432:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:02:19.55 ID:Tb15Mm0AO
不安定な足場はタナトスの身震いによって更に不安定となる。
やがて呻き声を上げたタナトスは首を大きく震わせ、澪の身体を宙に投げ出した。
赤い瞳が妖しく輝く。
大きく開いた口からは巨大な砲台がせり上がってきた。
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2011/01/10(月) 17:02:58.46 ID:Tb15Mm0AO
その身に風を纏い、敵の牙城を駆け抜ける。
立花 姫子と佐伯 三花は順調にその歩を進めていた。
姫子「待って。そこは右に曲がって」
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2011/01/10(月) 17:05:35.79 ID:Tb15Mm0AO
姫子「……っ!」
そうこうしている内に視界の奥で数名の人影が蠢き出した。
それぞれの手には重々しい銃器がある。
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2011/01/10(月) 17:06:39.48 ID:Tb15Mm0AO
怒号を上げてトリガーを絞る男達が一人、また一人と倒れてゆく。
鋭利な爪が貫くのは足、手の甲、どれも急所ではなく、しかし動きを抑制するには充分な箇所だった。
三花「しかも歯応え無いし──」
436:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:07:34.30 ID:Tb15Mm0AO
爆発音、男達の悲鳴、飛び散る血が阿鼻叫喚の地獄絵図を造り上げる。
抱き合うように倒れ込んだ姫子と三花はその光景に思わず身震いした。
三花「なに……これ……」
437:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:08:27.92 ID:Tb15Mm0AO
大方本人達に知らされてなかったのは自爆ありきの特攻でそれを悟られないようにする為だろう。
十個の歩兵で一個の金将を落とす。
姫子はまるで将棋盤の上に立たされているような感覚に陥った。
姫子「直ぐ此所から離れるよ」
438:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:09:16.75 ID:Tb15Mm0AO
相手がどのシチュエーションでどんな行動を取るか、いちごにはそれが全て分かっている。
例えば桜高の全校生徒が購買を利用するとして、彼女にかかればその全員が何を買うかも分かるだろう。
極端な話、いちごは姫子達の眼球の動きすら把握出来るのだ。
姫子「胸糞悪過ぎるよ……!」
439:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:10:06.76 ID:Tb15Mm0AO
姫子「ねぇ、小銭かメダルとか持ってない?」
三花「小銭?」
突然の問い掛けに三花は訝しげに首を傾げた。
440:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:10:46.17 ID:Tb15Mm0AO
三花「そんなので何するの?」
姫子「こうするんだよ」
クッキーを壊れない程度に優しく指で弾き、手の甲で受け止める。
441:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/10(月) 17:11:40.15 ID:Tb15Mm0AO
こちらの行動が全て見抜かれているのならばその動きを運否天賦に任せれば良い。
無論行く手全てに罠を仕掛けられている可能性もあるが、何もしないよりかはマシだろう。
姫子「良い目が出てると良いけどね……」
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