
……っ。一緒って……私は、そんなんじゃ……無いです……

妖狐ですから……その……可愛がられるとかじゃなくて……
……上手く、纏まりません……」

【妖狐。惑わす存在為れば、可愛がる方へ回りたいもの】
【けれども、相手は自分よりも遙かに長く生きた存在であろう。ましてや、自分の性格が性格である】
【せめてもの仕返しとして何か出来ないかと考えた結果――――尻尾を辿々しく擽る、なんて些細な事しか出来なくて】
【言葉で勝ちたいけれど、勝てる筈が無い。だからといって諦めないのは、人間らしいか】


「……今の言葉で分かりました……ぎんぎんの性格だと、おいなり様が怒っても仕方ないです……
祭られているのに悪戯されたら……えっと……多分、怒ります……

そう、ですね……確かに、少し位人と違った方が巫女としては確立されるのでしょうか……
でも、ぎんぎんみたいに、私もそんな事を考えないで居たいです……

妖怪退治とか、名誉だとか……もう、一杯一杯で……
仕事が仕事ですし、私が結界を休めてしまったら……守女達にも迷惑を掛けてしまいますし……
それに、それに…………あぅ―――ー」

【まだ二十歳にも満たない少女が課された様々な仕事】
【――――額に軽い衝撃を感じたかと思えば、視線が上げられて】
【最初こそ、きょとんとして居たけれど、やがては誘われるかのように小さく笑うのだろう】


「やっぱり、ぎんぎんはずるいです……
そうやって、楽しそうに笑えて……だから、羨ましいです……
色々な事を知ってて、暖かくて……私に無い物を沢山持ってて……」

【もう一度だけ尻尾を強く抱いたならば、後は手放して】
【何処か名残惜しそうでもあるけれど、ヒトガタの“術”が解ける事を近いと感じているから】
【消えてしまう前に何か、何か言おうと考えるけれど――――】
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/17(金) 01:53:36.51 ID:EJ4tlOJPo
>>332

ならば小さな狐じゃな!よいよい、そう恥ずかしがることも無かろうて
まして狼と狐では獣としてもそういうもの≠カゃ、おかしくもない
……ま、妖怪としての格だのは儂には何とも言えんものがあるがのう

【確かに――妖狐、となれば稲荷なり玉藻御前なり、無数に強力な妖怪の話が有る】
【古くから狸と並べられて妖かしの代表格でもあるし――それに比べて】

【狼の妖怪、というのも珍しい。少なくとも、狐との方向性の違いは明白だ】
【人に仇なすというよりも遊びに重きを置き、時として高潔な一族の面を垣間見せる】
【彼女に関してはそうでもないように思えたが――独りでもつよい≠フはそんな理由か】

【それから、それから――少女が言葉に詰まり掛けるそんな時】
【無理にでも彼女の視線を上げさせて、やがて笑えばそれでよしとばかりに目を細める】
【にやりとした口元からは獣人らしく牙が覗き、包み隠さぬ姿がうかがい知れて】

……なあに、儂など下手に長生きして、物知りのふりをしとるだけじゃよ
学もなけりゃ才も無し。お主は違うからの、もう少しばかり明るくなれば完璧よな

ふふ……完璧になれれば、その守女らもさぞ仕事が楽になるじゃろうて
阿呆のように悩み続けるよりは、時たま星空でも眺めて気を抜くと良いぞ桔梗
まして、お主は未だ稚児じゃからのう。無理をしても、風船は弾けてしまうものじゃよ?

【手放された尻尾をふるりと動かす――そろそろ別れか、と悟ったらしく】
【銀狼はその青い瞳を少女のそれに合わせ、言葉を待つかのように首を傾げてみせる】
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 02:21:20.08 ID:/PgUgMQi0
>>333
「……もう、私だって十七です……小さくなんかありません……
他の人に……沢山子供扱いされますが……ぎんぎんが、一番私を子供扱いしてます……
もう、私だって……夜、一人で寝れますし……守女が居なくても、一人でお風呂も夜に厠も行けます……

……ぎんぎんは、きっと妖怪でも上の方です……
私は……沢山の妖怪を見て来ましたから……」

【“大人”をアピールしようとしたのだろうけれど、出る言葉は何とも要らない情報】
【逆に、其れを大人して感じるならば、つい最近までは出来ていなかったのだろうか】
【――――沢山の妖怪を見て来たから。退治であっても、交渉であっても】
【だから、その言葉には何処か己の意思が籠もっていて】


「……それは、ぎんぎんには余裕があるから言える言葉です……
でも、また、落ち込みそうになったときはそうしてみます……
沢山の星を見て、私だけじゃ無いんだって考えてみます……」

【その言葉にこくりと頷けば、言葉を返して】
【女性の服の裾。ちょいちょいと引っ張れるならば、指先で軽く引っ張るのであろう】
【何処か迷っている様にも見えたけれど、その指は女性の手へと移動させられて】

【もし、手を握ることが出来たならば、心なしか嬉しそうに一人微笑むのだろうか】
【手を繋ぐ、だなんてただ普通の行為なのだけれど】
【幼い頃より両親を知らない、故に、余り行き場の無かった“甘えたがり”な一面】
【それは少女の“本体”が居る場所にも関係するのだけれど――――今は、関係の無い話】


「ぎんぎん、また何時か……会えますか……?
えっと……、もし、天鬼家を訪れる事があったら……」

【言葉は、最後まで紡がれることは無い】
【もはや、術はそれほどまでに薄れているのだろう】
【手を握れていたならば、ぎゅっと握って――――不意に、その力が失せることだろう】
【別れの挨拶変わり。ヒラヒラと舞い落ちるのは、狐の毛が一本貼り付けられたヒトガタであったそうな――――】

/こんな感じでしょうか……!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/17(金) 02:59:40.33 ID:EJ4tlOJPo
>>334

それを云うたら儂など三桁じゃ。17などまだまだ赤子も同然よな
それに、子供扱いなんぞ一生で僅かな時しかしてもらえんのじゃよ?
折角なのだから、その間に存分に甘えておけば良いちや

……はて、どうかの。田舎で稲荷のまね事をしていただけじゃからのう

【少女の大人への階段はどうやらまだまだ続くらしい、言葉で悟る】
【元よりニヤけたままであったが、息が零れるように苦笑するのはそのせいで】
【一方、自身の歳や出身は一応の秘密。言葉も分かりやすくボケしていて】

そうせい、そーせい……巫女なんて堅苦しい仕事なのじゃから
気を張り続けるのは身の毒というものよ。妖怪から見てもそう思うほど、の

おや、どうした…?そげに引っ張っては脱げてしまうちや、軽装じゃから
……っと。なんじゃ桔梗、この……可愛い所も歳相応かのう
何なら抱きついてやっても良いが、そりゃまたの機会といったところか。

【『いや、残念残念』とボヤきながらも、銀狼はしっかりと手を取られていた】
【拒絶するなど以ての外。可愛らしい少女が望んでとあれば、手を繋がぬはずがなく】

つい先程、またの機会にと言ったばかりだがの。また、とは言わず何度でも会おうぞ
どうせ儂は暇な妖怪、あと何百年だか知らんが、死別すらも遠い先の話よ
お主とてそれは一緒であろうて。まして同郷の仲、何時でも会えるともさ

……まあ、櫻の方にはちくと生きづらいのじゃがのう。ほれ、稲荷が……のう?
だからのう…、……――――っと、行ってしもうたかや、桔梗。

――――――さあて、夜も老けたちや。神谷の家に帰るか、の!

【きゅっと握っていた力が喪失する直前まで、その言葉はかけられていた】
【届いたかは分からない。ただ、ひらりと舞い落ちるヒトガタを爪の先で掴むと】
【銀狼は最後に1人でニヤリと笑って、紙袋を拾い―――さっそうと、その身を街へ向かって躍らせた】

/はいです、お疲れ様でしたー!
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/17(金) 20:11:55.33 ID:ajkp/eru0
【路地裏。一日中薄暗い其処は、やはり何時の時代も悪いカビの温床になりやすい物で、】
【だが其処でも珍しい事というのはある。例えるなら、そう、「カビの共食い」とかはどうだろうか】

【もしその場に居合わせることが出来たなら、世にも珍しい「カビの共食い」を見ることが出来るだろう】

ちょこまか逃げやがってよォー……お前らのせいで休日返上だバカヤロー。どうしてくれるんだ?ん?

「悪かったって…!知らなかったんだよ!アイツが機関の奴だって!」

【その声の主は、頭に御立派なリーゼントを蓄え、学生服を乱して着ている、所謂「不良」と言う奴だ】
【どういう訳かそんな不良は息を切らし、右腕を押さえ地面を這うようにして、とある人物から逃げていた】
【そこには、じりじりと不良との距離をつめていく人物が一人。その人物こそが件の首謀者だったのだ】

【その姿は、はっきり言って異常だった】
【軽く2メートルを超えるかという巨躯。体中を覆う虎模様の毛皮】
【臀部から伸びる猫の物と思わしき尻尾が、時折、背中に掲げられた逆五芒星を遮ったりしている】
【装着された金色に輝く金属製のグローブとブーツが、彼が人間であることを辛うじて主張していて、】
【欠けた右耳の上を駆ける様に右目に掛けられたアイパッチと、ピンク色の蝶ネクタイが"彼"の異質さを際立たせている】
【兎も角、そんな奇天烈で破天荒な、虎ネコの"キグルミ"を身に着けた人物が、そこにはいた】

なんだよ、死ぬのが少し早くなるだけだろ?そんなに怯えんなよォー
オレたち働く、あなたラクする!洗剤のCMでも言ってるじゃァねーの

「いやだ……!死にたくない!許してくれ!許して…ッ!」

【そのキグルミは、両手を斜めに高く掲げながらも、モデルウォークの様な内股歩きで不良をジリジリと追い立てている】
【まあ事情は何にせよ、魑魅魍魎の温床である路地裏で、若カビが今まさに捕食されんとしていた】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/17(金) 20:54:57.98 ID:xFInvcKqo
>>336

【路地裏】
【その小さな騒動に鉢合ったのは、安宿を探し彷徨っていた一人の男】
【黒い天然パーマ気味の頭髪が特徴的な青年だった】

……―― んぁ?なんだァ?

【路地裏。そこは、街の掃き溜め。ワケアリで表に出れない人間が行き着くゴミ捨て場】
【強盗殺人恐喝、なんでもござれの、犯罪のバーゲンセールとでも形容できる様な場所だ】
【故に、命乞いの声や、断末魔の悲鳴、逆に、鈍く響く怒声や、乾いた銃声がどこからともなく聞こえてくるなど日常茶飯事であった】
【だから、路地裏の住人はそんなこと気にしない。明日は我が身、とますます小さくなって暮らし続けるだけだ】


【文無し故に安宿を求めている彼にとって、ようやく活発な人間に会えたのは幸運だった】
【路地裏の人間は、怯えて暮らしている者が多いゆえ、宿一つ尋ねるのにも、労力がかかるのだ。マトモに会話できそうな人間は、そう多くない】

……ん……、おい、ちょっとお尋ねしたいんだがね。
ここいらに、安めで泊めてくれる宿は無いかい?

【薄暗い路地裏でぼんやりと対面の闇に浮かぶ巨大な人影に声をかける】
【2mは超えるだろうか……?暗黒の中でもうっすらと浮かぶ虎柄の文様】
【一見すれば亜人と見紛う程だが、月光に反射して金色に輝くグローブとブーツがその巨体の男がまだ辛うじて人であるということを示していた】
【……どう見ても危険な人間だ】

【勿論、彼は命知らずでは無いし、盲でもない。目の前で起きている事態をしっかりと把握していた】

【巨体の男と、地面に転がるチンピラ。ちょっとした暴力沙汰だということはすぐに判った】
【普通の人間ならば、宿の場所を聞くどころか、近寄ることさえ憚るだろう】
【だが、彼は臆せず声をかけた。何故か、それは、万が一巻き込まれても、自衛できる自信を持っていたからだ】

……おいおい、お兄さん、可哀想だろ。あんまりイジめてやるなよ。
―――― なあ、お前もちょっと悪ぶりたい年頃なんだよな、わかるよ、俺には。男には誰にだってそういう時期はある……。

【地面を転げまわる不良に声を掛けてやる】
【フフッ、と鼻をならすと、『まぁ』と続け】

まぁ、無理矢理止めるつもりは無いがね。
……―― で、だ。ここいらで、良心的な値段設定をしてくれてる宿は、どこらへんにあるんだい?
いやァ、貧乏旅の途中でね、ちょっと今、懐が温かくないんだ。頼むよ、そろそろ柔らかいベッドで寝たいんだ。

【左手で頭の巻き毛をわしゃわしゃと掻き毟りながら、言う】
【その左手の甲に刻まれた、特徴的な紋章に、巨体の男は気付くだろうか】
【―――― そう、カノッサの紋章である】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/17(金) 21:23:01.21 ID:ajkp/eru0
>>337

【キグルミの男は、かけられた対話の言葉によって闖入者の存在を悟る】
【こんな格好をしているのだ。奇特で酔狂な人間から声をかけられる事がない訳では無い】
【が、その内容には少しミョウチキリンな物を感じざるを得なかったようで、】

んー?宿ォ?

【そのキグルミは、両手を高く掲げた体勢のまま、両足を捻って上体を声のした方向へと向けてやる】
【青年のその姿を確認すると、今度は掲げていた腕を下ろして、大きく腕を回した後に腕組みをしてみせる】
【天然パーマの髪が視線を引くが、それを遮るカノッサの紋章の存在を確認する】

いんや、イジめてる訳じゃねーよ?こいつが俺の部下にチョッカイかけたから礼参りしてるだけなんだわ
恩情で見逃してやってたのに直ぐこれだから困るわーマジ困るわー……

「本当に知らなかったんだ!本当に出来心だったんだよ!なあお兄さん!助けてくれよォー!」

【組んでいた腕を放すと、今度はやれやれ、といった動作をしてみせる】
【表情が分からない分余計にコミカルに動くキグルミと、震えて怯え、命乞いをする不良少年】
【何やら面倒な事情が、彼らの間にはあるようだ】

悪いが宿には詳しくねーなー。あ、"コイツ"の家使えば?今からコイツ処分する訳だし。俺コイツの家知ってるし
―――ってか宿舎の部屋一つくらい貸してもらえるだろうが。お前も"これ"だろ?

【そう言うとキグルミは奇妙な立ち方を止め、青年に背中を向けた上で、両手で自分の背中を指し示して見せる】
【そこにあるのはカラフルな逆五芒星のマーク。世界的な悪徳の権化、カノッサ機関の使徒である事を表す証】
【つまりこのキグルミと青年は同士にあたる。だからこそかけられる辛辣な言葉だ】
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 21:39:48.87 ID:0Ptz0v/z0
【街中――大通りに面した児童公園】
【耳を澄ますまでもなく聞こえる人々のざわめき、中和して掻き消すような月光が帳を下ろす】
【生温い夜に吹き抜けるのは少しだけ涼しげな風、草の葉がささめいて】
【――とててと真っ黒色した足音、駆け抜けたなら、誰かに届くのだろうか】

……あら、ご苦労様。

【街灯の白さが照らす古びたベンチ、ちょんと座る人影が一つに、駆け寄るのは四足の影】
【犬にも見間違える大きさ、けれどじっと見たなら黒猫だと分かるだろうか、グリーンアップルの眼が煌いて】
【咥えたままで差し出すもの、ペットボトルの水――「んあぁ」なんて、猫らしくない鳴き声を零した】

【――黒猫の色をした髪、高い位置で結い上げて。ぱちり瞬くのも、グリーンアップル色】
【魔女めいて黒色のワンピースはリボンを少しあしらっただけのもの、腰元で垂らされるのは猫又の尾にも似て】
【少しだけ胸元を露出するようなデザイン、ミニを悪戯っぽく通り過ぎた短さ、一応程度に羽織ったカーディガンが白々しい】
【薄手のタイツは十分すぎるぐらいに素肌を透かして、パンプスの足を組んで伸ばす手、受け取ったなら、女が一人】

どこから買って来ましたの? 盗んでなければどこでもいいですけれど。
よく拒否られませんでしたわね、それとも自販機でもありましたかしら――……。

【――おつかいでも頼んでいたのだろうか、くすくす笑いで紡がれていくのは、そんな言葉たち】
【春の猫みたいに甘い声音、夜にじとり絡むように響いて――「にゃー」なんて返事めいた声も、よく響く】

【そうして水を飲むのはなんてことなく平和で、ただ、普通よりずっと大きな猫が居たら、どこか不思議にも見える】
【――ましてその猫から魔力なんて感じ取れたなら、余計に不思議に思われるのだろうか、なんて】
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/17(金) 21:44:24.49 ID:uL/DPFNoo
【墓地】
【聖人が眠る場所、そうでも無いやつも眠る場所】
【深夜に墓地に居るものは主に3パターンである】
【1:墓守】

――――――。

【2:墓参り】

――――――。

【しかしこの夜に墓参りも有り得ない】
【では何か】

――――――あ。

【黒装束の何かはそう呟き】
【とある墓の前にただ一人、そう有るように立ち続けいている。】

/初参加(?)です よろしゅうに
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/17(金) 21:45:27.91 ID:xFInvcKqo
>>338

お礼参り、ねぇ……。

【面倒な事に首を突っ込んでしまったか、と彼は思った】
【―――― 俺はただの通りすがりみたいなモンだ、厄介事に付き合わされるのは、歓迎しねェ】

【……が、お前も機関の人間だってンなら、話は別だ】

悪いが、そんなゴミ予備軍のガキの家になんて泊まりたくねェよ。
俺だって最低限、ヒトなんだ。だのに、豚小屋を紹介するだなんて、アンタ、せっかく運命の出会いを果たした同胞に失礼じゃねェか?

生憎、俺は根無し草の旅人も兼任でね。機関の用意した部屋は、どうも打ち付けのコンクリみてぇで、温かみがねえから好きじゃないんだ。

【そう言いながら、腰に手を当て、不良を上から覗き込む】

おぅおう、知らなかったんだもんなあ、仕方ねえよ。だが、ケジメはしっかりつけねェとな。ちょっと怖い目に合うくらいは、覚悟しろよ?
……んだども、なにも命まで取る必要は、ねぇだろ。報復にしたってちょっとビビらせときゃあ、良いじゃねえか。
それに――――

【間に一つ、大きな欠伸を鋏み】

それによォ、アンタこんなショボいの追い掛け回して、恥ずかしくねェのか?
トンチンカンな格好してこんなチンピラをイジめてるのをパンピーが見たら、「ああ、カノッサって大したこと無いじゃん」と思っちまうだろうがよォ。
お前が背中にデカデカと背負ってる紋章は、もっと威厳のあるモンじゃねえといけねえんだよ、少なくとも俺はそう思うぜ?

【自分の身長よりも遥かに巨大な男を見上げて言う】

……アンタ、名前は?
機関の数字付きだとか、名が通ってるメンバーなら、失敬した。
俺ぁ、さっきも言ったが、根無し草の旅人も兼任しててね。機関のイベントには頻繁には顔を出さない主義なんだ。
どいつが格上でどいつが格下か、なんて、あんまり知らねえんだよ。
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/17(金) 21:50:12.65 ID:zHhYyT+Bo

……映像記録開始

【そこそこ大きい公園の一角で、若い女性の声が響いた】
【女性はシルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、黒いワークブーツを履いている】

記録者、ヴィエラ大学社会学部所属、ピオネルスカヤ
本映像は私の能力者研究における初の試みです
御見苦しい点もあるかもしれませんが、ご了承ください

【女性は黒いタブレットに向かって、話しかけている】
【カメラ機能を用いて撮影を行っているようだ】

さて、夜の公園≠ヘ「能力者」との出会いの宝庫です
能力者たちは様々な理由で公園に足を運びます――
それは単なる休息であったり、物騒な揉め事であったり……

【タブレットに話を続けながら、歩き出す】

では、「能力者探し」を開始します

【といっても、具体的な方法は無く】
【只々公園をうろつき異変を探すだけだ】
【タブレットに何かをしゃべりながらふらふらと歩く女性――】
【能力者であろうとなかろうと常識的にはそれなりに奇怪な状態だ】
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 22:01:25.94 ID:z8JBMR56o
>>339

――こんばんは。 お久し振りですね。

【ゆらりと長い長い影がひとつ、街灯の明かりを受けて魔物みたいに伸びていく】
【かつ、かつ、いつかの地下道でのように響くのなら、同じ声なら、口調だけ少し違うのだけど】

おや、貴女……魔女だったんですか?

【腰まで伸ばした紅茶色の髪、その頭に黒の長いシルクハットを被って、相手に似た緑系統の色の目】
【相変わらず左右で瞳孔の大きさが揃わない奇妙な目。その上に妙な呪いめいたものまで抱えている】

【黒のタキシードにカボチャ色のネクタイ、白い肌に指先を彩る紫色の長めの爪、夜に艶めいて光り】
【かつかつ煩い靴は12cmを数えるだろう高い高いヒールで、帽子と足せばサーカスにでもいそうな背丈】

しかし良かった。 少しだけ、お話ししたい事があって……

【「メールでは、ねぇ――」】
【囁くような低い声、その癖彼女とそう変わらないような歳らしい青年なら、大人ぶったようにも聞こえる】
【頸を傾げてさらり流れる髪、くつくつ笑う声、目の呪い以外ならば本当にあの時と何一つの違和感も無かった】
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/17(金) 22:14:33.93 ID:ajkp/eru0
オイオイ、そこまで言うと豚に失礼だろォー?
豚って結構綺麗好きなんだぜ?それにコンナ餓鬼よりは愛嬌ある顔してるし

機関の宿舎も嫌って贅沢だねぇ……だってんなら……
あ、丁度いいや。これ使えよ。そこそこ入ってるぞー、これ

【と言うと、キグルミは足元の落ちている黒い長財布を投げて寄越すだろう】
【中に入っているのは、まあそこそこの金額。一日で使い切ることもできるし、ちゃんと安宿を巡れば数日持つ。そんな値段】
【その光景を見た不良少年は「あっ」と小さく声を絞り出す。どうやら彼の財布の様だ】
【汚い金だが、金に貴賎を着けないと言うなら良い贈り物になってくれるだろう】

「ああ!アンタの言うとおりだ!他にももっと方法はあるはずなのにさァ!ケジメつけるなんていくらでもやってやるのに!」

【どうやらこの不良。恐怖に当てられて錯乱しているのか、それとも本当に心を入れ替えたのか】
【青年の足に縋る様にして今にも泣きそうな声で慈悲を乞い始める】
【そんな様子を、キグルミは額に右手を当ててため息を漏らして眺める】

まあただのパンピーだったらな?流石に俺も闇討ちに徹するけどもさァ
ところがコイツこの辺を〆てる暴走族の奴でな……機関にゴマ擦ってたから放っておいたんだが、この前俺の部下に手出しやがってなァ?
こんな奴らにホイホイ釣られるうちの部下も悪いが、上司として激おこな訳ですよ。流石に潰しとかないといけない訳ですよ?

【と、一連の事情を説明してみせる。聞いてみれば、何とも馬鹿らしい話だろうか】

悪いが俺、名前は無いんだわ
見たまんまの通り、「トラネコ」って呼んでくれたらいいさ。ナンバーもねえし。そんな有名人でもねえ

で、アンタは?
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/17(金) 22:15:41.77 ID:ajkp/eru0
/おっと安価付け忘れ
/>>344>>341宛てです
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 22:18:48.21 ID:0Ptz0v/z0
>>343

【いつどんな人が来ようとおかしくない場所、必要以上に貼らない気は気紛れ猫さんのよう】
【冷たさにうつつを抜かす主なんかよりも異能らしい猫のほうが早く気付いた。ぴしと立てられる三角耳】
【まず向けられるのは薄ぺらの耳、次に向けられるのがグリーンアップル色の瞳、警戒するよに足が動く】

【顔をキャンバスに描いた絵は最低限のもの、艶と塗られた唇がようやくペットボトルを放して、】

……――あら、お久しぶりですわ、おとーさま? 調子はいかが?

【――にこりと紡ぐ笑顔だって声だって、あの日のまま何にも変わらない。ただひとつ、からかうよな声が間延びして】
【足元ではそうっと黒猫の挙動を制していたりもする。……自らの異能だろうに制御できないのだろうか、なんて】

春はどうも調子が狂いますもの、健康で居ること以上に好ましいものなど……いえ、魔女になった記憶はございませんわね。

【心配しているような素振り、その裏側の本心がどんな顔をしているのかなんてきっと窺えず、】
【だったら適当に合わせてしまうのがいいのだろう。蓋を閉じられたペットボトルがそっとベンチに置かれて】

わたくしにお話? そんなに何か言われるようなことをしましたかしら――……?

【ぴしと立てて唇に添えた指、高低差のせい以上に仕組まれた上目遣いが首を傾げるのは、あの子よりもずっと計算めいて】
【本当に分かって居なさそうな仕草が纏うわざとらしさはある意味損とも取れるのだろうか?】
【――まあ、断ってしまうだけの冷たさも持ち合わせない。ベンチにも余裕があるようだし、座ってしまって構わないだろう】

【※今年で二十歳の同い年です】
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 22:28:36.12 ID:z8JBMR56o
>>346

【――26歳の外見。若いかといえば若いし、相手と同じくらいに見えるかと言われたら、傾頸もの】
【※もう少し上だと思ってました】

いえ。貴女は何も、何一つ、言うこともすることもしなかったので……

【「だから」。】
【楽しそうに愉しそうに、隣に座ることもしないまま、高い背のまま相手を静かに見下ろす形で彼は言う】
【メールなりは送られていたのかも知れない。けれど直接的な行動として目の前に出なかった、それを言いたいらしい】

【ならば――何を言いたいのか。上弦の弧が口元で描かれた】

……お返しします。飽きました

【投げた一枚の黒いカード、拾われないなら地面に落ちて、表記も何もないなら意図不明】
【拾い上げればそれが何処かのカードキーだと分かるのだけれど――返すとは、何のことか?】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/17(金) 22:40:20.31 ID:xFInvcKqo
>>344

【宙空を放物線を描いて飛んでくる財布をキャッチする】
【中に入っていたのは、大した額ではないが、しかし、数日はゆっくりと暮らせる程の金額】

んぁあ……嬉しいが、気持ちだけ受け取っておくよ。
流石に、ガキんちょから奪った金で遊ぶほど、俺も落ちぶれちゃあ居ねえ。
―――― ほらよ。

【そう言いながら、不良少年の手の届く範囲に財布を放り捨てる】

贅沢か、んだが、俺は別に安定した生活がしたいワケじゃあ無いんだ。
良いもんだぜ?こうやって金がねェ、金がねェってあくせくしながら安宿を探すのも。
なんつゥの、趣きがあるというか、案外"オツ"で、中々やめられねェのさ。

【へへへ、と小さく笑う】

アンタ、我慢強いな。ちょっと煽り気味に言ってみたんだが……。
「なんだとコラァ」みてェな感じで逆上して襲いかかってくるかと思ったんだがな。
……部下思いの良く出来た人間だ、アンタみたいなのなら、機関でなくとも生きていけるだろうに。

―――― おい、お前、あいつの意向は、ああだそうだ。
残念だったな、コイツが一発殴ってでも来ようモンなら、返り討ちっつう大義名分でお前を助けでも出来たんだが……。
格好のワリには冷静みたいだ。俺だって仲間内の信頼捨ててまでお前みたいなのを助けたくは、ねぇ。
そのサイフ持って、もうちょっと追いかけっこしてから、おとなしく潰されろや。

【足に縋ってくる不良少年を振り払い、見下げる】

名前が無い、か。不便なのか便利なのかよくわからんな。
トラネコ……ね。あんたはどうやら、機関のバカどもみてェに頭のネジが何本もぶっ飛んだ戦闘狂じゃあ無さそうだ。格好こそ酔狂だがな。

俺も、大した人間じゃあねえよ。
表じゃあ守貞内 曳男っつう名前で、旅の傍ら行商人をやってる。ああ、よく間違えられるんだが、モテナイ、じゃなくてモテウチだ、モテウチ ヒキオ。
―――― 勿論、偽名だがな。

【そして左手の甲に刻まれたカノッサの紋章を見せながら】

……俺はNo.128、トレーサー・ホーキング。
機関じゃあ、"死体回収屋"の役目をやらせてもらってる。
どいつもこいつもポコポコ死んでいくからな、んで、体弄くり回されたり、身バレやらなんやらで足が付いちゃ困るそうだ。

【もうひとつ、小さな欠伸をする】

あんた程の人間なら、すぐに数字も貰えるだろうよ。
なんつーか……、なんだろうな、あんたからは妙な違和感というか、変なオーラみたいなのがビリビリ出てるからな。

……―― まァ、あんたもせいぜい死なないようにしなよ。死なれると俺の面倒事が増えるんでね。
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 22:51:27.14 ID:0Ptz0v/z0
>>347

【――黒猫がすんすんと鼻を鳴らす、警戒の仕草はそのまま彼女の心中を表すのだろうか】
【そんなの全くもって分からなくて、本人はなんてことない風ににこやかに笑いっぱなしなのだから、ややこしい】
【年齢を分かりづらくするのはこんな要因もあるのかも知れず。少なくとも、彼女の方は警戒を見せなかった】

……あら。何かして欲しいことがあったならばメールなりしてくれて構いませんでしたのに。
あまり構いかけてお邪魔してしまうのも、と思いまして――“特に”問題もないように見受けられましたので。

【158センチの体躯、見下ろされるのは何だかんだ慣れていても、座っている現状。いつもより大きな差、影を落とされて】
【見上げたままに作ってみせる表情はしゅんと落ち込んだようなもの、頼ってくれても――というようで、ただ、】
【続く言葉がそっと強調するなら、浮かべた笑みとはどこか合わない温度差、胸の膨らみに載せた指先、トップコートが艶めいて】

【――とりあえず程度に時間に気を使う以外は不定期なメール、内容はほとんどどうでもいいよなことばかり】
【毒にも薬にもならないのは誰かがよく好むこと、ただ、この黒猫は必要以上に偏らないようにわざと選んでいたように思えて】

何も貸した記憶はございませんけれど……。

【舞い下りる黒、グリーンアップルが途中まで追いかけて、途中からは足元の同じ色に引き継がれる】
【ようやく動いたと思ったらぱちと地面に前足が縫い止めて、多少苦心しながらも拾い上げたなら、やっと彼女に受け渡される】

【土の白さに塗れてしまったのを指先がつぅとなぞる、それがカードキーだと分かったなら、余計に意味も分からない】
【何らかの情報を読み取ろうとするみたいに下りていた視線が再び彼へ戻される、説明を求めるように、首を傾げたのが、素の色だった】
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 23:01:31.48 ID:z8JBMR56o
>>349

【視線があったなら柔らかく笑う。其処には少しだけ、毒のように精神を侵す呪いが混じっていた】
【魔力を感じさせる猫を連れたような相手なら分かる事ではあるのだが――勿論良いものではない】
【魅了や幻惑。そんな類の術は、相手がその道であるなら尚更、きっと通じすらしないだろう程度】

借りましたよ。貴女の“鈴音”を、長いこと。

【ついと伸ばす指先、真白な肌によく映える紫色。長めに伸ばされたそれがカードキーを指して】

水の国首都、フルーソ、××エリアの××。ELYSION本社ビル屋上フロア。
“彼女”は其処に恐らくいるだろうかと。いなくとも責任は取りませんが――

【柔らかい笑顔。けれど人の表情に造形があるならば。目だけが笑っていないこと、明らかで】

――躰が一部欠損していたかも知れません。
まあ取りあえずは、お返しします。“あの子”を

【「今も昏睡の中にあるのかも」――それだけを言えば、男はすぐに背を向けようとする】
【一刻でも早く去りたい。そんな空気が見て取れて。勿論、引き止められない距離ではないのだが】
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/17(金) 23:13:19.03 ID:ajkp/eru0
>>348

「あっ!ああ!ありがてえ!恩に着るよォ!」

【不良少年は、まるで腹を空かせた犬の様に自分の財布に飛びつく】
【こんな状況でもやはり金は大事な物なのか。それに執着してしまうのは、やはり心が荒んでしまっている証拠なのだろうか】
【キグルミの男。トラネコはそれを邪魔する事無く、だが横目に見るようにして腕を組んで立っていた】

へっぇー。……俺にはよくわからねぇわ
寝床を探して夜通し歩いて回るなんて餓鬼の頃にやり飽きたからなァー。安定した寝床があった方が俺はいいね、やっぱ

【そう言うと今度は視線を外して、物思いに耽るように上を見上げる】
【時折「うんうん」と独り合点しているのだが、まあそう深い意味は無い】

機関員なんてやってるんだ。煽られるなんて日常茶飯事だろ?これくらいで腹立ててたらやっていけねぇだろうよ
それに今更辞められる仕事じゃねーしなぁ……辞めたくもねぇけど

「そ、そんなァ!あんまりだぜ兄さん!畜生、こうなるんなら大人しく家に篭ってれば良かったぜ!」

【そして上を見上げているのだから、"その"動向に関してトラネコは気付きにくい】
【不良少年はゆっくりと、地面を這う様にしてその場から逃げ出そうとしている】
【中々気付けないのは、キグルミ故に下が見えにくく、また図体がデカイ事の弊害である】

守貞内 曳男、ねぇ。オッケー、商売が上手くいくように思っとくよ。アンタもそうブッ飛んだ奴じゃなさそうだしな
偽名って名乗るのはあまり感心しねえけど

【視線を下ろして曳男に目線に合わせる。下方向に向いているが、不良の動向には気付いていない様で、】

死体回収屋ァ?これは珍しい役職の奴に会えたもんだ
もしかしたら俺が世話になるかも知れないなぁ。いや冗談冗談

【今度は曳男の語った役職に興味を向ける】
【両手を腰に当てて、少しだけ気だるげに、気を抜いた立ち方で応答を続ける】

ああ、多分それはねえな。数字の件は俺が蹴ったから
あくまで俺は機関の為に仕事してるだけで、そういったモンに興味ないんだわ

ま、当分死ぬ予定は無いから安心してくれよな
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 23:33:45.18 ID:0Ptz0v/z0
>>350

【ぴくとも揺らがない表情、かつて見抜かれた職業のせいだろうか、それ以上にどこか醒めている気もしたけれど】
【寧ろ気付いていないことすら疑うぐらいに何もかもが変わらない、組んだ足の爪先が揺れることすら。何も無くて】

…………、わたくしのものでは、無いのですけれど、ねぇ。

【――眼に宿る呪いよりも、紡がれた言葉のほうがずっと表情を揺らがせた。それはどこかおかしくも見えるのかも】
【僅かに顰めた眉は前髪の向こう側、そっと隠しても隠しきれず。少しだけでもふらと視線が振れたなら、動揺は色濃い】
【誤魔化すように視線は落とされて、再びカードキーへと舞い下りる。何を見るでもないのに、じぃと見つめて】

【ふつと黙り込むなら、場所を指定する声を遮ることも無い。落ちたままの視線は何を考えているのやら】
【きょとんと視線を巡らせる地面の黒猫ばかりが平和のままだった。尻尾がざりと地を撫でて、】

捨てるというなら拾いましょう、さんざ泣かれましたし、あやすのは慣れていますから――共々。

ただ、ね――……そんなに大人しく手放すとも思えないもので。自分のものに固執するでしょう、知ってます。

【――撫でたことで土の付着した指先、ふぅと吹く頃合には動揺なんて消えうせていた。違う、飲み込んでいた】
【そうしろと言うならば聞く。別段金品を要求するわけでもなければ感傷もないよなフリして、にこり、薄い笑み】
【足先がとんと猫を小突く、たったそれだけでばらり解ける猫はやはり異能の産物で、同じように解いた足、両方地面に置いて】

増して、再び親を喪うとなったら。それはそれはひどいものだったと記憶しているのですけれど――。

【欠損だとか物騒な単語、記憶の中の彼女を思い出したなら、……きっと浮かぶのは修羅場以外の何でもなくて】
【あの子の両親がとっくに死んでいることを黒猫は知っている。彼だって、知っていると、思い込んだまま】
【ただし本人はそんなことを口に出さなかった。ぽつと時折存在について話すことはあっても、その先は、一度も】

【だから。ほんのちょっぴりの情報の差異、彼はきっとあの子の昔を知らないし、彼女はきっとあの子の今を知らない】
【伏せた視線で誤魔化すように小さく息を吐く、紡いだ言葉は興味を惹くかもしれなくても、引き止めるよなものでもない】
【あわよくば彼から言葉を引き出せないかなんて考えて、その反応を少しだけ、待った】
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/17(金) 23:37:22.08 ID:xFInvcKqo
>>351

んあ?蹴ったァ?……なんだ、酔狂なのは格好だけじゃあ無かったか。
するってェと、実力は数字付きに匹敵するレベルかよ。
危なかったぜ、もしアンタの頭のネジがしっかり止まってなかったら、
俺も今頃、ガタガタ震えながらアンタに命乞いするハメになってたかもしれねェ。
―――― コイツみてェにな。

【そう言いながら、その場から何とか逃げようとしてる不良少年を足で踏み付け、抑える】

よう、ガキんちょ。ケジメはつけるんじゃあ無かったのか。
―――― なァに、お前の死体なら、すぐにでも人目の付かない所に隠してやるよ。
俺はこれでも中々の死体回収屋なんだぜ。死んでから恥をかくなんてことは、心配しなくたっていい。
それによ、このトラ柄のお兄さんも、腕利きだ。きっと、すぐに逝けるだろうさ。

【……―― いや、実際危なかった。曳男は安堵していた】

【カノッサのナンバーズとは、半ば形骸化しているモノこそあれ、そう簡単に与えられるモノではない】
【それこそ、守貞内曳男ことトレーサー・ホーキングは、ナンバーこそあるものの、100番代以下のアンダーナンバー……】
【実際には、99番以上のナンバーよりも、格下に値する。謂わば、ナンバーズの落ちこぼれだ】
【しかし、目の前に居るのは"そのナンバーズを蹴る"事が出来るほどの度胸と器量を持ち合わせた相手だ。ヘタを打てば、この不良少年ともども……】

へへへ、ヒトなんていつ死ぬかわからんぜ。俺も、アンタもな。
いくら用心して生きたって、ちょっとした隙にズドン、だ。俺ァ、そんなマヌケどもの死体を何度も見てきた。

……―― んだがよォ、あんた、本当は数字も貰えてるレベルの人間なんだろ。
一体、なんの"仕事"をしてるんだい?

んまあ、答えられないなら、無理強いはしないがよォ。
しかし、そこまでアンタが熱心になれるような仕事、ってのも興味があるぜ。
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/17(金) 23:47:35.01 ID:z8JBMR56o
>>352

【一刻も早く去りたかった。彼の思うところはその一点に尽きた】
【追い打ちのように掛かる言葉さえ拾う事も無いのだから徹底していて、引き止めないなら望む通り】
【深く被り直したシルクハット、妖しい視線を隠せばもう、ただの他人のような彼だけがいる】

……貴女のものではない。なら大切でも無かったのですね。
あの日の姿が嘘のようで――いや、過ぎたことを言うのは、止めましょうか。女の涙は好きじゃない。
何にせよ然程なりとも心を動かさないような事を、わざわざ口頭で伝える必要は無かったようですね?

【彼女が動揺を潜めていても其処に気がつくほどの洞察力も無いなら、辛辣としか言えない言葉たち】
【背中を向けたままで語ればそのまま歩み出して、離れていく間際にもう一つだけ、欠片のように零す】

正しく、幸せにしてあげて下さい。

【――心の底から望んだこと。彼では成せないこと】
【足許から湧き上がる黄緑色の燐光が彼の姿を暈していって、やがて輪郭すら消えていく】

【水面下での繋がり、相手が思うままに魔力を吸い上げる事は容易く、今まで通りに行くのだけれど】
【その代わりに所在を探ろうとすることは酷く困難である。術師というだけあって、その点の細工は丁寧極まりないのだった】

/短めで申し訳ないですが、この辺りで失礼します。お疲れ様でした!
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/18(土) 00:10:34.63 ID:eFo1g66u0
>>353

まあ蹴ったっつっても大分昔の話だけどなァ?俺より早く出世してった奴が俺に番号持ってくれって五月蝿くてな……
実力が伴ってるわけじゃねえよ。まあそこいらの奴よりは強い自信はあるけどさ

あとこの着ぐるみ馬鹿にしたら駄目だぞ?結構高性能なんだぜコイツ。今配備されてる戦闘服ほどじゃねーけど

【そういうと、トラネコは着ぐるみの胸元を引っ張って見せる。視線がそれと同時に下へと動く】
【不良少年が押え付けられたのは、それと同時だ。「おお、すまねぇ」と相槌でも打つ様に言葉が走る】

「―そ、そんなっ――見逃してくれるんじゃなかったのかよォ!ッ―――」

【少年は絶望した。一方的な勘違いだが、財布を返して貰えた事で、許しを得たと勘違いをしていた】
【本当に何らかの形でケジメをつけると言うのなら命があったのかも知れないのに】
【残念ながら目の前の二人の男は悪の使徒。それを相手に欲張ってしまったのが、運の尽きなのだろう】

ヒョエー!怖い事言うなよなー……ってか縁起でもねえ事言うなよー、そんな話するとお前ともどもフラグの餌食だぜー?

そんな大した仕事じゃねーな。やってる事はそこら辺の奴と変わらんねぇ
ただ、俺の能力を"ちゃんと"評価してくれるし、ちょっとした恩がある。今更やめるにやめれんのよ
機関の目指す「混沌の世界」とやらに興味は無いし、上層部の奴に振る尻尾は持ち合わせてねえ。ただ機関の為に働いてる。それだけよ

まあ簡単に見せれば、こんな仕事ばっかだな

【そう語ると、トラネコは左の人差し指を天高く掲げてみせる】
【それと同時に彼の真上に現れたのは、それはそれは巨大な「手」】

【金属ワイヤーの塊の様な物を中心に持ち、そこから指の様に五方向に枝が伸びていて、】
【それらを覆う様に、あるいは関節を作り、"それ"を手に象る様に錆気味の鋼鉄板が貼り付けて有る】
【そんな一昔前のホラー映画でゴミ集積所に出てくるのであろう怪物の様な、巨大な左手の存在】
【一般には「マインド」と呼ばれる存在が、現出していた】

潰せ。"スクラップ・スター"
あ、危ないから退いててくれ

【ちょい、と彼が指を不良に向けて見せると、巨大な左手の鉄塊は握りこぶしを作って不良少年目掛けて振り下ろされる】
【不良を抑えていた曳男が合わせてその場をちゃんと離れてたなら、不良少年はうめき声を出す暇もなくスプラッター映画の世界へ落ちていくのだろう】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/18(土) 00:13:42.11 ID:uOz6J6JR0
>>354

【そのうち誰も居なくなる。引き止めなかったのは自分なのだからそれは当然の結果でしかなく、】
【ならば引き止めるのが正解だったのかなんて考えるのは今更過ぎる。悩むなら、とりあえずでも止めておけばよかったのに】

【誰も居ないのだから視線を合わせる意味も無い、その他の物体に価値は無いのだから、見つめる意味も無い】
【どうすることもできないままにふらと落ちた視線が足先を見つけて、持ち上げたなら、小さな体育座り】
【膝と膝の間に顔を埋めて、ほんの数秒。――全て解いて立ち上がった足、さっきまで無かった水玉模様が増えていた】

……――笑ってるところを始めて見たんですよ、ずっと、毎日、一緒に居たのに。
楽しそうに話すのだって初めてでした、わたしたちには出来なかったのに。一度だって。

【――誰に向けるわけでもない小さな言葉、誰も居ないからこそ、言いたいことが言えて】
【分離不安が強すぎるのが異常だというなら他者に本心を知られることを恐れるのだって異常と言えるだろう】
【ぴったり仲良しに見えたのはどこか歪んだ二人(或いは三人)の利害が一致していたと言うだけで、それなのに、】

【街中で通り縋った少女に振り返られた。不思議な髪色、鋭く吊った勿忘草色が訝しむように見つめて、それだけ】
【分かりきっているのに失礼な子だなんて思ってみる、泣いた顔を見られてもどうでもいいような気がした、気紛れ】


【やがてたどり着いた場所。何にも手に入らないのだから、これは後厄のせいだと思えばいいのだろうか】
【どこを探しても見当たらないならお手上げ、拭った涙がまた零れそうになって、駆け足の帰路】
【何も出来なかった。誰を心配するより先に自らの心が痛むのだから、馬鹿馬鹿しくて――自嘲めいて歪む】
【(――役に立たない人間なんて、要るの?)】


【――ベッドの上、紫色のバラが置かれていた。荷物の横取りを示す証拠、鳥のような少女の、サイン】


/おつかれさまでした!
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/18(土) 00:40:56.40 ID:Rr0VMw1Io
>>355

古株か……。
いや、偉そうにして悪かった。素っ頓狂な格好だったから、ついな。
おっと、"素っ頓狂"、じゃなくて、"高性能"な着包みだったな。

【虎柄の着ぐるみ……。確かに印象的だが、しかし、トラネコの風貌を異様にしているのはそれだけではない】
【巨体に似つかわぬピンクの蝶ネクタイ、"それ"も着包みの一部なのかよくわからない尻尾】
【トラネコの言う通り、その着包みが確かに高性能なのだとしても、しかしそうであっても、彼の格好は変わっていた】

―――― しかし、着包みか……。
頭がぶっ壊れた連中は、なんとも個性豊かな格好をしてるケースが多いが、アンタみたいなマトモなのがそんな格好をしてるとな。
アンタがおかしいのか、俺がおかしいのか、わからなくなっちまうぜ。

【冗談交じりに笑ってみせる】
【と、同時にトラネコの視線が不良少年の方へと注がれた】

おっと、危うくフラグを立てちまうところだったな。と、これもまた死亡フラグか……。んまあ、そんなことはどうだっていい。

ちょっとした恩、ねえ。俺は、そこまで長いこと機関に居るワケじゃあねえし、他の構成員とも殆ど関わらねえが……。
アンタみたいなのはなかなか珍しい気がするぜ。
上手く表現出来ねえが……、他の連中が"外道な悪"だとすりゃあ、あんたは"真っ当な悪"だな。

【「混沌の世界」。正直言って、機関のトップ、いわゆる六罪王と呼ばれる連中が行おうとしていることは曳男にも理解しがたかった】

【―――― よく考えてみれば、俺もトラネコも本質的には似ているのかもしれない、と曳男は思った】

……―― んあ……?"マインド"ってヤツか。良いねェ、そういうモンがありゃあ、一人旅も寂しくなかったろうによォ……。
――――――― あん?お、おい、ちょ、ちょっと待っ……!

【素早く身を退く。かなりギリギリであったが、なんとかその『手』―スクラップ・スター―に"潰され"ずに済んだ】

お、おい、危ないじゃねえか。「退いててくれ」から殆ど猶予がなかったぞ……。

【と、曳男は再び安堵の溜息をつく】
【鉄くずで出来た手、と形容するのが正しいだろうか。その手は超重量で曳男が先ほどまで居た地点を叩き潰し……】

うわァ……。

【地面に転がっていた不良少年は―――― "ミンチ"に変わり果てていた】

【……―――― やはり危なかった】
【もしこのトラネコという奇天烈な男が、おおよそ冷静な思考や理性と呼ばれるモノを持っていなかったら……】
【曳男も、この不良少年と同じく、原型も留めること無く、それがもともと、ヒトであったのかどうかも解らないくらいに叩き潰されていたのだろう】

(まさに、蟷螂の斧……か。悔しいが、こいつのマインド相手じゃあ、俺の能力なんてこれっぽっちも歯が立たねェ……)

あんたの仕事は、敵を叩き潰すこと……か。文字通り、な。
……つまりは、"殺し"かい。
恐ろしい、な、その力は。敵に回したくは無い部類だぜ……。

【機関の仕事、と言えば、細かく分ければ多岐に分かれるが、やはり一番多いのが殺しだろう】
【敵対する組織は世界中に在る。"殺す"力、暴力の力は常に必要とされているし、それが主流だ】
【彼の"仕事"も、恐らくはその部類なのだろう……】
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/18(土) 01:14:12.38 ID:eFo1g66u0
>>357

んなもん気にすんなよ。今時年功序列なんて流行らねえって

いやでも、この格好がヘンなのは否定できないんだよなぁ…結構気に入ってるんだが
まあ一番変なのはこれを好んで着てる俺なんだろうよ。アンタは普通だから安心してくれ

【素っ頓狂、と言われて、右目にしてあるアイパッチに触り、両手のグローブを交互に見やってから、ハハハと笑って見せる】
【いくら高性能と言っても変な物は変だ。やっぱり、このトラネコの感性が変なのだろう】

恩て言ってもよくある話だぜ。そこら辺をうろついてる子供の方がまだ壮絶な過去があるだろうよ
そういうアンタこそ悪い奴に見えねえけどなぁ。"真っ当"って評価してくれるのは嬉しいけどよぉ、まだアンタのほうが"真っ当"に生きてると思うぜ?俺は

【真っ当。という評価に対し、彼もそんな評価を返してみせる】
【場合によっては、あるいは環境によっては、互いに機関員という立場にいなかったかもしれない】
【そういう意味では、トラネコもまた、曳男と似ているのかも知れない。と思った】

【振り下ろされたマインド。スクラップ・スターがゆっくりとその身を上げていく】
【それに伴って、握りこぶしから垂れるのは、想像するに耐えない赤色のグロテスクな世界だ】
【軽く"それ"を払うと、「くず星」と呼ばれたマインドはそんなに早くない速度でトラネコの側まで浮翌遊していく】

す、すまねえ。どうにも"コイツ"を出すと張り切っちまってよ

【トラネコは背筋を曲げ、申し訳なさそうに右手で後頭部……着ぐるみの頭なので側頭部後方までしか届かないのだが……を掻いている】
【それに伴ってそのマインドも、少し反省した様にダラリと脱力して浮翌遊していた】

そうだな。コイツは何よりも"ブッ壊す"事に特化してる
殺し以外にも解体とか、資材の運搬とかもやった事あるな。頼もしいぞー?

【そんな事を言いながら、凄く誇らしげにスクラップ・スターに手をかけ、表面を撫ぜたりぽんぽんと叩いたりしている】

――ふう……ああっ畜生っ、せっかくの休みだったってのによォー……
これから寝ても……何時間だァ?ってか風呂も入らねえと……

あ、そういやアンタ商人なんだって?何か安眠出来るアイテムとか持ってないか?言い値で買うぜ?

【そろそろこの場を離れ、いい加減休みを謳歌したいと思ったのか、スクラップ・スターの手を開いて低空で浮翌遊、】
【その上に胡坐をかいて座り込んで、そう言えば、と言った様に曳男に話しかけた】
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/18(土) 02:06:38.00 ID:Rr0VMw1Io
>>358
なんだ、自分でも認めてるのかい。
……まあ、確かにヘンだがよ、だが、個性的でアリだとは思うぜ。俺はそんな着包み、着たくないが、な。

【自分でもヘンだ、と思っているのなら、どうやら大丈夫そうだ】
【上辺はマトモに見えても、中身は狂気に満ちている……。そんな話、よくあることだ。狂気は自覚することは出来ない】
【しかし、トラネコの場合、きちんとその感性を自覚している。ということは、彼はまだ少なからずマトモだ、という事だ】

真っ当、ねぇ……。
―――― 俺ぁ、真っ当なフリをしてるだけさ。中身は……、俺にもよくわからん。俺が善人なのか悪人なのか、俺でも区別が付かねえ。
んだが、こんな事言うのもなんだが、俺は悪者になる為に機関の一部になったワケでもねえ。
あくまでビジネスだ。自分の才能を活かせるのが、機関しか無かったから、そこに身を置いてるだけだからな。

【確かに、曳男、否、"死体回収屋"トレーサー・ホーキングは、守貞内 曳男として真っ当に生きることも楽しんできた】
【もし、過去がほんのちょっとでも違っていたなら。もしかすると、本当の意味での"真っ当"な人間になっていたかもしれない】

へへへ、"マインド"、か。面白い能力だな。

【トラネコの感情と連動するように、だらり、と脱力する「くず星」が可笑しかった】

―――― なるほどな。力仕事はお手の物、ということか。そりゃあいい、何より手の形をしてるってのが、いろいろ応用が利くだろう。

【―――― ぶっ壊す。その破壊的な印象から連想されるものは、やはり、殺人】
【だが、トラネコの口から出てきたのは、解体や資材の運搬という、おおよそヒトの生き死にとは関わりのない仕事】
【なるほどな。彼から感じられる、変な雰囲気の正体は、きっとコレなのだろう】
【殺人狂ばかりの機関員の中で、殺人だけが取り柄じゃない。そんな雰囲気がトラネコからは漂っていたように感じられた】
【そう、言うなれば、殺人とは程遠い、というよりも対極に位置する、平和をも包括した、破壊】
【平和的でかつ破壊的、という一見矛盾したような雰囲気がトラネコを包んでいるような気がした】

―――― んあ……?安眠、か。眠れないのか?そう、だな……。ちょっと待ってな。

【そう言って、トラネコの居る場所から少し離れ、今度は荷物を持って再び戻ってきた】

いやァ、てっきりアンタと殺り合うことになるのかと思ってたからよ。
いつでも動きやすい状態でいられるように、荷物を置いてきてたのさ。

【そう言って、持ってきた荷物の中から風呂敷を取り出すと】

安眠、安眠ねえ……。
―――― んああ、安眠とは程遠い、というか真逆の効果のモノしかねェ……。

【そう言いながら、風呂敷包みの中から、何の変哲もない赤縁のメガネを取り出した】

希望の品とは、ちょっと違うがよ、だが、これもかなりのレアアイテムだぜ。こいつの名前はズバリ「眠気覚ましのメガネ」だ。
効果はシンプル、こいつを掛けている限りは誰だって『絶対、何がどうなってもどんな事をしたって眠れなくなる』。

【安眠、を希望して出てきた品としては、絶望を与える品物だが……】

んまあ、要するに眠れなくなるって道具だな。もちろん、眠気も感じなくなる。……が、だ。こいつを掛けていても体が疲れなくなるわけじゃあない。
何十時間もぶっ通しで掛け続けてりゃあ、ぶっ倒れる。あくまで眠れなくなるだけだからな。気絶したりは、普通にする。

【希望にそぐわぬ商品しか持っていないことを、申し訳なさそうな顔をすると】

まあ……、その、なんだ。これじゃあ安眠は出来ない。すまねえ。
―――― けどよ、俺だって、これでも一応商人だ。詐欺まがいの事を平気でやるようなァ、人間じゃあねえ。

そうだな、このメガネはタダでやる。―――― ああん?要らない?そんな事言わずに持ってけ。
ただし、料金の代わりと言っちゃあなんだが、一つ約束をしようぜ。

【へへへ、と小さく笑うと】

……―――― 死ぬなよ。あんたは、死人にするには惜しい人間だ。
だからよォ、俺が死体回収に行って、もしその死体がアンタのモノだったなら、アンタは詐欺師だ。良いな?

【今日会ったばかりの人間相手に、何を言っているのか。曳男にもよくわからなかった】
【ただ、このトラネコという奇天烈な男には、死んでほしくないと、感じたのは事実だった】
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/18(土) 02:48:24.29 ID:eFo1g66u0
>>359

いんや、外の世界で自分で暮らせるだけマシだろうぜ?俺なんか機関に庇ってもらってなかった今どうなってることやら
ま、アンタは比較的善人だろうよ

じゃあ俺と同じってこった。俺の力を正当に評価してくれたのが機関だったから、機関の為に働く。それだけよ

【曳男の言葉を受け取って返すのは、後押しと同調】
【やはり、曳男と自分は似ていた。そう思わざるを得なかった】

そうそう。それなのに大抵の奴は『危険な力』だと抜かしやがる。それだけじゃねえのによォーこいつァ
速さはねえが力がある。俺と繋がる意思みたいなもんもある。何より愛嬌あるからな!コイツ!

【そう語るトラネコの様子は楽しそうで、本当にマインド能力を誇りに思っている事が言葉の至る所に滲んでいる】
【平和と破壊を内包したような彼は、数奇な運命によって翻弄され、今に落ち着いている】
【そういう意味では、彼もカノッサ機関の被害者、と言えるのだろうか】
【愛嬌に関しては……正直同意しかねるかも知れない。動作が可笑しくても、如何せん、手なのだから】

いやぁ、寝れねえ訳じゃねえけどもよ、ゆっくり寝たい訳よ。休日返上しちゃった訳だからよォ

【眠れない、という問いに対しては否定を返す。あくまでも快眠安眠であって、睡眠促進が目的では無かった】
【商品を取り出し、差し出すその一連の動作を見守ると、曳男の言葉にギョッとした様な反応を見せる】

ハア!?寝れなくなるだァ!?オイオイちょっと待てよォ!確かにこれはとんでもないレアアイテムだがマイナス方向にぶっ飛んでるぜェオイ!!
確かに使えるときには使えるが!俺は起床時間の最長記録に挑戦する気はサラサラ無いぜェ!?
タダでも流石にコイツぁ……!……あ?

【最初は拒否するつもりで、口がグルグルと回る回る。手のひらを上に向け、両手で爪を立てる様に指をグニグニと動かして言葉を運ぶ】
【だがそれに続いた曳男の口車が、ものの見事に上回って回る】

……へっ、やっぱ口が上手いなぁ?タダより高い物は無いとは良く言うが、上手く"価値あるもん"を乗せてくれるもんよ
いいぜ、その話乗った。次会うときは"この世"でだ。な?

【これには負けた。素晴らしいセールストークではないか】
【その手に恐ろしい眼鏡を受け取ると、潰れない程度の力加減で手の内で握り締め、一度顔の横に持っていく】
【"約束だ"。そんな言葉が込められてる。そんな気がした】

さて、俺はそろそろ戻るとするぜ
今日はアンタに逢えて良かったよ。じゃ、元気でな

【そう最後に言い残すと、トラネコを乗せたスクラップ・スターがゆっくりと移動を始める】
【その行き先は……まあ明記する程でも無いが、恐らく彼が希少な眼鏡を保管できる、そんな場所だろう】

/この辺ですかね。お疲れ様でした!楽しかったです!
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/18(土) 03:12:11.07 ID:Rr0VMw1Io
>>360

なるほどな……。所詮は同じ穴のムジナ、って事か。

【知れば知るほど、似ている部分が重なってくる―――― そうか、確かに俺ァ……】

繋がる意思か。そいつぁ、わからなくもないぜ。

【風呂敷包みの中をちらりと横目にかけつつ】

俺だって、こんな商売道具だが、どうにも愛着が湧いちまってな。
―――― んまあ、買い手が付きゃあ、すぐに売り払うがな。

【曳男は少しトラネコを羨ましく思った】
【マインドと繋がっている……。マインドを操るというのは、どういう感覚なのか、マインドを持たぬ彼には解らなかったが】
【しかし、トラネコと『くず星』のやり取りを見ていると、その様子はまるで兄弟のようで……】
【―――― んだがよォ、俺は信じてるぜ。確かにお前らは商品だ。モノだから、あんな風に動きゃあしねえが】
【それでもお前たちと俺はきっと何かしら繋がっている。それこそ、このトラネコとあの鉄くずの手に負けねェくらいにな】

へへへ、まあ、な。これでも俺だって、商人の端くれだ。多少、口は上手くねえとな。

―――― ああ、これは契約だ。裏切ってくれるなよ?次会うときは生きたまま、だ。お互いにな。
またその『くず星』に会えるのを楽しみにしてるぜ。

【トラネコの感情に連動するように様々な表情を見せるスクラップ・スター。それに少し微笑みかけて、次にトラネコの手に渡ったメガネに目をやる】

【じゃあな、赤メガネ。多少そいつの扱いは粗いだろうが、我慢してくれよ。多分、お前はあんまり使ってもらう機会もねえだろう】
【だがよ、お前は俺とトラネコとの"約束"を背負ってるんだ。大事な約束をな。どうか、そいつを守ってやってくれ―――― 達者でな、今までありがとよ】
【…………そんな風に、心のなかで『眠気覚ましのメガネ』に語りかけてみる。大丈夫、きっと届いてるさ、俺とお前だって繋がってる】

ああ、俺はもうしばらく良心的な値段設定の宿を探すよ。
良い夜だった、ありがとな。
……―― んああ、それと。そのメガネ、失くすなよ。

【へへへ、と笑ってみせると、遠ざかりゆくトラネコに無言で会釈する】
【―――― まだまだ、世の中捨てたもんじゃあ、ねえな。曳男はそう思った】
【そうして、最後にもう一度、大きな欠伸をして、再び路地裏の闇に消えていった】

//遅くまでお付き合いありがとうございました。
//トラネコさん、かっこよすぎて惚れてしまいそうです。楽しめました。またどうぞ!
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 18:17:53.98 ID:emrvKHSno
【廃教会】
【聖人達が祈りを捧げた場所、今では祈る者も居らず寂れてしまった場所】

――――。

【そんな場所に一人黒装束に身をまとった者が佇んでいる】

――――。

【目の前にはステンドガラスと磔にされたイエスを模した砂の彫像】
【珍しくも、ここで祈りを捧げている様に見えるかもしれない】

――――やはり、貴方は美しい、死すべきには惜しい存在だ。

【黒装束の者はそう呟く】
【そしてその者はこう呟く】

――――死すべき者は、私かも知れない。貴方は還ってくるべきなのだ。

【その者は、そうつぶやき笑った】
【その者の周りは惨状になっていた】
【大量の血、肉、皮etc―――― ここを教会とは思わせない様な惨状だ】
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/18(土) 20:11:53.34 ID:PkjlJ/izo
>>362
/まだいらっしゃいますかー?
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 20:13:27.04 ID:emrvKHSno
>>363
居るらしい
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/18(土) 20:17:17.50 ID:PkjlJ/izo
>>362
【寂れ、廃れ果てた教会…………退廃してしまった聖域に身を寄せるものは、今や信者より亡者の方が多いのかもしれない】
【その錆び付いた教会の中で祈りを捧げている黒装束も、あるいはそのどちらかなのだろうか】
【少なくとも…………今、この教会へと歩み寄っていく影は、そのどちらでもない存在だった】

………教会と縁でもあるのかしらね、私は。

【そこにいるのは、黒いブレザーにチェック柄のプリーツスカート、赤いネクタイという学生服に身を包んだ女子高生だ】
【背丈は平均的だが、白い肌とうっすら紅に染まった頬、枝垂れるように長い睫毛が特徴的な少女】
【漆で染めたように艶めく黒髪は、日に焼けてほんの少し赤紫色を差していて】
【やや長めの前髪、顎までで揃えられたもみ上げ、胸までの長さの後ろ髪と、そのすべてが一直線に揃えられた髪型をしている】

【何かを回顧するようにして、少女は少し溜息をついた】
【その小さな背中は、確かに信者のものでも亡者のものでもない。しかし普通の女子高生でもないことも、すぐにわかる筈だ】

【――――まるで少女の周囲だけ、この教会がかつての威容を取り戻しているかのような】
【正しく教会という場所に相応しい、空間を引き締めるような"神聖"な雰囲気を、少女は纏っていた】

(…………血の臭い?)

【そして少女は、少しだけ漂ってきた血肉の臭いをふと感じ取ると、澄んだ双眸を警戒の色に染め上げて】
【その不可思議な威容を引き連れて、黒装束のいる教会の中へと入っていくだろう】

/オナシャス!
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 20:39:51.10 ID:emrvKHSno
>>365
【その者は少女が入ってくるのを見た後】

――――おや、貴方は――――。

【一瞥し、また砂の彫像に祈りを捧げ始める】
【しかし、その者に全く見覚えも無いだろう】
【所詮、世迷言である】

ま、誰だって構わない――――。
私ね、実は今日で死ぬんですよ――――。

【その者は亡者に様に手を合わせ祈っている】
【砂の彫像はその者に祝福を与えているのか、はたまた――――】

/ヨロシュウニ
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/18(土) 20:43:22.10 ID:Uq0Wt2f5O
【桜並木の下、闇夜の中に深い影が浮かび上がる】
【それは目を凝らすと人の形をしていた】
【裾の長いコートとやや長めの髪、そして瞳は闇よりもさらに黒い】
【白い顔と何も持たない両手だけが浮かび上がっているように見える】
【その顔はやや中性的ながらも男性として成熟したものであり、年の程は丁度青年と呼ばれる歳を越えたくらいに見える】
【彼はすっかり青くなった桜を見ながらゆっくりと夜の散歩を楽しむ】

満開の桜もいいけれど、夜の葉桜なんてのもこれはこれでステキね

【夜の散歩はこの男の日課だった】
【夜風を浴びることが彼の毎日の最大の楽しみなのだ】

でもちょっと桜も見飽きちゃったわね…
そろそろ散歩コースを変えるべきかしら

【歩きながらそんなことを考える】
【完全に周りへの注意を怠っていた】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/18(土) 20:48:08.61 ID:N9cLSwyHo
【水の国 公園】

…………。

【薄闇に包まれたこの時刻、子ども達が砂場に残した遊びの痕が哀愁を漂わせる公園に】
【唯一人、ベンチに腰をかけて奇妙な事をする男が居た。左手に握られしは刀。ハバキも柄も取り除かれた、刀の裸姿と言えるモノ】
【抜かれた刀の衣服とでも言える鞘にハバキに柄は、男の隣に綺麗に並べられて置かれている】

―――……ゴホゴホッ。

【右手に握られしは打粉、所謂刀の手入れ道具である。砥石の微細粉を紙で包み、その上を綿・絹でくるんだもので、刀身を叩くと白い粉が出るのだ】
【今起こっている様に風が吹けば、その粉が舞い上がり咳を促す。それでも外でこの作業を行うのは気分転換か、はたまた他の理由があってか】

……ゴホッ、……く、最近自警団が慌ただしかったものだからな……
このような作業も、久しぶりになってしまった

【袴に薄藍のインバネスといった和の服装に包んだ黒髪の男が刀の手入れを行うのはしっくりくるものだが、櫻の国ではない此処では大変珍しい光景で】
【好奇心旺盛な何者かが話しかけたり、薄闇に浮かぶ白刃の美しさに引き寄せられる輩がいたり―――】
【もしかすれば、男の刀に向けられた濡羽色の秀抜な眼光、雰囲気に「武」を感じた人物が現れたり……などということがあるかも知れなくて】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/18(土) 20:57:53.43 ID:PkjlJ/izo
>>366

っ!

【教会の放つ退廃的な雰囲気と、そこから流れ出る血の臭いに惑わされたか。少女は声をかけられるまで、黒装束の存在に気づかなかった】
【いや――――その姿があまりにその光景に馴染んでいて、それが生きた人であるということに気づくのが遅れたのだ】
【ステンドグラスを通した色彩豊かな淡光と、それに照らされる砂の彫像、そして祈りを捧げる黒装束…………】
【絵画の中のような光景に一時目を奪われながらも、少女はその者へ警戒の視線を飛ばして】

(…………、これは…………!?)

【そうして目の前の人物へ目を向けると、必然、その周囲にあるモノを認識することになった】
【血、肉、皮…………床に散らばる生物だったモノたちが、少女の五感へダイレクトに"死"を伝える】
【少女は一瞬、驚きに瞠目して。しかし間を置かず、その瞳はきつく窄められた】

死ぬ…………ですって? それにこの惨状…………。
あなた、ここで何をしていたの…………何を、するつもりなの?

【動揺するより先に目の前の不審な者へ注意を払うその仕草は、こうして"死"に触れるのも初めてではないことが伺える】
【黒装束の尋常ではない文言と、この死臭。その二つを咎めて、少女はきつい口調で問いかけた】
【同時に、少女の纏う"神聖"な雰囲気が、彼女の警戒度と呼応するように濃密になっていく…………】
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:11:59.18 ID:emrvKHSno
>>369
ま、驚かれるのも無理は無い――――。

【そんな警戒の視線を無視し、その者は祈りを捧げる】

あぁ、この惨状ですか?
この者達は、彼女への「贄」なのです。

【砂の彫像へ祈りを続けながらも呟く】

貴方はここで見ていれば良いのです。
――――私達は彼女の為に「贄」になり、彼女を「降ろす」のです。

【それはさながら邪教めいている】

もっとも、私達が降ろそうとしているのは、神でも悪魔でも無く ただ一人の「人」ですがね――――。

【その者は祈りを続ける 神聖だの邪悪だのは黒装束には全く効かない様だ】
【貴方は止めても良いし、見守り続けるのも良いだろう】
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:17:27.82 ID:kQRlLckto
>>368

【哀愁漂う公園の中をぼんやりと照らしながら蠢く灯りがひとつ】
【薄闇を切り裂く様に灯された光はどうやら街灯の物ではない様で】

【そしてその灯りの主はどうやら男の方へと向かっているようで―――】

素敵な…ううん、珍しい刀を持っていますね…

【男の近くまでやってきたのは一人の人間、だが肝心な顔はフードで覆われており隠されていた】
【そして右手に持たれているのは先ほどから公園内を照らしているランタンのぶら下がった不思議な棒】

手入れの仕方などを見るからして刀の扱いはきっと熟練している…

【そこまで話し終えた人物は顔を覆っていたフードを脱ぎ、顔を露にさせた】
【フードの奥から現れたのは色白で雪のような肌の色をした少女の顔】

私は…楼の国からやって来た各地を旅するしがない巫女です。よければその刀のお話聞かせていただけませんか?

【男に語りかける少女は今にも消えそうな儚げな笑みを浮かべていた】




372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/18(土) 21:23:30.92 ID:Dz0mH0Og0
【風の国 路地裏】

「……レナールに行ってみたいって?」
うん、機会があればね……今は魔海の探索をしてる場合じゃないって……そんな気がするんだ……

【燃えるような赤い短髪に黄金色の瞳を持ち、首には緑色のスカーフを巻いた】
【長旅用の生地の厚い服の上から、胸部を覆うブレストアーマーとショルダーパッド、焦げ茶のマントを羽織り】
【腰に歩兵用の両手剣を佩いた、身長170cm前後の青年と】

【白いストレートの長髪に赤く緩やかな光を纏った瞳をしている】
【白いタンクトップの上から白いジャケットを羽織り、白いハンドグローブに白いスカートを履いた】
【肌の色白さも相まって、眩いほどに白さが際立っている、身長160cm前後の少女が】

【共に建物の壁に寄り掛かって対面しながら、いささか表情を顰めて会話を交わしている】
【しん――――と静まり返った空気にあてられてか、場を覆う雰囲気も、どこか張り詰めたものになっていた】

……漏れ出た噂を聞いてみたけど……異世界の脅威が、あそこにはあるって聞く……それに、怪物化した原住民も……
「それって、相当危険って事だけど……分かってるわよね?」
勿論だよ……逆に、人外の……人外魔境の地って言うなら、僕にとっても重要なフィールドになると思うから……
「……んまぁ、ね……魔海までずんずん踏み込んじゃうようなバイタリティあるなら、そうなっちゃうか……」

【言葉が交わされていくうち、呆れた様な少女の笑みが、暗く凍りついた場の空気を払う】
【緊張が解けた様に、2人は壁にもたれていた姿勢を正して、起き上がる】

「――――で、この連中……どうしちゃおっか?」
……捨て置いても良いとは思うけど……そう言う訳にもいかないの、かな……?

【思い出したように、2人は足元へと視線を落とす。そこには、気絶した数名の男たち――――ガラの悪さから、素行の悪さが垣間見える――――が倒れていた】
【大方、この2人に叩きのめされ、地面を這いつくばる羽目になったのだろう。対処に困ると言った顔をして、2人はそれを見下ろしていた】
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/18(土) 21:25:57.79 ID:J56q4hDEo
……映像記録開始

【そこそこ大きい公園の一角で、若い女性の声が響いた】
【セミロングの金髪に、灰色の瞳】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、黒いワークブーツを履いている】

記録者、ヴィエラ大学社会学部所属、ピオネルスカヤ
本映像は私の能力者研究における初の試みです
御見苦しい点もあるかもしれませんが、ご了承ください

【女性は黒いタブレットに向かって、話しかけている】
【カメラ機能を用いて撮影を行っているようだ】

さて、夜の公園≠ヘ「能力者」との出会いの宝庫です
能力者たちは様々な理由で公園に足を運びます――
それは単なる休息であったり、物騒な揉め事であったり……

【タブレットに話を続けながら、歩き出す】

では、「能力者探し」を開始します

【といっても、具体的な方法は無く】
【只々公園をうろつき異変を探すだけ――何か変わったことがあればすぐにでも飛びつくだろう】
【タブレットに何かをしゃべりながらふらふらと歩く20歳前後の女性――】
【常識的にはこれもそれなりに奇怪な状態だ】
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/18(土) 21:31:51.22 ID:PkjlJ/izo
>>370

そう…………死者蘇生、ということかしら。

【少女の黒曜石のような瞳に、怒りの炎が灯る】
【一人の死者を蘇らせるため、多くの人間を供物とする………凄惨だが、方法としてはよくあるものだ】
【彼女の"神聖さ"は、黒装束を"邪"と認めたのだろうか。突き刺すような荘厳さが、さらに強まっていく】

…………悪いけど、見過ごすことはできないわ。
邪教の法と、それによって犠牲になった人々を…………見てしまった以上は。

【じり、と少女は間合いを計る。体を半身に、いつでも動ける体制に保つその姿は、戦闘の心得を感じさせる】
【…………そもそも彼女がこの場所へ惹かれたのは、知り合いに教会の経営者がいるというのもあるが】
【それ以上に、教会という"聖なる場所"に、自分と近しい者を感じたからだった】
【故に――――神に仕える"聖職者"として、彼女は眼前の行いを見逃すわけには行かない】

…………あなたのやっていることは、死者への冒涜よ。
やめないのなら…………"巫女"として、力付くでもあなたを止める。

【少女はそう宣言し――――男に最後の警告を放つ】
【靡く黒髪ときつく窄められた黒い瞳は、"巫女"と名乗ったその言葉の通り、少女が櫻の国の出身者であることを告げていて】
【少女の周囲に渦巻き始めた、何か白い力のようなものが、それが真実であることを告げている】
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/18(土) 21:41:00.51 ID:Uq0Wt2f5O
>>373
さて、少し休憩でもしていこうかしら

【散歩コースの途中にある大きめの公園を見ながら男は呟く】

流石にちょっとだけ疲れちゃったわね

【右手が自然に右のポケットに伸びる】
【しかし目的の物を持って来なかったことを思い出し、残念そうに手を下ろした】

…あら?

【この公園には比較的頻繁に来るが、今日のそこはいつもと少しだけ違っていた】
【白衣の女性がタブレットを弄りながら何かを喋っている】
【昼間ならまだしも、夜の公園には少々似つかわしくない光景だ】

こんな時間にお仕事かしら
OL…いや、格好からして研究職かしらね
どちらにしろ大変ね

【心の中で見ず知らずの女性を応援しながら近くのベンチに腰掛ける】
【二人の距離は少し遠いが、相手を見れば十分認識できる程度の距離だ】
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:43:00.21 ID:emrvKHSno
>>374
【その者は、一旦祈りをやめ呟く】

――――この者達は、皆、彼女を「降ろす」ために志願し身を散らせた者達なのに。

【悪気も無く、最後の警告も無視し】

――――君も――――。

【その者はそこで言い止め】

そうかい私はね、後見人として見守ってて欲しかったんだがね。
――――私を止めるのかい、そりゃいい "巫女"に殺されるのなら悪くない

【男は別に殺されることも厭わず】
【最後の警告を無視し続け、祈りを再開する】
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/18(土) 21:46:14.94 ID:N9cLSwyHo
>>371

む……

【白刃に注がれた両の目玉がギョロリと正面へ向き、刀を握る左手に軽く力が込められる】
【顔を隠し今時ランタンをぶら下げているのだ、明らかに怪しいと思ったのだろう】
【その人物が近づき口を開けば、その警戒も解けるのだが】

……確かに、この刀は売られているものでは無いが
(声からして……少女か? 殺気や怪しげな何かは近くで感じない……)

【不思議そうな表情を浮かべながらも、濡羽色の懐疑の視線で軽い牽制を入れつつ言葉を返す】
【完全に警戒が消えたのは、彼女が素顔を露わにしてからだった】

……良いが、まずは君の話から聞かせて貰えないか?
何故旅をしているのか、今までの経緯……言える範囲で構わない

【右手を打ち子から油塗紙に持ち替え、刀に油を塗り始める男】
【作業を続けながらも、旅する巫女の話には少し興味を持っている様子で】
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/18(土) 21:54:10.40 ID:J56q4hDEo
>>375

……ふむ
今のところ異常は見つかりませんね
まあそう都合よく能力者と出会えるとは思っていませんが

【しばらく歩きまわっていた女性だが、収穫は無かったようで】
【軽くため息を吐き、タブレットの録画を停止する】

喉も乾いたし、一旦休憩しましょう

【周りを見渡し自販機を見つけ、近寄り】
【好みなのか、得に迷う様子もなくぶどうジュースのペットボトルを購入した】
【そのままの流れで、自販機の近くにあるベンチで休もうとするが】
【先客として男が座っていた】

隣、失礼しますね

【と言っても、ベンチは2人が座っても充分余裕がある大きさだ】
【最低限の挨拶と会釈をして、女性はベンチの――男の隣に座った】

ふう……

【ぶどうジュースをごくりと一口飲み、息をつく】
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:59:34.13 ID:kQRlLckto
>>377

私の…話?

【予想外な相手の切り返しに少し戸惑い黙り込む少女】
【別に話したく無いわけではない、どう話せば良いのか分からないのだ】

まず、私の名は御篭 灯。知っているかどうかは別にして御篭神社の一人娘です

【少女の口から出てきたのは楼の国にある内の一つの神社の名前】
【そんなに大きな神社ではないのだが、過激な行動などを多々起こして危険視されていた時期がある】

旅をしているのは亡くなった両親の遺志を遂げるためです…
今は両親の遺言どおり各地を回って目的を遂行しています

【別に何も隠す事は無く自分の事を言える範囲で男に伝える】
【所々内容がぼかされているが、少女が口にしたことは紛いも無い事実】

…他に聞きたいことはありますか?言える範囲ならお答えします

【一通り質問を答え終えた少女は男に他に質問が無いかを尋ねた】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/18(土) 22:01:33.83 ID:PkjlJ/izo
>>376

…………それでも。一度死んだ者を蘇らせるなんて、この世の理に反するわ。
見過ごすわけには――――いかない。

【自ら志願し、そして散っていった命。目の前の黒装束も、その一人か】
【少女は一瞬、やり切れなさそうに目を伏せる。死者のために生者が犠牲となるその行動を、理解できないというように】
【邪法に染まり、自らの命を差し出してもいい――――年若い少女は、そう思えるほどの相手に出会ったことはない】
【人の心を知るには幼すぎる巫女に、目の前の者たちがどんな気持ちで贄となるのか、わかるはずもなくて――――】
【"聖者"の名の下に、ただ自分の"正義"を押しつけることしか、できなかった】

…………覚悟しなさい!

【そして――――男の返答を受けるや、少女は男に向けて走り出す。同時、制服の胸ポケットから一枚の"札"を取り出し】
【走りながら、左手にその札を張り付けて真正面へ突き出す。空いた右手は、口元で小さく印を切った】

――――"招"っ!

【………ずるり、と。突如左手の札が発光したかと思えば、陽炎のような歪みが左手を覆い隠していく】
【数瞬の後、光と歪みが収まると――――そこには、六尺ほどの長さを持つ薙刀が握られていた】
【浅い反りと波打つ刃紋、散りばめられた金剛石の破片が輝く玉鋼製の刀身に、赤い縄による意匠と金箔で描かれた紋様を持つ柄で構成される、美しい武器だ】
【雅にして麗――――正しく櫻の国の巫女が持つに相応しい威容を持つそれを、少女は振りかざして】

…………はぁっ!

【黒装束へ肉薄することに成功すれば、気合一閃、柄による打突の一撃を背中へ叩き込もうとするだろう】
【峰打ちの一閃には決して無視できない威力があるが、同時に命まで奪う気はないということを告げている】
【とはいえ、軌道自体は単調なものだ。虚空から突如現れた薙刀に気を取られなければ、回避はそれほど難しくない】
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/18(土) 22:06:32.48 ID:Uq0Wt2f5O
>>378
ふぅ、少し疲れちゃったわ
ちょっと遠くに来過ぎちゃったみたいね

【足のマッサージをしながら男はひとり呟く】
【なんとなく顔をあげると、さっきまでいた女性の姿は消えていた】
【無意識的にあたりを見回すと、意外とすぐそばにその姿はある】
【彼女はすぐそこの自動販売機の前に立っていた】
【目当ての物を手にいれた女性は元の場所に戻らず男の隣に座った】

あら、こんばんは
こんな時間までお仕事なのかしら?

【隣に座った女性に男は話しかける】
【別に下心とか本音があるわけではなく、ただの世間話だ】
【誰が見ても恐らく不快感は抱かないだろう穏やかな笑みを浮かべている】
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/18(土) 22:07:44.29 ID:ooQBi7Hbo
【空は橙色をブチまけて、横殴りの太陽光が隙間に入り込む】
【長く伸びる影のその隙間、路地裏の一角に立つ、小さな姿】
【右側からだけ照らされて、濃い影が体の片面ばかりを黒く塗りつぶして、20°程見上げた顔は、澄まし顔で落書きを見詰める】

【蜘蛛の巣が這い回る黒いパーカーを黄色いノースリーブシャツの上に着て、黄色色チェック柄のミニスカートと黒いスパッツ】
【黒いセミロングの髪の上に被る、白いニット帽に黒いゴーグルを被せた様は髑髏を被ったようにも見えて、オーバーニーソックスと黄色・黒の縞模様スニーカーがいかにも活発だと主張する少女だ】
【また、パーカーは腋の部分が空いた風通しのいい作りで、袖先は指貫手袋と一体化したような閉じた作りとなっている】

…………

【眺める落書きは、落書きと言うには余りにも壮大で、勇大で、広大】
【汚い地面や壁に空いた異世界への穴みたいに、そこに広がるのは美しい青空と草原、真ん中を流れる川には、七色のアーチ】
【後ろを振り向けば、穴の空いた金網と、排気ガスを垂れ流す鉄の塊の群れ】

【冷たい視線を向けていた現実方面から眼を逸らし、再び落書きに眼を向けた少女は、右手を伸ばす】
【触れたのは風景ではなく、冷たい壁───触れてしまえば余計にそれが存在しないものだとわかってしまう】

…つまんねー……

【小さな溜息と悪態一つ、彼女は静かに漏らした】
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/18(土) 22:16:21.88 ID:N9cLSwyHo
>>379

御篭……神社……何だったか、過激と言われていたことだけは覚えているな……

【うーん、と油を塗る動作を止め、考えこむ男。記憶を辿ろうとするも、明確に思い出すことはできず】
【彼の出身が櫻の首都、天の原からもかなり遠く離れた田舎であることから、あまり情報が流れていなかったせいもあるかも知れないが】

……俺の名は瑛月。 ……中邑 瑛月。 出身は見ての通り君と同じ、櫻だ
櫻の自警団からこの国の自警団へと移った身……あとは一応「UNITED TRIGGER」の一員でもあるな

【取り敢えず、此方も自己紹介をする。「UNITED TRIGGER」……カノッサなどの悪と闘う正義組織の名だ】

他に聞きたいことか……強いて言えば―――
両親の意志・目的を言わないのは、それは答えることの出来る範囲外だからなのか……という事くらいか

【一瞬、濡羽色の瞳が細まった。それは何かを見透かそうとするかの様で―――】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 22:20:42.09 ID:emrvKHSno
>>380

この世に反する行為なんて、この世界では日常茶飯事ではないかね?

【その者は立ち上がり、口上を上げる】

その身に宿す魂よ、我らが捧げる魂を持ってその身に宿れ!
我らが捧げるその血肉、持ってその身を纏え!

【男は叫ぶ、その声は廃教会中に響き渡る】

――――最後に私の血を持って完成する。

【男は最後にそうつぶやいた】
【男は何も避ける動作はしない】
【覚悟は決まっている様だ この男はどのようなことがあってもここで死ぬことが定めらしい。】
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/18(土) 22:22:45.14 ID:J56q4hDEo
>>381

え?ああ、どうも。こんばんは

【話しかけられるとは思っていなかったのか、女性は若干驚いたように挨拶を返す】
【男の口調も、外見からは少々違和感を感じたが】
【とりあえず、質問に答える】

仕事といえば仕事ですけど……
えーっと、私は学生なので……研究活動です

【彼女は学生であり、働いているわけではないのだが】
【自身の行っている研究は、国と大学の援助を受け】
【生活資金の世話までしてもらっているため、仕事と言えなくもない】
【そのためすっきりと答えられず、若干ピンとのずれた返答をしてしまった】

……

【ちょっとした気まずさを感じ、持っていたタブレットに視線を落とし、いじりだす】
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 22:32:06.16 ID:kQRlLckto
>>383

それだけ覚えてくれていらっしゃったら十分ですよ…
だって今も昔も過激と言う所しか取柄はありませんから

【多々ある中の一つの神社、それなのに名前を言っただけで分かって貰えるなんて嬉しい事だ】
【それが例え良くない意味で覚えられていたとしても】

自警団でありながらそんな大きな組織に所属しているなんて…余程実力がお有りなんですね

【「UNITED TRIGGER」その名前を聞いた少女は一瞬だけ表情を陰らせた】
【その理由はきっと少女が隠している部分にあるのかもしれない】

別にお話できない事ではありませんよ、ただその方が色々都合がいいので…
ですが、気になるのであればお話しますよ? …ただその前に一つだけ私からも質問を

貴方は――――――――能力者ですか?

【笑みを浮かべ優しく尋ねる、だがその笑みからはドロドロとした物、殺意とは別次元の真っ黒な何かが漏れ出していた】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/18(土) 22:33:51.51 ID:Uq0Wt2f5O
>>385
あら、学生さんだったの、失礼したわ
それにしてもいいわね、学生って響き、懐かしいわぁ

【少し遠くを見ながら男は言う】
【その顔は心底楽しそうだった】
【きっと人と話すことが好きなのだろう】

研究ってどんなことしてるのかしら?
よければアンケートくらいなら付き合えるわよ
それとも話しかけるのは邪魔かしら

【星を見上げながら喋り続ける】
【喋りながら、右の太ももを揉んでいる】
【少し疲れが溜まっているようだ】

どうしようかしら、帰りは能力でも使っちゃおうかしら…

【声に出すか出さないか、その程度の声で呟いた】
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/18(土) 22:45:14.42 ID:PkjlJ/izo
>>384

…………ッ!?

【突如叫び声を上げた男に気圧されて、直撃する寸前に少女の攻撃は止まってしまって】
【無理もない。少女の仕事は、妖魔の類から人を守ること…………だった、のだから】
【"悪"と闘ったことはあっても、邪教を掲げ、狂気に身を捧げた人間を相手にしたことは、未だかつてない】
【それでも、巫女が"邪"に気圧されるなどあってはならないことで――――ぎり、と少女は歯噛みした】

私は、理由もなく人は斬らない …………!
それに、あなたが死んで邪法が成るというなら、なおさら――――!

【少女とて――――薙刀という"人殺しの道具"を振りかざしておいて、人を斬ったことがないわけではない】
【それでも、挑発に載せられて黒装束を殺してしまえば、それこそ思う壷。少女は声高に、自身の正義を叫ぶ】

白刃龍紋流・漆の太刀――――『七曜』!

【そして、同時――――少女の体から、純白の力が噴出し、刀身にまとわりついていく】
【少女が纏う"神聖"さを力として濃縮したそれは、"神気"と呼ばれる神の力――――】
【強力な破邪の力を持つそれをその手に宿し、少女が奥義の名を叫ぶと、真っ白な力は"雷撃"へと変換されて】
【少女は、その"聖なる雷"を纏った刀身を、黒装束の頭部へと突き出す――――!】

【無論、少女に黒装束を刺[ピーーー]る気はない。相手が動かない限り、刀身は頭部に"触れる"だけに留まる】
【真の狙いは、雷撃による"昏倒"だ。少し強力なスタンガン程度の威力ではあるが、頭部に流せば意識を奪うだけの力はある】


【――――だが。やはり若さか、"死にたい"と願う相手の間近に刃物を突き出す少女の行動は、些か以上に迂闊といえよう】
【もし、黒装束が本当に死ぬ気なら――――雷撃を無理矢理にでも耐えて、突き出されたその刀身で自害することも――――】
【…………あるいは、可能かもしれない】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/18(土) 22:49:26.08 ID:J56q4hDEo
>>387

【学生という響きが懐かしい、と言うほどの年齢には見えなかったが】
【何か特別な事情があるんだろうか、と】
【女性ははじめて男に興味を少しだけ持った】

いえいえ、邪魔というわけでは……

【人と話すのが嫌いなわけではない】
【ただ、基本的に自身の研究にしか興味のない彼女にとって】
【他愛のない会話というものがよくわからないだけだ】

【しかし、そんな彼女の耳に「興味のある言葉」が飛び込んできた】

今、なんと仰いました?

【変化のなかった彼女の表情が、飼い主を見つけた犬のように豹変する】
【パァァという音が聞こえてきそうな、満面の笑みを浮かべ】

能力≠ニ!確かに言いましたよね!
もし貴方が能力者ならば……
アンケートと言わず、詳しくお話を聞かせてほしいのですが!

【身を乗り出し、男に近づく】
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/18(土) 22:53:28.41 ID:crVXounh0
【ガヤガヤと騒がしい酒場の一角】
【一つのテーブルを占領しきって、トランプタワーを作り上げようとする人物が居て】
【黒いローブに、トンガリ帽子。所謂、典型的な魔女の姿】

【震える指先で一つ、また一つと積み上げていって】
【最後の一組。十段目を終える前にほっと息を吐けば、背もたれに深く腰を落ち着かせるのだろう】


「やっと此処まで出来た……
お前達が僕の邪魔をしなければ、もっと早くに完成してた筈なんだ」

【足元で倒れ伏している数名の男達。その一人を踏めば、鼻で笑って】
【――――こんなに賑わっているのに、その一角だけ人気が無いのはそんな理由なのだろう】
【気むずかしい娘。触らぬ神に祟り無しだなんて昔の人は言ったけれど】


「ふぅー……
――――――……」

【精神を統一させれば、最後の一組を載せるべく、トランプを慎重に運び始めた】
【震える指先。些細な事で、全てが崩れてしまう緊張感】
【この酒場を訪れ、そんな光景を目にしたならば――――】
【完成を祝ってやるのも良いし、“不幸な事故”で全てを崩してしまっても良いのだろう】








【暗い森の中、あっちへ行ったりこっちへ行ったりする影が一つ】
【目を凝らしたならば、その正体は巫女であると分かるだろうか】
【何処か自信なさげな表情ながらも、様々な場所へと視線を巡らせていて】


「やっぱり……こんな所には居ませんよね……
ですが、何か手がかりがある訳でも無いですし……」

【――――闇夜の其れよりも、一層暗い雰囲気】
【肩を落とせばトボトボと歩き出して……数歩もしない内に、小石に躓いて見事に転倒】
【驚いて叫ぶ暇も無かったのだから、それはそれは綺麗な転び方だったのだろう】


「…………泣きっ面に蜂とでも言うのでしょうか
……幾らそうだとしても、あまりにも酷い仕打ちだと思います……」

【最早立ち上がる気力も無く、暫くはそのまま地面の冷たさを味わおうというのだろうか】
【森の中、苔むした地面にのさばる奇妙な巫女が、一人】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2013/05/18(土) 22:54:40.58 ID:ra+LWzlWo
【公園】
【外灯がぼんやりと薄暗く照らすそこに、一人の少年が佇んでいた】

【少し癖のついた、炎のような澄んだ緋色のショートカット、ガーネット色に輝く瞳】
【薄灰色の丈の大きいやや薄手のトレンチコートを羽織り、黒い長ズボンを穿いている】
【首には竜をかたどったペンダントを提げていて、額に傷があるのか包帯を巻いている】
【背中には、魔力を帯びた「竜の翼」と思われるものが生えている】
【そんな格好をした、14、5歳程に見える少年だ】

――……

【ぐ、とファイティングポーズをとり、仮想の敵を睨む】

――ふっ!

【仮想の敵が右拳を突き出す、少年は左手を沿わせ拳を逸らし、そのまま左手で裏拳を敵の顔面に食らわせる】

――はっ!とうっ!

【少年は敵の腹部へ右拳を突き、左足の脛を敵の横っ腹に叩き込む】
【仮想の敵が距離をとる。少年は体制を低くし、半ば翼で滑空するように走る】

――せぇりゃぁっ!!

【その勢いを乗せて、下から突き上げるように翼爪を敵の腹部に突き刺す】

【暫しの沈黙、数秒後、少年はまっすぐに立つ。ふぅ、と一つため息をつく】

誰か、ちょうどいい人いないかな……

【きょろきょろと辺りを見回し、模擬戦に付き合ってくれそうな人を探す】
【先程の掛け声は結構大きい、もし誰かが近くを通りかかっていたならば響いてくる掛け声が聞こえるだろう】
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/18(土) 22:56:59.77 ID:N9cLSwyHo
>>386

いや、恐らくあの組織は実力云々よりも心構えを重視する……別に俺がUT所属だからといって、強い証拠にはならない
更に最近は自警団員という肩書きは汚点に近い扱いになりつつある……というのが、俺の実感だ

―――カノッサや、その他の脅威に対し……良いようにやられている結果故に、仕方ないが

【ハバキをかけて鞘に納め、柄の目釘を抜きながら言葉を紡ぐ。作業を再開しながらも、彼女の表情に何か引っかかるようなモノを感じており】
【違和感を抱きながらも更に刀を抜き右手に持ち刀を立てるようにし、左手に柄を持って茎を柄に入れ目釘を打てば―――刀が普段の姿を取り戻す】
【それを両手で握り締め、街灯の方角へと翳して確認すれば、小さく頷いて】

……済まないな、ようやく作業が終わった。
質問に答えるなら、NOだ―――残念ながら、な。

俺は持たざる者……無能力者の俺が、能力者にも対抗する為の「武」こそ我が流派「一刀正伝唯刃流」……そしてこの刀、「御代櫻」
磨いたこの「武」は、正義の為、UTの為、自警団のために振るう……

……で、だ。 ―――もし俺が能力者だったら、どうしていたのだ?

【瞳の奥にも、研がれた刃が潜んでいる様で。飛ばした質問と共に、鋭い視線の刃を彼女へと突き刺した】
【濡羽色の瞳には、その異質な黒も映り込んでおり―――】
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 23:07:53.61 ID:emrvKHSno
>>388

貴方では[ピーーー]のは無理だったか――――。
仕方ない、見とどけてもらおうとするか――――。

【その者は雷を纏った刀身を臆せもなく触れる】

私は、このまま消えるとしよう。
私は、見守れぬが、貴方は見守ってほしい そして貴方に後見人になってもらおう――――。

【その者は電撃に耐える】

さてはて、彼女はどのような者なのか――――ただ私は眠るのみ。

【その者はなんなく突き出された刀身に身を捧げた。】
【その血は砂の彫像に掛かり、彫像は赤を纏い微笑んだ。】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/18(土) 23:08:03.90 ID:Uq0Wt2f5O
>>389
学生ねぇ
もう7、8年も経つのね
あの頃のみんなどうしてるかしら…

【そんなことを独りごちながら思い出に浸っていると】
【突然女性の表情が明るく変わった】

「能力≠ニ!確かに言いましたよね!
もし貴方が能力者ならば……
アンケートと言わず、詳しくお話を聞かせてほしいのですが!」

【急に身を乗り出され矢継ぎ早にそう言われる】

ち、ちょっと落ち着いて頂戴

【慌てて女性を宥める】

能力?
確かにアタシは能力者だけど…
これについて聞きたいの?

【そう言うと男は自らの左の掌を見つめる】

まぁ隠すことでも無いし、勿論構わないわよ
ところでもしかして、あなたも能力者なのかしら?

【ニッコリと微笑み、女性にそう問う】
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 23:16:43.43 ID:kQRlLckto
>>392

でも貴方は二つの組織に所属しています、だから強くは無くとも確実に弱くは無いはずです
汚点に近い扱いをされても身を置ける事も貴方に実力があるという事ですよ

それで――――良いんです、それが一番平和ですから

【刀を見つめながら男の言葉を聞き続けている、その顔には始終笑みが浮かべられており】
【男には実力がある、なんて半ば励ましに近いような言葉を投げかけていた】
【だが最後に口から出た言葉はきっと誰からも理解されないような物で】

いえいえ、貴重な刀の手入れを見学できたので楽しかったです…よ?

【刀の手入れ、それも珍しい刀だったので少女も見ていて飽きなかったらしい】

そうですか、それならば良かった…と言うべきでしょうか
これからも自身の力を「正義」の為に使ってください、無能力者なら均衡を崩す事も無いでしょうし

能力者だったら…ですか?

それは――――殺していましたよ?勿論今じゃ無いですが

【手にしている棒で地面を思い切り突く、それと同時にもう一度笑みを浮かべて見せた】
【殺していた、それに込められていた意味は分からないが、一つ言えるのは殺意や悪意では無かったということだ】

396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/18(土) 23:25:11.48 ID:J56q4hDEo
>>394

あ、失礼、能力と聞きちょっと興奮してしまって……
すぅー、はぁー

【男に言われた通り、落ち着いて深呼吸をする】
【が、男が能力者であることを肯定すると再び落ち着きがなくなる】

やはり能力者でしたか!
はい、ぜひ聞きたいです!
多くの能力者と出会い、記録をすることが私の研究なんです!

【左の掌を見つめた男に習い、女性も男の掌に視線を向ける】
【掌で何かをする能力なのだろうか?】

ありがとうございます!
私……ですか?

【一瞬、表情がきょとんとしたものに変わり】

私は、無能力者ですよ
能力どころか、魔力も霊感も欠片も持ってません

【再び笑顔を作り、答える】

そんなことより、お名前も教えて頂けますか?
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/18(土) 23:26:19.06 ID:PkjlJ/izo
>>393

…………、な………………。

【邪を打ち払い光をもたらす"神気"の光が、薙刀を掴んだ黒装束の姿を照らし出し】
【そこから先は、考える暇もない。雷撃に耐えたのだって十分に予想外だったのだ――――そのまま自害するなんて、少女が予期できるわけがない】
【刀身から鮮血がのたうち、美麗な武具は真紅に汚される。腕から伝わる、肉を裂く感触――――】
【聖なる光が、無情にも黒装束の死を照らし出せば…………少女の表情が、一気に蒼白になって】

…………ふ、ざけないで…………! こんな…………ッ!!

【半ば放り捨てるようにして薙刀を引き抜き、少女は胸ポケットから先ほどとは別の"札"を取り出す】
【墨で描かれた文様と共に"木"の漢字が刻まれたそれは、"木符"という治癒効果を発する札だ】
【それに"神気"を込め、発光した"木符"を黒装束の患部へ押しつける。ただただ、必死に】

【…………少女は黒装束と戦う気でいたし、向こうもそれに乗ってくると思いこんでいた。それが少女の常識だった】
【自殺志願者に戦いを挑むという愚の骨頂を犯していた事に、あとほんの少し冷静なら気づけた筈なのに――――】
【少女は血濡れになりながらも治癒を続けるが、生きようとする意志のないものに十分な治癒効果は発揮されない】
【おそらくは…………手遅れなのだろう】

………何が………起きるっていうの…………?

【憔悴し、半ば呆然としながらも、少女の視線は砂の彫像へと映る】
【この黒装束や生け贄になった者たちが、命を賭けて伸ばした手の先を――――少女は自分自身の意志に関わらず、見ることになるのだろう】
【彼らの"後見人"に、少女は図らずも選ばれてしまった――――】
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/18(土) 23:31:33.21 ID:ooQBi7Hbo
>>390
/まだおりますか?
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/18(土) 23:37:30.51 ID:crVXounh0
>>398
/長時間は難しいかもしれませんが居りますよー!
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/18(土) 23:38:39.21 ID:N9cLSwyHo
>>395

…………フン。―――流石過激と言われる御篭神社の娘か、歪んでいる
平和を口にしておきながら、能力者を[ピーーー]と言うか……殺気も無く、あたかも当然であるかのように
それに気になるは「均衡」……つまりなんだ

―――強力な力を持つ能力者を殺害することによって、世界のバランスを保つ……ということか?

【長い沈黙の後、茜色の鞘に刀を仕舞い腰に履き直しながら言葉を吐き出した】
【彼女の歪んだ思想に釘を刺すかのように鋭い口調、声色で自分なりの推理を唱え、ゆっくりと立ち上がれば】

……それが君の目的、君の正義か
―――昔の俺にも能力者を悪とみなすような思想はあった……が、君のそれは明らかに常軌を逸した領域だ

【左手で刀の濃口を切った。……目の前に居るのは、最早唯の巫女ではない。―――危険思想を抱く、自警団の彼が捉えるべき人物】
【兎に角、一度自警団に来てもらって深い話を聞かせてもらう必要がある―――そう男は判断する】

……御篭 灯。 一度自警団に来てもらうが、拒否するか?

【拒否すると彼女が口を動かしたとしても、取る行動に変わりはないのだが―――】
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/18(土) 23:43:52.15 ID:Uq0Wt2f5O
>>396
あら、そうだったの、なるほどね
それにしても能力者の研究ねぇ
中々面白そうなことしてるわね
アタシは0、スィフリって読むのよ

【何かに納得したように頷くと、男は自分の名前を名乗った】
【途端、少しだけ真剣な目になる】

分かってるとは思うけど、ここで手に入れた情報を変なことには使わないでよね
一応個人情報なんだから

【そこまで言うともう一度ニッコリと微笑んだ】

普通に見せてもいいけどちょっと面白く無いわね
ちょっとアタシの前に立ってくれる?
あ、タブレットは置いておいた方がいいわ

【0はニコニコとしながらそう女性に指示する】
【微笑みであることには変わらないが、その表情には先程に比べいたずらっぽさが混じっていた】

あっ、その前にお嬢ちゃんの名前を聞いてなかったわね
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/18(土) 23:45:24.05 ID:emrvKHSno
>>397
――――私はね、これはこれで悪くないと思うんですよ

【よろよろと蹌踉めきながら黒装束は祭壇に近づく】
【血液が黒装束に垂れ流され黒装束が真紅に染め上げられていく】

――――これでやっと、「彼女」が還ってくるんですからね。
すみませんが、彼女の後見よろしくおねがいしますよ――――。

【黒装束は何も抵抗はせず、死を受け入れた】
【鮮血に染まった砂の彫像はガタガタと震えだした】

――――あぁ、貴方は美しい――――。

【砂の彫像が震えるのを見、そう呟いて事切れた】
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/18(土) 23:46:22.07 ID:ooQBi7Hbo
>>390
【酒場───なんていう空間は、当然の如く騒がしいものであって、むしろ異様なのは魔女周辺であろう】
【その証拠に、魔女から離れた場所ではガヤガヤと男達が談笑しながら酒を煽ったりしている】
【…が、全部が全部良い騒がしさではないようで】

───だから、俺は何も言ってねぇって

【魔女から少し離れた場所、何やらよくない険悪な空気が流れている】
【髭面の大男がスーツ姿の男の胸ぐらを掴み睨み付けていた、どうやら喧嘩らしい】
【スーツの男が大男を落ち着かせようと説得を試みるも、大男は全く聞き耳を持たない、周りの歓声もあって空気は更に刺々しくなっていく】

…厄日だぜ

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、爪痕みたいな模様の超絶にダッサいネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面───絡まれているのは、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型の男だ】
【その右目には眼帯を───『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【機械的な柄を持つ刀を、これまた機械的な鞘に納め、ベルトの左側に挿している】

【いかにも『面倒だ』という態度を察した大男は、とうとう胸ぐらを掴むのとは別の手で拳を握り、スーツの男に殴りかかる】
【───が、次の瞬間、大男の拳はスーツの男に辿り着かずに制止する】
【上がるどよめき、なんとスーツの男は涼しい顔で大男の拳を片手で受け止めているではないか】

…こちとらただの喧嘩屋じゃねぇんだよ、これ以上はやめルヘヴンッッッ!!!

【…と思いきや、大男の強烈な頭突きがスーツの男のドヤ顔に減り込んだ】
【その余りの威力、吹き飛んだスーツの男はトランプの塔へ───】
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/18(土) 23:55:15.06 ID:kQRlLckto
>>400

ええ、なんと言われようが私は仕方がないと思っています
当然人を殺すことはやってはいけない事の一つです、ですがもっと大局を見てください…

行き過ぎた力は何れは破滅に繋がる…数多の能力者は行き過ぎてはいけないのです!

【先ほどまでとは違い言葉に自然と熱が込められていた】
【自分が間違っている事には既に気が付いているのかもしれない、だからこそここまで真剣なのだろう】

正義?違いますよ…私がやっているのはただの剪定…
間違いを正し悪の数を減らすのは貴方達の方です

常軌を逸しているのは誰よりも自分が一番良く理解しています

【多分この場は穏便に切り抜けられない、そう覚悟した少女の右手はより一層力を込めて杖を握っていた】

拒否はいたしません…ですが、邪魔をするというのであれば――――ー

【そこまで言い終わると少女の手にしている杖から小さな光弾が発射される】
【無論男に当てるつもりは無い、ちょっとした牽制なのだろう】
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/19(日) 00:00:21.69 ID:rC+280QJo
>>402

悪くない…………わけがないでしょう!
死んだら何もかも…………!

【治癒の手を放れ、ゆっくりと歩き出す黒装束を、少女は見送るしかなかった】
【自身の命を燃やしてまで"彼女"を蘇らせようとするその気迫に、ただ気圧されるだけで】
【死してなお、こんな簡単に彼らの生を終わらせたその女性のことを思って、身震いしながら】
【どれだけの人生を送って、どれだけの死に様ならば…………ここまでの"狂信"を生み出せるのか】

…………ッ…………!

【鮮血をまき散らして絶命した黒装束の姿を見届けて、少女は血が滲むほど唇を噛んだ】
【手に残るのは、その命を奪った感触。それを血の味と共に心に刻んで、顔を俯ける】
【それでもふらりと立ち上がったのは、この場で次に起こることに備える為の、戦士としての無意識の行動で】
【教会にあるまじき、散乱したすべての死骸を――――生け贄を視界にとらえながら、少女は震え出す砂の彫像を睨みつけ】
【折れかけた心で、鮮血に塗れた薙刀をそれに向けて構えて――――わずかに震える足取りで、一歩づつ慎重に進んでいく】
【何が起きるか、せめて見極めたいのだろう。砂の彫像を調べる気のようだ】

【ひとり残された少女が、彼らの命の果てに見るのは、果たして――――?】
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 00:02:07.07 ID:2hZ2FAQg0
>>403
【――――さて、そんな喧噪なんて耳の外。精神統一した彼女には最早関係の無い話……】
【何て、そんな事は無い。寧ろ、性格上苛立ちを隠せないといった様子で】
【舌打ち、悪態。そして、足元の男に八つ当たり】

【あと少しでプッツンと行きそうだったけれど、何とか完成したタワーを見れば、それもご満悦と変わるのだろう】
【とんがり帽子の隙間から覗く、猫の耳。ご機嫌にピコピコと動かしていたのだけれど……】


「……やっと完成した。後はアリスに見せて――――」

【ボウリングで例えるならばストライク。それはもう、見事なまでに】
【紙の中でも特に軽い素材なのか、花吹雪めいて宙に舞うのはタワーの支え】
【一瞬の喜び。嗚呼、無情。思考が現実に追いついていないのか、未だ表情は何処か嬉しそうなままだったが】
【――――微笑に浮かぶ青筋とは、昔ながら怖いもの】


「……おい、お前
…………お前、何をしたのか分かってるのか?」

【帽子を深く被れば、表情を伺わせず】
【然れど、背後で揺らめく炎が少女――――魔女の感情を表しているのだろう】
【店主も店員も干渉をしない事を決めているのか、そっぽを向いたり、他の客と話していたり】


「…………何をしたのか、分かってるのか?」

【その胸ぐらを掴めたのならば、デジャヴの如く掴んで引き寄せるのだろう】
【やっぱり、帽子に隠れて表情は見えないけれど――――さてはて、床にポタポタと落ちる雫は一体何なのか】
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/19(日) 00:05:52.47 ID:xcE24A3SO
女帝犬
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/19(日) 00:07:27.20 ID:D8gRNdlHo
>>401

ええ、とっても面白いですよ
私はこの研究のために生きてるようなものですから
スィフリさん、ですね

【黒いタブレットにタッチペンを使い何やら書き込みながら男の話を聞く】

はい、もちろん記録は純粋な研究にしか使用しません
ご安心を

【彼女にとっては、研究そのものが目的であり】
【それを使って利益を得ることには一切興味が無い】
【彼女を支援する者たちがどう考えているかは別の話であるが――】

えっと、こうですか?

【言われた通り、男―0の前に立ち】
【撮影機能を起動し、録画を開始してからタブレットをベンチに立てかけた】

失礼、私が名乗るのを忘れていましたね
ピオネルスカヤと申します

【ぺこりと頭を下げる】
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/19(日) 00:20:01.78 ID:kgeY17jjo
>>405
【その者達だった魂は昇華される】
【肉体が完全に昇華され始める】

【その肉体が昇華し終わるや否や】
【砂の彫像が大きく震えはじめた】

――――全ては砂に帰り、私は砂から蘇る。

【震える足取りで近づく少女に、砂の彫像はそう語る】
【気がつくと、彼の者達の死肉の一切はなくなっている。】
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 00:26:22.84 ID:SYN9qx5Lo
>>406
【顔面に岩がぶつかったような重い感触、体がふわりと浮く感覚、そして───】
【背中からテーブルに落ち、アクション映画さながらにテーブルが真っ二つに割れ、また床に落ちる】
【目の前がくらくらする、鼻がジンジンして、焦点が合わない】

【ふわふわと落ちて来るトランプが顔に落ちて───うざったいそれを右手に取って、何と無く見た絵柄はジョーカー】
【トランプから眼を離し、眼を向けた先は───】

……マジで厄日だな

【笑顔の怒り、それに対する諦めの苦笑い】
【胸ぐらを掴まれれば、慌てて首を振り声を荒げる】

お、おいおい待てよ!これは俺のせいじゃねぇだろ!
元はと言えばあいつが───っていねぇ!?

【確かにぶつかったのは自分だが、悪気があったわけじゃないと語りながら、原因となった大男を指差そうとするが…すでにそこに大男はいない】
【恐怖を感じて逃げ去ったか…とにかく、周囲の誰もが助けてくれそうにない状況、彼は完全に孤立した】

…酒が無駄になったなら弁償するから、な?

【しかも、魔女が何を真剣にしていたか、何に怒っているかわかっていないようで】
【酒が無駄になって怒っているならと、更に油を注ぎそうな一言を───】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/19(日) 00:27:35.45 ID:/TFCGzAUO
>>408
ピオネルスカヤちゃんね、オッケー
じゃあちょっとだけ待っててね
あ、アタシから目を離しちゃダメよ

【そう言うと、0は掌をピオネルスカヤに向け左手を伸ばした】
【すると音も無く彼女の前の地面に「穴」が空く】
【言いつけ通り彼女が0を見続けていればそれには気付かないはずだ】

いい、じゃあ一歩、前に出てくれる?
アタシから目を離さないでね

【言われた通り進んだとしたらきっと彼女は落下するだろう】
【実はこの穴はどこでも行けるドアのように空間を無視して繋がっているのだ】
【この穴の出口は近くの芝生の上、地上1mの場所に地面と平行に設置してある】
【つまり、この穴に落ちた物は1mの距離を芝生に向かって「落下」することになる】
【その位置は彼女のタブレットのカメラに入る位置だ】
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/19(日) 00:37:31.50 ID:rC+280QJo
>>409

こいつ…………!?

【より大きく震え出す砂の彫像に、少女は一瞬足を止めるが】
【まさか言葉を発するとは思わなかったのだろう。さらなる驚愕に目を見開いて…………それから、薙刀を握り直す】
【死肉と魂が昇華され、そこにあった死骸が消えて――――このまま静観するのはマズい、とようやく直感したのだ】
【もし儀式がまだ完成していないのなら…………今なら間に合うかも知れない。そんな希望を一握り、抱いて】

――――止まりなさいッ!!

【決断してからの行動は早かった。思い切り地面を蹴って、砂の彫像へと近づけば】
【薙刀を振り上げ、全力で横一閃――――彫像を破壊しようと試みるだろう】
【一刀の元に粉砕しようと行われた、大振りの攻撃だ。威力は高いものの、決して回避できない一撃ではない】
【もっとも、砂の彫像が動けるのならの話だが…………】

【砂の彫像がどう出るであれ、蘇りの儀式が長引けば長引くほど、少女からの妨害も激しくなる】
【今回こそ使っていないが――――少女には"神気"という破邪の力があるのだ。その浄化の力は、"一度死んで蘇った者"にも効果を発揮する】
【できるだけ、急いだ方がいいかもしれない】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/19(日) 00:40:38.18 ID:D8gRNdlHo
>>411

【0が伸ばした左手を凝視するが】
【手、そのものには何もないようだ】

一歩前に、ですか
わかりました
あ、私の名前、長くて呼びにくかったらピオネルと略していただいてぇっ!?

【一歩前に進むと、言葉の途中で突然の落下】
【気が付くと、少し離れた芝生のに着地──はうまくいかなかったようで】

いたい!

【着地に失敗し、左足を捻ってしまい、軽く悲鳴を上げるが】
【すぐに痛みを忘れ、今度は称賛の声を上げ】
【タブレットを手に取り、録画された映像を確認する】

これが0さんの能力!すごいです!
物体を移動させる力……ですか?
あっ

【ここまで言って、先ほど彼がつぶやいた言葉を思い出してみると】

そういえば、帰りは能力を使う、と仰っていましたよね?
この能力は自分にも使用出来て、ご自宅まで移動できちゃうということですか?

【新たな興味がわき質問を畳み掛ける】
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 00:45:06.98 ID:2hZ2FAQg0
>>410
「五月蠅い……お前がぶつかってきたんだ!お前が何にもしなければ……お前が居なければ……
お前が居なければ!完成したのに!」

【事情を飲み込めていなければ、完成したの意味もきっと分からず終いだろう】
【下手をすればこのまま首を絞めてしまいそうな勢いであって】
【背負った炎が時折チロチロと天井を舐めるけれど、それでも店主は必死の談笑を続けている】
【店――果ては男性一人の命よりも、自分の身一つを選んだか】


「――――ッ!!酒なんか要らない!今すぐ直せ!」

【ギリと軋む歯。“轟”と音を立てる焔。脅しでは無く、最早殺傷のために用いる域】
【帽子の下から覗く茶色の双眸が、強く強く睨み付けていたけれど】
【ポタ、ポタと落ちる水滴。それと共に、胸ぐらを掴む力も、炎の勢いも失せていって】


「…………お酒なんか要らないから、早く直せよぉ……」

【鼻を啜る音が聞こえたかと思えば、そのまま啜り泣き始めるのだろう】
【先程まで強情だった少女が一転すれば、警戒していた一部も響めいて】
【それが広がれば、視線は嫌でも二人へと注がれる事になるのだろう】
【グスグスと泣き始めた少女。絵面としては仮にも大人と泣く子供】
【男性的には、一方的に怒りをぶつけられる事と泣き始めてしまうこと――そのどちらが対処し辛かっただろうか】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/19(日) 00:52:02.14 ID:Q9JeSQI3o
>>404

行き過ぎた力は何れは破滅に繋がる―――其の事は理解しよう
確かに能力者犯罪が止むことは無く、大きな被害も出ているのも事実……だが

能力者であるというだけで、生きることが許されない筈が無かろう……!!
何が剪定だ、君は神にでもなったつもりか……

【歪んだ思想を否定しながらも、きっとこの言葉は届かないであろうことは理解していた】
【正しいことをしていると彼女が思い込んでいる、信じ切っているからこそ彼女は殺戮を平然とこなせる訳であり】
【彼女の脳の奥に張った根を、ただ偶然であっただけの自分が引き剥がせる筈がない】

【―――よって、実力行使しか手段はあらず】

―――其処まで気付いて、何故間違っていることを認めない……兎に角、俺は俺の正義を実行するまでだ
……そちらから仕掛けてきてくれて礼を言う。 ―――お陰で、此方も容赦無く戦える……!!

【……視界に飛び込んでくるは光弾。大きさからして、牽制―――】
【牽制程度なら、此方も見せ付けられる―――】

……疾ッッ!!

【右手を柄にかければ、小さく息を吐き出すと共に鞘を握った左手が後ろに引かれ、同時に右腕が腰と連動し前方へと動き出す】
【―――無駄を減らし、コンマ1秒でも早く、鋭く抜く為に練られた、唯刃流の十八番、居合】
【静かながらも疾く抜かれた刃が光弾に触れれば、光弾はかき消されて―――】

……説明する約束だったな。 この刀は「御代櫻」、別名「減魔刀」……多くの陰陽師により減魔、能力を弱める力を付与された
―――僅かながらのため、せいぜいかき消せるのは今の牽制程度の小さいモノだけだがな

【この刀と、練られた技、身体。 コレが持たざる者、中邑瑛月が持つ者に渡り合う為の「武」であった】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/19(日) 01:05:00.53 ID:kgeY17jjo
>>412
――――。

【砂の彫像は、何も避けない。】

――――だから、言ったじゃないか。
全ては砂に還り、砂から蘇る――――。

【ドガッという音と共に砂の彫像は破壊された】
【ただ、それだけだった】

――――そして私は砂から蘇る。

【サラサラと砂が新たな形を形成し始める】
【毛髪から神経まで全てが砂で形成しはじめる】
【儀式は最早完成しているようだ】
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 01:06:06.91 ID:2jLWezYvo
>>415

そこまで理解して下さっているのに、どうして能力者と共闘しようなど?
能力者が蔓延る世の中に平和など訪れなどしません、あるのは破壊と死だけ

【歪んでいるのは自分でも何となく理解できている、だけどそんなことは関係ない】
【もし自分が「均衡」を護る事をやめてしまえば、自分には存在する意味が無くなってしまう】
【そんなことを考えただけで少女の心には言いようも無い穴が開いてしまうのだ】

私は神ではありません…ですが、私は神に仕える身です

【あくまで自分は神に仕える身、言われた事をこなすだけの人形でしかないのだ】

遠慮は要りません、どうぞ其方が思う正義を存分に振るって下さい
無論私はここで負けるわけにはいきませんが

【男に飛んで言った光弾、流石にこの程度では男はビクともしないのだろう】
【現に光弾は男の早業に掻き消されてしまっている、それならば次の手に移るまでだ】

命を殺め汚れきってしまった我が身、そして我が身を動かすこの血肉
今均衡を崩さんとする者を阻害する糧となりたまえ

【呪文を一通り詠唱し終わった少女は徐に自分の左腕に噛み付いた】
【余程強く噛み付いているらしく、暫くすると口の端から少量の血が流れ出てくるだろう】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/19(日) 01:07:09.37 ID:/TFCGzAUO
>>413
あらあら、ごめんなさい
芝生なら平気かと思ったんだけど、大丈夫かしら?

【ピオネルが捻った足を心配そうに見つめながらそう話しかける】
【だが意外と平気そうなのを見て少しだけ安心した】
【勿論後で病院に連れて行こうと決心する】

物体の移動…確かにその通りなんだけどちょっとイメージとは違うかしらね

【なんだかんだで自分の能力について話すことやそれを熱心に聞いてくれる人がいることは楽しいようで、0の舌はスラスラと回る】

アタシはね、ドアを自由に作れるの
必ず二つずつね
どこに作っても、必ず二つの扉は繋がってるのよ

【そう言いながら目の前に扉を作る】
【そこからは二人の後ろ姿が写っていた】
【もう片方の扉は二人の真後ろにある】

この扉例えばね、ほら

【0がポケットを探るとくしゃくしゃのコンビニのレシートが出てきた】
【それを丸めて扉越しに見えるピオネルスカヤの頭に目掛けて投げる】
【それなりのコントロールで飛んだので、そのままなら間違い無く紙で出来たボールはピオネルスカヤの頭に当たるだろう】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 01:10:54.43 ID:SYN9qx5Lo
>>414
ごめんちょっとなに言ってるかわかんねぇんだけど!?
か、完成?完成って何がだよ!?

【彼に取っては本当に何が何だか状況が呑み込めず、掴まれる手を抑えながら狼狽えるのがやっとである】
【今にも酒場を焼き尽くしてしまいそうな炎も、彼女の怒りの程を見るのに十分だろう】
【このまま焼かれてしまえばたまったものじゃないが、変に刺激するのもまずい】

───ちょっと待て!まず落ち着け!落ち着──────

【言葉の選択を誤ったらしい、とうとう怒りが有頂天になった魔女を見て、両手の掌を出して制止しようと───】
【したのが効いたとは思えないが、途端に勢いを無くす魔女、睨む眼力も炎も怒りも弱く、代わりに垂れてくるは暖かい水滴】

………

【男の方も、様子の変わった魔女を見詰め、真っ直ぐな眼差しが泣きじゃくる彼女を捉える】
【情けなく狼狽えていた様子は既になく、確りと現状を把握───】

(───どういう事だってばよ!!?)

【───出来ていなかった】
【彼からすれば、いきなり酔っ払いに絡まれ、殴られたかと思いきや少女に絡まれ、挙げ句の果てに泣かれるとかいう、カオスに富んだ状況だ】
【しかも自分の何が原因かわからないし、周りがあからさまにこっち見てる、今迄無視していやがったくせに】
【とりあえずそれを口に出してはまた面倒になる気がして、冷や汗を浮かばせながら、少女の手を解こうとする】

…あー、なんだ…その……悪かったよ、ああ、俺が悪かった…
…俺も手伝うから泣くのをやめてくれ、な?

【何で自分が謝らなければならないんだ───とは思っても、言ってはならない、女の涙は最強最悪の武器なのだから】
【上体を起こしながら、未だ何が何だかわからない状況で、場を収めようと画作する】
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/19(日) 01:24:26.43 ID:D8gRNdlHo

なるほど……では、「空間を繋ぐ能力」と言った方が正しい表現ですかね
おぉ!
地面に垂直にも扉を作れるんですか!

【すらすらとタッチペンでタブレットにメモを取りながら】
【目の前に現れた扉に灰色の目を輝かせる】

自分の後ろ姿を直接見るのは妙な気分ですね……
あ、寝癖がある

【ファッションに興味のない彼女だが、さすがに寝癖は直したいらしく】
【自分の後頭部を撫でていると、0の投げたレシートが、コツリと当たる】
【飛んできた方向を振り返ると――再び、自分の後頭部の寝癖が目に映る】

わあ……
色々と便利そうな能力ですねえ
これなら手軽に色々なところにも行けますね、羨ましいです
戦闘でも役に立つでしょうし……まあ、0さんは喧嘩をするような人には見えませんが

【タブレットで扉の写真を何枚か写しながら】
【純粋な感想を述べた】

そうだ、お礼をしなくちゃいけませんね……
何かほしい物とか、ありませんか?

421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/19(日) 01:25:01.98 ID:Q9JeSQI3o
>>417

全ての能力者を同じに見ることがおかしいのだ……!!
UTのリーダー、セリーナ……彼女は能力者ながら、正義の為に奔走している……
能力者全てが悪ではないことは考えなくても解るだろう……!!

【もし彼女が望む様な世界になったとしたら、確かに犯罪の規模、量は小さくなるかもしれない】
【でも、そのような方法が許されるわけが無く―――故に彼も否定する】

―――縛られている君に……負けるわけにはいかないな……ッ!!

【身体を前に倒し、正中線の振れない動きで接近する。―――接近に成功すれば、御代櫻を左下から右上に切り上げるだろう】
【接近すれば、此方のもの―――というより、無能力者である自分には飛び道具なとという便利なものは無い】

【故に接近してリスクを負わなければ、攻撃することも出来無いのだが―――】

―――なっ……!?
(自分に噛み付いた……!? 呪文の一種か……否、何方にせよ退いては勝利は見えない……!!)

【彼女が取った行動は、一見自傷行為にも見えるモノ。その行動に不気味さを感じながらも、剣を振るう以外に彼のする行動はなく】
【刀が狙うは、彼女の右腿。 脚を攻めることで動きを止め、勝負を制するという、自分も[ピーーー]ことは避けたい故の選択―――】
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/19(日) 01:25:04.37 ID:D8gRNdlHo
おっと失礼
>>420>>418宛です
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/19(日) 01:25:21.92 ID:rC+280QJo
>>416

(…………!?)

【確かに手応えはあった――――が。それこそ砂の城を崩すような、微少なもので】
【全力で振り切られる薙刀は半ば空を切る形となり、少女は少したたらを踏んだ】
【慌てて体勢を立て直し、彫像に向き直ろうとするが――――少女はそこで、砂によって構成され始めた人型を捉える】
【砂塊に、魂が宿っているのか――――そう推察し、薙刀をその人型に向ける】
【薙刀の一閃を無効化されてしまった今、うかつに行動できないと思ったのだろう。ひとまず、仕掛けることはなく】

…………あなたはもう死んだ身でしょう。今更、現世になんの用?
あなたはこれから…………何を、するつもりかしら。

【得体の知れない存在を前にして脂汗を浮かべながら、砂でできた女性にそう言葉を投げかける】
【目の前の存在のような"一度死んで蘇った者"は、少女と少女の持つ力にとって"邪"たるものだが】
【もしも仮に、蘇った彼女が現世で悪さをする気がないなら…………滅する以外の選択肢も、ないわけではない】
【存在そのものが"邪"、すなわち"悪"だからといって、心までそうであるとは限らない――――と】
【…………それが根拠のない希望的観測であると、自覚はしていた。少女は警戒心をむき出しにして、目の前の女を睨む】
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 01:31:43.59 ID:2hZ2FAQg0
>>419
「お前が……遊びで、僕のを壊したんだ……!
大切にしてたのに、ずっとずっと大切にしてたのに……!」

【ペタンと床に座ってしまえば、既に手は男性から離されていて】
【代わりに、自分の涙を拭うようにするのだけれど、見掛けによらず余程頑張っていたのか、涙は途切れることを知らない】

【――――しかし、少女の選んだ言葉が不味かった】
【怒るのでは無く、泣きながら言うのが更に不味かった】
【ケバいマダムな方やらちょっとゴツイ女性やらが敏感に聞き耳を立てているのは――恐らく、その位置からでも確認出来よう】
【「まぁっ?!」――だなんて声が聞こえたのは流しておいて】


「…………本当に、お前が手伝ってくれるのか……?
……また、壊したりしない…………?」

【嗚咽交じりの言葉だけれど、声質故に聞き取り易いであろう】
【上体を起こしたならば、座り込んだ少女と丁度目の高さが合う事か】
【帽子の下からじっと見つめて居たけれど、言葉によっては再び泣き出してしまいそうな――――】

【少し首を傾げれば、相手の反応を伺うのだけれど】
【――それは、周りの人々も同じ事。八つ当たりされていた男はこそこそ逃げ、配給していた店員はここぞとばかりに裏口から逃げ出し、店主に至っては、談笑を止めて店が燃えないように祈りを捧げている程である】
【酒場という場所が静まりかえる非日常。誰もが誰も、男性の言葉に耳を傾けているのだろう】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/19(日) 01:38:16.73 ID:kgeY17jjo
>>423
――――いやはや、なんとも言えんなこれは――――。

【砂で身体が構築される。】
【砂で出来た身体に徐々に色が付き始める】

――――しかし、何をするかって?

【徐々に身体に肉が身にまとう】

――――そうだな――――。

【銀髪に銀眼と金眼、黄土のコードを身にまとった長身の女は一息にこう語った】

――――とりあえずタバコ貸してくれ。

【あまりに呆気の無い答えを返した。】
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/19(日) 01:39:36.93 ID:/TFCGzAUO
>>420
いやいや、お礼なんて、アタシも楽しかったしそんなのいいわよ

【ベタ褒めされて照れ臭そうに満更でもなく微笑む】

でもそうね、どうしてもっていうなら…

【少し考え込む仕草をする】
【程なくして顔を上げ、ピオネルの方を向く】

うん、アナタの研究の完成、中々興味があるわ!
いつかそれを発表する時になったらアタシを呼んでくれないかしら

【純粋な興味と好奇心から目を輝かせ言う】

そうね、またいつか会いたいわ
その時は手作りのケーキをご馳走するわ

【そう言ってピオネルの手を握る】
【先程の彼女と負けず劣らず目を輝かせている】
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 01:51:43.91 ID:2jLWezYvo
>>421

そうですか、でもそのお方が正義で世界を救えたとしても結果は同じです
何れは彼女に不満を持つものが現れて、そこから新たな争いの種が生まれる…
能力者の本質が全て悪じゃないのは承知しています、ですが能力者は全て火種になるのです!

【確かに良い能力者だって世の中には数え切れないほど居る】
【でも特別な力を持ってしまった時点でそれはいつ争いを生むか分からない火種にもなっていると少女は言う】

縛られている?一体何の話でしょうか?

【近距離の間合いが苦手な少女にとっては男の接近はどうしても避けなければいけない】
【なんとかして避けようと後ずさってみるが、運動神経の悪さがたたり剣の間合いに入ってしまった】
【後ずさったお陰で何とか窮地は免れたが、右胸の上辺りからは血が流れ出ている】

さすが剣士…と言う所です、ですが私もやられている訳にはいけません

【そう言うと噛み傷の付いた左腕をランタンに向けて掲げる】

ほんの数秒…ですが剣しか扱えない貴方にとってはそれが命取りになる

―――――等価封印術。貴方の剣の動き…封じさせて頂きます

【左腕の傷から出る血がランタンに吸い上げられると同時にランタンが激しく発光する】
【もし術にかかってしまえば、言葉通り剣の動きが数秒だけ封じられる】
【煌くランタンと、男の剣撃を今回は寸での所で避けれた少女】

【戦闘経験の浅い少女にとってはこれが最善の策なのだろう】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/19(日) 01:54:33.07 ID:rC+280QJo
>>425

――――…………。

【砂で構成された体は、やがて普通の女性の姿へと変化していって】
【多数の生け贄の上に、果たしてどんな悪鬼が飛び出すかと思えば…………少女は思わず、薙刀を取り落としそうになった】
【警戒の必要が消えたわけでは決してないが――――とりあえず話はできる相手らしい、と判断して】
【一定の距離を保ち、薙刀は構えたまま。ひとつ大きく息を吐いて、緊張をほぐしてから】
【野生の獣のような警戒心で染まった、至極不機嫌そうな瞳で、女性に言葉を投げつけた】

……………………持ってるわけないでしょう。未成年よ。
答えになってないわ…………これからどうする気なのか、と聞いたのよ。

【彼女を復活させるために、多数の人間が犠牲になっていなければ――――もう少し、愛想のある対応もできたかも知れないが】
【何せ肉塊と化した多数の人間達を見て、自分の意志でないとはいえその一人を手に掛けてしまった後だ。この反応も致し方ないだろう】
【少女はまがりなりにも巫女…………だった者だ。蘇生した死者という"邪"を見逃すわけには行かず】
【女性の返答いかんによっては、このまま戦闘ということにもなりかねない】
【…………それでも問答無用で滅しにかからないだけ、マシと言えるかもしれないが】
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 01:57:08.27 ID:SYN9qx5Lo
>>424
(いやだから何をだよ!?)

【こんなに泣いてしまうという事は、相当に手を入れ込んでいたのはわかる、わかるのだが───】
【一体それが何なのか見当もつかない、酒でもないとしたら、酒場で大切な物はなんだ?】

【周りの女達が想像したようなのではないのは確かだ、というか】

…人聞きの悪い言い方すんな

【まるで自分が悪いみたいではないか、その言い方では】
【別に遊んでた訳じゃないし、言うなればこっちも被害者だった訳である、やりたくてやったんじゃない】
【そもそも問題は、『何をやらかしてしまったか』だが】

【頭の中をフル回転、オーバーヒートギリギリまでフルスロットルで考える】
【一体何をすればいいのか、推理材料を探す為に視線を泳がせる】
【薄情な奴らが逃げ出している、関わりたくないという事か───こうなれば自分一人が犠牲になるしかない】
【更に視線を泳がせて───ふと、手に持っていたトランプが目に付く】
【周りにも落ちているトランプ達、そしてトランプを使って壊れる&ィと言えば───】

───わかった!!

【思わず上げた声は閃きの言葉、少女からすれば肯定にも聞こえるだろうか】

…つーかこんなところでそんなもん作んなよ…

【閃いた途端、その行為が明らかに場に相応しくないと悪態をつきつつ、ばら撒かれたトランプを拾い出す】
【手伝うと言ってしまった手前、もう後には引けないという感情があった】

…拾ったらテーブル変えんぞ、端っこの方な

430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/19(日) 02:00:56.99 ID:D8gRNdlHo
>>426

――いいんですか?
ここまで見せて頂いたのに……

【彼女自身は金持ちではないが、研究資金には余裕があり】
【ある程度のお礼は出来るつもりだったのだが】

ええ!是非!
私の研究は、まだまだ途方もない時間がかかると思いますが……
いつか完成したら、必ず0さんにもお見せします!

【0の素敵な提案に、笑顔を取り戻す】

ケーキですか、甘いものは大好きなので嬉しいです!
でもやっぱり、次に会った時もまた能力を見せてほしいですね!
……そうだ、お礼は出来ませんでしたが、せめて

【そう言って、先ほどの自販機に小走りで向かい】
【自分と同じ、ぶどうジュースを購入し、差し出した】

こんなお礼で悪いですが、お疲れのようでしたので、どうぞ
私も長く歩くときはよくぶどうジュースを飲むんです
ぶどうに含まれるアントシアニンは筋肉の疲れを抑えてくれるんですよ
いやまあ、単純に好きなだけなんですけどね

【今更少しだけ研究者っぽいことを言うが】
【能力以外のことは専門外で、適当な知識しか持っていない】

じゃあ、0さん……ありがとうございました
また会いましょう!


/このあたりで!楽しかったです!
/お疲れ様でした!



431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/19(日) 02:11:40.09 ID:Q9JeSQI3o
>>427

……だから殲滅する、か―――何とも野蛮な発想だな……ッッ!?
(―――動かない!? ……攻撃された覚えは無いぞ……!?)

【移動速度自体は彼も決して速い訳ではない、故に振り切った一閃は完全に彼女を捉えきれない】
【しかしながら傷をつけることには成功した―――それさえ出来れば十分、と思っていた矢先に両腕が固まるような感触が奔って―――】
【その後、言葉を発した彼女に対しギリリと歯軋りと共に猛々しい色になり彼女に鋭い両瞳を向けた】

……封印術……!? 怪しい術を使う君も忌むべき能力者じゃあないのかッ……!?

【数秒間、彼は思うような攻撃が出来ない―――この隙の間に攻め込んでも良いし、剣の届かない間合いに逃げても良い】
【つまり、相当な有利を作られる……と見て良いだろう。そして一番の問題は、あの術の詳細が未だ朧なこと】
【回避方法も、発動条件も解らない―――彼女の左腕の血を吸った瞬間自体は捉えたのだが、結局あの術を見破ることは出来ないのだ】

【あの術を回避しない限り、勝機はかなり少ない―――少ない勝機は、無理やり斬撃をねじ込んで一撃で決める、くらいか】
【数秒で両腕の痺れに近い感触は解け、自由に動けるようになったが後手に回ることは間違いなかった】
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/19(日) 02:13:01.74 ID:kgeY17jjo
>>428

未成年か――――なら仕方ないね。

【女は至って悪意は無いように語る】

はて、私は答えを言ったはずだがね
もしかして、この世界じゃ煙草は無いのかね?

【とぼける様に語り】

ま、当分の目的は楽しむことかね
まずは煙草を吸いに行こう。それから酒を飲もう。そこから考えればいいじゃないのかね?

【適当な答えが返ってくる。】
【それは敵意のない証拠には為っているのだろうか?】
【その答えに邪な要素は無い】
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 02:13:13.23 ID:2hZ2FAQg0
>>429
「人聞きの悪いって……お前が壊したのは事実だ!
やっと、やっと出来たと思ったのに……」

【再び胸ぐらを掴むなんて事はしないけれど、呟けば先程の怒りが舞い戻ってきたのだろう】
【ワナワナと震える。震えるけれど、今はグッと堪えていて】
【――――少なくとも、暴力に出ない程度には。再び天井が焦げるのだけれど、酒場の住人達が焼かれないだけ良しとしよう】

【突如の閃きの其れには驚いた様に顔を上げるけれど、否定する事無く頷くのみ】
【そのまま後に着いて端の方へと移動すれば、先客を脅し退けて場所を確保するなんて破天荒】
【――近くに居た者達も、いそいそと別な席へ移動する位には殺気が放たれていたのだろう】


「…………そういえば、お前の名前。何だ?
勝手に壊して、名前も言わないなら本当に燃やすぞ」

【言葉こそ覇気が籠もっているが、トランプを見る瞳は何処か不安げで】
【――――故意で無かったにしても、先程破壊されたこともある故】

【ぶんどった席に座れば、ジュースを注文して】
【――――名前。促すのは良いのだけれど、自分の事は告げず】
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/19(日) 02:13:19.74 ID:/TFCGzAUO
>>430
あら、ぶどうジュース…
ありがと、頂くわ

【0はニッコリと微笑みそれを受け取る】

アナタの研究結果、楽しみにしてるわ

【今しがた受け取ったジュースを開け、一口口に含む】
【それは甘酸っぱく、ピオネルスカヤの言うとおり不思議と疲れが取れるような気がした】
【能力で帰ろうかともさっきは思ったが、ジュースのおかげと、そして考えたいことが出来たのでゆっくりと歩こうと心に決めた】

えぇ、さよなら
今日は楽しかったわ、ありがと

【ただ少しだけ、目の前にいるたった一人のファンにちょっとしたファンサービスをしたくなった】
【目の前に扉を召喚し】

それじゃあ、またね

【扉の中に消えて行った】
【扉は公園の入り口付近に繋がっている】

/こんな時間までありがとうございました!
/とても楽しかったです
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 02:26:06.28 ID:2jLWezYvo
>>431

それが一番の最善策ですから…仕方がありません…

【心なしか言葉の合間合間に小さな溜息のような物が漏れ出ていた】
【きっとそれは男に付けられた傷から来る物だろう、肉体的には浅い傷でも少女を牽制するには十分だったらしく】
【今はそれを悟られまいとしているが、バレるのも時間の問題である】

能力者と術者はまったく違います……なんて言っても誤魔化せませんね
わかってます…だから私も早く誰かにこの役目を渡したいんです

そうすれば……すぐに死ねますから――――

【剣を動かせない男だが、わざわざ自分から間合いを詰めて攻撃する事は無い】
【だとすれば少女がとる行動は一つだけ、それは間合いを取ること】

これで決まり…殺しはしません、安心して下さい

【そういって少女は杖で思い切り地面を突いてみせる】
【するとランタンから発せられたのは映画などでよくみるような一本の熱光線】
【光線は地面を抉りながら動けない男に向かいじりじりと間合いを詰めていく】

/すみません…眠気が…
/物凄い盛り上がり途中ですみませんが凍結をお願いしたいです
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/19(日) 02:28:32.67 ID:Q9JeSQI3o
>>435
/オーケーです、自分が気づくの遅れたせいですね、すみません……
/では今度絡める時は声をかけてもらえればと思います、おやすみさないませー
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/19(日) 02:29:55.86 ID:rC+280QJo
>>432

…………、はぁ………………。

【あのような大仰でダークな登場をしていたから、女性も"そちら側"の人間なのだと少女は思いこんでいたが】
【…………大きく、大きく溜め息をつく。女性の返答に、悪意のないことを察したようだ】
【薙刀の構えを解いて、くるりと手元で一回転させると、柄を地面に叩きつけ、体の横で立てた】
【死臭にまみれた極限状態から一転、何事もなかったかのような状態に戻ったのだ。その落差に、少々の戸惑いと疲れを浮かべて】

ふん…………普通の娯楽に興じるだけなら、まあ勝手にすればいいけれど。
それで、巻き込んだからには教えてもらうわよ…………あなた、結局何者なのよ。

【目の前の女性はあまりに暢気すぎて、自分が死んでいたことに気づいていないんじゃないかとすら思えるほどだ】
【だが…………この女性の復活のために、半ば事故とはいえ人一人殺した事実は、決して夢ではない。少女の顔は、未だに青くて】
【偶然とはいえここまで関わっておいて、このまま何も知らず帰るわけにはいかない、と思ったのだろう】
【疲労と困惑、それに悔悟の念を色濃く張り付けた瞳で、少女は女性に問いかける】
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 02:42:08.39 ID:SYN9qx5Lo
>>433
だから、悪かったって言ってんだろ?

