【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
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37: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/08/18(日) 02:42:42.75 ID:oj63shz20
「うむむ……」
 どうにも落ち着かない気分になってしまった。

 彼女たちから見た俺自身の働きぶり。その沙汰が下ると思うと、腹の底がむずむずとしてくる。さっきまでの浮かれた気分とは違う。期待と緊張がせめぎ合っていて、わずかに期待感が勝っている。そんな判然としない高揚感を胸の内に感じていた。

「プロデューサーさん、なんだか小学生みたいですね〜」
 はづきさんが言った。

「成績表が帰ってくる前の、そわそわした子みたいな〜」

 言い得て妙だと思った。小学校の成績表、たしかにそうかもしれない。無邪気に、気負いもせず、成績表が渡されるのを待っていたのは小学生の時ぐらいではなかったか。

「それじゃあプロデューサーさん、おでこを出してください。あっ! あと、少しかがんでくれるとありがたいです」

 昔のことに思いを馳せているうちに、彼女たちの審議は終わっていた。代表して智代子が俺の前に立っていた。後ろ手で何かを隠していた。

「構わないが……何をするんだ?」
「さっきのお話は聞かせてもらいました。ちょうどいいので、プロデューサーさんには、これを差し上げます!」

 智代子は自分の口で「じゃじゃん!」と効果音を入れて、スタンプケースを掲げた。蓋は既に開いていて、中にあるスタンプが見える。順序良く並んだそれらは、右から『たいへんよくできました』『よくがんばりました』『もうすこしがんばりましょう』……などと書かれていた。文字を囲むフレームは桜をかたどった形になっている。

「智代子、よくこんなの持ってたな」
「放課後クライマックスガールズですからね。学校イメージの小物は色々と準備してるんですよ。ツイスタにアップするときに便利なんです」

 えへん、と智代子が胸を張った。スタンプケースの左端には、同じフレームで文字が『チョコレート!』のスタンプもある。明らかに特注品で、思わず笑みがこぼれた。同時にその勤勉さに舌を巻く。


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