47:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:36:15.34 ID:XVB8s0iW0
 エーシルは紛れもなく 
 原初OMNE継承者の中でもっとも強大だった。 
 また原初OMNEの中心核が素体であるために、 
 その力の性質も全OMNE中において最上だった。 
  
48:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:36:43.00 ID:XVB8s0iW0
 またこうした力の強さのみならず、 
 正統性も他のOMNE級とは一線を画していた。 
  
 確かにジュベレウスやクイーンシバも 
 原初OMNEの後継者、もとい「生まれ変わり」たる正統性はあったが、 
49:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:37:20.18 ID:XVB8s0iW0
 この突如出現した超越者には、光と闇双方が震撼した。 
 侵犯者たちすらもその力に恐怖を抱いた。 
  
 例えば、アルゴサクスやムンドゥスは、 
 その「具現」や「創造」の力によって不死性を得ていたが、 
50:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:37:59.17 ID:XVB8s0iW0
 混沌界の出現は時代を一変させた。 
 エーシルは自ら作ったこの世界に引きこもっていたが、 
 それでも存在しているだけで全てに絶大な影響を及ぼした。 
 原初OMNE中でもっとも強いゆえに、 
 著者のごとき現実への干渉力ももっとも巨大だったからである。 
51:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:38:40.29 ID:XVB8s0iW0
 2 『人間』 
  
 エーシルは光と闇の戦いに直接介入しなかったが、 
 関心がないわけではなかった。 
 むしろ最終戦争も含めてあらゆる混乱を収めるためにも、 
52:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:39:20.17 ID:XVB8s0iW0
 こうしてエーシルによって構築された混沌界は、 
 新たな生命圏を育んでいくこととなった。 
 まずは結晶化した混沌の中から、 
 エーシルの長子たる『混沌界の神々』が生じた。 
  
53:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:39:47.08 ID:XVB8s0iW0
 そうして混沌界に生命が溢れた。 
 草木が現れ、虫が現れ、獣が現れ、 
 最後にエーシルの次子たる種が生まれた。 
  
 『人間』である。 
54:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:40:14.07 ID:XVB8s0iW0
 待望した次子の誕生、しかし喜びも束の間、 
 その生まれた彼らを見てエーシルはすぐに嘆いた。 
  
 人間は知性種になるはずだったが、 
 生まれてきた彼らには自我が備わっていなかったからである。 
55:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:40:40.43 ID:XVB8s0iW0
 そこでエーシルは自らを裂き、 
 この障害となる悪意を己から切り離すことにした。 
 結果、彼そのものが二つに分離することになった。 
  
 人間の自我を認める「ロキ」、そして認めない「ロプト」である。 
56:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:41:07.97 ID:XVB8s0iW0
 こうして善意を存分に発揮できるようになったロキは、 
 すかさず人間のために大胆な行動に出た。 
  
 己のOMNEの力、観測の権限たる『世界の目』を二つにわけると、 
 それらを人間に授けたのである。 
57:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:41:34.78 ID:XVB8s0iW0
 だがロキは躊躇わなかった。 
 それほどまでに人間を愛していたから。 
 そして『世界の目』が人間に与えられた。 
  
 人間たちは観測しあうことで互いに認識し、 
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