───大体俺のせいじゃねぇってのに…

【言い返せばまた大変な事になる、子供の言うことだ───】
【そう、自分に言い聞かせて落ち着きを保ちながら、ばら撒かれたトランプを拾い集めて】
【…多分全部拾ったであろう、厚い束を片手にテーブルに向かう】
【呟いた悪態は、本当に小さく】

…なんでそう傲慢な態度を取れるかねお前さんは
…ラッシュ、ラッシュ・ワンスドッグだ

【席について、束をテーブルに叩いて直しつつ、呆れた様子で呟いた】
【『まさか普段からそうなのか?』なんてとても言える雰囲気ではないし】
【となれば、さっさと終わらせて退散するのが吉である、早速カードを二枚手に取って】

…こんなもんなぁ、ゆっくりやるより、こう…感覚でだな…

【とは言う物の、特別器用でもない彼はそうほいほいとタワーを建造なんて出来ない】
【二段目が立つのは早いが、既にガッタガタである、適当極まりない】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/19(日) 02:56:52.77 ID:kgeY17jjo
>>437

――――私を神か何かとでも思ったのかね?そいつは申し訳ない。

【”そちら側”の人間ではないことに謝りを示した】
【適当にあしらっているのか、将又まだ眠り心地に居るのか】

――――何者かと言われると、私はそれを答えることは出来ないな。
死に遅れた存在って話は貴方は信じないだろうからね、話はそれ以上も以下でもないね

【女は流暢に話して、スタスタと教会の入り口から去っていこうとする。】
【追いかけるのも良し、今まで見たことは一夜の夢として忘れるのも良し それは貴方の自由だ――――。】
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 03:02:56.48 ID:2hZ2FAQg0
>>438
【小さなぼやきが耳に入ったのかは定かでは無いけれど】
【帽子の隙間から覗える猫の耳がピクリと動いたかと思えば、視線が鋭くなって】


「僕は悪魔の眷属だから、人間何かよりもずっと偉いんだから当たり前の態度だ
……ドッグ……犬……?」

【悪魔の眷属。それを戯れ言と取るか、真実と取るかは男性次第だけれど】
【仮に真に眷属だとしたならば、実に頼りない物である】
【直ぐに取り乱したり、誰彼構うこと無く高圧的な態度で接するのだから】
【それにしても、何やら失礼な事を呟いたようにも思えたが――――】


「おい、ラッシュ犬。お前の感覚、そんなに不安定なのか?
それじゃあ精々三段くらいまでしかつめないじゃないか」

【不機嫌な表情を隠すことは無くて】
【積み上げている間にも、耳障りな横やり。挙げ句の果てには、ドンとテーブルを叩いて】
【些細な振動ではあるけれど、バランスが大切なタワー。基礎が不安定ともなりば――――?】


「……ふん。やっぱりただの人間じゃ難しいみたいだな
僕がお手本を――――わっ?!
は、離してよ!僕はこれからコイツに……!離してってばー!!」

【胸を張って、威張るだけ威張ったならばトランプを手にして向かい側で組み立てようとするけれど】
【何処かから現れた一冊の本。其処から伸ばされた細い手に捕まれれば、スルスルと中へと引き摺り込まれていって】
【――そのままトン、と指先がテーブルを叩いたならば、まるで意思を持つかのようにトランプが男性の前で組み上げられ、やがては12段の高さのタワーが完成することだろう】

【バイバイ。とでも伝えるかのように手を振れば、その腕も本も消えてしまって】
【僅かに残されたのは、魔族の残り香】
【それと――――少女の頼んだジュース代。プラスその他諸々の値段か】

/3時になりましたのでこれにて……!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!
/お休みなさいませっ!
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/19(日) 03:22:17.58 ID:rC+280QJo
>>439

…………死に遅れた存在…………?

【信じる信じないより前に――――それは理解できない言葉だった】
【一応、巫女として数多くの妖魔と戦ってきた身だ。どんなおかしな事情でも、嘘と断じて聞き入れない、なんてことはないが】
【…………先ほどからの、女性のはぐらかすような態度に、これ以上追求しても何も出てこないと感じたのだろう】
【ふぅ、ともう一度溜め息をついて、少女は女性に背を向ける】
【追ってもよかったのだが――――とりあえず女性に悪意はないようだし、何よりもこれ以上の"何か"を背負うには、今宵は少女の肩には重たいことがありすぎた】

…………答える気がないなら、もういいわ。
ただ、最後に…………幸徳井佳乃。この名前、覚えておきなさい。
ふん…………あなたも、名前ぐらいは教えてくれてもいいんじゃないの?

【少女――――佳乃は、去りゆく女性に自分の名前を告げる】
【万が一何か悪事を働いたら、その時は…………自分があなたの相手をする、と。そんな意志を込めて】
【少し過剰なまでの警戒心は、女性に対しての不信感がどうというより、素面のものだ】
【佳乃は不機嫌そうに鼻を鳴らして、一応女性に名前を聞き返す。答えてもらえるかどうかは、わからないが】
【そんな、出会いと比べればささやかすぎる触れ合いが終われば、佳乃は去っていく女性を背中で見送ることになるだろう】

…………………………。

【そうして、女性が去った後】
【それはきっと、あまりにも無駄で、あまりにも身勝手な行動だっただろうが――――】
【彼女の故郷に伝わるやり方で、自ら死んでいった者を小さく弔ってから、沈痛な面持ちで帰っていった】

/せっかくだしもうちょっと突っ込みたかったけど、眠気が限界です…………ぐぬぬ
/ここらで失礼します、お疲れさまでしたー!
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 03:35:32.68 ID:SYN9qx5Lo
>>440
悪魔だぁ?ケッ!テメェみたいに喚き散らすだけの悪魔ならまだマシだな…
悪魔っつーのはもっと───っておい!犬って言うな!

【実際、不安定なタワー建造なのは彼自身よくわかっているようで、二段目辺りからもう慎重である】
【そんな所に『犬』と禁句を言われた物だから、更に集中力が切れてきて、タワーは建築基準法を大きくマイナスに振り切る何かへと変貌していく】

…っるっせーな…いいか、こう言うのはバランスさえよけりゃナリが変でも───

【あからさまに苛々しながら、ようやく三段目突入、不安定な台座にカードを置こうとして───】
【局所的な小さな自身、基礎のなっていない高層建築は儚くも当然崩れ去る】
【目の前でバラバラと倒壊していくトランプタワーを呆然と眺め───】

テメェこの野郎!何しやがる!?

【なんだかんだ言って、制作物が他者に破壊されるのは快く無い物であって、少女に怒りの矛先を向けた】
【かと思えば、威張り散らしていた少女の姿が、なんだかメルヘンな状況で消えていく───唖然】
【…一体今迄の苦労はなんだったのだろう、トランプタワーを眺めながら、呆然とする彼の元に運ばれて来る、少女の頼んだジュース】

…あ

【───店の弁償代、もしかして…】




───うわああああああああああああああああああああああああ!!!

【絶望の叫び声は、夜の街に飲み込まれた───】

/お疲れ様でした
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/19(日) 03:57:08.98 ID:kgeY17jjo
>>441

――――名前ねぇ、昔は砂使いだの砂漠の狐だのハリードだの言われたものだがね。
名前なんてね、ただの記号でしかないのさ―――。

【飄々と、それを言ってのけながら戯けるように呟く】

では、またいずれ――――会う時はもう少しマシな場所でね。

【後ろに手を振りながら、消え去る様に闇に溶けこんでいった。】
【後に残ったのは、ここでは何も無かったかのように静寂が残るだけ。】

/お疲れ様でした
/久々にロールしたので面白かったでございまする
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/19(日) 17:50:48.22 ID:Q9JeSQI3o
>>435

―――全てを否定されるのは辛いだろうが、俺がハッキリと言ってやる
今迄君が行なってきた事は平和に繋がることの無い唯の殺戮行為だ

……「無駄な事」はもう止めろ……!!

【「封印術」なる呪縛から逃れようと筋肉を躍動させてはみるものの、その見えない鎖はやけに強固であり、彼を逃すことはない】
【言葉にするは、彼女の呪縛を解かんとする内容。そう簡単に溶けるものではないが、少しだけ自分と重なる所が彼女にはあったのだ】

【―――彼の剣術、一刀正伝唯刃流。かつて能力者に蹂躙されつつある現場を憂いて、彼の先祖が練り上げた「武」】
【仮想敵は全て能力者。持たざる者と持つ者、その圧倒的なスペックの違いを必死に技で埋めようとした】
【しかしその努力でも、その差を完全に埋めることが出来ない。偶然手に入れただけの能力者、唯思うがままに乱暴に力を振るう輩にも勝てない】
【努力が現実に否定され、自警団の仲間が能力犯罪者に殺されていく中で、能力者への憎しみが募ったのは事実】

【そして唯刃流、「対能力者剣術」の師範という立場が「能力者を倒さねばならない」と言った想いを強め、次第に其れだけの為に刀を持つ自分がいた】
【―――正義の心よりも、その想いを優先する自分が。その想いに縛られた自分が。……今では、この国で色々な戦いを通して正義の心を思い出すに至ったが】

―――くっ……!! 動けっ、動けッッ……動かんかぁァァッッ!!!

【地面を切り裂いて襲い掛かる光線。―――動かぬ限り、当たることは明白。動かぬ身体に飛ばすは喝。気合の咆哮が、身体に更なるエンジンを掛ける】
【―――と、突然その痺れが消えた。流石に半永久的に動きを封じるわけでは無いようだと認識するのもつかの間、もう既に光線は接近していて―――】

…………っツ……!!

【―――鮮血が、空に線を引く。当たる瞬間に男は左膝を「抜き」、瞬時に流水のような動きで右に逃げるも流石に完全に躱すことは出来ない】
【否、むしろあの短時間で直撃を避ける事が出来たことを幸福に思うべきだ。唯刃流の熟練された「地を蹴らない動き」が、敗北の沼から抜け出す手段となった】

……窮地は抜け出した。次で完全に捉える―――此方も殺しはしないが、もう「目的」は遂行させはしない
……そろそろ、効き始める頃か。君が気にした、この刀の「減魔」の力がな

【左ふくらはぎに奔る切り傷は、決して軽いものではない。機動力を奪われた事はかなり痛く、口では捉えるとは言うが勝算はそこまで無い】
【だが、こちらだけが不利なわけではない。「御代櫻」の持つ「減魔」の力は、切った相手にも響く。ごく小さいレベルでは有るが、一定時間能力を弱めるのだ】
【そして男は―――刀を腰の鞘に仕舞った。彼女の両眼の間をはったと睨みながらも、凝然として彫塑の如く佇立している】

―――脚を傷つけられては、此方「も」そう長くはない……今から見せるは、行き過ぎた力を持つ能力者への、持たざる者による「牙」……

【一見棒立ちにも見えるが、感じるだろうか。―――静かながらも彼から滲み出る、鋭く恐ろしい、まるで熟練の老兵が醸し出すような雰囲気を】

/返しておきますねー
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/05/19(日) 18:28:12.74 ID:OBrjTrovo
【郊外】

「――ヘケケケ、食った後は……運動だァーッ!」
『相変わらず元気ですね』 「だってよォ〜、動かねェーと身体がなまっちまうだろォーッ!」

【近くに森があるこの場所、一つの大きな鍋の近くに2人の人物が居た】
【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

「そろそろバトルする相手探すかァー」 「街の方に行けば、いっぱいバトル出来るはずだしよォッ!」 『……あなたが暴れた後のリカバリーは大変なんですよね』

【近くの枯れ木に殴る蹴るなどの暴行を加えつつ、戦いを望む彼――枯れ木をへし折ってしまえば、また次の枯れ木へ】
【この彼は、"下手な悪人より厄介で、下手な化け物よりよっぽど化け物している、緑髪のアホ"とも称される――】
【……散々な言われようだが、一度広まったモノというのは中々収束しないのだ、各地で戦いを望むがあまり、毎回やり過ぎて――そう呼ばれるようになってしまう】
【さて――この場所に訪れる者ははたして居るのだろうか】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 19:36:31.67 ID:2jLWezYvo
>>444

無駄…無駄な事? 何が無駄な事なんですか?
私は…私は今の今までずっと我が一族の遺志を継いできた

それが「無駄な事」?そんなことあるはず無い!

【きっと自分もどこかで理解していたはず、だからこそ男の言葉が胸に突き刺さった】
【自分が正しいと思い行ってきた行為、それを間違いと認めるのには少女自身には荷が重過ぎて】
【それ故に少女は声を荒げて男の言葉と自分の中にある迷いを否定した】

【剣撃を食らった場所からは想像もできないほどの血が流れていた】
【いつもの少女ならもっと頭が回ったのかもしれないが、今の少女にはそんなこと気にならなかった】
【だって体に付いた傷よりも、自分の隠していた心の穴を広げられた事の方が少女には致命傷だったから】

…無駄ですよ、動けたとしても…ね
近距離の貴方と遠距離の私、どう見ても勝負は付いている。

【心の焦りと体の傷、それを覆い隠すように少女は平静を装った】
【その姿は凄く滑稽で哀れでもある】

…貴方の正義はとくと受け取りました
私が御篭家の人間で無かったらきっと…きっと良い世界に惹かれて居た所でしょうね

【「窮地は抜け出した」それをただの強がりと受け取った少女は止めを決めるべく杖を掲げる】

「減魔」?私にはそんな物―――――?!

【男の最後の悪あがきを否定してやろうと言葉を紡ぎかけた瞬間、少女はとんでもないことに気が付いてしまった】
【自分の体から流れ出る血、そして男が今言った言葉、それが真実ならば優勢だった状況は一気に変わる】

【そう、想像されるのは今もっとも劣勢になってしまう最悪のシナリオ】

……な…なんでっ?!こんな事っ!!

【掲げた杖から発射されるのは光弾でも熱光線でもない、それはただ杖に纏わり付く微弱な光】
【生まれつき魔力の弱い少女にとっては杖こそが魔術を行使する上で一番重要な増幅装置だったのだ】
【それが今「減魔」の力で弱められてしまった、それは魔力の少ない術者には致命的過ぎるもので】

こ…これだけあれば十分です…

【殆ど0に近い魔力を杖を使って増幅する少女には虚勢を張ることしか出来なかった】

/昨日はすみません!しかも今日も遅れてすみません!

447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/19(日) 20:09:56.04 ID:Q9JeSQI3o
>>446

―――否定するのが怖いのだろう……ッ……!!
時間を無下にしてきたその事実を受け入れるのは苦しいだろうッ……!!

だが……っ……!! 受け入れなければならぬのだ……君にとっては悲しすぎるその現実をッ!!

【―――思った以上に、出血が激しい。 先程とは異なる「本物」の痺れが、左足を侵食していく】
【しかしながら、此処で攻めなければ勝利は来ない。彼女の躰が、ぐらついている今こそが、最後にして最大のチャンスなのだろう】

―――確かに間合いの差は明白……だが、その程度の困難を俺が乗り越えていない訳がない……!!
そのような常識は何度も覆してきた、そして……既に心で君は負けている

【平静を装う彼女に、更に言葉を飛ばす。挑発に近い言葉は、いわば第二の刃。言葉の刃で精神を、腰に収まった刃で肉体を攻めるのだ】
【しかし本当に、彼女の姿には動揺が見えていた。間違った信念だとしても、其れが揺るぎなければ脅威。然しながら、其れがブレている。そんな気がしてならない】

……今ッッ!! 

【減魔の力に動揺する彼女、その瞬間に上体を前に倒し、膝を抜いて疾走する。静かながらも、鋭い走り】
【脱力から、一気に肉体を躍動させる移動は、肉体に大きな負荷を与えるために傷の影響が響く。痛みにより顔が歪み、走りに僅かながらも影響を及ぼす】
【接近しつつ、左手を「柄」に当てた。―――居合というものは、左腰に剣を携えるなら右で抜くのが常識。然しこの男は―――】
【「左の逆手」で、左腰の剣の柄を握りしめた。そして、間合いが詰まったのなら、唯刃流「最速」の居合が放たれる―――!!】

―――唯刃流裏居合・逆抜ッッッ!!!!

【左手の逆手で抜き、抜いた刀の背を右手でつまみ押し上げる。唯刃流「最速」―――その意味は、単に剣速が速いという訳ではない】
【「最短工程」で剣が抜かれる故、「最速」と呼ばれるのだ。そして逆手で抜くことで、相手に向くは嶺―――即ち、「峰打ち」になるのだ】

【殺さない居合、其れが唯刃流裏居合逆抜。彼女の右脇腹を狙った、決死の一撃。―――さて、結末や如何に……!?】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 20:31:25.55 ID:2jLWezYvo
>>447

否定するのが怖い?そんなこと無いっ!
私は何も怖くないし苦しくなんてない!

私は言われた事を忠実にこなしているだけ、平穏を護ろうとしているだけっ!

【いつもの様にいう事を聞いてくれない体と男の心を射抜くような言葉に少女の体は限界だった】
【相手に何としてでも勝つ、そして自分の信念が正しいと証明する】
【そのために少女は限界近い体を無理に奮い立たせる】

心…心で負けている?そんな事がどうして?どうして分かるのです?!
私は負い目も引き目も感じてないっ!私は…私は正しいことをしているんですからっ!

【心の敗北、それを一瞬にして見抜かれたことで少女の心は完全に砕け散った】
【流れ出る血に砕けた心、全てが全てボロボロになった今反論する言葉なんて出てこない】

―――――――っっ?!

【疾風の如く自分に向かってくる男に少女がとる術は無かった】
【杖を盾にして攻撃を軽減するなんて考えも浮かんだのだが、傷ついた体はそれに反応しない】
【動かそうとした時にはもう間に合わなかった、男の剣それは確実に傷ついた少女の体を打ち砕き―――】

【自分の意思とは真逆に崩れ落ちる体に止まらない出血、それはもう少女が戦えない事を十分に示しており】

………―――――

【敗北と言う事実をいち早く知った少女、口を突いて出てくるのは傷と疲労による荒い息だけだった】

449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/19(日) 20:55:44.24 ID:Q9JeSQI3o
>>448

―――っぐぅぅッ……!!! っく、今の傷には……この技は重かったか……!!

【痛みに左足が耐え切れず、左膝が地面へと落ちた。然しながら、彼の逆抜が決まったのは事実】
【彼女の体を、いや「躰」を砕いたのだ。―――響く痛みに顔を引き攣らせながらも、濡羽色の視線を倒れる彼女へと移して】

……言われたことを忠実にこなす、か。 ―――其れは人形の様に、その意味も考えずに?
本当に「正しいこと」なのか……熟考した上での行動なのか? 折角広い世界を旅しているのに、君の世界は狭いように見える……

【急激な運動による身体の痺れを手足に感じながらも、震えた手で剣を鞘に仕舞う】
【大きく肩を動かして呼吸をしながらも、言葉を続けて】

君はまだ救いようがある……自分の行為を「常軌を逸している」と理解できているだけな
だから、今回は君を捕えない。―――我ながら甘いとは思うが、君の思想の変化に微かな希望を感じてのことだ
と言っても、今後自警団は君をマークするだろう……故に派手な行動はし難くなる―――っ、あーもしもし、〇〇公園に重症の子がいる、急いでくれ……

【―――言葉を紡ぎながらも、電話をかける。どうやら救急車を呼んだようであるが、呼んだのは1台。つまり自分は入る気は無いということ】
【そのままふらふらとした足取りで立ち上がれば、ゆっくりと公園の出口に脚を進める。大地を踏みしめながらも、最後の言葉を彼女に飛ばした】

―――どうだ、能力者を無能力者が倒したぞ? 行き過ぎた力を持っていようとも……俺は負けない
無能力者でも、能力者に勝てる。―――無能力者でも、能力者犯罪から人々を護れる。―――その事を、今、証明したまでだ―――……

【彼が遠ざかることに声は小さくなるが、彼女には聞こえただろうか。そして、彼の姿は完全に公園から消え去った矢先に、救急車のサイレンの音が遠くから響くだろう】
【無能力者、中邑瑛月とのこの一戦で、彼女は何を思うのだろうか。彼のこの選択が正しかったのかどうかは、その後の彼女の行動によって変わる】
【彼は願うは、自らの人生を縛る鎖を彼女が引きちぎること。今までの自分を否定する勇気を、彼女が抱くことである―――】

/これで締めです、遅くなってしまいすみません……ありがとうございました!
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/19(日) 21:16:14.90 ID:2jLWezYvo
>>449

……残念ですね、最後の最後に大きな間違いを言ってますよ。貴方は
私には最初から世界なんて存在しなかった、私が今生きている世界は一族が残した物で成り立った空虚な物
所詮は作り物の世界、貴方達が生きている世界とは限りなく似て非なるもの

【世界が狭いんじゃない、最初から自分は世界なんて持っていないと嘲笑する】
【与えられた世界の中で何も考えずに与えられた役目を演じるだけの存在、そんなことはずっと昔に分かっていたはず】
【でもそうではなかった、男の言葉。それは少女に残った僅かな何かを大きく揺れ動かせた】

その甘さが命取り…なんて言ってあげたいですけど…私が言って良い言葉じゃありませんね
私の思想の変化?変わってるわけ……

【変わっているわけ無い、そう言いたかったが、少女の口からはその言葉が出なかった】
【確かに少女は歪んでいて、殺人者だが嘘つきではない】
【完全に負けたのに何故か悔しくも悲しくも無い、寧ろどこか清清しかった】

……思いは世界の均衡さえ凌駕する…そんなこと誰も教えてくれなかった
もし世界に貴方みたいな人が増えたらきっと世界は平和になる、ううん。なっている…んでしょうね

【最後に男に見せた笑み、それは最初に見せた笑みとは違う心の篭った笑み】
【暖かい笑みを浮かべた手負いの少女はサイレンの音を子守唄に静かに意識を手放した】
【いつもとは違う深くゆったりとした眠り、少女が次目覚める時その時少女にも平穏な朝が訪れるのかもしれない】

/いえいえ、こちらも遅レスすみません!
/楽しかったです!また機会があればよろしくお願いします!
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 22:21:03.75 ID:+1lYpQkio
【某埠頭の某波止場】

【某国某地某日夜10時何分】
【真っ暗な人工的な港、埋め立てて作ったらしい場所】

【いろいろなコンテナが幾つも並び、倉庫と赤白の巨大なクレーンが遠くに見える】
【捨てられ錆びたオレンジの光の街灯、ポツンポツンと全てを照らすには足りない】
【チカチカと赤いライトが点滅した貨物船のシルエットが夜にボンヤリと映っている】
【後は、巨大な何かしらの工場。パイプと煙突。こちらとは違って昼のように明るい。それが遠くに存在している】

【山積みのコンテナ、静かな夜、人工的な海、気分が良いとはいえない潮風】
【それら以外何も存在していない。背景しかない場所】

【それに溶け込んだように一人の男が居た】

【高そうなスポーツタイプのバイク。つや消しのグレイの色】
【ハンドルにフルフェイスのヘルメットが引っかかっていて】
【後部座席に無理やりヒモで括りつけた大きな段ボール箱がある】
【油汚れみたいのがついた雑多な箱だが、やたらガムテープで頑丈に補強されている】
【バイク自体もところどころ傷があったり、ミラーが折れていたりしている】

【バイクにもたれ掛かっている痩せた男。革靴に三つボタンの黒いスーツだ】
【耳を隠すぐらいの髪。夜だというのに同じくらいのサングラス。革の手袋】
【海の方を向きながら、人差指と中指に煙草を挟んでいる】

【夜になるとまだ寒い。今はそんなことを軽く考えていただけだ】
【しかし、そんなことを思うためにこんな場所来たわけでもなく】
【この男は銀行強盗を一発かまして、ここまで各種追手を巻いてきた】
【一行で要約。ドラマも2度の命の危機もここでは省略させてもらう】

【さて、こんなところに他に人が来るなんてあるんだろうか?】
【追手?仲介人?通りすがり?こんなところに来る時点で普通じゃないな】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/19(日) 22:25:45.97 ID:D8gRNdlHo
【薄暗い路地裏】

えー映像記録開始

【セミロングの金髪に、灰色の瞳を持った若い女性が1人で歩いている】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、黒いワークブーツを履き】
【小さなリュックと、黒いタブレットを抱え】
【何やらぶつぶつと独り言】

前回は夜の公園にて「能力者」との接触に成功
今度は少々踏み込んで―――
公園よりも危険度は高いが、能力者との出会いの確率も高いと思われる
「路地裏」での調査を行います

【撮影機能を使用しているらしく】
【タブレットを垂直に構えながらきょろきょろと周囲を見渡している】

では……「能力者探し」を開始します

【1人の女性が、路地裏でタブレットを持ちながらうろうろ】
【あまり安心できない光景だが――――】
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 22:46:46.39 ID:SYN9qx5Lo
>>451
【コツ、コツ、コツ───いつの間にか響いている足音は、一度聞こえれば尚耳に残る】
【燻らす白い煙草の紫煙と、橙の火を闇に尾に引いて、歩いて来るのは一人の男】
【焦る様子も追う様子も無く、野良犬が縄張りを巡回するように、ただ何と無く近付いてくる】

───いいバイク乗ってんな

【男の背後に立ち止まった彼は、それこそただ何気無く、紫煙を吐くついでに声をかけた】
【黒いビジネススーツ、黒い革靴、爪痕みたいな模様の超絶にダッサいネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型の男だ】
【その右目には眼帯を───『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【機械的な柄を持つ刀を、これまた機械的な鞘に納め、ベルトの左側に挿している】

…こんな所に、こんな時間に、こんな格好で一人かい
…同業者か?

【こんな状況の場所にいる時点でまともな人間ではないと、自覚も含めてそう言えば、見慣れない人物への興味も湧く】
【体を向ける方角は同じだが、彼が見るのは目の前の男であって】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 23:16:38.04 ID:+1lYpQkio
>>453

【男は煙草を口元にもっていきながら、顔をそちらに向ける】
【ネクタイの代わりに胸元にシルバーのネックレスが揺れる】
【それは聖マリアをもし多様な形で文字やら何やら色々刻まれているが】
【どちらにせよそちらからは、アクセサリがある…程度にしか見えないだろう】

【ソレは数秒のことで、すぐに前を向いて煙草を先を灯す】

【煙を吐き出して、だらりと煙草とともに腕を膝に載せる】

あまり近付かないでくれ……まだ仕事中だ

【そうは見えない。ただぼんやり煙草を吸っているようにしか見えない】
【ただ言葉から警戒心とか気が立っているとかそういったものが感じられる】

今日の同業者の顔は覚えてるが……アンタみたいな派手な奴は居なかったよ
名前も覚えてるぜ。テナー、バリトン、ドラム……トランペッド……まあ、偽名だけどさ

【そんなことを呟きながら、時折吹く潮風を浴びる。錆びていく感じがする】

アンタの仕事は知ったこっちゃないが、同業者じゃないってのは確かだ
……撃ちあうのは今日はもう勘弁してほしいね

【スッと立ち上がって、革靴の音が小気味よく鳴る】
【煙草を口にくわえ、両手をポケットに突っ込んでそちらの方を向く】
【そして、嫌味のない笑みを、ニッとそちらに向ける】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/19(日) 23:47:38.85 ID:SYN9qx5Lo
>>454
…へぇ、そうかい、まだ仕事中か

【煙草を口に咥えたままで、冷えた空気を嫌がるように、両手をポケットに突っ込む】
【怪しむような風ではなく、単純に胡散臭い相手にそう思うような『嘘付け』という感情を抱きつつも、静かに返答を反芻した】

…そんなに派手か?大分地味な格好だと思うんだがなぁ

【隙間の空いたような心に吹き込む潮風は、もう何度も何度も浴びている、漣の音すらも聞き慣れた物だ】
【───そんな風に考える程感傷的でもないが】
【自分の格好のどこが派手かもわからない、寧ろ地味だと思うような人間には無理もないか】

今日はもう≠チてか?
…中々バイオレンスだな、おたくも

【此方を向いた男の笑みに、嫌味ったらしい苦笑いを浮かべて返し、ポケットから右手を出して煙草を指に挟む】
【ふぅ、と若干上向きに吐き出された紫煙は、散り散りに千切れて消えていく】

今日≠ヘ残り15分程度しかねぇぜ?
ま、こっちも撃ち合いは御免だけどよ
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/20(月) 00:22:25.67 ID:H0DYg4Mio
>>455

ああ、ここで散り散りになったビックバンドを待つ約束でな
今回のギグは客の入りが悪くてさ……ちょっと

【笑いながらそんなことを言っているが、どう見ても彼が】
【バンドリーダーには見えるわけもなく、何かの隠喩か、ただからかっているようにみえる】

ネクタイ、眼帯、それにその剣。パッと覚えられる特徴で、オリジナリティがある
手配書にでもかかれたら、誰でもアンタとすぐに分かるぜ?

【カツカツと辺りをウロウロ歩き回りながら】
【くわえた煙草を指で摘んで、煙を吐き出して】
【煙草を挟んだ指をそちらに、向けながらひらひらと動かす】

よく言われるよ…『バイオレンス』と『酒飲み過ぎ』、『運転ヘタクソ』は特にね
アンタだって、その様子じゃあ何かしらのバイオレンスをやっているんだろ?
映画じゃ、夜の波止場にはマフィアかブローカーか警察って相場が決まってる

【陳腐だな。と付け足して、何気なくバイクの方に寄っていく】
【新車のようだが傷だらけ、まるで気にしてないようだ】

俺には今日しかねえよ。今日が来て、今日を過ごして、気がつきゃまた今日だ
…明日を過ごしたことはねえよ。俺は…… だれだってそうだろうよ

【ポケットから小さな多目的ナイフのような物を取り出して】
【後ろに括りつけてあった、ダンボールのヒモをそれで切る】
【そしてそれを、担いでよっこらせと地面に置いた】
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/20(月) 00:55:28.62 ID:W7w06yUmo
>>456
【───自分が言えた話ではないが、この男は胡散臭い】
【直感的にそう思った、雰囲気といい、こちらを観察する眼といい、持ち出す言葉と言い───】

…まぁ、手配書に載りゃそりゃわかるような格好だろうよ

【流石にそこまで在り来たりな格好だとも思っていない、人相書きの特徴には事欠か無いアクセサリーばかりだとは自覚する】
【動き回る男を眼で追って、視界から外さないようにしているのは警戒を少なからずしているからか】

…そりゃあ、こんな時間にこんな場所にこんな格好でいるしな
今丁度終わって一息つく所だよ、これからまた別の仕事だ

【疲れた溜息は、遠く遠く───紫煙と共に昇天していく】
【ふと眼を向けたバイクは、新しいが傷だらけの惨たらしい物であって、それを見た彼は『どうしてこんなに傷を付けられるんだ』とか、『よく生きてるなこいつ』とか、頭の中に浮かんだらしい】

『今日しか見ていない』ってか?かっこいい事言うぜ
…ま、悪くねぇけどな、そういうのも

【男がナイフを取り出した時、内心警戒を強めた───が、それは杞憂であったらしい】
【積荷をバイクから下ろす男の手つきを眺めながら、皮肉るように笑って答えた】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/20(月) 01:09:19.97 ID:H0DYg4Mio
>>457

ネクタイだけでも替えることをお勧めするぜ

【そういいながらしゃがみこんだ男の首に巻いたアクセサリが揺れる】

【煙草をくわえたまま、男はダンボールに巻きつけられた】
【ガムテープをザリザリと切り裂いてそのくちをひらく】

なら、お互い無関心で行こうぜ。そのほうがやりやすい……
俺はこれが済んだら出て行くからよ。それでいいじゃないか

【ジャケットの内ポケットに手を入れて真鍮の懐中時計を取り出す】
【古いものとか高級そうとかそういった感じはしないが】
【今時懐中時計なんてものは不自然な雰囲気があるだろうか】

今日しかないんだ、今日しか見れねえよ……そんなもんだ
真っ暗な道を目をつぶって歩いてるのがお好きならお勧めするぜ―――

【男はダンボールを開ける、中には黒い布……たたまれたリュックサックがあった】
【それをとって、横に置くと、その下からは札束と金時計とエトセトラエトセトラ】
【男はそれらをザクザクと適当にカバンへと詰めていく】

――――銀行強盗とか………さ

【空っぽになったダンボール。ライターを取り出してかざす】
【スッと燃え移ったら、カバンを抱えてその場から少し離れた】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/20(月) 01:29:29.73 ID:H0DYg4Mio
/すみません、眠気がそろそろ限界です
/明日の夜にまた再開できると思われますが
/そちらの都合があるならばシメていただいても構いません
/その場合でも明日、必ず返信させて頂きますので 今日は失礼します
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/20(月) 01:46:25.38 ID:W7w06yUmo
>>458
ネクタイ───って、おいおいコイツは一番のお洒落ポイントだろ
いいか?これは今は無きDEAD STAR≠フ───…

【───どうやら触れてはならない話題だったらしい、見るからにダサいネクタイはお気に入りのようで、その上ぺらぺらと語り出す】
【まあ十分にも満たないでやめるが、それでもネクタイについての話題に気を付けるべきなのはお分かりだろう】

───………

【一人語っている内にも進んでいたらしい作業、その工程はともかく、中身の方が問題だ】
【どう見ても綺麗な物ではない、見た目こそ綺麗でも、中身は別だ】

───成る程な、同業者≠ナはねぇわな

【語る言葉で、正体見たり───苦笑いを浮かべて呟いた】
【自分の仕事とどちらが───なんてのは考える価値もない、やってる事は結局大まかにみれば同じ穴の狢だ】

…人を殺して食う飯と、どっちが美味ぇか───どっちも同じか
いい死に方しねぇぜ、互いによ

【口元から吐き捨てた煙草は、黒い靴底に踏み躙られ、コンクリートに挟まれて消える】
【ぐしゃぐしゃになった吸殻の汚れを地面に汚くなすり付けながら、燃ゆる炎に男は照らされて】
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/20(月) 01:47:54.83 ID:W7w06yUmo
>>459
/遅れてしまい申し訳ないです、月〜金の夜は来れないので返事は難しそうです
/返して置いてくだされば、返答が可能な時に返しますので…
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/20(月) 21:56:19.33 ID:H0DYg4Mio
>>460

服装にまとまりがないんだ。靴に金かけろって言うだろ?
ネクタイってのは使い捨てってぐらい使い分けるんだよ ……
そのスーツだってジャケットのシルエットがだな………

【こちらもあーだこーだと服装の持論を広げる】
【メラメラと燃える男のシルエット。センスはともかく言うだけあって靴とスーツは高そうだ】
【こんなコンテナ墓場でアンダーグラウンドの男たちは何故ファッション談義しているのだろう】
【これが彼らなりの日常なんだろうか。煙草臭いキナ臭い日常だ】

……ったく………

【黒い大きなリュックサックの口をチャックやらボタンやらで何重にもとめて】
【かなり重そうにそれを背負って、ヒモを腰に巻いて金具を止める】

俺は殺したことがないから、そっちの飯の味は知らない
ただ、ソッチのほうが高いもんが食えそうだな。
今日のこれだって…バイクは潰すし、あとは賄賂で殆ど残らないんだよ……必要経費だ

――俺は1回死んでるから、死なないんだよ。夜が続くかぎり

【またも意味深な言い回しの男。銀行強盗ってのはキザなやつばかりなのか】

おい、吸殻すてんな。最近世間が厳しいんだから………気をつけな

【そういう男は、燃えるダンボールの中に吸殻をスロー。燃え散って】
【しばらくすれば、すぐに燃えカスと焦げた臭いだけが残って何も無くなった】


/諒解です。本当にいつでも、ゆっくりで大丈夫ですので
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/20(月) 22:29:08.93 ID:NltjfW8h0

【その街のシンボルでもある時計台の下】
【やたらと香ばしい匂いを漂わせる袋を手にした女が、一人佇んでいて】
【纏っている物は所謂巫女装束。手にしているのは――――揚げたてのポテトチップスか】


「さて、今日も特に問題無く一日が過ぎていきますね
――――いえ、時間が過ぎれば過ぎるほどコレの風味も落ちてしまうので困ったものです」

【恐らくは自警団の一人。そして恐らくは見回り中――――の筈なのだが】
【真面目な装いをしながらもその手はひっきりなしにポテチを掴めば口の中に放り込んで】
【……機関等の事もあり、緊迫した状況の中でここまで奔放な者もあまり居ないのでは無いだろうか】
【果たして仕事一徹な者が見たら何と思うのだろう】


「――――後はこのまま何事も無く勤務時間が過ぎていけば良いのですが」

【パリっとまた一枚囓る音】
【近くを通り過ぎる者達の中には白い視線を送る者も居るが、そんなのは何処吹く風で】
【――――人々から送られる視線。そしてその匂いの事もあって近くを通りかかった者の興味を自然と惹くだろう】







【森の中に存在する廃れた教会】
【何時もはアリアが響いている其処だが、今日ばかりはただ無音が支配していて】
【もし、興味を抱いて中へと入ったのならば、丁度割れたステンドグラスが映るだろうか】


「――――――。…………?」

【丁度、詠唱が終わった頃】
【不意に差す月明かりの眩しさに目を細めれば、訪問者の姿を伺おうとするのだけれど】
【未だ月光に目が慣れていないのか、眩しそうにしていて】


「こんばんは……旅の方、でしょうか?
ええっと…………」

【代わりに首を傾げれば、それは「目的」或いは「知りあいかどうか」を訊ねている様にも見えるだろうか】
【艶の有る銀色の髪は月の光を鋭く反射させているけれど】
【それとは対照的に、修道女は何処か柔和な笑みを浮かべていて】

/長時間は難しいかも知れませぬが宜しければ!
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/20(月) 22:55:02.16 ID:UpnZVgVa0
>>463

【教会の入口。そこに立っていた人影は、開け放たれた扉から中を覗きこみ、緊張した様子で身体を震わせていた】

あ、あの! ……すみ……っ、すみません……!
夜が……夜が明けるまでで良いので、少し……ここに居させてもらえませんか……!?

【光を背にしたその人影は、やはり緊張した様な震え声でそう口にして。やがてその姿もハッキリと見えてくるだろう】

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女】

【ぎゅっと握られた手が、やはり緊張の為だろうか。びくびくと震えていた】

あの……道が分からなくて……!
それで、明るくなるまでで良いんです。ここに居させてください……!
……お金は、無いんですけど……

【どうやら道に迷ったらしく、一夜の宿を貸してほしいと言う事らしい】
【それでも、要件を言葉少なめにではあるが伝え切った事で、少女の様子も少しは落ち着いてきていた】
【「お金が無い」とわざわざ口にする辺り、単純に室内で時間を過ごさせてくれれば良いと言う事なのだろう】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/20(月) 23:12:24.40 ID:NltjfW8h0
>>464
【やっと光の刺激に慣れた頃――――同じくして、少女が口を開いた頃合いであろうか】
【言葉を遮ること無く聞き届ければ、一度頷いて歩み寄って】
【自らの膝に手を当てるように腰を折れば、きっと同じ高さの目線】
【安心させるように微笑みかければ、返す様に言葉を紡いで】


「そう、堅くならないで下さい。あなたがそう望むのでしたら、断るなんて事はしませんよ
お金も、必要はありません。手助けするのが私の仕事であって、喜びなのですから――ね」

【クスリ、と一度笑って答えたならば、少女の願いは聞き取れたと感ずる事が出来るであろうか】
【その手を握ることが出来たなら、優しく手にとって教会の奥へと歩ませるのだろう】
【立ち話。と言うよりも、訪問者を立たせたままというのも気が引ける。そう考えて行動する辺り、修道女の性格を窺い知れるか】
【――――着いた先は、古くさい長椅子なのだけれど】


「それにしても、道に迷ってしまうなんて災難でしたね
夜が明けるまでと言わず、あなたの気が落ち着くまで――――いえ、あなたの気が済むまで居ても大丈夫ですよ
あまり、人が訪れる事の無い場所ですから……
――――宜しければ、どちらへ向かっていたのか教えて頂けませんか?」

【カツリ――靴の音が良く響く教会内部】
【こんな小さな少女がこの時間、一人で出歩いていた事に疑問を持ったのか】
【問い詰める。という様でも無い故、適当に誤魔化してしまっても良いのだろうけれど……】
【もし、目指している場所を自分が知っていたならば、何らかの力にはなろうとして居るのが分かるだろうか】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/20(月) 23:24:16.62 ID:UpnZVgVa0
>>465

あっ……ありがとうございます!

【ぱぁっと、少女の表情が笑顔に染まる】
【それまでの、緊張で強張っていた顔が、屈託の無い笑顔で満たされた】
【手を引かれるままに、少女は修道女の後へとついて行き、教会の中へと入っていく】

あ……そ、その……えっと……

【どこに向かっていたのか。それを聞かれると、少女は何故か再びどもり出す】
【気軽に答える事の出来ない質問と言う事なのだろうか。少女は懸命に答えを探している様に見えた】

「――――それが、こっちにも良く分からねぇんだ。気が付いたらこんな森の中に居てよぉ?」
あ、ちょ、ちょっと!!
「良いから。……で、どうもここ、俺たちの知ってる世界とは違うな、って気がして……」

【――――突如、少女の言葉が乱雑な男口調になる。その時、何故か一人芝居の様に少女が焦った表情を見せるのだが】
【先ほどまでのおどおどした態度は消えて、しっかりと力の籠った視線を修道女へと向ける】
【――――その瞳の色が、緑色から赤色へと変わっていた】

……って事だ。だから、夜が明けたら人の集まる……街の方へと行って、色々と見てこなきゃならねぇ
でも、暗いうちに土地勘の無い場所を動きまわるのも自殺行為だしよ……そんな時に、ここを見つけたんだ……

【まるで男の様な口調だが、声音は先ほどと同じ幼い少女の物で、どこか歪な印象を与えるだろう】
【更に言えば、その語る内容も、どこか突飛なものだった】
【その言葉を真に受けるのならば――――この少女、異世界人と言う事になる】
【突飛な話ではあるのだが――――それを事実と考えれば、道が分からないのも、金を持っていない――――少なくとも、この世界では通用しない物しか持ってない――――事も、意味が通じるだろう】
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/20(月) 23:46:05.73 ID:VI9D1kb7o
【とある臨海公園】

【広々とした敷地の端、安全策の設けられた、海に臨む崖上に二人の人影があった】
【1人は鮮やかな赤髪を腰元まで伸ばした少女とも女性とも付かない人で】
【彼女は暖かそうな肩掛けや、ロングスカートを身にまとった柔らかな服装】
【手にはバッグを持っていて――海を眺める表情は、些か暗く】

(UNITED TRIGGERに所属していた、アンジェル・ベルジュロン……、…。)
(あのセリーナって人は私のことを知ってるどころじゃなくて、まるで友達みたいだった)

……まさか、嘘じゃないよね。キングさんだって、見付かるって言ってくれたし
それにわざわざ、私なんかを騙しても良い事なんてないんだし……
メイドさんは……、…これから私がどうすればいいか、とか…―――

『―――さあ、私はなんとも。なにせメイドですから、身辺のお世話以外出来かねます。』
『ところで――……サンドイッチを作りすぎてしまったのですが、お食べになりますか?』

【もう一人、メイドさんと言われた方は―――まあ、説明するまでもなく、メイドさん】
【白黒の服装は飾り気がなく、強いていうなら腰元と後頭部の大きなリボンがチャームポイントか】
【紺色の目と瞳は感情を感じさせない為に、なんとも仕事一筋という印象がある】

【――さてそんな二人だったが、ふと海を眺めながらベンチに腰を下ろし】
【メイドの持っていたバスケットを開くと、そこから漂うのは美味しそうなサンドイッチの香り】
【その匂いはきっと、潮風に乗っていくらか遠くまででも届くかも知れず―――。】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/20(月) 23:49:56.74 ID:NltjfW8h0
>>466
「……当たり前の行いですから、感謝の必要はありません
それに、何処へ向かっていたとしても、私は批判するつもりはありませんよ
とは言え、答え辛い事ならば無理にとは――――?」

【可愛らしい笑みを見たならば、ふと表情を緩めるけれど】
【答えにくそうな様子を見て、それ以上無理に言葉にする必要は無い――そう、促そうとしたとき】
【人格の変化を思わせるような口調。けれども、その中でも確かに少女の言葉を聞き取って】
【きょとんとした様な表情――自らの顎に人差し指を添えたならば、その言葉の意味を理解しようとするのか】


「知っている世界と違う――――なる程、書物で読んだことがありますが、所謂異世界から訪れた方……迷い込んでしまった方、という事でしょうか
或いは、魔界か何れから放り出された……様には見えませんね」

【打って変わった様子。向けられる朱の双眸には、銀の双眸で返して】
【警戒する様子が無いのは、少女が――――そして、同じ身体に住んでいるであろう者が、危害を加えるような者では無いと判断したからか】
【真面目な表情で、なる程。何てもう一度呟けば、表情も柔らかいモノへと戻って】


「確かにそうですね……本当にあなた“方”が知らない世界から来たのならば、様々な物を見るのが良いのかも知れません
そうすれば、帰る方法も見つかるかもしれませんし……

――――ふふ、あなた方の居た世界では魔物という存在が居たのか分かりませんが、きっと最善の判断ですよ
しかし、違う世界……ですか
一つの身体に二つの人格を宿したのが、能力なのかは分かりませんが――……
全く知らない場所で迷ってしまっていたのならば、きっと凄く疲れた事でしょう。疲れが癒えるまで、休んでいって下さい
何か聞きたい事がありましたら、遠慮無くどうぞ。世間には疎いので、全てを答えられる自信はありませんけれど……」

【そして、その言葉を疑う事無く耳に入れたこの修道女も変わり者か】
【一つの身体に二つの――――自身もとある事を理由に其れを理解して居るからこそ、問い詰める事も無くて】
【迷い人を労ったならば、何か手助けできることはあるか――そんな旨を伝えるのであろう】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/21(火) 00:07:40.68 ID:KXICx9450
>>468

……はぁ……こっちじゃ、そう言う『紛れ』は本になる位にはあるものなのかよ……
だったら、妙におどおどとしてたのも、取り越し苦労だったって事だな?
(そ、それはそうなんだけど……でも、仕方がないよ……!)

【異世界からの来訪者。それを『紛れ』と表現しながら、少女――――仮に『赤の人格』とでも呼ぶが――――は、やはり静かに頷く】
【この世界は、そうした存在を受け入れる土壌があるのかと。それを知り、少しは安心したようで】
【――――先ほどの、恐らくは少女自身の物と思われる声が、妙な残響を響かせながら聞こえてくる】
【肉体の主導権が無い故に、ある種のテレパシーに近い感覚で、音を発しているのだろう】

そうだな。とりあえず、まずは元の世界に戻る事を前提に考えなきゃならね……って、魔物!?
んな物まで居やがるのか……なんか、色々とすげぇ世界だな……

【先の方針を、とりあえずは落ち着いて考えようとしているのだろう】
【しかし、修道女の口にする『魔物』という単語に赤の人格は、相当に驚いた様子を見せる。そう言う物とは無縁な世界を過ごしていたのだろう】

「あーら、ちょっと待ってくれるかしら?」
っ、てめっ勝手に……!
「あなただってやった事じゃないの……――――っと、二つじゃなくてよ。三つ……あたしも居る事、別に必要じゃないけど……忘れないでね?」

【二つの人格――――その言葉に反応してか、再び少女の様子がおかしくなる】
【そうして、すっと顔を修道女に向けた時――――緑から赤へと変わっていた瞳は、今度は青へと色を変じさせていて】
【どこか刺々しさすら感じさせた力強い視線は、容姿の幼さとはミスマッチで、毒々しさすら感じさせるほどの妖艶な笑みを浮かべていた】
【――――会話に混じってはいなかったが、自分も居ると言う事をアピールする為だけに――――先の呼称に倣って『青の人格』と呼ぶ――――わざわざ出てきたのだろう】

そうねぇ……じゃあ、良かったら人の集まる場所について……と言うか、この世界の都市とかについて、教えてくれないかしら?
それと……もし、そう言うものがあるなら、だけど……霊的に力を持ってる場所……パワースポットとでも言えばいいのかしら、そう言う場所を知ってるなら、聞かせてちょうだい?
「(だな……今必要なのは、そこら辺の情報か……)」
<(う、うん……そうだね……)>

【聞きたい事があれば、と言う修道女の言葉に甘えて、『青の人格』が肉体の主導権を握った少女は、唇にそっと指を沿わせながら考え込み】
【人の集まり――――主だった集落の情報、そして魔力や霊力のある力場について知っていれば教えて欲しいと口にする】
【少女自身、そして『赤の人格』も、『青の人格』が聞こうとする内容に、大まかに同意をしたようだった】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/21(火) 00:40:09.31 ID:vhAWjGqd0
>>469
「逆に言ってしまえば、本として纏められる程には珍しい存在……では無いでしょうか
私も、読んだ事があるだけで、実際に目の当たりにした事は無いので……
――――ですが、きっと、異世界の方……と言うだけで拒絶するような世界では無いと思いますよ」

【男性口調に思えるその言葉を聞いて、先程までの様子を忘れていたのか】
【拒絶する様な世界では無いから、安心しても大丈夫――そう、言葉を紡いで】
【世界全体の事は分からないけれど……少なくとも、今まで自分が出会ってきた人物達は、皆その様な筈】
【何処か確信めいた言葉。勿論、目の前に居るその修道女も拒絶の感情とは無縁】


「ええ、魔物です。ドラゴンとか……その辺りを挙げたならば、率直に伝わりやすいでしょうか……
私達からすれば、それが普通の世界、ですが……確かに、あなた方から見たならば、きっと不思議な世界なのでしょう
そう思えることが、何処か羨ましくも感じてしまいますね……」

【変わりない世界。という訳では無いけれど】
【世界が変わってしまえば、理も大きく異なるのだろう。故に、その変化を何処か羨んで】
【――――そんな最中、少女に再び訪れる変化。全く異なった口調為れば、小首を傾げて】


「……失礼しました。もう一人、居らしたのですね
ともなれば、額の其れに適っただけの方達が居る……という事でしょうか……?」

【最初に視線の高さを合わせた際、先ず目に付いたのが額の特徴。思い返せば、その双眸の色と合致して居ただろうか】
【じーっと瞳を覗き込んだならば、こくりと一度頷いて】
【――忘れないでね。その言葉に対する反応か、或いは都市について教えてくれ、との言葉に対してか】


「先ず、この世界は幾つかの国がありまして――――」

【やがて語られるのは、一般的な知識か。それぞれの国の特徴。主な都市】
【つけ加えるならば機関等の事も説明したのだけれど、修道女自身もよく分かっていないのか、本当に大雑把な事だけで】
【パワースポット。その言葉には、少しの間、考え込むかの様に視線を上に走らせるけれど】


「そうですねー……先程挙げた櫻の国の神社やお寺等でしたら、あなた方の言うパワースポットに近いのかも知れません
後は遺跡等にもありそうですけれど……やはり、その様な場所には危険も潜んでいますし……
あ、一応此処も、少しは神聖の力がありますよ?」

【満足のいく答えにはならなかったかも知れない――――が、それなりに頑張って導き出した答えか】
【何処か申し訳なさそうな表情で謝れば、最後に一言付け足して】
【――――確かに、廃れたと言っても教会。僅かでは有るけれど、独特の気配き感じ取れるだろうか】
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/21(火) 01:04:57.41 ID:KXICx9450
>>470

「(……まぁ、確かにそうとも言えるんだよな……でも、出鱈目なオカルト話って扱いでもないんだろ?
ならそれで、もうこっちとしちゃありがてぇよ。異邦人、どころの騒ぎじゃなくなりそうなところを、何とかできそうだからよ……)」

【『赤の人格』の声は、少女の肉体を通さずに発される事で、口調に似合った若い男の声音となる】
【それでも修道女の言う通り、異世界人が恐怖やら軽蔑の対象になっていなさそうだと言う事は、彼らにとっての希望なのだろう】

「(……あー、まぁ……人外の脅威って奴は、少しだけ縁があったのは事実だけどよ……)」
<(すごいね……まるで、ハイファンタジーの物語の世界みたい……)>
あたしも興味あるわねぇ……なんだか、ぞくぞくしてきちゃうじゃない……

【具体的な例示。確かにそれで内容は了解されたのか、思わず言葉を失うと言った様子の2人】
【『魔物』と言う存在とは、縁の無い世界ではあったらしいが、それでも何らかの脅威と対面したと言う経験はあるのだろう】
【一方で、現在肉体の主導権を握っている『青の人格』は、蠱惑的な笑みを幼い表情に浮かべながら、腕を組んで見せる】
【――――どことなく『可愛らしさ』が先行する容姿で、そうした艶っぽい仕草は、やはり妙な毒気を感じさせるのだろう】

そ。そう言う事ね……まぁ、本当はこの身体、あの子の物なんだけど……
<もう、だったらそろそろ返してよ!>
あー、はいはい……

【人格がコロコロと変わってもやりにくいと言う事なのだろうか。『青の人格』はあっさりと身を引き、再び少女自身の人格が戻ってくる】
【その証拠に、瞳は再び緑色へと戻っていた】
【そして、少女の額にあった三色の円環――――修道女の予想通り、それが彼女の肉体に宿る人格を表しているのだろう】

……色んな国と、組織……かぁ
「(……なんだか、物騒な状態になってるじゃねぇか……)」
<(そうでもないでしょ? あたし達たちの世界だって、似たようなものだったじゃないの)>
「(まぁな……でも、そうなると慎重に行かなきゃならなそうだな……)」

【世界の基礎知識を伝授され、考え込む様子の少女】
【それに合わせて、側に赤と青の発光体は浮かび上がり、先ほどのそれぞれの人格と思しき声で喋り出す】

……神社にお寺……聖堂みたいなものですよね、確か……
「(宿る力が本物なら、確かに多少はエネルギーを発してるんだろうが……)」
<(……ここのだと、ちょっと足りないかもね……少なくとも、世界を移動するって考えると、相応の力が必要よねぇ……)>
「(あぁ……だが、確かにここもパワースポットの一種なんだな……しっかりした信仰と、奉られてる神の力が、あるんだろうぜ……)」
うん……私も少し感じられる……ここも、凄いよね……

【パワースポットの方は、聞きたい方向性はあっていた様だが、本人たちはあまり納得した様子を見せていない】
【――――世界を飛ぶ。その行為ともなると、相当の力場を巡る必要がある。すぐには上手く行きそうもないと言うのが、3人の見解だった】
【この教会に力が宿っている事は、3人とも感じている様だが、やはりそれを使って何かをしようと言う気は起きなかった様だ】

――――ん……ご、ごめんなさい…………急に疲れちゃった…………少し、失礼しま、す…………
「(あーぁ、寝ちまいやがってんの……まぁ、無理もねぇか…………精神的に疲れちまうよな……)」
<(えっと、ごめんなさいね。このまま、夜が明けたら起こしてしまうんで、ちょっと寝かせてあげてね?)>

【そうして思考を纏めようとしていたのだが、少女は疲れてしまったらしく、挨拶もそこそこに長椅子に座って背もたれに身体を預けたまま、寝入ってしまう】
【身体を離れた2つの球体も、呆れつつ修道女に改めて断りの挨拶を告げると、その身体へと戻って行った】
【――――異世界よりの来訪者も、流石に精神的に疲弊していたらしく、すぐに幼い寝息を立て始めた】

/ちと唐突ですがこの辺で……乙でしたー!
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/21(火) 01:42:26.26 ID:vhAWjGqd0
>>471
「とは言えど、迫害する方が居るのも確かです――から、世界を巡るのだとしたら、十分に気を付けて下さいね
あなた方ならば大丈夫かと思いますが……」

【どちらかと言えば世間とは離れて暮らしている――――けれど、表があるならば裏も然りと存在する事は知っているから】
【不安にさせる事かもしれないが、今は口に出すのが優しさか】
【万が一――――暴行される可能性。零、とは言い切れない】


「まあ……元よりこの世界で生まれた私も、詳しくは知らずとも此処まで生きていられたのです
神経質にならずとも……その内に、自然と理解してきますよ
可能であるならば、それまでに元の世界へと戻れると良いのですが……」

【特に機関との関わりを持つ前に――――それが、一番の安全とも言えようか】
【付け加える言葉は無いけれど、何処か不安そうでもあって】


「ええ、きっと古くから信仰されてきている場所ならば、求めている物があるのかもしれません
具体的な場所は、やはり分かりませんけれど……
世界を超える、ともなれば……

――――まだ小さいのに、過酷な事になってしまいましたね……
…………決して無理だけはしないで下さいね?」

【せめて、一つだけでも名前を出せたならばと考えて居れば――――】
【疲労を告げる少女に頷いて】
【二つの言葉に返せば、薄い毛布を一枚少女に掛けて、その場を静かに去るのであろう】
【翌朝、隣に少しのお金と食料があったけれど――――持って行くか否か、それは少女の自由であって】

/了解ですー!
/お疲れ様でした―!
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/21(火) 17:59:18.77 ID:ONI6fEASo
>>462
…高いもんなんざ食えねぇよ、割に合わねぇブラックさ
ま、しょっちゅう殺ってる訳でもねぇが

───吸血鬼かよ、お前は

【はぁ、と小さな溜息。仕事が危ない物だからと言って楽が出来る訳でもない】
【苦笑いを浮かべると、キザな男の言い分をそのまま例えて呟いた】

そういう所は気にするのかよ、今だって吸殻以上の物がそこら中で棄てられてんだぜ
こんな吸殻程度で世間様がどうとなるとも思えねぇがな

【そういう問題ではないが、半ば憂いを帯びたような、諦めたような気怠い声は、そう紡いで】
【燃ゆる炎と、燃え尽きた匂いが、鼻から目から、同じような心だと言われている気がした】

…そろそろ、か
…ったく、たまにゃあ家でゆっくりしてえぜ

───じゃあな、お互い精々長生きしようや

【時間だ、そろそろ次の仕事が待っている】
【休む時間はいつになるやら、うんざりした様子で肩を落とすと踵を返す】

【共に長生きしなさそうな裏稼業、ならばそれなりに長生きしようかと、後ろ手振って】
【夜の波止場に、遠ざかる足音一つ───】

/お待たせして申し訳ありません、お疲れ様でした
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/05/21(火) 20:18:15.65 ID:F2R9Hj970
【街から少し離れた場所にある廃墟】

【―――所謂“吹き溜まり”の集まるような寂れた場所に佇む影が一つ】
【それ以外に人の気配は無いようだが―――その代わりに何か“妖気”とでも言うべきモノが周囲に充満していた】

ま、この辺だったら大丈夫でしょ……草原とは違って見通しが悪いしね
それはこちら側から見付けにくいということでもあるんだけど――――
探知結界さえ張っていれば大丈夫、平気平気!!平気だよね!?

【影の正体はどうやら20歳前後の―――所謂青年といったところの男性であった】
【その青年は立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、真に奇妙な人物で】
【これから何かやらかそうというのか、執拗に周囲を警戒して見回していた】

ええと、材料は―――ああ、ここにあった……怪しいエメラルド・グリーンの結晶!!
貰ったものはすぐに使う!!そうじゃなきゃあ失礼ってもんだよね?

【やがて、警戒を解いたのか―――青年は何やらコートの中を探り始めると】
【ポケットからエメラルド・グリーンの結晶を取り出して、コンクリートで出来た地面の上に置いた】

そしてさらに……氷の国でもないのに、耐寒服を身に着けていた変な男から買い付けた怪しい装飾品!!
いいね!!いい呪いがかけられてる!!この合わせ技で『リユニオン』も期待できそうだね!!

【さらに男はコートの中から怪しげなネックレスや首輪を次々と取り出しては、先ほどと同じ場所に置いていく】
【見れば、装飾品が置かれた場所には召喚陣と見受けられる魔方陣が描かれていて―――】
【その左下と右下にも一つづつ、丁度三角形の形になるように同じ魔方陣が描かれていた】

【さて、先ほどから何か儀式のようなモノを進めている青年であったが―――どうにも警戒が疎かになってしまっているらしく】
【最初から漏れ出している“妖気”が招かれざる客を呼び寄せると言う可能性も頭の隅に追いやられてしまったらしい】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/21(火) 21:06:24.54 ID:OfH6nAvEo
>>474
【夜も深い廃墟から漂うは、決して人ならざる妖気=z
【その不気味な威容と人気のない廃墟という土地柄もあって、近寄る者はまずいないだろうが】
【もしそれに惹かれるものが居るとすれば、同じ気を放つ妖魔か――――あるいはそれを祓う者か】

…………………。

【そして今、暗い暗い廃墟の中へ臆することもなく踏み込み、慎重ながらも堂々とした足取りで進む、小さな陰があった】
【それは手に持った光源で辺りを照らし、警戒しながら妖気≠フ出所を探る】
【その光は、周囲と一緒に自分自身を照らし出して、徐に闖入者の姿を映し出す…………】

【それは、朱色と金色で描かれた山紅葉と銀杏の模様が各所に散りばめられる、何とも美しい浴衣に身を包んだ十代ぐらいの少女だった】
【背丈は平均的だが、白い肌とうっすら紅に染まった頬、枝垂れるように長い睫毛が特徴的な立ち姿】
【漆で染めたように艶めく黒髪は、日に焼けてほんの少し赤紫色を差していて】
【やや長めの前髪、顎までで揃えられたもみ上げ、胸までの長さの後ろ髪と、そのすべてが一直線に揃えられた髪型をしている】

(……………声?)

【険しい表情で周囲を警戒する姿は、一見場違いではあるものの――――注意して見れば、漏れ出す妖気≠ノ惹かれた者だとわかるだろう】
【廃墟の淀んだ空気が彼女の周りだけ清浄に濾過されていくような、目の覚める神聖≠ネ雰囲気が、彼女の周囲を覆っているのだ】
【持っている光に目を凝らせば、その出所も何やら和風な札≠ェ発光しているものだということもわかる】
【それらの情報は、彼女が祓う側≠フ者であることを示していて――――まだ先客≠ノは気付かないままに、わずかに捉えた声の方向へ進んでいく】
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:17:24.75 ID:b/FOdrFh0
キャラごと消えろ鈴音
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/21(火) 21:23:04.15 ID:vr0ClcQVo
【深い森】

【灰色の地面、黒い木々、燐光を放つ青い果実、欠けた月】
【そして滾々と水を湛えた綺麗な泉の側に、一人佇む若い男の姿があった】

……刀、どこに遣ったのだか

【腰に届く紅茶色の髪、左右で瞳孔の開き幅が揃わないオリーブ色の目】
【黒の祭服を纏い、肩から斜めに金鎖の輪を掛けて、吊るされた魔道具達が音を立てる】
【長身白皙、長めの爪先に紫色を乗せ、黒の高いヒールが更にその背を高く見せていた】

【周囲を軽く見回して、はてと頸を傾げればさらさら長い髪が零れて】
【茫としたままその場を動かない。彼が醸す魔の気配を知らねば、隙だらけと見れる状況】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/05/21(火) 21:32:20.27 ID:WiiYcs+eo
【郊外】

「――ヘケケケ、食った後は……運動だァーッ!」
『相変わらず元気ですね』 「だってよォ〜、動かねェーと身体がなまっちまうだろォーッ!」

【近くに森があるこの場所、一つの大きな鍋の近くに2人の人物が居た】
【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

「そろそろバトルする相手探すかァー」 「街の方に行けば、いっぱいバトル出来るはずだしよォッ!」 『……あなたが暴れた後のリカバリーは大変なんですよね』

【近くの枯れ木に殴る蹴るなどの暴行を加えつつ、戦いを望む彼――枯れ木をへし折ってしまえば、また次の枯れ木へ】
【この彼は、"下手な悪人より厄介で、下手な化け物よりよっぽど化け物している、緑髪のアホ"とも称される――】
【……散々な言われようだが、一度広まったモノというのは中々収束しないのだ、各地で戦いを望むがあまり、毎回やり過ぎて――そう呼ばれるようになってしまう】
【さて――この場所に訪れる者ははたして居るのだろうか】

/あまり長い時間は居れません
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/21(火) 21:44:32.69 ID:F2R9Hj970
>>475
(ん?……どうやら“釣られちゃった”人が居るみたいだね―――ってもうこんなに近くに居るじゃないか!!)
(夢中になりすぎちゃったのかな……?この距離じゃ“お帰り願う”ことも“隠す”ことも出来ないや)
(でもどうやら“同胞”みたいだし……見られても特に問題ないよね?―――ってことにしておこう!)

【よほど儀式に集中していたのだろうか?―――態々“急の来客”に備えて探知結界を張っていたというのに】
【青年は少女がこちらに気が付く少し前までその接近に気が付かなかったようで、少々焦りながら対処法を考える】

【だが結局、少女の纏う神聖な雰囲気に自分と同じ“祓う側”の存在であることに気が付いたのか】
【とりあえず、余計に怪しまれないように―――儀式の中断を行うことにしたようで】
【青年がダン!と足を踏み鳴らすと、地面に描かれていた3つの魔方陣は姿を消し―――同時に、周囲に立ち込めていた“妖気”も薄れていった】

【そして青年は、厄介な“急の来客”に備えて人当たりの良さそうな笑顔を作り上げて―――ゆっくりと、少女の方に向かって歩いていった】

やぁ!こんばんわ……思っていたより若いね!!それはそれとして―――この場所に何かようかい?
―――いや、これは流石に白々しすぎるね……“僕に”何かようかい?

【青年は少女に余計な警戒心を与えないよう注意を払いながら―――笑顔で、かつ友好的な雰囲気を醸し出しながら話しかける】
【それでも妖気の漂う廃墟に1人で居るような人物を最初から信用できないだろうと考えたか、あっさりと妖気の出所が自分であることを認めた】

【少女にもしも妖気や邪気、ならびにその“逆”の存在を感知する能力があるとするならば】
【青年のコートの中から妖怪や魔族、その他魑魅魍魎の生み出す息の詰まるような妖気を感じ取ることが出来るだろう】
【だが同時に―――青年自身からは少女と同じく、“神聖”な雰囲気を感じ取ることが出来るはずだ】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/21(火) 21:48:16.81 ID:HPqtkQY8o
【――とある街。薄暗い路地裏】

えー映像記録開始

【セミロングの金髪に、灰色の瞳を持った若い女性が1人】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、黒いワークブーツを履き】
【小さなリュックと、黒いタブレットを抱え】
【何やらぶつぶつと独り言】

前回は夜の公園にて「能力者」との接触に成功
今度は少々踏み込んで―――
公園よりも危険度は高いが、能力者との出会いの確率も高いと思われる
「路地裏」での調査を行います

【撮影機能を使用しているらしく】
【タブレットを垂直に構えながらきょろきょろと周囲を見渡している】

では……「能力者探し」を開始します

【1人の女性が、路地裏でタブレットを持ちながらうろうろ】
【あまり安心できない光景だが――――】
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 22:05:45.60 ID:Oni5Tr+r0
セシルは鈴音追い出してくれ 英雄になれるぞ
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/21(火) 22:09:55.85 ID:OfH6nAvEo
>>479

(……………妖気が…………? これは…………)

【青年の一歩手前まで歩いてきていた少女だが、突如霧散していく妖魔の気配に眉をひそめる】
【しかし彼女は、そこにあった邪≠フ気配の代わりに、何か浴び慣れた力のようなものを、小さく感じ取って】
【だがそれについて詳しく思索するより先に、少女は青年と遭遇することとなった】

………………あなた、は…………。

【青年の姿を認めると、少女は一瞬びくりと体を震わせた】
【本来の彼女であれば、この場所から妖気≠感じた以上、目の前の男もその関係者と考えて厳しく誰何を問うところだったが】
【青年に何か声をかけるより先に――――相反する二つの力が混じり合う奇妙な気配に、少女は瞠目した】
【コートの中からは咽ぶような邪≠フ気配が、青年本人からは清澄な神聖≠ネ気配】
【…………遠い昔にも嗅いだことのある、その清濁合わさった独特の匂いが、少女に苦い思い出を想起させて】

こんな辺鄙な場所に、用なんて無いわよ…………。
ただ、あなたが垂れ流していた怪しげな妖気=c………問いつめないわけにはいかないわ。
…………同業者≠ネらわかるでしょう?

【つい、と一度地面に視線を落とし、その思いを一時振り捨ててから、少女は改めて青年に話しかけた】
【笑顔で友好的に振る舞う青年の心遣いも、警戒心の塊のようなこの少女には、残念ながらあまり効果はなく】
【無愛想に、ぶっきらぼうに、不機嫌そうに、不信感をまるで隠そうとしない口調で】
【コートの中で燻る気配のこともあり、同業者であるかどうかは判然としないが…………そうであることを小さく願って、敢えて断定した】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/21(火) 22:38:10.55 ID:93VgvjyPO
【桜並木の下、闇夜の中に深い影が浮かび上がる】
【それは目を凝らすと人の形をしていた】
【裾の長いコートとやや長めの髪、そして瞳は闇よりもさらに黒い】
【白い顔と何も持たない両手だけが浮かび上がっているように見える】
【その顔はやや中性的ながらも男性として成熟したものであり、年の程は丁度青年と呼ばれる歳を越えたくらいに見える】
【彼はすっかり青くなった桜を見ながらゆっくりと夜の散歩を楽しむ】

今日も晴れてよかったわ
この間は楽しかったわ
今日もステキな出会いがあるといいわね

【先日の散歩で出会った少女を思い出しつつ、今日も彼は夜を歩く】
【夜の散歩はこの男の日課だった】
【夜風を浴びることが彼の毎日の最大の楽しみなのだ】

今夜は月がキレイね
星もよく見えるわ

【歩きながらそんなことを考える】
【完全に周りへの注意を怠っていた】
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/21(火) 22:41:47.86 ID:F2R9Hj970
>>482
(ん?……彼女、僕の姿を見た一瞬だけ怯えたような様子を見せたような―――)
(男性恐怖症かな?それとも僕の顔が誰か思い出したくない奴に似ていたとか……)
(―――あるいは僕の“力”に良くない思い出があるとか?)

【職業柄とでもいうべきだろうか、笑顔の下で青年は少女の僅かな変化を目聡く見逃さず―――】
【とはいえそれは“今”言うべきことではないと考えて、ひとまず心の奥底に仕舞った】
【―――こちらに警戒心を持った少女のことを詮索するのは得策ではないのは確かだろう】

そのことについて答えるのは本来規則違反なんだけどね……まあ、君も櫻の国の退魔師だろうから別にいいかな?
僕の名前は玉藻狂死郎―――お察しの通り、櫻の国出身の陰陽師をやらせてもらっているよ
でも“ただ”の陰陽師じゃない―――“悪魔召喚士”と言った方が適切だろうね、厳密にはそれとも違うんだけど

【青年―――狂死郎は警戒心を解いてもらうためだろうか、やけにあっさりと自分の素性を少女に伝え】
【その証拠にというべきか?羽織っていたコートを開けてみせて、隠していた退魔刀とコートの内側に隠された多数の符を見せ付ける】
【その中からバッ!と1枚の符を取り出すと、それも少女に見せ付ける―――表には狼の獣人、裏には召喚陣のようなものが描かれていた】

君が感じた“妖気”の正体はこれさ……僕は魔の力を以ってして魔を祓う退魔師なんだよ
“本物”と間違えてしまったかな?ややこしくてごめんね―――気づかれないように廃墟に居たんだけどさ

【狂死郎は少女が符を確認したのを見ると、素早くコートの内側に戻し、コート自身も羽織りなおす】
【一瞬視線を地面に落とし、申し訳なさそうな表情を見せた彼だが―――】

【一応、彼が何故“邪”と“神聖”の力を持っていたのかは説明が付くし、素性も良く分かるのだが】
【―――よくよく考えれば先ほどの“妖気”が何であったのかは微妙にはぐらかしたままだ】
【実際のところ彼は新たな“魔族”を生み出そうとしていたのだが―――それを知られるのが嫌なのだろうか】
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/21(火) 23:09:56.45 ID:OfH6nAvEo
>>484

悪魔召喚の陰陽術なんて…………聞いたことがないわね。
邪≠祓うのに邪≠使うなんて…………毒には毒を、ということなのかしら?

【自分が櫻の国出身だと一瞬で見破られ、少女は心の中で少しだけ動揺したが】
【元々が黒髪黒目な上、今はいつもの制服ではなく浴衣を着ていたことを思い出す】
【紅色の袖がゆらりと揺れれば、探るような言葉が宙を漂った】
【妖魔を操る術と聞いて少ししかめた顔は、彼女が青年とは逆に、比較的正道≠ノ近い退魔師であることが推測できる】
【それからもう一つ。手に持っている光を放つ符≠ヘ、形式こそ違えど同じ陰陽術による術式であることもわかるだろうか】

…………名乗られた以上は、名乗り返しておくわ。
私は幸徳井佳乃。櫻の国の…………巫女よ。あなたとは違う流派だけれど、まあ同業者ね。

【凛としていながらも幼い年頃故か、勘の鋭い青年の前で少女は多くの情報を晒す】
【出身地を名乗った後に意味深に言い淀んだり、少し暗い表情をしたり…………青年と違って自分の感情を隠すのは得意ではないらしい】
【彼女は一つ、ふん、と鼻を鳴らして。高飛車な物言いは、いかにも育ちの良いお嬢様といった風体だ】
【巫女という大仰な役職からも、それなりに大きな退魔師の家柄の出であることが伺える】

…………それで。
あなたはここで、何をしようとしていたの?

【彼女の黒曜石のような瞳が、そこで二カ所を射抜いた】
【最初に青年の顔を、それから――――先ほど青年が消した、魔法陣のあった辺りを】
【青年のように勘が鋭い、というよりは、力≠フ流れを感じ取るのがうまいだけだが】
【今のところ、そこに何か≠ェあったという明確な確信があるわけではなさそうである】
【…………だが詳しく調べられるのは、少々まずいかもしれない】
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/21(火) 23:34:38.50 ID:F2R9Hj970
>>485
一口に悪魔と言っても色々あるからね―――君が思うような“闇”の力を持つ者ばかりじゃない
中には陰陽術の一つや二つを使う者も居る……もちろん、それ以外の者も使いようによっては役に立つけどね

【実際の所―――彼自身、少女に対する警戒心を持ってはいるのだが、流石と言うべきかそれをおくびにも出そうとしない】
【互いに警戒しあった状態では話が進まないと考えたのか、自分の情報を小出しにして少女の警戒を解こうとする】
【勘が鋭かったり、感情を隠すのが上手かったりすることを見るに、退魔師としては少女よりベテランといったところだろうか?】

幸徳井佳乃―――珍しい名前だね?僕もあまり人のことを言えないけど……
それでまあ巫女だってことは予想についてる……最初から感じる力もそうだし、纏う雰囲気自体そんな感じだからね

【ところどころ綻びが見えるものの、終始高飛車な物言いをする少女の素性を探る狂死郎だったが】
【幸徳井という名は聞いたことがないのだろう―――どこかの高位な退魔師の家柄であると予想はしたものの】
【首を捻りながら呆けているところを、少女の鋭い追及が彼を追い詰める】

―――察しようよ……君が僕にとって聞かれたくない質問をしているってことにさ
君、よく人の心が読めないって責められることない?そこのところを直すべきだと僕は思うよ?
それで質問に対する返答だけど―――答えられないね。僕の一族の秘密に関わることだ

【流石にこれ以上詮索されるのは御免ということだろうか、狂死郎は笑顔を崩して不快であることを示す表情をする】
【陰陽師の一族には多かれ少なかれ“秘密”が存在するが……どうやら少女はそれに足を踏み入れてしまったようである】
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/22(水) 00:00:09.08 ID:0HAjjau9o
>>486

…………そうね。 害のない悪魔だって…………いるわよね。
私の流派では、妖魔は完全に悪≠セから…………そういうのと話が出来るのは、少し羨ましいわ。

【表情の変動の少ない青年の心の内は、少女には読みとれない】
【単純な実力はどうあれ、心理的な駆け引きにおいては完全に青年の方が上手なのだろう】
【青年の話を聞くと、少女も少し納得した顔をする。妖魔のすべてが害であるわけではない、という点は承知しているようだ】
【だが正道に近い流派であるが故、妖魔が悪で自分が正義、という図式がはっきり区別されていて、その辺りの融通はあまり効かないらしい】

…………うちは結構大きい家だけれど、まあ土地が田舎だから…………仕方ないわね。

【高飛車な性格の通り、自分の家柄にも誇りを持っているのだろう。知名度の低さは仕方がない一方、少し残念そうに】
【…………と、そこで少女は初めて青年の表情の変化を捉えるが、それによって踏み込みすぎたことを知る】

…………しょうがないじゃないの。あれだけ妖気を垂れ流されたら気にもなるわ。
それに…………あなたみたいな別の流派≠ノ出会ったのはこれが初めてだから、ちょっと、ね。
…………ねぇ、あなたは私みたいに土地を守る≠フが使命なのかしら?

【自身の流派にもそれなりに他言無用の奥義が伝わっているから、青年の気持ちも理解できるのだろう。割と素直に引き下がる】
【しかし言い訳じみた言葉尻には、他流派に対する興味が消えずに残っていて】
【田舎の出身というだけあって、同じ退魔師といってもかなり閉鎖的なコミュニティで暮らしてらしい】
【どこまで踏み込んでいいものか、探り探りの口調で、小さく疑問を投じた】
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/22(水) 00:41:14.56 ID:cybp9Gx10
>>487
君は知ってるかどうか分からないけど、僕ら玉藻一族は式神の扱いに長けていてね……
管狐って知ってる?よく陰陽師と一緒に居る狐の式神だけど―――あれを最初に連れ始めたのは玉藻一族って言われてるんだ
今でもまあ殆どの管狐の故郷は玉藻一族の里にある……見に行ったことはあんまりないけどね

【彼の一族はどうやら元来悪魔の類を従えて来たようで、悪魔との交渉にも長けているらしい】
【そのため悪魔を“種族”ではなく“個体”としてみる習慣が存在している異色の一族と言えるだろう】
【とはいえ、彼自身が悪魔の“個体”を認識し始めたのはそれとは別の理由なのだが】
【それはまた、最初に少女が見せた複雑な表情の理由と共に心に仕舞っておくべき事柄なのだろう】

妖気を垂れ流していたのは謝るよ―――でも術式だけは見られるわけにはいかないんだ
僕らが悪魔を従えるための門外不出の術式だからね……何も知らない一般人なら話は別なんだけど

ん?―――成る程、君はまだ若いからね……他の流派の人間と会うのは初めてなんだ?
僕が始めて会う他の流派の人間だったのは……どちらかというと不幸かもしれないね

【彼の一族は兎に角一般的な陰陽師とはかけ離れていたため、少女に悪影響を与えかねないと警戒したが】
【やはり“後輩”の頼みと言うものは断れないのか―――静かに口を開き始めた】

そうだね……僕らは実の所君とは違って“土地を守る”のが主目的の一族じゃあない
しいて言うなら僕らは―――『人間と悪魔の間の調停師』……かな?もちろん、土地を守ることもあるけども

【少女が“土地を守る”ことが役目だというが、少女自身土地を離れてこの場所にいることが狂死郎は少し気にかかった】
【とはいえ自分も―――異色の一族とはいえ、土地から離れて生きているのだ。詮索はしないと決めたようで】

それから僕自身、多分君とは違って親から退魔師を受け継いだんじゃない、先代に弟子入りして退魔師になったのさ

【と言うことはつまり―――彼は退魔師になることを選んでなった、ということになる】
【何もかも異色な一族を選んで弟子入りして―――退魔師になったからには、何かその理由があるのだろう】

/う〜んちょっとまだ調子が悪いですね……凍結か置きスレをお願いしてもよろしいでしょうか?
/明日も明後日も活動できますので……
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/22(水) 00:56:45.61 ID:0HAjjau9o
>>488
/了解しました、私も夜であれば空いているので、このまま凍結して明日に持ち越しということに…………
/ひとまずお疲れさまでした!
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/22(水) 03:38:33.37 ID:0HAjjau9o
>>488

菅狐…………へえ。 式神使い、というわけ。
より源流に近い式神=c………私のとはだいぶ違うんでしょうね…………。

【いつもは無愛想に固めている表情を、今ばかりは興味深そうにして、佳乃は狂死朗の話を聞く】
【同業者と明確にわかって安心したからか、今や最初の警戒心も好奇心に押し流されてしまっていた】
【より興味深そうにする様子は、彼女自身も式神を扱えるが故のもの。その差に面白味を感じたのだろう】
【彼女の場合、流派としてそちらが本道ではないため、簡単な命令で動く操り人形のようなものしか使役できない】
【だからこそ、純粋な式神使いや召喚士という役職は特に新鮮に映るようだ】

調停師…………か。 あなたは異端というけれど、やっぱり少し羨ましいわ。
…………私の村では、妖怪は悪で人間は善、それが絶対。交渉の余地なんて、なかったから。

【異端の玉藻一族に、正道に近い佳乃の流派――――だが異端だからこそ成し得ることもあり、正道だからこその問題もある】
【比較的善良な者であっても、個体≠ナはなく種族≠ナ区別し殺戮する…………そんな行為がまかり通ることも、ままあって】
【そんな思想の中心にいて、それに染まらなかったという意味では、この少女もまた異端】
【妖魔ごときと交渉する一族と関わるなど、村の者ならすぐにでも止めにかかっただろうが】
【――――守るべき土地≠ゥら遠く離れたここに、責める者など居はしない】

弟子入り、なんて仕組みがあるのね…………。
…………あなたが退魔師になった理由は…………聞いてもいいのかしら?
思えば…………村長の家柄に生まれた私に、家業を継ぐ以外の選択肢なんてなかったから。

【佳乃は、弟子入りという普遍的なシステムに少し驚くような素振りを見せた】
【その様子からするに、彼女の流派は外部からの参入を受け入れていないらしい。これだけ閉鎖的だと、マイナーなのも頷けるか】
【…………それから、無愛想ながら出来るだけ気を遣って、佳乃は狂死朗へやや突っ込んだ質問をぶつけた】
【殊更不満そうな口振りでもないが、しかし確かに選べない立場≠ノ居た彼女からすると――――やはりそれは気になってしまうのだろう】
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/22(水) 16:56:08.11 ID:cybp9Gx10
>>490
機会があれば君も彼らと話をしてみるといい……なかなか興味深いよ?
もちろん、こっちの話を聞いてくれない連中も居るし、そもそも話すら出来ない奴らも多いけどね
注意点としては―――彼らの話に飲み込まれないこと!!特に魔海出身の魔族連中には要注意だね
隙あらばこちらをトランス状態に追い込もうとしてくる……始めはその辺の妖怪に試すことをオススメするよ
君みたいな力を持った人間ならば大丈夫だろうけど―――責任、取れないからね

【決して“表”には出ない自分の仕事に興味を持って貰えたことが嬉しかったのだろうか?】
【狂死郎は自らの“退魔師”ならぬ“調停師”としての経験をまだ若い少女に伝えていく】
【勿論、合間合間に少女が“道”から外れることのないように注釈は入れながら】

―――兎に角、善悪の基準を種族で判別するってことほど恐ろしいことはないね……
確かに妖怪連中はウンザリするほど邪な考えを持っていることが多いのは確かだけどさ
それを“邪”だと考えるのはあくまで人間の基準でしかないわけだよね?
……こういうことを言っちゃうと妖怪を退治しずらくなるかな?―――ごめんね
でもまあ自分が絶対的な“善”ではないと心の片隅に置いておいた方がいいことは確かだ
それでも普段の仕事に問題が生じるならば―――“弱肉強食”と思っておけば多少はマシになるかな?

【少女に対して教訓めいた言葉を送りながら、狂死郎自身も彼女に対して興味を持ち始めていた】
【彼女が守るべき土地から離れている理由と彼女の一族が妖魔を区別せずに殺戮すること……】
【―――それは何か関係があることなのではないか?などと彼の鍛え抜かれた“勘”はそう告げていた】

弟子入りも結構メジャーなシステムだと思うんだけどな……保守的な一族じゃあ知らなくても仕方ないかな?
―――それで、僕に質問かい?僕自身のことについては減るものじゃないし答えてもいいんだけど……
その代わり、僕も君に質問したいことが出来たんだ……後で質問してもいいかな?

【狂死郎の中に生じた疑問の芽はどんどん膨らみ続けて―――終いには、彼も手を付けられない状態になっていた】
【“だからこそ”少女の質問に答えたと言ってもいいだろう―――こちらが先に答えれば、相手は逃げられなくなる】
【狡猾というべきか、計算高いというべきか―――“調停師”を名乗ることも頷けるかもしれない】

それじゃあ僕が退魔師になった理由だけど……色々掻い摘んで一言で言ってしまえば簡単だ
―――『不死の怪物を殺すため』……それが僕が退魔師になった理由だよ
何故不死の怪物を殺そうと思ったかって?それはとてもじゃないけど僕の口からは言えないな……
ただ、“不死の怪物は成りたくて不死の怪物になったというわけじゃない奴も居る”ってことから察してほしいね

【いつの間にか狂死郎は笑顔を止め、真剣な目つきで少女に語りかける―――これが、彼の本来の姿なのだろうか】
【微妙にはぐらかしたが、彼が妖魔の部類に対してそれほど悪い印象を持っていないことから推察することが出来るかもしれない】
【―――この言葉を“選べない立場”に居た少女に対して送ったことは果たして偶然なのだろうか?】
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/22(水) 18:57:59.98 ID:sd26e9kKo
>>491

魔界…………か。 私も今まで数え切れないぐらいの妖怪に会ってきたけど、どんな奴がいるのかしら…………。
普通の妖魔とも話せればいいけれど、好かれる質でもないのよね…………。

【見たこともない魍魎の住処に思いを馳せる姿は、どことなくうずうずしているようで】
【妙に力んだ握り拳を見ると、なんだか異国への憧れというより、強者との闘いを求める武芸者のようにも見えるが…………】
【それはさておき、今のところ彼女は、この街で人間にとっての善性≠持った妖魔に出会ったことはない】
【例え居たとしても…………今このときも感じられる濃密な神聖さ≠ヘ、妖魔からすれば相当近寄りがたい筈だった】

――――ふん、余計なお世話よ。
そりゃあごく希に、人を害さない妖魔もいたけれど…………あなたの言うとおり、ほとんどは人間をエサとしか思ってないような奴ばかりだったから。
…………私が迷ったせいで、食われた人だっていた。斬る≠ニ決めたら、私は絶対に迷ったりしないわ。

【見くびるな、と言わんばかりに、佳乃は腕組みしながら鼻を鳴らして】
【例え件の良い妖魔≠ナあろうと、村人が危険とあらば容赦なく滅する。殺生に対する責任≠背負う強い覚悟を、彼女は豪語してみせた】
【さすがに人の上に立つ家系の娘というべきだが…………きっとそれだけではない。ここまでの信念に辿り着くまで、相応に場数を踏んだのだろう】
【だが、それだけの覚悟を持っているなら余計に――――彼女が今ここにいることへの違和感も、いっそう際立って】

望まず不死になってしまった…………? それって、つまり…………。
…………そう。当たり前だけれど、あなたにとって退魔の力は手段≠ネのよね…………。
私の村に伝わる術は、特別な血を引いていないと使えないから――――選ばれた自分にはそれしかないんだって、ずっと思っていたわ。
村の人たちも、そうだったのかしらね…………。

【佳乃にとっての退魔術は、生きる意味そのものだった。だからそんな事にも、感慨深そうに】
【何も家系だけではない、生まれた時から自分にしか使えない力≠持っていたから、それしか見えなくなっていた】
【佳乃の村の退魔師は、全員がその特別な力≠持っている。だからこそ、自分の力に酔いしれて無益な殺生に走ることもあるのかもしれない】
【――――自分の視野の狭さを、先輩≠フ言葉に改めて思い知ったような気分だった】

…………質問? いいわよ、いろいろ答えてもらったし。

【それから最後に、何故か少し得意げにそんなことを言って】
【まあこんな性格だ、自分のことを話す…………というより自慢するのは、嫌いではないのだろう】
【狂死朗の思惑通り、いろいろ突っ込んだことに答えてもらった以上、佳乃もそれなりに深い答えを返すはずだ】
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/22(水) 19:39:06.26 ID:cybp9Gx10
>>492
君とは違ってどうやら僕は妖魔の類に好かれるようでね……
たまにストーカー紛いの行為をする奴もいる―――全く、迷惑なものだよ

【フッ、表情を崩したその顔は困っているような―――あるいは、喜んでいるような複雑な表情だった】
【―――この言葉の後に、彼のコートの中から抗議の声が上がったような気がするのは気のせいだろうか?】

それはよかった……どうやら君は僕が思っているより場数を踏んでいるようだね?
―――そう、いくら僕達の正義が人間目線の物であったとしても、僕達は人間だ
人間のために戦うことは決して間違ったことじゃない……

【目の前の少女がどのような過去を背負ってきたのか狂死郎にとっては未知であったが】
【それでも“今”にたどり着くまでに様々な困難に立ち向かってきたことは嫌でも分かる】
【―――少々、先輩風を吹かせすぎたかな……などと彼は1人ごちた】

“手段”か―――そうだね、確かに僕は退魔の力を一種の“道具”として扱ってきた
そしてそれを正しいことだと思っている―――だって、おかしいだろう?
銃使いが“銃を扱うこと”を生きる意味だとは思わないはずだ―――ただの殺しの“手段”って考えてるだろうさ

【狂死郎は退魔の力をただの“道具”として扱うことに抵抗は持たないようで】
【先程から彼女に対して持っていた“生真面目”という第一印象を深めていく】
【―――もっとも、それだけが彼女の全てであるはずがないということは彼自身理解していた】

そんなに“良い”質問じゃないから……答えたくないなら答えなくてもいいんだよ?
でも遠慮せずに―――君、僕を最初に見たときになんと言うか……怯えたような仕草をしていたね?
その時は僕の顔が嫌な奴に似ていたからだと思っていたけど―――どうやら違うようだ

君の一族は妖魔を排斥しているようだけど、どうやら君はそうではないみたいだね?
そのことが君が一族を“追い出されて”この場所に居る理由の一つなんじゃないかと考えたんだ
それで此処からは僕の完全な推測なんだけどさ―――君、その村に兄弟や恋人ないし親友が居たんじゃない?
兎に角、君に関係ある人間が実は妖魔で―――此処で止めておこうか?あくまで僕の推測だ、間違っていたら恥ずかしいよ

【狂死郎は自分なりに分析した少女がこの場所に居る理由が正しいのかどうかを問おうとする】
【しかし、やはりというべきか他人の過去を洗い出すことに抵抗があるのか】
【その質問は途中で終わってしまった―――もっとも、質問の意図を察することは難しくないだろう】
【―――このような推測になった理由は彼自身の過去にも影響があるのだが……】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/22(水) 19:55:31.15 ID:/hCtbyAio
/>>477で再募集します
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/22(水) 20:06:26.04 ID:OajSB6U9O
【桜並木の下、闇夜の中に深い影が浮かび上がる】
【それは目を凝らすと人の形をしていた】
【裾の長いコートとやや長めの髪、そして瞳は闇よりもさらに黒い】
【白い顔と何も持たない両手だけが浮かび上がっているように見える】
【その顔はやや中性的ながらも男性として成熟したものであり、年の程は丁度青年と呼ばれる歳を越えたくらいに見える】
【彼はすっかり青くなった桜を見ながらゆっくりと夜の散歩を楽しむ】

今日も晴れてよかったわ
この間は楽しかったわ
今日もステキな出会いがあるといいわね

【先日の散歩で出会った少女を思い出しつつ、今日も彼は夜を歩く】
【夜の散歩はこの男の日課だった】
【夜風を浴びることが彼の毎日の最大の楽しみなのだ】

今夜は月がキレイね
星もよく見えるわ

【歩きながらそんなことを考える】
【完全に周りへの注意を怠っていた】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/22(水) 20:31:50.90 ID:sd26e9kKo
>>493

…………な、なかなかやるじゃないの…………。

【どんな質問がくるかと思えば――――かなり真に迫った推測を聞かされて、佳乃は動揺気味に軽口を叩いた】
【その推測の流れに沿って、過去を回顧するように。佳乃はしばし目を閉じて、それからゆるりと目を開ける――――】

そもそも、私たちの使命は――――土地を守ると言うより、その土地に住む土地神≠守ることなの。
私たちの村、『白座村』の住民の祖先は皆、太古の昔にその神さまと契約して力≠授かった者の末裔…………。
その力と共に神を守る使命を授かって、龍神の住む『辰羽山』を代々妖魔から守護してきた。
…………幸徳井家は龍神と直接契約を交わし、授かった力を元に『白刃龍紋流』という退魔術を確立させた開祖の直系なのよ。

【村の名前や流派の名前こそマイナーだが、『辰羽山』という櫻の奥地にある霊山の名は、退魔師であれば聞いたことがあるかも知れない】
【遙か昔、天より舞い降りた龍神がその地で眠りについたとの伝承の残る、れっきとした神域の一つだ】
【そしてその場所には、神の莫大な魔翌力に惹かれて邪≠フ者たちが集う。龍神は力と使命を人間に与え、自身を守護させた…………そういう話だ】
【そして、受け取った力をより洗練し、妖怪退治のための剣として鍛えたのが、彼女の家系だった】

…………大いなる神から授かった、誇り高い力と使命…………っていう大きな後ろ盾があったから、妖魔は無条件で悪≠ネんて風潮も広まったのかしらね。
それで――――あなたなら、妖怪や亡霊の中に人間への憑依≠行う者がいることを知っているわよね?

【少しだけ自嘲するように呟くと、彼女はとある話を切り出す】
【それは、人間に取り憑いて体を奪い取り、ひどい場合は宿主そのものを妖怪へと転じさせてしまう、そんな恐ろしい存在の話】
【…………この質問の意図だけでも、おそらく狂死朗が事情を察するのには十分なのだろうが】
【佳乃はあえて、その先を口にする】

ほとんどあなたの推測通り…………私の友達が、それ≠ノやられて妖魔になってしまったのよ。
村人たちの妖魔嫌いは凄まじくてね…………取り憑かれた人間は「汚されてしまった」として…………介錯≠キるのよ。
…………それでも取り憑かれた人のほとんどは、その過剰な妖魔嫌いが祟って、自分から介錯≠オてくれ、と言うんだけど…………。

――――私には、何か罪を犯したわけでも、死にたいと願っているわけでもない人間≠斬ることは、できなかった。

【佳乃が狂死朗に妖気≠ニ破邪の力≠フ両方を見いだしたとき、一瞬苦い顔をしたのは――――取り憑かれた村の人間からも、同じ臭いがするからで】
【滅する≠ニいう言葉が妖魔の殺害を意味するように、介錯≠ネんて聞こえのいい言葉も、やっていることは仲間の首斬りだ】
【佳乃は努めて表情を凍らせているが…………村長の娘であり次期跡継ぎという立場で、それに関わったことが無いわけがない】
【それでも、相手が自ら死にたいと懇願するのであれば、まだ救いもあるが――――彼女の直面した事態には、そんな救いはなかったのだろう】

それで今、私は…………その友人と一緒に、この地にいる。
…………そんなところよ。

【彼女の友人を人間≠ニして見る佳乃と、妖魔≠ニして見る村人との間で、諍いがあったことは想像に難くない】
【最後には、友人の命と引き替えに、自身の半生を賭けた使命を失って、ここに立っている】

【…………こんな身内の恥を晒すような話を会ったばかりの他人にするのは、後ろめたいところがないから。いや、そう思いたいから】
【それでも友達一人を救えたことを、後悔するようなことはしたくない。そんな思いの表れだった】
【――――佳乃のぶっきらぼうな締めくくりによって、そんな昔話は終わる】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/22(水) 20:43:12.47 ID:zjKwO7920
【街外れ……海岸沿いの公園】

【公園のすぐ先には波打つ海が大きく開かれていて、水平線が一望できる……何とも波の音が心地よい】
【押し寄せては引き滔々と脈打つ海面は、まるでそれ全体が生き物のような印象を受ける】
【紺碧の夜空から覗く青白いお月様は、人影も無く海の波音だけが響く静まり返った公園を優しく照らしている】

【そんないい場所にあるこの臨海公園に、こんな夜遅くの時間に暗闇の中訪れる一つの人影】
【丁度海を一望するのに持って来いな小高い堤防へ歩み寄れば、その上にひょいと登り軽く腰掛ける】

【眼前に広がる大海原、響き渡る波の音―――一人で時を過ごすにはもってこいな場所】
【何せ前にも後ろにも遮蔽物が無い。この開放感溢れる場所が、彼女のお気に入りのスペースだった】
【遮蔽物が無い事は同時に、そこに佇む人影が見つかりやすいという事でもあるが――】

【――その人影は、若い女性のようだ】
【肩まで伸びた鳶色の長髪は夜の浜風に吹かれて靡き、澄んだ茶色の瞳は波打つ紺碧の大海原を見つめている】
【少しくすんだベージュのズボン、淡い桜色の半そでシャツ、そこからすらっと伸びる白い腕は月の光に照らされて青白く光る】
【彼女は心地良い浜風に吹かれ、ただ海を静かに見つめている……】

―――海っていいもんですねぇ
ただただ広くて、大きくて……悩み事を吹っ飛ばしてくれます……

【海の大きさは不思議なもので、何故か見ているとちっぽけな悩みを忘れさせてくれる……少なくとも彼女はそんな気がしている】
【こうやって心地良い浜風に吹かれ、波に揺れる青い海面を見つめながら、打ち寄せる波の音を聞いている―――彼女が大好きな事の一つ】
【研究が煮詰まったり、頭に来たり、心が晴れなかったりする時はよくリフレッシュの為にここに来るらしい】

【今こうして誰もいない公園で堤防にぼんやり座っている彼女に、果たして声を掛ける人はいるのか……?】
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/22(水) 20:56:56.14 ID:xVWadHfV0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 噴水広場】

うあぁ……う、おっ……ぅ……
「やれやれ……これで少しは懲りたかい? まぁ、半日ばかり、我慢するんだね……」
て、めぇ……一服盛りやがった……な……ぁ?

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【居丈夫の身体をベンチに寝かせ、青年は座り込む形で、休息をとっている】
【居丈夫は、まるで虚脱したように力なく身体を横たえており、時折辛そうに身体を震わせていた】

「宿までは運んであげるから、心配しなくてもいいよ……それとも、もう少し夜風に当たって、身体を冷やす?」
……ったり、めぇだろ……が……、うー……しんどいから、少し休むぜ……

【居丈夫を見下ろし、わずかに悪戯っぽく笑みを浮かべてみせる青年。それに対して居丈夫は、力なく悪態をついてみせた】



【――――所変わって、風の国 路地裏】

……あ、そっち取って?
「……良いよ、ほら、受け取って」
<……ヒャヒャヒャ…………ング、ッヒィ!>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【何かを囲む様に座り込み、ぐしゃぐしゃと何かを咀嚼している】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

……こいつ、結構鍛えてるわね……指が少し筋っぽいけど、味は良いわ……
「……この男、お尻、おいしい……」
<イヒヒィィッ!>

【取り囲んでいるのは――――人間の死体。その新鮮な死肉を引き千切り、我先にと喰らい尽くしていたのである】
【周囲には、凄まじい血液の飛び散った跡があり、また死臭も強く漂っている】
【そして、3人の身につけている衣服も――――返り血や口に運ぶ際に滴る血液で、ドロドロに汚れているのだった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/22(水) 21:19:12.43 ID:cybp9Gx10
>>496
まあ、伊達に長いこと退魔師をやってるわけじゃないからね……勘の鋭さには自信がある
そうじゃなきゃ人間の身で魔族と戦ってなんて居られないってね

【少女の動揺する様子を、一種の褒め言葉と受け取ったのか少々誇らしげに呟く】
【―――同時に、これから少女に暗い過去の話をさせることに罪悪感を覚えながら】

【きっと、こんなことを出会ったばかりの他人に話すことには相当の勇気がいるのだろう】
【そう考えた狂死郎は少女の昔話を、一切遮ることなく黙って聞いていた……】
【―――時折何度も、自身の過去と少女の過去を照らし合わせたのか、俯いた表情で帽子を深く被り直しながら】
【そうして少女が話を締めくくった後、少しの静寂の後、彼は静かに口を開いた】

―――まあ、君の話の教訓は……“神様や宗教ってのはホントろくでもない”ってことかな?
僕がその話を聞いて君達の一族をどう思ったのかはさっき話した僕の考えから予想してもらうとして……
君はそのことについて後悔―――なんて、ある訳ないか。あった所でもう戻れないしね

【少女の複雑な表情に、自分が嫌な質問をしてしまったことを再確認するが―――もう、元には戻れない】
【狂死郎に出来ることは、彼女が素直に話してくれた昔話の内容を静かに噛み締めることだけだった】

君に思い出したくも無い過去を思い出させてしまったお詫びといっちゃなんだけど……少し僕の話の続きをしよう

君は妖魔になってしまった友人を斬る事は出来なかったけど―――僕はどうしても“彼女”のことを斬らなくてはならなかった
“彼女”は死にたくても死ねなかった―――きっと、千年以上の長い長い時を“彼女”は生きて来たんだろう
―――いや、“彼女”に言わせると、千年以上“そこに存在していた”だけだったんだってさ

でも“そこに存在していた”だけの“彼女”は僕と出合ったことで生きる意味を得てしまった
―――得てしまったものは何時かは失わなければならない、その“何時か”も“彼女”にとっては“一瞬”だった
だから“彼女”は僕と共に“死にたい”と願った―――知ってるかい?人が“死ぬ”時ってのは自分のことを覚えてくれる人が居なくなった時なんだって

【何度も俯きながら―――時折、コートの上から符の感触を確かめるように触れながら、狂死郎はゆっくりと自分の昔話を始める】
【そしてまたもや、中途半端な所で話を止めると―――肩の荷が下りたかのような晴れやかな表情になった】

―――もうやめだ!!暗い過去の話はこれ位にして、明るい未来の話でもしないかい?
君には何か夢と呼べるものはあるかな?―――僕にはある!!

【暗い話に暗い話を重ねた重苦しい雰囲気が嫌になったのか、狂死郎は突然声のトーンを上げると】
【“無理”をしているとはまるで感じさせない爽やかな笑顔で少女に問いかける】
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/22(水) 21:51:24.61 ID:sd26e9kKo
>>499

【自分の過去を他者へさらけ出すのは、それを過去に出来ていないことの裏返しで】
【佳乃に自覚はないが、しかし心のどこかでは、他人に話すことで少しでも整理をつけようとしているのかもしれなかった】
【ひとつの無辜の命を救ったことは、確かに素晴らしい功績だが…………代償として失ったものを簡単に振り切れるほど、やはり大人ではないのだ】
【だからこそ、自分の話を黙って聞いてくれる大人≠フ存在は、きっと佳乃にとって大きい】

…………私の守る神さまは、素晴らしい方よ。眠りについてさえいなければ…………きっと皆を収めてくれたでしょう。
だから、余計に…………都合よくねじ曲げた神意≠傘に着て、力を振りかざして弱者を痛めつける、そういう人間の心が…………私は大嫌い。

【紅色の袖が浮き上がって、佳乃はその両手で自分の体を小さく掻き抱く。人への…………大人への軽蔑を吐き出しながら】
【一番最初に会ったときに狂死朗を見て体を震わせたのは、狂死朗本人ではなく、人間自体への警戒の表れだ】
【こうして他人と積極的に話して、治療を試みてはいるが。村を出た時の諍いで陥った人間不信≠フ溝は、未だに少女の心に根ざしている――――】

[ピーーー]ない彼女と共に、死ぬ…………か。
…………ふふ、見かけによらずロマンチックね、あなた。

【重苦しい傷に手を当てながら、今度は狂死朗の話を聞き終わると…………佳乃は小さく、からかうように笑う】
【良くも悪くも、佳乃は子供だ。だから男女の仲の話を面白がってみせる権利は、きっとある】

…………ゆ、夢?
そうね…………強いて言うなら、もっと強くなる事かしらね。武人の永遠の夢でしょう?
それで、あなたは…………?

【…………今までの会話で薄々感づいているかも知れないが、斬る≠ニか武人≠ニかいう言葉からして、彼女の流派は相当実戦派のようだ】
【年頃の少女がどうとかいうのはどこかへうっちゃって、高飛車な上に好戦的な性質をちゃっかり晒しながら、佳乃は狂死朗に問い返した】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/22(水) 22:15:35.87 ID:cybp9Gx10
>>500
ロマンチストか……とりあえず褒め言葉と受け取っておいてもいいかな?
訂正するならば僕の“彼女”の関係は恋人とひとくくりに出来るようなものじゃないんだ
言うなれば“母親”であり“恋人”でもあるような―――上手く形容する言葉が見つからないや

【少女にからかわれた事が少し恥ずかしかったのか、狂死郎は少しむっとした表情で】
【―――だが、目が笑っていることからまんざらでもないのだろう】

強くなること―――それって夢って言うより目標じゃないかな?
まあ、あるならあるでいいや。君がそれに向かって進むことを僕は応援するとしよう!!

【正直のところ、狂死郎は彼女がこれから先に生きる目標を失っていないかどうかが気がかりであった】
【しかし、どうやらそれは今のところ杞憂だったと言えるだろう】

僕の夢かい?結構色々あるんだけど―――最も“ユルい”夢だけ語っておこうかな?
僕の夢は―――劇場の支配人になることさ!!それもただの劇場じゃない……
美しい女悪魔の集う劇場さ!!―――どうだい?興行収入は良さそうだろう?

【改めて前置きするだけあって不真面目な―――子供らしいとも言える自身の夢を彼は語る】
【とはいえ、子供らしいのもまあ無理は無いだろう―――狂死郎が“彼女”に伝えた初めての“夢”なのだから】
【―――ということは、狂死郎も子供の頃は結構なマセガキだったのかもしれない】

それでは君の夢を応援する証として……“コレ”を送るとしよう!!

【そして狂死郎はコートを開けて内側のポケットの中から1枚の符を取り出すと、少女に向かって投げつける】
【受け取ってみればその符には茶色の下地に表にも裏にもそれぞれ違った魔方陣のようなモノが描かれているのが分かるだろう】
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/22(水) 22:38:40.27 ID:sd26e9kKo
>>501

…………ふぅん…………複雑なのね。

【好奇心をくすぐられたように、しかし少し恥ずかしいのかちょっと控えめに、狂死朗と彼女≠フ関係を佳乃は邪推する】
【…………無愛想な性格で友達すら少ないのに、まして恋人がいたことなどあるわけがない。そんな彼女が二人の関係を正確に推し量るなど、出来るわけもないが】
【諸処の問題は棚上げしておいて、とりあえず本人は色恋沙汰に興味がないわけではなさそうだ】

…………。
少なくとも、あなたの夢よりはよっぽど建設的だわ…………。

【言った相手がノリのいい男性などであれば、それはたぶん酒を酌み交わせるレベルの夢であったが】
【男でもなければまかり間違ってもノリのいい性格ではない、ついでに言うと15歳という多感な時期真っ直中の佳乃に、男の浪漫は理解できなかった】
【短く切りそろえられた眉がぴくりと吊り上がり、長い睫の下から、黒い瞳が呆れ混じりの視線が照射される…………】
【…………そうして佳乃が冷たい視線を狂死朗の体に突き刺すことに腐心していると、一枚の符が投げ渡されて】

符…………? これは?

【不意打ち気味で飛来したそれを、佳乃は受け止めた】
【同じような符であれば佳乃も持っているが、描かれた魔法陣は佳乃の知識で紐解けるものではない】
【それでも何かわからないかとそれを検分して、結局は少し悔しそうな様子で詳細を聞き返すだろう】
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/22(水) 22:40:36.01 ID:uN/0EquN0

【とある小さな古本屋にて――――】
【最上段に収まる一冊を手に取ろうと、懸命に背伸びをしている巫女装束を纏った少女が一人】
【ぴょんぴょんと飛び跳ねてみたりするけれど、結果は言わずもがな。寧ろ、本棚を倒しそうな位には危なくて】


「――――うぅー……ここの店主さんは意地悪です……
何故、私が読みたいと思った本に限って……あんなに上にあるのでしょう……」

【一人頬を膨らませれば、目的の物を怨めしそうに見つめて】
【誰にも聞かせない位に小さいその声からして――――或いは、店主に取ってくれと頼めない程に気弱なのか】
【一転すれば、落胆した表情。それでも諦めきれずに手を伸ばしていれば】


「――――!!
やっと手に…………ふぁっ?!」

【指先が本の背に掛かり、そのまま引き抜こうとすれば――――】
【ギッチリと詰まった本棚。当然、周りの本も我先にと本棚から抜け出してこようとする訳で】
【普段ならば、こんな寂れた所に訪れる者なんて居ないだろうけれど】
【僅かにでも気配を察知する事に長けていたならば、その本屋の中――――即ち、少女から少しの妖気。妖狐の気配を感じ取れるだろう】
【さて、偶然訪れた者はその不幸を笑うか、或いは本の雪崩を止めるか――――】






【しーんと静まりかえった町の中】
【コツコツと歩きながら、新聞を広げるのは女学生で】
【小難しい顔を浮かべれば、ページを行ったり来たりするけれど、表情が晴れる様子も無く】


「困りましたねぇ……
おもしろそうな情報が沢山……って言っちゃったら不謹慎ですね
みんなの興味を惹くような事件が沢山起きているのは良いのですが……」

【――――出るのは、溜息】
【新聞紙を何処か適当なベンチに置けば、自身がその横へと座って】
【やっぱり、溜息。傍から見ていれば、解雇通告を受けた者そのものである】
【困った様に天を仰いだって、良い案が浮かぶわけでも無く】


「私程度の人が首を突っ込んだら、間違い無く一瞬で死んじゃいますよね
かといって気になる物は気になりますしー……」

【――まさに、途方に暮れたという言葉を体現しているようにも見えるだろうか】
【一人でぶつぶつと呟いている様は異様にも見えるけれど、本人は至って真剣……のつもりで】
【人通りが皆無なこの時間――ならば、訪れた者の視線は必然的に女学生へと移ることになるだろうか】
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/22(水) 23:11:30.42 ID:cybp9Gx10
>>502
う〜んやっぱり君、ノリが悪いね……そんなんじゃ食事にも誘って貰えないよ?
強くなるのもいいけど、そういうことも考えて行かないとこの先困ると思うんだけどな……

【半分冗談交じりの夢を一蹴されてしまったことに少し残念な表情を浮かべた狂死郎だったが】
【―――その程度で砕けるようならば最初から夢に持たないということか、直ぐに持ち直した】

―――僕らが使う“玉藻流退魔術・悪滅”の百ある術式の一つ、『沖津鏡』……
要するに“結界”だよ。けれどもそれはただ守るだけの結界じゃない―――まあ、見てなよ

【狂死郎は少女に渡した符と同じ種類のもう一枚の符を取り出すと、それを右手の中指と人差し指に挟む】
【そしてその札を大きく振りかぶって―――今度は、離れた廃墟の壁に向かっておもいきり投げつける】


                 悪滅・二拾壱式―――沖津鏡!!


【風を切って空を舞っていたその符は狂死郎の言霊に反応して強い光を放つと、青い色をした円盤状の結界を形成する】
【丁度“鏡”のような形状になった符(と、そこから形成される結界)は速度を保ったまま壁に命中すると、そのまま突き刺さった】
【おそらくコンクリートで出来ていると思われる壁を砕くほどの物理的強度を見せたその結界は、その後直ぐに色を失って消え去った】

―――と、まあこのように投げて使う武器なんだよね……単純でしょ?
けれどもあくまでこれは“結界”だ。簡単には壊れないし僕にとっては扱いやすいね
それからバレーボール大の球状結界を張って相手にぶつけるって使い方もあるから覚えといてね

【一通り少女に手渡した符の説明をすると狂死郎はハア、とため息を一つついて】
【―――思えば、この場所には新たな魔族を生み出す儀式をしにきたのだ】

それじゃあそろそろお引取りを……これからやらなくちゃいけないことがあるからね
―――最後に一つ、人間ってのはそれほど悪い生き物じゃあないよ

【少女が行動する前に儀式の再開の準備を始めようとする狂死郎だったが】
【最後に先輩風を吹かせたくなったのか、教訓めいた言葉を再び少女に向かって投げかけた】
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/22(水) 23:12:21.05 ID:uP4CVzEbo
【山奥】

―――ん、相変わらず惚れ惚れする精度だぜ……こういうの、自画自賛って言うんだっけな?

【両の銃口から煙を噴かせながら男が呟いたのは、連続した金属音が木々に吸い込まれた後だった】
【青のソフト帽を深く被り直して、再度両腕を前に出して二丁拳銃を構える。直後、右には赤、左には青の派手な銃から派手な音が飛び交った】

【山奥のガタついた地面、突出した小石に弾丸が跳ね返れば、向かうは一回り大きな木……に貼り付けられたステッカー】
【「Blue Justice」と青いロゴに書かれたステッカーの真ん中を、両の弾丸が時間差で貫く。ギィンという音が、木々に止まる鳥を追い払う】
【所謂跳弾というテクニックだが、跳ねる先をコントロールするのは至難の業である。というより跳弾自体大道芸なのだ】

オッケー、問題なし……あー、相変わらず目が疲れるぜ……家帰ったらブルーベリー食わなきゃ
目が悪くなる前にカノッサとか何やらが無くなってんなら助かるが……―――っと、また血ィ滲んでらァ

【ぼやきながらも両手から銃を消せば、それ即ち銃が能力であるという証拠で。そして撃ち終えた男の紺碧の視線が落ちた先の右足首には赤く滲んだ包帯が巻かれている】
【更に首元で怪しげに光る、銀の籠に砂色の玉を閉じ込めたデザインのペンダント。其処から漏れる特殊な魔翌力、コレは「宝玉」と呼ばれるもの】
【希少な宝玉をぶら下げ、能力を持ちながら跳弾を操る白シャツ×灰色のジレ×ジーンズのシンプルな格好に身を包むこの男】
【彼が一般人とは一線を画することは明確であって―――】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/22(水) 23:19:07.26 ID:3p2cNF290
>>503

【その場を通りかかる何者かの足音。女学生の声を除いては静まり返った夜の街で、それは、再び闇に消えようとして】
【けれどもふとそのリズムが途絶えた。終着点は、問題のベンチの目の前だった。】
【恐らくは彼女の言葉が耳に届いたか、或いはその姿が目に留まったから、なのだろうが―――― 時間帯からすれば警戒を呼び起こしても可笑しくはなく】


………今の話、もう少し詳しく教えてくれる?
物騒な話みたいだけど――――……興味があるのはどうしようもないわ。

【透る声。年相応の/聞き手には、どこか安堵を生む様な。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【くすり、女学生に微笑みかけるのはそんな形容の人影だった。その様子は或いは無防備ですらあったのかも知れない。】
【そして話の内容に興味があるからか、それとも座る空間が欲しいのか、ベンチに広げられた新聞に、その少女はふと視線を移して】
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/22(水) 23:43:35.43 ID:uN/0EquN0
>>506
【――――余りにも態とらしいため息。きっと、気分に浸っていたつもりなのであろう】
【どう足掻いたって変えられない現実。ならば、せめて悲劇のヒロインでも気取っていよう――と】
【勿論。其れは自分一人だけだと確信しているから出来る事…………なのだけれど】


「まぁー……私も新聞でも読んで適当に書き上げちゃいますかー……
謎の巨塔現る!未だ謎に包まれる内部に迫るッ!なんて書けば多分それなりには――――
――――ひゃっ?!べべべべ別に寮から抜け出した訳じゃ無いデスヨ!?ほら、星が綺麗だからついつい足がフラフラ〜――――って」

【一人でネタを作っていれば、澄んだ声が耳を通って】
【突如背筋を伸ばしたかと思えば、訳の分からない弁解を始める――――のだけれど】
【相手が“天敵”で無い事を知れば、あからさまに安堵した表情を浮かべるのだろう】


「びっくりさせないで下さいよぉー……今ので私の老化が10年は進みましたね……
私の話を――――詳しく、ですか?別にそれは構いませんが」

【微笑みかけられれば、きょとんとした顔へと変わって】
【同じ所へ視線を移せば、その紙を適当に畳んで膝に載せ、「どうぞ?」とでも促すのだろう】
【その間にも、少女には外れること無く過剰なまでに視線が注がれるのだが……】


「確かに物騒と言えば物騒なのかも知れませんねぇ……何せ、あの突如現れた巨塔について考えて居た訳ですから……
ほらほら、色々噂があるじゃないですか!異形の者が〜だとか、何とか!
そ、れ、にですよ!何だか色々な事が複雑に絡んでるみたいで、当事者等々が居ましたら是非ともお話を――――
っと、えへへ――すみません。一人で走りすぎてしまいましたね
先程も言った様に、話すのは構わないのですが……えーっと……あなたも、学生さん。でしょうか?」

【身を乗り出すほどの勢い。少女に相づちを打たせる暇も無いほどの勢い為れば、耳に入れるのも疲れる程であろう】
【ふと我に返れば、苦笑いと共に頬をポリポリと搔いて】
【――――少女の言葉には、一度頷いて】
【続けて問う言葉。“も”と使って居る事から考えるに、目の前の少女は学生と思って間違いは無いようだが……】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/22(水) 23:44:34.57 ID:b/c0sU8Ho
>>505
【山中に響き渡る銃声。鳥が飛び立つ音。静寂を切り裂くそれらに招き寄せられるように】
【安定の悪い地面を、しっかりと踏みしめるのは、黒いゴム長靴だ】

【木々の狭間から、ゆらりと現れたその姿。身長は2メートルを超えているであろう。角ばった顔つきの、大男だった】
【薄汚れた灰色の作業着の上に着用した黒いラバー地のエプロン。山歩きには適さないであろう服装もさることながら】
【その形の歪んだ黒い両耳。同じく黒く変色した両手の親指は、他の指より長く】

【何より、異様なのは、その額。山中で修業に励むガンマンに視線を注いでいるのは、両目ではなく、その額いっぱいを埋める、一つ目であった】
【本来の両目も存在していたが、黒い瞳のそれらは生気がない。よく見れば、義眼である、とわかるだろうか】


……たまには、獣の肉でも食べてみようと来てみれば……
面白いものと行きあったな

【異形の大男の口角が吊り上がる。口元から覗く、鋭く尖った歯。なんと醜悪な表情か】
【ガンマンなら、その紺碧の瞳なら、この異形が見た目通りの邪悪を秘めた存在であることがわかるだろうか】


……ふむ、どうやら、ただの一般人ではないようだな
銃が消えたのを見たぞ。それは、お前の能力かね?
それに、そのペンダント……魔力、か? それは、なんだね? どこで手に入れた?

【いきなり現れて、勝手な言葉を吐きながら、大男は彼に歩み寄ろうとする】
【その額の一つ目が、じろじろと無遠慮な視線をガンマンに注ぐ。今は、両者の距離はある程度離れているだろう】
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/05/22(水) 23:45:21.87 ID:sd26e9kKo
>>504

…………そういう軟派なのはいいわよ。
でも、そうね。本当に誰かと付き合うとしたら…………少なくとも私より強いぐらいの人でないと、付いていく気にもなれないわ。

【果たして本日何度目か、ふん、とぶっきらぼうに鼻を鳴らす】
【自分を誇る性格の通り、他人に求める理想もやたら高いようで。好みの基準も何だかズレている】
【この分だともう暫くは、浮いた話の気配はなさそうだ…………】

結界術…………!
へぇ…………なかなか、私好みね。

【コンクリートを砕く結界=c………自分とはまったく系統の異なる奥義に、思わず興奮気味に目を見開いて】
【『白刃龍紋流』にも結界術はあるが、あくまで身を守るためのもの。こんな使い方は出来ない

【何より、元々好戦的で攻め志向な佳乃だ。派手で強力な効果が琴線に触れたのだろう、にやりと不敵に口元を歪めた】


…………じゃあお返しに、私からもこれを渡しておくわ。

【そう言うと佳乃は、着物の袖口に手を差し入れ…………貰った符をしまうと、代わりに自分の符を三枚取り出して、同じように投げ渡すだろう】
【狂死朗のものと違い、片面に墨で描かれた紋様と『木』の漢字が描かれているが、裏面は白紙だ】
【その三枚を渡し終われば――――更にもう一枚同じ符を取り出して、地面にしゃがみ込む】
【ひび割れた瓦礫の隙間に生えていた、萎れかけた雑草。それに、その符を張り付けると】
【右手の人差し指と中指を合わせて口元に持っていくだけの、簡単な印を切って、こう叫んだ】

…………発=I

【それと同時、その符――――木符≠ノ神聖な光が流れ込んで】
【しなだれていた雑草が、見る見るうちに元気な姿を取り戻していくのがわかるだろう】

…………治癒効果を持った符よ。
人間相手だと、張り付けた箇所の痛覚軽減と止血ぐらいの効果しかないけど…………何かあった時の応急処置には使えるわ。
ごく単純な陰陽術で作ったものだから、あなたにも使える筈…………持って行きなさい。

【狂死朗ほど派手ではないが、彼女の手持ちの符ではもっとも堅実で実用的なものだ。役立つときもあるかもしれない】
【――――そうして、符の説明を終えると。佳乃はふっと笑みを浮かべて、言った】

ええ――――私も、そう信じているわ。
…………じゃあね、狂死朗。

【こうして少女は、美麗な紅と金の装飾を散らして、くるりと踵を返し――――】
【狂死朗に見えないよう、嬉しそうに笑いながら。からころと下駄を鳴らして、廃墟から立ち去っていく】

【…………きっかけはなんとなく散歩に出たというだけの、些細な出会いだったが】
【同業者の先輩≠ニの出会いが、佳乃にとって有意義なものだったのは…………】
【月明かりに照らされた、彼女の表情が証明していた】

/二日間、お疲れさまでしたー!!
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/23(木) 00:03:41.37 ID:kUw5S44j0
>>509
お返し?―――なるほど、君の符かぁ……これは有り難いね
僕の退魔術は悪魔の力を借りて強力なモノを放つんだけど……
逆に言うと悪魔が居なきゃ殆ど何も出来ないと言っても過言じゃないからね

【少女から投げつけられた符を両手で受け止めると、礼の言葉を口にする】
【それをコートの中に仕舞い込むと、彼は笑顔を浮かべた】
【実際のところ、彼女が使う退魔術に少し興味があった狂死郎は喜んでいるようで】

ああ、それじゃあまた会おう佳乃君!!
それから次に僕を呼ぶときにはタマちゃんだとかキョウちゃんだとか呼んでくれてもいいよ!!

【去り行く少女の背中に半ば冗談を含んだ言葉を投げかけて、笑顔を浮かべながら彼は彼女を見送った】
【―――今日の出会いが有意義だったのは、何も少女にとってのことだけではなかったらしい】

―――さてと、楽しい楽しい『リユニオン』の時間と行こうかな……
今日は何かいい結果が出る!!―――ような気がする

【とはいえ現実はそう甘いものではなく―――彼は数十分後、落胆することになるのだった】

/こちらこそお疲れ様でした!!
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/23(木) 00:05:38.83 ID:gFor8loVo
>>508

―――ッ……!! 

【草木を分けて眼前に現れた「異形」に、反射で両腕が向けられる。いつの間にか、消した筈の両銃を再度握りながら】
【トントン、と右脚のつま先で地面を突いたのは、戦えるコンディションかどうかを確かめる為だった】
【まだ相手は何も言葉を発していないが―――その男の外見は、彼もまた一般人と一線を画しているということをコレでもかと示しているのだ】

……へっ、こっちも面白いモンと出会っちまったわ
―――獣の代わりに俺を……なーんては考えちゃいねェだろうな? 
酒浸りの不健康な肉なんて食えたもんじゃないぜ?

【苦笑いと共に、首元に流れる汗。決して先程の運動が引き起こしたものではなく、これから予想される危機を憂いてのものだ】
【焦点を醜悪な相手の顔から反らすことの無いまま、ゆっくりと後ずさり言葉を漏らした】

アンタが言う台詞かよ。世間的には俺よりそっちの方がよっぽど怪しいさ……まず、テメーの正体を晒してからにしてもらおうか

【距離を取ることはガンマンの基本。一瞬目線が周りを見渡せば、地形を脳内に叩きこむ―――此処に打てば、こう跳ね返る、と】
【先程の跳弾を実践に活かすためには、広い視野と空間把握能力が求められるのだ】
【―――勿論、出来れば戦闘は避けたい。自身が怪我持ちなのも有るが、無駄な戦闘は好まない口なのだから】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/23(木) 00:26:40.37 ID:8+2a+/veo
>>511
【瞬時に、こちらに彼の両腕が向けられる。そこには、先ほどの銃がすでに顕現している】
【大男は、いったん足を止めた。おそらくは、反射的なものであろう、その動き】
【やはり、素人ではない。油断はできない。が、同時に大男の歪んだ耳は、ガンマンがつま先で地面をたたく音を捉えていた】
【その足に巻かれた包帯も】

(手負い……それも、足のあの位置。銃使いなら、致命傷といえるだろうに……)
(それでも、即座に戦闘態勢を整えるとは。思った以上に、出来るらしいな)

ふむ、そうだな……いや、なかなか食い応えのありそうな身体じゃあないか
酒浸りでも問題はないよ。むしろ、そういった人間の肉を、どう調理すれば美味になるか
ぜひとも、研究してみたいものだ……

【苦笑いを浮かべて見せる彼に、相変わらずの邪悪な笑みで、ベロリ、と舌なめずりをする】
【口から覗いた、赤黒く太い舌。人間離れした長さだ。ますます、異形さが極まる】


ハハ、それはもっともだ。この姿になってから、表通りを歩くことはできなくなった
たちまち、通報されてしまうだろうからな

……正体か。いいだろう

【ほんのわずか、考えるそぶりを見せた後、大男は顎を上げて、ガンマンに自分の喉を向けた】
【その喉の肉が、蠢いた。常人に出来る動きではない。肉が盛り上がり、生き物のように脈動すると】
【肉が、左右に分かれるように開いた。その奥。喉の内側の肉に刻まれた、逆五芒星のマーク】

わかっていただけたかね? まあ、私はただの下っ端だが

【顎を引いて、元の位置へ。肉も、すぐに元の形に戻った】
【一連の行為の間も、一つ目はガンマンから逸らされない。と、同時ににじみ出る警戒心】

【世界最悪の組織の一員であることを明かしたのだ。それも、確かな実力ある人間に】
【次の瞬間、銃弾が飛んできてもおかしくはない。相手の次の動きに対応するための備え】
【だが、現時点では、大男から仕掛けてくる様子はなさそうだ】
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/23(木) 00:48:28.75 ID:gFor8loVo
>>512

―――ははは、ハァ……やっぱりそういう流れになっちゃいますかぃ……

【不気味に笑う眼前の化け物を見れば、この場が穏便に済むとは到底思えない】
【乾いた笑いと漏れた溜息が、虚しく周囲の緑に吸い込まれて再度静寂を作り出して】

【だが、その静寂も直ぐに破られる。其れは眼前の男の声でも彼の声でもなく、森のざわめき】
【―――異形が喉を開きグロテスクな光景を見せた瞬間に、残っていた鳥達が一斉に空へと羽ばたいたのだ】
【理由は明白。―――森の奥底に潜む猛獣よりも、圧倒的な恐怖を抱かせる何かがその場に居たからだ。つまり、この化け物の影響】

―――……ッッ、解ったは解ったが……テメェ、どうなってやがる……!?
人間―――なのか? カノッサに作られた生物兵器か? そういう能力者なのかッッ……!?

【思わず溜め込んだ唾を飲み込んだ。 相手がカノッサと言う事実にも驚いたが、それよりもやはり「彼そのもの」に驚愕を隠せなく】
【―――また一歩、後ろへと下がり落ちた葉を踏みしめた。あんな光景を焼き付けさせられては、警戒はせざるを得ない】
【彼の防衛本能が極限まで高まったその瞬間、自然と右の人差し指に力が籠っていた】

―――ッッ!!

【―――銃声。跳弾などのテクニックは駆使せず、ただ真っ直ぐに空を裂いて喉元に向かう】
【右の赤い銃から放たれた直接相手を狙った一撃は、彼の深い警戒心を示す行動であった】
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/23(木) 00:49:32.04 ID:OQX75FQj0
>>507

(……わ、分かりやすい……どんな人に問い詰められたらこうなるのかしら? というか、明らかにバレるでしょう……。)

【促されるままに腰を下ろせば/少女を迎えた不意討ちひとつ、】
【飛び出てくる老化やら何やらの話―――(……どこからその発想が生まれるのよ……!?)―――― にその表情を崩されかけつつも】
【「ツッコまないわよ」 とでも言う様に/或いはそんな自分を制する様に相槌を打つと、彼女の話に耳を傾け始めるのだろう】

(………、……、……――――――――)

……、……今は学校には行ってないわ。いろいろあって忙しいし、通う理由もあまり無いから―――

【そして降り注ぐ視線に軽く身じろぎして/言葉の瀑布には二の句も継げず、一時的にではあるが圧倒されて――――――― 沈黙、】
【やがてどこか脱力した/肩の力までもが抜けた様な吐息とともに、少女は軽く身分を明かして】


………あの街は確かに魔境でしょうね。幾ら探し歩いても、もう人は生きては見つけられなかった――――――、……という話だった。
六罪王の一人が関わっていた、とも聞いて―――――――、

【自然にあの塔≠ヨと話題は移り変わる。】
【少女の口ぶりはまるで実体験を語る様で――――】
【ふと何かを重い出した様に、ハッとした様子でその言葉を切りつつ、少女は、また口を開くのだろう】


………八攫 柊(やつか しゅう)。覚えるかどうかは任せるけど、何も伝えないよりはマシでしょうから。
……ほ、ほら、だから話の続きを聞かせて?

別のことでも構わないけれど、貴女の知っていて、私の知らないことが良いわね―――――……、

【そしてやや唐突に、自らの名を名乗り/話題の再転換、】

【―――――――― 同時、小さく俯いて回想する。】
【 ……“学生ではないし、通う理由もあまりない”。
【ある意味、失言。】
【自分の話をするのが不得手で、“彼女の話”――――― 或いは其処に含まれる情報を求める少女には、悪手となる自己紹介であった、と】
【…………そしてそれが原因で、また彼女に圧倒されかねないと思考に浮かべて、】

【少女は、彼女に話の続きを求めるのだろう。それが受け入れられるかは彼女次第。如何に話を運ぼうとも、きっとそれが続く筈で。】
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/23(木) 01:16:05.86 ID:8+2a+/veo
>>513
ク、ク……こうして山中に分け入ったはいいが、ろくに獲物が見つからなかったものでね……

【事実、大男は探し求めてきた獣の肉を手に入れることが出来ずにいた。そろそろ下山を考えていた時に、行き会った】
【眼前の彼は、今宵唯一の収穫。異形の大男の思考は、肉でも情報でも何でもいい、彼から何かを得て帰ろう、という】
【身勝手極まる方向へと向かっていた】


【鳥たちが、飛び立つ音。自然界のざわめき。森の木々だけは、それらをただ受け入れる】
【大男本人は、それに対し一瞥すらしない。今は、眼前の相手へ注意を払っておかなければならない】
【ガンマン、それもおそらくは一流の。下手な獣よりも手強そうだ。自然の悲鳴に意識を傾けるなど、出来はしなかった】

よく間違われるが、私はれっきとした人間だよ。もともとは、目も二つだったんだ
お察しの通り、私の能力だ。一つご覧に入れようか

【唾を飲み込み、こちらへの警戒をあらわに、後ずさるガンマンを追うように、ゴム長靴が一歩踏み込む】
【と、次の瞬間――】

…………!!

【再び、静寂を打ち破るは、銃声。己の喉元へ正確に飛来する、銃弾の気配】
【ここからの対処が、間に合うか。最初のガンマンの行動のように、大男も反射的に能力を発動する】
【またも喉元の肉が盛り上がる。今度は、先ほどより大きく。喉から飛び出す、肉の塊。カエルが喉を膨らませているかのような――】
【いや、この気色の悪い光景と比べては、カエルに失礼か】

【盛り上がった肉が盾となり、銃弾によるダメージを緩和する。しかし、無傷とはいかない。肉に穴が穿たれ、鮮血が垂れ落ちる】

カハッ……正確な狙いだ、いい腕をしているな……

【喉の肉が元に戻る。肉が弾丸を止めたらしく、出血は少ないが、喉には確かに傷が刻まれている。一応、血は赤い】
【とっさに喉にやっていた右手を話すと、さらに一歩、彼に詰め寄る】

そちらの能力は、その銃の具現化か何かかね? もう少し近くで見せてくれないか

【そのセリフの直後、さらに異様な光景が展開する。今度は、喉だけではなく、首周りの肉すべてが蠢いたかと思うと】
【大男の首が、前方に伸びた。自身の肉体を膨張させる能力により、首の肉を膨らませて、首を伸ばしたのだ】
【額に一つ目の、男のろくろ首。なんとふざけた状況だろう。角ばった顔が相も変わらず醜悪な笑みをたたえたまま】
【ガンマンのほうへと、迫っていく。長い首は、さらに蠢き続けながら、ガンマンへ向かってさらに伸びていく】

【何らかの手段で妨害、回避が行われなければ。そのまま、伸びた首でガンマンの右腕に巻きつこうとするだろう】
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/23(木) 01:29:32.01 ID:JYAmWAVL0
>>514
「へぇ……今は、と言う事は昔は行っていたのでしょうか?
何と言いますか、雰囲気が風紀の方々に似ていたので、何処かの学園の方かと思っていましたよ……
凛としていて何処か近寄り難い――――なーんて思いましたけど」

【鞄からポッキーなる物の箱を取り出せば、軽快に其れを開けて】
【一本取り出せば、ポリポリと。継いで気付いた様に箱を差し向ければ、小首を傾げるのだろう】
【「一本如何です?」――そんな気の利いた言葉は無いけれど、今までの行動を見ればその動作の意味は十分に伝わるか】


「色々あって忙しい……通う理由が無いにしても……です
んっふっふ……これは匂いますねぇ……私なんてその情報は初耳ですよ?
えっと……ああ、柊さん――――柊ちゃん。ですね
柊ちゃんの様な方は嘘を吐けませんからねぇ……ほら、溜めておくのは身体に毒ですよ」

【洞察力に長けているのか、言葉を切ったその表情を目敏く目に焼いて】
【何処か怪しげな含み笑いを浮かべれば、馴れ馴れしく距離を詰めるのだろう】
【――――馴れ馴れしいのは、動作だけで無く呼称もだけれど】


「因みに、私はアグアニエベ・アウラ……まあ、気軽にアーちゃん♪とでも呼んで下さって結構ですよ
さて、そうですねぇ……私が知っていて柊ちゃんが知らない話となれば……アダルティですねアダルティ!
柊ちゃんの様な方は大抵その手の話に疎いらしいじゃないですか?どうなんです?」

【流す事無く、どうなんです?――なんて振るのだから質が悪い】
【人が居ない故に気にする必要も内のに、憚る様に口元に手を当てれば、囁くように問うのだけれど】
【――――既に脳内では話題の方向性が練られているのであろう。少女が無視をしようとしまいと、ニヤニヤとした笑いは途中で消えて】


「――――まっ、その事を問い詰めてインタビュー付きで発表するのも楽しいかも知れませんが、今はそれ以上に気になることがあります
私はですね、自分の通っている学園でちょっとしたサークルを受け持っているんですよ。真相究明――――全寮制の学校故に仕入れられない外の情報を与える重要なサークルですね
……今は私一人しか居ませんけど
今回はあの塔について調べていたのですが、全く手つかずでお手上げ状態。これで、偽りなく私の話の続きは終わりです

――――でも、そんな事はどうでもいいんです。先程の口ぶり、まるで自分の足で歩いたような口調でしたよね?
柊ちゃん。私が話を続けられるか否かは、そして皆に真実を伝えられるかどうかはあなたの答えで決まるのですが」

【少女の様な性格は押しに弱い――――そう、考えて居るのだろうか】
【打って変わって、真面目な表情。真っ直ぐに向けるのは、明るい茶色の双眸で】
【たった、アレだけの違和感。けれども、広報を名乗り、数多くの人々と接してきた女生徒にはそれで十分】

【強いては、少女の答え次第で全てが左右させるなんて、良心をチクリと攻撃するような文句】
【無視したって、きっと今以上に強くは迫らず、また別な話へと展開するのだけれど―――ー】
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/23(木) 01:41:48.43 ID:gFor8loVo
>>515

―――おいおい、直撃した筈だろ……
テメェのことだから死なねぇだろうとは思ったが、こうも効かないとはな……さて、どーすっかなハハ……

【喉を貫いた筈の弾丸が受け止められ、そしてこの大男は平気で声を発している。その現実には、彼も笑うしかなかった様だ】
【然しながら、滲んだ赤は見逃さない。大男の反応から見ても、無敵ではなさそうであり―――今から脳内をフル回転させるは、肉の鎧を剥がす方法】
【ひたすら正面からに突破するか、何か特殊な方法であの能力を封じるか―――後者が思いつけば楽なのだが、まだ其処までとはいかない】

【兎に角言えることは―――コイツを、近づかせてはならないと言う事】

―――っざけんな、んなもん近くで見たら夢に出て来ちまうだろーがッッ!!

【突如飛び出してくる首―――得体の知れないモノの接近に、恐怖は感じざるを得ない】
【出来れば回避を取りたいが、手負いの右足首の痛みが反応を遅らせる。然しながら、予想できる事態にはリカバリーを取る】
【―――左の銃が轟音を鳴らす。狙いは地面。丁度首が迫る直線上、自身のやや手前に放った其れは青く輝いており―――】

【地面に衝突した刹那、其処から空へと伸びる大きな氷柱を生み出したのだ。其れの用途は単純明快、所謂盾】
【見た目に比べ脆いため、大男の頭を一発防げば勢い良く割れて崩れてしまうがコレで十分。不安要素を挙げるなら―――】
【割れて飛び散った氷の破片が彼の視界をやや妨害している、と言う事か。この隙に接近して現状を有利にするも、即座の追撃を仕掛けるも自由だ】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/23(木) 02:01:01.81 ID:8+2a+/veo
>>517
いやいや、効いたとも。生身に直撃していたら危なかったよ、ハ、ハハ

【ガンマンの乾いた笑いに、大男も笑いを洩らす。しかし、その声は最初に発したものより掠れている】
【喉へのダメージは、大きくはなくとも確実に入っている。滲んだ血の色に合わせて、ガンマンに確信を与える要素となるだろう】

(さて、おそらくは遠距離戦に長けた使い手……動きの鈍い私では、少々つらいものがあるな)
(なんとか接近できればいいのだが、おそらくそう簡単には……!?)

ぬうっ!!

【首を伸ばしつつ、脳裏を行き来していた思考の動きが、中断される】
【今度は、左手の銃による発砲。それも、ただの銃撃ではないことは、すぐにわかった】
【突如、眼前に出現したのは、氷柱。不意を突かれ、勢いそのまま、大男の頭部が氷柱に突っ込む】

【思ったほどの強度はなく、氷柱はすぐに砕け散った。しかし、攻撃は不発。さらに、飛び散った氷柱の破片は】
【ガンマンのみならず、大男の視界も妨害した。近くで砕けた分、その影響はガンマンよりも大きい】
【そこからの反撃への警戒が上回ったか、大男は接近も反撃もせず、首を縮めて頭を引き戻す】


……ただ、銃を出し入れするだけではないのだな。驚かされたよ
どれ、ならば小道具を使ってみようか

【戻した首を一回転させ、コキリと鳴らすと。武骨な右手が、エプロンの内側に差し込まれる】
【引き出されたその手に握られていたのは、大きな肉切り包丁が二本。一本を左手に持ち替えると】

【すぐに、右手がふるわれる。投擲。肉切り包丁の狙いは、包帯が巻かれた右足首】
【と、同時に大男の巨躯が、ガンマンへ向かって走り出す。先に投げた肉切り包丁を追う形で】
【左手の、もう一本の肉切り包丁を逆手に握り、構えての突進。投擲による牽制から、近距離攻撃を仕掛けるつもりだ】
【当然、銃撃による反撃はあるだろうが、ある程度までは、肉の盾で防御出来る。高を括っての判断、ともいえるだろうか】
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/23(木) 02:30:32.74 ID:gFor8loVo
>>518

―――っぶねぇな……!! テメェの一つ一つのアクションが怖すぎて俺の心臓縮めんだよ……!!
(距離を離せば安全って訳でも無ェか……此処だと跳弾は撃ち放題だが、ガタついてる分足首への負担は大きい)
(今回の俺の移動速度は本当に終わってるレベル……アイツも脚はあまり速くは見えねぇが、俺よりは速いか……?)

【銃で霞んだ視界を振り払いながらも、細目で相手を見据える。異形故に、動きが読めない。その不気味さが、更に彼の心を引き締めさせる】
【―――そしてどうやら、相手も慎重な様子。こういう悪党は大体自身の能力に過信している様だが―――冷静さも持ち合わせるこの怪物は相当厄介だ】

こっちの驚きの方が何倍も上なんですが……勘弁してくれよ、マジで
―――で、今度は武器か……そう簡単に、近づかせるか―――ッッ!?

【自分と同じく両手に武器を握った相手、てっきりまず近付こうと脚を前に出すと思いきや―――間髪入れずに投擲をかまして来たのだ】
【一瞬不意を付かれ、そして狙いは自身の弱点、右脚。「―――野郎、解ってやがったか」と眉間に皺を寄せながらも、右の銃で対応する】

…………不気味な目で良く見てやがるぜッッ!!

