俺「アンチョビが画面から出てきた」
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18: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:07:34.47 ID:ema8T1+O0
「――まぁ、助かるなら、決まりですね」

 悩んだところできっとアンチョビの答えは変わらない。
 だからさっさとそう言ってしまうと、彼女もすぐに言葉をかえした。

以下略 AAS



19: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:09:02.26 ID:ema8T1+O0
「じゃ、そうと決まれば時間もない。とりあえず日用品を揃えなきゃいけないよな。俺が買うのも何だから安斎さんの方で見繕ってきてよ」

「安斎じゃない! アンチョビだ!」

「あぁ、そこはアンチョビで通すんだ。了解です。はい。アンチョビさんで」
以下略 AAS



20: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:11:10.06 ID:ema8T1+O0
「店を出て右手へずっと歩いて行くと――ええっと、でっかいショッピングモールがあるから。アンチョビさんはそこで必要そうなものを買ってきて。俺はその間に部屋を片付けとくから」

「お、おう」

「まぁまずはお金を卸しにいきますか。あんまり手持ちもないので」
以下略 AAS



21: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:13:39.58 ID:ema8T1+O0
 アンチョビが我が家へ戻ってきたのは4時間後――16時頃のことだった。

 部屋の整理も初めは2時間もあれば終わるだろうとたかをくくっていたのだが、漫画を段ボール5箱ほど詰めたところで時間切れとなった。
 処分する漫画の選別をしたり、懐かしくて読み返したりなどしていたせいである。
 つくづく駄目人間だ。
以下略 AAS



22: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:16:38.05 ID:ema8T1+O0
 さて、これで居住空間は確保できた。衣食住の、『住』だ。

 寝具についてはあいにく寝袋と毛布くらいしかなかったので、注文した布団が届くまではこれで我慢してもらう。
 俺のベッドは同人誌や脱ぎ散らかした衣類だらけの寝室にある。申し訳ないけれど貸すことはできなかった。

以下略 AAS



23: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:17:56.85 ID:ema8T1+O0
「そんなら俺、ちょっと調理道具買ってくるよ。そういえば食器もないし食器も。何がいるの?」

「おー、それが良い。ひとまずお皿にフォークに、包丁とまな板、フライパン、あとは鍋だな。あ、それと調味料もないよな? まず塩とコショウと――」

 アンチョビの並べる名詞が思いのほか多いので慌ててメモる。
以下略 AAS



24: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:19:47.63 ID:ema8T1+O0
 自転車でららぽーとへ。
 言われたものを購入して家へ戻ると、19時すぎだ。

「急いで作るからな」と言うアンチョビは30分ほどで調理を終える。

以下略 AAS



25: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:22:39.66 ID:ema8T1+O0
 2017年11月6日。月曜日。
 少しだけ痛みの残る頭を抱えながら寝室を出ると、普段の我が家にはない香りが漂っているのに気付く。

 違和感を覚えながらもシャワーを浴びて洗面室でじゃこじゃこと歯を磨いていると、「おはよお」と声が聞こえた。
 視線を送ると、ドアの隙間から半分だけ、彼女が綺麗な顔を覗かせている。
以下略 AAS



26: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:24:56.74 ID:ema8T1+O0
「じゃ、会社へ行くので」

 ドアごしに洗面室の中へ声をかけると、すぐさまアンチョビの声が返ってきた。

「もう行くのか!? 朝食はどうした!?」
以下略 AAS



27: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:27:27.36 ID:ema8T1+O0
 電車に揺られて新宿の会社まで1時間強。

 顧客から仕様の詳細を聞き出したり、コードを書いたり、部下のコードをレビューしたり打ち合わせしたりなどしていたら夜が更けていた。

 リリースまで一ヶ月と少し。問題は山積み、追い込みの時期である。
以下略 AAS



28: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 22:30:59.18 ID:ema8T1+O0
 SNSで「夕飯いらないので」と伝えておいた(スマホは俺の予備端末を貸した)のだが、キッチンからはトマトの香りが漂ってきている。

 アンチョビも食べずに待っててくれていた(天使か)し、俺の分を捨てるのももったいないし、なによりアンチョビの手料理なら是非いただきたい。
 遅めの夕食とあいなった。

以下略 AAS



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