過去ログ - 唯「ボディがお留守だよ!」
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401:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 21:56:30.99 ID:JtPSIUAO
梓「鳥……?」

 空すらも覆い尽くさんとする紅蓮の鳳凰がそこにいた。
 熱風が吹き荒れ、極光が迸り、爆炎が飛来する。
 始めから和が持ち掛けた交渉など意味を成していなかったのだ。
以下略



402:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 21:57:09.12 ID:JtPSIUAO
和「さしずめ山崩し、いや……」

 天を衝かんとする氷山を見てほくそ笑み、和は訂正する。

和「『天崩し』ってとこかしら」
以下略



403:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 21:57:50.30 ID:JtPSIUAO
 起伏した凍土がみるみるうちに溶けてゆく。
後藤がその右腕に宿した鳳凰は絶えずその命を燃やし、肥大した。

後藤「それがてめーの奥の手かぁ!? ちゃんちゃらおかしいったらないぜ!!」
以下略



404:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 21:58:28.96 ID:JtPSIUAO
 天崩しが破られたというのに、何故か和の表情は何かを成し遂げたかのような安堵感を滲み出していた。
突き立てた刃から手を離し、未だ握ったままの梓の手を更に強く握り締めた。

和「強がったところで結果は決まってるのよ。不滅なんて存在しない、そんな幻想は私達が殺してあげる」
以下略



405:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 21:59:07.41 ID:JtPSIUAO
 静粛に、厳粛に、けれども力強く、梓はその鍵語を呟いた。

梓「エピソード」

 刹那、撃ち出されたのは風の咆哮だった。
以下略



406:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 21:59:50.49 ID:JtPSIUAO
 否、分かりたくなかっただけなのかもしれない。
ぼんくらだと評した無力な少女の手によって、自分が地に膝をつけられているという事を。
 大きな咳が漏れる。
精神力だけで溜め込んでいた血液がそれと同時に噴き出した。
以下略



407:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 22:00:28.97 ID:JtPSIUAO
 勝って兜の緒を締めろ。古い人間はよく言ったものだ。
 どれだけ鍛練を積んでも自分の勝利を確信した瞬間の気の緩みを払拭することは難しい。
その一瞬の隙を、和は欲していたのだ。

後藤「くくっ……。くははははっ……!」
以下略



408:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 22:01:11.71 ID:JtPSIUAO
梓「屑な大人……。はたしてそうでしょうか?」

 主君を裏切り自分の利益を優先した後藤を、何故か梓は罵倒する事が出来なかった。

梓「ムギ先輩が貴方達従者衆の名前を呼ぶ時、とても悲しそうな顔してました」
以下略



409:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 22:01:51.43 ID:JtPSIUAO
後藤「なんてザマだよ……。なぁ俺……ふざけてんじゃねぇよ……!」

 求めていたものは近くにあった筈だった。
壮大な夢を語る後藤の真の望みは、籠の中の鳥に世界を見せてあげたかっただけなのだ。
 側にある朧気な理想を見限ったのは、他でもない自分自身だった。
以下略



410:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/06(木) 22:02:32.49 ID:JtPSIUAO
 荒い息遣いを背にして梓は和の元へと戻ってゆく。

梓「…………」

 一つの意志をこの手で刈り取ってしまった。
以下略



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