【回避は出来ないが、銃なら間に合う。投擲の速度よりも、弾丸の方が速いのは当然、反応が大きく遅れない限り対応はできる】
【その通りに包丁を弾丸で撃ち落とすことは成功するが、その代わりに巨躯の接近は許すことになる】
【―――が、此方も何とか間に合うレベル。通常なら問題はないが―――相手は異形。弾丸を当ててもリターンが取れる確信は無いのだから】

【だが、取る選択肢は強制されていた。バックダッシュ、しかも手負いであり機動力の無い男―――故に、回避は難しく反撃しか手段は無いのだ】
【申し訳程度の後退と共に、左の弾丸を撃ち抜く。狙いは迷いなく、逆手に握る左手の手首。武器を落としてくれれば美味しいが、そんなに甘くはない―――】

【そしてどういう結果になろうと、接近されたという事実は変わらない。無傷ながらもこの時点で、状況はかなり不利。脚の遅さがバレてしまうのなら、尚更】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/23(木) 02:55:23.89 ID:8+2a+/veo
>>519
……この姿への感想は慣れているが、動き一つ一つが怖いとまで言われるとは
ひどいじゃあないか。傷つくね

(銃撃に、氷の属性を付加する能力……いや、出来ることはそれだけとは限らない)
(だが、やつの足首……やはり、機動力は低いようだな)

【己の異形を真正面から見据えるガンマン。その精神力、未だ全貌を知らぬ能力】
【警戒心は、落とさない。命のやり取りは、何が起きるかわからない、とはかつて己が敵に向けて吐いた言葉だ】
【だが、右足首の傷は、このガンマンにとって大きな弱点であることも、確かのようだ】


【さて、放った攻撃は、相手の不意を突くことに成功した。ほんの一瞬の対応の遅れ】
【その一瞬でも、前進するには十分だ。投擲した包丁は、見事な銃撃で撃ち落とされるが、後に続く突進にまでは対処できないらしい】

こう見えて、なかなかに性能がいいんだ、この目は


【彼の言葉に返答しつつ、肉薄を続行。このまま、左手の包丁で――】

グッ!!?

【わずかながらも後退しつつ、巨躯を前にしてなお、ぶれることのない銃撃】
【それに、反射的に左手を動かして狙いをずらそうとしたのが、裏目に出た】
【手首に飛来していた弾丸は、左手の親指に当たった。ドス黒く、細長い親指。それは、あっけないほど簡単に、吹き飛んだ】
【生身の親指はすでに失われ、能力によって補ってはいるものの、完全に元通りの性能になったわけではなかったのだ】
【親指を失ったことで握力が弱まり、大男は肉切り包丁を取り落とした】

(うかつな……だが、接近の有利は、譲らん!!)

【しかし、ここで止まってはさらなる追撃を受けるだろう。攻撃を続行。そのまま、四本指となった左手をふるい】
【勢いのまま、ガンマンの右の首筋を狙って、たたきつけようとする】
【歪な左手での、単純な打撃攻撃。攻撃の速度は大したことはない。攻撃の成否は、ガンマンの行動にゆだねられる】
【この一撃をしのげば、さらなる追撃の隙を、大男は与えることになるだろう】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/23(木) 03:09:30.06 ID:bWEuZEl40
>>516

……見る目があるのね。
近寄り難い、か……よく言われるし合ってると思う。
………まあ、本当は治すべきなのかも知れないけど。

【差し出されたポッキー。一瞬無防備な表情で目を丸くするも、どこか楽しげに明度を増す表情で受け取れば】

(………、っ!?――――――)

【物理的に迫ってくる彼女から聞こえた、悪巧みめいた不意討ちの言葉―――― 喉に菓子の欠片でも詰まったのか小さく咽て。】

………アグアニエベ………ねえ、私をからかうのはそんなに楽しい?
確かに得意な話題じゃないけど、知識がゼロなんて事は、無……っ――――――――――

【今度はアダルティな―――――――(……くっ……!)――――― まるで耐性の無い話題に早まる鼓動、】
【頬を朱に染めつつも、少女は、両拳を急に握りしめ、わななく様に震わせて―――――ポキリ、折れたポッキーの音色が軽快だった。】
【それも漸く落ち着けば、肩を上下させながらもまた彼女と向き合って、】

……良いわ、知っている限りを教えてあげる。
受けて立つ――――――― とでも言いましょうか……。

【“挑戦ならば逃げ出さない”――――――― そんなプライドと闘志の見え隠れする返答を、余裕めかした “筈の” 表情で向けた】


確かに私はあの街を歩いた…… というより、調査依頼から作戦に参加したわ。
その中には悪魔やいろいろな異形―――――― ……街の人たちだった怪物が居て、共食いまでして何もかもを滅茶苦茶にしていた。

……1日かけて捜したけど……ひとりも、生きてる人は見つけられなかったわ。
だけどまるで収穫が無かった訳じゃない。幾つか分かった事があった。

邪禍という悪魔はカノッサ機関に協力的で、巨大な蛇の怪物を操って、各地で暴れ回っていること。………私と、その仲間とで戦った相手ね。

そして、“霧” は、霧が現われる時にだけ作用する――――
街の人たちは全員異形化していたのに、あの霧に突入した私達は……誰一人として、ほとんど何の影響も受けなかったから。

……私が知っていることはこれくらいよ。
もっと深層―――― 塔そのものに踏み込んだ人もいるらしいけど、連絡を取る方法が分からないわね……。

【“踏み込んだ人もいるらしい”――――― 否、“その人物を知っている”。】
【そうした含みのある言葉だったが、連絡出来ない事も嘘では無さそうで】

【最後の一節を紡ぐ際に表情が曇ったのを見る限り、或る種の正義感ゆえの其れなのかも知れない。】
【………無用な期待を、そして失望を避けるため、と。】
【そんな雰囲気から繋ぐ話題。声の主の雰囲気を、どこか刹那的な其れに移ろわせながら。】

…………一つ訊きたい事があるの。

…… “標的の人たちだけに狙いを絞って、その障害にはまるで興味を持たない”。
………組織でも個人でも、そんな存在に覚えはない?

分からなかったらそれで良いし、噂程度でも構わない―――――
………何も分からないままよりは、ずっと………捜し易くもなる筈だから。

【……また友人と談笑する様な微笑みを向けて。】
【けれど悔しげななにかを隠しきれない言葉運びで、少女は、今度は自らの問いを紡いだ】

【余程因縁のある相手なのか、それとも “何も分からない” 現状に焦っているのか――――― 何れにせよ、色は変わらねど声は切実で】
【けれど問いを受け取る彼女も同様に “知らない” のなら、幾らでも話題は変わるのだろう。楽しい方向にも、不意討ちめいた方向にでも自由自在に。】

/……凄まじく遅くなってすみません。一応中断でもこちらは大丈夫ですが、どうしましょう……!?
/もし予定があったりするなら、ここで切って頂いても…orz…
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/23(木) 03:12:17.72 ID:bWEuZEl40
/あ、×ここで切って頂いても…orz…
   ○ここで一旦切って、明日のレスで〆にして頂いても…orz…

 ……でした。今夜か今日の夜に続けて頂けるなら、それは凄く嬉しいのですがっ
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/23(木) 03:29:56.74 ID:gFor8loVo
>>520

……俺ぁホラー苦手なんだよッッ―――っとぉ、もうけ―――ッグゥッ……!!

【強く言い切りながら発射された弾丸は親指を撃ち抜き、握られた包丁が大男の手から溢れる】
【おいしい事態が発生した―――と小さな笑みが浮かんだ瞬間、その笑みをかき消すかのように首に衝撃が走った】
【―――油断の隙を突かれた訳ではない。至近距離で親指を撃ち抜かれながらも、怯むことなく攻撃を繰り出す大男が異端なのだろう】

【どんな達人でも、攻撃の直後には隙が生じる。銃弾を発射され、響く反動を手が感じ取ると同時に首への袈裟斬りチョップが襲いかかったのだった】
【―――吹き飛ぶ彼の体躯。乱雑に転がった小石が、滑りながら倒れる彼の背中を引っ掻いて痛みを与える。―――お陰で服がボロボロだ】

―――ケホッ……っぐ……!! 見た目だけじゃなくパワーもエゲツねぇ……!! 

【急いで立ち上がるも、若干のよろけが見えた。強く地面に打ち付け、小石に爪痕を残された背中に加え、一瞬意識が飛びかけるほどの威力のチョップ】
【この痛みが、後の判断・動きを狂わせる不安材料になるのだろうと思うと、気が重くなる。然しながら憂いている余裕も無いのも事実】
【―――視界が一瞬霞んだのは、気のせいだと思いたい。後ろ向きになりかけた気持ちを吹き飛ばす意味でも、此処で攻めに転じなければならなかった】

―――っらぁッッ!!

【やや掠れた声と共に、右の赤い銃から1発。遅れて左の青い銃から1発放つ。―――刹那だが、首元の宝玉が光ったのは大男の目に入っただろうか】
【先に飛び出した弾丸は、先程の凍らせる弾丸と同じエフェクトを放っている。つまり、青く輝いているのだ】
【その弾丸の先は、今度は大男の手前の地面。そして当たった瞬間、飛び出すのは氷柱―――否、違う】

もっと驚かしてやるぜ……このマーシャル・T・ロウの幻想銃術Trickster≠ナよ……!!

【―――逆だ。火柱が、青いエフェクトの弾丸から飛び出したのだ。コレは視界を隠す役割をして、そして本命はもう一つ。後から放った弾丸―――】
【狙いは、頭―――と思いきや、軌道は急に沈み出す。炎の火柱を弾丸が超えて相手に視界に入った瞬間に、軌道を落とすのだ】
【落ちた軌道に有るのは、最初にダメージを与えた大男の喉。そしてこの弾丸には、特殊な能力が篭っている―――!!】

ああ……もう一つのにも驚いてくれや―――ソレ、異常に「重い」から―――!!

【宝玉の輝きは、彼が能力を使った証拠。コレは幽幻の宝玉。幽や幻といった、それこそ名前通りの効力を何らかの形で発揮する宝玉だ】
【初撃は幻を使って本来の弾丸のエフェクト、赤い輝きを隠し、代わりに青のエフェクト―――先程の青い輝きを加えた】
【追撃には霊―――彼の守護霊を使ったのだ。太りすぎて死んだ祖父の霊を銃弾に憑依させ発動することで、銃弾の重量が極端に増し落ちる軌道を描く】
【……その重さ、なんと100kg。100kgが弾丸に乗った瞬間、一気に軌道が沈み高威力の弾丸が襲い掛かるのだ】
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/23(木) 03:48:39.73 ID:JYAmWAVL0
>>521
「あははは……別にからかっている訳では無いんですよ?
これが私の素ですから。でも、柊ちゃんも実はおませさんなんですねぇ……何処で覚えちゃったのやら
ふーん……へぇー……耳年増なんでしょうかねぇー……」

【プー。そんな音を立てながら頬を膨らませる仕草は、何とも腹立つもので】
【言葉を募らせる事は無いけれど――――今は、逆にその方が辛いか】
【ニヤニヤ――――否、ニタニタ。けれど、続く言葉ば自分の期待していた物だと知れば、パッと嬉しそうに笑って】


「あげたポッキーを折る位に動揺していたのにそんな表情をしても……ですよねぇ……
いじけられても困りますから、これ以上は特に言いませんけど

――――霧が異形への鍵、ですか
そしてカノッサに協力的な悪魔。理性も何も無くなった元人間
街の人々は全滅――――っと
うーん……これは自ら行かなくて正解でしたねぇ
柊ちゃんと、その仲間さんの事。何よりも、塔のへ入った方が居るならばもっと詳しく聞きたい所ですが……」

【要所要所を箇条書きでメモ帳に記せば、パタンと閉じて】
【正義感が強い者が聞けば、反感を抱くかも知れない言葉。同情も無く、自分の心配が強く出た言葉】
【――――伝えるのが正義。だから、自分が死んでしまえばその正義も行えないから、なんて感情からだけれど】

【その言葉の裏に隠された感情を汲み取ったか、屈託無く笑えば有り難う御座いました。なんて】
【先程の語りを思い出して、自分なりに整理していた所に投げかけられた声には、眉をピクリと動かし】
【――――やがては、何かを考える様に眉間に皺を寄せながら、視線を再び交えるのだろう】


「…………さあ。柊ちゃんの言っている事が分かるような分からない様な、といった状態ですが
標的の人にだけ、という事でしたら、心当たりは少しは……

兎に角偽善が――――延いては、正義を名乗る人が嫌いという方は居ましたね
過激派なのか分かりませんが、何だか物騒な方達ではありましたよ
あの事件の後に作られたUNITEDTRIGGER。自警団をも嫌うような方達でしたから……
一人の子はぼーっとして居て、もう一人の子は沢山口を作る様な能力を持っていましたけど……えっとー……名前がー……」

【珍しく自信なさげな表情を覗かせれば、その問いに対する答えを紡ぎ始めて】
【正義を嫌う者。過激派。正義を支える者へと攻撃を加えている旨】
【――――それが少女の求めている答えかは分からないけれど】

【こめかみに指を当てれば、トントンと軽く叩いて記憶を呼び起こそうとするけれど】
【中々上手くは行かないようで、誤魔化すように笑うのだろう】
【女生徒の性格からして、それなりに交流が在るならば色々と知っていそうなもの】
【だけれど、詳細を語れないとなるならば――――誤魔化しているのか、或いは本当に知らないのか】

/いえいえ、お気になさらず!
/とは言え、今はこれ以上は厳しそうです……今日の夜へ持ち越しで大丈夫でしょうか……!
/10時半頃には帰宅できると思うのです……!
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/23(木) 03:53:03.03 ID:bWEuZEl40
>>524
/了解ですっ、ありがとうございます……!
/帰りが遅いなんて事も今日は無さそうなので、遅くてもそのくらいには待機&レス返せてるかとっ……!
/それでは一旦お疲れ様でしたー! 今日はありがとうございましたっ…!
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/23(木) 04:13:53.73 ID:8+2a+/veo
>>523
づ……ホラーが苦手な割には、この状況でまるで攻撃がぶれないじゃあないか……
まったく、やってくれる……

【四指による手刀は見事に首筋に入った。攻撃後の隙をつくことには成功した】
【だが、こちらとて無傷ではない。かりそめの指とはいえ、肉体を一部を破壊された痛みが】
【ガンマンが吹き飛んだのを見送った直後に襲ってくる。能力によって肉を動かし、傷口を覆って出血はどうにか止める】

(出来れば、これで昏倒してくれればありがたかったが……そう甘くはないな)

【首への一撃、地形ゆえの背中へのダメージ。相手の無傷ではない。しかし、戦意は衰えていない】
【ボロボロの服で立ち上がってみせる彼の姿を、一つ目の視界で捉える。再び空いてしまった距離を詰めようと――】

チィッ……!!

【当然ながら、引き金を絞る指のほうが早い。飛来する、青の弾丸。後ろにも一発。おそらくは、また氷柱か】
【ほんの一瞬、ペンダントが光るのを、大男は見た。氷柱で牽制し、宝玉の力でたたみかける気か】
【そう、誤認した。すでに、宝玉の力は発動していたというのに】

そうなんども、同じ手に……な!?
火、だと……!!?

【ガンマンの幻想銃術は、大男の予想をたやすくとび越えた。吹きあがる火柱。相手の能力が未知だと認識していながら、さらなる不覚を重ねた】
【至近距離から、自身を苛む熱気。さえぎられる視界。それらから逃れようと、反射的に後退しようとした刹那、大男の意識に二発目の弾丸はなかった】
【気付いた時には、もう遅い。頭部めがけて飛んでくる二発目。今度は、何が来るのか。とにかく、頭の肉を膨張させてガードをしようとした。またもや、判断ミス】

ごあっ!!!
ゲ……ガ、ガ……

【立て続けに、ガンマン・マーシャルの術中にはまった形となった。飛来の途中で軌道を変える弾丸。変幻自在の攻撃の前に、完全に翻弄された】
【守護霊を使った、などということは知る由もなく。ただ、100kgもの重量を持つ弾丸が、まともに先の喉の傷を捉えたという、結果だけを認識した】
【銃弾の威力が、喉の肉を、細胞を破壊し、その内側に食い込む。このままでは、気道が塞がれる。すばやく、右手で喉をつかんだ】

ぐ、ボオォ、ゴ、ガアアァ!!!

【聞くに堪えない、濁りきった叫びと共に、喉を破壊した100kgの銃弾が、「大男の右腕から」排出された】
【見れば、喉をつかむ右手が、喉と完全に融合している。弾丸が吐き出された部分には、穴が、いやこれは、口だ。右腕の中途に、口が出現している】
【喉を破壊した弾丸を取り除き、気道が血液でふさがるのを防ぐため。能力によって喉と右手を繋げて】
【右腕をバイパスとし、右腕に生やした口を排出口として、自身の血液と、超重量の弾丸を吐き出したのだ】

【肉体部位の融合、さらには器官の増殖。己の能力を組み合わせることで、大男は致命傷を免れた。しかし、この場での戦闘の続行は、もはや不可能】
【喉と右腕を融合させた状態のまま、大男が左腕を上げた。四本指の手の平に、さらに口が出現する。その口が、言葉を発する】

……幻想銃術Trickster=c…これもお前の能力か……? それとも、そのペンダントの力なのか……

マーシャル……マーシャル・T・ロウ……確か、『青義同盟』の……かつての、他の正義組織と共に、消え失せたものと思っていたが……
ハ……まったく、今日は驚かされてばかりだ……

【左手の口から放たれる声も、息絶え絶えのひどいものだ。相当に消耗させられたらしい】
【額の瞳は、まだしっかりとマーシャルを見据えている。彼の名前は、知っていたらしい。かつての正義組織の一つ。ある意味、今宵最大の驚きだ】

獣狩りに、来たつもりが……まったく、とんだ大赤字だ……ゲ、ボ……
この場は、撤退させていただくとしよう……

【その言葉とともに、大男の首の後ろから何かが伸びていく。赤黒く太い、舌が二本。首の後ろにも、口を生やしたらしい】
【それらは、大きな木の枝に巻きつく、と同時に収縮し、大男の巨体を樹上に引き上げた】

……カノッサ機関構成員、カニバディール……私の名だ……
縁があれば、また続きをしようじゃあないか……

【捨て台詞をその場に残して、大男・カニバディールは樹上からさらに舌をのばし】
【巨躯を引きずるようにして、山の奥へと消えていった】


/すみません、そろそろ眠気があやしいので、このあたりで締めでお願いしたく
/遅くまでお付き合いいただき、ありがとうございました!!
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/05/23(木) 04:43:33.75 ID:gFor8loVo
>>526

―――ま、それは練習の賜物だよな……ゴホッ……
あー痛ェ……でも、クリーンヒットだな―――!!

(肉を自由自在に移動させるなら、誘導して位置を着弾点とずらす……炎幕によるサポートも、完璧……!!)
(コレが熟練の業ってヤツよ―――!!)

【残る痛みに咳き込みながらも、大男の叫びが作戦の成功を伝えればロウはしたり顔でそう呟く】
【火柱は直ぐに霧散すれば、重症を負う相手の姿が紺碧の両瞳に映った。同時に、彼の足取りがふらつき、ドサッと近くの木にもたれ掛かる】
【相変わらずグロテスクな方法で何とか弾丸は処理したものの、どうやら大男はコレ以上の戦闘は出来ない様子で】

今だから言うが……コイツは「幽幻の宝玉」。 巨塔ATLASで偶然見つけちまっただけさ……
銃……あと炎と氷は自体は俺の能力だが、テメェを撃ち抜く時に使った小細工は宝玉の力だよ―――!!

【肩で息をしながらも、強くそう言い切る。カノッサ相手に宝玉の事を伝えると言う事は、今後狙われる覚悟がある証拠】
【―――それほどの自信があるのか、覚悟があるのか。大きく見開いた瞳の紺碧は、意志の強さが感じさせる程の深い色を生み出している】
【銃を消した右手で握り締めるは、砂色の玉。コレが彼の言う「コイツ」であり、「幽幻の宝玉」なのだろう。怪しい魔翌力がその事を示していた】

……かつてのマーシャル・T・ロウは消え失せたよ。あの組織の頃の俺とは、一味も二味も違ってるさ……いい意味でも、悪い意味でも。
―――ホントは此処で捕まえたいんだが、俺もそんな元気は無ェんだなー……

ってことで、懲りたらもう悪いことはよしな……と言っても聞くはずは無ェか、次は無傷で捕まえるぜ、カニバディール……!!
―――おい、カノッサの連中全員にこう伝えておけや……

            ―――マーシャル・T・ロウが宝玉ぶら下げてテメェ等カノッサを待ってるってな……!!
 
【山奥へと消えていく異形に言葉を投げかけると、疲れの余りかズルズルと木から身体を滑らせて腰を地面に降ろした】
【肉体的な疲れも有るが、ホラーな外見の敵と戦ったことで精神的な疲れも蓄積していた様だ】
【そしてカノッサに追われる覚悟を、疲れた躰に刻み込む男。―――彼の闘いは、これから激しくなっていくことは目に見えていた】

/遅くまで付き合ってもらいすみません……!! 
/ありがとうございました!楽しかったです!!
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/23(木) 17:18:03.17 ID:D3srMdpao
【路地裏】

【女性の死体が一つ、地面に転がっていた】
【死体からは衣服が剥ぎ取られその腹部には赤黒い血と共にグロテスクな中身覗かせる大きく開いた傷が一つ】

【その傷口は刃物で切り裂かれたというよりは野犬か何か生き物に食い破られて出来た様で】

――めェ、ヒャヒャッ……美味ェ…

【そんな異様な亡骸を前にソフトモヒカンの男が地面に座り込んで―――あろうことか、その死体を貪り食っていた】
【男は着込んだ作業着が血で汚れることも気にせず死体から肉、臓器、果ては骨までもを取り出して口に運んでいく】
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/23(木) 18:09:54.37 ID:Y1kzF4aeO
>>528
あら、ここはどこかしら…

【路地裏には色々な人間が色々な理由で集まるものだが】
【今彼がここにいる理由はただ単に道に迷っただけである】

おかしいわね…隠れた洋菓子屋さん…
確かこの辺りだって聞いたのに…

【路地裏は薄暗く、黒は目立ちにくい】
【彼の裾の長いコートや長めの髪、そして瞳も例外ではない】
【白い手とやや中性的ながら男として成熟した顔だけが遠目からは浮かび上がっているようにも見える】

どうしましょう、人に聞こうにもこの辺に人なんているわけ無いわよね…

【ちょうどそんなことを考えた時、彼の耳に何かの音が届いた】
【たった今願ったものだが、それは望んだものとはかけ離れていた】
【なんとも言えない、不気味でグロテスクな音とでも形容しようか】

うぅ…流石にこんな場所は物騒な人が多いみたいね
今日はもう帰ろうかしら

【なおも路地裏に留まる男】
【しかし程なくして男はそれが異常であることに気付く】
【笑い声】
【そして音、気配】
【どちらかというと危険を嫌うこの男の好奇心を刺激するのに十分だった】
【幸い、もしくは災いにも、音を頼りにそこへ向かうのは簡単なことだった】

……?!

【それを見た瞬間】
【上げかけた悲鳴を飲み込むことが出来たのはほとんど偶然だった】

な、なんなのあれ
人?人が人を?

【どうしても目の前の状況を理解することができなかった】
【ただこれだけは本能で分かった】

逃げなきゃ…!

【慌ててその場から立ち去ろうとする】
【しかしそこで彼はミスをしてしまった】
【足元にあった小石に気付かず、それを蹴飛ばしてしまったのだ】

あ…やばっ

【小石は小さな音をたてて転がる】
【辺りはその猟奇的な音以外は比較的静かなので、少しでも周りを気にしていたら男は音に気付くかもしれない】


530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/23(木) 18:11:36.18 ID:Y1kzF4aeO
/っていうかいきなり絡んじゃいましたけど大丈夫ですか?
/ダメなら無視してください
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/23(木) 18:44:59.53 ID:D3srMdpao
>>530
/すっかり書き込んでたこと忘れてました、すいません…
/絡み大歓迎です、今レス返すんでしばしお待ちを
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/23(木) 19:02:30.29 ID:D3srMdpao
>>529

………ん?

【小石の転がる音が路地裏に微かに響くと】
【死体から剥ぎ取った肉を噛み砕きつつ音の聞こえた方へと目を向ける】

ヒャヒャッ、なんだぁ?

【一端咀嚼を止め、大きく鼻から空気を吸い込む】
【鼻腔を通り抜ける空気から血の香りが殆どを占める臭いとは別の突如現れた人物の微かな臭いを嗅ぎ分けて】


……ん〜、人間、で男…だな、うん

【ぐちゃ、ぐちゃ、と含んだ肉を鳴らしながら】
【至極残念そうに呟くと】

【ゴクリと肉を飲み込んで新しい肉を口に詰め込んでいった】

/もういらっしゃらないですかね…?
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/23(木) 19:34:46.58 ID:Y1kzF4aeO
>>532
ひっ…?!

【見つかった、と思った】
【完全にそのソフトモヒカンの男の目は自分を捉えていたから】
【本能、理性、感情、その全てがこの状況はヤバイと叫んでいた】

殺される!

【と思った】
【……のだが】

……あら?

【その男の声はとても残念そうで、てっきり飛びかかってくるかと思ったのに猟奇的な食事に戻ってしまった】

もしかして、アタシに興味がない…?

【それは希望的な観測だったが、もうその可能性にかけるしか無かった】
【ソフトモヒカンの男から少しでも離れるため、彼から目を離さないよう後ろ向きで後ずさる】
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/05/23(木) 20:24:24.87 ID:ie0KFliWo
【ここはとある廃墟――人の気が殆ど無いその場所に、2人の人物が居た】

【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

【2人の近くにある一つの大きな鍋、女性は黙々とそれを用いて料理――鍋物を作る】
【どうやら獣の肉をメインとした鍋のようで――それはまるまる一匹入っているらしく、明らかに2人分の量ではない】

「鍋が出来るまで運動だァーッ!!」

【一方、男の方はというと……】
【ガッシボカ!】 【ズゴゴゴゴ!】 【鉄骨は死んだ、天井の一部も死んだ、ナンテコッタイ】
【……と、まあ、既に崩れかかった廃墟にトドメを刺すかのように、拳を振るいまくっている】
【食前運動……なのだろうが、それ以外にも理由はあるようで……】

「……うおおおォォーーッ!」 「戦いてェェエエーーッ!!!」

【なんて事をかれこれ何回叫んだだろうか――有り余る闘志は幾ら発散しても無くならないのだ】
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/23(木) 22:49:55.76 ID:ofO7nele0
【街外れ……海岸沿いの公園】

【公園のすぐ先には波打つ海が大きく開かれていて、水平線が一望できる……何とも波の音が心地よい】
【押し寄せては引き滔々と脈打つ海面は、まるでそれ全体が生き物のような印象を受ける】
【紺碧の夜空から覗く青白いお月様は、人影も無く海の波音だけが響く静まり返った公園を優しく照らしている】

【そんないい場所にあるこの臨海公園に、こんな夜遅くの時間に暗闇の中訪れる一つの人影】
【丁度海を一望するのに持って来いな小高い堤防へ歩み寄れば、その上にひょいと登り軽く腰掛ける】

【眼前に広がる大海原、響き渡る波の音―――一人で時を過ごすにはもってこいな場所】
【何せ前にも後ろにも遮蔽物が無い。この開放感溢れる場所が、彼女のお気に入りのスペースだった】
【遮蔽物が無い事は同時に、そこに佇む人影が見つかりやすいという事でもあるが――】

【――その人影は、若い女性のようだ】
【肩まで伸びた鳶色の長髪は夜の浜風に吹かれて靡き、澄んだ茶色の瞳は波打つ紺碧の大海原を見つめている】
【少しくすんだベージュのズボン、淡い桜色の半そでシャツ、そこからすらっと伸びる白い腕は月の光に照らされて青白く光る】
【彼女は心地良い浜風に吹かれ、ただ海を静かに見つめている……】

―――海っていいもんですねぇ
ただただ広くて、大きくて……悩み事を吹っ飛ばしてくれます……

【海の大きさは不思議なもので、何故か見ているとちっぽけな悩みを忘れさせてくれる……少なくとも彼女はそんな気がしている】
【こうやって心地良い浜風に吹かれ、波に揺れる青い海面を見つめながら、打ち寄せる波の音を聞いている―――彼女が大好きな事の一つ】
【研究が煮詰まったり、頭に来たり、心が晴れなかったりする時はよくリフレッシュの為にここに来るらしい】

【今こうして誰もいない公園で堤防にぼんやり座っている彼女に、果たして声を掛ける人はいるのか……?】
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/23(木) 23:12:12.29 ID:V9rcTxCgo
【深い森】

【灰色の地面、黒い木々、燐光を放つ青い果実、欠けた月】
【そして滾々と水を湛えた綺麗な泉の側に、一人佇む若い男の姿があった】

……刀、どこに遣ったのだか

【腰に届く紅茶色の髪、左右で瞳孔の開き幅が揃わないオリーブ色の目】
【長身白皙、黒の祭服を纏い、長めの爪先に艶やかな紫色を乗せていた】

【周囲を軽く見回して、はてと頸を傾げればさらさら長い髪が零れて】
【茫としたままその場を動かない。ただただ全てが死に絶えたような静寂がある】
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/23(木) 23:14:37.05 ID:oh7XaaWV0
>>524

(……っ……く、……うぅっ、……、………!)

……、…………っ!

………一体何なのよ、貴女は……ッ。
……だ、だいたい私達は会ったばかりじゃない。
…………それを、こんな……っ……!

【暴発寸前―――― そんな内心でなおも取り澄まそうとする表情は、その裏返しにしては上出来で】
【……けれども握りしめた拳は震わせて。口を開けば彼女の思惑通りだとでも思っているのか、悔しげな/こらえる様な声を漏らすだけで “ほぼ” 沈黙を堅持し続けた、】
【………“筈なのに”。何時しか力なくあげた抗議の声は、若干の涙声の色を含んでもいて、】
【喧騒、】

【そしてやがて移り変わった話題を、或いはそれに関しての語りを終えれば彼女の感想―――― 或いは “過去の最善” についての其れが意識に届いて】
【一瞬驚いた様な顔をした――――― が、】

………ええ、それが良いわ。
人はみんなそれぞれの道があるし、出来ることだってきっと違う――――
……それに平和に暮らせる人なら、そうしているのが一番いい。

何か分かったら伝えるわ。貴女の記事を……一度、読んでみたくもあるから。

【浮かべたのは固さの抜けて華やいだ笑顔/ふっと笑って向ける言葉は透って、】

【…………願う正義は、己が内でだけ燃やすもの。誰に何を求めることなく、戦うのも強いるのも自分だけでいい――――】
【そんな価値観ゆえのその声だったが、其れを見透かされるのかは分からなかった。少女自身は、きっとその可能性を想ってすらもいなかったのだが。】

【だが話題が己の求める情報の其れに移れば、双眸は再び何時もの光を湛えて。逡巡から思索を巡らせ始め/追撃、】

その人たちとは………貴女はどんな風に知り合ったのかしら?
……順番に思い出して。それで何か思い当たるかも知れない――――

【……如何に出会い、如何にして其れを識り。如何に会話を交わした末に観る、平和的な結末(わかれ)であったのか。】
【―――― 瞳の橡色は直線的なまでに真剣だった。隠しているのか忘れたのか、或いは本当にそれ以上は知らないのか……】
【…………何れであれ、答えは見出さねばならないと信じる様に。疑うより、行動することを重んじる様に。】

【だが本当に知らないのならそれまでであろうし、そうなれば話題は変わらざるを得ずにいて――――】

/すみません……大分遅れました……orz
/それではよろしくお願いします……っ!
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/23(木) 23:55:40.90 ID:JYAmWAVL0
>>537
「会ったばかりなのに、分かりやすい性格の柊ちゃんが悪いんですよう
もう少ししたらよく熟したトマトみたく真っ赤になりそうですねぇ……

……ほーっんとに分かりやすいですね。柊ちゃんは」

【何が分かりやすいのかは伝える事は無い】
【恥じらいか、愚直なまでに真っ直ぐな信念か。或いはそのどちらもか】
【――――ふと微笑んだ表情は、其れまでとは異なっていて】
【破天荒な性格の下に隠した、真の己か。誤魔化すかのように、一際深く笑えば】


「読んでくれるなら、私の居る学園まで来なきゃいけませんよ?
あそこは警備が厳しいですからねぇ……良かったら私の制服とお部屋でも貸しましょうか?
女子高生のほっかほか制服、おじさん達なら喉から手を伸ばすほど欲しがりそうですけど」

【茶化すのは、がははははだなんて豪快な笑いだろう】
【読んでみたい。その言葉が嬉しいのは間違い無く、一頻り笑えば、感謝の言葉を続けるけれど】
【何処か親父染みた性格。初対面の相手にもこんな対応で在れば、常に風紀に目を付けられていても可笑しくは無いか】

【少女の言葉には目を伏せて―――――】
【考えて居るのか、それとも、真に知らないのか】
【――――人差し指で自身の唇を撫でれば、其れを機に口を開き】


「面白そうな“匂い”でしたからね。私から話し掛けに行ったんですよ
――――丁度、その時の私が今夜の柊ちゃんの立場ですね

名前は……やはり、思い出せませんが……
“裁き司”の言葉だけは覚えていますよ。可笑しな話ですよねぇ……司が、無差別に殺すだなんて
……柊ちゃんがどれ程強いのかは分かりません……が、出来るならば関わらない方が良さそうな人種という事だけは私でも分かりました
強い、とかでは無くて……何でしょう、丁度柊ちゃんとぶつかってしまうような性格に思えたんですよ
悪とは言い切れないのかもしれないけど……きっと、柊ちゃんから見れば完全な悪者ですよ」

【語られた内容は深くは無いけれど、それでも適当に話し掛けた相手から色々と聞き出す程度には話し上手なのか】
【何処か言いにくそうなのは、最後の行の理由故に】
【真っ直ぐに見られれば、やはり真っ直ぐに返す位には純粋】
【――――「何故、知りたいのです?」それは、全てを語って口を噤んだ数秒後に投げられる言葉】

/お願い致しますー!
/今日は長くて三時までなので……それ以降は置きレススレに移動できるとありがたいです……!
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/05/24(金) 01:37:11.82 ID:J5ZLeua30
>>538

(…………?)

【内心の涙目気味の動揺―――― 観えた微笑みに少し不思議そうな顔をして。けれども “読者” への同意をくれた言葉が聞こえれば、柔らかな表情を返しつつ】

ふふっ……良いわね、それも面白そう。
どんな学校なのか見てみたい気もするし、いつか絶対お邪魔するわ。

それにしても、貴女の部屋と制服か………、……、………私にそういう趣味はないわよ?

【………その二つで、また彼女のペースに持ち込まれそうな気がするのはなぜだろう? 日常めいた色合いの不安、】
【けれど軽い吐息とともに其れは追い出して。ふと我に返った様に釘を刺しながら、幾つかの言葉を交わすのだろう】

【そして本題――――― 彼女の求めた情報に移れば、ひどく真剣な面持ちで耳を傾けて】
【“裁き司”、その語が表情を固く凍らせた。敵意を抑え込み封じ込める様に、強く。】
【“悪”の/情報の整理としてその一言一句を内心で復唱し終えると、感謝の言葉を述べようと口を開いて】

…………ありがとう。助かる、……――――――

【その声を紡いだ一瞬/返される不意の問いに見開いた橡色、】

(………、……――――――)

【そしての、数十秒間の逡巡の持続。ここまでの少女には見られなかった躊躇いの色は、憂いた声で終わりを迎えて】

…………私の友達が襲われたのよ。

“裁き司” と関係があるのかは分からないけど、似た様なやり方をする男に酷い怪我をさせられて………。
………私は、それを止めることが出来なかった。
命そのものは救えたけれど、“護る” 約束なんて潰されてしまった――――

…………だから………今度こそ守りたいの。

……二度と、傷つけさせないために。
………誰にも、あんな思いをさせないために。

……悪意には、私の手で幕を引かなきゃいけない―――――― ………それがあの夜の “私達” につけられる、せめてものケジメだから。

【大切な友達。“大怪我なんてさせない”、そう約束した夜を、それでも守り切れなかった別の夜を少女は回想して】
【だからこそ二度と傷つけさせないのだと。そのために、未だ正体すら知れぬ闇を討つのだと己の答えを紡ぐ】
【そこには揺るがざる願いがあった。絆と、その大切なものを想う感情があった。】
【―――――― 追憶と “今” の言葉を終えて、】

(彼女の知っていることはこれで全部、か………。)
(……大きな手掛かりになったわね。だから、ここから先は私次第―――――)

【……そして覚悟を決める様に、少女はひとつ息を吐く。内心を気取られぬ様な自然さで、或いは軽く呼吸を整える様に。】

/了解です……!
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/24(金) 07:54:45.72 ID:WCcBy3ND0
>>539
/も、申し訳ないです……ストンと眠っちゃってたみたいです……orz
/大丈夫でありましたら、今日中か或いは明日までに置きレスの方でお返し致したいと思いまする……!
541 :死神 東 [!蒼_res]:2013/05/24(金) 11:32:23.49 ID:N9dROVnF0
悪魔族封印領域 人外にはあまり影響できず 罪なき者ばかりを破壊する 絶大なる火力
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/05/24(金) 20:56:41.61 ID:OLmyj9B+o
【残暑のすっかり消え去った夜は、涼しい風がすぅーっと吹き抜けて】
【それはやがて潰えてしまう灯火の最後の一欠片のよう】
【ゆらりと輝いた残照だけが、どこか寂しげな音色を奏でて――――】

【白波の中に帳のように広がった陰のごとく夜が満ち足りていくのだろうか】

【水の国、路地裏――――――】

【吐息にも似た歌声と、耳にこびりつく衣擦れの旋律】
【誰かいる、その雰囲気がわずかに流れだして、まるで蜜の香りのように人を誘う】
【頬ずりするかのように、視線を傾けたなら、その奥に一つの景色が広がっているのだろう】


――――――……むぅ……忘れたの、続き……歌の……


【月明かりが指す宵闇の陰、木漏れ日のような柔らかい日差しに溶けるかのよう】
【仄かな純白がふわり、揺れる姿は、小さな唇の奏でる漣であるのだろうか】
【木箱に腰掛けて、彼女は一人夜の中に浮かび上がっていた】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【ちょこんと重ねた両膝の上、スカートの裾から零れる緩やかな太ももの上】

【―――抜き身の銃身が、鋭い黒色を浮かべながら、殺意のこもらない銃口を傾けていた】
【どうやら銃の手入れをしているようで、長く大きな銃身が、その場でバラバラにされていた】
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/24(金) 21:07:15.53 ID:9CIj/wP10
【――――時は絶えず流れ続け、その流れの中に人間たちは生きている】
【そして、その『物語』もまた、同じ時の中で紡がれてゆく物である――――】



【――――風の国 郊外】

――――カノッサに打撃を与えるなら『UNITED TRIGGER』に接触するのが一番、か……ぁ
とはいうものの……あの連中の命は、どこまで輝いているんだ……ぁ?

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年が】
【人気の少ない舗装道路で大の字に寝転がりながら、頭上の月と睨めっこをしていた】
【まだ、風が『爽やか』と感じるには早い季節だが、肌寒さを感じるよりも心地よさを感じている様に、体中で風を受け止めている】
【しかし――――その表情はどこか切り詰めたものを感じさせて】

…………会って、直接確かめるしかないか……ぁ
……彼らが柊の様に、命の輝きに満ちた人間であれば良いんだけど、ね……ぇ

【じっと空を睨みつける瞳に、切れる様な鋭さを宿らせながら、青年は口元に力を込める】
【緩やかに流れていた風が、徐々に重苦しい雰囲気を漂わせ始めていた】



【――――所変わって、水の国 路地裏】

……この世界の新聞も、読めるのはありがたかったけど……
「(……色々と、混乱してやがる……表だっての形だけで、こうも世界が割れてやがるなんて……)」
<(碌でもない話よねぇ……まぁ、陰険に、何でも無いって顔しながらじわじわやられるより、よっぽどカラッとしてるかしら?)>

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【拾ったと思しき新聞紙を広げ、微かな月明かりの下で眼を走らせていた】
【壁に背を預け、縮こまる様にしゃがみながら、不安げな表情でページをめくる】

……本当に、見つかるのかな……帰る手段……
「(さぁな。けど……とりあえず行動してみない事には始まらねぇだろ?)」
<(そうよね……けど、それにしたって情報がないと……よね?)>

【読み進めていたペースを落とし、落ち込んだ様子で新聞から目を離す少女】
【――――額の発光する点が、緩やかに明滅を見せていた】



【――――同じ時間に、異なる場所で時を過ごしている2人の戦士】
【果たして彼らのうち、どちらの『物語』に変化が訪れるのだろうか?】
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/24(金) 22:11:14.96 ID:8G8UloFZo
>>543
久々に手品をしたな、やはり腕が鈍っているか
立て続けの収入に甘やかされちゃったかナー...

【頭から首をすっぽりと覆う牛と山羊を足したかのような奇妙な顔のマスクに】
【キッチリと留め具が締められた踵まで届く黒い革のコートに、黒い手袋、ローファー】
【肌を露出を一切見えない、まるで闇夜に紛れてしまう程の黒尽くめ】
【闇夜の路地を、まるでピエロの如く、滑稽に足を上げながら歩いていた】

コツ、コツ、コツ―

【重苦しい、鋭い雰囲気を漂わす青年に対して】
【こちらは気が抜けるような、非常に弛緩とした雰囲気をあたりに足音とともに撒き散らしていた】
【水と油、決して交わらぬような空間が、青年とこのマスクの道化師がすれ違った時―】

【一枚の、胸のポケットに入るほどの厚紙―名刺が、彼のコートのポケットから落ちた】
【財布はまだしも、紙というのは落としても中々気付かない、マスクの人はそれも気にせずただ歩む】
【落ちた名刺をもし見れば、今まさに青年が興味が引かれている、ある名詞が刻まれているであろう―】

【UNITED TRIGGER―と】

//まだおりますでしょうか...?
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/25(土) 13:47:01.63 ID:2mfaQLuRo
【水の国・高層ビル最上階】

【眠り続けているのだろう人の目覚めを待つ時間は、】
【暗闇の中、微かな糸をただ手繰っていくような寂寥の中にあった】

【今の段階で、彼に出来る事は2つ――】
【自身に混ぜ合わせた魔族の魔力を、繋ぐ手からなり分け与える事】
【そしてその能力を用い、不安や孤独、そんな悪夢から遠ざける事】

【(全てがその為に選んだ手段、人を捨てるという選択だった)】
【(その代償に魔の眷属となったなら――“悪”として生きる事に迷いは無かった)】

【それより彼を苛むのは、いつか夜の館で味わったような、永遠にも似た苦しみの時間で】
【茫と彼女の側にいるまま、その寝顔を見ていた折にふと思い出したのは】

…………紫の、薔薇

【いつかあの少女が言っていた事も、まだ答えは出せないままだった】
【だがあの少女なら、彼女を救う手段を知っているかもしれない】

【――そうして淡い期待と共に窓から投げた、約束通りの一輪が伝える真実は】
【彼を安堵させると同時に、消せない黒い女との繋がりが、より一層伸し掛かる事となるのだった】

/補完でございます
546 :死神 東 [!red_res]:2013/05/25(土) 16:08:13.15 ID:TvgvzgG50
悪魔重量取立て 巡航値 最大値 最小値 大量の数字を出します
悪魔限界がない事は不可能なのです 大きなギラから 必ず支払うのです
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/25(土) 20:40:04.84 ID:4GKBrYAao
【――とある街。薄暗い路地裏】

ごほん、えー映像記録開始

【セミロングの金髪に、灰色の瞳を持った若い女性が1人】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、黒いワークブーツを履き】
【小さなリュックと、黒いタブレットを抱え】
【何やらぶつぶつと独り言】

前回は夜の公園にて「能力者」との接触に成功
今度は少々踏み込んで―――
公園よりも危険度は高いが、能力者との出会いの確率も高いと思われる
「路地裏」での調査を行います

【撮影機能を使用しているらしく】
【タブレットを垂直に構えながらきょろきょろと周囲を見渡している】

では……「能力者探し」を開始します

【1人の女性が、路地裏でタブレットを持ちながらうろうろ】
【少しでも路地裏で異変があれば、すぐに駈けつけようと意気込んでいる様子】
【あまり安心できない光景だが――――】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/25(土) 21:16:13.02 ID:KEb7Jprp0
>>547
【直ぐにでも駆けつけよう。そう意気込んでいるところ申し訳ないのだが、ここは路地裏。適当にぶらついていたら問題なんて向こうから駆けて来る】
【タブレット端末を掲げているのならば、恐らくその視線は端末の画面に注がれているのだろう】
【だとすれば、画面に飛び込んでくる"それ"に気付かざるを得なくなる筈だ】

こんな所をうろついていては危ないですよ?

【そんな言葉を投げかけながら、"それ"が画面を占領する】
【弧を描く形で閉じられた瞳。小文字のオメガを連想させる形で結ばれた口。自他的にも認められる良い笑顔である】
【少しカメラを引くか、画面から目を離せば、"それ"の全体像は見えて来るはずだ】

【少し痛んだ青色のデニムに、薄く汚れたセーフティブーツ】
【前を開いた茶色のミリタリーコートからは、白のシャツと黒いネクタイが顔を覗かせている】
【あまり特徴的とは言えない服装の中、携えられた二本の鋼鉄の剣と赤色のマフラーが存在を主張する】
【微かに白みがかった緑の髪に鮮やかな蒼眼。そんな格好をした青年が、「^ω^」の様な表情を浮かべて写りこんで来たのだ】

何が目的かは存じ上げませんが、もう少し明るい所でやるべきだと思います
この時間のこの辺りは誰が何しているかわからないですからね

【忠告をする様に言葉を走らせるこの間も、その女性が端末を大きく退けたりしない限り、笑顔が画面を占領し続けるだろう】
【撮影の妨げになる傍迷惑な奴と見るか、葱を背負ってやってきた鴨と見るか、それは彼女の自由だ】
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/25(土) 21:28:58.59 ID:4GKBrYAao
>>548

ん?

【タブレットの撮影画面に飛び込んでくる人影】
【笑顔の青年が目の前に現れた】

あ、これはすいません
御忠告感謝します
ところで……

【許可も無くタブレットを向けながら会話を続けるのは失礼と感じたのか】
【タブレットをおろし、青年の「ある部分」に注目する】

その剣……もしかして自警団の方ですか?

【青年は警察や警備員のような制服は着ていない……どう見ても私服だ―――】
【しかし携える2本の剣は、一般人が堂々と持ち歩いていい代物には到底見えない】
【となると、残された選択肢は自警団くらいだ】
【もっとも、「法律とは無縁の世界の人間」である可能性もあるが……】



550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/25(土) 21:40:23.08 ID:KEb7Jprp0
>>549

【タブレットをおろしたならば、彼も覗き込むために傾けていた姿勢を元に正す】
【口元は依然変わらずなのだが、流石に浮かべていた笑顔は幾分か薄らいでいた】

ん?いえいえ、ただのフリーの良い人です
この剣は……ちょっとした商売道具みたいなものですよ、そう警戒なさらないでください

【柄頭に左手を置き、右手を顎に当てた形に体勢を変え、そう断りを入れる】
【残念ながら彼は自警団の様な者達の一員で無ければ、悪の使徒でも無い】
【確かに悪意が解き放たれた現場にいたならば義を持って立ち向かうのだが、基本的には流浪人なのだ】

そういう貴女はここで何をしているのですか?
見たところ研究者の方の様ですが……こんな所まで、何故?

【次に口を走ったのは、彼女の姿を見て浮かんだ疑問】
【仮に研究者だとしても、こんな所に何を調べに来るのだろうか。それが彼の思考の一部を支配していたのだ】
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/25(土) 21:49:26.35 ID:YQWdddxco
【人気の無い商店街】

【街灯の明かりが、影をつけることもないほどに、誰もいないこの道に】
【一人、女がベンチに腰を掛け、やや憂鬱気味につぶやいていた】

「んま……アレだよな、アレ…どっかで何かが起きてそうな気がすんだが」

【ポニーテールにまとめた赤い髪に、黒色の瞳】
【口元から棒だけ出した棒付きキャンディは、まるでくわえ煙草の様で】
【一昔前の不良のテンプレのような、謎の金色の漢字の刺繍が施された、ピンク色の特攻服。】
【上着に当たる部分は、前を止めず、サラシを巻いて隠して、豊満な胸をさらしていた】

【首元から、鎖につながれた五寸釘をネックレスのようにかけている彼女は】
【さらに地下足袋である。パッと見不良というイメージが出て来ても不思議はない】

「んで、暇でも潰そうとしようかと思って……買ったんだが…」

【人っ子一人居ないとはこういうことで、赤髪の言葉がやめば、そこには風の音しか響かない】
【そんな人気のなくなってしまった、商店街で、赤髪が大切そうに右手で握っていたのは】
【チョコレートかいちごか、詳しくはよくわからないが、とにかくその近辺で買ったような”クレープ”だった】
【既に赤髪が買った場所と思われる、移動式の屋台は撤収の準備を始めており、彼女が最後の客であることを想像させた】
【おそらく、もっと儲かる場所にでも移動しようという塩梅であろう】


【はたしてこの街角に、誰がやってくるのであろうか…】

/使いまわしですが
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/25(土) 21:55:57.52 ID:4GKBrYAao
>>550

フリーの良い人?
商売道具……

【斬新な表現だったが、要するに】
【自警団ではないが、悪意があって近寄ったわけではないと言いたいのだろう】
【だがすでに、彼女の中では警戒心より期待感の方が上回っていた】

そうですね、研究者です
と言ってもまだ学生で研修生ですが……

【彼女の方も笑みを浮かべ、質問の続きに答える】

「こんな所」だからこそ来たんです
私は「能力マニア」ですから
研究対象である能力者との出会いを求めに、ね

【改めて彼を見つめる】
【一般人がこのような恰好をしていれば、必然的に戦いに巻き込まれることは多いだろう】
【つまり、彼女の研究対象である可能性は十分にある――】

自警団かどうかはどうでもいいんです
私が本当に聞きたいことはひとつだけ

あなたは能力者ですか?
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/25(土) 22:15:37.22 ID:KEb7Jprp0
>>552

なるほど、能力についての研究ですか……なかなか面白そうですね

人によって色んな能力がありますからね……調べていて底が見えてこないでしょう?

【「能力マニア」を名乗る彼女の言葉を聞くと、彼は顎に当てていた手を口元まで持って行って見せる】
【成るほど、そう言った事情ならこんな所まで来ているのも仕方ないのだろうか。しかし身を守る道具も無しに来るのは…】
【そんな考えが頭の中をグルグルと回り始めてしまったので、とりあえずそれは置いておく事にして、】
【そして、能力者か?という問いだが、】

ええ。僕も一般的に「能力者」と呼ばれる者です
ただ僕の能力はそう格好良い物ではなく、地味ですけど

えーっと、……能力の説明とか、要りますか?

【そう断りを入れて、顎に持って行っていた右手でポリポリと頬を掻いてみせる】
【確かに彼は能力を持って生まれた。だが彼の能力は火炎を生み出したり、ワープホールを作ったりする様な派手なものでは無いのだ】
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/25(土) 22:40:46.86 ID:4GKBrYAao
>>553

【興味のあまり、唐突に質問してしまったが】
【意外と好意的に受け止めてくれたようで、女性のテンションも上昇する】

ええ、そうなんですよ!
世界にどれほどの能力者がいて、どのような能力があるのか……
完全に把握している人は誰もいません
能力の研究はまだまだ未開の分野ですからね

【と、饒舌に語ったところで、青年があっさりと彼女の質問を肯定した】

やはり能力者の方でしたか!
路地裏まで来たかいがありました
はい、ぜひ説明していただきたいです!

あ、その前に一応お名前も教えてもらえますか?

【相手の名前に対して、「一応」というのは些か失礼だが】
【青年が協力的であることにますます期待感が増したのか】
【灰色の瞳を輝かせ、タブレットとタッチペンを携えながら青年を凝視する】


555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/25(土) 23:02:28.91 ID:KEb7Jprp0
>>554

【能力の話題になった途端、生き生きとし始める彼女に少しだけ圧倒される】
【どうやら能力マニアの名に恥じない人物なのだ、と思わざるを得なかった】

ええ、僕も色んな能力を見たことはありますけど、全部を完全に把握するなんて無理ですからねー…
そもそも何で目覚めるのかもわかってませんし…

【そこまで言うと、彼は視線を伏せて、むーっ、と考え始める】
【専門家でもない彼が幾ら悩んだって分かる訳がないのだが、まあそれはどうでもいい話かもしれない】
【その内、彼自身も考えるのを止めて向き直る】

(い、一応……まあ興味を持ってもらわないのは助かるけれど……)

僕の名前はエヴァンです。以後お見知りおきを

【彼女の関心の大きさが、名前よりも能力に向いてくれたのは、むしろ好都合だった】
【毎度毎度名乗るときは少し罪悪感に駆られる。困ったものだ】
【だが今なら直ぐに話題を変えられる。早々に名乗り、彼女から向けられる視線を浴びながら説明を開始する】

能力名の方は……まあそれはいいでしょう
簡潔に言えば、僕の能力は"魔法薬を練成する"能力です
様々な制約がありますが、作りたい魔法薬を自由に作れるので戦闘以外に関しては便利な能力です

【能力の内容が彼の口から流れ出ていく。確かに聞けば、「便利」だと思う面もあるのだろう】
【彼もこの能力が無ければ、今頃陽光に怯え、自由に貴金属を触れない。そんな生活を強いられていたものだ】

【因みに彼が言葉を濁した能力名に関しては、きっちり彼が名付けた「マッド・メディスン」と言う名前があるのだが、】
【残念ながら彼は自分のネーミングのセンスを疑っていた為、口に出すのを憚ってしまった様だ】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/25(土) 23:17:37.99 ID:uGg+xXC1o
【路地裏】

【夜の街。繁華街は幾つもネオンが自己主張激しくひしめいた街。】
【こんな場所は大抵暴力沙汰ばかりでろくでもない街に成り下がっているが】
【この街は他の地域と違ってまだ安全だ。大通りなら夜も出歩ける】

【ほんのすぐ近くの路地に入ればもう薄暗い。ゴミ箱と生臭い換気扇の排気】
【そこに壁に投げつけられたパーカーの男とそれを蹴り上げるガタイのいい柄シャツの男】

『ウチのシマでヤク売ってんじゃねえぞ馬鹿野郎!!何処のモンだ馬鹿野郎』
『てっ、テメエらだってD.R.U.G.S.だろ?!ヤク捌いて何が悪いん………』

【パーカーの男は反論するが言い終わる前にまた蹴り上げられる】

『うっせーなあ!ココは富嶽会のシマだろうがよ!ああ?!!』

【柄シャツは執拗に蹴りながら恫喝する。パーカーはうずくまって動かない】

もういい、もういい……あーもう、もういいから

『ああ?!!……あっ嬢さん、どうもすいません、取り込み中でして…………ですがしかし…』

【路地に新しい女の声がする。柄シャツは男を蹴り飛ばし、振り向いて礼をする】

【長い黒髪をべっ甲の髪留めで一つにまとめポニーテイルにしている】
【切れ長の目をしており白い肌に薄化粧を施して。黒のパンツスーツとヒールを履いている】
【ジャケットの胸に代紋の金バッチ。腰には朱の鞘の刀が2本。指に紙巻の煙草を挟んでいる】

【女はポケットから車のキーを柄シャツに投げる】

いいから、さっさと事務所に連れてって聴いてきて。
吐いたら適当にリンチして。相手の事務所に捨ててくればいいから。

【さらりと拉致と拷問とリンチをオーダーする。若いようだが地位は高いのだろう】

『了解しました。失礼します………おらあ!兄弟が待ってるから行くぞボケ!』
『嫌だぁ……殺さないでくれよお…俺は悪くねえんだってえ……ただ言われて……』

【パーカーは虚しい声を残しながら、柄シャツの男に強引に路地を連れて行かれた】

はあ……何で秘書がこんなことしてるんだろう…

【1人残された女はついぼやきながら煙草をくわえて吸い込んだ。】
【吐き出しても出て行くモヤモヤは煙だけで…】
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/25(土) 23:17:49.76 ID:4GKBrYAao
>>555

そうですね……能力も生まれつきであったり後天的だったり、若しくは人工的であったり
色々ありますからねえ
まあ、そのへんをしっかり分類するのも私のテーマの一つではありますが
最終目標はまさに……まあ私のことはどうでもいいですね

【せっかくの能力者を前に自分のことを話す時間がもったいないと感じたのか】
【話題を切り上げ、青年の能力話に集中する】

エヴァンさん、ですね
私はピオネルスカヤと申します。氷の国、ヴィエラ大学の学生です
こちらこそ、どうぞお見知りおきを

【深々と頭を下げた後、スラスラとタッチペンをタブレットに走らせながら】
【青年、エヴァンの話を聞く】

ほおほお、魔法薬の生成……
例えばどんなものを作れるんですか?
い、今作ることも可能ですか!?

【初めて聞く能力に、好奇心を隠さず、軽く息を荒げながら】
【エヴァンに質問を浴びせかける】

558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/25(土) 23:38:55.56 ID:KEb7Jprp0
>>557

【何よりも能力の話を楽しがる彼女が話を切り上げるのなら、これ以上続く事も無いだろう】
【彼自身もそう思い、自分も自分の力に関しての説明に集中する事にする】

氷の国の……大学ですか。成るほど、公的な研究機関なんですね

ええ、よろしくお願いしますピオネルスカニャ……
                       ピオネルスカヤさんっ

【彼女の話を聞くと、彼も同じ様に頭を下げて応じる】
【噛んだのは、まあ気にしないであげて欲しい】

【興奮冷めやらぬピオネルスカヤの様子に、暴風に打たれた様に上体を逸らして気負させられる】

作れる物は基本的に既知の物です
そういう意味では、"創作"というより"再現"の方が近いかもしれないですね

今作れるか…そうですね……器具と材料があれば本格的な物を作ることも出来るのですが、今は簡単なものしか作れませんね

【そう言うと、彼は着ているコートの裏側をガサゴソと漁る様に物を探ると、小さめの薬研が姿を現す】
【……何故薬研を携帯しているのか、このコートの何処に収まっていたのか。それは気にしてはいけない】
【それと同時に数個の……恐らく薬の材料だろうか。妙な草や変な物体が入った小瓶を取り出し、近くの丁度いい高さの木箱の上に乗せる】

あ、宜しければ髪の毛を一本頂戴してもよろしいですか?
能力を使うのに必要なものでして

【木箱に置いた薬研に材料らしき物を、分量も量らずにちょいちょいと入れていく】
【その傍ら、エヴァンはピオネルスカヤに対してそう問いかける。これが彼の能力の面倒な制約の一つなのだ】
【勿論、場合によっては拒否する事も可能だ】
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/25(土) 23:53:34.98 ID:4GKBrYAao
>>558

私は個人で動くことが殆どなので、公的であると意識することはあまりないですけどね

あ、長くて言い辛ければ、ピオネルと略していただいて大丈夫ですよ

【微妙に長くて微妙に発音しづらい名前なのは彼女も自覚していた】
【そのため、慣れた様子で略称を薦める】

なるほど、念じただけで薬が出現するようなものではないわけですね
器具や設備が充実していればより複雑なことができると……

【彼の取り出す小瓶や薬研を観察しながら、タッチペンでメモを続ける】
【時折思い出したかのようにタブレットのカメラ機能を(無許可で)使うが】
【基本的にはタブレットを通してではなく、なるべく自分の目で直接見たいようだ】

私の髪、ですか?
はいもちろん、能力を見せて頂けるのならこんなものいくらでも差し上げます!
一体何に使われるんですか?

【プチッ、と自らの髪を引き抜き】
【長めのブロンドの髪の毛を一本差し出す】
【ワクワクを隠しきれない様子だ】
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/26(日) 00:20:07.16 ID:3pQ/MW4v0
>>559

ああ、宜しいですか?ではよろしくお願いしますピオネルさん…

【略しても良い、と言われれば、それに素直に従う事にする】
【普段の彼は基本的にドンクサイ奴なのだ】

ええ、流石に僕も何も無いところから作り出すことは出来ません
今回は簡単な薬なのでそう対して量は必要ないんですけどね

まあ設備や器具に関しては、粉薬より水薬の方が作りやすい、というだけです

【そんな風に説明しながら、カシャリと鳴った撮影音に少し身を震わせる】
【それがカメラによる物だと分かると少し安堵した様な反応を見せる。心臓に悪いとでも思っているのか】
【まあ特別気にする事でもないので止めはしないが、それよりもその後のワイルドな材料提供に度肝を抜かれる】

【楽しみなのは分かるが、よくもまあここまでガッツいていられるものだ。彼は感心する】
【差し出された髪を受け取り、同時に、ナイフでも渡した方が良かったな、と反省した】

えっと、これは僕のこの能力の制約に関しての問題でして、

まず、作りたい薬の効能に関して一定の理解があることが必要です
どんな成分が作用しているか、どんな魔法がその効果を持っているのか
あるいは作りたい薬や、それに関する現物を材料に入れる必要があります

今回の場合は、手の甲にちょっとしたマークが現れる魔法の魔法薬を作る事にします

そして……

【そこまで説明すると、彼はピオネルの髪の毛と材料を薬研でゴリゴリとすりつぶし始める】
【物の数秒の事だろうか。乾燥した草だの人毛だの入れれば黒くなるはずの粉末が、何故か青色の粉末に変わっていく】
【完全に青色になった頃に、彼は薬研を動かす手を止めて、何処から取り出したのか、小さな懐紙に折り跡を付けて粉薬を乗せていく】

この魔法薬はあらかじめ指定した特定の個人に対してしか効きません
この様に"誰かしらの情報源"を材料に含めないと、薬が完成しません

この粉薬は"ピオネルスカヤ本人にしか効かない、左手の甲にマークが現れる魔法薬"です

【どうぞ。と悪意ゼロで、そんなえげつない色をした粉末をピオネルに差し出す】
【その粉末は、粉だというのに何故か喉に張り付いたりはしない。ゼリーか何かの様にするすると入っていくだろう】
【そんな風に服用して見せたのなら、】
【左手の甲に、口を緩いU字に結び、丸い目を持つニコちゃんマークが浮かび上がるだろう】
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/26(日) 00:47:37.94 ID:DRHZ4um+o
>>560

【エヴァンの説明に頷きながら、作業を一瞬たりとも見逃さないように】
【両目をしっかりと開きながら、一方でタッチペンを動かし続ける】

手の甲にちょっとしたマークが現れる魔法……
それまたずいぶんとピンポイントな効果ですね

【素直な感想を言いながら、青色に変色している粉末に少し驚き】

おお、魔法っぽくなってきましたね!
しかしなんというか、能力を使っているのかどうかわかりにくい能力ですね!

【彼女に悪意はなく、それすらも興味の対象なのだが】
【素直すぎる感想を述べる】

【そして、完成した粉末薬を差し出されたので、タブレットを一旦置き】
【薬を受け取り、しばらくまじまじと見つめ】

じゃあ、遠慮なくいただきます

【えげつない色に特に躊躇した様子を見せず】
【早く効果を知りたいと言わんばかりにグイっと飲み込む】

ん?お、おお……!

【左手の甲の異変に気付き、感嘆の声を漏らしながら】
【自分の左手に現れたニコちゃんマークを見つめ、手を振ったり開いたりしてみる】
【タブレットで撮影するのも忘れない】
【ひとしきり盛り上がった後、ある疑問を口にする】

あ、ところでこれ、いつ消えるんです?まさか永続……



562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/26(日) 01:08:59.08 ID:3pQ/MW4v0
>>561

正確には、マーキングの魔法です
ただ、手の甲と指定しているだけです。お尻に現れても嫌でしょう?

【薬研から手を放すと、木箱に手をかざして、魔翌力を集中させる】
【ポフッ、と気の抜ける音がしてからエヴァンが手を退けると、木箱にピオネルの手に現れたものと同じニコちゃんマークが付けられていた】
【能力の対象にする人物の情報。能力で付与する効果に関しての情報。再現するに値するだけの価値のある材料】
【それだけ揃えて、ようやくこの能力は真価を発揮するのだ】 

しょうがないですよ。元来「魔法薬」という地味な能力ですから
だからと言って作ってる最中に派手な火花とか紫の煙とかが出ても、それはそれで困り物なんですけどね…

【素直すぎるのは仕方の無い事だ。能力の事がわかりにくい?それはそうだ、自分だってそう思う】

【そして、渡した粉薬をピオネルは少しでも服用するのを戸惑うだろう。そんな事を思っていたのだから、彼は今日何度目か分からない驚きを見せる】
【確かに作成した本人は目の前にいるし、現に作成した風景も見てはいた】
【だがやっぱりそんな見た目の薬しか出来ないのがこの能力の欠点。それを服用する事を拒まれた事が無いわけでは無い】
【だから、研究の為とは言え何の躊躇いも無く服用してくれた事を、少しだけ嬉しく思い、頬を掻きながら小さく笑みを浮かべた】

大丈夫です。あと数分もあれば消えますよ
正確に分量を測ってないので具体的な時間は言えませんが、大した材料を使ってないのでそう何時間も残らないはずです

【そんな言葉の傍ら、取り出していた材料の小瓶に蓋をして懐に仕舞うとき、】
【小瓶に貼り付けたラベルを見て一拍置いてから真顔になり、少し引きつった笑顔を顔に浮かべていた】
【そこそこ良い物でも入れてしまったのだろうか。エヴァンの金銭的にもピオネルの外見的にも大問題である】

さ、さて、僕の能力はこんな物です。お役に立てましたか?

【話題を逸らす様に、エヴァンは話を切り出した】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/26(日) 01:21:35.84 ID:DRHZ4um+o
>>562

いえいえ、分かりにくいとは言いましたが……地味だなんてことはありません
というか、地味な能力なんて存在しません
私からすればどの能力も等しく魅力的で興味深いですよ
もちろんエヴァンさんのこの能力も!

【左手の甲をかざして、微笑む】
【能力マニアのピオネルにとって、すべての能力は研究対象であり価値のある物だ】

数分で消えるんですか。ちょっと残念ですね、もう少し観察したかったんですが

【エヴァンの笑顔が引きつっていることには気づかないようだ】

ありがとうございます!
これでまた研究が1歩前進します!

あ、そういえば……

【ふと、ピオネルは最初に彼を「能力者」ではないかと考えた理由を思い出した】

その二本の剣は、もしかして能力とは無関係なんですか?
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/26(日) 01:42:58.56 ID:3pQ/MW4v0
>>563

……!…そう言ってもらえると、ありがたいです

と、そういえば、貴女は何か能力をお持ちなのですか?

【どんな能力でも、等しく価値あるもの。そう言ってもらえると彼は救われた様な気分を抱いて、】
【ニコニコと表情筋が笑顔を作り出す。やはり笑顔とはいいものだ】

【それとほぼ同時にまた疑問が浮かんでくる。そういえば、研究に熱を注ぐ彼女は、どんな能力を持っているのだろうか】
【それが気になってしまい、彼は思わず聞いてみた】

(どうしよう……予想だと丸一日くらい消えないなんて言えない……)

ま、まあそう気を落とさないでください

【残念。というと、もしかして長らく残っていたほうが良かったのだろうか】
【だとすれば幾分か心が楽になる。そんな心情を表すように、両手に顔をうずめ、深く息を吐いてみせた】

おおっ、それは光栄です

【役に立つ、と言われれば、素直に彼は嬉しく思った】
【基本的には自分の為に使ってきた能力だ。本来の形で無くとも誰かの役に立ったのが嬉しかったのだ】

【そして彼は剣に関して問われ、思考する。ああ、そういえば自警団の人間か?と問われたなと】

ええ、僕は剣と、あと魔法で戦っているので、能力は関係ありません
身体能力を強化する魔法薬の作成も考えたのですが、どうしても酷い中毒に見舞われるので止めました

【そう言い終わるかどうか、そんな時、彼は剣に手をかけて抜刀する】
【万が一危険が無い様に刃先を地面に向けて構えると、剣の刀身を淡く青い光の様な物が包み込む】
【刀身に魔翌力が纏わせてあるのだ。なるほど、これは能力とは無縁だ。と、一発で見て分かるだろう】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/26(日) 02:07:52.39 ID:DRHZ4um+o
>>564

私ですか?私は何の価値もない「無能力者」ですよ
お返しに見せられるものが何もなくて申し訳ないです

【エヴァンの質問に、さらっと笑顔で回答する】
【自嘲気味に映るかもしれないが――】

……まあ、だからこそ能力マニアになったわけですから、私はいいんですけどね
女性が男性に恋をするように、男性が女性に恋をするように
人は「自分とは根本的に違うもの」に情熱を注ぐものですから

【そして、彼の説明を受け、抜刀の動作を前にする】
【ピオネルは先頭の専門家ではないため】
【エヴァンの動作から、彼の戦闘力を測ることはできないが】
【戦いとは無縁の能力を持っているのなら、純粋に剣の腕が良いのだろうと予想した】

おお、魔法を纏わせた剣、ですか
私は魔法も能力の一種だと思っていますが、その辺は意見の分かれるところですね

あ、エヴァンさんに何かお礼をしないといけませんね
お金をお支払しても良いのですが……
それだと生々しすぎて嫌がる人も多いと最近気付いたんですよね

【そう言いながら、自らの小さなリュックのファスナーを開け】
【がさがさと大きいボトルを取り出した】

お酒はお好きですか?
これは水の国の有名なワインだそうです
私がぶどうジュース好きだと言ったら知り合いの教授にいただきました
ですが私はお酒が苦手でして……よかったらどうぞ
飲まなくても、実験の材料にでも料理酒にでも好きに使ってください

【何故持ち歩いていたのかは謎だが、そのボトルをエヴァンに渡そうとする】
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/26(日) 02:34:56.54 ID:3pQ/MW4v0
>>565

【そうか、無能力者だったのか。これは失礼な事を聞いてしまった】
【そう思い、「すみません……」と申し訳なさそうにしながら言葉を紡ごうとした、その時、】
【ん?と言わんばかりに目を開き、】

能力を持っていなくて、武器も持ち合わせてなくて、
それでこんな所まで来ているのですか?

【何やら真剣な眼差しで、彼女に再び問いかける】
【もし彼女の言うとおり、彼女が無能力者で戦う術を持ち合わせていないのなら、こんな場所に来るのは自殺行為でしかない】
【ここは路地裏。悪鬼も悪霊も通るのを憚る、そんな場所の筈だ】

ん……僕は、能力と魔法は別の物だと思っていますね
確かに魔翌力を使用したりする面は同じですが、能力は望んで体得する事が出来ませんし、魔法は一つの分野に限定されません
その分能力は奇怪な性質を持ってたりする訳なんですけど……

【そう言うと、ヒュンっと剣を振って纏わせた魔翌力を払うと、バトンか何かの様にクルクルと手の内で回して剣先を鞘の口に当てる】
【刀身が鞘と微かに擦れる音を鳴らしながら剣が仕舞われていく。納刀まであと十数センチ、と言うところで左手を柄頭に添え、押し込む形で納刀する】
【どうみても格好つけてます本当にありがとうございました】

…いえいえ、礼なんてされるほどでもないのですが……

【そう断ろうとしたが、確かにこの場は自分が恩を売った形になる】
【さて困った。他人に恩を売るのは好きだが、返されるのはトンと苦手なのだ】

おお、お酒、ですか……

……いや、これは美味しそうです。遠慮なく頂戴させていただきます

【しかし恩返しを断れば傷つくのは彼女の面子。この場は素直に受け取らせてもらう事にする】
【差し出されたブドウ酒のボトルをうやうやしく受け取ると、まるで写真に写る様なポーズでボトルを持つ】

【さて再び困った。確かにブドウ酒は美味と聞く。薬の材料とするのは微妙だが、調理酒としても真価を発揮してくれるはずだ】
【だが問題があった。彼は肉を焼くのにわざわざフランベしたり凝った事をする様な奴では無い】
【もっと言えば、彼は下戸なのだった】
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/26(日) 02:58:58.29 ID:DRHZ4um+o
>>566

そうですねえ、能力者に襲われたらひとたまりもないです
いや、私の場合は能力者じゃなくてもちょっと強い人に襲われたらひとたまりもありませんが
ですが、夜の路地裏というものは危険な分、貴方のような能力者もたくさんいるわけで
こうして出会うこともできるんです
そのためだったら、研究者の端くれとして多少のリスクはとらないと、と思いまして

【彼の真剣なまなざしに答えるように、ピオネルも一瞬真剣な顔になるが】
【すぐに元の笑顔に戻る】

それに、私はさっき言ったように価値のない無能力者ですし
強盗に襲われそうな高価な衣服も身に着けてないし大丈夫かなって

【華麗に剣を仕舞う動作――能力と関係ないことにはあまり興味が無いらしく】
【スタイリッシュな納刀には特に感想を言わなかった】

大したお礼が出来なくてすいませんが、ぜひ使ってください

【喜んでいる(ように見える)エヴァンを見て、ピオネルは満足げだ】

そろそろ、私は行きますね

【そう言って、ニコちゃんマークの光る左手を上げた】

568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/26(日) 03:21:30.81 ID:3pQ/MW4v0
>>567

ひとたまりも…って……それに毎回僕のようなのが通りかかるとは限らないのですよ?
お気持ちは分かりますが……もう少し自分の身を大切にしてください……

【そのリスクは「多少」で済まされる物だろうか。彼女がいくら研究熱心だからと言って、これだけ向こう見ずだと激しく心配になってくる】
【やはりナイフの一本でも渡しておいたほうが良いのだろうか。いや駄目だ、それのお返しを貰う事になる】
【願わくば、この猛進系研究者に災いが降りかからないであって欲しい物だ】
【ボトルを支えていた手の片方を眉間に当て、まるでオッサンが酒を片手に悩むように悩んでみせる】

いやでも世の中には色んな人が居るわけでして…
やっぱりお金だけが狙いの人ばかりとは……いえ、何でもありません

【その可能性については、やっぱりあまり言及するのは宜しくないか】
【そう思ってその言葉は止めにした。危なっかしくて言葉にするのも憚られた】

ええ、上手く使わせていただきます
ではお元気で

【満足げな彼女を見て、少しは演技をした甲斐があった、と安堵する】
【彼女とは違い、彼が上げたのは右手だが、ニコちゃんマークに負けない程度の笑みを浮かべて返した】
【そして酒のボトルを両手で支えると、彼はピオネルとは別の方向を向いて歩みを進め始めるのだった】



……「人は『自分とは根本的に違うもの』に情熱を注ぐもの」、か……

その範疇に僕は居て良いのでしょうかね……

【先刻、研究者と偶然遭遇した場所から、少し離れてからの話】
【人の姿を借りた人ならざる者の呟きが、路地裏の闇に悲しく吸い込まれていった】

/こんな感じでしょうか。お疲れ様でした!
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/05/26(日) 03:30:15.22 ID:DRHZ4um+o
>>568

/ごめんなさい!挨拶を忘れていました!
/遅くまでありがとうございました!お疲れ様です!
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/26(日) 16:23:32.54 ID:7vPsNKKao
【廃街・墓地近くの沼】

【枯れ果てた枝のシルエットを曇天の背景に浮かべ、灰色の土に黒い墓標が幾重にも並ぶ】
【陰鬱で暗澹とした空間は、生ける者の気配がまるで無く、張り詰めたような静寂の中にあった】

……何だってんだ、本当に。

【低く投げやるような声が一つ。 粘着くような淀んだ色合いを持つ沼の中、】
【水面に浮かぶ黒服の姿は、違和感を忘失する程景色に同化していた】

【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、よれた黒スーツ姿の若い男】
【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青、その顔は酷く血色が悪い】

【彼は肺腑に貯めた空気の浮力で上体を水面に浮かべたまま、】
【どこまでも灰色しか無い空を茫として見据え、水死体の真似事のよう微動だにしない】
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/26(日) 21:10:50.53 ID:rRs5qnW3o
【路地裏】

【夜の街。繁華街は幾つもネオンが自己主張激しくひしめいた街。】
【こんな場所は大抵暴力沙汰ばかりでろくでもない街に成り下がっているが】
【この街は他の地域と違ってまだ安全だ。大通りなら夜も出歩ける】

【ほんのすぐ近くの路地に入ればもう薄暗い。ゴミ箱と生臭い換気扇の排気】
【そこに壁に投げつけられたパーカーの男とそれを蹴り上げるガタイのいい柄シャツの男】

『ウチのシマでヤク売ってんじゃねえぞ馬鹿野郎!!何処のモンだ馬鹿野郎』
『てっ、テメエらだってD.R.U.G.S.だろ?!ヤク捌いて何が悪いん………』
【パーカーの男は反論するが言い終わる前にまた蹴り上げられる】

『うっせーなあ!ココは富嶽会のシマだろうがよ!ああ?!!』
【柄シャツは執拗に蹴りながら恫喝する。パーカーはうずくまって動かない】

もういい、もういい……あーもう、もういいから

『ああ?!!……あっ嬢さん、どうもすいません、取り込み中でして…………ですがしかし…』
【路地に新しい女の声がする。柄シャツは男を蹴り飛ばし、振り向いて礼をする】

【長い黒髪をべっ甲の髪留めで一つにまとめポニーテイルにしている】
【切れ長の目をしており白い肌に薄化粧を施して。黒のパンツスーツとヒールを履いている】
【ジャケットの胸に代紋の金バッチ。腰には朱の鞘の刀が2本。指に紙巻の煙草を挟んでいる】
【女はポケットから車のキーを柄シャツに投げる】

いいから、さっさと事務所に連れてって聴いてきて。
吐いたら適当にリンチして。相手の事務所に捨ててくればいいから。

【さらりと拉致と拷問とリンチをオーダーする。若いようだが地位は高いのだろう】

『了解しました。失礼します………おらあ!兄弟が待ってるから行くぞボケ!』
『嫌だぁ……殺さないでくれよお…俺は悪くねえんだってえ……ただ言われて……』
【パーカーは虚しい声を残しながら、柄シャツの男に強引に路地を連れて行かれた】

はあ……何で秘書がこんなことしてるんだろう…

【1人残された女はついぼやきながら煙草をくわえて吸い込んだ。】
【吐き出しても出て行くモヤモヤは煙だけで…】

/新古品ですが何方か宜しければ…
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/27(月) 20:47:38.11 ID:f0iZH0DJo
【水の国・閉園後の動物園】

【彼女≠ェ居るのは狼のブース。広いケージの中に、20頭ばかりの獣が居る】
【そんなコーナーの柵の外から、一人の獣人が視線を注いでいたのである】

まあ、のう……話には聞いておったが、こうなるとお主らも可哀想なものよ
狼は野を駆け巡るのが生きがいのようなものだというに、景色も変わらんし
儂ならストレスで死んでしまいそうじゃ。忍耐強いのう、こやつらは

……しかし、飯をただで、しかも毎日食べられるのは羨ましくもあり……むむ…。

【毛色は銀。長い尾と耳はまさに柵の中の狼とそっくりで瞳は青】
【ハーレムパンツと腹部を露出した踊り子の様な衣装こそ着ていたが、純粋な人ではないだろう】
【そのの呟きを誰かが拾うことが出来たなら、彼女がそういう存在≠セと分かるはずで】

【そんな獣人の女性は、ふとキョロキョロと周囲を見回し、耳をぴくりと動かして】
【静まり返った園内をそろりと歩き、狼のケージにかかる鍵の方へと近づいていき―――。】
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/27(月) 21:00:08.81 ID:lSeLi4ASo
【水の国――児童公園】

【夜ともなればはしゃぎ回る姿も幼い喧騒も無く、閑静な中にボールの跳ねる音が重く響いた】
【スロー、バウンド、キャッチ、そしてスローを繰り返す音。それなりに上手くはあるらしいが】
【時折コートの端に跳ね返る音があるなら、舌打ち一つ、駆ける音が続く】

ッち、暫くやらねーうちに……下手になったな

【若い男。肩口で揺れる長さの銀髪、襟足だけを長く長く伸ばして赤い紐で一つに纏め】
【深紅の目は夜闇でも酷く目立って、漆黒色の瞳孔が縦長に伸び、どこか人ならざる気配がある】
【それでいて俗っぽい黒ジャージ姿であるのだが、バスケットボールを弄ぶ姿が良く似合う長身】

【広い公園内、1つだけ掛けられたバスケットゴールを占領して続くボールの音】
【その側で夜風にさらさら揺れる、やけに中身の詰まったコンビニ袋だけが、彼を見守っていた】
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/27(月) 21:35:01.54 ID:otQwEQR20
>>573

【満月よりも少しだけ欠けたお月様、水の満ちるよなひんやりした空気をそうと照らし込んで】
【遊んでもらうボールが笑い声を上げるみたいに響き渡る硬いような柔らかいような音、きっと遠くまで聞こえたはず】
【初夏の太陽に火照ったような木々の新芽、風に踊ってざらり歌って――小さな足音一つ、そうと背に隠した】

……――――、

【――そこから少しだけ離れたところ。いつかに植え込まれた樹はたくさんの手を広げて、月明かりを抱きとめて】
【ほとんど全ての明るさを占領してしまうのだから、その足元にはひどい暗がりが横たわる、けれど】
【気配に気付きさえすれば見つけることは難しくもなんともない、戯れにもなれないかくれんぼ】

【木陰の中だって隠せない金色の髪、時折そうと紛れ込むピンク色、どこか不思議な色合いに見せて】
【どこか不健康な肌色をした顔、抜け切らない幼さと一緒に詰め込んだ鋭さ、真っ直ぐ向けるのが、勿忘草色】
【薄萌葱色のワンピース。ぎゅっと寄せたたくさんの布地が体を隠しても、袖の無い腕の細さはいやでも見えて】
【レースのタブリエが少しだけ違う動きで揺れる、退色したよな色で頭を飾るリボンも、ふわと揺れて】
【さくと地面を踏むのは背伸びぐらいの底をあしらったパンプス、それでも150に満たない体躯】

――元気だねえ、少しぐらい分けてもらえないかい、それ。
これから梅雨だと思うとどうもね……手のかかる子ばかり居るものだから。

【樹の幹に触れる紙細工みたいにかすかな指先、もう一方の手で抱きしめるのは文庫本のサイズが一冊】
【見てくれだけならそれなりに様にもなるのだろうか。ただ、どこか古本めいて掠れる声とその語調。まるでぶち壊す】
【――ちいさく零した溜息だって、言葉だって、本当に梅雨を憂うものでしかないのだから。既に疲れきったような色】

【まるで流れ弾を恐れるようにも、人との距離間を掴みかねているようにも思えるちょっとした距離】
【聞こえるようにしたつもりでも張り上げるわけでない声は少しだけ聞き取りづらい、かも――?】
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/27(月) 21:45:39.61 ID:lSeLi4ASo
>>574

【人でない聴覚、視力。影の中の姿に気が付くのは早く、彼は言葉を返す前に小さく笑った】
【とん、と一つバウンドしたボールを片手で捉えて指の上で回し、浮かぶ月より細い三日月を描く口許】

――…………お前の子供は本なのか、っての。
つーか、梅雨よりジメジメしてどーすんだ。 まだ始まってもねーのに、よッ

【もう一度、弧を描いて投げられるボールが、残念な事に狙いを外して】
【コートの端にぶつかって、勢いの死んだまま、とん、とん、と跳ねて転がる先は、彼女の足許】

うえ……ほんっと、下手になっちまったな……
悪りぃ、拾ってくれ――えーっと、アンナ?

【――故意だろうか。何も考えてなさそうな適当な顔が、けれど微かに笑んだ気がした】
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/27(月) 22:28:49.39 ID:otQwEQR20
>>575

【風が葉を揺らすたびに生まれて揺らめく木漏れ日のような明かり、金糸をちらと煌かせて】
【暗がりから明るいところを見上げるのは良く見える。彼の動き、指先までも追いかけるように眺めた】

子供は黴無いだろう、黴たらそれはそれで問題だから医者に連れて行くがいいよ。
下手な生き物より手が掛かるんじゃないかと思うんだが……そうでもないんだろうかね。

生き物なんて庭先の草ぐらいだから分からんよ。放置して生き残ったものしか居ないわけなのだし。

【秒速でころころ変わり行く子供の手間と、じっくりと突き進んでいく本の手間と、どちらがマシなのだろうなんて】
【もう一つ溜息が洩れるなら、よっぽど憂鬱と見える――最後に一つ舌打ちを足した気がしたけれど、きっと気のせい?】
【料理も出来なければ生き物の世話もろくにしたことが無いらしい。どうにもこうにも、不安ばかりで】

【がしゃん、てーん、――少しの沈黙、足元に落ちた視線が球体を緩やかに撫でる数秒】
【貧血でも起こしたかのようにしゃがみ込むのが少しだけ危なっかしく見えて――本を小脇に抱えたなら、抱くように拾い上げる】
【空気をぎゅーっと詰め込んだ硬さ、数度確かめるみたいに指先が突いたりして、撫でて、】

惜しい――

【間違えられた名前。彼の浮かべた笑みはどこかからかうようにも見えて、ならば、少女が浮かべたものだって】
【常時拗ねっぱなしのような表情にどこか気の強く見える笑みが混ざりこむ、からかうように、悪戯を思いついたように】
【ぽいと放られるボールの軌道、飛距離なんて言うまでもなく、彼にさえも届かないまま「てん!」と跳ねたのに、】

【――きらと瞬いて纏うのは、きっと彗星の尾っぽによく似ていた。意識を向けて見つめるのと同じ勿忘草色、煌いて】
【まるで見えない手が攫ったかのように持ち上がる軌道、彼の横を掠めるようなのは、それなりの早さ、通り縋ろうとする】
【手を伸ばして捕まえたならそのまま黙り込んでしまうその現象、何にもないなら、きっとゴールへと叩き込まれるのだろう】

「ネ」だ。次に間違えたらどうしてくれようか、図書館中の本の手入れを手伝って貰おうかね?
ああ、私書のほうもやってもらいたいものだね――どうにも殖えすぎて、ねえ。これでも自制しているのだが……。

それともキミ、本は読むかい? だったらいくらか持っていってくれんかね、売るのも骨でね。

【ふらりと木の葉の傘からようやく現す姿、月明かりに照らされれば、細いシルエットはくっきり映し出されて】
【笑っていた。薄幸の令嬢が浮かべるようなものよりずっと色濃く、悪戯っこの色合いで】
【――本に積もった埃を払ってやったときのよう。いくらか覗いた素の色、びっくりしたかと期待するような目が、向いていた】
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/27(月) 22:45:44.53 ID:lSeLi4ASo
>>576

【――ひゅン、と顔の脇を何かがすり抜けていったような、そんな気がした】
【直後に心地良いまでのシュートの音が響くなら、唖然としたようにその末路を追う目】
【ほんの一瞬、瞳孔がぎゅうと縮んだ深紅は猫科というより、犬、少し違う、山犬の――?】

…………え、あーっと、そうだなアンネだ、思い出した、うん。アンネリーゼ

【多分最初から分かっていたのだろう。何処か恐々としつつひとつ頷いた】
【足を向けた先は恐らくはゴールの下で転がっているのだろうボールだったのだが、】
【それはそのままそっと寝かせておいて、手に取るのは袋の方。触らぬ神に、とも言える行動】

司書って……携帯弄りながらで良いなら?
……いや、それでも無理だな、まず座ってられねー。

【がさがさ漁る手が取り出したのはお茶のボトルで――まず落ち着きたかったらしい】

【(正直ただのチビだと思っていた、パッと見か弱い少女がどうやら能力者で、)】
【(つーか相変わらず本オタクなんだなとかいろいろ考えた頭、久々に使ったような気さえして)】

おー、読むぜ。馬鹿にすんな、「はたらくくるま」とか、「こぐまのミモ」とか、後は――

【高い背、しゃんと伸ばして細身の割に広めの胸板を張って、ふんと自信ありげな一笑の後】
【並べる名前が全て絵本や恐竜図鑑なら――お察しを通り越して、持って行かせるのも癪だろう程】
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/27(月) 23:21:06.55 ID:otQwEQR20
>>577

【ざぁんと通り抜けるネットの擦れる音、てんと跳ねる頃合には、既に勿忘草色は消え果て】
【向けていた視線、或いは意識。彼へ向ける頃には、見えない腕も消失してしまったよう】
【ころり転がる姿に不自然など一切なく――探ろうと思えばなんら難しくもないだろう、彼女の異能】

リーゼでも構わんよ、寧ろそっちのほうが呼ばれ慣れてるんだがね――、ま、お好きに。

【人とは違った眼の風、驚かせられたことに笑む目元がふと見つめて、首を傾げるのが刹那】
【緩やかに傾けた首が戻される頃には、悪戯っこの笑顔はふつと途切れていて――元のつんとした表情が舞い戻る】
【さらと流れた毛先で巻く髪、右手で元の位置で戻していく。左手の本は見るでも無く胸に抱いて、】

……キミは携帯弄りながら本の世話が出来るのかね、出来るというならば無理に止めはしないけれど。

そんな奇病など知らんよ――

【――少しだけズレたままに成立してしまった会話、疑るように伏せた眼がじとり向けられ、瞬き一つ】
【小さな溜息が彩る言葉は呆れるような色合い。視線はお茶のほうへと滑り落ちて、そのうちに彼へと戻る】

――児童書は特に読まないから持って行ってもらって構わないよ。捨てるには惜しいのだし。
売るには骨、捨てるには惜しい、そこいらの保育施設にでも寄付してやるのが一番手っ取り早いのだろうが――。

【早くもなければ遅くもない、曖昧な速度は緩やかなまま、そのうちに彼の傍へ立つはず】
【欲しがるならば――と押し付けるわけでもない選択肢は、彼が頷いたなら、きっと叶えられるのだろう】
【……ただ。少しだけといえば少しだけ、挙げられたラインナップに黙り込んだよな間があった】
【その後は特に何にもなかったという風に紡いでいくけれど――】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/27(月) 23:33:34.05 ID:lSeLi4ASo
>>578

…………――後は梁塵秘抄とか、その位か?

【並べた名前が一段落すれば、最後に混ぜ込んだ違和感もそしらぬ顔で】
【やると言われれば、大袈裟に悩む間があってから、結局は頸を左右に振った】

俺が持ってた所で、積んだままで終わっちまうだろうしな……
お前の言う通りそーいう所に持って行ってやった方が、本も活きるんじゃねーの。 リーゼ

【口にしてみればずっと呼びやすい音調の名前、その方が良いというなら、という程度で合わせて呼んで】
【側に立つ姿はやっぱり小っさいとか、細っこいとか、そんな印象ばかりが会うたびながらに強かった】

……な、ちゃんと飯食ってんのか、お前?

【浮かんだ疑問、オブラートなど知らないならそのままに口にして、表情さえ隠さない呆れ顔】
【そういや夕飯がまだだった、とか今更に思い出しつつ、無遠慮に彼女の細い腕なりを見遣る】
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 00:06:48.55 ID:PUw9Sf0J0
>>579

【……車、恐竜、絵本、眼前の彼というよりは小さい子の好みそうなそれら】
【まあ人の好みなんて様々だろうと思っていたところ――だった。最後にひとつ付け足された、違和感】

……梁塵秘抄。なんだったか、それ。

【薄らと顰められた眉、変な表情は完璧に予想外を示していて、思考停止にも程近い】
【思い出そうとするよな素振りをするくせにろくに回らない思考の歯車、右手がそっと頭を抱えるようにして――溜息】
【櫻のほうのナンチャラだという辺りまでは出た。その先が出ないので――考えようとすることさえ、やめた】

――そうかい、うちにあっても同じようなものなんだが……ま、いいか。
使用済みなのはともかくとして……運ぶのがね。男手の一つでもあれば良いんだが。

…………、……。

【――罪本にしてしまうこと、どうせ彼女だって積み上げているのだから対して変わらない気はしたけれど】
【そんな理由で断るというならば押しつけもしない、本格的にスペースに困窮しているというほどでもないらしい】
【保育所への寄付。ぱと口に出せるぐらいには身近な選択肢、ただ、行動していない理由がそれ】
【全体的に古びているのもあるし、一部のものは落書きした記憶すらあるし、何より。自らが運ぶと思うと気も滅入る】

【――不自然というほどでもない沈黙、改められた呼び名に対しての反応に見えた。少しだけ瞳を細めて、】

食べてなかったら死んでると思わんかね、自動人形の類ではないのだから。
キミはどうなんだい、……――ああ、心配要らないのかね。

【そのまま表情を繋げてしまうから、余計に違和感は薄くなる。じとと見上げながらに紡ぐのは揚げ足を取るよなもの】
【食べてはいる。ただ、見たとおりにそんな食べても居ないのだろう、最低限しか食べていないような印象、抱かせて】
【(自分より料理が出来るようだから、とか。言わないのはほんのちょっぴりの、意地だった)】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 00:22:18.34 ID:NluPiY8bo
>>580

……男一人住まいの自炊ほど寂しいものも無いぜ?
いるのはせいぜいお化けか、たまに上がり込んでくる上の階のアホ共だしなー……

【以前会った時に大家だと名乗っていた。その住まいに彼女を招いた事もあった】
【思えば半年程前の事になるのか――そんなに前の事にも思えない感覚、首を傾げつ】
【実感すれば長いような曖昧な時間を追想して、飲み物を口に運んで、】

…………腹、空いてないか?
まあ、その、何だ。 ……近くに美味い店があってだな、

【何となく彼女に似たような口調、まるで誤魔化すようなそれと表情の変化は見ていて面白いかも知れない】
【手持ちがスナック菓子の類と飲料では、この時間帯の空腹には少し足らないし】

【前は適当な物を彼女にやったりしたものだが、今は妙にそうしがたいような感覚を覚えて止めた】
【――そんなものよりもっと何か。なんて事を考えたのは、彼にしては上出来だろうか】
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 00:45:29.40 ID:PUw9Sf0J0
>>581

たまにだって誰かが来てくれるんだろう、それならいいと思うがね。
うちの親なぞ帰りもしなければ連絡もしないよ、気ままに出来て楽でいいが――。

【そうやって思い返してみれば久しぶりとも言える再会。いつ会えなくなるとも知れない世界での、ほんの少しだけの奇跡】
【それでも何の感慨もないのは――彼の事情とはきっと違うのだろう。精々が時計程度しかない部屋に篭った弊害】
【曜日感覚も無ければ今日が何日かなんて分かりもしない。大雑把に季節だけを把握するような、そんな、】

【――少しだけ、ほんの少しだけ。寂しそうに見えただなんて。気のせいにも思えるような、そんな刹那のこと】
【口調も声も揺らがないのに、瞳だけがほんの少し揺れた。羨ましいだなんて、――多分、気のせい】

……お腹? いや、まるで。これっぽっちも。夕にパンを――……、――、

当然キミが払うんだろうね、それなら少しぐらい付き合ってやろうか。

【釣り目の角度が少しだけ緩くなる、僅かに丸められた眼、ぽつと子供みたいに単語を繰り返したなら】
【理解が及んだ瞬間には全否定。超大丈夫とばかりに言っていたのだけれど、……何かを察したらしい、少し視線を逸らす】【視線が戻る頃合には意見もころり変わっていて。ただ――素で返した言葉があれなのだから、食べる量を期待するには無理がある、か】

【ぎゅっと胸元に抱いた本、飾り気の無い無地のブックカバー。中身はまるで窺えないけれど】
【開くことが出来ればきっと中身も教えてくれる。覗き見られないように抱きしめるのが、きっと心の壁に似ていた】
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 01:02:10.46 ID:NluPiY8bo
>>582

――…………

【そういや、と今更ながらに思い出した顔。いい意味でも悪い意味でも感情を隠すのは苦手だった】
【上手い言葉も出て来ないなら妙な沈黙、あー、とかだー、とか変な溜息が出たのが直後の事で】

……よっし! 決まりっ! 洋食屋で良いだろ?
はっ、飯くらい奢れるっての。社会人ニート舐めんな、金と暇は沢山あるぜ?

【自慢も出来ないような事を自慢気にいう顔、彼女が抱き締めるその本には未だ向かず】
【見えない壁になど気が付かないのは、彼自身が壁も何も無い性格であるからなのか――幸せな事だ】

この先ちょっと歩いた所なんだが、古くてこじんまりしてる割に、結構美味い店でさ。
前にバイトしてた頃は良くそこの賄い食ってたっけなー……ほら、こっちな

【片手に袋を下げて、もう片手の指の上で器用にボールを回しながら】
【首だけを彼女の方へ傾けて、くつり笑い掛ける顔には、山犬の鋭さなどどこにも見えないでいた】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 01:10:49.39 ID:NluPiY8bo
>>582
/と、申し訳ないですが、そろそろ眠気が……
/よろしければ明日に持ち越すか、それかこのままご飯食べて帰った形でも問題ないですので
/お好きな方でお願いします。 ちなみに明日は8時にはいられるかなあと
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 01:25:26.52 ID:PUw9Sf0J0
>>583

【あー、とか、だー、とか、彼の口元から零れていく音階たち】
【じっと見つめたなら、或いはプレッシャーでも与えてしまうだろうか?】
【そんなつもりなんて無く、ただ、――見てただけ。上手い言葉が出ないのは、こちらも同じ】

構わんよ、何の問題も無いのだから。

【――やっぱり羨ましかったのかもしれない、なんて。思考の隅でやっつけて、けろり言い放つ軽さ】
【万事快調、何の滞りもなく普通。そればっかり強調するようにしながら。そこで、おしまい】

……よくもまあ、こんな時間にそんなものが食えるものだと呆れるがね。
ダイエット中の女子高生でなくて感謝するように――それは言葉的に成立しないと思うよ。

【呆れたよな声、溜息。だからと言って、嫌々疎ましく思いながら付いていくわけでもない】
【寧ろちょっとだけ嬉しいとか――性格と年頃の両方から、そんなこと言い出せないのだけれど】
【現15歳、今年で16歳。……もっと幼く見えるのは、きっと、145センチのせい】

バイト……バイト、ねえ。

【親の置いていく金を切り詰め切り詰め生活する毎日、資金の尽きはつまり死とほぼ等しくて】
【それを思えば働かなければと……思わないから、ろくに部屋から出ない生活をしているのだけれど】
【よく出来るねとでも言いそうな表情向けて――歩くなら、後ろを付いて行く。放っておくとじりじり間が空くような、速度だけれど】
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 01:35:05.77 ID:PUw9Sf0J0
>>584
/了解しましたー、明日の夜は安定して待機出来るようになるのが9時頃なのですが、
/それでもよろしければ最後までお願いしたいなぁなんて……大丈夫でしょうか?
/どちらにせよひとまずお疲れ様でしたー
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/28(火) 20:17:55.31 ID:jtjO3oSw0
【風の国 路地裏】

……2人とも、どこまで行ってるのかしら……?

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女が】
【壁に寄りかかりながら、何かを案じている様子で考え込むようにして立っている】

せっかく、獲物も用意したのに……まぁ、ひょっとしたら向こうは向こうで食べちゃってるのかな……?

【この国特有の風が、軽やかに狭い路地裏を吹き抜け――――血生臭い臭いを孕んで駆け抜けていく】
【その発生源は、少女の足元。首を切り落とされた2つの死体が、地面を血で汚していた】

まぁ良いか……指ぐらいだったら先に頂いても文句は無いでしょうし……っあ、こら私の獲物よ!

【その死肉の匂いを嗅ぎつけて寄ってきたのか、ネズミが数匹死体を啄ばもうとして】
【足先でサッサッとそれを追い払いながら、少女は死体の手の指を引き千切り、それをまるでサラミの様に、己の口へ運ぶ――――】
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/05/28(火) 20:31:55.62 ID:4ONFGJB1o
>>585

【あまり振り返らないくせ緩めた歩幅は彼女に合わせたよう、そこも以前と同じなら】
【夜道よろしく柄の悪い人種が二三、少女に下卑た視線を送って】
【――そして隣の背高に睨まれ、フリーズ。何時かの送っていった晩に良く似ていた】

そん時も大家やってたからな、金が無くてって訳じゃなかったんだが。
暇が逆に辛い性質、ってのかな……一人でぼーっとしてるとよ、つまんねーことばっか考えちまうだろ?

【「俺だけか?」なんて茶化すような笑みを添えて誤魔化せば、意味深だったのは一刹那】
【何も考えていないような態度の割に、意外と考え込む方なのか。まるで人間みたいで可笑しいのだけど】

そういう訳で、たいして客も来ない店のバイトがな、丁度良い感じで――ほら、ここだ。

【裏通り、活気がないのが似合う静かな佇まいなら――知る人とぞ知る、そんな様子】
【レトロなランプが迎える厚い木戸。ぎぃと開けばからんころん迎える音が、溢れるオレンジの明かりが、静かなジャズが温かい】

……よぉ、来てやったぜ親父――あ?
ガールフレンドって……馬ッ鹿、違うっつの。

【ぶっきらぼうな挨拶一つ、目当ての奥の席に先客がいれば珍しそうな顔をして、窓際の席に向かい】
【「好きなの食えよ、」と相手に向けて見せたメニューは定番揃い、と言えば浮かぶ品が大体揃う内容】

【デミオムライス、ナポリタン、ビーフシチュー、その他ショートケーキやモンブラン、ミルフィーユ、】
【少し物珍しいのが色とりどりのマカロンを乗せたパフェ、後は夜の時間帯向けに酒類が並ぶのも特色といえた】

 【客は一組、黒スーツと紋付き袴なら、悔やみの帰りかと思う程度の些細な違和感】
 【その側でカウンター席に一人座っている祭服姿も黒なら、やはり葬礼用。随分様々な宗派の混じる葬式らしい】

【そんな彼らより一回り若いなら、青年と言うべきか――彼、ヨスガは既に決まっているらしく、リーゼが何を選ぶかを眺めていた。】

/のんびり待ってますので、都合の良いお時間に返して頂ければー
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/28(火) 21:23:45.81 ID:jtjO3oSw0
/>>587取り下げます
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 21:29:44.50 ID:PUw9Sf0J0
>>588

【合わせてもらった視線、それでもおおよそ一歩分遅れて歩くのは、道を知らないということなのだろうか】
【きっとじっとり注がれる下卑た視線にも動じず、寧ろ睨み返すぐらいなのを考慮すれば――大和撫子には、程遠く】
【けれど、そんなことをしていられるのは――そう、恐らくは、彼への信頼から出てきたはずで、】

本でも読んでいればいいよ、そうすれば無駄なことなんて考えないで済むだろう?
…………私には分からんね、一人は楽だよ、誰に何を言われることもないのだし。

……まあ。一人でも出来ることを見つけておくべきじゃないかね。絵とか。

【つまらないことを無駄なことだと言い換えたのは些細なことで、とかく読めと推薦してくるようなのが、家柄……だろうか?】
【ふつと言葉に空けた間が少しだけ。振り返るなりしたなら、足元の石ころを数えるように伏せる視線、窺えて】
【吸い込んだ息を胸元に僅か溜めてからゆっくり吐き出す。――からかうような声が、ふと付け足して】

【大人しく付いていった先の裏通り、ぼうと照らす明るさは、信用の中でも、どこか安堵を呼んで】
【なんてことない風にしているけれど――きちんとした店に入るのはいつ振りだろうか、少しだけの緊張、噛み締めて】

……サンドイッチ、

【ちょんと座り込んだ隅っこ側の席、机の上にぱふと置かれた文庫本の変わり、見せられたメニューを手にとって】
【ぱらと捲りこそすれ、そんなに悩むよな素振りもない。とりあえず軽めに、というよな風で】
【立てていたのを倒して指差すのはその中でも一番安いもの。こちらは遠慮……だろうか?】

後。何か適当に茶でも……酒とか飲むわけも無いのだし。
ああ……甘いものは要らない。食事にジュースなんて合わないだろう、好きじゃない。

安いものでいいよ、アレルギーの類も無いから。

【飲み物については拘る点も無いらしい、ざっくりとお任せを投げるくせ、注文が微妙に多い】
【メニューの向きを彼のほうへ直す指先、そのままついと滑らせるように返却するのが、少しだけお行儀が悪くて】
【そこまで言い終えてしまえば自分のやることは済んだとばかり。空いた右手が机上の本へと置かれて、……膝に戻された】

/よろしくおねがいしますーです!
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 21:54:03.84 ID:NluPiY8bo
>>590

サンドイッチ? そんな、ウサギの餌みたいなので足りんのか……?
あとケーキとか食べないのか。 ああ、茶はあれだ、無難に紅茶が美味いぜ?

【――彼にとって、サンドイッチはうさぎの餌らしい。何なら彼の餌になるのだろう】
【茶と聞いてメニューの端っこを差したなら、桑の葉茶だの牛蒡茶だのいろいろあるけれど、紅茶を勧めた】

……まぁ、茶位、どれ選んだって300も変わりゃしねーよ。
随分可愛い遠慮の仕方しやがって……だから太れねーんだろ、お前

【遠慮の欠片もないなら、かく言う彼が肥えないのはスポーツマンだからなのか、女子に嫌われるタイプだ】
【視線で店の奥に合図一つ、それから「他に何か無いのか?」と首を傾げて見せつ、彼は返却されたメニューをもう一度見返す】

【余談。入り口の棚に預けたバスケットボール、店の奥からのっそり起きてきた老犬が見つけたなら、】
【鼻先でくんくん嗅いでわざとらしく床に落として――顎を乗せたり前足を乗せたり、思い出したように尻尾を振って、ご機嫌】

【――……店の奥から少し、笑い声が上がった。故人の話で盛り上がったのか、はたまた別の何かか】
【カウンターにいた祭服姿、紅茶色の髪の男が何か声を上げる。やはり関係者らしいが、所詮別席の話で。】
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/05/28(火) 22:02:24.56 ID:igZXAFEOo
【森】

「ヘケケケ、今日は凄ェーもん捕れたぜェー」
『……あまり、美味しくなさそうですよ』 「大丈夫だァ〜ッ!」 『(確かにたんぱく質には間違いないでしょうが……)』

【その少し開けた場所に、二人の人物が居た】
【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

「よォーし、こいつを食べたらバトルするぞォーッ!」
『……あの、別の物狩って来て欲しいのですが…………聞いてませんね、ひとまず野菜と解毒技の用意をしてましょう』

【彼らの近くには――到底2人分とは思えない容量の鍋と、……長い2本の角や指のない3本の腕を持った得体の知れないなめくじ的魔物】
【魔物の身体には棘が刺さっており、また、棘が原因とみられる傷も多い】
【その棘は男が近づけば消滅し、そして彼は包丁をポケットから取り出し適当に切ってゆく……もしや、食べるつもり、なのだろうか?】

【一方女性の方は、やはりポケットから取り出した山菜などを適当に切りつつ、鍋に水を入れたり等――準備をしている】
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 22:21:16.54 ID:PUw9Sf0J0
>>591

ウサギは食べないと思うがねぇ……、中身は同じようなものだろうけれど。奴らは手など掛けないだろう?
ケーキを食えというならそっちだけをいただくよ。さっきも言ったろう、お腹は空いてないと……ならミルクティで。

【うさぎ。パンも野菜もあげれば食べることを考えれば、確かにどこか似ている気もして】
【何でも口の前に出せば齧るといううさぎの食欲、少しぐらい真似したほうがいいなんて、きっと余談でしかない】
【――どっちかしか食べられない。お察しにもほどがあるような胃の容量、彼の許容範囲の何分の一なのだろう】

【牛蒡、桑の葉。どちらも身に馴染みのない単語――ならば、選んだのは馴染みあるもの、無難も無難な選択だった】

水一杯に数千かかるよな店だったら逆にいろいろ頼んでみるがね、面白そうだもの――ねえ?

……――無駄に肥えるのもね。これで不便があるわけでなし…………。

【――冗談めいて問いかけてみる。別にそんなところに行きたいわけでもなければ、興味もないくせに】
【平均以下の体躯なことは分かっていても。真正面から太れとか言われたなら、少しばかりの不機嫌色】
【身長だって体重だって平均からは大きく下回って――ついでに言えば体力なんかもアウトゾーン。食べるべきである】

【「何も無いね」と返した言葉、言い終えた頃だろうか。てーんとボールの跳ねる音、視線がついとそちらを向いて】
【抱いた感想はああ犬だなというようなもの、飲食店で珍しいと思うけれど。不満に思うほども、飛びつくほども、感慨無く】

…………、――。

【視線がついとこちらへ戻る頃合には店員でも来ているのだろうか。黙り込んだままに彼へと注文を任せてしまおうとして】
【それが叶うならば視線は店を、というよりも。もう一組の方をぼうと撫でている。――紅茶色に、見覚えのある気がした】
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 22:36:49.85 ID:NluPiY8bo
>>593

【――かつて下手なサンタクロースを演じた紅茶色なら、きっともう少し若かった】
【兄と評するにしても似過ぎていて、けれど青年とも呼べない顔立ちなら――戸惑うこと間違いなし、だけれど】

……リーゼ、おい、丸投げすんな阿呆リーゼ。
えーっと? ミルクティーと、サンドイッチと、ケーキはショートケーキで良いのか?

【話を聞いていたのだろうか。取り敢えず名前の出た品を適当に並べていく辺り、聞いていない】
【彼はというとオムライスとパフェに紅茶で、食べるには食べるらしいし、甘党っぽいのだが】
【視線がふと流れた先、犬を見つければ驚いたように丸めた目。犬の方はといえばまるっきり無視していたのだが】

うっわ、懐かしー……まだ生きてたのかよ。
10年前からこんなヨレヨレだったのによ……愛想がないのも、相変わらずだな

【くつくつ笑って視線が犬で留まったままなら、奥の客にまで意識は向いていないようだった】
【ボールに顎を載せたままちらり見る老犬の目、リーゼとヨスガを交互に見たなら、すぐ興味ないとばかり伏せられた】

【――奥の席。テーブルに向かい合う黒スーツと袴姿が低音で一言二言言葉を交わし、】
【時折それを聞いた祭服――紅茶色が口を挟んだり、笑ったり。釣られて袴姿も少し肩を揺らした】
【何か、人種も恰好もまるで違うのに、兄弟のようにも見える。――犬とヨスガの方も似た感じであったが】
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/28(火) 22:37:33.26 ID:FIcpByPso
>>592

――――のうお主ら、その鍋料理に儂も混ぜてくれんかのう?

【と、そんな声が二人の頭上から掛けられる。唐突だったが、来訪者か】
【もし目線を上に向ければ、そこに居るのは獣人――銀色の毛並みの狼女である】

【ただ狼女といっても、ほぼ人間とかわりのない姿であることは特筆しておこう】
【違うのは長髪から姿を見せる両耳と、2m余りも伸びる尻尾程度なもの】
【格好はハーレムパンツと、腹部を露出したトップス。それと、両手足に鉄輪をはめていて】
【近くの樹上にしゃがむようにして、二人が料理の用意を進めるのを眺める形】

【――で、まあ流石にタダ飯を頂こうというわけではないらしく、尻尾を枝に絡め】
【両足も枝に引っ掛けてから身体をぶら下げると、何処からか二羽のうさぎを両手に持ち】
【『これも鍋に足して是非一緒にだのう…』なんて調子で、ニヤリとその牙を見せつける】

/まだいらっしゃいますでしょうかー?
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/28(火) 23:05:15.99 ID:r8bUgDDJ0

【山の麓――――岩々に囲まれた場所にある、一つの秘湯】
【語り広められる事も無い其処は、訪れる者も少なくて】
【――そんな場であっても、今宵は入浴者が居るのか、時折響く水の音】


「ふぅ……今日も、何とか……なりました……けど……
やっぱり……お姉ちゃんは見つからず、ですね……」

【綺麗に畳まれた巫女の服が、一つの岩の上に置かれていて】
【其れを見れば、現在入浴している者の性別は疎か、職業も知れる事だろう】
【湯煙故に身体は見えないけれど――――落胆したような顔。そして金色の尾と尻尾が見れるだろうか】


「折角、今日一日だけ許された外出……守女も居ない事ですし、ヒトガタで無く自分で見つけたかったのですが……
何処に……居るんでしょう……」

【ぶくぶくと沈ませていく顔。その表情は、何処か不安げで】
【そのまま、チャポンと頭のてっぺんまで沈めてしまうけれど】
【ふんわりとした尻尾が、ゆらゆら揺れて、水面から出された耳が動いている所を見れば警戒を怠っていない事が分かるであろう】
【辺りに漂うのは妖気。即ち妖狐の気だけれど、それに惹かれる者は居るのだろうか】






【森の奥にある、一つの湖】
【普段ならば月明かりが優しく水面を照らしているのだけれど――――今宵はゆらゆらと乱反射させていて】
【ザプン。何て音が聞こえたと思えば、水面から顔を出す一人の少女の姿】


「……やっぱり、まだ水は冷たいや
けど、まぁ……思ったよりも大きな魚が捕れたからいいっかな」

【水に濡れた金色の髪。頭に見えるのは、狼の耳であって】
【ザプザプと陸に向かって進めば、焚き火の側に投げつけられる巨大な魚】
【珍しく、且つ絶妙な旨さを持つ――――なんて伝えられているけれど】


「――――それにしても、潜って魚を捕るなんて何時ぶりだったかなぁ……
森の中に居た頃だって、釣り上げたりしてたし……」

【未だにピチピチと元気良く跳ねる其れ。勢いよく叩いて気絶させてしまえば、一本の串を通して】
【大して時間も要さない内に、辺りに漂い始めるのは香ばしい香り】
【食欲をそそる其れは、存外遠くまで届くものであって】
【香りに誘われて訪れた者は、今からその魚を食そうとしている獣人と出会う事になるだろうか】
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/05/28(火) 23:10:35.02 ID:igZXAFEOo
>>595

「おりゃアーッ!!」

【……どうやら、男の方はなめくじらしきものを切り刻むのに夢中のようで、この場に現れた彼女には気付いていない様子】
【切ってもなお蠢くその生命力は大したものだが、……切り方も相まって非常に不味そうである】

『……』 『こんばんは、私は構いませんが……あの、なめくじが煮込まれるのは確実ですよ』

【一方、女性の方は、声の主を辿り上を向けば、狼女を無表情で――と言っても、元々このような表情だったのだが】
【その表情で彼女を眼で捉えれば、一旦包丁を置き、ついでに鍋の電源を入れる】
【人とは少し違ったその姿、しかし彼女はそれに対して少しも驚かず、淡々と言葉を返した】

「なんだよォ〜、そんなになめくじ駄目かよォ〜」 『毒は無いようですが、味が悪いという調査結果があります』 「問答無用ッ!」

「……んゥ?」 「ヘケケケ、あんた俺にバトルを申し込みにき……」 『一緒に鍋を囲みましょう、との事ですよ』
「ちェーッ、――でもまァー、良いぜェー、うまそォーなうさぎもあるしなァーッ!」
「まァー、とりあえずこの辺に降りてから、うさぎ放り込んでくれェー」

【女性の言動でようやく男も狼女に気づけば、なめくじをミンチらしきものにしつつ、やはり顔を向けて】
【無邪気な笑みを持つその男の声量は大きく、薄暗い森の中によく響き渡り、頭にも響き渡って……うるさい】
【食欲が旺盛なのか、なんと鍋の中にうさぎを丸ごと入れて欲しいなどという、色々問題のある発言までしている】

/少々遅れましたがここに
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 23:13:21.62 ID:PUw9Sf0J0
>>594

【子供の夢を壊すために居るようなサンタだった。……そんなことより、走らされたことのほうが記憶に色濃く】
【睨むわけでもないのに鋭い眼、はてなと見つめていたのは疑問に思うようで――ただ、ぴくと眉が顰められて、逸れる】
【会話の方に意識を向けていたならば気付かれないのが普通だろうぐらいの数秒間だったの、だが、】

キミは人の話を聞いてないのかね、ケーキは要らないと言ったと思うんだが……要らんよ。
キミに阿呆呼ばわりされる謂れは無いんだがね……ねえヨスガ? キミにこそその言葉を差し上げようか?

【――要らんもんを頼まれた感が視線を引き摺り戻す。その訂正は店員さんにも届くだろうか、要らない感が凄い】
【要らないものを食べさせられそう+阿呆呼ばわりにキレたよりもイラついたよりも軽い、ちょっとした不満の発露】
【普段はキミキミ言うくせにこんな時ばっかり名前で呼ぶ。わざとらしい溜息を一つ吐いて、】

犬ねえ……嫌いじゃないんだがね、猫のほうが好きだよ。犬と猫のどっちを飼うかで揉めたりしたが……。
……ま、両親にね。止められたよ、本に毛が挟まるとか言ってね――。

【こちらに来るなら構うことに何の問題も無くとも、来もしないなら呼ぶほどでもなく、眺めて終わる】
【頬杖突いたままちらと流した視線は緩やかに犬をなぞれば、そのうちに適当に店の中へと放たれて】
【ぼうとしていれば途切れてしまいそうな会話のキャッチボール、繋ぎとめるのはどうでも良さげに語ること】

【――母と父が居るのは確定だろう。今まで何度か話題に出したこともあって、ただ、揉めた相手は誰か】
【両親と、自分と。その三人以外はまるで口に出されたことがなかった。ふと零してしまった綻び、気付くこともなく】

【お冷でもあるなら手持ち無沙汰程度に引き寄せて、飲むというよりも唇を湿らせる程度、傾ける】
【知識がないわけじゃなくとも話題に生かせない程度の無駄っぷり、部屋から出ないならこんなものなのだろうか、なんて】
【話題を探すように彷徨う視線は兄弟めいた彼らを過ぎて――仲のよさ、思いついたのはきょうだいなんて、勝手な推測】
【――視線を辿るにはあまりにも気も向けない刹那だけのこと。結局、視線はヨスガのほう、という緩さで落ち着くだろうか】
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/28(火) 23:23:01.00 ID:FIcpByPso
>>597

ふぅむ……まあ、確かになめくじは不味そうなことこの上ないのう
なんというかこう、テラテラしておるし、ナマコっぽい感じが……

……ま、儂も元は狼じゃ。鼠を生でガリガリやっとった時期もあるし、問題なかろ

【よっ、と。そんな声と共に身軽な着地を決めると彼女はうさぎを左手に持ち】
【開いた右手の爪を器用に伸ばして、ソレでさくりと獲物の首を落とし、皮を剥ぐ】
【些かグロテスクだが、上手い。鶏のようになったそれを、獣人は鍋にぶち込んで】

皮さえ剥けば、いい具合に茹で上がるじゃろ。で、調味料はあるのかや?
塩なり醤なり味付けがないと、ちょいと寂しいうさぎ鍋になるからのう

あ、それとなめくじはやっぱり反対じゃ。ギトギトしそうじゃから、うん。
食べた後に手合わせをするのなら、胃にキそうな物は避けたいから、の
……後は、なんじゃ。もうちくとばかり静かに喋って欲しいのう――ほれ、儂って―――

【ひくり=\―両耳を動かすと、頼むぞーと適当に言いながら鍋の側に座り込む】
【あくまで素材を持ってきただけで、後は任せるらしい。ついでに、手合わせをしても良いと零す】
【随分とマイペースな獣人、という感じか――女性の苦心は察するに余りあるのだが】
【少なくともこの裸足の狼女は気にする様子もなかったし、むしろ早くしておくれと催促までし始める】
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/28(火) 23:28:23.81 ID:NluPiY8bo
>>598

【多分、かしらーとか、だよねぇとか、言っていた時代。今のくつくつ低く嘲笑う顔からは思い当たれない程】
【相変わらず背高の癖にヒールを履いているのも共通点なら、ほぼ本人、けれど10も上なようなら矢張り、難しい】

あー……悪り、頼んじまった。
ま、俺が半分喰ってやるって! な!

【何が「な!」なのか。店員も苦笑いでそのまま下がっていくなら、多分食後に例のが来るのだろう】
【最初に茶化された通りにでも思われているのか――今年で16と現在22、犯罪臭が、しなくもないのに】

って、猫派かよ……駄目だな、分かり合えねー。
日がな寝てるだけだぞ? あいつら。人生の無駄遣いだな

【ふんと鼻を鳴らしてそう言うなら、自分はそんな無駄遣いをしていない、とでも言いたげだが】
【遊んで過ごすのと寝て過ごす事、さしも変わらないということを、彼の頭で理解できうるかは置いておこう】
【――そう、小難しい事となれば回らないはずの頭だのに、微妙な機知に際して人並み外れて敏感であるのは、犬のよう】

…………ん? あれ、お前、一人っ子じゃなかったか?
いや……思い込みか、俺の。 何となくそう思ってたが、兄弟でも居るのか?

【冷たい水のグラス、一口含んだなら、ほんの微かにレモンの香りがする】
【彼も真似るよう口に運んで、彼女の言葉を待つよう――そして唐突に、奥の席がしんとした】
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/05/28(火) 23:39:51.50 ID:igZXAFEOo
>>599

『調味料はあります』 『…………これ、ですね』

【ガサゴソ、とポケットを漁れば出てくるのは一つの小瓶】
【確かに調味料等がよく入っているサイズだが――中に入っているのはどうみても、一つの水晶】
【しかし、それを鍋の上で振るえば――不思議な事に、複数種の調味料がわさわさと出てきたではないか】
【鍋内の水は既に暖まっており、後は煮込みつつ野菜を入れれば万事上手く――――】

「なんだよ二人共よォ〜ッ、せっかく捕ってきたのによォーッ」
「毒ねェーから大丈夫だって」 『味覚に毒です』 「大丈夫ーッ!!」

【……そこまでしてなめくじを煮込みたいのだろうか、それとも少し意地になっているのだろうか】
【しかし、こうして細切れになってみると、体液でベトベトなのを除けば普通のなめくじが無数にあるように見えて……】

【そして、この男は単純だった】

「んゥー、食べた後に手合わせだってェーッ?」 「ヘケケケ、良いぜ良いぜェーッ!!」
「こいつは後で食べるからよォー、やるぞォーッ!」 『……申し訳ございませんが、彼に、静かという文字はありません』

【"手合わせ"――その一言だけで、なめくじをすんなり諦め、そして浮かべるのは――純粋な笑み】
【……なめくじの処理は、ポケットに突っ込むだけというものだが、それは底なしなのだろうか――明らかに容量以上のなめくじ片が入ってゆく】
【それでも、うるさいのは相変わらずだが……】
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/28(火) 23:56:56.64 ID:FIcpByPso
>>601

ほぉー…!何じゃ変な奴らじゃのうと思っとったが、面白い物を持っておるな!
これならば中々の鍋が食べられそうじゃ、いやお主らを見つけて好かった。

……まっ、片方はちくとばかし問題児っちゅーところだがのう
なめくじは味覚だけじゃなかろうて。視覚にも毒じゃわ、阿呆
流石に狼と言うても虫系統は、の……――さてさて、どのような鍋になるかの?

【失礼なのはどっちもどっち、と言ったところだろうか。多分、この女も天然だ】
【それでも快活に笑いながら話すものだから、嫌味のようなものはさっぱり存在せず】

【―――或いは、案外すぐにでもうさぎ鍋は出来上がるのだろうか】
【その間、獣人は何処からか拾ってきたらしい樹の枝を二本ばかり爪で削り】
【器用にもそれで箸を作り上げて、食事を待つ。そして、出来上がればガツガツと頂いて――】

【食事が終わるのなら―――ふぅ、と息を付いた辺りで、男に視線をひとつ送り、立ち上がることとなるが】

/時間が結構な事になってたので少しすっ飛ばしちゃいましたが
/もしお気に召さないようであれば普通にご飯中にしていただいてもー!
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 00:00:45.75 ID:C0/O+2V20
>>600

【断定はしない、ただ、多分本人だと思う思考。ぷっつり途切れて、そこでおしまい】
【わざわざ席を立って、声を掛けて、確認するまでの熱意も無い。目でも合えば分かるだろうが、別に、それも】
【――目の前の知り合いを放って立ち上がるのも気が引けた。コミュ力に満ち溢れた性格でもないのだし、と】

あー……、……なら苺だけ貰おうか、半分も要らんよ、大食いに興味は無いのだから。

【頬杖突いた手元がそうと口を隠し込む。向こう側で緩くあげたのは不満の声――続くのは、仕返しを思いついたよな声】
【ショートケーキから苺を掻っ攫う暴挙。それ以外は要らないだとか、最高に贅沢な苺の食べ方であろう】
【自分基準で語ってしまえばサンドイッチとケーキと紅茶だって大食いになる。夕にパンを食べたとかいうのも、きっと、】

日がな寝てるだけなのがいいんじゃないか。犬も好きだよ、……少しばかしうるさいが。
たまになら犬もいいんだがね、毎日なら猫のほうがいい気がしてね――20歳ぐらいの老猫がいい。

……まあ。どちらにせよ生き物はあんまりね。植物の枯れるとは違うだろう?

【犬と一緒にはしゃいで遊ぶよりも猫と一緒にゆったりお昼寝】
【好むのは怠惰に自堕落で、ただ、似合う気がするのだから――しょうがない】
【揉めたというのは過去形のこと、今の答えは地面スレスレぐらいのやる気の無さで、ことん、コップが机に戻される】

……、……、

【机に戻したコップをなぞる指先、水滴を繋げて落とすパズルゲーム染みた手慰み、彼の言葉を受けてかぴたり止められ】
【微かに驚いたように丸くするなら、完璧に意識の外での言葉だったのだろう。疑るような視線が睨みつけるようで、】
【――ただ。それが自分の発言から来たものだと思いだしたなら、少しだけ、角は失せるけれど】

……言ってなかったか、無いな。別にどうでもいい話なのだけれどね。
数時間違いの姉が居てね、まあ今では私の方が年上なんだが――居るよ、一人、

【なんてことない、違う、どうでもいいも違う、いろいろ思うのをひっくるめて埋めたような、そんな風】
【少なくとも表情が動き回るということは無かった。ニュートラルな表情のまま、感慨も無い古書の声色】
【遠くで緩く響くようなジャズの中なら、ぽつと紡いだことだってよく聞こえてしまいそうで――】
【――年下の姉。違和感は少しの範疇を超えて、おかしかった】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/05/29(水) 00:16:47.63 ID:cWZIQb1go
>>602

「けっこォー良い感じだと思ったんだけどなァー……どっかでかたつむり食うとか聞いたしよ、似たようなもんだろォーッ」

【"すんなり諦めた"――というのは間違いか、鍋が煮えている間に未練の言葉をぽつりと呟いていたり】
【さて――鍋ができる頃、食欲旺盛な彼はおそらくこの中で一番の食べっぷりを見せていたはずだ】
【――この鍋の大きさでも足りなさそうに見えてくる程に】 【そして、山菜等に殆ど手を付けないのは、お約束】

「――――ヘケケケ、食った食った」

【少しでも噛み砕けそうな骨があればそれも喰らっていた彼、食べ終われば肩をぐりぐりと回して】
【視線を受ければ、こちらもまた、すっと立ち上がると――――】

「さァー、約束通り、いっちょバトルするぞォーーッ!!」

【ウィンドブレーカーを脱ぎ捨て、両拳をかち合わせながら、表に見せるのはむき出しの"闘志"――】
【緑の絨毯が引かれたこの森の一角、赤き眼光は彼の持つ感情を端的に表現していた】
【――いつでも戦いに移行できそうだ】

『こちらは片付けておきますね』

【なお……鍋等の片付けは、女性が一任してくれるようだ】
【と言っても、ポケットに突っ込むだけなのだが……どうやら彼らの衣類のポケットは、見た目よりはるかに広い空間に繋がっているようである】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 00:20:18.86 ID:wz2qcTQ9o
>>603

苺だけって……一番美味いとこじゃねーかソレ。
……まー構わねーけど。だって大人だし?俺。

【不平不満を垂れようとして、けれど少しなりとも彼女が食べるというなら、と思ってしまったのが悔しい】
【何となく、目の前の細身に何かしら食べさせないと行けない気がした。親が今側にいないと知っているせいか、妙な義務感】

…………まあ、そうゆっくりとは生きてくれないし、突然に死ぬからな。生き物は

【からん、グラスを軽く揺らして氷を回すのもきっと手慰みなら、知った事を反芻する間と、返す言葉を探す間と】
【双子の姉、今はこの世にいない、言葉からはそう判断したらしい。裏があるとか気がつけない、直球勝負な性格なら。】

……――――

【――いろいろと考えはしたのだろう。言葉として出ないなら、まるで意味が無い】
【向こうの客も静かなら、店の中、押し黙った空気――からの、店員】

「ひ、ハハ――彼女連れかよ。 爆発して死になさるが良いさ、狼」

……てめぇ、空気読め。 あと何でここでバイトしてんだよ、引火して死ね。

【黒髪に黄色のメッシュを混ぜ込んだ危険信号じみた頭の若い男、けたけた嘲笑うのが癪に障るが】
【態とらしいほどしずしずと彼女の前に置くミルクティーとサンドイッチ、ケーキは後から、らしい】

【同じく運ばれた紅茶とデミオムライスを前にした彼だったが、思わぬ知り合いに食欲を削がれた様子で】
【去っていく背中を蹴ろうかどうか悩んだが彼女の手前止めておいて――食えよ、とばかりに視線を遣った】
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/29(水) 00:29:26.85 ID:+sdJXEEqo
>>604

【食欲に関してはこちらも負けていなかった、というのも大事な点であろうか】
【骨は齧る、野菜も食べる、出汁も飲む。その辺り、競争心が無かったとはいえず】
【或いは―――既にその時から戦いは始まっていた≠ニでも言うべきなのか】

……うむ!儂も身体を動かすのは久々じゃからの、心躍るというものよ
飯も上々、相手もどうやら不足なし!……あ、片付けの方、すまんのう。

―――……さて。遅れたが、儂の名は長尾 銀狼≠ニ云う
見ての通りの狼よ。正確に言えば妖怪というやつじゃが、まあそんな事はどうでも良い
今は唯一つのことに集中、じゃな?……飯の例に、先手は譲ってやろうぞ。

【立ち上がって、何か気のような物を開放する――と、銀狼の尾が4尾≠ノ増える】
【しかし元来の白銀色以外、3尾は金色。オーラか、気功術にも思えるし】
【言い方を変えればエネルギーのストックにも思える。が、他に際立った変化もなし】

【しゃらん、と手足の鉄輪を鳴らしながら、半身に。そして前方に突き出した左足はスラリと伸ばし】
【逆に背後の右足はグッと曲げる。非常に低い姿勢――手をクイ、と動かすのは、『来い』ということに他ならない】
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/05/29(水) 00:48:11.38 ID:cWZIQb1go
>>606

『……私は食料を採集してきます、終わった頃に帰ってきますね』

【鍋以外の残骸もせっせと片付け、どこかに採集をしに行った彼女――それに構うこと無く彼は動く】
【"食後の運動"にはやはり、戦いが一番だ――楽しげな表情は、まるで子供のよう】

「ヘケケケ、狼も結構美味しかったような気がするなァー」
「――俺の名はヘケメト――色んな所で色々バトルするのが好きなんだぜェー」
「――んじゃ、行くぜェーッ!!」

【体勢、増えた尾、警戒すべき点が幾つあったとしても――彼はお構いなし】
【猪突猛進、まずは踏み込みからの右ストレートパンチを繰り出した】
【大根なんかよりもよっぽど太い逞しい腕――その狙いは肩及びその周辺】
【速度、パワーともに申し分なし】 【ただ、――軌道や前振り等は比較的読みやすい部類に入るだろうか】
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/29(水) 00:56:01.41 ID:+sdJXEEqo
>>607

【――ヘケメトが真っ直ぐに拳を突き出すのを視認するやいなや】
【銀狼は、跳んだ。曲げに曲げた右足をバネのように、恐ろしく身軽に浮き上がったのである】
【当然ながらそれは回避に繋がり、或いは消えた≠謔、にも見えたかもしれない】

【とにかく、銀狼はそのように飛び上がって――しゃらん、と鉄輪を鳴らしながら】
【件の右足を、その踵を、ヘケメトの頭部めがけて思い切り振り下ろさんとする】

【速さは、眼を見張るものがある。流石は獣といった所で、相当なものだ】
【また力は些か足りていないが、鉄輪によって衝撃が増幅されることは想像できたし】
【実際、食らえば目の前に星が飛ぶかもしれない。遠心力も関わっているからだ】

(……とはいえ、これは小手調べ。各所で戦っておるのなら、だがのう)
(なにせ儂は跳んだのじゃ。上だと気付けば…いや、気付けないハズも無い)

【なにせ、鉄の輪がある。しゃらんというその音は、嫌でも銀狼が上≠ノ居ることを悟らせるし】
【それに気付いて素早く対処出来れば、回避は勿論反撃だって難しくはない】
【兎にも角にも、初撃はそのような展開であって――気の抜ける相手ではないのは、確かだった】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/29(水) 01:22:52.96 ID:cWZIQb1go
>>608

「……ヘケケケ、良い感じに跳んだなァー」

【鋭い風切り音が拳により作られ、しかし何かに当たることはなく、ただ少しの虚しさを見せるのみ】
【その勢いを殺すべく、踏み込んだ脚を軸に軽く身体を捻りそうでない脚でブレーキをかけ、体勢を整えると】

「どこ行ったんだァ?」

【跳躍した銀狼の行き先を辿らなければ、何もしようがない――故に、探す】
【頭の出来は残念だが、有り余るパワーはそれを補うのに十分過ぎる程】

「――ぐゥッ」 「ヘケケケ――次はこっちの番だ」

【考えるより動く方が先だ、"音"と"気配"を頼りに銀狼の位置を察知すれば】
【左腕を頭部前方に出し、振り下ろされた踵をそれで"受け止める"――幾ら自前の鎧、丈夫な肉体があるとはいえ、無効化は不可能】
【だが、――この一撃で倒れる程やわならば、見掛け倒しもいい所だ】

「くらえッ!」

【受け止めた後に出るのは、"反撃"の行動】
【まずは右手を伸ばし、銀狼の左脚を捕らえようとし】
【もし、それに成功すれば――片腕と身体を捻る力で、強引に彼女を地面に叩きつけようとするだろう、その後脚を開放する】
【軌道は――前方から後方、あえて言うならばバックドロップに近いが、腰を反らせるわけではない】

【逆に、脚を捕らえられなければ良い反撃の機会となるだろう】
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/29(水) 01:39:28.48 ID:+sdJXEEqo
>>609

くふふ……上じゃよ、上!といっても、流石の反応じゃのうヘケメトとやら
まるで儂の同族にも似た直感とセンス……伊達ではないらしい、の、ッ――!?

【もとより小手調べのつもりで落とした踵。掴まれても、然程は動じず】
【相手が受けた腕を土台にして、そのままくるりと背後に回転、後退し―――】
【そうしようとした所で、ヘケメトの反撃≠ェ始まるのである】

【銀狼のこの一撃は、実際のところ攻撃に使用しない左足の不備――】
【果たしてヘケメトがそれを意識していたかは分からないが、行動は最上のものだろう】

【そして脚を掴まれると同時、銀狼の尾は四ツから五ツに増えていて】
【直後、腕が振るわれる。尻尾をクッションにこそしたが、その衝撃は凄まじい】
【速度はともかく、力はないのが銀狼だ。振りほどくことは出来ず、咳き込みながら――】

ッ、グ……!やるではないか、この…ッ、……ク、フフ……!
だがココからが儂の真髄というものでのう、痛むぞっ…―――!!

【――両手の指を、銃のように構える。指先が狙うのはヘケメトの腹部】
【嫌な予感がするだろうが――した時にはやや遅く、その指先からは気弾≠ニでもいうべきか】
【尻尾と同じ輝きを持った、銃弾のようなものが打ち出されるのである】

【見れば、尻尾は五尾から三尾に減っている。つまり、能力は気の操作とストックか】
【この気弾による銃撃≠ヘ――実弾のように、肉を穿って多量の出血を誘うことはない】

【ただ、肉体を破壊する力はある。弾が通ったところには凄まじい痛みが走るし、痣も出来る】
【それに、体力も削られるだろう。物理的なダメージが薄いだけで、凶悪なことに変わりはない】

【まして脚を掴まれているから、銀狼からすれば狙いを外すような筈もなかった】
【――もっとも、それはヘケメトのアドバンテージでもある。なにせ、脚は掴んだままなのだ】
【一撃を耐えれば反撃はまだまだ続けられるだろうし―――或いは回避も、決して不可能とは言い切れない】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/29(水) 02:08:02.65 ID:cWZIQb1go
>>610

「ヘケケケ、良い感じだっただろ今のはァーッ!」 「もういっちょぶん投げて……ッ」

【相手の脚を掴んでいるが故の、狙いの正確さ――その気弾は、狙い通りヘケメトの腹部に命中する】
【小さな呻き声を発したかと思えば、数歩後退し】 【その際、うっかり右手の力を抜いてしまい――左脚を掴んでいたという事実は消える】
【これで、彼にダメージを与えただけではなく、アドバンテージも消滅させたこととなるか――】

「……ヘケケケ、まだまだァッ!」

【だが、その顔から笑みが消えることはまだなかった】
【先程の動きからすれば、ヘケメトは近距離戦を得意としているはずだ――しかし、彼は更に数歩後退した】
【その目的は、地面に落ちている石を拾うこと】 【およそ幅15cm程で楕円形をしているそれを拾い上げれば――】

「そォーいやァッ!!」

【――思いっきり、ぶん投げるッ!】 【描く軌跡は、非常になだらかな放物線】
【石を拾ってから投げるまでの間、それに何か変化が起きていたことにもしかすると気がつくかもしれない】
【――先程まで生えていなかった数センチ程で緑色な無数の棘は、その過程で彼によって生やされたのだ】
【"打撃"に付与される"刺突"の効果――シンプルながらも、厄介なことには違いない】

【さて、石の軌道から推測すれば――狙いは、一応"腕部の高さの部位"、だろうか】
【棘はそこまで硬くはない、普通の攻撃で十分破壊できるレベルだ】

【腹部のダメージが原因だろうか、フルパワーで投げることはできなかったようである】
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/29(水) 02:26:02.18 ID:+sdJXEEqo
>>611

【拘束が解けたことは、銀狼にとっては何よりの幸いであった】
【即座に数歩だけ下がって、しかし立ち上がる様子がふらりとしているのを見れば】
【彼女が速度と技巧に特化した、体力面では希薄な相手だと分かるはず】
【つまりヘケメト並のパワーでもう一度叩きつけられれば――そういう状況だったのだ】

痛っ、つぅー……中々に強烈な男よのう、ヘケメト……!
じゃが儂とてまだ音を上げはせんよ!気力≠熄\分じゃからのう…――!!

【光る尾は二尾、元の白銀を合わせて三尾。それを揺らしながら、次に備える】
【やがて光る尾が1つ減って、代わりに銀狼の両手には黄金色の手甲が出現する】

【そして、行動は単純。その手甲で以て、飛来するトゲ付きの石を正面から殴り返すッ!】
【僅かに鈍い音――そして直後、手甲が。気≠フ塊であるそれが、はじけ飛び】
【ほぼ砕けかけていた石を完全に破壊して、その破片をヘケメトへと飛ばすこととなる】

【つまり、彼女の気功術とは――気弾しかり、手甲やその爆発しかり、相当に自由度が高く】
【先ほどの行動を見るに、新たな尾が生えるのは二呼吸(2レス)に一度ということか】

【加えて彼女の身体的特徴を鑑みれば、今は彼女の行動に隙こそ無いが】
【次の尾の生える直前、今≠アそが仕掛け時であると理解できるかもしれず】
【また破砕した石による反撃は、あくまでも石――肌は裂くかもしれないが、致命的なほどではなく】
【先ほどの叩きつけによってまだ身体の落ち着かない銀狼は、もし突っ込まれれば―――?】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/29(水) 02:53:39.51 ID:cWZIQb1go
>>612

「ヘケケケ、このくれェーでぶっ倒れてたらよォ、楽しめねェーだろォーッ!!」

【高い身体能力、応用性のある能力、その二つが生み出す相乗効果は中々のもの】
【――ただ、彼ははっきり言ってアホだ】 【確かに、戦闘の経験は多い、しかし"1人では"ロクな戦略を組まない】
【殴るか、蹴るか、突っ込むか、――とにかく、やりたい放題やるのが彼だ、それが相手と噛みあうか否かは彼の気分次第】

「お、っと……」

【破壊された石の破片――両腕を盾に、"眼"にだけは当たらぬよう立ち回る】 【他の部位が傷つくのは問題ない】
【彼にそれが届く頃には、既に棘はもう無くなっているだろう――彼が消した為に】

【次に仕掛ける攻撃は、――いわゆる、"飛び膝蹴り"】
【数歩の助走の後、左脚で地面を強く蹴り、跳躍――獣に負けぬ程のそれを見せつつ、その勢いのまま右膝で銀狼を狙う】
【その狙いは――胴体】 【その膝に乗せているのは、跳躍の勢いと、己の体重】

【全体的にモーションがかなり大振りであり、更に命中の有無に関わらず着地をする必要が――大きな隙を晒す必要が出てくる】
【また、先程の石の破片によって、今までのダメージが刺激されたのだろう、攻撃の発生自体もそれ程早くはない】
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/29(水) 03:14:44.64 ID:+sdJXEEqo
>>613

(ふふん……所謂体力馬鹿≠ニいうやつだのう、なんとわかりやすい……)
(……しかし、それが良い。自身の特性を知ってか知らずか、行動が常に最善)
(野生の勘とでも言うべきかや?なんとも、そこに力が加わるのは恐ろしい、の……!)

……―――じゃがダメじゃ、ただ突っ込むだけではのう?

