429:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:00:28.24 ID:Tb15Mm0AO
澪「くっ……!」
言わば難攻不落の要塞であるその領域の中に、タナトスの爪はあっさりと侵入してきた。
澪は咄嗟に刀を盾にし、それを中心に氷の壁を形成する。
だがそれでも澪の身体の数十倍はある爪の勢いは消えず、力任せに大きく押し出された。
430:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:01:05.04 ID:Tb15Mm0AO
澪「はっ……はっ……」
餌をねだる犬のような息遣いは次第にその声色を変える。
澪「ははっ……はははっ!」
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2011/01/10(月) 17:01:44.20 ID:Tb15Mm0AO
地に突き立てた刀を引き抜き、タナトスにその切っ先を向ける。
タナトスはそれをじろりと見つめると、耳を劈く咆哮を上げた。
澪「負け犬の遠吠え、だな」
432:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:02:19.55 ID:Tb15Mm0AO
不安定な足場はタナトスの身震いによって更に不安定となる。
やがて呻き声を上げたタナトスは首を大きく震わせ、澪の身体を宙に投げ出した。
赤い瞳が妖しく輝く。
大きく開いた口からは巨大な砲台がせり上がってきた。
433:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:02:58.46 ID:Tb15Mm0AO
その身に風を纏い、敵の牙城を駆け抜ける。
立花 姫子と佐伯 三花は順調にその歩を進めていた。
姫子「待って。そこは右に曲がって」
434:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:05:35.79 ID:Tb15Mm0AO
姫子「……っ!」
そうこうしている内に視界の奥で数名の人影が蠢き出した。
それぞれの手には重々しい銃器がある。
435:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:06:39.48 ID:Tb15Mm0AO
怒号を上げてトリガーを絞る男達が一人、また一人と倒れてゆく。
鋭利な爪が貫くのは足、手の甲、どれも急所ではなく、しかし動きを抑制するには充分な箇所だった。
三花「しかも歯応え無いし──」
436:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:07:34.30 ID:Tb15Mm0AO
爆発音、男達の悲鳴、飛び散る血が阿鼻叫喚の地獄絵図を造り上げる。
抱き合うように倒れ込んだ姫子と三花はその光景に思わず身震いした。
三花「なに……これ……」
437:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:08:27.92 ID:Tb15Mm0AO
大方本人達に知らされてなかったのは自爆ありきの特攻でそれを悟られないようにする為だろう。
十個の歩兵で一個の金将を落とす。
姫子はまるで将棋盤の上に立たされているような感覚に陥った。
姫子「直ぐ此所から離れるよ」
438:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:09:16.75 ID:Tb15Mm0AO
相手がどのシチュエーションでどんな行動を取るか、いちごにはそれが全て分かっている。
例えば桜高の全校生徒が購買を利用するとして、彼女にかかればその全員が何を買うかも分かるだろう。
極端な話、いちごは姫子達の眼球の動きすら把握出来るのだ。
姫子「胸糞悪過ぎるよ……!」
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