■■「私が、佐久間まゆ、ですか?」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:17:59.23 ID:Oy6YgigW0
「最初はね、バカみたいなことだと思ったんだ。だって、君は実態を持たない存在だ。佐久間まゆだって、実際に存在したかもわからない」
 それは、狂人の御業だったと思います。本来存在しない存在を、作り出そうと言うのだから。
「でも、僕は恋い焦がれたんだ、佐久間まゆと言う存在に。どうしても、一目、佐久間まゆを見たかったんだ」
 残った生命を絞り出すように、あの人は叫びます。
「だって、この朽ちた世界で初めて眩しいと思ったんだ、『佐久間まゆ』と言う存在が。それを手にしたいって思うのは、当たりまえだろ!」
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:19:04.12 ID:Oy6YgigW0
 まゆは、あの人の遺骸を抱くこともできません。

 ただ、あの人の体温が消えていくのを、見ているだけ。
 ただ、あの人の肉が腐り落ちていくのを、見ているだけ。
 ただ、あの人の骨が朽ちていくのを、見ているだけ。
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:20:06.06 ID:Oy6YgigW0
◇◇◇

 ある人がいいました。
 君は不幸ではないかと。

以下略 AAS



23:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:20:38.57 ID:Oy6YgigW0
◇◇◇

 波紋が生まれた。 

 音声情報が届いた。
以下略 AAS



24:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:21:59.60 ID:Oy6YgigW0
「我々は、汎銀河文明地球種団体所属の……あー、旧文明の遺産をサルベージに来た調査団体だ」
 視覚情報が、更新されました。
 目の前には、変なスーツを着た人間。勝手に、プロデューサーの端末を操作しています。
「なんだこの膨大なデータは!」
「あの、まゆのログを勝手に見ないでください!」
以下略 AAS



25:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:23:04.40 ID:Oy6YgigW0
―――そして、再び、幾星霜を経て。

 地球から離れた遠い銀河。星の海を背に、一人のアイドルが星屑のステージに立つ。
「こんにちは、佐久間まゆです」
 宇宙に浮かぶコロニーから。
以下略 AAS



26:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:23:58.85 ID:Oy6YgigW0
以上となります。お付き合いいただき、ありがとうございます。
アイドル達ってどこまで行けるのかな、と考えた時に、宇宙の果てまで吹っ飛んでました。

少しでも、楽しんでいただけらのでしたら幸いです。


27:名無しNIPPER[sage]
2016/11/27(日) 01:43:51.88 ID:+JO0x2bso
凄い
面白かった乙


28:名無しNIPPER[sage]
2016/11/27(日) 02:07:31.17 ID:Fd77w6B/o
良かった。感動した。乙


29:名無しNIPPER[sage]
2016/11/27(日) 02:20:02.02 ID:BA4iL4tRo
SFだなぁ……よかった。おつ!


30:名無しNIPPER[sage]
2016/11/27(日) 02:50:16.52 ID:RdhbD2cFo
これはいい
おつ


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