【銀狼はそう言って、ヘケメトの行動を捉えるやいなや、背を曲げて低姿勢に】
【そして飛び膝蹴りで彼が近づくに合わせ――両手を地面に付ける】

【くるり、とそのまま身を躍らせれば、『それがヘケメトへの攻撃になる』のである】
【――どういうことかといえば、つまりは銀狼が逆立ちの状態で上へ方向への踵落とし≠放ったのだ】
【相手の攻撃を姿勢を低めることで回避して、飛び込む相手の勢いを利用し――】
【その顔面にぶち当たる位置へと、自らの右足を、踵を振り上げ、半月を描いて落とそうとする】

【まさに軽業のような動きで――もし決まれば、衝撃は相当なものになるだろう】
【なにせ力自慢のヘケメトが突っ込むその衝撃をそっくり返すのだから、威力は言うまでもない】

/すみません、ちょっと眠気が……明日辺りに持ち越しは可能でしょうか…?
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/29(水) 03:18:20.07 ID:cWZIQb1go
>>614
/こちらも眠気がやばいので、持ち越しでお願いします
/ただ、明日は午前中しか来れないので、明後日再開でよろしいでしょうか?(>>614に対しての返レスのみ明日朝で……)
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/29(水) 03:27:31.46 ID:+sdJXEEqo
>>615
/再開明後日で大丈夫です!気付いた方からレスを返していく感じでいいですかね…?
/っと、寝落ちしそうなので取り敢えず今日はこの辺りで……一旦、お疲れ様でしたっ
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/29(水) 03:30:54.07 ID:cWZIQb1go
>>616
/そんな感じでOKです、それでは一旦お疲れ様でしたー
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 04:00:27.98 ID:C0/O+2V20
>>605

【分からないなと小さな感想、心中だけで洩らすなら、伝わることもきっと無い】
【そんなに何か食べさせたいのか――なんて、溜息を零しそうなぐらいには、食べることに関心が無くて】

……ま、草は動かないしな。気楽だよ、何を言うわけでもなければ自分で動くでもない。
水をやらなきゃ死ぬし太陽が無ければ元気は無いし、その程度でしかないのだから……。

【実際のところは生きていたとて、動物の類みたいにほどは生きてないように見える】
【生き物がある日いきなりぱったり動かなくなるよりも、元々動かないものが茶色くかさつくだけ。なんて気楽!】
【彼女の基準の中で植物は許された。ただ、それにしたってこの口ぶりなら、死にかけとしか思えないぐらいで――】

両親に言うと怒られるのだよ、あの子は死んでなんかないんだからーって。死んだじゃないか、知ってるのに。
……というわけで両親が居ないのはね、姉を生き返らせる方法を探しているようだよ、そうさな、今年で8年目になるかな。

……、……

【彼の黙り込んだ間。教科書でも音読するような平坦さが連ねたなら、ひどく他人事めいた説明、音に乗せて】
【どうでもいい、なんでもいい、別に関係無い、全部が全部少しずつ間違えて、ただ、拗ねたよな表情の意味が少しだけ分かるよう】
【両親に順位付けられて負けたほう。その視界から抜け落ちてしまったほう。きっと、そんなところ】
【――店員が来たならば区切る言葉、ちらと見やって、暴言の応酬には少しだけ眉を顰める。きっと驚きを示して】

……だからね、もしも何か知っていたら教えてやるといいよ、どこに居るかは知らないが。きっと喜ぶから……、

【知り合いだったらしいと認識する背中、見送って――彼へ視線を戻したなら、食えとばかりに向けられる視線】
【普段は本だらけの部屋で一人ぽっちで食べる食事、それも菓子パンとか、そんなもの――見られるとか、気まずくて】
【だからって今更要らないなんて言っても駄目なのだろう、観念して齧る、……ハムスターと競争できそうなぐらい、少しだけ】

【結局自分の感情がどこにあるかを示さなかった。部外者みたいに素知らぬ顔、場の空気ばかり冷やすのだから――全く、もう】
【話題を変えてしまうなら今が適期。彼女の方から盛り上げそうにないのが――どうしようもないことみたいに、横たわっていたけれど】

/というわけで返しておきます、すいませんでした……
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/05/29(水) 18:37:39.43 ID:V2H9b/s/o
>>618

…………――

【分かってるなら止めてやれ、とか、安直に言おうとして止めたのは、そんな人間をずっと昔に見た覚えがあったから】
【事実を認める認めない以前、死と言う事象を認識から外して、人の言葉が通じていない――ほんの5、60年前の記憶】

――……、……

【考えた結果でこれなら、続ける言葉にも迷って、仕方無しにスプーンを手に取り……食べる前、少しだけその香りを確認】
【まさか奴が爆弾以外の品を作るはずが無いのだけど、運んで来た事実もある。危惧したガソリンの臭いなど欠片もないなら、】
【安堵したような疲れたようなため息一つ。切り開いたオムライスは、始めからご飯と卵を混ぜこんであるらしかった】

…………あのさ、

【「お前――」】
【やっと何か相応しい言葉が出てきたのだろう。放っておけない、どうにかしてやりたい、一方的に押し付ける見方】
【続けようとした言葉、――バチバチ、と妙な火花の音が引っ込めさせてしまって】

「ほゥら狼、ご注文なさった烏丸スペシャル☆爆弾ショートケーキを――」

――いやそんな物騒なケーキ頼んでねえよ!?
何で大量に花火ぶっ刺さってんだよ本当に馬鹿かお前!? ちょっ、危な、持ってくんな!!

【ショートケーキだった三角形に色とりどり突き刺さる枝、その先で凶暴な線香花火めいてバチバチ燃えて、見ようによっては綺麗】
【勿論食用でない上に近付かれたくない程度の危険さなら、ヨスガに拒まれて残念そうに下がっていく】
【その騒ぎに、奥の客3人が何事かと振り返ってみているのだから、恥ずかしいも良いところだが――】

【きっと一瞬、紅茶色と視線が合いそうになる刹那があって】
【もしもその淀んだオリーブ色とぶつかってしまったなら、酩酊めいた嫌なダメージ、深刻でなくとも受けてしまうだろう】
【意図的にではないようで、すぐ合わないよう反らされはするのだが――それはまるで他人めいて、一切の興味を抱いていなかった】
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 19:33:23.39 ID:C0/O+2V20
>>619

【白くて、ふわふわで。挟まれたならきっと眠たくなってしまいそうな、そんな三角。食んで行くのが少しずつ】
【彼が喋らないならこちらからだって喋らない――と言うより、口の中のことを考えれば、喋れない】
【きっといろいろ考えてくれている間には当事者の癖、何の感想を抱いた風もなく、ただ、】

まあ、下を見れば見るほど居るのだから。

【こくと嚥下して空いた口、紡ぐのは――きっと、気にするなとか、そんな意味を持つのだろうけれど】
【居られる場所があって。お金があって。多分両親共に生きているというなら、恵まれている方だろうと、そんな自己判断】
【言い終える頃合には手の中に残っていた一欠けらも咀嚼して。――切り出す言葉には、視線を上げて、】

――っ、!

【――噴出したりしなかったから上出来だろう。その代わり噎せたけれど】
【視線を上げる→異音に気付く→その後はお察し。どうやらびっくりしたようで、顔を見れば薄らと涙目】
【口に手を当てて咳き込んでいた。その傍ら、机上の本を火花の及ばぬ範囲へ動かして、その後水のコップを手に】
【ぐうと呷って無理やりに黙らせる。噎せ返りそうな現状よりも本を優先するのだからそれはそれでらしいとも言える、か?】

え゛ほっ……、……ヨスガ、キミ、さあ、……

【某店員さんが裏方へ戻って数秒経った頃合だろうか。赤ラインぎりぎりで復帰して紡ぐのが、責めるような色を持って】
【お冠と言うほどでもない文句。1人で食べる時には起こり得ないハプニングの数々が、どうにも、思考を揺らす】
【静かに食べたいとも思うけれど、昔は賑やかに食べるのが好きだった。だからと言って――なんて、思考たち】
【――そしてそれを彼へ向けるのだから、八つ当たりと取られても仕方ないだろう。ただ、少しだけ、楽しい?】

【じとじと向ける視線がその向こう側、奥から向けられる視線に気付いて、ついと寄せられる】
【断定も投げていたし、増して瞳に宿る邪悪さなんて知るわけも無い、ただ、真正面からかち合うのを免れたのは】
【――人の目を見るのが苦手。人との付き合いを減らして久しく、首の辺りを見ているほうが落ち着くぐらい】
【逸らされた視線の糸を辿るのだってほんの少しのこと、知って追いかける一対が閉じてから、何日も経ったけれど】
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 20:16:25.67 ID:wz2qcTQ9o
>>620

あー、えっと……ほら、とりあえずもっと水飲むか? な?

【激おこまで達する前に、と態とらしい笑顔でお冷を指さすなら、逆にイラッとする顔】
【八つ当たられている(?)にしたって、呆れ顔疲れ顔の奥に愉しげな色があるのは同じだった】

あいつは気にしなくていい、いやどうしたって気になるけどな、可哀想な奴だと思ってやってくれ
上の階の奴なんだが、たまに洗濯機爆発させたりするんだよ……――

【それから愚痴をつらつら(聞こえるように)言う間、矢張り奥の席の紅茶色は振り返らなくて】

【――その内に解散の流れになったらしい。まず袴姿が下駄の足音も立てずついと先に店を出て、】
【黒スーツが紅茶色に何事か声を掛け、厨房の奥に声を掛けて、そうして同じく店を出て行く】

【最後に紅茶色が、幾つかケーキを選んで箱に詰めさせ。 誰かへの土産らしいが】
【それを持って、結局一瞥もないまま彼も店を出た。 すれ違う時に一言位掛けられそうな距離だったけれど】

……――で、だ。バイトしてるなら家賃3ヶ月分も払えるんじゃねーのかな、と思う訳だが。
まあ阿呆の話はどうでも良いとして、食わねーと冷めちまうか……

【やっと一口分をスプーンに掬って、デミを乗せて、口に運んで。割と小奇麗に食べていくくせペースが早い】

…………そういや、本の置き場がどうとか、前に言ってなかったか?

【そんな事を思い出したように言うなら、アテでも出来たのか――確か1室は開いていたようだけれど】

/遅れました……
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/05/29(水) 20:35:18.99 ID:FqyOhL9M0
【ここは路地裏。あらゆる「黒」が自由にのさぼる、悪意の苗床】
【そんな所には何がうろついていても可笑しくは無い。指名手配犯?ヒーロー様?迷子の少年少女?誰であろうと"此処"は拒まない】

【だからと言って、そこを人間とも獣人とも見分けられない奇人が歩いていたなら、多少は目立つのだろうか】

はァー、疲れた疲れた
なぁにが「出来る限り早く」だよ……ワンパンしか出来なかったじゃねぇか……

【そんな愚痴とも何とも取れる言葉を残しながら路地裏を歩くのは、一人の…人間?…だった】

【その姿は、はっきり言って異常だった】
【軽く2メートルを超えるかという巨躯。体中を覆う虎模様の毛皮】
【臀部から伸びる猫の物と思わしき長い尻尾が、時折、背中に掲げられた逆五芒星。悪の権化の紋章を遮ったりしている】
【装着された金色に輝く金属製のグローブとブーツが、彼が人間であることを辛うじて主張していて、】
【欠けた左耳の上を駆ける様に右目に掛けられたアイパッチと、ピンク色の蝶ネクタイが"彼"の異質さを際立たせている】
【兎も角、そんな奇天烈で破天荒な、虎ネコの"キグルミ"を身に着けた人物が、そこにはいた】

ま、いっか。今日の仕事はこれで終わりで、後は……ああ、報告書書かなきゃいけねぇや…

明日の朝でいいかァ…? いやあの事務のババア面倒だからなァ……朝一で持ってっても文句垂れるだろうなァ…

【そのキグルミは体の前で手を組み、大きく前に伸ばしたりして、隠れた顔の代わりに疲れを表現しながら路地裏を行く】
【ある意味では気苦労の絶えないサラリーマンの様な独り言なのだが、その言葉に隠れた非凡さを背中の紋章が肯定している】
【そんな様子の出歩く怪奇に不運にも遭遇してしまう人物が、現れてしまうのだろうか】
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 20:42:35.41 ID:C0/O+2V20
>>621

【じぃと涙目が向けられる。勧められた通りに冷たい水を流し込んでいくのが嫌に素直――というより、辛いのか】
【喉を滑り落ちていく冷たさと、追いかけて行くレモンのすっきりした香りと……少し後、今度こそ落ち着いたよな溜息】
【からんと氷の滑る音、机の上に戻される頃合には、すっかり中身も失せていた】

【――かわいらしいサイズで切り揃えられたサンドイッチ群、わざとらしい愚痴を聞きながら食べ進めていく】
【パンくずの少しも落とさないのはゆっくりすぎる食べ方のせいでもあるけれど――綺麗な分には、文句も無いか】
【少しばかし食べるのが遅い。ただ、よっぽど彼を待たせてしまうほどではないだろう、恐らくは】

【彼の紡いでいく言葉に時折相槌を打ったり、気紛れのように聞き流してみたり、そんな平穏な間】
【帰るというなら止めるだけの理由も無い。声を掛けようにも、浮かばないなら――結局、見送るだけに留めた】

……――、絶賛切迫中だよ、寧ろ前よりも増えているぐらいだもの。

【――お皿の上には最後の一つのサンドイッチ、今しがた机に置いたティーカップの中も、半分ほどまで減っていて】
【何の反省もない。寧ろ切迫してからだって増やしているらしいのだから、故意とも取れて。ぱちと瞬き一つ】

図書館の方にはまだは入るがね、家のほうは……床が抜けるのと私が圧死するの、どちらが先だか。

【どれだけ詰んでいるのやら。迂闊に置いていいよなんて言った日には――多分、それなりの量が、】
【最後の三角形。――手にとって、山頂から食べ初めて】
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 21:03:18.63 ID:wz2qcTQ9o
>>623

【瞬く間に半分を越えて行くなら、彼女が最後の一つを齧るのと、彼が最後の一口を掬うくらいがほぼ同時】
【静かに紅茶を口に運びながら不穏な言葉を聞いて――呆れ顔、先程よりも強くて、溜息のオマケ付き】

…………いや、隣の部屋も入居希望出て来ないし、物置にしても良いかと思ったんだが。
床が痛むレベルはちょっとな……無料で貸して修繕費掛かるなんざ嫌だぜ、本残してお前だけ来るならまだしも――

【そこだけがどうにも大家らしいけち臭い事を並べて、最後に添えたのは多分無いだろう選択肢、一応と】
【先程とは違う静かな店員がケーキ(普通の)を一つ置いていって――窓の外、バイト上がりらしい危険信号が歩いて行った】
【彼が振り向きざまこちらに中指を立てて、対するヨスガが親指を下にして返す。小学生かと思う程どうでも良い、無意味なやり取り】

……――で、苺食うのか?

【ついと押し出す皿、ちゃんとした(?)ケーキなら、騒がしい奴も他の客もいないなら、やっとまともな空気】
【開いた皿を綺麗に脇に寄せて行くのは昔の癖なのか――「何ならもっと食えよ」と添えつつ生クリームを一掬い、先に奪っていった】
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 21:18:18.64 ID:C0/O+2V20
>>624

【もぐもぐもぐもぐもぐと口の中でパンをぶち壊していく動作。繰り返して繰り返して、最後に飲み込んで】
【口の中の後味をミルクティで押し流していく。最後に残したのはカップの中、ほんの少しのテ・オレ色ぐらい】

善処すると言えば善処するが、ね――。まあそこまで緊急のことでも無し、別に今のままで構わんよ。

…………、世話するためにいちいち戻る破目になるじゃないか、面倒臭い、今のままでいい。

【そうっと左手を口元に添える。おなかいっぱいとでも思って居そうな表情、きっと分かりやすくて】
【預かってくれると言うなら善処するというけれど――果たしてどこまで信じていいものやら。ふると首振る否定を置いて】
【――最後に添えられた言葉、びっくりしたように目が丸くなって、視線が彼へと向けられるだろう】
【真意を探ろうとするみたいに眼を覗き込もうとするのは珍しいこと、……結局、そちらにも拒否を返した】

【最低限過ぎる1人きりの生活だって別に不便だとか思ったことが無いなら。寂しいなんて思ったことが無いなら】
【寧ろ誰かの傍に居ることが重たくて面倒に思えて。――生き物よりも無機質がいい。そんな思考の果てのこと】
【何にも喋らない本たちの中に埋もれているのがお似合いに思えた。たったそれだけ】

……そんなに言うなら貰って差し上げようかな。

【貰ってくださいなんて一つも言われていないとか、きっと分かって居ながらしているのだろう、ちんまり笑顔】
【お行儀悪くも指先で攫うなら、真っ白な指先に真っ赤が映える――と言うよりも、押し負けたよな印象】
【何にも無ければクリームをスカートみたいに纏ったほうからもぐと食べるはず。甘酸っぱいのに瞳を細めたなら、年頃の表情】
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 21:39:53.76 ID:wz2qcTQ9o
>>625

ハイハイ差し上げますよっての……いや駄目だ、烏丸みてーになる。

【苺をなくして、生クリームも無くして、残った大地を一口ふた口結局彼が掬うなら、虫食いめいて小さくなっていく】
【やがてそれも無くなって、飲み物も無くなる頃合いなら――元から暗かった外、すっかり月が登った星空だった】

……今のままで、って、どんな状態なんだかな――。
そんな、数だけあっても読み切れるのか? 俺なら無理だろうけどさ。

【膨大な量、漠然と思い描くけれど疑問はそれに尽きて、】
【一人で家にずっと、というのが癪に合わないなら想像も余り――かといって誰かと和気藹々としている訳でもないが】
【夜の公園で一人バスケットボールを手繰る程度には、コンビニ食品が友達な程度には、一人なのだろう。内か外かの違い位】

…………っし、帰るか? 送ってくぜ。

【頷くなりしたなら彼は立ち上がって、いつしかボールを放置で眠りこけていた老犬の側に寄っていき】
【片耳をぴくり、それから片目だけ開けた犬をわしわしと撫でれば、見せた笑顔は柔らかい】
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 21:59:46.71 ID:C0/O+2V20
>>626

仲良しだねぇ……。

【――なんて。ほつと零したのは苺を食べ終えた直後だ。指先についたクリームを紙ナプキンで拭いながらの呟き】
【微かに小さな声だって静かな店内にはよく響く。聞こえたなら、否定したくなるかもしれないような――】
【それでいてどこか羨むような色が覗いていたこと、否定しない。ぱたんと折った形で、口元もそっと拭って】

乗車率150パーセントってところかね……、適当に読んでれば存外減るものだよ。
手をつけてないものもたくさんあるけども――、ま、いつか終わるだろうし。

【読みきれるのか否かで言われたらきっと否。いつか終わるだろうなんて無気力、それで居て数ばかり増やしていくのだから】
【彼女の家と言うよりか、本の家――というのが正しいぐらいなのが思い浮かぶけれど、たぶん、間違えていない】

……ならいくらかでも持っていくかい。キミの好きそうなもの、たくさんあるのだし。
どうせ来るんだろう? 期限無しで貸すよ、今日の礼も兼ねてね。ごちそうさまでした。

【――ティーカップに残ったほんの少し、飲み終えたなら、特に居座る理由はこちらになく】
【帰宅を促されるなら大人しく頷くばかり。一緒に歩くのも数度目、送られるのも数度目、なら最早どこか慣れた風】
【どうせ来るのなら本の数冊でも、と。持ちかけてみること、礼と絡めたなら、少しばかし断りにくい、ような、】
【ぺこりと頭を下げるなら、彼の動きを待った後に立ち上がる。それからふらと付いて行って――】

【――彼が代金を払う間。どうしても手持ち無沙汰になるその時間、ちょいとしゃがみこんでみたなら、老犬へと手を伸ばす】
【鼻先に指をやるのは触ってもいいかと尋ねるようでもあって。許されるなら、緩く掻くようにして頭でも撫でるのか】
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/29(水) 22:13:44.43 ID:Fk5MJRmf0
【とある小さな古本屋にて――――】
【最上段に収まる一冊を手に取ろうと、懸命に背伸びをしている巫女装束を纏った少女が一人】
【ぴょんぴょんと飛び跳ねてみたりするけれど、結果は言わずもがな。寧ろ、本棚を倒しそうな位には危なくて】


「――――うぅー……ここの店主さんは意地悪です……
何故、私が読みたいと思った本に限って……あんなに上にあるのでしょう……」

【一人頬を膨らませれば、目的の物を怨めしそうに見つめて】
【誰にも聞かせない位に小さいその声からして――――或いは、店主に取ってくれと頼めない程に気弱なのか】
【一転すれば、落胆した表情。それでも諦めきれずに手を伸ばしていれば】


「――――!!
やっと手に…………ふぁっ?!」

【指先が本の背に掛かり、そのまま引き抜こうとすれば――――】
【ギッチリと詰まった本棚。当然、周りの本も我先にと本棚から抜け出してこようとする訳で】
【普段ならば、こんな寂れた所に訪れる者なんて居ないだろうけれど】
【僅かにでも気配を察知する事に長けていたならば、その本屋の中――――即ち、少女から少しの妖気。妖狐の気配を感じ取れるだろう】
【さて、偶然訪れた者はその不幸を笑うか、或いは本の雪崩を止めるか――――】








【櫻の国――――ひっそりと静まりかえった城下町】
【そこを徘徊するのは一匹の妖怪であって】
【山伏の服装に、腰に提げたのは天狗の面と一振りの太刀】
【手には六尺棒を持っているのだが――――何よりも目を引くのは、背中に生える漆黒の翼か】
【烏天狗と呼ばれる一妖怪。少女と間違われても可笑しくない少年は、今宵酒を片手に、気ままに散歩をして】


「ここもすっかり寂しくなっちゃったねぇー……
昔は妖怪も人間も一緒に住んでた筈なんだけど」

【もう、ずっと昔の事。人間と妖怪が此処で仲良く暮らしていた時の事】
【その時の光景を思い浮かべれば、ハハハ――――と小さく笑って】
【――――やがて吐くのは溜息。ポリポリと頭を?けば、その場で立ち止まって酒を呷り】


「昔は……ねぇ。拙(ぼく)がもっと小さかった頃の話だからもうあんまり覚えてないけど
――――楽しかった……かなぁ」

【そんな呟きも、やがては闇夜の中へと溶け込んでいってしまって】
【ポツンと取り残された様にも見える子供の姿】
【けれども、纏う妖気は完全に人とは異なった種族という事を感じ取らせて】
【さて――――その妖気を辿って現れる物好きは居るのだろうか】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 22:23:59.43 ID:wz2qcTQ9o
>>627

……そうか? まあ、それなら借りようか。
嗚呼、古典で何かあればな? 特に和歌集だと良いんだが。最近読んでないし――

【黒ジャージ姿、飾りチェーンの重たい艶々した革財布で、言うことがそれなら違和感だらけ】
【小脇にバスケットボールを抱えて、コンビニ袋まで下げるなら本当に――知能指数低めな見た目】

【老犬はといえばちらと彼女を一瞥、好きにせいとでも言わんばかりにふんと鼻を鳴らして、再び目を閉じた】
【それでいて撫でられるなら心地よさげに尻尾をゆるく振って、手が離れていく時にだってちらと見送るなら、可愛げはあるらしい】

――で、場所は前と変わってないんだろ?
だったらこっちの道が近いか。 ……にしてもよ、何だったんだろうな、奥に居た客――

【前に送っていった道を覚えていたなら、なるべく暗くない道、それでいて近いルートを慣れたよう選択して】
【途切れない程度に話すし、途切れた所で気まずさより夜風の涼しさを思う程度、あとは星空とか――】

【――辿り着く先、お目当てがあったならきっと二三冊借りるのだろう、また近い内に返すと言うついで】
【携帯番号を伝えて、「何かあったら掛けて来いよ」なんて添えるのは、きっと純なお節介心からだった】

/この辺りでしょうか……?
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/29(水) 23:01:58.36 ID:C0/O+2V20
>>629

【見た目と言葉の剥離、眼前で見ているはずなのに、どこかおかしな気がして不思議】
【見上げる以外の選択肢が無いとは言え、じ、と見つめて――瞬いたなら、納得するような間】

……ま、好きなもの持って行ってもらって構わないから。好きに選ぶがいいよ。

【最終的にはそんな風に告げる。丸投げっぽい気もするけれど、まあ、気負い過ぎないなら楽でいい】
【――どうせ客など誰も来ない。無意味に積み上げておくよりか、良いに違いないのだから】

【きちと切り揃えた爪先で櫛を真似するように梳いていく緩やかさ、支払いが終わればそっと立って】
【彼の背中を追いかけながら、「ばいばい」と置き去る言葉と、ぱたぱた振った手の動きの残滓と】


【冬よりも寒くなければ夏よりも暑くない、どこまでも心地いい温度、歩くにはちょうどいいはず】
【そうして送ってもらってたどり着くのは煉瓦造りの古びた洋館、住んでいる家は裏にでもあるのだろうか】
【待っててと言い残して歩んでった先は洋館の裏方、やがてぶら下げて戻ってきたのはこれまた古びた鍵束】

【重たい木の扉を開けて、明かりを灯したなら。至るところに本棚を設置した奇妙なレイアウト】
【ぽつぽつと点在する椅子と机もまたどこかおかしくて――たくさんある部屋を覗けば、ぎっちりと本棚】
【一通りのものが揃っているはずだ。やけに死者蘇生に関わるものが多いのも、今では納得できて】
【掃除も良く行き届いていたし。一人で管理しているにしては上出来だろう、そんな程度】

【――おかしなところを付け足すとするなら、姿を映しこむ類のものが一つもなかった】
【硝子はある。鏡もある。ただ、全てが封印めいた暗幕に覆われて……トイレの鏡すら、そんな始末なのだから】
【尋ねたとしてもはぐらかして。返すのはいつでもいいなんて、そんなことを告げた】


――じゃ、また。ご馳走様。どうもね。

【がちゃと掛けた鍵、背中に敷いて。見送りと、礼と。再会を願う言葉】
【そのうちに彼の姿が見えなくなったなら――小さな溜息一つ、洋館のオマケみたいな家へと戻って、一人、】

ただいま、ローゼ。

【――ワインレッド色した毛のテディベア。本に埋もれかけたベッドに横たわる大きさは、きっと彼女と同じぐらいで】
【持っていた本を適当な本山に載せて。変わりに適当な本を取ってベッドに座り込む、子供向けの絵本】
【表紙を開いた余白の下、Anneroseの文字。“ローゼの!”という落書きが、どうしようもないぐらいに微笑ましい】

/おつかれさまでした!
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/30(木) 00:53:01.07 ID:CILiTEHOo
>>628
【古本屋の中を、見るとはなしにうろうろとしていた、一人の青年】
【白いシャツの上に青いジャケットを羽織り、深緑のカーゴパンツと黒いスニーカーを履いている】
【少し長めの茶髪の間から青い瞳を覗かせ、細面な顔で周囲を見渡しつつ、歩く】

(思えば、本屋をじっくり巡るなんて、しばらくしてなかったな……最近は、大変なことが多かったし……)

【無力なこの身を鉄火場に踊らせた記憶はまだ鮮やかだ。自ら首を突っ込んでおきながら、思い出すだに少し震えが走る】
【そんな自分に内心で苦笑しつつ、ふとそちらを見やれば】


…………!? 危ない!!

【目に映る、巫女装束の少女。彼女の手は最上段の本にかかったまま。その棚の本が一度に、崩れかかろうとする一瞬】
【反射的に叫び、駆け寄る。そのまま、彼女の背後から本棚に両手を伸ばし、身体全体で本棚を少女ごと支えるかのような形で】
【溢れ出さんとする文字の濁流を、押しとどめようとするだろう】


(…………? 何か、違和感が……)

【そんな状況にも関わらず、頭の端では、感じ取っていた。少女から漂う、気配】
【それなりに修羅場を潜ったためであろう、しかし常人に比べれば、といった程度の察知だ】
【相手が、あやかしの類とまでは気付かない】
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/30(木) 01:17:14.31 ID:xOOGAoir0
【この雪崩、自分の力で塞き止める事が出来ない事は重々承知】
【普通ならば逃げた方が怪我が少ないのだろうけれど、竦んだ身体では――――ましてや手を伸ばした状態では、身体を強ばらせる事が精々で】
【目を瞑って無慈悲な衝撃に備えていたけれど】


「痛…………!く、無い…………です……?」

【暫くしても、痛みが訪れる事は無く。寧ろ、身体とその本を支えて貰っている感覚】
【目を開けば、少し戸惑ったように後ろを振り返って、その理由を探ろうとするが――――】
【青年の直ぐ近く。正確に記すならば、本棚と身体の間。「ふぁっ?!」だなんて間抜けな声が聞こえるであろうか】


「あの……えっと……ありがとう、ございま……す……?
えっと……その……その……」

【驚いた表情も、最初だけ。後は、何処までも自信なさげな表情で】
【おどおどとした口調ながらも、しっかりとお礼を述べれば頭を上に向け、顔を伺おうとするけれど】
【倒れようとする本棚、止めてくれる青年。その間に挟まれれば身体も自由が利かず、悪戯に擽る程度で終わってしまうか】


「本当に、助かりました……けれど……どうしましょう……?」

【気を抜けば、隙間からどんどんと落ちてきそうな本達。少女もつい、と手を伸ばして幾つか止めてはみるけれど、如何せん数が多くて】
【やはり、自信なさげ――――それでいて縋る様な声。「この本棚さん、このままでは倒れてしまいます……」】
【普通の青年ならば、何とか押し戻す事が出来る位の重さ。しかし、間に小柄であっても人一人。ましてやその人物が落ちないように本を支えているとなれば少し厳しいだろうか】
【じっと視線を――慎重さ的に――顎に向ければ、僅かに小首を傾げて青年の言葉を待つけれど】

【継いで記すならば、その距離故】
【“違和感”はより一層強くなって】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/30(木) 01:33:53.55 ID:CILiTEHOo
>>632
(しまった……ここからどうしよう……)

【眼前の光景に、まったく考えなしに動いてしまった。結果、膠着状態である】
【振り返った少女に、ぎこちなく笑顔を浮かべて、答える】

いやいや、気にしなくていいよ
……ごめんね、もう大丈夫だよ、と言ってあげたいところなんだけど……


【青年も、顔を向けることはできず、声だけで答える】
【ほぼ密着状態、少女自身もはさまれた状態ではもぞもぞと動くくらいしか出来なさそうだ】
【自信なさげではあっても、その言葉はしっかりと届く。今の状態では、頼れるのは言葉だけだ】


……お店の人を呼んでみよう
すみませーん!! どなたかいらっしゃいませんか!
助けてくださーい!!

【重力の誘いに従って、隙間からこぼれおちようとする本を必死に抑え込みながら】
【青年は声をあげて、店の人間に呼びかけてみる。自分だけの力では、どうにかできそうにない】
【自身でも、慎重に力を込めて、本棚を押し返す努力をしつつ】


(……やっぱり、何か違う。人間じゃ……ない?)

【一気に詰められた距離のために、少女の気配はより一層濃いものとなる】
【人ならざる存在に出会ったことは、数えられるほどだったものの、初めてではない】
【そこから、何か人とは違うものを感じ取る。しかし、そのことに動揺したりはしなかった】

【すぐに、一縷の希望にすがるように、声を張り上げ、本棚を少しでも押すことに意識を戻す】

634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/30(木) 01:54:49.21 ID:xOOGAoir0
>>633
「やっぱり……難しい……ですか……?
ごめんなさい……助けて貰って……それで、動きを封じてしまうような事をしてしまって……
…………――――!!」

【気にするな。その優しい言葉を聞いても、眉は八の字を描いたままなのだろう】
【ギュッと袴を掴めば、俯いてしまうけれど】
【――――少女の気配が変わるのは、丁度その頃】
【室内。無風であるにも関わらず、ふわりと浮き始めた髪の毛の先。漆黒色も、毛の先から徐々に黄色へと変わっていって】

【青年が張り上げた声に返ってくるのは、店主の暢気な返事――――では無く、暢気ないびき】
【少女がビクリと動いたのは、その声に驚いてか】
【「ごめんなさい」とまた小さく紡げば、掌を本棚に当てて】


「もう少しだけ、頑張って下さい…………
えっと……結界、張りますから……重いですよね……?
直ぐ、どかしますから……もう少しだけ……」

【それから数秒。少女と青年にのし掛かろうとしていたその重さも、ゆっくりと消えていくことだろう】
【よく見てみれば、二人と本棚の間にはまるで空間の歪みの様な物が形成されていって】
【ゆっくりとその体積を増やしていったならば、やがては本棚を押し戻す】

【直ぐに発動することが出来ない術。青年が居てくれたからこそ、押し戻す事が出来た事】
【――――やっと自由に動かせる身体で踵を返せば、ペコリと頭を下げてお礼を述べようとするのだけど】
【先程と大して変わらない距離。勿論、完全に頭を下げるスペースがある筈も無く】


「あの……有り難う御座いました……
お陰で怪我をする事無く…………わっ……!」

【目先の事しか考えられないような性格。こんな狭い場所でしっかりと頭を下げようとするならば、当然青年にぶつかってしまう結末を迎えるわけで】
【トン。と胸辺りに軽い衝撃が走ることだろうか】
【その事に気付けば、再び慌てて謝るのだけど――――】
【何ともまあ、自信なさげで】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/30(木) 02:23:29.72 ID:CILiTEHOo
>>634
そうだね、ちょっとこのままじゃ……
いや、本当、そんな気にしなくても……!?


【相も変わらず、優しげではあれど、どうにも頼りなく青年が発していた声が途絶えた】
【今度こそ、はっきりと感じられたのだ。変容。気配のみならず、視覚的にも】
【浮き上がる髪の毛が、その色を変えていく。このような光景は、この世界ではそこまで珍しいことではない。人外も能力者もいる、ここでは】
【それでも、驚きを表したのは、少女から感じる、確かな存在感故か】

【店主のいびきも、その身を通じて伝わる少女のおびえも、認識はしていたものの】
【次の瞬間には、それらを凌駕する驚き】

え、結界、って……うん、重いのは大丈夫だけど……
あ、あれ、なんか軽く……


【なんとも間の抜けた返事をしながら、支えていたものの重みが徐々に失われていくのに気がつく】
【目をやれば、空間に歪み。それが、あの重たい本棚を押し戻していく】
【空間に作用するほどの力。高位のあやかし。そんな言葉が脳裏に踊る。だが、眼前にいるのは、やはり年相応な少女だ】

【やがて、身体の自由を取り戻す。あっけにとられていた意識を取り戻した時には、すでに胸部に衝撃】


おっとと……大丈夫? そんなに謝らなくてもいいよ。大丈夫だから
怪我がなかったなら、何よりだ
結局、僕が助けられた形になっちゃったね……ハハ……

【最初の時よりは、余裕の戻った声音と笑顔で、少女に相対する】
【ぶつかったことにも、特に気にすることもせず。少し距離を取り直して、改めて青い瞳で少女を見る】


……ところで、さっきは棚の上の本を取ろうとしてたの?
どの本? 言ってくれれば、取るよ

【中肉中背、といえるだろう青年だが、少し背伸びをして手を伸ばせば、最上段の本には届くだろう】
【少女が本を指定すれば、それを抜き出して少女に渡そうとする。さっきのこともあって、少しばかり慎重な動きで】


(さっきの力といい、気配といい、気になるけど……いきなり聞いたら、悪いしなあ)

【心中では、先ほどの少女の変化や力への好奇心が巻き起こってはいたが】
【今は、それを表には出さず】
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/30(木) 02:50:11.77 ID:xOOGAoir0
>>635
「あの、本当ごめんなさい……
折角助けて頂いて……それなのに、ぶつかったりして……

……い、いえ!私の方が助けられました!
結界だって、時間掛かりますから……もし、助けて貰わなければそのまま潰されていましたし……」

【ブンブンと頭を振れば、慌てた様に言葉を続けて】
【蒼の双眸に返されるのは、黒い瞳】
【――――否、最初こそ金色交じりではあったけど、時間が経てば毛の色合いと同じく漆黒へと移り変わり】

【確かに、それなりの力は持っているのかもしれないけど――――その小動物の様な一挙一動の慎重さは、演じている様にも思えず】
【距離が空いた事を確認すれば、今一度ペコリと頭を下げるのだろう】
【何かを考えるかのように彷徨う視線。言いたい事があるけれど、言葉に出して伝える事が出来ない子供そのもの】


「…………えっと……もし、宜しければ……
――――あれ、あの本が欲しいです……今の状況にピッタリで……きっと、便利かなって……」

【言葉に出す前に、青年が代わりに取ってくれるという旨を聞き取れば、ぱっと表情が明るくなるのだろう】
【物を強請る子供の如くその袖を指先で摘めばグイグイと引っ張って、背伸びと共に指し示すのは古びた一冊の本】
【「探し人を見つけるコツ」――――今の状況にピッタリとの言葉、嘘で無ければ……】

【やがてその本を受け渡して貰えたならば、嬉しそうに、そして大切そうに胸に抱くのだろう】
【嬉しさの余韻に浸る中、はっと気付いた様に青年を見れば、礼を述べて】
【再びちょんちょんと袖を引っ張れば、何処か言い辛そうに口を開き始める筈】


「それで……その……よかったら、お会計……一緒に来てくれませんか……?
何時もは守女が買ってくれるのですが……あの……物を買うのは初めてで……不安で……
知識としてはちゃんとあるのですけれど……駄目……ですか……?」

【この歳にして何かを買うのが初めて。ある意味では異常】
【けれど、からかっている様子は無く、本人は至って真面目であって】
【――――緊張からか、袖を摘む指先に籠もる力。勿論、承諾するしないは青年の自由だけれど】
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/30(木) 03:07:21.32 ID:CILiTEHOo
>>636
本当に平気だから、そんなに謝らなくてもいいよ

役に立てたならよかった。お互い、助けられたわけだね

【慌ただしく紡ぎ出される言葉に、ゆっくりと返答していく】
【そうしながらも、やはり金色交じりから、漆黒へと変化していく瞳に目を奪われてしまう】
【きれいな瞳だな、なんて貧困な語彙で感想を抱きながら】

(演技にも見えないし、本当に中身は小さい子供、なのかな)

【ペコリとお辞儀するその姿、言葉にするのに苦労している様子】
【先ほど覚えた印象、高位のあやかし、というものとは、離れている】


ん、わかった、これだね……「探し人を見つけるコツ」……
今の状況に、ってことは、だれか探してるんだ

よ、っと……はい、どうぞ

【世間話のつもりで言葉を交えながら、袖を摘む様子にやはり幼い子供にしか思えない、なんて考えながら】
【彼女の指先をたどり、その先にあった本を取って手渡す。大事なものをしっかりと抱え込むようなその姿】

(さっきは、軽い気持ちで触れたけど、結構深刻な状況なんだろうか……だれか大切な人が行方不明とか……)

【この短時間に何度めになるかわからない感謝の言葉に、少し照れくさそうに笑いながら】
【またも袖を引かれる感覚。ためらいがちな言葉を、気長に待ちながら、聞いていく】


そうなんだ、初めて買い物に……
わかった、一緒に行ってあげるよ。一人じゃ、心配だろうからね

【にこりと笑いかけながら、彼女の願いを聞き届ける。袖にかかる力が伝える緊張が、少しでも和らげばいいが】

(それにしても、買い物が初めて……守女さんがついてる、ってことを考えても)
(由緒正しい家柄だったり……? 大妖怪の末裔とか……?)

【ところどころ、異質を感じる少女の言葉を、自身のうちで転がす】
【元来が臆病な気質の青年は、どうにも思考がこういう方向に傾きがちだ。もしかして、自分が及びもつかないような存在と会話してるんじゃないだろうか】
【などという、一抹の不安を覚えながら。それを表には出さないよう、少女と共に店の奥へと向かう】
【まずは、眠っているであろう、店主に声をかけて、起きてもらうことからだろうか】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/30(木) 03:34:50.50 ID:xOOGAoir0
>>637

「お姉ちゃんが、何処に居るのか分からなくなってしまって……自警団のお仕事をしている事は分かっているんですけど……それ以外は……
だから、この本があれば……見つかるかなって……

本家が……えっと……お父さんと母さんが、用事があるというので……出来るだけ早く見つけたいのですが……
式を飛ばしても見つかりませんし、私が探せば見つかるかな……そう、思って色々探しているのですが……やっぱり……」

【落胆したように語れば、胸に抱く其れを見つめ】
【本家と語れる程度には伝統のある家系なのか。その後のポツリポツリと漏らした言葉を聞く限りでは、二人姉妹】
【長女である姉を探しているけれど見つける事が出来ず、困っているとの事】


「物を出して……お金を渡せば大丈夫ですよね……?
難しい事では無いと……守女も言っていましたから……きっと、私でも出来る筈です……

その……では、お願いします……ね……?」

【袖を摘んだまま店主の下へと歩み始めるけれど】
【――――本当に短い距離。何度、振り返った事か】
【袖を摘んでいれば離れる事が出来ないというのに、ちゃんと後ろに居るかを確認するようで】

【その都度、安堵したように頷けば、また歩を進めて】
【着くのは、数分後の話。普通ならば数秒で着くのに、また別な本に目移りして立ち止まったり、心配そうに確認したり】
【寝ている店主に本を差し出すその動作もぎこちなかったけれど、丁度良く目を覚ましたようで】


【それから少しして、丁寧に包装された本を抱えれば青年の下へと戻ってくるのだろう】
【もう必要も無いのに、それでも片手は袖を摘んだままで】


「お陰様で……無事に、買えました……
店主さんは意地悪だと思いましたけど……お話ししてみると、良い人で安心しました……

それで……あの……お礼、したいのです……が……
何処かで……ご飯、一緒に食べませんか……?」

【自分の声が小さいことを自覚しているからか、語る前にちょんと袖を引っ張れば注意を向けさせて】
【助けてくれたお礼として、ご飯を奢りたい――――物を初めて買った少女には難易度が高いかもしれないけど】
【それでも、お礼をしなければ気が済まないのが性。今までには無かった、何処か力の籠もる黒の瞳】

/申し訳ないです……!睡魔が襲来し始めました……!
/もし、宜しければ今日の夜へ持ち込み……は可能でありましょうか!
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/30(木) 03:37:20.45 ID:CILiTEHOo
>>638
/了解です、こちらもそろそろ危なくなってきました
/では、続きが可能な時間になりましたら、舞台裏にて呼びかけ、という形でよろしいでしょうか
/いったん、お疲れさまでした〜
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/30(木) 03:41:45.79 ID:xOOGAoir0
>>639
/その方向でお願い致しまする!
/恐らくは、10時半辺りから待機できるかとは……
/お疲れ様でありましたー!
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/30(木) 21:40:58.39 ID:KsXJq8s00
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 噴水広場】

……珍しいね。ここでのんびりしたいなんて言うなんて
「これから、ジメジメしたりムシムシしたりで、水も嫌になっちゃう季節でしょ?
だから、今の内にこう言うのは楽しんでおきたいの! 蒸し暑くなきゃ、むしろ夏が良い季節ってのもあるけど、どうなるか分からないでしょ?」

【燃えるような赤い短髪に黄金色の瞳を持ち、首には緑色のスカーフを巻いた】
【長旅用の生地の厚い服の上から、胸部を覆うブレストアーマーとショルダーパッド、焦げ茶のマントを羽織り】
【腰に歩兵用の両手剣を佩いた、身長170cm前後の青年と】

【白いストレートの長髪に赤く緩やかな光を纏った瞳をしている】
【白いタンクトップの上から白いジャケットを羽織り、白いハンドグローブに白いスカートを履いた】
【肌の色白さも相まって、眩いほどに白さが際立っている、身長160cm前後の少女が】

【様々に様態を変える噴水の形を眺めながら、並んでベンチに腰掛けている】
【それぞれに、その手にはジュースの類を持っており、時折それを軽く傾けて喉へと流し込む】

「……でも、夏になってムシムシしだすのは、むしろ雷の国かな?」
……そうだね。だったら、夏場にここで涼むのも、悪い事じゃないかもしれないな……

【ライトアップされた噴水の姿を眺めながら、リラックスした表情で肩を並べる2人。知らず、口元に静かな笑みを湛えていた】



【――――所変わって、風の国 市街地】

……時代は変わっていく、か……あの存在と会ってから、どうも意識させられるな……

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【周囲を行き交う人々へと視線を飛ばしながら、街灯の下で立ち尽くしている】
【手すきの右手を口元にやりながら立ち尽くすその仕草は、何かを考え込んでいる様にも見えるだろう】

――――『Justice』は最早無く、『UNITED TRIGGER』が台頭し……それでもなお、世界は救いを得られずに沈みつつある……
……やはり、求めうる『救いの形』を、振り返る必要がある……今のままでは、人間は誰も救いを得られないだろう……ね

【時折、何事かをぶつぶつと呟きながら深く考え込む仕草は、見ていて何か不気味なものを感じさせるかもしれない】
【明かりの下のその姿は目立つだろうが、魔術師然とした服装と、そうした己の世界に深く入り込んでいる仕草が相まって、人々は足早に過ぎ去っていく】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:01:13.96 ID:fFlSDtjWo
>>641
――――救いねぇ、救いが欲しいなら神にでも縋ればいいじゃないのか?

【その声は酒に焼けた声】
【その声の主は目の前に居らず】

――――しかし、そんな都合のいい神は――――。

【しかし、その声の主は居る】

……私の知る由もないがね。

【どうやら上に居るようだ】
【物語を変化させようという者が】
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/30(木) 22:10:57.61 ID:KsXJq8s00
>>642

…………神如きに、人間を救えるはずもない…………
自分の思ってもいない事を他人に勧めるとは、良い了見じゃないんじゃないのか?

【自らの独り言に割って入ってくる声。それにさしたる驚きを見せないままに、青年は言葉を返す】
【自らの求めている答えを『神』の一言で片づけてしまうつもりはさらさらないらしく。むしろ、そうした水を向けてきた存在への非難を口にした】
【自らが打ち消すような言葉を向けてくると言う行為に、悪意の様なものを感じたのかもしれない】

――――それで。お前は何者だ……?
それぐらいの礼義は通してもらえるんだろうね?

【左手の杖を軽く掲げながら、青年は頭上を見ずに声だけで問いかける】
【頭上を取ると言う、攻撃の意志すら感じさせる振る舞いに、先ほどの言葉が相まって、青年は怒りを内に抱えているようで】
【杖を握り締める左手に、微かに力が籠っていた】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:43:57.32 ID:fFlSDtjWo
>>643
【その声は飄々と答える】

……だが、与太話の中にも答えはあると思うのだがね。
まぁ、そのなんだ、お前さんが神妙になって答えを探してるのは判ったから

【その声はそこで止み】

――――礼儀だけは通すことにしよう。

【妙齢の女性が上から落下してくる】
【銀髪に茶色の目】
【茶色の外套を身にまとって煙草を吸っている】
【その声の主は街灯の上に居たらしい。】

――――ま、落ち着けよ、程度が知れるぞ。

【軽く会釈をしながら、そう呟く】
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/30(木) 22:54:59.13 ID:yix1KFAfo
>>638
そうか、お姉さんを探して……でも、わかってることは少ないんだね
自警団員なら、仲間の自警団の人に頼んで探してもらうとか……
いや、そう簡単にはいかないか

親御さんがご用事……いろいろ事情もあるんだね
何か、もっと手掛かりでもあれば、違うんだろうけど……

(本家……この子は分家の子、ということかな。やはり、伝統ある家系ということか)
(でも、こんな小さい子一人に捜索を任せるなんて……。何かしら事情があるんだろうか)


【つい先ほどあったばかりの青年では、彼女の事情の詳しいところまでは知る由もない。それ故、言葉を選びつつ、会話していく】
【そのために、どうにも当たり障りのないだけな具合になっているが。青年の神経質な面が、その慎重に言葉を選んでいるような声音からも見えるだろうか】


そうそう、品物を渡せば店主さんが値段を教えてくれるから、その分だけお金を渡せば大丈夫だよ
わかった、じゃあ行こうか

【スニーカーで踏み出して、狭い通路を少女と歩く。不安げに彼女が振り返るたびに、安心させようと笑顔で応える】
【短い距離を、数分かけて進む。ぎこちないその動作、やはり何らかの力を持ってはいても、幼気な存在だ、と思わされる】

【やがて店の奥にたどりつけば、店主に本を差し出して買い物を済ませるまで、青年は後ろでそれを見守る】
【戻ってきた少女を、再び笑顔で迎える。またも袖をつかまれる感覚にも、いやな顔などは見せない】
【元来、旅をしながら手作り玩具を売り歩いている青年は、子供と接するのは慣れている】


うん、ちゃんと見てたよ。初めての買い物、お疲れ様
お店の人も感じのいい人でよかった

お礼? いや、そんな気にしなくてもいいのに……
でも、せっかくのお誘いだから、ありがたくお受けするよ
確か、ここにくる途中に、いくつか食事処もあったはずだ

【普段は神経質な割に、こういう時は割と遠慮がない。根なし草な生活をしていることもあるが】
【今までとは少し違う、力を込めた視線を、青の瞳で見つめ返し、その提案を受けると】
【彼女と並んで歩きだす。やがて、適当な店を見つけて、少女と共にそこへ入ろうとするだろう】
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/30(木) 22:59:57.36 ID:KsXJq8s00
>>644

……この命題が、そんな他愛ない物だとでも思っているのかい?

【何気ないところから、キーとなる着想を得る事は確かにあるだろう】
【だが、それを『与太話』で片付けるとなると、青年には受容出来ない、譲れないものがあるのだろう】
【言う通り、神妙になって考え込む様な――――青年にとっては、そうした真剣な命題なのだ】

…………っ
へぇ……女か…………

【飛び降りてきた姿を認めると、微かに意外そうな表情を見せる青年】
【酩酊した様子で、性別の程を声から判断するのは難しかったが、それが女性のものだとは思わなかったのだろう】

――――なら、そちらも程度の低い真似をするのは控えてもらおう……

【軽く掲げていた杖を下ろしながらも、青年は渋い表情を見せる。確かに、警戒を解くには十分だろう】
【だが、それでも先ほどの振る舞いは、青年には苛立ちを感じさせる物だったのも事実で】
【身構えた様子を解きながらも、言葉の上で釘をさす】

……お前はこの世界をどう見る?
……この場合、どういう事に焦点を当てて、それを問題にしてるのかは、もう分かるよね……?

【しかし、それでもものは試しと、青年はその胸の内の問題を、女性に対して向けてみる】
【先ほど青年の独白を聞いていた女性なら、その問いの意図も分かっているだろうと、詳しい事は語らないままに】
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/30(木) 23:21:22.53 ID:xOOGAoir0
>>645
【背に隠れるように歩いてたその仕草も、“お礼”の時ばかりは自分が前に歩み出て】
【店探しの最中で交わされる言葉は、好きな物だとか、そんなきっと他愛も無い事】
【――――目に留まるのは、小洒落た洋風の店。巫女装束を纏った姿では浮きそうな店だけれど、そんなのも関係無しに】

【連れて行く、と言うよりも、自分がはぐれてしまわない為に掴む袖】
【青年が拒む事無ければ、そのまま入店して、窓際の適当な席へと腰を落ち着けるのだろう】


「……あの、遠慮無く……お好きな物を選んで下さい……
本当に、その……何でも、頼んで頂いて大丈夫ですから……」

【テーブルの上を静かに滑らせて差し出すメニュー表】
【それこそ、ピンからキリまでのお値段。その内の一つ――――ケーキと紅茶セットなんて物を頼めば、小首を傾げて何かを注文するように促すのだろう】

【――――二人が注文を終えてからの事。ふと顔を上げれば、口を開き……そうになって、又閉じて】
【何かを言いたかったけれど、上手く言葉が纏まらないのか】
【一度の深呼吸。それが終われば、スッと目を細くして】


「えっと…………そう言えば、お名前……まだ、でしたね…………
私は天鬼桔梗と言います……。天鬼家の巫女で、一部地域で妖怪と人間の仲裁人みたいな事をしてて……
後、本家の結界を張ったり…………色々、と…………」

【綺麗に纏めて情報を伝える事が出来ないのは、会話に慣れていない証左】
【要点だけを抜くならば、名は天鬼桔梗。代々続く天鬼一族の巫女の一人――――その程度だけ分かれば十分であろう】
【続けて、「あなたは……?」と紡げば、名が語られるのを待って】
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/30(木) 23:34:31.22 ID:fFlSDtjWo
>>646
――――おー怖い怖い。

【腕を両手に上げながらヤレヤレといった風だ】

この世界か――――私には知ったことじゃない。
滅びるときは抗う、平和なのであればそれを享受する。

滅びを誘うのも平和を誘うのも"人間"が行うことだ。
人でないものは――――世界を云々する資格はねぇよ。

【女は飄々とそれを語る】
【その問の意図?真意?胸の内の問題?そんなこと知ったことじゃない】
【己の考えを、そのまま投げつけた】

――――そういうわけだ、私は君の考えうる答えは持ち合わせてない。
……君の胸の内なんざ、私には一文の価値も無いからね。

【後にその言葉を付け加える。】
【世界なんて興味が無いように、詳しいことも聞かない】
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/30(木) 23:54:46.58 ID:KsXJq8s00
>>648

(……酔っ払いが……!)

【思わず眉間に皺が寄り、青年は胸中で毒づく】
【先ほどからの振る舞いを顧みて、その態度が『不実』だと映ったのだろう】
【理由として、女性が酒に酔っているからであると分かっているのだが、それで納得できるはずもない】

……愚にもつかない蒙昧さだ
だが、それで良いのかもしれないな……『救い』の必要の無い、自分で自分を救いうる、そんな生き方か……

【始め、返ってきた答えに抱いた感想は『蒙昧』と言うものだった】
【人は誰でも、一度は形而上学的な問題に、自己を向き合う事があるはずで、答えは出来ながらもそうした思考を持っているはずだと言うのが青年の考えで】
【そうした諸々を放り捨てている女性の言葉は、愚かしいとか言いようのもないものに感ぜられたのである】
【しかし――――それなら逆に、女性は生きてる内に、大きな波を、浮沈を、味わう事もないのだろうと思えて】
【それならば、全てを自分の意志で片付ける事の出来る思考なのかもしれないと思い直して】
【それは一面では、見るものがある様にも感じられるのだった】

……ふん、そうかい……
ならこれ以上、関わり合いになる理由もないね。価値の無いものに、時間を使う事もない……

【それでも結局、自分の問いそのものに興味が無いという態度を明確にする女性に、青年は白けた様子で鼻白むと、そのまま歩を進めその場から立ち去ろうとする】
【相手は自分に興味が無く、自分は相手にこれ以上何も求め得ない】
【なら、これ以上会話を交わしていても意味が無いと、そう判断したようで】
【――――呼びとめなければ、そのまま青年は雑踏の中に姿を消すだろう】
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/30(木) 23:59:58.89 ID:yix1KFAfo
>>647
【20を過ぎて四年ばかり経つ青年と、巫女装束の少女。通報されたりしないだろうか、とわずかに脳裏を不安がよぎる】
【が、それも店探しの途中で交わされる他愛ない会話の中に溶けていく。こうした人との交流は、流浪の身には貴重だ】

【やがて、洒落た造りの店に、まだ袖を掴まれたまま入店する。窓際の席で少女と向かい合って、まずは一息】


うん、ありがとう。でも、本当にいいの? 僕は、割と遠慮しないほうだからね

【少しいたずらっぽく微笑むと、差し出されたメニューを手にとって、適当なセットメニューを注文する】
【遠慮しないほう、とはいいつつも、あまり値段の張らないものを選んでいた】

【それから、少し間が空いて。少女が何かを言おうとするのを、ゆっくりと待った。こういう時は、まずは相手の言葉を待つようにしている】
【やがて、深呼吸とともに、紡ぎだされる言葉。彼女の自己紹介を受けて、青年も名乗りを返す】

そうだったね、まだ名前も言ってなかった。僕は、ギア。ギア・ボックス
旅の商人みたいなことをしてる。自分で作った玩具を、道端で売ってるんだ。よろしくね、桔梗ちゃん

妖怪と人間の仲裁……すごいお仕事だね……いろいろと噛み合わないこともあるだろうに、その間を取り持つなんて、誰にでも出来ることじゃないよ
結界、っていうのは、さっき本棚を押し返した力かい? でも、結界を張る必要があるなんて、何か危険なことでも……?

【思わず、興味を刺激されて踏み込んでしまう。少女の今までの様子から、あまり一度に聞きすぎては、混乱させてしまうかもしれない、と自分を諌める】


っと、ごめん、つい聞きすぎちゃったね
お詫びと言ってなんだけど、さっき結界で助けてくれたお礼に、僕も一つ披露するよ
旅の商人にも関わらず、僕はほとんど荷物を持ってない。何故かというと……

【青年が、両手を少し掲げて、少女の前にかざす。その右手が、左腕の半ばあたりに触れる。と、奇妙なことに、その右手が左腕にめり込んだではないか】
【すぐに、右手は引き出される。そこには、一つの木箱が握られていた。底面にはゼンマイのようなものが取り付けられている】

これが、僕の能力なんだ。自分の「念」を込めた品を、身体の中に収納出来る。大荷物を背負う必要もないってわけ

……よかったらこれ、お近づきの印に。売れ残りでよかったら、だけど
これはね、このゼンマイを回して、箱を開くと……

【青年が木箱の底のゼンマイを幾度か回し、ふたを開く。木箱の中には、バレリーナの人形が二体収まっていた】
【その姿が見えると同時に、木箱からゆったりとした旋律の音楽が流れ出し、それに合わせて人形が箱の中で回りだす】

【いわゆる、オルゴール人形といわれる代物だ。あまり音楽を流し続けても迷惑かな、といったん蓋を閉じると】
【よかったら、と再び付け加えつつ、彼女が拒否することがなければ、テーブルの上、少女のそばに木箱を置く】
【と、注文したものをウェイトレスが持ってきた。いったん会話を中断して、青年は食事にありつこうとするだろう】
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/31(金) 00:33:40.56 ID:62AqM5kP0
>>650
「お礼ですから……遠慮されてしまうと、お礼になりません……
それに……お姉ちゃんみたく、沢山食べることは無いでしょうから……きっと、大丈夫……です……」

【こくこくと頷けば、是非遠慮すること無く頼むようにという旨を語り】
【――――けれど、予想よりも低く抑えられれば、確認するかのように視線を交えるのだろう】
【無理強いする事こそ失礼に値する。そう考えれば、今度は了解した事を告げる頷き】

【旅商人との言葉を聞けば、何処か興味深そうな色合いを瞳に浮かべて】
【興味を抱いてくれたのは、青年も同じ事】
【自分を知るために送ってくれた言葉には、出来る限り答えようとするけれど】


「ギアお兄さんと同じ様に、ぎんぎんも、少し、褒めてくれました…………でも、私はちゃんとした人間じゃ無くて……
あ、えっと……結界は五行を使って……相生相克で…………さっきのも、ギアお兄さんが言うように結界で…………
本家は、お仕事上恨まれる事もあるので……その、わた、私が、えっと……あの…………あう……」

【上手く伝えようとすればするほど、空回り】
【褒めて貰えたならば、嬉しそうに小さく微笑むけど――――続く説明には、目をぐるぐると回してしまって】
【最後には、言葉に窮してしまって押し黙るのだろう】
【そんな自分が情けなくて、申し訳なさそうに視線を送るのだけど】


「いえ、私が人と話すことになれていないだけですから……気にしないで下さい…………
……っ!い、痛く無いんですか……?
ギアお兄さんの手……その……もう片方の腕の中……に……?」

【常人ならば、あり得ない光景】
【それが目の前で起きたならば、掌で目を覆って恐る恐る見ていたけれど】
【――――やがて取り出されたオルゴールには、しっかりと視線が食いついていて】


「これ……ギアお兄さんが……作ったんですか……?
とっても、綺麗な音で…………」

【辺りに気を遣って閉じられた蓋。無神経にも、少女が再び開けて音楽が流れる】
【それ程、夢中になっていると取って良いだろうか】
【青年が食している間にも――――自分が頼んだ物も程ほどに食べて――――オルゴールの奏でる優しげな音。そして合わせて踊る人形に注意は向いていて】

【青年が食べ終わった頃を見計らえば、本当に貰ってしまって良いのかと訊ねるのだろう】
【頷いてくれたならば、懐から二枚の札を取り出して】
【一枚はオルゴールに、もう一枚は先程買った本に貼り付ければ、程なくして二つは鳥の姿へと変わり、店の外へと羽ばたいて行く】


「ギアお兄さん……今日は、本当に……色々……有り難う御座いました
そろそろ、この“ヒトガタ”も……術が解けてしまうみたいで……その……」

【お財布を取り出せば、お会計分のお金を差し出して】
【――――やはり、言葉に詰まりながらの語り。「もう少しで消えてしまうので、代わりにこのお金を店員さんにあげて下さい」と】
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/31(金) 00:36:39.71 ID:0kPQCbGOo
>>614

「うりゃアアーーッ!!」 「――、ばッ」

【勢いも、狙いも、悪くはなかった――が、逆にそれを利用されてしまった】
【"柔よく剛を制す"―― 一人の場合は大体ゴリ押し戦法を取る彼にとって、それは非常に有効な手】
【飛び膝蹴りが決まる前に、彼の顔面にぶち当たる踵】 【それは、見事に綺麗に命中したのだった】

【――地面に落とされ数刻後、顔面を右手で多いながら上半身のみをゆっくり起こせば】

「――――"眼"は無事だな……よしよし」 「うゥーん、これは……鼻は少なくとも折れたかなァ〜」

「今のは中々良い感じに、効いたぜェ〜ッ」 「――ヘケケケ」

【その顔を銀狼に向けて――あの一撃を受けてもまだ戦う意志がある辺りが、意識を手放してない辺りが、何とも厄介というか】
【ただ、流石に頭部に衝撃が響いているのか――立ち上がるのには、少々時間が必要だった】

「まだまだ、行くぜェッ――気合のォ〜……トリプゥォーニィードォーゥバレェェーーッッ!」

【つまり、取る行動は体制を整えるための時間稼ぎ――】
【銀狼に向けて飛ばされるのは、無数の小さな棘で構成された三つの弾丸】 【狙いは、それぞれ右肩、右脚、腹部】
【それ自体は、例えクリーンヒットしても急所に当たらなければ致命傷にはなり難い】

【また――飛ばす際に弾に篭められた"気合"は、もし命中すれば"衝撃波"として機能する】
【こちらも外傷を作るほどではなく低範囲だ……あくまでも時間稼ぎということなのだろう】
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/31(金) 00:54:22.01 ID:9OpD4Pazo
>>649
【眉間に皺がよったのを確認してから】

――――大凡、納得の行く答えは無かったってことだな
浮世の世界は――――浮世の世界の人間しか判らんよ。

【適当に答える、それに意味など無い。】

……救いなんざな、人を頼ればいいのさ。
……救いが欲しいならな、自分が世界を救う側に回るか、救う人に頼るか――――。

【最早、青年を止める必要は無かった。】
【それが、自分なりに出した最高に最悪な生き方だった。】

――――世界をぶっ壊せばいいんだよ、壊して壊し尽くして神にでもなればいい。
考えるより動いてみな――――世界を見て、救うなら救えば良い、壊すなら壊せばいい。

――――ではまたいずれ、二度も会うことはあるまい。

【それが最後に残した言葉だった。】
【全く答えになっていない、ただの戯言】
【それだけで良かった、別にどうだってよかったのだ】

――――さてはて、あいつはどっちに偏るか。知ったことじゃないがね。

【名前も何も聞かず、青年を見送っていく。】
【浮世人はまたどこかへ、消える】
【最後に呟いた言葉は夜の虚空に消え、最後に残ったのは煙草の紫煙だけだった。】

/お疲れ様でした
/いかんなぁ、遅筆すぎて生きていくのが辛い
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/31(金) 00:56:14.63 ID:0ZdcU5+Jo
>>652

【鈍い音を立てて倒れるヘケメトに対し、銀狼の身のこなしは尚も軽い】
【ストンと降り立てば気のストックである尾が2つに増え、しゃらりと鉄輪が高く鳴り】

ふぃー……まっことカタい男よのう、ヘケメトとやら……!
まさか、カウンターを返しても尚そうして起き上がるとは予想外じゃよ
櫻でもお主ほど体力のある者はそうそう居らなんだ……、…くふふ。

……ま、儂も延々戦い続けられるほど元気ではないもんでの
そろそろキメにかからせてもらうぞい、ヘケメト―――ッ!

【言うが速いか、銀狼は光の尾を2つとも打ち消して、両手に先ほどと同じような】
【金色の手甲を作り出す。それと同時にかけ出していって――】

【道中、両手のガントレットで自らを狙う刺弾の2つばかりまでは撃ち落すが】
【唯一右肩を狙ったものは上手く凌ぎきれず、着弾。衝撃波を受け】
【わずかに隙を作り出すこととなるが、それでも銀狼は一気にヘケメトに迫ろうとするだろう】

【―――さて、ただ迫るだけ。それも一部では隙も見えるこの一手】
【今までの行動からするに、銀狼の攻撃はまとも≠ナはないだろうが、どう対応するか――?】
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/31(金) 01:02:48.49 ID:6PCWQ9XNo
>>651
ハハ、自分では割と食べるほうだと思ってるけどね
ありがとう、じゃあ遠慮なく、いただきます

【少女の確認の視線に、自分の食べたいものだったから、と返して見せつつ】
【相手が、自分の職業に興味を持ってくれたらしいことを感じ取り、少しうれしくなど思う】


ごめんごめん、そんなに無理しなくて大丈夫だよ
五行……あまり詳しくはないけど、陰陽道みたいなものかな?

なるほど、仕事上の関係で……ごめんね、ぶしつけに聞いたりして

(ぎんぎん、っていうのはお友達かな? しかし、ちゃんとした人間じゃない、って……?)

【なるべく、ゆったりした調子でしゃべるようにしつつ、脳裏では彼女の言葉を反芻していた】
【恨まれることもある本家の防衛を任されていること。ちゃんとした人間じゃない、という言葉】
【彼女もまた、重い何かを背負って生きているのかもしれない。そう考えた】

【押し黙ってしまう彼女に、こちらも申し訳なさそうに視線を返しつつ】
【自分が見せた能力に驚く様子に、今度は少し得意げにして見せる】


痛くはないよ、正確には腕を通して別の場所に手を突っ込んでるだけだからね

うん、僕の自作品だ。玩具作りは、昔からやってきたことだからね

【きれいな音、と褒められれば、ますます得意げに、同時にとてもうれしそうに表情を綻ばせる】
【再び蓋をあけて音楽を流す彼女の姿に、自作の玩具に興味を持ってもらえる、製作者冥利に尽きる瞬間を、料理と共に味わった】


ふう、ごちそうさま、っと
もちろん、桔梗ちゃんがもらってくれるなら、僕もうれしいよ

ん、その札は……? って、おぉ!? すごい、そんなことも出来るんだ!!

【少女の問いにうなずき返し、そこから眼前で展開される光景に目を見張る】
【見たこともない術、好奇心旺盛な子供のような光が、青年の青い眼に宿る。しばらく、鳥たちが羽ばたいていった先を見つめて】


ううん、こっちこそ、ご飯ありがとう

ん、“ヒトガタ”……? 消えてしまう、って……
そうか、今の君の姿も、術で……

【少し詰まりつつの言葉に、青年は困惑した様子を見せるが、術が解ける、消えてしまう、という言葉から】
【自分の眼前の彼女は、陰陽の術で作りだした人形か何かなのだろう、と解釈する】
【そこまで思考が至ると、今度は青年のほうが焦った様子を見せて】


あ、そうだ、最後に探してるっていうお姉さんの名前とか特徴とか、教えてくれないかな
もし見かけるようなことがあったら、連絡するから!

えっと、これ、僕の名刺、ああでも持って帰れないんだっけ
これ、僕の連絡先なんだけど、何かあったら、また連絡してくれれば

【後わずかで消えてしまう、ということからの焦燥を抑えつつ、少女に尋ねるは探し人のこと】
【同時に、差し出された青年の名刺。もし彼女が持って帰ることが叶うならば名刺を渡し】
【不可能なら、名刺の連絡先を見せる。覚えて帰ってくれれば、ということなのだろう】

【その結果いかんにかかわらず、少女の差し出したお金は受け取り】
【ちゃんと会計しておくよ、と返答するだろう】 
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/05/31(金) 01:13:27.91 ID:xPBmA+Dt0
>>653

…………

【黙したまま女性の言葉を耳に入れる青年】
【まるで自分は関係ないと言う様な口様だと感じたが、それを口に出して指摘する気にもなれなかった】

……お前に話を振った手前が愚かだったようだ……

【背中越しに、最後の思いの丈を一言に集約して、青年は捨て台詞を残す】
【最初の言葉からここまで、終にまともな言葉を受け取る事が出来なかったのだから】
【興味本位でちょっかいを出された――――ただ、青年の受け取り方はそこに終始した】
【そんな女性にまともな言葉を期待した、自分が馬鹿だったのだと、そう思わずにはいられなかったのだ】

(……まぁ良い。互いに世界の違う、無用な存在なんだろうね……
互いに、干渉する必要もないほどに、見るものも、考えるものも違う、そんな人間……
…………もし、手前に邪魔になるっていうなら……その時は、喜んで敵対するだろうけど……)

【結局、自分とは色んな意味で『合わない』存在なのだと、そこに青年の認識は落ち着いた】
【『救い』は端から問題にならず、それを生きる上で云々する必要もない。ひいては、自分の目指す道において、毒にも薬にもならない――――】
【それでも、確かな苛立ちだけが青年の中に、しこりとして残るのだった】

/乙でしたー!
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/31(金) 01:16:38.48 ID:0kPQCbGOo
>>654

「ヘケケケ、急所をぶっ刺し殺すつもりでやらねェーと、俺はぶっ倒れねェーぜ……!」

【迫り来る銀狼、相手が何を考えているかなんてヘケメトには関係ない――】
【難しいことを考えるんだったら、先に身体を動かしぶん殴る方がよっぽど良い、それが"彼の"やり方】
【理由は――ただ単に、そっちの方が楽しいだけだから】

「うゥーん……まだ頭がぐらつくなァ〜ッ」

【"もう少し平衡感覚を戻させてくれよォーッ"――右拳で地面を殴れば、そのすぐ手前に生えてくるのは】
【無数の棘で構成された、一本の"触手"――長さ約2m、太さ約15cm】
【棘の長さは5cm前後で、表面の棘が生えている向きは"逆向き"――つまり、引いた方が刺さりやすい方向だ】
【ただ、触手の強度はそこまで高くはない】

「ヘケケケ、近い方がやりやすい――行ッくぜェェーー、ニィーードォォーーゥ……テンタクゥォォーーーーッ!!!」

【そして――その触手は、ヘケメトから見て右から左へと勢い良く薙がれるッ!】
【それは、しなやかな鞭のようで、荒々しいヤスリのようで、――】 【狙いは性質上"脚部"が主となっている】
【広範囲で"前後左右には"避けづらい攻撃だが――?】
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/31(金) 01:26:59.05 ID:0ZdcU5+Jo
>>657

【相手の目前で出現する棘の職種――見た当初は、目を見張ったが】
【しかしその挙動を目にした途端、銀狼の表情は獰猛で楽しげな笑みに変わる】
【無論、この間も足は止めていない。やがて、振るわれる職種に対しては―――】

(く、ふふ……確かにあの棘、まともに食らえば儂自慢の軽業は封じられるのう)
(じゃがそれは食らえば≠フ話……避ければ問題ないのじゃよ)

それに、のう――…もろうたぞ、ヘケメト――ッ!

【――跳躍。前後左右がダメなのであれば上へ逃れるのみであった】
【それがヘケメトに予測されているかは分からない。ただ、銀狼には更なる狙いが有った】

【というのも、跳躍して――走った勢いがあるから、彼女はそのままヘケメトに突っ込む形】
【その際に両足を坐禅のように組み、その足で相手の首や頭を挟む高さで進むのである】
【狙いはそのまま組み付くこと。もし触れでもすれば、手甲の付いた両手をも使って】
【ヘケメトの首から上を固定しようとするだろう。そしてそこから繰り出されるのは唯一つ】

【――相手を押し倒す事、それだけだ。地味で華もないけれど、想像すると恐ろしい】
【なにせ支えも無く、頭を床に押し付けるようにして倒されるのだから、ダメージは大きくなるだろう】
【銀狼の狙いはそれだった。走って、組み付いて、押し倒す。連続して頭部を狙うのは気絶のため――】


【ただ――これは組み付けた場合の話。そうでないのなら、銀狼は良い的だ】
【触手を飛び越えればヘケメトの直前、リーチの範囲内に、身を動かせない状態で身体を晒すことになるのだから】

【言ってしまえば、賭けのようなもの。泥臭い戦いだったが――終わりは、既に見えかけている】
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/31(金) 01:32:50.34 ID:62AqM5kP0
>>655
「櫻の国独特ですから……きっと、他の国の方は難しいかもしれません……
あの……私も……妖怪……ですから…………やっぱり、嫌われちゃったり……で、狙われて…………」

【尻窄みに成り行く声。自分が妖怪と告げる其れは、最早吐息と同じ程度の声量】
【謝られれば、慌てた様に手をパタパタと振って必要の無い謝罪だと述べ】
【目を伏せていたのも少しの間だけ。青年の解説が入れば、やっぱり好奇心は隠せず】


「ギアお兄さんは、凄いんですね…………みんなが喜ぶ様なお仕事をしていて…………
貰った物、ずっと、ずっと大切にします…………

私なんて、まだまだです……お姉ちゃんの方が、式もちゃんと扱えますし…………」

【自分の術に驚いて貰えば、照れた様に俯いて】
【紅茶を飲んで誤魔化していれば、焦るような声】
【思わずきょとんとして居たけれど――――浮かべるのは、その歳相応の微笑みで】


「天鬼ちゆり。お姉ちゃんの、名前です…………ギアお兄さん、ごめんなさい…………
助けて貰った上に、探すのも手伝って貰って…………」

【告げるのは、姉の名前】
【謝罪の言葉の後に、何か考えるかのように宙を見つめて】


「お姉ちゃんの……特徴、でしたね……
えっと…………特徴は…………――――」

【最早、言葉すら発することが出来ず】
【名刺に触れようとしても、半透明な身体は触れる事は疎か風で揺らす事も叶わず】
【じっと名刺を見つめて居れば、“分かりました”と音を発さない唇が言葉を作って】

【ペコリと下げた頭。其れを機に、少女の姿は完全に消えてしまうのだろう】
【代わりに、ヒラリヒラリと宙を舞い落ちる“ヒトガタ”の依り代】
【先程までの名残の様に青年の袖の上に落ちるけれど、もう引っ張る感覚も無い――――】

/この辺りでしょうか……!
/お相手、有り難う御座いました―!
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/05/31(金) 01:50:01.11 ID:6PCWQ9XNo
>>659
そっか、櫻の国の国柄のこともあるんだね。僕の出身は水の国だから、そのあたりはあまり明るくないかな

狙われるようなことも……そうか……
現状を知らない僕なんかが何か言えるでもないけど。桔梗ちゃんと僕は、もう友達だよ。僕は、そう思ってる

【小さくなっていく声を、それでもきちんと聞き取って。妖怪である、と告げる言葉に】
【それとは関係なく、友達だ、と告げた。せめて、そうありたかった】


いやあ、そう言ってもらえると照れるけどね
うん、子供たちに喜んでもらえる時が、一番の喜びだよ

ありがとう。そうしてもらえると、僕としても嬉しいよ


いやいや、十分すごいと思うけどなあ……

【自分の職への言葉には嬉しそうに破顔し。俯く姿には、やはり感心したような言葉を】
【やがて、告げられる探し人の名前を、しっかりと脳裏に刻み込む】


いやいや、謝る必要なんてないよ!!
うん、天鬼ちゆりさん、だね。それで特徴は……あ……

【青年の言葉が途切れる。すでに、彼女の声は聞こえなくなっていた】
【薄くなっていく身体。名刺が擦り抜ける。それでも、名刺を落とすことはせず、彼女の視線の先に名刺を固定して】
【彼女の唇の動きに、うんうん、と頷いて見せる】

【最後のお辞儀と共に、彼女の姿はなくなっていた。残されたのは、自分と、袖の上の依り代】
【ついさっきの事だというのに、袖を引く感覚がなんだか遠く感じられて。右手でそっと、依り代を摘み上げ】
【別れのあいさつもきちんと言えなかったことを惜しむように、それをポケットにしまいこんだ】


【しばらくの間、椅子に腰かけていたが、やがて青年も立ち上がり。彼女が置いて行ってくれたお金で会計を済ませて、店を出る】

(……旅をしてると、別れも経験するけど。やっぱり、なかなか慣れないな)

【一期一会。旅の途中で会った人の多くとは、その後会うことは少ない。それでも、「また会いましょう」と言って別れる】
【いつか、また会えるひが来ることを祈りながら。玩具売りの青年は、夜の街をゆっくりと歩いて行った】


/二日間にわたり、本当にありがとうございました!
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/31(金) 01:57:07.55 ID:0kPQCbGOo
>>658

「――ヘケケケ、かわされたか」

【一薙ぎし終えた触手は、まるで砂山のように崩れ落ちて――そして、消える】
【経験上、ニードルテンタクルでの薙ぎが縦軸方向の移動に弱いことは知っていたが――】
【"知っている"が、必ずしも"その後の対策"に繋がるとは、限らない】

【なにせ、蓄積ダメージは重いし、体勢も上半身を起こしただけの状態だ】
【幾ら人外じみた身体能力を持っていようと、この状態には厳しいものがある】

「――ッ、くッ、こいつは……にッ……ゥゥゥ、アーマーッ!」

【無理矢理飛び退こうとした時には、既に銀狼に組み付かれていた、遅かった】
【――だが、この男は諦めが悪い】 【特に戦いの時となると――――】
【足掻きとして取る行動は、単純――"身体に棘を生やす"ことだ】

【咄嗟にとった行動故に、棘の色が"白い"――それは、少ない消耗で素早く生やせる代わりに、強度が弱く脆い棘だ】
【長さもそこまで長くはなく――十分、耐えられる範囲内だろうか】

【この行動がどうなったかなど関係ない、押し倒しは成功し、その結果累計で二度も強く頭部に衝撃を受けたからだ】
【棘は消滅し――それでも、小さな呻き声が聞こえるのだが、流石に立ち上がるのには厳しいものがあるようである】

『……そろそろ、終わりましたか?』

【勝負はあったと見て良さそうだ、……女性の方も都合良く帰ってきたようなので】
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/31(金) 02:12:21.37 ID:0ZdcU5+Jo
>>661

【組み付くことに成功した=\――となれば、後は押し倒すだけ】
【そして相手が気絶したかも確認できぬまま、自然とヘケメト自身から伸びる】
【無数の白い棘に巻き込まれ。無論、体勢を変えるわけにもいかず】

【結果的に、相手を何とか倒しはしたが、肩や腕、足、腹部を抉られ】
【それぞれ重傷でこそないものの、見掛けだけであればヘケメトよりも悲惨な血みどろ状態】

服も破れてしもうたちや……こりゃ、戻って衣織に直してもらわんとのう
棘を生やす能力≠ニでもいったところか…、……恐ろしい相手だったわ。

……っと、戻ってきたか。うむ、見ての通り方は付いたぞい
なんとも力に満ち溢れた良い男ではないか、ヘケメトというのは。
ま、ちくとばかり直情に過ぎるところは有るかもしれんが、の?

【怪我は多い――けれども歩くに支障はないようで、ヘケメトから退き】
【帰ってきた女性の方を見て、言うほど知的にも見えない底抜けの笑みを送れば】
【両手にあったガントレットは霧散し、オーラのような物も消える。戦いは終わり、ということだろう】
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/05/31(金) 02:28:06.53 ID:0kPQCbGOo
>>662

『彼は基本的に馬鹿ですからね、私が居る時は指示を出すこともありますが……』
『……私が自転車でも追えない速度で駆け、街で暴れることも多々あり、大変疲れます』

『私は、彼の付き添いのアウ・ダァコル……っと、身体の傷くらいでしたらこちらで治療しますよ』

【手に持った杖に魔力が集まり、それをヘケメトに当てれば――傷が、徐々に治りゆく】
【戦いの中で使うには少々遅い速度だが――そうでなければ、問題はない】
【……朦朧としている状態は、傷とはまた別の扱いのようなのだが】

『歩行に問題ないようですし、無理に治させろとは言いませんが……』

【ともかく、希望すれば治療を受けられるだろうし、そうしないことも可能である】
【その後、彼女はヘケメトの意識がしっかりするまでここで静かに座っていたそうだ――】

/この辺りでしょうか、二日間お疲れ様でしたー
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/05/31(金) 02:50:57.06 ID:0ZdcU5+Jo
>>663

馬鹿とは直球じゃのう、馬鹿とは。ま、的確な気がせんでもないが……
そんな阿呆と行動に共にする辺り、お主も物好きよの?
……と。うむ、治療は頼もうかの。流石に放っておけるほど軽くは無いようじゃて。

【そういうと、くたりと疲れたように地べたに腰を下ろし、治療を待つ】
【待っている間はと言えば、軽装故に破け易かったのだろう服をいじったり】

【或いは暇そうに尻尾をゆらゆらと動かしたりして、時折ヘケメトを観察したりもする】
【そしてやがてはアウの治療を受ければ、礼だけはしっかりと返し】
【『ヘケメトによろしくのう』――と残して、一足お先、とばかりに銀狼は森に姿を消していった】

/お疲れ様でしたー!
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/05/31(金) 17:59:13.05 ID:H9QoioYG0
【櫻の国・自然公園】

【とある一族が管理を任されている深い緑に包まれた自然公園の中に一つ、ぽつりと寂しげに1脚のベンチが置かれていた】
【自然公園の中でも人里に近い場所に置かれたそのベンチには一人の人間の男と――――狼の姿をした獣人が退屈そうに座っていた】

…………暇だね、ウルフェン君

『…………そうっすね、狂死郎の旦那』

【狂死郎と呼ばれた人間の男は、立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、20歳前後の青年と見受けられる容姿をしていた】
【その奇妙な格好と、傍らに獣人を侍らせている様子から十二分に只者ではないという雰囲気を周囲に振りまいている】

【一方、ウルフェンと呼ばれた狼の獣人は全身が黒い体毛に覆われた毛むくじゃらの容姿に頭も狼そのもので】
【完全な狼とは違い理知的な顔付きをして緑の拳法胴着を身に着けているものの、それらが無ければ二足歩行の狼と言ってもいいだろう】
【“狂死郎”を旦那と呼んでいること、そして何より腰の低い態度をとっていることから主従関係に近いものが伺えるだろうか?】

【――――とにかく、何故か彼らは男二人で退屈そうに公園のベンチに座りながら他愛の無い話に興じていた】

――――ウルフェン君さぁ……人魚ってかマーメイドっていう悪魔が居るじゃない?
あいつらも生命なんだから繁殖だってするし、実際に卵が見つかって子供が孵ることも分かってるじゃない?
で、ここからが重要な話なんだけど――――あいつらどうやって交尾するんだろ?入れるとこないじゃん!!
仮に交尾しないんだったら産卵した卵を受精卵にしているのはどこのどいつなんだろうね?気にならない?

『そうっすね……あ!!あれじゃないっすか?仮に交尾してるって仮定したらの話なんすけど……
 発情期になったり興奮したら魚の下半身じゃなくて普通の人間の下半身が生えてくるってやつ!!』

そうなのかもね……でもそれってなんかさ――――“夢”が無いじゃない?

【相当に暇を持て余しているのか、狂死郎はベンチの背もたれに体を持たれかからせるだけでなく、大きく体を仰け反らせては】
【非常に下世話な―――下ネタの部類に入る下らない話をウルフェンと共に延々と続けていた】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/05/31(金) 21:52:25.86 ID:qg5I26o1o
【路地裏】

【夜の街。繁華街は幾つもネオンが自己主張激しくひしめいた街。】
【こんな場所は大抵暴力沙汰ばかりでろくでもない街に成り下がっているが】
【この街は他の地域と違ってまだ安全だ。大通りなら夜も出歩ける】

【ほんのすぐ近くの路地に入ればもう薄暗い。ゴミ箱と生臭い換気扇の排気】
【そこに壁に投げつけられたパーカーの男とそれを蹴り上げるガタイのいい柄シャツの男】

『ウチのシマでヤク売ってんじゃねえぞ馬鹿野郎!!何処のモンだ馬鹿野郎』
『てっ、テメエらだってD.R.U.G.S.だろ?!ヤク捌いて何が悪いん………』
【パーカーの男は反論するが言い終わる前にまた蹴り上げられる】

『うっせーなあ!ココは富嶽会のシマだろうがよ!ああ?!!』
【柄シャツは執拗に蹴りながら恫喝する。パーカーはうずくまって動かない】

もういい、もういい……あーもう、もういいから

『ああ?!!……あっ嬢さん、どうもすいません、取り込み中でして…………ですがしかし…』
【路地に新しい女の声がする。柄シャツは男を蹴り飛ばし、振り向いて礼をする】

【長い黒髪をべっ甲の髪留めで一つにまとめポニーテイルにしている】
【切れ長の目をしており白い肌に薄化粧を施して。黒のパンツスーツとヒールを履いている】
【ジャケットの胸に代紋の金バッチ。腰には朱の鞘の刀が2本。指に紙巻の煙草を挟んでいる】
【女はポケットから車のキーを柄シャツに投げる】

いいから、さっさと事務所に連れてって聴いてきて。
吐いたら適当にリンチして。相手の事務所に捨ててくればいいから。

【さらりと拉致と拷問とリンチをオーダーする。若いようだが地位は高いのだろう】

『了解しました。失礼します………おらあ!兄弟が待ってるから行くぞボケ!』
『嫌だぁ……殺さないでくれよお…俺は悪くねえんだってえ……ただ言われて……』
【パーカーは虚しい声を残しながら、柄シャツの男に強引に路地を連れて行かれた】

はあ……何で秘書がこんなことしてるんだろう…

【1人残された女はついぼやきながら煙草をくわえて吸い込んだ。】
【吐き出しても出て行くモヤモヤは煙だけで…】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/05/31(金) 22:46:24.77 ID:62AqM5kP0

【山の麓に存在する秘湯――――其処から聞こえるのは、童謡であろうか】
【よく澄んだ声。少女の其れであるのだけれど、語りの内容は相当古い物】
【ましてや、櫻の国の者であっても、その内容をしっかりと把握出来るかどうか】


「――――――。
ふむ……何時ぶりじゃったかの、この歌を口ずさむのも
数十年か、数百年か……まあ、何でも良かろうか」

【白い足が、濁った湯を?いて】
【最初こそ思いに耽るかの様に夜空を眺めていたけれど、やがては視線も足元へと移り】
【――――何が可笑しいのか、クスリと一度笑えばそれっきり】


「人間は作っても、作った物を時の中に置いて行くからの
……それは悪い事では無い。過去に縛られていては先には進めん
じゃが……少し、寂しくもあるの」

【人間の手によって作られた存在。所謂、付喪神だからこそ強くそう感じてしまうのだろう】
【――――チャポン。続いて、漏れる溜息】
【辺りに漂うのは、この地域では珍しいであろう妖気】
【果たして、歌声に釣られて訪れるか、或いは妖気を辿って訪れるか――――】






【森の中に存在する廃れた教会】
【紡がれるアリア。月光に照らされ、静かに存在するその建物はそんな様になっても何処か威厳を感じさせて】
【もし、興味を抱いて中へと入ったのならば、丁度割れたステンドグラスが映るだろうか】


「――――――。…………?」

【丁度、詠唱が終わった頃】
【不意に差す月明かりの眩しさに目を細めれば、訪問者の姿を伺おうとするのだけれど】
【未だ月光に目が慣れていないのか、眩しそうにしていて】


「こんばんは……旅の方、でしょうか?
ええっと…………」

【代わりに首を傾げれば、それは「目的」或いは「知りあいかどうか」を訊ねている様にも見えるだろうか】
【艶の有る銀色の髪は月の光を鋭く反射させているけれど】
【それとは対照的に、修道女は何処か柔和な笑みを浮かべていて】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/01(土) 21:46:59.41 ID:iLUf+Kdyo
てs
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/01(土) 21:47:36.17 ID:7m4eiiJ7o
【大通り】
【暗くなったとはいえ、人通りはまだ少なくない、そんな時間帯】
【一組の若い男女が激しく口論している】

ですから、貴方は私の護衛のために派遣されたんですよ!?
私の研究活動を妨害してどうするんですか!

「護衛のために来たからこそ、先輩を危険な目に合わせるようなことは出来ないんですよ!
夜の路地裏にわざわざ入るなんて、一般人には危険すぎる!」

【女性の方はセミロングの金髪に、灰色の瞳を持ち】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、小さなリュックを肩にかけ】
【黒いタブレット端末を手に持っている】
【どうやら路地裏に入りたがっているようだ】

【男性の方は女性を止めようとしているらしい】
【見ているだけで暑苦しい革製の黒いハーフトレンチコートに、側面に白いラインが入った黒いカーゴパンツとほぼ全身を黒で包み】
【腰には二つのナイフホルダーを固定し、二振りの長めの軍用ナイフを差し】
【鈍い銀髪のオールバックに、流線型のサングラスを掛け、その下には赤茶色の瞳が覘く】

もういいです……だったら一人で行きます

【女性はそう言うと突然駆け出し、路地裏へと入っていった】

「あっ!待っ……!」

【男性はすぐさま女性を追いかける】
【事情を知らぬ者から見れば、路地裏で走る若い女性と追いかける男】
【なかなか物騒なものに映るかもしれない―――】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 01:00:46.35 ID:+FVIBQk6o
【窓の外に見えるは薄暗い白、打ち付ける横風が雪を窓にぶつけて、ガタガタ揺れる薄い窓が寒さを聴覚から演出する】
【氷の国の田舎町、今宵は吹雪にて、酒場の客は殆どおらず。それだから一つのテーブルに相席する二人の姿は目立っている】
【丸テーブルを挟む二人は、体格差と異様な格好、そして静かな店内に響く話の内容もあって、唯ならぬ雰囲気がある】

…嵐が来ますわね

【赤いチェック模様のワンピース、袖とフードにファーのついた白いコートを着て、ブーツを履いた150cm半ばの体躯】
【赤紫色をした眼、ボブカットの銀髪、冷めた表情の少女】
【ハンドガードの付いた鉈の鞘を背中に交差させて背負い、その柄の影は長い耳の様にも見える】

「嵐、もう、来てる」

【ドレッドヘアにした銀髪を後ろに纏めた、筋骨隆々な巨躯の男】
【汚れた白いロングコートを着ていて、ブーツと指貫手袋を嵌めており、背中には刃を折り畳んだ大鎌を背負い】
【獣の顔の様な模様の、二つの角が生えた改造ホッケーマスクを顔に付けていて、赤紫色の眼がそこから覗いている】

そういう意味じゃないですわ、スノウ
───間も無くこの国が荒れる、と言っているのです

「そうか」

【女性の手からすれば大きく、反対に男の手の中ではミニチュアにしか見えないグラスは、両方同じ物である】
【中を満たすのも同じ酒、二人同時に酒を煽ると、カランと氷が音を鳴らした】

参戦するとしたらカノッサか国か、私達はどちらに付こうかしら。ねぇ?
「…金を出す方だ」
…そうよね、先立つ物が必要よね

───それにしても遅いですわね、迎えとやらが
「外、吹雪だ」
これしきの雪、吹雪とは言いませんわよ

【待ち人来ず───どうやら二人は、人を待っているようである】
【ふと揃って視線を向けた先は激しい吹雪、徒歩はともかく乗り物を使っても危険なのは見て解るような天候だが】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/02(日) 01:21:17.56 ID:mKzSeBP00
>>670

【二人の静寂を割るのは、来店を告げるベルの音。】
【戸が静かに、開いた。そして僅かな冷気と、ひとりの男が入り込む。】

あぁ・・・悪いね、なんだ、お邪魔するようで。

【薄ら笑いを浮かべた、肩に雪を載せた、背の高い男である。】
【黒いトレンチコート、テンガロンハット、メタリックブルーの髪に、蒼い瞳。】
【ーー店外をみれば、青い装甲バイクが停まっていた。】

【棺桶を背負い、両腰に山刀をぶら下げたそいつは、この空間において第三の異質。】
【おぞましく血生臭い『気配』を隠しつつ、少し離れたテーブルに座った。】

・・・ふ

【棺桶は、彼の向かいの席に立て掛ける。】
【そして、彼はメニューを手に取り、眺めている。その瞳は虚、何が見えているのか。】

【少なくとも、平穏を求めるような性分ではなさそうだ。】
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 01:37:45.31 ID:+FVIBQk6o
>>671
【まず目線を向けたのは、大柄な男の方。扉が開くのと同時に目を向ける】
【入ってきた男を、余所者とは言わない物の、異様な姿と小物に警戒したように見詰めた】

…余り人を見るものじゃないわよ
「…すまん」

【一方、全く意に介していない様子であった女は、ハットの男に背中を向けていて、静かに相方の視線を引き剥がす】
【遥かに異様なのは、見ずとも解る───近い者ならば、余計にだ】

───こんな吹雪に二輪なんて、随分と命知らずですわね
…いつでも死ねる様に自前のを用意しているのはいい用意ね

【明らかにその言葉は、背後にいる異様な男に対してかけられた言葉】
【女をみれば、少しだけ振り向いた顔がニヤリと笑って目を細め、そちらを見ている】
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/02(日) 01:46:03.09 ID:mKzSeBP00
>>672
/申し訳ありません、2、30分ほど席を外します。
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/02(日) 02:25:02.85 ID:mKzSeBP00
>>672

【ようやく肩の雪を払い、ハットをテーブルに置く。】

【彼は何かしらの酒と、つまみを注文する。】
【そうしてから、振り返った。空虚な笑みを浮かべ、目を細め。】

そうそう。是非とも警戒しないでくれよ……俺は気弱でね。
警戒されると、よくないんだ。心が震えてたまらない。

【まず、大柄な男に対し、軽薄に、そう語り掛ける。】
【……気弱な男は、吹雪の中をバイクで走ったりはしない。頭の可笑しい男の所業。】

【そして、視線を女に移す。】

いいバイクなんだ。吹雪なんて物にもしない一流さ。乗り手も一流だし……冗談だよ。
とりあえず此れは俺のじゃない……どうも俺は不死身らしいんでね。棺桶はベッド代わりにもならない。

【命の重さとか、そういう概念は、とうに吹き飛んでいた。】
【実際彼は、その腰の山刀をとても軽やかに振るう。その軌道に、誰の首があろうとも。】

で・・・何の悪巧みを、してたんだい?
俺、正義の味方だから、そういうのは気になるんだ……

【戯言めいた口調で、二人に問い掛ける。】
【事実、彼は正義の味方を名乗る人間である。ただし、これは単なる遊びだ。別に悪巧みぐらいどうだっていいし、悪巧みじゃなくてもいい。】

【暇なのだ、つまり。】
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 02:44:13.41 ID:+FVIBQk6o
>>674
「…すまん」

【『警戒するな』というのは余りにも無茶な注文ではないだろうか、棺桶を背負った男が、それも血生臭さを抑えながら現れれば警戒は無理もない筈だ】
【そういう物≠ノ敏感な二人、しかし男はそれを態度に表した非礼を詫びる】

…へぇ、不死身ですの。まるで吸血鬼ですわ
尚更棺桶が似合う事で…ふふ

【向けていた視線を外し、女は脚を上げてテーブルの縁にかける。椅子の前脚を上げて、揺り籠のように椅子を揺らす】
【まるで子供がするみたいな前後の揺れ動き、相方の方が黙ってそれを見守っているのは、これから何が起こるか半ばわかったからか】

──────。

【刹那、刃が鞘を滑る音が一つ、冷たく冷え切った音が響く】
【椅子を斜めに傾け、背後の男に僅かに近付いた状態から、女はその場から刃を向けた】
【右手で鉈を一刀引き抜き、その先端を突き付ける様に───その先端と男の首との距離は10cmとない───男が動いていなければ】

そんなことより
不死身であるなら、その首を斬り落としたら貴方はいったいどうなるのかしら?
首だけでも喋るのか、新しい頭が生えて来るのか───楽しみだと思わなくて?

【男の質問をそんなこと≠ニ切り捨てて、突如牙を向いたその女】
【しかし何かが琴線に触れただとかそういうのではない、実際その目は笑っていて】
【相方の方も、直ぐに動ける準備として身構えはすれど、動きはしていない】
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/02(日) 03:23:16.31 ID:mKzSeBP00
>>675

【刃の音、そういう冷えた音・空間は、好きだ。】
【舌舐めずりしつつ、女の刃に、自らの首を近寄せる。余裕めいた表情。】

そんなの……死ぬ程痛いから、楽しくたって御免だね。
不死身でも痛いもんは痛いよ。きっとね……ふふ。

【そもそも、不死身ですら無いというのに。】
【死んで生き返っただけ、単なるゾンビと違うのは、腐らず、衰えず、臭わない事。】

【他に何が、違うのだろう。屍鬼の如く殺し、貪るのがこの男。】

ただまあ……君の首をくれるってなら、考えてもいい。なんせ君の首もずいぶん、棺桶に似合う。
どうだい、妥当な交換条件とは、まあ言えないが・・・俺はこう見えて大人だから『妥協』しよう。

【大袈裟な身振りと共に、馬鹿げた笑みと共に、彼はまるで道化のように。】
【その腰の山刀には、まるで、手も掛けないでーーつまり、実際[ピーーー]気は無いのか?】

【否、能力者。】
【火を起こす、水を踊らす、雷を振るう。】
【そして、手も振るわずに、[ピーーー]。それこそが『能力』】

【男は雰囲気こそ馬鹿げているが、油断は無い。大柄な男の動きもまた、見逃さない。】
【その虚な瞳で、嗤う。目の前の魂を、捕捉するかのようにーー】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 03:51:46.48 ID:+FVIBQk6o
>>676
【ただの挑発か、もしくは余裕の見せ付けか。涼しい言葉を吐く男を見て、女は目を細める】
【わざと首を刃に近寄せ、まるで警戒する様子も無く、不気味とも思えるその仕草】

【───静寂。時が凍り付いたかのような沈黙が訪れる】

【グラスに浮かぶ氷が溶け、音を立てた刹那の瞬間】

【店内に吹雪が入り込む───かと思える程の、素早く激しく大きな動き】
【女が座っていた椅子が倒れる大きな音、もう一刀の鉈が抜かれる音、巨体と小柄な体が同時に動く風圧】

【───結果として起きていた事はこうだ】
【もう一刀の鉈を抜き、ハサミの様に交差させて男の首を狙った女】
【その交差した鉈を大鎌にて受け止め、男に届かないように留めた相方】
【まるで映画の画面が切り替わったかのように、それらの動作は終わった後のものがあった】

【どちらも、ただの一般人とは違う、明らかに戦い慣れた動きである】

「…プラチナ、そこまでだ」
「コイツ殺す、金、ならない。意味無い」

───勘違いはいけないですわ、別に取引を持ち掛けた訳ではございませんの
この世界は、弱肉強食が常でしてよ

【受け止められた鉈を鞘に収め、椅子を建て直しながら、何事も無かったかのように女は語る】
【大鎌を折り畳み、背中に背負い直した大男は、未だ心配そうにその場に立ち尽くしていて】

座りなさいなスノウ、もうやらないわよ
「…そうか、ならいい」

【女に促されて、ようやく大きな体を椅子に降ろした】
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/02(日) 04:26:37.50 ID:mKzSeBP00



あらら、こいつは、驚いた。

【激しい動き、物体的な、精神的なーーそれらの渦中にあって、この男は『平』】

【全くもって『平常』……枯れ果てたように。】
【先の発言は、余裕こいた挑発だった。これも『余裕』か?】

弱肉強食! いいね、その通りだと思うよ……ただその気になれば殺せるみたいな……その態度は気に入らないなぁ。
君、俺は正義の味方なんだ。正義は勝つ……そう、分かるだろ? 君もまた、食われる側という訳。

【注文していた酒が来た。度数の低いそれで、唇を湿らせる。】
【その視線は、天井へ。それから、貴女に向かう。憎まれ口ばかりで、憎たらしい男だ。】

ただまあ、勝ってるやつが正義とも言うね……どっちにせよ、俺は正義。

【勝ち誇る、というよりは、根拠らしき物に因る『自信』に溢れる。】
【事実、幾多の魂を刈った。確かに……[ピーーー]事が『勝利』なら、彼は勝利者、正義だろう。】

まあ、それはいいや。
で、さぁ・・・君らも、明日の……ほら、『たのしい祭り』には、参加するのかい?

【ここで彼が切り出したのは『六罪王』に因る、氷の国への『宣戦布告』の件。】
【この『氷の国』を舞台とする物らしい。故に彼は、この国に来たのだ。愉悦的な表情。】

679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 04:54:13.18 ID:+FVIBQk6o
>>678
あら、それはどうかしら?正義の味方≠ウん?
正義が必ず勝つのは悪を相手にしての話、同じ正義の味方が戦ったら…両方が勝つ戦いなんてありませんの
そう…勝つ方が正義、強い方が声高らかに宣言出来るのが正義でしてよ

───なんとつまらない物でしょう、そんな不安定な善悪に囚われた生き方なんて
正義も悪も、同じ狢。篭る穴の良し悪しを叫ぶだけ

【先程の動作で、女のグラスは倒れていた。テーブルを流れ、床に滴る酒がポタポタと音を鳴らす】
【寝転んだグラスから氷を一つ摘まむと、女はそれを口に含み噛み砕く、可憐な見た目には合わない音が口から鳴っている】

…さぁ、どうかしら
予定は未定───私達、これから新しい仕事場に顔を出すつもりなの
暇があるなら是非とも───もとい、金を出すならどちらであろうと

…ブリザード≠ネんて呼び名、この辺りではもう知られていないかしら

【彼等は、男の語るその事件を知っている───知っているからこそ、故郷であるこの国を訪れていた】
【新しい仕事場からオファーがあったのはつい最近、話からして二人は傭兵の類であろうか】
【だが、故郷を守ろうなんて気持ちは毛頭無い、彼等はただ、金を積む方に着くだけである】

「…プラチナ、連絡、来た」
「待ち合わせ、場所、変更」

あら、そう…残念ね、もう少しゆっくりしていたかったのだけれども
それじゃあね、正義の味方さん…祭りの会場で会えるといいわね

【どうやら、待ち人は吹雪の中で苦戦しているようである、大男がタブレットの画面を見ながらその旨を伝えた】
【待ち合わせ場所の変更、となれば長居する理由も無い、二人は席を立った】

【扉を開ければ、風は吹き付け雪は入り込む、地元民でも慄くような強い吹雪だが、しかし彼等は平然として】
【女は男に笑みを向けると、大男を引き連れ吹雪へ消える───バタン、と強く、世界を隔絶するように扉は閉まった】

/お疲れ様でした
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/06/02(日) 05:24:12.74 ID:mKzSeBP00
>>679

なんでもいいさ、殺したいんだ。

【正義。】

【悪。】

【ーー正義である事は、彼にとって『偶然』だ。】
【『悪を殺したい』故に、正義。正しさは、そこに無いーー悪と、何も変わらぬ。呼称、対象だけだ。】

じゃあ、『また』……?ブリザード?? 知らない名だね。

【虚な瞳を細め、ドアの、強く閉まる音を聞いた。】
【隔絶された世界の中、殺人鬼は正義の刃を、研ぎ澄ますーー】

【全ては『今夜』】

【滞りなく、快楽を得、新たなる一曲を産むその為の。】

/お疲れでした。
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/02(日) 17:51:43.70 ID:BAk5JNDlo
【真昼の公園】
【子供達が、人々達が賑わうこの真昼の中の公園】
【地面は、太陽の輝きの橙によって染まり、暑さは、陽炎を生み、あたりは揺らめいていた】

【そんな中、人のいない木々の木陰あたりに、ひとつの、年代を思わせる古い屋台がとまっていた】
【まるでバーを思わす小洒落たカウンターに、椅子が三つほど置いてある】
【屋台の上の部分には、客席に風を送る扇風機が、鈍くファンを回転させて風を送っていた】
【屋台の近くの看板には、アイスと、申し訳ない程度の集客として描かれていた】

恐ろしいほどに熱いな、これも地球温暖化かねぇ....
ぁーあ、溶けるアイスを維持するのにもそれなりの苦労が...

【頬杖をつきながら、屋台の奥でひとりごちた―店主らしき割と長身の男】
【金髪のチリチリな天然パーマに、白いネルシャツ、そしてその上に白いエプロン】
【その倦怠とした体勢を維持したまま、屋台の商品を入れるボックスにへと手を伸ばし、指を鳴らす】
【ボックスからは、冷気をもった白い霧がちびちびと漏れ出ていた―指を鳴らすまでは】
【漏れ出ている程度の白い霧が、溢れ出るかのように滾々と湧き上がり、そして溢れた白い霧がボックスからこぼれた】

【白い霧に覆われて詳しくは見れないが、ボックスの中には、いろとりどりのアイスキャンディーが何本も入っていた】
【オレンジ、ピーチ、ブラウン、透明色に、青空が移ったエメラルドグリーンの海を思わすような、鮮やかな水色】

【さて、こんな人はずれた場所に置いてある怪しい屋台】
【今日は、どんな奇妙なお客が訪れるのだろうか―】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/02(日) 18:45:33.96 ID:83YzSrSwo
>>681
まだいらっしゃいましたら、絡んでよいですか?
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/02(日) 18:54:03.12 ID:zVma+sg3o
【カノッサ機関・本部】

「エディ、集まったみたいね。準備は良い?」

【薄暗い部屋の中で、用意された大量のモニタを見つめながら女が言う】
【桃色、というよりかはキツいピンク色をした髪に、インカムを装着しており、そのインカム越しに誰かと喋っているようだ】

「ええ、ええ……。こちらの準備は完了よ。後は、そっちで好きなタイミングで……」

【モニタに映っているのは氷の国にある巨大なコンビナート―――― 世界において極めて重要な資源産出施設だ】
【この施設から産出される希少鉱石及び石油は世界中、様々な局面で利用され、もはや人類にとって必要不可欠な存在】
【それらの供給がストップしてしまえば、世界中で混乱が起こるのは免れないだろう……】

「そう……。それじゃ、幸運を祈るわ」

【…………―――― しかし、今日これから、世界の悪たるカノッサ機関が、この施設を破壊しようとしていた】


【そして……】
【所変わって氷の国 資源産出施設】

いつでも大丈夫だ、エリィ。そっちは?

【コンビナート中央に聳え立つ排気塔の頂上……。そこにその男は居た】
【ブラウンのロングコートに、まさしく狼の様に白銀色のウルフカットのヘアスタイル】
【片手にはトランシーバーの様なものを持ち、それを通して誰かと会話しているようだ】

そうか、分かった。……そろそろこちらは始めようと思う。……うむ、それでは。通信終了――――

【男がそう言い終わると、トランシーバーは砂か灰とも解らぬような塵に変化し、風と共に吹き飛んでいった】

                              ……諸君。

【依然、降雪は続いている。夜の帳と雪雲が月光を遮って、自然の光はこの地には届かない】
【そんな真っ暗闇の中、ただ何も言わずに、何も変わらずにこのコンビナートから発せられる文明の灯がひどく不気味に感じられた】

                           ――――諸君……ッ!!!

【両手を大きく広げ、空間に響かせるように、大声を出す】

        君らはこれから、世界の仕組みを大きく変え得る“可能性”のある戦闘を行う事になるだろう……ッ!!

    『文明』、『文化』……。 これらの言葉は今日ッ! これからッッ!! この世界では意味を持たなくなるッ!!!!
                 我々カノッサが、消滅させるッッ!!!! 忌まわしき文明をッッ!!

       今日はその為の“一手”ッッ!!! 我々を縛り続けてきた文明をぶち壊す、“始めの第一手”だッッ!!

                    今日、6月2日、この日は歴史に刻まれるだろうッッ!!

       何故ならばッッ! 全人類がッッ!! “より素晴らしき退化”を行った記念日になるからだッッ!!!!

              そしてッッ!!! 諸君らの健闘の果てにッ!! 人類は心に誓うだろうッッ!!

           我々人類は戦わずしてのうのうと生き残ったりはしないッッ! 絶対にッッッ!!!!!!

                   生き残るためにッッ!! 戦い続けるとッッッッ!!


【拡げた両手をぐん、と脱力するように戻し、一つ息を吐く】

                        …………さあ、諸君。始めようか。
        これは“戦争”だ。人類が文明と引き換えに失った生存本能を取り戻す為の、聖戦<ジハード>だ……。

【そして、排気塔の上の人影はその姿を消す。その直後、ピリピリとした空気が、波紋のように空気中を伝播し、この施設の近くに居る者達に届くだろう】
                        【それはまさしく、これから戦争が始まる合図だった】
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/02(日) 18:54:37.48 ID:zVma+sg3o

【更に場面は変わり、コンビナート内。積雪しているトタン小屋の屋根の上に、先ほどの男は居た】

さて……。

……――――そろそろ兵隊どもが動きだす頃か……。

【ブラウンのロングコートに付着した雪の欠片を手で払いながら、耳を澄ませてみる】
【慌ただしく金属の床を叩く足音や、軽い爆音、あるいは悲鳴……】
【この作戦に参加しているのは、何も名のある者ばかりではない。名も無き者たちは既に小さく影響を及ぼし始めている様だ】

“文化変容作戦”……か。大層な名前だが、今日やる事は大したことではない。
……だが、大したことでなくとも、これは始めの一手だ。確実に取らねば、“敗ける”。

【ふう、と息を吐く。白い吐息がまるで煙のように口から噴き出る】
【ざくざくざく、と雪の上を歩き、トタンの屋根のフチまで迫ると、ひょいっと地面に飛び降りる】
【―――― そう高さはない小屋だ。南向きに小屋の入り口があり、その裏手、つまり北側に屋根へと続くハシゴがある】

そろそろ、来るか……。“正義の味方”どもが。

//それでは『防衛側』の方からロールをお願いします。
//不備などあるかもしれませんが、皆さん、どうか最後まで楽しんで、そして、よろしくお願いしますね!
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/02(日) 18:57:03.69 ID:kHG2Pa+Wo

【――――季節は丁度、初夏。いや、まだそれには到らない程の頃合であろうか。】
【これからじんわりと熱くなっていくのを予感させる気温、湿気と熱がコンクリートを暖め始める時期に――】
【――どうしてこうも、寒い場所があろうか。確かに都市部の熱気にはうんざりしていたが】
【"雪の楽園"とすら呼ばれるこの寒冷な大地――"氷の国"の大雪原にぽつり、と建てられたコンビナートの内部は】
【全面が分厚い壁で覆われているにも拘らず外気の冷たさをしっかりと内部へ伝えている――そう】
【ここは一年を通し寒気が土地を支配する場所なのだ。つまりは―――】

―――・・・う、ううう・・・!!
カの、ッさ・・・ッ!!カノッサめぇ・・・!!

元より地の国出身のあ、アタシを―――・・・弱らせる為にわざ、わざ・・・!!
こ、ここんな寒いところへ・・・っくしゅん!――――ああ、もう!


【―――この季節といえど、まだまだ寒い。その証拠に、雪はちっとも解けておらず。むしろまたいつ振りだしても可笑しくはなくて。】
【"防衛"の任務を任されているとは言え、こうだだっぴろい施設に一人きりでいるとなんだかこう――寂しくなってくるほどだ。】
【心も身体も寒い、とくればさすがの"酔いどれ女"と言えど矢張り、弱ってしまうようで――】
【女―――セリーナ・ザ・"キッド"は来る敵襲へと備えてはいたが、いつものガンマン衣装の上にローブを羽織っただけの格好では】
【防寒としてあまり機能していないのであろう、ブルッ――と身体を震わせて、正面の窓をにらみつけた。】

―――い、いい度胸だよ・・・まったく・・・!こんなところで何時間も待機とはね・・・ふ、ふふふ・・・っ・・・!
も、もう構わないよ・・・目に映るカノッサ連中は全員・・・全員・・・は、蜂の巣に・・・してやるさね・・・!!

【こんなハメになったのも全てはカノッサのせい――いや、半分は自分の格好のせいであるのだが、まあ。】
【彼女は身に纏った雪と同色か、それよりは少し火薬で薄汚れた白のシャツに包まれた豊満な肢体をもう一度、震わす。】
【同時に頭に被った年季の入った"テンガロン・ハット"も揺れる――彼女のトレードマークだ。】
【しかしこんな状況でも尚、敵が一瞬でも視界に映る事があれば素早く腰元に装備したガン・ベルトから"相棒"を引き抜き――】
【目にも留まらぬ速さで撃ち抜く事だろう、実際この寒さの中でもセリーナの特徴的なブルーとも、翡翠ともつかない神秘的な瞳は】
【この巨大施設に潜入を試みる"獲物"を追い求め静かに――静かに、動いていた。】
【まさに白色の狩人――防衛の任務に就いた他の仲間達のことを考えつつ――】
【今か、今かと敵の襲来を待つ――最も。この場に現れる相手が誰であろうと、もはや彼女に容赦の二文字は存在しない。】

【―――静かに、雪が降り始める。】
【ダメージ・ジーンズとその先に装着された古びたウェスタン・ブーツが、屋内にも侵入した足場の雪をじゃり、と踏みしめる。】
【やがてコンビナートの内部には"魔"の瘴気が漂い始める――それは今から此処へ来るあの者の"覇気"か】
【それともまた別の――"キッド"の腰元に鎮座するあの"魔"が発しているものなのか――はっきりとはしない。だが。】

【近づきつつある決戦に対し、セリーナ・ザ・"キッド"はゆっくりと、身構えた。】

/此方セリーナ、現場へ急行中!リリアの方、今夜はよろしくお願いします。
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/06/02(日) 19:02:18.55 ID:1WZmnDxDo


―――うう、寒ゥッ……

【冷酷無比な風が、余所者の彼の身体を冷やす。青のソフト帽を深く被り直すも、効果は無い】
【対策として青いコートを着込んだり、冬用のグリップの効いた茶のブーツを履いてみたが―――それでもまだ足りなかったようで】

っざけんなよ……地面が白いカーペットで覆われてら。こんな環境じゃ俺の十八番使えねぇぜ……
―――っと、結構滑るなオイ……

【ぴょんぴょん、と軽くジャンプして身体を暖めながら、周りに眼を移してみれば―――いや、移す必要も無い】
【一面が白の、詰まらない世界。思わず溜息を吐けば、一瞬バランスを崩しそうになった。足元の白が、彼の脚を引っ張ったわけだ】
【この場所での戦闘は正直乗り気ではなかったが、そんなことも言ってられなかった】

―――久しぶりに巡り会えたんだからな……カノッサを捕まえるチャンスに……!!
条件は選り好みできねぇ……しかも、今回は六罪王さんのお出ましと来た

―――逃してたまるかッ……悪を蹴散らすこの機会ッ……!!

【冷たい空気を胸いっぱいに吸い込み、「モード」に精神を入れ込んでいく。頭を冷やし―――反面、心は熱く】
【静かに閉じた眼がまた開けば、深い紺碧の両眼が広い視野で全てを見通していた】

……<Flame&Flost>。確かに今日は記念日になるなァ……悪が滅び、人類の悲願が達成させるおめでたい日に……!!

【覚悟を含んだ低音で呟けば、冷えないように開いて閉じてを繰り返していた両手に拳銃が握られて】
【右手に赤、左手に青の武器を掴めば、完全に『闘う者』の躰―――後は感性を研ぎ澄ませ、敵を見付けそして―――捉えるだけ】

/ヒライさんお願いします!ロウ中身です!
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/02(日) 19:17:03.56 ID:BAk5JNDlo
>>682
//返信が遅れて申し訳ない、大丈夫ですよ
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/02(日) 19:18:49.09 ID:s6hGSkJKo
【氷の国・資源採掘施設】

【吹き荒ぶ風が施設を冷やす。もう6月だというのに、ここは未だ極寒の地】

【そして風と大気は、ここに立つ生き物の温もりも、ゆっくりとじりじりと削っていく】

――寒っ……
やっぱり、こういう所は苦手だな……

【少し癖のついた、炎のような澄んだ緋色のショートカット、ガーネット色に輝く瞳】
【薄灰色の丈の大きいやや薄手のトレンチコートを羽織り、黒い長ズボンを穿いている】
【首には竜をかたどったペンダントを提げていて、額に傷があるのか包帯を巻いている】
【背中には、魔翌力を帯びた「竜の翼」と思われるものが生えている】
【そんな格好をした、14、5歳程に見える少年だ】

でも、これから戦うんだ。人間たちのために。
寒いなんて、言っていられない!

【冷たい指先を曲げ、伸ばし、身体をほぐす】

――おい、カノッサとやら!
オレはここにいるぞ!かかって来い!

【声を張り上げ、叫ぶ】
【響くのは挑発の台詞、闘争の準備は万端といったところだ】

/トラネコさんの方、よろしくお願いします!
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/02(日) 19:20:09.66 ID:W2363kPW0
>>684
おやぁ……?誰かと思えば……さっき大層な演説をぶちかました人じゃあないですか……

【ブラウンのロングコートを着た男の背後―――トタン屋根の小屋の方向から青年と思われる声質の男の声が聞こえてくる】
【声のする方へと男が振り向けば、そこには奇妙な格好をした青年と顔まで毛むくじゃらの狼の獣人の姿が映るだろう】
【―――ロングコートの男が先ほどまで足元に位置していた場所に居る者の姿を見逃すはずはない】
【だとすれば青年が“突然”現れたのには何か仕掛けがあるのだろうか―――?】

襲撃翌予告があったって言うんで“待ち構えていた”んだけど……まさか予告した本人が来るなんてねぇ?
予想外とは思わないかい?どうだねウルフェン君?

『……その困ったときに俺に話しを振ってくるのやめてくれませんかね、狂死郎の旦那?』

【狂死郎と呼ばれた人間の男は、立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、20歳前後の青年と見受けられる容姿をしていた】
【その奇妙な格好と、傍らに獣人を侍らせている様子から十二分に只者ではないという雰囲気を周囲に振りまいている】

【一方、ウルフェンと呼ばれた狼の獣人は全身が黒い体毛に覆われた毛むくじゃらの容姿に頭も狼そのもので】
【完全な狼とは違い理知的な顔付きをして緑の拳法胴着を身に着けているものの、それらが無ければ二足歩行の狼と言ってもいいだろう】
【“狂死郎”を旦那と呼んでいること、そして何より腰の低い態度をとっていることから主従関係に近いものが伺えるだろうか?】

―――で、此れから闘り合う前に一つだけ……
ちょっと自己紹介してもらっていいかな?君の事誰もよく知らないからさ……

【目の前の男が襲撃翌予告を行った当人であることは自明であるものの、男の活動については一切記録されていない】
【カノッサ機関に所属していることは予想できるが―――果たして何者なのだろうか?】
【―――狂死郎は目の前の男について思考を回避しつつ、“準備”が滞りなく行われていたか再確認する】
【男に話しかける間はその表情を読み取るためか目を見つめていたが―――時折、周囲を見渡すように視線をそらした】

/ドーモ、よろしくお願いします!!
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/02(日) 19:22:55.95 ID:83YzSrSwo
>>687
/ありがとうございます!よろしくお願いします


>>681

あー、暑いけど日差しが気持ちいいですねえ

【愚痴を漏らしながら歩くのは、20歳前後の若い女性】
【シルバーグレーの作業着の上下に、白衣を羽織り、黒いワークブーツを履き】
【黒いタブレットを手に持ち操作しながら、斜め後ろを歩く男と話している】

「俺らの故郷が大変な時に、ずいぶんと呑気ですね、先輩」

【男は、革製の黒いハーフトレンチコートに、側面に白いラインが入った黒いカーゴパンツ、そして流線型のサングラスと】
【見ているだけで暑苦しい服装で身を包み、腰には二つのナイフホルダーを固定し、二振りの長めの軍用ナイフを差している】
【鈍い銀髪のオールバックに、サングラスの下には赤茶色の瞳が覘く】

故郷が大変な時に何もできないんだから、いつも通りにするしかないじゃないですか
貴方こそ、戦う力があるのなら、私の代わりに故郷のために戦ってきてくださいよ
ついでに撮影もしてきてください

「俺は大学からも氷の国の政府からも、先輩を厳重に警護するように言われてますので。
自分の任務を全うしないといけません」

あ、そんなことより、良いものを見つけました。行きますよ

【木陰にたたずむ「アイス屋」を発見した女性は、男の話を適当に流し、足早に屋台に向かい】
【カウンターの前に立ち、店主に軽く挨拶をする】

こんにちは、一本頂けますか?
ぶどう味のアイスとかあったら嬉しいんですけど、無かったらオススメのやつをお願いします
あ、あと一応後ろの彼にも一本適当なものを
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/02(日) 19:26:16.31 ID:DQXOtnDwo
>>685

  【―――今回の任務にあたって、リリアにとって重要なのは新たな六罪王である】
  【やがては世界を支配する。その際の強大な武器ともなるし――】
  【或いは、敵にもなる可能性がある。なんにせよ、六罪王という符号は強力なワードだ】
  【敵にしろ味方にしろ、一体どういう人間で、どういう行動をとるのかは知っておきたい】

  だからこんな所まで来たんだけどさ、ちょっと寒すぎじゃないかなぁ
  それはまあ、作戦の重要さも分かるし?私自身が行動すべきなのも分かるけど……

  ……?なあに弟クン=c、……今回の敵?
  そんなの知ってるよ、匂いで分かる。男も女も、人なら一度嗅いだ匂いは忘れないからね
  そして…――この匂いはセリーナ・ザ・キッド=\―ふふッ。


【さくり=\――雪面を踏む音が遠くで聞こえる。同時に、漂う魔≠ェ濃くなって】
【次にセリーナが聞くのはコンビナート内部に、恐らくはブーツで踏み込む足音だ】

【もしそちらに目を向け、或いは銃を向けるのなら、捉える獲物はただ一人】
【格好は分厚く暖かそうな毛皮のコートに、同種の帽子。ブーツも同様である】
【ガンマンの彼女とは対照的なほどの防寒具は、既に幾らかの雪に濡れていて】

―――というわけでこんばんは…、それともこんにちは?
水の国あたりならまだ明るい時間だけど、こう雪が強くちゃ時間も分からないね

それにしても何時ぶりだっけ?キミに会うの、とっても久しぶりだけどさぁ
私はわたしで、キミの事を毎日恋する乙女みたいに考えたんだよ?
どうやって痛めつけて、どうやって汚して、穢して……あとは、殺すか。

……あぁそうそう、テレビ見てくれたかな?私ね、もうお爺ちゃん≠ヘ辞めたの。
だってやってて疲れるし、世界中の皆も年寄りもこっちの方≠ェ好きじゃない?

でさぁ、セリーナ・ザ・キッド=c――最初に一回だけ、聞いておくけど
素直に降参する気はないかな?だって、こんな雪の中じゃ助けも来ないし
今回はあの魔術女も居ない……キミ一人で、まさか私≠ノ勝てるとは思っていないハズ。

お互い、さ……馬鹿じゃあない。それに私自身、キミの力は少なからず認めている……。
今、キミが銃を捨てて降るのなら、私の権限で他のメンバーへの攻撃は止めさせたげるよ?

【『私、よく考えて欲しいなぁ―――』 ――と。半魔は橙とも白ともつかない長髪を】
【その性格を表したようにカールした、野暮ったいまでの長髪を靡かせながら】
【同時に28の線が重なる、歪な両目をUNITED TRIGGERのトップである彼女に向けた】

【―――無論、この会話の間は隙である。距離は、まだセリーナの領分】
【撃ち抜こうと思えば打ち抜ける。気配もリリア一人。初手は、ガンマンへと譲られたのである。】

/よろしくお願いしますねー!
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 19:29:28.53 ID:ZgOiRlpXo
>>686

【吹雪で視界が悪い。ただ、この巨大なコンビナートに血管のように存在する道路の端々についた】
【無機質な白い街灯の光だけがその施設の影を浮かび上がらせる小さな連続した存在となっていた。】

【道もなく、太陽も隠れて時間もない。空も地も白く、重力がなければ天地がわからないような白…】
【その世界に一時の2本の線を残した存在、パワフルな中型のジープがコンビナート付近に止まっている。】
【ヘッドライトの光を光らせて暖気するジープ。打ち付ける風と雪を規則的なワイパーが払う。ルーティンな動き。】

【車内は心もとないヒーターがきき、カセットテープはオールディーズなロックンロール。】
【助手席には、口の開いたアタッシェケース。中身は煙草、ライターのオイル、飲みかけのウイスキー】
【それとアールエッチプラスAの輸血パックが2つと粘土のようなプラスティック爆弾少しと時限信管。】
【それらの上には銀色と黒色の拳銃が無造作に置かれている。】

外はマイナスか……窓が凍りついてるだけあるな…

【ハンドルにブラックレザーブーツの踵を乗っけて、ヒモをきつく締めている男】
【背が高く、手足が長く窮屈そうだ。肌は外の雪のように不健康に青白い。】

【黒いサングラス、黒いニットキャップ、革手袋。スーツの上に裏地の赤いレザーコートを着ている。】
【口にはくわえタバコ。ヒモを結んで足を下ろすと拳銃を手にとって、無造作にスーツのベルトに差し込む】

【ケースの口を閉め、煙草を灰皿に押し込んで、車のライトとオーディオを消した。】
【こういうところでエンジンを落としてしまうとつかなくなる可能性もあるからキーはそのまま。】
【ドアを開けて、車外へ。外は暗い。風も雪も静かに動き続けている。】

革って、寒いんだよな……濡れなくていいんだけどよ……あー、顔が痛い

【男はサングラスをとって、ダッシュボードにそれを置き、無造作にドアを閉める】
【そうして、明かりの点滅するコンビナートへと歩きはじめた。】

【サングラスの取った、彼の目は真っ赤で瞳は黒く。静かにそれを見ている。】
【煌めく人工の光を羨むような蔑むような。冬の星は幾つあるんだろう。その中の一つはどれだろう】

【既に、ジープのタイヤの痕は雪と風で消えかけていた。】

/ロウの方、本日はよろしくお願いします
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/06/02(日) 19:31:15.97 ID:mKzSeBP00
【施設、某所】

【その男は苛立っていた。遅い遅過ぎる。早く殺させろ、まるで狂人めいて。】

【実際、狂人なのだ。】
【狂人ゆえに、ひどく飽き、白けていた。この『待機』に。】

【黒いテンガロンハット、同色の、トレンチコート。】
【メタリックブルーの髪、虚な蒼い瞳。背は高く、両手には獲物と思われる抜き身の『山刀』】
【その背には、棺桶。正義の殺戮者の背負う咎。】

【カノッサ機関に対し、恨みも怒りも、無い。】
【まして氷の国の為に、戦うハズも無い。義理も、理由も無いのだから。】

【あるのは底抜けた殺戮願望、快楽の欲求。】
【カノッサ機関への、蔑視。あまりにも『低レベル』・・・そういう認識による侮蔑。】

ちょっとは、愉しませて欲しいなぁ。

【寒さに震える事すら無く、不気味に嗤う。期待はしていない。】
【現れるであろう殺戮の対象に向け、悍ましい殺意の、切っ先を尖らせる。】

【この男は、一般的正義のカテゴリには入らない。】
【只、殺したい。それだけだ。悪人の方が、何か、インスピレーションに良いのだ。】

【故に、危険。】

【危険な存在ーー今宵は、この施設の防護という『建前』で、皆殺しだ。】

/プラチナの方、よろしくおねがいします


694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/06/02(日) 19:33:45.23 ID:SU1Ve9440
>>688

【白銀が背景を埋め、命尽きぬ凍土に包まれた国。そこは"氷"の名を与えられた世界】
【絶えず降り続く雪は柔らかく、故にちょっとした異変によってその姿を無残にも壊す事になる】
【白の世界。その中心を、場違いな程のミリタリー模様をした輸送車両が一台、駆け抜けてくる】

『目的地が見えてきた。整備。状況はどうだ?』
「予想されるズレの修正完了。装置に異常なし。何時でも撃ち出せます」

【車内にそんな無線の言葉が響く。その言葉を聞いていたのは、運転席に乗る一人の機関員】
【そして、荷台に設置された"それ"を点検する研究員と思わしき人と、"それ"に跨る一人の『悪』】

『!?前方に敵影を発見!単独です!』
ん?どんな奴だ?

【その車両が"目的地"へ到達する前、その前に立ち塞がる勇士の姿を車体カメラが捉える】
【味方の勢力は期待できない。十中八九、敵対勢力。その事実が口にされて漸く、"悪"が口を開く】

『サー!少年かと思われます!サー!』
 なんか武装か設置兵器、見えるかァ?
『サー!それらしき物は見受けられません!サー!』
 餓鬼だっつったな。何処の勢力か分かるかァ?自警団か?UTか?
『さあ?分かりかねます。サー!』
 ……まーいい。子供が出てくるくらいならどーせ大したことじゃない。発射しろ。潰してくる

「りょ、了解!」

【そんな会話に包まれた車両は、その少年から100メートル程離れた地点で、大きく横滑りしながら停止する】
【その光景を目撃した少年は、恐らく、三つの怪奇を目撃する事になる】

【まずは一つ。近付いた輸送車両。この存在の荷台部分の屋根がオープンする】
【そこから姿を現したのは、主に輸送に用いられるカタパルト砲座】
【そこには縫いぐるみとも似つかない。虎ネコのきぐるみが設置されていて……】

「御武運を!」

【そして二つ。その砲座から虎ネコのきぐるみがその少年の居る方向目掛けて射出される】
【ゴム人形の様に宙を舞うと思われたそれは、何故か"中に人がいる様に体勢を整えて"いて……】

【その姿は、はっきり言って異常だった】
【軽く2メートルを超えるかという巨躯。体中を覆う虎模様の毛皮】
【臀部から伸びる猫の物と思わしき長い尻尾が空を切り、背中に掲げられた逆五芒星の存在を邪魔せずにいる】
【装着された金色に輝く金属製のグローブとブーツが、彼が人間であることを辛うじて主張していて、】
【欠けた左耳の上を駆ける様に右目に掛けられたアイパッチと、ピンク色の蝶ネクタイが"彼"の異質さを際立たせている】
【兎も角、そんな奇天烈で破天荒な、虎ネコの"キグルミ"を身に着けた人物が、宙を舞っていたのだ】

今日は大仕事だぜ"スクラップ・スター"ァッ!!派手にぶちかますゼェーッ!!

【そして、最後の怪奇は、何時の間にやらそのキグルミが傍らに侍らせた、巨大な"左手"……】

【針金の塊を主とし、鉄パイプ、車のバンパーと言った鉄くずでその大体を構成し、】
【錆かけの鉄板によって指と甲、そして"手"という存在を象った存在は、明らかにあらゆる法則を無視していて、】
【そしてその存在し得ない物を具体化する、「マインド」と呼ばれるそれがキグルミを追従していた】

オラオラガキィ!!退かねえと死ぬぜェーッ!!?

【その言葉に偽りは無かった。パワーをメインとしたそのマインドは、何よりもスピードに欠けていた】
【だが今は状況が違う。速さは力。高速で射出された事によって、今のスピードは個の車に引けをとらない】
【宙を舞うキグルミが左手で指示を飛ばす。それに従って、巨大な鉄くずのマインドは拳を握って迫り来る】
【最早メテオか何かかと呼ぶに相応しい、速さと質量による特大の暴力が、その施設ごと少年を破壊しに掛かる】

【避ける事は容易だ。何より距離があるからだ。だが、受け切る事はほぼ絶望的と言ってもいい】
【そんな型破りの宣戦布告。戦いの幕は切って……否、壊されて落ちる…ッ!】

/よろしくお願いします!
/次から普通のレスになるので、鼻で笑って続けて下さい
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/02(日) 19:38:27.91 ID:zVma+sg3o
>>689

【トタン小屋の方を首だけをちらと傾けて、目の端にその二人を捉える】

……―――― ほう……?君、一体どこから出てきた?
何者だ?まさか、工場見学に来たわけではあるまい。

【さっきまで自身が居た場所に、一人の青年と狼のような獣人―亜人だろうか?―が立っていた】
【トタンの小屋を念入りに隈無く調べたわけではないが、しかしこれほど近くに居た彼らの気配に気付かないわけがない】
【まるで、彼らがその場に“突然”現れたかのようで、奇妙であった】

ふむ?……君も“正義の味方”かね。

真っ黒な格好で、そんな危なっかしい“ペット”を連れ歩いていると、まるで私達と同じ……“悪者”みたいに見えるねえ。

【そう言いつつ、体をくるりと反転させ、青年に対面する】
【ブラウンのロングクートにシルバーの頭髪。しかし、その外見に似つかわず、顔などは如何にもダンディーな“オジサマ”と言った感じだ】

私かい?……私はカノッサ機関、六罪王が一人、“ザ・ボードビル・デュオ”。ただの、死に遅れたアワレな男さ。

―――― 少年、私は君にも自己紹介をしてほしいな。『聞かせて』、くれるかね?

【無表情のまま自己紹介をし、青年にも―『聞かせて』の部分をやや強調気味に言って―自己紹介を求める】
【青年はぴったりと目を合わせてきて離さない。その瞳の奥にはまるで何か、強い企みを感じた】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/02(日) 19:44:14.24 ID:BAk5JNDlo
>>690
あいよー、葡萄味と適当なヤツね

【やる気の無さそうな、けだるさ醸し出す返事とともに、ゆったりとした動作で頬杖をやめて、背を伸ばす】
【白い煙溢れるボックスに一気に手を突っ込み、二本のアイスキャンディーを取り出した】

【一本目は、深い紫色の、まるで炭酸入りジュースが閉じ込められたかのように、中身が揺れるアイスキャンディー】
【二本目は、気泡がぷくぷくと出ている液体が閉じ込められた、透き通った色のアイスキャンディーだ】
【冷気から出された直前のためか、白い煙がまるで湯気のごとく立ち上っていた】
【どちらも、少し齧れば中身の冷たい炭酸ジュースが溢れ出て、パチパチとした感覚と冷たさが口と喉を潤わすだろう】
【それを、近くの皿のうえにふたつ置いた】

(しかし、珍しいな、こんな公園に白衣だなんて、となると連れは護衛か)

【物珍しそうに客を見やれば、一人はまるで学者を思わす白衣を着た女性】
【それに対して、その女性の連れは鍛え抜かれた身体をもった、まるで軍人を思わす男】
【非常にアンバランスな組み合わせだ、滅多にお目にかかれない】
【もしかしたら、相当なお偉いさんなのだろうかなー、と暢気に考えていた】

いやー、こんな暑い日にも白衣を着ているだなんて珍しいねー
なんだい、植物学者でフィールドワークにでもしに来たのかい?

【中々、人が滅多に来ないものだから、つい客が来るとこう、馴れ馴れしく話しかけてしまうのだ】
【それに、研究というのは、まぁ...きっぱり縁がないというわけではない】
【こんな公園にそれをしにくるのだ、中々面白そうだ―と自分の頼りない勘は告げていた】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/02(日) 19:47:01.81 ID:CJ3urAeto
【路地裏】

【……毎度毎度の事だが、この薄暗くジメジメとした場所は非常に治安が悪い】
【さて、今日もまた、この場所に一つのゴタゴタが生まれていた】

――あァ、だァからな、テェメェーのそォの死ィんだ魚みてェな眼ェが気ィに食ゥわねェって言ィってんだよッ!

「な、なんだよそれの何が悪いんだよ!」

うゥるせェッ! 俺様が気ィに食ゥわねェって言ィってんだよ、たァだそォれだけだかァらな……理ィ由なんて要ィらねェ……

「あ、悪魔めッ!」

あァ? ――悪ァ魔が悪ァ魔しィてて何が悪いんだよ?

「……えっ?」

【今、路地裏のとある場所で起きている一悶着――それに関わる二人の人物】
【劣勢に見える方は、いわゆる浮浪者】 【薄汚い布切れを纏い、明日野垂れ死んでもおかしくない様な見た目である】
【何度か殴られたり、壁に打ち付けられたりされたのか、血が身体の所々から滲み出ている】

【一方、優勢と見える方は、黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

あァ、腹が立ァって仕ィ方がねェ……"粉々になァった殻"の修復にあァれだけ手ェ間取ォっちまったからなァ……
……あァの糞野郎、次に会ァった時は粉々に砕いてやる、俺様の手で直々になァ……ッ!

「(や、八つ当たり!)」

安心しな……テメェーは、俺様の気ィが済ゥむまでボォコった後に、今の浮ゥ浪者生活から"開放"してやる……俺様の実験台としてなァァアアッ!

「ひ、ひィッ!」 「だ、……誰かッ!」 「誰か助けてくれェーッ!!」
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/06/02(日) 19:52:11.60 ID:1WZmnDxDo
>>692

【風の音が聴覚を妨げ、その風の流れにに乗っかった雪が視覚を妨げる。最早この状況では、眼や耳よりも肌で相手を探さなければならない】
【―――カノッサが攻めこんでくることは解っている、吹雪の中響いた演説が何よりの証拠だ。……よって、恐らく敵はすぐ近くにいる】

―――コッチかな……っと

【少年の頃から悪と戦ってきて解ったことは、やはり悪というのは「異質」を放っているということ。その「異質」を肌で感じることが、今求められていた】
【コートのポケットに両手を突っ込み、ガンマンの命である指が固まらないようにしながら、雪に足跡を刻む】

【行く先は培った勘に任せる。なんとなく、この吹雪の先に悪が、ドス黒い何かが潜んでいる気がしたから】
【―――そしてその勘は、的中する。ぼやけた人影が、奥に見えたのだ】

―――ッッ、……オイ! おーいッ……!!

【その影を見つけた刹那、男は走り出した。慣れない滑る地面に苦戦し、ぎこちないながらも接近し、その人影の正体をハッキリさせようとするだろう】
【ポケットに突っ込んだ両手の人差し指を確りとトリガーに掛けて、いつでも抜ける様にしながら―――その影は敵か味方か、それを暴こうとする】
【そして姿がはっきりと見える位置にまで近付けば、まず一声】

―――アンタは何者だ カノッサか若しくは俺と同じ雇われた側か……さぁ、どっちだ?
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/02(日) 19:56:53.25 ID:s6hGSkJKo
>>694

【少年の視界、その奥に現れたのは、逆に迷彩が意味を成さない輸送車】

――え、何、あれ。

【輸送車の屋根から現れたのは、この場に似つかわしくない虎ネコのきぐるみ】

【その謎のきぐるみが高速で射出され、勢いを乗せて巨大な鉄くずの拳を放つ】

【奇妙としか言いようがない。しかし、ただのおふざけで済ませるにはあまりにも危険】

何なんだ、いったい!?

【翼を羽ばたかせ、数m「上」に飛び、鉄くずの拳を避ける。先ほどまで少年が立っていた空間が、質量の暴力に蹂躙される】

――お前、何なんだ?

【衝撃が収まった頃に、少年は数m後ろに着地する】
【ふざけているような姿だが、このままではどう攻めればいいのかわからない。とりあえず腕を交差させガードを固めて、様子を伺う】
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/02(日) 20:03:03.13 ID:83YzSrSwo
>>696

【女性はカウンターの前に置かれた椅子に腰を掛け、アイスの乗った皿を受け取る】
【持っていたタブレットはカウンターの上に置いた】

ほら、そこに立ってないで座ったらどうですか?奢りですよ

「はあ、じゃあいただきます……」

【男の方も、椅子に座り、透き通った色のアイスを手に取る】
【女性はすでに紫色のアイスを齧り、顔を緩めていた】

美味しいですねえ……こんなアイス初めてですよ

「確かに、美味いっすね。何味かはよく分からねえけど……」

【男の言葉遣いは丁寧なようで割と適当だ。顔をよく見れば、見た目の雰囲気以上に若い、青年と呼べる年頃だとわかるだろう】
【2人とも、未知の触感のアイスに満足げにしていると、店主が話しかけてきた】

白衣ですか、特にこだわってるわけじゃないんですが、これくらいしか着る物が無くて……
確かに……この恰好は暑いですね、彼があんな暑そうな格好してるから感覚がマヒしてましたよ

【男を一瞥しながら女性は、羽織っていた白衣を脱いで膝の上に畳んだ】
【女性以上に暑苦しい恰好をしている男はコートを脱ぐ気はないようだ】

ふふ、半分正解ですね。私は確かに研究者ですが、まだ学生で研修生なので学者とは言えません。
それと、私が研究してるのは植物ではなく

【女性はにやりと微笑み、店主に見えるように指を鳴らすしぐさをする】

貴方みたいな特別な力を持った人、ですよ
先ほどの動作、実は遠くから拝見してました。貴方が指を鳴らしたら白い霧が一気に湧き上がりましたよね
詳しく教えて頂けないですかね?
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/06/02(日) 20:09:50.16 ID:W2363kPW0
>>695
オイオイオイオイオイ!!黒ずくめでちょっと凶暴そうなペット連れてるだけで悪人扱いとかひどくないかな!?
ウルフェン君は別に人噛んだりしないから……人殴ることは多々あるけどね

【ハッハッハ……と胸に手を当てて笑いながら冗談めいた態度を見せて狂死郎はおどけてみせる】
【傍らに立つ獣人は何やら呆れたような表情をしながら首を横に振っていた】
【笑顔を浮かべた青年について一つ気になることがあるとすれば、先ほどから白い息を吐いては居ないことだろうか?】
【寒さを訴えていないことは重装備をしていることで納得できるかもしれないが……】

それで六罪王が一人、“ザ・ボードビル・デュオ”―――だっけ?
なんか舞台監督が夢でいたずらや冒険が大好きな男の子!!って名前してるね?
いたずらや冒険はともかく……舞台監督は実際にやってそうだね、うん

【六罪王―――その存在がどういったものであるかの知識は彼にもあるが男の名前を聞いたことはない】
【おそらく新参者なのだろうが―――厄介なのはその実力の未知数な処である】
【狂死郎のバトルスタイルは“ブレイン&タクティクス”、そのためには相手の情報が不可欠】
【狂死郎は冗談を飛ばしながら、少しでも男の情報を引き出そうとするが―――】

(ま、そう簡単に情報出してはくれないでしょ―――此方から仕掛けてみるかな)
(“保険”は既に掛けているし、“切札”も既に構築済み―――有効かどうかは相手しだいだけどね)

嗚呼、僕のことかい?そうだね―――僕の名前は玉藻狂死郎、職業は悪魔召喚師、かな?
まあお互い自己紹介はそのくらいにして―――始めちゃおうか?

【そう言うと狂死郎は一歩下がり、代わりにウルフェンが一歩進んで狂死郎の前に立つ】
【ウルフェンは足を開いて何やら拳法の構えを取り、背後の狂死郎はコートのポケットの中に両腕を突っ込んだ】
【闘争本能を剥き出しにしているウルフェンに対して、きわめて冷静に男を観察している狂死郎】
【対照的な行動を取る二人だが、頭脳担当と肉体担当にきっちり分かれているのは理想的だろうか?】

ウルフェン君、波動弾だ!!

『ウラッシャァ!!吹き飛べェ!!』

【ポケットに両腕を突っ込んだまま命令する狂死郎の命令に答え、ウルフェンは素早く両腕に“気”を溜めていく】
【両腕を合わせ、気の放つ光がサッカーボール大の大きさになった瞬間、両腕を突き出して“波動弾”を放つ!!】
【放たれた“波動弾”は光の線を描いて相対する男に向かって飛翔していく―――速度はそこそこ、と言ったところか?】
【命中すれば魔族の力で思いっきりぶん殴られた程度の威力があるこの技は当然無視出来はしない】
【そして“波動弾”を放った直後にウルフェンは素早く男に向かって走りより、狂死郎はその場で笑顔のまま“観察”を続けている】
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/02(日) 20:10:16.77 ID:kHG2Pa+Wo
>>691

【―――まるで世界の果てか。視界を埋め尽くすコンクリートの隙間を縫って、白い糸が地面へと降り注いでいく。】
【雪は何時もそうだ。振り始めだけとてもとても幻想的で――そしていつの間にか勢いが増せば、見たくも無くなる。】
【だが――どうやらそんな美しい光景の中に一点だけ、滲む様な何かが侵入してきたようだ。】
【積もっていく白の中にゆっくりと、影を降ろした"魔"の瘴気がより一層―――濃く、深く、なっていく。】
【残念ながらこのセリーナ・ザ・"キッド"に魔を感じる事は出来ない。どこまで行っても彼女は人間である、凄腕と呼ばれようがなんだろうが――】
【ガンマンはガンマンでしかない。悪魔の放つそれも、自身の武器が放つ其れも嗅ぎ付けるのも嗅ぎ分けるのも不可能であった、のだが――――】

【静寂を遮る、ブーツの音に続いて響くのは―――ゴウ、という重たい銃撃音。】
【衣擦れの音――彼女が纏ったローブを投げ、捨て去り、ガンベルトへと手を伸ばし、"相棒"――"魔銃"を手にしたその音すらも】
【まるで残像のように、"弾丸が宙へと吐き出された"、後から響く。其れほどまでに速い、余りにも隙のない初手――ファスト・ドロウが放たれる。】
【ブーツが雪を踏みしめた小さな音か。若しくは、それよりも先に何か――セリーナの鈍い"センス"ですらも嗅ぎつけてしまうほどの】
【濃い"何か"――そう、例えば悪意など―――そんな物を頼りに、彼女は圧倒的な速度で左手をスライド。】
【右手はローブを吹き飛ばす勢いで"魔銃"へとかけられ、ガン・ベルトがはち切れる勢いで其れを引き抜く――と同時にファニング】
【ハンマー<激鉄>が恐ろしいまでの勢いで叩き起こされ、ほぼそれと変わらぬ頃第一のトリガー<引き金>が引かれた。】
【火薬が炸裂し、弾丸がバレルをライフリングで回転しながら通過する際――鉛で出来た身体を捨て、悪魔の力を身に灯し、憎き仇敵の前へと躍り出た。】
【弾頭は"魔銃"の力の影響で"紫色"の魔力弾へと変化し、現れた悪意の方向へと突き進み、襲い掛かるだろう。】

【魔銃―――"弾"末魔が吠える。血を欲して。同属でありながら同属ではない、巨大な魔の眷属の血を―――欲して。】

――悪いね。基本的に気に入らないヤツでも笑顔で挨拶するよう教え込まれたもんだけど――
アタシみたいな能天気な女でも分かるよ、"挨拶よりも前に撃たなきゃならない相手だ"――ってね。

【つまりは、届くとも効くとも思っていない、最初の一手。まさに挨拶代わりの一撃――全力で叩き込んでいるのは本当だが。】
【セリーナはテンガロンハットの奥、何時もであれば柔らかな輝きを灯すその瞳の奥に、ハッキリとした怒りを浮かべて――悪魔の姿を、捉えた。】

嬉しい話だね、アタシもアンタとあってからは、アンタのことばっかり考えてたよ。
でもアタシとアンタで違うのは、アタシは別に方法なんてどうでも良いって事さ――アンタが地獄へ叩き込まれる姿を拝めるためなら
アタシが悪魔になってやっても良い、How<どうやって>なんて知った事じゃないんだ、悪魔さん。

ところでそっちの姿だけど――記憶の隅に残ってたあの感じと、まさに一致するもんだから驚いたよ。

"ああ、確かにあの時無様にブッ飛ばされて出てきた下品な女と寸分違わぬ汚らしさだな"―――ってさ。

【――そして、最期の問いかけに対して言えば。もはや、答えるのも馬鹿馬鹿しいと言わんばかりに――セリーナは銃を構え。】

"認めている"―――だって?アタシの力を?お笑いだよそれは。本当に認めてんなら"降参してくれ"なんて――そんな。
そんな上から目線の言葉が出てくるはずが無い。いいかい、いいかい悪魔。尖った耳でよく聞きな。

/続きます!
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/02(日) 20:10:29.43 ID:kHG2Pa+Wo
>>691



―――アタシ一人で十分なんだよ、降参するのは"アンタ"の方さ、娼婦紛いのデーモン娘。

アンタは倒す。アタシが必ず。何をされようが、何を失おうが―――全部取り戻して、その上で勝つ。
調子にのってられるのも今のうちだけだよ。本気でお互い「バカ」じゃないなら―――逃げる事だね。

―――尻尾を巻いて逃げ失せろ。銃弾はどこからでも――どこからでも、お前を追い詰めるぞ。
これが勝負だと思うなよ。これは―――アタシのお前への、"AVenge"<復讐代行>だ。

【点に翳した"弾"末魔―――放たれる銃弾、初手が潰れようと当たろうと、もはや知った事ではない。】
【そんな一撃如きで倒れる相手ではないのだから、そんな弱い相手ではないのだから、分かっている――勝てる見込みがないことなど。】
【しかしそれでも尚、セリーナは瞳を炎に焦がし――睨みつけるのをやめない。引き金を引くのをやめない。】
【勝たなければいけないから。勝ちたいと思うから。この数ヶ月、ずっと頭の奥で引っかかっていた全てを呑み込み、今――開戦。】

          ―――――――騎士怪醒<ティターン・アーマー>!!

【放たれた弾丸、展開される召還陣、装着される装甲―――もはやそこにセリーナはいない。】
【いるのはただ一人――絶望的な戦力差を覆そうと、決死の覚悟に望んだ戦士だけだ。】
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 20:16:20.07 ID:ZgOiRlpXo
>>698

【男はザクザクザクザク、地面を撫でる雪に寒さを覚えながら歩いていた。】
【腰のベルトに括りつけてあったウイスキー入りのスキットル。そいつを途中で飲みながら。】

【本来ならばヘビースモーカーの彼は煙草を吸いたいところだけれど】
【こんな風と雪じゃ、火をつけるのもままならないし、湿気ってしまって長くすえない。】
【ウイスキーの喉の焼けるアルコールで何とか誤魔化して歩き続けた。】

【しばらく歩いていると、ボンヤリと照明に浮かび上がる人影が見える。】
【ここはコンビナート。張り出した金属パイプが大小走り、それに巻き付くように】
【足場や階段やハシゴが幾つもある。戦闘になれば遮蔽物も多い。】

【男の目指す先はこの先にある『送電室』であった。】
【そこを潰せば纏めて電源をやれる。最小で最大の効果が生まれると予測したからだ。】
【だから、目の前の人物を避けては行くのは難しい。第一、見られてしまってからだからもう遅い】

……俺はカノッサじゃない……で、雇われた人間なのは一緒だな

【白目は朱に瞳は黒黒としている。片手にアタッシェケース、片手にスキットル】
【器用に片手でフタを締めながら、しゃがれた若い男の声が言う】

でも、まあ……アンタとは雇い主が違うと思うな……状況的に見れば……

【ベルトにスキットルを仕舞いながらそう言う。風でたなびくコートで見えないだろうが】
【そっと、近くにある拳銃のグリップを握った。流れるような自然な動作でそれを抜いて…】

よく分かんないけどさ……さあ。ぶっ殺してみろよ…………そのためにこんな糞寒い所に居るんだろう?

【ニィっと癖のない笑顔を見せる。まるでパブでジョークを言ったような。そんな顔つきだ】
【右手に銀色の金属のリボルバーを握っている。その銃口は自らのこめかみにつきつけている。】

【スーサイドジョーク。彼は今そう命名した。】
【そんな彼の周りに張り詰めたその状況は異様だろう。ただ風の冷たさは変わらない。】
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage sega]:2013/06/02(日) 20:17:30.99 ID:SU1Ve9440
>>699

【少年は守護人。少年の任務はここを守る事であって、決して悪戯に破壊する事では無い】
【しかしその少年の行動を責める資格を持つ人物は、この世に存在しない。そのワンシーンを知る者なら、尚更】
【恐らく、少年の属する組織の頭でさえ、「良くぞ避けた」と褒め称えてくれる事だろう】

【しかしその施設には、仕方が無いにせよ、守ってくれる物が無かった】
【マインドによる一撃。そのたった一撃による瞬間に、特大の異音が周囲を取り囲む】
【それは即ち、守るべき施設が無残にも破壊によって殺害された事による、断末魔に違いは無い】 

何だかんだと聞かれたら、答えてやるのが世の情け……っと……

【破壊に伴って巻き上がった砂埃……いや、ここではこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいと呼ぶのが相応しいのか】
【巻き上がるこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいの中から、先のキグルミの人物と思わしき声が木霊する。声変わりも当の前に終った、低い声】

【その時、一陣の風が吹き荒ぶ。唐突に訪れたそれは、少年とキグルミの姿を隠していたこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいを吹き飛ばしてしまって、】
【だがどういう事だろうか、風はそれ以上吹く事は無かった。こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいの中から現れたのは、腕を組んで仁王立ちするキグルミと、手を広げて浮翌遊するマインド】
【風圧。だろうか。マインドを扇にでもしたのだろうか……】

カノッサ機関所属。コードネーム「トラネコ」。布告の通り、この施設を破壊しにきた
これもお仕事なんでな。恨まないでくれよォー?

【トラネコと名乗ったそのキグルミは、仁王立ちの体勢のまま左手を小さく動かす】
【それに従って、くず星と呼ばれたマインド、"スクラップ・スター"が握り拳を作り、トラネコの側に浮翌遊する】

おいガキンチョ。名前と所属を教えな
報告書に書かなきゃいけねェんだ。わかってくれるよなァ?

【異質で異常。まさしく全体像を掴めないカノッサ機関を現す様な人物が、今ここにいた】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 20:34:25.66 ID:+FVIBQk6o
>>693
【凍て付くような寒さ、全てを閉ざす雪と氷の世界】
【冷たく静かで、恐ろしい国───それが彼等の産まれた場所】
【仮にも故郷である国を襲撃されていて、彼等は国を守るとも限らない、善悪の別幕無しに】

───何と言いましたか…カノッサの方、見事な演説で…まあ聞いていませんでしたけど
ただのテロリストとやる事は変わらないというのに、まるで大義名分があるかのような演説…私なら恥ずかしくてとてもできませんわ

【───雪の中、ミストドラゴンの目の前から現れた彼女は、自らが付いている方であるカノッサの…それもこの事件の首謀者の陰口を堂々と叩きながら、姿を見せた】

【赤いチェック模様のワンピース、袖とフードにファーのついた白いコートを着て、ブーツを履いた150cm半ばの体躯】
【赤紫色をした眼、ボブカットの銀髪、冷めた表情の少女だ】
【ハンドガードの付いた鉈の鞘を背中に交差させて背負い、その柄の影は長い耳の様にも見える】

…あぁ、これを聞かれてしまっては報酬を打ち切られかねませんわね
か弱い乙女を救うと思って、どうかこの事は後内密に…正義の味方≠ウん?

【ミストドラゴンの前に、再び姿を見せたその女───茶化すような一言と共に、右手人差し指を唇に当て、『シィー』とウィンク】
【その手を降ろせば、茶色の手袋を取り出し、両手に嵌め出して】

『御託は要らない』という顔ね、私もそうですわ
正義や悪なんて語るのも馬鹿らしいもの、さぁ始めましょう?

【スラリ、スラリ、二本の鉈を引き抜いて、澄まして立てば、硬直】
【静かに息を整える、一呼吸、二呼吸───すぅ、と三度息を吸う】

【刹那、女は一気にミストドラゴンに詰め寄り距離を縮めていく、右腕を閉じ、走りながら鉈を平行に並べて構える】
【狙いは二刀流による二連続の薙ぎ払い攻撃、飛び上がり飛び込みながら先手を打った】

/遅れて申し訳ありません、プラチナです
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/02(日) 20:36:11.33 ID:s6hGSkJKo
>>705

――うわ。ひどいな、それ。

【いくら重いとは言っても、一撃で施設を破壊できる能力は恐ろしい。まともに受けていれば、少年は一撃でミンチになっていただろう】

【壊されてしまった物は、諦めよう。これ以上壊されないように、奇怪なきぐるみを止めることを優先しよう】
【そんなことを考えながら、少年はガードを解き、ファイティングポーズをとる】

カノッサ機関の、「トラネコ」。覚えた。
オレは、"UNITED TRIGGER"の、フォンチュン。
何を考えてるのか知らないけど、オレはお前らを止める。
絶対に!

【地面を蹴り、きぐるみに向かい走る。その勢いを乗せて、翼爪を喉元に突き立てる】
【翼爪は刃物ほどではないが、割れたガラス程度の鋭さはある。きぐるみを破る程度はできるだろうか】
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/02(日) 20:39:56.15 ID:zVma+sg3o
>>701

悪魔召喚師……。あまり聞かないね。名前から察するに櫻の出身かな?
となると、悪魔召喚師、というよりかは、その実態は櫻の陰陽師か何かか。ならば、ちょっと凶暴そうな“ペット”を連れているのも、納得がいく。

【じっと狂死郎の目を見つめたまま、冷静に判断する】

(と、なると事は厄介だ。なんにせよ、この少年がこうも余裕ぶっていられるのは何か策があるからなんだろう)
(驕っているワケではないが、“六罪王”と聞いて、一切動揺しない人間は、これまで見たことはない)
(それに……、なんだ?この少年の違和感……。何か、奇妙だ)

【男は狂死郎に妙な違和感を感じていた】
【それは、オーラや雰囲気という類の違和感ではなく、“間違い探し”の様な視覚的な違和感……】
【しかし、男はそれに気付けずに居た】

ふむ、血気盛んな少年だ。まぁ良い……。

――――来たまえ。

【そうは言うものの男はその場から微動だにしない。この男も露骨に余裕を見せつけていた】

戦うのはそっちの“ペット”の方かね。まあ、そんな事は大した問題ではないよ……。
……―――― ところで、玉藻狂死郎くん。キミは……

【ウルフェンが放った“波動弾”が軌跡を描きつつ、男に向かってくるのが見える】
【そして、その奥から、追撃するように、肉薄せんとしているウルフェンも認識していた】
【だが、この男、“ザ・ボードビル・デュオ”と名乗ったその男は意外にも回避する兆しさえ見せなかった】

キミは、『神』と会ったら何を望むかね?

【波動弾の着弾まで、あとおよそ2mと言った所だろうか】
【―――― その時であった】

             ズッッ!!

【そんな音と共に、地面の中から雪を掻き分け、男の目の前に分厚い鉄板が姿を表した】
【波動弾は当然、その鉄板に阻まれるだろう。ウルフェンも流石に鉄板に激突する、と言ったことは無いだろうが、しかし、男への攻撃は妨害されるかもしれない】

……『神』。それは様々な捉え方があるがね。しかし、私が言うのは、いわゆる“創造神”の事だ。

―――― 玉藻狂死郎くん、もし、キミの目の前に居る男がその『創造神』であったとしたなら……。
キミはどうする?依然、攻撃を続けるかね。……力の差は、歴然だというのに。
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/06/02(日) 20:41:16.93 ID:1WZmnDxDo
>>704

ああ、そういうことね……ま、兎に角俺達は敵同士って事実は変わらねぇ訳か
―――なぁアンタ……俺も身体温めてぇんだ、その酒くれや

【視線を動かし、相手の外見、両手に持った物を確認すれば軽く足場を均して微笑む】
【一瞬、そのスキットルが眼が止まったようで。相手を試し、図る意味でややふざけた言葉を投げかけた】

【が―――。どうやら試されたのは此方の様だ。眼前の男が取り出した銃が向けられた先は自分ではなく、本人】
【意図の見えないその動きの中で曲者が見せる表情に、単純な寒さとは違う震えが背中に奔った。―――面倒臭い相手になる。そう思えてならなかった】
【ソフト帽の男は、ゆっくりと両ポケットの手を外気に晒す。拳銃が握られた両手は、眼前の彼とは異なり確りと銃口が相手に向いた】

……若干違うね。―――俺は捉える為に居る訳で。[ピーーー]なーんて物騒な事は嫌いでね……ま、容赦なくぶっ放すんだけど……さッッ!!

【左の銃から轟音が響く。狙いはリボルバーを握る右手首。―――直撃すれば引き金を引くことを止めることができ、自殺を止めることが出来る】
【本気で自[ピーーー]るとは思えないが、殺しや無意味な死を嫌う彼にとってはこの行動が自然であった。まさしくこの一発は、「殺さない為の一発」だった】
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/02(日) 20:50:02.04 ID:BAk5JNDlo
>>700
(あー、この青年、間違いなく女に尻を敷かれるタイプだな)

【先ほどから女性につれ回されているような青年に対して、このような印象を抱いた】
【大体こういう男は自分から告白した相手が鬼嫁化で地獄を見る事が多いのだ,,,,,,確証はない】
【心の中で青年に対してこれからの安泰を祈った......恐らく来ないだろうが】

ああ、夏の新作だよ!
サイダーアイスっつってな、炭酸を内側に閉じ込めた氷の中に
そのまま強い炭酸のサイダーを入れた奴だよ、今年の俺の自信作さ!

【「美味しい」という言葉を聞いて嬉しくない訳は無い、昂ぶる感情に抗えず解説!】
【腕をまくって、すごい勢いでアイスの構造を空に書く店主の笑顔はまさに職人のそれである】

【というのも、能力を得る前に一番食べてみたかったアイスだ】
【アイスか炭酸ジュースで悩むこの夏に両方を味わえる、美味しいというのはこの理想に共感をもらったというのも同然】

これは能力があって実現して...ん?あんた植物じゃなくて能力
研究してたのか
ああ、さっきのアレを見てたのか?まぁ、見られても悪いわけじゃあないけどさ

(あれ、誰にも見られていないからやったんだけどなー)
(久々にかっこつけると碌な事にならない)

【女性の指パッチンを見て、恥ずかしさからの赤面、頭が異様にかゆい】
【戒めとして脳裏に焼きつけ、刻んだ後】

ああ、仕組みな
特別な力というが、実際はそこまで大したもんじゃない、さっきの白い煙は
液体窒素で一気に冷やされた水蒸気さ、アイスの冷たさを維持するためにね

ここで察せられるだろうし、ここまでにしようか、ただ教えるだけじゃつまらない

【頭をかきながら、彼はまるで悪戯子を思わせるような、したり顔を浮かべると】

じゃ、問題だ―俺の能力はなんだ?
そこの青年君もだ、早くできたほうにアイスを一本サービスしてやろう
【人差し指を上に差しながら、やたらドヤ顔で決めた、まさに太っ腹と言ってほしいといわんばかりに】

(といっても安いけどね!一本15円、サービスをしても痛くならん!)

【裏を返せば大量に売らなければ儲けは確保できない、辛いものである】
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/02(日) 20:51:01.90 ID:PKpN92wQo
>>702-703

【撃ち放たれた魔弾は、決して空疎な何処か――例えば雪の結晶だとか】
【そういった物に届くでもなく。ただ正確に、半魔の顔面を左半分ばかり吹き飛ばした】
【頬の肉が飛んだことによって、歯が見える。その歯列ですら、奥歯が存在しない】
【左目も、頬骨も、全て飛んだ―――だが、分かる。認識できる表情は―――】

 ひゃってふれるねぇ……ひぇりーな…――。  
   (やってくれるねぇ……セリーナ…―――。)

【――笑顔。どうしてかといえば、それは自身の力に絶対の自信が有るからに他ならない】

【吹き飛んだ顔面が、肉片が、全て聖≠フ属性で作り上げられた『焔』に変わっていく】
【次第しだいに全てが聖焔に変化すれば、後は集って、肉体を構成し直すだけ】
【気付けばリリアは帽子を落としこそしたが、ニヤリと笑って――相手を馬鹿にして、立っていて】

……言ってくれるねぇ、流石は正義の旗頭サマは言うことが違うよ
で、どうやって℃р降参させる?銃で撃つ?十字架?牧師様かな?

なんならキミが聖書を持ってくるまで待ってもいいけど、さぁ
白い焔=c…まさか、ただ色が違うだけのモノとは如何に鈍感なキミでも思わない。
折角だから教えてあげるよ。私ね、他人の魔力をコピーする事ができるの
そしてそれがどれだけ少量でも、肉体を完全な状態にまで複製することが出来る。

今みたいに、その魔力ごと吹き飛ばせば……100をゼロにするまで削りきれば
私自身、どうなるかは分からない。でも、キミたち人間とは魔力1つでも元の値がケタ違いなのさ

【『理解してもらえないかなぁ』とボヤきながら、毛皮のファーに付いた血液を払い落とす】
【頭部、髪の間からは捻くれた二本の角が伸び。そして手には、黒黒とした三叉槍】
【名はレーヴァテイン――溶岩石を固めたようなそれを、気持ち1つで変形させる】

でさぁ、なんだっけ?キミの銃弾が私をどこまでも追い詰めて、復讐するぅ?
しかもご丁寧に『逃げろ』だなんて提言までしてくれて、どこまでも優しいんだねぇ…――。

【――それは、ガントレット。両手腕の肘先が黒く、巨大に。そして指先はそれぞれがナイフのようになり】
【まさしく娼婦がするかのように、ソレでコートの前をつぅ、となぞれば――】
【重たげに毛皮が落ちると共に、白磁の如き素肌と、男性を虜にするためだけの肉体が曝け出され】

【同時にふわり、と翼が開く。尻尾も伸びて、コレでようやく魔族らしい格好になった】
【相も変わらず際どい位置だけを保護する衣装は、果たして衣装≠ニ呼ぶ価値が有るかも分からないが――】

……―私は、私の目的を達する為の障害となるものは何であろうと排除する。
それが機関のNo.2でも、古の龍でも、或いは魔界の王侯貴族だろうが
そしてキミだろうが変わらない……気まぐれにでも、もう警告なんてしないよ、キミにはね。

―――――それじゃ死のうか、セリーナ・ザ・キッド―――っ!

【口調はまるで、こみ上げる感情を必死に抑えて無理に冷静を装うかのようなモノ】
【怒りか、笑いか。感情が何だったかなんて、これからの戦いには関係なかろう――】

【―――言葉の調子とは打って変わって、リリアは凄まじい勢いで前進を始めた】
【魔術で身を浮かし、翼を羽撃かせて前方に全力で進み、両手のレーヴァテイン=ガントレットに魔力を注ぐ】
【すると発生するのは白炎である。接近――拳が届く距離まで行けば】
【リリアは件の焔を纏った右腕を突き出して、尋常ではないパワーを鎧の上からセリーナに叩きこもうとするだろう】
【狙いなどない。当たればそれだけで良いのだというような、とにかく力押しの一撃】

【更には、追撃がある。初撃が当たろうが当たらなかろうが、拳に蓄積された焔が爆ぜて】
【鎧の彼女ごと、それこそ中距離程度からであっても丸焼きにしようと、獄炎の如く相手を飲もうとするのだ】
【無論、威力は言うまでもない。理不尽なまでの攻撃力、悪意――それはただ、セリーナ一人を消す≠スめのものであった】


  【―――それから、これは戦闘とは全く関係無いし、読み飛ばしてもいい共通事項≠セが】
  【今居るこの家屋より暫くの位置に、就労者用の古びた教会が在った。ただ、それだけである――が…――。】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 20:58:14.71 ID:ZgOiRlpXo
>>709

【男は銃口をこめかみにつけたまま、笑っていたが】
【眼前の男が拳銃を取り出したら、その悠長な態度は豹変する。】

【すぐさまアタッシェケースを横の物陰へと薄く凍った地面を滑らせ】
【自らの身体もそちらに向かうようにローリング。拳銃を構えながらコートを翻して前転する】
【立ち膝の状態から、すぐに立ち上がってリカバリー。垂直に伸びた金属パイプの束を背につけて半身を隠す】

【右手に持った白銀のリボルバーの撃鉄を起こす。銃身に薄く入っていたエングレーブの紋様が淡く朱に色づく】
【まるでそれは血管のように、赤に染まって。シリンダはチキチキと勝手に一回転した。】

ソイツは同感だな……俺も、生憎、人をブチ抜いた事が無いんだよ
人殺しってのは良くないことだから……きっと、最初は俺になりそうだ

【物陰に隠れながら、男は同じ調子で言った。】
【向こうが撃ってくるのを待っていたかのような…慣れた動きであっただろうか】

人類の危機なんだろ?俺を殺さないと危ないんなら……狙いは正確にすべきだと……思うな
俺が死ねば平和が来るなら……さ

【男は物陰から手を出して、拳銃をやたらめったら三発撃ち鳴らした】
【その場にいても当たることはないだろう】

【乾いたような発射音と、何かにブチあたった音が連続で聞こえるだけだ】
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/06/02(日) 20:59:03.68 ID:SU1Ve9440
>>707

"ひどい"だァ?馬鹿言うなよ、"スゴイ"の間違いだろうがよォー
こういう時は素直に褒め言葉を使うべきだと思うがなァ?

【"ひどい"という言葉に僅かな嫌悪感を示しつつ、ファイティングポーズをとる少年に合わせて自分も腕組みを解く】
【以前として"スクラップ・スター"は側に浮遊したままだが、決して無為に静止している訳では無い。直ぐにでも動かせる状態にある】

ほー、これはラッキーだ。まさかUTの連中とお目にかかれるとはなァ
フォンチュン、ねえ?幸運が付いて回ってそうな名前してるが、どっちかって言うと女神ってか男神だな
しっかしUTってのは存外ブラックなのかァ?見たところお前受験勉強に追われるくらいの歳だろ?違うか?

止めれるものなら止めてみろよ。止まってやらないがなァー
……治安維持に貢献してくれるのは大変ありがてえけどよォ……俺たちに噛み付いてくるなら容赦はしねえぜェ?

【何とも軽口と無駄口の多い男だ。正義の焔を滾らせる少年、フォンチュンの意志を、まるでありふれた言葉を聞く様に聞く】
【だが、翼爪が喉を食い破らんと迫るその攻撃。それに呼応する様に、トラネコの纏う戦意が変容する】
【破壊の意思から、排除の意思へと変容するのが、明らかに分かる様で】

【トラネコはその攻撃を避ける事も防ぐ事もせず、右手の手のひらで受けてみせた】
【鋭い翼爪が手を貫き、風穴を開ける。だがそれでは当然終らない。トラネコはその右手で翼爪を掴む事でフォンチュンを拘束する事を試みるだろう】

【そして、それとほぼ同時。トラネコの左手が再度指示を飛ばす】
【もう皆まで言う事は無い。側に浮遊していた鉄くずのマインドが拳を作り、拘束の正否に関わらず、フォンチュンの右側面から殴りかかるだろう】
【スピードはそう速くはない。拘束をされていなければ翻すことは簡単。だが、一撃は重い。遅いとは言え、質量の暴力は未だ健在だ】
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/02(日) 21:20:00.08 ID:KR8Yhu8p0
【山の麓――――岩々に囲まれた場所にある、一つの秘湯】
【語り広められる事も無い其処は、訪れる者も少なくて】
【――そんな場であっても、今宵は入浴者が居るのか、時折響く水の音】


「ふぅ……今日も、何とか……なりました……けど……
やっぱり……お姉ちゃんは見つからず、ですね……」

【綺麗に畳まれた巫女の服が、一つの岩の上に置かれていて】
【其れを見れば、現在入浴している者の性別は疎か、職業も知れる事だろう】
【湯煙故に身体は見えないけれど――――落胆したような顔。そして金色の尾と尻尾が見れるだろうか】


「折角、今日一日だけ許された外出……守女も居ない事ですし、ヒトガタで無く自分で見つけたかったのですが……
何処に……居るんでしょう……」

【ぶくぶくと沈ませていく顔。その表情は、何処か不安げで】
【そのまま、チャポンと頭のてっぺんまで沈めてしまうけれど】
【ふんわりとした尻尾が、ゆらゆら揺れて、水面から出された耳が動いている所を見れば警戒を怠っていない事が分かるであろう】
【辺りに漂うのは妖気。即ち妖狐の気だけれど、それに惹かれる者は居るのだろうか】



【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【その一角――――入口付近に備えられた食堂。その扉の前で喚く人物が一人】


「む……な、何故私は駄目なのです!
確かにお金は持っていませんですが、飢えた人々への施しもあなた達の使命な筈なのです!」

【真っ白な服。患者が纏う其れを身につけて、車椅子に乗った少女がギャーギャーと喚き立てている事だろう】
【額には一角獣染みた角が生えてはいるけれど、それ以外は至って普通の人間】
【――――“交じり者”の気配を覗けばだけど】


「大体にしてです!何なのですこの店のハンバーグは!
ハンバーグと言うのはもっとジューシィーであるべきが……あ、まだお説教は終わって――――
こら、勝手に押すなです!も、戻せですよ!」

【笑顔ではあるけれど、しっかりと青筋を立てた看護師達】
【後ろに立てばカラカラと車椅子を押して、やがては待合室で車輪を固定されてしまうのだろう】
【――――やっぱり猛犬の様にガミガミと噛み付くけれど、最早聞く耳持たず】
【ふて腐れたように頬をぶぅと膨らましていたけれど――――】
【さて、近くを通りかかった者には「おい、お前。お前です」なんてやけに偉そうな少女の言葉が浴びせられるか】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/06/02(日) 21:22:49.25 ID:mKzSeBP00
>>706

『また』会えたね……ふふ、俺は予言者でもあるらしい。
ああ、君は此処で死ぬから報酬とかは無い…………とおもうよ俺はね。

【愉悦。】

【或いは、『カノッサ』でない事がその愉悦の所以か?】
【・・・『殺せるから』か? 何にせよ、『御託』は不要。その言葉は『デカい独り言』】

【二刀流の山刀、つまり鉈を構える。奇しくも、同じ武器だ。】

良いよ・・・良い『思い切り』だね。悪かない。殺せるよ。

でも。残念・・・

【何処か恍惚とした様子。高速接近する貴女と、目が合った。】
【虚な瞳に、『意思』の光が灯った。『殺意』に他ならない。光にしては、闇すぎた。】

【前に踏み込みながら、山刀を振るう。縦に、上から下に、切り落とすように。】

【背丈の差は即ち、リーチの差でもある。少なくとも、既知の人間界では。】
【詰まる所、斬られる前に斬ろうと言う考え。乱暴だ。殺意しかない。】

あはァーー……あの世へウェルカム、お嬢さん。……なんてね。

【迷いは無い。殺す為の刃。】
【だがーーミストドラゴンの脳裏には、『決まらない』という確信めいた物も、ある。】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/02(日) 21:23:11.53 ID:83YzSrSwo
>>710

「(急にスイッチが入ったなこの人……そのへん先輩と似てるな)」

【アイスを褒めると、途端に勢いよく解説をする店主】
【その姿に、よほど自分のアイスに自信と誇りを持っているのだろうと青年は考え】

やはりアイスも能力が関係していましたか!

【店主が能力者だと確信し、突然テンションをあげる女性と見比べていた】
【一方の女性は、顎に手を当てて店主に出された問題について考える】

うーん、貴方はどう思います?

「俺ですか?やっぱり『物を冷やす能力』とかっすかね……?」

【青年は特に考えもなく見たままの予想をする】

まあ普通に考えたらそのあたりでしょうけど……
わざわざ問題を出してくるということは、単純な能力じゃないような気もします

炭酸入りジュース、液体窒素……
共通する分子構造は……
箱の中のような密閉空間で窒素が気化すると酸素が……

「ちょっと先輩、考えすぎじゃないですか!?そんな高レべルな問題出しますかね!?」

【ぶつぶつと独り言を始めた女性。かなり目がすわっている】
【青年は慌てながら、店主に話しかける】

「降参っす!降参!この人能力のことになると周りが見えなくなっちゃうんで!」




717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/02(日) 21:23:53.74 ID:s6hGSkJKo
>>713

まだ、新入りだけどね。
心配はいらない。
オレは人間じゃないから。そういうのは関係ない。


【振るった翼爪がきぐるみの手を貫く。中に誰かがいるなら肉を裂く感覚があるはずだが、それらしいものは感じない】

――危ねっ!

【違和感を感じている間に、きぐるみの手に力が入る。急いで翼を翻すが、わずかに遅れ、翼爪に皹が入る】

【そして迫りくる巨大な拳。少年の身体が吹き飛ばされる】
【しかし同時に、妙な手ごたえを感じるだろう。「軽い」のだ】

【種を明かすと、少年は拳が当たる直前に左へ飛びのいたのだ。派手に吹っ飛ぶが、威力は半減以下と言ってもいいかもしれない】
【空中で姿勢を整え、まっすぐに着地する】

……その左手、怪しいな。
潰させてもらうよ!

【再び地を蹴り、トラネコに迫る。しかしまっすぐに攻撃は仕掛けず、数m離れたところで跳躍し、トラネコの左手側に着地する】
【すかさずトラネコの左腕を掴みにかかる。つかめたなら、その腕をひねり、肘の関節を逆向きに曲げようとするだろう】
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/02(日) 21:25:31.47 ID:W2363kPW0
>>708

『突然鉄板が!?でもこんなもん―――破ァ!!』

よくやったウルフェン君!!でもちょっと“待て”だよ!!

【男に向かって迫り来る“波動弾”は突如出現した分厚い鉄板に阻まれる―――だが、“タダ”では消滅しない】
【命中した瞬間、轟音と共に炸裂して鉄板に大きなヒビを入れ―――後から迫り来るウルフェンが“気”を込めた渾身の一撃を叩き込む!!】
【鉄板に入ったヒビはクレバスのように裂けて粉々に砕け散った……しかし、ウルフェンが追撃を仕掛ける様子は見えない】
【その間にも密かに、“気”を溜め込んでいることに男は気が付くだろうか?】

≪創造神≫―――!?ハハハッ!!面白いこと言うねぇ君ィ!!
いけないなぁ、そういう冗談は―――僕以外の人に言ったほうがいいと思うよ?

【男の言い分が酷く滑稽だったのか―――狂死郎はポケットに両腕を突っ込んだまま腹を抱えたかのように大笑いする】
【しばらく大笑いした後、狂死郎は突然真顔になると―――】

そういう大口叩く奴とは何度も殺しあったし―――実際、大口叩くだけの実力を持った奴も大勢居たさ
でも僕はそういう奴らと戦って、今もこうして“生きてる”……絶望?そんなものしすぎてもう飽きてきたよ
“六罪王”だとか“創造神”だとか名乗って人をビビらせるのは他の人にやった方がいい……
だってさぁ、“六罪王”だろうが“創造神”だろうが――――


                 生きてるんだったら殺せるだろうがァ!!!


【相手の能力の一端はよく分かった―――これからは自分が“勝利”を構築していく番】
【そう確信した狂死郎は暴力的な言葉で“吼えて”豹変し―――ポケットの中に突っ込んだ右腕をゆっくりと引き抜いていく】
【その右手の人差し指は人間の物とは思えないほど黒く変色していた―――】

伏兵ちゃん、ウルフェン君!!今だ、殺れぇ!!

(一工程≪シングル・アクション≫―――ガンド撃ち!!)

【その黒く変色した右手の人差し指で男を指差し、狂死郎は男に伏兵の存在を示唆する】
【―――しかし、それは真っ赤な“嘘”……男が背後を見ても上を見ても下を見ても何処にも“伏兵”など存在はしない】
【その代わりと言うべきだろうか?黒く変色した狂死郎の人差し指から拳銃弾ほどの大きさの黒い魔弾が男に向けて発射される】
【“呪いの塊”であるソレは銃弾を上回る速度で発射されるが、命中しても体を傷つけるわけではない―――ただ、少し体調が崩れるだけである】
【しかし、魔弾が命中如何に関わらず伏兵の“ハッタリ”との相乗効果で多少は隙が生まれるはず―――それを逃す手はない】

『ウオオオオオォォォォォ!!!真・波動弾!!』

【青年が男を指差した瞬間、ウルフェンは溜め込んでいた“気”を一気に両手に集中する―――瞬く間に先ほどと同じ大きさの“波動弾”が出来上がった】
【そしてそのまま両腕を男に向かって突き出し―――二発の“波動弾”を同時に男に向かって解き放つ!!】
【威力はお墨付き―――防御や回避が間に合わなければ再起不能に追い込むことも十分に考えられる威力だろう】
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/02(日) 21:29:07.46 ID:1WZmnDxDo
>>712

……俺の狙いはいつだって正確さ。殺さなくても危機は防げる……そう思ってる故の行動ってワケ
今日俺が最低限すべき事は此処を守る事……プラスアルファが、敵さんを捕まえる事

―――殺すんじゃない。捕まえるんだ。
アンタはカノッサに協力した。だから捕まえる……そんだけだよ。
それが平和への第一歩さ―――!!

【『Nonkilling』の思想を抱く彼故に、心臓目掛けて引き金を引くことは無い】
【「不殺」を貫くことで覆うリスクも勿論あり、戦闘でもその信条が脚を引っ張ることは何時ものことだ。なんせ勝手に制約を定めているのだから】
【しかし、そのリスクを背負っても―――この思想は曲げないと自身に誓った。決して曲がることの無い信念、それが「不殺」なのだ】

……っと、どうしたァ!? んな牽制は効かねぇよ―――!!

【轟音が3発響くも、其れに萎縮する様子も無い。同じガンマン故に、当てる気が無いモノだと解ったから】
【コレが意図的でなければ、銃の扱いでは此方が優ると読む。然しながら、先程の動き―――明らかに機動力では、あちらに軍配が上がっている】
【ブーツで隠れているが、彼の右足首はまさにガラス。強い運動に耐え切れず、縦横無尽に駆け巡ることなど不可能なのだ】

(……視界も足元も悪い……で、同じガンマン。―――……変に長引くのは困る……じゃ、仕掛けますか)

―――っらぁッ!!

【左の青い拳銃から轟音が響く。発射された銃弾は青く輝いており―――向かった先は、雪に覆われた床、彼の正面やや手前】
【雪に埋まり下のコンクリートと衝突した瞬間、其処から天へと伸びる氷柱が現れる。高さ約5m、横は約1.5m。厚さもなかなか有り、壁にもなる】

(雪のフィールドでコイツを放てば、何時もより強力な氷柱が生まれる……!! 何時もより強力なコイツを中心に立ち回れば、問題はない……!!)

【生まれた氷柱に隠れながら、此方も手を出して右手の赤い銃から弾丸を放つ。この一発はあくまで牽制。彼の足元に向けられたモノだ】
【氷柱を前方に打ち出し、壁を作りながらの接近を繰り返すことで距離を近づけてペースを握る。この作戦で、相手を圧倒しようと企んでいた】
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/02(日) 21:32:50.24 ID:kHG2Pa+Wo
>>711

【召還陣が頭上で展開され、そのままセリーナの身体をすり抜けていく。】
【足元まで透過されたそれが消えると――セリーナはセリーナで、なくなっていた。】
【召還された武装は"魔導鎧"――魔力を人造的に生み出す魔道エンジンを背に積んだ、悪魔製の"自動装着アーマー"】
【太古の巨人族、強固な皮膚を持つ「タイタン」をモチーフとして精製された強固な外骨格に全身を包まれたセリーナは】
【見た目には、まさに"人造の悪魔"――機械と、悪魔とを融合させたかのような不気味なシルエットと化す。】
【しかし"ソレ"は紛れもなく、ただの人間であり能力者ではないセリーナを"戦士"の次元へと昇格させる為の"武器"で】
【関節部分に、魔力が流れていく音が木霊する――魔道エンジンの駆動音が全身を駆け巡る。】
【装着された事で使用者のパワー・防御力を大きく上昇させるその鎧――外見こそ生物的なフォルムを持っているものの】
【魔力によって駆動するこの鎧はまさに、特殊な動力を有するとはいえ一種のパワード・スーツと呼べるだろう。】
【――尚、彼女が頭部に被っているテンガロン・ハットの影響で装着後の鎧にもその「形状」がきちんと反映されている辺りが】
【いかにも単純な"メカニック"――機構を有するものでなく、悪魔の技術で造られた"魔導機械"である事を伺わせる。】


――――・・・ッ・・・。

(命中した――いや、アタシの初手は確かに精確だった、こんなにキレてる一撃はそうは、撃てないってくらいに。)
(問題は"そこ"じゃない――・・・命中したのにちっとも効いちゃいなさそうに見える、って処だ・・・まったく。)

【命中した――自分でも驚いてしまうほどに精確に、顔面を吹き飛ばした紫の魔弾。しかし――かの半魔が纏いし闇はその破壊を更に、上回る。】
【邪悪なる魂に宿す、どこから沸いて出たのか聖なる炎――紅くは無い、その身を焦がすは白色の陽炎――なるほど、"強い"。】
【単純な体力・戦闘力の比較ですらセリーナは圧倒的に劣るというのに、まさか銃弾を届かせた所で回復手段まで持ちえるとは――】
【鎧の奥、様々な情報が魔界言語で処狭しと並んだヘッド・ディスプレイに表示される"警告"のメッセージ――DANGER、画面が赤く染まった。】
【相手を捕らえたレティクルに表記されている魔力の数値はもはや測定は不能であり――セリーナは口元を歪ませた。】

(――――笑えるくらいに絶望的じゃないかい。)

・・・牧師ね、頼れる事ならそれも良いかもしれないけど。多分そこいらの神父様じゃアンタの罪は多すぎて聞いてるうちにぽっくりイッちまうさ。
だから懺悔ならアタシにしな。言っただろう?十字架でも聖書でも聖水でもない。エクソシストはここにはいないんだ、"リリア"。

―――目の前にいるのはガンマンだよ?銃弾以外に何か見えるッてんなら―――もっともっと、ブリット<弾丸>をブチ込んでやるッ!!

【――警告音がディスプレイの中に鳴り響く。急激な魔力の上昇、レティクルが歪み――彼女の握った"其れ"が、変わったその時。】
【二発を撃ち終えた"弾"末魔を更に真横へと発砲、現れた召還陣の中に手を突っ込み―――再びの召還ッ!!】


/続きます
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/02(日) 21:33:06.20 ID:kHG2Pa+Wo
>>711

                ―――番犬吠々<ケルベロス・マグナム>ッ!!

【召還陣から取り出されたそれは――銃、のような"何か"――否、そうとしか形容できない程の巨大な、銃器。】
【拳銃と思わしき形状、しかしそれでもグリップは驚くほど大きく、なおかつ中心のシリンダーは通常のリボルバー拳銃とは】
【比較にならないほどに巨大で、そして独特の存在感を放ち―――なにより、このバケモノじみた拳銃の最大の特徴は】
【銃身――シリンダーから敵へめがけ真っ直ぐに伸びたそれが三つ、"三連装"に連なっている事だ。】
【水平ニ連装のショットガンの上部に、もう一本の銃身を継ぎ足したかのような"歪"過ぎるフォルム――】
【銃身にはレリーフとして、地獄の番犬を司って精製された事を伺わせるケルベロスが描かれている――まさに、三つ首の"砲身"】
【セリーナは残り三発発となった弾末魔と同時にケルベロス・マグナムを構え――"魔"を宿し、身に余る二つの巨銃を同時に構え――迎撃。】

(ちょっと待った―――No,2・・・?まさか仲間まで敵に回して――チィッ、そんな事考えてる場合でもない、か!)

アンタの目的、ってのが氷の国にディズニー・ランドかユニバーサルスタジオでもおっ建てたい、とかそういう類ならアタシも何も言やぁしないけどね・・・ッ!
風の国にあんな目障りなモン創っといて今更邪魔するな、って?排除されんのはアンタのほうさ、リリア!!

【――邪気は伝わる。少なくとも、霊感や魔力の感知が苦手なセリーナでも、悪意は伝わってしまう――リリアが今心の奥底に抱えたその】
【底知れぬセリーナへの"殺意"――そういったものは言語を超えて、胸へと直接訴えてくるのだ。ああ――"お前は邪魔だ"と。】

(――タイプはどういうもんなのか、イマイチわかりゃしないけど・・・炎は炎だ、だったら――ッ!!)

―――ッ、ぐ、ぅァァァァァァァッ・・・!!、、ぐぅ―――!!ふ――・・・ッ、ああああああああッ!!

【初撃――リリアは猛スピードで此方へと接近を試みる。セリーナの鎧は俊敏性には欠けた。】
【代わりに耐久性こそ自信があるものの――果たしてこの絶対的な暴力の前でどこまで、通用するものか。】
【少なくとも直撃は避けなければならない、セリーナは構えた"ケルベロス・マグナム"をグルン、と回転させ――発射。】
【リリアの軌道を読み、前進してくるその肉体、正確に言えば捻りだされる右腕の直撃めがけ――引き寄せ、引き寄せての"直射"】
【まさに接近戦での零距離射撃に近しい、右腕にマグナムの銃口を合わせるようにし――弾丸が放たれる。すかさず、辺りに拡散するのは"冷気"】
【セリーナが放った最初の一撃は炸薬と共に爆風・そして何よりも強烈な冷気を以ってその拳による一撃を――相殺、はしきれず。しかし。】
【放たれたニ撃目の業火をある程度ではあるが"緩和"し、アーマーへと降り注ぐ炎を若干、弱らせる――対衝撃・耐熱に優れるとは言え】
【ティターン・アーマーですら装着者を護りきれないほどの熱量――まさに、悪魔の攻撃といわざるを得ない。】

【だが――この爆風でセリーナは後方へと"逃げ"、距離を無理矢理"とって"――反撃へと躍り出る。】
【アーマーの魔導機関が熱で唸りをあげる中、補助動力を働かせ再び、ハンマーを起こし――ケルベロスをリ・ロード<再装填>。】
【回転する大型シリンダー、そしてそれに伴い一発目を放ち役目を終えた焼きついたバレルも回転――次なる銃身へと切り替わる。】
【装填されるは風の"榴弾"、20mmスマート・グレネード以上の大口径ピストルと化したケルベロスが再び吠え――炎を吹き飛ばすよう、疾風。】
【風の弾丸は暴風を撒き散らし、逆に炎をリリアの方へと向けるように滾る―――ッ!!】

【――はて。しかしこの勝負、のっけから既にセリーナの劣勢である。リリア、セリーナ両者共にそれを理解していただろうが――】
【この場にいる"もう一人"は、また別のことを考えていた。】

『――――・・・感じるな。近くか?フン――嫌な空気だ。だが――今回ばかりは、"アレ"の世話になるかもな。』

【たった一人、別の"悪魔"は――静かに、誰にも悟られる事無く。何かを――確かに、感じ取っていた。】

722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 21:40:40.46 ID:+FVIBQk6o
>>715
【空中───それは、地に生きる物にとって存在の不可能な空間】
【地面から脚を離した時、脚は脚たる力を無くし、体は慣性以外での動作を不可能とする】
【すなわち、戦闘の場においての跳躍は、愚策に他ならない】

【───無論それは、飛べないなら≠フ話である】

随分と乱暴な誘い方、お断りさせていただきますわ

【飛ぶ≠ニいうにはあまりにも低い、しかし彼女は確かに跳んだ=z
【空中に体を投げ出して起きながら、まるで地面を蹴る様に、空中で更に垂直に跳び上がる】

【ふわりと瞬時に高度を上げた彼女は、ミストドラゴンの山刀より逃れ、高高度にて宙がえって体制を整える】

まずは腕───

【そのまま、自由落下───小柄とはいえ人の体、ふわふわと落ちる訳では無い】
【落ちる速度に身を任せ、平行に並べた鉈でミストドラゴンの両肩を狙い、落ちる】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/06/02(日) 21:47:56.04 ID:SU1Ve9440
>>717

"人間じゃないから関係ない"ィ?
そいつは違うぞヒトドラゴン。確かに竜人にお受験はねェだろーけどよ?人の世で生きてくんだから必要になってくるんだろうがよォー
ちゃんと覚える事覚えねえと俺みたいになるぞォ?ンン〜?

【風穴、という表現は、あまり良くなかったかも知れない】
【言い訳がましいが、このキグルミの中に居るのは紛れも無い人間だ。ただ手の甲に翼爪によって穴を開けられただけ】
【という事で訂正しておこう。翼爪からはしっかりと肉を裂いた感覚が伝わってくるはずだ】

【振りぬいた左手と"左手"を手元に寄せると、手に感じる違和感に少し思いを馳せる】
【確かな感覚が薄い。雪で距離感を見誤ったか?いや、それはまず無い。となると、ぎりぎりで体を翻してダメージを抑えたか?】
【なるほど。近接戦闘を果敢に挑んでくるだけの事はある。パワータイプを相手取る方法を心得ている】
【そして、次ももう一度距離を詰めて来る。自分は人並みに鍛えぬいた肉体であるが、それでもフォンチュンにはかなわない筈だ】

(こいつ…気付きやがったかァ…?俺と"スクラップ・スター"の間にある弱点に……)

【実を言うとこのマインド。使い手であるトラネコと非常にシンクロ率が高く、互いに通じている所がかなり多い】
【だが、これは何故だか、トラネコも謎に思っているのだが、"スクラップ・スター"は左手以外での指示を聞いてくれないのだ】
【普段移動時に上に乗ったり、ガードに回ってもらう時はある程度勝手に動くが、口頭や右手での指示は全く通らないのだ】

【つまりトラネコにとって左手は生命線。左手の使用不能が彼の戦闘不能と同義となる】

やっぱそう来るだろォー?そう来るよなァーッ!?
だが残念だ。これでも俺は肉体派なんだぜェ…?

【フォンチュンの狙いは悪くない。相手の攻撃手段を潰すのは戦闘の基本だ】
【トラネコの左腕を掴む事には成功する。だが、彼はそれと同時にフォンチュンを持ち上げようとするだろう】
【幾ら力が強かろうが体重以上の力で踏ん張る事は出来ない。こればかりは竜人にさえも競り勝てるだろうか】
【もし持ち上げられてしまったならば、トラネコはその場でグルグルと回転し、ジャイアントスイングの様に遠心力で引き剥がそうとするだろう】

【耐える事が出来れば、腕を潰す絶好の機会が巡ってくる。ここが踏ん張りどころなのだろうか……?】
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 21:51:48.56 ID:ZgOiRlpXo
>>719

……アンタが捕まえて、他のやつが殺すのか。……二度手間だな
どうせ、拳銃なんだ。当たりも外れも目をつぶっていれば…一緒だろ?

【拳銃の撃鉄を親指で押し上げると、シリンダがまた回る】
【男の拳銃はこれで装弾が完了する。銃弾は彼の血である。】
【だから、撃つ事に寿命が縮んでいく感覚……という文句は】
【この男にとっては事実なのであるが、男はあまりそれを意識したことはなかった。】

【アタッシェケースをその場に転がしたまま、パイプを背に。相手の声を聞きながら】
【もう一つ、拳銃を腰のベルトから抜いて銃弾をリロード。】
【こちらは黒く重たそうなリボルバー。エングレーブの赤が浮かび上がる】

……寒いな

【男は呟く。拳銃を持つ手が少し震える。男は寒さだと思ったが】
【そこには恐怖だとか興奮だとか何かしらの優しいものもあるんだろう。】

【そんな無駄なことは、男は今は考えない。】
【男には今しかない。今を生きるためには、何処かへと走って行き続けるしかない。】
【終わらない旅を続けるためにピストルを鳴らす。】

【足元に銃弾が飛び込んで、雪が舞い上がった それを合図に男は物陰から飛び出す。】
【両手のピストルを連射連射。氷柱を削って、周りのライトを割るだろう】

【またこれもやたらめったら撃っているだけに見えるが、彼の目的はその『ライト』を割るためにある】
【この連射はその目的をかき消すためのミスディレクション。】
【男の赤い目は、暗闇で優位に働く。だからまずその環境を作るために動いているのである。】

【男は撃ち鳴らし続けながら、飛び込みスライディングで他の遮蔽物の陰へ隠れるだろう。】
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/02(日) 21:52:06.75 ID:zVma+sg3o
>>718

口は災いの元だよ、少年。私の目の前ではまさしく、“文字通り”にね。
―――― べらべら喋る前に、その“ペット”に命令して私を攻撃させれば、少しはダメージを与えられたかもしれないのにね。

【大声を上げて汚い言葉を吐いた少年を視界の片隅に入れ、少し鼻で笑ってみせる】

……―――― 残念ながら、キミの目の前に居る男は紛れもなく『神』だ。
かつて、この世界であらゆる物を創造し、そして与えた男だよ。

【ハッタリかもしれないが、男に一切の動揺は認められなかった】
【男はゆっくりと目を瞑り、うなだれるように下を向いた】

玉藻狂死郎くん、悪いが、私は“敗けてあげる”つもりは無いのだよ。

【そして顔を上げると、目を見開きウルフェンを睨みつける。そしてその双眸は紫色に染まり、眼球にはカノッサの紋章―――― 逆五芒星が描かれていた】

【そのまま“超人的な瞬発力”で左に飛び、波動弾と魔弾を避ける。強力な追尾性を持っていなければ、飛び道具では到底、男の動きを捉えることは出来ないだろう】
【更に、着地後、タイムラグ無しに、斜め右方向へ――― つまり、ウルフェンを迂回し、狂死郎の方へと飛んでいく】

ダウトだ。“伏兵”?そんなもの、“存在しない”。
わかるよ、感覚があるんだ。私だって伊達に機関でやってるワケではないのだよ、狂死郎くん。

【その超人的な能力と眼球の異常。機関に携わったものなら知っているかもしれない。“beyond2”という薬物による物だ】
【異常に研ぎ澄まされた感覚、もはや超感覚とも呼べるそれも、beyond2により齎された効果だろう】

【そして跳躍中に、左手に握りこぶしを作る。次の刹那、握りこぶしの中から光が溢れ出し、それが剣の形になったと思うと、そのまま実体化した】

無から物を創造する。思いのままに、好きな時に。
―――― それでも君は、私の言ってることが冗談だと思うかね?

【もし飛来する男を捌けなかったなら、男はその勢いを生かしたまま狂死郎に剣で斬撃を加えるだろう】
【そこに、その超人的な“勢い”が加われば、肉体などそのまま断つことも可能だろう。それ程の威力であるというのは、目で見て解る】
【―――― しかし、その速度、『目で見て解って』から回避する事は可能だろうか?】
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 21:53:22.60 ID:TYm/lKg9o
【水の国:墓地】
【死人が集う場所、最も、死人が跳梁跋扈はしておらず死人が眠る場所である。】

―――――。

【そんなところに一人の何かが居た】
【妙齢の女性が外套を着て、突っ立っている】

はてさて、ここに有るのは私の墓だね。
だが、ここに私は居るわけなんだが―――――。

【端から見れば狂人めいたことを呟く】
【その墓には、普通書かれているであろう名前や身分素性を示す、モノは全く書かれてない】
【ただ一言、"全ては砂に還り、私は砂より還る。"と刻まれてるだけ】

まぁ良い、私は私だ。名前など―――――とうに忘れた。

【女は煙草に火をつけながら、自分の所有物の様に墓に腰をかけた。】
【はたして―――――変革者は現れるのだろうか?】
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/02(日) 22:05:39.57 ID:PKpN92wQo
>>720-721

見るのは何度目かになるけど……キミのその鎧=c――。
やっぱり、魔具…。人間の技術で作れるような機構じゃあないねぇ?
一体どこから仕入れたかは知らないけど、そろそろネタは割れる頃……

……ふふっ、1つ良い事を教えてあげようか。
キミがアンジェル・ベルジュロン≠ニドラクマ・リーム≠
そう、確か……ラッシュ・ワンスドッグ≠ニ共に打ち倒した時の事。

あれもレナール≠セったかなぁ。そうそう、纏衣≠フお話さ――。

【右腕のガントレットは、温度差によってか――崩壊し】
【顕になった右腕で自らの頬を自愛するように撫でながら、リリアは言葉を紡ぐ】

【その動作が示すのは、レーヴァテインという魔具によって作られた手甲は】
【リリアの素肌を完全な状態で守る程に強固であるという事で、またダメージはゼロということ】
【ただ幸いにして、分離した半分を壊した事も理解できるだろうが――代償が大きすぎるか】

【やがて、リリアは爆炎で交代したセリーナを眺め――直後、押し返された焔に包まれるが】
【まるでそよ風を受けるような澄ました顔で、尚もにこりとして口を開き】

――あの土地神ね、私がそそのかしたの。封印を解いて、人に害をなせってね
まだ機関には接触を始めた直後で、私もあまり時間がなかったから取り急ぎ、さ

そしたら……ふふ、っ――大成功!死人を蘇らせて、小娘まで洗脳してさぁ!
ホント可笑しかったよ。お陰でレナールはがたがたになって、キミらの大好きな
ATLAS≠フ建築もあっという間っ!それも一部は、キミのお友達のアンジェルが力を貸してくれたわけだ――…。

【くすっ、と笑って、左手のガントレットを自らの胸元へと走らせる】
【刃先のような指を、彼女は自らの身体に一文字を刻むかのごとく動かせば】

【やがて溢れだすのは真っ白に濁った――あれは、溶岩か。地に落ちると、ジュウ、と音を立てる】
【恐らくはマグマを取り込み、そこに聖焔を追加しような物体なのだろう】
【それはずるずると彼女の足下を這いまわり始め、次第に床を溶かして穴へと落ちていき――】

ねぇ、キミは此処が寒すぎると思わない?私は思うんだよね。
だから少し暖かくしようと思うんだけど、まさか異論を挟もうなんて―――。

【言葉の直後に、床を崩壊させるには十分な溶岩の炎柱が何十本も湧き上がる】
【ただし、それはリリアの周囲だけ――交代したセリーナには、幸いにして溶岩が振りかかることはない】

【けれどもこの聖なる焔柱は、雪を溶かし、水蒸気を発生させ、剰えコンビナートの一角を破壊するには十分過ぎる】
【やがてガラガラと音を立てて、一部が溶けて支えの消えたパイプや鉄骨が周囲に降り注ぐ事となり――】
【それは逃げるには十分な時間を置いてから、運悪くセリーナのすぐ側にも波及していく】

【また――これはリリアが知りうることではなかったが、この大破壊はきっと目立つ≠ヘずだ】
【コンビナートの崩落が収まれば、雪の中で白い炎が上がり、水蒸気をもうもうと立てることになるのだからそれは尚更】
【そしてその段階に至ればセリーナの視界には、少し小さく木造の教会が見える――これも、ほとんど確定事項といって良い、か。】
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/02(日) 22:10:24.72 ID:s6hGSkJKo
>>723

――うわっ、わ!

【確かに腕を掴んだ、しかし腕を折る前に身体を持ち上げられてしまった】
【繰り出されるジャイアントスイング、翼を持っていてもこの勢いを殺しきることはできない】

【ならば、この勢いに乗ってしまえばいい】

……肉体派?
でもこれは、そういうのとは違う!

――どっちが先に目を回すか!
「我慢比べ」といこうじゃないか!!

【腕にしがみつき、翼で回転の勢いをつけていく。二人は独楽のようにさらに速く回っていく】

【先に目を回すのはどちらか、もしくは先に回転をやめるのはどちらか】
【勝利した者が、すなわちこの戦闘の勝者となるだろう】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/02(日) 22:11:55.03 ID:mKzSeBP00
>>

あらら、つれないなぁ……っと。

【巫山戯た口調。あくまで余裕は崩さぬ男。】
【然し、その眼は確かにーー異様たる『空中跳躍』を視た!】

【察し、弾かれたようにバックステップ。】
【そして、『迎撃』】

面白い手品。驚かせてくれた、お返し……してあげるよ。

【『異様たる』『迎撃』】

【ーー『裁きのスクラッパー』と名付けた、『触腕』】
【両腰から生えた二本一対の、刃を無数に鋳溶かし固めたが如しそれを繰り、迎え撃つのだ。】

【ハイレベルの馬力、雑で稚拙ながら彫刻すら可能な『精密性』・・・そして、悍ましい殺傷性。】
【そして、ああ、なんと言う事だ。触腕はーー『枝分かれ』する。】

【つまりーー『二本で一対』から『四本で一対』・・・左右に二本ずつの殺戮触腕!】

ふふ、人間剣山・・・ってね。可憐な花は、活けるに限るんじゃないの?

【左右二本ずつ総勢四本で、落下して来る華奢な胴を、穿つ狙い。】
【鉈への防御策は、無い。斬られる前に突き刺し殺せば、必要が無いからだ。】

【そして、あくまで迎撃。能動性は殆ど、無い。】



730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/02(日) 22:14:31.07 ID:1WZmnDxDo
>>724

……牢獄にソイツを突っ込んだ後は、俺は出来る事はもう無いからな
其れまでは殺させはしないが、その後は俺も知らねぇ……ッッ、何だ何だ、闇雲に撃ってんのかァッ!?

【氷柱が削られて割れそうになったとしても、また直ぐに青い銃弾を打ち込んで生成すれば良い】
【―――作戦に問題はない。じわじわと追い詰めれば良い―――と思っていたのだが、何故か違和感が拭えなかった】
【今戦っている敵は自分のこめかみに拳銃を突き立て、揺さぶりをかけてきた。曲者の笑みを浮かべながら】

【―――そのような人物が、ただ何も考えずに銃弾をぶっ放すモノなのか?】
【……あの連射に、牽制にもならないような位置への銃撃に意味はあるのか?】

【何か仕組まれているかも知れない。そんな予感が冷たい汗となって首筋を流れる】
【しかし、相手のペースに飲み込まれてはいけない。此方も仕組んでいるのだから、其処で退いては気持ちで負けている証拠】
【冷静ながらも攻める気持ちを絶やさない。この心理こそが、勝利への近道だと信じて。―――決して焦らず、好機を待ち敵を追い詰めてみせると。】

―――此処かァッ!?

【スライディングで他の遮蔽物へと移る所を狙いすまし、右の銃で相手の右膝を狙う】
【精密な銃撃には絶対な自信があるが―――それも、視界が悪ければブレが出る。スライディングの目の前の地面に銃弾が辺り、あらぬ方向へ弾けた】
【思わず舌打ちをする彼は、まだ気づいていない―――視界が更に悪くなっていることに。そして其れは、作られた環境だということに】
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/02(日) 22:22:09.11 ID:BAk5JNDlo
>>716
物を冷やす能力か、うーむ、25点
......だが単純じゃないというのは半分あたりだな

【どちらかといえば、[物を冷やす]という効果は、副作用的な物という事に気付いていない】
【ここを気付かなければアイスには程遠いだろう、別に元から答えられないようにしている...というわけではないが】

【が、ここで思わず核心に近い一言が混じっていた―】

(むっ、窒素までは合っているがそこまで高レベルじゃあない、青年の答え並に簡単なんだなーこれが)

【そう、窒素である―分子構造とかは置いておいて、この窒素という点はまさに核心に近い答えである】
【ただ、『それだけ』ではないのだが】

おっ!いいねぇ、惜しい!

【女性の液体窒素という部分で、指をズビシッと向けた】

けど青年がギブアップって言ったんじゃあしょうがいなー、恨むなら
青年にしてくれたまえよ...

【怪しい真顔で答えた―今も笑いそうなのを堪えるかのような真顔で】

(まぁ、一応楽しみなんだよな、この後の対応が)
(さて、どうでるかね...正直、こういうのは嫌いじゃない―悪趣味なのは変わりないけど)

正解を言おうか、クイズ出して答えがないというのはアレだからな
俺の能力は簡単に言えば物体を状態変化させるっていうヤツだ

温度が変わるのは、状態変化に吊れられるからだよ、窒素なら-200度以下だと
液体になる...みたいにな

【実際に、店主は手の甲を上に向けると、手のひらの方から、煙がまとわりつく液体を出した】
【地面についた液体はやがて蒸発して消えた―液体窒素だ】

で、ご感想は?

【まるで芸を見せた後の芸人のように、ふたりに問いかけた】
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/02(日) 22:34:49.90 ID:W2363kPW0
>>725
『うっげぇ!!あいつ速過ぎィ!!―――狂死郎の旦那、危ない!!』

(この反応速度、そして身体能力!!しかしこいつからは魔術による強化の痕跡は感じ取れない―――
 ん?あの目……成る程、コイツは“薬中”のようだね―――通りでキチガイ染みた考えしてると思ったよ)

【自分の放った連続攻撃を悉く回避されるも、何故か余裕の笑みを浮かべ続ける狂死郎】
【慌てて狂死郎を庇おうとするウルフェンだが、魔族の身体能力でも流石に間に合わない―――男のコートさえ掴むことが出来なかった】
【そして男は狂死郎に肉薄し、一瞬で創り出した剣によって放たれる斬撃が無慈悲に狂死郎を襲う……】

(そろそろ“この体”も潮時のようだね……乗り換えるとしようか)

【―――先程から、青年がその場から移動を殆どしていないことに気が付いただろうか?動いたのは最初の一歩だけ】
【何故動かないのか?“ペット”と連携を取った方がより有効な戦術を取れるはずでは?―――そんな考えが男の脳裏に浮かび上がるかもしれない】
【そしてその疑問も次の瞬間、解けることになるだろう―――】

           
                   悪 滅 零 式 ・ 爆 導 索


【男の放った斬撃が狂死郎の肉体を捕らえた瞬間、それは“1枚の符”へと姿を変化させる】
【そしてその“符”は変化した刹那、眩い光を放つと同時に大爆発を引き起こす!!】
【男の身体能力ならば直撃こそは避けることは出来るだろう―――しかし完全回避することは出来るだろうか?】
【腕の一本や二本は持っていけるかもしれない―――などと狂死郎の“本体”は考えていた】

じゃあんじゃじゃあ〜ん!!今明かされる驚愕の真実ぅ!!……でもないかな?これが本当の僕だよ!!
さっきまでのは僕の“ヒトガタ”―――要するに人形だったってわけ!!あるいは魔術を使うための触媒かな?
とりあえずウルフェン君、よく最後まで僕を助けようとする“演技”が出来ました!!後で肉を買ってあげよう!!

『うげぇ!!―――ハァハァ……ありがとうございます……』

【“符”が引き起こした大爆発は同時にウルフェンをトタン屋根の小屋まで吹き飛ばし、叩きつける】
【傷ついて随分と消耗したウルフェンと大量の煙で姿が見えないであろう男の前に、トタン屋根の小屋の中から青年がドアを開けて現れる】
【その姿は紛れもなく“玉藻狂死郎”であり―――先程までの“偽者”よりも遥かに高い霊力を持つことを感じ取ることが出来るだろう】

―――それくらいで死んだりはしないだろう?早く体勢を立て直すと良い
後さっきから思ってたんだけど、≪創造神≫名乗ってる割にやってることしょぼすぎじゃない?
もっと≪創造神≫っぽいことしてくれないかな〜頼むよ〜

【さて、先程までの余裕が自分が“本体”ではないことに起因するのであれば今も余裕に満ち溢れたこの青年の自信は一体何処から来るのか?】
【―――仮に“保険”がヒトガタならば“切札”は一体どういったものなのだろうか?】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/06/02(日) 22:35:32.19 ID:SU1Ve9440
>>728

なにィ?「我慢比べ」だァ!?
ぶん回されて今にも投げ飛ばされそうなのにそんな事するかよフツー!?

【恐らくこれだけすれば、トラネコはフォンチュンが遠心力に負けて手を離すと考えていた】
【しかしどういう訳か、その作戦を逆手に取られてしまう。回転は更に速度を増していく】

【回る回る。世界が回る。視界に映る世界が同じ姿を持って次々へと入れ替わっていく】
【何てこった。このままでは確実にフォンチュンより先に自分が目を回す。当然といえば当然か】
【フォンチュンの、竜人のタフネスを舐めていた。だがここで根負けしては上から何を言われるかわかった物では無い】

悪いが俺はそんな不毛な戦いに付き合ってやるほど優しくはねーぞ!
"スクラップ・スター"!そこにいるんだろォー!?

【無我夢中でトラネコは相棒の名を叫ぶ】
【無論その言葉にマインドは呼応してくれない。してはくれないが、マインドの性質からか、あるいはマインドの意思か、】
【"スクラップ・スター"は"居た"。それも比較的近く。回転の妨げにならぬ様に、一定の距離を開けて追従していた】

フォンチュンンン!確かにこれはどっちが先に目を回すかの勝負だ!
だがな!お前の三半規管が狂うまで待っちゃいられねェ!頭打って目ェ回しやがれェー!

【高速で回転する中、一歩、二歩、とマインドへと回転が近付いていく】
【もしそのまま鉄くずの拳に衝突してしまうのなら、殆どまともに殴られてるのと変わらない程の衝撃が伝わる筈だ】

【そして、その一撃を持って回転は終了する筈だ。それがフォンチュンのマインドへの衝突か。あるいは寸前での脱出か。それは神のみぞ知る事】
【すっかり目を回したトラネコは、ふらつく足を叱咤し、頭部を軽く叩いて意識を揺すって保ちながら、その結果を待つだろう】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 22:42:14.94 ID:+FVIBQk6o
>>729
【落下する勢いに任せたギロチン攻撃、しかしてそれは僅かに軸をズラせば容易く回避出来る】
【そして、そう何度も空中を蹴り上げる事なんて出来ない】
【四本の触腕に対しての対処は、空中での行動は、今度こそ不可能】

【ドス×4】
【肉体を硬い物が穿つ音が四つ、空中に徐々に体制を崩して行く彼女は、不格好に地面に落ちる】
【衝撃で地面に積もる雪が舞い上がり、白い煙幕となりて彼女を包む】

【───もし触腕に触覚があったなら、もし痛覚があるなら、次の瞬間はミストドラゴンにとって非常に辛い物になるだろう】
【その姿は見えない、しかし見た目の当たり方から考えるには余りに早い復帰】
【体に突き刺さる触腕を、両の鉈で全て切断する】

【白い煙幕の中にグレーの影が浮かぶ、遥かに暴力的な赤紫の眼光が輝く】
【腹を貫かれた、から何だと言うのだ】

【刹那、煙幕を振り切って飛び出す彼女は、自身の血に赤く染まりながらも、意に介さず】
【寧ろ最初よりも早く、距離を詰めながら鉈を交差に組み合わせ、巨大なハサミの様に開く】
【交差した刃を押し付ける様に突進、だがそれだけではない───もし刃の交差点に囚われてしまえば、ハサミそのままに刃を閉じる一撃が待っている】
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/02(日) 22:47:17.32 ID:83YzSrSwo
>>731

【店主の答えに、女性の表情は生気を取り戻したように明るくなる】

物体の状態変化……個体から液体に、液体から気体に自在に変化させることができるということですか?
なるほど、温度を変える能力ではなく、能力の結果≠ニして温度が変化するわけですか

【目を輝かせながら、黒いタブレットにタッチペンでメモを取り始める】
【青年の方は、女性とは別の視点で能力のことを考えているらしく、強張った表情をしている】

素晴らしい能力ですね!

「恐ろしい能力ですね」

【2人は同時に能力の感想を――まったく別の感想を口にした】

恐ろしい、ですか?

「気体や液体に変化させるってことは、要するに物を簡単に溶かしたり蒸発させたりできるわけでしょう?
つまりやろうと思えば……いや、店主さんを悪い人だとは思いませんが」

ちょっと、失礼ですよ?せっかく能力のことを教えてくれてるんですから
すいません、彼がご無礼なことを……

【女性は店主に頭を下げ、遅れた自己紹介をする】

私はピオネルスカヤ。氷の国の大学生です。
で、こっちはリャザノフ。一応私のボディーガードです

「……どうも」

【青年は少し不満そうに軽く頭を下げる】

店主さんの名前も教えて頂けますか?
あ、それとまだいくつか疑問があるのですが……

今、手から液体窒素らしきものを出しましたが……状態変化≠フ能力だけでは説明がつかないのでは?

736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 22:48:01.57 ID:ZgOiRlpXo
>>730

……ハァッ!……ハァッ!……ハアッ!……

【遮蔽物の陰で男は息を切らしていた。】
【元々、戦闘どころか運動にも向いていない体格。命を吸い上げる拳銃】
【戦場の張り詰めた空気の重圧。無情な冬の寒さ…】

(アイツはあまり動かないな……動けないのか…『動かない』のか…)
(あの柱に余程自信があるのか…?いや、アイツは彼処で待っていたんだ)
(地雷か何か、仕掛けている可能性もある…ああ、クソ、考えなきゃ良かった)

【そうするとここまで、走れたのは奇跡だった気もしてきた。足がすくみそうだ】
【実際はそんな罠などは有りはしなくても男はこの『環境』と相手の『振る舞い』に揺さぶられた。】

【ならば、相手の周りも確認したくなるのが、この男の性だ。】

アンタ、それじゃあ愛がないよ。平和がお好きなら……ラヴアンドピースで行こうぜ?

【男は物陰からそうやって声を上げる声をかける】

【左手は氷柱とあの裏の街灯を狙うとして、右手はアイツの周りを狙おう。】
【さすれば誘爆するかもしれんし、街灯を落とすゴマカシにも繋がるだろう…】

……ついでだ、派手にやろう。

【小声で自らにつぶやいてニイっと男は笑ってみせる。】

【物陰から飛び出して、男はそちらに銃を向ける。】
【渇いた無表情な射撃音がかぶさるように続く】

【何発かは、氷柱にめり込むか削るかしただろう、2発はパイプを撃ってスティームが漏れた、一発が街灯を割った。】
【そして、片方の拳銃は相手の少し離れた所の地面に沢山撃ち込んだ。】
【男は撃ち終わったらすぐに物陰の後ろに隠れる。この動きは銃撃戦なら基礎のモーションだろうか】

【その後、直ぐにその地面に埋め込まれた銃弾は一つ一つ、ボウッボッボッと燃え上がり始める。】
【ただ、火は強くない。種火のようにボッっと辺りを少し照らした後。すぐに消えてしまう】

【この男の予測の罠も見つからず、銃の力も使って余計な体力を消費してしまっただけに終わった。】
【雪が無ければもっと燃えたんだろうか…相手からすればこの行動の意図も定かではないだろう】
【しかし、その火は暗いコンビナートの一部分を一瞬だけロマンティックにすることは出来ただろうか…】
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/02(日) 22:48:10.92 ID:kHG2Pa+Wo
>>727

【シュゥ――という、小気味良い音が室内に響く。同時に、短時間に二発を撃ち終えてオーバーヒート寸前の"ケルベロス"から煙が上がった。】
【それでも尚、動く指でセリーナはハンマーを起こし――再、再装填。三度目の回転でバレルがダイナミックな動きを見せ――銃身がセットされる。】
【残された弾薬は炎を宿した榴弾――果たして火と、マグマとを操るこの悪魔にどこまで通用するものか、わからない。】
【セリーナはティターン・アーマーの各部を見渡す。ディスプレイの表記は"損傷多数"――なるほど、まだまだ動けるということだ。】
【一時的に熱によるダメージが背についた魔導機関を鈍らせているが、補助動力によりまだ動く事は十分可能であるし】
【内部のセリーナも――衝撃と火傷で相応に怪我を負ってはいたが、まだ動けないというほどではない。ただ――それでも。】

(どうする―――・・・火力で勝てなきゃどうにもならないのに、範囲攻撃でも向こうが上・・・!!)
(俊敏性なんて競う術も――・・・いや、待って。"アレ"なら――でもどうやって・・・)

【逡巡。セリーナの武器は"手数の多さ"だ。武装は豊富であるし、対応できる敵の幅も広い。】
【最も接近戦だけはどうしても苦手であったが――それは置いておくとしても、この場合の最適解とは何なのかを、必死に、必死に考えようとする。】
【どう動き、何をなし、そして如何にしてこの悪魔を打ち倒すか――最初に言ったとおり手段など選んでいる暇はない。ならば――】
【"ある武装"が頭に浮かんだ直後、ふとセリーナに対してかけられる言葉は――かつてのあの、激戦のことで。】

【そこで一旦、彼女の思考は途切れた。】

・・・くっ・・・ふ、うぅ・・・ッ!はぁ・・・!!――・・・"良いコト"、・・・だって・・・?

【続けてリリアは語る。まるでこの一時を楽しんでいるかのように。いや、実際楽しいのだろう。】
【どんなに鎧を着込もうと、どんなに武装を使い果たそうと、所詮セリーナでは勝てないと、そう分かっているのだから。】
【効かない炎、暴風の中でも無傷――嬲る為に言葉が吐き出された、その時――激昂。セリーナは叫んだ。】

―――ふざけるな・・・ふざけるなッ!!なにも、かも・・・アンタが仕組んだって言うのかい・・・!?
神にでもなったつもりか、ふざけるなッ!!アタシの――アタシの前で―――・・・!!レナールと、アンジェルのコトを―――ッ!

【許せる筈も無かった。あの戦いでこの組織は産声をあげ、あの戦いで仲間が集ったのだ。】
【その影には多くの人間の犠牲があり、洗脳されたアンジェルの傷は深い――今でこそ、記憶を失ってはいるものの。】
【今尚あの疲れ果てた風の国で、人々は人生を賭けた戦いを続けている。生きているのだ。それを――根底から侮辱するようなその言葉を、セリーナは許せない。】
【だが、彼女の言葉は続くことも無かった、何故ならば――悪魔の次なる"一手"が、発動したからだ。】
【灼熱、そう呼んで良い火柱がゴウ―――と上がり、周囲の空間をも包んで、焼き払う。】
【後退したセリーナにこそ、アーマーの性能もあり炎が届くことは無いが――ならば何故、こんな攻撃をしたのか、それが直ぐに分かってしまった。】

(―――"柱"・・・?まさか、コイツ――――くっ!!)

【素早く、セリーナは"弾"末魔を発砲、柱が上がり屋根を焦がしていく瞬間――新たな武器を、呼び出した。】
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/02(日) 22:48:34.87 ID:kHG2Pa+Wo
>>727


                 ――――――八首猛撃<ガトリング・ヒュドラ>!!
    
【召還陣が地面に展開され、姿を現すそれの――見えるだろうか、巨体が。】
【超巨大な魔道機械の胴と、そこから伸びた八本の金色の銃身。】
【攻撃機や戦闘ヘリ<ガンシップ>に搭載される"ガトリング・ガン"――回転式連発銃の形をした、"魔導兵器"】
【機械部分を持ち上げ、鎧の腕部に動力が注がれる――ギュオン、という鈍い音と共に、セリーナはその"火器"を構えた。】

ぐ、う・・・・ッ!!――――うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!

【壮絶な駆動音が戦場を揺るがし、全身を振動させる勢いで魔導機械の"回転"が行われる。】
【スーパーカーのエンジンでもここまで五月蝿くはない。獰猛な"ヒュドラ"――伝説の魔獣を模した八つの首を】
【それぞれの銃身にレリーフとして飾りつけたおどろおどろしいその"魔界兵器"は、セリーナの手により空転を続け、そして―――】
【引き絞られたトリガーと共に、破壊の嵐が巻き起こった。瞬間、空間が破裂するほどの爆音が響く。】
【ヒュドラの首を模して生み出された八本の銃身は超高速で回転し、紫色の魔力弾丸を暴力的なまでの速度で撃ち出す。】
【ガトリング・ガンそのもの――否、もっと強烈といっても過言ではない。放たれているのは魔力の塊なのだから。】
【本物の竜が暴れまわるかのように、彼女はガトリング・ヒュドラを振り回す――弾丸は一直線になど飛ばない】
【降り注ぐ破片を吹き飛ばすかのように凄まじい勢いで熱気と弾幕が張られ、銃身が鋭く焼け付く。】

【コンビナートが上空から破壊されていくのを、更に"撃ち抜き" "迎撃" する―――もはや室内は地獄のそれと化した。】
【次々と崩落するパイプや鉄骨、屋根の一部――その全てを破砕することはさしもの"猛撃"と言えど、敵わず。】
【鉄骨の内、一本がまず、ティターン・アーマーの肩を直撃――姿勢が崩れ、射撃体勢が整わない弾幕の隙間を縫って更なる連撃、連撃。】
【崩れ落ちた何もかもが"ガトリングヒュドラ"も、一旦アーマーのハードポイントへと取り付けた"ケルベロスマグナム"も】
【そしてセリーナ・ザ・"キッド"自身をも飲み込み―――――――】


【――――静寂。破片の山の中で静かに――セリーナはアーマーを、起動させようとするが。】
【余りに凄まじい破壊の中、もはや自分がどこにいるのかもわからない常態で――気絶、していたのかもしれないし、していないかもしれない。】
【意識が連続していない、それを認識することも出来ない、ただ――割れたディスプレイの向こう側、肉眼が捉えた"何か"の影は――】
【瞳が命のガンマンの目には確かに、"十字架"に見えた気がして――】

【リリアからは、何も見えないだろうか。少なくとも今、先程までセリーナがヒュドラを振り回していたその場には、もう瓦礫の山しか存在していない。】

/遅れてすいません・・・。
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/02(日) 22:56:47.88 ID:5j3OS8f6o
【夜の国――深い森】

【灰色の地面、黒い葉を繁らす木々、青く輝く果実】
【幻想的な場所を覗きこむような白い満月が、星雲の中に浮かび上がる】

【近くに湖を、もう少し先に墓地が、抜けた場所に開けた土地】
【そこはかつて黒尽くめの館があったというが、今では跡形もなく】

【静寂の中――混じり込むような、馬の嘶く声がした】
【重厚な誂えの馬具を備えたその姿は、普通の馬のものではない】

【それは黒い霞を固めて馬を象ったもので、手前の湖が透けて見える躰であった】
【どうやら幻獣種であるらしいが、馬具を備える以上は飼い主がいるのだろう】

……バンシィ

【現に、低く名を呼ぶ主の声に馬は耳を震わせ、その側へと歩み寄る】
【霞で構成されていながらも確かな実体を持つその背を撫ぜる影は、背高な若い男】

やはり此処が、この土地が良い。 お前も……そう、思いませんか?

【黒い祭服を纏う、長身痩躯の姿――紅茶色の髪を腰まで伸ばし、】
【双眸は淀んだオリーブ色であって、左右で瞳孔の開き幅が異なる】

【――男の声に、返事のように馬は一つ嘶く】
【彼は満足気に口角を上げ、紫色で爪を彩った長い指先が、その鬣を撫ぜた】
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/02(日) 23:03:04.49 ID:s6hGSkJKo
>>733

【回転が強くなっていく間、少年は「何が何でも離すもんか」と思っていた。このわずかな間、回転の目的を忘れていた】

【しかしきぐるみの台詞で、この回転の目的を思い出す】

――そうだった、忘れてた!

【視界の端に、ゆっくりと迫る巨大な鉄くずの拳が写った】
【しかし、ぎりぎりまで回転を高めていく。拳がゆっくりと、しかし確実に迫ってくる】

【そして拳にぶつかる直前に、トラネコの手を開放する。遠心力で少年の身体が吹っ飛んでいく】
【翼で勢いを[ピーーー]が、それでも空中で静止するまでには至らず、雪に身体をめり込ませながら地面に一本の溝を作る】

(……急げ!あいつの意識が戻る前に!!)

【急いで立ち上がり、ややおぼつかない足取りながら、トラネコに迫る】
【左手を掴めるならば、手首を強く捻り、肘を逆向きに折るだろう。しかし間に合わなければ、これはトラネコにとってのチャンスに他ならない】
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/02(日) 23:07:32.14 ID:zVma+sg3o
>>732

【高速で切り抜く。しかし、青年は微動だにしない、何故……?】
【―――― そんな事を考えた瞬間、総ての謎が解けた。奇妙な違和感の正体もコレだったのだ】
【男が斬っていたのは玉藻狂死郎ではなく、ただの札だった。そして、それは紛れもなく狂死郎の罠で】

【ただし、斬ったのは人体ではなく薄っぺらい札である。男の持った勢いは一切相殺されず、そのまま札が“立っていた”所を飛び越していく】

まずいッ……ッ!!

【光が目に見えた一瞬、それが爆発の前兆だと認識した】
【この勢いのまま回避出来れば良いが、近すぎる。爆発から免れる事は出来ない】
【間に合うかどうかの寸手で、目の前に鉄板を作り出す。これで無傷とは言わないまでも、ダメージは大きく軽減されるだろう】
【そして、爆発の衝撃波を吸収し、炎を遮断するという役目を終えた鉄板は、砂とも灰とも解らぬ塵になって燃え尽きた】

……―――― やってくれるね、狂死郎くん。

【男の額から鮮血が流れる。いくらbeyond2で肉体が強化されてるとはいえ、この爆発の中で無傷では居られなかった】

ああ、まさしくやってくれるよ。血気盛んなのは悪くはないが……困ったものだ。

【爆煙の中からすっくりと立ち上がる。先程手にしていた剣は、鉄板と動揺に、塵となって地面に消えていく】
【そして、男の手に再び光が集中する―――― 次に生成されたのは、たった2本のナイフ】

狂死郎くん……。

【そのナイフを一本ずつ両手に持つと】

こうなってしまってはヤケだ。君が一体どうやって突然ここに現れて、いつの間にそこまで策を練れたのかは解らないが……。
―――― 私とて、何もせずにやられる訳には行かないのでね。

【そう言って、左手に持つナイフを狂死郎の胴体目掛けて、右手に持つナイフは頭部に目掛けて投げつけた】
【投げつけた、と言っても、彼の肉体はbeyond2によって異常に強化されている。その勢いはまさしく弾丸】

【そして、そのナイフはタダのナイフではない。飛来するナイフに衝撃が加わると、先ほどの爆発とほぼ同じ規模の爆発が起こるだろう】
【偶然にも狂死郎はトタンの小屋の前に居る―――― つまり、回避するにせよ、大きく避けねば爆発に巻き込まれてしまうということ】
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/06/02(日) 23:10:51.53 ID:mKzSeBP00
>>734

あはァァーー・・・?

【触腕に『痛覚』は無い。】

【故に、凶器たりえるのだ。斬り落とされたとて、有るのは『喪失感』のみ。】
【然し、其れは、不快だ。露骨に顔を顰める。】

やれやれ狂犬めいたコだ。悪くない……悪くないよ……

・・・・・だけど、これはちょぉっとよくなぁッッ……!?

【ーー怪物の顎めいた、挟み込む斬撃。】
【触腕は武器。再生はするが、瞬間では無い。心許ない。】

【故に、選ぶのは回避、が、此れは悪手。】
【雪原対策の無い彼は僅かに脚を取られ、後退が一歩遅れた。交差点からは逃れたがーー】

ッはぁ……痛い、痛い・・・

許せないなァ、悪人。・・・そう、君は悪人……悪いコだぁッ

【バックステップ、抑揚の無い声、まるで呪いめいた、呟き。】
【コートの腹部が裂け、夥しい血液が溢れ出す。まともな、赤い血では、無い。】

『死ね』ッ

【右の山刀を以て、一閃。】

【意趣返しと言わんばかりに、その胸部に振るう。乱雑な一撃!】
【その目は、ああ、なんと、なんと怪物的な! 白目が、悍ましい黒へと染まって行く!】

743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/02(日) 23:21:38.60 ID:1WZmnDxDo
>>736

―――……っちぃ、やりにくいなクソ……!!

【―――まさか、外すとは。銃弾コントロールには絶対の自信を抱く自分が、躱されたのではなく外した】
【その事実が無意識に焦りを生み出し、余裕を薄めていく。―――しかし反面、『何かある』との確信を持たせることにもなった】

【『この俺が外すんだ、何かその「原因」がある』と。―――肉体の疲れ? いや、そんなに動いていない】
【寒くて身体が動かない?―――いや、其れも違う。確かに寒いが、銃撃に影響を与えるって程でもない】
【じゃあ精神面?……いや、こんな程度でブレる程メンタル弱かねぇ……なら、なんだ……!?】

寧ろ愛に溢れてんだろーが、途中まで命守ってやってんだぜ―――っとぉ、息くらいつかせろよ……!!

【また、激しい銃撃が始まった。流石に何時もより頑丈な氷柱も、ツボを突かれたのか脆くはじけ飛んで】
【―――そして、その破片が更に視界を奪い、自身の肌を礫が削る。……初めて喰らった攻撃が、まさか自分の創りだしたモノだとは思いもしなかった】
【白の絨毯に赤の模様が浮かべば、ソフト帽の男はまた右の銃で地面を撃ち抜き壁を作るが―――其れは自身も物陰に隠れる際の盾】

【自分がやった様に、物陰への移動を狙われれば―――動きの遅い彼にとっては、一溜まりもない。故に、その隙を防ぐための防御として使ったのだ】
【自分も物陰へと逃げれば、お互いに物陰へ隠れて様子を窺うという状況。一旦銃を消すこの行為は、リロードと同義】

……あー、割れた後まで計算してなかった。 ―――ったく、アイツ悪党にしては珍しい立ち回りを―――ッッ!?

【―――辺りが一瞬、明るくなる。どういうことだ、と顔を出して見れば、地面に小さな火が埋め込まれていて。―――直ぐに、消えてしまったのだが】
【そしてまた、視界は暗く厳しいものになる。一瞬明るかったせいか、余計に暗く感じて―――】

……あ―――。 ―――ああ、そういうことね……ん?

【余計に暗く感じるなと思った瞬間に、感じていた違和感の姿が明らかになる。そして―――外した理由も】
【―――何故気が付かなかったのか。辺りが最初に比べても、かなり暗くなっているという事実に】
【先程の光の近くに、氷の破片と似ていたがガラスの破片があった。それが街灯のモノであることはすんなりと理解できた】

【今は物陰で、待つ場面だ。何故ならば彼の拳銃の弱点は、リロード。銃使いに共通するものだが、彼の銃は、能力ではさらにその弱点が顕著に現れる】
【一度消して再度具現化するまでのタイムラグが長く、その間は無防備だから。この間に男ができるのは、謎の解明と戦略の立て直しだった】

【―――まだ、謎があった。 暗くすることで視界を奪うのは良いが、其れは相手も同じはず―――そして、先程の小さな火の意味】
【攻めなければ相手はどんな行動を取るのだろうか―――今この状況で「見」に回ることはリスキーだが、未だ見えない相手の戦略には効果的だと思った】

(……中々に敵は強か……変に警戒するか? 暗くすることに全力を注ぐか、攻めてくるか……? さて、様子見と行きますか)
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/06/02(日) 23:22:37.01 ID:SU1Ve9440
>>740

こんのォ……餓鬼がァ……っ…!

【震える足を奮えたたせる。防寒機能を持つとは言え、既に長時間冷気に晒されている。眩暈も含めた激しい痺れに意識を持っていかれそうになる】
【恨み言を口から捻り出すが、既に体力は底を見せている。もう元気にマインドを振りかざすのは難しい程に精神が磨耗している】
【結局攻撃は失敗だ。子供の癖によくやるじゃないか。等と言っては居られない】

"スクラップ――――

【左手に精神を集中させる。マインドへ攻撃の意思を余すところ無く伝える。相棒はきっと応えてくれるはずだった】
【だが、現実は優しくなかったのか。彼の相棒、"スクラップ・スター"は確かに動作した物の、その動きに以前の様なキレが無く、……】

―――ッッ!!ぐぉあ゛あ゛ッ!

【それは、ネコの外見を持つそれから発せられるとは到底思えない程の、苦痛と苦悶に満ちた声】
【当然といえば当然。腕を折られれば、絶望感よりもまずは耐え難い激痛が体を走る】
【腕を、折られた。腕が完全に無くなった訳ではないからまだ辛うじて指示が出せるが、最早それは戦闘では使い物にならない】

――!!ふざけやがってェーッ!!

【だが本体も戦えないわけでは無い。腕を折りにかかったのだから、当然フォンチュンは直ぐ近くに居る】
【トラネコは右の拳を握り締める。これでも能力なしの戦闘訓練も修了している。それには当然、成人男性以上のパワーがある】
【その拳を、フォンチュンのコメカミに目掛けて真っ直ぐ振りぬく。金属製のグローブもある。まともに食らえば、きつめの脳震盪の一つくらいは起こすだろう】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/02(日) 23:23:09.74 ID:PKpN92wQo
>>737-738

―――神にでもなったつもり≠ゥってぇ〜?

冗談にもならないよセリーナぁ!悪魔が、淫魔が、神になるぅ?
くすっ……私はさぁ、あくまでも魔族。人の運命を繰るのはね、神だけじゃあない
人を誑かし、謀り、そうして何千年も昔から君等を踊らせてきたのが魔族――。

ふざけてもいないよ?私は、自らの本能がそうしろというのに従うだけだからね
人間を手のひらで踊らせて、ただそれじゃあ足りないからたまに餌≠ノもする。

そういう意味じゃ…。いや、ちょっと違うかな。でも、アンジェル・ベルジュロンは完璧だよねぇ
キミどころか当人も知らないけどさぁ、その運命なんて最初から筋道が決まってる≠だから
―――……なんて言っても、もう聞こえてないかなぁ?もしもぉ〜し?

【未だに、無傷。最初に頭部を半分吹き飛ばされた以外に、傷も無し】
【その吹き飛ばされたのですら、既に自らの魔力で補完することにより完治している】

【勝てない=\――少なくとも尋常な、刀で斬ったり銃で撃ったり、では】
【加えて言えば、聖職者でもそれは叶わない。相手の言葉を信じるのならば、だ】
【ではどうすれば――?魔力を全て、補給すらままならない状態で吹き飛ばせばよいのか?】

【――答えは、セリーナ以外にはまず出せないハズだ】
【何故ならリリアという存在の強健さを知っているのは、彼女が一番だったし】
【そのセリーナですら、今は――。 瓦礫の山を眺めると、リリアはガントレットを解除し】

……さっきのガトリング・ヒュドラ≠ニかいう、アレ。
ドラクマを致命傷にしたのもそれだったねぇ、覚えてるよセリーナ

もしも、あの大きいのを私にブチ込めたら…、……IF≠熏ンった、かなぁ?
それじゃあそろそろサヨナラしよっか。私、死体は残しておきたくない派なんだよね
生き返ったりしたら嫌でしょっ?まして悪魔の創ったらしい鎧……もしも、が在ったら――ねぇ?

【砲丸の鉄球のようにしたそれを、リリアはセリーナの居たはずである瓦礫の山へと放る】
【それは10秒もすれば、爆発する。多量の溶岩を周囲に撒き散らす、破壊兵器として起動するのだ】


 【――結果を見ずして、リリアはやがて踵を返し、先ほど脱ぎ捨てた毛皮のコートを拾いに向かい】
 【その背中部分が溶けてしまっているのを見て残念がるも、気楽に羽織り】
 【考えなしにボタンごと断ち切った前を空け、肌色が寒々しい背筋も晒しながら1つ息を吐く】

 【これで、終わり。大きな障害の1つが片付いた――十字架を眺めながらそう思うのである】
 【その十字架にしても、恐ろしくはない。教会のとあるもの≠ヘ嫌いだったが――】

 【――これはもう一度、という隙である。セリーナは死んだ、殺した。そういう思い込みがある】
 【まして死体を処理するための一押しもした後であるから、油断などは尚更大きく】

 【さあここで、リリアの特性を整理しようか。先ず、肉体は他者の魔力で構成されている】
 【そして現在は聖焔とマグマで構築されており、レーヴァテインもほぼ同等の性質を持つ】
 【ケルベロス・マグナムの攻撃で分かったように、氷による属性攻撃はけして無駄ではないが――】
 【リリア自身は肉体を破壊されても有り余る魔力で複製できるために、一見して無傷となる】

 【――――さあ、どう倒すか。いや、如何にして傷を与えるかを考えるのが先かもしれない】
 【勿論、手段はこの世界に無数にあるだろう。但し、難しい――とても難しい選択の時間が、迫っていた。】
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/02(日) 23:35:13.14 ID:s6hGSkJKo
>>744

【腕を折った、これでもうマインドは使えない】
【しかし、少年は忘れていた。本体はまだ戦える事を】

――……ッ!!

【とっさに左腕をかざす。トラネコの拳が左腕に突き刺さる】
【いやな音と、鋭い痛み。骨に皹でも入ったか】

……くっそぉっ!!

【好んで人殺しをしようとは思わない。しかし、どうにかして戦闘不能にしなければ、こちらが殺される】

【意を決して、右足を腹部に叩き込む。体重の乗った蹴りは、結構な威力になるはずだ】
【しかし、ほんの一瞬だけためらいがあった。この一瞬を見極められるか】
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/02(日) 23:39:18.02 ID:1WZmnDxDo
>>743
/訂正ですすみません……
/【ソフト帽の男はまた右の銃で地面を撃ち抜き壁を作るが】は右じゃなくて左の銃で氷柱作りました……
/左の青い銃じゃないと出来ないんで……すみません
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/02(日) 23:42:23.17 ID:BAk5JNDlo
>>735
そう、そう、それそれ!
そんな感じさ!いやぁ、流石、物分りがいい

(流石、学者ではなくとも...やっぱり違うなぁ大学生は)

【説明している本人も納得である、よほど分かりやすいのだろう】
【眼を輝かせて、まさに眼から鱗が落ちているが如くメモをしている女性に対して、青年の反応はあまりにも緊張があふれていた】

(随分とこわばっているな―状態変化でここまで怖がるもんなのか?)

【そして、二人が口にした時、あまりにも真逆答えを出した事は、当然の事だった】
【なるほど、人の身体を溶かす事もできる―確かにそういう事にもなるだろう】

そうだな―と言いたいがそんな事はできないのさ
まぁ、何事にも限度があるってことだ

(そんな事をするために、こんな能力に変えたわけじゃない)

【無表情で説明しながらも、歯をさりなげなく、食いしばっていた】
【壊れそうなくらいに、力を込めて―】

ああ、すまんね、ちょっと変な空気にしてしまって
へえ、氷の国...俺の故郷じゃないか

【まさか、数奇なめぐり合わせだ、自身の故郷の国の大学生など】
【彼はうんうんと頷きながら笑った―】

(……この青年は、何か能力による事件にでも巻き込まれたのか?)
(いや、それを知る必要はないだろう、踏み込んではならぬ領域が人にはある)
(私にも、君にも)

【不満そうに頭を下げた青年を見て、様々な推察が浮かんだ―浮かぶために、まるで深い所が抉られる】
【開けてはならない、これはパンドラだ―しまったほうが身のため、何ももたらさない】
【危機感と恐怖が、彼を推察と回想から抑制していた】

ああ、名前ね、確かに名乗らないのは悪い
コールだ。コール・フリージィス

まぁ、君とはまだ、色々語りたいのだが、生憎もう店を閉める時間だ

【説明がつかない、という言葉を聞いて強い疑問を感じたが、日が暮れてしまった】
【そろそろ店じまいをしなければなるまい―彼はカウンターなど、最低限のところを片付けた後】

すまんね、こっちも明日の仕込みとかあるんだ、勘弁してくれ―
後、青年―

確かに、能力を否定的に見る、その気持ちは分からなくは無い
だが、能力というのは、自身の確固たる自我と自制があって初めて『能力』たりえる
自我と自制を失った能力、それはただの兵器だ

【自分が言えた事じゃない―かつて、それを忘れて過ちを犯したのはどこのだれだ】
【ひとつの自嘲と虐は、まるで鎖が如く連鎖する、逃げたくとも、逃げられぬ】

んじゃあな、またいつかどっかで会おうぜ

【そう言って、彼は屋台を引いて、フラフラと公園の出口にへと姿を消した】

//眠気が...お疲れ様でした!楽しかったです!
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 23:47:46.05 ID:+FVIBQk6o
>>742
【凶悪なハサミが血に濡れる、上半身と下半身を離れ離れにさせる事は出来なかった───が】
【確かに、その一撃はミストドラゴンを捕らえた】

───残念、それじゃ私は殺せませんわ

…人は、いいえ、生物は、生物でなくともこの世に存在する全てはいつか滅び去る物
私だってそう、いつかは死んでしまう、それが早いか遅いかだけの事

嗚呼、でも、残念だわ

【素早い脚の踏み替え、体制の建て直し。雪原での余りに素早い動作は、この地に産まれた物の特権】
【二つに分かった鉈の左で山刀を受け止め、回転して受け流しながら僅かに後退───まるで踊るような動作で微妙な距離を取ったかと思うと、再び鉈を合体】
【今度は、柄と柄を組み合わせるように、両刃剣型へと合体させる】

───それでは私は殺せない

【───大気の流れ。それは、彼女の持つ鉈の刃に仕込まれた吸排気口から大気が吸い込まれる物】
【両刃剣となった鉈を回転させながら、雪ごと大気を吸い込み、貯めて行く…そしてピタリとそれは止まる】
【まるで、吹雪が吹く寸前無風になるように】

どうか殺て(とめて)みてくださいな、この私を
殺しの血の流れる、我が血脈を

【再び回転、今度は逆に、同時に大気の流れも反対に、吐き出される=z
【渦巻く対流が雪を飲み込み、白く冷たい竜巻となって、目の前に創り出される】
【飲み込まれれば、凍て付く風に体を凍結の嵐に晒され、打ち上がる風に吹き飛ばされてしまう】
【上空に打ち出されてしまえば───そう、空中での戦闘は、彼女に部がある】
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/02(日) 23:55:42.78 ID:W2363kPW0
>>741
う〜ん実を言うと僕は“突然”この場所にやって来たんじゃないんだよね
“罠を張っていた”―――と言うのが正しいのかな?策はもう“練っていた”んだよ
我は結界糸を巣と張る蜘蛛―――ようこそ、この素晴らしき封印空間へ……なんちゃって☆

【てへぺろっ☆とでもオノマトペに付けたくなるような、茶目っ気溢れる笑顔で狂死郎は返す】
【実際の所、敵にダメージを与えることには成功したものの―――狂死郎は敵を撃ち滅ぼすことを選択肢から外していた】
【奴のあの速度自体は非常に厄介であるものの、対処することは経験上十分に可能であると判断する】
【しかし、それに“創造”の力が加われば現状の戦力では手に余る―――狂死郎は冷静に分析していた】

そしてそのナイフ―――僕のパクりだね!?
ひどいなぁ……じゃあ僕も君の対処法をパクるとしようか!!

【―――狂死郎は仕事上の経験で人間を遥かに超越したバケモノ相手に数多くの経験を詰んでいる】
【だから魔力の形式を感じ取ればどのような魔術であるのか予想が立てられるし、男の身体能力から繰り出される攻撃も目で見て対処することは出来る】
【ただしそれはあくまで経験と勘によって培われる“心眼”のようなもので、狂死郎の身体能力自体は人間の域を出ないものである】
【―――だからこそ、実際の対処には魔族の力が必要になってくるのだ】

ウルフェン君、疲れたろう?休むといい―――憑依!!

【一瞬、ウルフェンの体が白く光り輝いたかと思うと―――それは白い光の玉へと変化する】
【それから其れは狂死郎の腰に向かって飛翔したかと思うと、そのままコートに吸収されていった】
【実際はコートの中に隠された退魔刀へと憑依したのだが、それを男が知る術はないだろう】
【そして狂死郎は放たれるナイフに対して素早く突っ込んで飛び込み、ベリーロールの要領で二本のナイフの間をすり抜ける!!】
【―――しかし、それではまだ対処に成功したとは言えない……背後からすぐに爆発が迫ってくるからである】


                   悪滅零式・ゼラチナスシールド!!


【狂死郎は着地するとすぐさま、コートの右ポケットから1枚の符を取り出して背後へと投げつける】
【表にスライムが描かれたその符からゼリー状の壁が出現すると、それは爆発から狂死郎を守ろうとする】
【しかし、完全には防ぎきれず―――狂死郎は爆風によって吹き飛ばされる】

グフッ!!グヘェ!!―――きっついなぁ……

【地面を数回跳ねてから起き上がった狂死郎の体は傷だらけで、特に右頬は痛々しく火傷を負っていた】
【しかしそれでも笑顔を崩さずに狂死郎は男の目をじっくりと見つめる】

でもそんなんじゃ甘いよ、もっと僕の体をこの辺一帯ごと消滅させるつもりで攻め立ててくるんだ!!

【狂死郎は左のポケットから1枚の符を取り出すと、今度は其れを男に向かって投げつける】
【投げつけられた符は空中で鏡の様な形状をした小さな結界を張りつつ、男に迫る】
【結界の硬さは鋼鉄にも匹敵するが、空くまでこれは刃ではなく結界であり、命中しても骨が折れる程度の威力だろう】
【そもそも、男に攻撃が命中するかどうかの問題が存在しているが……】

【さて、ウルフェンが刀に憑依した影響を受けて狂死郎の身体能力は上がっているが、それでも相手には追いつかない】
【とはいえ、敵も迂闊に近づいては来ないだろう―――まだ“何か”をする可能性は残っている】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/06/02(日) 23:58:00.31 ID:SU1Ve9440
>>746

【その一撃。漸く与えた、戦闘に支障を来たす致命傷。その一撃を繰り出すことが、彼の最後の攻撃となる】
【既に体力は底を着いていた。腕を折られ、心を折られ………】
【そんな彼に、未だ体力を持て余す少年の一撃を避けられる道理があるのだろうか。否、無い】

――――ッ!

【例えその一撃に戸惑いがあったとしても、それは通じた。腹部に深く突き刺さった蹴りは、最後に彼の意識を折るのに値する力があった】
【フラリ、と後退を始めるその足取りは弱弱しく、腹部を抑える右手さえも、今や小さく見えてしまう程で】

……すまねェ……負けちまったよ…ォ……

【その言葉を最後に、ずるり、と雪原を捉えていたトラネコの足が滑走する】
【体重を支える力を失った体躯は大きく仰け反りながら、その身を薄く積もった雪の中に沈めた】
【その体は完全に脱力し、首を持ち上げる事も指先を動かすことも無く、ピクリとも動かない。完全に気を失っていた】

【それと、ほぼ同時だろうか】
【ズン、と地面を震わせて巨大な鉄くずがフォンチュンの前に立ち塞ぐだろう】
【"スクラップ・スター"。トラネコがしきりに名前を呼んでいた無二の相棒。それが、トラネコとフォンチュンの間に割って入る】
【しかし攻撃してくる素振りは無い。ゆっくりとその手を開き、臥したトラネコを守る様に、浮遊していた】

【今のスクラップ・スターに高い戦闘能力は無い。看破しようとすれば、出来ない事も無いかも知れない】
【トラネコにトドメを刺すか、あるいは、ここで戦闘の幕引きをするか。それはフォンチュンの自由だ】
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/02(日) 23:58:19.65 ID:ZgOiRlpXo
>>743

……ああ、クソ

【頭がグラグラする。どうも、この銃に血が吸われていくような感覚と】
【その後の二日酔いのような気分には未だ慣れないでいる。】
【あまりに連続で撃つと、そういった状況が起きるのだ。】

【相手を挑発する余裕もない。静かな夜が一時訪れる…】
【静けさとやかましさ、静と動、生と死…銃撃戦にはつきものだった。】
【撃っている間はいい、何かをしているときはまだいい、この静けさはダメだ】
【死が隣にいて、絶望が全てを包んでいるんじゃないか。そんな気分にさせる。】

【男は銃を放り出して、スキットルの酒を煽る】

毎回毎回…辞めちまえって思うんだけどさ……何やってんだか俺…

【そう自嘲して、ここに来る前のことを考えた。】
【賞金目当てで、防衛側に行こうかと思ったら、もっと多額を機関につまれたんでそっちに行った】
【男はカネ目当てでホイホイこんなトコロまでテロリズムに加担している。】
【いつも何で恨まれて死にかけることばっかりしてるんだ。自分を馬鹿にしてもしょうが無い】

【空になったスキットルをベルトに戻して、銃を握る。】
【余計な明るさが消えて、やっとこコッチの『目』は本調子だ】
【普段、男はサングラスをして光を抑えている。その方が男はよく見えるから。】

【アルコールが体をめぐる。揮発するまでは血液になっていてくれよと男は願う。】

【一時の静寂。】

【切り裂いた――いや、撃ちぬいたのはコチラの一発だった。】

【相手の氷柱に向かっての一発、続いて2発。撃ち込んだ。】
【男は物陰に飛び出して、走る。そして近くの足場の影に飛び込む様に逃げ込むだろう】


【男は左手に握った黒い拳銃に祈りを込める。】
【こちらは弾丸から火が出たりはしないが、一発で6発分のエネルギーが出るような】
【『気合の入った弾丸』を撃てる…そんな仕掛けがある。】
【おまけに、高熱を発している。氷を砕くならうってつけだ】

【そして、それを放った。バカデカイ発射音とマズルフラッシュが炸裂する。】

【もし、その氷が砕けたのなら、そのキラキラと舞う氷の破片の間から】
【右手の拳銃を構えた男の姿が見えるだろう。】

【そうなれば男は相手の持つ、狙いやすいどちらかの拳銃めがけて、一発、射撃するだろう】
【そう、最初に相手がしていたように拳銃だけを弾き飛ばそうとして… 】
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/03(月) 00:00:42.53 ID:/ktBMRRIo
>>745

【やがて視界が滲み始める。紅い、赤い何かが半分を埋め尽くしていく――嗚呼、これは血液だろうか。】
【仕方があるまい、先程から身体が震えているのは失血が多いからに決まっている。】
【アーマーも破損が多い、警告音すら響かない状態では――もはや、動力は期待できないほどか。】

【視界の果ての十字架と―――耳に入る嫌見たらしい悪魔の声が――どんどんと、遠ざかっていって―――――――】

『――――おい。おい、小娘。小娘A、起きろ。』

『この俺様を握り締めながら"くたばろう"と言うなら、そうはいかないぞ。死ぬ前に瓦礫の向こうへほっぽりだせ。』

『そうすれば次の"持ち主"も決まるだろうし、俺様としては万事解決だ。さあ、ほっぽって―――フン。聞こえる筈も無いか。』

『どこまでも鈍い女だ、こんな瓦礫の中で朽ちる羽目になろうとは、俺様も運が尽き――――』


(――――――・・・、だれ・・・?この、声は―――・・・)


『―――あぁ?なんだ、聞こえていたなら最初から返事をしろ。まったく、こんな時だけ俺様の声が聞こえるとは、都合の良い女だな小娘A。』

(―――・・・?小娘・・・?アタシは、セリーナ―――)

『知れたことか。俺様にとって重要なのは"撃つべき相手か" "そうでないか"の線引きだけ、名前など関係ない。ただ――お前は"撃つべき相手"ではない。』

『まだもう少し、持ち主でい続ける気があるなら俺様の助言に耳を貸せ、小娘。良いか、あの向こう側に見える建物、あそこまでなんとしてでも逃げ切れ。』

(―――・・・そんな、無理だよ・・・もう、身体が・・・。)

『アーマーか?それなら魔導機関が一時停止してるだけだ。暫くすれば動力は回復する、それよりお前にはまだ幾つも手段があるはずだ。』

『俺様はそこまでヤワに創られちゃいない。俺が思うとおり、アイツが俺の"同族"なら―――あっちにたどり着きゃ、まだ勝機はある。』

『やれるか?小娘。・・・いや、やってもらわないと困るんだが、どうだ?』

(―――・・・うん。オーライ、ちょっと厳しいけど・・・やってみるよ。ところで、貴方は――――・・・もしもし?あれ?)

【―――ふと、視界が開ける。確かに見えたあの建物は、あの十字架は――"教会だ"。それは確信に変わる。】
【ディスプレイに光が灯った。状態確認の為に割れたメットの中でも、幾つも表記が飛び交い――駆動音。】
【あの"声"の言うとおり、停止していた魔導期間が動き出す――と同時、セリーナは先程考えていた"あの武装"へと着想を戻した。そうか、そういうことか。】

―――――――――ッ!!

【ビキビキ、という――リリアにとっては嫌な音が、背後で響くことだろう。】
【それは瓦礫が砕かれる音――徐々に、徐々に裂け目が入った破片たちが砕かれ―――山が、崩れる。】
【同時に響いたのは四発目の銃声――"弾"末魔がもう一度、声を上げて。まるで新しく生まれ変わったかのように――そう。】

――――――トドメを刺さずに逃げ帰るなんて、悪魔って意外と―――"間抜け"なのかい?

【―――紛うことなき姿。破片の衝突により彼方此方が破損し、素肌が見えてはいたものの確かに、それは―――】
【ズタボロになったティターン・アーマーを装着し、もはや顔面を覆うメットすら割れ、そこからまだ消えない"瞳"の炎を覗かせた――】
【セリーナ・ザ・"キッド"そのもの。ただ先程と違うのは――大きく違っているのは、シルエットだ。】

【ガトリング・ヒュドラに勝るとも劣らない爆音を響かせ――何らかの機械の駆動音、それと共にセリーナは"飛翔"――足元の爆破を、回避した。】
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/03(月) 00:01:03.52 ID:/ktBMRRIo
>>745




                 ―――――――翼神信仰<ジェット・ケツァルコアトル>

【背中――ティターン・アーマーの背部、魔導機関を搭載しているそこに直結するように装着されたその"武装"は、まさしくジェット<推進器>だった。】
【風の文明神、大空を羽ばたく『ケツァルコアトル』の翼部を模して作り出されたこの武装は、装着式のフライト・ユニットだ。】
【薄く幕のように張り巡らされた生体機械の翼部分は、まるで蝙蝠か太古の翼竜を思わせるような不気味さで】
【更にその基部に括りつけられた"推進器"は場違いなほど発熱し、凄まじい勢いで下へと目掛けジェットを噴射しつづける―――】
【この瞬間、確かにセリーナ・ザ・"キッド"は飛翔している。そう、この鎧を纏った重量を空中へと無理矢理浮かせて――滞空。】
【人造の悪魔の背に、人造の羽が生えた――とても正義の徒とは思えない強烈なシルエットとなり果てたセリーナは、更に上昇、上昇―――ッ!】

残念だけどそのIFとやらは現実になっちまったみたいだよ?リリア。"生き返った"のさ、あの世の果てからアンタを地獄へ叩き返す為に、ね。
それとも――もう喧嘩はおしまいにしてお家に帰る時間かな?アタシがあんまりしぶといモンだから尻捲くって逃げようって寸法かい。

六罪王が聞いて呆れるね、本気でアタシを"消したい"なら―――来い。次のフィールドは"空"だ。
まだ―――アタシは死んじゃいないよ。

【両手に構えるは、"弾"末魔、そしてケルベロス・マグナム――合計しても残り、三発か。】
【しかし壊れた天井から彼女は雪の吹き荒れる中へとジェットを加速、リリアを置き去りにするように上昇――二挺拳銃を、構えた。】

【―――放って置く事も可能だ。ただ――セリーナは思う。リリアは必ずアタシを倒しに来る、と。】
【厄介事であるから消そうとする、放置する筈が無い。悪魔の技術で作られたこの鎧は気に入らない、とも言っていた――ならば。】
【自分より遥かに"格下"の相手が自分を酷く"挑発"し空を飛び回っているこのシチュエーション、怒りに燃えている筈だ。】
【―――これが上手く行かなければ、自分は死ぬだろう。しかしそうやっていつでも命を"ベット"してきた――そう、セリーナはギャンブラーだ。】

【そして彼女は――賭けにはとても、強い。】
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/06/03(月) 00:05:24.60 ID:QL6KL1vP0
>>749

殺す。殺す。

ーー止て(ころして)あげよう君の全てを。

【残忍性すら無く、空虚に、殺意と共に、笑む。】
【黒の中に浮かぶ、蒼い瞳。邪悪な月めいたそれは、鈍く灯る。】

【ストッパーは、無い。】

【SS=ミストドラゴンに、ストッパーは、無い。】
【今の彼は、夢を見ない。】

俺に流れる、咎に堕ちる刃が。

全てを、唄にするーー『終わるストラディバリウス』

【地の利、その点において、ミストドラゴンは劣勢。】
【故に覆す、悍ましき手段で。悍ましき『凶器/狂気/狂喜』の刃を以て。】

『歌え』

【地面に、両手を着く。まるでアンカーめいて、地を掴む。】
【無論其れだけで、持ち堪える訳では無い。そ切断された、スクラッパー】

【根元から斬り落とされたわけでは無い。】
【故に、凶器。今に限っては、彼を地表に継ぎ留める、錨。】

【そして。】

『ディスコード』

【尾?骨から迫り出す、尻尾めいた、異質な触腕。】
【先端が『開く』ーー死の地獄めいた『砲口』ッッ!!】

【そして、『砲撃』】

【『音』の、砲撃。大音量『殺人音波』による、指向性を持った砲撃。】
【押し潰し、切り刻みーーそう言った目に見えた物理的破壊でない、『殺人的振動弾』】

【『崩壊』を与える、兵器。】
【破壊力故に形を持ち、視認が可能だ。ひどく歪んだ音符の、集合体という形で。】

【砲撃の直後、彼を継ぎ留めたアンカー触腕が限界を迎えたか、彼は無造作に宙に舞い上がる。】
【つまり、空中戦にーー貴女が『ディスコード』を凌ぎさえ、すれば。】
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/03(月) 00:08:15.80 ID:cLWIz/Hwo
>>748

やはり、能力にも制限があるんですね?

【限度があると聞き、女性――ピオネルスカヤはそう推察する】

「……」

【青年――リャザノフは、店主の思わせぶるな言い方が気になるのか、黙ったままだ】

ああ、同郷の方でしたか。それは奇遇でしたね
せっかくなのでもっと能力のお話を……
え?もう店じまいですか……残念ですね

「もう充分でしょう先輩、行きましょう」

【店主が店を片づけ始めたのを見て、その場を立ち去ろうとするが】
【青年―と、自分に言葉を投げられたのを聞き、立ち止まる】

「自我と自制……ね。勿論俺だってわかってるつもりですよ。
自分の能力を正しく使うこと、そしてそれ以前に自分が能力に呑まれないことが、能力者の務めだ」

【青年は自分が思う能力者の在り方を】
【もう表情は強張らず、店主の目をしっかりと見て答えた】

また会ったときは、もっと詳しく能力のこと教えてくださいねー!
アイスたくさん買いますから!

【女性の方は、能力者の在り方云々よりも能力のことにしか興味が無いらしく】
【大声で屋台を引く店主を見送った】


――さて、いい感じに日も暮れましたし、夜の能力者探しといきますか

「危険なところに行くのはダメですからね?」

【言い合いをしながら、2人も公園を後にした】


/ありがとうございましたーお疲れ様です
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/03(月) 00:14:07.90 ID:XCcaZlDOo
>>751

終わっ、た……

【一気に全身の力が抜ける。膝が折れ、その場に座り込む】
【直後、鉄くずの拳が二人の間に割って入る。しかし攻撃を仕掛ける気配はない】

……安心しなよ。
これ以上痛めつけるつもりはないから。

【ふ、と小さく笑みを浮かべ、スクラップ・スターに話しかける。通じているのかはわからないが】

【「でも一応、見張らせてもらうよ」と、胡坐をかき、自警団の到着を待つ】


【くしゅん、と小さなくしゃみが響いた】

/ありがとうございました、お疲れ様でした!
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/03(月) 00:23:29.00 ID:hrPpGVZFo
>>752

……銃使いのミラーマッチってのは、アレだよな……
例えるなら、そう―――『水の張ってある洗面器から先に顔を上げた奴の負け』ってヤツ……!!

……つまり、焦って思考を止めて突っ込んだ方が不利を被る。……ま、考えすぎて動けなくなるのもアレだから、その境目がムズいんだけどな

【氷の礫に切り裂かれた部分、正確に言うと右腕、左脇腹、右脹脛がヒリヒリと痛む。この冷たい空気が、尚更赤いラインに染みこんで辛い】
【相手の戦略に脚を突っ込んでいるという事実が苛立ちと焦りを募らせるが、其れを抑えんと学んだ極意を声に出して呟く】

【彼も、戦闘の中の静寂はあまり好きではなかった。心が冷えかねないし―――敵と同じように、死が背後から肩を叩いてくるような感覚に襲われるから】
【しかしそれに耐え難き故に、それから逃げ出すように行動することが良手に繋がった試しは無い。先ほど呟いた極意にも、反している】

【深く息を吸ってプランを練っていると―――静寂が、そして氷柱が割れる音が轟音の後に響いた。同時に、リロードし終えた拳銃を具現化する】
【雪を踏み鳴らす音が、確りと耳に届く。……先程の轟音と共に、接近してきた証拠だった】

―――ッッ!!

【悪い視界の中で、人影が見えた。丁度割れて崩れ落ちる氷の向こう側に、ぼんやりと】
【暗闇+氷の礫だ、お互いの視界は最悪―――単なる射撃技術なら、負ける気がしない。その思考から、撃ち合いの真っ向勝負に答える】
【左の銃から、礫の間を抜けて狙いは最初と同じく彼の拳銃。―――お互いの弾丸が、同時に発射された】

―――っな……んだとぉッ……!!

【―――左手に物凄い衝撃が伝わり、青の銃が弾け飛んだ。まるで電撃を浴びたかのような感触だった】
【……撃ち合いの真っ向勝負。―――認めたくない事実だった。自分が外し、相手が当てたという事実は、彼のプライドを、誇りを強く傷つけた】
【原因は唯一つ。目標がハッキリと定まらなければ、幾ら素晴らしい技術を持っていようと当てることは困難―――敵の綿密な下準備が生み出した、結果だった】

【青い銃は白の床を滑ると、直ぐに消滅する。―――再度具現化には、また長い時間が必要になる。即ち、此処からの少しの時間、左の銃だけで戦わなければならない】
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/06/03(月) 00:25:43.29 ID:xxC+1nnX0
>>757

【そのくしゃみの僅かな間だろうか。そのマインドはその一瞬を見逃さなかった】
【巨大な左手の存在は、しかとトラネコの体を掴むと、可能な限りだが、優しく明後日の方向に放り投げる】

【いや、明後日の方向というには、少し違いがあった】
【その"明後日の方向"には、何時の間に駆けつけたのか、自警団では無く、先刻の輸送車両】
【カタパルト砲座が設置してあった荷台には多くのクッションが積まれていて、トラネコはそこに落着する】

『通信でやばそうな感じだったからもしかしてとは思ってたけど……マジかよ……』

【窓から顔を出してそんな事を言うのは、おそらくトラネコの部下と思わしき機関員】
【流石にキグルミは着ては居ないが、傷の少ない顔と、フォンチュンを見て驚いてハンドルをきる辺りで彼の立ち位置が分かる】

【スクラップ・スターはマインド能力だ。本体から一定距離以上離れることは出来ない】
【車で遠ざかるのに引きずられる形で浮遊して去っていく。が、途中で一回だけ振り向いた】
 【フォンチュンにしかわからない事だが、それは何となく恨みと感謝が入り混じった様な感覚だったらしい】
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/03(月) 00:25:54.07 ID:WwmG5HXTo
>>750

ふうむ、困った。非常に、困るよ。
―――― だが

【そう言いながら、再び新たなナイフを生成する。しかし、今度のそれは不気味な紫色のオーラを放っている……】

ようやく私も活路を見出したよ、狂死郎くん。
…………先に助言しておいた筈だ、“口は災いの元”、とね。まさしく私の前ではその通りなのだよ。

【そう言いながら、ナイフで飛来する札を受け止めようとする】
【札の速度と、目に見えるほど強力な結界だ……。“タダのナイフ”では何の意味も為さないだろう。しかし――――】

【その符とナイフが接した瞬間、閃光の様な光が走ったと思うと、結界は消滅し、符はタダの紙切れになっているだろう】

君はこう言ったね、『創造神』ならば『創造神』らしいことをしてみよ、と。
……―――― これがその答えだよ。狂死郎くん。

【ナイフは依然、紫色のオーラを放っている。しかし、生成直後よりかはその程度が弱まってきているのが伺える】

これは“封魔のナイフ”だ。端的に言えば、魔力だとか霊力と言ったものを打ち消す力がある。
……言ったろう?私は『何でも思いのままに創れる』と。
――――しかし……

【ナイフの放つオーラを見つめながら言う】

狂死郎くん、残念だが私にはどうやら勝ち目は無いようだ。
君の言うとおり、私が君の罠にまんまと掛かったというのなら、
謂わばここはキミのフィールドだからね―――― どうせ、もっと沢山の罠を張っているのだろう?
初めから私に勝ち目など無かった、という事だ。違うかね?

【はぁ、と溜め息を吐く】

……だが、私は『創造神』だ。―――― その気になれば“勝ち目”をも創り出せるッッ!!

【そう言って、再び狂死郎に突撃をかける。だが、先ほどの突撃とは違う】
【今度は、狂死郎の“本体”に対する攻撃だ】

【爆炎で雪が融けだした地面を思い切り蹴飛ばし、急加速する。迂闊に近づかないのではない。普通、誰しもがそう思う局面で近づくからこそ、効果があるのだ】
【先程、創り出した封魔のナイフを構え狂死郎へと一直線に跳躍する。そこまで速度は速くないが、“封魔”故、青年の持つ霊的な力では彼を防ぐことは出来ないだろう】

【ザ・ボードビル・デュオは口癖のようにこう言っていた。“口は災いの元”と】
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/06/03(月) 00:26:12.70 ID:xxC+1nnX0
>>757

/また乙言うの忘れてた!
/お疲れ様でした!
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/03(月) 00:37:28.24 ID:SNhaOvkwo
>>755
【砲口が、咆哮の様な唄を───砲撃を、音階の波と化して吐き出した】
【それは白い竜巻を貫き、掻き乱す───しかし暴風のエネルギーは、簡単には途切れない】
【だが、その向こうにいるのは彼女───プラチナ=グレイという狂者である】

───素敵な音──────

【死≠感じさせるその音色に、紡ぐ静かな言葉】
【───死を持って私の世界は終わる、死ぬ事で私の物語は完結する】
【人はいつかは死んでしまう、だからこそ刹那を精一杯、いつ死んでもいいように】

【───だが】

でも、足りない

【両手の鉈を、地面に突き刺す───まるでミストドラゴンがそうしたように】
【崩壊の奔流を小さな体一つに受け止める、受け止められる自信がある】
【鉈を錨に、吹き飛ばされる事のないように、耐え切ってみせる】

【───これが、プラチナ=グレイという女】
【これが、死を恐れぬ殺し屋の覚悟】

【右、左───鉈を地面から抜き、跳び上がる、雪原にあっての超跳躍力】
【既に消えた竜巻に巻き上げられたミストドラゴンを追い、更に空中を跳び上がり───】

残念だけど、これで終わ───

【鉈を振り上げる───しかし、それは届かない】
【ガクンと体が落ちる、いつもなら届く筈の高度、しかし届かない】
【戦いに慣れた彼女は直ぐに悟った───足りないのは自分≠セと】

…嗚呼、残念

【落ちる、着地や攻撃なんかではなく、ただの自由落下】
【積もった雪はクッションになる、落ちたとしても大したダメージにはならないが】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/03(月) 00:38:36.53 ID:S0TRLg+yo
>>753-754

【―――馬鹿な≠ニ。一瞬だけでも、『振り返りたくない』と思ってしまった】
【それほどの衝撃――確かに相手は大打撃を受け、コンビナートの瓦礫に埋もれ】
【そして、死したのでは?いやそもそも、私は念を押してレーヴァテインを仕掛けたはず】

【数秒――それだけ経って、瓦礫の山が既に崩れた辺りでリリアは振り向いた】
【レーヴァテインはまだ爆発していない。しかしもう――その瞬間に、飛翔≠ェ見え】

(アイツは……あの魔具≠ヘ流石に、壊れてないか……ッ!)
(しつこいね、本当に…ッ!! あぁ正直思ってなかったよ、生き返ってくる≠ネんてね――!)

だけど――それがなぁに?飛べたから何?勝ったつもりぃ?
……っ、ふふ……アッハッハ!可笑しいねぇセリーナ・ザ・キッドォ…!!
空を飛ぶなんて鳥も虫も、一部の魚でさえも出来る事…!まして、私はどうだったかなぁ…?

ふ、くふ…っ!キミが空を飛んだ所でェ!私に…生まれて直ぐに飛べた私にッ!!
敵うわけ無いだろォよセリィーナ・ザ・キッドォォォオオオオオオオ!!!

【相手が生きていた。自らも容易な飛翔という事柄で勇を誇られたこと】
【全てはセリーナの予想通り=\――牙をむき出しにして、リリアは猛る】
【ただしその様相は尋常ではない。体温の上昇から毛皮は燃え盛って地に落ちる】
【剥きだした牙というのも吸血鬼か獣人の如く、翼は人が両手を広げきったように張って≠「る】

【―――飛び上がった後は、本当にただセリーナの後を付け回して羽ばたくのみ】
【魔術も並行して使用するから、速度は凄まじい。ジェット噴射などものともせぬほどに、だ】



【さあ、ここからどうする。狂犬を引き回して向かう先はやはり教会であろうか】
【その構造は難しくない。一階、礼拝堂。二階に当たる塔には結婚や時刻を告げる¥燔O】
【そして、塔の頂点には十字架――ちなみに鐘は凍ってこそいるが、存外に立派なもの≠セ】

【―――そういえば、悪魔は夜の生き物だ。そして、淫魔は不貞を象徴する】
【いや、別にそれがどうというわけではない。ただ常識的なことを述べたのみである。】
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/03(月) 00:47:58.60 ID:vt4aOOEqo
>>758

【氷を砕いた。アイツの銃を吹き飛ばした。好機だ】
【優位な状況下にあるのだからここで立て直すのもありだ。】
【どうやら相手は手負い。長期戦になればこちらが優位なはず】

【だが、男は射撃を続ける。その銀色の赤い銃を続けて連発する。】
【その弾丸は当たることは内容にずらしてある…が、それは突如発火する。】

【先ほど見た、弾丸の小規模な発火。これをおこなっただけだが】
【当たらないにしても、暗い中、急に近くで真っ赤に燃える炎を見たら目はどうなるだろうか?】

【そして、男は走る走る正面突破、息を切らせ、全力で距離を詰める。】
【弾丸は今はゼロだ。リロードすれば血を持っていかれるため走れなくなる。】

【目が眩んでいても真っ直ぐ闇雲に撃てば当たることもあるだろう】
【そういう想像を、この男は今回は放棄した。】

ゴー!ジョニー!ゴー!

【先程まで車の中にかかっていたロックンロールが思い出される】
【男はその声に従うことにした。何故だろうか…それは言葉に出来ないし、してはいけないんだ。】

【そのまま、銃弾に撃ち抜かれることなければ、男はその細長い体でタックルを食らわせるだろう】
【撃鉄を起こして、相手の額に銃口を付けるのか】
【はたまた、雪の上に這いつくばりながら相手に銃を向けるのかは…すぐに分かることだ】
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/03(月) 00:48:18.61 ID:QL6KL1vP0
>>762

【宙に舞う。舞うーー】

【そして、墜ちた。尾?骨の触腕が格納された。】
【全身を雪に塗れ、うつ伏せに倒れ、ハットだけが、まだ、宙で揺らいで、落ちて来る。】

【白雪が、異常の色に染まる。紅く無い、血の色。】
【山刀は、未だに握っていた。殺戮への執念か? 或いはーー】

・・・殺せなかったなぁ

【くぐもった声。殺意。動く。】

【腰の触腕が延び、枝分かれ、蜘蛛脚めいて、彼を雪原から浮かばせる。】
【悍ましく、冒涜的な姿。殺戮のモンスター。】

嗚呼・・・・・殺せなかった。

【がしゃ、がしゃ、凡そ人間性の無い、機動手段。】
【底抜けに歪み、歪みすぎた『死の足音』が、嗚呼・・・・・迫る、迫る・・・・・】

【『殺意』】

【それが、SS=ミストドラゴン】
【殺戮に狂う、正義の味方の、醜悪なる心だった。】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/03(月) 01:07:45.38 ID:/ktBMRRIo
>>763

【ボウ、ボウ―――と、雪が視界を埋め尽くす雪原の空を、鎧を纏った異形の"ガンマン"が駆ける。】
【短期間ではあるが、ジェット・ケツァルコアトルの性能であれば装着者に飛行能力を与えられる。】
【高く高く舞い上がり――銃を振りかざしたその瞬間、そう―――まさにその直後、追っ手が"尻尾"に噛み付いてきたのを見て】

【――――"笑った"。確かに笑った。口元をにぃ――と、歪ませ。】
【この時ばかりはセリーナが――ギャンブラーとしての危険な一面を覗かせる。】
【自身の命も、周囲の状況も、相棒の魔導具すらも全てを勘定し、賽の目として扱い――出るか、出るかと待ち続ける。】
【しかしそれこそセリーナ・ザ・"キッド"の真骨頂だ。ただのガンマンではない――彼女は与えられた状況に対し、最善を尽くす為に】
【ありとあらゆる要素を武器とし、それに賭ける――結果、リリアは勝負に"乗った"。そうだ、それでこそ、だ。】

(―――来た。やっぱりアタシが憎いらしい。そりゃそうだよね、アタシだってアンタが憎いんだ――ある意味相思相愛、ってなワケさね。)

(だからお互い―――絶対に容赦しない。そう、それだけは絶対なんだ。だからこそ賭ける価値がある。)

――飛べたくらいでアンタの上に立てるなら、アタシは米軍さんに頭下げてラプターでもアパッチでも借りてくる自信があるね。
けどそれだけじゃどうにもならない、だからアタシも必死なんだ。

けどね。良いかい悪魔―――"敵うわけない"相手に向かって本気になっちまってる時点で――それはもう、アンタが"追い詰められてる証拠なんだ"。

――――ぐ、うう・・・ッ!!

【――傷が痛む。リリアの飛翔する速度は凄まじい――吹き荒れる吹雪が更に威力を増し】
【リリアのそれによって身を切るほどの破壊力すら生み出して。アーマーで防げない箇所から、何度も何度も血が吹き上がる。】
【浅いとは言え重なれば致命傷になりかねない。ただ――何故だろう、妙に頭は冷静だった。】
【トランプで相手を"騙す"あの一瞬、自分はどんな表情を浮かべるのか、自分でそれを意識すると気付かれてしまうあの緊張感――あれにも近しい。】
【もっとだ。もっと怒らせろ。此方が殺される最期の、その直前まで怒らせろ―――血が抜けたセリーナの脳内に、幾つもの情報が満ちていく。】

【残弾数。敵の位置。"アレ"の位置。敵の速度、自分の速度、弾丸の速度―――今、どこを飛んでいるのか。】
【宙を舞うセリーナが残りニ発となった"弾"末魔の内一発を、リリアの羽目掛けまさかの、発砲――!この空中戦においてもまだ、その狙いは精確で。】
【もっとも、それでも精密さで言えば先程よりは幾分か劣るだろう。それだけの疲弊、それだけのダメージ――如何に見越し射撃が得意なセリーナといえど】
【これだけの速度で飛び回るリリアであれば回避をすることすら可能なレベル――だが、それでも着実に、一歩ずつ、確実に、】

【―――ジェットを搭載し、まるで小賢しい蝿のようにびゅんびゅんと飛び回るセリーナは確かに――――教会の真上へと、高度こそ相当なものだが、来て。】
【嗚呼、イライザの方が適任だ――半ば酔って来た頭をフル稼働させ、そしてとうとう一気に、高度を"落とす"――――】
【ただ、闇雲に下へと下がったわけではない。なんと―――自身からリリアに衝突しようとして、"抱きつこうと"してから、だ。】
【弾丸が少なくなった、確かに追い詰められたセリーナの最後っ屁と捉えることも出来る滅茶苦茶な攻撃――リリアの目にはどう映ろうか。】
【無論、回避も可能だ。ただひたすらに、掴みかかろうとしているだけの――単純な動き。】

―――――う、ああああああああああああああああああああああああッ!!

【その隙に、片手に握った本命の―――炎の榴弾を宿した"ケルベロス"をリロードし】
【先程一瞬、視界の隅に捉えたあの"鐘楼"のことを思う――あの程度の氷結ならば、きっと。】

【コイツで溶かしきれる―――と。】
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/03(月) 01:08:16.34 ID:SNhaOvkwo
>>765
【殺意>氛氛氈z
【何度も何度も、幾度となく浴びせられてきたその感情、すべてを切り伏せてきたその感情】
【最早恐ろしいとも思わない、冷たい雪で感覚が鈍ってしまったかのように、空虚な感覚】
【ただ分かるのは、立ち上がる事が出来ないということだけ】

【このまま目を閉じれば終われるか───】
【だとしても後悔はない、むしろ心地いい、これでこの世から消えるというだけ】

───残念…

【呟いた言葉は、やはり死にたくないという心変わりか───いや違う】
【ミストドラゴンから見てプラチナの向こう、歩いて来る人影一つ】

「……おいおい、なんつー相手と…それ人間?」

【呆れた言葉を第一声に、現れた男は、以前にミストドラゴンがプラチナと共に見た男とは違う】
【黒いビジネススーツ、黒い革靴、爪痕みたいな模様の超絶にダッサいネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型の男だ】
【その右目には眼帯を───『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【機械的な柄を持つ刀を、これまた機械的な鞘に納め、ベルトの左側に挿している】

「…どっちでもいいや、言葉が通じんなら聞け」
「こっちは撤退、テメェはここを守り切った…つーことでまぁ見逃してくれや」
「俺はあれ…ただの救護班だから、こいつはきっちり連れて帰るからよ」

【異形の様相を示すミストドラゴンを警戒しながら、男は左肩にプラチナを担ぎ上げる】
【軽そうな体だが、人の身一つを軽々持ち上げる力───それと、傷一つ無い健全な姿からして、手負いのようではない】
【オマケに『ただの救護班』なんて言いながら武器を持っているのも矛盾する、それを踏まえて、決めるのはミストドラゴンだ】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/03(月) 01:14:08.72 ID:hrPpGVZFo
>>764

【肉体的ショックと精神的ショックが同時に襲い掛かる。然し、唖然としている場合ではない―――相手は銃撃を続けている】
【だが、もう彼には盾は無い。盾を生み出した右手の銃は、飛ばされてしまったから】

【そして暗闇の下では、銃の精密さは相手が上。脚でも精密さでも負けるのなら、もう勝ち目は―――】
【などという思考に陥ろうとする脳を戒め、刹那の間に必死に頭脳をフル回転させる。―――どうすれば、この絶望をひっくり返せるかを】

(―――今の俺には何が有る……!? 考えろ……考えろマーシャル・T・ロウ……!!)
(弾丸コントロールも、視野の広さも無くなっちまった……!! 脚は元からゴミクズ……近接戦闘? いや、んなもん付け焼刃しか無ェ……!!)
(……―――!! いや、あるじゃねぇか……!! 俺にはコレが……!!)

【彼はコートの下に、銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントを首からぶら下げている】
【其の玉、実は宝玉―――カノッサが狙っている、不思議な魔力を含んだ玉。絶望の刹那、そのペンダントから微かに怪しげな魔力が香った】
【右の銃を構えた矢先に、またしても視界が奪われた。今度は強い光によるものだ―――が、ここで怯んでいる場合ではない】

―――弾丸憑依……Slap!!
(雪を踏む音……そうだよな、男なら正面からぶつかってくるよな……!!)

【男は咆哮と共に、耳と感覚だけを頼りに銃弾を撃ち抜いた。―――勿論、勘で当たる程銃撃は甘く無い……が、目標から大きくずれていなければ十分だった】
【撃ち抜かれた弾丸の軌道は、敵の胸の高さやや右。そのまま真っ直ぐ飛べば、当たること無く虚空を裂くだけの一発。しかし―――】

【彼には宝玉が―――『幽幻の宝玉』の力が味方していた】
【飛来する弾丸から、半透明な片腕が生えたのだ。そしてその腕は、相手にラリアットを食らわせんと肘をつっぱらせ腕を水平に伸ばしたのだ】
【この腕、中々の豪腕。其れが弾丸の速さで飛ぶのだから、直撃すれば無傷では済まないが―――】
【もし躱したのなら、タックルがソフト帽の男のみぞおちに突き刺さるだろう】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/03(月) 01:17:12.81 ID:z5Q/x+t+0
>>760
(これ以上煽っても何も出てこないか―――じゃあ仕方ないね、そろそろ幕引きと行こうか)

【狂死郎は“今”は目の前の六罪王たる男に対して勝利を収めることは難しいと考えていた】
【だとすれば―――“次”に勝利を収めるために必要な“モノ”を集めることが“今”出来ること】

確かにその通り……この場所は完全に僕のテリトリーになっているのさぁ!!
口は災いの元―――?ああ、そうとも……僕の言葉は災いを呼び込む―――但し、君に対してだけどね!!

【狂死郎は迫り来る男と封魔のナイフに対して、回避するでもなく―――突如地面に右手を着く】
【―――果たして狂死郎がこの場所で戦闘を仕掛けたのは偶然なのだろうか?】
【その答えを知らしめるかのように―――狂死郎が手を着いた場所から瞬く間に結界紋様が浮かび上がっていく】
【よく見ればその遠く離れた東端、西端、南端、北端にはそれぞれ違った紋様の1枚の符が設置されていることが分かるだろう】

往ける者よ!!往ける者よ!!彼岸に往ける者よ!!
彼岸に全く往ける者よ!!悟りよ!!幸あれ!!

【狂死郎が真言(マントラ)を唱えるたびに結界紋様は眩い光を放っていく―――】

目には目を!!歯には歯を!!―――封魔には封魔の力を!!


                  金 剛 界 ・ 五 行 封 印 !!


【そして狂死郎が高速で印を切り、“封印術式”は完成する】
【今、ここで封印しようとするのは“封魔のナイフ”―――四方から光の触手として伸びた封印の力と封印の力がせめぎ合う】
【しかし封印の力は術式の複雑さに伴って強化される―――封魔のナイフは“簡単”過ぎたのだろう】
【封魔の力は男の手元のナイフから消え失せ―――狂死郎の右ポケットの中に入っていた1枚の空の符に封印された】

【だが狂死郎はこれで力を使いすぎた―――封魔の力は何とかできても、突進してくる男はどうにも出来ない】
【そのままの勢いで腹部をさされ、さらに男の勢いに負けて元トタン屋根の小屋の方向へと吹き飛ばされる】

ガハッ!!―――今のは流石に効いたね……
正直のところこれ以上は戦えそうにないや

【狂死郎はトタン屋根の小屋だった無数のがらくたの中からよろよろと立ち上がる】
【その姿は酷いもので、腹部からは血が流れ、全身の骨のどこかも折れている様子だった】

けれども“鍵”は手に入れさせてもらった―――君を完全に滅ぼすための“鍵”をね
この“封魔の力”―――君をぶっ殺すための特別な魔族の材料として使ってあげるよ
首をながーーーーーーーーくして、待っててね?それじゃあこの辺で!!

【狂死郎は右ポケットに入った符を男に見せびらかすと、そのまま背を向けて退却を始める】
【普通であれば男の身体能力からしてすぐさま追いつかれてしまうだろうが、そこは抜け目が無い狂死郎のこと】
【トタン屋根のドア“だったもの”のドアノブに触れた瞬間、狂死郎の姿は消え失せて―――ドアノブも粉々に砕け散ってしまった】

/明日早いのでちょっとこの辺で……ありがとうございました!!
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/06/03(月) 01:38:40.71 ID:QL6KL1vP0
>>767

【現れる『第三者』ーーいや、否か。『増援』】
【或いは『救援』ーーなんにせよ、シンプルに言うならば。】

・・・『新手』かぁ。
君は……知らない顔だね。ああ、なかなかやりそうだ・・・殺したくなるよ。心が震える。いいね。

【言いつつもーーミストドラゴンとて『熟練者』】
【つまり、殺戮・戦闘の。この状況から『継戦』を挑む程、狂い切ってもいない。】

【山刀を腰に納め、無に近い空虚さで、殺意も薄まる。】

あらら……いいよ、それで……こう見えて状況判断のプロフェッショナルだからね俺は。不利だ。
殺し損なったし……ふふ、興も冷めたし・・・興が冷めたんだよ。つまり。

【巫山戯た笑い。事実、それが一番の要因かもしれぬ。】
【殺戮の『快楽』も『インスピレーション』も、感覚。『興』が重要なのだ・・・】

【そして其れらを得れぬなら、殺す必要『無し』】
【まして、どうせ世界が崩壊する訳でも無い。失ってしまう訳でも無い・・・】

君ら……何の組織か知らないけどさ、愉しめそうだよ。 是非、悪の側を贔屓しておくれ。俺が殺したいんだ。……まあそれはいいや。是非自由にどうぞ。
ああ、俺、ミストドラゴン・・正義の味方で、ミュージシャン。新盤もよろしく……なんてね。

【それは酷く歪な、自己紹介。また会う為の。】
【その口元に堕落的な笑みを浮かべ、虚な蒼瞳が、どろりと、揺らいで、細まる。】

じゃあ・・・撤退しなよ。俺は義理堅い性質なんだ。

【そして、彼はこれ以上の干渉を行わない・・・】
【義理堅いのか? 単に疲れただけだろうが……】
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/03(月) 01:42:12.48 ID:WwmG5HXTo
>>769

何……ッ!?

【降雪と宵闇が狂死郎の味方をした。視界の悪さ故、beyond2で強化された視力を以てしても、その“最大級の罠”に気付くことが出来なかったのだ】

【男は、ザ・ボードビル・デュオと名乗ったその男は大変な思い違いをしていた】
【完全にチェックだと思っていた。こちらの手には封魔の力を秘めたナイフがある。故に狂死郎は攻撃を諦め防御に専念すると思っていたのだ】
【しかしアテは外れていた。男は最初から最後まで狂死郎の手のひらの上で踊っていたに過ぎなかったのだ】

【封魔には封魔の力を。その“言葉”通り、封魔のナイフは封印術式の力が及ぶと、先と同じように再び閃光を発した】
【しかし、その閃光は輝きを尽くす前に、諸共、眩く光る触手に包み込まれ――― 消えた】

だがッ!!死なば諸共よッッ!!!

【確かに封魔の力は消滅した。しかし、ナイフ自体は未だ残っている。そして狂死郎は目前――――ッ!】

うおおおおオオオッ!!!

【猪のような唸り声を上げながら、突進する。ここで狂死郎が“何か”をしてきても、少なくとも、体当たりくらいは出来るはずだ】
【しかし、青年は何もしなかった。否、何も出来なかったのだ。これまで、ザ・ボードビル・デュオと名乗る男を圧倒してきたが、代償に相当な力を使っていたのだ】

【ナイフは青年の腹部に突き刺さる、そしてそのまま男がbeyond2で得た強力な肉体で、体当たりをぶちかますだろう】
【飛来する岩石が衝突する程の運動パワー。いくら相手が強力な陰陽師と言えど、この力を瞬時にどうこうする能力は持ち合わせていなかったのか】

【狂死郎はそのままトタン小屋だった方へと吹き飛ばされる】
【と、同時に男の体に妙な脱力感が湧いてきた―――― beyond2の効果が切れたのだ】

……狂死郎くん……。やはり私に“兵隊”の役目は向いていないようだ……。

【ゼェゼェと息を吐き、その場に跪く】

“鍵”か……。果たして、それが本当に私を滅ぼす“鍵”になり得るかな……?

【狂死郎が最後に見せた符。恐らくアレが彼の言う“鍵”なのだろう】

【狂死郎はこの場から立ち去ろうとしている。beyond2の効果が切れていなければ、彼に追いつくことも叶っただろう。しかし……】

……―――― 狂死郎くん、君へ“本当の鍵”のヒントを渡しておくよ。
よぉく、聴き給え、狂死郎くん。『口は災いの元』だ。良いかね?気をつけたまえね……。

【激しい呼吸紛れのその言葉は、去りゆく狂死郎の耳へ届いたかは、わからない】
【だが、魔力や霊力を扱う者ならば、察したはずだ。この男には“封魔”など到底行うことが出来ない程、微量の魔力しか無いということを】

……さて……、と……。

【呼吸を整えてから、男は、初めと同じように再び姿を消した】

//たいそう微妙な感じで本当に申し訳ありませんでした……。すいません、次こそ上手くやりますので……。今晩は、ありがとうございました。
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/03(月) 01:42:16.37 ID:S0TRLg+yo
>>766

【ギャンブル――思えばリリアは、今までに一度も≠サれをしたことがなかった】
【概念は知っている。が、果たしてそれが一流のギャンブラーである】
【セリーナと比べてどれほどのアドバンテージになるものか】
【むしろ頭には『Dis-』が付く――だからニヤリという笑いは、セリーナに有利に働いた】

【人間如き≠フ、この状況での笑みは、リリアの怒りを高めるだけである】
【発せられる熱量が高まっていく。降り来る雪も、積もったものも、全て水蒸気に変えていき】

“追い詰められてる”のはどっちかなぁセリーナぁ〜?
飛ぶだけで身を切るような、それこそ身の丈に合わない武装しちゃってさぁ!

く、ふふ……っ!なんならキミがさっき行ったように、魔族にでもなってみるぅ?
キミが処女なら私が夢魔にしてあげるよぉ?才能は有ると思うけどなぁ
……―――あぁまったく鬱陶しいよねぇキミはさァ!何時まで追いかけっ、こ……ッ―!!

【上へ、上へ、上へ――!ひたすらに極寒の世界を飛び回る、2つの影】
【その1つであるリリアは、追いかけるという形であるがゆえにセリーナの下方に居た】
【故に、突然の一撃を回避するのは難しい。何より、既に怒りでまともに視界も開けていない】
【だから右の羽がはじけ飛び、僅かな一瞬だけバランスが崩れ――】

【そして既に頭は噴火しかけの火山のごとく、見掛けはそうでなくとも煮立っている】
【完璧だ――セリーナの仕込み≠ヘほぼ完璧に働いており、後は――】

ッ…――なぁに?教会の十字架に自分もろとも突っ込もうとでも思ったぁ!?
でも無駄……無駄だってわざわざ言わないと分からないのかなセリーナちゃんはァ!
まあいいよ?キミがそう求めるのなら男女の差なんて気にせず応えるのが私=\――

――――――全部受け止めてあげるよ、ぜぇんぶ。

【『但し―』――バランスの崩れたところを掴みかかられ、抱き着かれた状態で】
【リリアはその頭髪を焔と化して、ティターン・アーマーごと包み込もうとし】
【その髪の棺桶≠ニ肉体で受け止めるようにして、同時に相手を熱で焼き焦がそうとしながら】
【結局は相手の思うように、高度は一気に落ちていき―――教会は、最早目前に存在する。】
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/03(月) 01:55:17.22 ID:SNhaOvkwo
>>770
「…話が通じる奴で助かったぜ」

【継戦は行わない、その事実だけで十分だ】
【男は踵を返し、淡白なまでに作業的な動きで撤退行動を取る】
【機械のように冷たい…というよりは、感情を押し殺している≠謔、でもあって】

「───悪ぃな、どっちに着くかは俺の意志で決めるもんじゃねぇ」
「…ラッシュ・ワンスドッグだ、好きなジャンルはロック」

「…殺されんのは、俺は勘弁だぜ、こいつ≠ヘ知らんがな」

【ラッシュ、そう名乗り返した男は、苦笑いを浮かべると、プラチナを担いだまま歩いて行く】
【彼の言葉の真意───それは、彼もまた何かに従う者に過ぎないという事】

【しかして、吹きすさぶ吹雪は去る、再び吹くその日まで】

/お疲れ様でした
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/03(月) 01:58:01.45 ID:vt4aOOEqo
>>768

……クソッタレ

【後、数歩のところで相手が銃を撃ってきた。】
【生憎、この男は宝玉に興味もなければ、存在すら知らない。】
【魔力なんてものは存在しているぐらいの知識しか有していない。】
【したがって、その銃弾を避けるつもりで足を動かし体を左へと動かそうと思ったのだが】

【男はその雪の道、まして氷が一度溶けて再度固まったようなところを走ったのだから】
【男は足を滑らせる。体を氷の地面に打ち付けて、見当違いの方向にゴロゴロ転がる。】

【もしも、そのまま弾丸の腕…そのラリアットを食らっていたらひとたまりもなかっただろう】
【ボクサーのストレートは50km/h。拳銃弾は120km/hにもなる。】
【それが急所にめり込むんだから、即入院即逮捕が待っているところだった。】

ああ、クソ……なんて仕事だ。もう真っ赤じゃないか……

【そんな危機があったことは男は気づいちゃいない。】
【ハシゴのようなものに腕を巻きつけるようによろけながら立ち上がる】
【彼の視界は昼のように明るいが、その端の方は真っ赤に歪んで見えていた。】

【血を補給しないとキツイな。我ながらドラキュラのようなセリフ】
【銀色の銃の撃鉄を上げた。現状、これが最後の6発になりそうだ。】

【補給に下がることも考えた。だけれど、そうしたらそれもマズイ。】
【俺も殺して、彼も殺すことになる。それは非常にマズイ。】
【捕まって、また金払って、またどっかの銀行襲えばいい。その方がマシだ】

………今日は、何時までも終わらないんだよ…明日も明後日も…

【血液不足と、寒さともろもろで震える手で、相手に向かって銃を向ける。】
【はしごにまとわりつきながら、ただ拳銃を向け続けていた。】

ああ、……俺にはまだ……明日が来そうにない

【妄言を呟きながら、相手も向けているであろう、銃口を狙う】
【この状態で当たるわけがない。普通ならそう思うだろう】

【だがこの男の弾丸はこの男そのものだ。】

【男は引き金を引いた。】
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/03(月) 02:23:12.53 ID:/ktBMRRIo
>>772

―――お言葉だけどね、リリア。アタシに魔族は務まんないよ。

【―――警告音が発せられる。】

人を人とも思わず、ゴミのように扱いながら――見下し、貪り、そして堕落させる。

【―――それはアーマーの限界を知らせる音でありながら、同時に】

―――そんな風になるくらいなら、いっそ――人として生を終えるほうが、まだマシってもんさ。

【―――ジェット・ケツァルコアトルの推進器の限界を告げる音でも、あって。】

―――ただ残念なことに。アタシはここじゃ、まだ"くたばらない"―――ッ!!

【――――ぷつり。という音と共に――確かに、ジェットは燃料切れを起こす。なんという、タイミングでか―――】
【リリアの身体にしがみついたセリーナは確かに、アーマーも含めて相当な重量と化しており】
【まさにそれは生きる錘となって―――教会の上空、一斉に落下を開始し――そして。】
【伸ばした手に握られたケルベロス・マグナム――番犬が最期の遠吠えを放った。】

【――――強烈な銃声。そしてそれに続いた破壊音と、さらには―――鐘の音。】
【落下を続ける二人を包む聖歌のように、それは響いた――そう、マグナムが最期に打ち抜いたのはリリアでも十字架でもない】

【―――凍てついていた、鐘楼。氷は解け、爆風で教会の下へと落ち――そこで巨大な、カラン――コロン――という、神聖な音色を奏で続けた。】

【――熱が伝わる。アーマーを超過し、生身のセリーナの肉体を焦がしながら―――二人は教会へと、落下していく・・・!】

【―――――その、筈だった、次の、瞬間。】

ところで―――リリア。誰が"心中してやる"なんて、言った?

【―――発砲音。ここにきて、最後の最後に――教会へと落下していくリリアの腹部目掛け――押し付けたのは、最後の一撃を残していた"弾"末魔】
【放たれるのは魔弾ではなく召還陣、つまりはなんらかの武装が――呼び出されるわけで。】
【強烈なエネルギーがセリーナの胸部に集中していくのを感じながら――最も強い"武装"が、呼び出された。】

           ―――――――竜王咆哮<ドラグーン・キャノン>

【胸元。セリーナの胸部を食い破るようにして姿を現した、それはまさにドラゴンの首と口内を模した"巨大な重火器"】
【大きく口を開いたドラゴンの口内に覗く、余りにも大きすぎる強烈なインパクトの"砲塔"――これは、大砲か。】
【周囲に熱のエネルギーが満ちていくのが分かる。それもその筈だ、この巨大武装は"熱"を吸収しそれを動力として】
【最大限の攻撃を撃ち放つ一撃必殺の兵器なのだから―――つまりは。つまりは。】

【かつての戦闘で創炎の宝玉の力を手にし。ジェット推進機がオーバーロードを起こして。更に言えば相手から炎の攻撃を受けている今など――そう。】
【エネルギーチャージには事欠かない、まさに理想的なシチュエーションと呼ぶに――相応しい。】
【ドウ、ドウ、ドウ――内部に搭載された宝玉と、リリアの放った炎とが混ざり合い、魔導兵器の充填は瞬時に完了、まさにこの落下のタイミングにおいて――】

"ターゲット・ロック"

"照準完了"

"セイフティ解除"

"DRAGOON CANNON "


"SHOOT!!(ブッ放せッ!!)"


【燃料の切れたジェットの代わりに、リリアを吹き飛ばし、その上で下方向へとエネルギーを照射することで衝撃の緩和すらも試みる――】
【仮にリリアがこの至近距離からのドラゴンの息吹を――強烈過ぎる火炎放射の砲撃を、回避しなかった場合。】
【彼女は絶大な熱量に弾かれ、そのまま真下の教会へと叩きつけられる結果となるだろう。もっとも――】
【それはドラグーンキャノンを打ち終えた後のセリーナも等しかったが。それでも、尚。】
【ガンマン――射撃手としての全てを賭け。今まさに――空中で、至近距離の砲撃に出るというこの荒業――まさに。】

【――人間にしか出来まい。全てを犠牲にしてもひとかけらの勝利を掴みにいく、この貪欲で卑怯な姿勢――これこそが、人間だ。人間の姿勢だ。】
【そしてセリーナは、そういう事が堂々と出来る、どこまでもどこまでも人間味の溢れた――悪魔の武装に身を包んだ、正真正銘の"人間"だった。】
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/03(月) 02:26:37.39 ID:hrPpGVZFo
>>774

―――ッッ……?

【―――眼が封じられた今、ヒットしたかの有無は耳で確認するしかない。しかし耳から伝わった情報は、少し困惑するもので】
【直撃したときの衝撃音がしない―――のに、自分は無事で。代わりに妙な音が響いて―――】

……躱したが躱したけど、反撃には転じれない―――ってところ……か?

【眩しさが薄まってなんとか眼を細く開ければ、彼が転倒したという事実が瞳から飛び込んでくる】
【然しまだ、確りと相手を狙えるほどの視界が回復した訳では無い―――】

【此方の状態が悪い以上、此処は下がるべきだが―――脹脛の切り傷に、元から痛めている脚、そして滑る床では其れすらもおぼつかない】
【故に、彼はその場を動かなかった。―――いや、動く必要が無いと考えていたのだ】

……どっちにしろ、もう二丁拳銃は無理―――で、今こっちは要らねー……!!

【眼を細めたまま右手に握られていた赤の拳銃を適当に放り投げれば、左手に青の拳銃を具現化する。彼が倒れている間にリロード可能なまでに時間稼ぎは出来た】
【だが、左手は痺れておりトリガーを引けない。だから右の銃を投げ捨て―――両手で銃を握りしめたのだ】

【いや、まだ不安要素があるじゃないか―――まだ眼が開けず、狙いが定まらないという。―――いや、狙いを定める必要なんて無かったのだ】
【正面やや下に向けて弾丸を撃ち抜けば、この環境では力をより発揮する氷柱の壁が二人の間に生える】

……この一発は―――効いたろ……?

【彼はこの戦闘に、「頭脳戦」という印象を抱いていた。お互いが策略を練り、じわりと勝利への手を進める。―――まるで、チェスのように】
【この一発は、即ち彼のチェックメイト。ピンチを凌ぎ切ったという真実と、疲弊している彼の姿が細目からぼんやりと見えたから―――この一手に、確かな感触を抱いていた】

【―――倒れこんだ男の弾丸の軌道は、確かにソフト帽の男の心臓を通っていた。唯、其れを妨げる半透明な壁があったのだ】
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/03(月) 02:30:05.07 ID:QL6KL1vP0
>>770
/お疲れ様でした。今夜は有難うございました。
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/06/03(月) 02:31:08.80 ID:QL6KL1vP0
/>>777訂正、レス先は>>773でした。申し訳ありません。
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/03(月) 02:55:34.41 ID:S0TRLg+yo
>>775

――ハッ!キミの死ぬ死にたくないなんて意志が今更通るとでもッ!?
通らないねぇ!UNITED TRIGGERのセリーナ・ザ・キッドは此処で死ぬッ!!
私に抱かれて鎧の中で茹で上がって、原型も留めず血液が煮立ってッッ―!!!

  (……く、ふふ…っ……私の事を殺せる奴が、そうそう居るはずがない……っ!)
  
  (何故なら、誰も『脅威が迫った時に教会の鐘≠鳴らすことは無い』から――。)
  (それはセリーナも同じッ!この女がどれほど知恵を付けようが、発想は所詮、ッ――!??)

【ドクン=\―当然鐘の音ではない。それはリリアの心臓が止まった最後の鼓動】
【丁度、鐘楼の響きとタイミングは同じであった。思えば酷く簡単な話である】
【悪魔が夜を象徴するのなら、朝の時刻を告げる教会の鐘は正反対の存在であり】
【淫魔が不貞を象徴するのなら、夫婦を祝福する鐘の音色はそれを掻き消す響きである】

【――2つが重なった。思わず左手が自らの左胸に伸びて、怒りの顔が硬直する】
【息が詰まり、口の端からは唾液すらも零れ落ち、周囲の低温によって凍りつく】

【さぞ、おぞましい光景であるに違いない。怒りに驕った悪魔の顔が、苦痛にゆがむ】
【下手に整っているからこそより悲痛なそれは、一種加虐心を誘うものですらあり】
【そんなリリアからすれば、自らの髪で相手を包み込み、焼き殺すというのが最後の望みに近い】

 【ところが、その希望は泡となる。それどころか牙となって、自らに突き立たんとする】
 【頭脳明晰で良く出来た種族であるからこそ、一瞬でティターン・アーマーの機構は理解できた】
 【まさか。理解したくもない―――自らの攻撃が、その熱が、敵の攻撃に化けるなどと】


   グ、くウゥゥゥゥ――心臓、が、ッ……よくも、ォ…ッ!!

   っ……、…貴ッ…―― セ リ ィ ナ ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ! ! !


【咆哮の直後、それを掻き消す更なる轟砲が響きわたって、気付けばリリアは教会の屋根に叩きつけられていた】
【回避など出来るはずもない。肉体の形を変えることも、回避も間に合わなかった】

【それだけ鐘の音は強すぎる弱点≠セったのか――砲撃によって、その左腕は消えている】
【申し訳程度の衣装などはとうに燃え尽き、エロティシズムを感じさせないのは火傷のせい】
【――というよりは、上と下で肉体が分離しているせいだろう。胸部には、爪の痕が見えた】

【後は―――僅かにかひゅう≠ニ息をしながら、その右手が蠢いているのが見える】
【が、未だに鐘は鳴り響いている。恐らくはこのままなら=\―先は長くないのだろう】



  【―――それと伝え忘れたことが1つ。それというのも、ドラグーン・キャノンが撃ち放たれる直前の話】
  【というのは、反撃≠セ。リリアもまた無意識のうちに魔力を、命の残滓ほどの物を絞り出し】
  【ただ一筋の閃光として、時間では癒えない傷≠与える一撃を、セリーナへ向けて放っていた】

  【それが何処かに当たるかは分からないし、当たらない可能性も十分に存在する、が】
  【真っ黒に染まった多重園の瞳が、首の動く範囲でセリーナを探す、その時に】
  【少なからず期待≠していたのは、そんな反撃が在ったから――というのが、理由である。】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/03(月) 04:04:06.01 ID:WwmG5HXTo


【時は経ち、深夜】
【コンビナート 排気塔の頂上】
【作戦決行の合図をした時と、全く同じ構図で男は立っていた】
【―――― ただ一つ、額から首筋にかけてどす黒くこびり付く凝固した血液を除けば】

                              ……諸君。

【しかし、その声は始まりの鬨よりも小さく、風に掻き消されてしまう程で】

                      諸君……、まずは敵も味方も……心の底から労おう

                “悪”よ……、我らが同胞よ、諸君らの邪悪さ、確と見届けさせて貰った。
        因縁の為に戦う者、金の為に戦う者、使命感の為に戦う者……誰も彼も、みな等しく非常に素晴らしい“悪”であったッッ!

               そして、忌まわしき“正義の味方”諸君……。諸君らの正義、良くぞ示した……ッ!
   今日、諸君らの名前は我ら邪悪の心に、深く深く憎たらしい程に刻まれるだろう……。我らに仇なす愚か者、そしていつか斃すべきライバルとしてッ!


                            だが、忘れるな……ッッ!! 諸君……ッ!

                我々の戦争は、我々の聖戦<ジハード>は、今日始まったばかりだッッ!! 

             私はここに宣言しようッ!いつか必ず、我々が遥か古に失った大切なモノを取り戻すとッッ!!


              ……私は“六罪王”が一人、『ザ・ボードビル・デュオ』、名を“エディ”と言う。

                  以後、お見知り置きを……。それでは、諸君、また逢おう。

【そう言って男は、六罪王『ザ・ボードビル・デュオ』は闇の中に飲み込まれて、軈て静かに消えた】
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !蒼_res]:2013/06/03(月) 04:06:41.35 ID:WwmG5HXTo


【そして再び場面は移り、カノッサ機関・本部】
【既にコンビナート内は騒ぎ立てる音も少なく、閑散としていた】
【そしてその様子を薄暗い部屋の中で大量のモニタ越しに見つめるのは例のピンク髪の女】

「被害は……、うーん、深手は与えられなかった、か……。
“土建屋”が退けられたのが痛かったわね……。あの“竜の子”……、良い決断力を持ってるみたい……」

【与えた損害は予定していたものよりも下回っていた。防衛側に付いた忌まわしき能力者たちの功績に拠るものだ】
【だが、モニタに映るコンビナートの各所からは火が登っていたり、一部が丸々吹き飛んでいたり……確実に被害は与えていた】
【―――― カノッサの目的は少なからず達成されていたのだ】
【文明を破壊する。大層な目的ゆえ、それを完了するのは困難だ。到底、一夜で終えられるようなモノではない】
【しかし、今晩の作戦は“始めの一手”。それにしては上々な首尾だ】

「金で雇った兵隊達もイイ仕事してくれたみたいじゃない。
“銀灰”はあの“殺戮狂”と相討ち……、自前で助けを用意していたのね。用意周到なこと。

“紅眼”と“蒼の弾丸”は共倒れ、ってトコか……。“蒼”の方が、“紅”よりも若干、地の利を活かしてたかな、それが生死を分けたってカンジ?」

【大量のモニタは、それぞれ名のある者が先ほどまで戦闘を行なっていた場所を映していた】
【彼女はそれを見ながら、報告書を書いているのだ―――― 独り言を呟きながら】

「ふうん……、それで、あのジジイの後釜に座った売女の……もとい、“悪姫”は……。
“キッド”に手酷くやられたみたいね……。
まさか殺しても死なないようなあのバケモノを、ねえ。彼女、やるんじゃないかしら」

【報告書を走るペンは、たいそう雑把だ。彼女の性格が伺える】

「……エディも、コーネリアスの思想に影響され過ぎなのよ。
アイツは人を変えていこうとするのに対して、エディは環境を変えようとしてる。
そこが違うんだけど。ま、ゴールは同じでもアプローチの仕方は色々よね」

【ふう……と、ペンを置き報告書から体を離し、軽く伸びをする】

(いくら啓発したって、いくら環境を変えたって、人の心や“生き様”なんてそう簡単に変わんないのにね)

「報告書オシマイ、っと……―――― ああ、署名忘れてた」

【仕上げとしてもう一度ペンを執る】

「“六罪王”『ザ・ボードビル・デュオ』“エリィ”……っと」

//さて、全員終わった……様なので、締めの文を投下させてもらいました。
//貴重な日曜日の夜にご参加頂き、ありがとうございました。
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) :2013/06/03(月) 12:53:46.87 ID:NKHrdNd30
>>779

【――――鐘楼の音が唐突に、止んだ。】
【否、正確にはより巨大な"音"―――"破壊音"により遮られたのだった。】
【金属と金属が擦れあい、炸裂する崩壊の音色。それはまさに、セリーナ・ザ・"キッド"が最後の一撃を撃ち終えて】
【噴射の切れたドラグーンキャノンと共にゆっくりと――落下し、鐘楼と激しく衝突した音であった。】
【アーマーの耐久値はすでに限界を超えていて、動力機関が完全に故障し――もはやそれはセリーナを縛る錘とだけ化していた。】
【しかし恐るべきはキャノンの破壊力か。リリアを弾き、その上落下するセリーナの速度を著しく緩和する程の熱量・圧力。】
【しかしその攻撃翌力とアーマーの硬度を以ってしても、内部の装着者――セリーナが瀕死状態に追い込まれるまでの衝撃。】
【あの上空で、あの一撃を放てたことは文字通りの奇跡、とそう呼んで間違いないだろう。】
【倒れ伏したセリーナの真下、アーマーと床の間に召還陣が現れて、全ての武装が"基の空間"へと戻っていく。】

【後に残ったのは―――胸を少し上下させ、なんとかぎりぎりの処で息をする脆弱な――人間、ただ一人。】

【――実際、この一撃は"勘"だった。あの"相棒"の声と、教会に存在する道具を計算に入れていても】
【狙いを鐘楼へと定めたのは、ほぼ偶然だったと言ってもいい。ただ――セリーナは考えていた。】
【十字架が効くとして、一体それをどうやってこの悪魔に"突き刺すのか"】
【聖書が効くとして、一体それをどうやってこの悪魔に"聞かせるのか"】
【祈りを捧げる隙すら、この強力すぎる魔の前では――与えられるはずも無い。ならば、自分に出来ることは何か。】
【―――鐘なら。撃ち抜くことでかき鳴らせる。氷はマグナムの炎で溶かせる。直撃さえ、させれば。】
【音から逃げることは、相当に難しい筈――賭けるならここだろう、と。偶然の発想、そして執念の一撃。】
【ガンマンとして、人間として、出来る限りの限界を尽くせ。その為なら接近する事も。至近距離での砲撃も。】
【落下し致命傷を受けることも――厭わない。鐘の音が止まった今、全てを静寂が支配する中で――セリーナは体を、起こそうとする。】

――――・・・ッ、う、ううぅ・・・!!は・・・ぁ、はぁ、・・・ぁ・・・・ッ!

【だが立ち上がることすら敵わない。武装は尽きた。"弾"末魔を使うにはリロードが必要だ。】
【全身に打撲・骨折を抱え――失血で何もかもがぐらついたこの視界の中、再装填など出来るものか。】
【もはや追撃は不可能だろう、血溜まりの中――一ただ、息だけを続けて。】

【ふと、激戦を遂げた悪魔と人間の内――声が響いた。】


『骨折5箇所、打撲は――ああ、数え切れんな。出血量なんてとっくに限界を超えてる。よく動けたもんだ、余程お前が憎いらしい。』

『まあ、それもそうか。俺様だってお前には借りがあるしな、あの魔法小娘やら箱になった小娘やらお前は色々と――手を出しすぎた。』

『これで終わり、と行きたい所だが――どうにも、そうはさせてくれないんだろう?お前もお前で、この小娘A以上にしぶとい様だからな。』

『―――まあ、楽しみにしてるぜ。今度こそ、俺様がお前を"撃ち抜いて"やるさ。』

『・・・ところでお前、小娘に何をした?普通の傷じゃあないが――・・・フン、答えられんか?まあいい。その内分かることだ。』

【この場にいた、もう一人の悪魔――体を持たないものの、ハッキリとした意志と声を持つ存在、"弾"末魔の言葉が響く。】
【どうやら先ほど受けた傷、についても普通のものではない事を把握しているようだが――それがなにかまではわからないようで。】
【もっとも、彼は悪魔といえど作られた命。銃器である以上、使用者が"これ"ではもはや再戦など不可能。】

【――やがて、激戦の終わりを告げる新たな罪の王の声が響き渡り。自警団や氷の国の勢力も怪我人を連れ、撤退していく様が見られる。】
【その捜索の波はこの教会にも終わるだろう、なぜならば鐘の音はかなり大きく――響いていたのだから。】

/最後すいません、寝落ちでした。ごめんなさい。
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/03(月) 15:28:16.60 ID:ZKqcQWpyo
>>782

【鐘の音が頭に響く。破壊音が聞こえたような気もするが、最早聴覚の話ではない】
【例えば塩に塗れた蛞蝓が、本来死に至るはずの水に入ることを気にも留めないように】
【どれほど興味を引く別の何か――巨大な衝撃音が聞こえようが】
【魔族の、特に自分にとっては致命的な弱点である鐘の音は、耳にこびり付いて離れない】

【呼吸が苦しい――恐らくは肺も損傷したのだろう。肉体は所詮、女性のものと大差ない】
【如何に魔族であろうが、能力もなにも封じられたような状態ではどうしようもないのである】

【その様子だけ取ってみても、やはりセリーナは賭けに勝った、といえるだろう】
【得たものは大きい。勿論、払った代償も十分すぎるほどであったが――】
【少なくともいけ好かない半魔をぶちのめすことが出来たのは、この世界にただ、セリーナひとり】

【そんな仇敵を視界に捉えたリリアの頭に、鐘楼以外の新たな音が加わった】
【声=\―あの魔具の、たしか弾*末bニかいったか――それが、聞こえる】

は、ぁ…、……!ふ、ふふっ…、…当然…だよ……っ!
こんなトコロで死ねるほど…ッ!私の復讐≠ヘ軽くない…――!

……へぇ、な、ぁに?『手を出しすぎた』ぁ…、……?
キミだって…人を誑かす悪魔≠フ一人のクセに、っ…よくもまぁ……。

それとも……何か、情でも湧いちゃったのかな…武器だってのに、さぁ……!
あぁ…、……わざわざ小娘A≠ネんて呼ぶ辺りっ……ふふっ、まるで
意中の娘に悪戯する子供みたい、だよねぇ……、…グ、ッッ……くゥ…!!

【―――蠢いていた右手は、よく確認すれば指先から滴る血液が】
【見を横たえる屋根の積雪をなぞっていって、やがて魔法陣を描くのが分かるだろう】

【そして、ようやく完成したのだろうか――血反吐を吐きながらも、その陣に右手を突きこむ】
【弾末魔であれば理解できるだろうそれはこれまた膨大な魔力――そして響くのは心音=z
【それは――恐らくは、魔術で圧縮された心臓≠ナ。先ず確実に、尋常な生き物のものではなく】
【当然血管も繋がっていないのに脈動するそれを、リリアは五指の爪で鷲掴み、貫いていく】

【やがて溢れだすのは血液。それだけでも魔力=\―リリアの顔に、生気が戻る】
【28の多重線で歪んた瞳は次第に縦に割れ、首から頬にかけてはヒビ割れのような鱗が発生し】

ふっ…あ、はは……!撃ち抜く≠ネら今、彼女に鞭打ってでもやるべきだったねぇ……!
もう一度会うときは、もうギャンブルには乗らない…!

そして私は……もう半魔の私じゃあない…っ!そう……種族が変わる程の魔力…――。
古龍≠フ魔力を…得たからねぇ……!計画は前倒しだし、トカゲモドキなんてダッサイけどさぁ…!
……傷ぅ?あぁ、私のことを毎日考えてくれるようにって……キスマーク≠ゥなぁ
時間じゃあ治らない……病院でもねぇ…!ふふっ、大丈夫…失血死だけはしない程度≠ノ抑えてあるから……っ。

【角が、伸びる。より捻くれ、より長大に、より鋭角に。悪魔と淫魔と、そして古龍】
【膨大な力を吸収していく彼女は最早、何かの種族で括れるような生き物ではなくなりつつ在った】

【しかし―――疲労が大きすぎるのもまた事実。鐘の音も、龍が混ざったことで効力が薄まりはしたようだが】
【それでも、先ほど生えた¢ォで立ち上がりつつ、頭を押さえる仕草からして弱点なのには違いなく】

【―――歪な肉体で、周囲に簡単な魔法陣をまた1つ。これは転移のそれである】
【このままセリーナという勇者を殺しに向かっても良い、が――もしも≠ェあっては敵わない】
【故に、万全を期す。最後に『それじゃあねぇ』とだけ呟けば、後は静寂―――リリアは、陣のに積もった雪ごと姿を消した。】

/いえいえ!深夜でしたしこちらも遅かったので、どうぞお気になさらずっ
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/03(月) 19:44:22.85 ID:vt4aOOEqo
>>776

【遠くの何処かで、何かが鳴り響いている…】
【巨大な金属が軋む…それが自分の頭蓋骨の内側で反射して膨らんでいく…】
【何処かから、誰かの声が聞こえる…目の前の男じゃない、別のもの…】
【もっと、いけ好かない感じのそんな声が…騒音と思考が混ざる……】

【男は、ハシゴを背にズルズルとその場に座り込んだ。】
【冷たい感触。雪や風はいつの間にか落ち着いている。】

……これなら、煙草が吸えそうだ

【男は直ぐそばに握っていた拳銃を置いた。】
【そして、懐から紙巻の煙草とジッポを取り出して、火をつける】
【すーっと、煙が抜けていく、段々と頭の存在を取り戻し、クリアになっていった】

(…やっぱり、俺には誰も殺せないのか……困ったもんだな)

【眼前を確認する。氷柱が、静かに毅然と佇んでいる】

どうやら……もう、帰ってもいいらしいが……どうする?
このまま、続けたら……お互いさ、凍死しちまうよ

【煙草をくわえながら、男は言う】

アンタも…怪我してるようだし。車あっからさ、乗ってけよ。近くも街で下ろすから……
まあ……まだやるってんなら、俺も遺言を用意しとかなくちゃならないけど…

【拳銃を拾って、ブラリダラリと寄りかかりながら立ち上がって】
【好きにしろ。という様にゆっくりと来た道を戻り始めた。】

(……カノッサ機関の仕事をバックレたら、後が怖そうだな…)

【そんなことが頭をよぎった。それと、カバン忘れてきたな…と】


/途中で寝落ちしてしまい、本当にすみませんでした。
/ロウさんとは一度、絡んでみたいと前々から思っていたので嬉しかったです
/遅くなりましたがお疲れ様でした。ありがとうございました
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/03(月) 20:50:48.56 ID:aeWSeB6g0
【街外れ、街を見下ろすような小高い丘――その、上】
【夜の闇に散りばめた夜景色をした煌き、机にぶちまけたビーズにきっとよく似て】
【街の喧騒も最早遠く、照らすのは三日月の明かりだけ。少しだけ高めの柵、銀色がぼうと夜に浮き上がって】

……、ま、綺麗ではあるがね。

【銀色に頬杖突いて立つ人影、遠くからだって良く目立つのは、どうやら少女のように伺えた】
【実際呟く声は幼い要素を持って、ただ、どこか古びたように掠れる響きと同居して、夜を抜ける】

【――金色の髪、飾るようなのはピンク色で、二色が混ざりこむ不思議な色合い。毛先に従ってくると弧を描いて】
【太陽をあまり浴びたことのないような肌色、幼い顔つきのくせいやに鋭いのが瞳、勿忘草色は眼下へ落とされたまま】
【生成り色したワンピース、膝よりも長く揺れる中、飾った赤のリボンだけが明確な色合いを持って】
【足元、少しだけのヒールをあしらったストラップシューズ。添えられたチェーン飾りがちゃりと鳴く】
【未完成の体つき、全体的に細こくて、小柄で。150にも満たない身長、だから柵が大きくも見えたりするのだが】

主成分が残業だと思うとね――どうも、気が引けると言うか。素直に喜べないねえ……。

【――夢見るような年齢に見えるくせ、まるで夢見ない発言ばっかりが目立っていて】
【文句ばっかり言うくせに眺めるのをやめないなら、星座でも結ぶように動く視線、ふらと彷徨って――】

【申し訳程度に置かれたもの、小規模の東屋みたいなもの】
【古びた机と椅子が設置されたその場所、机に放り出されているのは、本が一冊】
【兎を追いかけて不思議な場所に迷い込んだ女の子のお話、知って居る人のほうが多いのだろうもの】
【忘れ物にしてはあまりにも堂々としていて。ならば、柵淵に佇む少女のものだろうか、なんて】
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山梨県) [sage]:2013/06/03(月) 21:53:46.82 ID:luk7p6XLo
【人気の無い商店街】

【街灯の明かりが、影をつけることもないほどに、誰もいないこの道に】
【一人、女がベンチに腰を掛け、やや憂鬱気味につぶやいていた】

「んま……暑くなってきたっちゃそうだが」

【ポニーテールにまとめた赤い髪に、黒色の瞳】
【口元から棒だけ出した棒付きキャンディは、まるでくわえ煙草の様で】
【一昔前の不良のテンプレのような、謎の金色の漢字の刺繍が施された、ピンク色の特攻服。】
【上着に当たる部分は、前を止めず、サラシを巻いて隠して、豊満な胸をさらしていた】

【首元から、鎖につながれた五寸釘をネックレスのようにかけている彼女は】
【さらに地下足袋である。パッと見不良というイメージが出て来ても不思議はない】

「んで、暇でも潰そうとしようかと思って……買ったんだが…」

【人っ子一人居ないとはこういうことで、赤髪の言葉がやめば、そこには風の音しか響かない】
【そんな人気のなくなってしまった、商店街で、赤髪が大切そうに右手で握っていたのは】
【チョコレートかいちごか、詳しくはよくわからないが、とにかくその近辺で買ったような”クレープ”だった】
【既に赤髪が買った場所と思われる、移動式の屋台は撤収の準備を始めており、彼女が最後の客であることを想像させた】
【おそらく、もっと儲かる場所にでも移動しようという塩梅であろう】


【はたしてこの街角に、誰がやってくるのであろうか…】

/使いまわしですが
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/03(月) 22:49:42.58 ID:/ktBMRRIo
>>783

【―――矢張り、というか想像通りであったが――死してはおらず。】
【"道具"であり命を持たない"弾"末魔と言えど、あの状況でまだ息をしているリリアを目にすれば、ため息くらいは出ようというもの。】
【ともすれば此方には"動かなくなった持ち主"と"持ち主無しでは役立たずの道具"しか存在し得ない。この状況で攻撃をかけられたらば。】
【"弾"末魔はそれでも静かに――リリアの言葉に答えた。】

『・・・信じられんほどタフな半魔だな。あの砲撃を喰らってまだ、お喋りして俺様をからかうだけの余裕があるとは。』

『ドラグーン・キャノンですら"これ"なんだ、プライドが折られる気分だよ。ま――ダメならもっと強力なのを次はお見舞いしてやる。覚悟しておけ。』

『――ところで、俺様が人間を誑かしている、だって?人聞きの悪い事を言うな、この小娘Aには特に暗示もかけていないし―――・・・フン。』

『まあ、確かに今までは幾人か"食い物"にしてきたがな。それにしたって・・・"意中の娘"ってのは聞き捨てならん。』

『俺様の声もロクに聞こえないような間抜けで鈍間なこの女のどこを気に入って―――・・・やれやれ、言うだけ言ったらご帰宅、か。』

【復活、と言う名の――新化。古龍の力すらも身につけ、まさに半魔というカテゴリですら括れなくなった正真正銘の"怪物"たるリリア】
【追撃が来る事も覚悟する、しかし意外にも――いや、当然といえば当然か、次なる一手はもう、こない。】
【ギャンブルにはのらない、とはつまりそういうことか。確かにこのセリーナという女――倒れ付して尚、まだ何かを"持っていそう"な気すらしてくる。】
【しかしこの死闘はまさに、リリアとの長き戦いに終止符を打つチャンスであった事は確かだ。それをセリーナは――逃した。】
【更なる飛躍を遂げたリリア、状況で言えば不利な事に変わりはないがそれでも。此方はようやっと、リリアへの対抗策を打ち立てる準備が整った。】
【"弾"末魔は手を振る事も出来ないが、それでも最期にリリアが残した言葉には――きちんと、反応して。】

『――・・・お前の言うとおり、気に入っているのかもしれないな。今鞭を打つ気にはなれんし、打った所でどうなるとも、思えない。』

『エンシェント・ドラゴンとはまた物騒なモノを持ち出してくるじゃないか、下品で大変"宜しい"ぞ?まあ―――何を持ち出してこようと関係あるまい。』

『――ただ、撃つだけだ。何が来ようとな。ま、"命拾いした"と思っておけ。俺様が鞭打って小娘を叩き起こさずに良かったな、"お嬢さん"。』


【――魔方陣。展開されたそれと共に消える姿。口では強がっていても、ホッと胸を撫で下ろし――まあ、撫で下ろす胸などないのだが。】
【"弾"末魔はひとりごちた。誰も聞くものはいなかったが―――。】

『・・・しかしキスマークね。呪詛か、禁術の類か――・・・どの道それを俺様が知ったところで伝える術はないんだが、な。まあ良い。』

『嫉妬深い女は嫌われるぞ?そもそも小娘はキスマークなんぞ残さずとも、お前の事ばっかり考えているというのに、まったく――・・・』

『厄介な事には変わりないな、本調子に戻ってもそれが付きまとうんじゃ・・・フン。考えるだけ無駄、というものだな。』

『俺様も少し――眠るとしよう。今夜は武器を呼びすぎた。休暇の一つでも欲しいくらいだよ、アーメン。』

【やがて教会に日が差し始める頃――現れた自警団員・氷の国の国軍によって保護されるセリーナ・ザ・"キッド"】
【彼女の重症は暫くの入院を余儀なくさせられるもので―――搬送先はなんとも皮肉な事に、"あの少女"もいる病院だったというが――まあ】
【それはまた、別の話。】

/お疲れ様でした・・・ほぼ一日かかってしまい、申し訳ないです。
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/04(火) 01:02:00.90 ID:/LWATAM8o
>>787

【場所は移り ――― ―― ― ATLASの最上階。周囲の草原、そしてレナールの廃墟には】
【強かな風雨が横殴りに吹きつけて、時折激しい雷を伴ってもいた】

グ ―― ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ッ ! ! ! アイツッ!あの成り損ないがッ!!
たかが銃の分際でウダウダとこの私に話しかけやがって…ッ!必ず毀してやるッ!

いやそれよりもセリーナ・ザ・キッド……ッ!!あの女ぁ、よくも私を――………
アイツのせいだッ!あの女のせいで私は薄汚いトカゲの血を入れなきゃならなかった…!!
最後の奥の手として……考えてはいたけどさぁ…!よくもっ、このタイミングで…ッ!

【――巨塔の主の心情を表すように。長テーブルに置かれた燭台が、広間に転がる】
【周囲を見回せば本棚は荒れ、枕からは羽毛が散って、床には焦げすらも見て取れた】

【それもこれも――全ては古龍の血液を、魔力を受け入れたリリアの憤怒によるもの】
【彼女は既にほぼ完全に魔力を複製し終えて、数値だけで見れば100%の状態であった】
【しかし疲労はどうしても抜けるものではない。柱が折れたりしないのは、それが幸いしたのだろう】

【彼女の容姿は、歪んだ。角は大きく伸びた他に瞳は縦に裂けて、肌の所々に鱗も見える】
【翼は悪魔のものと龍のものが入り混じったような状態で、まず大きな主翼が背から二枚】
【加えて、恐らくはあふれる魔力を具現化したのか、その下に四枚の魔翼と龍翼が在る】
【半魔であった際は飾り程度だった尻尾は肥大化して、もはや龍のそれとほぼ相違なく――】

『あー……まあ、よォ…?そろそろ暴れんの止めて休まねぇとぶっ倒れンぞ?』

うるさいなぁ…!ソレくらい分かってるよキルフェ!……入って来ないでよねッ!!

【半馬半魔のケンタウロス――リリアの友人であるキルフェ・ド・ゴールの言葉にも、この反応】
【怒りと言うよりは拗ねているという域だったが、とにかくリリアは自室へと向かい――】
【その扉を壊れんばかりに強く閉めた。そのパワーは、皮肉にも今回の恩恵≠ナあったりするのだが】

『ふぅ……アイツ、昔からキレると手が付けられねェのは変わらねーよなぁ……。』
『お前もそう思うだろウォル=Hしっかしアレだなー、ちっとはアタシ達も動いてやらねーと』
『まぁ、まさか過労死はしねーだろうが……死に急ぎそうで危なっかしくはあるよなぁ』

「……、……――――混乱を狙うなら、水の国の襲撃が良い。」
『おぉ?たまにはいいアイディア出すじゃねーか!よっし、そうなりゃ善は急げだよなぁー!』

【――そして残されたのは、件のケンタウロスと――静かに言葉を発した、潜水服】
【名前はウォル、と云うのか。とにかく、物騒なことを呟いて。荒れた広間に、稲光が溢れていた】


【また一方、此度の舞台であった――特にコンビナートから、およそ500m地点】
【セリーナが救助されるより少し前に、そこでもぞもぞと動く影があって】

教会の鐘の音が弱点=\―古龍の心臓を使って復活=\――……そんなトコか?
新しい六罪王ってのも気にはなるが、生憎と俺の身体は2つも無ェし
一先ず、こっちの情報を映像≠ナ確認できただけ良しっつー事にしとくぜ

「―――――――――、―――。―――――――――――?」

……あァ?セリーナの野郎を救ってやらないのか、だァ?冗談よせよベギー=B
俺はアイツを救う義理も借りも無ェぜ?それに、ヒーローってのは死なねェのが相場だろ

オラ、帰るぞ。カニバディールと、可能ならソーンの奴にもこの事を知らせなきゃいけねェからなァ
それにしてもお前、最近は自我持ちすぎじゃねェのか?……こういう時だけだんまりだしよォ――――。

【人、であった。但し単独潜入という言葉が似合いの、雪に溶け込む真っ白なコートを着こみ】
【立ち去る際に邪魔だと外した帽子からは、鮮やかな赤が零れ落ちたが――誰も、見るものは居らず】
【やがて静まった雪原に残るのは銃の悪魔と瀕死の英雄。それも、やがては無事に救われたと聞く】

【―――さて。本来は新たな六罪王の就任を兼ねた、そして文明を賭けた戦いであったが】
【一部の者にとってはまた別に、ひどく大きな進展≠フあった一夜が、終わった。】

/お疲れ様でしたーっ!
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/04(火) 22:36:56.90 ID:vFn/Wi550
【山の麓――――岩々に囲まれた場所にある、一つの秘湯】
【語り広められる事も無い其処は、訪れる者も少なくて】
【――そんな場であっても、今宵は入浴者が居るのか、時折響く水の音】


「ふぅ……今日も、何とか……なりました……けど……
やっぱり……お姉ちゃんは見つからず、ですね……」

【綺麗に畳まれた巫女の服が、一つの岩の上に置かれていて】
【其れを見れば、現在入浴している者の性別は疎か、職業も知れる事だろう】
【湯煙故に身体は見えないけれど――――落胆したような顔。そして金色の尾と尻尾が見れるだろうか】


「折角、今日一日だけ許された外出……守女も居ない事ですし、ヒトガタで無く自分で見つけたかったのですが……
何処に……居るんでしょう……」

【ぶくぶくと沈ませていく顔。その表情は、何処か不安げで】
【そのまま、チャポンと頭のてっぺんまで沈めてしまうけれど】
【ふんわりとした尻尾が、ゆらゆら揺れて、水面から出された耳が動いている所を見れば警戒を怠っていない事が分かるであろう】
【辺りに漂うのは妖気。即ち妖狐の気だけれど、それに惹かれる者は居るのだろうか】





【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【その一角――――入口付近に備えられた食堂。その扉の前で喚く人物が一人】


「む……な、何故私は駄目なのです!
確かにお金は持っていませんですが、飢えた人々への施しもあなた達の使命な筈なのです!」

【真っ白な服。患者が纏う其れを身につけて、車椅子に乗った少女がギャーギャーと喚き立てている事だろう】
【額には一角獣染みた角が生えてはいるけれど、それ以外は至って普通の人間】
【――――“交じり者”の気配を覗けばだけど】


「大体にしてです!何なのですこの店のハンバーグは!
ハンバーグと言うのはもっとジューシィーであるべきが……あ、まだお説教は終わって――――
こら、勝手に押すなです!も、戻せですよ!」

【笑顔ではあるけれど、しっかりと青筋を立てた看護師達】
【後ろに立てばカラカラと車椅子を押して、やがては待合室で車輪を固定されてしまうのだろう】
【――――やっぱり猛犬の様にガミガミと噛み付くけれど、最早聞く耳持たず】
【ふて腐れたように頬をぶぅと膨らましていたけれど――――】
【さて、近くを通りかかった者には「おい、お前。お前です」なんてやけに偉そうな少女の言葉が浴びせられるか】
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/05(水) 20:15:22.37 ID:L8KETcTbo
【大通り】
【暗くなったとはいえ、人通りはまだ少なくない、そんな時間帯】
【一組の若い男女が激しく口論している】

ですから、貴方は私の護衛のために派遣されたんですよ!?
私の研究活動を妨害してどうするんですか!

「護衛のために来たからこそ、先輩を危険な目に合わせるようなことは出来ないんですよ!
夜の路地裏にわざわざ入るなんて、一般人には危険すぎる!」

【女性の方はセミロングの金髪に、灰色の瞳を持ち】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、小さなリュックを肩にかけ】
【黒いタブレット端末を手に持っている】
【どうやら路地裏に入りたがっているようだ】

【男性の方は女性を止めようとしているらしい】
【見ているだけで暑苦しい革製の黒いハーフトレンチコートに、側面に白いラインが入った黒いカーゴパンツとほぼ全身を黒で包み】
【腰には二つのナイフホルダーを固定し、二振りの長めの軍用ナイフを差し】
【鈍い銀髪のオールバックに、流線型のサングラスを掛け、その下には赤茶色の瞳が覘く】

もういいです……だったら一人で行きます

【女性はそう言うと突然駆け出し、路地裏へと入っていった】

「あっ!待っ……!」

【男性はすぐさま女性を追いかける】
【事情を知らぬ者から見れば、路地裏で走る若い女性と追いかける男】
【なかなか物騒なものに映るかもしれない―――】
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/05(水) 20:47:26.78 ID:vM7KYzqio
>>790
【路地裏付近で向かい合い、声を上げて何かを言い合う男女】
【その光景から鬼気迫るもの、というよりは単なる痴話喧嘩に近いものとも取れそうだが】
【万が一良からぬ事態に発展する場合を考えれば、と】

「ちょいと待った、おたく、何があったん」

【生地の厚いダウンにニット帽、マフラー。まるで真冬のような格好をした青年(身長は男性より若干低い程度だろうか)が】
【女性が走り去った後、とっさに後を追い始める男性に並ぶようにして、くぐもった低めの声で問いかける】
【その視線は男性の腰のナイフホルダーに向かっていて、表情は冷めてはいるがどこか引きつっている】

【やばい人相手に首を突っ込んだか】
【男性の容姿や装備からまさにそう思ったようで】

「その、勘違いだったら申し訳ないんやけど。暴力とかよくないんじゃないかなーって、思うんよ」

【青年の言葉は自信や、覇気がなく、語尾になるほど小さくなっていく】
【おそらく男性と女性の会話はほとんど聞き取れていなかったらしい】

「それとも、物でも盗まれたんかいな」

【ふと青年は顔を上げる―――その先の視線に、女性がまだ映っているかを確認するかのように】







792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/05(水) 21:13:28.26 ID:pXmlD/8F0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 路地裏】

この国もやりやすくなったもんじゃ……こうも士気がガタ落ちしとる国も、そうそうないじゃろ
機関と言うだけで、雪崩打って人間が逃げてく有様じゃからのぉ……

【量は多いが短い白髪をバック気味に整え、皺が多い割に肌の色合いが良い、ダボダボの研究衣を着こんだ、細めの目をどこかぎらつかせている、年の頃は壮年程の男性が】
【壁にもたれかかりながら、満足げな表情で虚空をにらみつけ、タバコを燻らせている】

【研究衣の襟の部分には、≪No.6≫と言う刺繍が施されている】

……じゃが、うかうかはしとれんの……レギン殿はまぁ、信用できるじゃろうが……最近、機関の中でも同床異夢と言うべき連中も多い……
――――手を組む相手を慎重に選ばなければならんとは……やれやれ

【しばし得意げな笑みを張りつけていた表情はしかし、徐々に苦々しい色を湛え初めて】
【タバコの煙を吸い込むピッチが、苛立ちを表す様に、少しづつ加速し始めていた】



【――――所変わって、水の国 図書館】

うーん……頭が疲れてきたなぁ……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【座席に座り込み、本を両手に開いたままで、疲れた様子で背もたれにぐたっと身体を預けている】
【席に持ち込まれている本は、近代世界史と魔術関連の学識報告書などで、相当に分厚い】

焦ってもしょうがないんだろうけど……でも、急がないといけないし……
……当ての無いままで居るのも、大変だよね……

【ぐっと背筋を伸ばし、身体の疲れを解す仕草を見せる】
【それなりに長い時間、読書に打ち込んでいたのだろう。いささか眠たげにも見える表情に、疲れが表われていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/05(水) 21:16:13.25 ID:L8KETcTbo
>>791

「っ……!」

【ふいに話しかけられ、男性は走るのを一旦止め】
【青年の方を向く】

「大丈夫、なんでもな……」

【そこまで言いかけ、青年の目線が自分のナイフを指していることに気付き】
【ナイフを装備した自分が女性を追いかけている状況――傍から見ればかなり危ないものに見えるということを自覚する】
【どう説明して誤解を解いたものか考える】

【ほぼ同時に、前を走っていた女性も後ろの異変を察知し振り向き】
【ニヤリと――何かをたくらむような顔でほくそ笑んだ】

「いや、もの盗まれたとかじゃなくて、別に」

【男性は、釈明の言葉を口にするが】
【青年が顔をあげ――少し離れた女性と目が合う】

助けてください!!この人に襲われてるんです!!

【女性が、懇願するように叫んだ】
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/05(水) 21:31:08.49 ID:vM7KYzqio
>>793
【路地裏に女性の叫び声―――その訳を理解すると、青年は口元を軽くひくつかせた】
【何事でもない、よくあるカップル同士の別れ話であって、青年の行動は大きなお世話だった】
【であるならそれは恥ずかしいだけで何よりだったのだが】

「襲われてる言うてるで。 あの子」

【弁明する男性と、助けを求める女性】
【ある程度一般の感性を持っているとは自負している青年からすれば、とりあえずどちらを信じるのが得策か、考えるまでもない】
【足の筋力に無理を言わせて、走る男性の前へと立って引き止める】

「も、もうちょい、ゆっくりでええから、納得できる弁明してくれ。 そしたらウチもここをどく」

【しきりに目線をホルダーに向ける辺り、刃物をかなり気にしている様子】
【ぼそぼそと口から出る言葉も、男性の位置からぎりぎり聞き取れる程度のもの】
【所為びびっていた】

「喧嘩したないねん、あんた強そうやし」
「襲ってるなら大人しく諦めてくれるとええな。 追ってる理由があんなら、話してくれや」

【強がりにポケットに手を突っ込んだまま、溜息を一つ】




795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/05(水) 21:47:30.24 ID:L8KETcTbo
>>794

【突然の女性の叫びに、最も驚いたのは男性の方だ】
【青年からはサングラスでよく見えないだろうが、唖然とした顔で女性を見る】

「いや!?えっ何言って……」

【何かを言おうとするがうまく言葉にできない】
【ハプニングに弱いタイプなのだろう】
【そして青年が前に立ちはだかり、弁明を求めてきた】

「お、俺はあの人の護衛で……守らないといけないから路地裏に入るのを止めようと!」

その人ストーカーなんです!
なんで私を気に入ったのかは知りませんが、勝手に守るとか言って付きまとってきたんです!

「は、はあ!?」

【女性はそう言って、路地裏の奥に去ろうとし】

「な、くそっ!」

【それを見た男性は、再びとっさに追いかけようとする】
【――この状況でその行為はさらなる誤解を生みそうなことには気づいていない】

「どいてくれ!俺だって喧嘩したくないが……
あの人を見失うくらいなら多少手荒な真似をしてでもここを通るぞ」

【説明することを諦めたのか、腰のナイフに手をかけ――青年を威嚇する】


796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/05(水) 22:01:09.70 ID:vM7KYzqio
>>795
「どっちやねん・・・」

【状況はまさに板挟み。どうしたものかと青年は肩を落とす】
【これだけ物騒な世の中であれば女性一人に護衛が付いているのも決して珍しい話ではなく】
【それでいて、女性一人にナイフを持ったストーカーが付きまとうのも珍しくはない】
【頭を抱えたくなる現状とりあえず青年が導き出した答えは―――とりあえずこの場に男を引き止める】
【刃物を使った威嚇行動に出た時点で、臆病な青年相手の交渉は失敗した】

「まぁええわ」

【青年はポケットから取り出した飴の包みをといて、それを口に含む】

「なんにしろ、簡単に刃物に手をかけるようなやつに、追いかけさせるわけにはいかへん」

【護衛であったら申し訳ないが、そんなのは後から探しにでも行ってもらえばいい】

「あんたにゃ悪いが、ちょいと潰させてもらうで」

【がり、と、青年が飴を噛み砕くと同時に――――大きく、膨らむ】
【膨らむとは、服装ごと。青年の身体が、であり】
【路地裏一杯まで頭身はそのままに巨大化した彼は、その手を左右の建造物にがりがり擦らせながら】
【掌を下に向け、男性に向けてゆっくりと振り降ろしていく】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/05(水) 22:06:05.46 ID:pXmlD/8F0
/>>792取り消しでー
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/05(水) 22:22:35.22 ID:L8KETcTbo
>>796

【青年がポケットに手を突っ込むことで、警戒を強めた男性だが】
【取り出されたのは飴――それを口に入れる青年】
【そして巨大化=z

「っ!!能力者!ああそうか……そういうことか!
チッ!先輩の思う壺じゃねえか!」

【女性が自分をストーカー扱いしたその意図を理解したのか、悔しそうに舌打ちする】
【が、振り下ろされる掌は待ってはくれない】

「(もうゆっくり話せる状況じゃないし……申し訳ないが一旦おとなしくなってもらうしかねえ!)」

【降りてくる掌をバックステップでなんとか回避し、腰の2本のナイフを抜き、両手共に逆手で構える】
【そして、目の前に振り下ろされた巨大な青年の手≠ノダメージを与えようと、斬りかかる】

「(あの巨大な手に、ナイフが通ればいいが……!)」

【脇差ほどの長さを持つナイフだが、男性に深く傷つける意思は無く、軽い切り傷で戦意の喪失を狙った攻撃だ】


【一方の女性は、路地裏の曲がり角からひょっこりと顔を出し】
【目を輝かせながら状況を観察していた】

やはり、私の予想が当たりましたね。少々手荒でしたが……
ふふふ、あとでちゃんと謝罪とお礼をしなければ
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/05(水) 22:30:49.72 ID:aSu7wX810
【山の麓に存在する秘湯――――其処から聞こえるのは、童謡であろうか】
【よく澄んだ声。少女の其れであるのだけれど、語りの内容は相当古い物】
【ましてや、櫻の国の者であっても、その内容をしっかりと把握出来るかどうか】


「――――――。
ふむ……何時ぶりじゃったかの、この歌を口ずさむのも
数十年か、数百年か……まあ、何でも良かろうか」

【白い足が、濁った湯を搔いて】
【最初こそ思いに耽るかの様に夜空を眺めていたけれど、やがては視線も足元へと移り】
【――――何が可笑しいのか、クスリと一度笑えばそれっきり】


「人間は作っても、作った物を時の中に置いて行くからの
……それは悪い事では無い。過去に縛られていては先には進めん
じゃが……少し、寂しくもあるの」

【人間の手によって作られた存在。所謂、付喪神だからこそ強くそう感じてしまうのだろう】
【――――チャポン。続いて、漏れる溜息】
【辺りに漂うのは、この地域では珍しいであろう妖気】
【果たして、歌声に釣られて訪れるか、或いは妖気を辿って訪れるか――――】







【森の中に存在する廃れた教会】
【紡がれるアリア。月光に照らされ、静かに存在するその建物はそんな様になっても何処か威厳を感じさせて】
【もし、興味を抱いて中へと入ったのならば、丁度割れたステンドグラスが映るだろうか】


「――――――。…………?」

【丁度、詠唱が終わった頃】
【不意に差す月明かりの眩しさに目を細めれば、訪問者の姿を伺おうとするのだけれど】
【未だ月光に目が慣れていないのか、眩しそうにしていて】


「こんばんは……旅の方、でしょうか?
ええっと…………」

【代わりに首を傾げれば、それは「目的」或いは「知りあいかどうか」を訊ねている様にも見えるだろうか】
【艶の有る銀色の髪は月の光を鋭く反射させているけれど】
【それとは対照的に、修道女は何処か柔和な笑みを浮かべていて】
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/05(水) 22:43:08.88 ID:vM7KYzqio
>>798
【路地裏の幅を埋め尽くすほど、巨大化した青年の腕は】
【大質量のままゆったりと地面に押し付けられて、小さな水溜りをはじき、辺りに砂埃を舞わせた】
【その下に男性の姿はない】
【上から見下ろしている青年には分かっていた―――彼は状況の変化に対応し、素早い動きで身を脱したのだ】

【そして次、ターンは男性】
【回避が決まれば反撃が来る】

「……っ!?」

【男性の振るった刃渡りの大きなナイフは、確かに手の甲を傷つけて】
【しばらく建てば切り口からはじんわりと血が滲む】
【ダメージが通っているかは、表情を歪めた青年の顔を見れば安易に察することが出来るだろう】

「やってくれよったな…」

【だが、巨大化した彼にとって、今手の甲についた傷は】
【あくまで、読書を終えて、気がついたら手が切れていた。雑草の縁で手を切った】
【そんな程度のものでつまり、痛みは走るが降参に至るほどではない】
【たった一歩。足を踏み出して、地を踏む。 それだけで軽く地が揺れる】
【それで男性の体制を崩せたかは別として、女性との距離を離すなら、このまま徐々に前進した方が有意義だ】


【巨体による鈍い攻撃では、周囲の建物に被害を与えず場を収めるのは難しい】
【そう考えた青年は腕で相手を鹵獲することを諦めたのか、手を上げ】

【大きく息を吸い、身をかがめ】

「お」

【がば、と口を開ける】

「と」

【ぶわ、と青年の口を基点に、円状に広がるよう、空気が裂ける】

「な」

【裂けた空気に遅れるようにして、周囲ごと痙攣させるような振動】

「し」

【ここまでくれば、彼が何をしているか分かるだろう】

「せ、いやぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!」

【身体に合わせて肥大化した肺一杯の空気を、男性目掛け咆哮の要領で吐き出したのである】

801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/05(水) 23:08:25.63 ID:L8KETcTbo
>>800


【斬った手応えは確かにあった】
【青年も顔を歪ませている……が、逆に戦意を高めてしまったようで】

「(ダメか……)」

【巨大な青年が足を踏み出し、地を揺らす】

「行動の一つ一つがスケールデカすぎるぜ……
大丈夫かこれ……こんなに騒いだら自警団とかに通報されてねえか?」

【路地裏とはいえ建物の隙間。これだけ騒げば目撃者も少なからず出るのではないかと】
【男性は心配しつつも、今は自分のことで精いっぱいだ】
【今度は青年が大きく息を吸いだした】

「こりゃまさか……やばいな。路地裏じゃ狭すぎて左右に逃げ場が……」

【考える間もなく、吐き出される咆哮】

「(能力は使いたくなかったが……真正面から食うわけにはいかねえ!)」

【男性は、自分をめがけて放たれた咆哮を少しでも避けるように】
【路地裏の壁に「立ち」、「駆け上がる」】
【4階、5階あたりの高さまで行ったところで、咆哮が到達し】
【男性の身を襲う。当初男性が立っていた地点からはかなり高い位置にあるため、ダメージは軽減されたようだが】

「(うっ……耳が全く聞こえなくなっちまった……それに体も……しばらく動けねえ)」

【爆発的な方向による耳鳴りと体への強烈な振動により】
【男性は路地裏の壁に「立ったまま」―――地面に対して水平な状態―――になった】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/05(水) 23:21:51.43 ID:vM7KYzqio
>>801
【男性の心配も何のその。相手が自分に向けて刃物を振るのに容赦がないほどに】
【戦闘慣れしているとなれば―――青年も必死である】

「ぐぇふっ、えふっ」

【慣れない大声に咳き込み、最低限威嚇にはなっただろうと期待しつつ、青年は”相手を見上げる”】
【するとそこには】
【確かにダメージは通っていそうなものの、壁に水平に立つ男の姿が合った】

「あぁ……あんたも、能力者かいな」

【口をぬぐうと、こびりつく血にそういえば手を切られていたことを思い出す】
【元のサイズへと縮み、これまで以上にくぐもった青年の声は、四階や五階にまで届いているかは定かではない】
【ぺたり、としりもちをつく】
【白旗代わりのつもりか、しゃがみこみつつ、中身のない飴の包みをぷらぷらと振った】

「降参や」

【狭い路地裏で、強引に巨大化し】
【好き勝手動けないながらもそれなりに時間は稼いだ。自分の仕事はこれで十分、むしろ派手すぎたくらいだろうと】
【うちもう疲れたわ、見逃してくれや、戦意はもうないで。と続ける】

【本音をいえば、これ以上切られたくない】
【それ以上に戦闘を続ければ、周りに被害が出る。というか、自分の命が犠牲になるなら周りがしのごの言ってられない】
【今更な気もするが、だからこそこれ以上、ことを荒げたくは無かった】

803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/05(水) 23:37:30.99 ID:L8KETcTbo
>>802

「なんて言ってるんだ……?」

【男性の耳は先ほどの咆哮により、キーンという耳鳴りが続き】
【口を開いている青年の言葉を聞き取れない】
【が、青年の巨大化が元のサイズに戻り】
【飴の包み紙を振る姿を見て、どうやら戦意を失ってくれたようだと理解する】

「(危なかった……この状態でもう一発掌底でも打たれたら終わりだった……)」

【戦闘の終結にホッとしつつ、弁解をしなければならないことと、女性を探さばならないことを思い出し】
【ゆっくりと、壁を歩いて降りる】

【そこに、女性の声が響いた】

いやー!すごい戦いでしたねえ!ハラハラしましたよ!

【黒いタブレットにタッチペンで何やらメモを取りながら】
【女性が2人のいる場所に歩いてきた】

「先輩……いい加減にしてくださいよ……取り返しのつかないことになったらどうするんすか!!」

危なくなったら止めに入るつもりでしたよ

「戦闘になった時点で危ないでしょうが!」

【男性は女性を睨み付ける。当然と言えば当然だがかなりご立腹の用だ】
【当の女性はそんな言葉を気にする様子もなく、青年に話しかける】

すいません、この人に襲われてるというのは嘘でした
ご迷惑おかけしました

【ぺこりと青年に頭を下げる】

私は「能力マニア」でして……様々な能力者の研究と記録をしてるんです
能力者同士の戦闘が見れるチャンスかと思って、このようなことをしてしまいました
えっと、お名前教えてもらえますか?
私の名前はピオネルスカヤ。彼は私のボディガードのリャザノフです
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/05(水) 23:55:12.10 ID:vM7KYzqio
>>803
【突然背後からやってきた、いかにもご機嫌そうな女性】
【まさか巨大化にかぎつけたジャーナリストかとその場から即座に逃げ出そうと身体を起こすが】
【よくみれば、先ほど逃げていた女性である】

「なんやそれ…ほんまに切られぞんかいな…」

【会話を聞いてみれば、真実だったのは男性の方のようだ】
【相手の男性も男性で咆えられ損なので、余り強くはいえない。よって、わざとらしくどんよりと俯く】

「あーえぇよ。 しゃぁないわ。 兄さん、悪かったな」

【とりあえず、下手をすれば怪我をさせていた相手には謝っておく】
【ニット帽を深く被っているため目は隠れ、青年の表情は薄い。ダウンやズボンに付いた埃を面倒くさそうに落とし始める】
【あんまり悪びれてはいなかった】

「ピオネルスカヤに、リャザノフ。 あんた、すごい名前やな」

【女性へと顔を向けると、誰もがそう反応しそうなほど至って普通に返して】

「うちは、そうやな―――――」

【いもむし】
【青年はそう零す。続けて】

「いもむし、言うねん。 いもむし」

【彼がポケットに再び手を突っ込むと、もぞもぞ、と、厚着したダウンが揺れる】
【ほとんどといっていいほど露出の無い、まるで真冬のような格好】
【その容姿が、彼の名乗る意味そのものを表しているようで】

「用が済んだならうちは帰るで。 雑菌入ってまうし」

【一瞬、頬の端を吊り上げて嫌みったらしく言うと、青年はそさくさとその場を後にしようとする】
【が、立ち止まり】

「あ、ちょい待った。 あんたら、金髪でドレス着た、小さくてかわいい女の子を知らへんか?」
「うちの友達やねん。 見失ってもうてな」

【まるで今思いついたかのように、そんな問いかけをする】
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/06(木) 00:17:52.54 ID:3RDcS8C4o
>>804

「ほんとにすまない……助けようとしてくれたのに怪我までさせちまって
……ほら先輩!包帯くらい持ってるでしょう!あと治療費も!」

【リャザノフと呼ばれた男性は、女性――ピオネルスカヤに促す】
【女性は持っていた小さなリュックをゴソゴソと漁り、ロールにまかれた包帯を取り出し、差し出す】

どうぞ……えっと、巻き方はよくわからないので良ければ使ってください
あとこれ、治療費兼迷惑料兼能力を見せてくれたお礼なんですが……

【そして、そこそこの金額――何日か旅行に行ける程度だろうか――の札束を渡そうとする】

「金で解決するみたいでみっともないんだが、これぐらいでしか詫びできねえからな……
あんたさえ良ければ受け取ってくれ」

【続く青年の名乗りを聞き】

いもむし、さんですね。

「あんたの方がすごい名前な気がするが……」

あ、もっと能力の詳しい解説とか

「もういいでしょう先輩、これ以上引き止めちゃダメですよ」

【尚も能力の話をしようとする女性を窘めたところで、青年がひとつ問いかけをしてきた】

「金髪でドレスを着た……」

小さくて可愛い女の子ですか……残念ですが見てないですねえ
お役にたてずすいません
あ、でももし見かけたら「いもむしさんが探してた」と伝えておきますよ!

「しかし小さい女の子とはぐれたのなら、心配だろう。妹さんか、何かか?」

【青年―いもむしの言う女の子については、2人とも見覚えは無く】

どうも、ありがとうございました

「本当に悪かった。この人にはちゃんと注意しておくから」

【彼が歩き出したのならば、各々の台詞と共に2人もそれを見送り、帰路につくだろう】


/お疲れ様でした!楽しかったです!
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/06(木) 00:29:02.30 ID:JFaTC3xlo
>>805
「頼むわ。 あの子、一人にすると何するかわからへんし…」

【ぶつぶつ、と愚痴を零すように】
【出された包帯と札束は丁重に、というか半ば無視をするようにして】

「それだけで礼には十分。 金はいらへんよ」
「んじゃまたな。 えっと、なんや」

【複雑な名前だったので一度では覚えられなかったらしい】
【軽く頭を傾けると】

「仲のいいお二人さん」

【これ以上ここにいて能力のことを聞かれるのは勘弁】
【逃げるようにその場を後にする、自称いもむしであった】

/お疲れさまでした!
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/06(木) 22:29:38.65 ID:bPPQd88A0

【櫻の国――――以前までは人間達の住んでいた一つの村】
【桜の名所として有名だった場所だけれど、今は妖怪達が住んでいて】
【すっかりと花が散ってしまったその木の下で、酒を呷る影が一つ】


「さぁて……そろそろ次の場所を目指さなきゃいけないかなぁ
拙(ぼく)達の親が持って居た城でも取り返しに行こうかな。それとも……」

【一升瓶が空になってしまえば、脇へと退けて空を見遣り】
【顎に手を添えて何やら考えようとするも、思考は纏まらす】
【答えとして出たのは、一つの溜息】


「まぁ……今はいいっか
美味しいお酒があるんだから、今は其れを楽しまないとねぇ……
飲み終わったら美人な人でも探して、それから考えよっかな」

【戯言を漏らすのは、山伏の服を纏った烏天狗】
【その外見はどう見ても少女なのだが、漏らされた言葉から考えるに性別はその逆であろう】
【妖怪の村――だなんて噂される其処。さて、訪れる物好きは居るのだろうか】





【人々の喧噪が遠く聞こえる路地裏――――】
【其処に在るのは蹲って呻く数人の者達と冷たい表情で見下ろす一人の少女の姿】
【紅の髪に紅のドレス。肌以外全て朱に染まった少女であって――――】


「……別に殺しはしないわよ。今日は
逃げたければさっさと逃げれば良いし、あなた達の言うボスにでも泣きつきたいなら勝手にそうすば良いじゃない
たった一人。それもこんな小さな女にやられた何て恥ずかしい事を言えるならだけど」

【鼻で笑えば、未だ反抗的な視線を送る男の存在に気付いて】
【――――バキリ。其れは鼻の軟骨が折れた音か、或いは頬骨が砕けた音か】
【いずれにしても、男の顔の何処かが壊れてしまった事に違いは無く】


「ばっかじゃないの?弱いのに、力も無いのにそうやって虚勢ばっかり張っちゃって
だから必要以上に痛めつけられるのよバ〜カ」

【きっと、その音は存外響いたはず】
【更には呻き声。冷たく言い放たれる言葉は路地裏にはよく通る物で】
【さて――――此処を通る者は一体何を思うだろうか】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/07(金) 00:20:00.20 ID:qqM7e9W8o
>>784

【眩しさが消え男の両目が開くと同時に、終わりを告げる演説が戦場を包む】
【と同時に眼前の男は何かを悟ったようで、その場に腰を下ろした。ソフト帽の男も終わりを悟ったのか、中腰で息を吐いた】

……やる気は無くなっちまったか? ―――それとも、元々あんまり乗り気じゃなかったんじゃないか?
―――慣れてっから分かんだよ。……テメェは悪人とちょっと違うってことがさ

もしテメェが悪人だったとしても……きっと向いていないぜ

【男の提案には返事もせずに、銃を消して歩いて行く。言葉はないが、了承したという証拠だった】
【疲弊した二人が、同じ方向に歩き出していた】

/時間が空いてしまいましたがありがとうございました!
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/07(金) 00:47:23.29 ID:UA9Io3dqo
【それは夜、月明かりに照らされる小高い丘の上の話】

【少し肌寒いくらいの風が吹くその場所に、一人のメイド服を着た女性が居た】
【飾り気の無いロングスカートのそれは如何にも事務的な空気を醸し出し、表情も無に近い】
【しかしながら――唯一つ。アクセサリーと呼べるものが、世界を彩っている】

【それはロザリオ≠ナ――世間一般には聖職者や教徒の持つものだが】
【腰元と後頭部に大きなリボンが在る、そんなメイドの彼女には些か似合わない代物だ】

……思えば嬉しくもあり、そして皮肉なようにも感じられるものですね。
悪魔との取引に生きる身でありながら、それに抗する手段を欲する……
言うなれば、そう……お子様≠ナしょうか?少し、疲れていたのかもしれませんね…――。

…、……さて、どうしたものでしょう。思わず夜更けに目が覚めて
誘われるままにロザリオ1つ持ち歩いて、丘の上……、…戻るのも、惜しいような。

【そんな言葉を呟きながら、彼女は左の手首にチェーンを巻きつけた十字を月明かりに照らす】
【決して貴重なものではない。しかし、その力強い煌めきが草原の中ではいっそう目立ち】
【やや背の小さなこのメイドの存在を、何処かの誰かへ知らしめるかのように眩かった。】

/予約なのですー
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/07(金) 01:16:52.33 ID:qGh0K6Jg0
>>809

【見上げたなら触れただけで指先を裂いてしまいそうなぐらいの薄ぺらな月、】
【見下ろしたなら夜の色で黒々艶めく若葉の色、冷たい風に体を寄せ合うように、さらり揺れて】

【ふと視界を廻らせた向こう側に清い光が煌いたから。ふらり惹き付けられたのは、或いは虫の習性にも似るようで――】

……おや、

【「先客」と呟く声がする。さくと草葉踏む音も、気配も、姿も、何も隠さないのだから、かくれんぼにすら足りない後入り】
【高いと低いの狭間で揺れる声音、どこかに掠れたよな響きがあるのなら。――古びた本のよな、どこかそんな印象】

【くると巻く癖毛は金色にピンクを混ぜ込んだ曖昧な色合い、肩を少しばかし通り過ぎる、半端な長さ】
【残る幼さを拗ねたような鋭さで染めた顔、釣った勿忘草色の双眸が、遠めにじぃと人影を眺めた】
【羽織るケープも、長丈のワンピースも、どちらもがぱーっとしない生成り色。体のラインを隠すような、布地の量】
【低い身長を誤魔化すほどのヒールも無いストラップシューズ、ぴたと素肌を隠す白色のソックス、露出ほぼ無し】
【それでも覗く不健康めいた肌色の細さでぎゅっと胸に抱き込むのは分厚く古びた本、――小柄な、少女であって】

【こんな時間には不釣合いに思えた。ただ、さくさくと歩もうとする仕草に、星屑ほどの悪意の欠片も無く】
【そもそもが戦う類の人種にも見えない。腕だって、足だって、それどころか体だって。手折れそうなぐらいに細いのだから】

こんなところでメイドとはね、別に構やしないけれど……、……御機嫌よう。
それとも聖職者様かね、……ま、どちらでもいいのだよ。傍に居て構わないかしら、中途半端な距離も気まずそうでね。

邪魔するというならそれでも構わんが――――

【――近づけたなら。先よりも近いとは言え、未だに手も足も届かない距離。それでも油断すべきではないのだろうけれど】
【睨みつけるような視線にその意図は無いのだが、如何せん目付きが悪い。傾げた首、胸中のそれを緩く示して見せる】

【145センチの身長に細い体付き、大人にはずーっと足りないのは、中学生かそこいらに見えて】
【少なくとも健全たる生活を送っているとも思えない。何というか――こう、突っ込みどころが、たくさんあった】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/07(金) 01:32:25.14 ID:UA9Io3dqo
>>810

【若草を均す音に、どうにも絶妙な――こう、形容しがたい、声】
【それが聞こえたからか、或いは気配を察知したように、メイド服の彼女は振り返る】
【習慣なのか、相手が獣ではないと分かれば、ロザリオからは意識を離し――】

―――御機嫌よう、ございます……お嬢様。

【対等に『御機嫌よう』とだけ返すでもなく、やや謙って、相手を呼ぶのは『お嬢様』】
【両手は既にエプロンの前で重なっていて、綺麗な姿勢のまま頭を1つ、下げてみせる】

【――成程、妙な相手ではある。というのもどちらが、では無く、お互いが、だ】
【夜中の丘にメイド。そこに、些か外見と口調の吊り合わない少女――】
【言ってしまえば変な者同士。ポーカーフェイスを向けると、口を開いて】

私はメイドでございますよ。所謂、フリーランスとでも言うのでしょうか。
個人で仕事を執るものですから、こうして外を歩く自由も間々有りまして

……ロザリオに関しては、頂き物です。ある、素敵な修道女様からの。
あぁどうぞ私、人に近寄られるのを好きとも嫌いとも思いませんので
と言うよりは……不意に目が覚めて閉まった分、ただ一人で散歩というのも味気ないか、と――

【『――思い始めていた所でしたので。』――そう言うと、正面から相手の視線を受け止めた】
【感情を感じないというより、抑えることに終始し、その調整が完璧な女性といった印象を受けるだろうか】

【といっても、その身長は150cmと少し。少女とそうそう変わるほどでもなく、しかし恐らくは成人だ】
【紺色の髪と瞳は夜空に映えたが、金と桃のコントラストに比べれば地味の一言】
【メイド自らが作り出した主従の空気からもなんとなく、静かで、一歩引いた立ち位置の人らしかった。】
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/07(金) 02:04:41.92 ID:qGh0K6Jg0
>>811

【冷たい夜風のくるり踊るたびに揺らされる髪先、ひらと舞うたびに曖昧な色合いは余計に協調されるよう】
【一刹那ごとに移り変わるのは儚くも見えるのに、劈くような勿忘草色の鋭さが、意識を現世に引き戻すみたいで】

……アンネリーゼ。適当に呼ぶがいいよ、キミの主になった記憶など、ないのだし。

【――お嬢様と呼ばれたこと、訝るように細めた瞳の奥で廻った思考は、名を告げる選択肢を選んだらしい】
【元より知られて困る事柄でもない。真名、忌み名、知識としてはあっても、恐れるほどの信仰心も無いのだから】
【名を知らないからそんな風に呼ばれたと結んだ思考の形、最後に添えるのは本心からに程近い】

【そこに宿すのは、或いは残念か。恥ずかしいとか気まずいとか、そんなかわいげのあるものでなく――】

【……それでも。満点を述べたいぐらいに綺麗な礼には僅かに困ったよな顔をする】
【どんな反応をすればいいのかを考えるような少しの間、きゅと本を握った指先の動きが何らかの感情を示すようで、不明瞭】

……、フリーランス、そうかい。金に余裕でもあれば雑用係の一人でも雇いたいのだがね、お生憎様。
働き手が居なくてね――蝋燭の燃えるように磨り減っていく運命なのだよ、うちの財産とやらはね。

いっそのこと出家でもしようか、……ま、しないんだがね。規律の類はどうも苦手で――

【――だから、沈黙を紡いだ間が少しだけ。続いて紡いでみせるのはどこか冗談の色を含むようでもあって】
【「悪いね」なんて、ろくな感情も篭められないなら、ただの音の連なりでしかない。考えるよに瞳を伏せたなら】
【続く言葉なんてもっと冗談めく。信心深い人に聞かせたなら、怒られてしまいそうなぐらいに――】

ああ、このぐらいの時期が一番過ごしやすくていいね、もう少しすると暑いだろう、しかもじめっぽいと来た。
もう少し早ければそれはそれで寒いのだし……、……今日は少し肌寒いが。

【許可を得たならふらと詰めるのは気持ち程度の距離、足元をさくさくと確認するよう蹴っ飛ばして、ふわと座り込もうとする】
【投げ出すスカートの汚れるも無頓着。泥汚れ、草の汁、どちらも面倒臭いタイプの汚れの原因だと言うに】
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2013/06/07(金) 02:21:55.14 ID:UA9Io3dqo
>>812

私も貴女様を主人にした覚えは御座いませんから、ご記憶は確かなようですよ。
ただ、長くメイドという職を続けていますと、どうにもこの呼び方が楽なもので
言うなれば職業病……ご理解くださいませ、アンネリーゼお嬢様。

【『最も御好みでないのなら――』と続くのは、きっと想像に難くなかっただろう】
【存外に適当な所もあるらしい。なんとも、人としては歪みきっていたが】

……いえ、私も押し売りは致しません。是非、余裕が出来ればお声をかけてくださいませ
家事全般から、場合によっては身辺警護も、夜伽もこなす程度には有能なつもりです。
ので、雇って損はない、と云う点だけは恥ずかしながら言わせて頂きます――ぁ

…―――申し遅れました。私、エリザベス・カーライルと申します。
職は先に述べた通り、特別宗教の信仰もなければ、寄る辺も無い者の一人です

それと……出家と申しますが、宗教関係の職に就くのはオススメしませんね。
先ほど言った、ロザリオの送り主……彼女はとても良い修道女ですが
はっきり申し上げるならその生活ぶりは苦しい≠フ一言でしたので。

それに、些か失礼ながら貴方様は他者の幸せよりも―――……そういう方に見えますし。

しかし……そうですね。流石の私も、これより先の真夏は制服が嫌いになります。
雨なり汗なりで濡れれば後が大変ですし、何かと仕事もしづらいですから。
……そういえば働き手は居ないとのことでしたが、アンネお嬢様は日々、何か…――?

【言うだけいって、最後は座り込む彼女に対して『汚れますよ』と一言かける】
【それでも座るなら止めはしない。自身は編みこみの古びたブーツだから、汚れは気にならず】
【事務的な彼女にしては珍しく、言葉の最後に質問を交えて、視線を向けた。】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/07(金) 02:57:21.53 ID:qGh0K6Jg0
>>813

【何ら間違いのなかった記憶、それならば、そう呼ばれることも別段嫌なことではない、少し、気になるけれど】
【やがて慣れるかと軽く流した思考は思考停止にも似て、そうしたいならすればいいと適当に返す、緩い軽さ】
【そちらが楽ならば無理に止めてしまうのもストレスなりうるだろうか、なんて。何となく程度の思考が廻って】

余裕が出来る日が来るともあんまり思えないのだがね――警護は要らんだろうね、夜枷はもっと要らないが。
秘密の花園だとかには興味が無くってね、色事に感ける暇があるならば本でも読んでいたいものだし――……、

……ああ、人様に幸福配り歩くほどの暇も余裕も無いね、億万長者の家にでも生まれていれば違っただろうけれど。
情けは人のためならずとは言うがね、身銭削って施し歩くよな性格でもなし――尚のこと止めておこうか、後悔しか見えない。

隣人に飯食わせるより自分が食べていく方が先だろうね、生き残った後に考えようか。

【警護が必要になる自体など避けたい、夜枷以前にそういった方面に興味も無いなら、必要とするわけも無く】
【否定ばっかりを連ねていく回答、結局家事全般の欠けを示すことになる。水仕事などしたことのないよな指先は、本を支えるばかりで】
【自ら告げる端からも読書を趣味に据えていることが良く分かる。ぴくとも表情変えずに言い放つのが、その弊害だろうか】
【瑞々しいような初々しさなんてどこへやら。精々が中学生ぐらいにしか見えないくせに、これなのだから――】

【――そして続くのだって、これぐらいの年頃に良くありがちな幻想正義なんてもの、微塵も無く】
【言い出したくせにあっさりと投げ捨てる選択肢、どうせ最初から本気さなんて無かったのだろうと思わせるには余るぐらい】

ああ、……それはそれは暑かろうね、ミニ丈になんてしようものなら急に俗世めくだろう、そこらで売ってそうな、ね。
どうせメイド雇うんならその恰好をして居て欲しい気持ちも分かるものだし。……そうさな、空調完璧な仕事が多いことを祈っとこうか。

……や、毎日粛々と無駄知識を拵えているがね。それ以外は特に何も。

【「溜まったら業者にやらせるから」――お金は無いとこれまでの言葉から分かる、ただ、自分でやる気など毛頭無い】
【座り込んでしまえば小さかったのは余計に小さく小さく、見上げるくせにかわいらしい上目遣いとは遠すぎる】
【確かにその恰好が暑っ苦しいだろうことは分かるし、濡れたときの不快感も容易に空想できるのだが、ただ、】
【そんな恰好をして居て欲しいという気持ちも分かる気がして。ならば、せめて楽でありますようにと紡いでみる、言葉】

【――楽観の果てにも、悲観の果てにも、見える気がして。ふると揺らす首は、蝋燭の尽きる先に頼るアテなど無いというかのよう】
【他者に施すことはきっと無い。でも、だからと言って、我武者羅に生きようとするでもない。そんな、無気力にも似て――】
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/07(金) 18:55:11.75 ID:5AwHMECzo
【路地裏】

「や、やめ……や……」

「う、うわァァァアアアアーーーーーーーーッ!!!」

【いつも通り物騒なこの場所に、今日も高らかな悲鳴が鳴り響く】
【――さて、もしあなたが"それに敏感"ならば、その悲鳴の発生源から漂う気配が"混沌と邪悪"であることがわかるだろう】

    【そして、それは、――――まさしく"悪魔"の気配】

【悲鳴の発生源の場所は、この路地裏の奥深くの袋小路だ】
【結構奥の方の位置にも関わらず、……漂う気配は"非常に強い"】
【――この場所に迷い込む者は、果たしていかなる立場の者なのだろうか?】
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/07(金) 19:32:26.56 ID:kGDBxZZv0
>>815
例え病み上がりでも……見参!!そして悪滅!!

【人の悲鳴が響き渡り―――悪魔の気配のする路地裏に1人の男が迷い込む】
【いや、迷い込んだと言うよりも―――“払いに来た”と言った方が適切だろうか?】
【その証拠に、男からは“混沌と邪悪”とは対極に位置する“聖”なる力を感じ取ることが出来るだろう】

人里の中で悪魔の気配を感じ取るのは珍しいけど……感じ取っちゃったものはしょうがないよね?

【迷い込んだ男の正体は、怪しげな衣装に身を包んだ20歳前後の青年であった】
【その青年は立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、真に奇妙な人物で】

さてと、どういう奴が出てくるのか……面白い外見だったらいいんだけどなぁ

【コツン、コツンと足音を立てながら、ゆっくりと青年は路地裏の奥、袋小路へと進んでいく】
【―――青年の目の前に現れる“悪魔”の正体は一体どのようなものなのだろうか?】

/ちゃんと書き込めてますかね……重複してても見逃して下さい
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/07(金) 19:56:15.23 ID:5AwHMECzo
>>816

「…………」

【――その袋小路には、二つの影があった】
【一つは、ボロボロの服を纏った――浮浪者だろうか?】 【その服には、既に乾いた血が点々と滲んでいた】
【おそらくはあなたに背を見せた形で、肉体は殆ど見えないだろう】 【それは、しゃがみこんでいて、動く気配はないようだが……】

【そして、その浮浪者の前に立つ者は――黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

……ヒャハハ、臭ェ、臭うぞ――"聖"がなァァアアッ

【"聖"を敏感に感じ取ったこの者――見た目は人と殆ど変わらず、雰囲気も人間によく"似せて"あり】
【先ほど感じたであろう"邪悪"はかなり薄くなっているものの――その全てが隠れている、とまでは言えない】
【ざりっ、と、路地裏を一歩進む音がすれば、悪魔の眼光は迷い込んできた男を捉えて】

なァ、そォこの人間……俺様は"聖"が嫌いなんだよ、……理ィ由? そォんなの言ィわなくて良ォいだろォ? わァかるだろォ? なァ?
……さァっさと立ァち去れば、見ィ逃してやァっても良ォいぜェ、ヒャハハハ!

【頭部を軽く上向きにし、威圧を与えることを試みつつ――】
【しかし、これで引くような相手とは微塵も思っていないし、そもそも見逃すつもりも全くもってない】
【……故に"邪悪の気配"を高めて、つまりは"臨戦態勢"を取り――ぴくり、と、浮浪者が動いたような気がした】
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/07(金) 20:01:40.59 ID:UvTfQhzfo
【水の国―――それは文化と技術が合わさった、文明の国】

【人は温和、国は豊かで、一般的に『進んでいる』と云われる事も多い】
【しかしその一方では悪党に目をつけられ、襲撃を受けることも少なくはない】
【今宵はそんな襲撃の一例。犯人は二人――機関でも、それに準ずる組織でも無く―――】


   ―――オラオラオラぁ!!どーしたどォした人間共よぉー!?
   この『キルフェ・ド・ゴール』と『ナチュラル・ウォル』のふたりでさえ…――

   いやぁ?二匹の半魔如きにさえ、随分と手間取ってるじゃねぇーのよッ!!
   ハッ!こんなゴミみてーな連中なら、最初から『リリア』の手を煩わす事も無ぇーよなぁー……
   あぁー…そうだ…ッ!六罪王が出向かずとも、その親友≠ェ出てくりゃあ十分だよなァー!!?


【謂わば私兵――それは、自らを『六罪王リリアの親友』と、何度も何度も大声で呼称するケンタウロスと】
【身長が2mを超える、鋼鉄の潜水服を着た寡黙な人物からなる、自称半魔≠フ連中であった】
【こと、騒がしいケンタウロスの女性がキルフェと云い――潜水服がウォル、というらしく】


   「―――――――、――――……弱い…っ。」


【二人は、大通りの南北に分かれて暴れまわっていた。店を打ち壊し、路面を砕き、車両を破砕する】
【そういう荒れた場所が今回の舞台。既に、一般の自警団では手が回らない状況であった】

【――自然、雇われたり、通りかかったりと。まるでそう在るのが運命であるように、人々は惹かれ合うだろう】
【有る者は北端のケンタウロス、キルフェの元に。またある者は北端の潜水服、ウォルの元へと辿り着くのだ】
【先に述べたとおり、舞台は大通り――ギミックらしいものは、まあ電線や様々なジャンクがある程度】

【二人の半魔の距離はといえば、およそ200メートルほどであり、お互いが見えない距離ではないだろう】
【が――果たして、他方を気にかけることが出来るかどうか。兎にも角にも、先ずは彼奴らを牽制する者が現れなければ―――】
【通りだけで住んでいる被害が、住人の避難先や住宅街にも及びかねず】

【――――ほんの一瞬だが、ピタリと破壊が止んだ。二人が偶然にも同時に、腕を休めたのである】
【分り易すぎる悪党が二組。そこに現れるべきはやはり分かりやすく――正義≠ニ。そう呼称するのが、良いのだろうか――!】

/こちらはイベントの投下文となります。
/事前のグループ分けでTの方は大通りの南端、潜水服のウォルの方へ
/グループUの方は大通り北端、ケンタウロスのキルフェの方へ

/それぞれ、登場、奇襲の制限なく、好きにレスをして頂ければと思います
/では皆様方、本日はよろしくお願いしますっ!
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/07(金) 20:17:19.44 ID:5jjrjFCro
>>818

【大音声に破壊音を混じらせた、街に似つかわしくない暴力の音を響かせる、人ならざる者】
【それは悲鳴と暴虐の竜巻となって、そのまま暴れ回り――――やがて】

……………止めなさい。

【黒いブレザーにチェック柄のプリーツスカート、赤いネクタイという学生服に身を包んだ女子高生が立ち塞がることとなるだろう】
【背丈は平均的だが、白い肌とうっすら紅に染まった頬、枝垂れるように長い睫毛が特徴的な少女だ】
【漆で染めたように艶めく黒髪は、日に焼けてほんの少し赤紫色を差していて】
【やや長めの前髪、顎までで揃えられたもみ上げ、胸までの長さの後ろ髪と、そのすべてが一直線に揃えられた髪型をしている】

(…………"邪"の臭い)

【彼女が見た目通りの平凡な女子高生でないことは、右手に持っている得物が証明している】
【浅い反りと波打つ刃紋、散りばめられた金剛石の破片が輝く刀身に、赤い紐による意匠と金箔で描かれた紋様を持つ柄で構成される、美しい薙刀だ】
【しかし彼女の非凡さを際立てているのは、それだけではなく…………】
【"武"の匂いを漂わせる隙のない構えに、冬の夜のような透徹さを伴って引き締められた黒色の瞳】
【何よりも――――まるで教会の中にでも踏み込んだような、血塗れた空気を拉がせる"神聖"な雰囲気をその身に纏っていた】

…………ずいぶん、派手にやってくれたわね…………。
これ以上続ける気なら――――斬る。

【街の惨状を横目で確認し、冷たく突き刺すような視線に燃えるような感情が混じれば】
【ぐるり――――薙刀を頭の上で一回転。そのまま体を引き、薙刀を両手でしかと握って、白刃を輝かせる】
【素人でもわかる、隙も容赦もない臨戦態勢――――半人半獣の妖魔に対し、少女は刃と怒りを向ける】
【もう一方の潜水服にも、注意だけは払っているが、かといってよそ見をして隙を晒すような無様もしそうにない】

/お二人ともよろしくお願いします!
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/07(金) 20:21:35.24 ID:kGDBxZZv0
>>817
おやぁ?見るからに“悪魔”って気配漏らしてるくせに随分とやさしいこと言って下さるじゃないですか……
でも残念ながら僕は一切引くつもりは無いね!!何故なら僕は態々君を滅ぼしにやってきたんだからさぁ!!

【“見逃す”という悪魔の言葉を青年は払いのける―――勿論、最初から悪魔の言う言葉など信じては居ない】
【悪魔の吐き出す言葉はその全てが人を惑わすための戯言に過ぎないのだ……と青年は確信していた】
【“邪悪の気配”を高めて臨戦態勢になった悪魔に合わせて此方も“聖の気配”を高めることで臨戦態勢を取る】
【―――注意深い性格からか、青年は死んだはずの浮浪者が僅かに動いたことも知覚するが、今のところは放置することに決めたようで】

最初に自己紹介しておこう―――僕の名前は玉藻狂死郎、櫻の退魔師さぁ!!
それじゃあ早速今日は僕の十八番ぅ……紹介しちゃいますか?紹介しちゃいましょうよ!!

【青年―――狂死郎はそう宣言すると被っていたカンカン帽を脱いでひっくり返し、その中から壱枚の茶色の符を取り出す】
【トランプのような質感のその符を上空に向けて放り投げ、カンカン帽を一回転させてから被りなおした】


御山に雷光走る時、天駆ける猿王光臨せん――――今こそ汝に命ず、我が力となれ!!
悪滅召喚!!――――変幻せよ、≪猿魔ハヌマーン≫!!


【空中に放り投げられたその符は放物線の頂点に到達すると、青白い光と共に召喚陣を展開しながら地へと落ちてくる】
【それに合わせるかのように狂死郎は両手を組み、召喚の口上を口にする――――それに反応して、召喚陣の光はさらに強くなる】
【そして、召喚陣が地面へと到達した瞬間――――眩い光がその場を包み込んでいく】

【その光が晴れたとき、役目を終えて光を失った符の上に立つは老いた猿のような姿をした魔人】
【両手には両端に金の装飾が施された棒、体には黄金の鎧を纏った神々しい姿からは聖なる力を感じ取ることが出来るだろう】

ハヌマーン君、早速で悪いんだけど……いつものアレ、お願いしてもいいですかね?

『たまには儂も生身で暴れたいものだが……致し方ないな、御意!!』

【狂死郎の命令に従ってハヌマーンは印を結び――――ボン!という音と共にその姿は消え、煙が周囲に充満する】
【先程の光と同じように煙が晴れたとき、そこにはハヌマーンが手にしていた棒にそっくりの武器を手にした狂死郎の姿があった】
【――――いや、手にした棒の姿と長さは同一のものであったが、まるで小さな丸太のように太く変化していた】
【その棒からはやはり、ハヌマーンの纏っていた聖なる力と同質のモノが宿っていることが感じ取れるだろう】

人呼んで“神珍鉄・如意金箍棒”――――味わってみてはいかがかなぁ!!

【小さな丸太のような太さのそれはとてもではないが取り回しのよい武器とは思えないが、重さの問題は魔術で解決したのか】
【そこらの棒と変わらない速度でぶんぶんと振り回して見せてから、抱えるようにして構えて悪魔に微笑みかける】
【その瞬間、“如意金箍棒”は凄まじい速さで伸長して悪魔へと迫り、そのままの勢いで腹部を突き、吹き飛ばそうとする】
【攻撃の命中如何にかかわらず、“如意金箍棒”はその後一瞬で元の長さに戻り、狂死郎の手元に収まろうとするだろう】
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/07(金) 20:30:08.44 ID:uCJOZqHro
>>818

【魔の瘴気、とでも呼ぼうか―――勘の鋭い者であれば人間ですら気が行ってしまう程の濃い"其れ"が、水の国を静かに包む。】
【邪悪である、と形容するのは単純だろう。しかし確かに、この世界に名立たる先進の大地に現れたその両者は】
【明らかな"目的"を持っている事を伺わせる――でなければ、唐突にテロを起こす事など考えられない。】
【最も、それだけ野蛮で凶悪な種族であるのだ、と言われてしまえばそれまでだが、ともかく。】
【この襲撃に何かを感じ取った者も少なからず存在する。そして悲しいのはその内一人は襲撃者同様――魔の瘴気を持つ者だった事だ。】

【――秀麗な水路が駆け巡る水の国。大通りの南端にて破壊の渦を撒き散らし続ける潜水夫の丁度、背後―――】
【遠くから近づいてくるのは強烈なエンジン音だろうか、何か巨大な排気量を持った"マシン"が猛速で接近する"音"が聞こえるだろう。】
【そしてそれに連なり、ストリートに立ち込める魔の風圧も上昇する―――潜水夫が正常な思考を持っていれば直ぐにでも、分かってしまう筈だ。】

【"同類"が近づいている――――と。】

【刹那。背後から鳴り響いていたエンジン音は限界へと達し、2ブロック先から凄まじい速度で"ドリフト"―――タイヤを滑らせ、戦場に躍り出た。】
【バイク――には違いないが、デカい。アメリカン・スタイルの車体に巨大なショットガン・マフラー、そして通常では考えられない加速を以って】
【潜水夫へと直進、爆発的速度による第一撃、即ちは"突進"を行う―――瞬間、魔力がドッ、と溢れ出るのを感じ取れるか。】

【エンジン部分に供給されているのはハイオクだけではないらしい、特殊な動力機関により魔力を原動にし走る"特注車"、つまりは】
【操縦者が悪魔の力を持つ者である事を意味していた。】

――――到着が遅れちまった。ちょいとばかり寄り道してたらこんな派手に"パーティ"してるたぁな、恐れ入ったぜ"デビル・ダイバー"さんよ。
まあでも丁度良かった、俺もこの世界に着てから肩慣らし程度にしか"遊んで"なかったしよ―――相手が悪魔なら容赦せず済むってモンさ、だろ?

さて―――五分で済ませようぜ、パーティはお開きだ。この後も俺には――デートの予定が詰まってる。


【機械の鉄馬に跨った男――は、異様な格好をしていた。】
【真紅と形容するには少し妖艶すぎる、派手な装飾がついたワイン・レッドのシャツを胸元まで開けて】
【そこから覗くのはクライストの代わりにサタンが磔にされた悪趣味な"十字架"のシルバー・ネックレス】
【そして風にたなびくのは季節感を無視した黒いロング・コート――此方にもあちこちに刺繍や銀の装飾が取り付けられて。】
【丁度その内側、ベルトの部分に装着されているのは特徴的な二対のガン・ホルスター。】
【シャツと同じ真っ赤な―――人間ではない何かを思わせる鮮血の瞳を輝かせ、青味がかった黒のセミロング・ヘアを無造作に掻き分ける。】
【外見だけで言えばハリウッドで俳優でも出来そうなほどに顔立ちこそ整っていたものの――その攻撃的な視線と表情、そしてなにより】
【纏う"気"の異様さ加減は人間のそれではなく魔を重ねた者であって――今、まさに灼熱の夜に吠えんとしていた。】

/主催の方、そしてジェーン・ドゥさん、今夜はよろしくお願いします!
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/07(金) 20:36:07.14 ID:JAN+SDoa0
>>818

【“六罪王リリアの同朋、友を名乗る者達が首都を攻撃した”、】
【“被害は急速に拡大を続けている。既に自警団の手には負えない”、】
【………“至急、迎撃に向かわれたし”――――――】


【要請を受け駆ける、駆ける。】
【“降り立った”。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【首都の北端で繰り広げられる破壊を瞳に映し、この瞬間へと立ち会うのは、そんな形容の出来る人影だった。】
【同じ橡色に宿るものは灼熱の激情―――――― 】

…………金翅鳥―――――――――

【言葉よりなおも雄弁に。時など停められぬと、迎え撃つだけだと刻み込む様に、現れたその影は得物の銘(な)を呼んだ】
【瞬間……虚空から黄金の焔纏い顕現する白銀の太刀。赫き光熱を剣と変えて、孤なる “それ” は敵影を見据え】

【同時、右腕の前腕部を漆黒の装甲が覆って――――、】

…………、――――――――――

【足音/伴う風切り音。それすらも置き去りに、踏み込む濃藍は一息に彼我の距離を詰める。】
【目的はキルフェの注意を引く事。仮に妨害を受けたとしても、それ自体は、“蹂躙” から “闘争” への移行自体は果たせようか】


【……もし接近に成功したならば。剣士は、大きく構えた右八双の太刀から、薙ぎ払う右薙ぎの一閃を放つのだろう】
【狙うのは馬の胴。けものの胸を断つ神速の軌道が、その肢体を襲う筈で】

【――――― だが “構え” を観得るのならば、その回避が不可能でもあるまい。】
【寧ろその対処の術こそを、剣士は、見定めんとする様でもあった】

(……今、この瞬間に言葉は要らない。)
(ただ、護りきるだけの力と望めばいい――――)

/お二方とも、よろしくお願いします……!
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/07(金) 20:41:29.19 ID:EJ7IDayRo
>>818
【その者は屋根の上で寝ていた】
【魔や瘴気、そんなもの関係無いように寝ていた】

――――――――。

【その気になればこの騒動が終わるまで寝ててもよかった】
【どうせ、いつもの襲撃なのだろう。そうタカを括っていたからだ】
【傍観者は傍観者らしく、いつまでも舞台に立つ理由にならなかった】

――――しかし、今回はなんだ――――。

【蓋を開ければ、そこは魔物の襲来】

――――てことは、私は舞台に上がらねばならんのか――――。

【一言、呟き、ため息をつく】
【銀髪、茶色の目、茶色の外套を纏った者は一本の煙草を取り出そうとする】

――――切れてたか、仕方ない、"潰して"買いに出かけよう。

【入っていない煙草の箱をグシャリと握りつぶし】
【屋根の上から潜水夫を眺め始める。】

/主催とキングの人よろしゅうに
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/07(金) 20:50:40.65 ID:5AwHMECzo
>>820

――ヒャハハハ、俺様は慈ィ悲深ァァーーいからなァ
今みたいにテメェーが物騒な事を言ィい出さなきゃ、"穏便に"事を済ましてやったものを……

【相手が向かってくるならば、こちらも向かうのみ――"殲滅"の方へと】
【大きく一つバックステップをすれば、その結果として悪魔と壁との距離は5mあるかないかまでの位置へ後退し】
【――この場所は袋小路だ、故に逃げ場は陸路では一つしか無くなく、また、"狭い"】

……ヒャハハハッ! そォの程度の奴で俺様を滅ぼせるとは思うなよ?

【相手が"召喚士"だということがわかった時、悪魔の表情が一瞬歪み、そしてより一層眼光が強くなる】
【――何故か?】 【その理由は……いずれわかるだろう】 【この悪魔の能力を見れば――】

武ゥ器変形まで持ォちやがって……ッ、喰ゥらうかよッ!

【いくら強がろうと、力を見せつけようと、聖なる力が苦手なのには変わりないし、本人もその事を一番理解している】
【故に、伸ばされたその棒を受けた結果がどうなるか、――、――悪魔は回避行動を取る、取らざるをえない】

【と、言っても話は単純だ――先程のバックステップから流れるように、上方へ"跳躍"】
【そして、着地するであろうその瞬間に――事は動いた】

「――――…………あのゥ〜、……狂死郎さんで良いんだっすよね?」
「別に悪魔を、"邪禍"様を、滅ぼす必要なんてないんだっすよ、だってだっす……」

【棒に当たらず立ち上がった浮浪者――いや、何やら様子がおかしい】
【人の腕とは、地面に付きそうな程長かっただろうか?】 【人の脚とは、鱗を持っていただろうか?】
【人は尻尾を持っていただろうか?】 【そして、"フゴフゴフゴフゴ"と聞こえる荒い鼻息は、人には出せただろうか?】

【――浮浪者の身体は、狂死郎の方へと向けられる】
【否、これは浮浪者と呼んで良いのだろうか――豚の頭、猿の如く長い腕、ダチョウの脚、1mはあろうかという尻尾を持った化け物であるこの者を】

「僕を絶望から救ってくれたんだっすよ!」 「んだから、滅ぼさせるわけにはいかないんだっす!」

【そう叫べば、化け物が振るうのは右腕――鷲のように鋭いその爪で、狂死郎の左腕を引き裂こうとするッ!】
【長い腕故に、遠心力はそれ相応にあり――とは言え、クリーンヒットしても切断はされないだろう】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/07(金) 20:51:49.24 ID:UvTfQhzfo
>>819 >>822

【北端――そちらに在るのは、上半身は女性、下半身は馬というケンタウロス】
【ただし額からは一本の立派な角が伸び、全身からは零れ落ちるような魔力を放つ】

【それこそが半魔と名乗る証拠。そして両者が咎める破壊を一人で成せるのもまた、同じ】
【彼女の獲物は大斧だ。加えて人の姿をした上半身には、かなり分厚い鎧を着込んでいる】
【紫の髪は毒々しいまでの単一色で―――整った顔つきが、暴力的な笑みによって歪められ】


   あぁ〜?よく聞こえねえなぁクソガキぃ……もしかして『止めろ』ってぇ〜?
   なんで止める必要がある?人が傷つくから?お前が不快に思うからかなぁ?

   理解できねェウチは止めねー……いや、理解できたとしてもぉォォォ―――ッ!!!


【ガギイィ―ィン、ッ!=@突如として現れた、女学生の彼女とはまた別の敵意】
【勇気の人。彼女の仕掛けた初撃を、半魔はその身体能力でいとも容易く見留め、大斧で受け止める】
【その膂力たるや尋常ではない。打ち込みを半月の刃で受けたのなら、相手を吹きとばそうと一気に押し返し】


   ……止めねーよ?だってよぉ、アタシはやりたいことをやるのが性分なんだ
   虫ケラ以下の人間、そしてそいつらが作り出したモノ全部……ぶっ壊したい気分なのさ
   さぁて役者は揃ったかァ?なら行くぜクソガキ共…―――お前たちもぶっ壊してやるからよぉォォ――!!!


【余りにも単純なこと、当然の自称であるかのように――半魔はふと、その大斧を手近な車に叩きつけ】
【鉄塊となったそれを刃で引っ掛けると、造作も無いかのようにソレ≠振り回し、やがて鉄塊だけ放り投げ】
【二人纏めて潰してやろう――なんて言うかの如く、車だったものは両者に迫っていくだろう】

【但し、おおぶりなだけに軌道は単純。二人が速さに長けているのなら、回避は尚更簡単だ】
【ところがこの車、転がった箇所から突如として氷筍――謂わば、地面から伸びるつららのような物が発生する】
【半魔の能力か。とにかく回避するのであれば、その氷柱も併せて避けねばならないだろう。】
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/07(金) 20:54:15.53 ID:UvTfQhzfo
>>821 >>823

【現れた二人の刺客――否、勇者≠ゥ。その者達が狩るべきは、酷く不気味な存在だった】
【潜水服、という時点で先ず可笑しい。ここは間違っても水中ではないし、装備も古式過ぎる】

【全身の装具。つまりヘルメットや水を入れないための小さなバルブ、ネジ――いずれも錆びて】
【ぎぃぎぃと音を立てているのも不快極まりなく、ヘルメットは曇って顔が見えない】
【そして、目を引くのは右手のドリル。削岩機と言ったほうが差し支えないような規格の武器と】
【加えて酸素のタンクに見える背の筒二本と、同じように背負った単純な形状の鉄の水鉄砲≠ェ一丁】

【他に、何を持つわけでもない。五指まで金属で覆われたウォル≠ニいうらしい半魔は】
【今、車のボンネットを『踏み抜いた』ままの姿勢で―――ぎぃ、と分厚い硝子の顔を二人に向け】


      【 メ゛ギ ョ ッ =z
 
            【―――この奇怪な音は、バイクの突撃がヘルメットを潰した音だ】


    「ァ……く、ッ…。…悪魔、が……何故此処に…――」
    「いいや、今はそんなのどうでも良い事…、……邪魔するのなら、排除する。」

    「姉さん≠ェこの頃よく口にして、そして実行してきたように……ッ!!」


【――ところが。ヘルメットは確かに凹み、頭部が在るのなら脳みそがシェイクされてもおかしくはないのに】
【ふらりとしただけで立ち上がる潜水服は、この場に揃った戦士たち――悪魔と、屋根の上のもう一人に視線を向け】

【そこからの攻勢は中々に疾い。先ずは左手で背の水鉄砲を抜き、巨大なそれで屋根の上の人物を狙い、引き金を引く】
【まさか玩具なはずも無いそれから打ち出されるのは、超高圧の水の弾丸=\―肉体くらいは、容易に貫く一撃で】

【そしてもう一方、右腕のドリルが回転を始め―――直後、潜水服の背に存在するタンクから水が吹き出す】
【まるでジェットターボだ。凄まじい重量だろう巨体を押すそれは、バイクに跨って現れた彼への意趣返し≠フ如く】
【一気に距離を詰めていけば、後は実に単純な話で、右腕のドリルを真っ直ぐにつきだし、相手を挽肉にしようとするだろう】

【―――どうやら、この半魔の力は水≠ノ関係するらしい。潰れた潜水服の頭部、隙間からは、ちょろちょろと水が流れ出ていたから。】
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/07(金) 21:14:09.06 ID:5jjrjFCro
>>822,>>825

キルフェ、とか名乗っていたかしら…………見た目は半分人でも、心はただの獣のようね。

【凶暴に笑う異形へと、少女は侮蔑を込めて吐き捨てる】
【同時、彼女の纏う"神聖"な雰囲気が、空間そのものを締め上げるように濃密になり――――】
【キルフェと名乗る半人半獣に悪魔のような"邪"の血が流れているならば、その雰囲気は毒かもしれない】
【この雰囲気は――――感じる印象そのままの、正々堂々たる"破邪"。キルフェとは対局にある力といえるかもしれない】

【と――――走り抜けていく、小さな影】

(…………!)

【その疾駆、その速度――――先を越された、と気付くのに、少々の時間を要した】
【異形の胴へと翻る鋭い剣閃に、その少女がおそらく敵ではないことと、腕の立つ剣士であることを悟る】
【その姿に一瞬目を奪われた後――――ふん、と鼻を一つ鳴らして、少し機嫌良さげに】
【自分も負けてはいられないと、薙刀を右下段に、姿勢を低くしてキルフェへ突っ込んでいくだろう――――】

(なんて滅茶苦茶な腕力…………それに、あの氷柱は)

【さすがに車を投げてくるとは予想できず、多少到達に時間がかかっても、少女は安全に大回りの軌道で走り込むことにしたようだ】
【そのおかげで、発生する氷柱も回避するが…………どういう原理の能力だろうか、と少しだけ思惟を巡らせて】

――――はぁっ!

【そして彼女は、そのまま勢いよく接近し――――気合一閃】
【接近に成功したならば、脚力と腰の回転、遠心力を乗せた薙刀が鋭く風を切って、刀身が鈍光を発する――――!】
【右から左へ、キルフェの左脚を切り裂くような軌道の一撃。威力は高いが、到着まで少し時間があったこともあり、回避はそう難しくない】
【若干小さい振りに、特に退魔の力が乗っているわけでもない単純な斬撃は、次の一手を意識した牽制に近い動きだ】


【そして――――その正否に関わらず、キルフェへ走り抜けていく過程ですれ違う、もう一人の少女へと】

…………幸徳井佳乃よ。

【顔も注意も正面の敵に向けたまま――――余計な言葉を一切付け足さず、すれ違いざまにそう名乗る】
【名前を告げたのは、共闘の意を示すと言うより、先ほどの一撃への敬意のようなものが大きかったが】
【しかし、この佳乃という少女にそれを拒む意図もない。いささか無愛想だが、共闘相手としてはそれほど悪くはないか】
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/07(金) 21:20:37.40 ID:kGDBxZZv0
>>824
まっ、流石の悪魔の身体能力ってところかな……避けられるのは仕方が無いね

【“如意金箍棒”の伸縮による攻撃を避けられた狂死郎は冷静に相手の戦力を分析する】
【―――今のところは何の能力を持っているか分からないが、身体能力は“悪魔の”常識の範囲内だった】
【これから自身を強化するタイプの魔術を使おうとも自分であれば反応できる範囲内―――そう考えていた】

【しかし、この事実は逆に狂死郎にとって悪魔を警戒する材料の一つとなった】
【身体能力にモノを言わせるタイプでなければ―――どれ程の魔術を使ってくるか分からないからである】
【―――僅かの間に思考を展開した狂死郎であったが、その思考は一旦意識から外していた浮浪者の“復活”で遮られることになる】

……!!やっぱりね……さっき感じた“違和感”って奴は気のせいじゃあなかったらしい!!
全く面倒を増やしてくれるよ―――“死んで”からも君は人に迷惑かけ続けるのかい?

【“人”として死に、“人ならざるもの”として蘇った元浮浪者に狂死郎は暴言を吐き捨てるが、すぐさま防御態勢を取る】
【化け物の長い爪による攻撃を既に手元に戻っていた“如意金箍棒”を振り上げて弾き、反撃の態勢を取る】

安心してよ!!直ぐに黄泉に送ってあげるからさぁ!!

【防御の為に振り上げた“如意金箍棒”を勢いのまま反転させ、金の装飾が施された先端に退魔の力を込める】
【“如意金箍棒”の先端から溢れ出る退魔の力は破邪の光として具現化して見ることが出来るだろう】
【そして狂死郎は“如意金箍棒”を浮浪者の頭部に目掛けて一気に伸長させ、骨を砕き浄化しようとする!!】
【命中しようがしまいが、伸長の勢いを利用して浮浪者の背後に座する“邪禍”にも打撃を見舞おうとするだろう】
【―――気のせいか、先程と比べて伸長の速度が速くなっているように感じられる】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/07(金) 21:44:58.64 ID:uCJOZqHro
>>826

【そもそもが潜水服、という時点でバイクに跨るこの大男よりも余程奇怪で、そして異常であるのは火を見るより明らかだろう。】
【それにプラスし身に纏う邪気は完全に悪魔に近い何かのそれであり――表情を伺おうにも、このヘルメットではそれも敵わない。なにより】
【――こんな強烈な一撃をブチ当てたというにも関わらず、ビクともしていないかのようなこの挙動――魔の者、それもかなり"強力"だ。】
【ハーレー・ダビットソンは前輪を固定、後輪を派手に滑らし路上に煙を上げながら急停車―――男はバイクから"降りる"。】


―――ヘイヘイ、ヘイ。冗談か何かだよな?低予算のホラー映画じゃねぇんだ、まさかアレを喰らってピンピンしてるなんて事は―――・・・
・・・オーライ、どうやら世の中ってのはそう上手くはいかないらしい、嗚呼そうとも、バイクじゃ轢殺せないってワケだ。
それじゃ次のやり方に切り替えるとしよう、そっちがその気なら―――のわぁッ!?

【――先ず最初に、放たれたのは"水流"の"弾丸"――なるほど、強烈だ。一目見て分かるほどの超・高水圧。】
【『ケルヒャーも真っ青だな』――なんて言っていると、水の奔流が狙うのは自分ではなく"別所"――どうやら友軍がいるらしい。】
【これは丁度良い、一人で相手取るには少々強敵であるだろうと思ったのか――ロングコートの男は、屋根の方へと声をかけた。】

>>823

―――HEY!そこの兄ちゃん、避けないと一溜まりもねぇような水流だぜ、気をつけろよッ!!
で、こんな危なっかしい場所でボーッと寝てるとは大したタマだ、気に入ったぜ。
けど遊んで仲良くお話、って暇もないみたいだ、ここは一つ手を合わせるといかねーか!!

――俺の名前はキング!まあ、"ジェイソン・ボーン"でも、"ジェームズ・ボンド"でも呼び方はなんでも構わないが――

お宅のコトはなんて呼べば―――っと、コイツはやべぇ――ッ!!

【悠長に会話や自己紹介をしている暇も無いようだ、キング――とそう名乗った男はコートを翻し、潜水夫の一撃をなんとか、回避しようとした。】
【しかし巨体からは予想も出来ないような凄まじい移動速度、何かを噴射して加速しているのは確かなようだが――これは、水か。】
【一気にレンジを詰められれば、ぎょっとした表情でそれを迎え撃ち――真横へと緊急回避、しかしその際に"脇腹"を軽く、抉り取られた。】
【掠った程度に済んだのはこの男の尋常ではない反射神経のおかげであるが、それでも尚、軽傷とは呼べない量の血が"パッ"と上がった――】

―――・・・水、か。悪くない。水滴滴らせてたらイイ女がもっと寄ってくる。けどな、けどな良いか、よく聞けこの"シスコン"野郎。
でけぇヘルメットに耳がついてるのかついてねぇのか知らねぇが、この俺の脇ッ腹に・・・う、ぐうぅ・・・!!穴ァ開けてくれようとは
イイ度胸してるじゃねえか、益々気に入った――・・・お返しはたっぷり、してやらねぇとなッ!!

【ギラ――と、紅い瞳が光る。瞬間、潜水夫から見て右手に回避したキングが素早く――本当に素早く、コートの内側から"何か"を抜き去った。】
【抜刀と呼んでも良い、居合いとまでは行かずとも――高速で抜き去られたそれはガン・ホルスターから姿を現した二挺の"拳銃"】
【大きなシルバーの攻撃的なフレーム、その上に並んだガス圧から視界を確保するためのベンチレイテッド・リブ】
【そしてインパクトのある木製カスタム・グリップには裸の女と悪魔の紋章が象られていて――】

―――オートマグ・44だ。新調してきた俺の新しい相棒――丁度良い機会だ、慣らし運転も含めて・・・景気良く、ブッ放すッ!!

【――オートマチック・マグナム。歴史上の失敗作とも言われる別名・"オートジャム"<事故銃>だ。】
【しかしよく手入れされたそれに宿る力はまさしく、悪魔のそれであり――スライドが後退、鋭いブローバックの後に放たれた弾丸は】
【かつて世界最強を誇ったマグナム・44口径弾であり、更に言えばそこに"電撃"の魔力が付加されたもので――強烈な威力を誇る。】
【ガン、ガン、ガン――と工事現場で地面を叩き割るあの音にも近しい、火薬の爆ぜる音が三連発――三つの獣となり潜水夫、ウォルを襲うだろう。】
【しかし恐るべきはその射撃速度と精度、そして反動を完全に無視した射撃能力だろう。この男――これだけの大型拳銃を片手に一丁ずつ】
【しかも軽々と、まるで身体の一部の様に振り回している――。】
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/07(金) 21:48:18.98 ID:LZbD/jkf0
>>825>>827

【放つ斬閃は受け止められる。仕切り直す反撃の力を柄越しに感じた刹那、】

(……ッ……!)

【一瞬たりとも拮抗出来ず、自ら勢いを逃しながらも軽く数メートルは跳ね飛ばされた。】
【―――― 着地する。思考する。】
【異様だ。人外の膂力。そう形容する他ない其れは、紛れもないひとつの脅威であって――――】


お前たちも、か……
誰に言っているつもりなのかしら―――――

……奪わせないし、殺されないわ。
何より――――― ただの標的として見る鈍刀(なまくら)の眼で、剣(つるぎ)を討てる筈もない……!

【だが紡ぐ声は自信―――――― 否、ひとの勝利への意思に満ちていた】

【斬り合うこと。血を流すこと。血に濡れること。ひとり、闇を背負うこと。】
【覚悟を決めて選び取った。ゆえに敗れぬと、己にそう刻みその身は加速する。】
【視えたのは反撃/身を以て知った膂力ゆえに驚きはなく、】

【 金属塊は左に避け、最短距離を駆けて標的に疾走――――――】

(…………!)

【途端地中から飛び出す氷の錐に意識を割きながら、されど接近の速度はまるで低下しない。】
【目視/突き上げるそれらを足場に縦横に跳躍、加速を繰り返しながら接近、急減速から再加速、】
【斬り込む軌道で踏み込んで、キルフェの右眼側に回り込まんとする】


【そして成功したならば、抉りこむ様に昇る右薙ぎを以て、その上体を、ひとの右胴を、逆袈裟に斬り裂かんとするのだろう】

【三次元的な軌道から攪乱、緩急の差による不意の方向からの一撃―――――】
【機先を制すること。反撃の余地を殺すこと。共闘する少女の一手から繋げる、その逆方向からキルフェを襲う一手。】
【だが、それはそれだけに留まらない。】


【切断概念による超越した破壊力を秘める一閃―――――――】

…………ハァアアッ!

【――――――― 並みの重合金装甲程度ならば、薄紙同然に断割する。】
【瞬間的に放つ力ならば凄まじいものがあった。技法としての超疾の剣戟であった。】


【そのさなかに聞こえた同年代の同郷の声、】

…………八攫 柊(やつか しゅう)――――― 覚えるかどうかは任せるわ。

【それにはクスリと笑って応じるのだろう。まるで同盟の申し出のように、殺気と敵意の合間の和らいだ声で。】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/07(金) 21:56:21.26 ID:5AwHMECzo
>>828

「……迷惑かけねーと生きていけなくしたのは誰だっすか」
「ボロ雑巾の方がマシなくらい踏みにじっておきながらよくいえるだっすよ、"人間"さん」
「ようやく手に入れたこの"希望"の光……悪魔だから闇の方がいいだっすね、とにかく、そいつを僕から奪うんじゃあないだっす!」

【もう既に、人としての何かを失ってしまったばかりか――化け物として順応してしまっているようだ】
【悲鳴が聞こえてからは……人として死んでからはそう長い時間は経っていないはずだ、これが悪魔の成せる技なのだろうか?】

「あァ、豚の鼻と猿の腕でゴミ箱漁りが捗るだっす」 「あァ、ダチョウの脚で窃盗が捗るだっす」
「あァ、手のような尻尾のおかげでまるで腕が3つあるみたいに動けるだっす」 「……狂死郎さんも、皆も、こっちに来ればきっと幸せになれるのにっす」

【己に迫る棒、――化け物が取った行動は"防御"だった】
【左腕を振るい、棒を直接"殴る"】 【パワーは、少なくとも人のモノとは言いがたく――それで、頭部への狙いを逸らすのが目的のようだ】
【……掴むならまだしも、殴ったとなれば拳に受ける反動はけして少ないわけがない、骨の砕ける嫌な音が響き、滴るのは真っ赤な血】

「うへはははハハハ、い、痛いだっす、でもこのくらいは既に通った道だっす、邪禍様の為ならなんだってやるんだっす」

【防御行為に及んだ理由は、自らの身体で背後に居る"主"――邪禍を護るためでもあった、拳は邪禍への打撃を逸らさせる目的もあった】
【――どうやら、この化け物自体は"ただの生き物"、つまり魔の存在ではないようで、……故に、退魔の力はあまり通っていないようだ】
【しかし、"主"は違う――非常に強い邪悪であり悪魔でもあるそれには、退魔の力がよく通る】
【――おそらくは見えるだろう、この化け物が受けたダメージの"幾らか"を、悪魔も同様に受けていることを】
【退魔の力も間接的とはいえ通っている、――何かが蒸発する音が、聞こえる】

……だァったら、退魔の力をこォっちに寄ォ越すんじゃあねェ、"パッスキフープ" 「……す、すまねえだっす、邪禍様」

【悪魔の怒りの声が、袋小路に響く】 【――化け物が次に取る行動も、単純だった】
【1mはあろうかという尻尾を振り回し、狂死郎の腹部を、己から見て右から左へかける軌道で薙ごうとするのだ】

【――それだけではない、悪魔の背後に現れるのは"魔法陣"】 【そしてそこからいずる闇が成すのは、一匹の蛇だった】
【体長2m程で、ターコイズブルーをしたその蛇――悪魔の首に軽く巻き付くと、吐き出すのは"炎の弾"】
【狙いは狂死郎の右肩――大きさ10cm程で、性質は炎そのもの、故に"危険"】
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/07(金) 21:56:26.42 ID:lNk+O/S5o
【廃街】


   『 “ 堂廻目眩・惨 ” 』
     ( e'repre ganz )


【――静寂を裂く音がする】
【重量のある金属塊が崩落したような、鈍く重く、非常に響く嫌な音】

【音源はかつて大通りであった白亜の街道で、】
【半壊した建物が連なる中を砂煙が覆い、一瞬その煙幕に写ったのは、鎧兜の異形の影】
【兜が落ち腕が落ち、がらり、ぐらり、巨大な人型の輪郭が積木のように崩れていく】

【やがて、それが収束した後】
【街道の中心には、武器や防具を寄せ集めたような瓦礫の山と】
【妙な武器――黒い霞を纏う魔石製の刀剣を携えた、一人の人間の影があった】

 成る程……魔物には、通じるようですね。

【黒い祭服を纏い、紅茶色の髪を腰まで伸ばした、背高な若い男】
【オリーブ色の目は、左右で瞳孔の開き幅が大きく異なる特徴的な物】

 ……呪術行使の用を果たす法剣、まるで器用貧乏の証ですが。
 これも機関が求める物の一つなら……挑発用にでも持っていましょう。

【手にした得物の批評を研究的な口調で淡々と語り、】
【それから瓦礫の山へ視線を遣って、男は静かに歩みを進め】

 …………あの刀は、オズワルドの手の者に渡ってしまったようですし、ね。

【先程まで確かに“ナニカ”であった、古い武器防具の山】
【中には目ぼしい物もあるのだが、興味も無いのか、高い踵でぞんざいに蹴飛ばした】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/07(金) 21:56:37.45 ID:UvTfQhzfo
>>827 >>830

   さぁて……まるで人でなきゃぁ駄目だっつーような言い方だな?
   自分たちこそ世界のルールだ、って事だぜ……今お前が言ったのは
   もっともぉ〜?どうせ、自分はそんなつもりで言ったんじゃあ無いとほざくんだろうが……

   ――――あぁ〜洒落臭ェ!!テメェは特別に癇に障る野郎だなぁ、オぉイ―ッ!!


【佳乃の聖なるオーラとでも言おうか、それが広がると、キルフェは僅かに顔を顰める】
【しかし直後――ダァン!≠ニ強靭な馬蹄で路面を叩けば、彼女自身の魔のオーラが噴出し】
【まったく常人には見えないトコロで、抵抗するように空間を二分していく】

【目には目を、だ。そしてこの踏みつけた箇所から、次第に路面が凍り、凍結は次第に佳乃へ伸びていく】
【まるで先ほど車が通った後に氷筍が発生下のと同じように―――】

【そして――ほんの数秒もすると、最早路面凍結では済まず、また氷柱が発生】
【こちらに接近する少女を正面から串刺しにしようと、無数の刃となって襲い掛かる】


   (っ……こいつら、戦い慣れてやがるな…!足だの胴だの狙いやがって……!)
   (もっとも、ヤラれた所で『秘策』もあるが……グ、ッ……野郎…ッッ!!!)


【だがその一方、佳乃が仕掛けた足への一撃は決まった。切り落とすことは出来なかったが】
【先ず、これで全力は出せない。ケンタウロスに対して、早々に足を潰せたのは大きな成果だ】

【加えて――柊による一撃が、防御しようとした大斧の柄までをも切り裂いて】
【その奥の鎧を削ぎ、血しぶきが舞った。効果あり――半魔だろうが、血が流れる事が理解できたろう】

【が。まさかそのままヤラれるわけもなく、キルフェは切られた柄と、刃の部分をそれぞれ両手に持ち】
【木製の槍のようになったものを右手で柊へと突き刺そうと、或いは投擲して当てようと試み】
【左手に持った異常に刃の大きな手斧の如き部分を、正面から佳乃へと投げつける】

【――――いくら野獣のようだといっても、少々芸がなさすぎる。まるで、何かの時間を稼ぐかのよう】
【事実、キルフェの周囲には妙なほどに凝固し始めた空気が漂っていて――近づくのは、好ましくないかも知れず。】
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/07(金) 22:01:11.57 ID:EJ7IDayRo
>>826
―――いやはや、こっちも寝起きなんでね、手短にすまそう。

【ウォルという半魔を眺めながら、そう呟く。】

―――永遠の砂、起動 "私は、砂に生まれ、砂に帰る"―――。

【そう呟いて屋根の上から落下して水鉄砲を回避する。】

>>829
―――手短にすまそう。
……ジェーン・ドゥ、本当の名は覚えてない。

【簡潔に自己紹介をする。こっちは余裕が有るようだ】

さてはて、私の仕事を始めようかね―――。

【右手に刃の無い柄を持ち】
【左手に砂を一塊持つ】

―――では、参ろうか―――。

【左手に持っていた砂をウォルと呼ばれる潜水服に投げつける】
【当たれば、砂が付着するだろう。】
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/07(金) 22:15:24.49 ID:UvTfQhzfo
>>829 >>834


   『悪魔のクセに=c…ッ!喧しいッ!!いずれ全身を抉り取る…ッ!!』
   『姉さん≠フためにも…キルフェのためにも…ッッ!!』
   『全身に穴を開けて、ミンチにして…ッ、その後はレヴィアタンの餌が相応しい、よ…ォォオッ!!?』


【なんとなく――平生は冷静なのだろうと言うのが分かる、か。しかし、取り乱している】
【悪魔。或いはそれに親しい敵意を見出して、とにかく残酷に殺そうという意志に満ちている】

【加えて、ほろりと零れ落ちるのは伝説級の怪物の名前。まさか――そう考える間もなく、戦局は動く】
【先ずはキングの反撃だった。回避からの銃撃に、ウォルは思わずそちらへとドリルを振るう】
【先端が触れなくても高速回転するのだから、これはこれで当たれば大変恐ろしい挙動――】

【――が、少なくともそれより後に反撃はない。三発の重弾丸が、潜水服を後方へ押し倒すからだ】

【命中したのはヘルメットの硝子に、腹部。後は一発がドリルに直撃し、それを砕いた】
【潜水服事態も硝子が砕け、腹部は脆くもはじけ飛んでしまう――凄まじい威力の銃撃だ】
【そして、見えるだろう―――頭部の穴≠ノは、『何も無い』という幽霊じみた状況が理解できるだろう】


   『く、ッ……!僕の、姉さんに貰った物をよくも、こんな…ッ!!』
   『……返って来い<bッ!先ずはそっちの邪魔者からだッ、この…ッッ!』


【硝子があった位置から、ごぽりと水がこぼれ落ちる――粘性だ。酷く気色が悪いが、澄んだ青】
【それを意識するより速く潜水服が叫んだ。直後、砂を操る男が避けた水鉄砲の一撃が】
【まるで誘導弾のように踵を返し、空中で、頭上から、彼を再度撃ちぬかんと迫っていく】

【さらに、壊れたドリルのかわりとばかりに右手の水鉄砲をキングへ向けて、一発】
【今度はショットガンのような、威力が薄い代わりに広範囲な射撃であって――しかしそれまで】
【潜水服には砂が付着し、何やら動きも悪い。ドロリとした粘性の液体は、起き上がろうとする潜水服の足下に広がり】
【まるで底なし沼から這い上がる怪物のように―――そう思わせてしまうほどに、量が増えてきていて。】
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/06/07(金) 22:15:29.38 ID:COFqwvBpP
>>823
失礼ですが「よろしゅうに」などというふざけた言葉遣いは周囲の方に不快感を与えるものと思います

皆さんのロールを見ればわかると思いますが、中の人同士の会話では基本的な礼儀を持って行うのが常識というものです

その場において貴方の言葉遣いは失礼に値するということは自明の事であると思われます

貴方の不敬な態度は避難所の雑談スレの方でも目につきます 少し態度を改めて見てはどうでしょうか?

周囲にあわせた言葉遣いを学ぶというのは必要なことだと思いますよ

837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/07(金) 22:31:30.93 ID:LZbD/jkf0
>>833


【ヒュ、と風切る音。渦巻く様に闇を裁ち、刃は、迫り来る氷の刃を迎え撃った】
【無数の金属音が鳴り響く。同じ数の水音が血を流させる。】

(…………―――――――――)

【―――――― だが、なおも停まらない。絶対域の敵意を以て、疾駆するその影は間合いに到る】
【そして手に伝わる幾つもの感触、】


【放たれる反撃――――― 柄の断面による使い捨ての一撃を刀身で受ける。斜めの角度で受け流した】
【されど刃を滑る手応えの他に、恐ろしい “なにか” をそれは伝えて】


(………来る。けれどこの距離は、もう………!)

…………何か来る、気を付けて!

【警鐘を本能が打ち鳴らす。生命が危機を己に伝える。】
【ならばその前に討つのみと――――― 既に退避の望めぬ領域に在った柊は、キルフェを、右の肩口から斬り下ろす袈裟掛けの一撃を揮い】
【深くその肉体を斬り込むことで、その動脈や骨までもを断たんとした】

【致命にも為り得る斬撃だ。完全に入れば、ヒトならぬ種族の大半にすら無力化を強いるのだろう】
【特別に生命力に優れるか、何らかの対処を受けたのなら、その限りではないのだが――――】
【せめて共闘する佳乃は間に合うだろうか。防御による対処であれ、攻撃による封殺であれ。】
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/07(金) 22:32:44.93 ID:5jjrjFCro
>>833

(地面から氷を生成する能力…………!? でもさっき、車を投げたとき――――)

【できるだけ速度を殺さないよう脚に力を込めながら、右へ左へ、ジグザグの軌道でそれを回避し】
【それでも避けきれない氷柱は、薙刀を振り回して手際よく寸断していく】
【その、"速度"。走る速さや薙刀を振るう速さ自体は特筆するほどでもないが――――氷柱に対する"反応速度"が、異常に早いのが感じられるか】
【その"反射"を駆使しつつ、氷結する地面を踏んで滑らないよう、時折獣のように地に手を着けながら、少女は走って】
【そして、確かな手応え。脚を潰したことを感じ取ると、びゅん、と瞬時に薙刀を持ち替える。持ち手をより長く、威力を上げるように――――】

…………あなたの"ヒト"としての善意に期待したけれど、やはり無駄なようね。
街を壊して、人を害して。私の守るものを傷つけるのなら…………。

私が、私の意志をもって、私の"正義"のために、ただ斬り捨てる――――!

【自分たちが――――ではなく。もはや幸徳井佳乃こそがルールだと言わんばかりの、高慢な言い口で、佳乃はキルフェにそう叫ぶ】
【技術的にも精神的にも、戦い慣れているのだ。自分の意志を曲げず、そのために相手を傷つけることに、この少女は迷いがない】
【私こそが正義だ、と――――それによって生まれる犠牲と責任をわかっていてなお、そう宣言することに、少女は迷わない】
【過去に死んでいった者の亡骸を思えばこそ、迷うことは許されなかった】

…………覚えるかどうかは、これから次第ね。

【そして、八攫 柊…………その名乗りには、そんな言葉を返す。目の覚めるような剣戟は、も忘れようとしても忘れられないが】

【それと同時――――ごう、と。小さなその体から、純白に輝くオーラのようなものが噴出する――――!】
【彼女が放つのは、"神気"と呼ばれる聖なる光。"邪"の者に対して強い"浄化"の力を発揮する、文字通りの神の力】
【天駆ける龍の如く白刃薙ぎて、神の名のもと聖なる光で"悪"を断つ。これが、幸徳井佳乃の全力――――】

白刃龍紋流・弐の太刀――――『二極』!

【凝り始める異質な空気ごと、丸ごと切り裂くような面持ちで、佳乃は敢えて一歩前に出て】
【佳乃がそう叫ぶと、『二極』という奥義の名に反して、噴出した神気が薙刀の刀身へと一点集中していく】
【空間に"聖"なる白銀の軌道を刻みながら、佳乃は更に一歩踏み込み――――まずは横一閃、迫り来る斧を全力で弾き飛ばそうとする】
【まともに受けず、横合いから叩き落とすように威力を[ピーーー]も、それはやはり重く、無視できない痛みが腕に走る。しかしそれでも、心は退かず】
【最後にもう一歩、踏み込めば――――右下段よりの鋭い斬り上げが、キルフェの胴体を縦に裂くよう迸るだろう!】

【小手調べ的な最初の一閃とは違って、全力での一撃。威力も速度も高水準だが…………何より厄介なのは、それに乗った神気の奥義だ】
【神気は妖怪や悪魔に使うと、放った攻撃自体の威力にプラスして『痛みの増加』と『皮膚を灼く火傷のようなダメージ』を発生させる特性をもつ】
【加えて『二極』という奥義は、刃を集中させた神気でコーティングすることで切れ味を引き上げる効果がある】
【元の斬撃の威力に切れ味強化、さらに"浄化"の特性という、三つの攻撃翌力を持つこの一閃――――】
【無論、"半魔"であるが故に"浄化"の特性はやや力が落ちるが、当たった際のダメージは大きくなるだろうか】
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/07(金) 22:34:08.74 ID:PS0ZWjRn0
>>832

「あら?」

【廃屋の影から現れる中年の女性】
【スーツの上に白衣を纏ったその姿は見覚えがあるだろう】

【女性の背後からフラリと亡霊のような足取りで、青年が現れる】
【腰まで届く青い長髪を茶色の布でポニーテールにし、それを赤黄青の三色の布で三叉に分けて結んでいる】
【両手には仰々しいアタッシュケースを持ち、大きなリュックを背負っている様子から、荷物持ちの様だ】

『どうしました? 真室川博士』
「知り合いがいた」
『・・・どうやら彼がこの地の悪霊を払ってくれたようですね』
(ふむ、まぁ彼は確か機関に対して微妙な立ち位置らしい。ここは退くべきか?)

【真室川博士こと真室川野槌は隣の青年をチラリと見る】

(まあいざとなったらヒルコが居るし大丈夫かしら?)

【野槌は声を掛ける】

「お久しぶりね、セシルさん!」
『はじめまして』
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/07(金) 22:39:21.92 ID:kGDBxZZv0
>>831
オイオイオイ!!誰が自分語りしていいって言いましたかゴミ虫君!!
その歯糞臭い口から文字通り糞を垂れる暇があったら死んだ後のことでも考えておくといいよ!!

【化け物と化した元浮浪者に矢継ぎ早に暴言を吐きかける狂死郎―――先程と同じく、“如意金箍棒”を一瞬で元の大きさに戻す】
【今度はさらに、小さな丸太のような太さだった如意棒を普通の棒のような太さに変えた】
【化け物に殴られたのにも関わらず傷一つ付かない如意棒の強度は流石に魔族が変化したものだと言えるだろう】
【同時に狂死郎は退魔の力によって化け物が浄化されなかったことから、ただの“生き物”であると言うことに気が付く】
【―――それと同時に、化け物と悪魔のダメージがリンクしていることにも狂死郎は勘付いた】

成る程―――僕とは違って下僕がやられると君もダメージを受けるのか……不便だね
まぁその分消費が軽かったりするんだろうけどその辺は放っておくとしよう

【狂死郎は少し前、“魔族を使役する魔族”の話を聞かされたことを思い出していた】
【今、目の前に存在する悪魔が話しに聞く存在であったなら―――そんなことを考えるも、悪魔達はすぐさま次の行動に移る】

(退魔の力は手前の奴には効果が薄い―――ならばダメージがリンクするとはいえ奥の退魔に弱い方を狙うのを優先)
(……とはいえ簡単に通してはくれないだろう、ここは―――)

同時攻撃か!!だったら―――ゼラチナス・シールド!!

【眼前に迫る炎の魔弾と尾による一撃―――当然、危険度が高いのは炎の魔弾のほうだろう】
【狂死郎は刹那の思考でそれを判断し、左手を素早く上下させてコートの左袖から壱枚の茶色の符を地面に落とす】
【先程と同じくトランプのような質感をした茶色の符が地面に落ちた瞬間、そこから水色のゼラチン質の壁が狂死郎を守るようにせり上がる】
【蛇が放った炎の魔弾はゼラチン質の壁を多少蒸発させてから消滅したが、尾による一撃を完全に防ぎとめることは出来ない】
【ゼラチン質の壁を通すことで多少威力を弱めたものの、尾の一撃は腹部に命中し、狂死郎はうめき声を上げて後ずさりをする】

ぐうァッ!!―――本来はこんな攻撃も完全に防ぎとめるんだけどね……緊急用の詠唱破棄だから仕方がないか
じゃあそろそろ此方も―――連係プレイ、といきますか!!

【敵の攻撃に怯んだ狂死郎であったが、すぐさま態勢を立て直し、細くなった如意棒を思いっきり空中に目掛けて放り投げる】
【それを確認する間も無く狂死郎は右手でコートの左ポケットの中から素早く茶色の符を取り出すと、それをそのまま悪魔に向かって投げつける】
【しばらく縦回転を続けながら標的に向かって飛翔する茶色の符―――質感はやはりトランプのようである】
【見た目はまるで武器のようには見えないが、当然武器でもないものを敵に向かって投げつけるわけが無い】
【投げつけると同時に狂死郎は茶色の符の後を追うように駆けて悪魔との距離を詰めていく】

悪滅二拾壱式―――沖津鏡!!

【悪魔との距離を詰めながら―――狂死郎は両手を組み、その間に霊力を込めてゆく】
【それに呼応して先の茶色の符から蒼白い光が漏れたかと思うと、その光は鏡の形をした“結界”へと姿を変える】
【この“結界”は攻撃のためのモノ―――そう敵が悟るのは腹に“結界”を受けて骨が折れてからだろうか?】
【それとも、“結界”を回避することに成功し、通り過ぎた“結界”が壁に深く突き刺さるのを確認してからだろうか?】
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/07(金) 22:58:07.59 ID:lNk+O/S5o
>>839

……――――

【転がる防具を蹴飛ばそうとして、掛けられた声に反応した男は顔を上げる】
【一瞬考えるような間があってから、嗚呼と低く納得した声を零した】
【視線だけ外して、武器を持たない右手を胸元にあてた紳士的な礼を一つ取り】

……お久し振りですね、野槌さん。
おや……隣の方は……?

【機関員である相手の出現に際して、彼は特段の反応を見せないままだったが】
【ただ、隣の青年を認めれば僅かに頸を傾げた】
【探るような視線は――やはり、相手と合わないように向けられていて】

【――そして、彼の所持する左手の武器】
【黒い霞を纏う異質なその刀剣は、旧遺物の類のようだが】

【まず、黒鉄に青藍色と深紅の宝石を混ぜ込んだ妙な錬成であって】
【禍々しい気配を宿した上、黄緑の燐光でセシルの左手指の指輪とリンクしており】
【特殊な武器、ではあるだろう――まるで、呪具のような様相だ】
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/07(金) 22:59:23.44 ID:UvTfQhzfo
>>837 >>838

【―――まず、先にキルフェ・ド・ゴールが為したことを記そう】

【ことは単純だ。彼女は周囲の空気を――否、地表さえも凍らせた】
【あまりに唐突で、熱エネルギーがどうという話をすれば途方も無くなるだろう現象】
【それは一瞬だけ空間をも凍らせた。時系列として、二人の刃が届くのはその直後】

【カキィ―ン――。≠ニいうのが、そのどちらに対しても鳴り響く音】
【その音を挟んで再度キルフェが手を打つ番となり、周囲全方向に氷柱が伸びる】

【先端は尖り、表面はサメの肌のようにザラついて、何より鋭く、太い】
【腹部に直撃などすれば串刺しの刑よろしく即死しかねない――そんな、常識はずれの氷柱が】
【何本≠熈直近≠ゥら高速≠ナ発生するのだから、敢えて近づくのは失敗≠セった】

【話は戻り―――氷柱発生直後の、凍った空気が晴れた時。キルフェはといえば――】


   テメェらの勘違いにはよぉ、嘲笑通り越して哀れみすら覚えるよなぁ……!
   だぁーれがヒト≠セぁ?アタシは悪魔とケンタウロスのミックスだぜ?

   言うなれば『半人半魔』じゃあなく『半魔半馬』……ゴロは悪いがよぉー!
   そしてッ!お前らの勘違いはもう1つ……アタシがその姿でしか居られないと思ったことッ!
   仮にも魔族なんだ、半分はな…ッ!少しくらいは魔術も使える……こんなふうに…ッ!!


【―――鎧を。首元を覆い隠す分厚い鉄板が、柊の刃を止めるほどの重装甲を纏い】
【二足歩行の人間態≠ニして、氷柱が作り出す玉座≠フ中央に屹立していた】

【全身を覆う鎧は、ヒトでは歩くこともままならないだろうもの。美麗かつ、重厚】
【佳乃の下方からのなぎ払いは、先ほどの甲高い音で分かるだろうが――全て、表面を削ったのみに留まる】
【ただ偶然にも最後、その兜をどうにか引っ掛けて、首から上だけは露出させることが出来はした】

【そこに在るのは――魔将とでも言うべき存在だった。顕になった頭部には、あろうことかティアラまで載っている】
【重厚な鎧は貫けない。それも分かるだろう。やがて、キルフェ・ド・ゴールは両手をガンッ!≠ニ叩き合わせ】


   そして……私の能力は、与えた衝撃を氷に変換する≠烽フ……!
   車を路面にぶつけた衝撃をッ!馬蹄で路面を踏んだ衝撃を変換しィ…ッ!
   
   今からテメェらを肉塊になるまで叩き潰してッ!冷凍保存って寸法も可能なんだよ糞ガキ共が!
   こっちは鎧だ!刀剣や薙刀が通用するような、人間のひ弱な一品と一緒にするんじゃあねぇぜぇー!?
   さあさあ……第二ラウンドと行こうじゃねぇか!最もぉ〜……アタシの一方的K.O.って幕引きだがなァー!!


【両腕のガントレットに氷の刃が出来上がる。その右腕を、裏拳を柊に叩きこもうとし――】
【連続して、右足による回し蹴りを佳乃へと。動きは十分に素早いが、彼女たちならまだ見切れるかもしれない】
【しかしこの一撃には細心の注意が必要だ。衝撃を氷に変えられるのなら、拳を受けることはイコール氷のダメージも受けることになる】
【腹部に位などしたら、内臓を破壊されかねないし、そもそもとんでも無い力の持ち主―――】

【―――だが。だが、勝機はある。周囲には車の残骸もあれば、そも、鎧だって完璧な装備ではない】
【考え方の問題だろう――正面から叩けないのであれば、別の手段。人間が持ちうる知恵とは、そういうものではなかったか。】
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/07(金) 23:14:15.09 ID:PS0ZWjRn0
>>841

【野槌はニッコリと微笑み、ヒルコはペコリと頭を下げた】
【セシルの剣を見た時、ギラリと目が光ったが】

「やめなさい、ヒルコ」

『・・・しかし』

「今日はフィールドワークに来ただけよ、それに馬鹿みたいに収集に走ってまた穴だらけになりたいの?」

『・・・わかりました』

【野槌は小声でやり取りをすると、セシルの一礼を見送る】
【隣の方は、その質問にヒルコは口を開く】

『僕は・・・僕は、その』

「息子よ」

『!!』

【ヒルコは目を見開いて野槌の方へ振り向くが、野槌は構わず続ける】

「ありがとうございます、セシルさん。悪霊共を払ってくださって。
 昨日も来たけど大変だったんですよ、散々追いかけまわっされて。ねぇヒルコ」

『え、ええ。どうも亡霊にはマトイ様の呪術の効きが悪くて・・・』

「ま、私もヒルコも機関員だから警戒するのもわかるけど、ヒルコー」

『あ、は、はい!』

【ヒルコは慌ててリュックを下すと】
【中から吟醸というラベルの張られた一升瓶を取り出す】
【酒だ、誰がどう見ても】
【埃っぽい街道にも関わらず、野槌が座ると】
【一升瓶をラッパ飲みする】

「・・・っぷはー! 廃墟で飲む酒は格別ねー!」

【野槌はセシルに一升瓶を差し出す】

「ほら、アナタもどう? さっき見せた通り毒は入ってないわ」

【野槌はニッと笑いかける】

「アナタの弟とも、この前こうして飲みあったわ」
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/07(金) 23:15:01.01 ID:xu+lohvN0
【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【その一角――――入口付近に備えられた食堂。その扉の前で喚く人物が一人】


「む……な、何故私は駄目なのです!
確かにお金は持っていませんですが、飢えた人々への施しもあなた達の使命な筈なのです!」

【真っ白な服。患者が纏う其れを身につけて、車椅子に乗った少女がギャーギャーと喚き立てている事だろう】
【額には一角獣染みた角が生えてはいるけれど、それ以外は至って普通の人間】
【――――“交じり者”の気配を覗けばだけど】


「大体にしてです!何なのですこの店のハンバーグは!
ハンバーグと言うのはもっとジューシィーであるべきが……あ、まだお説教は終わって――――
こら、勝手に押すなです!も、戻せですよ!」

【笑顔ではあるけれど、しっかりと青筋を立てた看護師達】
【後ろに立てばカラカラと車椅子を押して、やがては待合室で車輪を固定されてしまうのだろう】
【――――やっぱり猛犬の様にガミガミと噛み付くけれど、最早聞く耳持たず】
【ふて腐れたように頬をぶぅと膨らましていたけれど――――】
【さて、近くを通りかかった者には「おい、お前。お前です」なんてやけに偉そうな少女の言葉が浴びせられるか】





【ピチャリ、ピチャリと水音が響く路地裏】
【コンクリートの窪みに溜まった生臭い鮮血に、白い素足で波紋を生じさせる少女が一人】
【赤いドレスが更に赤く染められたって、気にする事は無い】
【ただピチャピチャと、暇を潰すように辺りに赤い飛沫を生じさせるだけ】


「詰まらないわね、詰まらない
お話を紡ぐことも無く死んでしまうなんて、本当に詰まらないわ
人間は好きよ。好きだけど、時折余りにも脆く感じてしまう事があるの
仕方ないのかしら。弱いから、しょうが無いのかしら」

【不機嫌を身体で示すかのように、眉は吊り上げられ、頬は膨らまされる】
【足元に溜まる其れで遊ぶのにも飽きたのか、やがてはゆっくりと足を抜き去って】
【――――拭うこともなく、場違いに置かれたメルヘンチックな椅子へと腰を下ろすのだろう】


「…………死んだ恋人に会いたいって言っていたあの子、元気かしら
どんな状態でも構わないと言っていたから、願いを叶えてあげたけど、きっと今頃食べられているのかしら
そしたら幸せね。本当の意味で一つになったのだから、きっととても幸せなお話ね」

【漂うのは、瘴気。所謂、魔族の気配】
【幾分離れていたって感ずる位で、敏感な者ならば気分も悪くなるであろう】
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/07(金) 23:17:06.50 ID:5AwHMECzo
>>840

「あァ!」 「そーやって人間は皆僕を汚いモノ扱いするんだっす、いつものことだっす!」
「……"キフープ"が指す意味は"希望"だっす、僕はまだ死にたくない、だから邪禍様の為にも君を殺らさていただくんだっす!」

【それは、人として死に、人ならざる存在へと変貌した者――】
【しかし、それは、人として生きていた時よりも、むしろ活き活きとしているような――生前がわからぬとは言え、そんな気がした】

ヒャハハハ、フィードバックは不ゥ便ですねってか、そォーだなそォーだ……うゥるせェんだよ人間如きがッ!
この世界の空気が不味いのが悪いんだよ糞がッ、……あァ、さァっさと空気を美ォ味しくしねェと、そォのためにも"聖"の一欠片も残しておけねェ……

【荒い語調、険しい表情、血の止まらぬ左拳――】
【先ほど受けた退魔の力がよほど効いているのか、嫌なのか、明らかに悪魔の怒りが増幅している】

ヒャハハハ、そォんな紙切れ一枚で何が……いィやこれは……ッ、ちィッ

【炎の弾が防がれたとは言え、化け物の尻尾は当たった、それで少しの油断が生まれていた】
【"符"に宿る霊力、そして成す"結界"――回避が遅れた】
【その結界は、見事に悪魔の腹部に直撃。】 【幾ら悪魔とはいえ、その肉体が合金で出来ているわけでもない】
【流れる血は、確かに赤いが――それに含む"生命と変化の、混沌の魔力"は、濃く、そして邪悪だった】

……あァ、やァっぱり殺すしか、いィや……魂ごと砕くしかねェなッ!

【悪魔の身体から伸びる真っ黒な何か――"魔力"】
【それは二つの腕のような形を成し、己に突き刺さっただろう結界を掴もうとする】
【成功すれば、それが持つエネルギーー……生命でも魔力でも何でもいい、とにかくそれを"砕く"】
【……エネルギーを砕くという表現はおかしいかもしれないが、事実なので仕方が無い】
【砕かれたエネルギーは、地面に欠片として散らばるだろう】

「死ねェーッ!!」

【それとは別に、化け物もまた行動をとった】
【狂死郎から見て左側にある壁に向けて跳躍し、それを踏み台に彼に急接近ッ!】
【その勢いのまま右腕を振るって、背中に深い爪痕を付けようとしているようだ】
【勢いが乗っている分、威力はある――が、動きは大きい】 【また、蛇の口に炎が溜まっていく様子も見られる】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/07(金) 23:19:53.59 ID:uCJOZqHro
>>835

チィ・・・ッ!オイオイ、なんでもかまわねーがさっきから"姉さん" "姉さん"と随分仲が宜しい様で羨ましいぞこの木偶の坊!!
こう言っちゃなんだが、お前さんも間違いなく"半魔"か何かなんだろう?分かると思うが俺もその手の類だ、仲良く行かないか?
だからそんな――ミンチとかよう、テキサス・チェーンソーみたいなおっかない事言わないでくれ、な?

―――ダメそうだな、聞いちゃいないみたいだ。まったく、笑えてくるぜ。
ヘイ、ウォーターボーイ!テメェとっちめて姉ちゃんとやらの元まで案内してもらおうか。
美人じゃなかったら容赦しないぜ、俺はよ・・・ッ!!

【敵意――慣れた物だった筈だが、どうにも相手が強力な相手となると話は変ってくるものだ。】
【少なくともキングは自分へと向けられたその威圧感に『ヒューッ』と口笛を吹かずにはいられなかったし】
【その口から出てきた"レヴィアタン"という名前に冠してはもう、驚く意外に対処法などなくって――マジかよ、と呟いた。】
【仮に本気であるとすれば相手はどんな怪物か、少なくとも魔獣を従えるレベルであるとすれば―――】

(・・・セリーナのヤツが焦って"悪魔退治"に関して情報を聞きだそうとしてきたのは、"これ"か?)
(残念ながらこの世界で今何がどうなってるのかを把握するには時間が足りてない、聞きだすならコイツから・・・ってのがベストだな。)
(・・・俺がミンチにされなきゃ、の話だけどよ。ったく、寝覚めにとんでもねーヤツを相手取っちまった!)

【逡巡、仲間の言っていた悪魔騒動とはこのことなのか、と頭をめぐらせるも――視界に飛び込んでくるのはポルターガイスト染みた光景。】
【弾丸が打ち抜いたのは肉体でもなければ魂でもない、潜水士のヘルメットのみ――そう、頭部には至っていない、というかそもそも存在していない】
【どういう状況なんだ、と思わず口から零れそうになる言葉を隠し、キングは反撃に構えた。】
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/07(金) 23:20:24.58 ID:uCJOZqHro

>>834

――――あァ!?ジェーン・ドゥとはこりゃまた恐れ入ったぜ、名乗る気はねぇみたいだな!
って、まさか記憶喪失なのか?それなら仕方ねえが――ああダメだ、長話したいがそうもいかないみたいだぞ!

砂がアンタのエモノか、"ジェーン"!俺のは見ての通りこの二対のマグナム、それから股間の――悪かった、聞かなかった事にしてくれ。
けどその砂、悪くねえ武器だな。水にはよく聞きそうだ、出来るだけばら撒いてくれりゃこっちも助かる・・・ッ!!
俺の方はもう"一発"もらっちまってる、そう長くは・・・クッ、戦えないかもしれない・・・!
アンタの援護に期待してるぜ、相棒!!

【砂を操るジェーンへと声をかける。どうやら、刃はなくとも武器は刀と砂――その二種と見て良いようだ。】
【であれば拳銃で距離をとり戦うキングとの相性もそう、悪くは無い筈。互いに援護しあえることだろう。】
【早速出はあるがキングがジェーンの援護を開始した、即ち――】
【其方に向かい放たれた"水鉄砲"の一撃を追尾するように此方から"マグナム"を撃ち放つ――最も、当たる可能性は低い。】
【流動する液体を捉えながら射撃するのは至難の業だ、なによりキング自身も攻撃に晒されているので――】
【散弾と化した水鉄砲を回避するので精一杯、というところだろう。少なくとも全てを避けきることなど不可能で。】

>>835

【――翻ったコート、凄まじい速度で弾丸を避けようとするキングの足元――右足を確かに、打ち抜かれて。】
【再び血が飛び散った、キングの口からは呻き声が漏れるが――まだ死ぬようなレベルではない、むしろこれは"牽制"だろう。】
【本命の攻撃はまた別に来る筈――と、そう読んで。キングは両手に持った拳銃を交差させるように、構えた。】


―――ベチャベチャと気味が悪い野郎だ、そんなツラじゃねーちゃんとやらの方もあんまり期待は出来なさそうだな?ええ、おい。
それでも俺はレディには優しいつもりなんだが―――・・・ま、相手が男で、しかもドロドロの悪魔だってんなら話は別だ。


【キングの身体に、僅かながらに電気が迸る――その蒼白い電撃は次第に量と気配を増やしていき―――】

"精霊よ"

"雷の精霊――アラストールよ。我が肉体と使役する鋼に加護を――与えよ。"

【バチバチ、と強烈な雷がキングの身体を奔った、その次の瞬間――構えた二挺拳銃が火を噴いた。】
【ドウ、ドウ、ドウ――と、先程よりも鋭い音を奏でて弾丸が宙を舞う、その際に待とう霊気は確かに"電気"の気配を持っていて】
【精霊――彼の契約する幾体かの内、雷を司るアラストールの加護を受け、弾丸に強烈な電撃属性の魔力が付与された。】
【放たれた四発の弾丸は右左それぞれ二発ずつの電撃弾となり、今度は潜水夫の"腹部"へと襲い掛かった――ッ!!】
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/07(金) 23:32:11.50 ID:lNk+O/S5o
>>843

……そんな歳でしたか、貴女?
まぁ、別に……感謝される事では。 唯の試し切りですので、ね

【悪霊――レザーブラックと言う名】
【古くはこの街に流れ着き、そして力尽きた戦士だったという】

【その亡霊が街に足を踏み入れる者を斃し、その装備を剥いで纏って巨大化した魔物】
【必然的に単純攻撃では通用しない鉄壁、故に華奢な見た目通りの剣では倒せない筈】

【秘めたる力があるのだろうが、軽い一振りでその刀は霧散するように消え】
【指輪が呼応して黄緑に輝く――収納可、そして依代は指輪、そういう事だ】


【―― 一升瓶を煽る姿】
【多分彼は初めて見るのだが、何度も見たように良く馴染む】
【それまで特に感情を示さなかった顔が、少しだけ呆れ色になって、それから微かに笑んだ】

そんなに格別ですか? 変な趣味ですね……
くれるというなら有難く頂きましょうか、……。

【重みのある瓶を手に取ったなら少しだけ考えるのは、このまま飲むなら、と言う事】
【それも僅かな間で、結局は口を付けるのだろうが――】
【一口だけで、すぐに微笑んで返すのだから、強くは無いらしい】

…………月彗と。
あれと何か話す事が? ……嗚呼、悪巧みですか。

【漸く、くつりと笑う程度に警戒は解けたようだが――。】
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/07(金) 23:37:09.02 ID:5jjrjFCro
>>842

【退魔の力を乗せた、渾身の一撃。それに力を込めすぎたが故に、柊の注意を聞きそびれたのが佳乃の失策か】
【――――いや。ちゃんと聞いていたとしても、佳乃の性格なら突っ込んでいっただろう。高飛車で高慢ちきで、自分に大きな誇りを持つ彼女なら】
【だからこれは、ある意味当然の帰結。佳乃はその誇りごと氷結させられるような危機感を、一寸感じ取って】

…………ッ!?

【そう、誇りだけなら、ここで串刺しにされていたのだろうが…………彼女には幸いにも、"力"があった】
【先程氷柱を斬ったときにも見せた"反応速度"。白刃龍紋流零の太刀にして常時発動型の奥義――――『零露』】
【神気によって"精神"を包み込み、"反射神経"を超人的に引き上げるそれが、ギリギリの所で彼女の体を動かした】
【時折体を掠めて切り傷を負うような、苦し紛れで紙一重の回避だったが、最終的に致命傷は避けきった】
【…………が。次いで迫る回し蹴りに対しての挙動が、その分遅れた】

――――がっ!?

【鈍い打撃音は、刀身の腹で衝撃を受けた音だ。『零露』の反応速度ではなく、佳乃自身の予測に基づく防御】
【それでも――――無視できないダメージである。受けた衝撃が"氷"へ変換されるなら、薙刀の刀身付近が氷に閉ざさてしまうだろうか】
【受け身も兼ねてゴロゴロと地面を転がって、すぐに体勢を立て直すも、佳乃は体に残った痛みに眉をしかめた】

ふん…………あなたにお似合いの悪趣味な鎧だわ。
それに、まったく似合ってないわよ。そのティアラ…………。

【ふらりと立ち上がり、薙刀を構えて距離を測りながら、佳乃は挑発をふっかける】
【戦術的な意図などなにもない、ほとんど癖のような言い草だ。口が悪いのはいつものことで】
【立ち上がった際、ちゃっかり胸ポケットから"符"のようなものを取り出して、薙刀を握りながらその柄に貼り付けたのに、キルフェは気づくだろうか】

…………どうにか、動きを止められれば。
あの鎧、"抜く"ことは出来ると思うけれど…………。

【いくら軽口を叩いたところで、状況は変わらない】
【単純に考えれば鎧のない顔に攻撃すればいいが、そう簡単にはいくまい】
【きょろきょろと、辺りを見回す。周囲の物資を物色しながら…………ついでに、柊に目を向けて】
【小さくそう話しかけるだろう。もしかするとキルフェにも聞こえるかもしれないが、佳乃的にはそれでも構わなくて】
【佳乃自身には、"鎧の上から攻撃する手段"がある。しかし佳乃一人でそれを当てられるかどうかは、あの半魔半獣相手では賭だ】
【それ以外に有効手が考えついていれば、そちらを採用してもいい…………その瞳はそう言いたげで】
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/07(金) 23:42:55.11 ID:wtBA925to
>>844

【老若男女――主に老人が多いが――多くの患者であふれる病院】
【その廊下を、1人の若い女性が黒いタブレット端末を弄りながら歩いていた】
【20歳前後で、灰色の瞳にセミロングの金髪を持つ、身長160p弱の女性】
【白衣を羽織っているが、下に着るのはシルバーグレーの作業着の上下に、履いているのは黒いワークブーツ】
【少し見ればこの病院の医者ではないことはわかるだろう】
【ふと、食堂に目が留まり、タブレットを操作する手を止める】

あ……食堂
お腹も空いたし、診察もまだまだかかりそうだから何か食べていきたいところ
……ですが、混んでますねえ

【食堂の前で悩んでいると、ある少女と看護師たちが揉めていることに気付く】
【自然と少女の角≠ノ目が行き】

へえ……珍しいですねえ

【少女と看護師たちの一連のやり取りを目で追っていると】
【近くまで看護師に押されて来て、車輪を固定された少女と】
【ぴたりと、目が合ってしまう――――】

……?
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/07(金) 23:55:36.03 ID:PS0ZWjRn0
>>848

『・・・』

【ヒルコは相性が悪いとはいえ、手も足も出なかった悪霊の亡骸を眺め】
【その悪霊をいとも簡単に屠ったであろう剣が、指輪の剣状に収まるのを鋭い目つきで見つめる】

〈退魔の旧遺物。これはリリア様に報告せねば・・・〉

【そこまで思って、不意に「酒の席を乱すな」とも言いたげな野槌の視線に気が付くと】
【1つため息を吐いて顔を伏せる】

【そんな歳ですか、という問いに野槌はさも愉快そうにクツクツと笑う】

「あらぁ、そんなに若く見える? 嬉しいわねぇ。まぁ察しの通り、血は繋がってないけどね」

『ですね』

【ヒルコが嬉しさを隠した様な表情でカラカラと笑う】
【一升瓶を受け取った野槌はニタリと目を細めて】

「あらぁ、見た目通りの下戸かしらぁ?」

『真室川博士が強すぎるんです』

【受けとったすぐさま、ぐぃっと煽ると】
【少し赤くなった顔で話を続ける】

「まぁわるだくみっちゃあ悪巧みね。五体や五感を再生する技術はあるかって。
 あるけど時間がかかるって言ったら渋い顔してたわ。何? 好きな女でも五体不満足なの?」

【野槌は酒瓶をくるくると回すと、再びゴキュリと煽って言葉を続ける】

「そもそもなんであなた達は裏切るくらいなら機関に入ったのよ?
 知ってるでしょ? ウチは中途退職を認めないブラック企業だって」
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/08(土) 00:00:37.18 ID:enelhcj90
>>845
【狂死郎と邪禍が死闘を演じている頃、空中へと放り投げられた“如意金箍棒”―――いや、ハヌマーンはひっそりと行動を開始していた】
【まず、“如意金箍棒”への変身を解き、猿の魔人の姿に戻る―――同時に、放物線の頂点へと達し、少しずつ加速しながら地面へと落ちてくる】

『狂死郎殿は本当に人使い―――いや、悪魔使いが悪い。しかし強者との戦いも儂の本能……
 これも致し方なし。全力を持って儂の“役割”を果たすとしようぞ……!!』

【ハヌマーンは地上へと落下しながら印を切り、その体を小さく―――九人に分裂していく】
【分裂した九人のハヌマーンはやはりそれぞれ同一――しかし先程とは別の――印を切り、“変身”を開始していく……!!】



(ハヌマーン君は上手くやってくれているかな……?まぁ彼を全面的に信用するしかないのだけれど……!!)

【さて、“結界”による牽制を行いながら悪魔へと駆け寄る狂死郎―――やはりコートのポケットから素早く茶色の符を取り出す】
【悪魔が左側の壁に向けて跳躍した瞬間、その符を袋小路の壁に向かって投げ付け、同時に壁に向かってスライディングを開始する!!】
【“最初から”回避するつもりで突っ込んだのか、妙にその反応は早かったが、それでも悪魔の攻撃を完全には回避し切れなかった】
【狂死郎の左肩には悪魔の爪痕が残され、コートを赤く染めていく―――だが同時に茶色の符が袋小路の壁へと到達し、その瞬間爆発が起こる】
【それは壁から離れた悪魔を飲み込むほど大きな爆発ではなかったが、代わりに袋小路の壁には大きな穴が開いていた】
【狂死郎はスライディングの勢いを維持したまま壁の穴へと潜り込むと、すぐさま立ち上がって不敵な笑みを浮かべた】

ククク……終わりだよ!!

                       
                     胎 蔵 界 ・ 大 悲 曼 荼 羅


【左肩から血を流しながらも、狂死郎は両手を組んで全身全霊の霊力を込める】
【そして同時に―――上空の九人のハヌマーンが神殿の柱のような太さの“如意金箍棒”にそれぞれ“変身”して地上の悪魔達に降り注ぐ!!】
【一本一本に強力な退魔の力が込められたそれはしかしながら、例え押しつぶされたとしても即死するような物理的威力は持っていない】
【勿論、まともに命中すれば再起不能にはなるだろうが―――こうした“調整”は狂死郎がわざと行わせたもの】
【この技の本当の使い道は、再起不能となった魔族を封印し―――自らの下僕とすることにある】

【路地裏の袋小路という狭い場を利用して行われたこの攻撃―――“全員”回避する方法は存在しないのかもしれない】
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 00:04:53.70 ID:ZOTTgjyS0
>>850
【白髪。処女雪と言っても良いほど、汚れを知らない髪】
【日頃太陽の下に出る事も無いのか、その肌も同じ様に白くて】
【――――窓際で読書でもして居れば、それなりに様になるのかもしれないけれど、現実はやはり残酷なモノ】
【ビシッ!と女性を指させば、深く深呼吸をして】


「お前です、そこのお前なのです!
頭に疑問符を浮かべて惚けようとしても無駄なのです!」

【誰であろうと構わず噛み付く性格。儚い少女、なんて絵面はどうやったって捻り出せない】
【角。魔力、或いは気配を察知する事に長けていたならば、“邪”で無い事は直ぐに分かるであろう】
【否、寧ろその逆の存在と言った所だろうか――――勿論、眉尻は上げたままだが】


「ただフラフラと歩いていてする事が無いのならば、私の足になるです!
いや、寧ろ今だけ私の足として任命してやるから有り難く思うです
さあ、さっさとこっちに来るといいですよ!」

【――――何処までも尊大な口調。けれど、その車椅子も飾りでは無い様で】
【“足”に“させてやる”だなんて、不快極まりない言葉。それでも、それが普通だと勘違いしている少女は胸を張って告げるのだろう】
【周りの看護師達は関わらない方が良いと視線を送るが……】
【さて、少女から漂うのは其れだけでは無い。一般人とは異なる、謂わば能力を所持する者に近い気配】
【――――そちらは、嫌でも感じ取れてしまう事だろうか】
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/08(土) 00:06:24.10 ID:ZvifQ6vW0
>>842>>849

【迎撃の刃により未だ傷は浅い。身に受けたその数こそ多いが、ひとつひとつの断片が小さ過ぎたのだ。】
【だがそれすら問題にせぬ突然の暴威――――― 】

…………っ!

【至近で発生した超速度の槍衾、その悉くを柊は避けた。】
【避けたが、避けきれない。脇腹を、肩を、左脚の付け根を、身を捩った躰のあちこちを抉られ、鮮血が細い濃藍を濡らして――――】
【間髪入れずに放たれる重厚な一撃を、手元の動きで輪転する刀身が受け流した】

【掛けられた言葉、】

……止めれば……良い、か―――――
ふっ、それだけで構わないのかしら?

ぐずぐずしてると、私一人で倒しちゃうかも知れないわね……。

【轟音。直後僅かに刀身に貼り付いた薄氷―――― キルフェの言葉を証明するそれを、柊は、払い飛ばすこともなく】
【佳乃へだろうか、悠然とした表情で軽く微笑った】

【……ひとりでの不利は自覚して。だからこそ、“二人ならば勝てる” と語る彼女に応えるために。】

――――――――――――――――― はぁアッ!

【そして神速の踏み込みから放つ一撃、】
【捻る様に構え、全身の力を乗せた刺突を、もっとも重厚と思われる胸郭部の鎧へと解き放った】
【――――――――― 断てぬ鎧ならば突き通せば善い。その考えにしても、狙うべきは頭部だった筈だが】

【余裕に満ちたキルフェには、それは、回避の必要性すらも感じさせないだろうか】
【外観的には何ら変化を感じさせず――――― 】
【だが限定的に“火” の力を解き放ち、内部に灼熱を湛えたそれは、鋩のみに熱を集中させ―――――】

【着弾/その瞬間、】
【鎧の昇華による水蒸気爆発を引き起こす目論みがあった。魔性の氷ゆえ通常通りには叶うまいが、劣化したならば貫き得るか―――――― 】
【水蒸気爆発による鎧の突破。切断概念による破壊力の発露。着弾し届きさえすれば、通用するか】

【だがその直後には隙を生む。放たれる反撃など避けきれず、柊は、少なからず傷を負うはずで】

(……貴女の誇りも、秘めた力も――――――― この程度の状況に屈するほど、脆いものではないのでしょう……ッ!)

【内心で共闘者へと語りかけつつ、ただ無謬の戦意のみでそれを終えた】

【柊はただ真向から敵へと向かう。 】
【“決める” ため。この直後に佳乃が “そうできる” のだと、そのために己は征くのだと信じるゆえに迷い無く――――――】

【ただこの刹那へと全霊を懸けた。総て、この直後の彼女に託して駆け抜けていた。】
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/08(土) 00:08:25.16 ID:I5drSZZdo
>>846-847

【―――潜水服の内部から溢れる粘性が、ほんの一瞬だけ人の形を持ったように見えた】
【カーテンの上からうっすらと顔の形を図るような、そういうおぼろげな形】
【見ようと思えば、細身の青年に見える気もした。けれども、直ぐ様それは水たまりに変化し】

   
   「何を……ッ!ヒトと手を組んで邪魔をするお前と『仲良く』なんて―――」
   「―――出来るものかッ!キング=c…――覚えたぞ…っ!」

   「お前は此処で僕が殺す…、そして後で素性を調べあげる……!」
   「この世界に、はぐれた半魔が早々居るはずがないからね……或いは」
   「僕らの邪魔をするために派遣されたなんてことが在るなら――――。」


【『生け捕りだ』―――そんな声が聞こえたかと思うと、キングが銃弾を撃ち放つ前に】
【先ほどヒトガタを取った粘性は、無数の粒となって弾け、拡散する】

【この攻撃は、彼の足を捉えた水のショットガンと近い性質をもっている】
【だが、ただ貫くのではない。貫通性の高い水は、皮膚に触れると僅かに形状を変化】
【四方に刃が広がる槍のようになって、肉や血管をスラリと切り裂くのである】

【回避は――実は簡単。側に車の残骸でもあれば、実は容易に防御できる】
【そしてもう一つ、この攻撃の成否にかかわらず、キングの電撃弾は命中する=z

【潜水服は中破――そして、やがては拡散した粘性、ウォルはそこに戻らざるを得ないらしく】
【戻ると同時に、言葉にならない悶え声を上げて蒸発≠ェ始まる。つまり――】
【『あくまでも水』なのか。潜水服が壊れると、決して強いというわけではないらし】

【―――ところが、彼の悶え声に応じたかのように、場に新たな強い魔力が立ち込める】
【転移の魔術だとすぐに感づくはずだ。そしてキングに向けられる敵意にも、気付けないということは無いはずで――!】
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 00:18:28.40 ID:kmraCCMbo
>>851

 ……見た目通りとは、不愉快ですね。
 そこの彼と同意見です……貴女のように飲める人間の方が、少ないのでは。

【眉を潜めて言うのだが、視線を向けない所為か、さしたる威圧感も無く】
【年甲斐も無く反論を並べて――ヒルコの視線には、気が付いていないようだった】

【座す相手に対し、こちらは近くの壁に背を預けて、】
【そのまま軽い雑談というよう、問われた事に、ごく自然な調子で口を開く】

 ――いえ、あれ自身が酷い奇形なんですよ。 本体は別です
 何とか出来るならしてやって下さい、改造なり何なり……

【「捕獲出来ればの話ですが」と付け足して、さり気なく話した内容は】
【謂わば月彗の根幹に関わる情報であって――まるで味方とは思えない程、言葉が軽い】

 私はコーネリアスに手を貸した、ただそれだけです。
 逆に言えばそれ以上も無い……機関に入るまでは、していません。

 月彗に関しては、リリアが切欠ではあったようですが、元々長居する気は無かったのでしょう。
 もしくは長居したくとも、あの女に追い出されたのか……是非尋ねてみて下さい。

【きっと烈火の如く――想像して面白いと思う程度には、嫌いではない】
【弟と呼ぶべき存在であるが、弟だと思った事はない】

【そんな水面下の定義が浮かび上がるよう、彼は月彗に関して、酷くぞんざいに語った】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/08(土) 00:19:16.28 ID:paRk7GlFo
>>853

【二度もはっきりと声をかけられてしまえば】
【対象は自分なのだと女性もはっきりとわかったようで】

ああ、やっぱり私に言ってたんですか

【突如、少女からの「命令」らしきものを受けるが】
【女性は嫌な顔一つせず、少女の姿をまじまじと見ながら】

(まあ、見た感じ普通じゃないですからねえ
種族に関しては専門外ですが……もしかしたら「能力者」かも!)

【人ならざる者は、人ならざる力を得てして持ちやすい】
【女性は少女に、種族以外で「特別な何か」を期待しつつ】
【少し付き合ってみることにする】

んー、ふらふらと歩いてはいましたが、一応色々やっていたんですけどね

【そう言いながら、少女にディスプレイが見えるようにタブレットを傾け】
【見えたのならば、何やら論文のような、文字やグラフがびっしりと入った画面が目に写るだろう】

ですが面白そうですので、御付き合いしましょう

【タブレットを下げ】
【看護師たちの視線は無き物がごとく無視し、言われた通り少女に近づき】
【微笑みながら】

それで、何をすればいいですか?
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/08(土) 00:26:15.72 ID:I5drSZZdo
>>849 >>855

【佳乃を蹴り飛ばす――そのつもりで刃を打って、刀身は一挙に凍っていくことになる】
【柊に対しても似たようなもの。氷柱の槍衾、とは言い得て妙だが、それを避けられるのは構わない】
【どうせ鎧を身にまとう段階で副次的に生まれた一撃だ。全身を細かくえぐるだけでも好し】

【――それから、佳乃が薙刀の柄に負のようなものを貼り付けたのには気付かなかった】
【何故ならもう一人の相手が予想よりも速く立ち直ったからだ】


   ……―――無駄だと分からねぇのかなぁヒトってのはァ!えぇオイ、八攫 柊ぅ――!!
   たかだかの人間の『突き』如きでこの鎧が貫けるとでも思ってるのかなぁ〜!?


【先ほどの呟き、聴いていたか――相手の名を呼びながら、やはり攻撃を避けることはない】
【完全に相手をなめていた。驕っていた。そして刃を受けた鎧が、絶妙な具合で爆ぜる】
【分厚い鉄板――それが溶ける=Aけれども―!それでも尚、届く≠アとは無かったのである】

【それ程に、厚い。しかしもうすぐそこに、えぐれた鎧の薄い板の向こうには肉がある】
【心臓も同じはずだ。狙うのであればやはりここ。そして幸いにして、佳乃が狙う隙≠ヘ存在するだろう】


【―――八攫 柊への一撃、という、キルフェの行動を隙≠セと思って行動するなら、だ】

【そう。キルフェは柊の隙を逃さず、鎧がえぐれるのも構わずに右の拳を突き出した】
【狙う先はその腹部。相手が少女だなんて考えもせず、豪腕を振るって潰さんとする】
【無論、受ければ衝撃が発生≠キることは言うまでもないのだが――だが…!】

【もし此処で佳乃が思い切った行動に移れるのならば、チャンスは正しくその手のうちに在ることは明白で―――!】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/08(土) 00:26:59.96 ID:I5drSZZdo
/レス番訂正 >>855ではなく>>854へ、ですね
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/08(土) 00:33:33.94 ID:vJtFSc1F0
>>856

「ああ、コーネリアスの坊やに・・・。
 確かにあのテロリスト変な所でカリスマがあるから・・・」

【苦笑いをしながら酒瓶を振る】
【荒涼とした地に、砂塵を伴った灰色の風が吹き抜けた】

【そしてあれ自身が酷い奇形】
【そう聞いた瞬間、ヒルコの瞳が収縮し】
【何か言いたげに口を開いたが、野槌の言葉がそれを遮った】

「ふぅん、なるほど。それなら納得ね」

【クツクツクツ、と野槌は肩を震わせる】
【しかしすぐに不思議そうに目を細め】

「の、割にはえらく薄情ね。嫌いって訳ではなさそうだし、あえて言うなら無関心」

【野槌は探る様な目をして一升瓶を眺める】
【まるで大人が子供の嘘を見抜こうとしているような目だ】

「おかしいわね、おかしいわね。兄弟っていうのはウチの子達みたいに仲良くやってる物と思ったけど。ねぇヒルコ」

『ええ、まがわ様には良くしていただいてます。エウリュアレさんのお手伝いもさせて頂いてますし』

「所詮は二親等、いえ。それ以上に投げ捨てるような冷酷さすら感じる。
 といっても愛情に疎いうわけでもなさそうね、この前会ったとき娘には随分入れ込んでいるようだったし」

【野槌はセシルの方を真っ直ぐ見据えた】

「詮索好きなおばさんに聞かせてくれるかしら? あなたにとって兄弟ってなぁに?」
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 00:36:41.89 ID:ZOTTgjyS0
>>857
「……お前以外に誰が居るというのです」

【頬を膨らませれば、むつけた様に言うけれど】
【指を下げれば、目は益々釣り上がって】


「私から見れば痴呆患者の様にただ歩いていただけなのです
……何です、歩いていただけだと思ったら訳の分からない活字も読んでいたのですか
そのまま気を取られて急患のストレッチャーに轢かれれば良いのです

……面白そうとは何です。私は至って真面目なのです」

【快く協力してくれると言ってくれた女性に対しての毒舌】
【それほど知力は高くないのか、端末を覗き込んでも首を傾げ、怪訝な表情を浮かべるのみ】
【しかし、ストレッチャーに轢かれるなんて事は先ず無いと思うのだけれど……】
【面白そう。その言葉を聞けば、やっぱり噛み付いて】


「私はお腹が空いたのです
あの馬鹿従者も何処かに行ってしまったですが故……お前に、私に何か腹を満たす物を捧げる命をくれてやるのです
……無論、美味しい物以外受け取るつもりは無いのですよ」

【何をすればいいか。その言葉に対しては食堂を顎で示して】
【要は“何か食べさせて”という事なのだろう。頼み方をしらない少女は、奢られる立場にありながらも頭を下げる事をしないが】
【女性が少女の願いを聞くならば、目的地まで五月蠅い小娘付きの車椅子を押すことになろうが……】
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/08(土) 00:40:30.33 ID:3cV/o2s9o
>>852

……糞が!
善良魔は別に嫌いじゃあねェ、だァがこォの棒共は天使の糞共を思い出して……最ッ高に苛つくッ!!
あァ、思い出したら無ゥ茶苦茶腹が立ァって仕ィ方がねェ……まァた"肉体崩壊"は面倒だ、抑えねェと

【路地裏という狭い空間に降り注ぐ、9本の退魔の柱――喰らえば、おそらく"悪魔ならば"ひとたまりもない】
【例えそれが100%ではない割合フィードバックだとしても、傷口に塗る塩の様に、"酸とアルカリが混ざり合う様に"、効果を成す】
【――ただ、ここで易々とやられる程、この悪魔はヤワでもなく、諦めも良くない】

――"ディルムカプテスプ"ッ!

退魔のエネルギーをぶっ砕けッ!! 粉々に粉砕して砕き散らせェェエエッ!!

【どうするか? ――回避が駄目なら防御すれば良い話だ】
【まずは、あえて"柱の影"に潜り込み、次に行ったモノは――】

【――身体から伸びるのは、悪魔の魔力のカタマリだ、それが複数の腕の形を成してゆく】
【そして、自分に被害が及ぶだろう柱にアタリを付け、その腕で捕らえようとする】
【成功すれば、その柱が持つエネルギー……例えば、退魔の力だとか、生命エネルギー、魔力、運動エネルギー、etc...】
【砕く対象は"退魔の力"中心とはいえ、とにかく様々なエネルギーを砕き、そして辺りに欠片として散らせるだろう】

【腕自体は退魔の力を受けて破壊された、しかし特にフィードバックがあるわけでもなく――悪魔自身の能力の一つ、のようだ】
【また、悪魔は柱の下敷きになったようだが……?】

「い、嫌だ、希望が……せっかく手に入れた"希望"が……や……やんだっすゥゥウウアアアーーーーッ!!!」

【一方、化け物の方はというと……】
【それは、悪魔のように何か特別な力を持っているわけではない、ただの合成獣だ】
【故に】 【逃げ場のない攻撃があれば逃げられず潰されるのみ――おそらく、退魔の力込みで、幾らかのフィードバックが行ったはずだ】

【炎の気がまだ治まっていない……】
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/08(土) 00:55:54.48 ID:Akq4+Ycjo
>>855
【―――青年。キングの視力は人間に比べれば遥かに高い、それは紛れもなく人間の形を一瞬、成して。】
【確かにそれを目撃する、為るほど――悪魔といえば悪魔、しかし潜水服が本体というワケでもないようだ。】
【何を考えているのか、何を思っているのか、それが全く伺えない様はまるで――ゴーレムのようだ。】

人と手を組む?ああ――なるほどな、確かに今はそうか。
でもよ、それはちょっと違うな。別に人間だから手を組んでるとか、悪魔だから手を組まないとか、そういう拘りがねえんだ、俺には。
強いて言うなら女はみんなデートに誘う、ってくらいだが――俺はまどろこっしい枠組みとか、そういう純血思考の考えが嫌いでな。
必要なら誰とだって仲良くしてやるさ、それこそ悪魔でも神様でも、犯罪者でも・・・宝玉の化身でも――な。

素性を調べ上げる、ソイツは楽しみだ!掘りかえしゃ色々出てくるのは間違いないぜ、それに派遣って言い方もまあ――
あながち間違っちゃいないな、お前さん頭はキレるみてぇじゃねえか。ただ残念ながら、男にとッ捕まって"ケツ"掘られるのなんて
まっぴらゴメンなんだ、どうしても俺を捕まえたきゃ、ハリウッドもびっくりのデカいパイオツの踊り子でも連れて――おわッ!?

【――弾丸と交差するように、敵の攻撃も此方へと向かった――それはまさに水の"刃"と呼ぶに相応しい、狂気を秘めた凶器。】
【咄嗟に後方へと華麗なバックステップ、そこからのバク転を決めて回避――最も、それでも全ては避けきれない。】
【一撃は右手を、もう一撃は今度こそ右足を鋭く、深く裂く―――三度目の呻き声。キングもたまらず、よろめいた。】
【紅い花が一面に咲き誇り、キングの肉体も悲鳴をあげる。機動力が損なわれた今、出来ることといえば――避難、か。】
【片足を引きずりながら影に止めてあった年式の古いフォード・マスタングの後ろへと飛び込む――追撃は逃れた。】
【しかし確実にダメージは蓄積し、キングは痛みに耐える状況―――だがここで可笑しいと気付くことも出来るはずだ。】

【――タフネス。この男の武器の一つ、それは二挺拳銃でも魔力でもあり――そしてその異常なまでの肉体能力にあった。】
【人間であれば致命傷であろう一撃を喰らって尚、まだ動き続けるその身体能力の高さは、まさに強烈な悪魔の血を受け継ぐが故――】
【無敵ではない、しかしそれは戦闘を継続する上では重要なファクターたりえる。特に刀剣類や防具を持たないキング――銃使いとしては】
【攻撃は弾くか、避けるかの二択しかないはずなのだから。そこに"受けて・耐える"という選択肢が加わる、即ち――まだ、力は秘めているのだ。】

――・・・ちっくしょう、冗談じゃねぇ。俺はブルース・ウィリスじゃねぇんだ、血塗れになりながらシャツを真っ黒になるまで汚してまで
戦うのなんて絶対御免だぜ、ああくそ、これじゃこの後デートなんて・・・ぐっ・・・!!
ヘヘ、それどころか――生きて帰れるかも微妙、って具合だぜ。髪も洋服も血でべっとりだ、ああまったく―――
――意地でもブッ倒してやりたくなってきたぜ、オイ。

【――タイヤが引き裂かれた車体の陰から、ウォル――潜水夫を覗く。確かに上がる悶え声、つまりは電撃による熱――効力を持つ、という事。】
【蒸発、水であればこそ持ちえる弱点の一つ、幅広い戦術を取れる属性攻撃であるからこそ生まれるデメリット。キングはそれに、感付く。】
【しかし油断することは無い。フィールドに満ちていく新たな魔力を確かに感じ取りながら――それでも尚、彼は止まらない。】

【――隠れていたフォードから、ゆっくりと躍り出た。両手に持ったオートマグ・44を一回転、ガンスピンさせながら――】
【正面、逃げることも避けることもせず――ウォルの前へと、立ちふさがった。それはつまり、決着をつけようという意思の表れ。】
【敵意、魔術の風圧、そしてそれらに混ざって、新しい覇気が戦場を吹き荒れ――キングが身体から発するそれは、熱を発する膨大な魔力――】

―――ま、俺も魔術はちょいとかじってる。肌で感じりゃ何が出てくるのか、大体分かる程度にはな。
どうした?怖気づいて援軍でも呼ぶ気になったかい、ヘルダイバーさんよ。
別にかまやしねえが――その場合は、全滅覚悟で望んでくれよ?なんたって今の俺はな、デートの予定を大きく過ぎちまってて――
カンカン、なんだ。本当なら今頃な、俺は酒場のローズちゃんと仲良くベッドで―――やめだ、考えたら泣けてきた。

【――吹き荒れる炎の魔力。周囲の車のタイヤのゴムは――強烈な熱風でぞろぞろと、溶け始めた。】


864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/08(土) 00:58:20.12 ID:paRk7GlFo
>>861

【痴呆患者のようだの、ストレッチャーに轢かれろだの】
【よくもまあバリエーション豊かな悪態がポンポンと出てくるものだと思いつつ】

いえいえ、私だって真面目ですよ
面白いことに真面目に取り組むんです

【従者がいるらしい――やはりこの少女だけでは病院での受付すら難しいだろうと納得する】
【この我儘な少女に付き合える人物はどれほどのものだろうか】
【付き合えなかったからどこかに行ってしまったのかもしれないが】

保護者の方、いえ従者の方は別のところにいるんですか
私も、従者ではありませんが……私のボディーガードが今診察を受けてまして
随分混んでるみたいだからまだまだ時間がかかるでしょうね

ああ、そういえば先ほど食堂の前で揉めてましたね
いいですよ、行きましょうか

【車椅子を押して、食堂に向かう】
【混んではいたが、車椅子ということで気を使ってくれたようで】
【食事を終えていた中年の夫婦が席を譲ってくれた】
【女性が夫婦に礼を言い、少女に話しかける】

親切な人がいてラッキーでしたね
さて、では好きなものを頼んでいいですよ。何でも奢ります

【太っ腹な宣言をしたのち、ある簡単な条件を少女に提示する】

その代り、貴女のことをもっと教えてくれませんか?
まずはお名前から!

あ、ちなみに私の名前はピオネルスカヤと申します

865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 01:01:32.56 ID:kmraCCMbo
>>860

 ……査定切られますよ?

【相手の立場を鑑みるに、不遜な言葉だと取ったのだろう】
【愉快げにそう言って、砂を含んだ風を厭うよう、片手で髪を梳く】

 まぁ、彼の言葉は好きですね……それが悪でも、揺るぎない意志がある。
 自分が無くて、ただ揺蕩うような身には、惹かれやすいと言うのでしょうか。

【つまり、自分がそういう人間であると、自嘲めかして告げ】
【軽薄な笑みを口の端に載せたまま、内心を見抜いていく言葉にも、然として動じない】
【――答えるのにしたって、さして悩みも考えもしなかった】

 いれば便利かなぁって。

【まるで問われたから答えた、と言うように言葉を投げる】
【それから態とらしい迄に笑んで―― 一歩、彼女の側へと歩み寄った】

 …………そんな話より、私にとっては貴女の方がとても気になる。
 けれど貴女はどうなのか……、私は所詮年下の下戸の男、それだけですか?

 私は構いませんよ? 娘がいようと息子がいようと、欲しい物は欲しい……
 そう思うことを生意気だと言うなら、それでも良い。 ただ、貴女の答えが聞きたい。

【頬へと伸ばそうとする指先、紫の爪に白皙の肌、――夥しい傷跡】

【息子だという青年がそばにいるにも関わらず、隠す気も無く声を甘く潜め】
【彼にだって聞こえるように、彼女へと囁こうとするのだが】


 私を……、愛してみませんか?


【あからさまに、偽りにしか聞こえない程、感情の無い言葉達】
【そして、その奇妙な両目に異質な呪力が灯され――合わせるのはきっと得策でない】
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/08(土) 01:05:49.07 ID:wTpDX/c5o
>>855,>>858

…………ふ。
生意気な子ね…………!

【柊の言い草が――――自分に似ていたからだろう。佳乃は知らず知らず、少しだけ笑って】
【神速の疾駆で以て突進していく柊の背を見送れば――――だん、と大きく地面を蹴り、彼女の速度には至らないまでも、全力を以て駆け抜ける】

白刃龍紋流・漆の太刀――――『七曜』!

【走りながら叫ぶは、第七の奥義。『七曜』は、神気によって"自然現象"を再現する奥義だ】
【今回使ったのは"雷"。そして先程貼り付けた、雷を発する補助具である"雷符"が、それを増幅する】
【神気の"聖"の属性はそのままに、刀身に帯電する"聖なる雷"は電熱を生み、刀身に面する氷を溶かして】
【走る佳乃の勢いもあって、氷はずるりと抜け落ちる。それがごとりと音を立てた瞬間に、佳乃はキルフェを薙刀の射程距離に捉えた】
【再び姿を現した美しい刀身に、雷を宿し――――振るわれるは、横薙の一閃!】

…………ッ!

【ガァン――――と、甲高い金属音が響き渡り、薙刀が勢いよく弾かれて、佳乃の体もその勢いで回る】
【先程斧を弾いたのもあり、握力が大幅に削られる。しかしそれでも、触れた瞬間に鎧から"聖なる雷"が浸透し、キルフェへと伝わるだろう】

【…………が。これでは、足りない】
【電撃自体は確かに強いが、決定打ではない。柊が託した"必殺"では――――ない】

白刃龍紋流・襲打――――――

【――――そこでキルフェが油断したなら、それは佳乃の思惑通りだ】
【殴り飛ばされる柊の姿を視界の淵で捉えながら、しかしそれを助けることはできない、とわかっているのだろう】
【襲(かさ)ねて打(う)つ。柊と佳乃の力を重ねたこの一合を象徴するような単語を、共闘者を救えぬ無念と共に叫んだ】
【ただしここで"襲ねる"のは、奥義と奥義。襲打とは、文字通り奥義と奥義の"併せ技"】
【ぐるり、と。佳乃の体が回転し、そして元の場所に戻る。薙刀を右手に、そして徒手の左手を引き絞って――――】
【決め手ではない雷の一撃で動きを一寸麻痺させると同時に油断させ、そして弾かれたフリをして勢いをつける、そんな小娘の策略は】
【いま一つの"掌底"となって、薄くなった心臓部の鎧へ向けて、放たれる――――!】

――――――『八重光楔』ッ!!

【彼女の持つ奥義には、それぞれ特性がある――――『二極』は神気の集合、『七曜』は神気の現象変換、といった具合】
【そして今回"併せた"のは、"神気を浸透させる"奥義と"神気を爆発させる"奥義――――】
【掌底自体には大した威力はない。ただ、その掌から流し込まれるのは、神気の光だ】
【初手で敵の体に浸透させた神気を、相手の体内で直接爆発させる――――それが、『八重光楔』という奥義だった】

【今回は相手の体でなく鎧に浸透させる、いわゆる"鎧通し"として機能させたが、威力としてはそう変わりあるまい】
【何せ、鎧と生身の間の"極小の隙間"で"聖なる爆発"が発生するのだ。相手は"浄化"の通る妖魔、凝縮されるその威力、加えて狙った心臓部――――】
【それはまさしく、"必殺"の一手――――!】

(…………これで、決める――――――ッ!)

【妖魔相手ならば強烈な効果を発揮する奥義だが、しかしこれには欠点もあって】
【掌で直接触れなければならないが故、薙刀の防御を捨てて"零距離"まで接近する巨大なリスク】
【それに加えて、完全に神気を送り込むまでに一秒ほど触れ続けなければならない、という時間差】
【――――一人ならば、できなかっただろう。柊が足を止め、そしてその刃で以て鎧を削っていなければ――――】

【奥義と奥義、柊と佳乃。全身全霊を込めた乾坤一擲の"襲ね打ち"は、果たして届くか――――!】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/08(土) 01:09:52.68 ID:enelhcj90
>>862
確実にダメージは入った―――けれども、死んではいない様だね……
“自分の魔力を込めて退魔のエネルギーを破壊した”……といったところだろうか?

【袋小路に出来た穴の中から九本の柱が降り注ぐ様子を見つめていた狂死郎は、怪訝な表情をして悪魔を押し潰した柱を見つめる】
【“君子危うきに近寄らず”―――彼の故郷たる櫻の国の諺が狂死郎の脳裏に浮かび上がった】
【思えば先程、潰される前に厄介な炎をくれた蛇が再び炎を吐き出そうとしている様子が思い出される】
【ここは“君子”らしく―――“切り札”を使って早々に勝負を決めてしまうことが最善だと狂死郎は判断した】

“まだ”分身を解くなよハヌマーン……“準備”が出来てからだ……

【狂死郎の命令にハヌマーンは無言のまま九本の柱の姿を維持して答える】
【その様子に満足げな笑顔を浮かべ、狂死郎はコートの中、奥底に手を突っ込んで―――また新たな茶色の符を取り出す】
【先程までの符と違う点と言えば……符そのものが常に“妖気”を発していると言うことだろうか】


ロックオン完了―――悪滅零式・彼岸花!!


【そして狂死郎はその符を柱の下敷きになったであろう悪魔に向かって投げ付け、同時にハヌマーンは九人への分身を解除する】
【ボンボンと小気味よい音と共に九本の柱は次々と姿を消して、最後に悪魔を下敷きにした柱の直ぐ隣の柱だけが残った】
【さて、投げ付けられた符は突如空中で静止すると、そこから九本の長い鎖がまるで植物の触手のように蠢きながら生えてくる】
【“ロックオン完了”の言葉通りに悪魔の魔力を“覚えた”九本の鎖は悪魔の発する魔力に引き寄せられ、悪魔を拘束しようとするだろう】

【もしも仮に悪魔が拘束されたのならば―――その対象の魔力が強ければ強いほど強靭になる特性と、魔族の力を弱体化させる特性を発揮し】
【先程のように“魔力を砕く”ことによる脱出も難しくなるほど強力に拘束されてしまうことになるだろう】
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/08(土) 01:10:22.03 ID:wTpDX/c5o
/って、私もレス番間違えてますね…………>>854宛でした
/あと、【殴り飛ばされる柊の姿】→【殴り飛ばされようとする柊の姿】でお願いします
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/08(土) 01:19:18.32 ID:vJtFSc1F0
>>665

「わかっていると思うけど上には内緒よ?
 まぁカノッサと無関係のアナタなら大丈夫だろうとは思うけど」

【飛ばされた冗談にクツクツと笑いかける】
【コーネリアスを信奉する様子に少し頬を緩め】

「いいわね、そういうの。私もそんな人間に会ってみたいわ」

【対象も崇める者も悪であるというのに】
【野槌は穏やかに聞いていた】

【そして、あまりにも】
【そっけないというには淡泊すぎる】
【無関心というには冷酷すぎるその言葉に】
【野槌は息を飲んだ】

「・・・ドライ、なのね」

「まぁ、嫌いじゃないわ。ヒルコみたいに軟弱なのよりはね」

『そんな!!』

【突如、豹変したように】
【耽美な言葉を、甘美な声を野槌へ向けるセシルの様子に】
【野槌は目を見開いて一歩仰け反った】
【ヒルコが残光剣に手を掛ける】

「あは、ははは。私もしかして口説かれてるかしら?」

【その様子にしばし顎に手を当て、思案した後】
【何かに閃いたような表情でニタリとほほ笑み返す】

「いいわね、試しに愛してみようかしら」

『真室川博士!!』

「ただし」

【野槌は人差し指を立て、約束の様に語りかける】

「他の女は口説かないことが条件、二番手三番手は嫌よ?」
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 01:22:00.31 ID:ZOTTgjyS0
>>864

「あの馬鹿が何処に行ったかは知らないのです
大方、その辺りで“人助け”でもして居るのですよ
主たる私を置いて他人を助けるなんて、実に烏滸がましい話なのです」

【人助け――――何となく、その言葉から性格の断片を知れるだろうか】
【其れは褒められる事。なのに、主人たる少女は実に不快だとばかりに呟いて】
【少女が纏っているのは入院患者が身につける物。ともなれば、其れなりに長くこの病院で過ごしているのか】


「……お前のボディーガードですか?
何です。お前は命を狙われる様な輩だったのですか
なら、昔の私と同じ様なものです。襲ってくる愚か者達など、全て塵にしてしまえばいいのですよ」

【勝手な予測。果てには答えまで導き出せば、一人頷き】
【嘗ての自分と同じだった――――そんな言葉を放てば、攻撃的な言葉】
【元よりこんな性格だったのか、“その生活”がこうしたのかは分からないけど】


【食堂――――席を譲って貰ったって、礼の一つも無く】
【当然だと言わんばかりに鼻を鳴らせば、その背を見送って】


「ゴーリェ・スパシーチェリ。この角からも分かるように純粋な人間などでは無いのです
謂わば、一角獣。ユニコーンの血交じりなのです
因みに、親しい者にはシェリと呼ばせているのです
……あ、私はホットケーキで良いのです」

【名を告げられれば、自身の名を返すのだろう】
【其れと一緒に、その交じった気配の根源たる物】
【――――その血に誇りを持っているのか、どうだと言わんばかりだったけれど】
871 :>>869 [saga sage]:2013/06/08(土) 01:22:34.36 ID:vJtFSc1F0
安価ミス
>>665>>865です!
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/08(土) 01:23:48.78 ID:I5drSZZdo
>>863

【電撃を受けて数秒か数十秒か、ようやく一部が地表を伝って逃げていく】
【此処に至って、ウォルはようやく姿を見せた。やはり粘性は本体≠セったのだ】

【潜水服から離れず、その側で這いつくばる人の形をしたもの――スライムにも似るが】
【言うなれば半水魔≠ゥ。なるほど、その身体そのままでは生きていくのも難しかろう】

【それを考慮に入れると潜水服という選択は素晴らしい。潜水とはつまり、内外の圧を保つこと】
【外から水が入らないようにするのと同時に、内から空気が漏れないように出来ているのだから】
【自らの肉体を上手く保つためには最適な入れ物であった――そして、それに縛られている】

【恐らくはそういうことなのだろう。分かった所で、もう遅い。キングは本能で理解しているだろうから、だ】

【ナチュラル・ウォル=\――清らかでなければ、純粋でなければ生きて行けない】
【優しくも悲しい歪んだ水魔。四つん這いになりながらも、キングをにらみ】
【既に余波として熱を発する彼の魔力に、僅かばかり身を蒸散せしめられ】


   「その魔力……半魔にしても異様だ…、……それこそ姉さん≠フように…!」
   「放っておけば確実に…ッ!キング、お前は僕らの害になるに違いない……ッ!!
   「なら…っ、ここで死ぬくらいなら、いっそこの場にレヴィアタンを呼び出して……!」


     ――――はぁいゲームオーバー♪
                 不吉なこと言っちゃダメだよ、弟クン=\―?


【転移が、始まった。ウォルのすぐ側に展開される魔法陣から姿を見せるのは、異形の生物】
【所謂♀≠ノは違いない。胸部の膨らみ、腰の広がり、髪の艶やかさに声色はそうだった】
【しかし何なのかは分からない――魔族であるには違いないが、彼女には龍≠フ特徴が多すぎる】

【頬を覆う鱗、手元の鋭い爪、腰元から伸びる太い尻尾に捻くれ伸びた長大な双角】
【何より虹色でいて縦に割れた瞳は奇怪極まりなく―――彼女は無言で、ウォルに沿い寄って】

【―――そして手を取り、キングへと二人での即席魔術≠展開する】

【ウォルは水。現れた姉さん≠ヘ焔。それも獄炎を織り交ぜた、見る目に鮮やかな奔流だった】
【威力が強すぎるからか、ややブレて射出されたそれは当初、件のフォードに直撃する】
【――と、直後に爆発が発生する。対となる属性も、こうまで強力すぎると反発が爆発につながるということか】

【やがてその奔流は、軌道を修正しながらキングへ迫る。恐らくは、彼が放つ炎の魔力とぶつかることになるのか―――ッ!】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/08(土) 01:42:17.89 ID:3cV/o2s9o
>>867

【…………?】
【炎の気、と言えば――先程まで居た、ターコイズブルーの蛇の姿が"見当たらない"】
【けれど、炎の気は見えないとはいえ、むしろ"勢いを増している"―― 一体、どういうことなのだろうか?】

……糞が! こォれだから"肉体"は嫌いなんだよ

【溢れんばかりの血液と、焼け焦げ溶けたかのように立ち込める煙――邪悪過ぎる悪魔だからこそ、退魔や聖には滅法弱い】
【それとは関係なしに気になる点と言えば、悪魔の眼の瞳孔はこんなに縦に長く裂けていただろうか――というところだ】
【そう言えば、犬歯の鋭さ・長さも増しているし、舌は長く先端が二つに割れていて――】

――役立たずの"パッスキフープ"―― "ひとときの希望"のせいで余ォ計なダァメージを受ゥけちまったがよォ

……んで、鎖で縛ろうってかッ! ――俺様は、縛られるのは嫌いだ……"物理的"にも、"精神的"にもなァァアアーーーッ!!
あァ、なァーんでテメェーは一々俺様の癪に触るモンで攻撃してくんだよ糞がッ!!

【……柱で押しつぶされたのにも関わらず、この喋りである。流石に最初より勢いは落ち気味だが】

しィかも追尾型と来ィたか……なァら……――"フレイム・ブースター・タックル"ッ!

【瞬間、勢い良く悪魔の全身から噴き出すのは"火炎"――それが、悪魔の全身を覆ったかと思えば】
【まるでロケットの様に、狂死郎に向けて――高速で迫り来るッ!】 【相手が迫ってくるならば、自分から迫れば良い】

【要するに、炎を纏っての体当たりだが――】
【もし、何かしらの方法で悪魔に攻撃することが出来れば、その身体の感触が石っぽくなったことに気がつくだろう】
【シウコアトル、それは、トルコ石の蛇。】 【悪魔の作り出したターコイズブルーの蛇、"シューダ"のモチーフでもある】
【――その蛇が持つのは炎の能力。悪魔自身は、炎の能力を持たない】 【これらが意味することとは――!】

【また、この行為にはもう一つ目的がある――袋小路の出口に、魔法陣が生成されたのが見えただろうか?】
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/08(土) 01:42:21.53 ID:ZvifQ6vW0
>>858>>866

……くっ……!

【目論み通りに彼我を襲う爆圧の衝撃――――― 刀身の停まる手応えがそれに続いて、留まる切断概念は不発に終わる。】
【直後放たれる反撃の拳がその腹部へと吸い込まれ、】

く……あぁう……ッ……!

【からだがひしゃげた。肉の潰れるおとがした。くの字に折って苦悶の声を洩らすも、瞳の光だけは失われずに】
【腹部を凍らされ吹き飛ばされる自分と入れ違いになる、駆け抜ける佳乃の姿を映した】

【勇壮で、凛冽で。けれどだからこそ少女の姿に見合うその後ろ姿を、柊は、どこか胸のすく様に想って――――】


(……ああ、そうか、)
(私、は―――――――)

【――――― 今、共にふたりで戦っている。退魔のちからに総てを託し、“今”、切り拓くためにここにいる。】
【なぜ心が震えるのだろう? なぜ、こんなにも熱くなるものを感じるのだろう。】
【分からなかったが構わなかった。だが、このまま何もせずにいてよいとは思わなかった。】

(……勝つわよ。誓うわ、)
(あとは、あなたが―――――――。)

【………最後まで、血と命とを振り絞る。雷のちからに刃を添える。】

【佳乃の一撃目と二撃目の間隙。一瞬にも満たぬであろうそれを、キルフェを、駄目押しの “斬撃” が襲うのだろう】
【時間差での切断概念の発動。肉に “届かなかった” ゆえに残せた、鎧をさらに削る筈のちから。】
【……あとは、佳乃に委ねられる。柊に出来るのはここまでだった。】

【けれど確かに託しきった、と―――――― 自分たちの勝利を確信して、さらに身を削った柊は、どこか凪いだ表情で結末を見届ける。】
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/08(土) 01:45:14.89 ID:paRk7GlFo
>>870

人助け……そういう性格の人は大変でしょうね
病院は助けが必要な方が多いでしょうから

【自分は人助けとは無縁と言わんばかり、他人事のように――実際他人であるが】

私自体は命を狙われるような価値のある人間じゃありませんけどね
大学で「能力者」の研究をしていまして……
様々な能力者に会うために危険なところ、夜の路地裏等によく行っていたら、大学側から護衛をつけられてしまったんですよ

まあ、私の話はどうでもいいですかね

【気になったのは、「昔の私」と「すべて塵にする」という表現】
【この少女のことだから、塵にするというのはさすがに比喩かもしれないが―――】

人間とユニコーンのハーフ、ということですか?

私は良く名前が言いにくいと言われますが、貴女も中々……
えーっと、私は親しい者じゃないのでゴーリェさんと呼ばせてもらいますが……
私のことはピオネル、と略して呼んでいただいていいですよ。親しくなくてもね

【少女のリクエストはホットケーキ。先ほどの食欲から】
【勝手に大食いなのではと想像していたが、食べ物の好みは見た目相応の女の子らしいみたいだ】

ホットーケーキですね。うーん、私も同じでいいか
ここはセルフサービスなのでちょっと持ってきますから待っててください

【しばらく後、女性・ピオネルはホットケーキ2つと、ペットボトルに入ったぶどうジュースも2つ持って席に戻る】

お待たせしました
飲み物は私の好みで勝手に買っちゃいました

そうそう、私は能力者の研究してると言いましたよね
単刀直入にお願いします
もしゴーリェさんが「能力」をお持ちなら……どんなものか話して頂けませんかね?

【あわよくば、この場で使えるようなものなら見せてほしいと付け足す】
【食事をおごったとはいえ、初対面の相手にする頼みとしては少々異質だ】
【応じるか否かは少女の自由だが―――】
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 01:50:19.41 ID:kmraCCMbo
>>869 >>871

 おや……意外と簡単だった。

【答えとしてはベストだった筈、それでいて彼は憮然とした表情を見せた】
【まるでつまらないと言いたげに――矢張り、本気でなど無い言葉だったのだろう】

【だが、条件を告げられれば、今度は彼のほうが僅かに瞠目し】
【じいと彼女を見据えるのだが、やがて諦めたように頸を振って、舌打ちを零した】

 …………術が掛からない、

【閉じた目、再び開けば、そこにもう呪力は無く】
【何事か呟いて少し忌々しげに彼女を見て、それから一歩、今度は後退する】
【男は何か彼女に対して力を行使しようとしたようだが、それが通じなかったらしい】

 残念……ですが仕方無い、か。
 止めます。 だって貴女は本気じゃない、そうでしょう?

【さも残念そうに眉根を寄せて、ついと身を引けば】
【ちら、と視線を送るのはヒルコの方――薄く、口角が上がる】

 ……随分、良い剣をお持ちで。
 まあそれは別に、後で良いでしょうか……“博士”を確り、送り届けてあげて下さい。

【「では、また」――】
【背を向けてそう告げれば、廃街の奥へと彼は歩を進めていく】

【そのまま彼を立ち去らせれば、もう危害となるだろう存在は廃街には無い】
【その場には並より良い程度の武器防具が転がってはいるが、旧遺物には敵わない】
【何より――まるで100年の時を超えたよう、ボロボロに朽ちたものばかりだった】
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/08(土) 02:03:50.96 ID:enelhcj90
>>873
その姿―――蛇そっくりだね……!!まるでさっきから居なくなった蛇のようだ……!!
成る程、そういうことか……随分と便利なモノをお持ちのようで!!

【突如変貌を遂げた悪魔の姿から、その能力を察した狂死郎は静かに身構える】
【そして炎を纏いながら突進してきた悪魔を―――左側に飛び込むようにしてなんとか回避する】

(さて、あの魔方陣―――何かを仕出かそうと言うのかな……僕の予想ではあれは“召喚”)
(彼はきっと自分ひとりでは魔術を使うことが出来ない―――他の魔族の力を借りる必要がある)
(“そんなところ”まで僕と一緒なのか―――全く、虫唾が走るよ)

【倒れこんだ狂死郎はゆっくりと起き上がりながら、悪魔の能力に対して思考を展開していた】
【同時に、狂死郎は狂死郎で悪魔が気に障る存在となっていたようで……心の中で吐き捨てる】

これから何をしようというのかは分からないけれど……いいや!!兎に角叩き潰す!!

(でもまあ念のために……)

【次々と消滅した九本の柱の中で、ただ一本だけ残った柱―――如意棒は狂死郎の言葉に答えたのか】
【ひとりでに傾いていき―――悪魔を下敷きにせん、として素早く倒れこんでいく】
【同時に狂死郎はカンカン帽を脱いで中からまた新たな茶色の符を取り出し、一回転させて帽子を被り直した】
【この符―――やはり先程までとの符とは違い、狂死郎が霊力を込める前から既に淡い光を放っていた】
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/08(土) 02:08:50.62 ID:Akq4+Ycjo
>>872

【本体が粘性であること、つまりはこの半魔――悪魔の血と水魔の血を併せ持っている、という事か。】
【自分の中に流れる悪魔と、そしてもう一つの――決して濃くは無い、しかしそれでも自身の中を確かに流れる血流】
【人間の魂が宿ったそれを思い、そしてきっと彼ら半魔も自分が幼い時分と同じく、酷い扱いを受けたのだろうか――と】

【そんなことを一瞬ではあるが考えた。少なくとも、このウォルという潜水夫は普通に生きていくだけでも辛く、苦しい筈ではないか。】
【例えばこの潜水服も、先程"姉さん"に貰った物だと言っていた。ならばこのか弱い"弟分"を――】
【――件の"姉さん"、とやらは守る為に戦っていたのではないか。最も全ては憶測に過ぎない、キングはかぶりを振った。】

【――それでも、炎を弱めることは無い。じわり、じわりと熱を上げていくキングの肉体に――変化が訪れる。】
【コート、シャツ、そして身体が魔力の炎によって"燃え盛り"始めたのだ――瞬間、一気に炎が高まり、魔力が集中していく。】
【恐らくはコレも、彼が契約した精霊の力を媒介している魔力だろう、強烈な炎が戦場に広がり、そして―――・・・】

――ご明察だ、俺はただの半魔じゃない。中でも出来損ないの"ジャンク"品でな。ああっと――股間の方は別だぜ?
まあともかく、俺自身には自分の魔力ってモンが存在してねぇ。だからこそ、俺は強力な"精霊"と契りを交わした。
そして彼らの魔力をちょっとレンタルすることで―――身体に魔力を蓄えておく事ができる。なに、簡単な話だ。

――てめぇで魔力を生み出すよりもよっぽどイカした威力の技を使える、って事だよ。
それに害、ね。言いえて妙だ、俺は三度の飯より人の邪魔をするのが大好きなタチでよ。
――だからその物騒な魔獣の名前がもう二度と口に出来ないよう、全身にチャックしてや―――あぁ?

【レヴィアタン。先程も口に出ていた獣の名前、そして死を覚悟する"弟"――連なるように姿を現したもう一匹の半魔は】
【どこか妖艶で、淫乱な雰囲気を併せ持った毒々しい、魔力を感じさせる存在――この圧力は、古代の力か何か、だ。】
【キングはといえば、そんな事よりも戦場に突如現れた美人――エロティックな彼女に目を取られていて、それどころではなかったが。】

――ワオ!まさか本当にびっくりパイオツの踊り子登場とは思わなんだ!
なぁオイ、アンタ綺麗だな俺と――ヘイヘイヘイ!ストップ、ちょい待ち!別に弟君を苛めてたワケじゃなくてな、その―――ああ、なんてこった!

【瞬間、放たれるのは炎と水の、奔流。相反する属性の二つが混ざり合い、それぞれが持つ強力なエナジーを重ね合わせたことで】
【より強烈な一撃――爆発するまでの破壊力を生み出したそれが、キングへと襲い掛かる。最後の最後、キングはまだ未練がましそうに】
【『かわいこちゃん、落ち着いて俺の話を聞いてくれぇぇぇぇぇぇ!』等と叫んでいたが――静寂。】
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/08(土) 02:09:01.26 ID:Akq4+Ycjo
>>872


【否―――そう、ではなかった。余りに凄まじい破裂音の連続とそう錯覚してしまうほどの、爆発が起きた。】
【奔流が直撃する寸前、キングの肉体は今度こそ完全に"変化"していく。人の形を捨て、彼が纏うは悪魔の力。】

                        "―――――精霊よ―――――"
   
                    "―――――炎の精霊、イフリートよ―――――"     
  
             "――――我が導きに応え、魂を焦がす灼熱の力を我に―――授けよ。"

【刹那、キングの全身は悪魔の其れへと変化していた。炎龍の持つ鱗の様な肌、鎧を彷彿とさせる各所の装甲】
【頭の上から足の先まで、全てが生物的な骨格で覆われた力強い、マッシヴなシルエット――炎を操る爆熱魔。】
【精霊の力を以って彼が悪魔と化した姿―――半魔であるからこそ生み出せる必殺の変身】

『―――"魔人化" イフリート形態』

【全身から放たれた爆風は本流と衝突、エネルギー同士のぶつかり合いで路地にある車が全て、吹き飛ぶ程の破壊を生み出す―――!!】
【しかし其れで終わりではない、キングは両手に握ったマグナム・オートを中に掲げ、炎で包み込む――すると、今度は銃すらも変化し】
【ハンドガンであった其れは融合、魔力によって形質変化を起こし――身に余るほどの巨大なグレネード・ランチャーへと姿を変えた。】
【炎の力を秘める爆裂弾を装備した、80mmはあろう巨砲の擲榴銃――デモンズ・グレネードである。】
【魔人と化したキングは中折れ式の巨銃をリロード、魔力の篭った炸裂弾を装填・派手な音を立てて片手で――構える。】

『―――弟クンも交えて3Pかい?そいつはステキな提案だが――・・・生憎、時間に余裕が無くてな。』
『デートのお誘いならまた今度頼むぜ?麗しい半魔の――・・・あー、"お姉さま"。』

『―――ともかく。今夜は熱く、行こうぜ。』

【―――爆撃。と、そう形容しても良いだろう。放たれた魔弾は圧倒的な魔力と圧力により炎の弧を描き】
【直進、真っ直ぐにリリア、そしてウォルの元へと―――突き刺さるように、飛来するッ!】
【命中すれば大爆発と共に業火を撃ち放つ一撃必殺の"技"だ。逆に言えば、これさえ逃れれば隙は大きい――】
【反撃も、撤退も容易な筈だ。戦場には闘争の炎が満ちていく――・・・!!】

880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/08(土) 02:09:09.99 ID:I5drSZZdo
>>866>>874

【佳乃の薙刀、それに込められた聖なる雷も含めて――高い音が鳴ったことから分かるように】
【キルフェはチェック≠フ一手を避けなかった。否、避けられなかったのだ】
【身を張った柊の一撃に気を取られ、そして彼女自身を攻撃することに気を取られて】

【しかし高慢で自信に溢れた半魔が、まさか武器を弾いたことで激昂するはずもない】
【多少身体がしびれはしたが、鎧の防衛効力は絶大――大したこともない、と振り返り】


  無駄無駄ァー!!この鎧にお前ら人間如きの攻撃が通るわけないんだよォー!!
  少しばかりビリっときたが……!それもここで終わりッ!既に八攫 柊は獲ったッッ!!!

  次はお前だぜぇェェ幸徳井ぃ……佳乃ォォォオオオオ、ッ―――グウゥッ!!?


【――掌底が叩きこまれたのはそのタイミングであった。拳ならば――最初はそう思う】
【しかし、自分の意志とはまったく関係もなく口から多量の血液がこぼれて来れば】
【体内をかき乱されるような衝撃と、気持ちの悪さと、何かが止まるのを感じれば】

【思わず――否。物理的に口を閉ざさざるを得なくなって、瞳がぎろりと佳乃を睨む】
【次いでパクパクと口を動かし―――最後のあがきとばかりに拳を引くのだが―――!】


   く、は…っ、……八攫、ぁぁあああ!なんで死んでないんだよぉー…!!


【『テメェははよォ―!!!』  なんて叫んだ所でもう遅い。既に刃は突き立っていた】
【いや。気付くのが遅かっただけで、それは佳乃の二撃目よりも速く既に刺さっていたのか】
【息の抜けるような声――後に、轟沈。そう表現できるほどの音をたて、キルフェは崩れ落ちる】

【それと同時に、彼女を包むような魔法陣が展開されて、その身はどこかへ消えていった】
【しかし柊も佳乃も確信するだろう。あの半魔は確実に倒した=\――と。】


【―――遠くでは、まだ魔の気配が渦巻いている。けれども、一先ず二人の戦いはこれで終わり】
【時期にもう一方のそれも片付くはずだと、そう願うしか無いが――あぁ、自警団の救助隊が近づいてくる】
【相手が一人で、遺骸も無い。だから充足感は少ないかもしれないが――――二人の勇士は、その魔を討った。これは、揺るぎようのない事実であった。】

/これにて、グループUの皆様はイベント終了となります
/柊さんの方、佳乃さんの方、本当にお付き合い有難うございましたっ!
/報酬などは後々こちらでまとめますので、どうぞお休みになって下さいませー
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/08(土) 02:09:13.49 ID:vJtFSc1F0
>>876

「あら、まぁ酷い。口説いておいてつまらないだなんて」

【1つため息を吐くと、額に押さえていた冷や汗が浮かぶ】

(捉えどころがないわね。呪術まで使っておいて、こっちが靡いたら身を引くなんて)

(まるで亡霊・・・)

「ふふっ、ますます嫌いじゃないわ」

【セシルが身を引いたのを見るとヒルコはほぅとため息を吐く】
【しかし良い剣と言われた時表情が強張る】

『アナタに言われなくても、ちゃんと送り届けますよ』

【セシルが見送った後】
【野槌とヒルコは呆然と立ち尽くすが、ヒルコがポツリと呟く】

『これからどうしますか?』

「フィールドワークを続けるわ、サンプルもまだ手に入ってないし。
 あとこの骨董品の山は機関のお土産にでもしましょう。貧乏性として捨て置けないわ」

『しかし、お酒を召しているのでは?』

「こんなの飲んだうちに入らないわ」

【ヒルコは再びアタッシュケースを持つと】
【野槌はふいと顔を向ける】

「娘さん、ご愁傷様ね」

『え? どうしてですか』

「経験上ね、ああいう男は人を不幸に引きずり込む才能がある。
 多分娘さん、まともな幸せなんて手に入らないわよ」

【野槌は白衣を翻し、セシルとは逆の方向へ歩き出すと】
【ヒルコもそれに続いて追いかけて行った】


/お疲れ様でした! &ありがとうございました!
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 02:10:40.82 ID:ZOTTgjyS0
>>875
「能力者の研究なんて、何故自ら命を縮める様な事をするです?
ましてや路地裏。“まともじゃない”輩もぞろぞろ居る場所なのです
アレです。お前はストレッチャーでは無く悪巨漢に轢かれれば良いのです」

【語る言葉は、まるで何時の日か路地裏へと訪れた事がある様なもの】
【其処で生き延びるには、女性のようにボディガードを付けるか……或いは、己の実力が中々に伴っていなければいけない事だろう】
【尊大な性格。少女に着いてくるなんて、それこそ“従者”しか居ない筈。ともなれば、従者の実力がそれなりだったのか――――それとも、少女自身が力を得ていたのか】


「厳密に言えば少し異なるですが、そんな風に解釈すれば良いのです

……賢明な判断です、ピオネル
お前がいきなり親しそうに名前を呼んだらどうしてやろうかと考えて居た所です」

【女性が取りに行っている間、テーブルに突っ伏したり頬杖を着いたり】
【見てくる人々に対しては、猛犬の如く噛み付いていたが――――それも、女性が戻ってきた頃には収まって】


「……魔術が主ですが、強いて言うならば月光です
広い闇を裂く光。其れが私の扱う能力なのです
――――丁度良く、刻も夜。ピオネル、お前が身を以て体験したいというのならば止めはしないのです
幸いにも此処は病院。四肢が千切れても首が取れない限りは死ぬ事は無いはずなのです」

【――――月の光。少女が言うように、闇を裂く光を使役するとなれば……攻撃的な能力だと想像出来るだろうか】
【上品にナイフとフォークでホットケーキを切れば、其れを口に運びつつ答えて】
【……幾らか食べ終わった頃だろうか。人差し指を立てれば、其処に集うのは“光”】
【固めていない故、触れても怪我をすると言う事は無いだろうけど】
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 02:12:18.85 ID:kmraCCMbo
>>881
/お疲れ様でしたー! 今ちょっと眠気がキてるので
/こちらの〆は明日改めて落とします、それではありがとう御座いました!
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/08(土) 02:32:48.76 ID:paRk7GlFo
>>882

まあ確かに、路地裏で能力者探しなんて命の危険もあります
この前も路地裏で会った優しい能力者の人に注意されましたし……
護衛がいるから絶対安全とも言えませんからね

【ですが、と女性はニコッと笑みを浮かべ】

これが私の趣味であり生き甲斐であり人生そのものなんです
命の危険くらいで研究をやめるわけにはいきません

【広い闇を裂く光】
【説明は抽象的だったが、少女の指に集う光≠】
【目に焼き付けるようにじっと見つめる】

死ぬことはない、ですか
なら良かった

【少女の言葉がどこまで本当か、或いは本当に四肢が千切れるかもしれない】
【だがピオネルは、能力を体験するチャンスを「危険」という理由で避けることはしない】
【まるで抱擁を促すかのように両手を広げ、来いと言う意思表示をする】

是非、身を持って体験させてください
……周りの方に被害は出さないようにおねがいしますね

【顔は笑みを浮かべたままだが、その灰色の瞳は正面の少女をしっかりと見据えていて】
【彼女の異様な「覚悟」を、ゴーリェはどう受けるのか――】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/08(土) 02:41:17.81 ID:3cV/o2s9o
>>877

ヒャハハハ、――やァはりテメェーは勘が鋭いな、糞が
そォーだ、今のは俺様の能力の"一つ"――融合……俺様の使ィ役する魔物の力を俺様が使える上に、可ァ逆性がある、超便利な能力よ

【着地方法は、地滑り】 【――炎の勢いを利用し減速し、そのまま地面にへと突入したのだ】
【これにより、狂死郎との距離も少し離れただろうか】

……! グ、グゥゥエエアアッホアッホッ!
あァ……畜生が、骨がバァッキバキに砕けてやがる、内臓もいィかれてるな
幾ら俺様が超強ェ悪魔とは言え……ファッキン天使共のせいで"殻"が"また必要に"なっちまったからな……糞がッ

【着地の後、急に咳き込んだかと思えば、吐き出すのは血】
【柱に押しつぶされた時に、幾らエネルギーを砕いてやり過ごしたとはいえ――ダメージはかなりのモノだった】

テメェーはマジで気に入らねェ、――が、今は肉体の形成時期故に人間形態
その上その形態でパッスキフープを作っちまったせいで魔力も不足気味だ……
――俺様の本気を見ィたかったらなァ、別の日に会ァいに来なッ! 例え、こォんな狭っ苦しい所でもそォれに適応した奴をじァゃんじゃんおォ見舞いしてやろう

【地滑りで着地したということは、脚部による着地ができなかったということでもある】
【つまり】 【回避力が格段に低下した状態、とも言える】

【――魔法陣からいずる闇、そしてそれが形なすのは"身長2m超で、4本腕のゴリラ"だ】
【ゴリラが捕らえるのは、倒れこむ柱】 【どうやら特殊能力はないものの、パワーがとても高いようで――もし可能であれば、そのまま柱を背後に放り投げようとするだろう】

【闇はもう一つあった】 【それが形なすのは、屋根付きバイクと潜水艦、鳥を合わせたかのような奇妙な生き物――というより、乗り物と言ったほうが正しいか】
【悪魔は、無理矢理その乗り物に乗り込むと、狂死郎に向けてそのバイクごと突進してくる】
【威力はおおよそ、バイクどおり】 【――成功失敗問わず、ゴリラは闇になり魔法陣へ戻り、悪魔はバイクでどこかに飛び去っていくだろう】
【瀕死の元浮浪者を残して――】
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/06/08(土) 02:45:21.49 ID:I5drSZZdo
>>878-879


  ――デートぉ?ふふっ、キライじゃないよ。キミみたいな積極的な子も、ね
  でも、私は今彼≠フ方が大事で……下品な人は好みじゃないんだよねぇ
  
  私は悪魔と淫魔の間の子……、…今じゃあそれも不確かな生き物だけどさぁ
  好みは、何も知らない子をオトす事。だから、もう知ってる$lは要らないの
  ……お話は終わり?それじゃあ最後までイッてみようか、ハンサムくん―――ッ!


【――キングの放つ圧倒的な魔力が、奔流と衝突して車両を吹き飛ばし、通りを破壊してゆく中】
【半魔二人は。明らかに姉弟ではない彼女と彼は、各々違った思いからか笑っていた】

【姉の――リリア。そう、テレビで散々に自己アピールをしていたから、キングも知らぬ顔では有るまい】
【彼女はどこか自信に満ち溢れた面白みの在る表情。奔流の行く末よりも、キングを見ていた】
【面白い。中々出会える存在ではない―――が、ここで殺さねばならないのもまた宿命か】

【そんな事を考えるリリアを見て、また弟のウォルも自信を与えられたかのような笑みを浮かべる】
【死なずにすむ。いつも頼りになる自慢の人。そういう思いからくる口角の釣り上がりだった】

【―――直後、魔人化した相手の超大口径擲榴弾がこちらに向かって飛来する】
【ウォルは思わず身を引いたがリリアは違った。むしろ一歩前に出て】
【そして弟≠守るように、両手を広げて正面から魔弾を受けて、立った】


   ――まぁ、相手が悪いよねぇ。何せ私、炎に関しては超が付くプロだよぉ?
   マグマに、宝玉。古龍の力と……あぁそれに、獄炎も少し複製したかな

   それだけ受け入れてるとねぇ?さすがにもう、爆発なんて怖くもなくてさ
   キミの努力を叩き潰すようで悪いけど……私相手には効かないんだよねぇ、今の
   ……まっ、結構刺激的だったのは認めてあげる。大きいのは良いもんねぇ……っ♪


【言葉の通り―――爆炎が晴れて、そこには肌を上気させて汗を払うリリアの姿】
【彼女と、その背後だけは無事だった。他の路面はといえば、最早荒地と何ら変わらず】

【――その折、通りの北端からなにかうめき声のようなものが聞こえたように思う】
【リリアはふとそちらを振り向き、ウォルも倣った。僅かな時が流れ、再度リリアは向き直り】
【榴弾を受けた胸元をなぞるようにして鱗を復活させながら、悪戯に赤い舌を出して】


   ……じゃあ悪いけど、私はこれで失礼するよ?六罪王って、結構忙しいからさぁ
   デートは気が向いたらまた、ねぇ?ふふっ、またねぇ……おいで、弟クン――。


【潜水服の弟を連れて、リリアは魔法陣を創りだしてそこに溶けるように消えていく】
【去り際、手を振り―――ウォルもまた、誘われる形で壊れた潜水服ごと姿を消す】

【―――それが、終わり。後には何も残らず、思えば襲撃の目的は何だったのか】
【そんなことすらも判明しないままに、漠々とした荒地がただ広がり】
【キングが暫く此処に残るのであればだが―――自警団の1隊が訪れて、事件の収束を知らせることになるだろう。】

/と、いった所でグループTも終了です!
/深夜帯までのお付き合い、ありがとうございました!報酬や
/後日談的なモノに関しては前述通りこちらでまとめますので…お疲れ様でしたー!
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 02:49:00.05 ID:ZOTTgjyS0
>>884

「ならば、その能力者に感謝するのです
もしかしたら今頃霊安室でお前と対面していた可能性もあるのです」

【――――光を収めようとしたその刹那】
【“覚悟”の言葉を聞けば、きょとんとした表情を向けるのだろう】
【少女の頭の中では、ピオネルが辞退するというシナリオを思い描いていたのだろう】
【想像よりも遙かに大きな覚悟。其れを感じたからこそ、そんな表情が浮かんでしまって】


「――――言葉を付け加えるのです
お前が動くことが無ければ、死ぬ事は先ず無いと約束するのですよ」

【にぃ、と不敵に笑えば光を宿したまま腕を振るうのだろう】
【女性の足元から天井に向かって上るのは、まさに光の嵐――――なんて優しい物では無く】
【触れれば肌を鋭く裂く、強い力。加減をして居るのか、誤って長く触れても、切断される事は無いだろうが】
【広げていた掌。握れば威力を増して、照明の下であっても目が痛くなる位には輝くのだろう】

【――――それでも、辺りに光刺激以外全く被害が出ていない事を見れば、ある程度は精密操作が可能なのか】
【もう一度腕を奮えば月光の魔力も失せていき】
【やがては先程までと何ら変わりの無い食堂。唯一変わって所と言えば――――女性の周りの床に無数の傷が生じている事か】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/06/08(土) 02:52:41.59 ID:wTpDX/c5o
>>880

はぁ、はぁ…………。

【全力で撃ち切ったその奥義は確かにキルフェを捉えて、彼女の口から迸る血がその効力を証明していた】
【崩れ落ちるケンタウロスの異形が、不可思議な魔法陣に呑まれて消えていくも、それをどうこう出来るほど自身にも余裕はなくて】
【二度の強い衝撃を受けてびりびりと痺れる両手をだらりと下げると、緊張を解いて、乱れた息を整える】
【それが終われば――――】

…………白刃龍紋流、捌の太刀――――『八卦』。

【くるりと転身すると、負傷した柊の方へ駆け寄っていって、その怪我の程度を確認する】
【そして彼女が、特に抵抗しなければ――――その奥義の名を小さく呟いて、彼女の腹部へ左手を当てるだろう】
【第八の奥義『八卦』は、先程の『八重光楔』のパーツとして使ったうちの一つ、"神気を浸透させる"奥義だ】
【そして、神気は妖魔相手だと"浄化"の力を発揮するが、逆に普通の生物相手なら"治癒"の効果を発揮する特性を持つ】
【傷口付近に神気を浸透させることで、自然治癒力の活性化を促す…………要するに、佳乃は柊を治療しようとしているのだった】

【それが無事終わったなら、胸ポケットから新しい"符"を取り出すだろう。それには墨で描かれた紋様に"木"の漢字が刻まれて】
【治癒能力を持つ符だ。軽い痛み止めと止血の効果を持つそれを、最後に傷口に貼り付けて発動させると、応急処置は終わる】

……………、……………。

なかなかの腕ね、あなた…………いつか手合わせしてみたいものだわ。

………、じゃなくて。
……………あなたのおかげよ、柊………………ありがとう。

【…………しばらくの間、佳乃は何か言いあぐねるようにして迷っていたが、ようやく口を開いて】
【相変わらずの口調で剣筋を褒めるようなことを言うが、それが今本当に言いたいことではないのは、自覚していた】
【それからやはり、たっぷり数十秒迷った後――――佳乃は素直に、感謝を告げる】
【自分のためにこれだけの怪我を負った相手に、謝るのではなく感謝を送ったのは、別に照れ隠しではない、それが適切だと思ってのことだ】
【…………本当の照れ隠し、というのは。顔を見られないようわざわざそっぽを向いてることの方を、言うのだ――――】

【二人の少女が力を合わせ、刃を併せて駆け抜けた今宵の戦いも、これにて終幕】
【佳乃はそれ以降、自分からは何も言うことはなかったが――――ただ、柊の近くにいて】
【体に残る痛みを堪えながら、自警団の救助隊を待つだろう】

/主催者様ならびに柊の方、お疲れさまでした!楽しかったです!
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/08(土) 03:02:08.85 ID:enelhcj90
>>885
―――ってやっぱり逃げるのかい!?そういう判断も僕と同じだなんて……
君、もしかして僕の心の闇が創り出した幻影って奴なのかい?

【自分の予想―――と言っても仮に自分が悪魔の立場であったのなら、と言う考えが見事に的中したのか】
【狂死郎は驚愕の表情を浮かべながら、手にした茶色の符を地面へと放る】
【符が地面へと到達した瞬間、召喚陣が展開されるが―――何も“召喚”される気配がない】

―――見事な負け惜しみの台詞ありがとう……今後の参考にさせて頂くとしよう!!
ついでに僕も一つ負け惜しみを―――正直僕、数日前酷くやられて体ボロボロだったんだよね

【悪魔の台詞に皮肉を言いつつ、狂死郎も冗談らしく返す―――最も、真実と言えば真実なのだが】

まぁ今の僕は正直余裕が無いから追いかけたりはしないけど……これだけはハッキリと言っておこうかな?
次に会った時は君を完膚なきまで叩きのめすための魔族を“作って”披露してあげるよ!!

【狂死郎がそう口にした瞬間、バイクが命中する寸前に―――狂死郎の姿は召喚陣の光と共に消えていった】
【同時にゴリラが放り投げようとした柱もボン、という音を立てて消滅し、やがて召喚陣もゆっくりと消えていくことだろう】
【狂死郎が戦闘中に使った符もその全てがいつの間にか消え失せ、戦闘の痕跡は血と破壊と瀕死の元浮浪者だけになるだろう】

/長い時間お疲れ様でした!!ありがとうございます!!
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/06/08(土) 03:12:40.55 ID:Akq4+Ycjo
>>886

『――だろう?よくわかってるじゃないか、俺もアンタみたいな見るからにビッチな感じの女の子、大好物なんだ。』

『けどそうだな―――ふむ、生憎其方に夢中になれる男がいるんじゃしゃーない、そういう女は落としても後が面倒、ってな。』

『それに下品なのは苦手、だって?男なんて大抵は胸の底じゃ下品なことしか考えてない生きモンだぜ、よく知ってるだろ。』

『ま――でも純粋無垢なのが好みなんじゃ俺とは合わないな、俺は女の事なら隅から隅まで知り尽くしてるスーパーハンサム、だぜ!』

【――全力であった。魔界から降りてきて早々に、魔人化を使用する羽目になるとは思わなかったし、キングは本気で戦っていた。】
【だからこそ、こんな状況で笑みを浮かべている二匹の半魔は恐怖そのものであり――キングの視線は若干、鋭くなった。】
【とてもではないが油断できる相手ではない。軽口を叩けるのも此処が限界――精霊の力は高まる。そして最後の一撃が決まり――】

【――――決まり、終わる筈だった。しかし何も終わっていないどころか】

【リリアも、そしてウォルも――無事であった。まさか、とキングは驚愕する。傷一つつかないとは――なんという、耐久力か。】

『――オイ、オイ・・・冗談だろ?火力特化のイフリートですら"コレ"かよ・・・ッ!!』

『幾ら炎に耐性があるって言ったって、一体どれ程までの力を重ねりゃそんなタフネスが身につくんだ・・・ッ!』

『・・・なるほどな、"姉貴"の方はどうやらガチらしいじゃねえか。面白い、気に入ったぜ。・・・最も、俺もここいらが限界みたいだがな。』

【無傷といっても過言ではない。もはや炎属性による攻撃では仕留められないとも言える様な状況――次なる手を考える必要が在る。】
【かといって属性を変えて再びの魔人化、とはいかない。少なくとも現在は魔力の消費が激しすぎるし、なにより怪我が重い。】
【半魔であるからには放って置けば治るが、それでも継戦は不可能なレベルである。血を流しすぎてしまった。】
【汗を拭うように灰を払うその姿に、キングは少なからず絶望感と――そして湧き上がるスリルを感じ取っていた。】

【―――面白い。地上にここまで強い魔の眷属が存在するとは、思ってもいなかったのだ。】
【なるほど、サタンが警戒していた魔の波動はこの者たちが放っているのか、と――ピースが繋がり。】

【身構えた、しかしその次の瞬間にはもう、二人の姿は消えていて――ふぅ、とキングは息を吐く。】
【炎の勢いが下がっていき。やがて彼の肉体は炎から解放され――先程までの疲れた男が姿を現した。】

――"また"、か。そりゃ嬉しいもんだね、予約が取れるとは思わなんだ。しっかしまあ――なんつーか、とんでもねーのが出てきたな。
クリムゾンやら、パラグラやらで大騒ぎしてたのがアホらしく思えてくるぜ――・・・ったく、まさか同類を撃つ羽目になるなんてな。
一体なんだ?何が目的なんだ。まるでわかりゃしねえ、こりゃあガサを入れる必要が在るな。

とりあえずセリーナに連絡でも――・・・あ?もしもし?俺だよ、俺!よう、久しぶりだななんかすっげー疲れた声だが――・・・
はぁ!?入院だぁ!?ばっ、おめーUTはどうしたんだよ!店の方には知らせてあるって、オイオイ大丈夫なのか?
――・・・どうせまた鉄火場に突っ込んで無茶しやがったんだろ?ったく。今から見舞いついでに向かってやる、どこの病院――
アンジェルと同じところ!?なんだよそうだったのか、分かった。それと――聞きたい事があるんだが――

――最近、この世界は悪魔に襲撃されるのがトレンドなのか?

【誰かに連絡を取りながら。キングは来たときと同じように、ハーレーへと跨り――その場を去っていく。】
【ぐつぐつと煮立った水路の水がやがて静まる頃には――自警団員達が到着しても、残るのは激しい戦闘の跡、のみだった。】

/っと、お疲れ様でした!今夜はありがとうございます!
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/08(土) 03:13:44.73 ID:paRk7GlFo
>>887

ふふ、それはありがたい

【足元から立ち上る光】
【能力のすべてを観察せん、と見開いていた瞳だが】
【あまりにも強烈な閃光に眼を閉じてしまう】

……!

【光が収まった頃、眼を開ける】

私は無傷……ですが

【周りの床につく無数の傷跡】
【あの光に切り刻まれたことを物語っていた】

なるほど、これが人に向けば「すべて塵にする」というのも誇張ではなくなりそうですね

【傷のついた床を眺めたり触ってみたりした後】
【黒いタブレットにタッチペンで何かを書き込み】
【タブレットのカメラ機能で床の写真を何枚か撮る】

どうも、貴重な体験をさせていただきありがとうございます
……さて、もっとお話ししたいのは山々なのですが、これ以上は厳しそうですね

【周囲を見渡すと、辺りの人々の視線がすべて2人のいる席へと集まっている】
【あれだけの光、当然である】
【魔力も霊力も持たないピオネルにも感じられるほどの「力」】
【それらに長けている者たちがいるとすれば、遠くからでも気づくのではないだろうか】

騒ぎが大きくなる前に行きましょう
とりあえず、エントランスあたりまでお送りしますね

【少女が拒まなければピオネルは再び車椅子を押し、足早にその場を後にするだろう】
【そして、エントランスにたどり着く】

私の護衛もそろそろ来るころだと思います
こんなことしたのを観られたら、また怒られちゃいますから、この場でお別れしましょう
貴女の従者さんにも心配かけたくありませんからね

そうそうこれ、良かったらどうぞ。さっき一緒に買っておきました

【ピオネルが手渡そうとするのは、先ほどの食堂の食券――の束】
【一通りのメニューが、数回分揃っている】

まあ、使うのは騒ぎが収まってからの方がいいでしょうけど

では、私はこれにて。もしまた会ったら、従者さんの能力も教えてほしいですね
能力者だったら、ですが

【ぺこりと頭を下げ、角の生えた少女に別れを告げ】
【女性は去って行った】


/乙でしたーありがとうございました!
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/08(土) 03:19:58.37 ID:3cV/o2s9o
>>889

あァ、糞が――どォこまでも癪に触る野ァ郎だッ!
だァが、こォれだけは確実に言ィえる――俺様の能力のほうが、強いということがなァァアアッ!!
幾ら"作ろう"と……俺様の力には敵わねェだろォーよ

【と、まあ……逃げながら言うセリフではないのだが、少なくとも力だけは本物だ】
【ただ、扱い方がイマイチ良くないだけであって……】

……ちィ、あァの糞野郎のせいでまァーた不ゥ安定になっちまった
そォれは、こォの糞不味い空気に悪魔形態で触れられる位まで治す時間が伸びたっつゥー事でな……

……次会った時が、テメェーの最期だッ!! 糞がァァアアーーッ!!

【空を駆ける悪魔のバイク、そこから聞こえる叫びは負け惜しみと言っても差し支えなく】
【"治したいなら家で大人しくすれば良いじゃない"――そんな声は、悪魔にはけっして届くことはない】
【秩序が凍て付いた存在であるならば、混沌は燃え盛る存在である。この悪魔は、常に動いていなければ、落ち着かない質なのだ】


「あ……あァ……誰か……」

【そして、残された浮浪者だった者は――その姿故に、たまたま通りかかる"希望"と成り得る存在に見放され】
【最終的に、複数の野良犬の血肉として生きることとなった――"パッスキフープ"、あの時抱いた希望は、ひとときの間にしか存在しなかった】

/お疲れ様でしたー、遅レスで申し訳ありませんでした
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/06/08(土) 03:31:04.72 ID:OBMmocqD0
>>880>>888

【最後の一撃を消した手応え。今度こそ鎧を貫いた其れは、共闘者と勝ち取るそれを完全なる勝利とするための手向けの様】

っ……けほっ、く……ぅ……!

………残念だけど、そう簡単に死ねる命は持ち合わせてないのよ。

だから……これが結末よ。
勝ったのは私で、佳乃――――――……完全に白黒ついた、わね……。

【無理矢理に立たせた躰、キルフェを射抜く橡色の瞳。無に近い表情は氷のよう。この結末に相応しく、剣士としての顔で紡いだ。】
【崩れ落ちる肢体と魔法陣を観ても、傷を隠す様な、“強さ” を纏った其れは変わらず――――】
【だがその終わりを見届けて、今宵の共闘者と向かい合えば】
【文字通り氷の解ける様に、その冷徹な表情は崩れ去って】

……貴女は平気?
どう見ても無事な私と違って、何度もあの大斧と打ち合ったみたいだけど―――――

……ふふっ、随分といい得物を使ってるのね。それなら……大丈夫なのかしら。

【決定打を放った勝者たる佳乃に、穏やかな表情で声を掛けるのだろう】

【何処までも余裕を声に浮かべて。けれどもあの一撃をまともに受けて、言葉通り無事で済む筈もなく】
【……意地っ張り。そんな言葉がよく似合う、“彼女らしい” 、強がりな言葉だった】
【“心配しないで” だとか、“怪我は平気なのか” だとか。きっとそんなことを言いたいのだろうが、それも伝わるかどうか……。】

(…………?――――――――)

【そして歩み寄る佳乃を不思議そうに見つめて。神気による腹部の治療―――― すっと痛みの退く感覚がそれを伝えた】
【瞳には微かな驚きを浮かべながらも沈黙に応じて。その末の言葉に、返す言葉をまた捜して/沈黙、】

……どういたしまして。いや、違うわね―――――
……、…………。

……ありがとう、私こそあなたに助けられた。
同じ言葉じゃ芸がないけど、それは――――――……まぁ、仕方がないことなのよ。

“いつかまた”、逢えたなら私は楽しみだけど……。

【やがて同じ言葉、“ありがとう” と其れを紡げば】
【どこか似た彼女が可笑しいのかまた笑って。まるで言葉遊びでも楽しむ様に、そんな響きを残す筈だ】

【未だ少しだけ視界が霞む。遠ざかってゆく魔力を感じるが、追撃も干渉ももはや不可能で―――――】
【……だが、守り切れたのは確かだった。人々は、平穏は。戦闘の規模からは不思議なほどに、フルーソの市民への被害はなかった。】

【ならば今は “他” の感情は封じようか―――― 眠りに落ちる静けさの様に、柊は、凪いだこの瞬間を“ふたり” と感じていた。】

/長時間お疲れ様でした……! 久々の共闘&連携、凄く楽しかったです……! ありがとうございましたっ!
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 03:34:04.05 ID:ZOTTgjyS0
>>891
「ふん、さっきのジュースといい中々に気が利くのですねお前は
これからもずっと路地裏に入るのだとしたら、無残に死なないよう祈っておいてやるのです」

【最後の最後まで尊大な口調を絶やすことは無く】
【けれどもその背中にはしっかりと手を振って見送れば、背もたれにしっかりと腰を落ち着け】
【――――女性の推測は正しかったようで、暫く後に何人かの能力者が少女の元を訪れるけれど】


「……想像以上に遅かったのです
一体何処まで行ってきたのです。お前は」

【顔を隠す様な仮面を被った人物がその者達を押し退ければ、少女の車椅子を押して】
【――――背中に生える翼。所々赤い染みが出来ているけれど気にした様子も無く】
【又、看護師達も見て見ぬ振りをするのだから――――――】

/お疲れ様でありました!
/お休みなさいませですよー!
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/08(土) 21:48:17.87 ID:8bRM/m+Ro
【どこかの国 公園】

あ〜……痛ててて……
年取るとどうにも疲れが取れにくくて困るぜ、まったくよ

【静まり返った夜の公園に、壮年から老年頃と思われる男性の声が鳴る】
【その声の主はベンチに座り、自身の手で腰をトントンと叩いていた】

【2mを超える大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【傍に立てかけるようにして螺旋の金属飾りのついた長い木杖を携えたその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】

しかしまぁ、動けるようになったなら仕事探さねえとな
姫さんの将来を考えると金は幾らあっても足りやしねえやな

さぁてと……

【虎人は、懐からメガネを取り出し鼻に引っ掛けると】
【チカチカと点滅する街灯の下で求人誌を広げ吟味し始めた】

【人気の少ない公園だ、もし通りかかる者がいたならば】
【気配に敏感な虎人は恐らく、そちらへと興味を示すだろうか】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/08(土) 23:03:14.48 ID:ZOTTgjyS0

【山の麓――――岩々に囲まれた場所にある、一つの秘湯】
【語り広められる事も無い其処は、訪れる者も少なくて】
【――そんな場であっても、今宵は入浴者が居るのか、時折響く水の音】


「ふぅ……今日も、何とか……なりました……けど……
やっぱり……お姉ちゃんは見つからず、ですね……」

【綺麗に畳まれた巫女の服が、一つの岩の上に置かれていて】
【其れを見れば、現在入浴している者の性別は疎か、職業も知れる事だろう】
【湯煙故に身体は見えないけれど――――落胆したような顔。そして金色の尾と尻尾が見れるだろうか】


「折角、今日一日だけ許された外出……守女も居ない事ですし、ヒトガタで無く自分で見つけたかったのですが……
何処に……居るんでしょう……」

【ぶくぶくと沈ませていく顔。その表情は、何処か不安げで】
【そのまま、チャポンと頭のてっぺんまで沈めてしまうけれど】
【ふんわりとした尻尾が、ゆらゆら揺れて、水面から出された耳が動いている所を見れば警戒を怠っていない事が分かるであろう】
【辺りに漂うのは妖気。即ち妖狐の気だけれど、それに惹かれる者は居るのだろうか】







【人々の喧噪が遠く聞こえる路地裏――――】
【其処に在るのは蹲って呻く数人の者達と冷たい表情で見下ろす一人の少女の姿】
【紅の髪に紅のドレス。肌以外全て朱に染まった少女であって――――】


「……別に殺しはしないわよ。今日は
逃げたければさっさと逃げれば良いし、あなた達の言うボスにでも泣きつきたいなら勝手にそうすば良いじゃない
たった一人。それもこんな小さな女にやられた何て恥ずかしい事を言えるならだけど」

【鼻で笑えば、未だ反抗的な視線を送る男の存在に気付いて】
【――――バキリ。其れは鼻の軟骨が折れた音か、或いは頬骨が砕けた音か】
【いずれにしても、男の顔の何処かが壊れてしまった事に違いは無く】


「ばっかじゃないの?弱いのに、力も無いのにそうやって虚勢ばっかり張っちゃって
だから必要以上に痛めつけられるのよバ〜カ」

【きっと、その音は存外響いたはず】
【更には呻き声。冷たく言い放たれる言葉は路地裏にはよく通る物で】
【さて――――此処を通る者は一体何を思うだろうか】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 00:11:54.06 ID:7lygEYluo
>>896
/まだおりますか?
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 00:14:00.14 ID:7kTfgsXG0
>>897
/居ますよ―!
/ただ、長時間は厳しいかもしれませぬ!
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 00:32:17.35 ID:7lygEYluo
>>896
───こりゃあ驚いた、湯煙に紛れて何かがいると思いきやぁ…

【───ふと響いた人の声、湯に染み渡るようにとろりと流れる】
【湯煙の向こうにぼんやりと浮かんだ人影が、声の主か】

妖狐が一匹、尻尾は一つ…ゆっくり風呂に浸かってらぁ
このまま捌けばそのまま鍋にして喰えるかネェ…

【不穏な言葉、面白がるようなからかうような口調】
【湯煙が道を開けるようにそこだけ晴れて、湯に浸からず岩にしゃがみ込む姿が顕になる】

【水色の着流し、下駄履き、白髪のポニーテール、前髪で左眼を隠した青年である】
【首に白いマフラーを巻き、腰には帯刀、眠そうな半開きの目で口にはゲソの干物を咥えている】

【…その目線はまっすぐ少女に向けられていて───まぁ、恥ずかしがる様子も後ろめたい様子もない】
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 00:50:32.26 ID:7kTfgsXG0
>>899
【ピクピクと動く耳。新たな来訪者の声を聞けば、両方揃えてそちらへと向けられて】
【――――不運にも、続いた言葉を聞くのは水面から顔を出した頃】
【不安げな表情に拍車が掛かるのは、そう時間を要さないだろう】


「ひゃっ……?!わ、私を食べたって美味しくないです……!
交じり者ですし、それに、それにきっとお肉も美味しくないですから……
た、食べないで下さい……!」

【幸いにして、湯は濃い乳白色】
【其れ故に少女――――肉付き良い妖狐の身体が透けて見えるような事は無いけれど】
【妖怪にしては、何処か人間染みた反応。好戦的に返すのでは無く、慌てた様に両手をパタパタと振れば自分は美味しくないぞ。と主張して】


「お姉ちゃんだってまだ見つけれてないですから……
だ、だから食べちゃ駄目です!」

【続けて、更に理由を重ねて】
【――――どちらかと言えば、自分が美味しくない云々よりもこちらが主な理由なのだろうか】
【念を押すように言うけれど、その視線はやはり不安を隠せなくて】
【じっと見返すことが出来たのも数秒だけ。後はおどおどとしてしまって、視線も下がるのだろう】
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 01:14:25.05 ID:7lygEYluo
>>900
くっくっく…そいつぁどうか…手前の味なんか手前じゃあ知り様がねぇからなぁ
案外混じり物だから美味ぇかもしれねぇぜ?

【ゆらり、立ち上がり、ニヤニヤと愉快だと笑みを浮かべて、不安を煽る】
【普通であるならこんな状況、ラッキーだったり不幸だったり、とにかくラブでコメディな状況でもあるだろうが】
【そこがこの男のおかしい所、少女が裸で湯に浸かっている事よりも、注目するのは妖であるという事】

…姉かい、狐の姉さんネェ……
尻尾の数は二つか三つか…いやはや、是非ともオイラもお目にかかりてぇもんだ

【姉≠ニ聞いて思い浮かべるは、その格式高さ、狐は尻尾の数で強さが決まると聞く】
【位の高い妖狐なら、それこそ見てみたい物だと、右手を顎にやり呟いた】

天狗の坊主に狐の嬢ちゃん…どいつもこいつも牙剥いてきてくれやしねぇか
…まぁいいかい、狐鍋摘みに血塗れ温泉でひとり酒って気分でもねぇか

【嘆いたのは、少々の拍子抜けについて───妖気を辿って来てみたものの、会う妖怪は皆人間らしくて、人間らしすぎて】
【理性を無くし暴れまわり、人を一目見れば喰おうとするような奴を期待していた…というのも彼の勝手だが】
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 01:36:26.15 ID:7kTfgsXG0
>>901
「そ、それは確かにそうです……けど……
でも、私は絶対に美味しくないです……!」

【立ち上がったのならば、警戒を一層強め、水面に波紋を生じさせながらも数歩下がるのだろう】
【後ろを警戒する余裕も無く、そして――――滑りやすい底の石。つるんと滑れば、これまた豪快に引っ繰り返って】
【青年の所まで暖かな湯が飛沫する事になろうか】


「…………ぷはっ!
私のお姉ちゃんは……ちゃんとした人間で……私みたいに、尻尾も耳もありません……
それに、純粋な巫女ですから……私なんかとは全然違くて……」

【ブルブルと犬の様に顔を振って水気を飛ばせば、きっと青年には期待はずれな言葉】
【けれども、考え様によっては――――妖狐が“姉”と呼び慕う存在。下手な妖怪よりも力を得ている事だろう】
【申し訳なさ気と言うよりも自分が異端と解しているからこそ、何処か暗い雰囲気で話して】
【少し顔を沈めれば、姉を妬むようにブクブクと泡を吐く】


「……?天狗さんが大人しいなんて珍しいですね……私が会った天狗さんは乱暴者で苦労しました……けど……
ち、血塗れ……っ!
……本当に私を捌いて食べようとしてたのですか……?」

【向けるのは、勿論非難の視線】
【語るのは、今まで自分が“巫女として”接してきた天狗達】
【全てが全て乱暴者。そして妖怪である自分にだって遠慮無く暴力を振るってきていたから――――】
【だからこそ、青年の言う天狗には目を丸くして見せた】
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 02:10:12.82 ID:7lygEYluo
>>902
【狂言に恐れ慄く少々が、後方不注意でずっこけて、散弾のように飛び散る水滴達】
【素早く飛び跳ね、その足場自体から飛び退いて、お湯からの難を逃れる】
【カカッと下駄を鳴らして着地したのは、先程よりも少女に近い場所】

…なんだ、人間かい…そいつぁ残ね…いや、人であっても強ぇ奴は強ぇわなぁ
ま、巫女なんざ斬っちまったら罰が当たるかねぇ
───構いやしねぇが、ネェ

【くっくっ、と喉を鳴らして笑う。妖であろうとなかろうと、結局の所は関係ない】
【ようは強い奴と、自分が満足する奴と戦いたい、彼の頭はそればかり】
【少女の気持ちは梅雨知らず、まだ見ぬ姉≠ノ期待を膨らませるばかりだ】

言ったろ、気分じゃねぇ、喰いやしねぇさ
…妖怪の闊歩すると噂の場所に行ってもみたが、オイラの見た天狗はあいつだけよ、力だけなら相当みてぇだったがなぁ
もっと牙と目をひん剥いて来てくれる奴ぁいねぇもんかネェ…

【非難の視線を笑って返し、嘘か本当か信じ難い言葉を二つ】
【妖怪を斬るのが生き甲斐でもない、ただの道楽に近い寄り道であるが、探しても中々いないとなれば欲しくなるのが人の性】
【腕組み上向き夢想して、くちゃくちゃと咥えたゲソを噛む】
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 02:31:22.83 ID:7kTfgsXG0
>>903
【何処までも、自信なさげな表情】
【下がった眉尻は、上がることを知らなそう――――だったのは、つい先程までの話】
【青年の語る言葉を聞けば、妖気が一際強くなって】
【少女の外見に訪れる変化。黒髪は毛先の方から金色へと染まり始め、やがては尻尾と同じ彩度へ移り変わる】
【――――獣染みて狭まった瞳孔。其れは、青年の姿だけを捉え】


「――――お姉ちゃんに、天鬼家に仇を為す存在となるのでしたら流石に黙ってはいられません
葬るとは言いませんが、数年の間は“眠って”いて貰います

…………あなたは何処までが嘘かは分かりませんし……えっと……もし、本気ならですが……」

【その言葉は、正しく一妖怪の言葉。ある意味では、我が強いと取れないことも無いか】
【伝える事だけ伝えれば、やがて辺りを包んでいた妖気も薄らいでいき】
【初めと同じ程に戻れば、残されるのは黒髪に戻り、不安そうな表情の少女だけ】
【外見は勿論、気配、表情、果てには威圧力すらも先とは全くの別】
【妖狐としての一面――――であろうか】


「……それなら……いいですけど……
妖怪を無闇矢鱈に殺すのは……いけないと思います……
あなたが何を考えて居るのかは分かりませんが……妖怪にだって人間と同じ様に……

櫻の国の小さな村なら……悪い妖怪に悩まされている所も多々有ると聞いていますが……
その、怪我をさせて良いのは本当に悪い妖怪だけだと……思います……」

【自分の考え。付け加えるのは、櫻の国での事】
【村々を荒らし回っている妖怪も居るので、その様なものを相手にしてみてはどうか――――と】

【背を向ければ、湯から上がって】
【木陰でいそいそと巫女の服を纏えば、再び姿を現す】
【どう見ても、一人の巫女――――けれど、金色の耳と尾。そして妖気がやはり純粋な其れでは無いと知らしめる】
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 03:03:30.78 ID:7lygEYluo
>>904
───くっくっく

【それ≠肌で感じ取ると、彼は喉を鳴らして笑う】
【半開きの隻眼が少女を見て、口角が上がった口元から歯並びが垣間見える】

いい顔出来んじゃぁねぇか、狐の嬢ちゃんよぉ…
くっくっく、何処までが本気、ネェ…
オイラは何処までも本気だし、何処までも冗談さ

…なんなら、今もう一度その気にさせてやってもいいぜ?

【感じ取った妖気は確かに本物であった、彼女がそれを見せなかっただけで、確かにそれは妖狐である】
【拍子抜けが一転、斬りたくなって来た───嘘か本当か分からない言葉を思わせ振りに吐きながら、左手を刀の鞘にかける】
【だが、僅かに鞘を押し上げただけで、直ぐに納めて、手を下ろし】

あぁ、勘違いはしちゃいけねぇさ、オイラは別に妖怪が嫌いでも、妖怪を斬るのが仕事でもねぇ
最近は中々イイ奴と巡り会えなくてなぁ…まぁ、繋ぎよ繋ぎ
ただの人間斬るよりか、ただの妖怪斬る方がまだ歯応えあるだろ?

【悪い、良い───そんな物は関係ない、そんな括りで相手は決めない】
【求めるのはただ一つ、強い奴を、満足出来るような相手を】
【別に妖怪を相手にしたいわけではない、ただの衝動をぶつける丁度いい相手に、自動販売機感覚に利用しているだけ】

【彼に善悪の境は無い、自らの望みと享楽の衝動によってのみ、動いている】
【ともすれば、下手な妖怪よりもよっぽど怪物じみていて───】
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 03:29:55.69 ID:7kTfgsXG0
>>905
「……やっぱり、よく分かりません
でも……これだけは、覚えていて下さい
あなたがもし“本気”なら、絶対に後悔させるという事を……」

【脅しを掛けてみたつもりだけれど、やはりつい先程と同じようには行かず】
【言うなれば、力を持たぬ子犬が精一杯吠えている程度】
【能がある故に爪を隠している――――という訳でも無いのだろうか】


「…………そんなの、可笑しいです
本当に、自分本位で……自警団に入って、悪い人を倒した方が絶対良いはずです……
ただ楽しいから、歯応えがあるから斬るなんて……」

【力試しとして妖怪に挑む人間が居るという話は、昔から耳にしている】
【けれど、享楽の為に妖怪を相手にするという話は――――】
【ギュッと唇を強く噛むけれど、強く言えないのは少女の性】
【だから、もう一度小さく「……可笑しいです」なんて紡いで】


「……あなたは、何時か痛い目に遭うと思います……
相手が人間か、妖怪かは分かりませんが……楽しみだけの為に傷付けるなんて……許しちゃ、駄目です
……だから…………きっと……」

【その言葉を最後に、懐から取り出すのは一枚の札】
【虚空で振るえば鹿のような一匹の妖怪が現れて、其れに跨がる事だろう】

【呪詛とは違うけれど、或いは其れに似た何か】
【――――自分の家族、友人を傷付けられればこの少女であっても怒る】
【そして、妖怪という同族を戯れに殺されれば、やはり良い感情を抱かないのだろう】
【何か言いたげな表情を見せるが、結局其れを明確に表現出来る言葉が見当たらなくて】
【小さく別れの挨拶を告げれば、妖怪に乗ったまま走り去る事だろうか】

/そろそろ良い時間になってきましたのでこれにて……!
/お疲れ様でしたー!お相手して頂き、有り難う御座いましたですよ!
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 03:52:25.63 ID:7lygEYluo
>>906
【───可笑しかろう、狂っていよう。この男は】
【確かに人の身であるはず、しかし思考は人のそれとは大きくかけ離れた利己的な物】
【何かを切っ掛けにそうなったのか、最初からそうだったか、今となっては自分でも分からない】

くっくっく、痛い目かい、いいネェ…どいつが合わせてくれるのか知らんが、楽しそうだ
嬢ちゃんか、嬢ちゃんの姉ちゃんか、または他の何かか…まぁ、斬れるならそれでいい

【否定はしない、少女の言い分に間違いはないから】
【その裏で、自分に間違いや疑問もない、ただ自分がそうであるからそうあるのみ】
【因果応報がいつか起こるとしても、それすらを享楽として見るような男だ、まともであるはずがない】

…止めて欲しいなら、やめさせてみな
オイラはいつでも待ってるぜ

【やがて湯煙に隠れ、彼の姿は見えなくなる】
【一匹の酔っ払った修羅は、今日も何処かへと、相手を求める───】

/お疲れ様でした
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 17:49:08.26 ID:eJ3OpNogo
【魔海近くの泉のほとり――】

……やァっぱりこォの辺の方が、そォの辺よりも別荘よりも治りが速いなァァアア
だァが……つゥまらん、こォの辺りに人間共は殆ど居ないからな、つゥまり、いたぶる対象がねェって事だ……

糞が、たァだでさえ肉体の再構成中だというのに、聖なる力まで受ゥけちまったからな、糞がッ!
あァ、全身が焼ァけるように痛い、糞が、……ゥゥフゥゥァァーーーーァックッ!

「ボ、ボス、落ち着いてくれ、……です」 「また傷が開くぞ、……ですよ」
『邪禍様の力があればぁー、傷なんてぇー、一週間で治りますってぇー、そもそも家に居ない時点でぇー、出会い求めてますよねぇー』

うゥるせェッ! 俺様はなァ、別に拠ォ点の中で兵力強ォ化作ァ業しィてても良ォいんだよッ!
……一週間、人間共の暦で一週間か……っちィ、糞が、まァ良い……完治せずとも俺様の力は超強ェからな……ヒャハハハ!

【そのほとりに設置された禍々しいビーチチェアの様な物にうつ伏せで寝転ぶ存在――】
【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった、全身に火傷のような痕を持っている】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】
【右手にはコップが持たれており、そこから伸びるストローで中身を吸っている――その中身は、ドス黒く、混沌とした魔力なのだが】

【また、その者の両隣に居る存在は、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

【一人は、銀色の鱗粉を持った2m以上もある白い羽根を団扇代わりにして、その者を扇いでいて】
【また、一人は、その者の背に、マッサージを行なっていた】

【――その者から感じるものは、隠しているが隠しきれていない……"邪悪な気配"】 【――"悪魔の気配"だ】
【あまり強い気配ではないものの、感じ取るには十分だろう】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 18:12:45.79 ID:/fWUbpDe0
>>908

「ふぅー」

【ガサリ、と茂みから女性が現れる】
【金髪に赤眼、そして登山用のカッターシャツに大きなリュックを背負っていた】
【女性はポケットからGPSを取り出して確認する】

「うん、ここであってる・・・はず」

【ズルリと茂みから現れる女性の下半身】
【それはぬらぬらと輝く鱗を持つ大蛇だった】

【女性はニョロニョロと地を這い、悪魔の方へ近寄る半人半蛇の女性】
【邪悪な気配を振りまく悪魔の方へ臆面もなく近づくと、両手を腰に当てて語りかける】

「えっと、ここは今からカノッサ機関生物工学部門の観測所になる。そういうわけだから」

【ピッ、と親指を外へ向ける】

「部外者は出てけ」
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 18:27:44.43 ID:eJ3OpNogo
>>909

【快適な環境だが、退屈そうな表情のこの者――】
【焼けただれた身体は痛々しいものの、それ以上に強い"生命力のようなもの"が感じられた】

「ボス、誰か来たぞ……ですよ」 『なんかぁー、アタシ達と一緒でぇー、亜人っぽいですよぉー』

【この者――邪禍と呼ばれた悪魔は、子分や部下の類と思わしき二人の亜人に声をかけられると】
【まずは鼻を数回ならし、どのような者が来たのかを――"聖"を持たぬ人外だと把握する】
【そして、かけられる声から"善"でもないと判断――ならば、警戒はそこまで必要ないか】

……あァ? ……なァんだカノッサ機関の野ァ郎か、だァったら構わん
ヒャハハハ――俺様はカノッサ機関に協力して"やってる"からなァァアア、敵対する理ィ由は"まァだ"ねェ

だァが! 魔ァ海は俺様のモンだからな、部ゥ外者はテメェーの方だ――そォの生物なんたらかんたらを建ァてるんだったらなァ……
せェめて俺様の家の"玄関"じゃあねェ所にしなァァアアッ

【だいぶダメージが蓄積しているようで、ビーチチェアの様な物から身体を離すことなく、うつ伏せのままダルそうにそう返答する悪魔】
【――"玄関"?】 【ここにあるのは泉や魔海の入り口といった自然物だけだが――】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 18:37:37.57 ID:/fWUbpDe0
>>910

【野郎、という言葉にピクリと眉を動かす】

「私は野郎じゃない・・・女だっ!」

【そしてまじまじと眺めふんと鼻を鳴らす】

「協力してやってる? じゃあ正式な構成員じゃないのか。
 私はナンバーこそ持ってないけれど正式な構成員、命令を聞くのはお前の方だ」

【いちおう目の前の悪魔は、No10を従えているのだが・・・】
【そして相手が攻勢に出ないと見るとますますつけ上がる】

「そんなの知らない、役所で確認したらここは権利者の居ない無人の地。どうせ権利書も無いんでしょう?」

「それとも・・・」

【女性は腕をゴキゴキと変化させる】
【黒い光沢のある昆虫の様な腕になった】

「実力行使で追い出しても構わないんだけど?」
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 19:01:18.97 ID:eJ3OpNogo
>>911

ヒャハハハ、――人間に対しても良ォく思うんだがよォ……性別に拘る必要なァんてどォこにあるんだァ?
繁殖以ィ外には要ィらねェーだろォーよ!

――そォーだ、確かに俺様はカノッサ機関の構成員じゃあねェ、――そォこの部ゥ下は居ィるがよォ
俺様はなァ、人間共の下に就くつもりはさァらっさらねェんだよ――奴らが運ぶ混沌の為に協力してやァってるに過ぎねェェエエ

【ごろん、と、体勢を変えて仰向けになれば――コップの中身を全て飲み干し】
【一つ、溜息を付けば、その口部から漏れだすのは邪悪な魔力の煙――先程飲んでいた魔力だ】
【人間にとっては瘴気以外の何物でもないが――】

人じゃあねェくせに、随分と律儀な事言い出すんじゃあねェか――権利書なんて紙切れ一枚じゃあ、土ォ地は護れねェんだぞォォオオッ?
燃え盛る混沌の前ではなァ……――実力行使だァ? ……俺様は今体調が悪いからなァ、そォんな気はおきねェー

【ふぅっ、と口部から"生命と変化の、混沌の魔力"の弾を吐き、近くに落ちていた10cm程の石に当てると――】
【その石は二つに裂け、その断面に生まれるのは――口部】 【しかも、その石がひとりでに動いているではないか】

まァ、土産にそォいつやるからよォ、別の所に建ァてるんだな――

【その石の生き物を、自分の部下である亜人の一人に掴ませ、相手の顔面に向けて投げつけさせる】
【――十分何かしらの対処ができる範囲だが、もし何もしなければ鋭い石の牙で噛み付かれてしまうだろう】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 19:15:29.82 ID:/fWUbpDe0
>>912

「・・・」

【自分を馬鹿にしたような言葉の数々に】
【イライラとした様子でギリギリと歯軋りをする】
【投げられた石の生物に対して腕を前に付きだし、石の盾を作り出して防ぐ】

「こ、のっ! 嘗めるのもいい加減に!!」

『速いですよ、エウリュアレさん。はぐれちゃいましたよ』

【茂みから現れる青年】
【同じく山登り用のカッターシャツを着て大きなリュックを背負っている】
【何より特徴的なのは髪型】
【腰まで届く青い長髪を赤黄青の3色の布で三叉に分けて結んでいる】

『おや、アナタは・・・。これはこれは邪禍様!
 お初お目にかかります! 僕はヒルコ、こちらはエウリュアレという者です!』

「・・・知り合い?」

『いえ、さっきも言った通り初対面ですが、よく活躍しているとお聞きしています。
 なんでも例の古龍退治でも参加なさっていたとか。ほらエウリュアレさんも頭下げて!』

【エウリュアレは渋々といった様子でぺこりと頭を下げる】

『さて、ここはアナタの住処でしたか。これは失礼しました。おや・・・そちらの方達は』

【邪禍の傍らの亜人達を見つけると、ヒルコはニタリと笑う】
【それは親愛でも謙遜でもない、あえて言うなら好奇】

【邪禍の様に邪悪でもなく、あえて言うなら歪んで倒錯した気配だった】

【しかしそんな淀んだ気配も一瞬で消え失せ】
【営業スマイルでぺこりと頭を下げる】

「どうも、はじめまして」
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 19:20:47.61 ID:/fWUbpDe0

【邪禍の様に邪悪でもなく、あえて言うなら歪んで倒錯した気配だった】 ×

【邪禍の様に邪悪でもなく、殺人鬼の様にわかりやすくもない。あえて言うなら歪んで倒錯した狂人の気配だった】○

です。
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 19:36:19.46 ID:eJ3OpNogo
>>913

ヒャハハハ、――うゥーん、良ォい顔だ! 人間共の方が好みだがよォ

【一方、この悪魔の方はというと――イライラとした様子の相手を見れば】
【浮かべるのは、邪悪な笑み】 【……戦う気はないものの、明らかに楽しんでいるようだ】
【また、石の生き物は、石の盾によって弾き飛ばされると――どうやらそれだけで気絶してしまったようで】
【地面に落下した後は、口を大きく開けたまま動かなくなってしまった】

……んゥ? テメェー誰だ? ……"におい"が人間だけじゃあねェが…………
あァ、やァっぱり初ォ対面か――ヒャハハハ、そォーよ、俺様が邪禍! 俺様も有ゥ名になァってきたなァァアアッ!
しィっかし、テメェーらはとォもかく、そォーじゃねェ奴らに人間形態の姿がなァるべく割ァれねェようにしねェとな……活動のしやすさ的にもよォ

【新たに現れた存在、それに対してまず行ったのは――においを嗅ぐこと】
【この世界に来てからだいぶ鼻の調子が悪いらしいが、それでも普通の人間よりも嗅ぎ分ける力があるのだ】
【再びうつ伏せになり、亜人の一人に扇がせたまま、またもう一人の亜人が再びマッサージを始めると】

まァ、住処というより"玄関先"だな――あァ、こォいつらは俺様の部下の"ネクストラッパート"共だ
「私の名は"ネクスト・ウィング=スタンド"――そして、こっちが」 『アタシはァー、(羽中)翩 翡翠(ちゅうへん ひすい)っていうのぉー、ヒルコ君よろしくねぇー』

【※()内の二文字は一文字扱い】 【……それぞれがマッサージや扇ぎをしたまま、自己紹介を行えば】
【一瞬、邪禍の顔が――良からぬ気配を感じ取ったかのような物に変わったが、すぐに元に戻り】

そォーいうわけで、こォこに生物なァんたらを建ァてるのは諦めるんだな
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 19:48:04.61 ID:/fWUbpDe0
>>915

『ええ、ネクスト・ウイング様と翡翠様ですね、今後よろしくお願いします』

【ヒルコはニコリとほほ笑み返す】

『ええ、それを諦めるのは勿論なのですが』

「えっ!」

【ショックを受けるエウリュアレをよそに】
【ヒルコは弾き飛ばされて、気絶した石生物を眺める】

〈命を作り出す魔術、そして悪魔・・・。この方ならあるいは・・・〉

『邪禍様、見ていただきたい物があります』

【ヒルコはリュックの中から何かを取り出す】
【それは強化ガラスのフラスコ、中は魔力エーテルで満たされている】
【その中心にあるのは、白と黒の勾玉】
【気配こそないが、ヒルコと似た波長の魔力を放っている】

『纏衣という悪魔をご存知ですか? これはそのクローンなのですが』

【ヒルコは邪禍の元へ歩み寄って、そのフラスコを手渡そうとする】

『形だけをクローンにしたものです、しかし多少の魔力は帯びたもののオリジナルの様に命を持つことはありませんでした。
 何分、我々生物工学部門はオカルトは専門外でして・・・。邪禍様、これについてご意見を頂きたいのですが。どうやったらオリジナルの様な性質を持つのでしょう?』
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/09(日) 19:49:18.08 ID:d26Y8Z8Xo
【水の国・公園】


足の裏全体で……体重を支えて―――踵から踏み込んで、爪先……!
……お、こんな感じか?

【独り言を呟きながら公園内をウロチョロする怪しい人影が其処に居た】
【その人物はベンチに座ることもなく、自販機に用があるわけでもなく―――ただ、公園内を延々と彷徨いていたのだ】
【一歩一歩に何かを確かめるような仕草を見せるのは、青のソフト帽を深く被った、白シャツ×灰色のジレ×ジーンズの茶髪の男】

【紺碧の視線を足元に注ぎながら、男は慎重に公園の土を踏みしめる。右足首には包帯が巻かれ、軽く赤で滲んでいた】
【この男の謎の行動の正体は、要するにリハビリに近いモノなのだろう。しきりに気にする右足首が、それを証明している】

おっし、そろそろステップ刻んでみるか……ちょっとギクシャクしてるが、変に痛みで動きが止まるくらいなら……
あー何だっけ、イメージ的には足首を90度で固定って言ってたな。あとは膝を「抜く」だっけ―――

いや、1つずつ始めよう……本番想定して、銃構えながら―――せーのっ……!!

【記憶を辿って言葉を紡げば、両手に銃を具現化する。右手には赤、左手には青の拳銃を握り締め、身体を前に倒した】
【力強く右足で地面を踏みしめれば、そのまま前に素早く4,5歩して静止。―――止まった瞬間に、微かに表情が歪む】

〜〜〜痛ッ……。そうか、止まる時の負担か……。
今のは膝のクッション使えて無かったっぽいな―――止まってから撃つの流れが、コレじゃ上手くいかねー……

んーと……膝をグッとして―――ここで撃つッ!!

【先程の動きに反省を加えつつ、その場で膝のクッションを意識して沈身。そして同時に右の銃で発泡した―――のだが】
【―――無音である。発砲音がしないまま、弾丸は公園一の大木に衝突―――も、しない。なんと弾丸は、すり抜けて消滅したのだ】

【解ることは、まずこの男の銃が能力であること。其れは先程具現化させた場面を見れば明らかだ】
【そして彼の首元にぶら下がった、銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダント―――から匂う怪しげな魔力】
【その魔力を感じ取れたなら、其れが異質なモノ―――更に勘が良ければ「宝玉」であると解るだろうか】
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 20:08:01.01 ID:eJ3OpNogo
>>916

ヒャハハハ、テメェーはそォこの奴より物分かりが良ォくて楽だぜ

【良い笑みを浮かべながら、空になったコップをおもいっきり握りつぶすと――】
【――割れる、……のではなく、そのコップ自体がストローと共に何処かに消えてしまった】
【そして再び手を開けると――先程と同じく、邪悪な混沌の魔力が入ったコップがストロー付きで現れる】
【再びそれをすすりながら、ヒルコの取り出した物に目線を合わせると】

――纏衣ねェ、まァ名前くゥらいは聞ィいたことあるさ、そォりゃあァの位派ァ手にやァればなァ……
んで、こォいつがそォれの複製品と……ふゥん……

【開いている方の手でそのフラスコを受け取れば、それをひと通り眺め回して】

…………こォいつのオリジナルと同じ性質を持ォたせるにはどォーすれば良ォいかだってェ?
ヒャハハハ! 簡単な話だ――オリジナルそォのものを――欠片でも魔力でも何でもを使って複製すれば良ォいだけだし
ただ単に生命やら何やらを宿したいだけなら、そォいつを宿せば良ォいだけ

そォの方法がわァかったら苦ゥ労しィねェーって言ィわれそォーだがな――ヒャハハ

【しかし、自分はその方法を知っている――そう言わんばかりのしたり顔を見せていて】
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 20:09:45.46 ID:7lygEYluo
>>917
【例えばである、真夜中の公園で銃なんか撃てば、不思議に思う人間が現れるのは当然の事】
【だがしかし、音も無ければ着弾も無い、そんな銃撃に音から惹かれる者はいない】
【───それに、突如として鳴り響いた騒音が、何もかもをぶち壊してしまう】

【鳴り響いたのはよく響くビープ音、人によってはそれだけで恐怖しそうな不協和音が公園中に鳴り響く】
【知る人間が聞けば、それは自動販売機の警報だと解るかもしれない】
【程近い自動販売機の前に、一人の男の後姿が見える】

あーはいはい警報警報、口鳴らす前に出すもん出せっての
もう驚かねぇぞ、俺は望みの物が出るまで引かねぇからな

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、爪痕みたいな模様の超絶にダッサいネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型の男だ】
【その右目には眼帯を───『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【機械的な柄を持つ刀を、これまた機械的な鞘に納め、ベルトの左側に挿している】

【…なんか、警報の鳴る自動販売機に向かって喧嘩腰に話していたり、自動販売機には靴跡が付いてたり、異様な光景であるが】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 20:21:35.85 ID:/fWUbpDe0
>>918

【邪禍の言葉にヒルコはがっくりと肩を落とす】

『ええ、まったくですよ。その方法がわかったら苦労は・・・』

【ヒルコは何かに気が付いたようにはっと目を見開く】



『まるでアナタならそれができる、と言いたげですね』



【ヒルコはもう一歩身を乗り出して語りかける】

『お聞きします、どうすればその方法を教えて・・・いえ。
 どうすれば纏衣の性質を持ったまま複製していただけますか?』

【ヒルコはふむ、と口を出す】

『こちらにもアナタに提供できるものは多いと思いますよ?
 強化細胞のサンプル、可逆的な魔人化の技術・・・いずれもアナタが手にすればもっと素晴らしい物を創り出せると思いますが』

「勝手にそんな約束していいの?」

『ははは、怒られますよね。やっぱり』

【そして、と言葉を続ける】

『ここからは交渉ではなく、純粋なお願いです。どうか、どうか纏衣の複製をしてください・・・!』
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/09(日) 20:38:40.92 ID:d26Y8Z8Xo
>>919

んー、膝を曲げるってよりは全身をケツから落とすってイメージかな―――っとお!?

【試行錯誤を繰り返し頭を悩ませている最中、思考を妨害するかの如く耳障りな音が公園中に、そして彼の両耳に響いた】
【身体を震わせてその騒音に反応すると、直ぐ様身体を音の鳴った方角へと向ける】
【自動販売機―――の前に人。様子を見るに……ああ、そういうことか。自分も一度、経験がある】

えーと、どうした? 機械に好かれなかったってことか?
んなもん思いっ切り蹴り入れてやれば吐き出して―――ああ、蹴ったからこそのこの警報か

【包帯の巻かれた右脚から足を進めつつ、トラブルを起こした彼の元へ近づくと同時に両手の銃を消す】
【この大きさの音だ、人が寄ってくるかも知れない―――故に銃を握っていると変に誤解される可能性があるからの行動だ】

警報鳴らされちゃ面倒だろ、そこは苦笑い浮かべてCOOLに引くのが正解だ
大物はそんなことで意地貼らねぇもんだぜ?

【助言の内容は要するに「あきらめろ」ということ。自分なら警報がなった瞬間にスタコラサッサと逃げている】
【変に自警団の連中に捕まったのなら其れは面倒が倍になるから】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 20:42:47.53 ID:eJ3OpNogo
>>920

――ヒャハッ、そォーいう事だ、補ォ足はこォいつらに任せるぜ
「私も翡翠も、ボスにより新たな力を手に入れた身……です」
「ボスの力があれば、……です……1が100になるどころか、……ですね、……10^-6が10^6になる――んです!」
もォっとだもォっと! 「すまねェ! ……すみません!」 

【先程から扇いでマッサージをして――そんな二人の亜人も、この悪魔によって新たな力を手に入れたという】
【――もっとも、その事にも薄々気付いていたかもしれないのだが】


ヒャハハハ、複製するだけなら、オォリジナルの欠片さえあれば問題ねェ――
だァがよ、俺様との取引には、そォれ相応の対価が必要だ――わァかるだろォ?
現物でも、情報でも、――俺様がそォれと見ィ合ってると思えば何でも問題ねェ……

とォ言うわけで、テメェーがさァっき言ィったモン――提供でェきるモンはじゃんじゃん頂こうかァァアアッ!
……あァ、つゥいでに欠片の一部も頂いておいてやろう

――そォれがクゥリア出ェ来るなら、複製しィてやるぜ
たァだ、今は体調がイィマイチだ、うゥっかりで一度身体が崩れた上に修復途中に聖なる力を受ゥけちまったからなァ……いィつもより時ィ間は掛ァかるだろうよ

【ようやく身体を起こし、コップを近くの平地に置いたかと思えば、……言い出す言葉はとてもがめつく】
【この悪魔は、欲望の塊――少し前に起きたとある出来事が原因で、一度はそれを殆ど失ったのだが、戻るのは早かった】
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 20:57:12.40 ID:/fWUbpDe0
>>922

『ありがとうございます、ありがとうございます!』

【悪魔との取引にヒルコは乗り出してしまった】
【それがどれだけ恐ろしいことかも知りながら】

『・・・ですが生憎、言った物は今この場にはありません。この住所に訪ねて頂くか、
 連絡を頂ければ僕達がまたここへ参ります。その時にはいくらでも提供できると思いますよ』

【ヒルコは研究所の場所と自分の連絡先を書くと、邪禍に手渡す】

『ただ、欠片だけはこの場でお渡しできます』

「ヒルコ・・・? まさか!!」

【ヒルコは残光剣を手に持つと、自分の喉元に突き立てる】
【鮮血を吹き出し、呻き声をあげる】

【傷口に手を入れまさぐると】
【陶器の欠片の様な物を取り出した】

『これです・・・。これがマトイ様の、纏衣の欠片です』

「馬鹿! 上手く欠けたからいいけど、砕けたらどうするつもりだった!?」

『ははは、これは手厳しい』

【どうぞ、と】
【ヒルコは血と肉片に塗れた纏衣の欠片を手渡した】
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/06/09(日) 21:03:35.49 ID:HpIbqijDo
>>921
大体な、なんで缶コーヒー買ってコンポタが出てくんだ?しかもこれキンッキンに冷えてんじゃねぇか
つめた〜いコンポタなんて陳列してねぇのに何でこんなのが出てくんだよ、一体どうな…

…うお!?

【最早怪しいを通り越して危ない域である、だって自動販売機に向かって話し掛けてるんだから、割とマジな顔で】
【本人に客観的な自覚があるのかわからないが、結構必死なのは確かだったようだ、証拠に声をかけられてビクリと跳ね上がる】

…あーいや違う、これはその、な…俺はちゃんと金入れてるからな?
悪いのはこいつ───って、なんだ分かってんのか…

【『どうせ疑われているのだろう』と思い込み、振り向きながら無罪を主張するが、続けられた言葉はまさかの同情】
【警報を鳴らして理由をいきなり理解された事なんて初めてだ───ということはもしや同族か?】
【同族とはいっても、自動販売機に嫌われる%ッ族なんて嫌だが】

…その、なんだ…流石に何回もっつーか、エスカレートすりゃ嫌にもなるっつーか…まぁ置いといてだな
お前、俺より自分の心配をするべきだと思うぞ、うん

【大物であろうと、事あるごとに嫌がらせ紛いの反応を返す自動販売機に怒らない人間はいるのだろうか。むしろここまで嫌がらせされて尚利用する彼の意地も相当だが】
【この自動販売機との戦いの歴史を語るのも悪くない、しかし彼が気にするのは相手の脚だ】
【血の滲む包帯を脚に巻いた人間が目の前に現れれば『自分の心配をしろ』とも言いたくなる。この時こそ苦笑いで、彼は男の右脚を示した】
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 21:21:20.00 ID:eJ3OpNogo
>>923

【――ニタリ】

ヒャハハ、いィきなり自分の喉を掻ァっ切るとは、俺様の醸す混沌で気ィが狂ったかと思ったぞォォオオ
そォして……こォの複製品と似ィたにおいがすゥると思ったら――そォーいう事か
――うゥ〜ん、良ォい魔力だ……

【受け取った纏衣の欠片、幾ら血や肉片が付いていようと――この悪魔には問題ない】
【むしろ、ぺろり――と、一舐めする事までしている】

【そして、連絡先と共に――くしゃり、と握りつぶしたかと思えば、それは姿を消していた】
【もしも、魔力の流れに敏感ならば―― 一瞬手に集中した魔力や、それによって現れた魔法陣の存在がわかるかもしれない】

確かに受ゥけ取ったぜ――が、さァっきも言ィったとおり
元々体調が悪い上に……ヒャハハハ、こォの欠片の魔力の強さだ!
さァっきの石ころみてェに弱小な存在なァらさァくっと作れる、が……こォれだけの強さとなァると……

うゥ〜ん、今すぐには無ゥ理だ―― 数日くゥらいの時ィ間をよォこしな
さァっき言ィったモンは、……完成品との交換だ、もォちろんこォの場所でなァァアアッ!! ……あァ、つゥいでにこォの複製品も貰っといてやる

【その邪悪な気配は、幾ら人間の形を取っていようと――それが悪魔であることを如実に示す】
【力を、ひたすら力を求め、そしていずれは神をも喰らわんとする、欲望の――混沌の権化】
【しかし、それは直情的かつ気まぐれでもあり、うまく利用出来れば――きっと、力となるだろう】

【* おや 完成時の日まで 飛ぶ ボタンがある 押しますか? *】
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/09(日) 21:31:21.66 ID:d26Y8Z8Xo
>>924

まぁ……俺も1回だけそういう経験があったからな
でもさっきのでけぇ独り言聞く限り、アンタはこの不幸な体験を何度もしてる
―――違うか?

【拳銃を消して空いた両手で軽く耳を覆いながら、警報音にかき消されないように少し声を張って言葉を飛ばす】
【静かな夜を遮る警報音は、聞いているだけで不安な気持ちになってくる。要するに、嫌いな音であるということ】

心配してくれんならそのコンポタくれよ、冷えてるんだろ? 右足首冷やしたいからさ
確かに見た目は痛々しいけど、今やってることはこの足首の為にやってることだし……って、見てなかったんだよな

アンタが自販機にいじめ喰らう前に、俺は足首に負担かけないような動きを試してる最中だったんだよ

【軽く笑みを浮かべながら、右手を耳から離して掌を相手に向ける。即ち「コンポタ頂戴」という意地汚いモノ】
【右脚は確かに痛むが、ようやくわかりかけてきた所で辞めるわけにはいかなかった。……結局、このトラブルのおかげで今日はここまでになりそうなのだが】

アンタもアンタで心配すべきだぜ? 自警団来ちゃったらかなり面倒くさいからな
しかもなんか怪しい眼帯してるじゃんか、見た目で悪者扱いされても知らねぇぞ?

【紺碧の視線は上がり、彼の眼帯の紋章へ。彼はその紋章に見覚えはないが、黒の眼帯にそのような紋章がついているのだから怪しい匂いは否めなく―――】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 21:39:16.27 ID:HLIQV1mTo
【とあるレストラン】

【メインストリートから少し外れたとこにあるレストラン。】
【オープンテラス、二階建て、ウッドな雰囲気。オレンジの優しい照明。】
【ジャズとパスタと仔牛フィレと赤ワインの隠れた店】
【そこの店先の白いパラソルのついたテーブルに一人の女性がいる】

【長い黒髪をべっ甲の髪留めで一つにまとめポニーテイルにして】
【切れ長の目をしており、白い肌に薄化粧を施して、シルバーフレームの眼鏡をかける】
【黒のパンツスーツと黒いヒールを履いている】
【ジャケットの胸に代紋の金バッチ。腰には朱の鞘の刀が2本】

【そのヒールの履いた足を、テーブルに乗っけて伸ばしている】
【テーブルには赤ワインのボトルと、グラス。硝子の灰皿】
【伸ばしたその膝にラップトップの名よろしく、ノートPCを載せている】

新六罪王……と……襲われまくりの水の国。UTは………

【時たまワードが口から漏れ出るが気にならないほど熱中しているようだ】
【はぁ…と溜息を長くつきながら、テーブルのワイングラスを手に取る】

……お金の出てく話題ばかりで…実入りの良い話は無いか…
かと言って切り詰めるものも無し……

【オープンテラスには彼女しか居ない。】
【それは隠れた場所にあるからか、そんな態度の女性が居るからだろうか…】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 21:40:52.85 ID:/fWUbpDe0
>>925

『ええ・・・よろしくお願いしますよ、ゲホッゴホッガハッ』

「ヒルコ!!」

【ヒルコは血を吐いて咳き込むが】
【すぐに顔を上げてニタリと笑う】

〈素晴らしい・・・、マトイ様すら複製するその力・・・!〉

〈ふふふ、邪禍様が味方なら・・・我々も、真室川博士も! さらなる高みへと移行できるでしょう!〉

〈そして、ついに・・・!〉

『・・・』

『さて、帰りましょうかエウリュアレさん』

「うん」

『邪禍様ですか・・・、これを機に末永くお付き合いしたいものですね』

「えー・・・」


―中の人はボタンを押した!―


【数日後】
【そこに現れたのは3人だった】
【仰々しいアタッシュケースを2つ持ったヒルコ】
【今度は礼服の様に綺麗なワンピースに身を包んだエウリュアレ】
【そしてスーツの上に白衣を羽織った中年の女性だった】

『さぁ、着きました』

「・・・」

≪ふぅん、こんな所に、ね≫

【白衣の女性はキョロキョロと辺りを見回していた】
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 21:53:44.67 ID:eJ3OpNogo
>>928

【ヒルコ達が立ち去った後、悪魔は泉へと飛び込んで―― 一瞬、泉が邪悪に染まったが、瞬く間に元に戻った】

――――――――――――――――――

【3人が付いて少し立った時――ごうっ、と、泉が一瞬で邪悪な魔力に変化した】
【そして――そこからいずるのは、悍ましい魔力のナニカ――それはまるで龍のごとくそこから飛び出したかと思えば】
【すぐにそれは、その泉のほとりに降り立ち――泉が元の色を取り戻す頃には、人の姿をした邪禍がそこに立っていた】

――ヒャハハハ、テメェーらの望み通り、纏衣の複製は"完成"した
そォこに居ィるのは、親玉かァ? まァなァんでも良ォい……しィっかし、一つ作るのにこォれだけ手ェ間取るとは思わなかった
なァかなかの力の強さだったからなァ……"テスカトリポカの四蛇"を思い出したぜ

【以前と比べると、少し痩せただろうか――だが、火傷の様な傷跡はむしろマシになっている】
【その右手に握られているものは、ヒルコが望んだものに間違いなく――】
【しかし、流石にオリジナルのモノより力は落ちていると見える】

流ァ石にオリジナルと全く同じ強さするのには時ィ間が掛ァかり過ゥぎる――
まァ、そォれより劣るとはいィえ、俺様の名ァにかァけて! ……強さの保ォ証はしィてやるぞ
……おォっと、渡すのは……貰うモン貰ってからだぜ? ヒャハハハ
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 22:07:32.92 ID:7lygEYluo
>>926
…まあ、その通りだが…なんだ?探偵でもやってんのかお前?

【同じ体験をした───とはいうが、あちらとこちらでは回数が全然違う。こっちは何回も何回も、幾度と無く、もう警報なんて慣れてしまうくらいだ】
【…自慢にはならないが】

【それよりも、ただの独り言を聞き逃さず、そこから推察する洞察力に感嘆する】
【後ろ蹴りを繰り出し、警報を無理矢理止めながら呟いた】

ん…まぁ別にいいが、ありえねぇくらい冷えてんぞ
つーか、そういうリハビリは普通完治してからやるもんじゃねぇのか?
無理して慣れようとしてちゃ治るもんも治らねぇぞ

【ぽい、とコンポタの缶を放って渡しながら、心配をかける言葉を吐く】
【怪我をしたら鈍らないようにするのは大切だ、しかしそれを焦って更に悪くしては本末転倒】
【冷やして誤魔化すよりは、治すのに専念するべきではないのかと】

見た目でなぁ…ま、今日日自動販売機壊す悪人なんてのもいると思われねぇだろ…多分な
…ま、面倒はどっちにしろ御免か。お前が自警団じゃなくて良かったって所だな

【見た目が宜しくないのは重々承知(ネクタイ除く)、疑われても仕方ないが、こんな小さい事する悪人なんかいないだろうと変な自信もある】
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 22:17:13.47 ID:/fWUbpDe0
>>929

【ザバリと上がった邪禍、白衣の女性は手を翳して飛沫を防ぐと】
【コホン、と1つ咳払いをして語りかける】

≪ええ、まぁ親玉っちゃあ"親"玉ね≫

≪はじめまして、邪禍さん。此度はお疲れ様でした≫

≪ええ、そのつもりよ。ヒルコ、エウリュアレ≫

『はい』

「・・・」

【ヒルコはアタッシュケースを開く】
【そこに入っていたのは、冷凍保存されたいくつもの試験管】
【そしてエウリュアレが持ち出したのは、黒い果実だった】

≪ヒルコの持つのがオリジナルの強化細胞のサンプルと量産型の強化細胞のサンプルよ≫
≪もちろんわかってるとは思うけど、解凍したらすぐ処理しないと壊死するからご注意を≫

≪どちらも細胞内に特殊なバイオ装甲を内包し、衝撃と圧力に対して硬化する。刃も銃弾も効かないわ≫
≪そしてオリジナルの方はパワーは凄まじいけど燃費がめっぽう悪い、食費には覚悟してくださいな。量産型はパワーはそれほどでもないけど燃費は普通の細胞と大差ないわ≫

≪そしてエウリュアレの持つ物が、邪樹の実・改。通称"ゼフォンの林檎"≫
≪六罪王・レギン様の作った邪樹の実を改良した物よ≫
≪魔人化のパワーの暴走、そして細胞の変質を徹底的に抑えることで、不可逆の魔人化を可逆化した≫
≪つまり自分の意志で魔人化したり元に戻ったりできる≫

≪ただこれもデメリットがありましてね、能力はオリジナルの魔人に劣ること≫
≪そして、細胞をこれに合わせて"調節"しなければあっという間に、暴走して死んでしまうことがあるわ≫
≪まぁこれもあなたなら大丈夫でしょうけど・・・≫

【そして白衣の女性は、纏衣の複製を見るとギリ、と歯軋りをする】

((私ができなかった纏衣の複製をこうも簡単に・・・!))

『真室川博士、押さえて押さえて・・・』

≪コホン、さあ交換よ≫

【真室川博士こと真室川野槌はアタッシュケースと、包装された邪樹の実・改を手渡すように促す】
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/09(日) 22:37:05.53 ID:d26Y8Z8Xo
>>930

いーや、職業は賞金稼ぎさ……あ、元賞金稼ぎな、今は違う
賞金稼ぎもいろんな情報を拾い集めて其処から相手の場所を特定しなきゃいけないから慣れたもんさ。
で、じゃあアンタの職業は―――……っておいおい無理やり警報止めやがったのか、なんともワイルドな……

【慣れたもんさと言うよう、に推察の深さも地獄耳も、賞金稼ぎの仕事と戦闘をこなす際に勝手に鍛えられたものだ】
【五月蝿い音が消えたため、ソフト帽の男は左手も耳から降ろす。豪快な止め方に苦笑いを浮かべながらも、彼の問に答えを返した】

まぁそうなんだが、完治しないなら仕方が無いだろ?……要するにそれ程でけぇ傷だったってこと
じっとしててももう見込みが無いんなら、慣れるしかねぇんだよ

―――お、サンキュ

【ぱしっ、と音を立てて受け取れば、近くのベンチに腰掛けて右脚が上に来るように足を組んで患部を缶で冷やす】
【ソフト帽の男も認める通り、彼が言う事は正しい。ただ男の症例が例外だっただけなのだ】

確かにな…… まー自警団にはさ、自販機でグチグチ言うくらいならもっとカノッサとか他の悪党共への対策に気合入れろ!って言ってやりてェが
ところでさ、アンタは眼が悪かったりするのか? ……ま、そうじゃなきゃ眼帯なんかしねーよな

【赤く染まった右脚を冷気で癒しながら、自警団への愚痴や色々を男は語り出して】
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 22:40:00.11 ID:eJ3OpNogo
>>931

ヒャハハハ、――纏衣の力は中々だったぞ、おかげで更なる力を手ェに入れられるぜ


――ふゥむ、俺様は小難しい説明は面倒で好きじゃあねェが……

"強化細胞"……すん、すん、……ヒャハハハ、物理攻撃に対しては滅法強いと
食費の心配なんて要ィらねェ……――元々、"四蛇"にアレにコレに――餌の確保に抜ゥかりはねェからな

そォしてこォっちが"あァいつとは別の"六罪王だかなァんだかが作った"邪樹の実"の改良品――ほゥ
調整になァんぞ、"作る"時に幾らでも出ェ来るからな、ヒャハハハ

【やはり、モノの詳細を探るのには鼻を――嗅覚を使う】
【その鋭い嗅覚は、ただ単純なにおいだけではなく――他のものも捉らえることが出来る】
【――そして、全ての説明が終わった時、悪魔の表情はどうなったか?】


――なァかなか良ォい品じゃあねェか、約束通り"纏衣の複製品"と交換してやる、取引成立って奴だな、ヒャハハハ

【――――ああ、これは人ではない、悪魔なのだ、そう再確認させるような笑みを浮かべていた】
【地面に生成される魔法陣、それからいずる闇が成す形は――あの時の、ネクストラッパート……"ネクスト・ウィング=スタンド"】
【彼が、アタッシュケースと邪樹の実・改を受け取ろうというようだ】

【――ネクストが、それらを受け取れば、渡されれば、……邪禍は"纏衣の複製"を彼女らに差し出すだろう】

【その時、この邪悪な悪魔との取引は完了するのだ】
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 22:40:16.80 ID:7kTfgsXG0

【未だ賑やかな喧噪に包まれる街の中――――その一角に存在するパン屋】
【昼間ならば行列を成すほどのその店ではあるが、やはり夜と言う事もあって人少ない】

【様々な店の客引きやら何やらが立ち並ぶ中、その場には不似合いな姿が一つ】
【暗い色のローブを纏ってはいるけれど、覗く髪の毛はそれとは相対的に金色の耀きを放ち】
【狼の耳を生やした少女が、パンが沢山詰められた袋を抱え歩いていて】


「さって……UTのみんなの分も買ったし、子犬達にあげる分も買ったし……これで買い忘れは無いかな?
いや、寧ろ多いくらいかな……。ふふ、みんな喜ぶと良いんだけど」

【ローブからはみ出た尻尾が左右に揺らされれば、その心情を表しているのだろう】
【食欲をそそる香ばしい匂い。其れを楽しみながら歩いていれば、グイと手が引かれて】
【見てみれば、客引きの一人。華美なドレスに身を包んだ女が何処かの店へと連れて行こうとしていたけれど】


「へっ?いや……ほら、ボクはそういうのあんまり興味無いっていうか……
人見知りだし、そういう場所も好きじゃ……コレだって早く届けなきゃいけないし……
そうそう、お酒だってまだ――――って、爪、食い込んで痛いから離して欲しいなぁー……」

【強く出る事が出来ない故に、掴む手を振り払うことが出来ず】
【毒々しい色のマニキュアを塗った鋭い爪。幾らローブ越しとはいっても、やはりそれ相応の痛み】
【困った様な笑みを浮かべれば、助けを求める様な視線を巡らせるのだけど――――】






【櫻の国――――以前までは人間達の住んでいた一つの村】
【桜の名所として有名だった場所だけれど、今は妖怪達が住んでいて】
【すっかりと花が散ってしまったその木の下で、酒を呷る影が一つ】


「さぁて……そろそろ次の場所を目指さなきゃいけないかなぁ
拙(ぼく)達の親が持って居た城でも取り返しに行こうかな。それとも……」

【一升瓶が空になってしまえば、脇へと退けて空を見遣り】
【顎に手を添えて何やら考えようとするも、思考は纏まらす】
【答えとして出たのは、一つの溜息】


「まぁ……今はいいっか
美味しいお酒があるんだから、今は其れを楽しまないとねぇ……
飲み終わったら美人な人でも探して、それから考えよっかな」

【戯言を漏らすのは、山伏の服を纏った烏天狗】
【その外見はどう見ても少女なのだが、漏らされた言葉から考えるに性別はその逆であろう】
【妖怪の村――だなんて噂される其処。さて、訪れる物好きは居るのだろうか】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/09(日) 22:55:18.78 ID:/fWUbpDe0
>>933

【纏衣の複製品を受け取ると】
【野槌はにんまりと笑う】

≪へえ、つまり時間さえあれば本物と同じ力にできると?≫

【野槌は纏衣の複製の入ったフラスコを振ると目を細めてポツリと呟く】

≪本当にできてしまうなんて・・・≫

≪それじゃあ邪禍さん、今回はいい取引でした≫
≪今後とも良しなに≫

【野槌は最後に蛇の様な笑みでこう付け加える】

≪あなたの魔術と私の技術、併せればもっと素晴らしい物が創れるでしょうから≫

≪それじゃあ行くわよ、ヒルコ、エウリュアレ≫

『はい。それでは邪禍様本当にありがとうございました』

「・・・」

【そう言うと3人は泉の外へ立ち去って行った】


//長時間お疲れ様でした! &ありがとうございました!!
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/09(日) 23:21:30.18 ID:eJ3OpNogo
>>935

ヒャハハハ、――まァー、そォーいう事だ!

たァだ、少なくとも今の体調じゃあ無ゥ理だ
――幾ら俺様と言えども、100%のモン作るには、最ッ高のコォンディションじゃあねェとなァァアア
まァ、100%を作れたことはねェ――近くて99%か"101%"だからなァッ!

【――つまり、完全にオリジナルのモノを復元することは不可能なようだ】
【復元――それは、生命を作成する能力の応用】 【邪禍からすれば、生命と物の違いなんて、"魂の有無"だけなのだから――】

――俺様の能力は、――ベテアドットの能力は最強だからな、こォれくらい造作もねェ

良ォいだろう、……人間共の技術も中々面白いしよ
そォーだな、素ゥ晴らしい混沌の為ならば、協力はじァゃんじゃんしィてやる
勿論、"ギブアンドテイク"の前提のもとにな!

【ただし】

……俺様に害を成ァすなら、そォの時はそォの時だがなァァアア


【やはり、三人が泉から立ち去った後、悪魔は泉の中にへと飛び込んでいった】
【あの泉は――悪魔の住処の玄関】 【それしか持たぬ鍵のかかった扉だった】


/お疲れ様でしたー
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/09(日) 23:24:53.84 ID:7lygEYluo
>>932
賞金稼ぎ…か
…賞金稼ぎはハット被らなきゃいけない決まりでもあんのか?

【賞金稼ぎ───と聞いて思い浮かぶ奴は一人、彼女は見た目からして賞金稼ぎらしかったが】
【そういえば彼女も帽子を被っていた、厳密には種類が違うのかもしれないけど】

まぁなんだ、俺も似たようなもんだよ、賞金稼ぎ的な仕事

【似たような仕事───とはいうが、賞金稼ぎというか、もっとブラックというか】
【人においそれと言えない仕事なのは確かだ、正義感のありそうな奴には特に】

(つーか名出しで悪事働いてるしな…)

【当然、大元の組織の名前なんて口が裂けても言えない】

おいおい、どんな怪我だよ一体…よく脚がくっついてんな
それだったら、治す方法を探してみるもんじゃねぇのか?

【完治が難しい怪我と聞けば、一体どんな理由があってそうなったのか気になる所だ。元賞金稼ぎと言うなら戦闘による怪我か?】
【というか、完治が見込めないなら治す方法を探すか、どうにかする方法を探す方法がよっぽどいいのではなかろうか】
【包帯を巻いてまで無理矢理慣れるよりも希望的かもしれない】

【…とはいえ、自分の主人では無いが、変な方法で治したり、改造したりされるのを恐れるのもあるかもしれない】
【そんな発想が浮かんでしまうのは、そういった境遇あっての事だ】

気持ちは尤もだが、無茶言うなよ、それこそ命捨てる覚悟でもなきゃあんな奴らの相手は無理だぜ
逆にカノッサとかの連中共は皆どっかネジがトンでやがる、まともじゃねぇ奴らにまともな精神で対抗しろってのが無茶なんだよ

【自警団に対する愚痴が出るのはもっとも、これまで自警団達は幾度と無く出し抜かれ、後手に回されて来た】
【それだけ聞けば不甲斐ないが、機関の連中の精神にはとんでもない異常性がある、まともに相手出来る方が無理と言うものだ】
【右手で眼帯に触れて、「あー」と一言】

こいつはなんだ、ほら…名誉の負傷っつーのか?
見えねぇって訳でもねぇんだが…わざとこうしているっつーかよ

【失明しているようではない、だが眼帯をつけているのはわざとだと言う】
【そこで想像し得る事は、何かを封じている≠ニかそこら辺だろうが、彼自身も何と言っていいのかわからないようである】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/09(日) 23:48:42.10 ID:d26Y8Z8Xo
>>937

……? ハット被ってる賞金稼ぎに見覚えがあるってか?

【不思議な表情を浮かべつつ、質問を質問で返す。右足首に奔っていた痺れを、缶の冷気が薄めていく感覚が感じ取れた】
【格好は色々と変えては来たが、昔からハットを被るスタイルは不動だ。怪我をする2年前も、青のソフト帽はトレードマークなのだ】

アレだ、良くスポーツ選手とかにあるヤツ。……名前は、右アキレス腱断裂だっけな
どんなに活躍したスポーツ選手でも、この怪我に出くわしちまったら引退コース間違いなしだ。なんせ、全力で走れないんだから

治す方法……ね。 でかい病院で2年間治療しても治らなかったこいつを「治す」のは無理だと思うけどな
右脚を機械にでもして貰えばいいのかもな、ハハッ

【この怪我を完璧に治療する方法は無い―――と、完治への望みは断ち切っている。変に希望を持つよりかは、今持っているスペックで努力すべきといった判断だ】
【冗談っぽく、機械にでもするか―――などと口にして笑った。実は、ある人物に改造してほしいと言う意志を伝えてはいたりする。まだ、其れは実行されては居ないが】

―――そのまともじゃねぇやつと闘うためにも、足首に負担を掛けない動きをマスターしないといけないってことだ

【深い紺碧の瞳で遠くを見据えながら、そう言葉を発した。一つ大きく息を吐けば、コンポタの缶を開けて口元へと運ぶ】
【コーンの粒を噛み締めながらも、視線は男が触れた眼帯へ】

……ん、なんだ見えるのか? ―――あ、なんかマンガで見たぞ……眼帯の下の瞳には、特殊能力が〜ってヤツか?

【口角をやや上げつつ、冗談交じりで言葉を飛ばした。病院に篭っている時に読んだマンガで、そういったキャラがいたからだ】
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/10(月) 00:16:15.20 ID:NytL2XKEo
>>938
見覚えっつーか、顔見知りだな…
セリーナって言えばお前も知ってるんじゃねぇか?大会優勝者だとか、UNITED TRIGGERの創設者だったり、まぁ色々と実績ある奴だよ
あいつも確か賞金稼ぎだった筈だ、お前のとは違うがハット被ってたぞ

【思い浮かぶ賞金稼ぎは、かの有名なUT創設者にして第二回大会優勝者、セリーナ・ザ・キッド=z
【彼女がUTを作る以前から彼女を知っているが、確か賞金稼ぎであった筈───今もそうか】
【厳密に言えば種類は違うが、確かにセリーナもハットを被っている】

…そいつは…なんだ、運が悪かったな
機械脚っつーのもいいが、間違っても変な奴には頼むなよ?
脚に兵器でも埋められりゃたまったもんじゃねぇぞ

【冗談で言っているのかもしれない、しかしその言葉には、『安易に決めてはいけない』と忠告を返す】
【事実、身近には魔改造を人に施しそうな奴がいるのだ。しかもそういう奴に限って了解を取らないし、説明しない】

───はっ、そうかい、んじゃ精々頑張れよ
なんなら、片脚で戦うってのはどうだ?意表が突けるぜ?

【苦笑いを浮かべ、息を吐く男には応援を───こういう努力家は嫌いじゃない】
【冗談を言うのもその証拠、片脚で戦うのも割と有りかもしれないが】

そうそう、この目を解放すると秘められし力が───って、そこまでかっこいいもんじゃねぇけどな
…前は眼帯でも抑え切れなかったけど、最近じゃあ割と安定はしているか、いや宝玉の力っつーもんはすげぇな

【───宝玉だと、確かに彼は今そう言った】
【感心するばかりに思わず口が滑ったのかもしれない、もしくは、所持を明かしても大丈夫な相手だと思ったが故かもしれない】
【見た感じ、それらしい物は所持していないが…】
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/10(月) 00:41:22.81 ID:3M/3MqvJo
>>939

セリーナ……ああ、名前は知ってる……UTの創設者ねぇ、一度話を伺いに行っても良さそうだ
―――確かガンマンだったよな、なら余計に会ってみたくなるってものさ……!

【まだ眼にしたことはないが、有名な分名前と最低限の情報は耳にしている】
【正義を引っ張っている人物が彼女である以上、自分も何かしらの交流を深めたいという意志が確かに存在していた】

いや、だいたい機械に詳しい奴って変人しか居ないと思うんだが……
野心家なヤツは出来れば御免したいが、兵器を仕組まれようとも其れで強くなれるなら問題ない―――ってね
ま、やれる所まで足掻いてみせるさ……

【微笑みながらの言葉だったが、決して軽い気持ちで述べた訳ではない】
【怪我のせいで長期に渡り戦場に立てず、護る側になれなかった。その悔しさを味わった彼の闘うことそのものへの想いは深い】
【―――これで会話は終わりかと思われたが、不意に飛び出した男の一言がソフト帽の男を強く反応させた】

……宝玉って言ったか?―――いや、確かに聞こえた。このマーシャル・T・ロウの地獄耳が聞き間違う訳がないぜ……!!
解ってると思うが、宝玉ってのは強力だ。カノッサが血眼になって探すくらいだからな

―――だから俺は、相当な覚悟を背負って「コイツ」をぶら下げている

【男の左手が、首元のペンダントを掴んだ。銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダントだ】
【そしてその砂色に光る玉から、濃厚な魔力が広がる。―――即ち、この玉が宝玉であるということだった】

……で、アンタの宝玉は何処だ? ―――安心しろや、別に欲しいわけじゃねぇ。
つーかコイツすら使いこなせないのにもう一個あったって無駄なんだよ……俺には宝玉の魔力は強すぎる
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/10(月) 01:19:43.85 ID:NytL2XKEo
>>940
本部にでも行きゃあ、いるんじゃねぇのか?
それか事件でもおきりゃでて来たりもするかもな

【会いたいなら、きっと本部にでも行けば出てくるかもしれない、悪い奴でもなければいい待遇も受けられるだろう】
【尤も確立の高いのは、事件の首謀者になる事だが、流石に奨められない】

…変人にも、レベルが何段階かあるもんさ
足掻くにしても妥協しろよ?それで結果的に寿命縮めちまったら世話ねぇぜ

【語るに如かず、体を機械化して残る生身に負担をかけてしまっては逆効果、人間それなりが一番だ】
【彼の言う言葉はやけに保守的というか、やる気がないというか…】
【しかし、相手が鋭い雰囲気を纏うと、呼応するように気を張った雰囲気になる】

───欲しいっつってもやんねぇけどな、こいつは知り合いから託されたもんだ
…それに、こいつをくれてやっても俺以外にゃ抜けねぇよ

【ロウと名乗った男がペンダントに触れた様に、男は左手を腰に提げた機械刀に触れる】
【───どう見ても宝玉の形はしていないし、埋め込むにしても見当たらない、しかしその目は真剣だ】

科学者に変人が多いっつーのは事実だ、丸い宝玉をどういう訳か刀の形にしやがった、『武器として持ち歩けるように』ってな
そのおかげで、力を安定させるにゃやりやすいんだがな…
逆に言えば、これが無けりゃ俺は危うい訳だ、宝玉の力が無けりゃ俺は今頃いないかもしれねぇ

───銀帝の宝玉、その力は調停だと
…ある英雄≠フ残した力だ

【語る宝玉との関係、名前、ルーツ───どれもが、ヒントのようにはっきりとしないもの】
【今語るべきはそれくらいで十分だと考えての事なのだろうが、聞きたいならば聞けばいい、わかる事なら答えてくれる】
【語る≠ニいう事は、それなりに信頼───基悪い奴ではないと判断したという事でもある】

/申し訳ありません、切りが悪いですがそろそろ落ちなくてはならなくなりました
/切るか続けるかの判断はそちらに任せます、一応今週は夜に再開できます…
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/10(月) 01:39:50.48 ID:3M/3MqvJo
>>941

―――え、そっち……?
てっきり眼帯の奥に宝玉隠してるもんだと思ってたぜ……

というかその科学者何者だ? 強力な宝玉を加工するなんて―――並の人間じゃねぇな ソイツ……

【紺碧の視線の先は勿論、その宝玉へ。眼を細めて凝視するが、自分には魔力を感じ取るセンスは無い】
【―――が、なんとなくだが底の深さを感じ取ることだけは出来た。自分の持つこの宝玉と同じく、物凄い潜在能力が有ることは間違いないのだろう】

……銀帝、ね―――。 宝玉の名前ってのは不思議なモノで、知らなくとも握った瞬間頭にその名前が浮かんでくるんだよな
俺自身もそうだった。……コイツは偶々、「ATLAS」っていう禍々しい塔で拾ったものなんだが―――その時まで、「宝玉」についての知識なんて殆ど無かった。
物凄い力を秘めた玉で、カノッサが狙っている。其れだけしか情報は無かった。でも握った瞬間、コイツの魔力と名前が全身に流れる感覚に包まれたんだよ

【自身のペンダント、その砂色の玉を見つめて言葉を続ける。彼がこの宝玉を手にしたのは、完全なる偶然】

―――「幽幻の宝玉」。それがこのペンダントん中の玉の名前さ。……能力も名前の通り、幻とか幽霊関係。
でも、俺はこの宝玉の1割くらいしか引き出せていないハズだ―――っと、流石にこの話は深くしないほうがいいな……

―――なぁ、この辺で切り上げようぜ。 宝玉の話も悪くはないが、扱う情報が重すぎる。 言わなくても、アンタの其れは強力ってことは解るし十分だろ
俺も汗で身体びっしょりだから速く風呂入りてぇんだ、ってことで―――じゃ、さいなら……

【コンポタの残りを口に流し込むと、脚に痛みを与えないように慎重に立ち上がる。ゆっくりと公園の土を右足で踏みしめながら、男は公園から姿を消した】
【公園には微かに魔力の残り香が漂っていたが、朝日が射すと共に完全にその香りは消え去っていくのだった―――】

/ここで締めとします、ありがとうございました!
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/06/10(月) 20:25:02.93 ID:5FXtlEeno
【湿度が低く過ごしやすい昼下がり。生息する生き物も深さも気候も、これといって特徴の無いことから】
【名づけられることも無かった―――強いて言えば”港町の北東にある森”。そんな風に呼ばれる森の中でのこと】

「〜〜〜♪」

【普遍的な環境を持つ大抵の場所ならどこでも見かけるような鳥や蟲の鳴き声に】
【いかにも気分の良さげな、一定のテンポを繰り返す鼻歌が陽気に混じりこむ】
【それは背の高い木に円状に囲まれた開けた場所から聞こえてくるようで、自分勝手な旋律は鳴き声と溶け合うことなく】
【鼻歌も、鳥や虫もお互いに譲り合うことの無い今の状況、一つの不協和音となって森を漂っていた】

「きょっうも、楽しいティータイム。 おっきゃくさーんは誰かしら?」

【開けた場所には、長方形の白いテーブルが一つと、その辺りをくるくる回りながら周る少女が一人】
【テーブルの上には陶器のカップやポットが置かれていて、並々と赤みを帯びたお茶がそそがれたカップの周りには】
【収まりきらずこぼれ出たらしい液体が大きな円を作って、テーブルから下へと水滴をたらしている】

「あなたかしら?」

【ブロンドの髪にシルクハットをかぶり、黒い紳士服を着た少女は】
【抱えるのも大変そうなほどおおきな兎の人形を片手で振り回しながら、誰もいない方角を指差して】

「それともあなた?」

【再びくるりと一回転すると、にこりと笑みを浮かべてまた別の誰も居ない方角を指差す】

「うふふ、みんなようこそこんなに集まってくれて嬉しいわ。 さぁさぁティータイムを楽しみましょ」

【ご機嫌なまま今度はテーブルの椅子に腰掛けると、彼女が座っているものを含む6っつの椅子の前に次々とカップを配っていく】
【配分の適当な紅茶が3つのカップにだけ注がれたところで少女は曇りの無い笑顔から一点突如この世の全てから興味がうせたかのような表情になって】
【兎のぬいぐるみがきしむほど強く抱えて溜息をつく】

「あーぁ……つまんなーい。きゃはははは」

【勢いよく立ち上がったせいでカップが倒れ、テーブルの上にお茶がぶちまけられるが】
【既に液体の散乱したそこでは、それも単なるカサまし程度にしかなら無い】
【少女は倒れたカップを直すことも無く今度はリズムの違った鼻歌をうたいながら、壊れた玩具のようにテーブルの周りを回りだす】
【何の変哲も無い森に、少女の一人ティータイムごっこ遊びはかれこれ2日間ほどこの調子で続けられていた】

「おっきゃくさーんは誰かしら?」

【何度目かも知れない彼女の問いに答えるものは】
【果たしてこの場に現れるのだろうか】
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/10(月) 22:01:15.22 ID:NytL2XKEo
>>942
怖ぇ事言うなよ、眼にあんなもん入れられるか
…いや、あいつならやりかねねぇけど

───ま、とにかくだ、世間にはとんでもねぇ奴が、案外近くにいるもんだ
こいつだって有無を言わさず形変えられて渡されたからな、人間かどうかすら怪しいぜ

【宝玉の加工なんて自分でも聞いた事が無い、加工にしても元の形も残さずやるだろうか?】
【普通に考えて色々と有り得ない───が、そういう輩は確かに存在していて、そういう奴だからこそ、勝手にやってしまう物だ】

「ATLAS」…あのでけぇ塔か───思い出したくもねぇ
…そいつぁまた大層な代物で…そんなもんがあの中にねぇ

【「ATLAS」───風の国に突如として出現したその塔の名前を、彼は知っている。知っているが、いい思い出はない】
【出来れば二度と思い出したくもないくらい、それくらいあれはトラウマな出来事なのだ】

…幽幻ね…それそのものが幻じなきゃいいがな

───慎重だな、いやいい事だ、壁に耳有りとかいうしな
変な奴に狙われるようになっちゃたまったもんじゃねぇ
…ま、大層な物持ってる同士、精々生き残るか

【───朝日が夜の厚い雲を貫く様に、オレンジ色に挿してくる】
【「もうこんな時間か」と嘆く言葉も無く、歩いて行く男を眺めながら煙草を咥え、火を点けた】
【一息吐いた紫煙は朝焼けの橙に白く踊り、歩き去る風に巻かれて消えた───】

/お待たせして申し訳ありません、お疲れ様でした
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/10(月) 22:15:05.82 ID:/oMzBvk/0
【暗い森の中、あっちへ行ったりこっちへ行ったりする影が一つ】
【目を凝らしたならば、その正体は巫女であると分かるだろうか】
【何処か自信なさげな表情ながらも、様々な場所へと視線を巡らせていて】


「やっぱり……こんな所には居ませんよね……
ですが、何か手がかりがある訳でも無いですし……」

【――――闇夜の其れよりも、一層暗い雰囲気】
【肩を落とせばトボトボと歩き出して……数歩もしない内に、小石に躓いて見事に転倒】
【驚いて叫ぶ暇も無かったのだから、それはそれは綺麗な転び方だったのだろう】


「…………泣きっ面に蜂とでも言うのでしょうか
……幾らそうだとしても、あまりにも酷い仕打ちだと思います……」

【最早立ち上がる気力も無く、暫くはそのまま地面の冷たさを味わおうというのだろうか】
【森の中、苔むした地面にのさばる奇妙な巫女が、一人】








【人々の喧噪が遠く聞こえる路地裏――――】
【其処に在るのは蹲って呻く数人の者達と冷たい表情で見下ろす一人の少女の姿】
【紅の髪に紅のドレス。肌以外全て朱に染まった少女であって――――】


「……別に殺しはしないわよ。今日は
逃げたければさっさと逃げれば良いし、あなた達の言うボスにでも泣きつきたいなら勝手にそうすば良いじゃない
たった一人。それもこんな小さな女にやられた何て恥ずかしい事を言えるならだけど」

【鼻で笑えば、未だ反抗的な視線を送る男の存在に気付いて】
【――――バキリ。其れは鼻の軟骨が折れた音か、或いは頬骨が砕けた音か】
【いずれにしても、男の顔の何処かが壊れてしまった事に違いは無く】


「ばっかじゃないの?弱いのに、力も無いのにそうやって虚勢ばっかり張っちゃって
だから必要以上に痛めつけられるのよバ〜カ」

【きっと、その音は存外響いたはず】
【更には呻き声。冷たく言い放たれる言葉は路地裏にはよく通る物で】
【さて――――此処を通る者は一体何を思うだろうか】
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/11(火) 20:49:55.47 ID:9fGgVHoHo
【公園】

―――少しずつ、身体が理解してきたってのが感じられるぜ、この動きをな……!!
速度は全然足りてねぇが、負担は大分治まってる……アイツに感謝しなきゃ……なァッ!

【蒸し暑い夜の公園に響き渡るは、独り言と荒い呼吸音。乾いた公園の土に、滴る汗が染みこんで消える】
【無人のベンチには、青いソフト帽と飲みかけのスポーツドリンク、タオルとノートが並んで置かれている】
【そのベンチの前を横切る人影。その人影をよく観察したなら―――】

【二丁拳銃を構えながら、縦横無尽に公園内を駆け巡っていることが解るだろうか。縦横無尽と言っても、速度はお世辞にも速いとは言えないが】

まだまだ遅いが、緩慢からは離れ始めてる……ぎこちなさが無くなれば、右足首の弱点も悟られにくい……!!
―――おっし、残り3セットぉッッ!!

【動きには規則性があり、前に5歩ダッシュして公園の中心に戻る、バックダッシュして中心に、右に〜左に〜と言ったモノだった】
【4方向を1セットとして、それを3セット。男の白いシャツに染みこむ汗の量を見れば、軽い運動とは言えない】

……っっし、終わったぁぁッッ……!! あー、流石に痛むぜ……ッハァ、うわ血ィ滲んでら

【茶髪を掻き上げ額の汗を拭きつつ、視線は自らの右足首に。足首に巻かれている包帯が、赤く染まっていた】
【包帯を解こうと腰を屈めた瞬間―――】

―――うおっ……っとぉ!! 

【痛みと疲れからかバランスを崩し男は転倒。汗で濡れた白シャツに砂がこびり付き、藍のジーンズには土色が施される】
【肩で息をしながら仰向けになれば、首元のペンダント―――銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインの其れが月光を反射した】
【すると仄かな煌めきと同時に、怪しい魔力が煙の如く辺りに広がる。その発信源は、銀の籠に覆われた玉―――】

【勘が良ければこれが宝玉であると解るかもしれないが―――】
【宝玉などの話は関係無くとも、『公園で大の字になっている男がいる』と言う事実だけでも十分に目を引くことだろう】
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/11(火) 21:31:35.07 ID:kb5q71km0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 墓地】

懐かしいよね、東さん……みんなで戦ってた頃……
――――みんな、みんな……今はどうしてるか、分からないけど……

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【『義に散った闘士 東 銀鶏 ここに眠る』と刻まれた墓標の前にしゃがみ込みながら、語りかけるように言葉を紡いでいる】
【その墓標には、少女が手折ってきたと思しき、あまりパッとしない花が手向けられていた】

【その身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】

アーディンさんも、他のみんなも今はどうしてるか分からないけど……少なくとも、私はこうして生きてるよ……
……東さんは、そっちでも世界一を目指してるの……かな?

【虚ろな瞳に酷薄な笑みを浮かべて、何か昔を懐かしむ様に、少女は墓前に両手を合わせていた】



【――――所変わって、風の国 路地裏】

……よし、今日の獲物よ……!
「……みんなで、おいしく、いただきます……!」
<イヒャッヒャヒャ!>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【派手に血液をぶちまけられた路地裏で、男の物と思しき1つの死体を取り囲み、その亡骸にかぶりついている】
【食いちぎられた筋肉の、そこからまたも血が溢れ出て、周囲にはきつい死臭が立ち込め始めていた】

「……僕たち、幸せだよね、2人とも……?」
……どうして?
「1人で、みんな、好きなところ食べれる……みんなで、おいしく、食べられる……」
……なるほど、確かにね……――――っと、血のにおいを嗅いで来たか……ほら、お前たちも足ならくれてやるわよ!

【その臭気を辿ってか、痩せこけた野良犬がその場に迷い込んでくる】
【それを認めた東洋系の少女は、死体の下半身をもぎ取ると、犬へと放り投げてやる】
【犬がその死体に食らいついたのを認めると、東洋系の少女も、安らいだような、それでいてどこか歪な笑みを浮かべて、それを見守っていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/11(火) 21:53:21.87 ID:vMyqzWWOo
>>946
/まだいらっしゃいますかー?
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/11(火) 22:02:14.73 ID:9fGgVHoHo
>>948
/いますよー
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/06/11(火) 22:07:08.11 ID:kb5q71km0
/>>947取り消しでー
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/11(火) 22:14:53.00 ID:vMyqzWWOo
>>946
【夜の公園に入っていく一人の人物】

【夜の闇で一際目立つ桃色のドレスと美しい金髪】
【まるで絵画の世界から飛び出してきたかのようなその風貌】
【そして胸元で鈍く輝く10の数字が刻印されたペンダント】

【そんな彼女はどうやら公園内を散歩しているようで、倒れている男にはまだ気が付いていない】

あら?…あら…大変ですわ…

【職業が職業なので死体には慣れているのだが、オフの時は話は別だ】
【とりあえず息があるのかどうかを確かめようと少女はドレスの裾を持ち上げながら小走りで男の下へ駆けて行った】

そんな所で倒れていましたら風邪を引いてしまいますわよ?
それとももうお亡くなりになっているのかしら…

【もし本当に死んでいるのなら相手からの返事は返ってこないだろう】
【だがもし死体だったら極力触りたくないので、少女は相手の生存を願って声をかけてみた】
【結構白状に思えるかもしれないが、少女には悪気はまったく無い様で】

もし死んでいたのなら……こういう時は救急車を呼ぶべきなのかしら…
それとも霊柩車の方が良いのかしら…

【男に息があるかを確認していない少女は男の前で物凄く失礼な独り言を呟いていた】



952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/11(火) 22:23:43.10 ID:Dqm99chg0
【この時間になれば魔物の活動も活発になり始める故、人気が無くなる森の一角――】
【幾つかの魔物達の亡骸の中に、少女の姿があって】
【全身を真っ赤に塗らすのは、その亡骸達から溢れ出た鮮血か】
【――未だその内の一匹に手を突っ込んでまさぐる姿は、まるで綿詰めの縫いぐるみを分解して遊ぶ子供の様で】


「やっぱり、お外の方が楽しい。綺麗なお星様も、お花も一杯一杯あるもん
――でも、もうこの子はつまんない
お話しも何もしてくれないし」

【不意に、肉の焼ける香ばしい匂いが辺りを包み始めるだろうか】
【数秒後には、手を突っ込んでいた亡骸が激しく燃え上がって――ただの骨格標本になるまで、そう時間が掛からなかった筈】
【華奢な腕が頭蓋骨にあたる部分を抱きしめれば、最早瞳の無くなった目壷と自分の深紅の瞳とを見つめ合わせて】
【――乾いた音。きっと、頭蓋骨が砕けたことを伝える音】


【少し前まで魔物の雄叫びが聞こえ、その後程なくして断末魔が聞こえただろうか】
【その事に疑問を持った者がその場を訪れたのならば、深紅の瞳と乱雑に切りそろえられた髪】
【赤い赤い水を全身に浴びた――その通りの少女が居るはずで】
【服の代わりに纏っていたであろう布も赤一色で、所々焦げて穴が開き、其処からは唯一白い素肌が顔を覗かせていて】
【きっと、新たな影に少女は目を丸くすることだろう――――果たして、足を運んだ者は何を思うか】








【また、異なった街。その街のシンボルでもある時計台の下】
【やたらと香ばしい匂いを漂わせる袋を手にした女が、一人佇んでいて】
【纏っている物は所謂巫女装束。手にしているのは――――揚げたてのポテトチップスか】


「さて、今日も特に問題無く一日が過ぎていきますね
――――いえ、時間が過ぎれば過ぎるほどコレの風味も落ちてしまうので困ったものです」

【恐らくは自警団の一人。そして恐らくは見回り中――――の筈なのだが】
【真面目な装いをしながらもその手はひっきりなしにポテチを掴めば口の中に放り込んで】
【……機関等の事もあり、緊迫した状況の中でここまで奔放な者もあまり居ないのでは無いだろうか】
【果たして仕事一徹な者が見たら何と思うのだろう】


「――――後はこのまま何事も無く勤務時間が過ぎていけば良いのですが」

【パリっとまた一枚囓る音】
【近くを通り過ぎる者達の中には白い視線を送る者も居るが、そんなのは何処吹く風で】
【――――人々から送られる視線。そしてその匂いの事もあって近くを通りかかった者の興味を自然と惹くだろう】
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/11(火) 22:40:57.90 ID:9fGgVHoHo
>>951

【仰向けの状態から見える夜空の景色、その視界の縁から入り込んできたのは月光の輝きをイメージさせる金髪で】
【目玉だけをギョロリとその髪の持ち主に向ければ―――こんな公園には似つかわしくない、お嬢様のような彼女がそこには居た】
【しかし今は息を整えるのでやっとだ。何かしらのリアクションをしようという気にはならず、ただただ彼女の対応を傍観していたが―――】

ハァッ、流石にそれは……ッ、困るって……!!
―――ちゃんコッチはと生きてるよ……!

【面倒なことになりそうだったので、ここらで息苦しさを振り払い彼女に歯止めをかける。疲れた声のツッコミを入れれば、男はゆっくりと上半身を起こして】
【汗で張り付いた砂を振り払いつつ息を整え―――顔を向けて紺碧の双眸に彼女の姿を収める】
【なんというか、最初に抱いた感情は―――こんな時間に独りで出歩く彼女への心配で。……恐らく彼女も、こちらを心配したのだと思うのだが】

……まぁ―――うん。 生きてるってことで……。 
……と言うかだな、この時間帯で一人ってのはちょっとばかり不用心じゃねーか?

だってさ、嬢ちゃんみたいな外見は路地裏に潜んでる小悪党なんかに一番狙われやすいタイプだぜ?

【深夜に目立つ格好、しかもお嬢様風と来た。小悪党を懲らしめる側に居た彼だが、その悪党に襲われている側の大半が彼女のような外見であり―――】
【彼から言わせれば、「どうぞ襲ってください」と言わんばかりのスタイルであったのだから心配の声を飛ばさざるにはいられない】
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/11(火) 22:44:48.96 ID:kb5q71km0
/次スレです
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1370958214/
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/11(火) 22:52:57.74 ID:vMyqzWWOo
>>953
【男の目玉がギョロリと動き、自分の事を見つめた】
【多少也とも死んでいると思っていた相手に急にそんな事をされれば心臓が止まりそうになる】
【と言うより驚きすぎて変な声が口から漏れ出てしまっていた】

……はぁ。ビックリしてしまいましたわ
そんな急に生き返るなんて卑怯です、反則ですわ…

【ビックリして心臓が破裂しそうなので小さく溜息を付き、何とか言葉を紡ぐ】
【激しい運動をした覚えは無いのに男の行動のお陰で変な汗が出てしまった】

お昼の間の方が私には危険よ?
だって色々な人が居て誰が追って来るかわからないじゃない

【何に追われているのかは言及しない、というより出来ないと言ったほうが正しいのだろう】

まあ…怖い。確かに小悪党に襲われたら…

【小悪党に狙われる、そんな男の言葉を聞いてわざとらしく驚いてみせる】
【一頻り驚いて見せた所で、少女はクスクスと男の方をみて笑みを浮かべた】

ご心配ありがとう、でも私も――――

【「私も」そこまで言った所でもう一度ニッコリと微笑んで言葉を遮る】
【男の言葉の大切な部分で話をはぐらかす、そんな少女はとても楽しそうに笑みを浮かべていた】
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/11(火) 23:21:36.07 ID:9fGgVHoHo
>>955

―――生き返り方くらい自由にさせてくれや……いや、別に生き返った訳じゃねーけどさ

【ソフト帽の男は右膝を立て、言葉と共に苦笑いしながらも右足首の赤く滲んだ包帯を解き始める】
【血だけではなく、土までこびり付いてしまった。汚れた包帯を患部に巻いておくわけにもいかず、ポケットに忍ばせておいた替えの包帯と取り替え始める】
【その過程で一度包帯の下が見えるだろうが―――アキレス腱の箇所に痛々しい大きな縫い跡が奔っており、其処から血が漏れていた】
【手慣れた様子で新しい包帯を患部に充てながら、会話は続く】

へぇ、じゃあ危険だらけだな……昼はなんだ? ―――屋敷の護衛にでも追われてたり? 
そうなら大変お転婆なお嬢さんってことになるが……

【追ってくる、と聞いて浮かんだイメージをそのまま口にする。―――きっとどこかのお嬢様で、いつもはボディガード付きで街を出歩いているのだろう】
【そしてその束縛された状況が嫌で、彼らの眼を抜け出してきた―――そんなところかな、といった軽々しい予想だ】
【予想の判断材料は見た目と口調だけと明らかに素材不足なのだが―――別に本気で推察しているわけでもないので、気にはしない】

おうおう、襲われたらアレだぞ? 金目の物ぜーんぶ持ってかれるし下手すりゃそれだけじゃすまねーぞ?
……あと今気づいたんだがな、公園でぶっ倒れてる怪しい人にもちょっかい出さない方がイイぜ?

もし俺が悪党だったり変態だったりしたら危ねーだろ? ……とまぁ説教臭くなって悪ィが、とにかく用心はしてくれってこと

【わざとだが驚きのアクションをとってくれただけマシだった。悪党から市民を護る立場故に、口煩く注意を告げる】
【ここで「心配なんていらない」などと反発を喰らった時には、少し面倒だったのだろう―――と男は感じながら言葉を終わらせた】
【そして彼女が口を開いたが―――直ぐに、声は止んで。「私も」という不自然な所で切れた文に、首を傾げたのは彼】

……・私も? おう……なんか有るのか……って何だよそのニヤつきはよォ

【ここで彼が抱いた印象は、彼女は振り回すのがお好きだ―――と言うこと。包帯を巻き終えて縛れば、小さく溜息を吐いた】
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/11(火) 23:40:40.74 ID:vMyqzWWOo
>>956

次からはちゃんと生き返りますと宣言してから生き返ってくださいな
そうでもないと身が持ちませんわ

【男は死にはしていなかったものの、どうやら足を怪我していた様で】
【怪我の位置や大きさをみて結構大変だな、なんて勝手に推測する】
【結局は切断していないからそこまで大変じゃない、と言う勝手な結論に行き着く】

んー…凄く惜しいのだけれど…正解を言ったら楽しくなくなるから言わないでおきますわ
お転婆?違いますわ、こう見えて結構しっかりしてるんですから

【相手の完全な推測は外れていたと言うわけではない】
【町の護衛者、つまりは警察などに常に追われているのは事実】
【だけどお転婆なんて言われたの始めてらしく、少女は少しだけむくれて見せた】

あら、私を襲うなんて…そんな勇気のある小悪党が存在するのかしら

私は貴方が変態でも悪党でもいいと思いますよ?
だって夜の公園でそんな悪い事をするなんて度胸は無さそうだもの

【男の説教臭い言葉を少女なりの冗談で上手い事茶化してみせる】
【小悪党には襲われない自信はあるし、その時の対処方法も十分に知っている】
【だけど今の楽しい会話を壊したくは無い、だから男の言葉を受け止めたフリをした】

実は…―――実はね…私――――大悪党なのっ
だから小悪党にも襲われないし、ものすっごく強いんですのよ?

【ニヤニヤ笑いながら冗談っぽくそんな言葉を男にぶつけてみせる】

【明らかに嘘っぽくて真実味の無い言葉、それが事実だと言うのは少女しか知ってはいないのだろう】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/12(水) 00:14:27.16 ID:MCh1hSv7o
>>957

……へいへい、善処しますよお嬢様

【青のソフト帽を深く被り直して、呆れ笑いを申し訳程度に隠す。そしてゆっくりと体重を右足裏に送り込みながら、慎重に立ち上がった】
【ジーンズについた砂をある程度落とせば、腕を上げ大きく身体を伸ばす。包帯の巻いた右足の爪先でトントンと地面を叩き、足首の状態を確認した】
【―――まだ、練習は続行できそうだ。そう判断して胸を撫で下ろし、安堵の声が漏れた】

あーよかった、危うく特訓計画がまたおじゃんになる所だったぜ……

【視線を一旦患部に落としたが、再度綺羅びやかな彼女へと視線を戻す。立ち上がったせいか、今度は見下ろす形だ】
【そして少しだけ意外そうな顔を浮かべ、両腕を組んで口を開いた】

ん、違うのか―――結構こういう推測は当たる方なんだけどなァ
でもお転婆って指摘は当たってると思うぜ? だって本当のお転婆に自覚症状なんて無いからな! 

【彼女のむくれた顔を見て、初めて優位に立った気がしたのか頬が緩んだ。したり顔、と言った方が的確な表現だっただろうか】

……まぁ度胸も無いし、そもそもんなことしようなんて思ったことねェし……
―――つまり、俺はいかにも善良な一般市民ってこった。今時俺ほどピースフルな男は珍しいんじゃねぇかって程のなッ!

【このような発言をするからこそ、やはり不安になる。―――要はこの男、心配症なのだ。……ある意味、正義側に向いている正確とも言えるが】
【発言を受けて「よし、度胸が無いって言うならやってやろうじゃねぇか」などと躍起になる男もいるかも知れない―――などと考えてしまうタチなのだ】
【とはいっても、流石にこれ以上の注意を重ねるのは気分を悪くするだろうと思った為にそのことを口には出さなかった】

……ああ、確かに強そうだな。 肝が据わってるというかな……
そんで、悪党……というよりは悪女になりそうだ。隙あらば引っ掻き回そうとしてくるんだもんよ

【―――強いのは「気」だろう、という意味のセリフに皮肉を付け加える。まさか本当に強いだなんて1mmも思っていない彼なのだ】
【そして男は続けて、彼女に対向するようなセリフと共に此方も悪戯な笑みを浮かべるのだ】

……あ、俺もさ―――ものっすごく強いんだぜ? ……怪我しててもな
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/12(水) 00:36:57.25 ID:5jR53l8co
>>958

もし次も同じ事をしたら生き返りを阻止しますから

【腕を組んでムスッとした表情を浮かべ、恐ろしい事を口にする】
【勿論全部が全部冗談である、その証拠に先ほどから少女の口には笑みしか浮かべられていない】

特訓?……駄目ですわよ。そんなの

足の傷を見るからにして結構酷い傷でしたわ
それなのに傷口を刺激してしまうなんて…完治が遅れるどころか大変な事になりますわよ?

【世間知らずそうな少女の口から飛び出た意外な一言】
【立ち上がった男の顔をジッと見つめる所を見ると嘘では無いのだろう】

いいえ違います。私がお転婆だ何てあり得ません
多分この界隈では結構しっかりしてる分類に入るほうです

【この界隈がどの界隈かは知らない、だけど頑なに少女は認めない】

はぁ…貴方って心配性なのですね
でも、私の心配をするより自分の怪我の心配をなさったら?私は本当に大丈夫ですから

【自分を省みない男の心配についつい大丈夫だと本心で言ってしまう】
【人に心配されるだなんて事は久しぶりだから嫌ではないのだが】

悪い女…結構カッコいいからいいじゃありませんか
それとも悪い女はお嫌いかしら?

【悪い女でも良いんだと男をからかう様な口調で口にした】
【まあ悪女という表現も当たっているのだが、言葉に秘められた悪のベクトルが違うと思う】

あらー…そうだったんですの、だったら怪我が完治してから一戦交えましょう
相手にハンデを負ってもらったまま戦うなんて優雅じゃありませんわ

【相手の言葉を悪戯気に一笑して言葉を紡ぎ返すのであった】

/すみません!眠気がピークなので持ち越しか置きレススレに移動よろしいでしょうか?
/9時以降なら基本的にどの曜日でも居ると思いますので
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/06/12(水) 00:39:48.57 ID:MCh1hSv7o
>>959
/了解です、自分は早くても次は土日になりそうですが後日宜しくですー
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/12(水) 21:24:07.36 ID:vREPDvQh0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 草原】

「……一体どういう風の吹き回しだい? そっちから仕事を手伝わせてくれ、なんて……珍しいじゃないか」
風の国だけに……ってか?
「……どうもこの前から、言動がおかしいね……何かあったのかい?」
たまにゃあ良いじゃねぇかよ。俺だって、お前の顔ぐらい見たくなるときぐらい、ありゃあよ……

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【穏やかに風の駆け抜ける夜の草原に、2つの影を成して歩いている】
【草だけがざわざわと音を奏でるその一帯には、彼ら以外の人物の気配が感じられなかった】

「……っと、これだね……」
それがお前の今回の仕事か?
「あぁ……これと同じものを見つけたら、確保してほしい……絶対数は少ないけど特徴があるから、見つけるのは難しいけど、見分けるのは簡単だろう?」
はっ、言うまでもねぇ。こちとら山の生まれだぜ? 任せとけよ!

【連れ立っていた片割れ――――青年は、地面から一本の草を引き抜くと、隣の居丈夫に見せる】
【それは、鈴の様な小さな花のついた、何らかの特別な草らしい】
【それを示されて、居丈夫も青年と同じ様に、地面との睨めっこを始めるのだった】



【――――所変わって、夜の国 公園】

「――――ハッ、この世界にも居るもんなんだなぁ……群れるザコってのはよ。ましてや、せこい犯罪のおまけつきだぜ……」

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、赤色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【足元に倒れ伏した4人の不良の懐から、財布を抜き取っている】
【――――年相応とも思われる柔らかい声音に反し、口調は刺々しい男の様なもので、そのギャップは聞く者に特徴的に捉えられるだろう】

(……で、でも良いのかな? こんな事して……)
「(ま、明らかにこっちの世界でも、こう言うのは犯罪だろうしな? 他に銭を稼げる手段があるなら話は別だろうぜ?
……所詮、異邦人に出来る事なんて、こんなもんだ。ましや、国どころか世界が違うとなっちまうとな……)」

【しかし、威勢よく捨て台詞と共にその場を立ち去ろうとする少女の表情には、何とも言えない後味の悪さを感じている様な苦みが残り】
【いくばくかの現金を鷲掴みにして、懐にしまいこみながら、その歩調にはどこか力の入り切らない虚しさの様なものが感ぜられた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:15:12.05 ID:ASZ803RLo
【水の国・噴水広場】

【暗くなってもまだ人気はあり、普段どおりの活気を見せる】
【そんなここに笛の音が響き渡る】
【奏者の姿は近づけば分かるだろう、少年だ】
【ベンチに座り、演奏をしている】

【黒い薄手のジャンバーを着て、その下に黒いズボンを履いている】
【その少し上を見ると肩まで届く黒い髪、わざと伸ばしているというよりは面倒で放置したという感じ】
【手には少し長めの横笛があり、それを演奏している】
【音、見た目共にリコーダーに近い】

【演奏は下手でもなければそれほど上手でも無い程度】
【ただ物珍しさからか人は多少集まっている】
【低音を鳴らすその笛にか、あるいはこの場所で演奏をするその姿勢にか】
【理由はそんなものなのだろう】

【そして1曲の演奏が終わり、少年が笛から口を離した】
【疎らに拍手が響き、少年が立ち上がり】

ご清聴、ありがとうございました
これで終了となります

【そんな言葉で閉め、一例の後再びベンチに座った】
【集まった人々も解散し、再び広場は静寂を取り戻した】
【残った少年はすることもないのか、空を見上げている】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/12(水) 22:15:31.42 ID:vREPDvQh0
/>>961取り消しでー
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/12(水) 22:29:17.34 ID:4F9lY9ti0
【未だ賑やかな喧噪に包まれる街の中――――その一角に存在するパン屋】
【昼間ならば行列を成すほどのその店ではあるが、やはり夜と言う事もあって人少ない】

【様々な店の客引きやら何やらが立ち並ぶ中、その場には不似合いな姿が一つ】
【暗い色のローブを纏ってはいるけれど、覗く髪の毛はそれとは相対的に金色の耀きを放ち】
【狼の耳を生やした少女が、パンが沢山詰められた袋を抱え歩いていて】


「さって……UTのみんなの分も買ったし、子犬達にあげる分も買ったし……これで買い忘れは無いかな?
いや、寧ろ多いくらいかな……。ふふ、みんな喜ぶと良いんだけど」

【ローブからはみ出た尻尾が左右に揺らされれば、その心情を表しているのだろう】
【食欲をそそる香ばしい匂い。其れを楽しみながら歩いていれば、グイと手が引かれて】
【見てみれば、客引きの一人。華美なドレスに身を包んだ女が何処かの店へと連れて行こうとしていたけれど】


「へっ?いや……ほら、ボクはそういうのあんまり興味無いっていうか……
人見知りだし、そういう場所も好きじゃ……コレだって早く届けなきゃいけないし……
そうそう、お酒だってまだ――――って、爪、食い込んで痛いから離して欲しいなぁー……」

【強く出る事が出来ない故に、掴む手を振り払うことが出来ず】
【毒々しい色のマニキュアを塗った鋭い爪。幾らローブ越しとはいっても、やはりそれ相応の痛み】
【困った様な笑みを浮かべれば、助けを求める様な視線を巡らせるのだけど――――】






【暗い森の中、あっちへ行ったりこっちへ行ったりする影が一つ】
【目を凝らしたならば、その正体は巫女であると分かるだろうか】
【何処か自信なさげな表情ながらも、様々な場所へと視線を巡らせていて】


「やっぱり……こんな所には居ませんよね……
ですが、何か手がかりがある訳でも無いですし……」

【――――闇夜の其れよりも、一層暗い雰囲気】
【肩を落とせばトボトボと歩き出して……数歩もしない内に、小石に躓いて見事に転倒】
【驚いて叫ぶ暇も無かったのだから、それはそれは綺麗な転び方だったのだろう】


「…………泣きっ面に蜂とでも言うのでしょうか
……幾らそうだとしても、あまりにも酷い仕打ちだと思います……」

【最早立ち上がる気力も無く、暫くはそのまま地面の冷たさを味わおうというのだろうか】
【森の中、苔むした地面にのさばる奇妙な巫女が、一人】
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/13(木) 20:15:56.28 ID:G8R2YpDto
>>881

【薄暗い路地を進む中、背高の影が、何かを見止めて立ち止まる】
【前方に同じく背高なシルエット。 つんと煙草の香りが付随して、思わず眉を顰め】

 …………レヴィ?

【名を呼ばれて、気怠げに煙草を踏み消し振り返る表情は、長い前髪で窺えない】
【――ただ、口許だけが、にぃと笑った】

 「あんたは引きずり込まれた方、だろうにねぃ。
  まぁ、良いさぁ。 どうせ大差ねえだろうよ……

  一先ずご苦労さん。 そんでまた次だ」

【広げられた羊皮紙、そこに描かれた鎧兜の巨人が罰点で抹消され】
【次に示された絵――いかにも嫌そうな溜息が零れた】

 ……貴方も手伝って下さいね?

 「分かってるってぇの、社長」

【疲れた顔と、にやにや嘲笑う顔――】
【彼らが路地を二三歩進んだ所で、地から黒い霞が湧き上がり】

【飲まれるようにして二人がその中に消えれば、後には何一つ残されなどしなかった】

/〆が大変遅くなりました、ありがとう御座いましたー!
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/13(木) 21:03:48.19 ID:FdePLTMuo
【とある浜辺】
【長く続く海岸線を、2人の若い男女が歩いていた】

何かないですかねえ、何か

【前を進む女性は、セミロングの金髪に、灰色の瞳を持ち】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、小さなリュックを肩にかけ】
【黒いタブレット端末を抱えている】

「何を探してるんですか?先輩」

【男性の方は女性の数歩後ろを歩いている】
【砂浜にはミスマッチな暑苦しい革製の黒いハーフトレンチコートに、側面に白いラインが入った黒いカーゴパンツとほぼ全身を黒で包み】
【腰には二つのナイフホルダーを固定し、二振りの長めの軍用ナイフを差し】
【鈍い銀髪のオールバックに、流線型のサングラスを掛け、その下には赤茶色の瞳が覘く】

いえ、基本的にはいつもの「能力者探し」ですよ
ですが以前、このあたりで記憶喪失の能力者を拾ったことがありますからね
そういう面白いハプニングがまたあったら嬉しいなあと思ってるだけです

「そんなことそうそうありませんって……」

【会話もほどほどに、2人はざくざくと砂浜を進む】
【傍から見れば目的も関係もよくわからない二人組だが―――】
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/13(木) 22:13:39.40 ID:PAkDSxh70
【櫻の国――――以前までは人間達の住んでいた一つの村】
【桜の名所として有名だった場所だけれど、今は妖怪達が住んでいて】
【すっかりと花が散ってしまったその木の下で、酒を呷る影が一つ】


「さぁて……そろそろ次の場所を目指さなきゃいけないかなぁ
拙(ぼく)達の親が持って居た城でも取り返しに行こうかな。それとも……」

【一升瓶が空になってしまえば、脇へと退けて空を見遣り】
【顎に手を添えて何やら考えようとするも、思考は纏まらす】
【答えとして出たのは、一つの溜息】


「まぁ……今はいいっか
美味しいお酒があるんだから、今は其れを楽しまないとねぇ……
飲み終わったら美人な人でも探して、それから考えよっかな」

【戯言を漏らすのは、山伏の服を纏った烏天狗】
【その外見はどう見ても少女なのだが、漏らされた言葉から考えるに性別はその逆であろう】
【妖怪の村――だなんて噂される其処。さて、訪れる物好きは居るのだろうか】




【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【入院患者との待合場所としても利用される、所謂ラウンジと呼ばれる場所】
【どの人達も、誰かと楽しそうにお喋りしているが――――】
【ふて腐れたように頬を膨らませ、車椅子に座る少女が一人いて】


「……何故あの馬鹿はいっつも遅いです
本も読み飽きて、する事が何も無くて退屈です。退屈すぎるのです」

【――――汚れを知らないような真っ白な髪。額に生えるのは、一本の角】
【何よりも、“交じり者”の気配が注意を惹きつけるのだけれど】
【そんな険しい表情を浮かべて居れば、少なくともこの場では話し掛けようなんて猛者は居らず】


「どうせ、私にはどーでもいい事をしている事です……
本当に私の従者ですか。あの馬鹿は……いや、あの馬鹿達は
主たる私を助けないで、何故他のやつを助けるです……」

【言っている間に更に不満が募ったのか、「ムキー!」なんて言葉と共に手を振り上げて】
【――――元より異質なこの少女。そんな行動を取れば、更に目立つはずで】
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/14(金) 20:41:19.33 ID:zIc9Dbug0
【街外れ、小さな広場】
【大人の足ならば一辺を歩き切るのに1分も掛からない広さ】
【あるものと言えば小高く積み上げた丘と、小さな花壇と、お粗末なベンチぐらいのもの】
【――それでも。目を惹くだろうか、狭い空間に揺らめいて踊る、陽光の気配】

……うふふふふふふ、

【時刻は疑う余地なく夜。お日様なんてとうに沈んで、ただ、この場を満たすのは確かに太陽の暖かさ】
【午後3時、陽だまりで包むような温度が、明るさが、ひらりふわ蛾のような形で舞い踊るのだから、少しだけおかしい】
【――魔力で作られた形の一つ一つが陽だまりの属性を持っていた。ぱたぱた羽ばたくたび、小さく残滓が零れ落ちて】

【高い位置で一つに結わえたクリーム色の髪、ふわふわした髪先、ぴこりと揺れて】
【夏の青空みたいに抜ける青色の眼、右の下には紫色の蝶を模した刺青が刻まれていて】
【黒と白できぱり色分けしたワンピース、この時期に見るには少しだけ暑そうな、そんなデザイン】
【無意味にくると回ってみた気分、楽しげに舞い踊るスカートの裾、フリルで飾られ】
【さっくりと地面を踏む足元は爪先のまぁるいストラップシューズ、底のない物】
【――女の子だった。それも、就学しているのかも怪しいぐらい、小さな体躯で】

――お星様とおそろいなんだから!
きっときっと、上から見たら、ここだって星空ときーっと、似てるよね! なの!

【標高2mにも満たない高さの丘の上、くふふきゃははと洩らす笑い声はきっと夜によく目立つはず】
【それ以前に声を絞るということを知らないようなハイテンションの声量は良く響くのだし――】
【迷子にしては元気すぎる。不良としては小さすぎる。なんだかいろいろと、不思議な状況――?】
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/14(金) 20:47:21.64 ID:zIc9Dbug0
>>968
/書き忘れー。日付変わる頃には切ることになると思いますが、それでもよろしければ
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/14(金) 21:12:49.59 ID:TZBmo9050
>>968

……今日も……疲れたね……
「(お前は慣れてないからな……屋根の無い場所で寝るって言うのはよぉ……)」
でも……ホテルとかでお金を使う訳にもいかないよね……お金は、食べるものを買う時に使わなきゃ……
<(でも、やせ我慢ばっかりしててもダメよぉ? 偶にはシャワーも浴びて、身だしなみを整えなきゃ……ねぇ?)>
だけど……いつまで今の状況が続くのか、分からないんだし……

【とぼとぼとした小さな足取りで、広場へと踏み入ってくる小さな影があった】

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女】

【まるで見えない誰かと言葉を交わすような、奇妙な独り言を口中でブツブツと呟きながら、伏し目がちに取り留めなく、歩いているようだった】

「(ったく、厄介な事になってきてるよなぁ……これなら、殴り合ってた方がよっぽど簡単だぜ……)」
<(こっちじゃ今のところ、そう言う特別に敵対した人間なんて居ないんだし、それも難しいわよねぇ……)>
…………あれ?
「(……どうした? ――――っ、なんだ……?)」
<(……なんか、変よね……この感覚……)>

【そうして、人目を憚る様に小さく歩いていた少女だが、場を覆う不思議な雰囲気と暖かさに気づいてか、歩を止める】
【遠目に、小山の上ではしゃぐ少女の姿を、不思議そうに見つめていた】
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/14(金) 21:38:14.93 ID:zIc9Dbug0
>>970

【両腕を大きく広げてくると回る、ぱたぱたと地面踏む足取りはどこか危なっかしくて、ただ、転ぶには足りなくて】
【元より子どもなんてものはどうでもいいことを楽しいことに変えてしまう天才だけれど、それにしたって楽しげで】

あっ……あー、でもでも、お月様が足りないよねっ――わぷっ

【無意味にくるくると回っていた足先が止まる、急停止に慌てふためくようなスカートと、ポニーテールと】
【特にフリーダムに揺れていたポニーテールがびたんと顔にぶつかったなら、ぴたとくっつく無数の毛先】
【遠くに夏を含んだ気配で纏わりつくのを引っぺがしたなら、その向こう側に来訪者が窺えた】

……――、うー?

【就学しているのかすら曖昧な見た目からすれば、小柄な少女だって十分に大人に見えて】
【それでも。よく見る大人と違って不思議なのが、伏し目がちに何かしら呟いているよなその様子】
【――人が人なら視線を逸らして無視したっておかしくないような現状に、ただ、この幼子は】

あっ……こんばんはー! なの!

【視線が合ったことに気付けば向日葵みたいなとびきりの笑顔、顔どころか体いっぱいに湛えて、ご挨拶の声が良く弾む】
【きらきらと燐光を零して落として夜を彩りながら舞う蛾たちの中、高いところに一人立つのはまるで女王様みたいで】
【敵意も、殺意も、或いは知らないかのように。笑う様子に、裏なんて感じられないなら――さて、どんな風に見えるのだろうか】
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/14(金) 21:53:22.77 ID:TZBmo9050
>>971

「(……この『気』と言うか、なんと言うか……ちょっと、ゾッとしねぇな……)」
あんな小さい子が……?

【場を覆う、不思議な魔力――――その存在を感知して、パーカーの少女が訝しげな表情を浮かべる】
【日の沈んだ暗がりの広場にあって、まるで陽光を感じる様なその空間。その中心に居るのが、幼いポニーテールの少女】
【その少女が、何かこの場の空気の要因となっている。その事は、普通にパーカーの少女にも察しがついたのだろう】
【だが。だからこそ、彼女には不思議に映っていたのだ】

<(……で、どうするのかしら? 今のところ、危険とは思えないけど?)>
……多分、大丈夫なんじゃないかな……

【ぼうっと、額の三色を繋ぐ円環が輝きを増す。立ち止まったままの少女は、じっとポニーテールの少女を見つめて――――そこで、視線が合った】
【緑色の瞳が、ハッと驚いた様子で光る】

あ……え、えぇっと……こんばんは……

【全くの邪気を感じさせない、元気いっぱいの挨拶。それに対してパーカーの少女は面食らったのか、戸惑い気味に言葉を返す】
【考えてみれば、立ち止まってじっと凝視などしていれば、何かのアクションが帰ってきてもおかしくは無かったのだろう】

えーと……ね、ここの暖かいの……お嬢ちゃんがやってるの、かな?

【ともあれ、声を掛けられてしまった以上はそのままだんまりを決め込んでいる訳にはいかない】
【パーカーの少女は、どこか物怖じしながらポニーテールの少女にその事を聞いてみた】
【年の差を考えると、パーカーの少女が物怖じするのもどこかおかしな話だが――――幼児と言って差し支えない相手に、何故か萎縮してしまっていた】
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/14(金) 22:05:33.39 ID:zIc9Dbug0
>>972

【太陽の光を切り取って貼り付けたような無数の蛾たち、ひらり踊って、くるり廻って、ダンスをするかのよう】
【ちっちゃな丘の上でにこにこと愛想振りまく小ささを見れば、確かにおかしいと言えて――】

【――ふわと踏み出した足、転んでしまわぬように気をつけてゆっくり下ってくる、少しの時間】
【ぎゅっと握って顔の辺りまで持ち上げた両腕、精一杯にバランスを取りながら、少女と同じ高さの地面に降りたなら】

うんっとね、そうだよー、なの!

あのね、あのね、ここって真っ暗でしょ、だからね、いっぱいきらきらーってしたらね、お空みたいになるかなって!

【悩むことすらなく首肯する傍らに蛾が一つ舞い下りてきて、こちらもまた頷くように小さな頭をくるり廻る】
【太陽の暖かさと、魔力の気配と、――さらにまだ抱くよな気配すらあるのだから、やはり、普通とは違うように思えて】
【それで居て。とってもいいこと思いついたんだよ!とばかりに説明してくるのは、子ども以外の何でもないのだから】
【どこかアンバランス。不相応な力を持ってしまった幼子と言うか、そんな印象でも抱かせるのだろうか】

――でもね、あのね、よく考えたらね、ここにはお月様無いなーって思ってね……。
だからね、作ろうかなっ? って思ったんだけどね、でもね、あのね、お姉ちゃんが来たからいいかなーって!

【じぃと向けていた視線は一度少女から離されて。控えめな広場の敷地をくるりと廻ったなら】
【きらきらと瞬く光の蛾たちは確かに空から見ればお星様のようにも見えるのだろう。そして、確かに月は足りなくて】
【――けれど。そんな拘りも、少女が訪れたことで解れてしまったみたいに。もういいのなんて、あまりにもあっさり告げるのだろう】
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/14(金) 22:24:04.25 ID:TZBmo9050
>>973

そ、そうなんだ……凄いね

【外見に似合わず、大仰な行為をなんて事の無い様に言ってのけるポニーテールの少女に、パーカーの少女は気圧されながらも相槌を打つ】
【保有している魔力の量が、よほど強くなければ、この様な幼子にこれだけの芸当は出来ないだろう――――そんな事を考えて】

お空って……お星さまの光ってるお空の事かな?
確かに……うん、そうだね。キラキラしてて、綺麗だと思うよ
お星さまが一杯になれば、きっととても明るくて、綺麗になるんじゃないかな……?

【――――不相応に思える魔力を行使していても、理由はほんの他愛ない、子供の児戯】
【それを確認して安心したのか、パーカーの少女も徐々に態度を軟化させ、ポニーテールの少女に微笑んで見せる】
【――――パーカーの少女とて、まだまだ幼さの残る子供なのだが、それでもポニーテールの少女に比べればずっとお姉さんで】

お月様……そっか。空には大きく、お月さまが浮かんでるから……だよね?
でも……だったら、お嬢ちゃんがお月様になれば良いんじゃないかな?
――――お月さまの神様はねぇ……女の神様なんだよ。だから、お嬢ちゃんがお月さまになっちゃえばいいんだよ

【月の女神の例えを使い、そう提案して見せる】
【夜空の再現を楽しもうとしているのなら、それそのものじゃ無くても良いのではないか――――そんな事を考えてみて】
【『月と認められる何か』を提示して見せて、ポニーテールの少女はどう感じるのだろうかと、パーカーの少女は提案してみたのだ】

(……聞くだけ、聞いてみようかな?)

【ふと、パーカーの少女はじっと考え込む仕草を見せる】
【眼前の幼子は、自分の欲する情報を持っているとは思えないが――――聞くだけ聞いてみようかと】

お嬢ちゃん……この近くに、不思議な場所みたいなの、無いかな?
雰囲気が不思議と言うか……見えない何かがある様な気がするというか……そんな場所、知ってたら教えて欲しいな……

【パーカーの少女は、どこか要領を得ない言葉を用いながら、ポニーテールの少女に問う】
【――――彼女が探しているのは、霊的な力を宿している、一種の『パワースポット』】
【それを、恐らくそのまま聞いても分からないだろうと考えて、当たり障りの無い、どこか抽象的な言葉で聞こうとしたのだろう】
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/14(金) 22:27:13.25 ID:b6pphBrWo
【とある浜辺】
【長く続く海岸線を、2人の若い男女が歩いていた】

何かないですかねえ、何か

【前を進む女性は、セミロングの金髪に、灰色の瞳を持ち】
【シルバーグレーの作業着の上下に白衣を羽織り、小さなリュックを肩にかけ】
【黒いタブレット端末を抱えている】

「何を探してるんですか?先輩」

【男性の方は女性の数歩後ろを歩いている】
【砂浜にはミスマッチな暑苦しい革製の黒いハーフトレンチコートに、側面に白いラインが入った黒いカーゴパンツとほぼ全身を黒で包み】
【腰には二つのナイフホルダーを固定し、二振りの長めの軍用ナイフを差し】
【鈍い銀髪のオールバックに、流線型のサングラスを掛け、その下には赤茶色の瞳が覘く】

いえ、基本的にはいつもの「能力者探し」ですよ
ですが以前、このあたりで記憶喪失の能力者を拾ったことがありますからね
そういう面白いハプニングがまたあったら嬉しいなあと思ってるだけです

「そんなことそうそうありませんって……」

【会話もほどほどに、2人はざくざくと砂浜を進む】
【傍から見れば目的も関係もよくわからない二人組だが―――】
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/14(金) 22:40:11.61 ID:zIc9Dbug0
>>974

【「凄いね」と少女が言ってくれる言葉、ぱあぁといっそう色濃く笑みが咲く】
【くるりくる舞踊る蛾たちだってどこか誇らしげに胸を張るような仕草。――まさか、全て彼女が操作しているというのか】

ふぇ……、あ、そのお話ね、知ってるよ! なの!
えっとね……この前読んだご本に書いてあったの! あのね、あのね、とっても弓が上手なんだって!

でもね、あのね、私ね、弓とかね、触ったことないよ、なの。クマさんもね、……おーっきかったら、こわいなー。

【空を見上げたなら笑うみたいに鋭く煌く三日月の形、けれどこの場は新月の夜で】
【ならば自らがお月様になってしまえだなんて、まるで思いも付かなかったこと】
【びっくりした感情をそのままに丸くなる瞳――けれど、その話を自分も知ってると思い出せたなら、また笑うのに】
【――ついーっと。緩く引っ張ったように落ちていくテンション、だめかもなんて言う風で、ポニーテールもしゅんと垂れる錯覚】

……う、ぇ、不思議な場所?

【それでも。そんなマイナス方面の気持ちが長続きしないのは、長所的にも短所的にも取れる】
【不思議な場所。尋ねられたなら、きょとんとなぞってみる言葉、ふらと首を傾げて、髪先が揺れる】
【ほんの少しだけ、黙り込む間が空く。思い出すように、視線がきょろと動いて――】

知ってるよー! なの!

【子ども特有の感覚と言うものは確かにある。見えないお友達、大人の行けない場所、七つまでは神のもの、そんな話もあるけれど】
【やがて。にぱーと綻ぶ笑顔と一緒に紡ぐ言葉、果たして信用していいものか――少しばかし、心配になるかもしれなくて】
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/14(金) 22:53:28.99 ID:ZeGCqiTKo
【とある酒場】

………。

【その男はテーブルに肘をついて、右手で頬杖をついた姿勢でいた。】
【黒地の何柄とも言いがたいシャツ、テーラードジャケット。聖母マリアのシルバーネックレス】
【男のかけたサングラスにはその照明のオレンジと壁にかけられたダーツの的が反射する】

【口にタバコをくわえていて、テーブルにはビールの空き缶とテキーラの瓶とグラス】
【灰と吸殻が幾つもある安っぽい金属の灰皿らが乗っかっている。】

【今日はアイツ、コッチに来ねえな。ポーカーテーブルの男が言う。】
【知らねえ、もうほかの店で負けた後なんだろよ。と別の男が笑う。】

暑っちぃ……

【そう呟きながらテーブルに転がる、ダーツの矢を一本引っ掴んで】
【頬杖の体勢のまま、的に向かって手首を振る】

【的の大して点も高くないような所にベタに突き刺さった】
【チクショウと舌打ちして、煙草を灰皿に押し付けた】

【ここは街の外れのイカした酒場だ。インテリアやBGMが凝っているわけでも】
【洒落た料理も酒も普通以下だけど、ここはイカしてると言える】
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/14(金) 22:54:58.60 ID:TZBmo9050
>>976

(……はしゃいでる……のかな?
スケールが凄くて、良く分からないんだけど……)

【改めて、周囲をキョロキョロと眺めまわしながら、パーカーの少女は驚きと困惑を混ぜた様な表情を見せる】
【やってる事は、『子供が他愛ない一人遊びをしてはしゃいでいる』と言ってしまえる程度の事なのだろう】
【だが、その為にそれなり以上の魔力を使っていると言う事実が、何とも戸惑いを覚えるものだったのだ】

あはは……でも、お星さまの真ん中にいるのはお嬢ちゃんでしょ?
だったら、お似合いなんじゃないかな? 一杯のお星さまに、囲まれてるんでしょ?

【子供らしいネガティブを見せて、熊をおっかないと言うポニーテールの少女の無邪気さに笑みを見せながら、パーカーの少女は言葉を紡ぐ】
【実際を言えば、月の女神は『夜の支配者』の側面も持っている。そこに拘りだしたらキリがないだろう】
【それより、ポニーテールの少女を納得させるのは、表層的なもの――――彼女の中の、その無邪気さを満たす為のものだと考えて】

――――知ってるの?
だったら……ちょっとだけお願い、教えてくれるかな……?

【自分の願いを、ポニーテールの少女が間違いなく斟酌してくれたか――――それは非常に微妙と言わざるを得ない】
【しかし、元よりダメで元々なのである。パーカーの少女は、膝を曲げてポニーテールの少女と目線を合わせながら、両手を合わせて頭を下げた】
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/14(金) 23:07:51.43 ID:fgpRV/BXo
>>975
【浜辺という場所には、漂流物が打ち上げられることもある】
【白衣の女性が拾ったという、能力者の漂流物はさすがに珍しいだろうが】
【流木や不法投棄物といったものは、多く見られるだろう】
【ほとんどの人間は見向きもしないだろうが、そういったものに価値を見出す者もいる】


いやあ、もったいない、もったいない……
世の中、簡単に物を捨てる人間が多すぎるよなぁ……
なあ、ブレインデッド

「ど、ど、同意する」

【浜辺に這いつくばるようにして、打ち上げられたゴミを拾い集めては、背中のリュックに放り込む男】
【彫りの深い顔立ちに、灰色の髪をオールバックにしている】
【カーキ色のジャケットの上にポケットがいくつもついた黒いベストを着用し】
【下半身は、迷彩柄のズボンと黒く厚い軍用ブーツで固めている】
【両耳と口元には、鈍い鉛色のピアス。ピアスと同じく、くすんだ鉛色の瞳を皿のようにして浜辺を這いまわっていた】


【誰かと話しているようだったが、もう一人の姿は見えない。この場に、身を隠せるような場所などないはずだが】
【ふと、ピアス男が顔を上げる。足音に気がついたらしい】
【視界に男女を捕えると、ゆっくりと立ち上がり、笑顔を浮かべて声をかける】

やあどうも、こんにちは
お見苦しいところを申し訳ありやせん

【表情こそ笑顔だが、その裏にはどこか下卑た気配が潜んでいることがわかるだろうか】
【鉛色の瞳が、素早く辺りを窺う。周りに人がいないか、確かめているらしい】
【男女との距離は、多少空いているだろうか。まだ、何かを仕掛けてくるような様子はないが……】


/まだいらっしゃいますか?
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/14(金) 23:11:16.21 ID:b6pphBrWo
>>979
/います!今から返信打つのでよろしくお願いします!
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/14(金) 23:12:32.52 ID:zIc9Dbug0
>>978

【幼子と思えない量での力の発露、こんなお遊びに使うには、或いは勿体無く見えるぐらい】
【それでも。この力をヒトやモノに振るわないなら、それはとても良いこと――のはず】
【邪気のない性格。文字通りの無邪気、顔に湛えて――楽しそうに笑うばっかり。命をとてもとても謳歌していると、言うべきか】

……そうかなー?

【弓なんて扱えないし、大きなクマとなんて対峙したくない】
【それでも。大人(に見える)にそんなことを言われたなら、そうなのかも……だなんて、思考は揺れて】
【ちょっとだけ恥らうように下の唇を噛む、それから、そうっとはにかんで】

あのね、あのね、とーっても秘密の場所なんだけれどね、いいよー!

【そんな照れを隠すよう。ぱっと表情の色合いが変わるなら、そこにあるのは元通りの笑顔】
【「でもでも、内緒だよ」なんて唇に添えた人差し指、しーっなんて、わざとらしく口に出したなら】
【立てたままの指先が中を薙いで、「あっち!」と、示すのだろう――ただ、まだ、歩みださないのは】

そうだ――あのね、お姉ちゃんのお名前は何ですかって!
私はね、ファラエナって言うんだよ、なの!

【――少女の名前を聞きたかったから。まずは自分からとばかりに名乗ったなら、答えを待つように首を傾げる間】
【(少女が言語に詳しいならば。彼女の名乗ったもの、それこそまさに蛾を意味する単語だと気付けるだろうか)】

【そんな二人を取り囲むように踊る蛾たちの隊列が崩れていく。ぼろと翅が落ち触角が落ち、一つ一つが壊れていくのは】
【もう移動するようだからと存在維持を放棄されたことによるもの。ふわふわと舞い落ちる燐光、まるで雪のようでもあって】
【緩やかに地面に舞い下りたなら、積もったものはほんの僅かな動きにも舞い上がって、ただの広場をどこか幻想的に彩るよう】

【少女が名前を次げたならやっとこ歩きだすだろう。小さな歩幅、ゆっくり歩くことを強いられるようでも】
【何だかんだどうでもいいよなお話を振ってきたりもする。黙るように言えばそうするし、そうでなければ――まあ、退屈はしないはずだ】
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/14(金) 23:23:46.96 ID:b6pphBrWo
>>979

「!」

おや?誰かいるみたいですねえ
ゴミを拾ってるみたいですが……

【歩いていた2人は前方にいるピアスの怪しい男に気付き】
【青年の方は警戒感を強め、素早く女性の前に出た】
【女性は警戒感ではなく、期待感をあらわにし、青年の背中に問いかける】

どうしました?
もしかして、彼から能力者の気配が?

「いえ、そりゃまだわかりませんが。
あんな恰好で一人でゴミ拾い、少なくともボランティアには見えないでしょ」

【距離的に、この会話が聞こえたかは微妙なところだが】
【ピアスの男が挨拶をしてきたので、女性はとりあえず挨拶を返す】
【青年は言葉を出さずに軽く――相手を観察するように会釈した】

こんにちは
何をされてたんですか?

「……」

【女性はピアスの男の行動に少し興味を持ったようだ】
【もしかしたら自分の求める出会いかもしれないと――】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/14(金) 23:28:48.24 ID:TZBmo9050
>>981

(……このまま、迷わないでいてくれると良いよね……
……この世界の、今の有様だと、それも難しいのかもしれないけど……)
「(……全くだな…………その、悪ぃ……)」
(気にしないで……でも、この世界は本当に、そう言う意味じゃ……)
<(……そうよね。直に見てないあたし達には何とも言えないけど……難しい気がするわ……)>

【すっと目を閉じて、小さくため息をつくパーカーの少女】
【――――意識の中に居る『他者』。それらとの心の中での会話を交わす】
【いずれ、ただでは済まない時が来る――――少女自身も、彼女の中の別個の意志も、その結論に達していた】
【願わくば――――その時が訪れる事の無い様に、祈る事ぐらいしか出来なかったのだ】

うん、きっとそうだよ
お月さまだって、空の真ん中でのんびりしてるでしょ?

【月も星も、一切にはただ自然の摂理に従って動くだけ。そこに激しい仕草などは存在しない】
【――――事実を言うなら、それらは高速の運動の結果でもあるのだが】
【そこに、大仰な理由や根本は必要ないと、ポニーテールの少女の感受性を守ろうとするかのように、パーカーの少女は告げた】

うん、それは分かってるよ。私がお願いするんだから
『秘密の場所』なら、誰にも……だよね?

【同じく、指を唇に添えて、クスッと微笑んで見せるパーカーの少女】
【こうした幼い仕草も、調子を合わせてみると意外に面白い――――そっとその指を下ろして】

あ……名前?
……私の名前はリベル。リベル=アシェルって言うの

――――それじゃあファラエナちゃん、お願いね……

【そうして歩きだそうとしたところで、名前を問うてくるポニーテールの少女――――ファラエナに】
【問われるまま名を名乗り返した、パーカーの少女――――リベル】
【名を名乗り返したなら、リベルはファラエナの後に従い、その場を後にするだろう】

「(……やっぱり、あの光はこの子の……ファラエナの力によるものだったらしいなぁ……)」
<(……相当なものよねぇ、やっぱり……)>

【霧散していくその様を見ながら、リベルの中の別意識は、難しく何かを考え込んでいた】

【そのまま、ファラエナとリベルは道を行く。リベルの方から話を振る事は無くても、ファラエナからの言葉はちゃんと拾って返して行くだろう】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/14(金) 23:46:42.81 ID:zIc9Dbug0
>>983

【どこか遠くに夏の匂いが混ざる夜風、ひるりと渦巻く涼しさを受けて歩くなら、きっととても心地の良いはず】
【そんな心地よさをご機嫌のよさに変えて歩む道中、振っていくのはどうでもよさげな、ただ、確かに楽しかったのだろうお話】
【例えばこの前子猫さんと遊んだとか。例えばこの前に見た雲が不思議な形をしていたとか――そんな、いろいろ】

【――そうして歩く道筋、これ以上街に近づくでも、街から離れるでも、どちらでもない足取りは、ただ、しっかりとしていて】
【ちゃんと道を分かっているらしい。迷子になる不安はなさそうだとして――そんな風に案内するのが、おおよそ10分ほどか】

……ここなの!

【やがてたどり着く場所、ぽつぽつと廃墟が点在する中のその一つ】
【取り壊して瓦礫を撤去して、それきり放置されたらしい。家の基礎と、お粗末な塀と、それと――】
【――元は庭に植えてあったのだろう草花たち。傍らを見れば、雨水なりが溜まったらしい小さな泉のようなものまであって】

あのね、あのね、ここってね、とーっても不思議!
だってね、誰も居ないんだよ、誰も居ないのにね、こんなに綺麗でしょ!
だからね、ぜーったい! ぜったいね、“見えない何かがある”のなの!

【さび付いて崩れ落ちた鉄扉の隙間から潜り込んだなら、敷地の中にわーっと駆けて行く】
【ちょうど良さそうなところまでたどり着いたなら、両腕を大きく広げて振り返って――そんな風に、言うのだろう】

【見渡したなら、房で咲くバラの目が覚めるような真っ赤な色。ラベンダーの新芽にぽつぽつ息吹く紫色】
【地面との境目に引きちぎったようなプラ鉢を抱く木、まるで意思を持って狭い世界から脱走したかのようで】
【絨毯を敷いたようにふわふわと生えるクローバーの緑に映える白いまぁるいお花、さらと風に揺れて】
【それだけじゃない。いろいろな花が、草が、萌えていて――  ――ただ、少女の求めるものとは、違っていたはずだ】

【確かに誰も居ない廃墟、こんなに綺麗と言うのは確かにそうだが、超常現象的産物ではない】
【実際よく見れば手入れの足りなさから弱っているようなものもいくつかあったし――植物の生命力で説明が付く】
【それでも。それなりの体面を保ってこれだけ咲き誇っているなら、確かに幼子の瞳には不思議と見えるのかもしれなくて】
【「透明人間さんがお世話してるのかなー?」なんて。そんな風に呟くのが、ひどく呑気な声色だった】
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/14(金) 23:49:13.12 ID:fgpRV/BXo
>>982
【ピアス男は、一瞬、訝しげな表情を浮かべる】
【自分のような風体の人間に声をかけられれば、青年のような反応をするのが一般的だろう】
【女性の、期待感を露わにした表情は、ピアス男にとっては不可思議に見えたらしい】

【すぐに、表情は元の笑顔に戻る。下卑た気配だけは、隠しようもなく滲み出ているが】

いやあ、ただのゴミ拾いですよ。まだ使える物もいっぱい捨てられている
もったいないじゃあないですか。なら、あたくしが活用させていただこう、というわけですよぉ

【周囲に人の気配はなさそうだ。くすんだ鉛色の瞳が、青年の方に向く】
【腰のナイフホルダーと軍用ナイフ。女性の方はわからないが、少なくとも青年の方は心得があるらしい】

(多少リスクはあるが……連中の身なりに、この状況。見逃す手は、ねえなぁ……)

本業はこの通り、卑しいゴミ漁りなんですが……あたくしぁ、副業もやってましてね

このごろは、半魔だのなんだので、こっちの仕事はめっきりだったんですが……


【下卑た笑みが、獰猛な色を湛える。口元からはみ出す舌には、外周を埋める形でびっしりとピアスが】
【ピアス男が右手を後ろに回し、リュックのポケットに突っ込む。そこから、何か長いものが引き出される】
【いびつな棘に覆われたそれは、錆びた有刺鉄線だった。それを、右手に握り込む】

【男女の前で、右手と有刺鉄線が一体となった。と、次の瞬間、ピアス男の右手の指五本全てが】
【細長い有刺鉄線となって顕現した。軽く右手を振るうと、毒々しい錆び色のそれらは、鞭のようにしなり、砂浜を叩いて砂を散らせた】
【ゴミと自身の肉体を融合させて武器とする。ピアス男の有する能力】


……ここでお会いしたのも何かの御縁だと思って。持ってるもん全部、置いてってもらえませんか
おい、ブレインデッド。お前も、丁重にお願い申し上げろ

「か、か、金を出せ」

ハハッ、そうだ、それでいい


【ピアス男の背後から、もう一人の声がした。声の主が、ゆっくりとピアス男の背後から姿を現す】
【それは、人間の生首だった。生首が、宙に浮かんでいるのだ。ピアス男と同じ鉛色で、しかしより虚ろな瞳を男女に向けながら】

【ごつごつとした厳つい顔。血色の悪い肌。毛髪のない頭からは、内側にねじ曲がる形で、鉄の角が十数本生えており】
【太い鼻筋には、縦に並ぶ形で三本のボルトが刺さっている】
【首の断面はすり鉢状になっており、首周りには、鉛色の首輪がはまっている】


【要は、追い剥ぎ、強盗の類である。しかし、その能力、殺気は、そこいらのチンピラとも言い切れないものがあるだろう】
【ピアス男も生首も、凶暴性を剥き出しにした瞳をしている。その先には、青年。まず警戒すべきは、彼だと判断したのだろう】
【今は二人の返答を待っているが、いつ襲いかかってきてもおかしくはない気配だ】
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/15(土) 00:04:14.22 ID:4L/6Yuz20
>>984

(……今の季節……夏が近いのかな?)

【ファラエナの話題に答えながら道を往く途上、リベルは風の雰囲気からそんな事を考えていた】
【日増しに、徐々に暑くなってくるのを感じる。そして夜の爽やかな風は、季節の流れを感じさせる】
【――――抱えている特殊な事情。それ故に、彼女はそうした事柄に敏感だった】

……ここ? 着いたのかな……

【廃墟の前に立ち止まり、不思議そうに周囲を見回すリベル】
【こうした廃墟は、一部の物好きには特別な意味を持つのだろうが、リベルにそうした趣味は無いし、またファラエナもそうとは思えない】
【確かに、何らかの意味はありそうだが――――同時に、特段魔力などの感じも受けない】
【期待はずれだったか――――そう考える暇もなく、駆けていくファラエナの背中を慌てて追いかける】

あ――――ここ…………!

【着いた先、ファラエナのはしゃぐ姿を認めて、改めて周囲を見回すと、リベルも驚きの声を上げる】
【確かに、時が止まり死んだ様な印象を抱かせる建物とは逆に、生き生きとした姿がそこには溢れていて】
【純粋に、その気色に心を奪われたのだろう。そっとしゃがみ込んでしげしげとそれを見つめる】

「(……やっぱ、期待はずれだったみてぇだな。あの子の魔力の持ち具合からして、もしかしてって思ったんだけどよ……)」
(でも……とても綺麗。確かに、ファラエナちゃん……良いところを知ってるね……なんだか、満たされるなぁ……)
<(…………そうよね)>

【ふっと力を抜いたような表情で庭を見回すリベル。彼女の期待した意味合いには引っ掛からなかったが、それでも久しぶりにリラックスが出来た気がする】
【今まで張り詰めていたリベルの、久しぶりに安らいだ笑顔を感じ取ったのか、リベルの中の別な意識も、期待はずれと言うほどの落胆はしなかった】

ファラエナちゃん、良いところに連れて来てくれてありがとう……みんな、とても綺麗……

【素直な感想と、お礼を口にするリベル。目的こそ達成されなかったが】
【どこか嬉しそうな笑みを浮かべるリベルも、やはりまんざらではなかったのだろう】

……あ、でも今日はもう遅いね…………ファラエナちゃんは、帰らなくて良いの?

【ふと、空を見上げると、夜は一層更けてきたようで。リベルはファラエナに時間を確認する】
【いくらファラエナとは言え、保護者の存在ぐらいはあるだろうと考えて、それならこんな時間まで外に居るのは良くないのではないかと思ったらしい】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/15(土) 00:12:45.41 ID:tKx1BRrpo
>>985

【ピアス男から発されている卑下た気配】
【青年は妙な悪寒を覚える】

「(なんだ……悪い予感しかしねえ)」

はあ、私にはただのゴミにしか見えませんが……
世の中には色々な考えがありますからね

【男の答えに、女性は呑気に応じる】
【青年と違って警戒心というものがあまり無いらしい】

【一方、ピアス男の目線がはっきりと自分をとらえたことを確信した青年は】
【警戒をより一層強め、腰のナイフに手をかけた】

「副業……半魔?先輩、こいつは」

【青年が女性に何かを言おうとする前に、ピアス男が"能力"を発動する】
【有刺鉄線と化した男の腕が、砂浜を散らす】
【女性は飛んできた砂に思わず目をつぶり】

「金を出せ、か。完全に敵性能力者……だな。先輩、下がっててください」

【青年は二振りのナイフを抜き、逆手で構える】

【女性は砂が入った涙目を白衣の袖でゴシゴシし】
【眼を見開いた――その灰色の瞳は輝いていた】

手と有刺鉄線が合体!
というか1人かと思ってましたが、2人だったんですね!
それともそちらも能力の一部ですか?
ああ、聞きたいことが多すぎる!
持ってるもの全部は無理ですけど、お金ならたくさんお支払いしますから
もっと能力を見せてくれませんか!

「先輩!下がってって言ったでしょう!こいつらに何も渡す物はありません!俺が粛清してやりますから!」

【後ろでタブレットを構えテンションを上げる女性に青年は大声で言い】
【再びピアス男、と生首男に向き直り】
【ナイフを構えたまま、来るなら来いと言わんばかりに睨み付ける】
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/06/15(土) 00:23:07.04 ID:sg4U5krq0
>>986

【自分が教えた場所。秘密の場所。お気に入りの場所――喜んでくれたと察せたなら、どこか安堵したような吐息が一つ】

【葉っぱの緑。同じようでも、つやつやしていたり、さりさりしていたり、いろいろと違っていて】
【全部ひっくるめて花だなんて言うけれど、それだって全てが――同じ木に咲くものだって、違っている】
【そんな当たり前のことがひどく新鮮なことのように思えたのが、初めて来た日のこと】
【誰も世話なんてしていないはずの場所。こんなに綺麗で、不思議で、面白くて、――だから、連れてきて】

でしょ! あのね、あのね、秘密だけどね、リベルお姉ちゃんのお友達ならね、連れてきてもいいよ!
だってね、この子たちもね、ずーっと誰にも見てもらえないの……多分寂しいと思うな!
だからね、あのね、たくさん見てもらったら、きっとたくさん喜んでくれるよ、なの!

【いいところ。こくこくと首肯を重ねたなら、秘密とは何だったのか――言うほど、独り占めがしたかったわけでもないらしい】
【要するに立ち入りフリーだ。そもそも、他者を拒むものなど何も無いのだから、フリー以外になれるわけもなく】
【お花さんだって木ーさんだって、見てもらえたら嬉しいよね――なんて。自分を基準に置いた、拙い擬人化】
【時期が変われば草花も移ろうだろうし、もっとよぅく見れば他の草花もあるのだから。きっと、退屈はしないはず――】

ふぇ……、……あっ、

【――言われて初めて気付いたかのよう。ワンピースのポケットからずると引き摺り出すのは鎖で繋いだ懐中時計】
【ぱかと蓋開けて覗き込んだなら――ようやく、現在時刻を理解する。理解して、少しだけ慌てたよな素振りで、】

うーんっとね、あのね、帰るよ! なの!

えっと……またね、リベルお姉ちゃん!

【どうやら帰ると決めたらしい。或いは、定められた時間に掠っているのか、過ぎているのか】
【少しだけ名残惜しそうに紡ぐけれど。押す時間が止まってくれるわけも無く、ぱたと手を振ったなら】
【駆けるのは家の基礎のほう――そうするうち、小さな背中に陽だまり色の陽光が煌いて、】

【――蛹が羽化するように生え出る翼、羽ばたいたなら小さな体はふわと浮き上がって】
【バランスを取るように宙を一度旋回。もう一度手を振ったなら――】

またねー!

【そんな声一つ置き去りにして。小さな姿は、あっという間に街のほうへと飛んで行った、という】

/おつかれさまでした!
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/15(土) 00:33:09.47 ID:PeftEIDAo
>>987
【ここに至っても、まだ呑気に構える女性。またも怪訝な表情がピアス男に宿る】
【しかし、今は眼前の相手に集中すべきだ。青年の方は、はっきりと警戒心を見せている】

ひひっ、ひっひっひっひっひ……
半魔、ってのぁあれですよ、風の国でずいぶん派手に暴れ回ってる女の化け物、御存じありやせんかぁ?
テレビの放送で、堂々と姿を現してやがったようですが

ま、それは置いといて。どうやら、穏便に渡して下さるつもりは、ないようですなぁ……


【ナイフを逆手に構える青年、やはり素人ではないようだ】
【ピアス男も、戦闘態勢をとる。奇しくも、自分たちと近い色の瞳を輝かせる女性に対しては、もう訝しがることもやめたらしい】

こいつぁ、能力じゃありやせん。あたくしの手下ですよ。生首で生きていられるのは、あたくしの能力によるもんですが
で、旦那。お連れの方は、お金は下さるとおっしゃっていますが……、ああやはり、その気はおありでない

【女性の言葉に返答しつつ、視線は青年から逸らさない】
【こちらに強い意志を湛えた瞳を向ける彼に、汚らしい瞳で対峙する】

それじゃあ、お連れ様のご要望にお応えして……っと!!

【ピアス男が右腕を袈裟がけに振り下ろす。それに伴って、有刺鉄線の鞭となった五本指がしなり】
【ナイフを構える青年に襲いかかる。彼から見れば、左斜め上から、五本の凶器が迫る形になるだろう】
【もっとも、攻撃の軌道は単純、速度もさほどではない。対処はいくらでも取れるはずだ】


【生首の方も、行動を開始。虚ろだった瞳に、不気味な光が灯る】
【すると、ピアス男の周囲の砂浜に落ちていたゴミや流木の小さな破片が、宙に浮きあがった】
【比較的軽いものに限り、物体を空中に浮かせる能力。生首が浮いているのも、これによるものだと、察しが付くだろうか】

【浮遊する、漂流物は、速度はそれほどではないものの、男女を取り囲むようにゆっくりと空中に展開していく】
【ただのゴミでも、空中に固定した状態でぶつかれば、多少のダメージはある。これによって、男女の動きを制限するつもりだ】
【もっとも、所詮はゴミ。攻撃を加えれば、簡単にたたき落とされてしまうだろう】

【ピアス男の有刺鉄線と、生首の浮遊物体。どの順でどう対処するかは、青年の初手次第か】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/06/15(土) 00:38:40.10 ID:4L/6Yuz20
>>988

(……本当だったら、人の手で管理されて……もっと綺麗に咲いてるはずなんだろうけど…………
――――でも、こういうありのままの草花の美しさって……人の手じゃ、絶対に作れないんだよね……)

【始めは、その唐突な美しさに面食らっていたが、よくよく見てみると、やがてその歪さも見えてくる】
【廃墟の中で、人の手を離れた自然の、それは限界と言う他ないものであった】
【それでも、人の手の入らぬままに息づいているその姿には、他にかけがえのない力強さがあって】
【それを人の手で汚すのも、よろしくは無いだろうとリベルは思った】

え……あ、う、うん! そうだよね……

【――――ファラエナの言葉に、何故か慌てた様子で答えるリベル】
【何か、彼女の心を捉えるものがあったのか、曖昧に同意の返事を返す事しか出来なかった】

やっぱり、もう帰った方が良いよね。良かったら途中まで――――!?

【「途中まで送って行こうか?」――――そう言おうとしたリベルだが】
【唐突に、光の翼で飛翔するファラエナの姿に、それを最後まで言い切る事が出来なかった】
【そのまま、夜の帳に飛翔するファラエナの姿を見送って】

…………友達、かぁ…………
「(……早いとこ、元の世界に戻る手段を探さねぇとな……リベル)」
……うん、そうだよね…………
<(しっかし、あのファラエナって子には呆れたわね……随分と、底が深そうじゃない?)>
…………この世界、一体どうなってるんだろう……あんな子がアレだけの力を持ってるなんて…………

【――――異世界から迷い込んできた、たった1人の少女。リベル=アシェル】
【ファラエナの言葉に、ふと望郷の念を抱いてしまうが、その手段は今のところ不在で】
【家族も友人も、いわんや保護者となってくれる知り合いも居ないまま、彼女は1人、元の世界に戻る為の魔力――――『パワースポット』を探し続けていた】

「(……この家屋、適当な部屋に邪魔すれば、一夜の宿には十分なんじゃねぇか……?)」
あ……そっか、そうだね…………じゃあ、今日はここで寝ようか…………
<(また雑魚寝かぁ……って言って、リベル1人ならそれで良いのかしらね……)>

【名残惜しそうな視線を草木に向けながら、廃墟の中へと消えていくリベル】
【今日も今日とて、明日の為に休息しなければならないのだ。ファラエナの案内で辿りついた事場所を、仮の宿として】

/乙でしたー!
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/15(土) 00:59:37.84 ID:tKx1BRrpo
>>989

「半魔ねえ……そいつの話は知ってはいるが――
俺からしたら、目の前のお前らの方がよっぽどバケモノだ」

【有刺鉄線の腕を持つ男に、宙を浮く生首】
【能力とはいえ、青年にとって彼らの見た目は半魔以上に禍々しく感じられた】

「先輩、お願いだから離れててください。俺はあなたの護衛だ。絶対に傷を付けさせるわけには行かねえ」

……わかりました。安全地帯から観察させてもらうことにしますよ

【青年の懇願に、女性はようやく従い】
【少々離れた地点を目指して移動を始める】
【信頼しているのか、無関心なのか――青年を心配する様子は表面上は見られない】

「よし、離れてくれれば俺も少しは安心して戦えっ……!」

【青年が安堵した瞬間、生首男の能力か、周囲の瓦礫や流木が浮遊し】
【離れようとしていた女性もろとも2人を取り囲んだ】

やはりもう一人にも別の能力が!

「クソッ!囲まれたか!!ピアス野郎の攻撃が来る!先輩伏せて!!」

【有刺鉄線の腕が青年に振り下ろされ】
【青年は左手のナイフを斜め上方に構え、鉄線を受け止める】
【金属と同士がぶつかり、鈍い音が響く】

「(見た目の強度は大したこと無さそうだが……!)」

【残った右手のナイフで、左のナイフで抑えている有刺鉄線の腕を切断せんと】
【思いっきり斜め上に振り抜く】
【ナイフは脇差並に長く、鋭い。"ただの"有刺鉄線なら切断できるだろうが】
【腕と一体なったその強度は青年にとって未知】
【また、防御から反撃までの動作にラグがあるため、反撃を察知し、避けるなり新たな行動をとることは容易いだろう】

992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/15(土) 01:23:32.51 ID:PeftEIDAo
>>991
ひぃっひっひっひっひっひっひっひ!!!
確かにおっしゃる通り!! こいつは一本とられましたなあぁ!!

【青年の言葉がツボに入ったのか、ピアス男が大声で笑う】
【続く青年の言葉を受けて、距離をとる女性。少なくとも、見た目には動揺は見られない】

(それだけ信用がある、ってことかねえぇ……? この危なっかしい女の護衛なんだ、そりゃあ腕も立つだろうが……)

【一瞬、離れていく女性に目を向けるも、ピアス男はそれ以上の関心を示すことはない】
【なぜなら、すでに手下の能力は彼らを射程範囲内に置いているからだ】


ひっひっひ、さあて、どうなさいます!? 降参するなら、今のうち……っと、とお!!

【ピアス男の余裕の声が、乱れた。放った攻撃が、苦もなく受け止められたのだ】
【やはり、タダものではないらしい。さらに、続いて振りぬかれるナイフ。もともとは、錆びた有刺鉄線に過ぎない】
【あっさりと、それらは切断された。砂浜に落ちた有刺鉄線は、なんの反応も示さない、ただのゴミに戻る】

【短くなった有刺鉄線が引き戻され、元の男の指に戻る。わずかながら、血がにじんでいた】
【一体化したゴミへの攻撃は、ピアス男に対して有効なものであるらしい】


おお、いってぇ、これは見事なナイフさばきだ
投げるおひねりは生憎持ち合わせがありやせんが、代わりにこいつでもいかがですかい!!

【ピアス男が、次の一手に出る。左足を折り曲げ、右足だけで立つ形で、左膝を青年に向ける】
【膝の皿があるべき場所は、空洞となっていた。先ほどまでは何の異常もなかった膝が】
【そこから、水音と共に、何かが撃ち出される。腐臭と汚水を周囲に撒き散らしながら、青年へと飛来するそれは】
【腐った食材や、生き物の死体の一部らしきものまで混じった、生ゴミの塊であった】

【膝から、生ゴミを撃ち出す。これそのものに、攻撃力はほぼない。命中したところで、飛び散った生ゴミを身体に浴びるに留まる】
【強烈な悪臭と見た目の汚さによる不快感。見た目の攻撃性、などによる牽制狙い】


【本命は、生首の能力の方であった。浮遊するゴミ群は、少しずつ、だが確実に包囲網を狭めている】
【浮遊物の包囲網から青年の目を逸らせ、行動を制限したところで、ピアス男がとどめをさす】
【二人の異形共の浅知恵に、青年はどう対抗するか】
【生首は、ピアス男の横から動いていない。青年に遠距離攻撃の手段があれば、生首を狙い撃つことも可能だろう】
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/15(土) 01:57:29.76 ID:tKx1BRrpo
>>992

【青年の反撃は通り、有刺鉄線を切断する】

「傷は付いた……が、あの様子じゃ大してダメージは無いか」

有刺鉄線の腕を切断しても、戻った手の方は切断されてませんからね

「先輩、顔をあげちゃ危ないですよ!伏せててください!」

見逃せるわけないでしょう、こんな戦い!

【2人が言い合いながらも、刻一刻と状況は悪化する】
【周囲を漂うゴミが少しずつ距離を縮め】
【そしてピアス男は、次なる攻撃――生ゴミの砲弾】

「(どうする……どうする……!
奴らを攻撃しようにも、周りのゴミが邪魔だ……うかつに手は出せねえし
いや、今は考えてる暇がねえっ!)」

【飛んでくる生ゴミの塊。攻撃力はわからないが、自分が受け止めなければ女性にあたってしまう】
【となればとる行動は1つ】
【二振りのナイフを十字状に構え、生ゴミを受け止める】

「―― っ!!」

【ナイフに命中した生ゴミの塊は飛び散り、そのままほとんどが青年の体へと降りかかる】
【不快物質を上半身に浴びた青年は、思わずむせ、吐き気を催した】

「げほっ!!げほっ……!クソ……!」

とりゃー!

【その時、青年の背後で女性の声がする】

「先輩!?何をやってるんですか!?」

この浮遊ゴミ、ちょっと攻撃すれば叩き落せますよ!ほら!

【女性は持っていた黒いタブレットを高く掲げ、浮遊しているゴミの一つに振り下ろした】
【バコン、という小さめの打撃音がし、ゴミは地面に落下する】

「そのタブレットは大事なものなんじゃ……いやそれより、無茶しないでください!
本来ならどんな罠があるかわからないんですから!……でも、これならいけるかも」

大丈夫ですよ。このタブレットは特注品で装甲車並みの強度を持ってますから
ま、後は頑張ってくださいね(臭い……)

【青年は男たちの方を向き直り、大声で言い放つ】

「警告だ。今能力を解除するなら、警察か自警団に突き出すだけで勘弁してやる」

【それは自信か、ハッタリか――】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/06/15(土) 02:26:38.23 ID:PeftEIDAo
>>993
おおっと、こいつはちょいと当てが外れましたなあぁ……

【青年を多少なりとも怯ませることには成功したが、ここにきて背後の女性の活躍】
【生首の浮遊能力は、他者から受動的に触れられる場合には、それなりにダメージを与えられる強度を持つが】
【こうして、能動的に攻撃された場合は脆い。警戒心の薄さが、かえってこの結果を招いたのか】
【いずれにせよ、包囲網はもはや先ほどまでの状況ほど、意味をなさない】
【終始、女性を守ろうと行動している青年には、対して効果がない戦術となってしまったようだ】


最近のタブレットは、鈍器にもなるんですかい。はじめて知りましたよおぉ……
さあて、よろしくない状況ですなあ……

かといって、何もせずにとっ捕まるなんざ、御免被りますぜ!!
ブレインデッド!!

【ピアス男が、手下に向けて叫ぶ。すると、男女の周囲に浮いていたゴミが地面に落ちた】
【しかし、完全に能力を解除したわけではない。ピアス男の眼の前には、まだ複数のゴミが浮遊している】

【ピアス男が、それらに向かって両腕を伸ばす。浮かぶゴミが、次々にその両腕にまとわりついていく】
【最初の有刺鉄線と同じく、それらが両腕と一体化。流木の尖った先端や、打ち上げられていたガラス製品の破片など】
【ピアス男の両腕は、尖ったゴミが無数に飛び出した、太い鈍器の如き形状となった】


こうなりゃ、小細工抜きでやらせていただきますぜ!!

【軍用ブーツで砂浜を蹴り、ピアス男が青年に向けて走り出す】
【そのまま、両腕を前方に突き出す。このいびつな腕、勢いのままに突進されれば、無傷とはいかないだろう】
【だが、ナイフ使い、おそらくは接近戦を得手とするであろう青年に、無策で突っ込んだわけではない】

【先の言葉とは裏腹に、小細工は用意してある。青年が反撃に転じた瞬間。ピアス男は、能力を解除する】
【必然、両腕はただの腕に戻り、ゴミがその場に散らばる。そこで、生首が能力を発動。青年の眼前に、突如浮遊ゴミが出現する、という算段だ】
【浮遊ゴミは、能動的攻撃には弱いが、受動には強い。もし、青年が浮遊ゴミに突っ込んでしまえば、その肌を細かく裂かれることとなる】


【しかし、この浮遊ゴミの攻撃自体の殺傷能力は高くない。とどめは、やはりピアス男が狙う】
【とはいえ、実際の攻撃は、浮遊ゴミのフェイントに青年がアクションを起こした後になるだろう】
【どの道、ピアス男にとっては、青年に接近する不利は避けられない。多少、分の悪い賭けと言えるだろうか】

【青年が、ピアス男の突進にどう対処するか。接近戦を挑んだとして、フェイントの浮遊ゴミ攻撃は通用するか】
【成否は、青年にゆだねられる】
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/15(土) 02:56:23.30 ID:tKx1BRrpo
>>994

「ま、諦めてくれるわけは無いよな」

【2人の周囲に浮遊していたゴミが落下し】
【ピアス男の両腕はゴミと融合し――異形を作り出す】

「こりゃあ、喰らったらやばそうだな。先輩、今度こそちゃんと……ってもう離れてるか。
良かった」

【女性は浮遊ゴミが落下すると同時にさっさと青年から距離を取った】
【青年が発する悪臭のためなのだが、青年にとっては結果オーライか】

【ピアス男が両腕を突出し突進してくる】

「こっちは悪いが、小細工――能力使わせてもらうぜ」

【相手の突進に応ずるように、青年もナイフを構え走り出す】
【そして、2人が激突する瞬間】
【先ほどのようにナイフでピアス男の両腕を受け止めると見せかけ――】
【右足を軸に体を半回転させ、左足で蹴りを繰り出すが】

「!!」

【突如、ピアス男の両腕のゴミがバラバラになり、浮遊する】
【まんまと相手の策にかかったわけだが、青年は攻撃の際に「能力」を発動していた】

【それは、「自分にかかる重力の方向を変える力」であり】
【室内戦であれば、重力の向きを横や上にすることで壁や天井を歩くことを可能にするが】
【このような砂浜では、使用方法は限られる】

【つまり、青年は自らにかかる重力をピアス男の方向に変え】
【高所から飛び降りて踏みつけるに等しい、威力と勢いを持つ蹴りを放った】

「うぉぉおお!!」

【それは前方に「落下する」ことと同義で】
【複数の浮遊ゴミにぶつかりながらも、勢いは落ちず、命中すれば強力な一撃となるはず】
【しかし、同時に落下速度で浮遊ゴミにぶつかるため】
【攻撃の成否にかかわらず、行動後の青年は肌を裂かれるどころか、致命傷を負っているだろう】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/06/15(土) 03:16:19.13 ID:PeftEIDAo
>>995
さあぁさあ、打ち捨てられてボロボロになったゴミの気分を味わってもらいやしょうかあぁ!!

【すでに距離をとっている女性には目もくれず、叫びと共に突進していくピアス男】
【生ゴミ砲弾のおかげで女性が離れる結果となったのは、想定外だったが】


(おおっと、ここに来て能力……発動前にどうにか出来りゃあいいが、そう上手く行くか……!?)

う、おお!? ぐはっ!!

【蹴りから何かを発動するのか、と身構えたが、間違いだった。能力は、この場においては攻撃を補助するためのものであり】
【この蹴りの一撃こそが、必殺だったのだ。ピアス男は、両腕を擦り抜けて自身へ迫りくる蹴りの勢いに対処できず】
【高所からの踏みつけと同等の一撃を、まともに胸部に食らった】
【短い苦鳴と共に、ピアス男が後方へ吹き飛び、砂浜に転がった】


げ、は……なかなか、に、……えぐい、こと、を、なさる……

【痛みにうめきつつ、どうにか切れ切れに言葉を発する。自身の小細工を、文字通り真正面から打ち砕かれた】
【青年も、その身に小さくない傷を負ったようだが、ピアス男はもはや戦闘不能だ】

「ぬ、ぬ……」

【この事態に動揺したか、それまで無言で能力を行使していた生首も、うめきを発する】
【直後、能力を解除。ゴミは全て地面に落ちた】


げ、あ……こう、なっちゃ、仕方ねえ……
退散、させて、いただきやす、ぜ……

「か、か、顔は、お、お、覚えたぞ」

【そろって捨て台詞を吐くと、またも生首が能力を発動。二人の悪漢の周囲の砂やゴミが舞い上がる】
【それらが地面に落ちた時には、二人の姿は消えていた】

【不届きな、異形の暴漢どもは、見事、青年に撃退される結果となった】


/すみません、そろそろ眠気があやしいので、このあたりで締めでお願いしたく
/ありがとうございました!!
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/06/15(土) 03:45:09.63 ID:tKx1BRrpo
>>996

【青年の蹴りは命中し】
【相手にダメージを与えることに成功した】

【砂浜に転がるピアス男】
【しかし、青年のダメージも深刻だった】

「はぁ、はぁ……」

【全身を走る無数の裂傷】
【黒に包まれた格好は、今やほとんど赤に染まっている】

「まだ、生首が……」

【だが倒したのは一人だけ、相手はもう一人残っている】
【青年は生首男と相対しようとするが、もはやナイフを握る力も立ち上がる力も残っておらず】

「くっ……」

【その場に膝から崩れ落ちた】

【ピアス男と生首が再び能力を発動するが】
【それは退散のための目くらましだった】

【敵が去った砂浜に倒れ込む青年に、女性が駆け寄ってくる】

大丈夫ですか?はあ、良かった、生きてますね

【終始心配するような表情はしていなかった女性だが】
【ほっと、安堵したような表情を青年に見せる】

今、救急を呼びましたから
少し辛抱してくださいね

「ぁ……あいつら、捕まえねぇと……」

もう大丈夫ですよ。能力もしっかり観察できましたし
とにかくしゃべらないで安静にしてください

【青年が病院に運ばれ、容体が安定するまで】
【激臭に関わらず女性はつきっきりで青年の傍にいたという――】


/お疲れ様でした!
/楽しい戦闘でした、ありがとうございました
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2013/06/15(土) 19:20:42.26 ID:rOUily5wo
【町外れ――】

「ZZZ…………」
『……はァ、こォーして寝てっ時は大人しくて良いんだけどよォ』
『ったく、素直なんだか頑固なんだかはっきりしろっつゥーのッ』

【ぬるい風が優しく吹き、草原が広がるこの場所の樹の下に、幾つかの影があった】

【一人は、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代半ばの男】
【ハーフ顔で優しげな目付きをしていて、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【服装は、ほんのり青いタンクトップに、紺色のジーパン(ストレッチタイプ)】
【両手足には指が出るタイプのグレーのグローブ的なものがはめられており】
【紐タイプの無難な黒ベースの運動靴を履いており、頭部と両腕には赤色の鉢巻が巻かれていた】

【スヤスヤと眠っていて――その体勢は、体育座りのまま横に倒れたかのような形だ】

【もう一人は、ぱっと見三白眼の強面で、約190cmで細いが引き締まった体型で30代後半の男だ】
【一重かつ褐色虹彩で、髪型は整っていないリーゼントもどき、姿勢はやや猫背気味】
【やや派手目の金色模様がある黒いコートに、エメラルドグリーンで波のような模様のあるシャツ、紺色のジーパン、白い靴下】
【改造されたベルトにより左腰に差された木刀、左手首には腕輪のように鈴が身につけられている】

【まだ起きているようで――その傍らには、奇妙ななにかが居た】
【それは額に竜のような鰭を1つ持った鱸の頭に、海水を主としたゲル状の物で出来た人の様な姿を持つモノ】
【手の甲や背には魚の背鰭が、踵上部には魚の鰭が、尻には魚の尾があり】
【頭部や尾、鰭の断面は虚空の様に見え、ゲル状の物がそこから出ていて――生えていると言った方が適切か】

{コンナ奴ノ相手シテル御前モ御前ダロ}
『……ふん、こんな鬱野郎を野放しにしておけっかよ――ま、周りに迷惑かけられちゃ困っしな』
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/06/15(土) 21:22:59.17 ID:RLT1hF7Ho
【水の国───夜の帳が訪れた後の港町には、潮の匂いと漣の音漂う】
【大きな船が船舶した倉庫には、不気味な城の様にコンテナが立ち並び、迷路さながらの入り組んだ人工物の間を街灯の光がすり抜ける】
【───こんな場所にいるのは、集まるのは、良い奴ら≠ナはないのは決まっている】

【潮風に乗って獣の匂いも漂う、獣なんている筈もない、姿なんて無いのに、確かに漂う匂い。聞こえる微かな唸り声】
【───いや、確かに獣はいた。門兵の如く二匹の獣が…獣人が立っている】
【黒いスーツを着たライオンとトラ、二匹の獣人が、辺りを見張っていた】

【見張り───つまりそこには、見張るだけの価値がある何かがある証明】

【ヒクリ。ライオンの鼻が何かの匂いを捉える、二匹の獣がそれを見た】
【そこにいたのは一人の人間、黒いスーツに身を包み、右目に眼帯を付けた人間の男】
【撫で付けた黒い髪を撫でて整えた右手をそのまま、腰に提げた機械刀にかける───爪痕柄のネクタイが風に揺れた】
【眼帯に刻まれた『紅い剣を咥えた黒い狼』の模様が視線を引く───白銀の刃が姿を表すにつれて、獣人二匹は警戒を増して行く】

───邪魔するぜ、チケット代わりに取っとけ

【男が白銀の機械刀を抜いた刹那、二匹の獣人はその場のコンクリートごと吹っ飛んだ】
【物凄い爆音、そして焦げ付いたコンクリート、それらを齎したのは、男の遥か後方から打ち出された黄金の魔弾である】
【目立つ音と共に入口を片付けた男は、更に足を進める───その前に、後ろに何が来ようとも】
【君は男に気付き何かアクションを起こしてもいい、話し掛けてもいいし、無言で追い掛けてもいい】
【男が奥に向かった後で、現場を見てアクションを起こしてもいい、何をするかは君次第だ】

【───ただ、一部の人間はこんな噂を聞いているかもしれない】
【この時間、この場所で、D.R.U.G.S.のマフィアの一団が、奴隷取引を行うと───】
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/06/15(土) 21:23:08.85 ID:pgPhDyayo
次スレ
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1370958214/
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
【事業仕分け対象の】AA/雑談 40 【避難所】 @ 2013/06/15(土) 21:12:44.56 ID:SBz4UoE6o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1371298364/

エレン「スタンド能力?」 @ 2013/06/15(土) 21:12:42.29 ID:mrO9vSI50
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371298362/

未央「プロデューサー、相変わらずぶつかり稽古に精が出るねぇ」 @ 2013/06/15(土) 21:06:03.21 ID:yejQwxJX0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371297963/

嫁宣言して嫁AAにお断りされなければ結婚A雑スレ〜夏バテ編〜 @ 2013/06/15(土) 21:02:33.58 ID:WvXDPauPo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1371297753/

ここだけ異世界の魔法学校 コンマ00で魔物発生 @ 2013/06/15(土) 20:58:44.43 ID:s4wFZeQaO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1371297524/

アマテラス「悪魔召還プログラム」 @ 2013/06/15(土) 20:46:58.53 ID:LHdZLMSO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371296818/

岡崎泰葉「幸せについて本気出して考えてみた」 @ 2013/06/15(土) 20:37:41.63 ID:ISvIyH7No
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371296261/

絹旗「超フラペチーノ」 美琴「超ティーラテ」 @ 2013/06/15(土) 20:34:43.79 ID:Yw91+hto0
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